詳細な説明
[0054] 本明細書には、Cbl-b酵素を阻害する化合物及び医薬組成物、並びにかかる化合物及び医薬組成物を使用した処置方法が提供される。本化合物及び組成物は、免疫系の調節方法、疾患の処置、及び細胞のインビボ、インビトロ、又はエキソビボ処置に使用することができる。また、本明細書には、癌ワクチンとCbl-b酵素を阻害する化合物とを含む医薬組成物、並びにかかる化合物、癌ワクチン、及び医薬組成物を使用した処置方法も提供される。また、本明細書には、腫瘍溶解性ウイルスとCbl-b酵素を阻害する化合物とを含む医薬組成物、並びにかかる化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び医薬組成物を使用した処置方法も提供される。
[0055] T細胞活性化及びT細胞寛容は、自己免疫を防ぐ一方で、腫瘍に対する免疫応答を制御する、厳密にコントロールされた過程である。寛容は、「自己」抗原を発現する細胞に対する免疫系の攻撃を防ぐ。末梢性寛容では、「自己」抗原を認識するT細胞(即ち、自己反応性T細胞)が、胸腺外で「自己」抗原と遭遇した後に機能的に応答しなくなるか、又は排除される。従って末梢性寛容過程は、自己免疫疾患の防止に重要である。通常、癌細胞は、癌細胞の表面上に発現した腫瘍抗原を認識する活性化T細胞によって除去される。しかしながら、癌では、腫瘍微小環境が癌細胞に対するT細胞寛容を支援し得るため、癌細胞が免疫系による認識及び除去を回避することが可能となる。癌細胞が腫瘍免疫監視を回避する能力は、抑制されない腫瘍成長の一因となり得る。従って、T細胞寛容は、ある種のT細胞機能不全であり得る。T細胞機能不全の一般的原理については、当該技術分野において周知である(Schietinger et al., Trends Immunol., 35: 51-60, 2014を参照されたい)。抑制されない腫瘍成長の一因となり得る別の種類のT細胞機能不全には、T細胞枯渇、T細胞老化、及び/又はT細胞アネルギーがある。従って、T細胞機能不全を、例えば、T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞寛容の低下、及び/又はT細胞枯渇の低下によって処置することは、癌の予防又は処置に有益である。免疫監視における癌細胞の認識及び除去には、免疫系の更なる細胞が重要である。例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞は、癌細胞を同定して死滅させることが可能な自然免疫系のリンパ球である(Martinez-Losato et al., Clin Cancer Res., 21: 5048-5056, 2015を参照されたい)。最近の研究ではまた、個別の表現型及び機能を有するB細胞サブセットが、抗腫瘍応答において多様な役割を呈することも示されている(Saravaria et al., Cell Mol Immunol., 14: 662-674, 2017を参照されたい)。腫瘍監視におけるその役割により、NK細胞及びB細胞もまた、癌の予防又は処置の治療標的として適したものであり得る。
[0056] Cbl-bは、RING型E3リガーゼであり、免疫活性化の負の制御因子としてのその機能により、免疫系において重要な役割を果たす。Cbl-bは、T細胞の活性化を低下させるのに不可欠な役割を担い、従ってT細胞寛容を亢進させる。諸研究によれば、cbl-b欠損T細胞は、抗原認識受容体及び共刺激分子(例えば、CD28)による活性化の閾値の低下を示すことが分かっている。例えば、T細胞においてCbl-bが失われると、T細胞活性化及び増殖時のCD28共刺激の要件が外れる(Bachmaier et al., Nature, 403: 211-216, 2000を参照されたい)。かかるcbl-b-/-T細胞は、大部分がT細胞アネルギー(T細胞が機能的に不活性化されて、T細胞増殖が大きく損なわれる寛容機構である)に抵抗性である(Jeon et al., Immunity, 21: 167-177, 2004;及びSchwartz et al., Annu Rev Immunol., 21: 305-34, 2003を参照されたい)。この裏付けとして、cbl-bノックアウトマウスにおいてCbl-bが失われると、T細胞寛容の誘導が損なわれ、自己免疫(autioimmunity)が悪化した(Jeon et al., Immunity, 21: 167-177, 2004を参照されたい)。重要なことに、マウスにおいてCbl-bが失われると、細胞傷害性T細胞に主に依存するロバストな抗腫瘍応答もまた生じた。ある研究では、cbl-b-/- CD8+ T細胞が制御性T細胞媒介抑制に抵抗性であり、活性化及び腫瘍浸潤の亢進を呈することが示された。樹立腫瘍の拒絶を媒介するには、ナイーブcbl-b-/- CD8+ T細胞の治療的移植が十分であった(Loeser et al., J Exp Med., 204: 879-891, 2007を参照されたい)。最近の研究では、Cbl-bがNK細胞活性化においても役割を果たすことが示されている。Cbl-bを遺伝子欠失させるか、又はそのE3リガーゼ活性を標的化して不活性化させると、マウスモデルでNK細胞に転移性腫瘍を自然に拒絶させることが可能であった(Paolino et al., Nature, 507: 508-512, 2014を参照されたい)。
[0057] 本明細書には、Cbl-bの強力な阻害薬であり、且つ癌などの疾患の新規処置手法に使用し得る化合物及び組成物が提供される。一部の実施形態において、本明細書に提供される化合物及び組成物は、T細胞、NK細胞、及びB細胞の活性化を増加させるなど、免疫系を調節する方法、並びにかかる細胞のインビボ、インビトロ、又はエキソビボ処置において使用することができる。
I.定義
[0058] 本明細書に開示される薬剤の「有効量」は、具体的に記載される目的を実行するのに十分な量である。「有効量」は、記載される目的との関連で、実験的に、及び常法で決定されてもよい。薬剤の「有効量」又は「十分な量」は、有益な臨床結果を含め、有益な結果など、所望の生物学的効果を生み出すのに適切な量である。一部の実施形態において、用語「有効量」は、個体(例えば、ヒトなどの哺乳類)の疾患又は障害を「処置」するのに有効な薬剤の量を指す。
[0059] 用語「Cbl-b」は、本明細書で使用されるとき、Cbl-bタンパク質を指す。この用語にはまた、スプライス変異体又はアレル変異体を含め、Cbl-bの天然に存在する変異体も含まれる。この用語にはまた、組換えCbl-bタンパク質又はそのトランケート型変異体など、Cbl-bの天然に存在しない変異体も含まれ、それらは、概して、天然に存在するCbl-b又は天然に存在するCbl-b変異体の結合能力(例えば、E2酵素に結合する能力)を維持している。
[0060] 用語「医薬製剤」及び「医薬組成物」は、活性成分の生物学的活性が有効であることを許容するような形態の、且つ製剤又は組成物が投与されるであろう個体にとって容認し難いほどの毒性がある追加的な成分を含有しない調合物を指す。かかる製剤又は組成物は無菌であってよい。かかる製剤又は組成物は無菌であってよく、但し、腫瘍溶解性ウイルスは含まれてもよいものとする。
[0061] 「賦形剤」には、本明細書で使用されるとき、用いられる投薬量及び濃度でそれに曝露される細胞又は哺乳類にとって毒性のない、薬学的に許容可能な賦形剤、担体、媒体、又は安定剤が含まれる。多くの場合、生理学的に許容可能な賦形剤は、pH緩衝水溶液である。
[0062] 医薬組成物中の記載されるとおりの化合物、又は医薬組成物に対するクレームに記載されるとおりの化合物への言及は、医薬組成物の他の要素のない、即ち、担体、賦形剤等のない、医薬組成物中の記載される式によって記述される化合物を指す。
[0063] 疾患を「処置すること」又は「処置」という用語は、プロトコルを実行することを指し、それには、臨床結果を含め、有益な又は所望の結果を個体において達成しようとする試みの中で、個体(ヒト又はその他)に1つ以上の治療剤を投与することが含まれ得る。有益な又は所望の臨床結果としては、限定はされないが、1つ以上の症状の軽減又は改善、疾患の程度の縮小、疾患の安定化した(即ち、悪化しない)状態、疾患の広がりの防止、疾患の進行の遅延又は減速、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解(部分的にしろ、又は全面的にしろ)が挙げられる。「処置」はまた、処置を受けていない個体の予想生存期間と比較して、生存期間を延ばすことも意味し得る。更に、「処置すること」及び「処置」は、1用量の1つ又は複数の治療剤の投与によって起こることもあり、又は1つ又は複数の治療剤の一連の用量を投与したときに起こることもある。「処置すること」又は「処置」は、徴候又は症状が完全に軽減される必要はなく、治癒する必要はない。「処置」はまた、処置下の個体又は細胞の自然経過を変えるように設計された(即ち、その臨床的介入が存在しなければ起こるであろう個体又は細胞の経過を変えるように設計された)、個体に1つ以上の治療剤を投与することなどの臨床的介入も指し得る。用語「治療剤」とは、Cbl-b阻害薬、修飾免疫細胞又はその組成物を指し得る。
[0064] 本明細書で使用されるとき、「個体」又は「対象」は哺乳類である。処置目的では、「哺乳類」には、ヒト;非ヒト霊長類;家畜及び農場動物;及びイヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、スナネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコなど、動物園動物、競技動物、又は愛玩動物が含まれる。一部の実施形態において、個体又は対象はヒトである。
[0065] 本明細書で使用されるとき、用語「T細胞機能不全」は、抗原刺激に対する免疫応答性が低下した状態を指す。用語「T細胞機能不全」には、抗原認識が起こり得るが、続く免疫応答は、腫瘍成長を抑制するには不十分であるというT細胞枯渇及び/又はT細胞アネルギーの両方に共通する要素が含まれる。用語「T細胞機能不全」にはまた、抗原認識を増殖、サイトカイン産生、及び/又は標的細胞殺傷などの下流T細胞エフェクター機能に結び付ける能力が損なわれるなど、抗原認識に対して難応答性又は不応答性であることも含まれる。
[0066] 用語「T細胞アネルギー」は、T細胞受容体を通じて送達されるシグナルが不完全又は不十分であることに起因して抗原刺激に応答しない状態を指す。「T細胞アネルギー」はまた、抗原による刺激時に共刺激がなく、その結果、続く抗原による活性化に対し、例え共刺激のコンテクストであっても細胞が難応答性となる場合にも生じ得る。
[0067] 用語「T細胞枯渇」は、癌で起こり得る持続的なTCRシグナル伝達によって起こるT細胞機能不全の状態を指す。これは、それが不完全な又は欠陥のあるシグナル伝達を通じて起こるのでなく、持続的なシグナル伝達によって起こる点で、アネルギーとは区別される。これは、エフェクター機能の不良、抑制性受容体の持続的発現、及び機能性エフェクター又はメモリーT細胞と異なる転写状態によって定義される。
[0068] 「T細胞機能不全障害」は、抗原刺激に対するT細胞の応答性の低下によって特徴付けられる障害又は病態である。応答性が低下すると、腫瘍の抑制が無効となり得る。一部の実施形態において、用語「T細胞機能不全障害」には、血液癌又は非血液癌などの癌が包含される。一部の実施形態において、「T細胞機能不全障害」は、T細胞がアネルギー状態にあるものか、又はサイトカインの分泌能力、増殖能力、若しくは細胞溶解活性の実行能力が低下しているものである。
[0069] 「T細胞機能を亢進させること」は、持続的な若しくは増幅した生物学的機能を呈するように、又は枯渇した若しくは不活性なT細胞が再生若しくは再活性化するようにT細胞を誘導し、誘発し、又は刺激することを意味する。亢進したT細胞機能の例としては、Cbl-b阻害薬による処置前のT細胞の状態と比べたT細胞活性化の増加(例えば、サイトカイン産生の増加、T細胞活性化マーカーの発現の増加等)、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下が挙げられる。T細胞機能の亢進を測る方法は、当該技術分野において公知である。
[0070] 「増殖」は、本明細書では、細胞の増殖を指して使用される。増殖の増加には、ベースライン値と比べて一層多い数の細胞の産生が包含される。増殖の低下には、ベースライン値と比べて減少した数の細胞の産生が包含される。一部の実施形態において、細胞はT細胞などの免疫細胞であり、増殖の増加が望ましい。一部の実施形態において、細胞は癌細胞であり、増殖の減少が望ましい。
[0071] 「アルキル」は、本明細書で使用されるとき、飽和直鎖状(即ち、分岐していない)又は分岐鎖状一価炭化水素鎖又はこれらの組み合わせを指す。詳細なアルキル基は、指定される数の炭素原子を有するもの、例えば、1~20個の炭素原子を有するアルキル基(「C1~C20アルキル」)、1~10個の炭素原子を有するアルキル基(「C1~C10」アルキル)、1~8個の炭素原子を有するアルキル基(「C1~C8アルキル」)、1~6個の炭素原子を有するアルキル基(「C1~C6アルキル」)、2~6個の炭素原子を有するアルキル基(「C2~C6アルキル」)、又は1~4個の炭素原子を有するアルキル基(「C1~C4アルキル」)である。アルキル基の例としては、限定はされないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチルなどの基、そのホモログ及び異性体、例えば、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチルが挙げられる。
[0072] 「アルケニル」は、本明細書で使用されるとき、オレフィン不飽和部位を少なくとも1つ有する(即ち、式C=Cの部分を少なくとも1つ有する)不飽和直鎖状(即ち、分岐していない)又は分岐鎖状一価炭化水素鎖又はこれらの組み合わせを指す。詳細なアルケニル基は、指定される数の炭素原子を有するもの、例えば、2~20個の炭素原子を有するアルケニル基(「C2~C20アルケニル」)、2~10個の炭素原子を有するアルケニル基(「C2~C10」アルケニル)、2~8個の炭素原子を有するアルケニル基(「C2~C8アルケニル」)、2~6個の炭素原子を有するアルケニル基(「C2~C6アルケニル」)、又は2~4個の炭素原子を有するアルケニル基(「C2~C4アルケニル」)である。アルケニル基は、「シス」又は「トランス」配置であることができ、又はそれに代えて、「E」又は「Z」配置であることができる。アルケニル基の例としては、限定はされないが、エテニル(又はビニル)、プロパ-1-エニル、プロパ-2-エニル(又はアリル)、2-メチルプロパ-1-エニル、ブタ-1-エニル、ブタ-2-エニル、ブタ-3-エニル、ブタ-1,3-ジエニル、2-メチルブタ-1,3-ジエニルなどの基、そのホモログ、及び異性体が挙げられる。
[0073] 「アルキニル」は、本明細書で使用されるとき、アセチレン不飽和部位を少なくとも1つ有する(即ち、式C≡Cの部分を少なくとも1つ有する)不飽和直鎖状(即ち、分岐していない)又は分岐鎖状一価炭化水素鎖又はこれらの組み合わせを指す。詳細なアルキニル基は、指定される数の炭素原子を有するもの、例えば、2~20個の炭素原子を有するアルキニル基(「C2~C20アルキニル」)、2~10個の炭素原子を有するアルキニル基(「C2~C10アルキニル」)、2~8個の炭素原子を有するアルキニル基(「C2~C8アルキニル」)、2~6個の炭素原子を有するアルキニル基(「C2~C6アルキニル」)、又は2~4個の炭素原子を有するアルキニル基(「C2~C4アルキニル」)である。アルキニル基の例としては、限定はされないが、エチニル(又はアセチレニル)、プロパ-1-イニル、プロパ-2-イニル(又はプロパルギル)、ブタ-1-イニル、ブタ-2-イニル、ブタ-3-イニルなどの基、そのホモログ、及び異性体が挙げられる。
[0074] 「アルキレン」は、本明細書で使用されるとき、アルキルと同じだが、二価を呈する残基を指す。詳細なアルキレン基は、1~6個の炭素原子(「C1~C6アルキレン」)、1~5個の炭素原子(「C1~C5アルキレン」)、1~4個の炭素原子(「C1~C4アルキレン」)、又は1~3個の炭素原子(「C1~C3アルキレン」)を有するものである。アルキレン基の例としては、限定はされないが、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)などの基が挙げられる。
[0075] 「シクロアルキル」は、本明細書で使用されるとき、非芳香族飽和又は不飽和環状一価炭化水素構造を指す。詳細なシクロアルキル基は、指定される数の環状炭素原子(即ち、環炭素原子)炭素原子を有するもの、例えば、3~12個の環状炭素原子を有するシクロアルキル基(「C
3~C
12シクロアルキル」)である。詳細なシクロアルキルは、3~8個の環状炭素原子を有する環状炭化水素(「C
3~C
8シクロアルキル」)、又は3~6個の環状炭素原子を有する環状炭化水素(「C
3~C
6シクロアルキル」)である。シクロアルキルは、シクロヘキシルなど、1個の環からなってもよく、又はアダマンチルなど、複数の環からなってもよいが、但し、芳香族(例えば、アリール)基は除外するものとする。2個以上の環を含むシクロアルキルは、縮合、スピロ、又は架橋、又はこれらの組み合わせであってもよい。シクロアルキル基の例としては、限定はされないが、シクロプロピル
、シクロブチル
、シクロペンチル
、シクロヘキシル
、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル
、ノルボルニルなど挙げられる。
[0076] 「シクロアルキレン」は、本明細書で使用されるとき、シクロアルキルと同じだが、二価(即ち、一価であるのと対照的に)を呈する残基を指す。詳細なシクロアルキレン基は、3~12個の環状炭素原子を有するもの(「C
3~C
12シクロアルキレン」)、3~8個の環状炭素原子を有するもの(「C
3~C
8シクロアルキレン」)、又は3~6個の環状炭素原子を有するもの(「C
3~C
6シクロアルキレン」)である。シクロアルキレン基の例としては、限定はされないが、シクロプロピレン
、シクロブチレン
、シクロペンチレン
、シクロへキシレン
、1,2-シクロヘキセニレン、1,3-シクロヘキセニレン、1,4-シクロヘキセニレン、シクロヘプチレン
、ノルボルニレンなどが挙げられる。
[0077] 「アリール」は、本明細書で使用されるとき、単一の環(例えば、フェニル)、又は複数の縮合した環(例えば、ナフチル又はアントリル)であって、そのうちの1つ以上が芳香族でなくてもよい縮合環を有する芳香族炭素環式基を指す。詳細なアリール基は、6~14個の環状炭素原子(即ち、環炭素原子)を有するもの(「C
6~C
14アリール」)である。少なくとも1個の環が非芳香族である2個以上の環を有するアリール基は、芳香環位又は非芳香環位のいずれでも親構造に結び付き得る。一つの変形例では、少なくとも1個の環が非芳香族である2個以上の環を有するアリール基は、芳香環位で親構造に結び付いている。アリールの例としては、限定はされないが、フェニル、ナフチル、1-ナフチル、2-ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル
などの基が挙げられる。
[0078] 「カルボシクリル」又は「炭素環式」は、シクロヘキシル、フェニル、1,2-ジヒドロナフチルなど、全ての環員が炭素原子である芳香族又は非芳香族一価環状基を指す。
[0079] 「アリーレン」は、本明細書で使用されるとき、アリールと同じだが、二価を呈する残基を指す。詳細なアリーレン基は、6~14個の環状炭素原子を有するもの(「C6~C14アリーレン」)である。アリーレンの例としては、限定はされないが、フェニレン、o-フェニレン(即ち、1,2-フェニレン)、m-フェニレン(即ち、1,3-フェニレン)、p-フェニレン(即ち、1,4-フェニレン)、ナフチレン、1,2-ナフチレン、1,3-ナフチレン、1,4-ナフチレン、2,7-ナフチレン、2,6-ナフチレンなどの基が挙げられる。
[0080] 「ヘテロアリール」は、本明細書で使用されるとき、1~14個の環状炭素原子と、限定はされないが、窒素、酸素、及び硫黄などのヘテロ原子を含めた、少なくとも1個の環状ヘテロ原子とを有する不飽和芳香族環状基を指す。ヘテロアリール基は、単一の環(例えば、ピリジル又はイミダゾリル)又は複数の縮合した環(例えば、インドリジニル、インドリル、又はキノリニル)であって、そのうちの少なくとも1個が芳香族である縮合環を有し得る。詳細なヘテロアリール基は、1~12個の環状炭素原子と、窒素(N)、酸素(O)、及び硫黄(S)からなる群から独立に選択される1~6個の環状ヘテロ原子とを有する5~14員環(「5~14員環ヘテロアリール」);1~8個の環状炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立に選択される1~4個の環状ヘテロ原子とを有する5~10員環(「5~10員環ヘテロアリール」);又は1~5個の環状炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立に選択される1~4個の環状ヘテロ原子とを有する5員、6員、又は7員環(「5~7員環ヘテロアリール」)である。一つの変形例では、ヘテロアリールは、1~6個の環状炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立に選択される1~4個の環状ヘテロ原子とを有する単環式芳香族5員、6員、又は7員環を含む。別の変形例において、ヘテロアリールには、1~12個の環状炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立に選択される1~6個の環状ヘテロ原子とを有する多環式芳香環が含まれる。少なくとも1個の環が非芳香族である2個以上の環を有するヘテロアリール基は、芳香環位又は非芳香環位のいずれでも親構造に結び付き得る。ヘテロアリールの例としては、限定はされないが、ピリジル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[b]チエニル、キノリニル、インドリル、ベンゾチアゾリルなどの基が挙げられる。「ヘテロアリール」にはまた、
(2,4-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン-2-イル)などの部分であって、芳香族互変異性構造
(1H-1,2,4-トリアゾール-5-オール-1-イル)を有するものも含まれる。
[0081] 「ヘテロシクリル」及び「ヘテロ環式基」は、本明細書で使用されるとき、指定されるとおりの数の原子及びヘテロ原子を有するか、又は原子又はヘテロ原子の数が指定されない場合、少なくとも3個の環状原子、1~14個の環状炭素原子、及び限定はされないが、窒素、酸素、及び硫黄などのヘテロ原子を含めた、少なくとも1個の環状ヘテロ原子を有する非芳香族飽和又は部分不飽和環状基を指す。ヘテロ環式基は、単一の環(例えば、テトラヒドロチオフェニル、オキサゾリジニル)又は複数の縮合した環(例えば、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロベンゾ[d]オキサゾリル)を有し得る。複数の縮合した環としては、限定はされないが、二環式、三環式、及び四環式の環、並びに架橋された又はスピロ環状の環系が挙げられる。ヘテロ環式基の例としては、限定はされないが、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジオキサニル、3,6-ジヒドロ-2H-ピラニル、2,3-ジヒドロ-1H-イミダゾリルなどが挙げられる。
[0082] 「ヘテロアリーレン」は、本明細書で使用されるとき、ヘテロアリールと同じだが、二価を呈する残基を指す。詳細なヘテロアリーレン基は、1~12個の環状炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立に選択される1~6個の環状ヘテロ原子とを有する5~14員環(「5~14員環ヘテロアリーレン」);1~8個の環状炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立に選択される1~4個の環状ヘテロ原子とを有する5~10員環(「5~10員環ヘテロアリーレン」);又は1~5個の環状炭素原子と、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から独立に選択される1~4個の環状ヘテロ原子とを有する5員、6員、又は7員環(「5~7員環ヘテロアリーレン」)である。ヘテロアリーレンの例としては、限定はされないが、ピリジレン、ベンズイミダゾリレン、ベンゾトリアゾリレン、ベンゾ[b]チエニレン、キノリニレン、インドリレン、ベンゾチアゾリレンなどの基が挙げられる。
[0083] 「ハロ」又は「ハロゲン」は、原子番号が9~85の第17族の元素を指す。ハロ基には、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、及びヨード(I)が含まれる。
[0084] 「ハロアルキル」、「ハロアルキレン」、「ハロアリール」、「ハロアリレン」、「ハロヘテロアリール」、及び類似の用語は、少なくとも1つのハロ基で置換されている部分を指す。ハロアルキル部分又は他のハロ置換部分が2つ以上のハロゲンで置換されている場合、それは、結合しているハロゲン部分の数に対応する接頭辞を用いて表現され得る。例えば、ジハロアリール、ジハロアルキル、トリハロアリール、トリハロアルキル等は、2個(「ジ」)又は3個(「トリ」)のハロ基で置換されているアリール及びアルキルを指し、これは、必須ではないが、同じハロであり得る;従って、例えば、ハロアリール基4-クロロ-3-フルオロフェニルは、ジハロアリールの範囲内にある。アルキル基の各水素(H)がハロ基で置き換えられている一部のハロアルキル基は、「ペルハロアルキル」と称される。詳細なペルハロアルキル基は、トリフルオロアルキル(-CF3)である。同様に、「ペルハロアルコキシ」は、アルコキシ基のアルキル部分を構成する炭化水素中の各水素(H)にハロゲンが取って代わるアルコキシ基を指す。ペルハロアルコキシ基の例は、トリフルオロメトキシ(-OCF3)である。「ハロアルキル」には、モノハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、ペルハロアルキル、及びアルキル基上で可能な任意の他の数のハロ置換基が含まれ;及び、ハロアルキレン、ハロアリール、ハロアリレン、ハロヘテロアリールなどの他の基についても同様である。
[0085] 「アミノ」は、基-NH2を指す。
[0086] 「オキソ」は、基=O、即ち、炭素又は別の化学元素に二重結合した酸素原子を指す。
[0087] 「任意選択で置換されている」は、特に指定されない限り、ある基が置換されていないか、又はその基について挙げられる置換基のうちの1個以上(例えば、1、2、3、4、又は5個)(ここで置換基は同じであっても、又は異なってもよい)によって置換されていることを意味する。一実施形態において、任意選択で置換されている基は、置換されていない。一実施形態において、任意選択で置換されている基は、1個の置換基を有する。別の実施形態において、任意選択で置換されている基は、2個の置換基を有する。別の実施形態において、任意選択で置換されている基は、3個の置換基を有する。別の実施形態において、任意選択で置換されている基は、4個の置換基を有する。一部の実施形態において、任意選択で置換されている基は、1~2、1~3、1~4、又は1~5個の置換基を有する。複数の置換基が存在する場合、各置換基は、特に指示がない限り、独立に選ばれる。例えば、基-N(C1~C4アルキル)(C1~C4アルキル)の各(C1~C4アルキル)置換基は、-N(CH3)(CH2CH3)などの基を生じるように、他とは独立に選択され得る。
[0088] 本明細書における開示に加えて、用語「置換されている」はまた、指定される基又はラジカルを修飾して使用されるとき、指定される基又はラジカルの1個以上の水素原子(H)が、各々、互いに独立に、本明細書に定義するとおりの同じ又は異なる置換基で置き換えられていることも意味し得る。一部の実施形態において、置換されている基は、1、2、3、又は4個の置換基、1、2、又は3個の置換基、1又は2個の置換基、又は1個の置換基を有する。
[0089] 置換基は、特に指示がない限り、指定される基又はラジカル上の任意の化学的に可能な位置に結合し得る。従って、例えば、一実施形態において、-C1~C8アルキル-OHには、例えば、-CH2CH2OH及び-CH(OH)-CH3、及び-CH2C(OH)(CH3)2などが含まれる。更なる例として、一実施形態において、-C1~C6アルキル-OHには、例えば、-CH2CH2OH及び-CH(OH)-CH3、及び-CH2C(OH)(CH3)2などが含まれる。更なる例として、一実施形態において、-C1~C6アルキル-CNには、例えば、-CH2CH2CN及び-CH(CN)-CH3、及び-CH2C(CN)(CH3)2などが含まれる。
[0090] 式中に元素の具体的な同位体が指示されない限り、本開示は、例えば、化合物の重水素化された誘導体(ここではHが2H、即ち重水素(D)であり得る)など、本明細書に開示される化合物のあらゆるアイソトポログを包含する。重水素化された化合物は、薬物動態学的(ADME)特性の好ましい変化を提供し得る。アイソトポログは、構造中のありとあらゆる位置に同位体による置換を有することができ、又は構造中のありとあらゆる位置に天然の存在量で存在する原子を有することができる。
[0091] 「小分子」は、本明細書で使用されるとき、分子量が1,000ダルトン以下の化合物を指す。
[0092] 水素原子はまた、フッ素など、近縁のバイオアイソスターで置き換えられてもよく、但し、かかる置き換えによって安定化合物がもたらされるものとする。
[0093] 本開示はまた、本明細書に記載される化合物の任意のエナンチオマー又はジアステレオマー形態、及びシス/トランス又はE/Z異性体を含め、ありとあらゆる立体化学形態も包含する。化学構造又は化学名中に立体化学が明示的に指示されない限り、その構造又は化学名は、図示される化合物のあらゆる可能な立体異性体を包含することが意図される。加えて、具体的な立体化学形態が図示される場合、他のあらゆる立体化学形態、並びに一般的な非立体特異的形態及び化合物のラセミ体の、非ラセミ体の、エナンチオ濃縮された、及びスケールミックな混合物が包含されるように、開示される化合物の2つ以上の立体化学形態の任意の比率の混合物を含めた、開示される化合物の任意の比率の混合物もまた記載され、本開示に包含されることが理解される。具体的な立体化学形態を含めた、実質的に純粋な化合物の組成物など、開示される化合物を含む組成物もまた意図される。化合物のラセミ体の、非ラセミ体の、エナンチオ濃縮された、及びスケールミックな混合物が本開示に包含されるように、開示される化合物の2つ以上の立体化学形態の任意の比率の混合物を含む組成物を含め、開示される化合物の任意の比率の混合物を含む組成物もまた、本開示に包含される。分子の1つ又は複数のある部分について立体化学が明示的に指示されるが、分子の1つ又は複数の別の部分については指示されない場合、その構造は、立体化学が明示的に指示されないその1つ又は複数の部分について可能なあらゆる立体異性体を包含することが意図される。本開示はまた、本明細書に記載される化合物のありとあらゆる互変異性形態も包含する。
[0094] 本開示は、本明細書に記載される化合物の全ての塩、並びに化合物のかかる塩の使用方法を包含することが意図される。一実施形態において、化合物の塩は、薬学的に許容可能な塩を含む。薬学的に許容可能な塩は、ヒト及び/又は動物に薬物又は医薬として投与することができ、且つ投与時に、遊離化合物(中性化合物又は非塩化合物)の生物学的活性の少なくとも一部を保持しているような塩である。塩基性化合物の望ましい塩は、当業者に公知の方法により、化合物を酸で処理することによって調製し得る。無機酸の例としては、限定はされないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、及びリン酸が挙げられる。有機酸の例としては、限定はされないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、スルホン酸、及びサリチル酸が挙げられる。アスパラギン酸塩及びグルタミン酸塩など、アミノ酸との塩基性化合物の塩もまた調製することができる。酸性化合物の望ましい塩は、当業者に公知の方法により、化合物を塩基で処理することによって調製し得る。酸性化合物の無機塩の例としては、限定はされないが、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、及びカルシウム塩など、アルカリ金属塩及びアルカリ土類塩;アンモニウム塩;及びアルミニウム塩が挙げられる。酸性化合物の有機塩の例としては、限定はされないが、プロカイン塩、ジベンジルアミン塩、N-エチルピペリジン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、及びトリエチルアミン塩が挙げられる。リジン塩など、アミノ酸との酸性化合物の塩もまた調製することができる。薬学的に許容可能な塩の一覧は、例えば、P. H. Stahl and C. G. Wermuth (eds.)“Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection and Use”Wiley-VCH, 2011 (ISBN: 978-3-90639-051-2)を参照されたい。幾つかの薬学的に許容可能な塩が、Berge, J. Pharm. Sci. 66:1 (1977)にも開示されている。
[0095] 生物学的実施例1、8、及び/又は12に記載されるとおり、Cbl-b阻害についてのIC50値の測定に用いられるCbl-b活性アッセイ(Cbl-b阻害アッセイ)では、N末端ビオチン化Aviタグ付加Cbl-b、BODIPY FLタグを付加した蛍光標識阻害薬プローブ(実施例59)、及びアッセイ緩衝液を含む混合物が使用される。一実施形態において、Cbl-bの阻害についてのIC50の測定に用いられるCbl-b活性アッセイ(Cbl-b阻害アッセイ)では、生物学的実施例1、8、及び/又は12に記載される条件が、0.5nM Cbl-b(「高」最終濃度)で使用される。別の実施形態において、Cbl-bの阻害についてのIC50の測定に用いられるCbl-b活性アッセイ(Cbl-b阻害アッセイ)では、生物学的実施例1、8、及び/又は12に記載される条件が、0.125nM Cbl-b(「低」最終濃度)で使用される。
[0096] 明確にするため、個別の実施形態の文脈で記載される本明細書に開示される特定の特徴がまた、単一の実施形態として組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするため、単一の実施形態の文脈で記載される本明細書に開示される様々な特徴がまた、個別に、又は任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。可変基によって表される化学基に関する実施形態のあらゆる組み合わせが、本開示に具体的に包含されるとともに、あたかも、一つ一つの組み合わせが、安定化合物(即ち、単離し、特徴付け、及び生物学的活性に関して試験することができる化合物)である化合物を包含する限りにおいて、かかる組み合わせが個別に且つ明示的に開示されたかのように本明細書に開示される。加えて、かかる可変基を記載する実施形態に挙げられる化学基の全ての部分的組み合わせもまた、本開示に具体的に包含されるとともに、あたかも、化学基の一つ一つのかかる部分的組み合わせが本明細書に個別に且つ明示的に開示されたかのように本明細書に開示される。
[0097] 本明細書に「~を含む(comprising)」と記載される態様及び実施形態は、「~からなる(consisting of)」及び「~から本質的になる(consisting essentially of)」実施形態を含むことが理解される。
[0098] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「ある(a)」、「ある(an)」、及び「その(the)」は、特に指示されない限り、又は文脈から明らかでない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「ある」賦形剤とは、1つ以上の賦形剤を含む。
[0099] 「約」値という表現は、その値の90%~110%を包含する。例えば、約500億個の細胞は、450~550億個の細胞を指し、500億個の細胞を含む。例えば、「約100度」の温度は、約90度~約110度の温度を指す。
[0100] 化合物の数値範囲が与えられるとき、明示的に除外されない限り、その数値限界内にある全ての化合物が、任意の指示される「a」及び「b」を含め、包含される。例えば、化合物41~43という表現は、化合物41、42、及び43を指す。
II.化合物
[0101] 一態様において、式(I)の化合物
又はその互変異性体、その立体異性体(stereisomer)、若しくはその薬学的に許容可能な塩[式中:
は、
であり;
Z
1は、CH又はNであり;
Z
2は、CH又はNであり;
R
1は、H、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルであり;
R
2は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、又はC
3~C
6シクロアルキルであり;
R
3は、-CF
3又はシクロプロピルであり;
R
4は、-CF
3又はシクロプロピルであり;
nは、0又は1であり;
Xは、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、又は
であり;
R
5は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルキル-OH、又はC
1~C
6アルキル-CNであり;
R
6は、単環式C
3~C
6シクロアルキル、縮合二環式C
4~C
8シクロアルキル、架橋二環式C
4~C
8シクロアルキル、スピロ二環式C
5~C
8シクロアルキル、又は5~6員環ヘテロシクリルであり、これらの各々は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されているか;
又はR
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5~10員環単環式、縮合二環式、若しくは架橋ヘテロシクリル、又は5~10員環単環式若しくは二環式ヘテロアリールを形成し、このヘテロシクリル又はヘテロアリールの各々は、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を任意選択で含み、及びこのヘテロシクリル又はヘテロアリールの各々は、1~5個のR
8基によって任意選択で置換されており;
各R
7は、独立に、ハロ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルキル-OH、又はC
1~C
6アルキル-CNであり;
各R
8は、独立に、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
1~C
6アルキル-OH、-CN、C
1~C
6アルキル-CN、-(C
1~C
6アルキレン)-O-(C
1~C
6アルキル)、ヒドロキシ、又はハロであるか、
又は同じ炭素原子に結合した2個のR
8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロC
3~C
6シクロアルキル又はスピロ5~6員環ヘテロシクリルを形成し;及び
各R
9は、独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、又はC
1~C
6アルキル-OHである]が提供される。
[0102] 一部の実施形態において、
(即ち、環A部分)は、
である。一部の実施形態において、Z
1は、CHである。他の実施形態において、Z
1は、Nである。一部の実施形態において、R
3は、-CF
3である。他の実施形態において、R
3は、シクロプロピルである。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、Z
2は、CHである。他の実施形態において、Z
2は、Nである。一部の実施形態において、R
4は、-CF
3である。他の実施形態において、R
4は、シクロプロピルである。一部の実施形態において、環A部分は、
からなる群から選択される。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、環A部分は、
である。一部の実施形態において、環A部分は、
である。
[0103] 一部の実施形態において、R1は、H、C1~C6アルキル、又はC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R1は、H、C1~C3アルキル、又はC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R1は、H、-CH3、又は-CF3である。一部の実施形態において、R1は、Hである。
[0104] 一部の実施形態において、R1は、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、R1は、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、R1は、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。一部の実施形態において、R1は、-CH3である。
[0105] 一部の実施形態において、R1は、C1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R1は、1~13個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R1は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R1は、C1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R1は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R1は、1~5個のハロゲン原子を含有するC1~C2ハロアルキルである。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ、ブロモ、及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、全てフルオロ原子である。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、クロロ原子とフルオロ原子との組み合わせである。一部の実施形態において、R1は、-CF3、-CCl3、-CF2Cl、-CFCl2、-CHF2、-CH2F、-CHCl2、-CH2F、又は-CHFClである。一部の実施形態において、R1は、-CF3である。
[0106] 一部の実施形態において、R2は、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、又はC3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、又はC3~C4シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、H、-CH3、-CF3、-CHF2、-CH2F、又はシクロプロピルである。
[0107] 一部の実施形態において、R2は、Hである。
[0108] 一部の実施形態において、R2は、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、R2は、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、R2は、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。一部の実施形態において、R2は、-CH3である。
[0109] 一部の実施形態において、R2は、C1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、C1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、1~5個のハロゲン原子を含有するC1~C2ハロアルキルである。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ、ブロモ、及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、全てフルオロ原子である。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、クロロ原子とフルオロ原子との組み合わせである。一部の実施形態において、R2は、-CF3、-CCl3、-CF2Cl、-CFCl2、-CHF2、-CH2F、-CHCl2、-CH2F、又は-CHFClである。一部の実施形態において、R2は、-CF3、-CHF2、又は-CH2Fである。
[0110] 一部の実施形態において、R2は、C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、C3~C5シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、C3~C4シクロアルキルである。一部の実施形態において、R2は、シクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチルである。一部の実施形態において、R2は、シクロプロピルである。
[0111] 一部の実施形態において、nは、1である。一部の実施形態において、nは、0である。
[0112] 一部の実施形態において、Xは、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、又は
である。一部の実施形態において、Xは、Hである。一部の実施形態において、Xは、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルである。一部の実施形態において、Xは、-CH
3又は-CF
3である。
[0113] 一部の実施形態において、Xは、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、Xは、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、Xは、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。一部の実施形態において、Xは、-CH3である。
[0114] 一部の実施形態において、Xは、C1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、Xは、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、Xは、C1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、Xは、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、Xは、1~5個のハロゲン原子を含有するC1~C2ハロアルキルである。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ、ブロモ、及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、全てフルオロ原子である。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、クロロ原子とフルオロ原子との組み合わせである。一部の実施形態において、Xは、-CF3、-CCl3、-CF2Cl、-CFCl2、-CHF2、-CH2F、-CHCl2、-CH2F、又は-CHFClである。一部の実施形態において、Xは、-CF3である。
[0115] 一部の実施形態において、Xは、
である。
[0116] 一部の実施形態において、R5は、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルキル-OH、又はC1~C6アルキル-CNである。一部の実施形態において、R5は、H、C1~C3アルキル、又はC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R5は、H、-CH3、-CF3、-CH2CN、又は-CH2OHである。一部の実施形態において、R5は、Hである。
[0117] 一部の実施形態において、R5は、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、R5は、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、R5は、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。一部の実施形態において、R5は、-CH3である。
[0118] 一部の実施形態において、R5は、C1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R5は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R5は、C1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R5は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R5は、1~5個のハロゲン原子を含有するC1~C2ハロアルキルである。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ、ブロモ、及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、全てフルオロ原子である。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、クロロ原子とフルオロ原子との組み合わせである。一部の実施形態において、R5は、-CF3、-CCl3、-CF2Cl、-CFCl2、-CHF2、-CH2F、-CHCl2、-CH2F、又は-CHFClである。一部の実施形態において、R5は-CF3である。
[0119] 一部の実施形態において、R5は、C1~C6アルキル-OHである。一部の実施形態において、R5は、C1~C3アルキル-OHである。一部の実施形態において、R5は、-CH2OH、-CH2CH2-OH、-CH2CH2CH2-OH、又は-C(CH3)2-OHである。一部の実施形態において、R5は、-CH2OHである。
[0120] 一部の実施形態において、R5は、C1~C6アルキル-CNである。一部の実施形態において、R5は、C1~C3アルキル-CNである。一部の実施形態において、R5は、-CH2CN、-CH2CH2-CN、-CH2CH2CH2-CN、又は-C(CH3)2-CNである。一部の実施形態において、R5は、-CH2CNである。
[0121] 一部の実施形態において、R6は、単環式C3~C6シクロアルキル、縮合二環式C4~C8シクロアルキル、架橋二環式C4~C8シクロアルキル、スピロ二環式C5~C8シクロアルキル、又は5~6員環ヘテロシクリルであり、これらの各々は、1~5個のR7基によって任意選択で置換されている。
[0122] 一部の実施形態において、R6は、1~5個のR7基によって任意選択で置換されている単環式C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、1~5個のR7基によって任意選択で置換されている単環式C3~C5シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、1~5個のR7基によって任意選択で置換されている単環式C4~C5シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、シクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチルであり、これらの各々は、1~5個のR7基によって任意選択で置換されている。一部の実施形態において、R6は、シクロブチル又はシクロペンチルであり、これらの各々は、1~5個のR7基によって任意選択で置換されている。一部の実施形態において、R6は、1~5個のR7基によって置換されている単環式C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、1個のR7基によって置換されている単環式C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、2個のR7基によって置換されている単環式C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、3個のR7基によって置換されている単環式C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、4個のR7基によって置換されている単環式C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、5個のR7基によって置換されている単環式C3~C6シクロアルキルである。一部の実施形態において、R6は、非置換単環式C3~C6シクロアルキルである。
[0123] 一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されている縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されている縮合二環式C
4~C
7シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されている縮合二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって置換されている縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1個のR
7基によって置換されている縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、2個のR
7基によって置換されている縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、3個のR
7基によって置換されている縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、4個のR
7基によって置換されている縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、5個のR
7基によって置換されている縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、非置換縮合二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、
[式中、-(R
7)
0-5は、縮合二環式環系を構成する2つの環のいずれか一方の任意選択の置換を表す]である。一部の実施形態において、縮合二環式環系の両方の環が置換されている。一部の実施形態において、縮合二環式環系の2つの環のうちの一方が置換されており、他方の環は置換されていない。一部の実施形態において、縮合二環式環系の両方の環が置換されていない。
[0124] 一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されている架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されている架橋二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって置換されている架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1個のR
7基によって置換されている架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、2個のR
7基によって置換されている架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、3個のR
7基によって置換されている架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、4個のR
7基によって置換されている架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、5個のR
7基によって置換されている架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、非置換架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、
[式中、-(R
7)
