JP7556351B2 - 表示媒体、真正性判定方法、及び表示媒体を含む物品 - Google Patents
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Description
また、表と裏とで、視認される情報が異なる識別媒体も知られている(特許文献2~6)。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
前記第一の層の一部又は全部と、前記第二の層の一部又は全部と、前記第三の層の一部又は全部とは、この順で、厚み方向に重なり、
前記第一の層は、回転方向D1を有する円偏光を反射でき、前記回転方向D1と逆方向である回転方向D2を有する円偏光を透過させうる層であり、
前記第二の層は、位相差層であり、
前記第三の層は、回転方向が前記回転方向D1である円偏光を反射でき、回転方向が前記回転方向D2である円偏光を透過させうる層である、表示媒体。
[2] 前記第一の層が、コレステリック規則性を有する層であり、前記第三の層が、コレステリック規則性を有する樹脂フレークを含む層である、[1]に記載の表示媒体。
[3] 前記第一の層は、非偏光についての反射率が、波長範囲420nm以上650nm以下において35%以上50%以下である、[2]に記載の表示媒体。
[4] 前記第三の層に含まれる前記樹脂フレークは、非偏光についての反射率が、波長範囲420nm以上650nm以下において35%以上50%以下である、[2]又は[3]に記載の表示媒体。
[5] 前記第二の層の面内方向におけるレターデーションReが、40nm以上1600nm以下である、[1]~[4]のいずれか1項に記載の表示媒体。
[6] [1]~[5]のいずれか1項に記載の表示媒体が、半透明であることを確認する工程(1)、
前記表示媒体に、前記第三の層側から非偏光を照射して、前記表示媒体の反射光を前記第三の層側から観察し、前記第三の層による色情報C3を取得する工程(2)、
前記表示媒体に、前記第一の層側から非偏光を照射して、前記表示媒体の反射光を前記第一の層側から観察し、前記第一の層による色情報C1を取得する工程(3)、及び
前記色情報C3と前記色情報C1とを比較し、前記色情報C3と前記色情報C1とが同一ではないことを判定する工程(4)
を含む、真正性判定方法。
[7] [1]~[5]のいずれか1項に記載の表示媒体を含む、物品。
以下の説明において、「(チオ)エポキシ」の文言は、「エポキシ」、「チオエポキシ」及びこれらの組み合わせを包含する。
以下の説明において、「イソ(チオ)シアネート」の文言は、「イソシアネート」、「イソチオシアネート」及びこれらの組み合わせを包含する。
本発明の一実施形態に係る表示媒体は、第一の層と、第二の層と、第三の層とを含む。
前記第一の層の一部又は全部と、前記第二の層の一部又は全部と、前記第三の層の一部又は全部とは、この順で、厚み方向に重なる。
前記第一の層は、回転方向D1を有する円偏光を反射でき、前記回転方向D1と逆方向である回転方向D2を有する円偏光を透過させうる層である。
前記第二の層は、位相差層である。
前記第三の層は、回転方向が前記回転方向D1である円偏光を反射でき、回転方向が前記回転方向D2である円偏光を透過させうる層である。
以下、本実施形態に係る表示媒体を、図を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示媒体をその厚み方向から見た模式的な平面図である。
図2は、図1のX1-X1方向における断面を模式的に示す断面図である。
図3は、本発明の一実施形態に係る表示媒体を模式的に示す分解斜視図である。
図1~3に示すように、表示媒体100は、第一の層10と、第二の層20と、第三の層30とを備える。図1及び図2に示すように、第一の層10と、第二の層20とは、表示媒体100の厚み方向(図1では、紙面に垂直な方向)から見て同一の形状及び大きさを有している。第二の層20は、第一の層10の面と接している。第三の層30は、第二の層20の一部分である領域A20上に、第二の層20の面と接するように配置されている。図2及び図3に示すように、第一の層10の一部分である領域A10と、第二の層の一部分である領域A20と、第三の層の全部である領域A30とは、領域A10-領域A20-領域A30の順で、厚み方向(図2では、紙面の上下方向)に重なっている。ここで、厚み方向に重なっているとは、領域A10~A30を厚み方向から見て、領域A10~A30が同じ平面的位置にあることを意味する。
