JP7560476B2 - キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーgメンバー1(klrg1)除去抗体 - Google Patents

キラー細胞レクチン様受容体サブファミリーgメンバー1(klrg1)除去抗体 Download PDF

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Description

優先権データ:
本出願は、2019年4月9日に出願された米国仮特許出願第62/831,713号の利益を主張するものであり、この全体を本明細書に援用する。
分野
本開示は、キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性断片に関する。そのような抗体またはそのような抗体の抗原結合性断片は、自己免疫疾患、がんの治療を含めた様々な治療的または診断的目的のため及びワクチンの有効性を向上させるために有用であり得る。
自己免疫及び移植
細胞損傷は、多くの疾患において細胞傷害性T細胞攻撃の結果として起こる。例えば、病原性細胞傷害性T細胞は、疾患封入体筋炎で起こる筋肉の破壊において肝要な要素である。細胞傷害性T細胞による組織に対する損傷の同様の機序は、他の自己免疫疾患、例えば、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性甲状腺疾患、I型糖尿病、円形脱毛症、ベーチェット病、強直性脊椎炎及び原発性胆汁性肝硬変に関与している。
また、損傷の同様の機序は、CD8+T細胞による組織への攻撃に関連して移植状況下で発症する移植片対宿主病及び臓器拒絶反応のような固形臓器移植においても存在し、この場合、極めて強力な増加した分化T細胞、例えばTエフェクターメモリー(TEM)及びTエフェクターメモリーRA(TEMRA)の割合が上昇している。
PCT出願第PCT/US2017/051776号に記載されているように、キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1)は、老化した細胞傷害性T細胞に存在することが知られている細胞表面マーカーであるが、本開示の本発明者らによって、高い殺傷能力を孕んだ細胞傷害性T細胞にも存在することが示された。例えば、封入体筋炎の場合、健常な筋細胞を直接殺傷しているT細胞は細胞表面KLRG1によって特徴付けられる。マウス及びヒト血中のKLRG1発現T細胞の老化した不活性な性質に関する従前の研究の教示内容とは異なり、KLRG1発現T細胞は、活性及び病原性を有してそれらを細胞除去療法のための有益な標的にする可能性がある。
そのような細胞除去療法は、一例において、有効量のKLRG1除去剤(例えば、KLRG1発現細胞除去剤)の投与を、それを必要とする対象に施すことを含む。KLRG1除去剤は、抗体依存性細胞傷害(ADCC)エフェクター機能を含んだKLRG1の細胞外ドメインを標的とすることができ、健常細胞を傷害している細胞傷害性T細胞及び/またはNK細胞を排除すること、またはその数を低減することができる。
KLRG1除去剤を投与することは、同じくCD8+T細胞の異常増殖を伴うものである白血病及びリンパ腫を治療する上でも効果的でもあり得る。詳しくは、T細胞性大顆粒リンパ球性白血病(T-LGLL)は、後期分化CD8+T細胞の増殖を特徴とする白血病であり、NK細胞リンパ増殖異常症は、NK細胞増殖を特徴とする白血病である。鼻腔外NK/T細胞リンパ腫は、関連する障害である。
KLRG1は、II型膜貫通タンパク質であり、T及びNK細胞の活性を調節する共抑制受容体である。その細胞外部分は、カドヘリンをリガンドとすることが知られているC型レクチンドメインを含有し、その細胞内部分は、T細胞受容体(TCR)媒介シグナル伝達の共抑制を担う免疫受容体チロシン依存性抑制モチーフ(ITIM)ドメインを含有する。様々な実施形態において、リガンドは、E-カドヘリン、N-カドヘリン、R-カドヘリンまたはそれらの組合せであり得る。
KLRG1はそのカドヘリンリガンドと結び付いて、他のいくつかのT細胞共抑制受容体、例えば、CTLA-4、PD-1、LAG-3及びTIM-3と類似した様式で共抑制受容体として機能し得る。したがって、KLRG1は、がん療法などの免疫療法のための好都合な標的である。例えば、有効量のKLRG1/リガンド結合剤を、それを必要とする対象に投与することで、KLRG1シグナル伝達を妨害すること及びCD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞を活性化させることができる。したがって、KLRG1/リガンド結合剤は多くの治療的用途を有し、これには、がん自体にKLRG1が発現するか否かにかかわらず、がんを治療するためのものが含まれる。
しかしながら、自己免疫疾患を有する患者において、チェックポイント阻害剤免疫療法によるがん治療が炎症のリスクを高めることが認められている。とはいえ、これらの炎症は、改善されたがんの転帰に関連するものである。Rheumatology Newsにおいて、Ted Bosworthによる2018年6月25日付の「Checkpoint inhibitors in autoimmune disease:More flares,better cancer outcomes」と題した論文によれば、「主としてメラノーマ(59%)及び非小細胞肺癌(36%)の治療のために提供されたチェックポイント阻害剤の開始によって、PADを有する患者のうちの42%が炎症の疾患を発症した。これらのうちの30%は重症と認められた。・・・しかしながら、炎症または別の免疫関連の有害事象を有する者は、炎症がないかまたは免疫関連の有害事象を有しない者と比較したとき、有意により良好な無増悪生存率(P=0.016)及び全生存率(P=0.004)を有していた。」と示されている。理論に拘泥しないが、この研究は、チェックポイント阻害の解除が、腫瘍特異性に加えてあらゆる種類の特異性を有するCD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞を活性化させ、これが治療患者における自己免疫疾患の推進または再活性化を招き得ることを示している。
したがって、当技術分野では、チェックポイント療法を受けているがん患者のための(がんにKLRG1が発現しているか否かにかかわらない)補助的療法であって、KLRG1結合剤を使用して、有益なことにがん細胞を指向するT細胞及び/またはNK細胞の減損を伴わずに、自己組織を攻撃している病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去することを含む、当該補助的療法(出願人の実施例6)が必要とされている。
したがって、当技術分野では、がん細胞にKLRG1が発現するがんの一種を有する患者の治療であって、KLRG1結合剤を使用して、KLRG1が発現するがん細胞を除去することを含み、KLRG1結合剤が、チェックポイント阻害ならびにその後の自己組織を指向する病原性CD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化を解除しない、当該治療が必要とされている。
したがって、自己免疫分野においては、KLRG1結合剤であって、チェックポイント阻害ならびにその後の自己組織を指向する病原性CD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化を解除しない、当該KLRG1結合剤を使用して、自己組織を攻撃している病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去することが必要とされている。
したがって、移植分野においては、KLRG1結合剤であって、チェックポイント阻害ならびにその後の移植されたあるいは自己の組織または細胞を指向する病原性CD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化を解除しない、当該KLRG1結合剤を使用して、移植組織を攻撃している病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去することが必要とされている。
発明の概要
受容体であるキラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1)は、上皮系及び間葉系細胞上のリガンドに結合するT及びNK細胞上に発現する。T及びNK細胞上に発現したKLRG1に対するリガンドは、E-カドヘリン、N-カドヘリン及びR-カドヘリンであるという記載がなされている。本開示は、KLRG1の細胞外ドメイン(ECD)に結合するがそれとリガンドであるE-カドヘリン、N-カドヘリン及びR-カドヘリンとの相互作用には干渉しない結合剤、例えば抗体の発見及び特性評価を提供する。本明細書に記載の抗体は、マウスハイブリドーマ技術によって得られたものであり、その相補性決定領域(CDR)をヒトフレームワーク内に継ぎ足すことによってヒト化され得る。本明細書において提供される抗体は有効な治療剤として使用され得る。
数ある実施形態の中でも、KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合に干渉することなくKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞の除去を、除去治療を必要とする対象において行う方法の1つの例示的実施形態が、本明細書に開示される。方法は、有効量の抗体または抗体の断片を対象に送達することを含む。抗体またはその断片は、KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合するが、KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合とは競合せず、それによって対象においてKLRG1発現T細胞を除去する。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み得る。あるいは、またはさらに、抗体またはその断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13または配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含み得る。
KLRG1はヒトKLRG1またはカニクイザルKLRG1を含み得る。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片はモノクローナル抗体またはその断片を含み得る。いくつかのそのような例では、モノクローナル抗体またはその断片は、エピトープPLNFSRI(配列番号56)、または少なくとも5連続アミノ酸を含むその断片に特異的に結合し得る。モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号4のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。あるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号5のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号6のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号7のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号8のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号9のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号10のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号11のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号12のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号13のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号14のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号15のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。
抗体またはその断片がモノクローナル抗体またはその断片を含むいくつかの実施形態では、モノクローナル抗体またはその断片はキメラ抗体またはその断片を含み得る。抗体またはその断片がモノクローナル抗体またはその断片を含むいくつかの実施形態では、モノクローナル抗体またはその断片はヒト化抗体またはその断片を含み得る。
本開示の別の例示的実施形態は、余分なKLRG1発現T細胞に関連する障害の治療を、治療を必要とする対象において行う方法を提供する。方法は、E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなくKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量の抗体または抗体の断片を対象に送達することを含む。対象への送達は、KLRG1発現T細胞を除去し、チェックポイント阻害ならびにその後の自己組織を指向する病原性CD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化を解除せず、それによって障害を治療する。抗体または抗体の断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む。あるいは、またはさらに、抗体または抗体の断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13または配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、障害は移植関連障害を含み得、対象への送達は、対象において移植組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去し得る。あるいは、障害は自己免疫疾患を含み得、対象への送達は、対象において自己組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去し得る。
本開示のさらに別の例示的実施形態は、対象におけるがんを治療する方法であって、がんが、KLRG1が発現するがん細胞を含み、方法が、E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなくKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量の抗体または抗体の断片を対象に送達することを含む、当該方法を提供する。対象への送達は、KLRG1が発現しているがん細胞を除去し、送達は、チェックポイント阻害及びその後の自己組織を指向する病原性CD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化を解除せず、抗体または抗体の断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む。あるいは、またはさらに、抗体または抗体の断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13または配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
本開示において提供される療法の1つの非限定的な例示的実施形態は、対象におけるがんを治療するための補助的療法であって、対象がチェックポイント療法を受けている、当該補助的療法である。方法は、がんにKLRG1が発現するか否かにかかわらず実施される。補助的療法は、E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなくKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量の抗体または抗体の断片を対象に送達することを含む。送達は、対象において自己組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去する。抗体または抗体の断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む。あるいは、またはさらに、抗体または抗体の断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13または配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
また、細胞の混合集団においてKLRG1発現細胞を除去する方法であって、KLRG1発現細胞が、T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞の群から選択される1つ以上の細胞を含む、当該方法の1つの例示的実施形態も、本明細書に開示される。方法は、KLRG1に特異的に結合しKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞を除去する有効量の抗体または抗体の断片を細胞の混合集団に送達して、それによって細胞の混合集団の中のKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞を除去することを含む。抗体または抗体の断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含む。あるいは、またはさらに、抗体または抗体の断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13または配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
本開示はさらに、抗体またはそのような抗体の断片の例示的実施形態を提供する。抗体または抗体の断片の1つの非限定的な例示的実施形態は、KLGR1の細胞外ドメインに特異的に結合するがKLRG1とのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合とは競合しないものである。抗体または抗体の断片は、対象に投与されたときにKLGR1が発現している細胞を除去する。
いくつかの実施形態では、抗体または抗体の断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12または配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み得る。あるいは、またはさらに、抗体または抗体の断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13または配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含み得る。
抗体または抗体の断片は、KLRG1がヒトKLRG1またはカニクイザルKLRG1を含むようなものであり得る。
抗体または抗体の断片は、モノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体を含み得る。いくつかのそのような例では、モノクローナル抗体またはその断片は、エピトープPLNFSRI(配列番号56)、または少なくとも5連続アミノ酸を含むその断片に特異的に結合し得る。モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号4のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。あるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号5のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号6のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号7のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号8のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号9のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号10のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号11のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号12のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号13のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号14のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。またあるいは、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号15のアミノ酸配列またはその配列と少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。
