JP7539802B2 - トナー、トナーカートリッジ、画像形成装置 - Google Patents
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Description
しかし、結晶性ポリエステル樹脂を含むトナーは耐熱性が不充分である。そのため、結晶性ポリエステル樹脂を含むトナーは、高温下でソフトケーキング化しやすい。ソフトケーキング化したトナーは流動性が低いため、画像形成装置内で現像剤の搬送不良が起きる。
加えて、結晶性ポリエステル樹脂は吸湿性が高い。そのため、トナーの帯電量が低下しやすく、画像形成装置内で飛散量が低下する。
このように、結晶性ポリエステルを含むトナーにおいては、低温定着性、流動性、飛散量をともに維持することが困難である。
一方で、トナーの帯電量が過度に高いと、画像形成の際にトナーの転写不足が起きる。その結果、画像濃度が低下する可能性がある。
エステルワックスは、第1のモノマー群と第2のモノマー群との縮合重合物である。第1のモノマー群は少なくとも3種類以上のカルボン酸からなる。第2のモノマー群は少なくとも3種類以上のアルコールからなる。
炭素数Cnのカルボン酸の割合は、第1のモノマー群100質量%に対して70~95質量%である。炭素数Cnは、第1のモノマー群中の最大含有量であるカルボン酸の炭素数である。第1のモノマー群中の炭素数18以下のカルボン酸の割合は、第1のモノマー群100質量%に対して5質量%以下である。
炭素数Cmのアルコールの割合は、第2のモノマー群100質量%に対して70~90質量%である。炭素数Cmは、第2のモノマー群中の最大含有量であるアルコールの炭素数である。第2のモノマー群中の炭素数18以下のアルコールの割合は、第2のモノマー群100質量%に対して20質量%以下である。
外添剤は、シリカ粒子Aとシリカ粒子Bとシリカ粒子Cを含有する。シリカ粒子Aの粒子径rAは、10~14nmである。シリカ粒子Bの粒子径rBは、40~70nmである。シリカ粒子Cの粒子径rCは、90~150nmである。
シリカ粒子Aの含有量は、トナー母粒子100質量部に対して0.1~0.8質量部である。
シリカ粒子Bの含有量は、トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部である。
シリカ粒子Cの含有量は、トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部である。
シリカ粒子Aの含有量とシリカ粒子Bの含有量とシリカ粒子Cの含有量の合計は、トナー母粒子100質量部に対して3.0質量部以下である。
シリカ粒子Aの含有量に対するシリカ粒子Bの含有量の比は、1.0~5.0である。
シリカ粒子Aの含有量に対するシリカ粒子Cの含有量の比は、1.0~5.0である。
トナーの体積平均一次粒子径D50は、5.5~11.0μmである。
実施形態のトナーは、トナー母粒子と、外添剤とを有する。
実施形態のトナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂とエステルワックスとを含有する。実施形態のトナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂、エステルワックスに加えて、結晶性ポリエステル樹脂以外の他のバインダー樹脂、着色剤をさらに含有してもよい。実施形態のトナー母粒子は、実施形態に開示の効果が得られる範囲内であれば、結晶性ポリエステル樹脂、エステルワックス、他のバインダー樹脂、着色剤以外の他の成分をさらに含有してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂はバインダー樹脂として機能する。トナー母粒子が結晶性ポリエステル樹脂を含有するため、実施形態のトナーは低温定着性に優れる。
実施形態においては、軟化温度と融解温度との比(軟化温度/融解温度)が0.8~1.2であるポリエステル樹脂を「結晶性ポリエステル樹脂」とする。また、軟化温度と融解温度との比(軟化温度/融解温度)が0.8未満であるか、1.2超であるポリエステル樹脂を「非結晶性ポリエステル樹脂」とする。
2価以上のアルコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン、グリセリン、ペンタエリストール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。2価以上のアルコールとしては、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオールが好ましい。
2価以上のカルボン酸としては、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、アゼライン酸、アルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸;これらの酸無水物;これらのエステル等が挙げられる。
アルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸としては、炭素数2~20のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸が挙げられる。例えば、n-ドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸等が挙げられる。2価以上のカルボン酸としては、フマル酸が好ましい。
ただし、結晶性ポリエステル樹脂はここで例示した2価以上のアルコールと2価以上のカルボン酸との縮合重合物に限定されない。結晶性ポリエステル樹脂は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
本明細書において質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算の値である。
