JP7545729B2 - セルソーターおよびフローセル - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施形態に係るセルソーターについて図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係るセルソーター1の斜視図である。
本実施形態のセルソーター1は、複数種の細胞を含むサンプル流体Aから目的細胞を分取するために使用される。目的細胞は、サンプル流体Aに含まれる複数種の細胞に、例えばレーザー光を照射して得られる散乱光や蛍光のデータを元に判別される。目的細胞の判別には、機械学習を用いることができ、その場合、例えば事前に測定した学習用細胞から得た教師情報から判別モデルを作成し、その判別モデルを元に目的細胞の判別が行われる。
図1に示すように、セルソーター1は、フローセル10と、細胞情報取得装置2と、圧電素子3(請求項の変圧部に相当)と、を備えている。
フローセル10は、一方向に延びる矩形板状の部材である。フローセル10は、例えば矩形板状の第1部材4と、矩形板状の第2部材5とを張り合わせて形成されている。
第1部材4は、例えば、ガラスやPDMS(PolyDiMethylSiloxane)により形成されている。
第2部材5は、第1部材4と同じであっても良いが、異なっていても良く、例えばPDMS(PolyDiMethylSiloxane)等の透明で柔軟な樹脂材料によって形成されている。第2部材5における第1部材4側には、サンプル流路11と、サンプル流体供給部20と、シース流路12と、シース液供給部13と、変流用流体収容部14と、分取用流路15とが形成されている。サンプル流路11と、サンプル流体供給部20と、シース流路12と、シース液供給部13と、変流用流体収容部14と、分取用流路15とは、第1部材4によって覆われている。
以下、サンプル流体Aの流通方向を流通方向D1とする。
サンプル流路11は、流通方向D1における上流端11aと、流通方向D1に沿って延びる絞り流路11bと、絞り流路11bの下流端に設けられた合流部11cと、合流部11cから流通方向D1に沿って下流側に延びる整列流路11dと、整列流路11dの下流端に設けられた細胞分取部11eと、細胞分取部11eから流通方向D1に沿って下流側に延びる排出流路11fと、を有している。
絞り流路11bの下流側端部には、絞り部11gが設けられている。絞り流路11bにおいて、上流端11aから絞り部11gまでの区間は流路幅が同じである。絞り部11gは、下流側に向かうにつれて流路幅が狭くなっている。
合流部11cは、サンプル流路11とシース流路12とを連通させている。
整列流路11dは、サンプル流体A内の細胞を流通方向D1に沿って一列に整列させる。
細胞分取部11eは、整列流路11dで1列に整列された細胞のうち、分取したい目的細胞を分取する。
排出流路11fは、細胞分取部11eを通過したサンプル流体Aが流通する。排出流路11fを通過したサンプル流体Aは、排出流路11fの下流端よりも下流側に配置された試験管(不図示)等に排出される。
2個のサンプル用開口部21のうち、流通方向D1における上流側に配置されたものを第1サンプル用開口部21aとする。2個のサンプル用開口部21のうち、流通方向D1における下流側に配置されたものを第2サンプル用開口部21bとし、第1サンプル用開口部21aには第1チューブ23aが、第2サンプル用開口部21bには第2チューブ23bがそれぞれ接続されている。サンプル流体Aは、第1チューブ23aまたは第2チューブ23bを通じてサンプル流体供給部20に供給される。
連通路22は、流通方向D1に沿って延びている。第1サンプル用開口部21aは、連通路22の流通方向D1における上流側の端部に設けられている。第2サンプル用開口部21bは、連通路22の流通方向D1における下流側の端部に設けられている。
シース液Bは、サンプル流体Aの流通方向D1の上流側から下流側に向かって、サンプル流体Aと同じ方向にシース流路12を流通する。
2本のシース流路12は、シース液Bの流通方向における上流端12a同士および下流端12b同士で連通している。
2本のシース流路12の下流端12bは、サンプル流路11の合流部11cに連通している。
シース液供給部13は、2本のシース流路12の上流端12aに設けられている。シース液供給部13は、2本のシース流路12の上流端12aに連通している。シース液供給部13は、2本のシース流路12にシース液Bを供給する。
図3は、一実施形態に係る変流用流体収容部14の本体部30付近の拡大斜視図である。
