JP7579103B2 - 弁座およびディスクバルブ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、流体の流路や流量を切り換えるディスクバルブ装置の弁座およびディスクバルブ装置に関する。
湯水混合水栓、人体局部洗浄装置などにおいて流路や流量を切り換えるディスクバルブ装置が使用されている(特許文献1、特許文献2)。このディスクバルブ装置は固定ディスクである弁座に対し可動ディスクである弁体が摺動自在に配置され、弁座および弁体には流路となる溝部や穴部が形成されている。
弁座および弁体の摺動面は流体の漏れを防止するため、および摺動トルクを小さくするため精密な研磨が施されている。弁座および弁体は、複雑な形状を容易に形成するとともに摺動トルクを低くするため、潤滑性合成樹脂の射出成形体が用いられている。
ディスクバルブ装置は、弁座および弁体からなるディスクバルブと、パッキンとをハウジング内に備える。弁座の摺動面とは反対側の面である反摺動面は、ゴム製のパッキンを介してハウジングの底面に押し付けられている。弁座は、ハウジング内で回転不能に位置決めされている。弁座には通水するための複数の貫通孔(通水孔)が形成されており、該貫通孔は反摺動面から摺動面に貫通している。ハウジングの下部にはディスクバルブに水道水を供給する流路が形成され、流路と通水孔がパッキンの穴を介して連通している。弁座とハウジングを通じる水路はパッキンによって水漏れが防止されている。
特開2001-336648号公報 特開2007-270863号公報
弁座の反摺動面はパッキンとのシール性のため、平滑な面に形成する必要があるが、弁座が合成樹脂の射出成形体である場合は、ヒケにより平面性が低下するおそれがある。ヒケによる平面性の低下に対しては、研磨加工により解決可能である。
しかし、ヒケが無く精密に射出成形されたとしても、あるいは研磨によって反摺動面を仕上げたとしても、合成樹脂製品は傷が付きやすいため、製品が完成するまでの工程で表面に傷が付くおそれがある。例えば、反摺動面に傷が付くことで表面に凹凸ができた場合、反摺動面とパッキンとの間に隙間ができることでシール性が低下し、水漏れの原因となり得る。そのため、弁座の製造後に外観検査を行い、摺動面および反摺動面に傷の付いた弁座を排除している。
弁座の場合、摺動面の傷付きは、水漏れの原因となるため、その程度によらず排除される。一方、反摺動面の傷付きは、パッキンと接触する面以外の面はシール性などの機能に影響しないと考えられる。しかし、人による外観検査では、表面に傷があっても機能上影響しない部分にあるのか、影響する部分にあるのかを判断することは困難であり、反摺動面の傷付きが確認された場合には、その位置によらずこの弁座を排除しているのが実情である。このため、従来の弁座では、傷付きによる弁座の不良率を低下させることが困難であった。
本発明は、不良率を低減でき、コストダウン可能なディスクバルブ装置の弁座およびディスクバルブ装置を提供することを目的とする。
本発明のディスクバルブ装置の弁座は、弁座に対して弁体を摺動させることで流体の流路や流量を切り換えるディスクバルブ装置の弁座であって、上記弁座は合成樹脂製であり、上記弁座の一方の面は、上記弁体と摺動する摺動面であり、他方の面である反摺動面は、パッキンを介して筐体と接触しており、上記反摺動面のうち少なくとも上記パッキンと接触する面が、研磨面であり、上記反摺動面のうち上記研磨面以外の面は、上記研磨面に対して凹んだ凹面であることを特徴とする。
さらに、上記反摺動面のうち、上記パッキンと接触する面に加え、通水孔周囲の面を研磨面とすることを特徴とする。ここで、通水孔周囲とは、反摺動面を平面視した場合において、通水孔を取り囲む、通水孔の内縁から所定範囲の幅の領域であり、具体的には、通水孔の内縁から少なくとも0.5mm以内の幅の領域である。
上記凹面は、上記研磨面に垂直な方向に0.05mm~1.0mm低い面であることを特徴とする。
上記凹面と上記研磨面とを繋ぐ面は、上記研磨面に対して20°~45°傾斜した傾斜面であることを特徴とする。