0-5は、架橋二環式環系を構成する炭素原子のいずれかにおける任意選択の置換を表す]である。一部の実施形態において、架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルの架橋部分は、C
1~C
3アルキレンである。一部の実施形態において、架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルの架橋部分は、-CH
2-又は-CH
2CH
2-である。一部の実施形態において、架橋二環式C
4~C
8シクロアルキルの架橋部分は、-CH
2-である。
[0125] 一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されているスピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されているスピロ二環式C
6~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されているスピロ二環式C
5~C
7シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって置換されているスピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、1個のR
7基によって置換されているスピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、2個のR
7基によって置換されているスピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、3個のR
7基によって置換されているスピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、4個のR
7基によって置換されているスピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、5個のR
7基によって置換されているスピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、非置換スピロ二環式C
5~C
8シクロアルキルである。一部の実施形態において、R
6は、
[式中、-(R
7)
0-5は、スピロ二環式環系を構成する2つの環のいずれか一方の任意選択の置換を表す]である。一部の実施形態において、スピロ二環式環系の両方の環が置換されている。一部の実施形態において、スピロ二環式環系の2つの環のうちの一方が置換されており、他方の環は置換されていない。一部の実施形態において、スピロ二環式環系の両方の環が置換されていない。
[0126] 一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されている5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R
6は、1~5個のR
7基によって置換されている5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R
6は、1個のR
7基によって置換されている5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R
6は、2個のR
7基によって置換されている5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R
6は、3個のR
7基によって置換されている5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R
6は、4個のR
7基によって置換されている5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R
6は、5個のR
7基によって置換されている5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、R
6は、非置換5~6員環ヘテロシクリルである。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、2個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、2個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、1個の酸素原子及び1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、1個の硫黄原子を含有する。一部の実施形態において、5~6員環ヘテロシクリルは、1個の窒素原子及び1個の硫黄原子を含有する。一部の実施形態において、R
6は、テトラヒドロフラニル、ジオキソラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、イソオキサゾリジニル、又はテトラヒドロピラニルであり、これらの各々は、1~5個のR
7基によって任意選択で置換されている。一部の実施形態において、R
6は、
である。
[0127] 一部の実施形態において、R
6は、
からなる群から選択される。一部の実施形態において、R
6は、
である。一部の実施形態において、R
6は、
である。一部の実施形態において、R
6は、
である。一部の実施形態において、R
6は、
である。一部の実施形態において、R
6は、
である。
[0128] 一部の実施形態において、各R7は、独立に、ハロ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルキル-OH、又はC1~C6アルキル-CNである。一部の実施形態において、各R7は、独立に、ハロ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルキル-OH、又はC1~C3アルキル-CNである。一部の実施形態において、各R7は、独立に、フルオロ、-CH3、-CF3、-CH2OH、又は-CH2CNである。
[0129] 一部の実施形態において、R7は、ハロである。一部の実施形態において、R7は、クロロ、フルオロ、又はブロモである。一部の実施形態において、R7は、クロロ又はフルオロである。一部の実施形態において、R7は、フルオロである。
[0130] 一部の実施形態において、R7は、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、R7は、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、R7は、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。一部の実施形態において、R7は、-CH3である。
[0131] 一部の実施形態において、R7は、C1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R7は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R7は、C1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R7は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R7は、1~5個のハロゲン原子を含有するC1~C2ハロアルキルである。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ、ブロモ、及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、全てフルオロ原子である。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、クロロ原子とフルオロ原子との組み合わせである。一部の実施形態において、R7は、-CF3、-CCl3、-CF2Cl、-CFCl2、-CHF2、-CH2F、-CHCl2、-CH2F、又は-CHFClである。一部の実施形態において、R7は、-CF3である。
[0132] 一部の実施形態において、R7は、C1~C6アルキル-OHである。一部の実施形態において、R7は、C1~C3アルキル-OHである。一部の実施形態において、R7は、-CH2OH、-CH2CH2-OH、-CH2CH2CH2-OH、又は-C(CH3)2-OHである。一部の実施形態において、R7は、-CH2OHである。
[0133] 一部の実施形態において、R7は、C1~C6アルキル-CNである。一部の実施形態において、R7は、C1~C3アルキル-CNである。一部の実施形態において、R7は、-CH2CN、-CH2CH2-CN、-CH2CH2CH2-CN、又は-C(CH3)2-CNである。一部の実施形態において、R7は、-CH2CNである。
[0134] 一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5~10員環単環式、縮合二環式、若しくは架橋ヘテロシクリル、又は5~10員環単環式若しくは二環式ヘテロアリールを形成し、このヘテロシクリル又はヘテロアリールの各々は、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を任意選択で含み、及びこのヘテロシクリル又はヘテロアリールの各々は、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている。
[0135] 一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~10員環単環式ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~8員環単環式ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~7員環単環式ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、1~5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、1個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、2個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、3個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、4個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、置換されていない。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、任意選択で、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロシクリルは、2個の窒素原子を含有する。
[0136] 一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~10員環縮合二環式ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている7~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、1~5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、1個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、2個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、3個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、4個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、置換されていない。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、任意選択で、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、2個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、部分不飽和環と縮合した1個の飽和環を含有する。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、第2の飽和環と縮合した1個の飽和環を含有する。一部の実施形態において、5~10員環縮合二環式(bicylic)ヘテロシクリルは、第2の部分不飽和環と縮合した1個の部分不飽和環を含有する。
[0137] 一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~10員環架橋ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている6~10員環架橋ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている6~9員環架橋ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、1~5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、1個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、2個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、3個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、4個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、置換されていない。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、任意選択で、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルは、2個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルの架橋部分は、C1~C3アルキレンである。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルの架橋部分は、-CH2-である。一部の実施形態において、5~10員環架橋ヘテロシクリルの架橋部分は、-CH2CH2-である。
[0138] 一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~10員環単環式ヘテロアリールを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~8員環単環式ヘテロアリールを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~6員環単環式ヘテロアリールを形成する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、1~5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、1個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、2個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、3個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、4個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、置換されていない。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、任意選択で、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環単環式ヘテロアリールは、2個の窒素原子を含有する。
[0139] 一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている5~10員環二環式(bicylic)ヘテロアリールを形成する。一部の実施形態において、R5及びR6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1~5個のR8基によって任意選択で置換されている6~10員環二環式ヘテロアリールを形成する。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、1~5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、1個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、2個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、3個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、4個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、5個のR8基によって置換されている。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、置換されていない。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、任意選択で、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、2個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、飽和環と縮合した1個の芳香環を含有する。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、第2の芳香環と縮合した1個の芳香環を含有する。一部の実施形態において、5~10員環二環式ヘテロアリールは、部分不飽和環と縮合した1個の芳香環を含有する。
[0140] 一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
[式中、-(R
8)
0-5は、縮合又は架橋二環式環系を構成する2つの環のいずれか一方の任意選択の置換、又は単環式環系の任意の炭素原子を表す]からなる群から選択される部分を形成する。一部の実施形態において、縮合又は架橋二環式環系の両方の環が置換されている。一部の実施形態において、縮合又は架橋二環式環系の2つの環のうちの一方が置換されており、他方の環は置換されていない。一部の実施形態において、縮合又は架橋二環式環系の両方の環が置換されていない。
[0141] 一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。一部の実施形態において、R
5及びR
6は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、
を形成する。
[0142] 一部の実施形態において、各R8は、独立に、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C1~C6アルキル-OH、-CN、C1~C6アルキル-CN、-(C1~C6アルキレン)-O-(C1~C6アルキル)、ヒドロキシ、又はハロである。一部の実施形態において、各R8は、独立に、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルキル-OH、-CN、C1~C3アルキル-CN、-(C1~C3アルキレン)-O-(C1~C3アルキル)、ヒドロキシ、又はハロである。一部の実施形態において、各R8は、独立に、-CH3、-CH2CH3、-CF3、-CH2OH、-CN、-CH2CN、-CH2-O-CH3、ヒドロキシ、又はFである。
[0143] 一部の実施形態において、R8は、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、R8は、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、R8は、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。一部の実施形態において、R8は、-CH3又は-CH2CH3である。
[0144] 一部の実施形態において、R8は、C1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R8は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R8は、C1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R8は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R8は、1~5個のハロゲン原子を含有するC1~C2ハロアルキルである。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ、ブロモ、及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、全てフルオロ原子である。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、クロロ原子とフルオロ原子との組み合わせである。一部の実施形態において、R8は、-CF3、-CCl3、-CF2Cl、-CFCl2、-CHF2、-CH2F、-CHCl2、-CH2F、又は-CHFClである。一部の実施形態において、R8は、-CF3である。
[0145] 一部の実施形態において、R8は、C1~C6アルキル-OHである。一部の実施形態において、R8は、C1~C3アルキル-OHである。一部の実施形態において、R8は、-CH2OH、-CH2CH2-OH、-CH2CH2CH2-OH、又は-C(CH3)2-OHである。一部の実施形態において、R8は、-CH2OHである。
[0146] 一部の実施形態において、R8は、-CNである。一部の実施形態において、R8は、C1~C6アルキル-CNである。一部の実施形態において、R8は、C1~C3アルキル-CNである。一部の実施形態において、R8は、-CH2CN、-CH2CH2-CN、-CH2CH2CH2-CN、又は-C(CH3)2-CNである。一部の実施形態において、R8は、-CH2CNである。
[0147] 一部の実施形態において、R8は、-(C1~C6アルキレン)-O-(C1~C6アルキル)である。一部の実施形態において、R8は、-(C1~C3アルキレン)-O-(C1~C3アルキル)である。一部の実施形態において、R8は、-(C1~C2アルキレン)-O-(C1~C2アルキル)である。一部の実施形態において、R8は、-CH2-O-CH3、-CH2-O-CH2CH3、-CH2CH2-O-CH2CH3、又は-CH2CH2-O-CH3である。一部の実施形態において、R8は、-CH2-O-CH3である。
[0148] 一部の実施形態において、R8は、ヒドロキシである。
[0149] 一部の実施形態において、R8は、ハロである。一部の実施形態において、R8は、クロロ、フルオロ、又はブロモである。一部の実施形態において、R8は、クロロ又はフルオロである。一部の実施形態において、R8は、フルオロである。
[0150] 一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロC3~C6シクロアルキル又はスピロ5~6員環ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロC3~C4シクロアルキル又はスピロ5~6員環ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロシクロプロピルを形成する。
[0151] 一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロC3~C6シクロアルキルを形成する。一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロC3~C5シクロアルキルを形成する。一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロシクロプロピル、シクロブチル、又はシクロペンチルを形成する。一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロシクロプロピルを形成する。
[0152] 一部の実施形態において、同じ炭素原子に結合した2個のR8基が、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロ5~6員環ヘテロシクリルを形成する。一部の実施形態において、スピロ5~6員環ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄からなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を含有する。一部の実施形態において、スピロ5~6員環ヘテロシクリルは、1個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、スピロ5~6員環ヘテロシクリルは、2個の窒素原子を含有する。一部の実施形態において、スピロ5~6員環ヘテロシクリルは、1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、スピロ5~6員環ヘテロシクリルは、2個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、スピロ5~6員環ヘテロシクリルは、1個の窒素原子及び1個の酸素原子を含有する。一部の実施形態において、スピロ5~6員環ヘテロシクリルは、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル(piperdinyl)、テトラヒドロピラニル、又はチオラニルである。
[0153] 一部の実施形態において、各R9は、独立に、H、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、又はC1~C6アルキル-OHである。一部の実施形態において、各R9は、独立に、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、又はC1~C3アルキル-OHである。一部の実施形態において、各R9は、独立に、H、-CH3、-CF3、又は-CH2OHである。
[0154] 一部の実施形態において、R9は、Hである。一部の実施形態において、少なくとも一方のR9は、Hである。一部の実施形態において、一方のR9はHであり、他方のR9は、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、又はC1~C6アルキル-OHである。一部の実施形態において、一方のR9はHであり、他方のR9はC1~C6アルキルである。一部の実施形態において、一方のR9はHであり、他方のR9はC1~C6アルキルである。一部の実施形態において、一方のR9はHであり、他方のR9は-CH3である。一部の実施形態において、R9基は両方とも、Hである。
[0155] 一部の実施形態において、R9は、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、R9は、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、R9は、メチル、エチル、n-プロピル、又はイソプロピルである。一部の実施形態において、R9は、-CH3である。一部の実施形態において、R9基は両方とも、独立に、C1~C6アルキルである。一部の実施形態において、R9基は両方とも、独立に、C1~C3アルキルである。一部の実施形態において、R9基は両方とも、-CH3である。
[0156] 一部の実施形態において、R9は、C1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R9は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C6ハロアルキルである。一部の実施形態において、R9は、C1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R9は、1~7個のハロゲン原子を含有するC1~C3ハロアルキルである。一部の実施形態において、R9は、1~5個のハロゲン原子を含有するC1~C2ハロアルキルである。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ、ブロモ、及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、独立に、クロロ及びフルオロ原子からなる群から選択される。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、全てフルオロ原子である。一部の実施形態において、ハロゲン原子は、クロロ原子とフルオロ原子との組み合わせである。一部の実施形態において、R9は、-CF3、-CCl3、-CF2Cl、-CFCl2、-CHF2、-CH2F、-CHCl2、-CH2F、又は-CHFClである。一部の実施形態において、R9は、-CF3である。
[0157] 一部の実施形態において、R9は、C1~C6アルキル-OHである。一部の実施形態において、R9は、C1~C3アルキル-OHである。一部の実施形態において、R9は、-CH2OH、-CH2CH2-OH、-CH2CH2CH2-OH、又は-C(CH3)2-OHである。一部の実施形態において、R9は、-CH2OHである。
[0158] 一部の実施形態において、式(I)の化合物、又はその任意の変形例若しくは態様は、式(I-a)について示される立体化学を有する:
[式中、R
1、R
2、n、X、及び環A部分は、式(I)の化合物について記載されるとおりである]。
[0159] 一部の実施形態において、本化合物は、式(I-A)又は(I-B)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
9、Z
1、Z
2、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりである]。
[0160] 一部の実施形態において、本化合物は、式(I-C)、(I-D)、(I-E)、(I-F)、(I-G)、(I-H)、(I-I)、又は(I-J)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、R
5、R
6、R
9、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりである]。
[0161] 一部の実施形態において、本化合物は、式(II-A)、(II-B)、(II-C)、(II-D)、(II-E)、(II-F)、(II-G)、又は(II-H)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、R
5、R
7、R
9、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりであり、及び
は、単環式C
3~C
6シクロアルキル、縮合二環式C
4~C
8シクロアルキル、架橋二環式C
4~C
8シクロアルキル、スピロ二環式C
5~C
8シクロアルキル、又は5~6員環ヘテロシクリルである]。
[0162] 一部の実施形態において、本化合物は、式(II-A-1)、(II-B-1)、(II-C-1)、(II-D-1)、(II-E-1)、(II-F-1)、(II-G-1)、又は(II-H-1)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、R
5、R
7、R
9、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりであり、及び
は、単環式C
3~C
6シクロアルキル、縮合二環式C
4~C
8シクロアルキル、架橋二環式C
4~C
8シクロアルキル、スピロ二環式C
5~C
8シクロアルキル、又は5~6員環ヘテロシクリルである]。
[0163] 一部の実施形態において、本化合物は、式(III-A)、(III-B)、(III-C)、(III-D)、(III-E)、(III-F)、(III-G)、又は(III-H)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、R
8、R
9、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりであり、及び
は、5~10員環単環式、縮合二環式、若しくは架橋ヘテロシクリル、又は5~10員環単環式若しくは二環式ヘテロアリールであり、このヘテロシクリル又はヘテロアリールの各々は、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を任意選択で含む]。
[0164] 一部の実施形態において、本化合物は、式(III-A-1)、(III-B-1)、(III-C-1)、(III-D-1)、(III-E-1)、(III-F-1)、(III-G-1)、又は(III-H-1)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、R
8、R
9、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりであり、及び
は、5~10員環単環式、縮合二環式、若しくは架橋ヘテロシクリル、又は5~10員環単環式若しくは二環式ヘテロアリールであり、このヘテロシクリル又はヘテロアリールの各々は、N及びOからなる群から選択される1~2個の更なるヘテロ原子を任意選択で含む]。
[0165] 一部の実施形態において、本化合物は、式(IV-A)又は(IV-B)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、R
3、R
4、Z
1、Z
2、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりであり、及びXは、H、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルである]。一部の実施形態において、Xは、Hである。一部の実施形態において、Xは、C
1~C
6アルキルである。一部の実施形態において、Xは、C
1~C
6ハロアルキルである。
[0166] 一部の実施形態において、本化合物は、式(IV-C)、(IV-D)、(IV-E)、(IV-F)、(IV-G)、(IV-H)、(IV-I)、又は(IV-J)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりであり、及びXは、H、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルである]。一部の実施形態において、Xは、Hである。一部の実施形態において、Xは、C
1~C
6アルキルである。一部の実施形態において、Xは、C
1~C
6ハロアルキルである。
[0167] 一部の実施形態において、本化合物は、式(IV-C-1)、(IV-D-1)、(IV-E-1)、(IV-F-1)、(IV-G-1)、(IV-H-1)、(IV-I-1)、又は(IV-J-1)の化合物である:
[式中、R
1、R
2、及びnは、式(I)の化合物について記載されるとおりであり、及びXは、H、C
1~C
6アルキル、又はC
1~C
6ハロアルキルである]。一部の実施形態において、Xは、Hである。一部の実施形態において、Xは、C
1~C
6アルキルである。一部の実施形態において、Xは、C
1~C
6ハロアルキルである。
[0168] 式(I)、(I-a)、(I-A)~(I-J)、(II-A)~(II-H)、(II-A-1)~(II-H-1)、(III-A)~(III-H)、(III-A-1)~(III-H-1)、(IV-A)~(IV-J)、又は(IV-C-1)~(IV-J-1)の実施形態のいずれにおいても、シアノ基が結合するシクロブチル炭素の絶対立体化学は、(R)-であり得る(カーン・インゴルド・プレローグ順位則を使用)。式(I)、(I-a)、(I-A)~(I-J)、(II-A)~(II-H)、(II-A-1)~(II-H-1)、(III-A)~(III-H)、(III-A-1)~(III-H-1)、(IV-A)~(IV-J)、又は(IV-C-1)~(IV-J-1)の実施形態のいずれにおいても、シアノ基が結合するシクロブチル炭素の絶対立体化学は、(S)-であり得る。
[0169] 一部の実施形態において、表1の化合物番号1~58から選択される化合物、又はその互変異性体、その立体異性体、若しくはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
[0170] 一態様において、本明細書には、本明細書に記載される式(I)の化合物を調製する方法が提供される。別の態様において、本明細書には、式(I)の化合物を調製するための中間化合物が提供される。また、本明細書には、アッセイプローブである化合物であって、且つ任意選択で例えば蛍光標識タグが付加されている化合物も提供される。更なる態様において、本明細書には、Cbl-bの阻害をアッセイする方法が提供される。一つの変形例では、本明細書には、Cbl-bの阻害をアッセイする方法であって、蛍光標識タグが付加されたアッセイプローブなど、アッセイプローブと共にCbl-bをプレインキュベートすること、続いてCbl-b/アッセイプローブ混合物を候補化合物に曝露すること、及び次に候補化合物によってアッセイプローブが置換されるかどうか、及びそれがどの程度まで置換されるかを、例えばFRETシグナル検出を用いて決定することを含む方法が提供される。
[0171] 本明細書に記載される医薬組成物、方法、又はキットのいずれにおいても、Cbl-b阻害薬は、以下の特許出願に開示される1つ以上のCbl-b阻害薬から選択することができる:国際公開第2019/148005号の化合物1~719(その「a」及び「b」バリアントを含む)又はそこにある式(I-A)、式(I)、式(II-A)、式(II)、式(III-A)、式(III)、若しくは式(IV)のうちのいずれかの化合物。国際公開第2019/148005号の内容は、全体として参照により本明細書に援用される。
[0172] 一部の実施形態において、本明細書に記載される組成物及び方法における使用のため、表1の化合物60及び/又は化合物56、又はその互変異性体、その立体異性体、若しくはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
[0173] 一実施形態において、本明細書に開示される方法、医薬組成物、及びキットのための小分子Cbl-b阻害薬は、分子量が1,000ダルトン以下、又は約1,000ダルトン以下である。別の実施形態において、小分子Cbl-b阻害薬は、分子量が900ダルトン以下、又は約900ダルトン以下である。別の実施形態において、小分子Cbl-b阻害薬は、分子量が800ダルトン以下、又は約800ダルトン以下である。別の実施形態において、小分子Cbl-b阻害薬は、分子量が750ダルトン以下、又は約750ダルトン以下である。別の実施形態において、小分子Cbl-b阻害薬は、分子量が700ダルトン以下、又は約700ダルトン以下である。別の実施形態において、小分子Cbl-b阻害薬は、分子量が650ダルトン以下、又は約650ダルトン以下である。別の実施形態において、小分子Cbl-b阻害薬は、分子量が600ダルトン以下、又は約600ダルトン以下である。前述の実施形態のいずれについても、小分子Cbl-b阻害薬の分子量の下限は、100ダルトン、200ダルトン、又は300ダルトン、又は約100ダルトン、約200ダルトン、又は約300ダルトンであり得る。
[0174] 以下のスキームは、本明細書に開示される化合物を合成する方法を記載する。最終化合物のラセミ混合物など、合成中に生じる立体異性体の混合物は、キラル固定相と組み合わせた超臨界流体クロマトグラフィー、キラルカラムクロマトグラフィーなどの一般的なクロマトグラフィー法、又は当該技術分野において公知の他の方法を用いて、それぞれのエナンチオマーに分離することができる。
[式中、R
1、R
2、R
3、X、Z
1、及びnは、式(I)の化合物について定義されるとおりであり;Yは、Br又はNH
2であり;及びR
a及びR
bは、好適な保護基である]。
[0175] 一般式I-9の化合物は、スキームIに概略的に示すとおり合成した。ボロン酸エステルI-1とアルケンI-2をロジウム触媒下でカップリングして、エステルI-3を得た。ヒドラジド形成(I-4)、環化、及び脱硫によってトリアゾールを構築して、化合物I-6を提供した。化合物I-6(式中、YはNH
2である)をブロモエステルI-8で処理して化合物I-9を提供し、続いてそれを置換ピペリジンによる還元的アミノ化によって化合物I-10に変換した。化合物I-6(式中、YはBrである)をパラジウム触媒下にピペリジン誘導体I-7で処理すると、化合物I-10が直接提供された。
[式中、R
1、R
2、R
4、X、Z
2、及びnは、式(I)の化合物について定義されるとおりであり;R
bは、好適な保護基であり;及びY
bは、アルデヒド又はブロモメチルである]。
[0176] スキームIIは、一般式II-5の化合物の合成を概略的に示す。メチルピリジン又はピリミジンII-1を酸化させて式II-2のアルデヒド又はブロモメチルを提供した。次に置換アミンによる還元的アミノ化又は置換によってアミノ基Xを導入して化合物II-3を提供し、続いて塩基性条件下でのエステル加水分解により、化合物II-4を得た。次にカルボン酸II-4をHATU又はT3Pなどのカップリング試薬でアミンI-6とカップリングして、アミドII-5を得た。
[式中、X、R
3、及びZ
1は、式(I)の化合物について定義されるとおりである]。
[0177] スキームIに概略的に示した一般的合成で用いられる一般式I-5の中間化合物は、スキームIIIのとおりに合成した。アルデヒドIII-1を還元的アミノ化によって置換アミンとカップリングして中間体III-2を提供し、それをアンモニアで処理して式I-5の化合物を提供した。
[0178] 化合物12、18~21、25、31、49、及び53~57は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイで1nM未満のIC50値を示し、一実施形態では、本明細書に開示されるとおりの医薬組成物及び方法に使用される。化合物4、11、16、17、23、39、40、44、及び48は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイで1nM以上2nM未満のIC50値を示し、一実施形態では、本明細書に開示されるとおりの医薬組成物及び方法に使用される。化合物1、2、5、6、13~15、22、24、26~30、32~37、41~43、45、47、50、及び58は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイで2以上5nM未満のIC50値を示し、一実施形態では、本明細書に開示されるとおりの医薬組成物及び方法に使用される。化合物7、9、38、46、及び52は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイで5以上20nM未満のIC50値を示し、一実施形態では、本明細書に開示されるとおりの医薬組成物及び方法に使用される。化合物3、8、10、及び51は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイで20nM以上のIC50値を示し、一実施形態では、本明細書に開示されるとおりの医薬組成物及び方法に使用される。
[0179] 様々な実施形態において、及び本明細書に更に記載するとおり、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物、及び本明細書に記載される化合物又は組成物を使用した方法)は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイによって決定したとき、IC50値が1nM未満、1nM以上2nM未満、2nM以上5nM未満、5nM以上20nM未満、又は20nM以上である。更なる実施形態において、及び本明細書に更に記載するとおり、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物、及び本明細書に記載される化合物又は組成物を使用した方法)は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイによって決定したとき、IC50値が1nM未満である。更なる実施形態において、及び本明細書に更に記載するとおり、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物、及び本明細書に記載される化合物又は組成物を使用した方法)は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイによって決定したとき、IC50値が1nM以上2nM未満である。更なる実施形態において、及び本明細書に更に記載するとおり、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物、及び本明細書に記載される化合物又は組成物を使用した方法)は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイによって決定したとき、IC50値が2nM以上5nM未満である。更なる実施形態において、及び本明細書に更に記載するとおり、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物、及び本明細書に記載される化合物又は組成物を使用した方法)は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイによって決定したとき、IC50値が5nM以上20nM未満である。更なる実施形態において、及び本明細書に更に記載するとおり、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物、及び本明細書に記載される化合物又は組成物を使用した方法)は、生物学的実施例1のCbl-b阻害アッセイによって決定したとき、IC50値が20nM以上である。
[0180] 抗CD3抗体及び抗CD28抗体で共刺激した免疫細胞(例えば、T細胞)からのIL-2分泌について、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物)は、1マイクロモル濃度又は0.3マイクロモル濃度の阻害薬濃度で、ベースラインの15倍以下、15~20倍、又は20倍超の変化を誘導する。
[0181] 抗CD3抗体で刺激した免疫細胞(例えば、T細胞)からのIL-2分泌について、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物)は、3マイクロモル濃度又は1マイクロモル濃度の阻害薬濃度で、ベースラインの0.40倍未満、0.40~0.85倍、又は0.85倍超の変化を誘導する。
[0182] 抗CD3抗体及び抗CD28抗体で共刺激した免疫細胞(例えば、T細胞)の細胞表面上のCD25染色について、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物)は、阻害薬濃度1マイクロモル濃度又は0.3マイクロモル濃度で、ベースラインの1.24倍以下、1.24~1.39倍、又は1.39倍超の変化を誘導する。
[0183] 抗CD3抗体で刺激した免疫細胞(例えば、T細胞)の細胞表面上のCD25染色について、本明細書に提供されるとおりの化合物(並びに本明細書に記載される化合物を含む組成物)は、3マイクロモル濃度又は1マイクロモル濃度の阻害薬濃度で、ベースラインの1.00倍以下、1.05~1.15倍、又は1.15倍超の変化を誘導する。
III.方法、医薬品、及び使用
[0184] 本明細書には、有効量の本明細書に記載されるCbl-b阻害薬又はその組成物と免疫細胞を接触させることによるなどの、免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、又はNK細胞)の活性を調節する方法が提供される。また、本明細書において「修飾免疫細胞」と称される、活性が調節された前記免疫細胞を作製するインビトロ方法も提供され、ここで前記修飾免疫細胞は、それを必要としている個体(例えば、癌を有する個体)にエキソビボ方法によって投与することができる。更に、それを必要としている個体(例えば、癌を有する個体)の応答を調節するインビボ方法が提供され、この方法は、有効量の本明細書に記載されるCbl-b阻害薬又はその組成物の投与を含む。更に、本開示は、個体におけるインビボリンパコンディショニング後に拡大リンパ球集団を作製するインビトロ方法を提供し、ここでリンパコンディショニングは、有効量の本明細書に記載されるCbl-b阻害薬又はその組成物を個体に投与する結果として起こる。次にその拡大リンパ球集団を個体に投与することができる。次にその拡大リンパ球集団を、癌を有する個体に投与することができる。一部の実施形態において、修飾免疫細胞又は拡大リンパ球集団は、末梢血単核球を含む血液試料又は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を含む腫瘍生検など、個体から入手された免疫細胞を含む生体試料から作製される。
[0185] 加えて、治療用活性物質としての使用のためのCbl-b阻害薬が提供される。Cbl-b活性に関連する疾患又は病態の処置又は予防における使用のためのCbl-b阻害薬が提供される。また、癌の処置における使用のためのCbl-b阻害薬も提供される。更に、Cbl-b活性に関連する疾患又は病態の処置又は予防用医薬品の製造におけるCbl-b阻害薬の使用が提供される。また、癌を処置するための医薬品の製造におけるCbl-b阻害薬の使用も提供される。更に、本開示は、免疫チェックポイント阻害薬、抗新生物剤、及び放射線治療のうちの1つ以上が関わる癌を処置するための併用治療の一部としてCbl-b阻害薬を含む処置方法、医薬品、及び使用を提供する。
[0186] 本開示の処置方法、医薬品、及び使用の一部の実施形態において、癌は、リンパ腫、白血病、又は骨髄腫などの血液癌である。本開示の処置方法、医薬品、及び使用の他の実施形態において、癌は、肉腫、癌腫、又は黒色腫などの非血液癌である。
[0187] 血液癌としては、B細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)などの1つ以上の白血病;限定はされないが、慢性骨髄球性白血病(CML)及び慢性リンパ球性白血病(CLL)を含めた1つ以上の慢性白血病;限定はされないが、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞新生物、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ヘアリー細胞白血病、小細胞型又は大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ球増殖性病態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁層リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄形成異常及び骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞新生物、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、及び骨髄性血球細胞の無効な産生(又は異形成)によってまとめられる一群の多様な血液学的病態である「前白血病」を含めた更なる血液癌又は血液学的病態が挙げられるがこれらに限定されない。
[0188] 非血液癌としては、神経芽細胞腫、腎細胞癌、結腸癌、結腸直腸癌、乳癌、扁平上皮癌、黒色腫、胃癌、脳癌、肺癌(例えば、NSCLC)、膵癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、副腎癌、及び頭頸部癌が挙げられるがこれらに限定されない。
[0189] 一部の態様において、癌などの疾患又は障害の処置におけるCbl-b阻害薬の投与の有効性は、腫瘍サイズ又は腫瘍数の減少、及び/又は生存率など、臨床的アウトカムを判定することによって測定される。一部の実施形態において、「癌を処置すること」は、記載されるとおりの固形癌効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:RECIST第1.1版)に基づき処置レジメンに対する患者の奏効を判定することを含む(例えば、Eisenhauer et al., Eur J Cancer, 45:228-247, 2009;及びNishino et al., Am J Roentgenol, 195: 281-289, 2010を参照されたい)。RECIST 1.1に従い客観的抗腫瘍応答を決定する奏効判定基準には、完全奏効(CR);部分奏効(PR);病勢進行(PD);及び病勢安定(SD)が含まれる。
A.細胞の単離及び処理
[0190] 本明細書の方法において作製及び使用される免疫細胞(例えば、修飾免疫細胞)の調製及び処理方法が提供される。本明細書で使用されるとき、用語「修飾免疫細胞」は、免疫細胞又は免疫細胞を含む細胞集団であって、前記免疫細胞の活性を調節するため有効量のCbl-b阻害薬と共に培養し、インキュベートしたもの、及び/又はそれと接触させたものを指す。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、養子免疫治療法との関連などで、免疫治療に使用することができる。
1.試料
[0191] 一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞又は修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団は、生体試料などの試料、例えば、個体(例えば、ヒト)から入手された又はそれに由来する試料から単離される。一部の実施形態において、免疫細胞を単離する元となる個体は、特定の疾患若しくは病態(例えば、癌)を有する個体又は細胞治療を必要としている個体若しくはそれに対して細胞治療が投与されることになる個体である。個体は、一部の実施形態では、そのために免疫細胞が単離され、処理され、及び/又は修飾される養子細胞治療など、特定の治療介入を必要としているヒトである。従って、個体から単離されたこの細胞が、一部の実施形態では、初代細胞(例えば、初代ヒト細胞)である。本明細書で使用されるとき、用語「初代細胞」は、哺乳類生体液又は組織(例えば、ヒト生体液又は組織)から直接単離された細胞を指す。
[0192] 一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞である。本明細書で使用されるとき、用語「造血細胞」には、造血幹細胞及び造血前駆細胞が含まれる。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、異種細胞集団中又は異種細胞集団を含む組成物中に存在する。例えば、修飾されることになる免疫細胞は、組織又は器官に由来する分化細胞などの細胞を含む異種細胞集団中に存在する造血細胞であり得る。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、同種細胞集団中又は同種細胞集団を含む組成物中に存在する。例えば、修飾されることになる免疫細胞は、造血細胞のみを含む同種細胞集団中に存在する造血細胞であり得る。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞又は修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団は、1つ以上の免疫細胞サブセットを含む。例えば、1つ以上の免疫細胞サブセットは、CD4+細胞、CD8+細胞及びそのサブ集団、例えば、機能、活性化状態、成熟度、潜在的分化能、拡大、局在化、持続能、表面マーカープロファイル、サイトカイン分泌プロファイル、及び/又は分化度によって定義されるサブ集団などであり得る。