図2に示すように、変流用流体収容部14は、サンプル流路11を挟んで一対配置されている。変流用流体収容部14は、サンプル流路11を挟んで対称に形成されている。変流用流体収容部14は、フローセル10を構成する第1部材4の壁部4aと、フローセル10を構成する第2部材5の壁部5aとの間に設けられている(図3参照)。すなわち、変流用流体収容部14は、対向する一対の壁部4aと壁部5aとの間に設けられている。変流用流体収容部14は、サンプル流路11の細胞分取部11eに連通している。変流用流体収容部14の内部には、変流用流体Eが収容されている。変流用流体Eは、目的細胞の分取のために流通される流体である。
変流用流体収容部14は、本体部30と、支持板33と、を有している。
先端部30aは、サンプル流体Aの流通方向D1に直交する方向に沿って、細胞分取部11eから離間するにつれて幅広となっている。平行部30bは、流通方向D1に直交する方向に幅が一定のまま延びている。平行部30bの幅は、例えば5.8mmである。
チャンバー31は、本体部30よりも細胞分取部11eから離間した位置に設けられている。チャンバー31は、第2部材5を厚さ方向に貫通している。チャンバー31は、平面視で円形状に形成されている。チャンバー31の直径は、例えば8mmである。一対のチャンバー31のうち一方のチャンバー31の第1部材4とは反対側の貫通面は、圧電素子3により蓋をされている。したがって、チャンバー31の直径は、圧電素子3の直径よりも小さくなるように形成されている。一対のチャンバー31のうち他方のチャンバー31は、例えば透明なガラス板6によって蓋をされている。なお、図では一対のチャンバー31の片側に圧電素子3が設置されている例が記載されているが、一対のチャンバー31の両方に圧電素子3が設置されていてもよい。
以下、本体部30における、変流用流体Eの流通方向を流通方向D2とする。
6本の平行部流路34は、変流用流体Eの流通方向D2に並行に延びている。6本の平行部流路34は、変流用流体Eの流れに対する流路抵抗(Hydrodynamic resistance)がそれぞれ等しくなるように形成されている。流路抵抗はそれぞれの流路の長さ、高さおよび幅により決まり、図1から図3の例では6本の平行部流路34の長さ、高さおよび幅が略等しく形成されているため、6本の平行部流路34は、変流用流体Eの流れに対する流路抵抗がそれぞれ等しい。
平行部流路34とそれを形成する支持板33は、細胞分取部11e側の先端において十分に細胞分取部11eに接近するように形成されている。支持板33の圧電素子3とは反対側の先端と、変流用流体収容部14における細胞分取部11e側の先端部30aの側壁30a1とで挟まれる部分に形成される先端部流路35では、先端部流路35の高さh(変流用流体収容部の高さh)に対する先端部流路35の幅w2の比は10を超えないように形成されている。また、先端部流路35において、高さhに対する幅w2の比は1よりも大きい。平行部流路34の幅w1は、平行部30bの部分では、例えば0.8mmである。平行部流路34の高さ(変流用流体収容部14の高さ)をhとしたとき、平行部流路34は、w1/h<10を満たすように形成されている。こうした構造により、第1部材4と第2部材5がたわむことによる流路の陥落を抑制することができる。
平行部流路34の幅w1の寸法が、支持板33の厚さdの寸法よりも長い。
図1に示すように、細胞情報取得装置2は、サンプル流路11の整列流路11dに接続されている。細胞情報取得装置2は、例えばレーザー光源(不図示)や検出器(不図示)、制御部(不図示)等を備えている。細胞情報取得装置2は、サンプル流体Aに含まれる細胞にレーザー光を照射する。細胞情報取得装置2は、レーザー光の照射によって細胞から生じた散乱光や蛍光を検出器により検出して、細胞の形態や核、顆粒等の細胞内部構造に関する情報を取得する。細胞情報取得装置2は、取得した情報に基づき、サンプル流体Aに含まれる複数の細胞から分取したい目的細胞を制御部で判別する。なお、本実施形態に係る細胞情報取得装置2は、機械学習によって目的の細胞の特徴を学習する機能を有していても良い。
圧電素子3は、円盤(ディスク)型に形成されている。圧電素子3は、圧電素子3の中心がチャンバー31の中心と一致するように配置され、チャンバー31の第1部材4とは反対側の貫通面に蓋をする形で取り付けられている。したがって、チャンバー31の外周は、圧電素子3の外周よりも小さい。圧電素子3は、第2部材5と接触していない面側に、平面視で圧電素子3と第2部材5をまたがるように、接着剤等を塗布することにより固定される。したがって、圧電素子3を固定している接着剤等は、チャンバー31内に入り込むことはない。5枚の支持板33のチャンバー31側の端部は、平面視でチャンバー31の外形に沿うように設けられている。
