JP7577968B2 - ゴルフクラブ - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフクラブに関する。
従来、打球の飛距離を増大させるために、種々のゴルフクラブヘッドが提案されてきた。例えば、下記特許文献1では、ゴルフクラブヘッドのクラウン部の剛性を最適化することが記載されている。このようなゴルフクラブヘッドは、打球時のエネルギーロスが小さく、ひいては、打球の飛距離を増大させるという効果が期待されている。
特開2005-137788号公報
発明者らは、これまでとは異なるアプローチで打球時のエネルギーロスを低減することを試み、ボール打撃時のシャフト変形挙動に着目した。
スイング中のシャフトの変形挙動を詳細に解析したところ、ボール打撃時、シャフトのゴルフクラブヘッド側付近が局所的にヘッド後方に押し戻されるように撓む「しなり戻り」という現象が生じていることが分かった。そして、シャフトのしなり戻りが大きいほど、ボール打撃時のエネルギーロスも大きくなることが判明した。
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、ボール打撃時のエネルギーロスを低減し、ひいては、打球の飛距離を増大させることが可能なゴルフクラブを提供することを主たる課題としている。
本発明の第1の態様は、ゴルフクラブであって、シャフトと、前記シャフトが差し込まれたネック部を有するゴルフクラブヘッドと、前記ネック部のヘッド後方側で、前記ネック部からヘッド上方に突出している支持部とを含む、ゴルフクラブである。
本発明の第2の態様は、ゴルフクラブであって、シャフトと、前記シャフトが差し込まれたネック部を有するゴルフクラブヘッドと、前記ネック部に装着されるフェラルと、前記フェラルのヘッド後方側で、前記フェラルからヘッド上方に突出している支持部とを含む、ゴルフクラブである。
前記各態様において、前記支持部は、前記シャフトの軸方向に沿って、5mm以上の高さを有することができる。
前記各態様において、前記支持部は、前記シャフトの外面に沿って湾曲していても良い。
前記各態様において、ゴルフクラブの静止状態において、前記支持部は、前記シャフトと離隔していても良い。
前記各態様において、前記支持部は、前記シャフトの軸方向と直交する断面において、前記シャフトの中心線の廻りに、30°以上の範囲に形成されていても良い。
本発明の第3の態様は、ゴルフクラブであって、シャフトと、前記シャフトが差し込まれたネック部を有するゴルフクラブヘッドと、前記ネック部に装着されるフェラルとを含み、前記フェラルは、ヘッド前方側に位置する前側部と、ヘッド後方側に位置する後側部とを含み、前記後側部の剛性は、前記前側部の剛性よりも大きい、ゴルフクラブである。
前記第3の態様において、前記後側部の肉厚は、前記前側部の肉厚よりも大きくても良い。
前記第3の態様において、前記後側部のヤング率は、前記前側部のヤング率よりも大きくても良い。
本発明の第4の態様は、ゴルフクラブであって、内部に中空部を有するシャフトと、前記シャフトが差し込まれるネック部を有するゴルフクラブヘッドと、前記中空部の前記ネック部付近に配されたダイラタント流体とを含む、ゴルフクラブである。
前記第4の態様において、前記ダイラタント流体は、柔軟性を有するバッグに封止された状態で、前記中空部に配されていても良い。
前記第4の態様において、前記ダイラタント流体は、前記シャフトの軸方向において、前記ネック部の上端から上方に100mmの範囲の少なくとも一部に配されていても良い。
本発明の前記各態様のゴルフクラブは、上記の構成を採用したことにより、支持部、フェラルの後側部又はダイラタント流体によって、しなり戻りが低減される。したがって、本発明の前記各態様のゴルフクラブは、ボール打撃時のエネルギーロスを低減し、ひいては、打球の飛距離を増大させることができる。
第1実施形態のゴルフクラブの部分斜視図である。 図1のゴルフクラブの正面図である。 図1のゴルフクラブのトウ側から見た側面図である。 ゴルフクラブのスイング時の挙動を示す概念図である。 図2のV-V線断面図である。 図1のVI-VI線断面図である。 第2実施形態のゴルフクラブの部分斜視図である。 図7のゴルフクラブの正面図である。 図7のゴルフクラブのトウ側から見た側面図である。 図8のX-X線断面図である。 (A)は、第3実施形態のフェラルの斜視図、(B)は、そのフェラルを装着したゴルフクラブの部分断面図である。 第4実施形態のゴルフクラブの部分斜視図である。 図12のゴルフクラブをトウ側から見た側面図である。 図13のシャフトの軸中心線を含むゴルフクラブの部分断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本明細書において、同一又は共通する要素については同一の符号が付されており、重複する説明が省略されている。
