JP7565737B2 - 研磨パッド - Google Patents
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Description
[1] 一部に終点検出窓を備える研磨層を有する研磨パッドであって、前記終点検出窓は、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含む、研磨パッド。
[2] 前記終点検出窓は、フェノール系酸化防止剤:リン系酸化防止剤=1:0.1~1:10の重量比率で前記フェノール系酸化防止剤と前記リン系酸化防止剤とを含む、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記フェノール系酸化防止剤の数平均分子量は、300~1000である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記リン系酸化防止剤の数平均分子量は、300~800である、[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
[5] 前記終点検出窓は、前記フェノール系酸化防止剤を0.1~5.0重量%含有する、[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の研磨パッド。
[6] 前記終点検出窓は、前記リン系酸化防止剤を0.1~5.0重量%含有する、[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の研磨パッド
研磨パッド3の構造について図3を用いて説明する。研磨装置1に備えられる研磨パッド3は、図3のように、研磨パッド3を貫通している少なくとも一つの終点検出窓5(図3では、2つの終点検出窓5を備える)を有する研磨層4と、クッション層6とを含む。研磨パッド3は、終点検出窓5を有するため、光源13、光学式センサ14を用いて被研磨物8の研磨状況の確認を光学的に実施できる。
研磨パッド3の形状は円盤状が好ましいが、特に限定されるものではなく、また、大きさ(径)も、研磨パッド3を備える研磨装置1のサイズ等に応じて適宜決定することができ、例えば、直径10cm~1m程度とすることができる。
なお、本発明の研磨パッド3は、研磨層4がクッション層6に接着層7を介して接着されていることが好ましいが、研磨層4のみから構成されていてもよい。
研磨パッド3は、クッション層6に配設された両面テープ等によって研磨装置の研磨定盤10に貼付される。研磨パッド3は、研磨装置によって被研磨物8を押圧した状態で回転駆動され、被研磨物を研磨する。
研磨パッド3は、被研磨物を研磨するための層である研磨層4を備える。研磨層4を構成する材料は、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂を好適に用いることができ、より好ましくはポリウレタン樹脂を用いることができる。
研磨層4の大きさ(径)は、研磨パッド3と同様であり、直径10cm~2m程度とすることができ、研磨層4の厚みは、通常0.5~5mm程度とすることができる。
研磨層4は、研磨装置1の研磨定盤10と共に回転され、その上にスラリー9を流しながら、スラリーの中に含まれる化学成分や砥粒を、被研磨物8と一緒に相対運動させることにより、被研磨物8を研磨する。研磨層4の表面に同心円状、格子状、放射状などの溝加工が施されることにより、スラリー9の保持や排出を調整することができ、研磨特性を変えることが可能である。
また、必要により、研磨層4は、中空微小球体などの中空体を含むことができる。
研磨層4は、少なくとも一つの終点検出窓5を有する。終点検出窓5は、光学的手段により、研磨の終点を確認するためのものであるため透光性を有する。したがって、終点検出窓5は、透光性が高い方が好ましい。
終点検出窓5の数は、通常は1つ又はそれ以上あればよい。終点検出窓5の直径は、1cm~15cm程度が好ましく、厚みは研磨層4と同様で、通常0.5~5mm程度である。終点検出窓5の詳細については、<<終点検出窓の製造方法>>の項で説明する。
終点検出窓5は、光を通過させるため、例えば、波長300~800nmにおける光透過率が高いことが好ましい。例えば、660nmの光の透過率が、好ましくは、50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上、より一層好ましくは80%以上である。特に波長400~700nmにおける光透過率が高ければ、エラーが生じにくく、高い精度で測定することができる。光透過率の測定は、分光光度計(日立製作所製、U-3210 Spectro Photometer)を用いて測定することができ、このときの試料厚さは例えば、1.3mmである。
本発明における終点検出窓5の特性としては、黄色の色度b*が低い上、使用しても黄変度が小さいという特徴が挙げられる。ここで、黄色の色度は、L*a*b*色空間で表現される色度b*をいい、色度b*の数値が大きいほど黄色の度合いが強くなる。一般的に終点検出窓5は、主成分は研磨層4と同様の成分が好ましい。すなわち、終点検出窓8の材料の主成分はポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂が用いられることが多いが、経時により黄変してしまう問題がある。本発明の研磨パッド1の終点検出窓5は、黄色の色度b*が低い上、使用しても黄変度が小さい。
終点検出窓5の製造直後の色差計を用いたL*a*b*色空間で表現される黄色の色度(b*1)は、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは、15以下である。
終点検出窓5の耐光性試験(JIS B 7751にしたがって、F形装置を使用して実施)の前の色差計を用いた色度(b*1)と、耐光性試験後の色差計を用いた色度(b*2)の差(Δb*)は、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、さらに好ましくは、13以下である。
また、L*a*b*色空間では、黄色や青の色度を示すb*の他、明度を示すL*、赤や緑の色度を示すa*がある。耐光性試験前後の明度L*、色度a*、b*のそれぞれの差から、色差ΔE*を求めることができる。