圧電素子3は、変流用流体収容部14の内部の液圧を変化させ、サンプル流体Aの流通方向D1と交差する方向(流通方向D2)に変流用流体Eを流通させる。圧電素子3は、細胞情報取得装置2と電気的に接続している。圧電素子3には、細胞情報取得装置2から例えばパルス状の電圧が印加される。圧電素子3は、印加された電圧に応じて変形する。変流用流体収容部14内の液圧は、圧電素子3の変形によって変化する。変流用流体Eは、圧電素子3による変流用流体収容部14内の液圧の変化によって、流通方向D2に流通される。
以下、図1に基づいてセルソーター1の使用方法の一例を説明する。
セルソーター1の使用方法は、機器調整工程と、学習工程と、分取工程とを備えている。セルソーター1の使用において、複数のサンプルを含むサンプル流体Aが、フローセル10を流通する。前記のサンプル流体Aには、機器調整工程で流通される標準ビーズを含む機器調整用サンプル流体A1と、学習工程で流通される学習用サンプルを含む学習用サンプル流体A2と、分取工程で流通される分取用サンプルを含む分取用サンプルA3とが含まれている。
(機器調整工程)
機器調整工程では、サンプル流体供給部20の第1サンプル用開口部21aから機器調整用サンプルを含む機器調整用サンプル流体A1を供給する。機器調整工程は、使用するセルソーター1が測定に適した状態にあるかを確認し、必要な場合には事前に調整するための工程で、機器調整用サンプル流体A1には、例えば、粒子特性が予め分かっている標準ビーズが含まれている。機器調整用サンプル流体A1は、サンプル流体供給部20およびサンプル流路11を流通する。機器調整用サンプル流体A1に含まれる粒子は、サンプル流路11の整列流路11dで1列に整列して流通する。次いで、整列流路11dを流通する個々の粒子に関する情報が細胞情報取得装置2により取得され、セルソーター1の動作状態を確認することができる。
(学習工程)
学習工程では、まず、サンプル流体供給部20の第1サンプル用開口部21aから学習用サンプルを含む学習用サンプル流体A2を供給する。学習用サンプル流体A2には、例えば、分取したい目的細胞を含む複数種の細胞が含まれている。学習用サンプル流体A2に含まれる目的細胞は、サンプル流路11の整列流路11dで1列に整列して流通する。
次いで、細胞情報取得装置2は、整列流路11dを流通する個々の目的細胞から情報を読み取り、目的細胞を判別する基準を学習する。すなわち、細胞情報取得装置2は、整列流路11dを流通する個々の学習用サンプルA2の情報をもとに目的細胞を判別する判別モデルを作成する。
分取工程では、まず、サンプル流体供給部20の第2サンプル用開口部21bから分取用サンプル流体A3を供給する。分取用サンプル流体A3には、分取したい目的細胞を含む複数種の細胞が含まれている。分取用サンプル流体A3に含まれる複数の細胞は、サンプル流路11の整列流路11dで1列に整列して流通する。
次いで、細胞情報取得装置2は、学習工程で学習した目的細胞の判別基準により、整列流路11dを流通する多種の細胞から目的細胞を判別する。細胞情報取得装置2は、目的細胞を判別すると、例えば、パルス状の電圧を圧電素子3に印加する。
変流用流体Eは、細胞分取部11eからチャンバー31に向かって流通し、6本の平行部流路34内を通過する。変流用流体Eの流れは、細胞分取部11eに到達した目的細胞を、サンプル流路11を挟んで圧電素子3側の変流用流体収容部14側に引き込む。目的細胞は、流圧によって引き込まれて移動方向が流通方向D1から分取用流路15に沿う方向に変化する。目的細胞は、一対の分取用流路15のうち、サンプル流路11を挟んで圧電素子3側の分取用流路15に移動する。
以上の工程により、目的細胞は分取される。
本実施形態では、圧電素子3によって、変流用流体収容部14内の液圧を減圧したが、加圧してもよい。この場合、変流用流体Eは、圧電素子3によって減圧した場合と逆方向に流通し、目的細胞は、サンプル流路11を挟んで圧電素子3とは反対側の分取用流路15に移動される。
上述の本実施形態によれば、以下の作用および効果が得られる。