[第1実施形態]
図1~3は、それぞれ、第1実施形態のゴルフクラブ1の部分斜視図、正面図及びトウ側から見た側面図である。図1~3に示されるように、本実施形態のゴルフクラブ1は、シャフト2と、ゴルフクラブヘッド3と、支持部4とを含んで構成される。
[基準状態等]
図1~3において、ゴルフクラブ1は基準状態に置かれている。ゴルフクラブ1の基準状態とは、ゴルフクラブ1が、当該ゴルフクラブ1に定められたライ角α(図2)及びロフト角β(図2)で水平面HPに置かれた状態である。また、図3に示されるように、基準状態では、ゴルフクラブ1のシャフト2の軸中心線CLが、水平面HPと直角な基準垂直面VP内に配された状態で、ゴルフクラブ1がライ角α及びロフト角βに保持されている。本明細書において特に言及されていない場合、ゴルフクラブ1は、基準状態にあるものとして説明されている。
ゴルフクラブ1の基準状態において、基準垂直面VPに直交する方向xが、ヘッド前後方向として定義され、フェース部31の側が前側(前方)であり、その反対側が後側(後方)である。また、基準垂直面VP及び水平面HPにともに平行な方向yは、トウ・ヒール方向として定義される。さらに、水平面HPに直交する方向zが、ヘッド上下方向として定義される。
[シャフト]
シャフト2の先端側には、ゴルフクラブヘッド3が取り付けられている。シャフト2の後端側には、例えば、グリップ(図示省略)が装着されている。本実施形態のシャフト2は、内部に中空部を有する円形断面のパイプ状に構成されている。シャフト2は、例えば、スチール、繊維強化樹脂等で慣例にしたがって構成される。シャフト2の軸中心線CLに沿った方向は、シャフト2の軸方向として定義される。
[ゴルフクラブヘッド]
本実施形態のゴルフクラブヘッド3は、例えば、内部が中空とされたウッド型のゴルフクラブヘッドとして構成されている。ゴルフクラブヘッド3は、例えば、全体が金属材料で形成されているが、その一部が繊維強化樹脂等で構成されても良い。他の実施形態として、ゴルフクラブヘッド3は、アイアン型、ユーティリティ型又はパター型で構成されても良い。
ゴルフクラブヘッド3は、例えば、フェース部31、クラウン部32、ソール部33及びネック部34を含む。
フェース部31は、ゴルフクラブヘッド3の前側に形成されており、ボールを打撃する打撃面を構成している。クラウン部32は、ヘッド上面を形成するように、フェース部31からヘッド後方に延びている。ソール部33は、ヘッド底面を形成するように、フェース部31からヘッド後方に延びている。
ネック部34は、クラウン部32のヒール側に形成されている。ネック部34は、クラウン部32からヘッド上方に斜めに突出し、上端面34aで終端している。ネック部34は、シャフト2を差し込むためのシャフト差込孔35(図3)を備えた円筒状である。シャフト2は、シャフト差込孔35に接着剤を用いて固着されている。本実施形態のネック部34は、金属材料で形成されており、ゴルフクラブヘッド3の他の部分と一体に形成されている。
[支持部]
本実施形態では、支持部4は、ネック部34に設けられている。また、支持部4は、ネック部34のヘッド後方側で、ネック部34からヘッド上方に突出している。本実施形態の支持部4は、ネック部34に一体成形されている。したがって、本実施形態の支持部4は、金属材料で構成されている。好ましい態様では、支持部4は、ネック部34のヘッド後方側を局所的に上方に延長したような延長部41として形成されている。他の態様では、支持部4は、ネック部34とは別部品とされ、ネジ、接着剤、溶接等によって、ネック部34に取り付けられても良い。
支持部4は、ゴルフクラブ1のボール打撃時における、いわゆる「しなり戻り」を抑制する。ここで、一般的な「しなり戻り」について説明する。図4は、しなり戻りを説明するためのゴルフクラブaのスイング時のシャフトの挙動を示す概念図である。図4に示されるように、ゴルフクラブaのスイング過程において、ボールbの打撃の直前までは、ゴルフクラブaのシャフトcは、ほぼヘッド後方に凸となるように全体的に撓んだ状態にある。しかし、ゴルフクラブヘッドdによるボールbの打撃時、その衝撃力によって、シャフトcのゴルフクラブヘッドd側が局所的にヘッド後方に押し戻されるように撓む。これが「しなり戻り」である。