結晶性ポリエステル樹脂の融点は、例えば、示差走査熱量計(DSC)により測定できる。
他のバインダー樹脂としては、例えば、非結晶性ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、エチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルフタレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、マレイン酸系樹脂等が挙げられる。ただし、他のバインダー樹脂は、これらの例示に限定されない。
他のバインダー樹脂は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
2価以上のカルボン酸としては、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸の酸無水物、2価以上のカルボン酸のエステル等が挙げられる。2価以上のカルボン酸のエステルとしては、2価以上のカルボン酸の低級アルキル(炭素数1~12)エステルが挙げられる。
2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。ただし、2価のアルコールはこれらの例示に限定されない。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、ビスフェノールAに、炭素数2~3のアルキレンオキシドを平均1~10モル付加した化合物が挙げられる。ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
2価のアルコールとしては、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物が好ましい。2価のアルコールは、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ビニル重合性単量体としては、例えば、芳香族系ビニル単量体、エステル系単量体、カルボン酸含有単量体、アミン系単量体が挙げられる。
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、フェニルスチレン、クロロスチレン、これらの誘導体が挙げられる。
エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、これらの誘導体が挙げられる。
カルボン酸含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、これらの誘導体が挙げられる。
アミン系単量体としては、例えば、アミノアクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、これらの誘導体が挙げられる。
実施形態のエステルワックスは、炭素数の異なる2種類以上のエステル化合物からなる。トナー母粒子がエステルワックスを含有するため、トナーは耐熱性に優れる。
第1のモノマー群について説明する。
第1のモノマー群は、少なくとも3種類以上のカルボン酸からなる。第1のモノマー群のカルボン酸の種類数は、エステルワックスの入手が容易である点から、7種類以下が好ましく、5種類以下がより好ましい。
長鎖カルボン酸としては、炭素数19~28の長鎖カルボン酸が好ましく、炭素数20~24の長鎖カルボン酸がより好ましい。長鎖カルボン酸の炭素数が前記下限値以上であると、エステルワックスの耐熱性がさらに向上する。長鎖カルボン酸の炭素数が前記上限値以下であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。
長鎖アルキルカルボン酸として、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキデン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸等が挙げられる。
第2のモノマー群は、少なくとも3種類以上のアルコールからなる。第2のモノマー群のアルコールの種類数は、エステルワックスの入手が容易である点から、5種類以下が好ましい。
長鎖アルキルアルコールとしては、例えば、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキデルアルコール、ベヘニルアルコール、リグノセリルアルコール、セリルアルコール、モンタニルアルコールが挙げられる。
R1COOR2 ・・・(I)
式(I)中のR1およびR2はアルキル基である。R1とR2の炭素数の合計は42以上が好ましく、42~55がより好ましく、42~51がさらに好ましく、43~45が特に好ましく、43が最も好ましい。R1とR2の炭素数の合計が前記下限値以上であると、トナーが耐熱性にさらに優れる。R1とR2の炭素数の合計が前記上限値以下であると、エステルワックスの入手が容易である。R1の炭素数は、炭素数Cnのカルボン酸の炭素数Cnを調整することで制御できる。R2の炭素数は、炭素数Cmのアルコールの炭素数Cmを調整することで制御できる。
実施形態のエステルワックスの炭素数分布において、極大ピークの位置は、炭素数43~56の領域が好ましく、炭素数44~52の領域がより好ましく、炭素数44~46の領域がさらに好ましく、炭素数44が最も好ましい。極大ピークの位置が前記下限値以上の炭素数の領域にあると、トナーが耐熱性にさらに優れる。極大ピークの位置が前記上限値以下の炭素数の領域にあると、エステルワックスの入手が容易である。