抗体またはその断片がモノクローナル抗体またはその断片を含むいくつかの実施形態では、モノクローナル抗体またはその断片は、キメラ抗体またはその断片を含み得る。抗体またはその断片がモノクローナル抗体またはその断片を含むいくつかの実施形態では、モノクローナル抗体またはその断片はヒト化抗体またはその断片を含み得る。
当業者であれば、上に示した限定事項の多くを例示的実施形態及び本開示の中で提供される他の実施形態の各々に適用できることを理解するであろう。非限定的な例を挙げると、本開示の中で提供される実施形態のいずれかにおいて、モノクローナル抗体またはその断片は、ヒト化抗体もしくはその断片、またはキメラ抗体もしくはその断片を含み得る。
本開示はまた、例示的な医薬組成物を提供する。1つの非限定的な例示的実施形態において、医薬組成物は、本明細書に開示される抗体もしくは抗体の断片、モノクローナル抗体もしくは抗体の断片、またはそのような抗体もしくは断片のいずれかの誘導体のうちの1つ以上(例えば、上記の、あるいは本開示、例えば請求項29に示される抗体)、及び薬学的に許容される担体を含む。
本開示はさらに、例示的なキットを提供する。1つの非限定的な例示的実施形態において、キットは、本明細書に開示される抗体もしくは抗体の断片、モノクローナル抗体もしくは抗体の断片、またはそのような抗体もしくは断片のいずれかの誘導体のうちの1つ以上(例えば、上記の、あるいは本開示、例えば請求項29に示される抗体)、及び使用説明書を含む。
以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することによって、本開示がより十分に理解されよう。
アミノ酸「PLNFSRI」(配列番号56)によって規定されるペプチド配列に対する抗体の結合性を示した、ABC_G1D03の結合エピトープのペプチドマッピングの1つの例示的実施形態を示す。 PDB結晶構造3ff7から得られたE-カドヘリン(3)と結合しているKLRG1(20)の三次元画像を示し、第1の強調領域(40)は、KLRG1上の、アミノ酸「PLNFSRI」(配列番号56)によって特徴付けられるABC_G1D03との結合部位に相当し、第2の強調領域(50)はKLRG1とE-カドヘリンとの間の結合境界面に相当する。 CD8+ヒトT細胞に対する非遮断性KLRG1遮断抗体の活性をKLRG1遮断抗体(mAb23)と対比して示した表及び得られたグラフを示し、非遮断抗体はヒトCD8 T細胞においてインターフェロンガンマ放出を刺激する活性が低い。 T細胞サブセットにおけるKLRG1発現を示したグラフを示し、KLRG1は、CCR7+であるナイーブT細胞(TN及びTCM)と比較してCCR7-であるエフェクターT細胞(TEM及びTEMRA)上に差次的に発現している。 非ヒト霊長類の全血からのCD8 T細胞のフローサイトメトリー分析を示し、KLRG1+T細胞に対するABC-HG1D03の除去効果が顕著に示されており、特筆すべきことは、KLRG1陽性細胞がエフェクター表現型に相当し、ABC-HG1D03がこの画分の完全な、しかも選択的な除去をもたらすということである。 非ヒト霊長類におけるKLRG1+CD8 T細胞%に対するABC-HG1D03の用量依存的効果を示したグラフを示す。
これより特定の例示的実施形態について記載して、本明細書に開示される抗体、その断片、組成物、キットならびに関連する方法及び療法の構造、機能、製造及び使用の原理の総合的理解を提供することにする。当業者であれば、本明細書に記載され添付の図面に示される本開示が非限定的な例示的実施形態であり、本開示の範囲が特許請求の範囲のみによって画定されることを理解するであろう。1つの例示的実施形態に関連して示され記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされることがある。そのような改変形態及び変化形態を本開示の範囲に含めることを意図する。
キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1)は、T及びNK細胞の活性を調節することによって共抑制受容体として機能できるII型膜貫通タンパク質である。KLRG1の細胞外部分は、カドヘリンを既知のリガンドとするC型レクチンドメインを含有する。KLRG1の細胞内部分は、T細胞受容体(TCR)媒介シグナル伝達の共抑制を担う免疫受容体チロシン依存性抑制モチーフ(ITIM)ドメインを含有する。KLRG1リガンドは、E-カドヘリン、N-カドヘリン、R-カドヘリン及びそれらの組合せを含む。
受容体キラー細胞レクチン様受容体G1(KLRG1)は、上皮系及び間葉系細胞上のリガンドに結合するT及びNK細胞上に発現する。KLRG1のリガンドは、E-カドヘリン、N-カドヘリン及びR-カドヘリンであり得る。
ヒトにおいてKLRG1発現は、概して免疫系の細胞、具体的にはCD8陽性T細胞、NK細胞、及びより小さな程度ではあるがCD4陽性T細胞に、限定される。KLRG1発現は後期分化表現型と関連付けられている。抗原特異的T細胞が分化するにつれて、それは増加した細胞傷害性分子の発現を獲得し得、それゆえ、増大した細胞傷害能力を孕み得る。
本開示は、老化した細胞傷害性T細胞上に存在することが知られている細胞表面マーカーであるKLRG1が、高い殺傷能力を孕んだ細胞傷害性T細胞上にも存在している、というPCT出願第PCT/US2017/051776号に記載の発見に少なくとも部分的に基づいている。例えば、封入体筋炎の場合、健常な筋細胞を直接殺傷しているT細胞はKLRG1によって特徴付けられ得る。
このように、KLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞は、病原性である可能性があり、それゆえ、細胞除去療法のための有益な標的である。例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)エフェクター機能を有する有効量のKLRG1除去剤(例えばKLRG1発現細胞除去剤)を必要としている対象に投与することで、例えば自己免疫疾患及び移植障害の場合のように健常細胞を傷害している細胞傷害性T細胞及び/またはNK細胞を排除すること、またはその数を低減することができる。
KLRG1発現細胞除去剤を投与することを含む方法は、KLGR1が発現しているがん細胞を有する患者を治療する上でも有益である。
注目すべきことに、本明細書に開示されるKLRG1発現細胞除去剤は、KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリン、R-カドヘリンまたはそれらの組合せの結合によって媒介されるKLRG1のリンパ球共抑制受容体(複数可)としての機能を邪魔しないという付加的な特性を有する。
細胞表面KLRG1の顕著な生物学的機能は、リンパ球共抑制受容体として機能することによって細胞傷害性T細胞及び/またはNK細胞の細胞毒性及び増殖を抑制することである。リンパ球共抑制受容体は、活性化シグナル、例えば、主要組織適合性複合体(MHC)とT細胞受容体(TCR)との結合の文脈での抗原性ペプチドに応答した適応免疫系、例えばT細胞及びNK細胞の作用を調節する。当技術分野で知られている他の共抑制受容体としては、PD-1、LAG-3、TIM-3及びCTLA4が挙げられる。共抑制受容体の作用は大抵、リガンドを共抑制受容体の細胞外ドメインと結合させること、及びその後の共抑制受容体の細胞内ドメインに位置する免疫受容体チロシン依存性抑制モチーフ(ITIM)による細胞内ホスファターゼの動員によって行われ得る。共抑制受容体の作用は大抵、TCR係合の免疫応答を弱めることである。
KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合に干渉しないことによって、リンパ球共抑制受容体としてのKLRG1の機能が維持され得る。KLRG1結合剤がチェックポイント阻害を解除しないため、潜在的に病原性であるCD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化の阻害は維持され得る。
したがって、本明細書に開示されるKLGR1除去剤及び関連する方法は、対象においてKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞を除去するだけでなく、さらには、KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合に干渉しない。対象におけるKLRG1発現T細胞及び/またはKLRG1発現NK細胞及び/またはKLRG1発現がん細胞の指向的除去は、KLRG1特異抗体もしくはその抗原結合性断片のfc領域によって、及び/またはそのKLRG1特異的抗原結合性断片に結合体化したfcペプチドによって、及び/またはKLRG1特異抗体もしくはその抗原結合性断片に結合体化した細胞毒性薬によって媒介され得る。国際特許出願公開第WO02/44215号には、抗体の抗原結合部位とペプチド結合性Fcエフェクター分子とを含むまたはそれからなる結合分子についての記載がある。
本開示の選出された実施形態
本明細書には、KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合に干渉することなくKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞の除去を、治療を必要とする対象において行う方法が開示される。本明細書に提供される方法は、KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合するがKLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合とは競合しない有効量のKLGR1除去剤、例えば抗体またはその断片を、治療を必要とする対象に送達して、それによって対象においてKLRG1発現T細胞を除去することを含む。
さらに本明細書には、KLRG1発現CD8エフェクターT細胞を選択的に除去するがナイーブT細胞も制御性T細胞も除去しない方法であって、抗体またはその断片がKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合するがKLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの少なくとも1つの結合とは競合しないような、有効量の抗体またはその断片を対象に送達して、それによってKLRG1発現CD8エフェクターT細胞を選択的に除去することを含む、当該方法が開示される。
方法のいくつかの実施形態では、抗体もしくはその断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み、及び/または抗体もしくはその断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13もしくは配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
方法のいくつかの実施形態では、KLRG1はヒトKLRG1またはカニクイザルKLRG1であり得る。
方法のいくつかの実施形態では、抗体またはその断片はモノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体を含む。いくつかの態様では、モノクローナル抗体またはその断片は、エピトープPLNFSRI(配列番号56)、または少なくとも5連続アミノ酸を含むその断片に特異的に結合し得る。モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号4のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号5のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号6のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号7のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号8のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る重鎖可変領域を含み得る。11。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号9のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号10のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号11のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号12のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号13のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号14のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号15のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片はキメラ抗体またはその断片を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片はヒト化抗体またはその断片を含み得る。
本明細書には、余分または不要なKLRG1発現T細胞に関連する障害の治療を、治療を必要とする対象において行う方法であって、治療的有効量のKLRG1除去剤を対象に送達することを含む、当該方法が開示される。KLRG1除去剤は、KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合に干渉することなくKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体またはその断片を含むものであり得、かつKLRG1発現T細胞を除去するものであり得、対象への送達が余分または不要なKLRG1発現T細胞を除去し得る。そのような送達は、チェックポイント阻害ならびにその後の自己組織を指向する病原性CD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化が送達によって解除されずそれによって障害が治療されるような方法で、実施され得る。
方法のいくつかの実施形態では、抗体もしくはその断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み、及び/または抗体もしくはその断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13もしくは配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。方法のいくつかの実施形態では、障害は移植関連障害であり得、対象への送達は、対象において移植組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去し得る。方法のいくつかの実施形態では、障害は自己免疫疾患であり得、対象への送達は、対象において自己組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去し得る。
本明細書には、対象におけるがんであってKLRG1が発現するがん細胞を含む当該がんを治療する方法が開示される。方法は、E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなくKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量のKLRG1除去剤、例えば抗体またはその断片を対象に送達することを含み得る。対象への送達は、KLRG1が発現しているがん細胞を除去することができ、しかも当該送達は、チェックポイント阻害ならびにその後の自己組織を指向する病原性CD8+細胞傷害性T及び/またはNK細胞の活性化を解除しないにもかかわらずそうすることができる。
方法のいくつかの実施形態では、抗体もしくはその断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み、及び/または抗体もしくはその断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13もしくは配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書には、対象、例えばチェックポイント療法を受けている対象におけるがんを治療するための補助的療法が開示される。方法は、がんにKLRG1が発現するか否かにかかわらず実施され得る。提供される補助的療法は、E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなくKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量のKLRG1除去剤、例えば抗体またはその断片を対象に送達することを含み得る。対象への送達は、対象において自己組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去し得る。
方法のいくつかの実施形態では、抗体もしくはその断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み、及び/または抗体もしくはその断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13もしくは配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書には、細胞の混合集団においてKLRG1発現細胞を除去する方法が開示される。KLRG1発現細胞は、T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞からなる群から選択される1つ以上の細胞を含み得る。方法は、KLRG1に特異的に結合しKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞を除去する有効量のKLRG1除去剤、例えば抗体またはその断片を細胞の混合集団に送達して、それによって細胞の混合集団の中のKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞を除去することを含み得る。
方法のいくつかの実施形態では、抗体もしくはその断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み、及び/または抗体もしくはその断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13もしくは配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。
本明細書には、KLGR1の細胞外ドメインに特異的に結合するがKLRG1とのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合とは競合せず、対象に投与されたときにKLGR1が発現している細胞を除去する、KLRG1除去剤が開示される。KLRG1除去剤は、KLGR1の細胞外ドメインに特異的に結合するがKLRG1とのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合とは競合せず、対象に投与されたときにKLGR1が発現している細胞を除去する、抗体またはその断片を含み得る。