本実施形態では、第一の層10と第二の層20とは、表示媒体100の厚み方向から見て同一の形状及び大きさを有しているが、第一の層と第二の層とは、異なる形状及び大きさを有していてもよい。
別の実施形態では、本発明の効果を著しく阻害しない限りにおいて、第一の層と第二の層との間、及び/又は第二の層と第三の層との間に、粘着層、光透過性の高い中間層などの任意の層を有していてもよい。任意の層は、好ましくは光透過性の高い層であり、より好ましくは全光線透過率が80%以上の層であり、更に好ましくは全光線透過率が85%以上の層であり、好ましくは面内方向におけるレターデーションReが小さい(例えば、0nm以上5nm以下)層である。かかる光透過性が高くレターデーションReの小さい層を構成する材料の具体例としては、硬質ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、及びガラスが挙げられる。
また別の実施形態では、本発明の効果を著しく阻害しない限りにおいて、表示媒体は、第一外側層及び/又は第二外側層を更に含んでいてもよい。第一外側層及び第二外側層は、好ましくは光透過性の高い層であり、より好ましくは全光線透過率が80%以上の層であり、更に好ましくは全光線透過率が85%以上の層である。第一外側層及び第二外側層を構成する材料の具体例としては、硬質ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ガラス、ポリカーボネート(PC)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられ、表示媒体の用途、求められる質感、耐久性、機械的強度に応じて適宜選択しうる。第一外側層及び第二外側層は、それぞれ独立に、面内方向におけるレターデーションReが小さい層(例えば、0nm以上5nm以下)であってもよく、例えば、面内方向におけるレターデーションが5nm以上の層であってもよい。第一外側層及び第二外側層の、面内方向におけるレターデーションReは、600nm以下としうる。
第一外側層及び/又は第二外側層を更に含む表示媒体の層構成の例としては、下記が挙げられる。
・表示媒体は、第一外側層、第一の層、第二の層、第三の層、及び第二外側層がこの順で配置されている。
・表示媒体は、第一外側層、第一の層、第二の層、及び第三の層がこの順で配置されている。
・表示媒体は、第一の層、第二の層、第三の層、及び第二外側層がこの順で配置されている。
本実施形態では、第三の層30は、表示媒体100の厚み方向から見て矩形の形状を有しているが、別の実施形態では、第三の層30は、表示媒体100の厚み方向から見て、文字、数字、図形などのパターンを有していてもよい。
第一の層及び第三の層は、回転方向D1を有する円偏光を反射でき、回転方向D1と逆方向である回転方向D2を有する円偏光を透過させうる層である。ここで、反射は、正反射であっても、散乱反射であってもよい。好ましくは、第三の層は、回転方向D1を有する円偏光を散乱反射しうる層である。第三の層を、回転方向D1を有する円偏光を散乱反射しうる層とする場合、第三の層の表面に凹凸を設けて、円偏光を散乱反射しうる層としてもよく、後述するように、第三の層を樹脂フレークを含む層とすることにより、円偏光を散乱反射する層としてもよい。
第一の層及び第三の層は共に、照射された、回転方向D1を有する円偏光の全てを反射しうる層であってもよいし、回転方向D1を有する円偏光の一部を反射しうる層であってもよい。
また、第一の層及び第三の層は共に、照射された、回転方向D2を有する円偏光の全てを透過させうる層であってもよいし、回転方向D2を有する円偏光の一部を反射しうる層であってもよい。
第一の層と第三の層とは、同じ材料から形成されていてもよいし、互いに異なる材料から形成されていてもよい。
以下、コレステリック規則性を有する樹脂層をコレステリック樹脂層ともいう。
コレステリック樹脂層を第一の層として用い、樹脂フレークを第三の層の材料として用いる場合、樹脂フレークは、第一の層としてのコレステリック樹脂層とは異なる樹脂層を破砕して得られる破砕物であってもよい。
しかし、材料を統一して製造コストを抑制する観点から、第三の層の材料である樹脂フレークは、第一の層として用いるコレステリック樹脂層と同一の層を破砕して得られる破砕物であることが好ましい。