エステルワックスは、例えば、長鎖カルボン酸と長鎖アルコールとをエステル化反応させることで調製できる。エステル化反応においては、所定の要件を満たすエステルワックスが得られやすい点から、少なくとも3種類以上の長鎖アルキルカルボン酸と少なくとも3種類以上の長鎖アルキルアルコールを使用することが好ましい。少なくとも3種類の長鎖アルキルカルボン酸、少なくとも3種類の長鎖アルキルアルコールのそれぞれの使用量を調整すると、エステルワックスに含まれるエステル化合物の炭素数分布を調整できる。エステル化反応は、窒素気流下で加熱しながら行うと好ましい。
エステル化反応物は、エタノール、トルエン等を含む溶媒により溶解し、さらに、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性水溶液を添加し、有機層と水層に分離して精製されてもよい。水層を除去することで、エステルワックスを得ることができる。精製操作は、複数回繰り返すことが好ましい。
着色剤は特に限定されない。例えば、カーボンブラック、シアン、イエロー、マゼンタ系の顔料、染料等が挙げられる。
顔料、染料としては、例えば、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、クロムイエロー、キノリンイエロー、インドファストオレンジ、イルガジンレッド、カーミンFB、パーマネントボルドーFRR、ピグメントオレンジR、リソールレッド2G、レーキレッドC、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、デュポンオイルレッド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、アニリンブルー、カルコイルブルー、ウルトラマリンブルー、ブリリアントグリーンB、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート、メチレンブルークロライド、ローズベンガル、キナクリドン等が挙げられる。
着色剤は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
他の成分としては、荷電制御剤、界面活性剤、塩基性化合物、凝集剤、pH調整剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。ただし、添加剤は、これらの例示に限定されない。添加剤は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
トナー母粒子が荷電制御剤を含有する場合、トナーが紙等の記録媒体上に転写されやすくなる。荷電制御剤としては、含金属アゾ化合物、含金属サリチル酸誘導体化合物、金属酸化物疎水化処理物、ポリサッカライドの包接化合物等が挙げられる。含金属アゾ化合物としては、金属が鉄、コバルトもしくはクロムである錯体又は錯塩、これらの混合物が好ましい。含金属サリチル酸誘導体化合物、金属酸化物疎水化処理物としては、金属がジルコニウム、亜鉛、クロムもしくはボロンの錯体又は錯塩、これらの混合物が好ましい。ポリサッカライドの包接化合物としては、アルミニウム(Al)とマグネシウム(Mg)を含むポリサッカライドの包接化合物が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、トナー母粒子100質量%に対して5~25質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましい。結晶性ポリエステル樹脂の含有量が前記下限値以上であると、トナーが低温定着性にさらに優れる。また、結晶性ポリエステル樹脂の含有量が前記上限値以下であると、トナーが耐オフセット性に優れる。
外添剤は、特定のシリカ粒子A、シリカ粒子B、シリカ粒子Cを含有する。シリカ粒子Aの粒子径rAは、10~14nmである。シリカ粒子Bの粒子径rBは、40~70nmである。シリカ粒子Cの粒子径rCは、90~150nmである。
このように、実施形態のトナーにおいては、外添剤は粒子径が互いに異なるシリカ粒子A、シリカ粒子B、シリカ粒子Cを含有する。そのため、実施形態のトナーから外添剤を取り出し、外添剤について粒子径を測定して粒子径分布を得ると、少なくとも3つのシリカ粒子の極大ピークが存在すると考えられる。
前記粒子径分布においては、少なくとも3つの極大ピークのうち、10~14nm、40~70nm、90~150nmの各範囲内に少なくとも1つずつ極大ピークが存在することが好ましい。この場合、粒子径rAは、前記粒子径分布における10~14nmの範囲内のモード値(最頻値)とすることができる。また、粒子径rBは、前記粒子径分布における40~70nmの範囲内のモード値(最頻値)とすることができる。また、粒子径rCは、前記粒子径分布における90~150nmの範囲内のモード値(最頻値)とすることができる。
各シリカ粒子の粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定できる。
しかし、シリカ粒子Aは現像装置内でトナー母粒子の表面がストレスを受けた際にトナー表面から離脱しやすく、また埋没もしやすい。そこで、相対的に粒子径rCが大きいシリカ粒子Cによって、シリカ粒子Aがストレスから保護される。
ところが、粒子径の大きいシリカは、一般的に帯電付与力が弱い。そのためシリカ粒子Cの存在により、シリカ粒子Aの帯電付与力が損なわれ、帯電量が低下する可能性がある。そこで、シリカ粒子Cに加えて、粒子径rBが中程度のシリカ粒子Bにより、シリカ粒子Aがストレスから保護される。同時に、シリカ粒子Bによって帯電量、トナー飛散量が充分に維持される。
これらのシリカ粒子A、シリカ粒子B、シリカ粒子Cの含有量は、それぞれ特定の範囲内である。そのため、実施形態のトナーは、再利用される場合でも耐熱性に優れ、帯電量が充分に維持され、かつ、画像濃度も低下しにくい。
粒子径rBは、40~70nmであり、45~65nmが好ましく、50~60nmがより好ましい。粒子径rBが前記下限値以上であるため、シリカ粒子Bがシリカ粒子Aを充分に保護できる。そのため、シリカ粒子Aの脱離が起きにくく、流動性が充分に発現し、搬送不良が低減される。粒子径rBが前記上限値以下であるため、トナーの帯電量が充分に維持され、トナーの飛散量も充分に維持される。
