JP7543164B2 - 土留構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼製土留パネルを用いて構築した土留構造物に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、地面を掘削して形成された鉛直の掘削孔に波付け鋼板を組み立てて構築された土留構造物が知られている。土留構造物は、掘削孔の壁面に沿って複数の波付け鋼板を環状に配置して形成された構造体を、孔軸方向に積み重ねて構築される。
土留構造物は、掘削孔の深度が深くなるにつれて地山側からの土圧が大きくなり、波付け鋼板だけでは剛性が足りない場合がある。また、深度の深さにかかわらず、土質の条件等により、土圧が大きい場合もある。更に、孔軸方向の深度が深くなるにつれて、上方に配置された環状体の自重が下方に配置された環状体に作用する。このため、土留構造物では、深度が深い箇所において、上下に隣り合う波付け鋼板の間に補強リングと呼ばれるH形鋼を挟み込み剛性を高めている。
特開2020-066845号公報
しかしながら、補強リングの施工は、煩雑で手間が掛かるため、工期が長引き工費が嵩む問題がある。そのため、補強リングを省略できる土留構造物の構築が望まれている。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、土圧が高く作用する掘削孔や掘削孔の深度が深い部分において補強リングを省略することができ、施工性の向上を図ることができる土留構造物を提供することを目的とする。
本発明に係る土留構造物は、地面を掘削して形成された掘削孔に、複数の鋼製土留パネルを設置して構築される土留構造物であって、前記掘削孔の壁面に沿って、複数の前記鋼製土留パネルを配置して形成された構造体が、孔軸方向に少なくとも1段以上構築された第1土留構造部を備え、前記鋼製土留パネルは、前記掘削孔の壁面に面するスキンプレートと、前記スキンプレートの上端及び下端に設けられて上面及び下面を形成する主桁と、前記スキンプレートの左右の両端に設けられて左右の側面を形成する継手板と、を有しており、前記主桁には、上下に隣り合う前記鋼製土留パネル同士、又は前記鋼製土留パネルと波付け鋼板とを連結するための複数の連結孔が形成されており、上下の前記主桁のうち、いずれか一方又は双方に、工具を差し込んで抉るための抉り孔が形成されており、前記抉り孔は、前記複数の連結孔のうち互いに隣り合う2つの連結孔の間に形成されているものである。
本発明では、鋼製土留パネルが、掘削孔の壁面に面するスキンプレートと、スキンプレートの上端及び下端に設けられて上面及び下面を形成する主桁と、スキンプレートの左右の両端に設けられて左右の側面を形成する継手板とを有しているので、鋼製土留パネルの剛性が高い。つまり、土圧が高く作用する掘削孔や掘削孔の深度が深い部分において、剛性が高い鋼製土留パネルを用いて第1土留構造部を構築することで、補強リングを省略することができる。よって、工期の短縮及び工費の削減を図ることができ、施工性を向上させることができる。
実施の形態に係る土留構造物を模式的に示した斜視図である。 実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてライナープレートを示した斜視図である。 実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてライナープレートを示した縦断面図である。 実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてプランクプレートを示した斜視図である。 実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてプランクプレートを示した縦断面図である。 実施の形態に係る鋼製土留パネルを示した斜視図である。 実施の形態に係る鋼製土留パネルを示した平断面図である。 (A)は実施の形態に係る鋼製土留パネルを示した正面図、(B)は該鋼製土留パネルを示した左側面図である。 実施の形態に係る土留構造物の構築工法の一例を模式的に示した説明図である。 実施の形態に係る土留構造物における第1土留構造部の一例を示した平断面図である。 実施の形態に係る土留構造物の変形例を模式的に示した斜視図である。 実施の形態に係る鋼製土留パネルの変形例を示した斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化する。