これにより、第一の層が、波長範囲420nm以上650nm以下という広い可視光領域において良好な偏光分離機能を有することができ、その結果、第一の層側から観察した場合の第三の層の色味をより鮮明にすることができる。
ここで、樹脂フレークの材料である、コレステリック樹脂層について反射率を測定し、その値を樹脂フレークの反射率の値としうる。
このような広帯域化処理に供するコレステリック液晶組成物の好ましい態様としては、下記に詳述するコレステリック液晶組成物(X)を挙げることができる。
以下、これら各成分について順次説明する。
式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1個~20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、炭素原子数1個~20個の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレンオキサイド基、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、アミノ基、及びシアノ基からなる群より選択される基である。
Bとして特に好ましいものとしては、単結合、-OCO-及び-CH=N-N=CH-が挙げられる。
前記重合性液晶性化合物としては、式(2)で表される化合物を挙げることができる。
R3-C3-D3-C5-M-C6-D4-C4-R4 (2)
加温条件は、例えば、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、また、好ましくは200℃以下、より好ましくは140℃以下の温度において、好ましくは1秒以上、より好ましくは5秒以上、また、好ましくは3分以下、より好ましくは120秒以下の時間としうる。
また、光照射に用いる光とは、可視光のみならず紫外線及びその他の電磁波をも含む。光照射は、例えば、波長200nm~500nmの光を0.01秒~3分照射することにより行うことができる。
第二の層は、位相差層である。位相差層は、層への入射光の偏光状態を変化させうる層である。位相差層は、一軸性であっても、二軸性であってもよい。位相差層の例としては、nx>ny≒nzの特性を有する、いわゆるポジティブAプレート;nz≒nx>nyの特性を有する、いわゆるネガティブAプレート;nz>nx≒nyの特性を有する、いわゆるポジティブCプレート;nx≒ny>nzの特性を有する、いわゆるネガティブCプレート;nz>nx>nyの特性を有する、いわゆるポジティブBプレート;nx>ny>nzの特性を有する、いわゆるネガティブBプレート;nx>nz>nyの特性を有する、いわゆるZプレート;が挙げられる。
中でも製造が容易であり、面内における位相差の発現が容易であることから、ポジティブAプレート、又はネガティブAプレートが好ましい。
第二の層の面内方向におけるレターデーションReが、前記下限値以上であることにより、第二の層が、入射光に大きな位相差を与えて出射して、表示媒体を第一の層側から観察した場合に視認される光と第三の層側から観察した場合に視認される光との色の差をより大きくできる。
第二の層の面内方向におけるレターデーションReが、前記上限値以下であることにより、非偏光についての表示媒体の反射率を、可視光域において極大及び極小を多く持たない値としうる。反射スペクトルが、極大及び極小を多くもたない場合、肉眼視においてより正確に反射光の色が認識されうる。その結果、第一の層側から観察した場合に視認される光と第三の層側から観察した場合に視認される光との色の差を、肉眼視でより容易に識別できる。
Re(400)/Re(560)の値は、好ましくは0.8以上、より好ましくは1.0以上であり、上限値は、例えば、1.3以下としうる。
Re(650)/Re(560)の値は、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.000以下であり、下限値は、例えば、0.8以上としうる。
第二の層において、Re(400)/Re(560)の値及び/又はRe(650)/Re(560)の値が、前記範囲内に収まることで、第二の層が、異なる波長の光に、互いに大きく異なった位相差を与えることができる。その結果、表示媒体を第一の層側から観察した場合に視認される光と第三の層側から観察した場合に視認される光との色の差をより大きくできる。