粒子径rCは、90~150nmであり、100~140nmが好ましく、115~130nmがより好ましい。粒子径rCが前記下限値以上であるため、シリカ粒子Cがシリカ粒子Aを充分に保護できる。そのため、シリカ粒子Aの脱離が起きにくく、流動性が充分に発現し、搬送不良が低減される。粒子径rCが前記上限値以下であるため、実施形態のトナーの帯電量、飛散量が低下しにくい。
シリカ粒子Bの含有量wBは、トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部であり、0.5~1.0質量部が好ましく、0.7~0.9質量部がより好ましい。シリカ粒子Bの含有量wBが前記下限値以上であるため、トナーの帯電量が高くなり、トナーの飛散量が充分に維持される。シリカ粒子Bの含有量wBが前記上限値以下であるため、トナーの帯電量が充分に維持され、トナーの飛散量も充分に維持される。
シリカ粒子Cの含有量wCは、トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部であり、0.5~1.0質量部が好ましく、0.7~0.8質量部がより好ましい。シリカ粒子Cの含有量wCが前記下限値以上であるため、シリカ粒子Aの脱離が起きにくく、流動性が充分に発現し、搬送不良が低減される。シリカ粒子Cの含有量wCが前記上限値以下であるため、実施形態のトナーの帯電量、飛散量が低下しにくい。
シリカ粒子Aの含有量に対するシリカ粒子Bの含有量の比(B/A)は、1.0~5.0であり、2.0~4.5が好ましく、3.0~4.0がより好ましい。前記比(B/A)が前記下限値以上であるため、シリカ粒子Aの脱離が起きにくく、流動性が充分に発現し、搬送不良が低減される。前記比(B/A)が前記上限値以下であるため、トナーの帯電量が充分に維持され、トナーの飛散量も充分に維持される。
前記シリカ粒子Aの含有量に対する前記シリカ粒子Cの含有量の比(C/A)は、1.0~5.0であり、1.5~4.0が好ましく、2.0~3.0がより好ましい。前記比(C/A)が前記下限値以上であるため、シリカ粒子Aの脱離が起きにくく、流動性が充分に発現し、搬送不良が低減される。前記比(C/A)が前記上限値以下であるため、実施形態のトナーの帯電量、飛散量が低下しにくい。
外添剤として、実施形態に開示の効果が得られる範囲内であれば、シリカの一次粒子に加えて、シリカの二次粒子がトナー母粒子の表面に存在してもよい。シリカの二次粒子は、2粒以上のシリカの一次粒子が合着した合着物である。そのため、二次粒子は不定形となる。二次粒子の具体的な形状は特に限定されない。二次粒子の形状は、多角柱上でもよく、多面体形状でもよく、楕円体状でもよい。
疎水性シリカの疎水化度は、例えば、下記の方法で測定できる。
イオン交換水50ml、試料0.2gをビーカーに入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながらビュレットからメタノールを滴下する。次にビーカー内のメタノール濃度が増加するにつれ粉体は徐々に沈降していき、その全量が沈んだ終点におけるメタノールとイオン交換水の混合溶液中のメタノールの容量%を疎水化度(%)とする。
シリカ粒子及び無機酸化物からなる粒子は、安定性が向上する点から、疎水化剤で表面処理されてもよい。無機酸化物は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
実施形態のトナーは、トナー母粒子と外添剤とを混合して製造できる。トナー母粒子と外添剤との混合により、トナー母粒子の表面に外添剤が付着する。
実施形態のトナー母粒子は、例えば、混練粉砕法、ケミカル法により製造できる。
混練粉砕法としては、例えば、下記の混合工程と混練工程と粉砕工程を含む製造方法が挙げられる。混練粉砕法は、下記の分級工程を必要に応じてさらに含んでもよい。
・混合工程:少なくとも結晶性ポリエステル樹脂とエステルワックスとを混合して混合物を得る工程。
・混練工程:前記混合物を溶融混練して混練物を得る工程。
・粉砕工程:前記混練物を粉砕して粉砕物を得る工程。
・分級工程:前記粉砕物を分級する工程。
混練工程では、混合工程で得られた混合物が溶融混練されて混練物が得られる。混練工程は混練機が用いられてもよい。混練機は特に限定されない。
粉砕工程では、混練工程で得られた混練物が粉砕されて粉砕物が得られる。粉砕工程では粉砕機が用いられてもよい。粉砕機としては、ハンマーミル等の種々の粉砕機を用いることができる。また、粉砕機で得られた粉砕物はさらに微粉砕されてもよい。粉砕物をさらに微粉砕する粉砕機としては、種々の粉砕機を用いることができる。粉砕工程で得られた粉砕物は、このままトナー母粒子とされてもよく、必要に応じて分級工程を経てトナー母粒子とされてもよい。
分級工程では、粉砕工程で得られた粉砕物が分級される。分級工程では分級機が用いられてもよい。分級機は特に限定されない。
ケミカル法では、結晶性ポリエステル樹脂、エステルワックス、必要に応じて他のバインダー樹脂、添加剤を混合して混合物を得る。次に混合物を溶融混練して混練物を得る。次に混練物を粉砕して粗く粒状化された中砕粒子を得る。次に中砕粒子を水系媒体と混合して混合液を調製する。次に混合液を機械的せん断に供して微粒子分散液を得る。最後に微粒子分散液中で微粒子を凝集させてトナー母粒子とする。
外添剤は、例えば、混合機によりトナー母粒子と混合される。混合機は特に限定されない。
外添剤は、必要に応じて篩い装置により篩分けされてもよい。篩い装置は特に限定されない。種々の篩い装置を用いることができる。
実施形態のトナーカートリッジは、上述の実施形態のトナーが収容されている。例えば、トナーカートリッジは、容器を有し、前記容器に実施形態のトナーが収容されている。容器は特に限定されず、画像形成装置に適用可能な種々の容器を用いることができる。