また、各図に記載の構成について、その形状、大きさ、及び配置等は、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る土留構造物を模式的に示した斜視図である。図1に示すように、土留構造物100は、地面を掘削して形成された鉛直の掘削孔に波付け鋼板2と鋼製土留パネル1を設置して構築された構成である。土留構造物100は、例えば建築構造物の基礎を構築するための立坑又は地中に構築される集水井等の土木構造物を構築する際に構築されるものである。具体的には、土留構造物100は、第2土留構造部102と、第1土留構造部101と、を備えている。第2土留構造部102は、平面視が円弧状の波付け鋼板2が環状に配置されて形成された構造体102Aを、孔軸方向に4段積み重ねて構築された構成である。第2土留構造部102は、波付け鋼板2を千鳥状に配置して組み立てられている。第1土留構造部101は、平面視が円弧状の鋼製土留パネル1が環状に配置されて形成された構造体101Aを、孔軸方向に2段積み重ねて構築された構成である。第1土留構造部101も、鋼製土留パネル1を千鳥状に配置して組み立てられている。土留構造物100は、一例として平面視が円形状とした構成である。
なお、第1土留構造部101及び第2土留構造部102の段数は、図示した構成に限定されず、それぞれ少なくとも1段以上あればよい。また、図1に示した土留構造物100の周方向における波付け鋼板2及び鋼製土留パネル1の個数は、一例であってこれに限定されない。
図2は、実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてライナープレートを示した斜視図である。図3は、実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてライナープレートを示した縦断面図である。図4は、実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてプランクプレートを示した斜視図である。図5は、実施の形態に係る波付け鋼板の一例としてプランクプレートを示した縦断面図である。
波付け鋼板2は、例えば図2及び図3に示したライナープレート2Aや、図4及び図5に示したプランクプレート2Bで構成されている。ライナープレート2Aは、波形断面がサインカーブ状に形成された構成である。プランクプレート2Bは、波形断面が矩形状に形成された構成である。波付け鋼板2には、図2~図5に示すように、上端縁及び下端縁に沿って設けられた円弧状の周方向フランジ部20と、円弧方向の両端縁に沿って設けられた軸方向フランジ部21と、が設けられている。周方向フランジ部20は、波付け鋼板2の上端縁及び下端縁から掘削孔の内部に向かって突出するように曲げ加工されて形成されている。軸方向フランジ部21は、波付け鋼板2の円弧方向の両端縁にプレートを溶接して形成されている。
波付け鋼板2は、例えば厚さが2.7mm~7mm程度である。図1に示す土留構造物100では、上から1段目及び2段目にライナープレート2Aからなる波付け鋼板2が用いられ、上から3段目及び4段目にプランクプレート2Bからなる波付け鋼板2が用いられている。土留構造物100では、掘削孔の深度が深くなるにつれて地山側からの土圧が大きく、更に上方に配置された構造体102Aの自重が下方に配置された構造体102Aに作用する。そのため、ライナープレート2Aよりも剛性が高いプランクプレート2Bを、土留構造物100の3段目及び4段目に用いている。なお、第2土留構造部102は、すべての段をライナープレート2Aで構成してもよいし、すべての段をプランクプレート2Bで構成してもよい。
周方向フランジ部20には、孔軸方向に積み重ねた上下に隣り合う波付け鋼板2同士、又は波付け鋼板2と鋼製土留パネル1とを連結するための連結孔20aが円弧方向に沿って複数形成されている。上下に隣り合う波付け鋼板2は、周方向フランジ部20を突き合わせ、例えば連結孔20aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。なお、上下に隣り合う波付け鋼板2の周方向フランジ部20を連結する手段は、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、図示した連結孔20aの個数は一例であって、これに限定されるものではない。