上記弁座は樹脂組成物の成形体であり、上記樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂をベース樹脂とすることを特徴とする。
上記樹脂組成物は、さらにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂を含むことを特徴とする。また、上記樹脂組成物は、さらに球状充填剤を含むことを特徴とする。
上記樹脂組成物は、繊維状充填剤を含まないことを特徴とする。
本発明のディスクバルブ装置は、筐体内に、弁座と、弁体と、上記弁座に接触するパッキンとを備えるディスクバルブ装置であって、上記弁座が本発明の弁座であることを特徴とする。
本発明のディスクバルブ装置の弁座は合成樹脂製であり、弁座の一方の面は弁体との摺動面であり、他方の面である反摺動面はパッキンと接触する面を有しており、反摺動面のうち少なくともパッキンと接触する面が、研磨面であり、反摺動面のうち研磨面以外の面は、研磨面に対して凹んだ凹面であるので、反摺動面において打痕などの傷が付いた場合に、機能上影響しない部分かどうかを容易に判断することができる。これにより、外観検査において、機能上影響しない部分への傷付きを不良品として排除する必要がなくなり、不良率を減少することができる。
さらに、反摺動面のうち、パッキンと接触する面に加え、通水孔周囲の面を研磨面にすることによって、弁座の通水孔と筐体の通水孔との距離が近くなる。これにより、パッキンに過大な水圧がかかることを防ぎやすくなり、パッキンからの水漏れを防止しやすくなる。
凹面は、研磨面に垂直な方向に0.05mm~1.0mm低い面であるので、機能上影響しない部分にある傷かどうかの判別がより容易になり、外観検査の所要時間を短縮できる。
凹面と研磨面とを繋ぐ面は、研磨面に対して20°~45°傾斜した傾斜面であるので、研磨時に研磨バリの発生が抑えられ、また、研磨バリが発生したとしても、研磨バリを容易に取り除くことができる。これにより、研磨バリの除去工程の負担を軽減でき、弁座への傷付きがより発生しにくくなり、不良率の低下に繋がる。また、使用中にこの部分から研磨バリが剥がれることに起因する不具合が解消される。すなわち、研磨バリが弁座と弁体の摺動面に噛み込むことによる摺動面の傷付きが防止され、水漏れを防止できる。また、研磨バリによってゴム製パッキンを傷付けることが無く、パッキンのシール効果を維持することができる。また、例えば人体局部洗浄装置に使用される場合においては、剥がれた研磨バリが洗浄ノズルの先端穴を詰まらせ機能低下となることを防止でき、さらには、人体への影響をなくすことができる。
弁座は樹脂組成物の成形体であり、樹脂組成物は、PPS樹脂またはPEEK樹脂をベース樹脂とするので、摺動特性に優れるとともに、吸水率が小さく、耐水性に優れ、また、研磨加工が容易になる。
樹脂組成物は、さらにPTFE樹脂を含むので、研磨などによって摺動特性をより向上できる。また、樹脂組成物は、さらに球状充填剤を含むので、配向性に異方性が生じず摺動方向によるトルク変動を避けられる。また、摺動面に露出した球状充填剤が脱落したとしても脱落痕の凹部に水道水が保持されることで水中での潤滑効果を促し、摺動特性に一層優れる。
樹脂組成物は、繊維状充填剤を含まないので、研磨面の表面粗さを均一にすることができ、品質が安定する。
本発明のディスクバルブ装置は、筐体内に、本発明の弁座と、弁体と、弁座に接触するパッキンとを備えるので、結果的にディスクバルブ装置のコストダウンが期待できる。
弁体を摺動面側から見た平面図である。 弁座を摺動面側から見た平面図である。 弁座を反摺動面側から見た平面図である。 図3のA部およびB部の拡大断面図である。 実施例の弁座の斜視図である。 比較例の弁座の斜視図である。 人体局部洗浄装置の側面図である。 人体局部洗浄装置の断面模式図である。