しなり戻りが生じると、ゴルフクラブヘッドdの運動エネルギーがボールbに十分に伝わらない(エネルギーロス)。特に、ボールbとフェースeとの衝突位置がフェースeの下側になるほど、しなり戻りも大きくなり、ひいては、ボールbは低く打ち出され、かつ、ギア効果によってバックスピン量が増える。このような弾道は、飛距離を損ねる。
図3から明らかなように、本実施形態の支持部4は、しなり戻り発生の初期段階で、シャフト2のヘッド後方側に接触し、ネック部34の付近において、シャフト2がヘッド後方に撓むのを抑制し、シャフト2のしなり戻りを抑制する。したがって、本実施形態のゴルフクラブ1は、ボール打撃時におけるエネルギーロスが低減され、ひいては、打球の飛距離が増大する。
[支持部の高さ]
図5は、図2のV-V線断面図である。図5に示されるように、支持部4は、シャフト2の軸方向に沿って、例えば、5mm以上、好ましくは8mm以上、さらに好ましくは10mm以上の高さLを有しても良い。この高さLは、ネック部34の上端面34aから、支持部4の上端面4aまでのシャフト2の軸方向に沿った長さである。このような高さLを有する支持部4は、ボール打撃時のシャフト2のしなり戻りを、より効果的に抑制することができる。
支持部4の高さLが過度に大きくなると、ヘッド重量が大きくなる他、シャフト2の撓み特性が悪化するおそれがある。このような観点より、支持部4の高さLは、例えば、100mm以下、より好ましくは70mm以下、さらに好ましくは50mm以下とされても良い。
[支持部とシャフトとの固着]
支持部4とシャフト2とは、互いに固着されていないことが望ましい。これにより、ダウンスイング中、シャフト2の先端側(ネック部34側)は、支持部4に拘束されることなく、ヘッド前方へと撓むことができる。これは、ヘッドスピードの低下を抑制するのに役立つ。
[支持部とシャフトとの間の隙間]
図5に示されるように、ゴルフクラブ1の静止状態(すなわち、スイングされていない状態で、以下同様である。)において、支持部4は、シャフト2と離隔しているのが望ましい。このような支持部4は、ボールを打撃する瞬間まで、シャフト2と接触することがないか、又は、接触の機会を大幅に低減することができる。これは、スイング中のシャフト2の自由な撓みを確保し、スイングフィーリングの悪化を抑制する。
支持部4と、シャフト2との間の隙間Gについては、適宜設定することができる。例えば、ボール打撃時までの支持部4とシャフト2との接触機会をより低減する観点では、隙間Gは、例えば0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1mm以上とされても良い。他方、シャフト2のしなり戻りをより小さくするという観点では、隙間Gは、例えば、2.0mm以下、より好ましくは1.8mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下とされても良い。
[支持部の形状等]
図6は、図1のVI-VI線断面図(シャフト2の軸方向と直交する断面)である。図6に示されるように、支持部4は、シャフト2の外面に沿って円弧状に湾曲しているのが望ましい。このような態様では、しなり戻りの抑制時、支持部4とシャフト2との大きな接触面積が得られる可能性があり、シャフト2に局所的に大きな応力が生じるのを抑制することができる。
図6に示したように、支持部4は、シャフト2の軸方向と直交する断面において、シャフト2の軸中心線CLの廻りに、例えば、30°以上、好ましくは45°以上、さらに好ましくは60°以上の範囲θに形成されているのが望ましい。このような態様においても、支持部4とシャフト2との大きな接触面積が得られ、シャフト2に局所的に大きな応力が生じるのを抑制しつつ、シャフト2のしなり戻りを抑制することができる。
一方、支持部4の前記範囲θが大きくなると、ダウンスイング中に、支持部4とシャフト2とが接触し、シャフト2の本来的な撓みを制限するおそれがある。このような観点では、支持部4が形成された前記範囲θは、例えば、180°以下、好ましくは、160°以下、より好ましくは140°以下とされても良い。
なお、図6において、前記シャフト2の軸中心線CLから延びる範囲θを二等分する中心線4CLは、ヘッド前後方向xに一致するのが望ましい。これによって、しなり戻りを確実に抑制することができる。