[0193] 一部の実施形態において、本明細書に記載される生体試料には、個体から直接採取される組織、体液、及び他の試料、並びに分離、遠心、遺伝子操作(例えば、組換えキメラ受容体をコードするウイルスベクターによる形質導入)、洗浄、及び/又はインキュベーションなど、1つ以上の処理ステップから得られる試料が含まれる。生体試料は、生物学的供給源から直接入手される試料又は処理される試料であり得る。生体試料としては、限定はされないが、血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑液、尿及び汗などの体液、組織及び臓器試料(例えば、腫瘍を含有する組織又は器官からの試料)が、それに由来する処理された試料を含め、挙げられる。一部の実施形態において、生体試料は、生体体液試料又は生体組織試料である。一部の実施形態において、生体試料は、生体組織試料である。一部の態様において、免疫細胞の由来となる又はそれが単離される元の生体試料は、血液若しくは血液由来試料であるか、又はアフェレーシス若しくは白血球アフェレーシス産物に由来する。
[0194] 例示的生体試料としては、全血、末梢血単核球(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、消化管関連リンパ系組織、粘膜関連リンパ系組織、脾臓、他のリンパ系組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸部、精巣、卵巣、扁桃腺、又は他の臓器、及び/又はこれらに由来する細胞が挙げられる。生体試料としては、細胞治療(例えば、養子細胞治療)の文脈では、自己供給源からの試料(即ち、細胞治療を必要としている個体から入手された、又はそれに由来する試料)、及び同種異系供給源からの試料(即ち、細胞治療を必要としている個体以外の個体又は供給源から入手された、又はそれに由来する試料)が挙げられる。
[0195] 一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞又は修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団は、細胞株(例えば、T細胞株、B細胞株、NK細胞株等)に由来する。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞又は修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、又はブタからなど、異種供給源から入手される。
2.細胞の処理及び分離
[0196] 一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞の単離には、1つ以上の調製及び/又は細胞分離ステップが含まれる。1つ以上の細胞分離ステップは、非親和性ベースの分離又は親和性ベースの分離であり得る。例として、非親和性ベースの分離は、修飾されることになる免疫細胞を含む組成物の遠心であり得る。一部の実施形態において、非親和性ベースの分離方法には、赤血球を溶解させることによる末梢血からの白血球の調製及びパーコール又はフィコール勾配による遠心など、密度ベースの細胞分離方法が含まれる。親和性ベースの分離方法は、修飾されることになる免疫細胞を含む組成物を抗体コートビーズと接触させることを含み得る。本明細書で企図される抗体コートビーズとしては、限定はされないが、修飾されることになる免疫細胞の表面に発現するマーカーに結合する抗体でコートされた磁気ビーズ(例えば、Life Technologies、Carlsbad, CAによって市販されているDynabeads(登録商標)、Miltenyi Biotec Inc.、Auburn, CAによって市販されているMACS(登録商標)マイクロビーズ;又はStemcell Technologies、Vancouver, BC, Canadaによって市販されているEasySep(商標)Direct RapidSpheres(商標))が挙げられる。一部の実施形態において、例えば、CD4+、CD8+等、1つ以上の表面マーカーが陽性であるか、又は別様にそれを高度に発現する細胞など、T細胞の特定のサブ集団が、ポジティブ又はネガティブ選択技法によって単離される。ポジティブ選択は、標的細胞(例えば、修飾されることになる免疫細胞)を試薬に結合させて、それを以降の使用のために確保する技法に基づき得る。例えば、CD3+であるT細胞は、抗CD3抗体にコンジュゲートした磁気ビーズ(例えば、MACS(登録商標)CD3ヒトマイクロビーズ)を使用してポジティブ選択することができる。ネガティブ選択は、試薬に結合しなかった標的細胞(例えば、修飾されることになる免疫細胞)を確保する技法に基づき得る。例えば、ネガティブ選択を利用して末梢血単核球(PMBC)から全ヒト初代T細胞を単離することができ、ここではPBMCを含む試料中で表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通してこれらの表面マーカーを発現する細胞を除去し、試料中に残った細胞を続く処理のために確保する。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞又は免疫細胞を含む細胞集団は、例えば、望ましくない成分を除去し、所望の成分を濃縮し、特定の試薬に感受性のある細胞を溶解させ又は除去するため、1つ以上の試薬の存在下で洗浄され、遠心され、及び/又はインキュベートされる。一部の例において、免疫細胞は、密度、接着特性、サイズ、感受性、及び/又は特定の成分に対する耐性など、1つ以上の特性に基づき分離される。細胞分離ステップでは、特定の細胞が100%濃縮又は除去される必要はない。一部の実施形態において、特定のタイプの免疫細胞(例えば、CD4+ T細胞)のポジティブ選択又は濃縮とは、かかる細胞の数又は割合を増加させることを指す。一部の実施形態において、ネガティブ選択によるなどの、目的のものでない特定のタイプの細胞の除去、又は枯渇とは、かかる細胞の数又は割合を減少させることを指す。
[0197] 一部の実施形態において、免疫細胞又は免疫細胞を含む細胞集団は、個体の循環血液から、例えば、アフェレーシス又は白血球アフェレーシスによって入手される。一部の態様において、修飾されることになる免疫細胞を含む試料は、T細胞、B細胞、及びNK細胞を含めたリンパ球、並びに単球、顆粒球、赤血球、及び/又は血小板を含有し、一部の態様では、赤血球及び血小板以外の細胞を含有する。
[0198] 一部の実施形態において、個体から採取された血液細胞は洗浄されて、続く処理ステップのため血漿画分が除去され、及び修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団が適切な緩衝液又は培地中に置かれるなどする。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団は、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄される。一部の実施形態において、洗浄溶液はカルシウム及び/又はマグネシウムを含まない。一部の態様において、洗浄ステップは、半自動「フロースルー」遠心機で達成される。一部の態様において、洗浄ステップは、タンジェンシャルフローろ過で達成される。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞又は修飾されることになる免疫細胞を含有する細胞集団は、洗浄後、例えば、カルシウム及び/又はマグネシウム不含リン酸緩衝生理食塩水など、種々の好適な緩衝液に再懸濁される。一部の実施形態において、血液細胞試料の成分が除去され、修飾されることになる免疫細胞又は修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団が好適な細胞培養培地に直接再懸濁される。
[0199] 造血細胞を含有する細胞集団を含有する試料(例えば、PBMCを含む試料)からの造血細胞など、免疫細胞を処理及び/又は分離する代表的な方法については、本明細書の生物学的実施例2及び生物学的実施例3に記載される。造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞など、免疫細胞を処理及び/又は分離する方法及び技法は、当該技術分野において周知である。例えば、米国特許出願公開第2017/0037369号;米国特許出願公開第2012/0148553号;米国特許第6,461,645号;米国特許第6,352,694号;及び米国特許第7,776,562号を参照されたい。
3.インキュベーション及び処置
[0200] 本明細書には、上記に記載される処理及び/又は分離された免疫細胞など、免疫細胞の活性を、有効量の本明細書に記載されるCbl-b阻害薬とその免疫細胞を接触させることにより調節する方法が提供される。また、本明細書には、免疫細胞(例えば、上記に記載される処理及び/又は分離された免疫細胞)を含有する細胞集団を有効量のCbl-b阻害薬の存在下で培養して免疫細胞の活性を調節し、それによって修飾免疫細胞を作製することによるなど、本明細書に記載される方法のいずれかによって作製された修飾免疫細胞も提供される。
[0201] 一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞(例えば、上記に記載される処理及び/又は分離された免疫細胞)は、本明細書に提供されるCbl-b阻害薬と前記免疫細胞を接触させる前に、好適な培養培地でインキュベート及び/又は培養される。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、本明細書に提供されるCbl-b阻害薬と前記免疫細胞を接触させるのと同じ時点で好適な培養培地でインキュベート及び/又は培養される。
[0202] 処理及び/又は分離された、修飾されることになる免疫細胞又は修飾されることになる免疫細胞を含む細胞集団は、インビトロで分化及び/又は拡大させることができる。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞である。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、免疫細胞の分化及び/又は拡大前に、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬を含む好適な細胞培養培地でインキュベートされる。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、免疫細胞の分化及び/又は拡大後に、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬を含む好適な細胞培養培地でインキュベートされる。免疫細胞は、前記免疫細胞の活性を調節するのに有効な量の本明細書に提供されるCbl-b阻害薬と接触させると、修飾された状態になる(即ち、修飾免疫細胞になる)。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞はインビトロで分化及び/又は拡大させず、従ってCbl-b阻害薬と接触させた修飾免疫細胞と同じ細胞型である。例えば、T細胞は、T細胞の分化なしに、Cbl-b阻害薬を含む好適な培地でインキュベートすることができる。他の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞はインビトロで分化及び/又は拡大させ、従ってCbl-b阻害薬と接触させた修飾免疫細胞と異なる細胞型である。例えば、造血細胞は、Cbl-b阻害薬並びに成熟造血細胞への造血細胞の分化をドライブする他の薬剤を含む好適な培地でインキュベートすることができる。従って、本明細書における実施形態の一部の態様において、修飾免疫細胞は、造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞である。免疫細胞を拡大及び/又は分化させる方法は、当該技術分野において周知である。例えば、国際公開第2017/037083号を参照されたい。
[0203] Cbl-b阻害薬の有効量とは、参照試料と比較したとき免疫細胞の活性を調節するのに十分なCbl-b阻害薬の量又は濃度である。参照試料は、Cbl-b阻害薬と接触したことがない免疫細胞であり得る。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞を含む組成物(例えば、細胞培養培地)に加えられるCbl-b阻害薬の濃度は、約1pM~約100μM、約5pM~約100μM、約10pM~約100μM、約20pM~約100μM、約40pM~約100μM、約60pM~約100μM、約80pM~約100μM、約1nM~約100μM、約3nM~約100μM、約10nM~約100μM、約15nM~約100μM、約20nM~約100μM、約40nM~約100μM、約60nM~約100μM、約80nM~約100μM、約0.1μM~約100μM、約0.1μM~約90μM、約0.1μM~約80μM、約0.1μM~約70μM、約0.1μM~約60μM、約0.1μM~約50μM、約0.1μM~約40μM、約0.1μM~約30μM、約0.1μM~約20μM、約0.1μM~約10μM、約0.2μM~約10μM、又は約0.3μM~約8μMである。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞を含む組成物(例えば、細胞培養培地)に加えられるCbl-b阻害薬の濃度は、約1pM、約2pM、約3pM、約4pM、約5pM、約10pM、約20pM、約30pM、約40pM、約50pM、約60pM、約70pM、約80pM、約90pM、約1nM、約3nM、約5nM、約10nM、約20nM、約40nM、約50nM、約80nM、約0.1μM、約0.2μM、約0.3μM、約0.4μM、約0.5μM、約1μM、約5μM、約10μM、約15μM、約20μM、約25μM、約30μM、約40μM、約50μM、約60μM、約70μM、約80μM、約90μM、又は約100μMである。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞を含む組成物(例えば、細胞培養培地)に加えられるCbl-b阻害薬の濃度は、約0.3μM、約1μM、又は約4μMである。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞を含む組成物(例えば、細胞培養培地)に加えられるCbl-b阻害薬の濃度は、約1μM又は約8μMである。
[0204] Cbl-b阻害薬の有効量は、参照試料と比較したとき免疫細胞の活性を調節するのに十分な時間にわたって免疫細胞と接触した状態にある。参照試料は、Cbl-b阻害薬と接触したことはないが、免疫細胞及びCbl-b阻害薬を含む組成物(例えば、細胞培養培地)と同じ長さの時間にわたってインキュベートされる免疫細胞であり得る。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、約1分~約1時間、約5分~約1時間、約10分~約1時間、約15分~約1時間、約20分~約1時間、約30分~約1時間、約45分~約1時間、約1時間~約2時間、約1時間~約4時間、約1時間~約6時間、約1時間~約8時間、約1時間~約12時間、約1時間~約24時間、約2時間~約24時間、約6時間~約7時間、約6時間~約24時間、約8時間~約24時間、約10時間~約24時間、約15時間~約24時間、約20時間~約24時間、約12時間~約48時間、約24時間~約48時間、又は約36時間~約48時間免疫細胞と接触した状態にあり、及び/又はそれと共にインキュベートされる。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、約1分、約5分、約10分、約15分、約20分、約30分、約40分、約50分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約12時間、約14時間、約16時間、約18時間、約20時間、約22時間、又は約24時間免疫細胞と接触した状態にあり、及び/又はそれと共にインキュベートされる。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、約1日~約7日、約2日~約7日、約3日~約7日、約4日~約7日、約5日~約7日、又は約6日~約7日間免疫細胞と接触した状態にあり、及び/又はそれと共にインキュベートされる。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、約7日~約14日、約14日~約21日、又は約21日~約28日間免疫細胞と接触した状態にあり、及び/又はそれと共にインキュベートされる。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、約10日、約11日、約12日、約13日、又は約14日間免疫細胞と接触した状態にあり、及び/又はそれと共にインキュベートされる。
[0205] 一部の実施形態において、免疫細胞又は免疫細胞を含む細胞集団は、免疫細胞の増殖、拡大、活性化、及び/又は生存を誘導するのに好適な条件下でインキュベートされる。インキュベーション時の好適な条件としては、限定はされないが、細胞培養培地、温度、インキュベーション時間、刺激剤(例えば、抗CD3及び/又は抗CD28抗体)の存在、並びに成長因子、サイトカイン、ケモカイン、及び/又は組換え可溶性受容体など、任意の他の有益な薬剤の存在のうちの1つ以上の使用が挙げられる。
[0206] 一部の実施形態において、免疫細胞の増殖、拡大、活性化、及び/又は生存を誘導するのに好適な条件としては、免疫細胞(例えば、NK細胞)を活性化させる能力を有する薬剤を含む刺激条件の提供が挙げられる。例えば、T細胞の増殖、拡大、活性化、及び/又は生存を誘導するのに好適な条件としては、T細胞における細胞内シグナル伝達を活性化させる能力を有する薬剤を含む刺激条件の提供が挙げられる。T細胞が完全に活性化するには、概して、本明細書において「TCR」と称されるT細胞受容体による抗原の認識(シグナル1)並びにCD28などの共刺激因子の認識(シグナル2)が必要である。一部の態様において、1つ以上の薬剤が、T細胞におけるTCR複合体媒介性細胞内シグナル伝達カスケードをオンにし、又は惹起する。例えば、第1の薬剤は、TCR複合体の成分に結合してT細胞を活性化させることができ、第2の薬剤は、T細胞の表面上の共刺激分子に結合して、それにより活性化したT細胞を刺激することができる。一部の実施形態において、第1の薬剤は、CD3に特異的に結合することにより、T細胞のTCR/CD3複合体関連シグナルを刺激した(例えば、抗CD3抗体)。更なる実施形態において、T細胞の表面上の共刺激分子はCD28であってもよく、第2の薬剤がCD28に特異的に結合する(例えば、抗CD28抗体)。かかる薬剤としては、限定はされないが、TCR複合体成分に特異的なもの(例えば、抗CD3抗体)及び/又は共刺激受容体に特異的なもの(例えば、抗CD28抗体)など、抗体、二価抗体断片、及び結合分子が挙げられる。一部の実施形態において、CD3に特異的に結合する薬剤は、抗CD3抗体、抗CD3抗体の二価抗体断片(例えば、(Fab)2’断片又は二価scFv断片)、抗CD3抗体の一価抗体断片(例えば、Fab断片、Fv断片、又はscFv断片)、又はCD3結合分子(例えば、アプタマー)である。一部の実施形態において、CD28に特異的に結合する薬剤は、抗CD28抗体、抗CD28抗体の二価抗体断片(例えば、(Fab)2’断片又は二価scFv断片)、抗CD28抗体の一価抗体断片(例えば、Fab断片、Fv断片、又はscFv断片)、及びCD28結合分子(例えば、アプタマー)である。本明細書に提供される1つ以上の薬剤(例えば、抗CD3抗体及び抗CD28抗体)は、例えば、ビーズなどの固体支持体に結合させるか、又は抗Fc抗体と架橋させることができる。一部の実施形態において、拡大方法ステップは、培養培地に抗CD3抗体及び/又は抗CD28抗体を加えるステップを更に含み得る。一部の実施形態において、細胞培養培地に加えられる刺激剤としては、限定はされないが、IL-2、IL-7、IL-15、及びIL-21のうちの1つ以上など、1つ以上のサイトカインが挙げられる。例えば、IL-2は、免疫細胞及び抗CD3抗体及び/又は抗CD28抗体などの薬剤を含む細胞培養培地に少なくとも約10単位/mLの濃度で加えることができる。
[0207] 一部の実施形態において、T細胞の増殖、拡大、活性化、及び/又は生存を誘導するのに好適な条件としては、T細胞受容体(TCR)複合体を通じた細胞内シグナル伝達を活性化させる能力を有する刺激条件又は薬剤、及び本明細書に記載されるとおりのCbl-b阻害薬の提供が挙げられる。一部の実施形態において、免疫細胞又は免疫細胞を含む細胞集団は、CD3に特異的に結合することによってT細胞のTCR/CD3複合体関連シグナルを刺激する第1の薬剤(例えば、抗CD3抗体)と共にインキュベートされる。更なる実施形態において、免疫細胞又は免疫細胞を含む細胞集団は、CD3に特異的に結合することによってT細胞のTCR/CD3複合体関連シグナルを刺激する第1の薬剤(例えば、抗CD3抗体)と共に、共刺激分子CD28に結合する第2の薬剤(例えば、抗CD28抗体)と共に、及び約1pM~約100μM(例えば、約0.3μM、約1μM、又は約4μM)の濃度のCbl-b阻害薬と共にインキュベートされる。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下にあるとき、T細胞の増殖、拡大、活性化、及び/又は生存を誘導するのに好適な条件は、共刺激分子(例えば、CD28)を通じた刺激を必要としない。T細胞がCbl-b阻害薬又はその組成物と接触するため、T細胞が活性化状態に入るための共刺激要件を回避することができる。特定の実施形態において、免疫細胞又は免疫細胞を含む細胞集団は、CD3に特異的に結合することによってT細胞のTCR/CD3複合体関連シグナルを刺激する第1の薬剤(例えば、抗CD3抗体)と共に、及び約0.001μM~約1,000μM、約0.01μM~約100μM、約0.1μM~約10μM、又は約0.1μM~約50μM(例えば、約1μM又は約8μM)の濃度のCbl-b阻害薬と共にインキュベートされる。
[0208] 免疫細胞の活性を調節する方法の一部の実施形態において、免疫細胞はT細胞であり、T細胞の活性を調節することは、T細胞活性化の増加及び/又はT細胞増殖の増加を含む。本明細書の実施形態において企図されるT細胞は、抗CD3抗体など、TCR複合体の成分に結合する活性化剤の存在下、並びに抗CD28抗体など、共刺激分子に結合する刺激剤の存在下であっても、寛容状態であり得る。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体の存在下でT細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体と予め接触した状態にあったものである。一部の実施形態において、T細胞の活性の調節(例えば、T細胞活性化の増加及び/又はT細胞増殖の増加)に、共刺激CD28分子による刺激は不要である。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、抗CD3抗体単独の存在下でT細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、T細胞を活性化させる1つ以上の薬剤(例えば、抗CD3抗体)と予め接触した状態にあったものであり、ここで前記薬剤には、CD28共刺激分子を刺激する薬剤(例えば、抗CD28抗体)は含まれない。
[0209] 一部の実施形態において、免疫細胞はT細胞であり、T細胞の活性を調節することは、T細胞活性化の亢進及び/又はT細胞増殖の亢進を含む。例えば、本明細書の実施形態において企図されるT細胞は、T細胞を活性化させる薬剤(例えば、抗CD3抗体)の存在下、及び一部の更なる実施形態では、T細胞を刺激する薬剤(例えば、抗CD28抗体)の存在下にあるときなどに、活性化状態であり得る。T細胞をCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させると、活性化に要求される閾値が下がり、従って活性化剤(例えば、抗CD3抗体)及び一部の更なる実施形態では、刺激剤(例えば、抗CD28抗体)の存在下にあるT細胞の活性化及び/又は増殖が亢進し得る。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体の存在下でT細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体と予め接触した状態にあったものである。一部の実施形態において、T細胞の活性の調節(例えば、T細胞活性化の亢進及び/又はT細胞増殖の亢進)に、共刺激CD28分子による刺激は不要である。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、抗CD3抗体単独の存在下でT細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、T細胞を活性化させる1つ以上の薬剤(例えば、抗CD3抗体)と予め接触した状態にあったものである。
[0210] 一部の実施形態において、免疫細胞はT細胞であり、T細胞の活性を調節することは、T細胞枯渇の低下、T細胞寛容の低下、及び/又はT細胞アネルギーの低下を含めた、T細胞機能不全の低下を含む。T細胞機能不全の一般的原理は当該技術分野において周知である(例えば、Schietinger et al., Trends Immunol., 35: 51-60, 2014を参照されたい)。免疫寛容は、免疫系の正常機能の一部である過程である。抗原特異的免疫寛容は、抗原に対する応答性の低下によって特徴付けられ、これは、その抗原に以前曝露したことによって誘導されるものである。特定のリンパ球(例えば、T細胞)が抗原に遭遇したとき、そのリンパ球は活性化されて、抗原特異的免疫応答につながり得るか、又はそのリンパ球(例えば、T細胞)は不活性化され、若しくは除去されて、代わりに抗原特異的免疫寛容につながり得る。一部の態様において、寛容は、クローン性アネルギー、末梢性クローン性欠失、T細胞の抑制、及び/又は他の形態の抗原特異的寛容によって起こり得る。一部の実施形態において、寛容は、アネルギーの誘導の結果として生じ得るか、又はそれによって特徴付けられ得る。一部の態様において、アネルギーは、T細胞が共刺激の非存在下で抗原に曝露するために生じ得る。共刺激シグナルの非存在下では、TCR単独による抗原認識が長引くことが、アネルギー(即ち、機能上の不応答性)につながり得る。アネルギー状態のT細胞は、続く抗原チャレンジに難応答性であり得るとともに、他の免疫応答を抑制する能力を有し得る。概して、自然環境では、寛容は、自己抗原に対する非応答性又は非生産的応答性に関わる。しかしながら、ある場合には、「非自己」抗原に対して寛容が誘導され得る。従って、一部の態様において、末梢組織において自己抗原を認識する成熟T細胞が、続いてそれらの抗原に応答する能力を失うのと同じ機構がまた、癌細胞が発現するものなどの、外来性又は「非自己」抗原に対する不応答性も制御し得る。従って、本明細書の実施形態において企図されるT細胞は、CD28などの共刺激分子に結合する薬剤など、刺激剤の存在下であっても、寛容状態であり得る。T細胞を本明細書に提供されるCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させると、T細胞寛容、T細胞アネルギー、及び/又はT細胞枯渇などのT細胞機能不全の側面を回避することができる。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞寛容を低下させる、T細胞アネルギーを低下させる、及び/又はT細胞枯渇を低下させる方法)は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞の活性を調節すること(例えば、T細胞寛容を低下させること、T細胞アネルギーを低下させること、及び/又はT細胞枯渇を低下させること)は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体の存在下でT細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞寛容を低下させる、T細胞アネルギーを低下させる、及び/又はT細胞枯渇を低下させる方法)は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体と予め接触した状態にあったものである。一部の実施形態において、T細胞の活性の調節(例えば、T細胞寛容の低下、T細胞アネルギーの低下、及び/又はT細胞枯渇の低下)に、共刺激CD28分子による刺激は不要である。本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞寛容を低下させる、T細胞アネルギーを低下させる、及び/又はT細胞枯渇を低下させる方法)は、抗CD3抗体単独の存在下でT細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞寛容を低下させる、T細胞アネルギーを低下させる、及び/又はT細胞枯渇を低下させる方法)は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、抗CD3抗体など、T細胞を活性化させる1つ以上の薬剤単独と予め接触した状態にあったものである。
[0211] T細胞活性化及びT細胞寛容は、免疫応答を制御する厳密にコントロールされた過程である。従って、本明細書には、T細胞の活性を調節する方法が提供され、ここでT細胞の活性を調節することは、T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下を含む。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下)は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞の活性を調節すること(例えば、T細胞活性化を増加させること、T細胞増殖を増加させること、T細胞枯渇を低下させること、及び/又はT細胞寛容を低下させること)は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体の存在下でT細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞活性化を増加させる、T細胞増殖を増加させる、T細胞枯渇を低下させる、及び/又はT細胞寛容を低下させる方法)は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体と予め接触した状態にあったものである。一部の実施形態において、T細胞の活性の調節(例えば、T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下)に、共刺激CD28分子による刺激は不要である。本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞活性化を増加させる、T細胞増殖を増加させる、T細胞枯渇を低下させる、及び/又はT細胞寛容を低下させる方法)は、抗CD3抗体単独の存在下でT細胞を有効量の本明細書に提供されるCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含む。一部の実施形態において、T細胞の活性を調節する方法(例えば、T細胞活性化を増加させる、T細胞増殖を増加させる、T細胞枯渇を低下させる、及び/又はT細胞寛容を低下させる方法)は、T細胞を有効量のCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることを含み、ここでT細胞は、T細胞を活性化させる1つ以上の薬剤(例えば、抗CD3抗体)と予め接触した状態にあったものである。
[0212] 本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞活性化の増加は、T細胞又は活性化したT細胞微小環境にある周囲免疫細胞(例えば、骨髄系細胞)からの1つ以上のサイトカインの産生の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のサイトカインとしては、限定はされないが、IFN-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-13、IL-18、TNFα、及びGM-CSFが挙げられる。一部の実施形態において、サイトカインは、IL-2、IFN-γ、TNFα、及びGM-CSFのうちの1つ以上である。一部の実施形態において、サイトカインはケモカインである。一部の実施形態において、1つ以上のケモカインとしては、限定はされないが、IP-10、エオタキシン、GROα、RANTES、MIP-1α、MIP-1β、MIP-2、MCP-1、及びMCP-3が挙げられる。サイトカインの発現の増加は、ELISAによって測定することができる。
[0213] 本明細書における方法の一部の実施形態において、T細胞活性化の増加は、1つ以上のT細胞活性化マーカーの細胞表面発現の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のT細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD25、CD44、CD62L、CD69、CD152(CTLA4)、CD154、CD137、及びCD279が挙げられる。一部の実施形態において、T細胞活性化マーカーは、CD25、CD69、及びCTLA4のうちの1つ以上である。細胞表面マーカーの発現の増加は、FACSによって測定することができる。
[0214] T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下を実験的に決定するための方法は、当該技術分野において周知である。一部の実施形態では、T細胞活性化を決定する代表的な方法について、本明細書に提供される生物学的実施例2を参照することができる。一部の実施形態では、T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下を決定する代表的なインビトロ及びインビボ方法について、本明細書に提供される生物学的実施例3を参照することができる。
[0215] 免疫細胞の活性を調節する方法の一部の実施形態において、免疫細胞はB細胞であり、B細胞の活性を調節することは、B細胞活性化の増加を含む。一部の実施形態において、B細胞活性化の増加は、1つ以上のB細胞活性化マーカーの細胞表面発現の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のB細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD69、CD86、及びMHCクラスII(例えば、HLA-DR)が挙げられる。一部の実施形態において、B細胞活性化マーカーはCD69である。細胞表面マーカーの発現の増加は、FACSによって測定することができる。一部の実施形態において、B細胞活性化の増加は、ERK、JNK、及びSykによって媒介されるものなど、シグナル伝達経路にあるタンパク質の活性化の増加を含む。前記タンパク質の活性化の増加は、当該技術分野で利用可能な抗ホスホ抗体などの試薬を用いたタンパク質のリン酸化レベルの測定によって検出することができる。
[0216] 免疫細胞の活性を調節する方法の一部の実施形態において、免疫細胞はNK細胞であり、NK細胞の活性を調節することは、NK細胞活性化の増加を含む。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、1つ以上のサイトカインの分泌を含む。一部の実施形態において、1つ以上のサイトカインとしては、限定はされないが、IFN-γ、TNFα、及びMIP-1βが挙げられる。サイトカインの発現の増加は、ELISAによって測定することができる。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、1つ以上のNK細胞活性化マーカーの細胞表面発現の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のNK細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD69、及びCD107aが挙げられる。細胞表面マーカーの発現の増加は、FACSによって測定することができる。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、原発腫瘍細胞を含めた腫瘍細胞などの標的細胞、及びK562細胞株などの細胞株由来の腫瘍細胞の死滅の増加を含む。
[0217] B細胞活性化及びNK細胞活性化の増加を実験的に決定するための方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Fauriat et al., Blood. 115: 2167-76, 2010;Beano et al., J. Transl. Med., 6:25 2008;Claus et al., J. Immunol. Methods, 341: 154-64, 2009;及びFujisaki et al., Cancer Res. 69: 4010-4017, 2009を参照されたい)。一部の実施形態では、B細胞活性化を決定する代表的な方法について、本明細書に提供される生物学的実施例3を参照することができる。一部の実施形態では、NK細胞活性化を決定する代表的な方法について、本明細書に提供される生物学的実施例3を参照することができる。
[0218] T細胞、B細胞又はNK細胞などの免疫細胞の活性の調節は、目的のパラメータ(例えば、サイトカイン分泌)のベースライン値を決定することにより測定し得る。例えば、細胞をCbl-b阻害薬と接触させるインビトロ実験から入手された試料などでは、T細胞活性化は、前記Cbl-b阻害薬と接触させる前又はそれを投与する前に測定してベースライン値を決定することができる。次に前記Cbl-b阻害薬と接触させた後又はそれを投与した後のT細胞活性化について、参照値を入手する。参照値をベースライン値と比較すると、Cbl-b阻害薬又はその組成物の接触又は投与に起因するT細胞活性化の量が決まる。例えば、一部の実施形態において、免疫細胞(例えば、T細胞)活性化は、ベースライン値と比較したとき試料中で少なくとも0.1倍だけ増加し、ここでベースライン値は、免疫細胞(例えば、T細胞)をCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させる前に入手される。一部の実施形態において、免疫細胞(例えば、T細胞)活性化は、ベースライン値の少なくとも約0.1倍、約0.2倍、約0.3倍、約0.4倍、約0.5倍、約0.6倍、約0.7倍、約0.8倍、約0.9倍、約1倍、約2倍、約4倍、約6倍、約8倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約75倍、又は約100倍(例えば、約0.1倍~約100倍、又は約1倍~約100倍)だけ増加する。免疫細胞活性化は、サイトカイン分泌の増加、活性化マーカー(例えば、細胞表面マーカー)の細胞表面発現の増加、又は下流シグナル伝達経路にあるタンパク質のリン酸化の増加など、活性化の生物学的マーカーを測定することにより判定し得る。試験下のパラメータ及び免疫細胞が処置される条件について、免疫細胞活性化の指標となるベースライン値に対する倍数を決定することができる。例えば、T細胞活性化の測定のため、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートされない細胞からベースライン値を入手することができる。次に、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞であって、Cbl-b阻害薬と接触した状態にあったか、又はその状態にあるT細胞から参照値を入手する。次に、入手された参照値により、免疫細胞活性化の陽性応答を決定することができる。同様の参照値測定値を入手してベースライン値と比較することにより、T細胞活性化、T細胞増殖、T細胞枯渇、T細胞寛容、B細胞活性化及び/又はNK細胞活性化を判定することができる。これらのパラメータの測定値は、当該技術分野において周知の技法、並びに生物学的実施例2及び3に提供される技法を利用して入手することができる。
[0219] 用語「ベースライン」又は「ベースライン値」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に開示されるとおりの治療剤(例えば、本明細書に記載されるとおりのCbl-b阻害薬を含む組成物)の投与前又は治療剤の投与開始時における測定値又は特性を指し得る。ベースライン値を参照値と比較することにより、免疫細胞機能の増加又は減少(例えば、T細胞活性化を増加させること、T細胞増殖を増加させること、T細胞枯渇を低下させること、及び/又はT細胞寛容を低下させること)を決定し得る。用語「参照」又は「参照値」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に開示されるとおりの治療剤(例えば、本明細書に記載されるとおりのCbl-b阻害薬を含む組成物)の投与後における測定値又は特性を指し得る。参照値は、実験時間経過中、投薬量レジメン中、若しくは処置サイクル中に1回以上、又は実験時間経過、投薬量レジメン、若しくは処置サイクルの完了時に測定することができる。「参照値」は、絶対値、相対値、上限及び/又は下限のある値、値の範囲、算術平均値、中央値、平均値、又はベースライン値と比較したときの値であってもよい。同様に、「ベースライン値」は、絶対値、相対値、上限及び/又は下限のある値、値の範囲、算術平均値、中央値、平均値、又は参照値と比較したときの値であってもよい。参照値及び/又はベースライン値は、1つの試料(例えば、ある個体から入手された1つの試料)、2つの異なる試料(例えば、異なる2個体から入手された試料)又は一群の試料(例えば、2、3、4、5個体、又はそれ以上の群から入手された試料)から入手することができる。
[0220] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞によるサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞から入手されたサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)についてのベースライン値の少なくとも2.5倍である。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞による表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞から入手された表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)についてのベースライン値の少なくとも1.3倍である。一部の実施形態において、ベースライン値は、抗CD3抗体単独で刺激したT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートされない細胞から入手することができる。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞によるサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞から入手されたサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)についてのベースライン値の少なくとも0.1倍である。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞による表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞から入手された表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)についてのベースライン値の少なくとも0.6倍である。
[0221] 一部の態様において、本明細書には、修飾免疫細胞を作製する方法であって、有効量の本明細書に提供されるCbl-b阻害薬又はその組成物の存在下で免疫細胞を含有する細胞集団を培養して免疫細胞の活性を調節し、それによって修飾免疫細胞を作製することを含む方法が提供される。一部の実施形態において、免疫細胞は、T細胞、B細胞、又はナチュラルキラー(NK)細胞である。
[0222] 修飾免疫細胞の作製方法の一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、及びNK細胞からなる群から選択される細胞である。一部の実施形態において、本方法は、サイトカインなどの刺激剤又は免疫細胞が発現する活性化タンパク質に結合する抗体(例えば、抗CD3抗体及び/又は抗CD28抗体)と共に免疫細胞を培養することを更に含む。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、免疫細胞を含有する細胞集団中にあり、ここで細胞集団は、個体からの試料として入手される。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、免疫細胞を含有する細胞集団中にあり、ここで細胞集団は、個体からの生体試料(例えば、血液試料、骨髄試料等)を培養することによって入手される。一部の実施形態において、免疫細胞は、免疫細胞を含有する細胞集団をCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させることにより修飾され、それによって修飾免疫細胞が作製される。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、及びNK細胞からなる群から選択される細胞である。一部の実施形態において、免疫細胞は修飾免疫細胞と同じ細胞型である。例えば、免疫細胞が不活性T細胞であってもよく、修飾免疫細胞が活性化T細胞であってもよい。一部の実施形態において、免疫細胞は修飾免疫細胞と異なる細胞型である。例えば、免疫細胞が造血幹細胞であってもよく、修飾免疫細胞が、造血幹細胞から分化したNK細胞であってもよい。修飾免疫細胞を作製する方法の一部の実施形態において、この方法は、修飾免疫細胞を回収することを更に含む。一部の実施形態において、免疫細胞を含有する細胞集団、免疫細胞又は修飾免疫細胞は、個体(例えば、ヒト)からのものである。一部の実施形態において、免疫細胞又は修飾免疫細胞は、それぞれ、ヒト免疫細胞又はヒト修飾免疫細胞である。
[0223] 更に、本明細書には、有効量のCbl-b阻害薬の存在下で免疫細胞を含有する細胞集団を培養して免疫細胞の活性を調節し、それによって修飾免疫細胞を作製するなど、本明細書に記載される方法のいずれかによって作製された修飾免疫細胞が提供される。
[0224] 一部の実施形態において、本明細書に提供されるCbl-b阻害薬は、細胞膜透過性である。従って、一部の実施形態において、本明細書に提供される修飾免疫細胞は、修飾免疫細胞の細胞質にあるなどの、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬を含むことができる。
[0225] 一部の態様において、本明細書には、単離修飾免疫細胞が提供され、ここで修飾免疫細胞は、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させたものであるか、又は接触した状態にあるものである。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、T細胞、B細胞、又はナチュラルキラー(NK)細胞である。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、又はNK細胞である。
[0226] 単離修飾免疫細胞の一部の実施形態において、修飾免疫細胞はT細胞であり、T細胞は、T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下を呈する。一部の実施形態において、T細胞活性化の増加は、T細胞又は活性化したT細胞微小環境にある周囲免疫細胞(例えば、骨髄系細胞)からの1つ以上のサイトカインの産生の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のサイトカインとしては、限定はされないが、IFN-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-13、IL-18、TNFα、及びGM-CSFが挙げられる。一部の実施形態において、1つ以上のサイトカインは、IL-2、IFN-γ、TNFα、及びGM-CSFからなる群から選択される1つ以上である。一部の実施形態において、サイトカインはケモカインである。一部の実施形態において、1つ以上のケモカインとしては、限定はされないが、IP-10、エオタキシン、GROα、RANTES、MIP-1α、MIP-1β、MIP-2、MCP-1、及びMCP-3が挙げられる。一部の実施形態において、T細胞活性化の増加は、1つ以上のT細胞活性化マーカーの細胞表面発現の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のT細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD25、CD44、CD62L、CD69、CD152(CTLA4)、CD154、CD137、及びCD279が挙げられる。一部の実施形態において、1つ以上のT細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD25、CD69、及びCTLA4が挙げられる。一部の実施形態において、T細胞活性化マーカーは、CD25及び/又はCD69である。一部の実施形態において、T細胞は、抗CD3抗体と接触した状態にあったか、又はその状態にある。一部の実施形態において、T細胞は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体と接触した状態にあったか、又はその状態にある。
[0227] 単離修飾免疫細胞の一部の実施形態において、修飾免疫細胞はNK細胞であり、NK細胞は、NK細胞活性化の増加を呈する。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、1つ以上のサイトカイン(例えば、IFN-γ、TNFα、及び/又はMIP-1β)の分泌の増加を含む。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、1つ以上のNK細胞活性化マーカー(例えば、CD69及び/又はCD107a)の細胞表面発現の増加を含む。
[0228] 単離修飾免疫細胞の一部の実施形態において、修飾免疫細胞はB細胞であり、B細胞は、B細胞活性化の増加を呈する。一部の実施形態において、B細胞活性化の増加は、1つ以上のB細胞活性化マーカー(例えば、CD69、CD86、及び/又はHLA-DR)の細胞表面発現の増加を含む。
[0229] 本明細書に提供される方法又は修飾免疫細胞の任意の実施形態の一部において、免疫細胞又は修飾免疫細胞は哺乳類細胞(例えば、ヒト細胞)である。一部の実施形態において、免疫細胞又は修飾免疫細胞はヒト細胞である。
[0230] 一部の態様において、インキュベーションは、米国特許第6,040,177号;Klebanoff et al., J Immunother., 35: 651-660, 2012;Terakura et al., Blood, 119: 72-82, 2012;及びWang et al., J Immunother., 35:689-701, 2012に記載されるものなどの技法に従い行われる。
[0231] 本明細書に提供される修飾されることになる免疫細胞又は修飾免疫細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)など、組換えキメラ受容体を発現するように操作することができる。一部の実施形態において、CARは、そのN末端からC末端に、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内共刺激ドメイン、及び活性化細胞質シグナル伝達ドメインを含む。一部の実施形態において、CARは、そのN末端からC末端に、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、及び活性化細胞質シグナル伝達ドメインを含む。免疫細胞は、本明細書に提供されるCbl-b阻害薬との接触前、接触中、又は接触後に、組換えキメラ受容体(例えば、CAR)を発現するように操作することができる。一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞は、T細胞(例えば、CD4+T細胞又はCD8+T細胞)である。更なる実施形態において、T細胞は、CARなどの組換えキメラ受容体を含む。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、修飾されたT細胞(例えば、CD4+T細胞又はCD8+T細胞)である。更なる実施形態において、修飾されたT細胞は、CARなどの組換えキメラ受容体を含む。組換えキメラ受容体を発現する免疫細胞の作製方法は、組換えキメラ受容体(例えば、CAR)をコードする核酸をベクター(例えば、ウイルスベクター)によって免疫細胞(例えば、T細胞)に導入することによるなど、当該技術分野において周知である。例えば、国際公開第2017/096329号及び米国特許出願公開第2017/0204372号を参照されたい。
[0232] 詳細には、本開示は、拡大リンパ球集団を作製する方法であって、(a)癌を有する個体からリンパ球を含む生体試料を入手することであって、個体が、単剤治療として、又は併用治療の一部として有効量のCbl-b阻害薬の投与を受けたことがあるか、又は受けているところであること、及び(b)少なくとも1つのT細胞成長因子を含む細胞培養培地でリンパ球を培養して拡大リンパ球集団を作製することを含む方法を提供する。一部の実施形態において、リンパ球は腫瘍浸潤リンパ球(TIL)である。一部の実施形態において、リンパ球は、癌を有する哺乳類対象の腫瘍から単離された、又は単離されるTILである。他の実施形態において、リンパ球は末梢血単核球(PBMC)である。一部の実施形態において、少なくとも1つのT細胞成長因子は、IL-2、IL-7、IL-15、及びIL-21からなる群のうちの1つ以上を含み、任意選択で少なくとも1つのT細胞成長因子はIL-2を含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は、抗CD3抗体、又は抗CD3抗体と抗CD28抗体との両方を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は、Cbl-b阻害薬を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養培地は、照射フィーダー細胞を更に含む。一部の実施形態において、個体はヒト患者である。また、本明細書には、前述の方法によって作製された拡大TIL集団と、生理学的に許容可能な緩衝液とを含む組成物も提供される。
[0233] 一部の実施形態において、修飾されることになる免疫細胞又は修飾された免疫細胞(即ち、修飾免疫細胞)の単離及び処理方法は、単離、インキュベーション(例えば、Cbl-b阻害薬とのインキュベーション)、及び/又は操作(例えば、免疫細胞への組換えキメラ受容体をコードする核酸の導入)の前又はその後のいずれかに、細胞を凍結する(例えば、凍結保存する)ステップを含む。当該技術分野において公知の種々の凍結溶液及びパラメータを用いることができる。
B.養子細胞治療
[0234] 本明細書に記載される方法によって作製される拡大リンパ球集団などの修飾免疫細胞又はその組成物は、癌を有する個体など、それを必要としている個体の処置方法において、治療剤として使用することができる。かかる処置方法には、養子細胞治療が含まれる。一部の実施形態において、この処置方法は、個体から細胞を単離すること、それを本明細書に記載されるとおり調製、処理、培養、及び/又は操作すること、及びそれを同じ個体に再導入することを、凍結保存の前又はその後に含む。一部の実施形態において、この処置方法は、個体から細胞を単離すること、それを本明細書に記載されるとおり調製、処理、培養、及び/又は操作すること、及びそれを別の個体に再導入することを、凍結保存の前又はその後に含む。
[0235] 従って、一部の態様において、本明細書には、個体の免疫応答を調節する方法であって、それを必要としている個体(例えば、T細胞機能不全障害を有する個体)に有効量の本明細書に記載される修飾免疫細胞又はその組成物を投与することを含む方法が提供される。一部の実施形態において、個体は癌を有する。一部の実施形態において、本明細書には、Cbl-b活性の阻害に応答性の癌を処置する方法であって、Cbl-b活性の阻害に応答性の癌を有する個体に有効量の本明細書に記載される修飾免疫細胞又はその組成物を投与することを含む方法が提供される。一部の実施形態において、本明細書には、異常細胞増殖を阻害する方法であって、有効量の本明細書に記載される修飾免疫細胞又はその組成物をそれを必要としている個体に投与することを含む方法が提供される。用語「異常細胞増殖」は、本明細書で使用されるとき、過形成又は癌細胞増殖を含む。癌細胞は、リンパ腫、白血病、又は骨髄腫などの血液癌に由来し得る。他の実施形態において、癌細胞は、肉腫、癌腫、又は黒色腫などの非血液癌に由来し得る。