本発明のディスクバルブ装置の一例として、人体局部洗浄装置について図7を用いて説明する。人体局部洗浄装置14は、内部に流路切り換え手段としてディスクバルブ21を備えた筐体15と、筐体15内の流路切り換え手段を駆動する駆動装置16とを備えている。筐体15の内部に備えられる流路切り換え手段は、後述する弁体1および弁座2から構成されている。また、筐体15は、筐体15内に洗浄水を供給する洗浄水供給装置17と、洗浄水供給装置17から供給される洗浄水を人体局部へ噴出する人体局部洗浄ノズル18と、人体局部洗浄ノズル18を洗浄するノズル洗浄水吐出部19と、洗浄水が排出される排水部20とに接続されている。
人体局部洗浄装置14は、筐体15の内部の流路切り換え手段を駆動装置16で駆動することにより、筐体15内の流路を切り換え、洗浄水供給装置17からの洗浄水を人体局部洗浄ノズル18またはノズル洗浄水吐出部19のいずれかに流通させる構成である。
図7に示すように、ディスクバルブ21において、弁座2(固定ディスク)は筐体15に対して回転不能に固定されており、弁体1(可動ディスク)は弁座2に対して回転可能であり、弁体1と弁座2は、各摺動面同士が摺動自在に配置される。弁体1は、その円形状の中心を回転軸として摺動しながら回転し、弁体1と弁座2の穴部や溝部同士が重なり合ったり、ずれたりすることで、水の流路や、流量を変更することができる。図7において弁座2が本発明のディスクバルブ装置の弁座に相当する。
この人体局部洗浄装置の内部構造について、図8を用いて説明する。図8は、駆動装置の回転軸方向に沿って切断した模式断面図である。図8に示すように、筐体15の中には、駆動装置16によって回転する弁体1と、筐体15に対して回転不能に固定され、人体局部洗浄ノズルおよびノズル洗浄水吐出部に連通する通水孔を設けた弁座2と、該通水孔の形状や位置に対応した構造のパッキン13とが収納されている。パッキン13は、弁座2と筐体15の流路をつなぎ、人体局部洗浄ノズル、ノズル洗浄水吐出部および排水部へ洗浄水を流通させる。上述したように、弁座2は、一方の面が弁体1と対面して配置され、かつ、他方の面がパッキン13と対面するように配置されている。弁座2のパッキン13と対面する反摺動面6は、パッキン13を介して筐体15と接触している。
本発明のディスクバルブ装置が備えるディスクバルブの一例として、図1に弁体を示し、図2に弁座を示す。図1は、弁体の平面図であり、弁座と摺動する摺動面側を示している。図1に示すように、弁体1の摺動面には、様々な形状の溝部や穴部からなる凹部1aが形成されている。凹部1aは水道水の流路(通水路)を構成している。
続いて図2は、弁座の平面図であり、弁体と摺動する摺動面側を示している。弁座2の摺動面3、および、摺動面3の裏側の反摺動面の一部は、両面研削盤などの機械的方法により平滑に研磨された研磨面となっている。図2に示すように、弁座2の摺動面3には、通水路を構成する様々な形状の溝部4や通水孔5が形成されている。図2において通水孔5は摺動面3から反摺動面に貫通した貫通孔である。
図3は、図2に示した弁座の反摺動面側の平面図である。反摺動面側のそれぞれの通水孔5は、弁座2に接触するパッキンによって区切られる。パッキンと接触することで、ディスクバルブ装置の使用時に筐体から水が漏れることを防止している。図3において、反摺動面6は、パッキンと接触する面7と、通水孔5の周囲の面8と、凹面9とで構成される。接触面7および周囲面8は研磨面である。凹面9は、研磨面以外の面(非研磨面)であり、研磨面に対して所定深さ凹んで形成されている。ここで、研磨面を凸面ともいい、図3では凸面は接触面7および周囲面8を併せた面である。
なお、通水孔5の周囲面8は、図3に示すように必ずしも研磨面(凸面)である必要はなく、接触面7から凹んだ面として形成してもよい。この場合、周囲面8は凹面9と連続した面で形成される。ただし、周囲面8を研磨面とすることで、通水孔5が筐体に近づき、水の流れが通水路から外れにくくなるため、パッキンに過大な水圧がかかることがなく、パッキンからの水漏れを防止しやすくなる。