いくつかの実施形態では、抗体もしくはその断片は、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12もしくは配列番号14のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む重鎖可変領域を含み、及び/または抗体もしくはその断片は、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13もしくは配列番号15のアミノ酸配列の、3つの相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、KLRG1はヒトKLRG1またはカニクイザルKLRG1であり得る。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片はモノクローナル抗体またはその断片もしくは誘導体を含み得る。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体またはその断片は、エピトープPLNFSRI(配列番号56)、または少なくとも5連続アミノ酸を含むその断片に特異的に結合し得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号4のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号5のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含み得る軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号6のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号7のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号8のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号9のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号10のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号11のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号12のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号13のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号14のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む重鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片は、配列番号15のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片はキメラ抗体またはその断片を含み得る。いくつかの態様において、モノクローナル抗体またはその断片はヒト化抗体またはその断片を含み得る。本明細書には、上記モノクローナル抗体またはその断片の1つ以上、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物が開示される。当業者であれば、本開示に鑑みて、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコース及びスクロース、(2)澱粉、例えばコーンスターチ及び馬鈴薯澱粉、(3)セルロース及びその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース、(4)粉末状トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えばココアバター及び坐剤用ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油、(10)グリコール、例えばプロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール、(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)発熱物質不含水、(17)等張生理食塩水、(18)リンガー液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、(21)ヒスチジン緩衝液、ならびに(21)医薬製剤に採用される他の無毒な適合物質を含むがこれらに限定されない様々な薬学的に許容される担体が使用され得ることを理解するであろう。さらに本明細書には、上記モノクローナル抗体またはその断片(複数可)の1つ以上、及び使用説明書を含み得る、キットが開示される。「断片」という用語が本明細書中で使用される限りにおいて、断片が、「断片(複数可)」という用語を使用しているか否かにかかわらず1つ以上の断片であってもよいことは、認識されよう。
定義
特に指定されない限り、本明細書中で使用される全ての科学技術用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において、本開示の説明の中で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示、及び本明細書に記載あるいは提供される任意の発明(複数可)を限定する意図はない。
アミノ酸は、本明細書では1文字のコードまたは3文字のコードによって表され、どちらも連邦規則集第37巻第1.822節及び確立された用法に則っている。
本明細書において引用される全ての刊行物、特許出願、特許、特許公報及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が、参考文献を提示する文及び/または段落に関連する教示内容に関して援用される。
本開示の説明及び別記の特許請求の範囲の中で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は複数形も含むことを意図しており、但し、そうでないことを文脈が明確に示している場合を除く。
本明細書中で使用する場合、「及び/または」は、関連して列挙された項目の1つ以上のありとあらゆる可能な組合せを、及び選択肢(「または」)として解釈したときに組み合わせないことを、意味及び包含する。
測定可能な値、例えば、ポリペプチドの量、用量、時間、温度、酵素活性または他の生物活性などに言及する場合に本明細書中で使用される「約」及び「およそ」という用語は、指定された量の±20%、±10%、±5%、±1%、+0.5、さらに言えば±0.1%の変動を包含することを意図している。
移行句「から本質的になる」は、請求項の範囲が、請求項に列挙される指定の材料またはステップ、及び請求項に記載の発明の「基本的及び新規な特質(複数可)に実質的に影響を及ぼさないもの」を包含すると解釈されるべきであることを意味する。In re Herz,537 F.2d 549,551-52,190 USPQ 461,463(CCPA1976)(強調部原著)を参照されたく、また、MPEP第2111.03章も参照されたい。
本開示のポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に適用される「から本質的になる」という用語(及び文法的変化形)は、列挙された配列(例えば配列番号)と、ポリペプチドの機能を実質的に変化させないような、列挙された配列のN末端及び/またはC末端にある合計10個以下(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個)の付加的アミノ酸との両方からなるポリヌクレオチドまたはポリペプチドを意味する。合計10個以下の付加的アミノ酸は、両末端にある付加的アミノ酸の足し合わせた総数を含み得る。
本明細書中で使用される「有効量」は、所望の効果をもたらす量である。「有効量」という用語は、KLRG1の活性を低減して患者における症候の改善をもたらすかあるいは所望の生物学的転帰、例えば、低減されたKLRG1の活性、リンパ球共抑制応答の調節、細胞傷害性T及びNK細胞の活性化の増大もしくは減少、または細胞傷害性T細胞もしくはNK細胞によるIFNγの放出の増大もしくは減少をもたらすのに十分な、投薬量または量を指す。
本明細書中で使用される「治療的有効」量は、いくらかの改善または利益を対象にもたらす量である。言い換えれば、「治療的有効」量は、対象における少なくとも1つの臨床症候のいくらかの軽減、緩和または減少をもたらすことになる量である。当業者であれば、対象にいくらかの利益がもたらされる限り治療効果が完全または治癒的である必要はないことを認識するであろう。
「治療する」、「治療すること」または「の治療」という用語によって、対象の症状の重症度が低減されるか少なくとも部分的に改善されるかまたは変化すること、及び少なくとも1つの臨床症候におけるいくらかの軽減、緩和または減少がもたらされることを意図する。
T細胞及び/またはNK細胞及び/またはKLRG1発現がん細胞に関して本明細書中で使用される「除去する」という用語は、対象または試料における測定可能な上記細胞の数の減少を意味する。減少は少なくとも約10%、例えば、少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%またはそれを上回るものであり得る。特定の実施形態では、当該用語は、対象または試料におけるT細胞及び/またはNK細胞及び/またはKLRG1発現がん細胞の数の検出限界未満の量への減少を意味する。
本明細書中で使用される「自己免疫障害」という用語は、自己免疫反応に関連する任意の障害を指す。例としては、多発性硬化症、クローン病、潰瘍性結腸炎、狼瘡、炎症性腸症候群及び過敏性腸症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「がん」という用語は、細胞の任意の良性または悪性の異常成長を指す。例としては、乳癌、前立腺癌、リンパ腫、皮膚癌、膵臓癌、結腸癌、メラノーマ、悪性メラノーマ、卵巣癌、脳腫瘍、原発性脳腫瘍、頭頸部癌、神経膠腫、神経膠芽腫、肝臓癌、膀胱癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌腫、乳房癌腫、卵巣癌腫、肺癌腫、小細胞肺癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸部癌腫、精巣癌腫、膀胱癌腫、膵臓癌腫、胃癌腫、結腸癌腫、前立腺癌腫、泌尿生殖器癌腫、甲状腺癌腫、食道癌腫、骨髄腫、多発性骨髄腫、副腎癌、腎細胞癌腫、子宮内膜癌腫、副腎皮質癌腫、悪性膵臓インスリノーマ、悪性カルチノイド癌腫、絨毛癌、菌状息肉症、悪性高カルシウム血症、子宮頸肥大、白血病、急性リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性顆粒球性白血病、有毛細胞白血病、神経芽腫、横紋筋肉腫、カポジ肉腫、真性多血症、本態性血小板血症、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、軟部組織肉腫、骨原性肉腫、原発性マクログロブリン血症及び網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、がんは、腫瘍形成性のがんの群から選択される。当業者であれば、どのがんがその群の範囲に含まれているかを認識するであろう。
「移植物」という用語は、本来の天然の部位または宿主から取り出されて同じ人または別個の個体の新たな位置に移される組織の切片または臓器全体を指す。移植物のレシピエントを治療する方法は、特に哺乳動物において、臓器または組織移植拒絶反応を抑制する方法に関する。より詳しくは、本開示は、移植拒絶反応の抑制を、それを必要とする哺乳動物において行う方法であって、移植拒絶反応抑制量の、KLRG1に特異的に結合する抗体及びその断片を含めた抗KLRG1結合剤をそのような哺乳動物に投与することを含み得る、当該方法に関する。
「単離された」という用語は、細胞性物質、ウイルス性物質及び/または培養培地(組換えDNA技術によって製造する場合)、または化学前駆体もしくは他の化学物質(化学合成する場合)を実質的に含まないポリペプチドを意味し得る。さらに、「単離された断片」は、断片として天然に存在せず、天然状態で見つかることがない、ポリペプチドの断片である。「単離された」は、調製物が技術的に純粋(同質)であることを意味するのではなく、ポリペプチドまたは核酸を意図した目的のために使用できる形態で提供する上でそれが十分に純粋であることを意味する。したがって、「単離された」という用語は、その天然環境が実質的に取り除かれた分子を意味する。例えば、単離されたタンパク質は、それを得る元となる細胞または組織源からの細胞性物質または他のタンパク質を実質的に含まない。「単離された」という用語はまた、単離されたタンパク質が医薬組成物として投与されるのに十分に純粋である、または少なくともおよそ70~80%(w/w)純粋である、より好ましくは少なくともおよそ80~90%(w/w)純粋である、よりいっそう好ましくはおよそ90~95%純粋である、及び最も好ましくは少なくともおよそ95%、少なくともおよそ96%、少なくともおよそ97%、少なくともおよそ98%、少なくともおよそ99%もしくは少なくともおよそ100%(w/w)純粋である調製物も意味する。
「断片」という用語は、ポリペプチドに適用される場合、基準ポリペプチドまたはアミノ酸配列に比べて長さが短く、基準ポリペプチドまたはアミノ酸配列と同一またはほとんど同一(例えば、およそ90%、およそ92%、およそ95%、およそ98%、およそ99%同一)である連続アミノ酸のアミノ酸配列を含む、それから本質的になる、及び/またはそれからなるアミノ酸配列を意味していると理解されよう。本開示に係るそのようなポリペプチド断片は、適当と認められる場合には、それを構成要素としたより大きなポリペプチドの中に含まれ得る。いくつかの実施形態では、そのような断片は、本開示に係るポリペプチドまたはアミノ酸配列の少なくとも約4、約6、約8、約10、約12、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、7約5、約100、約150、約200またはそれより多い連続アミノ酸の長さを有するペプチドを含み得る、それから本質的になり得る、及び/またはそれからなり得る。
本明細書中で使用する場合、「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は交換可能に使用され、特に指示しない限りペプチド及びタンパク質を両方とも包含する。
「融合タンパク質」は、融合し合った状態では天然にみられない2つの(またはそれより多い)異なるポリペプチドをコードする2つの異種ヌクレオチド配列またはその断片が正しい翻訳リーディングフレーム内で融合し合うときに生成されるポリペプチドである。例示的な融合ポリペプチドは、グルタチオンs転移酵素、マルトース結合タンパク質またはレポータータンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質、β-グルクロニダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼなど)、ヘマグルチニン、c-myc、FLAGエピトープなどの全体または一部との本開示のポリペプチド(またはその断片)の融合体を含む。
本明細書中で使用する場合、「機能性」ポリペプチドまたは「機能性断片」は、正常であればそのポリペプチドに関連付いている少なくとも1つの生物活性(例えば標的タンパク質結合性)を、実質的に保持しているものである。詳しい実施形態において、「機能性」ポリペプチドまたは「機能性断片」は、未改変ペプチドが持っている活性の全てを実質的に保持している。生物活性を「実質的に保持している」とは、ポリペプチドが天然ポリペプチドの生物活性を少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約75%、約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%またはそれより多く保持している(及び天然ポリペプチドよりも高いレベルの活性を有していることさえある)ことを意味する。「非機能性」ポリペプチドは、正常であればポリペプチドに関連付いている検出可能な生物活性を、ほとんどまたは実質的に全く(例えば、多くてもわずかな量、例えば、約10%未満、さらに言えば約5%未満しか)呈しないものである。生物活性、例えばタンパク質結合性は、当技術分野でよく知られている及び本明細書に記載されているアッセイを用いて測定され得る。
抗体及び組成物
本開示は、KLRG1の細胞外ドメインとのE-カドヘリン、R-カドヘリン及び/またはN-カドヘリンの結合に干渉することなく細胞のKLGR1の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体の同定及び特性評価を可能にする。そのような抗体は、例えば研究または治療を目的として、対象において細胞表面KLGR1が発現している細胞を除去するために有益に使用され得る。そのような抗体は、病原性及び自己免疫性T細胞ならびにKLGR1が発現しているがん細胞に関連する障害を治療するために使用され得る。したがって、本開示の1つの態様は、対象に投与されたときにKLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合し、KLGR1が発現している細胞を除去する、抗体またはその断片に関する。そのような抗体またはその断片は、がん細胞にKLRG1が発現するか否かにかかわらず、がん治療のための補助的療法として使用され得る。
完全な抗体は、免疫グロブリンとしても知られるが、典型的には、各々およそ25kDaの2本の軽(L)鎖と各々およそ50kDaの2本の重(H)鎖とからなる四量体型グリコシル化タンパク質である。抗体には、λ鎖及びκ鎖と呼称される2種類の軽鎖が見つかっている。重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に応じて免疫グロブリンは5つの主要なクラス:A、D、E、G及びMに割り振られ得、これらのいくつかはさらにサブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2に分割されることがある。
異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造及び三次元配置は当技術分野でよく知られている。手短に述べると、各軽鎖はN末端可変ドメイン(VL)及び定常ドメイン(CL)からなり得る。各重鎖は、N末端可変ドメイン(VH)、3つまたは4つの定常ドメイン(CH)、及びヒンジ領域からなり得る。VHの最も近傍にあるCHドメインはCH1と呼称される。VH及びVLドメインは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性配列の3つの領域のための足場を形成するものであるフレームワーク領域(FR1、FR2、FR3及びFR4)と呼ばれる比較的保存された配列の4つの領域からなる、またはそれを含む。CDRは、抗原との特異的相互作用を担う残基のほとんどを含有し得る。3つのCDRはCDR1、CDR2及びCDR3と称される。重鎖上のCDR構成要素がH1、H2及びH3と称される一方、軽鎖上のCDR構成要素はそれに対応してL1、L2及びL3と称される。CDR3及び特にH3は、抗原結合ドメイン内での分子多様性の最大の供給源である。例えばH3は、長さが26よりも高い2アミノ酸残基と短いものであり得る。
Fab断片(抗原結合性断片)またはFabは、定常領域間のジスルフィド結合によって共有結合で繋げられたVH-CH1及びVL-CLドメインからなる、またはそれを含む。当業者には知られていることであるが、Fab(50,000ダルトン)はIgG及びIgMから生成される一価断片であり、分子内ジスルフィド結合によって繋げられたVH、CH1、及びVL、CL領域からなる、またはそれを含む。Fv中の非共有結合で繋げられたVH及びVLドメインが宿主細胞において共発現したときに解離する傾向を克服するために、いわゆる一本鎖(sc)Fv断片(scFv)が構築され得る。scFvでは、柔軟で適切に長いポリペプチドが、VHのC末端をVLのN末端に、あるいはVLのC末端をVHのN末端に繋げている。最もよくあることとして、15残基(Gly4Ser)3ペプチドがリンカーとして使用され得るが、他のリンカーも当技術分野で知られている。