軸方向フランジ部21には、掘削孔の周方向に配置した左右に隣り合う波付け鋼板2同士を連結するための連結孔21aが上下方向に沿って複数形成されている。左右に隣り合う波付け鋼板2は、軸方向フランジ部21を突き合わせ、連結孔21aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。なお、左右に隣り合う波付け鋼板2の軸方向フランジ部21を連結する手段は、例えばクリップ等の連結具を用いてもよい。また、図示した連結孔21aの個数は一例であって、これに限定されるものではない。
図6は、実施の形態に係る鋼製土留パネルを示した斜視図である。図7は、実施の形態に係る鋼製土留パネルを示した平断面図である。図8の(A)は実施の形態に係る鋼製土留パネルを示した正面図、(B)は該鋼製土留パネルを示した左側面図である。
鋼製土留パネル1は、図6~図8に示すように、掘削孔の壁面に面する円弧状のスキンプレート10と、スキンプレート10の上端及び下端に設けられて上面及び下面を形成する円弧状の主桁11と、スキンプレート10の円弧方向の両端に設けられて左右の側面を形成する継手板12と、を有している。鋼製土留パネル1は、掘削孔の内部に向かって開口する凹状に形成されている。スキンプレート10、主桁11及び継手板12は、それぞれ溶接で固定されている。主桁11の桁高は、掘削孔の土質及び深度等によって仕様が変わるが、例えば150mm~400mm程度である。また、孔軸方向における鋼製土留パネル1の高さは、例えば土留構造物100を構築する作業者の安全性と効率を考慮して、500mmを標準とし、500mm~1000mm程度範囲で設計される。
また、鋼製土留パネル1は、上部の主桁11と下部の主桁11との間に配置され、製造時、運搬時、及び施工時における鋼製土留パネル1の形状を保持する形状保持部材13を有している。形状保持部材13は、例えば図示したように鋼板等から成る板状部材、又は図示省略の鉄筋棒等から成る棒状部材で構成されている。形状保持部材13は、図示例の場合、円弧方向に間隔を開けて4つ配置されている。なお、形状保持部材13の形状及び設置個数は、図示例に限定されず、例えば鋼製土留パネル1の大きさ及び形状等を考慮して決定される。
主桁11には、孔軸方向に積み重ねた上下に隣り合う鋼製土留パネル1同士、又は鋼製土留パネル1と波付け鋼板2とを連結するための連結孔11aが複数形成されている。上下に隣り合う鋼製土留パネル1は、主桁11を突き合わせ、連結孔11aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。また、上下に隣り合う鋼製土留パネル1と波付け鋼板2は、主桁11と周方向フランジ部20とを突き合わせ、連結孔11a及び20aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。
ここで、第1土留構造部101の最上段に位置する構造体101Aを構成する鋼製土留パネル1に形成された連結孔11aを第1連結孔とする。一方、第2土留構造部102の最下段に位置する構造体102Aを構成する波付け鋼板2に形成された連結孔20aを第2連結孔とする。構造体102Aは、施工誤差が生じたり、波付け鋼板2の剛性が低いことに起因して、真円度の誤差が生じたりする場合がある。構造体102Aの施工誤差及び真円度に誤差が生じてしまうと、第1連結孔11aと第2連結孔20aの位置が若干ずれて、第1連結孔11a及び第2連結孔20aにボルトを挿通させることが困難となるおそれがある。そこで、本実施の形態に係る土留構造物100では、鋼製土留パネル1に形成された第1連結孔11aの孔径を、波付け鋼板2に形成された連結孔20aの孔径よりも大きい構成としている。これにより、波付け鋼板2によって形成された構造体102Aの施工誤差及び真円度の誤差を第1連結孔11aで吸収することができるので、上下に隣り合う鋼製土留パネル1と波付け鋼板2とを、連結孔11a及び20aに挿通したボルト及びナットで連結することができる。なお、図示した連結孔11aの個数は一例であって、これに限定されるものではない。