実施形態のトナーは一成分現像剤として用いてもよく、キャリアと組み合わせて二成分現像剤として用いてもよい。
図1に示す複写機本体101は、中央一側部に設けられた画像形成部101Aと;上面部に設けられた原稿載置台135と;原稿載置台135の下部側に設けられたスキャナ136と;下部側に設けられた複数段の給紙カセット142,143と;を備える。
帯電チャージャー103、レーザユニット104、現像装置105、転写チャージャー106、クリーニング装置107は、感光体ドラム102の周囲部に、感光体ドラム102の回転方向に沿ってこの順に設けられている。
補給容器108は、現像装置105に実施形態のトナーを補給する。補給容器108には実施形態のトナーが貯留されている。
給紙カセット142,143は、用紙を画像形成部101Aに送り出す。用紙は、搬送系144を介して上方へ搬送される。搬送系144は、搬送ローラ対145とレジストローラ対146と転写チャージャー106と定着ローラ対147と排出ローラ対148を有する。
まず、原稿載置台135上の原稿に光源137から光が照射される。照射された光は、原稿から反射され、第1の反射ミラー138、第2の反射ミラー139、第3の反射ミラー140を順に経由して受光素子141に受光されて原稿像が読み取られる。次いで、受光素子141の読取情報に基づいて、レーザユニット104からレーザー光LBが感光体ドラム102の表面に照射される。
ここで、感光体ドラム102の表面は帯電チャージャー103により負に帯電されている。レーザユニット104からレーザー光LBが照射されると、感光体ドラム102が露光され、照射した部分の電位が0に近づく。そのため、原稿の画像部分に対応する領域では、感光体ドラム102の表面電位が画像の濃度に応じて0に近づき、静電潜像が形成される。
静電潜像は、感光体ドラム102の回転により現像装置105に対向する位置でトナーを吸着してトナー像となる。トナー像が形成される際には、用紙が給紙カセット142、143から搬送系144に供給される。用紙はレジストローラ146で整位されたのち、転写チャージャー106と感光体ドラム102との間に送り込まれる。その後、感光体ドラム102上のトナー像が用紙に転写される。
トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対147へ搬送される。定着ローラ対147では、用紙が加圧及び加熱されて、トナー像が用紙に定着される。実施形態のトナーは、低温定着性に優れる。そのため、例えば140~170℃程度での定着が可能である。定着後、用紙は排紙ローラ対148を介して排紙トレイ150上に排出される。
一方、用紙に転写されずに感光体ドラム102の表面上に残留したトナーは、クリーニング装置107で除去される。その後、トナーは回収機構110によって現像装置105へ戻されて再利用される。また、図1に示す画像形成装置においては、現像装置105内のトナーが消費されると、補給容器108から実施形態のトナーが、フレッシュトナーとして新たに補給される。
現像装置105は、トナーを再利用のために回収する回収機構110と;実施形態のトナーを含む現像剤が収納されている現像容器111と;現像容器111内に回転自在に設けられた現像ローラ112と;現像容器111内に第1の室116、第2の室117、第3の室118を形成する第1の仕切壁114及び第2の仕切壁115と;第1の室116内に設けられた第1のミキサー120と;第2の室117内に設けられた第2のミキサー121と;第3の室118内に設けられた第3のミキサー122と;補給容器から供給されるフレッシュトナーを受けるフレッシュトナー受部123と;リサイクルトナー受部124と;トナー濃度検知器129と;を有する。
クリーニング装置107は、クリーニングブレードでもよく、クリーニングブラシでもよい。
現像ローラ112は感光体ドラムの下面部に対向する位置に配置されている。現像ローラ112は、回転することにより現像剤を感光体ドラムに供給する。
現像容器111内は、第1の仕切壁114及び第2の仕切壁115によって第1の室116、第2の室117、第3の室118に仕切られている。第1の室116、第2の室117、第3の室118は、感光体ドラム102の軸方向に沿って略平行に形成されている。
ここで紙面上、第1の仕切壁114において、第2の連通部126から第1の連通部125に向かう向きを第1の方向とする。また、第1の方向と逆向き、すなわち第1の連通部125から第2の連通部126に向かう向きを第2の方向とする。
第2のミキサー121、第3のミキサー122は、駆動手段によって回転駆動される。現像装置105においては、駆動手段は単一の駆動源としての駆動モータ162と;駆動モータ162によって回転される駆動ギヤ163と;を備えている。駆動ギヤ163には、大径の動力伝達ギヤ164を介して第3のミキサー122の回転シャフト151が接続されている。また、大径の動力伝達ギヤ164には小径の動力伝達ギヤ165を介して第2のミキサー121の回転軸121aが接続されている。
ここで他の実施形態においては、第2及び第3のミキサー121,122は、回転速度を異にする複数の駆動モータによって個別に回転駆動するようにしてもよい。また、回収トナーを第2の方向とは逆の方向に搬送する逆送り羽根を第3のミキサー122に設けてもよい。いずれの手法を採用しても、第3のミキサー122による回収トナーの搬送速度を第2のミキサー121の現像剤の搬送速度よりも低くできる。
現像容器111内において現像剤は、第1のミキサー120の回転により第1の方向に向かって、攪拌搬送され、現像ローラ112に供給される。その後、現像剤は現像ローラ112の回転により感光体ドラム102上の静電潜像に供給され、静電潜像が顕像化される。