ΔE*=[(L*2-L*1)2+(a*2-a*1)2+(b*2-b*1)2]1/2
ここで、耐光性試験前の明度をL*1、色度をa*1、b*1とし、耐光性試験後の明度L*2、色度をa*2、b*2とする。
色差ΔE*は、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、さらに好ましくは、17以下である。
また、本発明における終点検出窓5の特性としては、光による劣化を抑制し、特に引張強度の変化が小さいという特徴が挙げられる。終点検出の際に光源から照射される光は終点検出窓5を劣化させる。終点検出窓5の劣化は研磨パッド3の研磨性能やスクラッチ性能に影響を与えるため、光が照射されても終点検出窓5の物性が維持されることが好ましい。物性の中でも、特に引張強度はスクラッチ性能に大きく影響を与えるため、引張強度の変化が小さいことが好ましい。本発明の研磨パッド1の終点検出窓5は、耐光性試験前の引張強度に対する対光性試験後の引張強度の割合が特定の範囲内にある。終点検出窓5の耐光性試験前の引張強度に対する対光性試験後の引張強度の割合は、好ましくは0.85~1.00、より好ましくは0.87~1.00、さらに好ましくは、0.90~1.00である。
クッション層6は、樹脂を含浸させた含浸不織布、合成樹脂等の可撓性を有する材料、気泡構造を有する発泡体等から構成されることが好ましく、このような材料であれば、研磨層4の被研磨物8への当接をより均一にすることができる。本発明において、研磨パット3は、研磨層4のみから構成されてもよいが、クッション層6に接着させることが好ましい。
また、クッション層6においては、光検知を行うための光を通過させることができるように、終点検出窓5の設置位置に対応する部分に、終点検出窓5と同じ数の穴を形成することが必要である。
接着層7は、クッション層6と研磨層4を接着させるための層であり、通常、両面テープ又は接着剤から構成される。両面テープ又は接着剤は、当技術分野において公知のものを使用することができる。
研磨パッド3およびクッション層6は、接着層7で貼り合わされている。接着層7は、例えば、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系から選択される少なくとも1種の粘着剤で形成することができる。例えば、アクリル系粘着剤が用いられ、厚みが0.1mmに設定することができる。
本発明の研磨パッド3を備えた研磨装置1は、すでに説明したように、光学的手段により研磨状態を確認できる。例えば図1に示すように、研磨装置1が有する研磨定盤10は、光源13、光学式センサ14を備える。光源13から出された光が、研磨定盤10の下から上へ向けて通過し、さらにクッション層6の穴、さらには、研磨パッド3の終点検出窓5を通過して、被研磨物8に到着し、被研磨物8に反射して戻ってきた光を光学式センサ14が感知する。このように光源13と光学式センサ14は、研磨定盤10と一緒に回転することにより、研磨しながら、研磨状況を確認できる。
本発明の終点検出窓の製造方法について説明する。
終点検出窓5は、光を透過させ、基板に反射した光の波長を測定することにより、膜厚を測定するものであるが、研磨層4と同様の働き、すなわち、被研磨物8を研磨する働きも要求される場合もあるため、スクラッチ性能や研磨性能が同等であることが好ましく、主成分は研磨層4と同様の成分が好ましい。すなわち、終点検出窓8の材料の主成分はポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂がより好ましい。具体的な主成分の材料としては、例えば、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物と硬化剤とを反応させて得られる材料を挙げることができる。
本発明の終点検出窓5の製造のために、ポリウレタン樹脂成形体(硬化樹脂)の原料として、少なくとも、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)、硬化剤、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を準備する。ここで、ウレタン結合含有ポリイソシアネートは、ポリウレタン樹脂成形体を形成するための、ウレタンプレポリマーである。終点検出窓5をポリウレア樹脂成型体やポリウレタンポリウレア樹脂成形体にする場合は、それに応じたプレポリマーを用いる。
ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)は、下記ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、通常用いられる条件で反応させることにより得られる化合物であり、ウレタン結合とイソシアネート基を分子内に含むものである。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分がウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物に含まれていてもよい。
本明細書において、ポリイソシアネート化合物とは、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味する。
ポリイソシアネート化合物としては、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有していれば特に制限されるものではない。例えば、分子内に2つのイソシアネート基を有するジイソシアネート化合物としては、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネー卜(MDI)、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、キシリレン-1、4-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン-1,2-ジイソシアネート、ブチレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、p-フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等を挙げることができる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、複数のポリイソシアネート化合物を組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、ポリオール化合物とは、分子内に2つ以上の水酸基(OH)を有する化合物を意味する。
プレポリマーとしてのウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の合成に用いられるポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(又はポリテトラメチレンエーテルグリコール)(PTMG)等のポリエーテルポリオール化合物を挙げることができる。これらの中でも、PTMGが好ましい。PTMGの数平均分子量(Mn)は、500~2000であることが好ましく、600~1300であることがより好ましく、650~1000であることがさらにより好ましい。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography:GPC)により測定することができる。なお、ポリウレタン樹脂からポリオール化合物の数平均分子量を測定する場合は、アミン分解等の常法により各成分を分解した後、GPCによって推定することもできる。
上記ポリオール化合物は単独で用いてもよく、複数のポリオール化合物を組み合わせて用いてもよい。
上記したように、終点検出窓5の材料として、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を含む。フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とが共存することにより、単独種で存在するよりも、黄変度が低くなる。終点検出窓5における酸化防止剤の合計含有量は、終点検出窓全体の重量に対して、0.1~6.0重量%が好ましく、0.2~4.0重量%がより好ましい。単独種で存在するよりも、黄変度が低くなる理由は以下であると考えられる。
しかし、フェノール系酸化防止剤を存在させることにより、パーオキシラジカルは捕捉され、さらにリン系酸化防止剤を存在させることにより、安定な化合物となり、サイクル反応を阻止できると考えられる。なお、黄変の進行の他、終点検出窓5の物性を維持すること、特に引張強度の低下を抑制することができる。終点検出窓5の引張強度の低下を抑制することで、研磨性能やスクラッチ性能について研磨層4と同程度の性能を維持することができる。
フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤の重量混合比率(フェノール系酸化防止剤:リン系酸化防止剤)は、特に限定されるものではないが、黄変度の観点から、1:0.1~1:10であることが好ましく、さらに好ましくは、1:0.2~1:8である。終点検出窓5の主成分として、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、及びポリウレタンポリウレア樹脂を使用した場合、上記の比率であると一層効果が認められる。
一方、リン系酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤と異なり、硬化反応前に事前にプレポリマーに混入させていてもよく、また、フェノール系酸化防止剤と共に硬化剤と混合させておいてから、プレポリマーと混合させてもよい。
リン系酸化防止剤の分子量についても、特に制限されるものではないが、ポリウレタン等との相溶性などの観点から数平均分子量は300~800が好ましく、300~550がさらに好ましい。
本発明の終点検出窓5の製造方法では、混合工程において硬化剤(鎖伸長剤ともいう)をウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物などと混合させる。硬化剤を加えることにより、その後の成形体成形工程において、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の主鎖末端が硬化剤と結合してポリマー鎖を形成し、硬化する。
硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4-メチル-2,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2-メチル-4,6-ビス(メチルチオ)-1,3-ベンゼンジアミン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[3-(イソプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルプロピルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス[3-(1-メチルペンチルアミノ)-4-ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2-ビス(3,5-ジアミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6-ジアミノ-4-メチルフェノール、トリメチルエチレンビス-4-アミノベンゾネート、及びポリテトラメチレンオキサイド-di-p-アミノベンゾネート等の多価アミン化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、3-メチル-1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3-メチル-4,3-ペンタンジオール、3-メチル-4,5-ペンタンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールメタン、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール等の多価アルコール化合物が挙げられる。また、多価アミン化合物が水酸基を有していてもよく、このようなアミン系化合物として、例えば、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等を挙げることができる。多価アミン化合物としては、ジアミン化合物が好ましく、例えば、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)を用いることがさらに好ましい。終点検出窓5における硬化剤の合計含有量 は、終点検出窓全体の重量に対して、10~50重量%が好ましく、15~40重量%がより好ましい。