また、ボール打撃時、シャフト2は、ゴルフクラブヘッド3が受ける衝撃力により、図6において僅かに右回りに捩れながらしなり戻りすることから、支持部4の中心線4CLは、ヘッド前後方向xに対して、ヒール側に位置しても良い。この場合、中心線4CLは、ヘッド前後方向xに対して15°以下の角度であるのが望ましい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態が説明される。図7~9は、第2実施形態のゴルフクラブ1の斜視図、正面図及びトウ側から見た側面図をそれぞれ示す。図7~9に示されるように、第2実施形態のゴルフクラブ1は、シャフト2と、シャフト2が差し込まれたネック部34を有するゴルフクラブヘッド3と、ネック部34に装着されるフェラル5と、フェラル5のヘッド後方側で、前記フェラルからヘッド上方に突出している支持部4とを含む。
図10は、図8のX-X線断面図を示す。図7~10に示されるように、フェラル5は、シャフト2が貫通するような孔を有する略円筒状の部品である。本実施形態のフェラル5は、ネック部34から上側に向かってテーパ状に延びるフェラル本体51を備える。また、本実施形態のフェラル5は、フェラル本体51から下方に延びるソケット部52を備える。ソケット部52は、ネック部34とシャフト2との間で保持されている。フェラル5は、例えば、樹脂材料で構成される。他の態様では、フェラル5は、金属材料で形成されても良い。
本実施形態の支持部4は、フェラル5のヘッド後方側で、フェラル5からヘッド上方に突出している。本実施形態の支持部4は、フェラル5と一体に形成されている。好ましい態様では、本実施形態の支持部4は、フェラル5のヘッド後方側を局所的に上方に延長したような延長部42として形成されている。他の態様では、支持部4は、フェラル5とは別部品とされ、ネジ、接着剤、溶接等によって、フェラル5に取り付けられても良い。
上述のような支持部4は、ゴルフクラブ1によるボール打撃時のしなり戻り発生の初期段階で、シャフト2のヘッド後方側に接触し、ネック部34付近に位置するシャフト2がヘッド後方に撓むのを抑制し、シャフト2のしなり戻りを抑制する。したがって、第2実施形態のゴルフクラブ1も、ボール打撃時におけるエネルギーロスが低減され、ひいては、打球の飛距離が増大する。
好ましい態様では、支持部4のシャフト2の軸方向に沿った高さL(図8)は、第1実施形態で説明された支持部4の高さLと同様の範囲で定めることができる。
好ましい態様では、支持部4とシャフト2とは、互いに固着されていないことが望ましい。これにより、ダウンスイング中、シャフト2の先端側(ネック部34側)は、支持部4に拘束されることなく、ヘッド前方へと撓むことができる。これは、ヘッドスピードの低下を抑制するのに役立つ。
好ましい態様では、図10に示されるように、ゴルフクラブ1の静止状態(すなわち、スイングされていない状態)において、支持部4は、シャフト2と離隔しているのが望ましい。この際、支持部4と、シャフト2との間の隙間Gについては、第1実施形態で説明した支持部4の隙間Gと同様の範囲で定めることができる。
好ましい態様では、支持部4は、シャフト2の外面に沿って円弧状に湾曲しているのが望ましい。このような態様では、しなり戻りの抑制時、支持部4とシャフト2との大きな接触面積が得られる可能性があり、シャフト2に局所的に大きな応力が生じるのを抑制することができる。
好ましい態様では、支持部4のシャフト2の軸方向と直交する断面における形成範囲については、第1実施形態で説明された範囲θと同様に定めることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態が説明される。図11(A)は、第3実施形態のフェラル5の斜視図、図11(B)は、そのフェラル5を装着したゴルフクラブ1の部分断面図である。図11(A)及び(B)に示されるように、フェラル5は、ヘッド前方側に位置する前側部5Aと、ヘッド後方側に位置する後側部5Bとを含む。
前側部5Aと後側部5Bとは、互いに一体に固着されている。本実施形態では、フェラル5の前側部5A及び5Bは、それぞれシャフト2の円周方向の半分(180度)を構成し、フェラル5の全体として、シャフト2を環状に連続して包囲する。本実施形態では、フェラル5は、後側部5Bの剛性が、前側部5Aの剛性よりも大きく構成されている。
上述のようなフェラル5の後側部5Bは、ボール打撃時に、ネック部34付近に位置するシャフト2がヘッド後方に撓むのを抑制する。したがって、フェラル5の後側部5Bは、ボール打撃時のしなり戻り発生の初期段階で、シャフト2のヘッド後方側に接触し、ネック部34付近に位置するシャフト2がヘッド後方(図11(B)の矢印B)に撓むのを抑制し、シャフト2のしなり戻りを抑制する。したがって、本実施形態のゴルフクラブ1は、ボール打撃時におけるエネルギーロスが低減され、ひいては、打球の飛距離が増大する。