抗体多様性は、可変領域をコードする複数の生殖細胞系遺伝子と様々な体細胞事象とを組み合わせて組み立てた結果である。体細胞事象は、完全なVH領域を作るための可変遺伝子セグメントと多様性(D)及び結合(J)遺伝子セグメントとの再構成、ならびに完全なVL領域を作るための可変及び結合遺伝子セグメントの再構成を含み得る。再構成プロセス自体は不正確であり、結果としてV(D)J接合部におけるアミノ酸の欠損または付加が生じる。多様性のこれらの機序は、抗原曝露前の発達中のB細胞において起こる。B細胞において発現した抗体遺伝子は、抗原刺激後に体細胞突然変異を受け得る。
Fundamental Immunology,3rd ed.,ed.Paul,Raven Press,New York,N.Y.,1993によれば、生殖細胞系遺伝子セグメントの推定数、これらのセグメントのランダムな再構成、及びランダムなVH-VL対形成に基づいて、最大およそ1.6×10個の異なる抗体が生成され得る。抗体多様性に寄与する他のプロセス(例えば体細胞突然変異)を考慮に入れるとおよそ1×1010個を超える異なる抗体が生成される可能性があると考えられ、このことはImmunoglobulin Genes,2nd ed.,eds.Jonio et al.,Academic Press,San Diego,Calif.,1995によって支持されている。抗体多様性には多くのプロセスが関与するため、独立して生成された抗体がCDRにおいて同一のアミノ酸配列を有することは極めてあり得ないことである。
本開示は、細胞表面KLGR1が発現している細胞を除去するのに有効な、ヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリーに由来する新規CDRを提供する。CDRを運ぶための足場構造は、限定はされないが一般的には抗体重鎖もしくは軽鎖またはその一部であり得、CDRは、天然に存在するVH及びVLのCDRに対応する位置に配置される。免疫グロブリン可変ドメインの構造及び位置は、例えば、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,No.91-3242,National Institutes of Health Publications,Bethesda,Md.,1991に記載されているように決定され得る。
KLGR1発現細胞の除去
本明細書に記載されるような抗体は、免疫系において少なくとも2つの機能を呈する。それは、抗原、例えばKLRG1に結合し、抗原が発現している細胞を含めたこれらの抗原を、補体系の活性化、またはマクロファージなどの食細胞及び/または他の免疫細胞、例えば、NK細胞、白血球、血小板及び胎盤栄養膜細胞の上の細胞受容体(Fc受容体)との相互作用を含むがこれらに限定されない免疫グロブリンエフェクター機能によって排除する。
抗体依存性細胞貪食(ADCP)、抗体依存性細胞傷害(ADCC)及び補体依存性細胞傷害(CDC)は、標的細胞を殺傷してその結果として除去するための3つのよく知られた抗体媒介機序である。
機序または理論に拘泥しないが、抗体の抗原結合領域(可変ドメイン)を介した抗体の標的細胞との結合は、抗体の定常領域のFc領域(複数可)を介して標的細胞と免疫エフェクターとの連結をもたらし得る。ADCCにおいては、典型的には抗体のfc領域が免疫エフェクター細胞上、例えばNK細胞上のFcγRIIIa受容体に結合し、その後この免疫エフェクター細胞が標的細胞を殺傷し得る。ADCPにおいては、典型的には抗体のfc領域が免疫エフェクター細胞上、例えばマクロファージ細胞上のFcγRIIa受容体に結合し、その後この免疫エフェクター細胞が標的細胞を貪食及び殺傷し得る。CDCは、標的細胞に結合した抗体のfc領域に免疫複合体C1qが結合したときに誘導されて、標的細胞の表面に穴を空ける膜攻撃複合体の形成を誘発する。
このように、抗体の定常領域は、補体の活性化及びFc受容体との相互作用を含めたエフェクター機能を媒介してADCC、ADCPまたはCDCなどの作用を可能にする。CH1も、CκまたはCλドメインも、エフェクター機能を媒介せず、これが、FabがADCC、ADCPまたはCDCを示さない理由である。
Fcガンマ受容体の3つのクラス、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)が存在している。FcγRIのみが単量体形態のIgGに結合することができ、FcγRI受容体の親和性は免疫グロブリン受容体FcγRII及びFcγRIIIに比べて高い。高親和性受容体FcγRIは単球上、マクロファージ上及び樹状細胞上に恒常的に発現し、好中球上及び好酸球上に発現が誘導され得る。それゆえ、これらの細胞は、標的細胞に結合したfc領域を含む抗体またはその抗体断片を介して標的細胞に動員され得る。
FcγRIIa受容体は、マクロファージ上、単球上及び好中球上にみられ、FcγRIIb受容体は、B細胞上、マクロファージ上、マスト細胞上及び好酸球上にみられる。FcγRIIIa受容体は、NK細胞上、マクロファージ上、好酸球上、単球上及びT細胞上にみられ、FcγRIIIb受容体は好中球上に高度に発現する。またしても、これらの様々な細胞種は、標的細胞に結合したfc領域を含む抗体またはその抗体断片を介して、標的細胞に結合した抗体によって標的細胞に動員され得る。
したがって、抗体及びその抗原結合性断片を含めたKLRG1結合分子、ならびに対象または試験管内でのKLRG1除去に関係するものを含めたその方法は、いくつかの態様において、KLRG1抗原結合部位を抗体定常ドメインまたはその断片と一緒に含む。これは、ADCC、ADCPまたはCDCを含むがこれらの限定されないエフェクター機能を媒介するように機能し得る。いくつかの態様において、KLRG1結合分子は、国際特許出願公開第WO02/44215号に記載されるように、抗体の抗原結合部位と、ペプチド結合性Fcエフェクター分子とからなる、またはそれを含む。
KLGR1発現細胞の除去のための手段としての免疫毒
いくつかの態様において、本開示によって提供される抗体及び/またはその抗原結合性断片は毒性薬剤に結合体化され、それゆえ、標的細胞、例えば細胞表面KLGR1が発現している病原性細胞及び/またはがん細胞を除去するのに必ずしもADCC、ADCPまたはCDCでの内在性エフェクター細胞に依存する必要はない。
1つ以上の細胞毒を含む免疫結合体は「免疫毒」と称される。細胞毒性薬、薬物またはそれに類似するものに結合体化された抗体は、抗体-薬物複合体(ADC)としても知られている。免疫結合体は、抗体-薬物複合体が内在化され分解され遊離毒素による細胞殺傷を誘導するのに十分な期間の半減期を有し得る。細胞毒または細胞毒性薬は、細胞にとって有害な(例えばそれを殺傷する)任意の薬剤を含み得る。本開示の免疫結合体を形成するのに適する細胞毒性薬としては、タキソール、ツブリシン、デュオスタチン、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、メイタンシンまたはその類縁体もしくは誘導体、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール及びピューロマイシン;カリキアマイシンまたはその類縁体もしくは誘導体、代謝拮抗薬(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、デカルバジン、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、ゲムシタビン、クラドリビン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、ダカルバジン(DTIC)、プロカルバジン、マイトマイシンC、シスプラチン及び他の白金誘導体、例えばカルボプラチン;ならびにデュオカルマイシンA、デュオカルマイシンSA、CC-1065(別名ラシェルマイシン)またはCC-1065の類縁体もしくは誘導体)、ドラスタチン、アウリスタチン、ピロール[2,1-c][1,4]ベンゾジアゼピン(PDB)、インドリノベンゾジアゼピン(IGN)またはその類縁体、抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)、ドキソルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン、アントラマイシン(AMC))、抗有糸分裂剤(例えばチューブリン指向性薬剤)、例えば、ジフテリア毒素及び関連する分子(例えば、ジフテリアA鎖及びその活性断片及びハイブリッド分子);リシン毒素(例えば、リシンAまたは脱グリコシル化リシンA鎖毒素)、コレラ毒素、志賀様毒素(SLT-I、SLT-II、SLT-IIV)、LT毒素、C3毒素、志賀毒素、百日咳毒素、破傷風毒素、ダイズ由来ボーマン-バークプロテアーゼ阻害剤、Pseudomonas属菌外毒素、アロリン、サポリン、モデシン、ゲラニン、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、Aleurites fordiiタンパク質、ジアンチンタンパク質、Phytolacca americanaタンパク質(PAPI、PAPII及びPAP-S)、momordica charantia阻害剤、キュルシン、クロチン、sapaonaria officinalis阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン、レストリクトシン、フェノマイシン及びエノマイシン毒素が挙げられる。結合体化される他の好適な分子としては、抗菌/溶解性ペプチド、例えば、CLIP、マガイニン2、メリチン、セクロピン及びP18;リボヌクレアーゼ(RNアーゼ)、DNアーゼI、ブドウ球菌エンテロトキシンA、アメリカヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、ジフテリア毒素及びPseudomonas属菌内毒素が挙げられる。
補足的治療剤
本開示の抗体は、その断片及びその結合体を含めて、他の治療剤と併せて患者に任意選択的に送達され得る。補足的治療剤は、本開示の抗体と同時発生的に送達され得る。本明細書中で使用する場合、「同時発生的に」という単語は、組み合わさった効果をもたらすのに十分に時間が近いことを意味する(つまり、同時発生的にとは、同時にということであってもよいし、またはそれは、2つ以上の事象が互いの前または後の短時間の内に起こるということであってもよい)。
いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、抗がん剤、例えば、1)ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン);2)エピポドフィロトキシン(例えばエトポシド及びテニポシド);3)抗生物質(例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン(ダウノマイシン、ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)及びマイトマイシン(マイトマイシンC));4)酵素(例えば、L-アスパラギナーゼ);5)生物学的応答調整剤(例えば、インターフェロン-アルファ);6)白金配位錯体(例えばシスプラチン及びカルボプラチン);7)アントラセンジオン(例えばミトキサントロン);8)置換尿素(例えばヒドロキシ尿素);9)メチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジン(N-メチルヒドラジン、MIH));10)副腎皮質抑制薬(例えば、ミトタン(o,p’-DDD)及びアミノグルテチミド);11)副腎皮質ステロイド(例えばプレドニゾン);12)プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、及び酢酸メゲストロール);13)エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール及びエチニルエストラジオール);14)抗エストロゲン薬(例えばタモキシフェン);15)アンドロゲン(例えばプロピオン酸テストステロン及びフルオキシメステロン);16)抗アンドロゲン薬(例えばフルタミド);及び17)ゴナドトロピン放出ホルモン類縁体(例えばロイプロリド)と併せて投与され得る。いくつかの実施形態では、本開示の抗体は、抗血管新生剤、例えばVEGFに対する抗体(例えば、ベバシズマブ(アバスチン)、ラニビズマブ(ルセンティス))、及び他の血管新生の促進剤(例えば、bFGF、アンジオポエチン-1)、アルファ-v/ベータ-3血管インテグリンに対する抗体(例えばビタキシン)、アンジオスタチン、エンドスタチン、ダルテパリン、ABT-510、CNGRCペプチドTNFアルファ結合体、シクロホスファミド、コンブレタスタチンA4ホスフェート、ジメチルキサンテノン酢酸、ドセタキセル、レナリドミド、エンザスタウリン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤(アブラキサン)、ダイズイソフラボン(ゲニステイン)、タモキシフェンクエン酸塩、サリドマイド、ADH-1(EXHERIN)、AG-013736、AMG-706、AZD2171、ソラフェニブトシル酸塩、BMS-582664、CHIR-265、パゾパニブ、PI-88、バタラニブ、エベロリムス、スラミン、スニチニブリンゴ酸塩、XL184、ZD6474、ATN-161、シレンジタイド及びセレコキシブと併せて投与され得る。
自己免疫疾患の治療または移植治療における治療を含むがこれらに限定されないいくつかの実施形態では、本開示の抗体は、例えばシクロスポリンA、ラパマイシン、グルココルチコイド、アザチオプリン、ミゾリビン、アスピリン誘導体、ヒドロキシクロロキン、メトトレキサート、シクロホスファミド及びFK506(タクロリムス)を含めた免疫抑制剤と併せて投与され得る。
抗体に関連する定義
本明細書中で使用される「抗体(antibody)」または「抗体(antibodies)」という用語は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEを含めたあらゆる種類の免疫グロブリンを指す。抗体は、単クローン性または多クローン性であり得、例えばマウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ラクダまたはヒトを含めた任意の種を起源とし得、またはキメラ抗体であり得る。抗体は、例えば米国特許第4,474,893号または米国特許第4,816,567号に開示される方法に従って製造された組換えモノクローナル抗体であり得る。抗体はまた、例えば米国特許第4,676,980号に開示される方法に従って化学的に構築され得る。
「抗原結合ドメイン」、「抗原結合性断片」及び「結合性断片」という用語は、抗体と抗原との特異的な結合を担うアミノ酸を含む、抗体分子の部分を指す。抗原が大きい場合、抗原結合ドメインは抗原の一部にしか結合しない場合がある。抗原結合ドメインとの特異的相互作用を担う、抗原分子の部分は、「エピトープ」または「抗原決定基」と称される。
抗原結合ドメインは、典型的には抗体軽鎖可変領域(VL)及び抗体重鎖可変領域(VH)を含むが、但しそれが必ずしも両方を有しているわけではない。例えば、いわゆるFd抗体断片はVHドメインのみからなるが、なおも完全抗体の抗原結合性断片をいくらか保持している。
抗KLRG1抗体は、任意選択的に抗体定常領域またはその一部を含み得る。例えば、VLドメインはそのC末端において、ヒトCκまたはCλ鎖を含む抗体軽鎖定常ドメインと結合していてもよい。同様に、VHドメインに基づく特異的抗原結合ドメインは、任意の抗体アイソトープ、例えばIgG、IgA、IgE及びIgM、ならびにIgG1及びIgG4を含むがこれらに限定されないアイソトープサブクラスのいずれかに由来する免疫グロブリン重鎖の全てまたは一部と結合していてもよい。C末端断片のためのDNA及びアミノ酸配列は当技術分野でよく知られている。
「レパートリー」という用語は、発現した免疫グロブリンをコードする配列に全体または一部が由来している遺伝的に多様なヌクレオチドの集まりを指す。配列は、例えばH鎖についてはV、D及びJセグメントの、及び例えばL鎖についてはV及びJセグメントの、生体内での再構成によって生成され得る。あるいは、配列は、再構成を起こす応答をもたらす試験管内での刺激によって細胞株から生成され得る。あるいは、配列の一部または全てを、ヌクレオチド合成、ランダム突然変異誘発及び他の例えば米国特許第5,565,332号に開示されているような方法によって、例えば再構成されていないVセグメントをD及びJセグメントと組み合わせることによって得てもよい。
「特異的な相互作用」及び「特異的な結合」という用語は、生理条件下で比較的安定した複合体を形成している2つの分子を意味する。特異的な結合は、通常親和性が低く容量が中等度~高度である非特異的な結合とは区別される高い親和性及び低度~中等度の容量を特徴とし得る。典型的には、親和性定数KAがおよそ10-1よりも高い、または好ましくはおよそ10-1よりも高い場合に、結合は特異的であるとみなされる。必要に応じて、非特異的な結合は、特異的な結合に実質的に影響を与えることなく例えば結合条件を変化させることによって低減され得る。適切な結合条件、例えば、抗体の濃度、溶液のイオン強度、温度、結合のために与えられる時間、遮断剤(例えば、血清アルブミン、乳カゼイン)の濃度などは、慣例的な技術を用いて当業者によって最適化され得る。
特定の実施形態では、抗体は、KDで表して少なくとも約2nM、約1nm、約100pM、約10pMまたは約5pMの親和性で、ヒトまたはマウスまたはサルKLRG1の細胞外ドメイン(ECD)の中のエピトープに特異的に結合し得る。ヒト及びカニクイザルKLRG1のECDのアミノ酸配列は、以下の実用実施例1に列挙される配列番号1及び配列番号2に示される。
抗体結合特異性
本開示の抗体が、例えばKLRG1の全体または一部を含む組換えタンパク質を含めた他のタンパク質にも結合し得ることを企図する。
当業者であれば、KLRG1とは幾分異なったタンパク質を検出、測定及び阻害するために本開示の抗体を使用してもよいことを認識するであろう。配列番号1または配列番号2に示される配列の任意の少なくとも約130、約100、約80、約60、約40または約20連続アミノ酸の配列との同一性が少なくとも約60%、約70%、約80%、約90%、約95%であるかまたはそれよりも高い配列を標的タンパク質が含んでいる限り、抗体は結合の特異性を保持すると予測され得る。同一性パーセントは、標準的なアラインメントアルゴリズム、例えば、Altshul et al.(1990)J.Mol.Biol.,215:403-410に記載される基本的な局所的アラインメントツール(BLAST)、Needleman et al.(1970)J.Mol.Biol.,48:444-453のアルゴリズム、またはMeyers et al.(1988)Comput.Appl.Biosci.,4:11-17のアルゴリズムなどによって決定される。
配列相同性解析に加えてエピトープマッピング(例えば、Epitope Mapping Protocols,ed.Morris,Humana Press,1996を参照されたい)ならびに二次及び三次構造解析を行って、本開示の抗体、及びその抗原との複合体がとる特異な3D構造を同定することができる。そのような方法としては、X線結晶構造解析(Engstom(1974)Biochem.Exp.Biol.,11:7-13)、及び本開示の抗体の仮想表示のコンピュータモデリング(Fletterick et al.(1986)Computer Graphics and Molecular Modeling,in Current Communications in Molecular Biology,Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,N.Y.)が挙げられるが、これらに限定されない。
抗体変異体
本開示は、KLRG1に特異的な抗体を得る方法も提供する。そのような抗体の相補性決定領域(CDR)は、実用実施例において同定されたVH及びVLの特定の配列に限定されず、KLRG1に特異的に結合する能力を保持しながらKLRG1とE-カドヘリン、N-カドヘリン及びR-カドヘリンとによる結合には干渉しないこれらの配列の変異体を含み得る。そのような変異体は、当業者によって、当技術分野でよく知られている技術を用いて実用実施例に列挙される配列から得られ得る。例えば、フレームワーク領域(FR)及び/またはCDRにアミノ酸置換、欠失または付加が作られ得る。FRにおける変更は通常は抗体の安定性及び免疫原性を改善するように設計され得るが、CDRにおける変更は、抗体のその標的に対する親和性を向上させるように設計されるのが典型的であり得る。