ここで、弁座2は合成樹脂製であるため、製造工程中に表面に傷が付く場合がある。例えば、両面研磨盤での研磨後のバレル処理による洗浄工程や、ブラスト処理などによる研磨バリ除去工程などにおいて、研磨面に打痕である凹痕が付く場合がある。特に、反摺動面のシール面(パッキンとの接触面7)に凹痕が付くとシール性が低下し、水漏れが発生するおそれがある。これに対して、図3の例では、弁座2の反摺動面6における研磨面(少なくとも接触面7を含む)以外の面を研磨面よりも凹んだ凹面9にしているため、研磨面に傷が付いておらず研磨面以外に傷が付いている弁座を良品として採用することができる。その結果、弁座の不良率が低減し、生産効率が向上する。
図3において、凹面9の研磨面に対する垂直方向の深さは、特に限定されないが、凹面9は研磨面よりも0.05mm~1.0mm低い面であることが好ましい。高低差が0.05mm未満の場合は、研磨加工での管理が煩雑となるおそれがあり、高低差が1.0mmよりも大きい場合は、凹面9と摺動面の溝部との間の厚みが薄くなるおそれがある。図3に示すように、反摺動面6において凹面9は複数形成されている。凹面9の研磨面に対する深さは、全ての凹面で一定の深さに設定してもよく、凹面毎に異なるように設定してもよい。また、各凹面の部位によって深さが変化するように設定してもよい。また、凹面9は研磨面よりも0.1mm~0.5mm低い面であることがより好ましい。
弁座2は樹脂組成物の射出成形体であり、凹面9は射出成形面である。つまり、弁座2の反摺動面6は、射出成形で形成された後、研磨によって凸面(接触面7および周囲面8)が仕上げられる。このため、凸面は射出成形で研磨代を設けて成形される。研磨代は0.05mm~0.3mm程度である。そのため、射出成形後、研磨前の反摺動面の凸面と凹面の高低差は0.1mm~1.3mmとすることが好ましい。研磨代が0.05mm未満の場合は、ヒケで研磨面に黒皮が残るおそれがあり、研磨代が0.3mmよりも大きい場合は研磨時間が長くなり生産効率が低下するおそれがある。
図4を用いて反摺動面における凸面と凹面との関係について説明する。図4は、図3において点線部で囲った部分A、部分Bにおける断面図をそれぞれ示す。図4(a)は、凹面9と接触面7との境界部の拡大断面図である。図4(a)に示すように、凹面9の接触面7との境界となる壁面には勾配を設けることが好ましい。図4(a)では、凹面9と接触面7とを繋ぐ傾斜面10は、接触面7に対して40°傾斜している。傾斜面10は、接触面7に対して20°~45°傾斜していることが好ましい。これにより、研磨バリの発生を抑えやすく、また、研磨バリが発生した場合でも研磨バリの除去を行いやすくなる。傾斜面10の傾斜角度は、より好ましくは25°~40°である。
また、図4(b)の拡大断面図では、凹面9の周囲面8との境界も示している。図4(b)に示すように、凹面9の周囲面8との境界となる壁面には勾配を設けることが好ましい。図4(b)では、凹面9と周囲面8とを繋ぐ傾斜面11は、周囲面8に対して40°傾斜している。傾斜面11は、周囲面8に対して20°~45°傾斜していることが好ましく、25°~40°傾斜していることがより好ましい。
図4に示すように、凹面9と凸面(接触面7および周囲面8)の境界に凹面9と凸面とを繋ぐ傾斜面を設けることで、直立した壁面を設ける場合に比べて、研磨バリの発生を抑えやすくなる。傾斜面は、凹面9と接触面7の境界、および凹面9と周囲面8の境界のうち一方に設けてもよいが、両方の境界に傾斜面を設けることが好ましい。この場合、凹面9と凸面とを繋ぐ面が全て傾斜面に形成される。なお、境界に傾斜面を形成する場合、凸面の周囲にだけ傾斜面を形成することもできるが、凹面9の隅部に研磨カスが残りやすく洗浄工程の時間が長くなりやすいため、傾斜面は凹面9と凸面を繋ぐように形成することが好ましい。なお、各傾斜面の傾斜角度は互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