ここで、第2のミキサー121によって攪拌搬送される現像剤は、トナー濃度検知器129によってトナー濃度が検出される。トナー濃度検知器129によって検知されたトナー濃度が所定値以下になると、補給容器108から実施形態のトナーが補給される。このトナーは現像容器111のフレッシュトナー受部123に落下する。フレッシュトナーは第2のミキサー121の回転により矢印方向(第2の方向)に攪拌搬送され、第1のミキサー120の上流側に送り込まれる。
現像剤、回収トナーのなかには、第4の連通部128を介して第2の室117内に送られずに、搬送方向の下流側に送られるものがある。このような現像剤、回収トナーは、逆送り羽根155の回転により逆送りされて第4の連通部128に戻され、第4の連通部128を介して第2の室117へ送られる。
これに対して、実施形態のトナーは耐熱性に優れるため、トナーが再利用される場合でも、トナーの流動性が低下しにくい。そのため、トナーの帯電量、飛散量が充分維持され、良好な現像が行われる。
図4に示す画像形成装置は、トナー像を定着させる形態である。ただし、実施形態の画像形成装置はこの形態に限定されない。他の実施形態に係る画像形成装置は、例えば、インクジェット式の形態であってもよい。
図4に示す画像形成装置1は、4連タンデム方式のカラー複写機MFPである。画像形成装置1は、スキャナ部2と;排紙部3と;給紙カセット4と;中間転写ベルト10と;中間転写ベルト10の走行方向Sに沿って配置された4つの画像形成ステーション11Y、11M、11C、11Kと;二次転写ローラ27と;定着装置30と;手差し機構31と;を備える。
感光体ドラム12Y、12M、12C、12Kの周囲には、帯電チャージャー13Y、13M、13C、13Kと;現像装置14Y、14M、14C、14Kと;感光体クリーニング装置16Y、16M、16C、16Kと;一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kと;が配置される。
現像装置14Y、14M、14C、14Kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナー及びキャリアからなる二成分現像剤を有する。現像装置14Y、14M、14C、14Kは、感光体ドラム12Y、12M、12C、12K上の静電潜像にトナーをそれぞれ供給する。このようにして、画像形成ステーション11Y、11M、11C、11Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の単色の画像をそれぞれ形成する。
一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kは、それぞれ導電ローラである。一次転写ローラ18Y、18M、18C、18Kには一次転写バイアス電圧がそれぞれ印加される。
印刷対象物のシート紙が、中間転写ベルト10と二次転写ローラ27間を通過すると、シート紙上に、中間転写ベルト10上のトナー像が二次転写される。二次転写終了後、中間転写ベルト10はベルトクリーナ10aによりクリーニングされる。
手差し機構31は、画像形成装置1の一側面部に設けられている。手差し機構31は、手差しによりシート紙P2を給紙するためのものである。手差し機構31においては、手差しトレイ31aとレジストローラ対36の間に、手差しピックアップローラ31b、手差し分離ローラ31cが設けられている。
実施形態のトナーは、低温定着性に優れている。そのため、例えば140~170℃程度での定着が可能である。
図5に示す現像装置64Yは、イエロートナー及びキャリアからなる二成分現像剤が収容されたものである。現像装置64Yは、トナー濃度センサQを有する。トナー濃度センサQは、トナーの濃度低下を検知する。現像装置64Yは、濃度低下を検知すると、トナーカートリッジ(図示略)からイエロートナーを補給する。このようにして、現像装置64Yは、トナー濃度を一定に維持できる。
加えて、現像装置64Yはトナーカートリッジ(図示略)から現像剤補給口64Y1を介してキャリアを補給できる。そして、現像装置64Yは補給された分だけ、現像剤排出口64Y2から現像剤をオーバーフローにより排出できる。
このように、現像装置64Yにおいては、現像剤量が一定に維持され、かつ、古く劣化したキャリアが少しずつ新しいキャリアと入れ替わる。
図4の現像装置14M、14C、14Kも、現像装置14Yと同様に、イエロートナーに代えてマゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーがそれぞれ用いられること以外は現像装置64Yと同様の現像装置64M、64C、64K(図示せず)にそれぞれ変形されてもよい。
攪拌器、熱電対、窒素導入管を取り付けた4つ口フラスコに、少なくとも3種類以上の長鎖アルキルカルボン酸80質量部と、少なくとも3種類以上の長鎖アルキルアルコール20質量部を投入した。窒素気流下、220℃でエステル化反応を行い、反応物を得た。得られた反応物をトルエン及びエタノールの混合溶媒を添加して反応物を溶解した。さらに、フラスコに水酸化ナトリウム水溶液を添加し、70℃で30分間撹拌した。さらに30分間静置し、フラスコの内容物を有機層と水層に分離し、内容物から水層を除去した。その後、フラスコにイオン交換水を添加して、70℃で30分間撹拌した。フラスコを30分間静置し、フラスコ内の内容物を水層と有機層とに分離し、内容物から水層を除去した。この操作を5回繰り返した。フラスコ内の内容物の有機層から減圧条件下で溶媒を留去しエステルワックスAを得た。
使用した長鎖アルキルカルボン酸、長鎖アルキルアルコールの種類、使用量を変更した以外はエステルワックスAと同様にしてエステルワックスB~Qを得た。また、同様の操作によりエステルワックスa~iを得た。
・パルミチン酸 (C16H32O2)
・ステアリン酸 (C18H36O2)
・アラキデン酸 (C20H40O2)
・ベヘニン酸 (C22H44O2)
・リグノセリン酸 (C24H48O2)
・セロチン酸 (C26H52O2)
・モンタン酸 (C28H56O2)