[0236] 特定の実施形態において、癌又はT細胞機能不全障害を有する個体など、処置を必要としている個体には、本明細書に提供される修飾免疫細胞を含む組成物が、約100万~約1000億細胞、例えば、100万~約500億細胞などの範囲(例えば、約500万細胞、約2500万細胞、約5億細胞、約10億細胞、約50億細胞、約200億細胞、約300億細胞、約400億細胞、又は前述の値のうちのいずれか2つによって定義される範囲)、例えば、約1000万~約1000億細胞など(例えば、約2000万細胞、約3000万細胞、約4000万細胞、約6000万細胞、約7000万細胞、約8000万細胞、約9000万細胞、約100億細胞、約250億細胞、約500億細胞、約750億細胞、約900億細胞、又は前述の値のうちのいずれか2つによって定義される範囲)、及びある場合には、約1億細胞~約500億細胞(例えば、約1億2000万細胞、約2億5000万細胞、約3億5000万細胞、約4億5000万細胞、約6億5000万細胞、約8億細胞、約9億細胞、約30億細胞、約300億細胞、約450億細胞)又はこれらの範囲の間にある任意の値で投与される。
[0237] 修飾免疫細胞及びその組成物は、標準的な投与技法、製剤、及び/又は装置を用いて投与される。シリンジ及びバイアルなど、組成物の保存及び投与用の製剤及び装置が提供される。修飾免疫細胞を含む製剤又は医薬組成物には、静脈内、腹腔内、皮下、又は筋肉内投与用のものが含まれる。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、非経口的に投与される。本明細書で使用されるとき、用語「非経口」には、限定はされないが、静脈内、筋肉内、皮下、及び腹腔内投与が含まれる。一部の実施形態において、細胞集団は、静脈内、腹腔内、又は皮下注射による末梢全身送達を用いて対象に投与される。修飾免疫細胞の組成物は、滅菌液体製剤、例えば、等張性水溶液、懸濁液、エマルション、分散液、又は粘稠性組成物として提供することができ、これらは、一部の態様では、選択のpHに緩衝されてもよい。粘稠性組成物は、特定の組織との接触時間が長くなるように適切な粘度範囲内に製剤化することができる。液状又は粘稠性組成物は、担体を含むことができ、担体は、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコール)及びこれらの好適な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。滅菌注射用溶液は、滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどの好適な担体、希釈剤、又は賦形剤と混和するなどして、溶媒中に修飾免疫細胞を配合することによって調製し得る。
[0238] 一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、1つ以上の追加の治療剤と共に、又は別の治療介入に関連して、同じ時点で、或いは任意の順序で逐次的に共投与される。例えば、本開示の一部の治療レジメンでは、修飾免疫細胞とCbl-b阻害薬との両方が、それを必要としている哺乳類対象に投与され、ここでCbl-b阻害薬は、式(I)、(I-a)、(I-A)~(I-J)、(II-A)~(II-H)、(II-A-1)~(II-H-1)、(III-A)~(III-H)、(III-A-1)~(III-H-1)、(IV-A)~(IV-J)、又は(IV-C-1)~(IV-J-1)の化合物、又はその任意の変形例である。従って、一部の実施形態において、治療レジメンは、養子細胞治療と化学治療との両方を含む。
[0239] 修飾免疫細胞が個体(例えば、ヒト)に投与された後、当該技術分野において公知の方法によって修飾免疫細胞集団の生物学的活性を測定することができる。判定すべきパラメータとしては、インビボ(例えば、イメージングによる)又はエキソビボ(例えば、ELISA又はフローサイトメトリーによる)での、抗原に対する修飾免疫細胞又は他の免疫細胞の特異的結合が挙げられる。一部の実施形態において、修飾免疫細胞が標的細胞を破壊する能力は、細胞傷害性アッセイを用いて測定することができる(例えば、Kochenderfer et al., J. Immunotherapy, 32: 689-702, 2009;及びHerman et al., J. Immunological Methods, 285: 25-40, 2004を参照されたい)。一部の実施形態において、修飾免疫細胞の生物学的活性はまた、IL-2及びIFNγなど、特定のサイトカインの発現及び/又は分泌をアッセイすることによっても測定し得る。
C.Cbl-b阻害薬の投与
[0240] 一部の態様において、個体における免疫応答の調節、疾患又は病態(例えば、癌及び/又は異常細胞増殖)の処置及び/又はCbl-b活性の阻害のため、Cbl-b阻害薬又はその組成物を個体に直接投与することができる。Cbl-b阻害薬は、表1の化合物、その互変異性体、その立体異性体、又はその薬学的に許容可能な塩であり得る。
[0241] 一部の実施形態において、本明細書には、免疫応答を調節する方法であって、個体の免疫応答を調節するため有効量の本明細書に提供されるCbl-b阻害薬又はその組成物を個体に投与することを含む方法が提供される。一部の実施形態において、個体は、本明細書に記載される血液癌又は非血液癌などの癌を有する。
[0242] 一部の実施形態において、本明細書には、Cbl-b活性の阻害に応答性の癌を処置する方法であって、Cbl-b活性の阻害に応答性の癌を処置するため有効量の本明細書に提供されるCbl-b阻害薬又はその組成物を個体に投与することを含む方法が提供される。一部の実施形態において、癌は、本明細書に記載されるものなどの血液癌又は非血液癌である。
[0243] 一部の実施形態において、本明細書には、異常細胞増殖(例えば、過形成)を阻害する方法であって、個体の異常細胞増殖を阻害するため有効量の本明細書に提供されるCbl-b阻害薬又はその組成物を個体に投与することを含む方法が提供される。
[0244] 一部の実施形態において、本明細書には、Cbl-b活性を阻害する方法であって、個体のCbl-b活性を阻害するため有効量の本明細書に提供されるCbl-b阻害薬又はその組成物を個体に投与することを含む方法が提供される。
[0245] 一部の実施形態では、それを必要としている個体(例えば、T細胞機能不全障害を有する個体)の免疫応答の調節、個体(例えば、癌及び/又は異常細胞増殖を有する個体)の疾患又は病態の処置及び/又は個体のCbl-b活性の阻害などにおいて、活性薬剤の適切な投薬量は、上記に定義するとおりの、処置しようとする病態、疾患、又は障害のタイプ、病態、疾患、又は障害の重症度及び経過、薬剤が予防目的で投与されるのか、それとも治療目的で投与されるのか、先行治療、対象の病歴及びCbl-b阻害薬に対する応答、及び主治医の裁量に依存することになる。
[0246] Cbl-b阻害薬又はその組成物は、好適には、1回で、又は一連の処置にわたって個体に投与される。一部の実施形態において、処置は、Cbl-b阻害薬又はその組成物の複数回の投与を含み、ここで投与間の間隔は様々であり得る。例えば、1回目の投与と2回目の投与との間の間隔が約1ヵ月であり、続く投与間の間隔が約3ヵ月である。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は均一用量で投与される。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、個体の体重を基準とした一定用量(例えば、mg/kg)で個体に投与される。
[0247] 本開示の一部の態様において、癌は血液癌である。例えば、血液癌は、リンパ腫、白血病、又は骨髄腫であり得る。本開示の他の態様において、癌は非血液癌である。詳細には、非血液癌は、癌腫、肉腫、又は黒色腫であり得る。
[0248] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、1つ以上の追加の治療剤と共に、又は別の治療介入に関連して、同じ時点で、或いは任意の順序で逐次的に共投与される。例えば、本開示の一部の治療レジメンでは、Cbl-b阻害薬と修飾免疫細胞との両方が、それを必要としている哺乳類対象に投与され、ここでCbl-b阻害薬は、式(I)、(I-a)、(I-A)~(I-J)、(II-A)~(II-H)、(II-A-1)~(II-H-1)、(III-A)~(III-H)、(III-A-1)~(III-H-1)、(IV-A)~(IV-J)、又は(IV-C-1)~(IV-J-1)の化合物、又はその任意の変形例である。Cbl-b阻害薬は、表1の化合物、その互変異性体、その立体異性体、又はその薬学的に許容可能な塩であり得る。従って、一部の実施形態において、治療レジメンは、養子細胞治療と化学治療との両方を含む。
[0249] 一部の実施形態において、本明細書の方法(例えば、個体の免疫応答を調節する方法)におけるCbl-b阻害薬投与の有効性は、処置下の個体から単離された試料(例えば、血液試料)中に存在する免疫細胞の生物学的活性を測定することによって判定し得る。例えば、細胞傷害性アッセイにおいて、Cbl-b阻害薬による処置後の個体から単離された免疫細胞が標的細胞を破壊する能力を測定して、処置の有効性を判定してもよい。一部の実施形態において、試料(例えば、血液試料)中に存在する免疫細胞の生物学的活性は、IL-2及びIFNγなど、特定のサイトカインの発現及び/又は分泌をアッセイすることにより測定し得る。
[0250] 本開示は、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の追加の治療剤を投与することを含む方法を提供する。また、癌を有する個体を処置する方法であって、個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること;及び個体に有効量の追加の治療剤を投与することを含む方法も提供される。加えて、本開示は、抗癌免疫応答を増加させる方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の追加の治療剤を投与することを含む方法を提供する。更に、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与することを含む方法が提供され、ここで個体は、有効量の追加の治療剤の投与を受けたことがあるか、又は受けているところである。
[0251] 前段落の方法の一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬と追加の治療剤とは、いずれの順序であれ連続的に投与される。本明細書で使用されるとき、用語「連続的に」、「順次に」、及び「逐次的に」は、追加の治療剤後のCbl-b阻害薬の投与、又はCbl-b阻害薬後の追加の治療剤の投与を指す。例えば、連続投与には、導入相(一次治療)の間の追加の治療剤の非存在下におけるCbl-b阻害薬の投与と、それに続く追加の治療剤の投与を含む導入後処置相が関わり得る。本方法は、Cbl-b阻害薬又は追加の治療剤の投与を含む維持相を更に含み得る。或いは、連続投与には、導入相(一次治療)の間のCbl-b阻害薬の非存在下における追加の治療剤の投与と、それに続くCbl-b阻害薬の投与を含む導入後処置相が関わり得る。本方法は、Cbl-b阻害薬又は追加の治療剤の投与を含む維持相を更に含み得る。
[0252] 併用治療法の一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬と追加の治療剤とは同時に投与される。本明細書で使用されるとき、用語「同時に」、「同じ時点で」、及び「並行して」は、同じ来診の間又は同じ処置相の間におけるCbl-b阻害薬と追加の治療剤との投与を指す。例えば、Cbl-b阻害薬及び追加の治療剤の両方が、導入相、処置相、及び維持相のうちの1つ以上の間に投与され得る。しかしながら、同時投与とは、Cbl-b阻害薬と追加の治療剤とが単一の製剤又は医薬組成物中に一緒に存在すること、又はCbl-b阻害薬と追加の治療剤とが正確に同じ時間に投与されることを要求するものではない。
1.Cbl-b阻害薬と免疫チェックポイント阻害薬とを含む併用治療
[0253] 本開示の併用治療法の一部の実施形態において、追加の治療剤は、免疫チェックポイント阻害薬を含む。癌を処置するための本開示の併用治療法の一部の実施形態において、追加の治療剤は、免疫チェックポイント阻害薬を含む。用語「免疫チェックポイント」は、免疫細胞の活性化を防ぐシグナル伝達経路を指し、一方、用語「免疫チェックポイント阻害薬」は、免疫チェックポイントを妨げて免疫細胞の活性化にかかるブレーキを取り除く化合物を指す。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、少なくとも1つの抑制性チェックポイント分子の拮抗薬である。一部の実施形態において、抑制性チェックポイント分子は、PD-1(CD279)、PD-L1(CD274)、CTLA-4(CD125)、LAG3(CD223)、PVR(CD155)、PVRL2(CD112)、PVRL3(CD113)、TIGIT、TIM3(CD366)、及びVISTAからなる群から選択される。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、PD-1(CD279)、PD-L1(CD274)、及びCTLA-4(CD152)からなる群から選択される少なくとも1つの抑制性チェックポイント分子の拮抗薬である。
[0254] PD-1は、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なPD-1拮抗薬としては、癌細胞又は抗原提示細胞上に発現するPD-L1が、リンパ球(T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)上に発現するPD-1に結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。PD-1及びそのリガンドの別称又は同義語には、PD-1に対するCD279、PDCD1、PD1、及びSLEB2;及びプログラム細胞死1リガンド1(PD-L1)に対するCD274、PDCD1L1、PDL1、B7H1、B7-4、及びB7-Hが含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、PD-1拮抗薬は、ヒトPD-L1がヒトPD-1に結合するのを遮断する。成熟形態のヒトPD-1のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_005009に残基21~288として掲載されている。成熟形態のヒトPD-L1のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_054862に残基19~290として掲載されている。
[0255] CTLA-4は、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なCTLA-4拮抗薬としては、リンパ球(T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)上に発現するCTLA-4が、抗原提示細胞上に発現するリガンド(CD80及び/又はCD86)に結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。CTLA-4の別称又は同義語には、CD152、CTLA4、ALPS5、CELIAC3、GRD4、GSE、及びIDDM12が含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、CTLA-4拮抗薬は、ヒトCTLA-4がヒトリガンドに結合するのを遮断する。成熟形態のヒトCTLA-4のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_005205に残基36~223として掲載されている。
[0256] LAG3は、リンパ球活性化遺伝子3タンパク質を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なLAG3拮抗薬としては、リンパ球(T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)上に発現するLAG3が、抗原提示細胞上に発現するリガンド(MHCクラスII)に結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。LAG3は、別名CD223である。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、LAG3拮抗薬は、ヒトLAG3がヒトリガンドに結合するのを遮断する。成熟形態のヒトLAG3のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_002277に残基23~525として掲載されている。
[0257] PVRは、ポリオウイルス受容体を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なPVR拮抗薬としては、癌細胞又は抗原提示細胞上に発現するPVRが、リンパ球(T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)上に発現するTIGITに結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。PVRの別称又は同義語には、CD155、PVS、HVED、NECL5、ネクチン様タンパク質5、及びTAGE4が含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、PVR拮抗薬は、ヒトPVRがヒトTIGITに結合するのを遮断する。ヒトPVRには複数のアイソフォームがある。ヒトPVRのαアイソフォームのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_006496に掲載されている。ヒトPVRのβアイソフォームのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_001129240に掲載されている。ヒトPVRのγアイソフォームのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_001129241に掲載されている。ヒトPVRのδアイソフォームのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_001129242に掲載されている。
[0258] PVRL2は、ポリオウイルス受容体関連2を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なPVRL2拮抗薬としては、癌細胞又は抗原提示細胞上に発現するPVRL2が、リンパ球(T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)上に発現するTIGITに結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。PVRL2の別称又は同義語には、CD112、NECTIN2、HVEB、ヘルペスウイルス侵入メディエーターB、PRR2、及びPVRR2が含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、PVRL2拮抗薬は、ヒトPVRL2がヒトTIGITに結合するのを遮断する。ヒトPVRL2のαアイソフォームのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_002847に掲載されている。ヒトPVRL2のδアイソフォームのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_001036189に掲載されている。
[0259] PVRL3は、ポリオウイルス受容体関連3を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なPVRL3拮抗薬としては、癌細胞又は抗原提示細胞上に発現するPVRL3が、リンパ球(T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)上に発現するTIGITに結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。PVRL3の別称又は同義語には、CD113、NECTIN3、PRR3、及びPVRR3が含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、PVRL3拮抗薬は、ヒトPVRL3がヒトTIGITに結合するのを遮断する。ヒトPVRL3のアイソフォーム1のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_056295に掲載されている。ヒトPVRL3のアイソフォーム2のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_001230215に掲載されている。ヒトPVRL3のアイソフォーム3のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_001230217に掲載されている。
[0260] TIGITは、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体タンパク質を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なTIGIT拮抗薬としては、リンパ球(T細胞、B細胞、又はNK細胞)上に発現するTIGITが、癌細胞又は抗原提示細胞上に発現するリガンド(CD112、CD113、及び/又はCD155)に結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。TIGITの別称又は同義語には、VSIG9、V-set及び免疫グロブリンドメイン含有9、VSTM3、V-set及び膜貫通ドメイン含有3、及びワシントン大学細胞接着分子(WUCAM)が含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、TIGIT拮抗薬は、ヒトTIGITがヒトリガンドに結合するのを遮断する。成熟形態のヒトTIGITのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_776160に残基22~244として掲載されている。
[0261] TIM3は、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン含有3タンパク質を指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なTIM3拮抗薬としては、リンパ球(T細胞、B細胞、又はNK細胞)上に発現するTIM3が、抗原提示細胞上に発現するリガンド(ガレクチン-9ホスファチジルセリン)に結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。TIM3の別称又は同義語には、CD366、HAVCR2、A型肝炎ウイルス細胞受容体2、KIM3、及びSPTCLが含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、TIM3拮抗薬は、ヒトTIM3がヒトリガンドに結合するのを遮断する。成熟形態のヒトTIM3のアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_116171に残基22~301として掲載されている。
[0262] VISTAは、V-ドメインIg T細胞活性化サプレッサーを指す。本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適なVISTA拮抗薬としては、リンパ球(T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)上に発現するVISTAが、癌細胞又は抗原提示細胞上に発現するリガンドに結合するのを遮断する任意の化学的化合物又は生物学的分子が挙げられる。VISTAの別称又は同義語には、VSIR、V-set免疫調節受容体、PD-1H、B7H5、GI24、PP2135、SISP1、及びDies1が含まれる。ヒト対象が処置下にある一部の実施形態において、VISTA拮抗薬は、ヒトVISTAがヒトリガンドに結合するのを遮断する。成熟形態のヒトVISTAのアミノ酸配列は、NCBI遺伝子座番号NP_071436に残基33~311として掲載されている。
[0263] 免疫チェックポイント阻害薬は、生物学的分子であってもよい。例えば、免疫チェックポイント阻害薬は、抗体又はその抗原結合断片を含み得る。抗体又は断片は、モノクローナル抗体(mAb)、例えば、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体であってもよく、ヒト定常領域を含み得る。一部の実施形態において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4定常領域からなる群から選択され、特定の実施形態では、ヒト定常領域はIgG1又はIgG4定常領域である。一部の実施形態において、抗体又は断片は二重特異性抗体である。一部の実施形態において、抗原結合断片は、Fab、Fab’-SH、F(ab’)2、scFv、及びFv断片からなる群のうちの1つを含む。
[0264] 一部の実施形態において、少なくとも1つの抑制性チェックポイント分子は、PD-1を含む。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、セミプリマブ、及びそのバイオシミラーからなる群から選択される。一実施形態において、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブ(Merck & Co.によりKEYTRUDA(登録商標)として市販されているMK-3475)である。一実施形態において、抗PD-1抗体は、ニボルマブ(BMS-936558又はMDX-1106、Bristol-Myers SquibbによりOPDIVO(登録商標)として市販されている)である。一実施形態において、抗PD-1抗体は、セミプリマブ(REGN2810、Regeneron)である。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、ペンブロリズマブ、ニボルマブ、又はセミプリマブの変異体である。
[0265] 一部の実施形態において、少なくとも1つの抑制性チェックポイント分子は、PD-L1を含む。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、アテゾリズマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、及びそのバイオシミラーからなる群から選択される。一実施形態において、抗PD-L1抗体は、アテゾリズマブ(Genentech, Inc.によりTECENTRIQ(登録商標)として市販されている)である。一実施形態において、抗PD-L1抗体は、アベルマブ(EMD Serono, Inc.及びPfizer, Inc.によりBAVENCIO(登録商標)として市販されている)である。一実施形態において、抗PD-L1抗体は、デュルバルマブ(AstraZenecaによりIMFINZI(登録商標)として市販されているMEDI4736)である。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、アテゾリズマブ、アベルマブ、又はデュルバルマブの変異体である。
[0266] 一部の実施形態において、少なくとも1つの抑制性チェックポイント分子は、CTLA-4である。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、イピリムマブ、トレメリムマブ、及びそのバイオシミラーからなる群から選択される。一実施形態において、抗CTLA4抗体は、イピリムマブ(MDX-010又はBMS-734016、Bristol-Myers SquibbによりYERVOY(登録商標)として市販されている)である。一実施形態において、抗CTLA4抗体は、トレメリムマブ(AstraZenecaによって開発されたチシリムマブ、CP-675,206)である。一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、イピリムマブ、又はトレメリムマブの変異体である。
[0267] 一部の実施形態において、モノクローナル抗体は、軽鎖CDRの外側にある位置に3、2、又は1個の保存的アミノ酸置換を有し、及び/又は重鎖CDRの外側にある位置に6、5、4、3、2、又は1個の保存的アミノ酸置換を有することを除き(例えば、変異体位置は、フレームワーク領域又は定常領域に位置する)、「参照」抗体にあるものと同一の重鎖及び軽鎖配列を含む「変異体」抗体である。換言すれば、参照抗体と変異体抗体とは、同一のCDR配列を含むが、それぞれ、その完全長軽鎖及び重鎖配列中の3個以下又は6個以下の他の位置に保存的アミノ酸置換を有するため、互いに異なる。変異体抗体は、以下の特性:抑制性チェックポイント分子に対する結合親和性及び抑制性チェックポイント分子のそのリガンドへの結合を遮断する能力の点では参照抗体と実質的に同じである。
[0268] 他の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、免疫グロブリン分子のFc領域などの定常領域に融合した、そのリガンドのうちの1つの抑制性チェックポイント分子結合ドメインを含むイムノアドヘシンを含み得る。
[0269] 本明細書で使用されるとき、用語「バイオシミラー」は、類似しているが、連邦医薬品局(Federal Drug Administration)(FDA)が承認した先発製剤と安全性及び有効性の点で臨床的に有意味な違いのないバイオ製剤を指す。例えば、バイオシミラー製剤と先発製剤との間には、臨床的に不活性な成分の点で違い(例えば、製剤の賦形剤の違い、グリコシル化の僅かな違い等)があり得る。臨床的に有意味な特性は、薬物動態学的及び薬力学的研究を通じて判定することができる。一部の実施形態において、バイオシミラー製剤は、FDAが決定するとき互換性のある製剤である。
2.Cbl-b阻害薬と抗新生物剤とを含む併用治療
[0270] 本開示の併用治療法の一部の実施形態において、追加の治療剤は、抗新生物剤を含む。癌を処置するための本明細書における併用治療法の一部の実施形態において、追加の治療剤は、抗新生物剤を含む。本明細書で使用されるとき、用語「抗新生物剤(anti-neoplastic agent)」及び「抗新生物剤(antineoplastic agent)」は、世界保健機関(World Health Organization)によって開発された解剖治療化学分類法(Anatomical Therapeutic Chemical Classification System:ATC)コードL01に基づき分類される治療剤を指す。一部の実施形態において、抗新生物剤は、細胞傷害性抗生物質(ATCコードL01D)、植物性アルカロイド(ATCコードL01C)、代謝拮抗薬(ATCコードL01B)、アルキル化剤(ATCコードL01A)、及び他の抗新生物剤(ATCコードL01X)からなる群のうちの1つに分類される。一部の実施形態において、抗新生物剤は、生物学的分子とは対照的に、小分子薬物(例えば、癌化学治療剤)である。
[0271] 細胞傷害性抗生物質は、本開示の処置方法、医薬品及び使用に好適な抗新生物剤である。一部の実施形態において、細胞傷害性抗生物質は、イクサベピロン、マイトマイシン、プリカマイシン、ブレオマイシン、ピクサントロン、アムルビシン、バルルビシン、ピラルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ゾルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、及びダクチノマイシンからなる群から選択される。
[0272] 植物性アルカロイドは、本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適な抗新生物剤である。一部の実施形態において、植物性アルカロイドは、トラベクテジン、カバジタキセル、パクリタキセルポリグルメックス、ドセタキセル、パクリタキセル、デメコルシン、テニポシド、エトポシド、ビンタフォリド、ビンフルニン、ビノレルビン、ビンデシン、ビンクリスチン、及びビンブラスチンからなる群から選択される。
[0273] 代謝拮抗薬は、本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適な抗新生物剤である。一部の実施形態において、代謝拮抗薬は、ピリミジン類似体、プリン類似体、又は葉酸類似体である。一部の実施形態において、代謝拮抗薬は、フロクスウリジン、トリフルリジン、テガフール、フルオロウラシル、デシタビン、アザシチジン、カペシタビン、ゲムシタビン、カルモフール、テガフール、フルオロウラシル、シタラビン、ネララビン、クロファラビン、フルダラビン、クラドリビン、チオグアニン、メルカプトプリン、プララトレキサート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、及びメトトレキサートからなる群から選択される。
[0274] アルキル化剤は、本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適な抗新生物剤である。一部の実施形態において、アルキル化剤は、ダカルバジン、テモゾロミド、ピポブロマン、ミトブロニトール、エトグルシド、ウラシルマスタード、ラニムスチン、ニムスチン、フォテムスチン、ストレプトゾシン、セムスチン、ロムスチン、カルムスチン、カルボコン、トリアジコン、チオテパ、マンノスルファン、トレオスルファン、ブスルファン、ベンダムスチン、プレドニムスチン、トロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、及びシクロホスファミドからなる群から選択される。
[0275] 他の実施形態において、抗新生物剤は、白金化合物(ATCコードL01XA)、メチルヒドラジン(ATCコードL01XB)、増感剤(ATCコードL01XD)、プロテインキナーゼ阻害薬(ATCコードL01XE)、及び他の薬剤(ATCコードL01XA)からなる群から選択される他の抗新生物剤を含む。
[0276] 白金化合物は、本開示の処置方法、医薬品、及び使用に好適な抗新生物剤である。一部の実施形態において、白金化合物は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、及びポリプラチレンからなる群から選択される。
3.Cbl-b阻害薬と放射線治療とを含む併用治療
[0277] 本開示は、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の放射線治療を投与することを含む方法を提供する。また、癌を有する個体を処置する方法であって、個体に有効量のCbl-bを投与すること、及び個体に有効量の放射線治療を投与することを含む方法も提供される。加えて、本開示は、抗癌免疫応答を増加させる方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の放射線治療を投与することを含む方法を提供する。更に、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与することを含む方法が提供され、ここで個体は、有効量の放射線治療の投与を受けたことがあるか、又は受けているところである。
[0278] 一部の実施形態において、放射線治療は、外部ビーム放射線治療である。他の実施形態において、放射線治療は、内部放射線治療である。一部の実施形態において、放射線治療は、アブレーション放射線治療である。
[0279] 一部の実施形態において、本開示の併用治療レジメンは、Cbl-b阻害薬、放射線治療、及び免疫チェックポイント阻害薬と抗新生物剤との一方又は両方の投与を含む。
[0280] 本明細書には、癌の処置方法であって、癌を有する個体に、有効量のCbl-b阻害薬と、有効量の癌ワクチンとを含む併用治療を投与することを含む方法が提供される。また、癌を処置するための癌ワクチンと組み合わせた使用のためのCbl-b阻害薬を含む医薬品、及び癌の処置における使用のためのCbl-b阻害薬と癌ワクチンとの両方を含む医薬品も提供される。更に、癌ワクチンと組み合わせて投与されるとき個体の癌を処置するための医薬品の製造におけるCbl-b阻害薬の使用が提供される。更に、癌を処置するための1つ又は複数の医薬品の製造におけるCbl-b阻害薬及び癌ワクチンの使用が提供される。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は「小分子」である。
[0281] また、本明細書には、癌の処置方法であって、癌を有する個体に、有効量のCbl-b阻害薬と、有効量の腫瘍溶解性ウイルスとを含む併用治療を投与することを含む方法も提供される。また、癌を処置するための腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせた使用のためのCbl-b阻害薬を含む医薬品、及び癌の処置における使用のためのCbl-b阻害薬と腫瘍溶解性ウイルスとの両方を含む医薬品も提供される。更に、腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせて投与されるとき個体の癌を処置するための医薬品の製造におけるCbl-b阻害薬の使用が提供される。更に、癌を処置するための1つ又は複数の医薬品の製造におけるCbl-b阻害薬及び腫瘍溶解性ウイルスの使用が提供される。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は「小分子」である。
[0282] 本開示の処置方法、医薬品及び使用の一部の実施形態において、癌は、リンパ腫、白血病又は骨髄腫などの血液癌である。本開示の処置方法、医薬品及び使用の他の実施形態において、癌は、肉腫、癌腫、又は黒色腫などの非血液癌である。
[0283] 血液癌としては、B細胞急性リンパ性白血病(「BALL」)、T細胞急性リンパ性白血病(「TALL」)、急性リンパ性白血病(ALL)などの1つ以上の白血病;限定はされないが、慢性骨髄球性白血病(CML)及び慢性リンパ球性白血病(CLL)を含めた1つ以上の慢性白血病;限定はされないが、B細胞前リンパ球性白血病、芽球性形質細胞様樹状細胞新生物、バーキットリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、ヘアリー細胞白血病、小細胞型又は大細胞型濾胞性リンパ腫、悪性リンパ球増殖性病態、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁層リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄形成異常及び骨髄異形成症候群、非ホジキンリンパ腫、形質芽球性リンパ腫、形質細胞様樹状細胞新生物、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、及び骨髄性血球細胞の無効な産生(又は異形成)によってまとめられる一群の多様な血液学的病態である「前白血病」を含めた更なる血液癌又は血液学的病態が挙げられるがこれらに限定されない。
[0284] 非血液癌としては、神経芽細胞腫、腎細胞癌、結腸癌、結腸直腸癌、乳癌、扁平上皮癌、黒色腫、胃癌、脳癌、肺癌(例えば、NSCLC)、膵癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、前立腺癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌、副腎癌、及び頭頸部癌が挙げられるがこれらに限定されない。
[0285] 一部の態様において、癌の処置におけるCbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質又は共刺激要件低減物質の投与の有効性は、腫瘍サイズ又は腫瘍数の減少、及び/又は生存率など、臨床的アウトカムを判定することによって測定される。一部の実施形態において、「癌を処置すること」は、記載されるとおりの固形癌効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:RECIST第1.1版)に基づき処置レジメンに対する患者の奏効を判定することを含む(例えば、Eisenhauer et al., Eur J Cancer, 45:228-247, 2009;及びNishino et al., Am J Roentgenol, 195: 281-289, 2010を参照されたい)。RECIST 1.1に従い客観的抗腫瘍応答を決定する奏効判定基準には、完全奏効(CR);部分奏効(PR);病勢進行(PD);及び病勢安定(SD)が含まれる。
[0286] また、本明細書には、癌の処置方法であって、癌を有する個体に、免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)の活性化閾値を低下させる有効量の薬剤(活性化閾値低減物質)と、有効量の癌ワクチンとを含む併用治療を投与することを含む方法も提供される。また、癌を処置するための癌ワクチンと組み合わせた使用のための活性化閾値低減物質を含む医薬品、及び癌の処置における使用のための活性化閾値低減物質と癌ワクチンとの両方を含む医薬品も提供される。更に、癌ワクチンと組み合わせて投与されるとき個体の癌を処置するための医薬品の製造における活性化閾値低減物質の使用が提供される。更に、癌を処置するための1つ又は複数の医薬品の製造における活性化閾値低減物質及び癌ワクチンの使用が提供される。
[0287] また、本明細書には、癌の処置方法であって、癌を有する個体に、免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)の活性化閾値を低下させる有効量の薬剤(活性化閾値低減物質)と、有効量の腫瘍溶解性ウイルスとを含む併用治療を投与することを含む方法も提供される。また、癌を処置するための腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせた使用のための活性化閾値低減物質を含む医薬品、及び癌の処置における使用のための活性化閾値低減物質と腫瘍溶解性ウイルスとの両方を含む医薬品も提供される。更に、腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせて投与されるとき個体の癌を処置するための医薬品の製造における活性化閾値低減物質の使用が提供される。更に、癌を処置するための1つ又は複数の医薬品の製造における活性化閾値低減物質及び腫瘍溶解性ウイルスの使用が提供される。
[0288] 一部の実施形態において、活性化閾値を低下させる薬剤(活性化閾値低減物質)は、免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、及び/又はNK細胞)の共刺激要件を低減する薬剤(共刺激要件低減物質)である。一部の実施形態において、活性化閾値を低下させる薬剤(活性化閾値低減物質)は、腫瘍免疫監視を促進する薬剤である。一部の実施形態において、活性化閾値を低下させる薬剤(活性化閾値低減物質)は、Cbl-b阻害薬である。一部の実施形態において、共刺激要件を低減する薬剤は、Cbl-b阻害薬である。一部の実施形態において、腫瘍免疫監視を促進する薬剤は、Cbl-b阻害薬である。
[0289] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質は、T細胞活性化及び/又はT細胞増殖を増加させる能力を有する。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質は、T細胞枯渇、T細胞寛容、及び/又はT細胞アネルギーを低下させる能力を有する。
[0290] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質は、T細胞又は活性化したT細胞微小環境にある周囲免疫細胞(例えば、骨髄系細胞)による1つ以上のサイトカインの産生を増加させる能力を有する。一部の実施形態において、1つ以上のサイトカインとしては、限定はされないが、IFN-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-13、IL-18、TNFα、及びGM-CSFが挙げられる。一部の実施形態において、サイトカインは、IL-2、IFN-γ、TNFα、及びGM-CSFのうちの1つ以上である。一部の実施形態において、サイトカインはケモカインである。一部の実施形態において、1つ以上のケモカインとしては、限定はされないが、IP-10、エオタキシン、GROα、RANTES、MIP-1α、MIP-1β、MIP-2、MCP-1、及びMCP-3が挙げられる。サイトカインの発現の増加は、ELISAによって測定することができる。
[0291] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質は、1つ以上のT細胞活性化マーカーの細胞表面発現を増加させる能力を有する。一部の実施形態において、1つ以上のT細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD25、CD44、CD62L、CD69、CD152(CTLA4)、CD154、CD137、及びCD279が挙げられる。一部の実施形態において、T細胞活性化マーカーは、CD25、CD69、及びCTLA4のうちの1つ以上である。細胞表面マーカーの発現の増加は、FACSによって測定することができる。
[0292] T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下を実験的に決定するための方法は、当該技術分野において周知である。一部の実施形態では、T細胞活性化を決定する代表的な方法について、本明細書に提供される生物学的実施例9及び/又は生物学的実施例13を参照することができる。一部の実施形態では、T細胞活性化の増加、T細胞増殖の増加、T細胞枯渇の低下、及び/又はT細胞寛容の低下を決定する代表的なインビトロ及びインビボ方法について、生物学的実施例10及び/又は生物学的実施例14を参照することができる。
[0293] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質は、B細胞活性化を増加させる能力を有する。一部の実施形態において、B細胞活性化の増加は、1つ以上のB細胞活性化マーカーの細胞表面発現の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のB細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD69、CD86、及びMHCクラスII(例えば、HLA-DR)が挙げられる。一部の実施形態において、B細胞活性化マーカーはCD69である。細胞表面マーカーの発現の増加は、FACSによって測定することができる。一部の実施形態において、B細胞活性化の増加は、ERK、JNK、及びSykによって媒介されるものなど、シグナル伝達経路にあるタンパク質の活性化の増加を含む。タンパク質の活性化の増加は、当該技術分野で利用可能な抗ホスホ抗体など、試薬を用いたタンパク質のリン酸化レベルの測定によって検出することができる。
[0294] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質は、NK細胞活性化を増加させる能力を有する。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、1つ以上のサイトカインの分泌を含む。一部の実施形態において、1つ以上のサイトカインとしては、限定はされないが、IFN-γ、TNFα、及びMIP-1βが挙げられる。サイトカインの発現の増加は、ELISAによって測定することができる。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、1つ以上のNK細胞活性化マーカーの細胞表面発現の増加を含む。一部の実施形態において、1つ以上のNK細胞活性化マーカーとしては、限定はされないが、CD69、及びCD107aが挙げられる。細胞表面マーカーの発現の増加は、FACSによって測定することができる。一部の実施形態において、NK細胞活性化の増加は、原発腫瘍細胞を含めた腫瘍細胞などの標的細胞、及びK562細胞株など、細胞株由来の腫瘍細胞の死滅の増加を含む。
[0295] B細胞活性化及びNK細胞活性化の増加を実験的に決定するための方法は、当該技術分野において周知である。一部の実施形態では、B細胞活性化を決定する代表的な方法について、生物学的実施例10及び/又は生物学的実施例14を参照することができる。一部の実施形態では、NK細胞活性化を決定する代表的な方法について、生物学的実施例10及び/又は生物学的実施例14を参照することができる。
[0296] T細胞、B細胞、又はNK細胞などの免疫細胞の活性の調節は、目的のパラメータ(例えば、サイトカイン分泌)のベースライン値を決定することにより測定し得る。例えば、細胞をCbl-b阻害薬と接触させるインビトロ実験から入手された試料などでは、T細胞活性化は、前記Cbl-b阻害薬と接触させる前又はそれを投与する前に測定してベースライン値を決定することができる。次に前記Cbl-b阻害薬と接触させた後又はそれを投与した後のT細胞活性化について、参照値を入手する。参照値をベースライン値と比較すると、Cbl-b阻害薬又はその組成物の接触又は投与に起因するT細胞活性化の量が決まる。例えば、一部の実施形態において、免疫細胞(例えば、T細胞)活性化は、ベースライン値と比較したとき試料中で少なくとも0.1倍だけ増加し、ここでベースライン値は、免疫細胞(例えば、T細胞)をCbl-b阻害薬又はその組成物と接触させる前に入手される。一部の実施形態において、免疫細胞(例えば、T細胞)活性化は、ベースライン値の約0.1倍、約0.2倍、約0.3倍、約0.4倍、約0.5倍、約0.6倍、約0.7倍、約0.8倍、約0.9倍、約1倍、約2倍、約4倍、約6倍、約8倍、約10倍、約20倍、約30倍以上約50倍以下だけ増加する。免疫細胞活性化は、サイトカイン分泌の増加、活性化マーカー(例えば、細胞表面マーカー)の細胞表面発現の増加、又は下流シグナル伝達経路にあるタンパク質のリン酸化の増加など、活性化の生物学的マーカーを測定することにより判定し得る。試験下のパラメータ及び免疫細胞が処置された条件について、免疫細胞活性化の指標となるベースライン値に対する倍数を決定することができる。例えば、T細胞活性化の測定のため、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートされない細胞からベースライン値を入手することができる。次に、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞であって、Cbl-b阻害薬と接触した状態にあったか、又はその状態にあるT細胞から参照値を入手する。次に、入手された参照値により、免疫細胞活性化の陽性応答を決定することができる。同様の参照値測定値を入手してベースライン値と比較することにより、T細胞活性化、T細胞増殖、T細胞枯渇、T細胞寛容、B細胞活性化及び/又はNK細胞活性化を判定することができる。これらのパラメータの測定値は、当該技術分野において周知の技法、並びに生物学的実施例9、10、13、及び14に提供される技法を利用して入手することができる。
[0297] 用語「ベースライン」又は「ベースライン値」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に開示されるとおりの治療剤(例えば、本明細書に記載されるとおりのCbl-b阻害薬を含む組成物)の投与前又は治療剤の投与開始時における測定値又は特性を指し得る。ベースライン値を参照値と比較することにより、免疫細胞機能の増加又は減少(例えば、T細胞活性化を増加させること、T細胞増殖を増加させること、T細胞枯渇を低下させること、及び/又はT細胞寛容を低下させること)を決定し得る。用語「参照」又は「参照値」は、本明細書で使用されるとき、本明細書に開示されるとおりの治療剤(例えば、本明細書に記載されるとおりのCbl-b阻害薬を含む組成物)の投与後における測定値又は特性を指し得る。参照値は、実験時間経過中、投薬量レジメン中、若しくは処置サイクル中に1回以上、又は実験時間経過、投薬量レジメン、若しくは処置サイクルの完了時に測定することができる。「参照値」は、絶対値、相対値、上限及び/又は下限のある値、値の範囲、算術平均値、中央値、平均値、又はベースライン値と比較したときの値であってもよい。同様に、「ベースライン値」は、絶対値、相対値、上限及び/又は下限のある値、値の範囲、算術平均値、中央値、平均値、又は参照値と比較したときの値であってもよい。参照値及び/又はベースライン値は、1つの試料(例えば、ある個体から入手された1つの試料)、2つの異なる試料(例えば、異なる2個体から入手された試料)又は一群の試料(例えば、2、3、4、5個体又はそれ以上の群から入手された試料)から入手することができる。
[0298] 一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞によるサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞から入手されたサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)についてのベースライン値の少なくとも2.5倍である。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞による表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体で刺激したT細胞から入手された表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)についてのベースライン値の少なくとも1.3倍である。一部の実施形態において、ベースライン値は、抗CD3抗体単独で刺激したT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートされない細胞から入手することができる。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞によるサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞から入手されたサイトカイン分泌(例えば、IL-2分泌)についてのベースライン値の少なくとも0.1倍である。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬の存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞による表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)によって測定したときのT細胞活性化に関する陽性応答は、Cbl-b阻害薬の非存在下で抗CD3抗体単独で刺激したT細胞から入手された表面マーカー発現(例えば、CD25表面マーカー染色)についてのベースライン値の少なくとも0.6倍である。
[0299] 本開示は、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の癌ワクチンを投与することを含む方法を提供する。また、癌を有する個体を処置する方法であって、個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること;及び個体に有効量の癌ワクチンを投与することを含む方法も提供される。加えて、本開示は、抗癌免疫応答を増加させる方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の癌ワクチンを投与することを含む方法を提供する。更に、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与することを含む方法が提供され、ここで個体は、有効量の癌ワクチンの投与を受けたことがあるか、又は受けているところである。
[0300] 加えて、本開示は、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを投与することを含む方法を提供する。また、癌を有する個体を処置する方法であって、個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること;及び個体に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを投与することを含む方法も提供される。加えて、本開示は、抗癌免疫応答を増加させる方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与すること、及び個体に有効量の腫瘍溶解性ウイルスを投与することを含む方法を提供する。更に、癌を処置する方法であって、癌を有する個体に有効量のCbl-b阻害薬を投与することを含む方法が提供され、ここで個体は、有効量の腫瘍溶解性ウイルスの投与を受けたことがあるか、又は受けているところである。