終点検出窓5の材料として、透明性を失わないように、任意選択的に添加剤を加えることができる。
混合工程では、前記準備工程で得られた、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)、添加剤、硬化剤を混合機内に供給して攪拌・混合する。混合工程は、上記各成分の流動性を確保できる温度に加温した状態で行われる。
混合工程では、少なくとも、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物(ウレタンプレポリマー)、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硬化剤を、混合機内に供給して攪拌・混合する。フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤については、上記したように混合前に反応が起こらないように、添加し、混合する。このようにして、成形体成形用の混合液が調製される。混合工程は、上記各成分の流動性を確保できる温度に加温した状態で行われる。ウレタンプレポリマーとしてのウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物の末端に存在するイソシアネート基に対する、硬化剤に存在する活性水素基(アミノ基及び水酸基)の当量比であるR値を指標とすることができる。R値は、好ましくは0.70~1.30であり、より好ましくは0.75~1.20であり、さらに好ましくは0.80~1.10であり、よりさらに好ましくは0.80~1.00であり、さらにより好ましくは0.85~0.95である。
成形体成形工程では、前記混合工程で調製された成形体成形用混合液を30~100℃に予熱した棒状の型枠内に流し込み一次硬化させた後、100~150℃程度で10分~5時間程度加熱して二次硬化させることにより硬化したポリウレタン樹脂(ポリウレタン樹脂成形体)を成形する。このとき、ウレタンプレポリマー、硬化剤が反応してポリウレタン樹脂を形成することにより該混合液は硬化する。
なお、前記型枠には、凹凸やねじ切り構造が設けられることにより、終点検出窓5が成形された研磨層4から外れることを防止することができる。
本発明の研磨層4の製造方法について説明する。研磨層4の材料としては、研磨に用いることができる材料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ウレタン結合含有ポリイソシアネート化合物と硬化剤とを反応させて得られるポリウレタン樹脂材料を使用することができる。
本発明の研磨パッド3が有する研磨層4は、少なくとも一つの終点検出窓5を備える。この終点検出窓5を備えた研磨層4について説明する。
図5に示すように、まず、円柱状の終点検出窓5を製造する。この製造方法としては、材料を押し出し成形してもよいし、研削等により、円柱状に成形してもよい。なお、終点検出窓5の側面は、研磨層4との嵌め合いやすくするために、必要に応じて凹凸やねじ切り構造が設けることができる。
次に、研磨層4の材料となるウレタンプレポリマーと硬化剤と中空微小球体を混合機内に供給して攪拌・混合する。円柱状の終点検出窓5を備えた状態で、その周りに研磨層4の材料を硬化させ、円柱状の終点検出窓5を備えたブロック状の研磨層4を成形する。
最後に、所望の研磨パッド3の形状になるように、研磨層4を切り出し、所定の形状の研磨層4にすることができる。
終点検出窓5を備えた研磨層4は上述のとおりに形成することができるが、これに限定されるものではない。
(終点検出窓の製造)
2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、数平均分子量650のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG))及びジエチレングリコール(DEG)を反応させてなるNCO当量490のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー100部を第1液タンクに仕込み、60℃で保温した。次に、第1液とは別途に、硬化剤としてのMOCA23.7部に、フェノール系酸化防止剤として、ビス〔3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオン酸〕〔エチレンビス(オキシエチレン)〕を0.6部と、リン系酸化防止剤として、トリフェニルホスファイトを0.4部とを添加混合し、混合液を得た。得られた混合液を第2液タンク内で120℃で保温した。第1液タンク、第2液タンクの夫々の液体を、注入口を2つ具備した混合機に夫々の注入口から注入した。注入した2液を混合攪拌しながら80℃に予熱した成形機の金型へ注入した後、型締めをし、30分間、80℃に加熱し一次硬化させた。一次硬化させた成形物を脱型後、オーブンにて120℃で4時間二次硬化し、終点検出窓として用いられるウレタン樹脂成形物を得た。この際に、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中の末端に存在するイソシアネート基に対する硬化剤に存在するアミノ基の当量比を表すR値が0.90となるように調整した。