本発明の弁座は、樹脂組成物の射出成形体であり、摺動特性を有するベース樹脂を含む。ベース樹脂としては、例えば、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、PPS樹脂、PEEK樹脂などが使用できる。特に、PPS樹脂、PEEK樹脂は吸水率が小さく、耐水性に優れるとともに、研磨加工が容易であるため、好ましい。上記樹脂組成物は、ベース樹脂のみ(ベース樹脂100%)で構成されてもよく、また、ベース樹脂に、以下に示す固体潤滑剤や、球状充填剤などの充填剤を適宜配合してもよい。
充填剤としては、潤滑特性を高くするため、例えば、黒鉛、二硫化モリブデン、PTFE樹脂などの固体潤滑剤を配合することが好ましい。中でもPTFE樹脂は潤滑性付与効果が高いため好ましい。固体潤滑剤はベース樹脂100質量部に対して5~60質量部、好ましくは10~45質量部、さらに好ましくは20~30質量部配合できる。5質量部未満であると潤滑性の向上効果が得られにくく、60質量部を超えると研磨面に対する傷付きが多くなり不良率が高くなる傾向がある。
また、充填剤として、球状黒鉛や、ガラスビーズなどの球状充填剤を含むことで摺動特性が安定して得られやすくなる。この理由は、配合方向に異方性が出ないため摺動方向によって摺動トルクが変化しないためである。また、研磨によって球状充填剤が半球状に削られ、バレルタンブラーなどの後工程によって、摺動面に露出した半球状の球状充填剤が脱落しても、使用に際して脱落痕の凹部に水道水が保持されるようになり水中での潤滑効果が向上する。球状充填剤の配合量は、ベース樹脂100質量部に対して5~30質量部であり、好ましくは5~20質量部である。5質量部未満であると補強効果が得られにくく、30質量部を超えると低摩擦性が低下するおそれがある。
球状充填剤としては、ガラスビーズを用いることが好ましい。ガラスビーズの平均粒子径は、特に限定されるものではないが、5μm~100μmであることが好ましく、5μm~50μmであることがより好ましい。ガラスビーズの平均粒子径は、例えば、電子顕微鏡の観察で得られる画像に対して、粒子径を測定する対象のガラスビーズを抽出して測定された粒子径から算出される数平均粒子径である。
また、上記樹脂組成物には、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填剤は含まないことが好ましい。繊維状充填剤が含まれると、研磨後の表面粗さが不均一になるおそれがある。
これらを考慮して、弁座を形成する樹脂組成物としては、PPS樹脂またはPEEK樹脂をベース樹脂とし、該ベース樹脂100質量部に対して、PTFE樹脂を20~30質量部、ガラスビーズを5~20質量部含み、かつ繊維状充填剤は含まないものが特に好ましい。さらに、ガラスビーズの平均粒子径が5μm~50μmであることが好ましい。
また、本発明のディスクバルブ装置において、弁体は合成樹脂製であってもよい。その場合、弁体と弁座に用いられる各樹脂組成物は、同じ樹脂組成物でもよく、互いに異なる樹脂組成物であってもよい。弁体と弁座に用いられる各樹脂組成物は、製造工程の簡略化の観点から、同じ樹脂組成物であることが好ましい。異なる樹脂組成物とは、その組成が異なるという意味であり、弁体を構成する各原料が異なることのみならず、各原料が同一で組成比が異なる場合も含む。例えば、弁座のベース樹脂をPPS樹脂として、弁体のベース樹脂をPEEK樹脂としてもよい。
本発明の効果、すなわち、弁座の反摺動面のうち研磨面以外の面に凹面を設けることによる効果を検証するため、以下の手順で弁座の作製および外観検査を行った。
(1)反摺動面に凹面を有する弁座(実施例:図5参照)と、反摺動面に凹面を有さない弁座(比較例:図6参照)を、同一の樹脂組成物を用いて射出成形した。樹脂組成物には、PPS樹脂100質量部に対し、PTFE樹脂25質量部、ガラスビーズ15質量部を含む樹脂組成物を用いた。なお、各弁座の摺動面の形状は、実施例と比較例で同一の形状である。
(2)摺動面と反摺動面を両面研磨機で研磨し、弁座の厚さ寸法を仕上げた。研磨代は、摺動面側、反摺動面側、それぞれ0.2mmであった。図5の実施例の弁座12において、凹面9は研磨面(接触面7および周囲面8)に垂直な方向に0.2mm低い面であった。また、凹面9と研磨面とを繋ぐ面は40°の傾斜面であった。