また、フェラル5の前側部5Aは、後側部5Bに比して小さい剛性で構成されている。このため、本実施形態のフェラル5は、スイング中、シャフト2がヘッド前方(図11(B)の矢印A)に撓むのを妨げず、ひいては、スイング時のヘッドスピードの低下をも抑制することができる。
フェラル5において、後側部5Bの剛性を、前側部5Aの剛性よりも大きくするために、例えば、後側部5Bの肉厚tbは、前側部5Aの肉厚taよりも大きく構成されても良い。この場合、フェラル5の前側部5Aと後側部5Bとは、同一の材料で形成され得る。後側部5Bの肉厚tbと前側部5Aの肉厚taとの差(tb-ta)は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは3mm以上とされる。なお、前記肉厚ta、tbは、図11(A)に示されるように、フェラル5の上端面5aにおいて、シャフト2の軸中心線CLを通るヘッド前後方向xに沿った直線上で測定される。この部分の肉厚ta、tbが、シャフト2との接触時の抵抗力に大きく関与するためである。
他の態様では、フェラル5において、後側部5Bのヤング率は、前側部5Aのヤング率よりも大きく形成されても良い。この場合、フェラル5の前側部5Aと後側部5Bとは、異なる材料で形成される。例えば、フェラル5の前側部5Aが樹脂材料で形成される一方、フェラル5の後側部5Bが金属材料で形成されても良い。しなり戻りをより効果的に抑制するために、後側部5Bのヤング率は、例えば、10GPa以上、好ましくは20GPa以上、さらに好ましくは40GPa以上が望ましい。
また、第3実施形態においても、フェラル5の後側部5Bは、シャフト2のヘッド後方へのしなりを抑制するが、ヘッド前方へのしなりを妨げないことが望ましい。このような観点より、フェラル5の後側部5Bは、シャフト2とは固着されていないことが望ましい。
同様に、ゴルフクラブ1の静止状態において、フェラル5の後側部5Bは、シャフト2と離隔しているのが望ましい。これにより、フェラル5の後側部5Bは、ボールを打撃する瞬間まで、シャフト2と接触することがないか、又は、接触の機会を大幅に低減することができる。これは、スイング中のシャフト2の自由な撓みを確保し、スイングフィーリングの悪化を抑制するのに役立つ。
図11(B)に仮想線で示されるように、フェラル5の後側部5Bは、第2実施形態のように、前側部5Aよりも上方に突出しても良い。このようなフェラル5は、ボール打撃時のしなり戻りをより早い段階で抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、本実施形態の第4実施形態が説明される。
図12~図14は、第4実施形態のゴルフクラブ1の斜視図、側面図及びシャフト2の軸中心線を含む断面図をそれぞれ示す。図12~図14に示されるように、ゴルフクラブ1は、内部に中空部iを有するパイプ状のシャフト2と、シャフト2が差し込まれたネック部34を有するゴルフクラブヘッド3と、中空部iのネック部34付近に配されたダイラタント流体60とを含んで構成される。
ダイラタント流体60は、例えば、ミクロ粒子と水との混合物として準備することができ、ミクロ粒子としては、例えば、片栗粉やコーンスターチ等が挙げられる。前者の場合、片栗粉1と水1の割合の混合物が好適である。このようなダイラタント流体60は、遅いせん断刺激には液体のように振る舞う一方、より速いせん断刺激に対してはあたかも固体のような抵抗力を発揮する性質を有する。ダイラタント流体として、特に好ましい態様では、比較的低速時のせん断速度2 s-1のときの粘度が0.2Pa・sであり、比較的高速のせん断速度100 s-1のときの粘度が3Pa・sであるのが望ましい。
第4実施形態の作用は、次の通りである。スイング中の比較的ゆっくりとしたシャフト2の撓みに対して、シャフト2に配されたダイラタント流体60は、殆ど抵抗力を示さない。したがって、この実施形態では、ゴルフクラブ1のスイングフィーリングの悪化や、ヘッドスピードの低下が抑制される。一方、ゴルフクラブヘッド3がボールを打撃したときのシャフト2の高速度の撓みに対して、ダイラタント流体60は、あたかも固体のような抵抗力を示してシャフト2のしなり戻りを抑制する。したがって、第4実施形態のゴルフクラブ1は、ボール打撃時におけるエネルギーロスが低減され、ひいては、打球の飛距離が増大する。