次に、表示媒体の作用について以下説明する。
図4は、第三の層側から非偏光を照射した場合の、表示媒体の反射光の状態を説明する、模式図である。図5は、第一の層側から非偏光を照射した場合の、表示媒体の反射光の状態を説明する、模式図である。
図4に示すとおり、表示媒体100の第三の層30側から、非偏光A1を照射すると、第三の層30は、回転方向D1を有する円偏光A1Rを反射し、第三の層30の選択反射帯域に応じた色が視認される。第三の層30は、回転方向D2を有する円偏光B1を透過させ、円偏光B1は第二の層20及び第一の層10を経て、吸収層200で吸収される。
円偏光A3Lは、位相差層である第二の層20によって、位相差が与えられて偏光状態が変化する。その結果、第二の層20は、回転方向D1を有する円偏光と回転方向D2を有する円偏光とを含む、円偏光A4RLを透過させる。
第三の層30は、円偏光A4RLのうち、回転方向D1を有する円偏光A5Rを反射し、回転方向D2を有する円偏光B2を透過させる。円偏光B2は、吸収層200で吸収される。通常、円偏光A4RLにおいて、回転方向D1を有する円偏光と回転方向D2を有する円偏光との割合は、波長によって異なるため、円偏光A5Rの強度は、波長によって異なる。
円偏光A5Rは、第二の層20に入射し、位相差が与えられて偏光状態が変化する。その結果、第二の層20は、回転方向D1を有する円偏光と回転方向D2を有する円偏光とを含む、円偏光A6RLを透過させる。
第一の層10は、円偏光A6RLのうち、回転方向D2を有する円偏光A7Lを透過させる。通常、円偏光A6RLにおいて、回転方向D1を有する円偏光と回転方向D2を有する円偏光との割合は、波長によって異なるため、円偏光A7Lの強度は、波長によって異なる。したがって、円偏光A7Lの色は、第二の層20を透過していない円偏光A1Rとは異なる。
このように、表示媒体100の第三の層30側から、非偏光を照射したときの、表示媒体100の反射光A1Rの色は、表示媒体100の第一の層10側から、非偏光A2を照射したときの、表示媒体100の反射光A7Lの色と、異なる。
第三の層30側から、非偏光A1を照射したとき、第三の層30は、非偏光A1のうち、回転方向D1である円偏光を散乱反射し、第三の層30が反射する円偏光A1Rは、散乱光として視認される。第一の層10側から、非偏光A2を照射したとき、第一の層10が出射する円偏光A7Lは、散乱光として視認される。散乱光は、正反射光との区別が容易である。また、第三の層30が厚み方向において重なっていない、表示媒体100の領域からの反射光は、正反射光である。したがって、第三の層30の形状を、第三の層30側から非偏光を照射して観察した場合においても、第一の層10側から非偏光を照射して観察した場合においても、より容易に認識できる。
前記表示媒体が奏する作用により、表示媒体は、表示される色が、表裏で異なる。そのため、表示媒体は、真正性を識別するための識別媒体として機能し、表示媒体が真正であるか否かを、判別できる。表示媒体の真正性判定方法については、更に後述する。
また、表示媒体は、表裏で異なる色を表示できることを利用して、例えば、名刺などのカード、掲示用印刷物、装飾品などとして好適に用いられうる。
前記表示媒体が奏する作用に基づき、前記表示媒体の真正性を下記の方法で判別できる。
本発明の一実施形態に係る、表示媒体の真正性判定方法は、
表示媒体が、半透明であることを確認する工程(1)、
前記表示媒体に、前記第三の層側から非偏光を照射して、前記表示媒体の反射光を前記第三の層側から観察し、前記第三の層による色情報C3を取得する工程(2)、
前記表示媒体に、前記第一の層側から非偏光を照射して、前記表示媒体の反射光を前記第一の層側から観察し、前記第一の層による色情報C1を取得する工程(3)、及び
前記色情報C3と前記色情報C1とを比較し、前記色情報C3と前記色情報C1とが同一ではないことを判定する工程(4)
を含む。
工程(1)は、工程(2)~(4)の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。
工程(2)の後に工程(3)を行ってもよいし、工程(3)の後に工程(2)を行ってもよい。
工程(4)は、通常、工程(2)及び工程(3)の後に行われる。