[0301] 前段落の方法の一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬と癌ワクチンとは、いずれの順序であれ連続的に投与される。特定の実施形態において、本明細書で使用されるとき、用語「連続的に」、「順次」、及び「逐次的に」は、癌ワクチン後のCbl-b阻害薬の投与、又はCbl-b阻害薬後の癌ワクチンの投与を指す。例えば、連続投与には、導入相(一次治療)の間の癌ワクチンの非存在下におけるCbl-b阻害薬の投与と、それに続く癌ワクチンとCbl-b阻害薬との両方の投与を含む導入後処置相が関わり得る。本方法は、Cbl-b阻害薬の投与又は更なる用量の癌ワクチンの投与を含む維持相を更に含み得る。或いは、連続投与には、導入相(一次治療)の間のCbl-b阻害薬の非存在下における癌ワクチンの投与と、それに続くCbl-b阻害薬の投与を含む導入後処置相が関わり得る。本方法は、Cbl-b阻害薬又は更なる用量の癌ワクチンの投与を含む維持相を更に含み得る。
[0302] 前段落の方法の一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬と腫瘍溶解性ウイルスとは、いずれの順序であれ連続的に投与される。特定の実施形態において、本明細書で使用されるとき、用語「連続的に」、「順次」、及び「逐次的に」は、腫瘍溶解性ウイルス後のCbl-b阻害薬の投与、又はCbl-b阻害薬後の腫瘍溶解性ウイルスの投与を指す。例えば、連続投与には、導入相(一次治療)の間の腫瘍溶解性ウイルスの非存在下におけるCbl-b阻害薬の投与と、それに続く腫瘍溶解性ウイルスとCbl-b阻害薬との両方の投与を含む導入後処置相が関わり得る。本方法は、Cbl-b阻害薬の投与又は更なる用量の腫瘍溶解性ウイルスの投与を含む維持相を更に含み得る。或いは、連続投与には、導入相(一次治療)の間のCbl-b阻害薬の非存在下における腫瘍溶解性ウイルスの投与と、それに続くCbl-b阻害薬の投与を含む導入後処置相が関わり得る。本方法は、Cbl-b阻害薬又は更なる用量の腫瘍溶解性ウイルスの投与を含む維持相を更に含み得る。
[0303] 併用治療法の一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬と癌ワクチンとは同時に投与される。特定の実施形態において、本明細書で使用されるとき、用語「同時に」、「同じ時点で」、及び「並行して」は、同じ来診の間又は同じ処置相の間におけるCbl-b阻害薬と癌ワクチンとの投与を指す。例えば、Cbl-b阻害薬及び癌ワクチンの両方が、導入相、処置相、及び維持相のうちの1つ以上の間に投与され得る。しかしながら、同時投与とは、Cbl-b阻害薬と癌ワクチンとが単一の製剤又は医薬組成物中に一緒に存在すること、又はCbl-b阻害薬と癌ワクチンとが正確に同じ時間に投与されることを要求するものではない。
[0304] 併用治療法の一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬と腫瘍溶解性ウイルスとは同時に投与される。特定の実施形態において、本明細書で使用されるとき、用語「同時に」、「同じ時点で」、及び「並行して」は、同じ来診の間又は同じ処置相の間におけるCbl-b阻害薬と腫瘍溶解性ウイルスとの投与を指す。例えば、Cbl-b阻害薬及び腫瘍溶解性ウイルスの両方が、導入相、処置相、及び維持相のうちの1つ以上の間に投与され得る。しかしながら、同時投与とは、Cbl-b阻害薬と腫瘍溶解性ウイルスとが単一の製剤又は医薬組成物中に一緒に存在すること、又はCbl-b阻害薬と腫瘍溶解性ウイルスとが正確に同じ時間に投与されることを要求するものではない。
[0305] 一部の態様において、処置は、Cbl-b阻害薬又はその組成物の複数回の投与を含み、ここで投与間の間隔は様々であり得る。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、個体に対して均一用量(例えば、mg/成人又はmg/小児)で投与される。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬は、個体の体重を基準とした一定用量(例えば、mg/kg)で個体に投与される。
[0306] 一部の実施形態において、本明細書に開示される併用治療の有効性は、処置下の個体から単離された試料中に存在する免疫細胞の生物学的活性を測定することによって判定し得る。例えば、細胞傷害性アッセイを用いた、処置後の個体から単離される免疫細胞が標的細胞を破壊する能力を用いて、処置の有効性を判定することができる。一部の実施形態において、試料中に存在する免疫細胞の生物学的活性は、IL-2及びIFNγなど、特定のサイトカインの発現及び/又は分泌をアッセイすることにより測定し得る。
[0307] 用語「癌ワクチン」は、本明細書で使用されるとき、特に指定されない限り、癌を有する個体に癌の処置(及び任意選択で癌の再発の予防)を目的として投与されることになる「治療用癌ワクチン」を指す。対照的に、「予防用癌ワクチン」(予防法的癌ワクチン)は、癌を有しない個体に癌の予防又は個体の癌発症リスクの低減を目的として投与されることになる。予防用癌ワクチンの例は、扁平上皮癌の予防用のヒトパピローマウイルスワクチン及び肝細胞癌の予防用のB型肝炎ウイルスワクチンである。癌ワクチンは、薬学的に許容可能な賦形剤、及び腫瘍特異抗原又は腫瘍関連抗原などの少なくとも1つの腫瘍抗原を含む免疫原性組成物である。
[0308] 本明細書で使用されるとき、用語「腫瘍溶解性ウイルス」及び「OV」は、癌細胞に感染して、それを死滅させるウイルスを指す。癌細胞死は、直接的な細胞溶解と、抗腫瘍免疫の誘導との両方の結果である。一部の実施形態において、「腫瘍溶解性ウイルス」は複製コンピテントウイルスであり、これは癌細胞で選択的に複製するものである。他の実施形態において、「腫瘍溶解性ウイルス」は複製欠損ウイルスであり、これは腫瘍溶解性ウイルスの遺伝子操作又は不活性化(例えば、紫外線照射又は加熱)のいずれかの結果として癌細胞で複製しないものである。
[0309] 一部の実施形態において、腫瘍抗原は、同じタイプの多くの癌に共通する「共通腫瘍抗原」を含む。共通腫瘍抗原の非限定的な例は、乳癌抗原HER2、前立腺癌抗原PAP及びPSA、及び黒色腫抗原MART-1及びMAGEである。他の実施形態において、腫瘍抗原は、腫瘍特異的DNA改変(例えば、体細胞突然変異)の結果として生じる「ネオ抗原」を含む。このように、ネオ抗原は、典型的には、正常な哺乳類ゲノムに存在しないアミノ酸配列を有する(Schumacher and Schreiber, Science, 348: 69-74, 2015)。ネオ抗原の非限定的な例は、BRAF V600E、KRAS G12D、KRAS G12V、PIK3CA H1047R、及びPIC3CA E545Kである。現在、腫瘍特異的ネオ抗原データベース(TSNAdb)が無料公開されている(Wu et al., Genomics Proteomics Bioinformatics 16: 276-282, 2018)。
[0310] Cbl-b阻害薬などの活性化閾値低減物質を含む併用治療の一部としての癌ワクチンに含めるためのネオ抗原の同定には、種々の技法が好適である。例えば、ネオ抗原は、個体から入手された腫瘍生検からのDNAの単離、DNAのシーケンシング、及び配列のコンピューター分析により1つ以上のネオ抗原を同定することを含む方法で同定することができる(Aldous and Dong, Bioorg Med Chem, 26: 2842-2849, 2018)。一部の実施形態において、コンピューター分析には、腫瘍の細胞が発現する少なくとも1つのHLAアレルに結合すると予想される8~11アミノ酸長のペプチドであって、少なくとも1つのミスセンス突然変異を含むペプチドを同定することが関わる(Wu et al., Genomics Proteomics Bioinformatics 16: 276-282, 2018)。癌ワクチンにネオ抗原を含めると、寛容の克服及び自己免疫リスクの低減に有利になるものと思われる。
[0311] 本開示の方法、医薬品、及び使用における使用に好適な癌ワクチンプラットフォームとしては、限定はされないが、合成ペプチド、組換えタンパク質、核酸(DNA又はmRNA)、微生物ベクター、腫瘍細胞、及び抗原提示細胞が挙げられる(例えば、DeMaria and Bilusic, Hematol Oncol Cin North Am, 33: 199-214, 2019;及びMaeng and Berzofsky, F1000Research 2019, 8(F1000 Faculty Rev): 654, 2019を参照されたい)。
[0312] 一部の実施形態において、癌ワクチンの腫瘍抗原は、少なくとも1つの合成ペプチド又は組換えタンパク質を含む。一部の実施形態において、合成ペプチドは少なくとも8アミノ酸長であり、特定の実施形態では、80アミノ酸長未満である。一部の実施形態において、腫瘍抗原は複数の合成ペプチドを含み、又は腫瘍抗原は、2、3個、又はそれ以上のエピトープのアミノ酸配列を含む合成ペプチド又は組換えタンパク質を含む。「エピトープ」は、抗原の中で抗体又はB細胞受容体が結合する一部分であるか、又は腫瘍細胞又は樹状細胞などの細胞の表面上にある主要組織適合遺伝子複合体分子(MHCクラスI又はクラスII)によってT細胞受容体の結合のため提示される一部分である。一部の実施形態において、エピトープは、腫瘍抗原配列の隣接するアミノ酸で構成される「線状エピトープ」である(一次構造)。一部の実施形態において、エピトープは、腫瘍抗原の非隣接アミノ酸で構成される「立体エピトープ」である(三次構造)。一部の実施形態において、腫瘍抗原は、1つ又は複数の線状エピトープと1つ又は複数の立体エピトープとの両方を含む組換えタンパク質を含む。
[0313] 一部の実施形態において、腫瘍抗原は、DNA又はmRNA分子によってコードされる。一部の実施形態において、腫瘍抗原は、微生物ベクターの核酸によってコードされ、又は別の言い方をすれば、癌ワクチンは微生物ベクターを含む。一部の実施形態において、微生物ベクターは、生菌弱毒化微生物ベクターである。一実施形態において、生菌弱毒化微生物ベクターは、Organon USA, Inc.(Roseland, NJ)によって市販されているTICE(登録商標)BCG、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)のカルメット・ゲラン桿菌(BCG)株の生菌培養製剤である。TICE(登録商標)BCGは、連邦医薬品局(Federal Drug Administration)(FDA)によって滅菌生理食塩水(例えば、薬学的に許容可能な賦形剤)で再構成時に膀胱内使用が承認されており、膀胱上皮内癌の処置及び予防、並びに経尿道的切除術後の原発期又は再発期Ta及び/又はT1乳頭腫瘍の予防に適応されている。
[0314] 一部の実施形態において、微生物ベクターは、組換えウイルスベクター又は組換え細菌ベクターなど、組換え微生物ベクターである。本開示の併用治療における使用に好適な組換えウイルスベクターとしては、限定はされないが、レトロウイルス、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ポックスウイルス、及びヘルペスウイルスが挙げられる(Chulpanova et al., Biomedicines, 6: 94, 2018)。一部の実施形態において、微生物ベクターは、組換え細菌ベクターである。本開示の併用治療における使用に好適な組換え細菌ベクターとしては、限定はされないが、クロストリジウム属(Clostridium)(ノービイ菌(C. novyi))、リステリア属(Listeria)(例えば、リステリア菌(L. monocytogenes))、シュードモナス属(Pseudomonas)(例えば、緑膿菌(P. aeruginosa))、及びサルモネラ属(Salmonella)(ネズミチフス菌(S. typhimurium))が挙げられる(Toussant et al., Expert Rev Vaccines, 12: 1139-1154, 2013)。
[0315] 一部の実施形態において、癌ワクチンは、合成ペプチド又は組換えタンパク質などの腫瘍抗原と接触した抗原提示細胞(APC)を含む。一部の実施形態において、APCには、腫瘍抗原をコードする核酸がトランスフェクトされる。一部の実施形態において、APCには、サイトカインをコードする核酸がトランスフェクトされる。一部の実施形態において、APCは、樹状細胞又は間葉系幹細胞を含む。一実施形態において、癌ワクチンは、Dendreon Corp.(Seattle, WA)によって市販されているPROVENGE(登録商標)(シプロイセルT)である。PROVENGE(登録商標)は、乳酸加リンゲル液(例えば、薬学的に許容可能な賦形剤)と、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子に連結された前立腺酸性ホスファターゼからなるPAP-GM-CSF融合タンパク質で活性化された末梢血単核球(PBMC)とを含む。PROVENGE(登録商標)は、連邦医薬品局(Federal Drug Administration)(FDA)によって無症候性又は最小限の症候性の転移性前立腺癌の処置用に静脈内注入が承認されている。
[0316] 一部の実施形態において、癌ワクチンは、死滅腫瘍細胞を含む。一部の実施形態において、癌ワクチンは、腫瘍細胞ライセートを含む。一部の実施形態において、癌ワクチンは、腫瘍細胞ライセートと接触させたAPCを含む。
[0317] 本開示の方法、医薬品及び使用における使用に好適な癌ワクチンのアジュバントとしては、限定はされないが、FDA承認済み認可製剤のアジュバントが挙げられる。詳細には、現行のFDA承認済み認可製剤のアジュバントは、アルミニウム塩、モノホスホリルリピドA、水中油型エマルション(例えば、水中スクアレン型エマルションMF59又はAS03)、サポニン、及びCpGオリゴデオキシヌクレオチドを含む。
[0318] 本開示の方法、医薬品、及び使用における使用に好適な腫瘍溶解性ウイルスとしては、限定はされないが、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルス、鶏痘ウイルス、単純ヘルペスウイルス、マラバウイルス、麻疹ウイルス、粘液腫ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、パルボウイルス、ポリオウイルス、レトロウイルス、レオウイルス、セネカバレーウイルス、セムリキ森林(Semiliki Forest)ウイルス、ワクシニアウイルス、及び水疱性口内炎ウイルスが挙げられる(例えば、Russell and Peng, Chin Clin Oncol, 7: 16, 2018;及びSivanandam et al., Molecular Therapy Oncolytics, 13: 93-106を参照されたい)。
[0319] 一部の実施形態において、腫瘍溶解性ウイルスは、遺伝子操作されていない(非組換えウイルス)。一部の実施形態において、非組換えウイルスは、エコーウイルス(例えば、Rigvir)、ニューカッスル病ウイルス、パルボウイルス、レオウイルス、又はセネカバレーウイルスである。
[0320] 一部の実施形態において、腫瘍溶解性ウイルスは、1つ以上の遺伝子欠失、1つ以上の遺伝子挿入、又は1つ以上の遺伝子欠失及び1つ以上の遺伝子挿入を含むように遺伝子操作された組換えウイルスである。一部の実施形態において、組換えウイルスは、宿主細胞の特異性及び/又は腫瘍細胞の細胞傷害性を改変するように遺伝子操作されている。一部の実施形態において、組換え腫瘍溶解性ウイルスは、宿主細胞の応答(例えば、抗ウイルス応答)を抑制するタンパク質をコードする1つ以上のウイルス遺伝子の機能的欠失、及び/又は宿主細胞の応答(例えば、抗腫瘍応答)を促進するタンパク質をコードする1つ以上のトランス遺伝子の挿入によって遺伝子操作されている(例えば、Guo et al., Frontiers in Immunology, 8: Article 555, 2017;及びLin et al., Oncology Letters, 15: 4053-4060, 2018を参照されたい)。一部の実施形態において、組換えウイルスは、蛍光タンパク質などの検出可能なマーカーをコードするトランス遺伝子の挿入によって更に操作される。望ましい抗腫瘍応答には、自然免疫応答及び適応免疫応答の一方又は両方が含まれる。
[0321] 一部の実施形態において、組換え腫瘍溶解性ウイルスは、組換え型の単純ヘルペスウイルス(HSV)、例えばHSV 1型などである。一実施形態において、組換え腫瘍溶解性ウイルスは、タリモジーン・ラハーパレプベック又はT-VECとしても知られる、Amgen Inc.(Thousand Oaks, CA)によって市販されているIMLYGIC(登録商標)である。IMLYGIC(登録商標)は、ICP34.5及びICP47遺伝子の機能的欠失、並びにヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)をコードする核酸の挿入を含む組換えHSV-1である。IMLYGIC(登録商標)は、連邦医薬品局(Federal Drug Administration)(FDA)によって再発性黒色腫患者の切除不能な皮膚、皮下、及び結節性病変の病巣内注射(腫瘍内投与)による局所処置に承認されている。加えて、IMLYGIC(登録商標)は、欧州医薬品庁(European Medicines Agency)(EMA)によって、限局転移性又は遠隔転移性(ステージIIIB、IIIC又はIVM1a)の切除不能黒色腫を有する成人の処置に承認されている。詳細には、EMA承認済み製剤は、可視の、触知可能な又は超音波誘導によって検出可能な皮膚、皮下、及び/又は結節性病変部への病巣内注射(腫瘍内投与)によって投与されることになる。
[0322] 一部の実施形態において、組換え腫瘍溶解性ウイルスは、組換え型のアデノウイルス、例えば血清型5型アデノウイルスなどである。一実施形態において、組換えアデノウイルスは、Oncorine(H101)、旧称Onyx-015である。Oncorineは、ウイルスE1B-55k及びウイルスE3遺伝子の不活性化(機能的欠失)によって操作された血清型5型アデノウイルスである。Oncorineは、中華人民共和国国家食品薬品監督管理局(Chinese State Food and Drug Administration)によって化学治療(抗新生物剤治療)と組み合わせた頭頸部癌の処置に承認されている。
[0323] 一部の実施形態において、組換え腫瘍溶解性ウイルスは、組換えポックスウイルスである。一部の実施形態において、ポックスウイルスは、ワクシニアウイルス又は鶏痘ウイルスである。一部の実施形態において、ワクシニアウイルスは、改変ワクシニアアンカラである。一部の実施形態において、組換えワクシニアウイルスは、宿主細胞の応答(例えば、抗ウイルス応答)を抑制するタンパク質をコードする1つ以上のウイルス遺伝子の機能的欠失、及び/又は宿主細胞の応答(例えば、抗腫瘍応答)を促進するタンパク質をコードする1つ以上のトランス遺伝子の挿入によって遺伝子操作されている(例えば、Guo et al., Journal of ImmunoTherapy of Cancer, 7: 6, 2019を参照されたい)。一実施形態において、組換えワクシニアウイルスは、ペクサスチモジェン・デバシレプベック(pexastimogene devacirepvec)及びJX-594としても知られるPexa-Vecであり、これは、ウイルスチミジンキナーゼ遺伝子の不活性化(機能的欠失)、及びヒトGM-CSF及びβ-ガラクトシダーゼをコードするトランス遺伝子の挿入によって操作されたワクシニアウイルスである(Heo et al., Nat Med, 19: 329-336, 2013)。別の実施形態において、組換えワクシニアウイルスは、ウイルスチミジンキナーゼ及びワクシニア成長因子遺伝子の機能的欠失、並びにケモカインCXCL11をコードするトランス遺伝子の挿入を含む(例えば、Liu et al., OncoImmunology, 5: 3, e1091554, 2016;及びLiu et al., Nature Communications, 8: 14754, 2017を参照されたい)。
[0324] 本開示の併用治療の更なる実施形態は、少なくとも1つの追加の治療剤を含む。一部の実施形態において、少なくとも1つの追加の治療剤は、免疫チェックポイント阻害薬、化学治療(抗新生物剤)、放射線治療、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
[0325] 一部の実施形態において、免疫チェックポイント阻害薬は、少なくとも1つの抑制性免疫チェックポイント分子の拮抗薬である。一部の実施形態において、少なくとも1つの抑制性免疫チェックポイント分子は、PD-1(CD279)、PD-L1(CD274)、及びCTLA4(CD152)からなる群から選択される。免疫チェックポイント阻害薬は、治療用生物学的製剤であり得る。例えば、免疫チェックポイント阻害薬は、抗体又はその抗原結合断片を含み得る。抗体又は断片は、モノクローナル抗体(mAb)、ヒト抗体、ヒト化抗体、又はキメラ抗体であってもよく、ヒト定常領域を含み得る。一部の実施形態において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、及びIgG4定常領域からなる群から選択され、特定の実施形態では、ヒト定常領域は、IgG1又はIgG4定常領域である。一部の実施形態において、抗体又は断片は二重特異性抗体である。一部の実施形態において、抗原結合断片は、Fab、Fab’-SH、F(ab’)2、scFv、及びFv断片からなる群のうちの1つを含む。
[0326] 一部の実施形態において、化学治療は、少なくとも1つの抗新生物剤(即ち、WHO ATCコードL01)を含む。一部の実施形態において、少なくとも1つの抗新生物剤は、細胞傷害性抗生物質、植物性アルカロイド、代謝拮抗薬、及びアルキル化剤、他の抗新生物剤、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。化学治療に関連して使用されるとき、抗新生物剤は、「治療用生物学的製剤」とは対照的に、「薬物」である。
[0327] 一部の実施形態において、放射線治療は、外部ビーム放射線治療である。他の実施形態において、放射線治療は、内部放射線治療である。一部の実施形態において、放射線治療は、アブレーション放射線治療である。
[0328] 本明細書で使用されるとき、用語「バイオシミラー」は、類似しているが、連邦医薬品局(Federal Drug Administration)(FDA)が承認した先発製剤と安全性及び有効性の点で臨床的に有意味な違いのないバイオ製剤を指す。例えば、バイオシミラー製剤と先発製剤との間には、臨床的に不活性な成分の点で違い(例えば、製剤の賦形剤の違い、グリコシル化の僅かな違い等)があり得る。臨床的に有意味な特性は、薬物動態学的及び薬力学的研究を通じて判定することができる。一部の実施形態において、バイオシミラー製剤は、FDAが決定するとき互換性のある製剤である。一部の実施形態において、癌ワクチンは、FDA承認済み製剤のバイオシミラーである。
IV.組成物、製剤及び投与経路
[0329] 本開示には、本明細書に開示される化合物のいずれか、又はその塩、又はその溶媒和物の医薬組成物が包含される。従って、本開示は、Cbl-b阻害薬であって、式(I)、(I-a)、(I-A)~(I-J)、(II-A)~(II-H)、(II-A-1)~(II-H-1)、(III-A)~(III-H)、(III-A-1)~(III-H-1)、(IV-A)~(IV-J)、又は(IV-C-1)~(IV-J-1)の化合物、又は本明細書に開示されるその任意の変形例、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物、又はその互変異性体、又はその立体異性体若しくは立体異性体の混合物であるCbl-B阻害薬と、薬学的に許容可能な媒体又は薬学的に許容可能な担体など、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を含む。一部の実施形態において、本化合物は、表1の化合物番号1~58から選択される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物、又はその互変異性体、又はその立体異性体若しくは立体異性体の混合物である。一態様において、薬学的に許容可能な塩は、無機酸又は有機酸と形成される塩など、酸付加塩である。
[0330] 本明細書に開示される化合物及び組成物は、疾患又は障害の処置に十分なレベルの化合物を提供するであろう任意の好適な形態及び任意の好適な経路によって投与されてもよい。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬及び/又は追加の治療剤は、経腸投与によって投与される。一部の実施形態において、経腸投与は経口投与である。他の実施形態において、Cbl-b阻害薬及び/又は追加の治療剤は、非経口投与によって投与される。一部の実施形態において、非経口投与は腫瘍内注射である。一部の実施形態において、非経口投与は、静脈内、腹腔内、及び皮下からなる群から選択される経路によるものである。
[0331] 好適な投与経路としては、経口投与、経腸投与、非経口投与であって、皮下注射、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、腹腔内注射、病巣内注射、関節内注射、腫瘍内注射、又は点滴法を含むものが挙げられる。化合物及び組成物はまた、舌下に、粘膜投与により、頬側投与により、皮下に、脊髄投与により、硬膜外投与により、脳室への投与により、吸入により(例えば、ミスト又はスプレーとして)、経鼻投与、膣内投与、直腸投与、局所投与、又は経皮投与、又は徐放性若しくは持続放出性機構により投与することもできる。化合物及び組成物は、必要に応じて従来の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、及び媒体を含有する単位投薬量製剤で投与することができる。化合物及び組成物は、特異的な又は罹患している臓器又は組織に直接投与されてもよい。化合物は、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、及び媒体と混合して、所望の投与経路に適切な組成物を形成することができる。一部の実施形態において、化合物は、抗原及びアジュバントの一方又は両方と混合することができる。一部の実施形態において、抗原は癌抗原である。
[0332] 本明細書に開示される特定の実施形態、特に、注射又はその他の、本明細書に挙げられる経路を含むが、本明細書に記載される任意の他の投与経路(経口、腸内、胃内など)もまた含む非経口投与に製剤が使用される実施形態において、本方法に使用される製剤及び調合剤は無菌である。無菌医薬製剤は、当業者に公知の医薬品グレードの滅菌規格(米国薬局方第797章、第1072章、及び第1211章;カリフォルニア州企業・職業法(California Business & Professions Code)第4127.7章;カリフォルニア州規則集(California Code of Regulations)第16条第1751章、連邦規則集(Code of Federal Regulations)第21条第211章)に従い化合物化され、又は製造される。「無菌」製剤はアセプティックであり、又はいかなる生菌微生物及びその芽胞も含まない、若しくは本質的に含まない。医薬製剤の滅菌方法の例としては、限定はされないが、滅菌ろ過膜による滅菌ろ過、ガンマ線などの放射線の照射、及び加熱滅菌が挙げられる。
[0333] 経口投与は、その実行し易さ及び患者コンプライアンスの点で有利である。患者が嚥下困難を有する場合、腸内投与を達成するため、補給チューブ、補給シリンジ、又は胃瘻造設による薬の導入を利用することができる。活性化合物、及び存在する場合に、他の共投与される薬剤は、補給チューブ、補給シリンジ、又は胃瘻造設による投与用の製剤に好適な任意の他の薬学的に許容可能な賦形剤で経腸投与することができる。
[0334] 静脈内投与もまた、有利には、化合物又は組成物を血流へと可能な限り早く送達するため、及び胃腸管から吸収する必要をなくすために用いることができる。
[0335] 本明細書における使用のための記載される化合物及び組成物は、固体形態で、液体形態で、エアロゾル形態で、又は錠剤、丸薬、カプレット、カプセル(硬ゼラチンカプセル又は軟弾性ゼラチンカプセルなど)、粉末混合物、顆粒、注射液、溶液、坐薬、浣腸、洗腸、エマルション、分散液、食品プレミックス、カシェ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、ガム、軟膏、パップ剤(湿布)、ペースト、散剤、包帯、クリーム、パッチ、エアロゾル(例えば、鼻腔内スプレー又はインへラー)、ゲル、懸濁液(例えば、水性又は非水性液体懸濁物、水中油型エマルション又は油中水型液体エマルション)、エリキシル剤の形態で、又は投与経路に好適な他の形態で投与することができる。化合物及び組成物はまた、リポソーム製剤で投与することもできる。化合物はまた、プロドラッグとして投与することもでき、ここでプロドラッグは、処置対象の体内で治療上有効な形態へと転換を受ける。
[0336] 加えて、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤、乳化剤、甘味料、色素、調整剤、及び浸透圧調整用の塩、緩衝剤、コーティング剤、又は抗酸化剤を含有し得る。本化合物を含む製剤はまた、有益な治療特性を有する他の物質も含有し得る。医薬製剤は、公知の製薬方法によって調製されてもよい。更なる製剤及び投与方法が、当該技術分野において公知である。好適な製剤については、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins, 21st ed. (2005)(これは参照により本明細書に援用される)を参照することができる。
[0337] 好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用する当該技術分野において公知の方法に従い、注射用製剤、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液が製剤化されてもよい。滅菌注射用製剤はまた、非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の、例えば、プロピレングリコール中の溶液としての滅菌注射用溶液又は懸濁液であってもよい。用いられ得る許容可能な媒体及び溶媒の中には、水、生理食塩水、リンゲル溶液、及び等張食塩水がある。加えて、無菌固定油が、溶媒又は懸濁媒として従来用いられている。この目的では、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含めた任意の無刺激固定油が用いられてもよい。加えて、注射液の調製においては、オレイン酸などの脂肪酸が使用されてもよい。
[0338] 経口投与用の固形剤形には、カプセル、錠剤、丸薬、散剤、及び顆粒が含まれ得る。かかる固形剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトース、タルク、又はデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてもよい。かかる剤形はまた、不活性希釈剤以外の追加的な賦形剤物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も含み得る。カプセル、錠剤、及び丸薬の場合には、こうした剤形はまた、緩衝剤も含み得る。錠剤及び丸薬は、加えて、腸溶性コーティングを伴い調製することができる。軟シェルのゲルカプセルに許容可能な賦形剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオール類などである。
[0339] 経口投与用の液体剤形としては、水など、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有する薬学的に許容可能なエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤、及びエリキシル剤を挙げることができる。かかる組成物はまた、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、シクロデキストリン、並びに甘味剤、香味剤、及び芳香剤などの追加的な薬剤も含み得る。或いは、化合物はまた、好適な場合、ニートな形態で投与されてもよい。
[0340] 化合物及び組成物はまた、リポソームの形態で投与することもできる。当該技術分野において公知のとおり、リポソームは、概してリン脂質又は他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体中に分散した一枚膜又は多重膜含水液晶によって形成される。リポソームの形成能を有する任意の生理学的に許容可能且つ代謝可能な脂質を使用することができる。リポソーム形態の本組成物は、本明細書に開示されるとおりの化合物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有し得る。有用な脂質としては、天然及び合成の両方の、リン脂質及びホスファチジルコリン類(レシチン類)が挙げられる。リポソームの形成方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Gregoriadis, G. Ed., Liposome Technology, Third Edition: Liposome Technology: Liposome Preparation and Related Techniques, CRC Press, Boca Raton, Florida (2006);及びPrescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.W., p. 33 et seq (1976)を参照されたい。
[0341] 単一の剤形を作製するために担体材料と組み合わせ得る活性成分の量は、その活性成分が投与されることになる患者及び詳細な投与様式に応じて変わり得る。しかしながら、任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルが、利用される具体的な化合物;患者の年齢、体重、体面積、ボディ・マス・インデックス(BMI)、全般的な健康、性別、及び食事;用いられる投与時間及び投与経路;排泄速度;及びもしあれば、用いられる薬物の組み合わせを含めた種々の要因に依存することになる点は理解されるであろう。化合物は、単位投薬量製剤で投与することができる。選ばれた医薬単位投薬量は、患者、対象、又は個体において十分な濃度の薬物を提供するように製造され、投与される。
[0342] 本明細書に記載されるとおりの使用のための化合物は、単独の医薬活性薬剤として投与されてもよいが、それはまた、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。本明細書に記載されるとおりの使用のための化合物と組み合わせて追加の活性薬剤が使用されるとき、追加の活性薬剤は、概して、Physicians’Desk Reference (PDR) 71st Edition (2017)(これは参照により本明細書に援用される)に指示されるとおりの治療量、又は当業者に公知であろうとおりの、若しくは患者毎に実験的に決定されるとおりのかかる治療的に有用な量で用いられ得る。
[0343] 本明細書に開示される化合物及び組成物の2つ以上の組み合わせもまた使用することができる。2つ以上の化合物又は組成物は、投与直前に一緒に混合し、一緒に投与することができる。2つ以上の化合物又は組成物は、同じ投与経路又は異なる投与経路のいずれによっても、同じ時点で投与することができる。2つ以上の化合物又は組成物は、同じ投与経路又は異なる投与経路のいずれによっても、連続的に投与することができる。一実施形態において、キット形態には、化合物又は組成物の混合物、同じ時点で投与される別個の化合物又は組成物、又は連続的に投与される別個の化合物又は組成物のいずれかとしての投与に関する印刷された又は電子形式の説明書と共に、2つ以上の化合物又は組成物が個別の化合物又は組成物として含まれ得る。3つ以上の化合物又は組成物が投与される場合、それらは、化合物又は組成物の混合物として投与するか、同じ時点で投与される別個の化合物又は組成物として投与するか、連続的に投与される別個の化合物又は組成物として投与するか、2つ以上が同じ時点で投与され、残りがその同じ時点での投与の前又はその後に連続的に投与され得る別個の化合物又は組成物として投与するか、又は混合投与、同じ時点での投与、及び連続投与の任意の他の可能な組み合わせで投与することができる。
[0344] 本明細書に開示されるとおりの化合物は、一態様において、精製された形態であってもよく、本明細書には、精製された形態の化合物を含む組成物が開示される。実質的に純粋な化合物の組成物など、本明細書に開示されるとおりの化合物又はその塩を含む組成物が提供される。一部の実施形態において、本明細書に開示されるとおりの化合物又はその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態である。一つの変形例では、「実質的に純粋」は、不純物を35%以下しか含有しない組成物を意図し、ここで不純物とは、その組成物中にある投与しようとする当該の化合物(又は化合物の組み合わせが使用される場合には、複数の化合物)、又はその化合物(又は組み合わせが使用される場合には、複数の化合物)の塩若しくは溶媒和物以外の化合物を意味する。任意の追加される媒体、担体、又は賦形剤の重量は、かかる計算から除かれ、及び追加される媒体、担体、又は賦形剤は、不純物とは見なされない。例えば、表1の化合物から選択される実質的に純粋な化合物の組成物は、不純物を35%以下しか含有しない組成物を指し、ここで不純物とは、当該の化合物又はその塩若しくは溶媒和物以外の化合物を意味する。一つの変形例では、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を25%以下しか含有しない。別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を20%以下しか含有しない。なおも別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を10%以下しか含有しない。更なる変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を5%以下しか含有しない。別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を3%以下しか含有しない。なおも別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を1%以下しか含有しない。更なる変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を0.5%以下しか含有しない。更なる他の変形例において、実質的に純粋な化合物の組成物とは、その組成物が不純物を15%以下、10%以下、5%以下、3%以下、又は1%以下しか含有しないことを意味する。不純物は、所望の立体化学形態と異なる立体化学形態の化合物であり得る。例えば、実質的に純粋な(S)-化合物の組成物とは、その組成物が(R)-形態の化合物を15%以下、10%以下、5%以下、3%以下、又は1%以下しか含有しないことを意味する。或いは、本明細書で使用されるとき、「鏡像体過剰率(ee)」は、例えば単一の不斉中心を含むキラル物質の純度を記述する無次元モル比を指す。例えば、鏡像体過剰率が0であれば、ラセミ体を示す(例えば、エナンチオマーの50:50混合物、又は一方のエナンチオマーが他方と比べて過剰でない)。更なる例として、鏡像体過剰率が99であれば、立体的にほぼ純粋なエナンチオマー化合物を示す(即ち、一方のエナンチオマーが他方と比べて大過剰である)。パーセンテージ鏡像体過剰率、(R)-化合物>(S)-化合物の場合、%ee=([(R)-化合物]-[(S)-化合物])/([(R)-化合物]+[(S)-化合物])×100;又は(S)-化合物>(R)-化合物の場合、%ee=([(S)-化合物]-[(R)-化合物])/([(S)-化合物]+[(R)-化合物])×100。更に、本明細書で使用されるとき、「ジアステレオマー過剰率(de)」は、2つ以上の不斉中心を含むキラル物質の純度を記述する無次元モル比を指す。例えば、ジアステレオマー過剰率が0であれば、ジアステレオ異性体の等モル混合物を示す。更なる例として、ジアステレオマー過剰率が99であれば、立体的にほぼ純粋なジアステレオマー化合物を示す(即ち、1つのジアステレオマーが他と比べて大過剰である)。ジアステレオマー過剰率は、eeと同様の方法で計算し得る。当業者であれば理解するであろうとおり、deは通常、パーセントde(%de)として報告される。%deは、%eeと同じように計算し得る。
[0345] 一部の態様において、本明細書には、本明細書に記載されるもの又は本明細書に開示される方法によって作製されるものなどの修飾免疫細胞を含有する細胞集団を含む組成物が提供される。一部の実施形態において、本組成物は、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬又はその組成物と接触した状態にあったか、又は接触した状態にある修飾免疫細胞を含有する細胞集団を含む。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、抗CD3抗体単独と接触した状態にあったか、又はその状態にある。一部の実施形態において、修飾免疫細胞は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体と接触した状態にあったか、又はその状態にある。本明細書に記載される修飾免疫細胞を含有する細胞集団を含む提供される組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤を更に含み得る。
[0346] 一部の態様において、本明細書にはまた、免疫細胞を含有する細胞集団と本明細書に記載されるCbl-b阻害薬とを含む細胞培養組成物も提供される。一部の実施形態において、免疫細胞は、ヒト免疫細胞である。一部の実施形態において、免疫細胞は、造血細胞、多能性幹細胞、骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞、T細胞、B細胞、及びNK細胞からなる群から選択される細胞である。一部の実施形態において、細胞培養組成物は、抗CD3抗体を更に含む。一部の実施形態において、細胞培養組成物は、抗CD28抗体と組み合わせた抗CD3抗体を更に含む。免疫細胞を含有する細胞組成物の培養方法は、当該技術分野において周知であり、本明細書で企図される。
[0347] 本明細書に記載されるとおりの修飾免疫細胞又は組成物、例えば、修飾免疫細胞を含有する細胞集団を含む組成物又は医薬組成物は、好適な容器内に提供することができる。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル(例えば、デュアルチャンババイアル)、シリンジ(例えば、シングル又はデュアルチャンバシリンジ)、バッグ(例えば、IVバッグ)、及びチューブ(例えば、試験管)が挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなど、種々の材料で形成されてもよい。
[0348] 一部の実施形態において、本明細書に記載されるとおりの修飾免疫細胞を含有する細胞集団を含む組成物(例えば、細胞培養組成物)は、培養ベッセル内に提供される。本明細書に提供されるとおりの培養ベッセルとしては、限定はされないが、チューブ(例えば、試験管)、ディッシュ(例えば、組織培養皿)、バッグ、マルチウェルプレート(例えば、6ウェル組織培養プレート)、及びフラスコ(例えば、細胞培養フラスコ)が挙げられる。
[0349] また、本明細書に記載されるいずれかの使用のための本明細書に記載されるとおりの組成物も提供される。一部の実施形態において、本明細書に記載されるとおりの組成物は、Cbl-b活性に関連する疾患又は病態の処置又は予防用医薬品を調製するためのものである。一部の実施形態において、本明細書に記載されるとおりの組成物は、癌の処置用医薬品を調製するためのものである。
[0350] 癌ワクチンと組み合わせた使用のための、本明細書に開示される化合物のいずれか、又はその塩若しくは溶媒和物の医薬組成物が、この開示に包含される。従って、本開示は、癌ワクチンと組み合わせた使用のためのCbl-b阻害薬を含む医薬組成物を含み、ここでCbl-b阻害薬は、国際公開第2019/148005号の1~719の化合物(その「a」及び「b」バリアントを含む)、又はそこに開示される式(I-A)、式(I)、式(II-A)、式(II)、式(III-A)、式(III)、又は式(IV)のいずれかの化合物、又はその任意の変形例、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物、又はその互変異性体、又はその立体異性体若しくは立体異性体の混合物である。
[0351] 加えて、腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせた使用のための、本明細書に開示される化合物のいずれか、又はその塩若しくは溶媒和物の医薬組成物が、この開示に包含される。従って、本開示は、腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせた使用のためのCbl-b阻害薬を含む医薬組成物を含み、ここでCbl-b阻害薬は、国際公開第2019/148005号の1~719の化合物(その「a」及び「b」バリアントを含む)、又はそこに開示される式(I-A)、式(I)、式(II-A)、式(II)、式(III-A)、式(III)、又は式(IV)のいずれかの化合物、又はその任意の変形例、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物、又はその互変異性体、又はその立体異性体若しくは立体異性体の混合物である。本組成物は、薬学的に許容可能な媒体又は薬学的に許容可能な担体など、薬学的に許容可能な賦形剤を更に含むことができる。一部の実施形態において、本医薬組成物は、小分子Cbl-b阻害薬と癌ワクチンとの両方を含む。一部の実施形態において、本化合物は、表1の化合物60及び/又は化合物56から選択される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物、又はその互変異性体、又はその立体異性体若しくは立体異性体の混合物である。加えて、一部の実施形態において、本医薬組成物は、小分子Cbl-b阻害薬と腫瘍溶解性ウイルスとの両方を含む。一部の実施形態において、本化合物は、表1の化合物60及び/又は化合物56から選択される化合物、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物、又はその互変異性体、又はその立体異性体若しくは立体異性体の混合物である。一部の実施形態において、本化合物は、以下の特許出願に開示されるCbl-b阻害薬から選択される化合物:米国仮特許出願第62/849,722号の化合物1~58又はそこにある式(I)の化合物;米国仮特許出願第62/880,437号の化合物1~58又はそこにある式(I)の化合物;又はその任意の変形例、又はその薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物、又はその互変異性体、又はその立体異性体若しくは立体異性体の混合物である。
[0352] 一態様において、薬学的に許容可能な塩は、無機酸又は有機酸と形成される塩など、酸付加塩である。
[0353] 本明細書に開示される化合物、ワクチン、及び組成物は、疾患又は障害の処置に十分なレベルの化合物、ワクチン、又は組成物を提供するであろう任意の好適な形態及び任意の好適な経路によって投与されてもよい。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬及び/又は癌ワクチンは、経腸投与によって投与される。本明細書に開示される化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物は、疾患又は障害の処置に十分なレベルの化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物を提供するであろう任意の好適な形態及び任意の好適な経路によって投与されてもよい。一部の実施形態において、Cbl-b阻害薬及び/又は腫瘍溶解性ウイルスは、経腸投与によって投与される。一部の実施形態において、経腸投与は経口投与である。他の実施形態において、Cbl-b阻害薬及び/又は癌ワクチンは、非経口投与によって投与される。他の実施形態において、Cbl-b阻害薬及び/又は腫瘍溶解性ウイルスは、非経口投与によって投与される。一部の実施形態において、非経口投与は腫瘍内注射である。一部の実施形態において、非経口投与は、静脈内、腹腔内、及び皮下からなる群から選択される経路によるものである。
[0354] 好適な投与経路としては、経口投与、経腸投与、非経口投与であって、皮下注射、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射、腹腔内注射、病巣内注射、関節内注射、腫瘍内注射、又は点滴法を含むものが挙げられる。化合物、ワクチン、及び組成物はまた、舌下に、粘膜投与により、頬側投与により、皮下に、脊髄投与により、硬膜外投与により、脳室への投与により、吸入により(例えば、ミスト又はスプレーとして)、経鼻投与、膣内投与、直腸投与、局所投与、又は経皮投与、又は徐放性若しくは持続放出性機構により投与することもできる。化合物、ワクチン、及び組成物は、必要に応じて従来の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、及び媒体を含有する単位投薬量製剤で投与することができる。化合物、ワクチン、及び組成物は、特異的な又は罹患している臓器又は組織に直接投与されてもよい。化合物及び/又はワクチンは、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、及び媒体と混合して、所望の投与経路に適切な組成物を形成することができる。化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物はまた、舌下に、粘膜投与により、頬側投与により、皮下に、脊髄投与により、硬膜外投与により、脳室への投与により、吸入により(例えば、ミスト又はスプレーとして)、経鼻投与、膣内投与、直腸投与、局所投与、又は経皮投与、又は徐放性若しくは持続放出性機構により投与することもできる。化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物は、必要に応じて従来の薬学的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、及び媒体を含有する単位投薬量製剤で投与することができる。化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物は、特異的な又は罹患している臓器又は組織に直接投与されてもよい。化合物及び/又は腫瘍溶解性ウイルスは、薬学的に許容可能な担体、賦形剤、アジュバント、及び媒体と混合して、所望の投与経路に適切な組成物を形成することができる。
[0355] 本明細書に開示される特定の実施形態、特に、注射又はその他の、本明細書に挙げられる経路を含むが、本明細書に記載される任意の他の投与経路(経口、腸内、胃内など)もまた含む非経口投与に製剤が使用される実施形態において、本方法に使用される製剤及び調合剤は、ある種の癌ワクチン中の微生物ベクターの存在を除き、無菌である。かかる調合剤の調製のためには、微生物ベクターと組み合わせる前に、製剤又は調合剤の全ての成分が無菌的な方法で調製される。本明細書に開示される特定の実施形態、特に、注射又はその他の、本明細書に挙げられる経路を含むが、本明細書に記載される任意の他の投与経路(経口、腸内、胃内など)もまた含む非経口投与に製剤が使用される実施形態において、本方法に使用される製剤及び調合剤は、腫瘍溶解性ウイルスの存在を除き、無菌である。かかる調合剤の調製のためには、腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせる前に、製剤又は調合剤の全ての成分が無菌的な方法で調製される。無菌医薬製剤は、当業者に公知の医薬品グレードの滅菌規格(米国薬局方第797章、第1072章、及び第1211章;カリフォルニア州企業・職業法(California Business & Professions Code)第4127.7章;カリフォルニア州規則集(California Code of Regulations)第16条第1751章、連邦規則集(Code of Federal Regulations)第21条第211章)に従い化合物化され、又は製造される。「無菌」製剤はアセプティックであり、又はいかなる生菌微生物及びその芽胞も含まない、若しくは本質的に含まない。医薬製剤の滅菌方法の例としては、限定はされないが、滅菌ろ過膜による滅菌ろ過、ガンマ線などの放射線の照射、及び加熱滅菌が挙げられる。
[0356] 経口投与は、その実行し易さ及び患者コンプライアンスの点で有利である。患者が嚥下困難を有する場合、腸内投与を達成するため、補給チューブ、補給シリンジ、又は胃瘻造設による薬の導入を利用することができる。活性化合物、ワクチン、又は組成物、及び存在する場合に、他の共投与される薬剤は、補給チューブ、補給シリンジ、又は胃瘻造設による投与用の製剤に好適な任意の他の薬学的に許容可能な賦形剤で経腸投与することができる。活性化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物、及び存在する場合に、他の共投与される薬剤は、補給チューブ、補給シリンジ、又は胃瘻造設による投与用の製剤に好適な任意の他の薬学的に許容可能な賦形剤で経腸投与することができる。
[0357] 静脈内投与もまた、有利には、化合物、ワクチン、又は組成物を血流へと可能な限り早く送達するため、及び胃腸管から吸収する必要をなくすために用いることができる。静脈内投与もまた、有利には、化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物を血流へと可能な限り早く送達するため、及び胃腸管から吸収する必要をなくすために用いることができる。
[0358] 本明細書における使用のための記載される化合物、ワクチン、及び組成物は、固体形態で、液体形態で、エアロゾル形態で、又は錠剤、丸薬、カプレット、カプセル(硬ゼラチンカプセル又は軟弾性ゼラチンカプセルなど)、粉末混合物、顆粒、注射液、溶液、坐薬、浣腸、洗腸、エマルション、分散液、食品プレミックス、カシェ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、ガム、軟膏、パップ剤(湿布)、ペースト、散剤、包帯、クリーム、パッチ、エアロゾル(例えば、鼻腔内スプレー又はインへラー)、ゲル、懸濁液(例えば、水性又は非水性液体懸濁物、水中油型エマルション又は油中水型液体エマルション)、エリキシル剤の形態で、又は投与経路に好適な他の形態で投与することができる。化合物、ワクチン、及び組成物はまた、リポソーム製剤で投与することもできる。本明細書における使用のための記載される化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物は、固体形態で、液体形態で、エアロゾル形態で、又は錠剤、丸薬、カプレット、カプセル(硬ゼラチンカプセル又は軟弾性ゼラチンカプセルなど)、粉末混合物、顆粒、注射液、溶液、坐薬、浣腸、洗腸、エマルション、分散液、食品プレミックス、カシェ剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、ガム、軟膏、パップ剤(湿布)、ペースト、散剤、包帯、クリーム、パッチ、エアロゾル(例えば、鼻腔内スプレー又はインへラー)、ゲル、懸濁液(例えば、水性又は非水性液体懸濁物、水中油型エマルション又は油中水型液体エマルション)、エリキシル剤の形態で、又は投与経路に好適な他の形態で投与することができる。化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物はまた、リポソーム製剤で投与することもできる。化合物はまた、プロドラッグとして投与することもでき、ここでプロドラッグは、処置対象の体内で治療上有効な形態へと転換を受ける。