変流用流体収容部14は、一対の第1部材4の壁部4aと第2部材5の壁部5aとを接続する支持板33を有している。これにより、支持板33が壁部5aの自重を受けているので、支持板33は、変流用流体収容部14の壁部5aを支持できる。すなわち、支持板33が壁部5aを支え、変流用流体収容部14の壁部5aの構造を維持する構成になっている。したがって、変流用流体Eが細胞分取の際に流通し流路となる変流用流体収容部14の変形と陥落を抑制し、そこに形成されている平行部流路34の形態を安定化できる。
複数の平行部流路34は、変流用流体Eの流れに対する流路抵抗がそれぞれ等しい。これにより、液充填の際に、細胞分取部11eから平行部流路34の端に到達した変流用流体Eは、複数の平行部流路34に均等に流れ込み、チャンバー31端に到達して再び合流する。これにより、変流用流体収容部14を流通する変流用流体Eの流速や進行方向等が不規則に変動することを抑制できるので、変流用流体収容部14内に気泡が発生することを抑制できる。したがって、細胞分取時に変流用流体Eの流圧を安定化できるので、変流用流体Eの流圧によってサンプル流体A内の細胞を分取用流路15に安定して移動できる。よって、細胞を分取する精度を向上できる。
平行部流路34を複数設置することにより、変流用流体収容部14の全体の流路抵抗を下げることができる。このため、細胞分取に十分な流量を細胞分取部11eに提供することができる。したがって、サンプル流体A内の細胞を分取用流路15に安定して移動できる。よって、細胞を分取する精度を向上できる。
したがって、変流用流体Eが細胞分取の際に流通し流路となる変流用流体収容部14の変形と陥落を抑制し、そこに形成されている平行部流路34の形態を安定化しつつ、細胞を分取する精度を向上できる。
Claims (7)
- 細胞を含むサンプル流体が流れるサンプル流路と、
対向する一対の壁部の間に設けられ、前記サンプル流路に連通し、内部に変流用流体を有する変流用流体収容部と、
前記変流用流体収容部よりも前記サンプル流体の流通方向における下流側に配置され、前記サンプル流路に連通する分取用流路と、
前記変流用流体収容部の内部の液圧を変化させ、前記サンプル流体の流通方向と交差する方向に前記変流用流体を流通させる変圧部と、
を備え、
前記変流用流体収容部は、一対の前記壁部を、前記サンプル流体の流通方向と前記変流用流体の流通方向とに交差する方向に接続するとともに、前記変流用流体の流通方向に延びる支持板を有し、
前記支持板により、前記変流用流体が流通する複数の平行部流路が形成され、
複数の前記平行部流路は、前記変流用流体の流れに対する流路抵抗がそれぞれ等しいことを特徴とするセルソーター。 - 複数の前記平行部流路は、前記変流用流体の流通方向に並行に延びていることを特徴とする請求項1記載のセルソーター。
- 複数の前記平行部流路は、それぞれの長さ、高さおよび幅が略等しいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のセルソーター。
- 前記変圧部が配置されるチャンバーを備え、
前記支持板は、前記チャンバー側の末端において前記チャンバーの外形に沿う位置まで延びていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のセルソーター。 - 前記変流用流体収容部は、前記サンプル流路に連通する先端部を有し、
前記支持板の前記変圧部とは反対側の先端と、前記先端部の側壁との間に形成される先端部流路において、高さに対する幅の比が10を超えないように前記支持板が設置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のセルソーター。 - 前記平行部流路の幅の寸法が、前記支持板の厚さの寸法よりも長いことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のセルソーター。
- 細胞を含むサンプル流体が流れるサンプル流路と、
対向する一対の壁部の間に設けられ、前記サンプル流路に連通し、内部に変流用流体を有する変流用流体収容部と、
前記変流用流体収容部よりも前記サンプル流体の流通方向における下流側に配置され、前記サンプル流路に連通する分取用流路と、
を備え、
前記変流用流体収容部は、一対の前記壁部を、前記サンプル流体の流通方向と前記変流用流体の流通方向とに交差する方向に接続するとともに、前記変流用流体の流通方向に延びる支持板を有し、
前記支持板により、前記変流用流体が流通する複数の平行部流路が形成され、
複数の前記平行部流路は、前記変流用流体の流れに対する流路抵抗がそれぞれ等しいことを特徴とするフローセル。
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