また、図6及び図7に示すように、上下の主桁11には、工具を差し込んで抉るための抉り孔11bが、円弧方向に間隔をあけて複数形成されている。抉るとは、例えば隙間などに物を差し入れてねじることを意味する。工具とは、一例としてシノ棒等の棒状部材である。抉り孔11bは、上下に隣り合う鋼製土留パネル1同士、又は鋼製土留パネル1と波付け鋼板2とを連結するための連結孔11aの位置を一致させる作業を行うために設けられている。なお、抉り孔11bは、上下の主桁11のうち、いずれか一方にのみ設けてもよいし、双方ともに省略してもよい。また、抉り孔11bの位置、大きさ及び個数は、図示した限りではなく、適宜変更して形成するものとする。
継手板12には、掘削孔の周方向に配置した左右に隣り合う鋼製土留パネル1を連結するための連結孔12aが複数形成されている。左右に隣り合う鋼製土留パネル1は、継手板12を突き合わせ、連結孔12aに挿通したボルトの軸部をナットで締結することで連結される。なお、図示した連結孔12aの個数は一例であって、これに限定されるものではない。
また、図6及び図8に示すように、左右の継手板12には、工具を差し込んで抉るための抉り孔12bが形成されている。工具とは、一例としてシノ棒等の棒状部材である。抉り孔12bは、左右に隣り合う鋼製土留パネル1の連結孔12aの位置を一致させる作業を行うために設けられている。なお、抉り孔12bは、上下に隣り合う鋼製土留パネル1同士、又は鋼製土留パネル1と波付け鋼板2とを連結するための連結孔11aの位置を一致させる際に利用してもよい。また、抉り孔12bは、左右の継手板12のうち、いずれか一方にのみ設けてもよいし、双方ともに省略してもよい。また、抉り孔12bの位置、大きさ及び個数は、図示した限りではなく、適宜変更して形成するものとする。
次に、上記土留構造物100の構築工法の一例を、図9及び図10に基づいて説明する。図9は、実施の形態に係る土留構造物の構築工法の一例を模式的に示した説明図である。図10は、実施の形態に係る土留構造物における第1土留構造部の一例を示した平断面図である。図10に示す矢印は、各鋼製土留パネル1の範囲を示している。
本実施の形態に係る土留構造物100の構築工法では、第2土留構造部102を構築した後、該第2土留構造部102の下部に第1土留構造部101を構築する。先ず、図9(A)に示すように、地面200に土留構造物100を構築するための掘削孔201を形成する。掘削孔201は、土留構造物100の外径よりも例えば20cm程度の大きい外径で形成される。掘削孔201の深さは、一例として0.5m~1.5m程度である。そして、掘削孔201の壁面に沿って波付け鋼板2を環状に配置して構造体102Aを組み立てる。
構造体102Aは、掘削孔201の壁面の周方向に沿って波付け鋼板2を順に配置し、左右に隣り合う波付け鋼板2をボルト及びナットで連結して組み立てられる。上段の構造体102Aの波付け鋼板2と、下段の構造体102Aの波付け鋼板2とは、ボルト及びナットで連結される。なお、上段の構造体102Aの波付け鋼板2と下段の構造体102Aの波付け鋼板2は、千鳥配置となるように、周方向の位置をずらして配置される。このように、構造体102Aを孔軸方向に沿って複数段積み重ねて(図示例の場合は3段)第2土留構造部102の一部が構築される。
次に、図9(B)に示すように、最上段に位置する構造体102Aを地面200に設置した井桁300で固定した後、構造体102Aの外側の掘削孔201を掘削土で埋め戻す。なお、最上段に位置する構造体102Aを地面200に固定する手段は、井桁300に限定されず、例えばコンクリートを用いてもよい。
そして、図9(C)に示すように、地盤を掘削しつつ、構造体102A及び101Aを組み立てて第2土留構造部102及び第1土留構造部101を構築し、所定の深度まで掘り進める。なお、最上段に位置する構造体102Aを井桁300で固定した後は、最下段の構造体102Aの下端に、掘削孔201の壁面の周方向に沿って波付け鋼板2を配置し、該波付け鋼板2を最下段の波付け鋼板2にボルト及びナットで連結するとともに、左右に隣り合う波付け鋼板2同士をボルト及びナットで連結して、構造体102Aを構築していく。また、波付け鋼板2と掘削孔201との間には、裏込注入材として、コンクリート又はモルタルが充填される。