[0359] 加えて、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、再湿潤剤、乳化剤、甘味料、色素、調整剤、及び浸透圧調整用の塩、緩衝剤、コーティング剤又は抗酸化剤を含有し得る。本化合物、ワクチン、又は組成物を含む製剤はまた、有益な治療特性を有する他の物質も含有し得る。本化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物を含む製剤はまた、有益な治療特性を有する他の物質も含有し得る。医薬製剤は、公知の製薬方法によって調製されてもよい。更なる製剤及び投与方法が、当該技術分野において公知である。好適な製剤については、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, Lippincott Williams & Wilkins, 21st ed. (2005)(これは参照により本明細書に援用される)を参照することができる。
[0360] 好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用する当該技術分野において公知の方法に従い、小分子Cbl-b阻害薬の注射用製剤、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液が製剤化されてもよい。滅菌注射用製剤はまた、非経口的に許容可能な希釈剤又は溶媒中の、例えば、プロピレングリコール中の溶液としての滅菌注射用溶液又は懸濁液であってもよい。用いられ得る許容可能な媒体及び溶媒の中には、水、生理食塩水、リンゲル溶液、及び等張食塩水がある。加えて、無菌固定油が、溶媒又は懸濁媒として従来用いられている。この目的では、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含めた任意の無刺激固定油が用いられてもよい。加えて、注射液の調製においては、オレイン酸などの脂肪酸が使用されてもよい。
[0361] 経口投与用の固形剤形には、カプセル、錠剤、丸薬、散剤、及び顆粒が含まれ得る。かかる固形剤形では、活性化合物、ワクチン、又は組成物は、スクロース、ラクトース、タルク、又はデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてもよい。かかる固形剤形では、活性化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物は、スクロース、ラクトース、タルク、又はデンプンなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合されてもよい。かかる剤形はまた、不活性希釈剤以外の追加的な賦形剤物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も含み得る。カプセル、錠剤、及び丸薬の場合には、こうした剤形はまた、緩衝剤も含み得る。錠剤及び丸薬は、加えて、腸溶性コーティングを伴い調製することができる。軟シェルのゲルカプセルに許容可能な賦形剤は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオール類などである。
[0362] 経口投与用の液体剤形としては、水など、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有する薬学的に許容可能なエマルション、溶液、懸濁液、シロップ剤、及びエリキシル剤を挙げることができる。かかる組成物はまた、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、シクロデキストリン、並びに甘味剤、香味剤、及び芳香剤などの追加的な薬剤も含み得る。或いは、化合物はまた、好適な場合、ニートな形態で投与されてもよい。
[0363] 化合物、ワクチン、及び組成物はまた、リポソームの形態で投与することもできる。化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物はまた、リポソームの形態で投与することもできる。当該技術分野において公知のとおり、リポソームは、概してリン脂質又は他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体中に分散した一枚膜又は多重膜含水液晶によって形成される。リポソームの形成能を有する任意の生理学的に許容可能且つ代謝可能な脂質を使用することができる。リポソーム形態の本組成物は、本明細書に開示されるとおりの化合物又はワクチンに加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有し得る。リポソーム形態の本組成物は、本明細書に開示されるとおりの化合物又は腫瘍溶解性ウイルスに加えて、安定剤、保存剤、賦形剤などを含有し得る。有用な脂質としては、天然及び合成の両方の、リン脂質及びホスファチジルコリン類(レシチン類)が挙げられる。リポソームの形成方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Gregoriadis, G. Ed., Liposome Technology, Third Edition: Liposome Technology: Liposome Preparation and Related Techniques, CRC Press, Boca Raton, Florida (2006);及びPrescott, Ed., Methods in Cell Biology, Volume XIV, Academic Press, New York, N.W., p. 33 et seq (1976)を参照されたい。
[0364] 単一の剤形を作製するために担体材料と組み合わせ得る活性成分の量は、その活性成分が投与されることになる患者及び詳細な投与様式に応じて変わり得る。しかしながら、任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルが、用いられる具体的な化合物又はワクチン;患者の年齢、体重、体面積、ボディ・マス・インデックス(BMI)、全般的な健康、性別、及び食事;用いられる投与時間及び投与経路;排泄速度;及びもしあれば、用いられる薬物の組み合わせを含めた種々の要因に依存することになる点は理解されるであろう。化合物、ワクチン、及び組成物は、単位投薬量製剤で投与することができる。しかしながら、任意の特定の患者に対する具体的な用量レベルが、用いられる具体的な化合物又は腫瘍溶解性ウイルス;患者の年齢、体重、体面積、ボディ・マス・インデックス(BMI)、全般的な健康、性別、及び食事;用いられる投与時間及び投与経路;排泄速度;及びもしあれば、用いられる薬物の組み合わせを含めた種々の要因に依存することになる点は理解されるであろう。化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物は、単位投薬量製剤で投与することができる。選ばれた医薬単位投薬量は、患者、対象、又は個体において十分な濃度の薬物を提供するように製造され、投与される。
[0365] 本明細書に記載されるとおりの使用のための化合物、ワクチン、及び組成物は、単独の医薬活性薬剤として投与されてもよいが、それはまた、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。本明細書に記載されるとおりの使用のための化合物、ワクチン、又は組成物と組み合わせて追加の活性薬剤が使用されるとき、追加の活性薬剤は、概して、Physicians’Desk Reference (PDR) 71st Edition (2017)(これは参照により本明細書に援用される)に指示されるとおりの治療量、又は当業者に公知であろうとおりの、若しくは患者毎に実験的に決定されるとおりのかかる治療的に有用な量で用いられ得る。本明細書に記載されるとおりの使用のための化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物は、単独の医薬活性薬剤として投与されてもよいが、それはまた、1つ以上の他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。本明細書に記載されるとおりの使用のための化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物と組み合わせて追加の活性薬剤が使用されるとき、追加の活性薬剤は、概して、Physicians’Desk Reference (PDR) 71st Edition (2017)(これは参照により本明細書に援用される)に指示されるとおりの治療量、又は当業者に公知であろうとおりの、若しくは患者毎に実験的に決定されるとおりのかかる治療的に有用な量で用いられ得る。
[0366] 本明細書に開示される化合物、ワクチン、及び組成物の2つ以上の組み合わせもまた使用することができる。2つ以上の化合物、ワクチン、又は組成物は、投与直前に一緒に混合し、一緒に投与することができる。2つ以上の化合物、ワクチン、又は組成物は、同じ投与経路又は異なる投与経路のいずれによっても、同じ時点で投与することができる。2つ以上の化合物、ワクチン、又は組成物は、同じ投与経路又は異なる投与経路のいずれによっても、連続的に投与することができる。一実施形態において、キット形態には、化合物、ワクチン、若しくは組成物の混合物、同じ時点で投与される別個の化合物、ワクチン、若しくは組成物、又は連続的に投与される別個の化合物、ワクチン、若しくは組成物のいずれかとしての投与に関する印刷された又は電子形式の説明書と共に、2つ以上の化合物、ワクチン、又は組成物が、個別の化合物、ワクチン、又は組成物として含まれ得る。3つ以上の化合物、ワクチン、又は組成物が投与される場合、それらは、化合物、ワクチン、又は組成物の混合物として投与するか、同じ時点で投与される別個の化合物、ワクチン、又は組成物として投与するか、連続的に投与される別個の化合物、ワクチン、又は組成物として投与するか、2つ以上が同じ時点で投与され、残りがその同じ時点での投与の前又はその後に連続的に投与され得る別個の化合物、ワクチン、又は組成物として投与するか、又は混合投与、同じ時点での投与、及び連続投与の任意の他の可能な組み合わせで投与することができる。
[0367] 本明細書に開示される化合物、腫瘍溶解性ウイルス、及び組成物の2つ以上の組み合わせもまた使用することができる。2つ以上の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物は、投与直前に一緒に混合し、一緒に投与することができる。2つ以上の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物は、同じ投与経路又は異なる投与経路のいずれによっても、同じ時点で投与することができる。2つ以上の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物は、同じ投与経路又は異なる投与経路のいずれによっても、連続的に投与することができる。一実施形態において、キット形態には、化合物、腫瘍溶解性ウイルス、若しくは組成物の混合物、同じ時点で投与される別個の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、若しくは組成物、又は連続的に投与される別個の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、若しくは組成物のいずれかとしての投与に関する印刷された又は電子形式の説明書と共に、2つ以上の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物が、個別の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物として含まれ得る。3つ以上の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物が投与される場合、それらは、化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物の混合物として投与するか、同じ時点で投与される別個の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物として投与するか、連続的に投与される別個の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物として投与するか、2つ以上が同じ時点で投与され、残りがその同じ時点での投与の前又はその後に連続的に投与され得る別個の化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物として投与するか、又は混合投与、同じ時点での投与、及び連続投与の任意の他の可能な組み合わせで投与することができる。
[0368] 本明細書に記載される医薬組成物及び方法における使用のための本明細書に開示されるとおりの化合物は、一態様において、精製された形態であってもよく、本明細書には、精製された形態の化合物を含む組成物が開示される。実質的に純粋な化合物の組成物など、本明細書に開示されるとおりの化合物又はその塩を含む組成物が提供される。一部の実施形態において、本明細書に開示されるとおりの化合物又はその塩を含む組成物は、実質的に純粋な形態である。一つの変形例では、「実質的に純粋」は、不純物を35%以下しか含有しない組成物を意図し、ここで不純物とは、その組成物中にある投与しようとする当該の化合物(又は化合物の組み合わせが使用される場合には、複数の化合物)、又はその化合物(又は組み合わせが使用される場合には、複数の化合物)の塩若しくは溶媒和物以外の化合物を意味する。任意の追加される媒体、担体、又は賦形剤の重量は、かかる計算から除かれ、及び追加される媒体、担体、又は賦形剤は、不純物とは見なされない。例えば、表1の化合物から選択される実質的に純粋な化合物の組成物は、不純物を35%以下しか含有しない組成物を指し、ここで不純物とは、当該の化合物又はその塩若しくは溶媒和物以外の化合物を意味する。一つの変形例では、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を25%以下しか含有しない。別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を20%以下しか含有しない。なおも別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を10%以下しか含有しない。更なる変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を5%以下しか含有しない。別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を3%以下しか含有しない。なおも別の変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を1%以下しか含有しない。更なる変形例において、実質的に純粋な化合物又はその塩若しくは溶媒和物の組成物が提供され、この組成物は、不純物を0.5%以下しか含有しない。更なる他の変形例において、実質的に純粋な化合物の組成物とは、その組成物が不純物を15%以下、10%以下、5%以下、3%以下、又は1%以下しか含有しないことを意味する。不純物は、所望の立体化学形態と異なる立体化学形態の化合物であり得る。例えば、実質的に純粋な(S)-化合物の組成物とは、その組成物が(R)-形態の化合物を15%以下、10%以下、5%以下、3%以下、又は1%以下しか含有しないことを意味する。
[0369] 或いは、本明細書で使用されるとき、「鏡像体過剰率(ee)」は、例えば単一の不斉中心を含むキラル物質の純度を記述する無次元モル比を指す。例えば、鏡像体過剰率が0であれば、ラセミ体(例えば、エナンチオマーの50:50混合物、又は一方のエナンチオマーが他方と比べて過剰でない)を示す。更なる例として、鏡像体過剰率が99であれば、立体的にほぼ純粋なエナンチオマー化合物(即ち、一方のエナンチオマーが他方と比べて大過剰である)を示す。パーセンテージ鏡像体過剰率、(R)-化合物>(S)-化合物の場合、%ee=([(R)-化合物]-[(S)-化合物])/([(R)-化合物]+[(S)-化合物])×100;又は(S)-化合物>(R)-化合物の場合、%ee=([(S)-化合物]-[(R)-化合物])/([(S)-化合物]+[(R)-化合物])×100。更に、本明細書で使用されるとき、「ジアステレオマー過剰率(de)」は、2つ以上の不斉中心を含むキラル物質の純度を記述する無次元モル比を指す。例えば、ジアステレオマー過剰率が0であれば、ジアステレオ異性体の等モル混合物を示す。更なる例として、ジアステレオマー過剰率が99であれば、立体的にほぼ純粋なジアステレオマー化合物(即ち、1つのジアステレオマーが他と比べて大過剰である)を示す。ジアステレオマー過剰率は、eeと同様の方法で計算し得る。当業者であれば理解するであろうとおり、deは通常、パーセントde(%de)として報告される。%deは、%eeと同じように計算し得る。
[0370] 本明細書に開示されるとおりの化合物、ワクチン、又は組成物は、好適な容器内に提供することができる。本明細書に開示されるとおりの化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は組成物は、好適な容器内に提供することができる。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル(例えば、デュアルチャンババイアル)、シリンジ(例えば、シングル又はデュアルチャンバシリンジ)、バッグ(例えば、IVバッグ)及びチューブ(例えば、試験管)が挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなど、種々の材料で形成されてもよい。
V.製品又はキット
[0371] また、本明細書に記載される化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物のいずれかを含む製品も提供される。本製品は、化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物に好適な容器又は包装材料を含む。好適な容器の例としては、限定はされないが、ボトル、バイアル、シリンジ、IVバッグ、又はチューブが挙げられる。細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物については、好適な容器は、限定はされないが、チューブ、ディッシュ、バッグ、マルチウェルプレート、又はフラスコを含めた、培養ベッセルであり得る。
[0372] また、本明細書に記載される化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物のいずれかを含むキットも提供される。本キットは、限定はされないが、ボトル、バイアル、シリンジ、IVバッグ、又はチューブを含めた、好適な容器又は包装材料内にある化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物を収容し得る。本キットは、限定はされないが、チューブ、ディッシュ、バッグ、マルチウェルプレート、又はフラスコを含めた、培養ベッセル内にある細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物を収容し得る。本キットは、単回用量形態又は複数回用量形態で個体に投与するための化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物を含むことができる。本キットは、本明細書に開示される方法のいずれかに係る個体への化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物の投与に関する説明書又は表示を更に含むことができる。本キットは、限定はされないが、針、シリンジ、チューブ材料、又はIVバッグを含め、化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物を個体に投与するための備品を更に含むことができる。本キットは、本明細書に開示される化合物、医薬組成物、細胞、修飾免疫細胞、細胞集団、細胞組成物、細胞培養物、又は細胞培養組成物のいずれかの作製に関する説明書を更に含むことができる。
[0373] また、本明細書に記載される化合物、ワクチン、又は医薬組成物のいずれかを含む製品も提供される。本製品は、化合物、ワクチン、又は医薬組成物に好適な容器又は包装材料を含む。また、本明細書に記載される化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物のいずれかを含む製品も提供される。本製品は、化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物に好適な容器又は包装材料を含む。好適な容器の例としては、限定はされないが、ボトル、バイアル、シリンジ、IVバッグ又はチューブが挙げられる。
[0374] また、本明細書に記載される化合物、ワクチン、又は医薬組成物のいずれかを含むキットも提供される。本キットは、限定はされないが、ボトル、バイアル、シリンジ、IVバッグ又はチューブを含めた、好適な容器又は包装材料内にある化合物、ワクチン、又は医薬組成物を収容し得る。本キットは、単回用量形態又は複数回用量形態で個体に投与するための化合物、ワクチン、又は医薬組成物を含むことができる。本キットは、本明細書に開示される方法のいずれかに係る個体への化合物、ワクチン、又は医薬組成物の投与に関する説明書又は表示を更に含むことができる。本キットは、限定はされないが、針、シリンジ、チューブ材料、又はIVバッグを含め、化合物、ワクチン、又は医薬組成物を個体に投与するための備品を更に含むことができる。本キットは、本明細書に開示される化合物、ワクチン、又は医薬組成物のいずれかの作製に関する説明書を更に含むことができる。
[0375] また、本明細書に記載される化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物のいずれかを含むキットも提供される。本キットは、限定はされないが、ボトル、バイアル、シリンジ、IVバッグ又はチューブを含めた、好適な容器又は包装材料内にある化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物を収容し得る。本キットは、単回用量形態又は複数回用量形態で個体に投与するための化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物を含むことができる。本キットは、本明細書に開示される方法のいずれかに係る個体への化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物の投与に関する説明書又は表示を更に含むことができる。本キットは、限定はされないが、針、シリンジ、チューブ材料、又はIVバッグを含め、化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物を個体に投与するための備品を更に含むことができる。本キットは、本明細書に開示される化合物、腫瘍溶解性ウイルス、又は医薬組成物のいずれかの作製に関する説明書を更に含むことができる。
[0376] 本開示は、以下の例を参照することにより、更に十分に理解されるであろう。しかしながら、これらの例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されてはならない。本明細書に記載される例及び実施形態は例示目的に過ぎず、それらを踏まえた様々な修正又は変更が当業者に想起されてもよく、それらは本願の趣旨及び範囲内及び添付の特許請求の範囲内に包含されることが理解される。
実施例
一般的ワークアップ手順1
[0377] 水溶液を酢酸エチルで2~3回抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム、若しくは無水硫酸マグネシウムで乾燥させるか、又はブライン若しくは飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄した後、乾燥させて、ろ過し、及び真空下で濃縮した。
精製手順
[0378] 調製規模のキラル超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)は、CHIRALPAK AS-H、CHIRALPAK AD-H、又はCHIRALPAK IGなどの様々なCHIRALPAKカラムを使用し、CO2/MeOH、CO2/EtOH、又はCO2/(MeOH+アセトニトリル)などの溶媒系を使用して実施した。
[0379] 調製規模のキラルHPLCは、CHIRALPAK IA、CHIRAL ART Cellulose-SB、CHIRALPAK IF、及びCHIRALPAK IGなどの様々なCHIRALPAKカラムを使用し、ヘキサン/メタノール、ヘキサン/エタノール、(ヘキサン+ジクロロメタン)/エタノール、MTBE/メタノール、MTBE/エタノール、及び(ヘキサン-8mmol/L NH3)/メタノール、移動相B:エタノール及びヘキサン/IPAなどの溶媒系を使用して実施した。
[0380] 調製規模のHPLCは、SunFire Prep C18 OBD、XBridge Prep OBD C18、及びXBridge Shield RP18 OBDなどのカラムを使用し、(水-0.1%ギ酸)/アセトニトリル、(水-10mmol/L NH4HCO3)/アセトニトリル、又は(水-10mmol/L NH4HCO3)/アセトニトリルなどの溶媒系を使用して実施した。
[0381] クロマトグラフィーAとは、ヘキサン又は石油エーテル中EtOAcの混合物で溶出する、典型的にはプレパックカートリッジ内にあるシリカゲルでの精製を指す;クロマトグラフィーBとは、DCM中MeOHの混合物での溶出を指す;クロマトグラフィーCとは、水中アセトニトリルの混合物で溶出する、C18逆相シリカゲルの使用を指す;クロマトグラフィーDとは、エタノール、EtOAc、及びヘキサンの混合物での溶出を指す。表1に立体化学なしに描かれる化合物は、生物学的実施例中ではラセミ混合物又はジアステレオマー(diasteromeric)混合物として試験した。
[0382] 本実施例で使用される略語には、以下が含まれる:HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロリン酸塩;T3P:プロピルホスホン酸無水物;キサントホス:4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン;NBS:N-ブロモコハク酸イミド;BPO:過酸化ベンゾイル;THF:テトラヒドロフラン;EtOAc:酢酸エチル;DCM:ジクロロメタン;MeOH:メタノール;DCE:1,2-ジクロロエタン;TEA:トリエチルアミン;DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン;及びDMF:N,N-ジメチルホルムアミドが挙げられる。
実施例A:2-(ブロモメチル)-5-ホルミル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチルの合成
[0383] ステップ1:3-(メトキシカルボニル)-4-メチル-5-(トリフルオロメチル)安息香酸の合成。DMF(200mL)中の5-ブロモ-2-メチル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(18.0g、60.8mmol)、シュウ酸(11.5g、91.2mmol)、無水酢酸(9.3g、91.2mmol)、及びDIPEA(11.8g、91.2mmol)の脱気した溶液に、Pd(OAc)
2(1.4g、6.1mmol)及びキサントホス(1.8g、3.0mmol)を加えた。この混合物を窒素下にて100℃で16時間撹拌した。pHが約3になるまでHCl(1M、300mL)を加えることにより反応をクエンチし、続いて一般的ワークアップ手順1を行った。残渣をクロマトグラフィーCによって精製して、表題化合物を得た(7.5g、47%)。
[0384] ステップ2:4-(ブロモメチル)-3-(メトキシカルボニル)-5-(トリフルオロメチル)安息香酸の合成。CCl4(160mL)中の4-メチル-3-(メトキシカルボニル)-5-(トリフルオロメチル)安息香酸(8g、30.5mmol)及びNBS(8.2g、46mmol)の撹拌溶液に、BPO(2.2g、9mmol)を加えた。この溶液を80℃で16時間撹拌した。混合物を濃縮した。この粗生成物をクロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(8.0g、77%)。MS(ESI)計算値(C11H8BrF3O4)[M-H]-、339.0;実測値、339.1。
[0385] ステップ3:2-(ブロモメチル)-5-(ヒドロキシメチル)-3-(トリフルオロメチル)-安息香酸メチルの合成。THF(30mL)中の4-(ブロモメチル)-3-(メトキシカルボニル)-5-(トリフルオロメチル)-安息香酸(2.65g、7.77mmol)の撹拌溶液に、ボラン(19.4mL、19.4mmol、THF中1M)を加えた。この溶液を室温で6時間撹拌した。次にメタノール(10mL)を加えることにより反応をクエンチした。混合物を濃縮した。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(1.40g、84%)。
[0386] ステップ4:2-(ブロモメチル)-5-ホルミル-3-(トリフルオロメチル)-安息香酸メチルの合成。EtOAc(70mL)中の2-(ブロモメチル)-5-(ヒドロキシメチル)-3-(トリフルオロメチル)-安息香酸メチル(7.1g、21.71mmol)の撹拌溶液に、2-ヨードキシ安息香酸(9.1g、32.5mmol)を加えた。この反応物を70℃で3時間撹拌した。固体をろ過によって除去し、ろ液を真空濃縮した。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(6.6g、94%)。
実施例B:(R)-6-((4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オンの合成
[0387] DCM(300.00mL)中の(3R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン塩酸塩(5.00g、29.1mmol)の撹拌溶液に、TEA(24.2mL、175mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(37.1g、175mmol)を加えた。この懸濁液を10分間撹拌し、次に0℃に冷却した後、20mLのDCM中の2-(ブロモメチル)-5-ホルミル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(9.47g、29.1mmol)を加えた。この混合物を室温で約12時間撹拌した。反応を飽和塩化アンモニウムでクエンチし、続いてDCMを使用して一般的ワークアップ手順1を行った。溶媒の除去後、粗残渣をメタノール(100mL)に溶解させて、次にこの溶液にアンモニア(メタノール中7N、100mL)を加えた。混合物を室温で12時間撹拌した。粗製物を濃縮し、クロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(7.10g、70.0%)。
実施例C:4-シクロプロピル-1-オキソ-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-カルバルデヒド
[0388] ステップ1:3-アミノ-6-クロロ-2-ヨードピリジン-4-カルボン酸の合成。DMF(1.4L)中の5-アミノ-2-クロロピリジン-4-カルボン酸(100.0g、579.47mmol)の溶液に、N-ヨードスクシンイミド(195.6g、869.21mmol)を0~10℃で少量ずつ加えた。30分間撹拌した後、得られた混合物を80℃に加熱し、16時間撹拌した。水を加えることにより反応混合物をクエンチし、続いて一般的ワークアップ手順1を行うことにより表題化合物を得て(140.0g、粗製)、これを精製することなく次のステップで使用した。
[0389] ステップ2:3-アミノ-6-クロロ-2-ヨードピリジン-4-カルボン酸メチルの合成。メタノール(90.0mL)及びDCM(900mL)中の3-アミノ-6-クロロ-2-ヨードピリジン-4-カルボン酸(70.0g、234.80mmol)の混合物に、TMSCHN2(176mL、ヘキサン中2M)を0℃で滴下して加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応が完了したところで、有機溶媒を真空下で除去した。粗残渣を石油エーテル中15%酢酸エチルでトリチュレートした。固体をろ過によって回収し、乾燥させることにより表題化合物を得て(65.0g、粗製)、これを精製することなく次のステップで使用した。
[0390] ステップ3:3-アミノ-6-クロロ-2-シクロプロピルピリジン-4-カルボン酸メチルの合成。ジオキサン(1.5L)中の3-アミノ-6-クロロ-2-ヨードピリジン-4-カルボン酸メチル(45.0g、144.23mmol)、シクロプロピルボロン酸(49.6g、576.92mmol)、K2CO3(59.7g、432.69mmol)、及びPd(dppf)Cl2(10.5g、14.42mmol)の脱気した混合物をN2雰囲気下にて100℃で16時間撹拌した。固体をろ去し、ろ液を真空下で濃縮した。粗残渣を酢酸エチル及び水に溶解させて、続いて一般的ワークアップ手順1を行った後、粗製物をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(22.1g、3ステップで67%)。
[0391] ステップ4:6-クロロ-2-シクロプロピル-3-ヨードピリジン-4-カルボン酸メチルの合成。ジクロロメタン(1.5L)中の3-アミノ-6-クロロ-2-シクロプロピルピリジン-4-カルボン酸メチル(25.0g、110.62mmol)の混合物に、t-BuONO(17.0g、169.00mmol)及びBF3・Et2O(19.0g、264.70mmol)を順次、N2雰囲気下にて0℃で滴下して加えた。得られた混合物を室温で2時間撹拌した。ヘキサンを加えることにより反応混合物をクエンチした。固体をろ過によって回収し、乾燥させることにより、6-クロロ-2-シクロプロピル-4-(メトキシカルボニル)ピリジン-3-ジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩を得て(33.4g)、これを水(250.0mL)中のKI(34.1g、205.52mmol)の混合物に50℃で少量ずつ加えた。得られた混合物を50℃で2時間撹拌した。反応が完了したところで、続いて一般的ワークアップ手順1を行い、得られた残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(23.0g、2ステップで62%)。
[0392] ステップ5:6-クロロ-2-シクロプロピル-3-メチルピリジン-4-カルボン酸メチルの合成。ジオキサン(500mL)中の6-クロロ-2-シクロプロピル-3-ヨードピリジン-4-カルボン酸メチル(23.0g、68.05mmol)、メチルボロン酸(16.3g、272.20mmol)、Pd(dppf)Cl2(4.9g、6.81mmol)、及びK2CO3(28.2g、204.15mmol)の脱気した混合物をN2雰囲気下にて90℃で16時間撹拌した。固体をろ去し、ろ液を真空下で濃縮した。粗残渣を酢酸エチル及び水に溶解させて、続いて一般的ワークアップ手順1を行った後、粗製物をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(12.5g、83%)。
[0393] ステップ6:3-(ブロモメチル)-6-クロロ-2-シクロプロピルピリジン-4-カルボン酸メチルの合成。CCl4(150.0mL)中の6-クロロ-2-シクロプロピル-3-メチルピリジン-4-カルボン酸メチル(12.5g、55.56mmol)、NBS(19.8g、111.11mmol)、及びBPO(4.0g、16.67mmol)の混合物をN2雰囲気下にて80℃で16時間撹拌した。反応が完了したところで、固体をろ去し、ろ液を真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(7.8g、50%)。
[0394] ステップ7:6-クロロ-4-シクロプロピル-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの合成。NH3(MeOH中7M、80.0mL)中の3-(ブロモメチル)-6-クロロ-2-シクロプロピルピリジン-4-カルボン酸メチル(7.8g、25.83mmol)の混合物をN2雰囲気下にて室温で16時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、固体を回収し、メタノールで洗浄して、6-クロロ-4-シクロプロピル-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを得た(5.0g、92.1%)。
[0395] ステップ8:4-シクロプロピル-6-エテニル-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの合成。THF/水(v/v、10/1、220.0mL)中の6-クロロ-4-シクロプロピル-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(4.3g、43.96mmol)、カリウムビニルトリフルオロボラート(11.8g、87.91mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(3.6g、4.39mmol)及びCs2CO3(20.8g、131.88mmol)の脱気した混合物をN2雰囲気下にて80℃で4時間撹拌した。反応が完了したところで、溶媒を真空下で除去した。粗残渣を酢酸エチル及び水で溶解させて、続いて一般的ワークアップ手順1を行い、得られた残渣をクロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(3.5g、87%)。
[0396] ステップ9:4-シクロプロピル-1-オキソ-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-カルバルデヒドの合成。テトラヒドロフラン(50mL)及び水(20mL)中の4-シクロプロピル-6-エテニル-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(3.5g、17.50mmol)及び4-メチルモルホリンN-オキシド(6.1g、52.50mmol)の溶液に、0℃でK2OSO4・2H2O(127.4mg、0.35mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。NaHSO3(10.2g)を加えることにより反応混合物をクエンチし、室温で10分間撹拌した。次にこの混合物に水(300.0mL)を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。水層を回収して、4-シクロプロピル-6-(1,2-ジヒドロキシエチル)-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(350mL)の粗溶液を得た。シリカゲル(65.6g)を入れた三つ口フラスコに、激しく撹拌しながら水(32.8mL)中のNaIO4(7.5g、35.00mmol)の溶液を滴下して加えた。室温で20分間撹拌した後、得られた混合物に、激しく撹拌しながら4-シクロプロピル-6-(1,2-ジヒドロキシエチル)-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの粗溶液(水中350.0mL)を加えた。得られた混合物を室温で4時間撹拌した。反応が完了したところで、固体をろ去し、ろ液をDCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させて、真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(1.7g、2ステップで48%)。
実施例D:(R)-4-シクロプロピル-6-((4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
[0397] DCM(17mL)中の混合物4-シクロプロピル-1-オキソ-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-カルバルデヒド(840mg、4.16mmol)、(R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン塩酸塩(783mg、4.57mmol)、及びTEA(636μL、4.56mmol)を室温で10分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(969mg、4.57mmol)を加えた。1.5時間後、追加のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(177mg)を加えた。この反応物を一晩撹拌した後、重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、続いてDCMを使用して一般的ワークアップ手順1を行った。粗材料をクロマトグラフィーBによって精製し、続くクロマトグラフィーCにより表題化合物を得た(626mg、47%)。
実施例E:(S)-4-シクロプロピル-6-((3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
[0398] DCE(34mL)中の4-シクロプロピル-1-オキソ-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-カルバルデヒド(1.0g、4.95mmol)、(3S)-3-メチルピペリジン塩酸塩(804mg、5.93mmol)、及びTEA(0.69mL、4.56mmol)の溶液を室温で15分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.36g、6.43mmol)を加えた。この反応物を一晩撹拌した後、重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、続いてDCMを使用して一般的ワークアップ手順1を行った。粗材料をクロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(1.1g、77%)。
実施例F:(S)-4-シクロプロピル-6-((3-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
[0399] DCE(3.4mL)中の溶液4-シクロプロピル-1-オキソ-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-カルバルデヒド(100mg、0.49mmol)、(3S)-3-(トリフルオロメチル)ピペリジン塩酸塩(94mg、0.49mmol)、及びTEA(0.069mL、0.49mmol)を室温で15分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(136mg、0.64mmol)を加えた。この反応物を一晩撹拌した後、重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、続いてDCMを使用して一般的ワークアップ手順1を行った。粗材料をクロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(91mg、54%)。
実施例G:(1r,3r)-3-(3-アミノフェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0400] ステップ1:2-(3-シアノシクロブチリデン)酢酸メチルの合成。THF(2.50L)中のNaH(20.2g、504mmol、60.0%純度、1.20当量)の溶液に、0℃でTHF(250mL)中の2-(ジメトキシホスホリル)酢酸メチル(84.3g、462mmol、66.9mL、1.10当量)の溶液を加えた。この混合物を0℃で1時間撹拌した。次に混合物にTHF(250mL)中の3-オキソシクロブタン-1-カルボニトリル(40.0g、420mmol、1.00当量)の溶液を加えた。この混合物を25℃に加温した後、混合物を25℃で12時間撹拌した。2つのバッチの反応混合物を飽和NH
4Cl溶液(4.0L)に注入し、酢酸エチル(4.00L×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2.0L)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させて、ろ過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(81.7g、64.2%収率)。
[0401] ステップ2:2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸メチル及び2-((1s,3s)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸メチルの合成。ジオキサン(1.00L)及びKOH(1.50M、550.mL、1.30当量)中の2-(3-シアノシクロブチリデン)酢酸メチル(96.0g、635mmol、1.00当量)の溶液に、25℃で(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)ボロン酸(225g、952mmol、1.50当量)及び[Rh(cod)Cl]2(15.7g、31.8mmol、0.05当量)を加えた。次にこの混合物を25℃で12時間撹拌した。2つのバッチの反応混合物を飽和NH4Cl溶液(2.00L)に注入し、続いて一般的ワークアップ手順1を行った。残渣をクロマトグラフィーAによって精製すると、2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸メチルが初めに溶出した(133g、27.4%収率)。2番目の溶出化合物を逆相クロマトグラフィーによって更に精製して、異性体2-((1s,3s)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸メチルを得た(105g、293mmol、23.1%収率)。
[0402] ステップ3:2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸の合成。THF(600mL)中の2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸メチル(133g、347mmol、1.00当量)の溶液に、25℃でLiOH・H2O(18.2g、434mmol、1.25当量)、及びMeOH(120mL)及びH2O(240mL)を加えた。次にこの混合物を25℃で12時間撹拌した。反応混合物を真空下25℃で濃縮した。次に混合物を0.5N HClでpH=3~4に調整して沈殿物を生じさせ、それをろ過によって回収し、真空下で乾燥させた。このろ過ケーキを酢酸エチル(1.50L)に溶解させて、混合物を乾燥させ、ろ過し、濃縮して、表題化合物を得た(110g、粗製)。
[0403] ステップ4:(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((5-メルカプト-4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチルの合成。DMF(350mL)及びDIPEA(28.9g、223mmol、39.0mL、1.00当量)中の2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸(78.0g、223mmol、1.00当量)及びN-メチルヒドラジンカルボチオアミド(35.3g、335mmol、1.50当量)の溶液に、25℃でHATU(110g、291mmol、1.30当量)を加えた。次にこの混合物を25℃で4時間撹拌した。この混合物に、25℃でNaOH(1.00M、470mL、2.10当量)を加えた。次に混合物を50℃に加熱し、50℃で12時間撹拌した。混合物を25℃に冷却した後、反応混合物を飽和NH4Cl溶液(1.30L)に注入した。固体が沈殿し、それをろ過によって回収し、ろ過ケーキを真空下で乾燥させた。このろ過ケーキを酢酸エチル(1.00L)に溶解させて、混合物を乾燥させ、ろ過し、濃縮して、表題化合物を得た(100g、粗製)。
[0404] ステップ5:(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチルの合成。DCM(1.00L)及び酢酸(233g、3.89mol、222mL、14.0当量)中の(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((5-メルカプト-4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチル(122g、277mmol、1.00当量)の溶液に、0℃でH2O2(78.8g、694mmol、66.8mL、30.0%純度、2.50当量)を加えた。次に反応混合物を30℃で2時間撹拌した。この反応混合物を飽和NaHCO3溶液(2.00L)に注入し、DCM(500mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(600mL)で洗浄した。次に有機層を乾燥させて、ろ過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(83.0g、78.9%収率)。
[0405] ステップ6:(1r,3r)-3-(3-アミノフェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。DCM(500mL)中の(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチル(50.0g、132mmol、1.00当量)の溶液に、25℃でTMSI(106g、528mmol、71.9mL、4.00当量)を加えた。次にこの混合物を25℃で2時間撹拌した。この反応混合物に水(300mL)を加えた。水相を分離し、飽和Na2CO3溶液でpH=7~8に調整し、DCM:メタノール=10:1(500mL×5)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させて、ろ過し、濃縮した。残渣をクロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(10.5g、38.6mmol、29.2%収率)。
実施例H:(1r,3r)-3-(3-アミノフェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0406] ステップ1:2-(3-シアノ-3-メチルシクロブチリデン)酢酸メチルの合成。1-メチル-3-オキソシクロブタン-1-カルボニトリル(2.5g、22.9mmol)を使用して、実施例G、ステップ1と同様に反応を行い、表題化合物(3.5g、83%)を生成した。
[0407] ステップ2:2-[(trans)-1-(3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル)-3-シアノ-3-メチルシクロブチル]酢酸メチルの合成。1-メチル-3-オキソシクロブタン-1-カルボニトリル(3.5g、21.2mmol)を使用して、実施例G、ステップ2と同様に反応を行い、表題化合物(1.1g、15%)を2番目の溶出異性体として生成した。
[0408] ステップ3:2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノ-3-メチルシクロブチル)酢酸の合成。2-[(trans)-1-(3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル)-3-シアノ-3-メチルシクロブチル]酢酸メチル(1.1g、3.1mmol)を使用して、実施例G、ステップ3と同様に反応を行った。混合物を濃縮乾固させることにより反応物をワークアップした後、水(50mL)を加え、この溶液を1N HCl(3.8mL)でpH約5に達するように酸性化し、続く一般的ワークアップ手順1により表題化合物を得た(1.05g、3.1mmol)。
[0409] ステップ4:(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((5-メルカプト-4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-メチルシクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチルの合成。2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノ-3-メチルシクロブチル)酢酸(1.05g、3.1mmol)を使用して、実施例G、ステップ4と同様に反応を行い、表題化合物を得た(1.2g、91%)。
[0410] ステップ5:(3-((1r,3r)-3-シアノ-3-メチル-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチルの合成。(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((5-メルカプト-4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-メチルシクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチル(640mg、1.6mmol)を使用して、実施例G、ステップ5と同様に反応を行い、表題化合物(440mg、75%)を生成した。
[0411] ステップ6:(1r,3r)-3-(3-アミノフェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。(3-((1r,3r)-3-シアノ-3-メチル-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)カルバミン酸tert-ブチル(440mg、1.6mmol)を使用して、実施例G、ステップ6と同様に反応を行い、表題化合物(290mg、89%)を生成した。
実施例I:(1r,3r)-3-(3-ブロモフェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0412] (1r,3r)-3-(3-ブロモフェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル。アセトニトリル(4.5mL)中の実施例G(100mg、0.37mmol)及びCuBr2(167mg、0.75mmol)の撹拌した懸濁液に、亜硝酸t-ブチル(67μL、0.56mmol)を滴下して加えた。この反応物を1時間撹拌した後、容積が半分になるまで濃縮し、NH
4OH(約6M、15mL)でクエンチし、続いて一般的ワークアップ手順1を行い、クロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物(60%収率)を提供した。
実施例1:N-(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-2-シクロプロピル-6-メチルピリミジン-4-カルボキサミド
[0413] アセトニトリル(1.6mL)中の実施例G(53mg、0.20mmol)、N-メチルモルホリン(65μL、0.59mmol)、及び2-シクロプロピル-6-メチルピリミジン-4-カルボン酸(35mg、0.20mmol)の溶液に、1-プロパンホスホン酸無水物溶液(DMF中50%、0.14mL、0.25mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩撹拌した後、0.5N HCl水溶液(5mL)及び水(5mL)を加えた。続いて水溶液のpHを約7に保ちながら一般的ワークアップ手順1を行い、合わせた有機分を乾燥させて、ろ過した。クロマトグラフィーBにより、表題化合物を得た(11mg、15%)。LCMS:C
24H
25N
7O理論値427.2、実測値428.4[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 9.90(s,1H),7.87(s,1H),7.80-7.70(m,2H),7.40(t,J=2.0Hz,1H),7.29(t,J=7.9Hz,1H),6.79(ddd,J=7.7,1.9,1.0Hz,1H),3.29(s,2H),3.15-3.08(m,1H),2.97-2.84(m,4H),2.77(s,3H),2.53(s,3H),2.32(tt,J=8.0,4.7Hz,1H),1.19(tt,J=5.7,3.0Hz,2H),1.12(dt,J=8.1,3.0Hz,2H).