FRに対する変更としては、非ヒト由来のものをヒト化すること、あるいは抗原接触または結合部位の安定化のために重要な特定のフレームワーク残基を操作すること、例えば、定常領域のクラスもしくはサブクラスを変更すること、米国特許第5,624,821号及び第5,648,260号、ならびにLund et al.(1991)J.Immun.147:2657-2662、及びMorgan et al.(1995)Immunology 86:319-324に記載されているようにFc受容体結合性などのエフェクター機能を変化させる可能性がある特定のアミノ酸残基を変化させること、または定常領域を得る元となる種を変更することが挙げられるが、これらに限定されない。
FRの変異体には、天然に存在する免疫グロブリンアロタイプも含まれる。そのような親和性を向上させる変更は、CDRを変化させること及び抗体のその標的に対する親和性を試験することを含む慣例的な技術によって実験的に決定され得る。例えば、本開示のCDRのいずれか1つの中に保存的アミノ酸置換が作られ得る。様々な変更が、例えばAntibody Engineering,2nd ed.,Oxford University Press,ed.Borrebaeck,1995.に記載されている方法に従ってなされ得る。これらには、配列内での機能的に等価なアミノ酸残基をコードする異なるコドンの置換によって変更されてそれゆえ「サイレントな」変化が生じたヌクレオチド配列が含まれるが、これに限定されない。例えば、非極性アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファン及びメチオニンが挙げられる。極性の中性アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン及びグルタミンが挙げられる。正に帯電した(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、リジン及びヒスチジンが挙げられる。負に帯電した(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸及びグルタミン酸が挙げられる。配列内のアミノ酸を置換するものは、アミノ酸が属するクラスの他のメンバー(表6参照)から選択され得る。さらに、ポリペプチド中の任意の天然の残基をアラニンで置換してもよい(例えば、MacLennan et al.(1998)Acta Physiol.Scand.Suppl.643:55-67、Sasaki et al.(1998)Adv.Biophys.35:1-24を参照されたい)。
「実質的には提示されているとおりである」という語句は、本開示の関連するCDR、VHまたはVLドメインが、提示されている配列と同一であるか、指定の領域(例えばCDR)においてそれとの違いがごくわずかしかないかのどちらかであることを意味する。わずかな違いには、軽微なアミノ酸変化、例えば、指定の領域の配列における任意の5つのアミノ酸のうちの1つまたは2つの置換も含まれる。
「KLRG1活性」という用語は、KLRG1に関連する1つ以上のリンパ球共抑制活性を指す。例えば、KLRG1活性は、細胞傷害性T及びNK細胞活性化の調節を意味し得る。
「調節する」という用語及びその同属語は、T細胞及びNK細胞の活性化に関連するKLRG1の活性の、それと抗KLRG1抗体との相互作用による低減または増大を意味し、ここでの低減または増大は、同抗体の非存在下でのKLRG1の活性と比較したときのものである。活性の低減または増大は、好ましくは少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、またはそれを上回るものである。KLRG1活性が低減される場合、「調節性」及び「調節する」という用語は、「抑制性」及び「抑制する」という用語と交換可能である。KLRG1活性が増大する場合、「調節性」及び「調節する」という用語は、「活性化」及び「活性化させる」という用語と交換可能である。
本開示の範囲に含められる抗体断片としては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片;ドメイン抗体、ダイアボディ;ワクチボディ、線状抗体;一本鎖抗体分子;ならびに抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。そのような断片は既知の技術によって製造され得る。例えば、F(ab’)2断片は抗体分子のペプシン消化によって製造され得、Fab断片は、F(ab’)2断片のジスルフィド架橋を還元することによって生成され得る。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の高速かつ簡便な同定を可能にしてもよい(Huse et al,Science 1989 Dec 8;246(4935):1275-1281参照)。
本開示の抗体を、抗体を産生した種以外の種との適合性のために改変するまたは突然変異させることがある。例えば、抗体をヒト化またはラクダ化することがある。非ヒト(例えばマウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含有するキメラ免疫グロブリン、その免疫グロブリン鎖または断片(例えば、Fv、Fab、Fab1、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合配列)である。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性及び容量を有するマウス、ラットまたはウサギなどの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基で置き換えられた、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基を、対応する非ヒト残基で置き換えてもよい。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体にも、移入されるCDRまたはフレームワーク配列にもみられない残基を含んでいてもよい。一般に、ヒト化抗体は、全てまたは少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインを含み得、全てまたは実質的に全てのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのものに相当しており、全てまたは実質的に全てのフレームワーク(FR)領域(すなわち、CDR領域間の配列)はヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものとなっている。ヒト化抗体は、免疫グロブリンの定常領域(Fc)、典型的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部も含んでいることが最適であり得る。
特定の実施形態では、VH及び/またはVLドメインは生殖細胞系のものにされ得、つまり、これらのドメインのフレームワーク領域(FR)は、生殖系列細胞によって産生されるものと整合するように従来の分子生物学技術によって突然変異している。他の実施形態では、フレームワーク配列はコンセンサス生殖細胞系配列から逸れたままにされる。
非ヒト抗体をヒト化する方法は当技術分野でよく知られている。本開示、及び本明細書に提供される任意の発明(複数可)は、いかなる特定の供給源、原種または製造方法にも限定されない。一般に、ヒト化抗体は、非ヒトである供給源からその中に導入された1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は「移入」残基と称されることが多いが、これらは典型的には、「移入」可変ドメインから取って来られたものである。ヒト化は、本質的には、Winter and co-workers(Jones et al,Nature 321:522(1986)、Riechmann et al,Nature 332:323(1988)、Verhoeyen et al,Science 239:1534(1988))の方法に従って齧歯動物CDRまたはCDR配列でヒト抗体の対応配列を置換することによって実施され得る。したがって、そのような「ヒト化」抗体は、ヒト可変ドメインの全体よりもかなり少ない部分が非ヒト種からの対応配列で置換されたキメラ抗体である(米国特許第4,816,567号)。実際、ヒト化抗体は典型的には、いくつかのCDR残基(例えばCDRの全体またはその一部)及び場合によってはいくつかのFR残基が齧歯動物抗体の類似した部位からの残基で置換されたヒト抗体である。
ヒト抗体も、ファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.227:381(1991)、Marks et al,J.Mol Biol 222:581(1991))を含めた当技術分野で知られている様々な技術を用いて製造され得る。Cole et al及びBoerner et alの技術は、ヒトモノクローナル抗体の調製のためにも利用可能である(Cole et al,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985)、及びBoerner et al,J.Immunol.147:86(1991))。同様に、ヒト抗体は、内在性免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全に不活性化された遺伝子導入動物、例えばマウスにヒト免疫グロブリン遺伝子座を導入することによって作られ得る。攻撃時にヒト抗体産生が認められるが、これは、遺伝子再構成、組立て及び抗体レパートリーを含めたあらゆる点で、ヒトにおいてみられるものと酷似する。この手法は例えば米国特許第9,434,782号、第9,253,965号、第5,545,807号、第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号及び第5,661,016号、ならびに以下の科学刊行物に記載されている:Lee,E-Chiang et al.“Complete humanization of the mouse immunoglobulin loci enables efficient therapeutic antibody discovery”Nature Biotechnology volume 32,pages 356-363(2014)、Marks et ah,Bio/Technology 10:779(1992)、Lonberg et l,Nature 368:856(1994)、Morrison,Nature 368:812(1994)、Fishwild et ah,Nature Biotechnol.14:M5(1996)、Neuberger,Nature Biotechnoh 14:826(1 96)、Lonberg and Huszar,Intern,Rev.Immunol 13:65(1995)。
本開示を実行するために使用されるモノクローナル抗体は、Kohler and Milstein,Nature 265:495(1975)の技術に従ってハイブリドーマ細胞株において産生され得る。例えば、適切な抗原を含有する溶液をマウスに注射し、十分な時間の後にマウスを屠殺して、脾細胞を得ることができる。その後、脾細胞を典型的にはポリエチレングリコールの存在下で例えば骨髄腫細胞またはリンパ腫細胞と融合させることによってそれを不死化してハイブリドーマ細胞を生成することができる。その後、ハイブリドーマ細胞を好適な培地の中で成長させ、上清から所望の特異性を有するモノクローナル抗体をスクリーニングすることができる。モノクローナルFab断片は、当業者に知られている組換え技術によってE.coliにおいて産生され得る。標的ポリペプチドに特異的な抗体は、当技術分野で知られているファージディスプレイ技術によって得ることもできる。
KLRG1の細胞外ドメインに対する所望の特異性を有する抗体を同定するスクリーニングのために様々な免疫アッセイが用いられ得る。確立された特異性を有するモノクローナル抗体を使用した競合的結合または免疫放射定量アッセイのための幾多のプロトコールが当技術分野でよく知られている。そのような免疫アッセイは、典型的には、抗原とその特異抗体との間での複合体形成(例えば、抗原/抗体複合体形成)の測定を含む。本開示のポリペプチドまたはペプチドの上の2つの非干渉性エピトープに対して反応するモノクローナル抗体を利用する二部位型の単クローン系免疫アッセイを競合的結合アッセイとして同様に用いることもできる。
上記の結合体以外にも、本明細書に記載の抗KLRG1抗体を固体担体(例えば、ラテックスまたはポリスチレンなどの材料で形成されたビーズ、プレート、スライドまたはウェル)に、既知の技術に従って結合体化してもよい。同様に、本明細書に記載の抗KLRG1抗体を、検出可能な基、例えば、放射性標識(例えば、同じく慣例的な化学を用いて抗体に結合され得る35S、125I、131Iまたは99mTc)、酵素標識(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)及び蛍光標識(例えばフルオレセイン)に、既知の技術に従って結合体化してもよい。検出可能な標識にはさらに、化学部分、例えばビオチンが含まれ、これは、特定の同属検出可能部分、例えば標識されたアビジンとの結合によって検出され得る。本開示の方法における抗体/抗原複合体の形成の判定は、例えば、沈澱、膠着、凝集、放射能、発色または色変化、蛍光、発光などの検出によって行われ得、当技術分野でよく知られている。
上記のとおり、本明細書に記載の抗KLRG1抗体は、別の機能性分子、例えば、別のペプチドまたはタンパク質(アルブミン、別の抗体など)、毒素、放射性同位体、細胞毒性または細胞増殖抑制薬に連結され得る。例えば、抗体は化学架橋によって、または組換え法によって連結され得る。抗体はまた、米国特許第4,640,835号、第4,496,689号、第4,301,144号、第4,670,417号、第4,791,192号及び第4,179,337号に示される方法で様々な非タンパク質性ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンのうちの1つに連結されてもよい。抗体を、例えばその循環半減期を延ばすために、共有結合によるポリマーとの結合体化によって化学修飾してもよい。例示的なポリマー及びそれを結合させる方法も、米国特許第4,766,106号、第4,179,337号、第4,495,285号及び第4,609,546号に示されている。
本明細書に記載の抗KLRG1抗体を、天然の様式とは異なるグリコシル化様式を有するように改変してもよい。例えば、1つ以上の炭水化物部分を欠失させること及び/または1つ以上のグリコシル化部位を元の抗体に付加することができる。本開示の抗体に対するグリコシル化部位の付加は、当技術分野で知られているグリコシル化部位コンセンサス配列を含有するようにアミノ酸配列を変化させることによって成し遂げられ得る。抗体上の炭水化物部分の数を増加させる別の手段は、抗体のアミノ酸残基に対するグリコシドの化学的または酵素的カップリングによるものである。そのような方法は、国際特許出願公開第WO87/05330号、及びAplin et al.(1981)CRC Crit.Rev.Biochem.,22:259-306に記載されている。抗体からの任意の炭水化物部分の除去は、例えばHakimuddin et al.(1987)Arch.Biochem.Biophys.,259:52、及びEdge et al.(1981)Anal.Biochem.,118:131によって及びThotakura et al.によって記載されているように、化学的または酵素的に成し遂げられ得る。
さらなる実施形態
特定の実施形態では、モノクローナル抗体またはその断片はキメラ抗体またはヒト化抗体であり得る。さらなる実施形態において、キメラまたはヒト化抗体は、モノクローナル抗体のCDRの少なくとも一部を含む。本明細書中で使用する場合、CDRの「一部」は、CDRを構成する重軽鎖の各々から3つずつのループのうちの(例えば1~6個のCDRからの)1つ以上として、または少なくとも3連続アミノ酸を含む、それから本質的になる、もしくはそれからなるループの1つ以上の部分として定義される。例えば、キメラまたはヒト化抗体は、1、2、3、4、5もしくは6個のCDRループ、1、2、3、4、5または6個のCDRループの一部、またはそれらの混合物を任意の組合せで含み得る。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、6、8、10、12、14のいずれか1つのアミノ酸配列、またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、6、8、10、12、14のいずれか1つのアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列、例えば少なくとも約100もしくは約150もしくは約200もしくはそれ以上連続するアミノ酸の、少なくとも50連続アミノ酸を含む重鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5、7、9、11、13、15のいずれか1つのアミノ酸配列、またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5、7、9、11、13、15のいずれか1つのアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列、例えば少なくとも約100もしくは約150もしくは約200もしくはそれ以上連続するアミノ酸の、少なくとも50連続アミノ酸を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、6、8、10、12、14のいずれか1つのアミノ酸配列、またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列を含む重鎖可変領域、及び配列番号5、7、9、11、13、15のいずれか1つのアミノ酸配列、またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、6、8、10、12、14のいずれか1つのアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列、例えば少なくとも約100もしくは約150もしくは約200もしくはそれ以上連続するアミノ酸の、少なくとも50連続アミノ酸を含む重鎖可変領域、及び配列番号5、7、9、11、13、15のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である配列、例えば少なくとも約100もしくは約150もしくは約200もしくはそれ以上連続するアミノ酸の、少なくとも50連続アミノ酸を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、6、8、10、12、14のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列からの、少なくとも1つのCDR(例えば1、2または3)またはその一部を含む重鎖可変領域を含む。当業者であれば、CDRが結合特異性において役割を果たすこと、及び(例えばマウス抗体のヒト化のための)配列置換がCDRの外側でなされるのが典型的であること、及び最小限の変更がCDR内でなされるのが典型的であることを理解する。このように、いくつかの実施形態では、本開示の配列と少なくともおよそ90%同一である配列は、CDRに対する変更を全くまたは最低限の数しか含まない。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号5、7、9、11、13、15のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列からの、少なくとも1つのCDR(例えば1、2または3)またはその一部を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、抗体またはその断片は、配列番号4、6、8、10、12、14のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列からの、少なくとも1つのCDR(例えば1、2または3)またはその一部を含む重鎖可変領域、及び配列番号5、7、9、11、13、15のアミノ酸配列またはそれと少なくともおよそ90%同一である、例えばそれと少なくとも約95%、約96%、約97%、約98%もしくは約99%同一である配列からの、少なくとも1つのCDR(例えば1、2または3)またはその一部を含む軽鎖可変領域を含む。