図9(C)に示すように、第1土留構造部101は、第2土留構造部102を構築した後、該第2土留構造部102の下端に構築される。構造体101Aは、図10に示すように、掘削孔201の壁面の周方向に沿って鋼製土留パネル1を順に配置して組み立てられる。掘削孔201の壁面に配置された鋼製土留パネル1は、上段の波付け鋼板2又は上段の鋼製土留パネル1にボルト及びナットで連結されるとともに、左右に隣り合う鋼製土留パネル1にボルト及びナットで連結される。なお、上段の波付け鋼板2又は上段の鋼製土留パネル1と下段の鋼製土留パネル1とは、千鳥配置となるように、周方向の位置をずらして配置される。このように、構造体101Aを孔軸方向に沿って複数段積み重ねて第1土留構造部101が構築される。なお、鋼製土留パネル1と掘削孔201との間には、裏込注入材として、コンクリート又はモルタルが充填される。また、各構造体101Aにおいて周方向に最後に配置される鋼製土留パネル1は、他の鋼製土留パネル1よりも、円弧方向の長さを0mm~6mm程度、より好ましくは3mm程度短くすることが好ましい。最後に配置される鋼製土留パネル1を、既に配置した左右の鋼製土留パネル1によって形成されたスペースに挿入しやすくし、組み立ての作業性を高めるためである。
なお、第2土留構造部102は、図示した4段に限定されず、1段以上あればよい。また、第1土留構造部101を構成する各構造体101Aは、図示した6つの鋼製土留パネル1で形成された構成に限定されず、6つ以外の個数で形成してもよい。また、本実施の形態に係る土留構造物100では、波付け鋼板2で構築した第2土留構造部102と、鋼製土留パネル1で構築した第1土留構造部101と、を有する構成に限定されず、図示は省略したが、鋼製土留パネル1で構築した第1土留構造部101のみで構成してもよい。
図11は、実施の形態に係る土留構造物の変形例を模式的に示した斜視図である。図12は、実施の形態に係る鋼製土留パネルの変形例を示した斜視図である。
本実施の形態に係る土留構造物100は、図1に示した平面視において円形状とした構成に限定されない。土留構造物100は、図11に示すように、地面を掘削して形成された鉛直の掘削孔に波付け鋼板2と鋼製土留パネル1Aを設置して、平面視が矩形状に構築された構成としてもよい。具体的には、土留構造物100は、平面視が直線状の波付け鋼板2が矩形状に配置されて形成された構造体102Aを、孔軸方向に4段積み重ねて構築された第2土留構造部102と、平面視が直線状の鋼製土留パネル1Aが矩形状に配置されて形成された構造体101Aを、孔軸方向に2段積み重ねて構築された第1土留構造部101と、を有している。第2土留構造部102は、波付け鋼板2を千鳥状に配置して組み立てられている。また、第1土留構造部101も、鋼製土留パネル1Aを千鳥状に配置して組み立てられている。図11に示す波付け鋼板2は、図4及び図5に示したプランクプレート2Bを用いているが、図2及び図3に示したライナープレート2Aを用いてもよい。なお、第1土留構造部101及び第2土留構造部102の段数は、図示した構成に限定されず、それぞれ少なくとも1段以上あればよい。また、図11に示した各構造体102A及び101Aを構成する波付け鋼板2及び鋼製土留パネル1Aの個数は、一例である。
鋼製土留パネル1Aは、図12に示すように、掘削孔の壁面に面する平板状のスキンプレート10と、スキンプレート10の上端及び下端に設けられて上面及び下面を形成する平板状の主桁11と、スキンプレート10の左右の両端に設けられて左右の側面を形成する継手板12と、を有している。鋼製土留パネル1Aは、掘削孔201の内部に向かって開口する凹状に形成された構成である。スキンプレート10、主桁11及び継手板12は、それぞれ溶接で固定されている。なお、拡大して図示することは省略したが、図11に示した第1土留構造部101の矩形の角部には、L字形に加工したコーナー部用の鋼製土留パネル1Aが配置されている。
このように、本実施の形態に係る土留構造物100は、波付け鋼板2及び鋼製土留パネル1Aの形状を変形させることで、種々の形状に構築することができる。なお、土留構造物100は、図1に示す円形状及び図11に示す矩形状に限定されず、例えば平面視において、小判のような形をした長円形状や、馬蹄形のようにU字状等でもよい。波付け鋼板2及び鋼製土留パネル1Aは、土留構造物100の形状に応じた形状で構成するものとする。
以上のように、本実施の形態に係る土留構造物100は、掘削孔201の壁面に沿って、複数の鋼製土留パネル1を配置して形成された構造体101Aが、孔軸方向に少なくとも1段以上構築された第1土留構造部101を備えている。鋼製土留パネル1は、掘削孔201の壁面に面する円弧状のスキンプレート10と、スキンプレート10の上端及び下端に設けられて上面及び下面を形成する円弧状の主桁11と、スキンプレート10の左右の両端に設けられて左右の側面を形成する継手板12と、を有している。つまり、本実施の形態に係る土留構造物100では、土圧が高く作用する掘削孔201や掘削孔201の深度が深い部分において、剛性が高い鋼製土留パネル1を用いて第1土留構造部101を構築することで、補強リングを省略することができる。よって、工期の短縮及び工費の削減を図ることができ、施工性を向上させることができる。