工程(1)では、表示媒体が半透明であることを確認する。ここで、半透明であるとは、表示媒体に非偏光を入射させた場合に、表示媒体が30%以上の透過率を有することをいう。表示媒体が半透明でない場合は、表示媒体が円偏光分離機能を有さない材料により製造された媒体であり、真正ではないと判定できる。
工程(2)では、表示媒体に、第三の層側から非偏光を照射して、表示媒体の反射光を第三の層側から観察し、前記第三の層による色情報C3を取得する。色情報C3の例としては、明度、色相、及び彩度が挙げられる。色情報C3は、肉眼視により定性的に得てもよいし、測色計などにより定量的に得てもよい。
表示媒体の反射光のみを観察するために、通常、光の吸収率の高い物体上に、表示媒体を重ねて工程(2)を行う。光の吸収率の高い物体の例としては、黒色紙が挙げられる。
工程(3)では、表示媒体に、第一の層側から非偏光を照射して、表示媒体の反射光を第一の層側から観察し、第一の層による色情報C1を取得する。色情報C1の例としては、色情報C3の例として挙げた例と同一の情報が挙げられる。色情報C3と同様に、色情報C1は、肉眼視により定性的に得てもよいし、測色計などにより定量的に得てもよい。
表示媒体の反射光のみを観察するために、通常、光の吸収率の高い物体上に、表示媒体を重ねて工程(3)を行う。
工程(3)において、第一の層による色情報C1とは、第一の層が、第二の層及び第三の層と厚み方向において重なった領域についての色情報を意味する。
工程(4)では、色情報C3と色情報C1とを比較し、色情報C3と色情報C1とが同一ではないことを判定する。工程(1)において、表示媒体が半透明であることが確認され、かつ、工程(4)において、色情報C3と色情報C1とが同一ではないと判定された場合に、表示媒体は真正であると判定されうる。
前記表示媒体は、対象に、例えば証明書、タグなどの任意の形態で添付されて、表示媒体を含む物品とされうる。表示媒体が添付される対象としては、真正を識別すべき対象が挙げられる。
樹脂フレークの平均粒子径を、下記の方法で測定した。
まず、目開きの異なるいくつかの篩を用いて、その目開きを有する篩を通過する樹脂フレークの割合を測定する。そして、目開きの大きさと、その目開きを有する篩を通過する樹脂フレークの割合とから、樹脂フレークの粒子径分布を積算重量百分率で表す。この粒子径分布において、その重量の積算値が50%の粒子径を、平均粒子径とした。
表示媒体としての識別媒体につき、第一の層側から観察された、第三の層と厚み方向に重なった第一の層の部分(すなわち、文字パターン「GENUINE」の部分)における反射光の色度と、第三の層側から観察された、第三の層(文字パターン「GENUINE」の部分)における反射光の色度との差Δ(1-3)を、下記の方法で算出した。
まず、分光光度計(日本分光社製「UV-VIS550」)により、波長400nm以上780nm以下の範囲において、第一の層の側から文字パターン「GENUINE」の部分における反射率1を測定し、第三の層の側から文字パターン「GENUINE」の部分における反射率3を測定した。
分光光度計に付属した色計算ソフトウェアにより、反射光の光源としてD65光源を設定して、反射率1又は反射率3に基づき、反射光の色空間CIE 1976 L*a*b*におけるa*値及びb*値を算出した。
第一の層側から観察された反射率1に基づき、第三の層と厚み方向に重なった第一の層の部分(文字パターン「GENUINE」の部分)における反射光についてa*値及びb*値を算出し、得られたa*値及びb*値をそれぞれa* 1及びb* 1とした。
同様に、第三の層側から観察された反射率3に基づき、第三の層(文字パターン「GENUINE」の部分)における反射光についてa*値及びb*値を算出し、得られたa*値及びb*値をそれぞれa* 3及びb* 3とした。
得られたa* 1、b* 1、a* 3、及びb* 3から、下記式に基づき差Δ(1-3)を求めた。
Δ(1-3)=√{(a* 1-a* 3)2+(b* 1-b* 3)2}
デジタルマイクロメータ(ミツトヨ社製)により測定した。
第二の層としての位相差層について、波長400nm、波長560nm、波長650nmにおける、面内方向のレターデーションReを、位相差計(AXOMETRICS社製「Axoscan」)で測定した。
測定された面内方向のレターデーションReから、Re(400)/Re(560)の値、及びRe(650)/Re(560)の値を算出した。