ダイラタント流体60は、例えば、柔軟性を有するバッグ61に封止された状態で、シャフト2の中空部iに固定されるのが望ましい。このような態様は、ダイラタント流体60を所望の形状に保持しつつ、所定の位置に容易に配置することができる。
バッグ61は、例えば、ナイロンやシリコンなどの樹脂又はエラストマーで形成されるのが望ましい。バッグ61は、例えば、シャフト2の内周面に接触するように配されている。したがって、シャフト2が変形すると、その変形は、柔軟なバッグ61を介してダイラタント流体60へと伝達される。その後、ダイラタント流体60は、受けたせん断力の速度に応じた抵抗力を発揮する。
ダイラタント流体60は、シャフト2のネック部34付近の中空部iに配される。より好ましい態様では、ダイラタント流体60は、シャフト2の軸方向において、ネック部34の上端面34aから上方に100mmの範囲の少なくとも一部に配される。この範囲は、ボール打撃時、シャフト2のしなり戻りが生じやすい領域であることから、前記範囲の少なくとも一部にダイラタント流体60が配されたゴルフクラブ1は、しなり戻りがより効果的に抑制され、ひいては打球の飛距離を増大させ得る。
次に、本発明のより詳細な実施例が説明される。
実施例1として、図1の態様のウッド型ゴルフクラブが試作された。支持部の高さLは15mm、形成範囲θは180°である。支持部とシャフトとの間は、非接着とした。隙間は0mmである。実施例2は、実施例1をベースとするが、支持部とシャフトとの間には、1mmの隙間を形成した。比較例は、実施例1から支持部を取り除いたものである。各ゴルフクラブは、いずれも同一のシャフトを備える。
次に、各ゴルフクラブがスイングロボットに装着し、ヘッドスポード42m/sでゴルフボールを10回打撃する打撃テストが行われた。それぞれのゴルフクラブでの打球の飛距離の平均値を調べたところ、比較例に対して、実施例1で0.5%向上し、実施例2では0.25%向上していることが確認できた。
1 ゴルフクラブ
2 シャフト
3 ゴルフクラブヘッド
4 支持部
5 フェラル
5A 前側部
5B 後側部
34 ネック部
60 ダイラタント流体
61 バッグ
i シャフトの中空部

Claims (8)

  1. ゴルフクラブであって、
    シャフトと、
    前記シャフトが差し込まれたネック部を有するゴルフクラブヘッドと、
    前記ネック部のヘッド後方側で、前記ネック部からヘッド上方に突出している支持部とを含み、
    前記ゴルフクラブの静止状態において、前記支持部は、前記シャフトと離隔している
    ゴルフクラブ。
  2. ゴルフクラブであって、
    シャフトと、
    前記シャフトが差し込まれたネック部を有するゴルフクラブヘッドと、
    前記ネック部に装着されるフェラルと、
    前記フェラルのヘッド後方側で、前記フェラルからヘッド上方に突出している支持部とを含み、
    前記ゴルフクラブの静止状態において、前記支持部は、前記シャフトと離隔している
    ゴルフクラブ。
  3. 前記支持部は、前記シャフトの軸方向に沿って、5mm以上の高さを有する、請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記支持部は、前記シャフトの外面に沿って湾曲している、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  5. 前記支持部は、前記シャフトの軸方向と直交する断面において、前記シャフトの中心線の廻りに、30°以上の範囲に形成されている、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のゴルフクラブ。
  6. ゴルフクラブであって、
    シャフトと、
    前記シャフトが差し込まれたネック部を有するゴルフクラブヘッドと、
    前記ネック部に装着されるフェラルとを含み、
    前記フェラルは、ヘッド前方側に位置する前側部と、ヘッド後方側に位置する後側部とを含み、
    前記後側部の剛性は、前記前側部の剛性よりも大きい、
    ゴルフクラブ。
  7. 前記後側部の肉厚は、前記前側部の肉厚よりも大きい、請求項6に記載のゴルフクラブ。
  8. 前記後側部のヤング率は、前記前側部のヤング率よりも大きい、請求項6又は7に記載のゴルフクラブ。
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