さらなる実施形態において、抗体は、モノクローナル抗体ABC_G1D01またはABC_G1D02またはABC_G1D03またはABC_G1D04またはABC_G1D05またはABC_G1D06によって特異的に結合される同じエピトープに対する結合をめぐって競合するモノクローナル抗体またはその断片であり得る。さらに他の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体ABC_G1D01またはABC_G1D02またはABC_G1D03またはABC_G1D04またはABC_G1D05またはABC_G1D06によって特異的に結合される同じエピトープに特異的に結合するモノクローナル抗体またはその断片であり得る。特定の実施形態では、モノクローナル抗体またはその断片はキメラ抗体またはヒト化抗体であり得る。いくつかの実施形態では、キメラまたはヒト化抗体は、モノクローナル抗体ABC_G1D01またはABC_G1D02またはABC_G1D03またはABC_G1D04またはABC_G1D05またはABC_G1D06の1つの、CDRの少なくとも一部を含み得る。
核酸、クローニング及び発現システム
本開示はさらに、本開示の抗体をコードする単離された核酸を提供する。核酸は、DNAまたはRNAを含み得、全体的または部分的に合成または組換えのものであり得る。本明細書に提示されるヌクレオチド配列への言及は、指定の配列を有するDNA分子を包含し、かつ、TをUで置き換えた指定の配列を有するRNA分子を包含し、但し、文脈が別段の要求をしている場合を除く。
本明細書に提供される核酸は、本明細書に開示されるCDR、VHドメイン及び/またはVLドメインのコード配列を含み得る。本開示はまた、本明細書に開示されるCDR、VHドメイン及び/またはVLドメインをコードする少なくとも1つの核酸を含み得るプラスミド、ベクター、ファージミド、転写または発現カセットの形態の構築物も提供する。本開示はさらに、1つ以上の上記構築物を含み得る宿主細胞を提供する。
さらには、任意のCDR(H1、H2、H3、LI、L2またはL3)、VHまたはVLドメインをコードする核酸、及びコードされる産物を作る方法が提供される。方法は、コードされる産物をコード核酸から発現させることを含み得る。発現は、例えば、核酸を含有する組換え宿主細胞を適切な条件の下で培養することによって成し遂げられ得る。発現による産生の後、任意の好適な技術を用いてVHもしくはVLドメインまたは特異的結合メンバーが単離及び/または精製され得、その後、必要に応じた及び当業者に理解される使用がなされ得る。
抗原結合性断片、VH及び/またはVLドメイン、ならびにコード核酸分子及びベクターは、それらの天然の環境から、実質的に純粋もしくは同質な形態で、または核酸の場合には必要とされる機能を有するポリペプチドをコードする配列以外を由来とする核酸もしくは遺伝子を含まずにもしくは実質的に含まずに、単離及び/または精製され得る。
様々な異なる宿主細胞におけるポリペプチドのクローニング及び発現のためのシステムは当技術分野でよく知られている。抗体を製造するのに適する細胞については、Gene Expression Systems,Academic Press,eds.Fernandez et al.,1999を参照されたい。手短に述べると、好適な宿主細胞としては、細菌、植物細胞、哺乳動物細胞ならびに酵母及びバキュロウイルスシステムが挙げられる。異種ポリペプチドの発現のために当技術分野で利用できる哺乳動物細胞株には、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎由来細胞、NS0マウス骨髄腫細胞など多数が含まれる。一般的な細菌宿主はE.coliである。本開示に適合するいかなるタンパク質発現システムを使用して本開示の抗体を製造してもよい。好適な発現システムとしては、Gene Expression Systems,Academic Press,eds.Fernandez et al.,1999に記載される遺伝子導入動物が挙げられる。
好適なベクターは、プロモーター配列、ターミネーター配列、ポリアデニル化配列、エンハンサー配列、マーカー遺伝子及び他の適切な配列を含めた適切な調節配列を含有するように選択または構築され得る。ベクターは必要に応じてプラスミドまたはウイルス性のもの、例えばファージもしくはファージミドであり得る。さらなる詳細については、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989を参照されたい。核酸の操作を例えば核酸構築物の調製、突然変異誘発、配列決定、細胞内へのDNAの導入及び遺伝子発現、ならびにタンパク質の分析の際に行うための、多くの既知の技術及びプロトコールが、Current Protocols in Molecular Biology,2nd Edition,eds.Ausubel et al.,John Wiley &Sons,1992に詳しく記載されている。
本開示のさらなる態様は、本明細書に開示されるかあるいは本開示から想到できる核酸を含む宿主細胞を提供する。本開示のさらに他の態様は、そのような核酸を宿主細胞に導入することを含む方法を提供する。導入には、利用可能な任意の技術が採用され得る。真核生物細胞に適する技術には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン、電気穿孔、リポソーム媒介トランスフェクション、及びレトロウイルスまたは他のウイルス、例えばワクチニア、もしくは昆虫細胞ではバキュロウイルスを使用する形質導入が含まれ得る。細菌細胞に適する技術には、塩化カルシウム形質転換、電気穿孔、及びバクテリオファージを使用するトランスフェクションが含まれ得る。細胞内への核酸の導入の後には、例えば宿主細胞を遺伝子の発現に適した条件の下で培養することによって、核酸からの発現が引き起こされ得る、または可能にされ得る。
医薬組成物及び投与方法
本開示は、KLRG1除去剤、抗KLRG1抗体及び/またはその断片、及び/またはその結合体及び融合タンパク質を含む組成物を提供する。本開示の組成物は、任意選択的に、薬剤、医薬品、担体、薬学的に許容される担体、アジュバント、分散剤、希釈剤などを含み得る。そのような組成物は医薬用途及び患者への投与に適し得る。「薬学的に許容される」とは、生物学またはその他に関して望ましくないものでない材料であること、つまり、毒性などの望ましくない生物学的作用を何ら引き起こさずに材料を対象に投与できることを意味する。組成物は、典型的には、本開示の1つ以上の抗体、及び薬学的に許容される担体を含む。「薬学的に許容される担体」という語句には、医薬投与に適合するありとあらゆる溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張化剤、ならびに吸収遅延剤などが含まれる。医薬活性物質のためのそのような媒体及び薬剤の使用は当技術分野でよく知られている。組成物は、治療的機能の補足、付加または増強をもたらす他の活性化合物も含有し得る。医薬組成物はまた、投与のための説明書と一緒に容器、パックまたは分注器の中に入っていてもよい。
本開示の組成物は、投与のために、既知の技術に従って医薬担体で製剤化され得る。本開示に係る医薬製剤の製造において、化合物(その生理学的に許容される塩を含む)は典型的には、とりわけ許容される担体と混和され得る。担体は固体または液体であり得、化合物と共に、重量表示でおよそ0.01%またはおよそ0.5%からおよそ95%またはおよそ99%までの化合物を含有し得る単位用量製剤、例えば錠剤として製剤化され得る。1つ以上の化合物を本開示の製剤に組み込んでもよく、これは、当業者に知られている薬学の技術のいずれかによって調製され得る。
本開示の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するように製剤化され得る。投与を成し遂げるための方法は当業者に知られている。投与は、例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、腔内、皮下及び/または経皮に行われ得る。局所もしくは経口を含めた他の様式で投与され得る、または粘膜を介した透過を可能とし得る組成物を得ることも可能であり得る。
皮内または皮下適用のために使用される液剤または懸濁剤は、典型的には、以下の成分のうちの1つ以上を含む:無菌希釈剤、例えば、注射用水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒;抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;酸化防止剤、例えばアスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば、酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩;及び張度の調整のための薬剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロース。pHは、酸または塩基、例えば塩酸または水酸化ナトリウムによって調整され得る。そのような調合物を、例えばガラス製またはプラスチック製であり得るアンプル、使い捨てシリンジまたは複数回用量バイアルの中に封入してもよい。
注射に適した医薬組成物としては、無菌水溶液または分散体、及び無菌注射液または分散体の即席調製のための無菌粉末が挙げられる。静脈内投与に適する担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(BASF、Parsippany,N.J.)またはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられる。典型的には、組成物は無菌でなければならず、シリンジ操作が簡単にできる程度に流動性を有していなければならない。それは、製造及び貯蔵の条件下で安定していなければならず、微生物、例えば細菌及び真菌の汚染作用から保護されねばならない。微生物の作用の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどを含めた様々な抗菌及び抗真菌剤によって成し遂げられ得る。多くの場合、組成物中に等張化剤、例えば砂糖及び/またはポリアルコール、例えば、マンニトール、ソルビトール及び塩化ナトリウムを含んでいることが好ましかろう。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)及びそれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。適度な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用、分散体の場合には必要とされる粒径の維持、及び/または界面活性剤の使用によって維持され得る。吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物中に含ませることによって、注射用組成物の持続的吸収をもたらすことができる。
経口組成物は一般に不活性希釈剤または可食担体を含む。場合によってはそれをゼラチンカプセルに封入するかまたは錠剤に圧縮することがある。経口投与のためには抗体は賦形剤と合わされて錠剤、トローチ剤またはカプセル剤の形態で使用され得る。薬学的に適合する結合剤及び/またはアジュバント材料を組成物の一部として含んでもよい。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、以下の原料のいずれか、または性質が類似する化合物を含有し得る:結合剤、例えば、微結晶セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチン;賦形剤、例えば澱粉もしくはラクトース;崩壊剤、例えば、アルギン酸、Primogelもしくはコーンスターチ;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes;滑剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリン;または着香剤、例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香料。
全身投与も経粘膜または経皮手段によって行うことができる。経粘膜または経皮投与のためには、バリアを透過するのに適した浸透剤が製剤に使用され得る。そのような浸透剤は当技術分野で一般的に知られており、例えば、洗浄剤、胆汁塩及びフシジン酸誘導体を含む。経粘膜投与は、例えば、口内錠、鼻内スプレー剤、吸入剤または坐剤の使用によって成し遂げられ得る。例えば、Fc部分を含む抗体の場合、組成物は、腸、口腔または肺の粘膜を介した(例えば米国特許第6,030,613号に記載されているようにFcRn受容体媒介経路による)透過が可能であり得る。経皮投与のためには、活性化合物は、例えば、当技術分野で一般的に知られている軟膏剤、膏薬、ゲル剤またはクリーム剤に製剤化され得る。吸入による投与のためには、抗体は、例えば、好適な噴射剤、例えば二酸化炭素などのガスを含有し得る加圧容器もしくは分注器、またはネブライザーからエアゾールスプレー剤の形態で送達され得る。
特定の実施形態では、本開示の抗体は、身体からの急速な排出から化合物を保護するように構成された担体、例えば、埋植剤及び微小カプセル化送達システムを含めた制御放出製剤によって調製され得る。生分解性の生体適合性ポリマー、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及び/またはポリ乳酸が使用され得る。そのような製剤を調製する方法は当業者にとって明白であろう。本開示の抗体を含有するリポソーム懸濁液も、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、当業者に知られている方法、例えば米国特許第4,522,811号に記載されている方法に従って調製され得る。
投与しやすさ及び投薬量の均一性のためには経口または非経口組成物を単位剤形として製剤化することが有益であり得る。本明細書中で使用される「単位剤形」という用語は、治療される対象のための単一投薬量として適する物理的に不連続な単位を指し、各単位は、必要とされる医薬担体と共に所望の治療効果をもたらすように計算された所定の量の活性化合物を含有する。
本開示の組成物の毒性及び治療効果は、例えばLD50(集団のおよそ50%に対して致死的な用量)及びED50(集団のおよそ50%において治療的に有効な用量)を決定するための細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。毒性作用と治療効果との用量比は治療指数であり、それは比率LD50/ED50として表され得る。典型的には、大きな治療指数を呈する組成物が好まれる。
本開示の中で使用される、または本開示から想到できる任意の組成物について、治療的有効用量は最初に細胞培養アッセイから推定され得る。好適なバイオアッセイの例としては、DNA複製アッセイ、サイトカイン放出アッセイ、転写に基づくアッセイ、KLRG1/カドヘリン結合アッセイ、免疫学的アッセイ及び他のアッセイ、例えば以下の実施例に記載のものが挙げられるが、これらに限定されない。細胞培養アッセイ及び動物試験から得られたデータは、ヒトに使用するための投薬量の範囲を定式化する際に使用され得る。用量を動物モデルにおいて定式化してIC50(すなわち、最大半量の症候抑制を実現する抗体の濃度)を含めた循環血漿中濃度範囲を得てもよい。血漿での循環レベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定され得る。任意の特定の投薬量の効果が、好適なバイオアッセイによって追跡され得る。投薬量は、毒性がほとんどまたは全くない循環濃度の範囲内にあることが好ましい。投薬量は、採用される剤形及び利用される投与経路に少なくとも部分的に依存して変動し得る。あるいは、本開示の抗体または本開示から想到できるものを全身的ではなく局所的に例えばデポ剤または持続放出性製剤として投与してもよい。
本開示のさらなる態様は、本明細書に提供されるかあるいは本開示に鑑みて想到できる方法に使用するためのキットに関する。キットは、本開示の1つ以上の抗体及び/または本開示から想到できる1つ以上の抗体を、対象への投与に適した形態で、及び/または配合して製剤にするのに適した形態で含み得る。キットは、他の構成要素、例えば、治療剤、担体、緩衝剤、容器、投与のための装置などをさらに含み得る。キットは、治療用途、診断用途及び/または研究用途のために設計され得、付加的な構成要素は、意図した用途に適するものとされ得る。当業者であれば、この性質のキットに組み入れるのに適した様々なそのような構成要素を認識するであろう。キットは、例えば障害の治療のための、ラベル及び/または説明書をさらに含み得る。そのようなラベル及び/または説明書は、例えば、抗体の量、頻度及び投与方法に関する情報を含み得る。当業者であれば、本開示に鑑みて、キットの一部として一緒に含んでいてもよい説明書の種類を認識するであろう。説明書は、本明細書に提供されているかあるいは本開示に鑑みて当業者に想到され得る。
以下の実用実施例は、本開示の範囲、及び本明細書に提供される任意の発明(複数可)をいかようにも限定しない。当業者であれば、本開示の趣旨または範囲を変更することなく実施され得る幾多の改変形態及び変形形態を認識するであろう。そのような改変形態及び変形形態は本開示の範囲に包含される。本明細書の全体を通して引用される全ての参考文献、特許及び公開特許出願の内容全体を参照により本明細書に援用する。
「KLGR1に関連する障害」という語句は、本明細書中で使用される場合、KLGR1が原因、副作用、症候、または疾患、障害もしくは症状の他の側面において役割を果たしている任意の疾患、障害または症状を指す。そのような障害の例としては、自己免疫及び移植障害、ならびにがんが挙げられるが、これらに限定されない。
実用実施例
実施例1:抗KLRG1抗体の生成
組換え抗原及びタンパク質の製造
組換えタンパク質を標準的な分子クローニング及び発現プロトコールによって製造した。ヒトKLRG1 ECD(配列番号1)、カニクイザルKLRG1 ECD(配列番号2)及びヒトE-カドヘリンECD(配列番号3)のアミノ酸配列を表1に示す。
表1:ヒトKLRG1 ECD(配列番号1)、カニクイザルKLRG1 ECD(配列番号2)及びヒトE-カドヘリンECD(配列番号3)のアミノ酸配列
Figure 0007560476000001
FC融合型またはHISタグ付き型としての組換えタンパク質を、各々のcDNAをpCDNA4ベクター(Invitrogen)にクローニングすること及び哺乳動物HEK298細胞における一過的トランスフェクションによって製造した。発現したタンパク質の精製は、FC融合型についてはプロテインA親和性樹脂を使用しHISタグ付きタンパク質についてはニッケル-NTA樹脂を使用するクロマトグラフィーによって行われた。全ての精製タンパク質をSDS-PAGE電気泳動によって特性評価して純度及び分子量を確かめた。
免疫化抗原として使用される安定した細胞株を、完全長抗原に対する抗体の結合性を試験するために及び機能的T細胞アッセイでの標的細胞として開発した。開発した細胞株には、完全長ヒトKLRG1が発現しているCHO細胞、及び完全長カニクイザルKLRG1が発現しているCHO細胞が含まれる。安定した細胞株を、関心対象のタンパク質をコードするpCDNA4プラスミドによるCHO細胞のトランスフェクションによって誘導した。トランスフェクション後、細胞をおよそ500ug/mlのG418に曝露して、安定して組み込まれたプラスミドを選択した。細胞株を発現に関してFACSでさらに特性評価し、選別して同種の安定した発現を選択した。
ヒト及びカニクイザルKLRG1による雌のBALB/cマウス及びSJLマウスの標準的免疫化、ならびにその後のハイブリドーマスクリーニングによって、ヒトKLRG1に対するモノクローナル抗体(MAB)を生成した。いくつかの免疫化方策を採用して様々な数の抗体ヒットを生成した。手短に述べると、関心対象の抗原をコードするcDNAか、組換え抗原か、関心対象の抗原が発現しているCHO細胞かのいずれかによってSJL及びBalb/cマウスを繰返し免疫化した。抗原特異的抗体力価をELISAによって定期的に追跡評価し、適切な、大抵はおよそ1:1000からおよそ1:10000までの希釈倍率の力価に達した時に動物を屠殺した。屠殺したマウスからの脾細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマ細胞を生成し、後に培養し、均一細胞にサブクローニングした。安定したクローンを量産化し、馴化培地を採集し、ELISA及びFACSによって抗KLRG1抗体の発現を調べた。
実施例2:抗KLRG1抗体の選定