ここで、波長400nm、波長560nm、波長650nmにおける、面内方向のレターデーションReを、それぞれRe(400)、Re(560)、及びRe(650)とする。
(液晶組成物L1の調製)
下表に示す配合で各成分を混合し、光硬化性の液晶組成物L1を調製した。
光開始剤としては、チバ・ジャパン社製「イルガキュアOXE02」を用いた。
界面活性剤としては、ネオス社製「フタージェント209F」を用いた。
基材フィルムとして、面内の屈折率が等方性で長尺のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製「PETフィルムA4100」;厚み100μm)を用意した。この基材フィルムをフィルム搬送装置の繰り出し部に取り付け、当該基材フィルムを長尺方向に搬送しながら以下の操作を行った。まず、搬送方向と平行な長尺方向にラビング処理を施した。次に、ラビング処理を施した面に、用意した液晶組成物L1を、ダイコーターを使用して塗布した。これにより、基材フィルムの片面に、未硬化状態の液晶組成物の膜を形成した。
得られたコレステリック樹脂層を含む複層フィルムから、PETフィルムを剥離して、コレステリック樹脂層を単層のフィルムとして得た。得られたコレステリック樹脂層に、非偏光(波長400nm~780nm)を入射し、反射率を、紫外可視分光光度計(UV-Vis 550、日本分光社製)を用いて測定した。
図6は、コレステリック樹脂層の、波長400nm~780nmにおける反射率の測定結果を示すグラフである。図6に示すとおり、コレステリック樹脂層は、波長420nm以上650nm以下の範囲において、反射率が35%以上50%以下であることが分かる。
(樹脂フレークの製造)
製造例A1で得られた複層フィルムを用いて、コレステリック規則性を有する樹脂フレークを製造した。
樹脂フレークを製造する装置として、図7に示す装置を用いた。図7は、樹脂フレークを製造する装置を模式的に示す側面図である。
得られた樹脂フレークを顔料として用いて、下記方法により塗料を製造した。
バインダー溶液としてのスクリーンインキ(十条ケミカル社製「No.2500メジウム」)100重量部と、そのスクリーンインキの専用希釈剤(テトロン標準溶剤)10重量部と、前記のフレーク15重量部と、を混合して、塗料1を製造した。
下記事項を変更した以外は製造例B1の(塗料の製造)と同様にして、塗料2を製造した。
・樹脂フレークの代わりに金属アルミニウムのフレーク(セイコーアドバンス社製「シルバー顔料 606H」)を用いた。
金属アルミニウムを含む顔料(セイコーアドバンス社製「ハーフミラーZ シルバーR1」)を、溶剤(セイコーアドバンス社製「T-477」)で希釈し、塗料3を製造した。塗料3から、全光線透過率が50%である半透明のアルミニウム層が得られるように、希釈倍率を適宜調整した。
シクロオレフィン樹脂(日本ゼオン社製「ZEONOR 1215」)のペレットを用意した。ペレットを、単軸押出機(OCS社製)に供給して押出成形して、厚み200μmの押出フィルムを得た。
延伸倍率を表3に示すとおりに変更した以外は、製造例C1と同様にして、位相差層2~22を得た。
(1-1.複層体の製造)
製造例A1で得られた複層フィルムが備えるコレステリック樹脂層を、シート状の粘着剤を用いて位相差層1と貼り合せた。粘着剤として、日東電工社製「透明粘着テープ LUCIACS CS9621T」(厚み25μm、可視光透過率:90%以上、面内方向レターデーションRe:3nm以下)を使用した。次いで、位相差層と貼り合せた複層フィルムからPETフィルムを剥離して、(コレステリック樹脂層)/(粘着剤層)/(位相差層)の層構成を有する、複層体1を得た。
得られた複層体1の、位相差層上に、塗料1を用いてスクリーン印刷を施した。スクリーン印刷版として、文字パターン「GENUINE」が印刷できる、1インチ当たり100メッシュの版を用いた。次いで、複層体1を40℃に設定されたホットプレート上に載せ、10分間加熱して塗料を乾燥させた。これにより、(コレステリック樹脂層)/(粘着剤層)/(位相差層)/(乾燥された塗料1の層)がこの順で厚み方向に重なった部分を含む、表示媒体としての識別媒体1を得た。本識別媒体では、「コレステリック樹脂層」が第一の層に該当し、「位相差層」が第二の層に該当し、「乾燥された塗料1の層」が第三の層に該当する。塗料1は、コレステリック樹脂層から製造された樹脂フレークを含む。樹脂フレークは、コレステリック樹脂層が反射しうる円偏光と同一の回転方向の円偏光を反射でき、コレステリック樹脂層が透過させうる円偏光と同一の回転方向の円偏光を透過させうる。したがって、乾燥された塗料1の層は、コレステリック樹脂層が反射しうる円偏光と同一の回転方向の円偏光を反射でき、コレステリック樹脂層が透過させうる円偏光と同一の回転方向の円偏光を透過させうる。