また、第1土留構造部101の最上段に位置する構造体101Aを構成する鋼製土留パネル1には、該鋼製土留パネル1と波付け鋼板2とを連結するための第1連結孔11aが形成されている。第2土留構造部102の最下段に位置する構造体102Aを構成する波付け鋼板2には、該波付け鋼板2と鋼製土留パネル1とを連結するための第2連結孔20aが形成されている。第1連結孔11aの孔径は、第2連結孔20aの孔径よりも大きい構成とされている。よって、本実施の形態に係る土留構造物100は、波付け鋼板2によって形成された構造体102Aの施工誤差及び真円度の誤差を第1連結孔11aで吸収することができる。
以上に、土留構造物100を実施の形態に基づいて説明したが、鋼製土留パネル1及び土留構造物100は、上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。例えば図9に基づいて説明した土留構造物100の構築工法は、一例であって、上記実施の形態に限定されない。要するに、土留構造物100は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更及び応用のバリエーションの範囲を含むものである。
1、1A 鋼製土留パネル、2 波付け鋼板、2A ライナープレート、2B プランクプレート、10 スキンプレート、11 主桁、11a 連結孔、11b 抉り孔、12 継手板、12a 連結孔、12b 抉り孔、13 形状保持部材、20 周方向フランジ部、20a 連結孔、21 軸方向フランジ部、21a 連結孔、100 土留構造物、101 第1土留構造部、101A 構造体、102 第2土留構造部、102A 構造体、200 地面、201 掘削孔、300 井桁。

Claims (5)

  1. 地面を掘削して形成された掘削孔に、複数の鋼製土留パネルを設置して構築される土留構造物であって、
    前記掘削孔の壁面に沿って、複数の前記鋼製土留パネルを配置して形成された構造体が、孔軸方向に少なくとも1段以上構築された第1土留構造部を備え、
    前記鋼製土留パネルは、
    前記掘削孔の壁面に面するスキンプレートと、
    前記スキンプレートの上端及び下端に設けられて上面及び下面を形成する主桁と、
    前記スキンプレートの左右の両端に設けられて左右の側面を形成する継手板と、を有しており、
    前記主桁には、上下に隣り合う前記鋼製土留パネル同士、又は前記鋼製土留パネルと波付け鋼板とを連結するための複数の連結孔が形成されており、
    上下の前記主桁のうち、いずれか一方又は双方に、工具を差し込んで抉るための抉り孔が形成されており、
    前記抉り孔は、前記複数の連結孔のうち互いに隣り合う2つの連結孔の間に形成されている、土留構造物。
  2. 前記掘削孔の壁面に沿って、複数の波付け鋼板を配置して形成された構造体が、孔軸方向に少なくとも1段以上構築された第2土留構造部を更に備えており、
    前記第1土留構造部は、前記第2土留構造部の下方に構築されている、請求項1に記載の土留構造物。
  3. 前記第1土留構造部の最上段に位置する構造体を構成する前記鋼製土留パネルには、該鋼製土留パネルと前記波付け鋼板とを連結するための第1連結孔が形成されており、
    前記第2土留構造部の最下段に位置する構造体を構成する前記波付け鋼板には、該波付け鋼板と前記鋼製土留パネルとを連結するための第2連結孔が形成されており、
    前記第1連結孔の孔径は、前記第2連結孔の孔径よりも大きい構成とされている、請求項2に記載の土留構造物。
  4. 前記第2土留構造部を構成する前記波付け鋼板は、ライナープレート及びプランクプレートのうち、いずれか一方又は双方で構成されている、請求項2又は3に記載の土留構造物。
  5. 前記鋼製土留パネルは、上下の前記主桁の間に設けられ、該鋼製土留パネルの形状を保持する形状保持部材を更に備えている、請求項1~4のいずれか一項に記載の土留構造物。
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