ハイブリドーマが産生した抗体を、ヒトKLRG1 ECD及びカニクイザルKRG1 ECDとの結合に関してスクリーニングした。両方の抗原との交差反応性を有する抗体を選んで次の段階のスクリーニングに進んで、KLRG1とE-カドヘリンとの相互作用を阻止するそれらの能力を判定した。抗体を、ヒト及びカニクイザルKLRG1に対する結合EC50によって順位付けし、競合アッセイにおいてE-カドヘリンの結合に干渉しなかった場合にそれをヒットとしてさらに選択した。これらの基準に従って合計35個の抗体が選択され、細胞アッセイにおける機能評価のために6個の抗体を優先させた。
以下に、ヒトKLRG1に結合する6個の選択された抗体:ABC_G1D01、ABC_G1D02、ABC_G1D03、ABC_G1D04、ABC_G1D05及びABC_G1D06についての配列情報を示す。
表2は、ヒトKLRG1に結合する6個の選択されたマウス抗体の重軽鎖可変領域のアミノ酸配列をまとめたものであり、表3は各抗体のCDR領域を示す。
表2:各マウス抗KLRG1抗体の重軽鎖可変領域のアミノ酸配列
Figure 0007560476000002
表3:選択された抗体のCDR配列:
Figure 0007560476000003
抗体を配列不都合モチーフの存在によってさらに順位付けし、これを表4にまとめる。
表4:製造可能性の潜在的問題に関して抗体をスクリーニングするために使用した配列不都合モチーフ:
Figure 0007560476000004
表5は、ABC_HG1D01、ABC_HG1D02、ABC_HG1D03についてヒト化構築物の例を示す。ヒト化は、最も高い配列相同性を有するヒトフレームワーク配列にマウス抗体のCDRを継ぎ足すことによって行われた。
表5:ヒト化後の選択された抗体の可変領域のアミノ酸配列:
Figure 0007560476000005
復帰突然変異をヒト化構築物に導入して親和性を改善することができる。さらに、保存的突然変異をCDR領域に対して行って親和性、力価または生物物理学的特質を改善することができる。
表6は、CDR領域に対して行われ得る保存的突然変異を一覧にしてまとめたものである。
表6:例示的な保存的置換:
Figure 0007560476000006
可変マウス領域をヒトIgG定常フレームワークにクローニングすることによって抗体をキメラとして生成し、機能アッセイにおいて試験してヒトT細胞に対するその機能活性を判定し、本明細書に記載した。
実施例3:エピトープマッピングによる抗体結合部位の特性評価
モノクローナル抗体は、互いに競合するそれらの能力に応じてビンに入れたときどれも同じエピトープに結合することが分かった。ABC-G1D03の結合部位をペプチドマッピングによってさらに解析して特異的結合エピトープを同定し、それが以下のアミノ酸配列を有するペプチドに結合することが分かった:「PLNFSRI(配列番号56)」。マッピングを図1に示す。
この配列を、タンパク質データバンク(http://www.rcsb.org/structure/3FF7)に預けられたKLRG1の三次元結晶構造の上にマッピングして、結合部位を明らかにすることができる。図2は、エピトープマッピング結果をまとめたものであり、抗体結合部位が既知のリガンド結合部位とは別個であることを際立たせている。具体的には、図2は、PDB結晶構造3ff7から得たE-カドヘリン(30)に結合しているKLRG1(20)を三次元的に表した図である。図2中に強調して表示されているKLRG1の際立った領域(40)は、KLRG1上のアミノ酸「PLNFSRI」(配列番号56)によって特徴付けられるABC_G1D03との結合部位に相当する。図2中に強調して表示される第2の領域(50)は、KLRG1とE-カドヘリンとの間の結合境界面に相当する。
実施例4:細胞発現KLRG1に対する抗体結合性のFACSによる測定
ヒト及びカニクイザルKLRG1が発現した細胞との抗KLRG1モノクローナル抗体の結合をFACSによって行った。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は、安定してトランスフェクトされて完全長ヒトKLRG1(CHO-ヒト-KLRG1)及びカニクイザルKLRG1(CHO-カニクイザル-KLRG1)を発現させた。様々な濃度の抗KLRG1モノクローナル抗体をおよそ1nMからおよそ100nMまでの範囲の濃度でインキュベートすること、及び蛍光プローブと直接結合体化した抗マウス検出用抗体を使用して標識付けされた細胞の蛍光を測定することによって、EC50値を決定した。表7は、選択された抗体について測定されたEC50結合性データをまとめたものである。
表7:FACSによって測定されたMABの結合EC50:
Figure 0007560476000007
実施例5:結合速度論の測定
ヒト及びカニクイザルKLRG1に対するヒト化抗体の結合速度論をOctet(登録商標)Systems(ForteBio)測定によって決定した。Octet(登録商標)基幹は、親和性、速度論及び濃度を決定するためにリアルタイム無標識分析に使用するための、96及び384ウェルマイクロプレートにおける生体分子相互作用の分析のための機器、バイオセンサー、試薬及びアッセイキットを含む。実験の段取りは、ビオチン化組換え抗原(ヒト-KLRG-ECD、またはカニクイザル-KLRG1-ECD)をストレプトアビジンOctet(登録商標)センサー上に固定化して抗原担持センサーを生成することを含む。その後、担持センサーはOCET(登録商標)機器においておよそ100nMからおよそ0.1nMまでの様々な濃度の各ヒト化抗体に曝露され得、およそ600秒間にわたってデータが収集されて抗体/抗原複合体の結合速度論(Kon)が測定され得る。その後、センサーは、抗体を含んでいない1Xのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の緩衝液におよそ600秒間曝露されて解離速度論(kdis)が観察され得る。その後、得られたデータは、例えばForteBio解析ソフトウェアを使用して1:1結合速度論モデルに近似されてKDが算出され得る。3つのヒト化抗体についてこの方法によって得られた速度論的結合パラメータを表8にまとめる。
表8:OCTETによって測定された選択されたMABの結合親和性:
Figure 0007560476000008
実施例6:KLRG1結合抗体に対するADCC活性の特性評価
この実施例は、KLRG1に対する非遮断抗体がT細胞活性に対して何ら影響がなく、それゆえ、KLRG1とそのリガンドとの相互作用に干渉する遮断抗体とは機能的に異なっており、インターフェロンガンマ(IFN-ガンマ)の産生によって測定されるヒトCD8+T細胞に対する活性化効果をもたらすことを実証する。
ここに、KLRG1遮断抗体を、KLRG1細胞外ドメインに結合してKLRG1とのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合に効果的に競合するものとして定義する。反対に、非遮断抗体は、KLRG1細胞外ドメインに結合するがKLRG1とのE-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンの結合には競合しない抗体として定義される。
免疫系の細胞に対するKLRG1遮断の差次的機能効果を実証するために、CD8+T細胞を健常ドナーから単離し、CD3作動薬とE-カドヘリンとが共発現しているCHO細胞株(eAPC)との共培養において試験した。アッセイは、CD3刺激がE-カドヘリンの抑制作用によって打ち消されるという2つの競合するシグナルをT細胞に与えることによって働く。KLRG1シグナル伝達が抗KLRG1抗体によって遮断されると抑制シグナルが妨害され、T細胞がそれと細胞表面に発現したCD3作動薬との相互作用によって活性化される。インターフェロンガンマ分泌をELISAによって測定し、結果を図3にまとめる。このデータは、E-カドヘリンが、遮断抗体によるKLRG1シグナル伝達の遮断によって逆転し得るヒトT細胞に対する抑制作用を有することを実証する。それはまた、非遮断抗体が刺激作用を有していないことも示している。
実施例7:非ヒト霊長類における非遮断性抗KLRG1抗体による生体内でのKLRG1陽性T細胞の選択的除去
この実施例は、非遮断性抗KLRG1抗体を使用してKLRG1陽性T細胞を選択的に除去しながら正常な免疫機能に必要とされる他のリンパ球、例えば制御性T細胞及びナイーブT細胞を温存することができることを実証する。本実施例では、非フコシル化形態のABC-HG1D03を生成してカニクイザルに皮下投与経路によって投与した。
表9は、コホート1つあたりの動物の数、投薬量及び投薬計画を含めた試験デザインをまとめたものである:
Figure 0007560476000009
異なる免疫細胞に対する非フコシル化ABC-HG1D03の作用を追跡評価するために、カニクイザル全血中の免疫表現型循環リンパ球に対してフローサイトメトリーを用いた。
図4は、KLRG1陽性細胞の同定スキーム、及びT細胞の天然(CCR7+)またはエフェクター(CCR7-)としての分類を強調して表示している。公開データ(Koch et al.,2008、Legat et al.,2013)において確立されているように、図4は、KLRG1が主にCCR7-エフェクターT細胞のサブセットに発現することを示している。図4のフローサイトメトリーデータはまた、CCR7+であるナイーブT細胞(TN及びTCM)と比較してCCR7-であるエフェクターT細胞(TEM及びTEMRA)上にKLRG1が差次的に発現することも示している。当業者であれば、セントラルメモリーT細胞(TCM)にはCCR7が発現する一方、エフェクターメモリー(TEM)T細胞はCCR7の発現を欠くことを認識するであろう。マウスにはないがヒトには、CD45RAが発現するがCCF7の発現を欠く細胞を含む第3のT細胞メモリーサブセット、TEMRAが存在する(Willinger,T.et al.Molecular Signatures Distinguish Human Central Memory from Effector Memory CD8 T Cell Subsets.J Immunol 2005;175:5895-5903;doi:10.4049/jimmunol.175.9.5895
http://www.jimmunol.org/content/175/9/5895)。
図5のフローサイトメトリーデータは、対照動物と30mg/kgで投薬した動物との比較によってカニクイザルへのABC-HG1D03の生体内投与の除去効果を例示する。このデータは、対照と対比してABC-HG1D03を投薬した動物におけるKLRG1+細胞の除去を示し、エフェクターT細胞及び非天然T細胞の選択的除去を実証している。非ヒト霊長類の全血からのCD8 T細胞のフローサイトメトリー分析は、KLRG1+T細胞に対するABC-HG1D03の除去効果を顕著に示している。注目すべきことに、KLRG1陽性細胞はエフェクター表現型に相当し、ABC-HG1D03の投与はこの画分の完全な、しかも選択的な除去をもたらす。
全投薬動物中に占めるKLRG1+CD8 T細胞の平均%を図6にグラフで表す。示されているように、KLRG1+CD8 T細胞の除去にABC-HG1D03が及ぼす用量依存的作用が存在する。
いくつかの実施態様において、カニクイザルへのABC-HG1D03の投与による制御性T細胞温存効果が示されるものであってよい。データは、試験した投薬群では28日間のKLRG1除去処置の期間にわたって制御性T細胞に対する影響が全くないことを示す。Tregは、免疫応答を誘発及び促進するのではなく調節及び抑制することが役目であるCD4 T細胞の別のサブセットとしてみなされ得る。
当業者であれば、上記実施形態に基づいて本開示のさらなる特徴及び利点を認識するであろう。したがって、本開示は、別記の特許請求の範囲によって示されている場合は別として、詳しく示され記載されているものによって限定されない。本明細書中で引用される全ての刊行物及び参考文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に明示的に援用される。参考文献の引用は、これらの参考文献が本開示の先行技術であると認めるものではない。
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Claims (37)

  1. KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体またはその断片であって、3つの重鎖相補性決定領域(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)を含む重鎖可変領域と、3つの軽鎖相補性決定領域(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)を含む軽鎖可変領域を含み、その際、前記抗体またはその断片は、以下:
    i)配列番号16(CDR-H1)、配列番号17(CDR-H2)、配列番号18(CDR-H3)、配列番号19(CDR-L1)、配列番号20(CDR-L2)、配列番号21(CDR-L3);
    ii)配列番号22(CDR-H1)、配列番号23(CDR-H2)、配列番号24(CDR-H3)、配列番号25(CDR-L1)、配列番号26(CDR-L2)、配列番号27(CDR-L3);
    iii)配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)、配列番号30(CDR-H3)、配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)、配列番号33(CDR-L3);
    iv)配列番号34(CDR-H1)、配列番号35(CDR-H2)、配列番号36(CDR-H3)、配列番号37(CDR-L1)、配列番号38(CDR-L2)、配列番号39(CDR-L3);
    v)配列番号40(CDR-H1)、配列番号41(CDR-H2)、配列番号42(CDR-H3)、配列番号43(CDR-L1)、配列番号44(CDR-L2)、配列番号45(CDR-L3);または
    vi)配列番号46(CDR-H1)、配列番号47(CDR-H2)、配列番号48(CDR-H3)、配列番号49(CDR-L1)、配列番号50(CDR-L2)、配列番号51(CDR-L3)
    を含む、抗体またはその断片。
  2. 請求項1に記載の抗体またはその断片であって、
    a)上記i)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号4または配列番号4と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号5または配列番号5と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    b)上記ii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号6または配列番号6と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号7または配列番号7と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    c)上記iii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号8または配列番号8と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号9または配列番号9と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    d)上記iv)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号10または配列番号10と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号11または配列番号11と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    e)上記v)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号12または配列番号12と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号13または配列番号13と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    f)上記vi)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号14または配列番号14と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号15または配列番号15と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    g)上記ii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号52または配列番号52と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号53または配列番号53と少なくとも90%同一の配列を含むか;あるいは
    h)上記iii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号54または配列番号54と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号55または配列番号55と少なくとも90%同一の配列を含む、
    抗体またはその断片。
  3. 請求項1に記載の抗体またはその断片であって、前記抗体がモノクローナル抗体である、抗体またはその断片。
  4. 請求項1に記載の抗体またはその断片であって、配列番号34(CDR-H1)、配列番号35(CDR-H2)、配列番号36(CDR-H3)、配列番号37(CDR-L1)、配列番号38(CDR-L2)および配列番号39(CDR-L3)を含む、抗体またはその断片。
  5. 請求項2に記載の抗体またはその断片であって、重鎖可変領域が、配列番号10または配列番号10と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域が、配列番号11または配列番号11と少なくとも90%同一の配列を含む、抗体またはその断片。
  6. 請求項1に記載の抗体またはその断片であって、前記抗体がキメラ抗体である、抗体またはその断片。
  7. 請求項1に記載の抗体またはその断片であって、前記抗体がヒト化抗体である、抗体またはその断片。
  8. 請求項3に記載の抗体またはその断片であって、
    a)上記i)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号4または配列番号4と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号5または配列番号5と少なくとも95%同一の配列を含むか;
    b)上記ii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号6または配列番号6と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号7または配列番号7と少なくとも95%同一の配列を含むか;
    c)上記iii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号8または配列番号8と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号9または配列番号9と少なくとも95%同一の配列を含むか;
    d)上記iv)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号10または配列番号10と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号11または配列番号11と少なくとも95%同一の配列を含むか;
    e)上記v)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号12または配列番号12と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号13または配列番号13と少なくとも95%同一の配列を含むか;