実施例2:N-(3-((1s,3s)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-2-シクロプロピル-6-メチルピリミジン-4-カルボキサミド
[0414] 実施例G、ステップ3~6からの反応と、続く実施例G、ステップ2からの2-((1s,3s)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-シアノシクロブチル)酢酸メチルを使用した実施例1からのアミド形成を実施して、逆相HPLC後に表題化合物(20mg、55%)を得ることにより、表題化合物を入手した。LCMS:C
24H
25N
7O理論値427.2、実測値428.4[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 9.90(s,1H),8.71(s,1H),7.83(s,1H),7.78-7.67(m,1H),7.39(t,J=7.9Hz,1H),7.29(t,J=2.0Hz,1H),6.85(dt,J=8.0,1.3Hz,1H),3.61(p,J=8.9Hz,1H),3.48(s,2H),3.11-2.97(m,2H),2.90(s,3H),2.80(td,J=9.4,2.6Hz,2H),2.61(s,3H),2.40(tt,J=8.1,4.7Hz,1H),1.29(tt,J=5.9,3.1Hz,2H),1.22(dt,J=8.1,3.1Hz,2H).
実施例3:(1r,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0415] 実施例G(31mg、0.12mmol)が入ったバイアルに、アセトニトリル(1.0mL)及び2-(ブロモメチル)-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(35mg、0.12mmol)を入れた。硝酸銀(26mg、0.15mmol)を水(0.5mL)に溶解させて滴下して加え、この反応物を室温で一晩撹拌した。固形重炭酸塩を加えてpHを約8に調整し、続いてブライン(1mL)を加えた。反応物をろ過し、ろ液をDCM:イソプロパノール(9:1、3×15mL)で抽出し、合わせた有機分を乾燥させて、ろ過した後、逆相HPLC精製(10分間にわたる0.1%TFA含有水中10~95%MeCNグラジエント)により、表題化合物(6.4mg、12%)を生じさせた。LCMS:C
24H
20F
3N
5O理論値451.2、実測値452.3[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.13(s,1H),8.05(d,J=7.6Hz,1H),7.95(d,J=7.7Hz,1H),7.84(ddd,J=8.1,2.2,0.9Hz,1H),7.73(t,J=7.7Hz,1H),7.47(t,J=2.1Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.92-6.86(m,1H),5.01(s,2H),3.41(s,2H),3.16-3.07(m,1H),2.96(d,J=7.8Hz,4H),2.83(d,J=13.4Hz,5H).
実施例4:(1r,3r)-3-(3-(6-((5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0416] ステップ1:(1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。実施例G(136mg、0.51mmol)及び2-(ブロモメチル)-5-ホルミル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(166mg、0.51mmol)を使用して、実施例3と同様に環化反応を行うことにより粗表題化合物を得て(240mg、98%)、これを精製することなく使用した。
[0417] ステップ2:(1r,3r)-3-(3-(6-((5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。DCE(0.42mL)中の(1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)、5-アザスピロ[2.4]ヘプタン塩酸塩(21mg、0.16mmol)、及びTEA(14.6μL、0.10mmol)の溶液を15分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(33mg、0.16mmol)を加えた。この反応物を一晩撹拌した後、重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、続いてDCMを使用して一般的ワークアップ手順1を行った。粗材料をクロマトグラフィーBによって精製し、続くクロマトグラフィーCにより表題化合物を得た(10mg、17%)。LCMS:C31H31F3N6O理論値560.3、実測値561.4[M+H]+。1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 8.00(s,1H),7.94(s,1H),7.89(s,1H),7.88-7.83(m,1H),7.43(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(ddd,J=7.7,1.8,0.9Hz,1H),4.98(d,J=1.5Hz,2H),3.81(s,2H),3.34(s,2H),3.21-3.10(m,1H),3.04-2.90(m,4H),2.77(d,J=9.0Hz,5H),2.52(s,2H),1.83(t,J=6.9Hz,2H),0.55(d,J=1.6Hz,4H).
実施例5:(1r,3r)-3-(3-(6-((2-エチル-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0418] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(60mg、0.13mmol)及び2-エチル-1,4-オキサゼパン(32mg、0.25mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(29mg、39%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O
2理論値592.3、実測値593.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.03(s,1H),7.97(s,1H),7.93-7.84(m,2H),7.44(t,J=2.1Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.91-6.82(m,1H),4.99(s,2H),3.94-3.79(m,3H),3.79-3.67(m,1H),3.50(tdd,J=7.7,5.0,2.4Hz,1H),3.34(s,2H),3.22-3.07(m,1H),3.03-2.91(m,4H),2.88-2.72(m,5H),2.64(ddd,J=12.8,9.0,3.9Hz,1H),2.42(dd,J=13.3,8.9Hz,1H),1.96-1.85(m,1H),1.86-1.76(m,1H),1.45-1.26(m,2H),0.86(t,J=7.4Hz,3H).
実施例6:(1r,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(((R)-2-メチルモルホリノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0419] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び(2R)-2-メチルモルホリン(22mg、0.22mmol)を使用して、実施例14、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、0.1%TFA添加剤を使用したクロマトグラフィーC後に表題化合物を得た。生成物を含有する画分を濃縮し、DCMに溶解させて、重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させて、濃縮することにより、生成物を得た(15mg、36%)。LCMS:C
30H
31F
5N
6O
2理論値564.2、実測値565.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.01(s,1H),7.98-7.83(m,3H),7.43(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(ddd,J=7.8,1.8,0.9Hz,1H),4.99(s,2H),3.81(ddd,J=11.3,3.4,1.6Hz,1H),3.68(d,J=1.8Hz,2H),3.61(ddt,J=11.5,9.3,2.4Hz,2H),3.34(s,2H),3.21-3.08(m,1H),3.04-2.90(m,4H),2.73(dt,J=11.2,2.0Hz,1H),2.66(dd,J=11.2,2.1Hz,1H),1.87(dd,J=11.3,9.8Hz,1H),1.09(d,J=6.2Hz,3H).
実施例7:(1r,3r)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(((R)-2-メチルモルホリノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0420] ステップ1.(1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。実施例H(234mg、0.83mmol)及び2-(ブロモメチル)-5-ホルミル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(270mg、0.83mmol)を使用して、実施例3と同様に反応を行い、クロマトグラフィーB後に表題化合物を生成した(200mg、49%)。
[0421] ステップ2.(1r,3r)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(((R)-2-メチルモルホリノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。(1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(53mg、0.11mmol)及び(2R)-2-メチルモルホリン塩酸塩(22mg、0.16mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(19mg、31%)。LCMS:C31H33F3N6O2理論値578.3、実測値579.5[M+H]+。1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 8.02(d,J=3.2Hz,1H),7.98-7.83(m,3H),7.51(q,J=2.1Hz,1H),7.40(t,J=8.1Hz,1H),6.98(d,J=7.8Hz,1H),5.01(s,2H),3.88-3.76(m,1H),3.74-3.54(m,4H),3.20(d,J=3.3Hz,2H),3.16-3.04(m,2H),2.88(dt,J=11.6,2.7Hz,2H),2.81-2.70(m,4H),2.66(dt,J=11.5,2.0Hz,1H),1.87(t,J=10.6Hz,1H),1.66(d,J=1.3Hz,3H),1.09(dd,J=6.4,1.4Hz,3H).
実施例8:N-(3-((1r,3r)-3-シアノ-3-メチル-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-2-シクロプロピル-6-メチルピリミジン-4-カルボキサミド
[0422] 実施例H(47mg、0.17mmol)を使用して、実施例1と同様に反応を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を生じさせた(45mg、61%)。LCMS:C
25H
27N
7O理論値441.2、実測値442.4[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,DMSO-d
6)δ 10.42(s,1H),8.18(s,1H),7.83(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),7.72(s,1H),7.59(t,J=1.9Hz,1H),7.30(t,J=7.9Hz,1H),6.81(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),3.16(s,2H),3.01-2.89(m,2H),2.78(d,J=18.0Hz,5H),2.52(s,3H),2.34(tt,J=8.1,4.7Hz,1H),1.58(s,3H),1.21-1.01(m,4H).
実施例9:(1S,3s)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(((R)-2-メチルモルホリノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0423] 実施例H、ステップ2から単離された初めに溶出した異性体を使用して、実施例H、ステップ3~6と同様に表題化合物を合成した。ステップ6の後、実施例1と同様に反応を行い、クロマトグラフィーC後、表題化合物を提供した(27mg、38%)。LCMS:C
31H
33F
3N
6O
2理論値578.3、実測値579.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 8.16(s,1H),8.00(s,1H),7.95(s,1H),7.88-7.80(m,1H),7.37-7.27(m,2H),6.68(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),5.09(s,2H),3.80-3.62(m,3H),3.62-3.46(m,2H),3.26-3.17(m,2H),2.75-2.55(m,8H),2.11(td,J=11.4,3.4Hz,1H),1.81(t,J=10.5Hz,1H),1.41(s,3H),1.04(d,J=6.3Hz,3H).
実施例10:(1S,3s)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(((R)-2-メチルモルホリノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0424] 実施例H、ステップ2からの初めに溶出した異性体を使用して、実施例7と同様に表題化合物を合成した。LCMS:C
31H
33F
3N
6O
2理論値578.3、実測値579.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,DMSO-d
6)δ 8.16(s,1H),8.00(s,1H),7.95(s,1H),7.88-7.80(m,1H),7.37-7.27(m,2H),6.68(dd,J=7.8,1.7Hz,1H),5.09(s,2H),3.80-3.62(m,3H),3.62-3.46(m,2H),3.26-3.17(m,2H),2.75-2.55(m,8H),2.11(td,J=11.4,3.4Hz,1H),1.81(t,J=10.5Hz,1H),1.41(s,3H),1.04(d,J=6.3Hz,3H).
実施例11:(1R,3r)-3-(3-(6-(((R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0425] ジオキサン(0.72mL)中の実施例I(70mg、0.21mmol)、(R)-6-((4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オン(74mg、0.21mmol)、Cs
2CO
3(152mg、0.46mmol)、キサントホス(25mg、0.04mmol)、及びPd(OAc)
2(4.7mg、0.02mmol)の混合物を120℃で1時間加熱した。この混合物をセライト上で直接濃縮し、クロマトグラフィーCを用いて精製して、表題化合物を得た(35mg、27%)。LCMS:C
31H
31F
5N
6O理論値598.2、実測値599.4[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.99(s,1H),7.91(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.8,1.2Hz,1H),4.96(s,2H),3.71(s,2H),3.35-3.26(m,2H),3.20-3.07(m,1H),3.01-2.85(m,4H),2.83-2.64(m,5H),2.37(t,J=11.4Hz,1H),2.14-1.97(m,4H),0.97(d,J=6.3Hz,3H).
実施例12:(1r,3r)-3-(3-(6-(((6,6-ジフルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0426] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び6,6-ジフルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-アミン塩酸塩(25mg、0.15mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た。LCMS:C
31H
29F
5N
6O理論値596.2、実測値597.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.93(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.40(d,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=7.3Hz,1H),4.95(s,2H),3.93(s,2H),3.31(s,2H),3.21-3.07(m,2H),2.98-2.91(m,4H),2.75(s,3H),2.26(dd,J=13.5,7.2Hz,2H),2.06-2.02(m,2H),1.90-1.79(m,3H).
実施例13:(1r,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-((4-メチルアゼパン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0427] DCE(0.71mL)中の(1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)、4-メチルアゼパン(24mg、0.21mmol)、及び酢酸(6μL、0.10mmol)の混合物を15分間撹拌した後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.14mmol)を加えた。この反応物を一晩撹拌した後、重炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、続いてDCMを使用して一般的ワークアップ手順1を行った。粗材料をクロマトグラフィーCによって精製して、表題化合物を得た(29mg、47%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O理論値576.3、実測値577.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.99(s,1H),7.93(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.8,1.2Hz,1H),4.95(s,2H),3.78(s,2H),3.31(s,2H),3.19-3.08(m,1H),2.97-2.90(m,4H),2.75(s,3H),2.71-2.53(m,5H),1.77-1.50(m,3H),1.40-1.29(m,2H),0.93(d,J=6.6Hz,3H).
実施例14:(1R,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-6-(((S)-3-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)メチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0428] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び(3S)-3-(トリフルオロメチル)ピペリジン塩酸塩(21mg、0.11mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(19mg、41%)。LCMS:C
31H
30F
6N
6O理論値616.2、実測値617.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.98(s,1H),7.90(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=7.9,1.8Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.88-6.82(m,1H),4.96(s,2H),3.71(s,2H),3.31(s,2H),3.17-3.09(m,1H),2.99-2.88(m,5H),2.82(d,J=11.6Hz,1H),2.75(s,3H),2.47(t,J=11.4Hz,1H),2.11-2.00(m,3H),1.75(d,J=13.6Hz,1H),1.63-1.52(m,1H),1.32(qd,J=12.5,4.3Hz,1H).
実施例15:(1R,3r)-3-(3-(6-(((2R,6S)-2,6-ジメチルモルホリノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0429] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(40mg、0.09mmol)及びcis-2,6-ジメチルモルホリン(20mg、0.17mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(20mg、41%)。LCMS:C
29H
30F
3N
7O
2理論値565.2、実測値565.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.11(s,1H),8.05-7.93(m,3H),7.89(s,1H),7.74(s,1H),7.52(t,J=7.9Hz,1H),7.21(dt,J=7.7,1.2Hz,1H),5.04(s,2H),3.90(s,3H),3.68-3.58(m,4H),3.36(s,3H),2.69(dt,J=10.5,1.9Hz,2H),1.76(t,J=10.7Hz,2H),1.06(d,J=6.2Hz,6H).
実施例16:(1S,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-6-(((S)-2-(トリフルオロメチル)モルホリノ)メチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0430] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(30mg、0.06mmol)及び(2S)-3-(トリフルオロメチル)モルホリン塩酸塩(18mg、0.09mmol)を使用して、実施例14、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(19mg、41%)。LCMS:C
31H
28F
6N
6O
2理論値618.2、実測値619.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.04(s,1H),7.95(s,1H),7.91-7.84(m,2H),7.43(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.89(d,J=7.7Hz,1H),5.00(s,2H),4.17-4.06(m,1H),4.03-3.94(m,1H),3.78(s,2H),3.72(td,J=11.4,2.5Hz,1H),3.34(s,2H),3.21-3.09(m,1H),3.05-2.88(m,5H),2.78(s,3H),2.72(d,J=11.9Hz,1H),2.37-2.24(m,2H).
実施例17:(1r,3r)-3-(3-(6-((4,4-ジフルオロアゼパン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0431] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(30mg、0.06mmol)及び4,4-ジフルオロアゼパン塩酸塩(16mg、0.09mmol)を使用して、実施例14、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(23mg、58%)。LCMS:C
31H
31F
5N
6O理論値598.2、実測値599.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.99(s,1H),7.93(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),7.41(s,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=7.8Hz,1H),4.96(s,2H),3.81(s,2H),3.31(s,2H),3.18-3.07(m,1H),2.99-2.89(m,4H),2.75(s,3H),2.71(t,J=5.9Hz,2H),2.69-2.61(m,2H),2.24-2.14(m,3H),1.79-1.70(m,3H).
実施例18:(1R,3r)-3-(3-(6-(((3S,5R)-3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0432] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(30mg、0.06mmol)及び(3R,5S)-3,5-ジメチルピペリジン(10mg、0.09mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(18mg、50%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O理論値576.3、実測値577.6[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.96(s,1H),7.90-7.81(m,3H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=8.0,1.1Hz,1H),4.96(s,2H),3.63(s,2H),3.31(s,2H),3.17-3.07(m,1H),3.02-2.89(m,4H),2.81-2.71(m,5H),1.75-1.59(m,3H),1.54(t,J=10.8Hz,2H),0.83(d,J=6.4Hz,6H),0.54(q,J=11.8Hz,1H).
実施例19:(1R,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(((S)-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0433] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)及び(3S)-3-メチルピペリジン塩酸塩(25mg、0.18mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィー後に表題化合物を得た(39mg、66%)。LCMS:C
31H
33F
3N
6O理論値562.3、実測値563.6[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.96(s,1H),7.89(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.1Hz,1H),7.40(t,J=2.1Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.8,1.4Hz,1H),4.95(s,2H),3.62(s,2H),3.31(s,2H),3.18-3.09(m,1H),3.00-2.89(m,4H),2.81-2.66(m,5H),1.73-1.46(m,6H),0.96-0.87(m,1H),0.84(d,J=6.1Hz,3H).
実施例20:(1R3r)-3-(3-(6-((((S)-3,3-ジフルオロシクロペンチル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0434] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(150mg、0.30mmol)及び(1S)-3,3-ジフルオロシクロペンタン-1-アミン塩酸塩(61mg、0.39mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(79mg、41%)。LCMS:C
30H
29F
5N
6O理論値584.2、実測値585.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.92(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.3,2.2Hz,1H),7.40(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.8,1.2Hz,1H),4.95(s,2H),3.91(s,2H),3.35-3.24(m,3H),3.17-3.08(m,1H),2.99-2.89(m,4H),2.75(s,3H),2.43-2.30(m,1H),2.29-2.17(m,1H),2.10-1.96(m,4H),1.68-1.57(m,1H).
実施例21:(1R,3r)-3-(3-(6-((((R)-3,3-ジフルオロシクロペンチル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0435] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(150mg、0.30mmol)及び(1R)-3,3-ジフルオロシクロペンタン-1-アミン塩酸塩(61mg、0.39mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(70mg、37%)。LCMS:C
30H
29F
5N
6O理論値584.2、実測値585.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.92(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.3,2.2Hz,1H),7.40(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.8,1.2Hz,1H),4.95(s,2H),3.91(s,2H),3.35-3.24(m,3H),3.17-3.08(m,1H),2.99-2.89(m,4H),2.75(s,3H),2.43-2.30(m,1H),2.29-2.17(m,1H),2.10-1.96(m,4H),1.68-1.57(m,1H).
実施例22:(1r,3r)-3-(3-(6-(((3,3-ジフルオロシクロブチル)(メチル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0436] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(30mg、0.06mmol)及び3,3-ジフルオロ-N-メチルシクロブタン-1-アミン塩酸塩(15mg、0.09mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(17mg、47%)。LCMS:C
30H
29F
5N
6O理論値584.2、実測値585.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.98(s,1H),7.90(s,1H),7.89-7.81(m,2H),7.40(t,J=2.1Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.86(d,J=7.8Hz,1H),4.96(s,2H),3.59(s,2H),3.31(s,2H),3.18-3.08(m,1H),3.01-2.87(m,5H),2.79-2.68(m,5H),2.57-2.43(m,2H),2.04(s,3H).
実施例23:(1r,3r)-3-(3-(6-(((1,1-ジフルオロスピロ[2.3]ヘキサン-5-イル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0437] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び1,1-ジフルオロスピロ[2.3]ヘキサン-5-アミン塩酸塩(25mg、0.15mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(6mg、13%)。LCMS:C
31H
29F
5N
6O理論値596.2、実測値597.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.94(s,1H),7.90-7.81(m,2H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=8.1Hz,1H),4.95(s,2H),3.89(s,2H),3.46(dp,J=74.4,7.2Hz,1H),3.31(s,2H),3.19-3.05(m,1H),3.00-2.87(m,5H),2.75(s,3H),2.45-2.37(m,1H),2.28-2.19(m,2H),1.26(dt,J=22.2,8.4Hz,3H).
実施例24:(1r,3r)-3-(3-(6-(((5,5-ジメチルテトラヒドロフラン-3-イル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0438] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び5,5-ジメチルオキソラン-3-アミン(16mg、0.15mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(3mg、6%)。LCMS:C
31H
33F
3N
6O
2理論値578.3、実測値579.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.92(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.3,2.2Hz,1H),7.40(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=7.9Hz,1H),4.95(s,2H),3.94-3.84(m,3H),3.54(dd,J=8.8,5.6Hz,1H),3.48-3.40(m,1H),3.31(s,2H),3.16-3.09(m,1H),2.98-2.92(m,4H),2.75(s,3H),2.50(s,1H),2.02(dd,J=12.5,7.6Hz,1H),1.58(dd,J=12.5,6.1Hz,1H),1.28(s,3H),1.15(s,3H).
実施例25:(1r,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-((3-メチルアゼパン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0439] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)及び3-メチルアゼパン塩酸塩(47mg、0.31mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(27mg、42%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O理論値576.3、実測値577.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.99(s,1H),7.94(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.0,2.3Hz,2H),7.41(t,J=2.1Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),4.95(s,2H),3.80(s,2H),3.31(s,2H),3.18-3.04(m,1H),3.00-2.89(m,4H),2.83-2.62(m,5H),2.62-2.53(m,1H),2.32(dd,J=13.1,9.0Hz,1H),1.76-1.46(m,5H),1.34-1.24(m,1H),0.80(d,J=6.7Hz,3H).
実施例26:(1r,3r)-3-(3-(6-((3-フルオロ-3-メチルアゼパン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0440] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)及び3-フルオロ-3-メチルアゼパン(27mg、0.21mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(29mg、46%)。LCMS:C
32H
34F
4N
6O理論値594.3、実測値595.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.01(s,1H),7.97(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.9,1.4Hz,1H),4.96(s,2H),3.91-3.81(m,2H),3.31(s,2H),3.17-3.08(m,1H),3.02-2.83(m,5H),2.80-2.60(m,6H),1.88-1.66(m,4H),1.65-1.54(m,1H),1.47-1.39(m,1H),1.22(d,J=21.5Hz,3H).
実施例27:(1r,3r)-3-(3-(6-((7,7-ジフルオロ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0441] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び7,7-ジフルオロ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン塩酸塩(19mg、0.11mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(22mg、49%)。LCMS:C
31H
29F
5N
6O理論値596.2、実測値597.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.96(s,1H),7.89(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.0,2.1Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.7,1.3Hz,1H),4.96(s,2H),3.69-3.55(m,2H),3.31(s,2H),3.18-3.07(m,1H),3.00-2.90(m,4H),2.80-2.71(m,4H),2.62(d,J=12.0Hz,1H),2.34-2.25(m,1H),2.25-2.18(m,1H),2.01-1.95(m,1H),1.83-1.68(m,3H).
実施例28:(1r,3r)-3-(3-(6-((7,8-ジヒドロ-1,6-ナフチリジン-6(5H)-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0442] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び5,6,7,8-テトラヒドロ-1,6-ナフチリジン二塩酸塩(23mg、0.11mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(12mg、26%)。LCMS:C
33H
30F
3N
7O理論値597.2、実測値598.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.35(dd,J=4.8,1.6Hz,1H),8.04(s,1H),7.97(s,1H),7.87(s,1H),7.85(dd,J=8.0,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.38-7.32(m,2H),7.09(dd,J=7.8,4.8Hz,1H),6.85(d,J=7.8Hz,1H),4.98(s,2H),3.88(s,2H),3.66(s,2H),3.31(s,2H),3.18-3.08(m,1H),3.01-2.83(m,8H),2.75(s,3H).
実施例29:(1r,3r)-3-(3-(6-((1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0443] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(35mg、0.07mmol)及び1,4-オキサゼパン塩酸塩(20mg、0.15mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(22mg、51%)。LCMS:C
31H
29F
5N
6O理論値564.2、実測値565.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.93(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=7.8Hz,1H),4.96(s,2H),3.83(s,2H),3.76(t,J=6.0Hz,2H),3.69-3.64(m,2H),3.31(s,2H),3.13(tt,J=9.6,7.1Hz,1H),2.99-2.92(m,4H),2.75(s,3H),2.73-2.67(m,4H),1.89-1.85(m,2H).
実施例30:(1r,3r)-3-(3-(6-((5-オキサ-8-アザスピロ[2.6]ノナン-8-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0444] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(62mg、0.13mmol)及び5-オキサ-8-アザスピロ[2.6]ノナン(49mg、0.39mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(38mg、50%)。LCMS:C
32H
33F
3N
6O
2理論値590.3、実測値591.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.99(s,1H),7.94(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(dt,J=7.7,1.1Hz,1H),4.95(s,2H),3.82(s,2H),3.80-3.73(m,2H),3.52(s,2H),3.31(s,2H),3.13(tt,J=9.4,6.9Hz,1H),3.01-2.88(m,4H),2.83-2.77(m,2H),2.75(s,3H),2.54(s,2H),0.44(d,J=9.9Hz,4H).
実施例31:(1r,3r)-3-(3-(6-(((3,3-ジメチルシクロペンチル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0445] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)及び3,3-ジメチルシクロペンタン-1-アミン塩酸塩(27mg、0.18mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(34mg、37%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O理論値576.3、実測値577.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.01(s,1H),7.94(s,1H),7.91-7.84(m,2H),7.43(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(dd,J=7.7,1.4Hz,1H),4.98(s,2H),3.91(s,2H),3.34(s,2H),3.24(p,J=7.2Hz,1H),3.21-3.09(m,1H),3.03-2.90(m,4H),2.78(s,3H),2.02-1.99(m,1H),1.77(dd,J=12.6,7.3Hz,1H),1.61-1.45(m,2H),1.45-1.35(m,1H),1.26(dd,J=12.6,7.5Hz,1H),1.10(s,3H),0.99(s,3H).
実施例32:(1r,3r)-3-(3-(6-(((3,3-ジフルオロシクロペンチル)(メチル)アミノ)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0446] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(75mg、0.16mmol)及び3,3-ジフルオロ-N-メチルシクロペンタン-1-アミン塩酸塩(47mg、0.27mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(34mg、37%)。LCMS:C
31H
31F
5N
6O理論値598.2、実測値599.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.92(s,1H),7.89(s,1H),7.87(ddd,J=8.2,2.3,0.9Hz,1H),7.43(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),4.99(s,2H),3.71(dd,J=17,14Hz,2H),3.34(s,2H),3.20-3.12(m,2H),3.02-2.92(m,4H),2.78(s,3H),2.48-2.35(m,1H),2.30-2.20(m,1H),2.15(s,3H),2.15-1.99(m,3H),1.87-1.75(m,1H).
実施例33:(1r,3r)-3-(3-(6-((2-メチル-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0447] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(75mg、0.16mmol)及び2-メチル-1,4-オキサゼパン(36mg、0.31mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(55mg、58%)。LCMS:C
31H
33F
3N
6O
2理論値578.3、実測値579.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.94(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=7.9Hz,1H),4.96(s,2H),3.84-3.77(m,3H),3.77-3.68(m,2H),3.31(s,2H),3.16-3.08(m,1H),2.99-2.90(m,4H),2.83-2.73(m,5H),2.61(ddd,J=12.9,8.8,4.3Hz,1H),2.39(dd,J=13.4,8.9Hz,1H),1.82-1.75(m,2H),1.01(d,J=6.3Hz,3H).
実施例34:(1r,3r)-3-(3-(6-((2,7-ジメチル-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0448] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(100mg、0.21mmol)及び2,7-ジメチル-1,4-オキサゼパン(40mg、0.31mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(52mg、39%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O
2理論値592.3、実測値593.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.93(s,1H),7.86(s,1H),7.84(d,J=8.1Hz,1H),7.41(s,1H),7.34(t,J=7.9Hz,1H),6.85(d,J=7.7Hz,1H),4.96(s,2H),3.99-3.87(m,1H),3.83-3.71(m,3H),3.31(s,2H),3.13(p,J=8.0Hz,1H),3.02-2.89(m,5H),2.80-2.60(m,7H),2.36(dd,J=13.0,8.9Hz,1H),1.56(ddd,J=14.0,11.3,6.3Hz,1H),1.10(d,J=6.3Hz,3H),1.01(d,J=6.3Hz,3H).
実施例35:(1r,3r)-3-(3-(6-((6-メチル-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0449] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)及び6-メチル-1,4-オキサゼパン(18mg、0.16mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(16mg、26%)。LCMS:C
31H
33F
3N
6O
2理論値578.3、実測値579.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.03(s,1H),7.98(s,1H),7.89(s,1H),7.87(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),7.44(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(d,J=7.8Hz,1H),4.99(s,2H),3.86(d,J=4.4Hz,2H),3.82(dd,J=11.9,5.1Hz,1H),3.75(ddd,J=12.4,7.8,3.3Hz,1H),3.63(ddd,J=12.4,5.5,3.4Hz,1H),3.39(dd,J=12.0,8.4Hz,1H),3.34(s,2H),3.20-3.12(m,1H),3.03-2.93(m,4H),2.82-2.74(m,6H),2.68(ddd,J=13.4,7.8,3.4Hz,1H),2.45(dd,J=12.9,8.1Hz,1H),0.80(d,J=7.0Hz,3H).