下記事項を変更した以外は、実施例1と同様にして表示媒体としての識別媒体2~22を得た。
・(1-1.複層体の製造)において、位相差層1の代わりに、製造例C2~C22で得られた位相差層2~22を用いて、複層体2~22を得た。
・(1-2.表示媒体としての識別媒体の製造)において、複層体1の代わりに複層体2~22を用いて、識別媒体2~22を得た。
識別媒体2~22は、それぞれ、(コレステリック樹脂層)/(粘着剤層)/(位相差層)/(乾燥された塗料1の層)がこの順で厚み方向に重なった部分を含む。識別媒体2~22では、「コレステリック樹脂層」が第一の層に該当し、「位相差層」が第二の層に該当し、「乾燥された塗料1の層」が第三の層に該当する。
下記事項を変更した以外は、実施例1と同様にして表示媒体としての識別媒体C1~C3を得た。
・(1-1.複層体の製造)において、位相差層1の代わりに、製造例C4、C13、又はC21で得られた位相差層4、13、又は21を用いて、複層体C1~C3を得た。
・(1-2.表示媒体としての識別媒体の製造)において、複層体1の代わりに複層体C1~C3を用い、塗料1の代わりに、製造例B2で製造した塗料2を用いて、識別媒体C1~C3を得た。
(C4-1.複層体の製造)
製造例C4で得られた位相差層4の一方の面に、塗料3を用いてスクリーン印刷を施した。スクリーン印刷版として、1インチ当たり100メッシュの版を用いた。次いで、位相差層4を40℃に設定されたホットプレート上に載せ、10分間加熱して塗料を乾燥させた。これにより、位相差層4の一方の面に、全光線透過率50%である半透明のアルミニウム層を形成して、(乾燥された塗料3の層(アルミニウム層))/(位相差層)の構成を有する複層体C4を得た。
複層体1の代わりに、複層体C4を用いた以外は、実施例1(1-2.表示媒体としての識別媒体の製造)と同様にして識別媒体C4を得た。識別媒体C4は、(アルミニウム層)/(位相差層)/(乾燥された塗料1の層)がこの順で厚み方向に重なった部分を含む。
下記事項を変更した以外は、比較例4と同様にして、表示媒体としての識別媒体C5及びC6を得た。
・(C4-1.複層体の製造)において、位相差層4の代わりに、位相差層13又は21を用いて複層体C5又はC6を得た。
・(C4-2.表示媒体としての識別媒体の製造)において、複層体C4の代わりに、複層体C5又はC6を用いて識別媒体C5又はC6を得た。
比較例4の(C4-1.複層体の製造)で得られた複層体C4の、位相差層上に、塗料2を用いてスクリーン印刷を施した。スクリーン印刷版として、文字パターン「GENUINE」が印刷できる、1インチ当たり100メッシュの版を用いた。次いで、複層体C4を40℃に設定されたホットプレート上に載せ、10分間加熱して塗料を乾燥させた。これにより、(アルミニウム層)/(位相差層)/(乾燥された塗料2の層)がこの順で厚み方向に重なった部分を含む、表示媒体としての識別媒体C7を得た。
下記事項を変更した以外は、比較例7と同様にして、表示媒体としての識別媒体C8及びC9を得た。
・複層体C4の代わりに、比較例5、6で得られた複層体C5又はC6を用いて識別媒体C8又はC9を得た。
製造例A1で得られた複層フィルムから、PETフィルムを剥離して、コレステリック樹脂層を単層のフィルムとして得た。得られたコレステリック樹脂層の一方の面に、塗料1を用いてスクリーン印刷を施した。スクリーン印刷版として、文字パターン「GENUINE」が印刷できる、1インチ当たり100メッシュの版を用いた。次いで、コレステリック樹脂層を40℃に設定されたホットプレート上に載せ、10分間加熱して塗料を乾燥させた。これにより、(コレステリック樹脂層)/(乾燥された塗料1の層)がこの順で厚み方向に重なった部分を含む、表示媒体としての識別媒体R1を得た。
下表において、略号は下記の意味を表す。
CLCシート:コレステリック樹脂層