    f)上記vi)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号14または配列番号14と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号15または配列番号15と少なくとも95%同一の配列を含むか;
    g)上記ii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号52または配列番号52と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号53または配列番号53と少なくとも95%同一の配列を含むか;あるいは
    h)上記iii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号54または配列番号54と少なくとも95%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号55または配列番号55と少なくとも95%同一の配列を含む、
    抗体またはその断片。
  9. KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体またはその断片であって、配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)および配列番号30(CDR-H3)の重鎖相補性決定領域を含む重鎖可変領域と、配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)および配列番号33(CDR-L3)の軽鎖相補性決定領域を含む軽鎖可変領域を含む、抗体またはその断片。
  10. 請求項9に記載の抗体またはその断片であって、前記軽鎖可変領域が、配列番号55または配列番号55と少なくとも90%同一の配列を含む、抗体またはその断片。
  11. 請求項10に記載の抗体またはその断片であって、前記軽鎖可変領域が、配列番号55または配列番号55と少なくとも95%同一の配列を含む、抗体またはその断片。
  12. 請求項9に記載の抗体またはその断片であって、前記重鎖可変領域が、配列番号54または配列番号54と少なくとも90%同一の配列を含む、抗体またはその断片。
  13. 請求項12に記載の抗体またはその断片であって、前記重鎖可変領域が、配列番号54または配列番号54と少なくとも95%同一の配列を含む、抗体またはその断片。
  14. KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体またはその断片であって、
    a)配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)および配列番号30(CDR-H3)を含む重鎖相補性決定領域を含む重鎖;
    )配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)および配列番号33(CDR-L3)を含む軽鎖相補性決定領域を含む軽鎖;
    を含み、
    c)その際、前記重鎖は、配列番号8または配列番号8と少なくとも90%同一の配列を含む重鎖可変領域を含み;かつ、
    d)その際、前記軽鎖は、配列番号9または配列番号9と少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖可変領域を含む、
    抗体またはその断片。
  15. 請求項14に記載の抗体またはその断片であって、前記重鎖可変領域が、配列番号8または配列番号8と少なくとも95%同一の配列を含み;かつ、前記軽鎖可変領域が、配列番号9または配列番号9と少なくとも95%同一の配列を含む、抗体またはその断片。
  16. KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する抗体またはその断片であって、
    a)配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)および配列番号30(CDR-H3)を含む重鎖相補性決定領域を含む重鎖;
    b)軽鎖が、配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)および配列番号33(CDR-L3)を含む軽鎖相補性決定領域を含む軽鎖;
    を含み、
    c)その際、前記重鎖は、配列番号54または配列番号54と少なくとも90%同一の配列を含む重鎖可変領域を含み;かつ、
    d)その際、前記軽鎖は、配列番号55または配列番号55と少なくとも90%同一の配列を含む軽鎖可変領域を含む、
    抗体またはその断片。
  17. 請求項16に記載の抗体またはその断片であって、前記重鎖可変領域が、配列番号54または配列番号54と少なくとも95%同一の配列を含み;かつ、前記軽鎖可変領域が、配列番号55または配列番号55と少なくとも95%同一の配列を含む、抗体またはその断片。
  18. 請求項1に記載の抗体またはその断片、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  19. 請求項9に記載の抗体またはその断片、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  20. 請求項10に記載の抗体またはその断片、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  21. 請求項1に記載の抗体またはその断片、及び使用説明書を含む、キット。
  22. 請求項9に記載の抗体またはその断片、及び使用説明書を含む、キット。
  23. 請求項10に記載の抗体またはその断片、及び使用説明書を含む、キット。
  24. 余分なKLRG1発現T細胞に関連する障害の治療のための医薬組成物であって、E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなく前記KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量の抗体またはその断片を含み、かつ、前記抗体もしくはその断片が、3つの重鎖相補性決定領域(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)を含む重鎖可変領域と、3つの軽鎖相補性決定領域(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)を含む軽鎖可変領域を含み、
    その際、前記抗体またはその断片は、以下:
    i)配列番号16(CDR-H1)、配列番号17(CDR-H2)、配列番号18(CDR-H3)、配列番号19(CDR-L1)、配列番号20(CDR-L2)、配列番号21(CDR-L3);
    ii)配列番号22(CDR-H1)、配列番号23(CDR-H2)、配列番号24(CDR-H3)、配列番号25(CDR-L1)、配列番号26(CDR-L2)、配列番号27(CDR-L3);
    iii)配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)、配列番号30(CDR-H3)、配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)、配列番号33(CDR-L3);
    iv)配列番号34(CDR-H1)、配列番号35(CDR-H2)、配列番号36(CDR-H3)、配列番号37(CDR-L1)、配列番号38(CDR-L2)、配列番号39(CDR-L3);
    v)配列番号40(CDR-H1)、配列番号41(CDR-H2)、配列番号42(CDR-H3)、配列番号43(CDR-L1)、配列番号44(CDR-L2)、配列番号45(CDR-L3);または
    vi)配列番号46(CDR-H1)、配列番号47(CDR-H2)、配列番号48(CDR-H3)、配列番号49(CDR-L1)、配列番号50(CDR-L2)、配列番号51(CDR-L3)
    を含む、医薬組成物
  25. 請求項24に記載の医薬組成物であって、
    前記障害が移植障害を含み、
    前記抗体もしくはその断片、前記障害に罹患している対象の移植組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去する、
    医薬組成物
  26. 請求項24に記載の医薬組成物であって、
    前記障害が自己免疫疾患を含み、
    前記抗体もしくはその断片、前記障害に罹患している対象の自己組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去する、
    医薬組成物
  27. 請求項24に記載の医薬組成物であって、
    前記障害が封入体筋炎(IBM)である、医薬組成物
  28. んを治療するための医薬組成物であって、前記がんが、KLRG1が発現するがん細胞を含み、前記医薬組成物が、
    E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなく前記KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量の抗体またはその断片を含み、
    前記抗体またはその断片が、KLRG1が発現している前記がん細胞を除去し、かつ、
    前記抗体もしくはその断片が、3つの重鎖相補性決定領域(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)を含む重鎖可変領域と、3つの軽鎖相補性決定領域(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)を含む軽鎖可変領域を含み、
    その際、前記抗体またはその断片は、以下:
    i)配列番号16(CDR-H1)、配列番号17(CDR-H2)、配列番号18(CDR-H3)、配列番号19(CDR-L1)、配列番号20(CDR-L2)、配列番号21(CDR-L3);
    ii)配列番号22(CDR-H1)、配列番号23(CDR-H2)、配列番号24(CDR-H3)、配列番号25(CDR-L1)、配列番号26(CDR-L2)、配列番号27(CDR-L3);
    iii)配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)、配列番号30(CDR-H3)、配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)、配列番号33(CDR-L3);
    iv)配列番号34(CDR-H1)、配列番号35(CDR-H2)、配列番号36(CDR-H3)、配列番号37(CDR-L1)、配列番号38(CDR-L2)、配列番号39(CDR-L3);
    v)配列番号40(CDR-H1)、配列番号41(CDR-H2)、配列番号42(CDR-H3)、配列番号43(CDR-L1)、配列番号44(CDR-L2)、配列番号45(CDR-L3);または
    vi)配列番号46(CDR-H1)、配列番号47(CDR-H2)、配列番号48(CDR-H3)、配列番号49(CDR-L1)、配列番号50(CDR-L2)、配列番号51(CDR-L3)
    を含む、医薬組成物
  29. がんを治療するための補助的療法に用いられる医薬組成物であって、前記がんはKLRG1が発現する細胞を含むか否かにかかわらず、前記がんに罹患している対象はチェックポイント療法を受けており、前記医薬組成物は
    E-カドヘリン、N-カドヘリンまたはR-カドヘリンによるKLRG1の細胞外ドメインとの結合に干渉することなく前記KLRG1の細胞外ドメインに特異的に結合する治療的有効量の抗体またはその断片を含み、
    前記抗体もしくはその断片は、前記がんに罹患している対象の自己組織を攻撃しているKLRG1発現病原性T細胞及び/またはNK細胞を除去し、
    前記抗体もしくはその断片が、3つの重鎖相補性決定領域(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)を含む重鎖可変領域と、3つの軽鎖相補性決定領域(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)を含む軽鎖可変領域を含み、
    その際、前記抗体またはその断片は、以下:
    i)配列番号16(CDR-H1)、配列番号17(CDR-H2)、配列番号18(CDR-H3)、配列番号19(CDR-L1)、配列番号20(CDR-L2)、配列番号21(CDR-L3);
    ii)配列番号22(CDR-H1)、配列番号23(CDR-H2)、配列番号24(CDR-H3)、配列番号25(CDR-L1)、配列番号26(CDR-L2)、配列番号27(CDR-L3);
    iii)配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)、配列番号30(CDR-H3)、配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)、配列番号33(CDR-L3);
    iv)配列番号34(CDR-H1)、配列番号35(CDR-H2)、配列番号36(CDR-H3)、配列番号37(CDR-L1)、配列番号38(CDR-L2)、配列番号39(CDR-L3);
    v)配列番号40(CDR-H1)、配列番号41(CDR-H2)、配列番号42(CDR-H3)、配列番号43(CDR-L1)、配列番号44(CDR-L2)、配列番号45(CDR-L3);または
    vi)配列番号46(CDR-H1)、配列番号47(CDR-H2)、配列番号48(CDR-H3)、配列番号49(CDR-L1)、配列番号50(CDR-L2)、配列番号51(CDR-L3)
    を含む、医薬組成物
  30. 請求項28または29に記載の医薬組成物であって、がんが白血病である、医薬組成物
  31. 請求項30に記載の医薬組成物であって、白血病が、T細胞性大顆粒リンパ球性白血病(T-LGLL)である、医薬組成物
  32. 細胞の混合集団においてKLRG1発現細胞を除去するための医薬組成物であって、前記KLRG1発現細胞が、T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞からなる群から選択される1つ以上の細胞を含み、前記医薬組成物が、
    KLRG1に特異的に結合しKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞を除去する有効量の抗体またはその断片を含み前記抗体またはその断片は、細胞の混合集団に送達され、それによって前記細胞の混合集団の中のKLRG1発現T細胞及び/またはNK細胞及び/またはがん細胞を除去され、かつ、
    前記抗体もしくはその断片が、
    3つの重鎖相補性決定領域(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)を含む重鎖可変領域と、3つの軽鎖相補性決定領域(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)を含む軽鎖可変領域を含み、
    その際、前記抗体またはその断片は、以下:
    i)配列番号16(CDR-H1)、配列番号17(CDR-H2)、配列番号18(CDR-H3)、配列番号19(CDR-L1)、配列番号20(CDR-L2)、配列番号21(CDR-L3);
    ii)配列番号22(CDR-H1)、配列番号23(CDR-H2)、配列番号24(CDR-H3)、配列番号25(CDR-L1)、配列番号26(CDR-L2)、配列番号27(CDR-L3);
    iii)配列番号28(CDR-H1)、配列番号29(CDR-H2)、配列番号30(CDR-H3)、配列番号31(CDR-L1)、配列番号32(CDR-L2)、配列番号33(CDR-L3);
    iv)配列番号34(CDR-H1)、配列番号35(CDR-H2)、配列番号36(CDR-H3)、配列番号37(CDR-L1)、配列番号38(CDR-L2)、配列番号39(CDR-L3);
    v)配列番号40(CDR-H1)、配列番号41(CDR-H2)、配列番号42(CDR-H3)、配列番号43(CDR-L1)、配列番号44(CDR-L2)、配列番号45(CDR-L3);または
    vi)配列番号46(CDR-H1)、配列番号47(CDR-H2)、配列番号48(CDR-H3)、配列番号49(CDR-L1)、配列番号50(CDR-L2)、配列番号51(CDR-L3)
    を含む、医薬組成物
  33. 請求項24から32までのいずれか1項に記載の医薬組成物であって、前記抗体またはその断片が、
    a)上記i)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号4または配列番号4と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号5または配列番号5と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    b)上記ii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号6または配列番号6と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号7または配列番号7と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    c)上記iii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号8または配列番号8と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号9または配列番号9と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    d)上記iv)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号10または配列番号10と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号11または配列番号11と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    e)上記v)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号12または配列番号12と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号13または配列番号13と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    f)上記vi)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号14または配列番号14と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号15または配列番号15と少なくとも90%同一の配列を含むか;
    g)上記ii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号52または配列番号52と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号53または配列番号53と少なくとも90%同一の配列を含むか;あるいは
    h)上記iii)の3つの重鎖相補性決定領域と3つの軽鎖相補性決定領域を含み、ここで、重鎖可変領域は配列番号54または配列番号54と少なくとも90%同一の配列を含み、かつ、軽鎖可変領域は配列番号55または配列番号55と少なくとも90%同一の配列を含む、
    医薬組成物
  34. 請求項24から33までのいずれか1項に記載の医薬組成物であって、前記抗体がモノクローナル抗体である医薬組成物
  35. 請求項34に記載の医薬組成物であって、前記モノクローナル抗体またはその断片が、エピトープPLNFSRI(配列番号56)、または少なくとも5連続アミノ酸を含むその断片に特異的に結合する、医薬組成物
  36. 請求項34に記載の医薬組成物であって、前記モノクローナル抗体がキメラ抗体である、医薬組成物
  37. 請求項34に記載の医薬組成物であって、前記モノクローナル抗体がヒト化抗体である、医薬組成物
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