(3)次に、それぞれの弁座にショットブラストとバレル研磨を行い、研磨バリの除去と投射材の洗浄を行った。
(4)得られた各弁座を人による外観検査にて、研磨面に傷付きがあるものを不良品として排除した。作製した全ての弁座に対する不良品の比率を不良率として算出し、実施例と比較例それぞれの不良率を比較した。その結果、実施例の不良率は、比較例の不良率の約3/5であった。実施例の弁座では、外観検査時に良品として採用できる製品が増えたことから不良率を低減できた。また、実施例の反摺動面のエッジ部には研磨バリが残っていなかった。
本発明のディスクバルブ装置の弁座は、不良率を低減でき、コストダウンが期待できるので、湯水混合水栓、人体局部洗浄装置などのディスクバルブ装置の弁座として広く使用できる。
1 弁体
2 弁座
3 摺動面
4 溝部
5 通水孔
6 反摺動面
7 接触面
8 周囲面
9 凹面
10 傾斜面
11 傾斜面
12 弁座
13 パッキン
14 人体局部洗浄装置(ディスクバルブ装置)
15 筐体
16 駆動装置
17 洗浄水供給装置
18 人体局部洗浄ノズル
19 洗浄水吐出部
20 排水部
21 ディスクバルブ

Claims (10)

  1. 弁座に対して弁体を摺動させることで流体の流路や流量を切り換えるディスクバルブ装置の弁座であって、
    前記弁座は合成樹脂製であり、前記弁座の一方の面は、前記弁体と摺動する摺動面であり、他方の面である反摺動面は、パッキンを介して筐体と接触しており、
    前記反摺動面のうち少なくとも前記パッキンと接触する面が、研磨面であり、前記反摺動面のうち前記研磨面以外の面は、前記研磨面に対して凹んだ凹面であり、前記凹面には前記パッキンを有さないことを特徴とするディスクバルブ装置の弁座。
  2. 前記研磨面が、前記パッキンと接触する面と通水孔周囲の面であることを特徴とする請求項1記載のディスクバルブ装置の弁座。
  3. 前記凹面は、前記研磨面に垂直な方向に0.05mm~1.0mm低い面であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のディスクバルブ装置の弁座。
  4. 前記凹面と前記研磨面とを繋ぐ面は、前記研磨面に対して20°~45°傾斜した傾斜面であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載のディスクバルブ装置の弁座。
  5. 前記弁座は樹脂組成物の成形体であり、前記樹脂組成物は、ポリフェニレンサルファイド樹脂またはポリエーテルエーテルケトン樹脂をベース樹脂とすることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項記載のディスクバルブ装置の弁座。
  6. 前記樹脂組成物は、さらにポリテトラフルオロエチレン樹脂を含むことを特徴とする請求項5記載のディスクバルブ装置の弁座。
  7. 前記樹脂組成物は、さらに球状充填剤を含むことを特徴とする請求項5または請求項6記載のディスクバルブ装置の弁座。
  8. 前記樹脂組成物は、繊維状充填剤を含まないことを特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項記載のディスクバルブ装置の弁座。
  9. 筐体内に、弁座と、弁体と、前記弁座に接触するパッキンとを備えるディスクバルブ装置であって、前記弁座が請求項1から請求項8までのいずれか1項記載の弁座であることを特徴とするディスクバルブ装置。
  10. 前記弁座は通水孔を有し、前記弁座の反摺動面側からの平面視において、前記通水孔は前記凹面内に形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクバルブ装置の弁座。
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