・パルミチルアルコール (C16H34O)
・ステアリルアルコール (C18H38O)
・アラキデルアルコール (C20H42O)
・ベヘニルアルコール (C22H46O)
・リグノセリルアルコール(C24H50O)
・セリルアルコール (C26H54O)
・モンタニルアルコール (C28H58O)
まず、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に、トナー母粒子の原料を入れて混合した。さらに、トナー母粒子の原料の混合物を二軸押し出し機で溶融混練した。この溶融混練物を冷却した後、ハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物を、ジェット粉砕機で微粉砕した。この微粉砕物を分級してトナー母粒子を得た。
トナー母粒子の原料の組成を下記に示す。
結晶性ポリエステル樹脂 5質量部
非結晶性ポリエステル樹脂 84質量部
エステルワックスA 5質量部
カーボンブラック 5質量部
帯電制御剤(AlとMgを含むポリサッカライド包接化合物) 1質量部
シリカ粒子A 0.45質量部
シリカ粒子B 0.75質量部
シリカ粒子C 0.75質量部
酸化チタン 0.5質量部
まず、トナー母粒子の原料の組成について、エステルワックスAの代わりに表1~3の各欄に示すエステルワックスを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2~18、比較例1~24のトナー母粒子をそれぞれ製造した。
次に、シリカ粒子A、シリカ粒子B、シリカ粒子Cについて、粒子径rA、粒子径rB、粒子径rC、含有量wA、含有量wB、含有量wCを表1~3の各欄に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして外添剤を各例のトナー母粒子と混合し、実施例2~18、比較例1~24のトナーを製造した。
各例のトナーを0.5g秤量し、三角フラスコに収容した。次に、三角フラスコに塩化メチレン2mLを添加してトナーを溶解した。さらに、三角フラスコに、ヘキサン4mlを添加して混合液とした。混合液をろ過し、ろ液と不溶物とに分離した。窒素気流下で前記ろ液から溶媒を留去し、析出物を得た。この析出物について、トナーから抽出したエステルワックス中のエステル化合物の炭素数分布を測定した。
試料濃度:1mg/ml(溶媒:クロロホルム)。
カソード電圧:-10kv。
スペクトル記録間隔:0.4s。
測定質量範囲(m/z):10~2000。
各エステルワックス1gを温度70℃、3時間の条件下でメタノリシス反応を行った。メタノリシス反応後の生成物について、FD-MSによる質量分析を行い、各炭素数の長鎖アルキルカルボン酸の含有量、各炭素数の長鎖アルキルアルコールの含有量を求めた。
各炭素数のカルボン酸の割合は、FD-MS「JMS-T100GC(日本電子株式会社製)」により測定された。測定条件は、以下の通りである。
試料濃度:1mg/ml(溶媒:クロロホルム)。
カソード電圧:-10kv。
スペクトル記録間隔:0.4s。
測定質量範囲(m/z):10~2000。
各炭素数のアルコールの割合は、FD-MS「JMS-T100GC(日本電子株式会社製)」により測定された。測定条件は、以下の通りである。
試料濃度:1mg/ml(溶媒:クロロホルム)。
カソード電圧:-10kv。
スペクトル記録間隔:0.4s。
測定質量範囲(m/z):10~2000。
エステルワックスA~Qについていずれも、最大含有量であるエステル化合物の炭素数Clは44であり、第1のモノマー群中の最大含有量であるカルボン酸の炭素数Cnは22であり、第2のモノマー群中の最大含有量であるアルコールの炭素数Cmは20であった。
質量分布の測定結果から得られたエステルワックスA~Qの性状を表4に示す。また、エステルワックスa~iの性状を表5に示す。
レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製(SALD7000))を使用した。
フェライトキャリア100質量部に対し各例のトナー8.5質量部をターブラミキサーで撹拌し、各例の現像剤を得た。フェライトキャリアの表面は、平均粒径が40μmであるシリコーン樹脂でコートされている。
各例の現像剤をトナーカートリッジに収容した。このトナーカートリッジを低温定着性評価用の画像形成装置内に配置した。低温定着性評価用の画像形成装置は、定着温度を100℃から200℃まで0.1℃刻みで変更して設定できるように市販のe-studio5018A(東芝テック製)を改造したものである。低温定着性評価用の画像形成装置を用い、定着温度を150℃に設定し、トナー付着量が1.5mg/cm2のベタ画像を10枚取得した。10枚のベタ画像のすべてにオフセット、未定着による画像剥がれが生じなかった場合、設定温度を1℃低下させて、上記と同様にしてベタ画像を取得した。この操作を繰り返し、ベタ画像に画像剥がれが生じない定着温度の下限の温度を求め、この下限の温度をトナーの最低定着温度とした。最低定着温度が120℃以下であるとき、トナーの低温定着性を合格(○)と評価した。最低定着温度が120℃超であるとき、トナーの低温定着性を不合格(×)と評価した。
各例のトナーを55℃で10時間放置した。55℃で10時間放置した後の各例のトナー15gを目開き0.07mmのメッシュで篩い、メッシュ上に残ったトナーを秤量した。メッシュ上に残ったトナーの量が少ないほど、保存性がよい。メッシュ上に残ったトナーが3g以下であるとき、トナーの保存性を合格(○)と評価した。メッシュ上に残ったトナーが3g超であるとき、トナーの保存性を不合格(×)と評価した。
下記の「流動性」、「飛散量」の評価結果がいずれも合格(〇)である場合、耐熱性が優れていると評価した。
「流動性」の評価方法について説明する。