CLCフレーク:コレステリック樹脂層から製造された樹脂フレークを含む、塗料1の層
Alフレーク:金属アルミニウムのフレークを含む、塗料2の層
Alシート:塗料3から形成された半透明のアルミニウム層
実施例1~22に係る識別媒体(表示媒体)は、Δ(1-3)が、20以上であり、肉眼視により、第三の層側から観察された色度と第一の層側から観察された色度との差があると判定できる。したがって、実施例1~22に係る識別媒体(表示媒体)は、特別なビュワーを必要とせず、真正な媒体であると判定できる。
第三の層が、円偏光分離機能を有さない、金属アルミニウムのフレークを含む層である比較例1~3に係る識別媒体(表示媒体);第一の層が、円偏光分離機能を有さない、半透明のアルミニウム層である比較例4~6に係る識別媒体(表示媒体);第三の層及び第一の層の双方が、円偏光分離機能を有さない層である比較例7~9に係る識別媒体(表示媒体)は、実施例1~22に係る識別媒体(表示媒体)と比較して、顕著にΔ(1-3)の値が小さく、20未満であり、肉眼視により、第三の層側から観察された色度と第一の層側から観察された色度との差があるとは判定できない。したがって、比較例1~9に係る識別媒体(表示媒体)は、真正な媒体であるとは判定できない。
20…第二の層
30…第三の層
100…表示媒体(識別媒体)
400…製造装置
410…複層フィルム
411…コレステリック樹脂層
412…支持体(PETフィルム)
411A…剥離片
420…フィルム送出部
430…剥離部
434…バー
435…角部分
436…ノズル
440…フィルム回収部
A10…領域
A20…領域
A30…領域
Claims (6)
- 第一の層と、第二の層と、第三の層とを含み、
前記第一の層の一部又は全部と、前記第二の層の一部又は全部と、前記第三の層の一部又は全部とは、この順で、厚み方向に重なり、
前記第一の層は、回転方向D1を有する円偏光を反射し且つ前記回転方向D1と逆方向である回転方向D2を有する円偏光を透過させる層であり、
前記第二の層は、位相差層であり、
前記第三の層は、回転方向が前記回転方向D1である円偏光を反射し且つ回転方向が前記回転方向D2である円偏光を透過させる層であり、
前記第一の層が、コレステリック規則性を有する層であり、前記第三の層が、コレステリック規則性を有する樹脂フレークを含む層であり、
前記第二の層は、
Re(560)が、300nm以上1250nm以下であり、
Re(400)/Re(560)が1.0以上であり、
Re(650)/Re(560)が1.000以下であり、
ここで、Re(400)は前記第二の層の波長400nmにおける面内方向のレターデーションReを表し、Re(560)は前記第二の層の波長560nmにおける面内方向のレターデーションReを表し、Re(650)は前記第二の層の波長650nmにおける面内方向のレターデーションReを表す、表示媒体。 - 前記第一の層が、コレステリック液晶組成物の硬化膜である、請求項1に記載の表示媒体。
- 前記第一の層は、非偏光についての反射率が、波長範囲420nm以上650nm以下において35%以上50%以下である、請求項1又は2に記載の表示媒体。
- 前記第三の層に含まれる前記樹脂フレークは、非偏光についての反射率が、波長範囲420nm以上650nm以下において35%以上50%以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の表示媒体。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載の表示媒体が、半透明であることを確認する工程(1)、
前記表示媒体に、前記第三の層側から非偏光を照射して、前記表示媒体の反射光を前記第三の層側から観察し、前記第三の層による色情報C3を取得する工程(2)、
前記表示媒体に、前記第一の層側から非偏光を照射して、前記表示媒体の反射光を前記第一の層側から観察し、前記第一の層による色情報C1を取得する工程(3)、及び
前記色情報C3と前記色情報C1とを比較し、前記色情報C3と前記色情報C1とが同一ではないことを判定する工程(4)
を含む、真正性判定方法。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載の表示媒体を含む、物品。
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