一方、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、数平均分子量1000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)、数平均分子量650のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)及びジエチレングリコール(DEG)を反応させてなるNCO当量455のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー100部に、殻部分がアクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体からなり、殻内にイソブタンガスが内包された粒子の大きさが平均粒径8.5μmで未膨脹の中空微小球体2.7部を添加混合し、第1液タンクに仕込み、60℃で保温した。次に、第1液とは別途に、硬化剤としてMOCA25.8部を添加混合し、第2液タンク内に120℃で保温した。第1液タンク、第2液タンクの夫々の液体を、注入口を2つ具備した混合機に夫々の注入口から注入した。なお、この際に、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー中の末端に存在するイソシアネート基に対する硬化剤に存在するアミノ基の当量比を表すR値が0.90となるように調整した。前記終点検出窓を金型内に設置し、注入した2液を混合攪拌しながら80℃に予熱した成形機の金型へ注入した後、型締めをし、30分間、80℃に加熱し一次硬化させた。一次硬化させた成形物を脱型後、オーブンにて120℃で4時間二次硬化し、ウレタン樹脂成形物を得た。得られたウレタン樹脂成形物を25℃まで放冷した後に、再度オーブンにて120℃で5時間加熱してから1.3mmの厚みにスライスし、研磨層を得た。
さらに、研磨層の研磨面とは反対側の面に両面テープを貼り付け、クッション層に貼り合わせ、研磨パットを得た。
材料を下記に変更すること以外は、実施例1の終点検出窓を得ることと同じ方法で、実施例2、比較例1乃至3の終点検出窓サンプルを得た。
実施例2は、実施例1と同じフェノール系酸化防止剤0.4部、実施例1と同じリン系酸化防止剤0.6部を添加して終点検出窓を作製した。
比較例1は、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を添加せず終点検出窓を作製した。
比較例2は、実施例1と同じフェノール系酸化防止剤のみを0.6部添加して終点検出窓を作製した。
比較例3は、実施例1と同じリン系酸化防止剤のみを0.6部添加して終点検出窓を作製した。
実施例1乃至2、比較例1乃至3の終点検出窓のサンプルを長さ60mm×幅20mm×厚さ1.3mmに加工し、光透過率測定を行った。測定器は日立製作所製、U-3210 Spectro Photometerを用いた。波長400nm~700nmにおける光透過率が80%以上だったものを○、光透過率が80%未満だったものを×として結果を表1に記載する。
実施例1乃至2、比較例1乃至3の終点検出窓のサンプルを長さ110mm×幅60mm×厚さ1.3mmに加工し、JIS B 7751(2007)にしたがって、F形装置を使用して、ブラックパネル温度を63℃±3℃で耐光性試験を25時間実施した。耐光性試験に使用した試験機は、スガ試験機社製紫外線オートフェードメーターU48AUを用いた。耐光試験後のサンプルの光透過率の評価は波長400nm~700nmにおける光透過率が80%以上だったものを○、光透過率が80%未満だったものを×として結果を表1に記載する。
耐光性試験に供する前後の実施例1乃至2、比較例1乃至3の終点検出窓のサンプルを、それぞれ色差計(測色計:コニカミノルタジャパン社製CM-700d)を用いて、測定用イルミナントをD65光源、測定条件:(de:8°)Sa10W10、反射光測定で色彩測定を行い、色度b*黄変度Δb*及び色差ΔE*を求めた(耐光性試験前の黄色の色度をb*1、耐光性試験後の色度をb*2とし、黄変度(黄色度の差)をΔb*とした)結果を表1に記載する。色彩測定は、JIS Z 8722(2009)の分光測定方法に準じて行った。また、色差の算出は、JIS Z 8781-4(2013)に準じて算出した。測定回数は3回とし、その平均値を結果とした。
耐光性試験に供する前後の実施例1乃至2、比較例1乃至3の終点検出窓のサンプルを、それぞれ引張試験を行い、引張強度を求めた結果を表1に記載する。引張試験は、JIS K 7312(1996)に準拠してダンベル3号の形状に打ち抜いたサンプルを20℃・60%RHの条件下で行った。引張試験機としてはRTCシリーズを用い、荷重フルスケール20kgf・試験速度100mm/minとした。
1 研磨装置
2 入射光
2a,2b 反射光
3 研磨パッド
4、41、42 研磨層
4a 研磨層の表面
5 終点検出窓
5a 終点検出窓の表面
6 クッション層
7 接着層
8 被研磨物
9 スラリー
10 研磨定盤
11 基盤
12 薄膜
13 光源
14 光学式センサ
15 砥粒、研磨屑
16 保持定盤
Claims (6)
- 一部に終点検出窓を備える研磨層を有する研磨パッドであって、前記終点検出窓は、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤とを含み、前記終点検出窓における耐光性試験前の引張強度に対する耐光性試験後の引張強度の割合は、0.85~1.00であり、前記耐光性試験は、JIS B 7751(2007)にしたがって、F形装置を使用して、ブラックパネル温度を63℃±3℃で25時間実施する、研磨パッド。
- 前記終点検出窓は、フェノール系酸化防止剤:リン系酸化防止剤=1:0.1~1:10の重量比率で前記フェノール系酸化防止剤と前記リン系酸化防止剤とを含む、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記フェノール系酸化防止剤の数平均分子量は、300~1000である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 前記リン系酸化防止剤の数平均分子量は、300~800である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の研磨パッド。
- 前記終点検出窓は、前記フェノール系酸化防止剤を0.1~5.0重量%含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の研磨パッド。
- 前記終点検出窓は、前記リン系酸化防止剤を0.1~5.0重量%含有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の研磨パッド。
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