各例の現像剤をトナーカートリッジに収容した。このトナーカートリッジを耐熱性評価用の画像形成装置内に配置した。耐熱性評価用の画像形成装置は、市販のe-studio5018A(東芝テック製)の現像器に熱電対を取り付けたものである。耐熱性評価用の画像形成装置を用い、高温多湿環境下(30℃、湿度85%)でベタ画像、ハーフトーン画像をA4用紙に連続的に1000枚コピーした。コピーしながら、現像器内の温度が2℃上昇するたびに不良画像が発生しているか否か確認し、不良画像が発生し始めた温度を記録した。不良画像が発生し始めた温度が47℃以上であるとき、トナーの流動性を合格(○)と評価した。搬送不良、不良画像が発生し始めた温度が45℃未満であるとき、トナーの流動性を不合格(×)と評価した。
「飛散量」の評価方法について説明する。
市販されているe-studio5018A(東芝テック製)を使用し、印字率8.0%の原稿をA4用紙に連続的に200,000枚コピーした。その後、現像器のマグネットローラの下側に堆積したトナーを掃除機で吸引し、堆積したトナー量を飛散トナー量として測定した。飛散トナー量が170mg以下であるとき、トナーの帯電量を合格(○)と評価した。飛散トナー量が170mg超であるとき、トナーの帯電量を不合格(×)と評価した。
各例の現像剤をトナーカートリッジに収容した。このトナーカートリッジを市販のe-studio5018A(東芝テック製)内に配置した。低温低湿環境下(10℃、湿度20%)で現像剤中のトナー濃度を8.0%に調整し、ベタ画像をA4用紙に印刷した。得られたベタ画像の濃度をマクベス濃度計で測定し、濃度が1.0以上であるとき、画像濃度を合格(○)と評価した。ベタ画像の濃度が1.0未満であるとき、画像濃度を不合格(×)と評価した。
実施例1~18のトナーは、低温定着性、耐熱性に優れ、画像濃度が低下しなかった。また、トナー汚染量が少なく、画像形成装置内で帯電量が充分に維持された。e-studio5018Aは、トナーを再利用する画像形成装置である。したがって、実施例1~18のトナーは、再利用される場合でも耐熱性に優れ、帯電量が充分に維持され、かつ、画像濃度が低下しにくい。
また、実施例1~17のトナーは保存性にも優れていた。
これに対して比較例1~24のトナーは、低温定着性、耐熱性、画像濃度のすべてが同時に合格基準に達することはなかった。
Claims (5)
- トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有し、
前記トナー母粒子は、結晶性ポリエステル樹脂と、エステルワックスとを含有し、
前記エステルワックスは、少なくとも3種類以上のカルボン酸からなる第1のモノマー群と、少なくとも3種類以上のアルコールからなる第2のモノマー群との縮合重合物であり、
前記第1のモノマー群中の最大含有量である炭素数Cnのカルボン酸の割合が、前記第1のモノマー群100質量%に対して70~95質量%であり、
前記第1のモノマー群中の炭素数18以下のカルボン酸の割合が、前記第1のモノマー群100質量%に対して5質量%以下であり、
前記第2のモノマー群中の最大含有量である炭素数Cmのアルコールの割合が、前記第2のモノマー群100質量%に対して70~90質量%であり、
前記第2のモノマー群中の炭素数18以下のアルコールの割合が、前記第2のモノマー群100質量%に対して20質量%以下であり、
前記外添剤は、粒子径rAが10~14nmであるシリカ粒子Aと、粒子径rBが40~70nmであるシリカ粒子Bと、粒子径rCが90~150nmであるシリカ粒子Cとを含有し、
前記シリカ粒子Aの含有量が、前記トナー母粒子100質量部に対して0.1~0.8質量部であり、
前記シリカ粒子Bの含有量が、前記トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部であり、
前記シリカ粒子Cの含有量が、前記トナー母粒子100質量部に対して0.3~1.2質量部であり、
前記シリカ粒子Aの含有量と前記シリカ粒子Bの含有量と前記シリカ粒子Cの含有量の合計が、前記トナー母粒子100質量部に対して3.0質量部以下であり、
前記シリカ粒子Aの含有量に対する前記シリカ粒子Bの含有量の比が、1.0~5.0であり、
前記シリカ粒子Aの含有量に対する前記シリカ粒子Cの含有量の比が、1.0~5.0であり、
体積平均一次粒子径D50が、5.5~11.0μmである、トナー。
ただし、前記粒子径r A は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定して得られる粒子径分布における10~14nmの範囲内のモード値(最頻値)であり、
前記粒子径r B は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定して得られる粒子径分布における40~70nmの範囲内のモード値(最頻値)であり、
前記粒子径r C は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定して得られる粒子径分布における90~150nmの範囲内のモード値(最頻値)である。 - 前記外添剤について測定される粒子径分布に、少なくとも3つのシリカ粒子の極大ピークが存在し、10~14nm、40~70nm、90~150nmの各範囲内に少なくとも1つずつ極大ピークが存在する、請求項1に記載のトナー。
- 前記シリカ粒子Aの含有量と前記シリカ粒子Bの含有量と前記シリカ粒子Cの含有量の合計が、前記トナー母粒子100質量部に対して1.0質量部以上である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載のトナーが収容された、トナーカートリッジ。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載のトナーが収容された、画像形成装置。
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