実施例36:(1r,3r)-3-(3-(6-((7-メチル-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0450] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)及び7-メチル-1,4-オキサゼパン(18mg、0.16mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(26mg、41%)。LCMS:C
31H
33F
3N
6O
2理論値578.3、実測値579.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.99(s,1H),7.92(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=7.9,2.2Hz,1H),7.40(t,J=2.1Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=8.2Hz,1H),4.96(s,2H),3.93-3.85(m,1H),3.82-3.74(m,3H),3.60-3.52(m,1H),3.31(s,2H),3.17-3.08(m,1H),2.99-2.91(m,4H),2.81-2.58(m,8H),1.72-1.62(m,1H),1.11(d,J=6.3Hz,3H).
実施例37:(1r,3r)-3-(3-(6-((9-オキサ-3-アザビシクロ[4.2.1]ノナン-3-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0451] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(62mg、0.13mmol)及び9-オキサ-3-アザビシクロ[4.2.1]ノナン(25mg、0.19mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(27mg、35%)。LCMS:C
32H
33F
3N
6O
2理論値590.3、実測値591.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.01(s,1H),7.97(s,1H),7.86(s,1H),7.84(dd,J=8.0,1.6Hz,1H),7.42(t,J=2.0Hz,1H),7.38-7.30(m,1H),6.85(d,J=7.9Hz,1H),4.96(s,2H),4.39(t,J=8.6Hz,1H),4.23(ddd,J=7.5,5.1,2.6Hz,1H),3.76(s,2H),3.31(s,2H),3.18-3.08(m,1H),3.00-2.91(m,4H),2.75(s,3H),2.66(ddt,J=13.1,6.1,2.3Hz,1H),2.57(dt,J=12.1,1.9Hz,1H),2.50(ddd,J=13.2,11.6,4.5Hz,1H),2.41(dd,J=12.2,2.8Hz,1H),2.12-2.07(m,1H),1.93-1.82(m,4H),1.57-1.46(m,1H).
実施例38:(1r,3r)-3-(3-(6-((6-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0452] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(44mg、0.09mmol)及び6-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩(28mg、0.18mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(23mg、44%)。LCMS:C
32H
33F
3N
6O
2理論値576.2、実測値577.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.98(s,1H),7.90(s,1H),7.87(s,1H),7.84(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.41(t,J=2.0Hz,1H),7.34(t,J=8.0Hz,1H),6.85(d,J=7.6Hz,1H),4.95(s,2H),4.15(t,J=4.9Hz,1H),4.01(d,J=6.9Hz,1H),3.71(d,J=8.5Hz,3H),3.31(s,2H),3.16-3.09(m,1H),3.01-2.89(m,4H),2.79(dd,J=10.0,4.9Hz,2H),2.75(s,3H),2.40(q,J=4.3Hz,1H),2.32(d,J=10.5Hz,1H),2.11-2.06(m,2H),1.61(d,J=10.9Hz,1H).
実施例39:(1r,3r)-3-(3-(4-シクロプロピル-6-(((3,3-ジフルオロシクロペンチル)アミノ)メチル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0453] ステップ1:4-シクロプロピル-6-(((3,3-ジフルオロシクロペンチル)アミノ)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの合成。4-シクロプロピル-1-オキソ-2H,3H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-6-カルバルデヒド(50mg、0.25mmol)及び3,3-ジフルオロシクロペンタン-1-アミン塩酸塩(39mg、0.25mmol)を使用して、実施例Eと同様に表題化合物を合成した。一般的ワークアップ手順1及びクロマトグラフィーBの後、表題化合物を入手した(52mg、68%)。
[0454] ステップ2:(1r,3r)-3-(3-(4-シクロプロピル-6-(((3,3-ジフルオロシクロペンチル)アミノ)メチル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。4-シクロプロピル-6-(((3,3-ジフルオロシクロペンチル)アミノ)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(46mg、0.15mmol)、及び実施例I(50mg、0.15mmol)を使用して、実施例11と同様に表題化合物を合成し、続くクロマトグラフィーCにより表題化合物を得た(15mg、16%)。LCMS:C31H33F2N7O理論値557.3、実測値558.5[M+H]+。1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 7.92-7.81(m,2H),7.47-7.39(m,2H),7.39-7.31(m,1H),6.87(d,J=7.6Hz,1H),4.90(s,2H),3.84(s,2H),3.31(s,2H),3.29-3.23(m,1H),3.19-3.06(m,1H),3.02-2.89(m,5H),2.76(s,3H),2.40-2.26(m,1H),2.27-2.17(m,1H),2.06-1.96(m,2H)1.67-1.56(m,2H),1.21-1.11(m,2H),1.14-1.04(m,2H).
実施例40:(1r,3r)-3-(3-(4-シクロプロピル-6-(((S)-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0455] (S)-4-シクロプロピル-6-((3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(実施例E、86mg、0.30mmol)、及び実施例I(100mg、0.30mmol)を使用して、実施例11と同様に表題化合物を合成し、続くクロマトグラフィーCにより表題化合物を得た(38mg、21%)。LCMS:C
32H
37N
7O理論値535.3、実測値536.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.94-7.89(m,2H),7.53(s,1H),7.45(t,J=2.0Hz,1H),7.38(t,J=8.0Hz,1H),6.90(d,J=7.8Hz,1H),4.94(s,2H),3.62(s,2H),3.34(s,2H),3.25-3.08(m,1H),3.08-2.90(m,5H),2.83-2.74(m,5H),1.76-1.52(m,6H),1.18-1.04(m,4H),0.97-0.88(m,1H),0.87(d,J=6.2Hz,3H).
実施例41:(1r,3r)-3-(3-(6-((2-(ヒドロキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0456] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(40mg、0.08mmol)及び1,4-オキサゼパン-2-イルメタノール塩酸塩(21mg、0.13mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(26mg、52%)。LCMS:C
31H
33F
3N
6O
3理論値594.3、実測値595.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.03(s,1H),7.96(s,1H),7.91-7.84(m,2H),7.44(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(dt,J=7.6,1.1Hz,1H),4.99(s,2H),3.94-3.83(m,3H),3.79(ddd,J=11.8,6.8,4.6Hz,1H),3.67(dtd,J=8.4,5.8,2.4Hz,1H),3.42(ddd,J=10.8,6.4,4.3Hz,1H),3.37-3.26(m,3H),3.16(dq,J=9.7,7.0Hz,1H),3.05-2.91(m,5H),2.91-2.86(m,1H),2.86-2.71(m,5H),2.66(ddd,J=12.5,8.6,3.6Hz,1H),2.47(dd,J=13.4,8.5Hz,1H).
実施例42:(1R,3r)-3-(3-(4-シクロプロピル-6-(((R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0457] (R)-4-シクロプロピル-6-((4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(実施例D、80mg、0.25mmol)、及び実施例I(82mg、0.25mmol)を使用して、実施例11と同様に表題化合物を合成し、続くクロマトグラフィーCにより表題化合物を得た(40mg、26%)。LCMS:C
32H
35F
2N
7O理論値571.3、実測値572.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.95-7.87(m,2H),7.55(s,1H),7.46(t,J=2.0Hz,1H),7.38(t,J=8.0Hz,1H),6.91(d,J=8.3Hz,1H),4.94(s,2H),3.72(s,2H),3.34(s,2H),3.23-3.11(m,1H),3.03-2.91(m,5H),2.79(d,J=10.6Hz,6H),2.48-2.37(m,1H),2.10-2.01(m,3H),1.20-1.05(m,4H),1.00(d,J=6.1Hz,3H).
実施例43:(1r,3r)-3-(3-(6-((6-エチル-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0458] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(80mg、0.17mmol)及び6-エチル-1,4-オキサゼパン(43mg、0.33mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(52mg、49%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O
2理論値576.2、実測値577.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.03(s,1H),7.99(s,1H),7.89(s,1H),7.89-7.83(m,1H),7.44(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),4.99(s,2H),3.85(q,J=5.8Hz,3H),3.73(ddd,J=12.4,7.6,3.0Hz,1H),3.63(ddd,J=12.4,5.8,3.3Hz,1H),3.45(dd,J=12.0,8.3Hz,1H),3.34(s,2H),3.20-3.11(m,1H),3.02-2.92(m,4H),2.83-2.71(m,5H),2.66(ddd,J=13.4,7.6,3.3Hz,1H),2.49(dd,J=13.0,7.7Hz,1H),1.89-1.87(m,1H),1.27-1.11(m,2H),0.79(t,J=7.5Hz,3H).
実施例44:(1r,3r)-3-(3-(6-((6-(ヒドロキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0459] ステップ1:1,4-オキサゼパン-6-イルメタノールトリフルオロ酢酸塩の合成。6-(ヒドロキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-カルボン酸tert-ブチル(200mg)のDCM(4mL)溶液に、1mLのTFAを加えた。この反応物を室温で16時間撹拌した後、濃縮し、次のステップで直接使用した。
[0460] ステップ2:(1r,3r)-3-(3-(6-((6-(ヒドロキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル。(1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(40mg、0.08mmol)及び1,4-オキサゼパン-6-イルメタノールトリフルオロ酢酸塩(41mg、0.17mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(9.7mg、19%)。LCMS:C31H33F3N6O3理論値594.3、実測値595.5[M+H]+。1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 8.04(s,1H),7.97(s,1H),7.89(s,1H),7.89-7.85(m,1H),7.44(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(dt,J=7.7,1.3Hz,1H),4.99(s,2H),3.91-3.83(m,3H),3.72(ddd,J=12.5,7.3,3.1Hz,1H),3.65(ddd,J=12.4,5.8,3.2Hz,1H),3.59(dd,J=12.1,7.5Hz,1H),3.40(dd,J=10.6,6.4Hz,1H),3.34(s,3H),3.21-3.11(m,1H),3.00-2.89(m,4H),2.83(dd,J=13.1,4.6Hz,1H),2.80-2.63(m,6H),2.58(dd,J=13.0,7.5Hz,1H).
実施例45:(1r,3r)-3-(3-(6-((3-(メトキシメチル)アゼパン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0461] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(80mg、0.17mmol)及び3-(メトキシメチル)アゼパン(44mg、0.31mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(35mg、34%)。LCMS:C
33H
37F
3N
6O
2理論値606.3、実測値607.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.02(s,1H),7.96(s,1H),7.92-7.82(m,2H),7.44(d,J=2.2Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(d,J=7.9Hz,1H),4.98(s,2H),3.82(s,2H),3.34(s,2H),3.24-3.03(m,6H),3.03-2.89(m,4H),2.84-2.60(m,7H),2.48(dd,J=13.2,7.9Hz,1H),1.79-1.69(m,3H),1.65-1.55(m,2H),1.38-1.25(m,1H).
実施例46:(1r,3r)-3-(3-(6-((6-(メトキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0462] ステップ1:6-(メトキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-カルボン酸tert-ブチルの合成。0℃で6-(ヒドロキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-カルボン酸tert-ブチル(270mg、1.17mmol)のDMF(4.3mL)溶液に、水素化ナトリウム(油中60%分散液、56mg、1.4mmol)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌した後、ヨウ化メチル(0.11mL、1.75mmol)を加えた。次に反応物を一晩撹拌した後、水でクエンチし、続いて一般的ワークアップ手順1を行った。この材料をクロマトグラフィーAを用いて精製して、表題化合物を生じさせた(0.188g、66%)。
[0463] ステップ2:6-(メトキシメチル)-1,4-オキサゼパントリフルオロ酢酸塩の合成。DCM(3.6mL)中の6-(メトキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-カルボン酸tert-ブチル(0.185mg、0.75mmol)の溶液にトリフルオロ酢酸(0.9mL)を加え、この反応物を室温で16時間撹拌した。この時間後、反応物を濃縮し、この材料を精製することなく使用した。
[0464] ステップ3:(1r,3r)-3-(3-(6-((6-(メトキシメチル)-1,4-オキサゼパン-4-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。(1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(75mg、0.16mmol)及び6-(メトキシメチル)-1,4-オキサゼパントリフルオロ酢酸塩(trifluoroacetic acetate)(67mg、0.26mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(45mg、46%)。LCMS:C32H35F3N6O3理論値608.3、実測値609.5[M+H]+。1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 8.03(s,1H),7.98(s,1H),7.89(s,1H),7.87(ddd,J=8.1,2.3,0.9Hz,1H),7.44(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(dt,J=8.0,1.1Hz,1H),4.99(s,2H),3.89-3.80(m,3H),3.71(ddd,J=12.5,7.2,3.1Hz,1H),3.65(ddd,J=12.4,5.9,3.4Hz,1H),3.54(dd,J=12.1,7.5Hz,1H),3.34(s,2H),3.23-3.11(m,6H),3.03-2.91(m,4H),2.81-2.71(m,5H),2.67(ddd,J=13.4,7.3,3.4Hz,1H),2.56(dd,J=13.0,7.3Hz,1H),2.27-2.18(m,1H).
実施例47:(1r,3r)-3-(3-(6-((4,4-ジフルオロヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0465] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(75mg、0.16mmol)及びcis-4,4-ジフルオロ-オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール(46mg、0.31mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(61mg、61%)。LCMS:C
32H
31F
5N
6O理論値610.2、実測値611.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.00(s,1H),7.93(s,1H),7.89(s,1H),7.89-7.82(m,1H),7.45(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.87(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),4.99(s,2H),3.80(d,J=13.8Hz,1H),3.71(d,J=13.8Hz,1H),3.34(s,2H),3.23-3.13(m,1H),3.03-2.86(m,6H),2.86-2.68(m,6H),2.63(d,J=9.1Hz,1H),2.55(dd,J=9.1,7.1Hz,1H),2.42-2.33(m,1H),2.32-2.21(m,1H),1.62(ddd,J=12.3,7.2,3.2Hz,1H).
実施例48:(1r,3r)-3-(3-(6-((3-(ヒドロキシメチル)アゼパン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0466] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(60mg、0.13mmol)及びアゼパン-3-イルメタノール塩酸塩(31mg、0.19mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(19mg、24%)。LCMS:C
32H
35F
3N
6O
2理論値592.3、実測値593.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.03(s,1H),7.97(s,1H),7.92-7.83(m,2H),7.44(t,J=2.1Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.92-6.86(m,1H),4.99(s,2H),3.84(s,2H),3.42-3.30(m,3H),3.25(dd,J=10.5,7.2Hz,1H),3.22-3.10(m,1H),3.03-2.94(m,4H),2.89-2.73(m,5H),2.73-2.60(m,2H),2.51(dd,J=13.1,7.9Hz,1H),1.78-1.71(m,4H),1.65-1.55(m,2H),1.41-1.28(m,1H).
実施例49:(1r,3r)-3-(3-(4-シクロプロピル-1-オキソ-6-(((S)-3-(トリフルオロメチル)ピペリジン-1-イル)メチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0467] 実施例F(112mg、0.33mmol)、及び実施例I(110mg、0.33mmol)を使用して、実施例11と同様に表題化合物を合成し、続いて分取HPLCを行った。次に溶媒を減圧下で除去し、化合物をAgilent PL-HCO3カートリッジに通すことにより中和して、表題化合物を得た(19mg、10%)。LCMS:C
32H
34F
3N
7O理論値589.3、実測値590.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 7.93-7.87(m,2H),7.53(s,1H),7.45(t,J=2.0Hz,1H),7.38(t,J=8.0Hz,1H),6.94-6.87(m,1H),4.94(s,2H),3.72(s,2H),3.34(s,2H),3.22-3.11(m,1H),3.11-3.03(m,1H),3.03-2.92(m,4H),2.87(d,J=11.6Hz,1H),2.79(s,3H),2.55-2.43(m,1H),2.13-2.04(m,4H),1.80-1.73(m,1H),1.65-1.54(m,1H),1.32(qd,J=12.4,4.3Hz,1H),1.19-1.06(m,4H).
実施例50:(1r,3r)-3-(3-(6-((3,3-ジフルオロアゼパン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0468] (1r,3r)-3-(3-(6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-1-メチル-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(50mg、0.10mmol)及び3,3-ジフルオロアゼパン塩酸塩(31mg、0.18mmol)を使用して、実施例4、ステップ2と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(23mg、35%)。LCMS:C
31H
31F
5N
6O理論値598.2、実測値599.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.03(s,1H),7.98(s,1H),7.89(s,1H),7.88-7.84(m,1H),7.44(t,J=2.0Hz,1H),7.37(t,J=8.0Hz,1H),6.88(d,J=7.9Hz,1H),4.99(s,2H),3.94(s,2H),3.34(s,2H),3.15(dt,J=9.6,6.9Hz,1H),3.07(t,J=14.0Hz,2H),3.02-2.92(m,4H),2.83-2.72(m,5H),2.23-2.08(m,2H),1.79-1.65(m,4H).
実施例51:[(1r,3r)-3-[3-(6-{[(3R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-3H-イソインドール-2-イル)フェニル]-3-[(4-メチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]アセトニトリル
[0469] ステップ1:2-[3-(シアノメチル)シクロブチリデン]酢酸メチルの合成。2-(3-オキソシクロブチル)アセトニトリル(2.0g、18.3mmol)を使用して、実施例G、ステップ1と同様に反応を行い、表題化合物を生成した(2.8g、92%)。
[0470] ステップ2:2-[(1r,3r)-1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}-3-(シアノメチル)シクロブチル]酢酸cis-メチルの合成。2-[3-(シアノメチル)シクロブチリデン]酢酸メチル(2.8g、18.3mmol)を使用して、実施例G、ステップ2と同様に反応を行い、クロマトグラフィーAから初めに溶出する異性体として表題化合物を生成した(2.1g、35%)。
[0471] ステップ3:2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-(シアノメチル)シクロブチル)酢酸の合成。2-[(1r,3r)-1-{3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]フェニル}-3-(シアノメチル)シクロブチル]酢酸cis-メチル(2.1g、5.86mmol)を使用して、実施例G、ステップ3と同様に反応を行った。全混合物を濃縮乾固させることにより反応物をワークアップした後、水(50mL)を加え、この溶液を1N HCl(3.8mL)でpH約5に達するように酸性化し、続く一般的ワークアップ手順1により表題化合物を得た(2.05g、99%)。
[0472] ステップ4:N-{3-[(1r,3r)-3-(シアノメチル)-1-[(4-メチル-5-スルファニル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]フェニル}カルバミン酸tert-ブチルの合成。2-((1r,3r)-1-(3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)フェニル)-3-(シアノメチル)シクロブチル)酢酸(2.05g、5.8mmol)を使用して、実施例G、ステップ4と同様に反応を行い、表題化合物を得た(0.5g、20%)。
[0473] ステップ5:N-{3-[(1r,3r)-3-(シアノメチル)-1-[(4-メチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]フェニル}カルバミン酸tert-ブチルの合成。N-{3-[(1r,3r)-3-(シアノメチル)-1-[(4-メチル-5-スルファニル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]フェニル}カルバミン酸tert-ブチル(560mg、1.35mmol)を使用して、実施例G、ステップ5と同様に反応を行い、表題化合物を生成した(100mg、19%)。
[0474] ステップ6:2-((1r,3r)-3-(3-アミノフェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)アセトニトリルの合成。N-{3-[(1r,3r)-3-(シアノメチル)-1-[(4-メチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]フェニル}カルバミン酸tert-ブチル(100mg、0.26mmol)を使用して、実施例G、ステップ6と同様に反応を行い、表題化合物を生成した(80mg、99%)。
[0475] ステップ7:2-[(1r,3r)-3-{3-[6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-3H-イソインドール-2-イル]フェニル}-3-[(4-メチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]アセトニトリルの合成。2-((1r,3r)-3-(3-アミノフェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)アセトニトリル(80mg、0.83mmol)及び2-(ブロモメチル)-5-ホルミル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(101mg、0.31mmol)を使用して、実施例3と同様に反応を行い、クロマトグラフィーB後に表題化合物を生成した(60mg、43%)。
[0476] ステップ8:[(1r,3r)-3-[3-(6-{[(3R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル]メチル}-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-3H-イソインドール-2-イル)フェニル]-3-[(4-メチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]アセトニトリルの合成。2-[(1r,3r)-3-{3-[6-ホルミル-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)-3H-イソインドール-2-イル]フェニル}-3-[(4-メチル-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル]シクロブチル]アセトニトリル(20mg、0.04mmol)及び(R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン塩酸塩(8.7mg、0.05mmol)を使用して、実施例13と同様に還元的アミノ化を行い、クロマトグラフィーC後に表題化合物を得た(41mg、15%)。LCMS:C32H33F5N6O理論値612.3、実測値613.5[M+H]+。1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 8.01(s,1H),7.93(s,1H),7.91-7.79(m,2H),7.33(t,J=7.9Hz,1H),7.25(t,J=2.0Hz,1H),6.73(dt,J=7.9,1.2Hz,1H),4.97(s,2H),3.74(s,2H),3.24(d,J=4.0Hz,2H),3.00-2.86(m,3H),2.86-2.73(m,2H),2.69(s,3H),2.58(d,J=5.7Hz,2H),2.48-2.29(m,1H),2.25-2.18(m,4H),2.15-2.10(m,2H),1.00(d,J=6.3Hz,3H).
実施例52:((1S,3s)-3-(3-(6-(((R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)アセトニトリル
[0477] 実施例51、ステップ2からの2番目に溶出する異性体を使用して、実施例51、ステップ3~8と同様に表題化合物を合成した。LCMS:C
32H
33F
5N
6O理論値612.3、実測値613.5[M+H]
+。
1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d
3)δ 8.02(s,1H),7.94(s,1H),7.91-7.82(m,2H),7.59(t,J=2.0Hz,1H),7.39(t,J=8.0Hz,1H),7.05(d,J=7.3Hz,1H),5.02(s,2H),3.74(s,2H),3.17(s,2H),2.85-2.74(m,7H),2.69(d,J=6.1Hz,1H),2.61(s,2H),2.52-2.31(m,3H),2.17-2.11(m,4H),1.00(d,J=6.2Hz,3H).
実施例53:4-((5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチル)-N-(3-((1r,3r)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-6-シクロプロピルピコリンアミド
[0478] ステップ1:6-クロロ-4-メチルピコリン酸エチルの合成。EtOH(300.0mL)中の6-クロロ-4-メチルピリジン-2-カルボン酸(50.0g、58.48mmol)の溶液にH
2SO
4(4.00mL)を滴下して加えた。得られた混合物を70℃で16時間撹拌し、次に真空下で濃縮した。残渣をEtOAcに溶解させて、NaHCO
3(飽和水溶液)及び水で逐次洗浄した。合わせた有機相を乾燥させて、ろ過し、濃縮することにより表題化合物を得て(53.1g、粗製)、これを精製することなく次のステップで使用した。MS(ESI)計算値(C
9H
10ClNO
2)[M+H]
+、200.0、実測値、200.0。
[0479] ステップ2:6-シクロプロピル-4-メチルピコリン酸エチルの合成。ジオキサン(450mL)中の6-クロロ-4-メチルピリジン-2-カルボン酸エチル(30.0g、0.15mol)、シクロプロピルボロン酸(25.0g、0.29mol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(17.0g、14.71mmol)及び炭酸カリウム(62.0g、0.45mmol)の脱気した溶液をN2下にて100℃で2時間撹拌した。水を加えることにより反応混合物をクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させて、ろ過し、真空下で濃縮した。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を提供した(20.1g、64.8%)。MS(ESI)計算値(C12H15NO2)[M+H]+、206.1、実測値、206.0。
[0480] ステップ3:6-シクロプロピル-4-ホルミルピリジン-2-カルボン酸エチルの合成。HOAc(120mL)中の6-シクロプロピル-4-メチルピリジン-2-カルボン酸エチル(14.0g、68.21mmol)及びAc2O(31.5g)の混合物に、SeO2(10.5g、94.81mmol)を加えた。得られた混合物を120℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ろ過した。ろ液を真空下で濃縮した。粗残渣をクロマトグラフィーCによって精製して、表題化合物を得た(9.8g、46.2%)。MS(ESI)計算値(C12H13NO3)[M+H]+、220.1、実測値、220.0。
[0481] ステップ4:4-{5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イルメチル}-6-シクロプロピルピリジン-2-カルボン酸エチルの合成。6-シクロプロピル-4-ホルミルピリジン-2-カルボン酸エチル(360mg、1.64mmol)、5-アザスピロ[2.4]ヘプタン塩酸塩(440mg、3.3mmol)、トリエチルアミン(460μL、3.3mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(529mg、2.5mmol)、及びDCM(3.0mL)の混合物を、密封したバイアル内において、LCMSによってアルデヒドの消費が示されるまで40~50℃で加熱した。混合物をMeOH及びEtOAcで希釈し、セライトで濃縮し、クロマトグラフィーDによって精製して、表題化合物を得た(255mg、52%)。
[0482] ステップ5:4-((5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチル)-6-シクロプロピルピコリン酸リチウムの合成。4-{5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イルメチル}-6-シクロプロピルピリジン-2-カルボン酸エチル(250mg、0.84mmol)、LiOH・H2O(35mg、0.84mmol)、THF(2mL)、及び水(1mL)の混合物を完全になるまで激しく撹拌した。THFを減圧下で除去して、表題化合物を得た。
[0483] ステップ6:実施例53。室温でDMF(0.5mL)中の4-((5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル)メチル)-6-シクロプロピルピコリン酸リチウム(31mg、0.11mmol)、実施例G(30mg、0.11mmol)、及び4-メチルモルホリン(64μL、0.6mmol)の溶液に、1-プロパンホスホン酸無水物(0.81mL、0.14mmol)を加えた。この溶液を完全になるまで45~50℃で加熱した。混合物を水及びアセトニトリルで希釈し、セライトで濃縮し、クロマトグラフィーCによって精製して、表題化合物を得た(27mg、47%):1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 10.11(s,1H),8.18(s,1H),7.83(d,J=1.4Hz,1H),7.73(dd,J=8.1,2.0Hz,1H),7.49(t,J=2.0Hz,1H),7.43(d,J=1.4Hz,1H),7.27(t,J=7.9Hz,1H),6.75-6.65(m,1H),3.67(s,2H),3.29-3.18(m,3H),2.86(td,J=10.5,9.1,7.3Hz,4H),2.80(s,3H),2.68(t,J=6.8Hz,2H),2.25(tt,J=8.1,4.9Hz,1H),1.77(t,J=6.8Hz,2H),1.14(dt,J=5.9,3.1Hz,2H),1.04(dt,J=8.3,3.2Hz,2H),0.51(dt,J=8.1,1.9Hz,4H).LCMS:C31H35N7O理論値:521、実測値:m/z 522[M+H]+。
実施例54:N-(3-((1r,3R)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-6-シクロプロピル-4-(((3S,5R)-3,5-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル)ピコリンアミドの合成
[0484] ステップ4で(3R,5S)-3,5-ジメチルピペリジンを使用する実施例53の手順に従い、表題化合物を調製した:
1H NMR(500MHz,DMSO-d
6)δ 10.12(s,1H),8.18(s,1H),7.82(s,1H),7.72(dd,J=8.1,1.9Hz,1H),7.50(t,J=1.9Hz,1H),7.41(s,1H),7.26(t,J=7.9Hz,1H),6.71(d,J=7.5Hz,1H),3.52(s,2H),3.28(s,2H),3.27-3.20(m,1H),2.91-2.82(m,4H),2.80(s,3H),2.75-2.68(m,2H),2.24(tt,J=8.3,4.8Hz,1H),1.72-1.59(m,2H),1.49(t,J=10.8Hz,2H),1.14(dt,J=6.0,3.2Hz,2H),1.04(dt,J=8.2,3.3Hz,2H),0.80(d,J=6.4Hz,6H),0.50(q,J=11.9Hz,1H);LCMS:C
32H
39N
7O理論値:537、実測値:m/z 538[M+H]
+。
実施例55:N-(3-((1r,3S)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-6-シクロプロピル-4-(((S)-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピコリンアミドの合成
[0485] ステップ4で(3S)-3-メチルピペリジン塩酸塩を使用する実施例53の手順に従い、表題化合物を調製した:
1H NMR(500MHz,DMSO-d
6)δ 10.12(s,1H),8.18(s,1H),7.82(s,1H),7.72(dd,J=8.0,1.9Hz,1H),7.50(d,J=2.1Hz,1H),7.40(s,1H),7.26(t,J=7.9Hz,1H),6.70(d,J=7.6Hz,1H),3.51(s,2H),3.28(s,2H),3.26-3.18(m,1H),2.91-2.82(m,4H),2.80(s,3H),2.69(t,J=10.8Hz,2H),2.24(tt,J=8.4,4.9Hz,1H),1.95-1.85(m,1H),1.71-1.55(m,4H),1.55-1.43(m,1H),1.14(dt,J=5.8,3.1Hz,2H),1.04(dt,J=8.2,3.2Hz,2H),0.86(d,J=10.6Hz,1H),0.82(d,J=5.2Hz,3H);LCMS:C
31H
37N
7O理論値:523、実測値:m/z 524[M+H]
+。
実施例56:N-(3-((1r,3R)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-6-シクロプロピル-4-(((R)-2-メチルモルホリノ)メチル)ピコリンアミド
[0486] ステップ4で((2R)-2-メチルモルホリンを使用する実施例53の手順に従い、表題化合物を調製した:
1H NMR(500MHz,DMSO-d
6)δ 10.12(s,1H),8.18(s,1H),7.84(d,J=1.4Hz,1H),7.72(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.50(t,J=1.9Hz,1H),7.43(d,J=1.4Hz,1H),7.27(t,J=7.9Hz,1H),6.74-6.68(m,1H),3.74(ddd,J=11.4,3.2,1.5Hz,1H),3.59-3.48(m,4H),3.28(s,2H),3.27-3.19(m,1H),2.91-2.81(m,4H),2.80(s,3H),2.67(dt,J=11.0,2.0Hz,1H),2.63-2.58(m,1H),2.24(tt,J=8.4,4.8Hz,1H),2.08(td,J=11.2,3.2Hz,1H),1.78(t,J=10.5Hz,1H),1.14(dt,J=5.9,3.1Hz,2H),1.04(t,J=5.8Hz,5H);LCMS:C
30H
35N
7O
2理論値:525、実測値:m/z 526[M+H]
+。
実施例57:N-(3-((1r,3R)-3-シアノ-1-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブチル)フェニル)-2-シクロプロピル-6-(((R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル)ピリミジン-4-カルボキサミド
[0487] ステップ1:2-シクロプロピル-6-メチルピリミジン-4-カルボン酸エチルの合成。DMF(200mL)中の2,4-ジオキソペンタン酸エチル(10.0g、63.29mmol)及びシクロプロパンカルボキシミドアミド(6.9g、57.5mmol)の溶液に、pTsOH・H
2O(1.1g、5.8mmol)を加えた。この溶液を100℃で72時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、水で希釈し、続いて一般的ワークアップ手順1を行った。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(4.8g、40%)。
[0488] ステップ2:6-(ブロモメチル)-2-シクロプロピルピリミジン-4-カルボン酸エチルの合成。HOAc(50mL)中の2-シクロプロピル-6-メチルピリミジン-4-カルボン酸エチル(5.0g、24.2mmol)の溶液に、臭素(3.86g、24.2mmol)を加えた。この溶液を80℃で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(2.0g、30%)。
[0489] ステップ3:2-シクロプロピル-6-{[(3R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル]メチル}ピリミジン-4-カルボン酸エチルの合成。6-(ブロモメチル)-2-シクロプロピルピリミジン-4-カルボン酸エチル(50mg、0.18mmol)、4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン塩酸塩(30mg、0.18mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.061mL、0.36mmol)、及びアセトニトリルの溶液を室温に5時間維持した。混合物を濃縮して、表題化合物を得た。
[0490] ステップ4:2-シクロプロピル-6-{[(3R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル]メチル}ピリミジン-4-カルボン酸リチオの合成。2-シクロプロピル-6-{[(3R)-4,4-ジフルオロ-3-メチルピペリジン-1-イル]メチル}ピリミジン-4-カルボン酸エチル(61mg、0.18mmol)、LiOH・H2O(15mg、0.36mmol)、THF(0.5mL)、及び水(0.25mL)の混合物を完全になるまで激しく撹拌した。THFを減圧下で除去して、表題化合物を得た。
[0491] ステップ5:実施例57:実施例53、ステップ6の手順に従い表題化合物を調製した:1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 10.43(s,1H),8.18(s,1H),7.87(s,1H),7.78(dd,J=8.2,2.0Hz,1H),7.56(d,J=2.0Hz,1H),7.28(t,J=7.9Hz,1H),3.76-3.65(m,2H),3.28(s,2H),3.27-3.20(m,1H),2.90-2.82(m,4H),2.81(s,3H),2.78-2.72(m,2H),2.44-2.31(m,3H),2.19-2.08(m,2H),2.04(td,J=11.2,4.1Hz,1H),2.00-1.91(m,1H),1.17(dt,J=5.4,2.8Hz,2H),1.13(dq,J=8.4,3.1,2.3Hz,2H),0.95(d,J=5.9Hz,3H);LCMS:C30H34F2N7O2理論値:560、実測値:m/z 561[M+H]+。
実施例58:(1R,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(2-((R)-2-メチルモルホリノ)プロパン-2-イル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリル
[0492] ステップ1:5-ブロモ-2-メチル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチルの合成。酢酸(100mL)中の2-メチル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(15g、73.34mmol)の混合物に、HNO
3(46g)及び臭素(12.8g、80.10mmol)を加えた。次に上記の混合物にAgNO
3(16.1g、水中2.5M)を約30分かけて加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した後、混合物を水で希釈した。続いて一般的ワークアップ手順1を行った。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(14.0g、70%)。
[0493] ステップ2:5-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチルの合成。CCl4(150mL)中の5-ブロモ-2-メチル-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(14.0g、47.1mmol)、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)(16.8g、94.4mmol)、及び過酸化ベンゾイル(BPO)(2.3g、8.9mmol)の混合物を80℃で5時間撹拌した。次に固体をろ去した。ろ液を濃縮した。残渣を石油エーテル中0~10%酢酸エチルのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を提供した(11.2g、63%)。
[0494] ステップ3:6-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オンの合成。テトラヒドロフラン(50mL)中の5-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-(トリフルオロメチル)安息香酸メチル(11.2g、29.79mmol)の撹拌溶液に、NH3(メタノール中7M、50mL)を加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を濃縮した。残渣を水で希釈した。続いて一般的ワークアップ手順1を行った。標準的なフラッシュクロマトグラフィー精製方法を用いて表題化合物(8.1g、53%)を入手した。MS(ESI)計算値(C9H5BrF3NO)[M+H]+、280.0;実測値、280.1。
[0495] ステップ4:6-アセチル-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オンの合成。ジオキサン(100.0mL)中の6-ブロモ-4-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロイソインドール-1-オン(9.6g、34mmol)、トリブチル(1-エトキシエテニル)スタンナン(18.6g、51.6mmol)、及びPd(dppf)Cl2・CH2Cl2(2.8g、3.4mmol)の混合物を窒素雰囲気下にて100℃で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。得られた混合物を水で希釈し、続いて一般的ワークアップ手順1を行った。ろ過後、ろ液を真空下で濃縮した。次にこの粗残渣にHCl(1N、100.0mL)及びTHF(200.0mL)を加えた。得られた混合物を窒素雰囲気下にて60℃で1時間撹拌した。有機溶媒を真空下で除去し、続いて一般的ワークアップ手順1を行った。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、6-アセチル-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オン(4.2g、50%)を得た。MS(ESI)計算値(C11H8F3NO2)[M+H]+、244.1;実測値、244.0。
[0496] ステップ5:2-[(2R)-2-メチルモルホリン-4-イル]-2-[3-オキソ-7-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロイソインドール-5-イル]プロパンニトリルの合成。THF(20.0mL)中の6-アセチル-4-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロイソインドール-1-オン(650.0mg、2.67mmol)、(2R)-2-メチルモルホリン(270.4mg、2.67mmol)、及びTi(OEt)4(1.2g、5.4mmol)の溶液を室温で3時間撹拌した。上記の混合物にトリメチルシリルシアニド(397.8mg、4.01mmol)を加え、窒素雰囲気下にて60℃で16時間撹拌した。続いて一般的ワークアップ手順1を行った。残渣を水中5~50%アセトニトリルの逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-[(2R)-2-メチルモルホリン-4-イル]-2-[3-オキソ-7-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロイソインドール-5-イル]プロパンニトリル(550.0mg、58%)を得た。MS(ESI)計算値(C17H18F3N3O2)[M+H]+、354.1;実測値、354.0。
[0497] ステップ6:(R)-6-(2-(2-メチルモルホリノ)プロパン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オンの合成。THF(20.0mL)中の2-[(2R)-2-メチルモルホリン-4-イル]-2-[3-オキソ-7-(トリフルオロメチル)-1,2-ジヒドロイソインドール-5-イル]プロパンニトリル(550.0mg、1.55mmol)の脱気した溶液に、臭化メチルマグネシウム(31.0mL、THF中3M)を-60℃で滴下して加えた。この反応混合物を室温に加温し、窒素雰囲気下にて2時間撹拌した。反応混合物を0℃で飽和NH4Cl水溶液によってクエンチし、続いて一般的ワークアップ手順1を行った。残渣を水中5~50%アセトニトリルの逆相フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、(R)-6-(2-(2-メチルモルホリノ)プロパン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オンを得た(135.3mg、33%)。MS(ESI)計算値(C17H21F3N2O2)[M+H]+、343.2;実測値、343.2。
[0498] ステップ7:(1R,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(2-((R)-2-メチルモルホリノ)プロパン-2-イル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリルの合成。(R)-6-(2-(2-メチルモルホリノ)プロパン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-1-オン(53.1mg、0.16mmol)及び(1r,3r)-3-(3-ブロモフェニル)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)シクロブタン-1-カルボニトリル(52.1mg、0.16mmol)を使用して、実施例11と同様に表題化合物を合成して、トリフルオロ酢酸塩として入手される(1R,3r)-3-((4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)メチル)-3-(3-(6-(2-((R)-2-メチルモルホリノ)プロパン-2-イル)-1-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イソインドリン-2-イル)フェニル)シクロブタン-1-カルボニトリルを得た(13.3mg、12%)。MS(ESI)計算値(C32H35F3N6O2)[M+H]+、593.3;実測値、593.7。1H NMR(500MHz,アセトニトリル-d3)δ 8.13(d,J=3.9Hz,2H),7.84(s,1H),7.81(dd,J=8.1,2.2Hz,1H),7.39(d,J=2.0Hz,1H),7.31(t,J=8.0Hz,1H),6.82(d,J=7.8Hz,1H),4.93(s,2H),3.74(dt,J=11.0,2.4Hz,1H),3.64-3.46(m,2H),3.29(s,2H),3.10(ddd,J=16.3,9.3,7.0Hz,1H),2.97-2.83(m,4H),2.72(s,3H),2.52(ddt,J=33.2,11.4,2.2Hz,2H),2.28(td,J=11.2,3.1Hz,1H),1.92(p,J=2.5Hz,1H),1.38-1.32(m,6H),1.00(d,J=6.2Hz,3H).
実施例59:(R)-6-シクロプロピル-5-(17-(5,5-ジフルオロ-7,9-ジメチル-5H-5λ
4,6λ
4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-15-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2,14-ジアザヘプタデシル)-N-(3-(1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル)フェニル)ピコリンアミド
[0499] ステップ1:6-シクロプロピル-5-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-カルボン酸メチルの合成。トルエン(40mL)及び水(4mL)中の6-クロロ-5-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-カルボン酸メチル(Gangadasu, B. et al., Tetrahedron 2006, 62, 8398-8403)(1.0g、5.0mmol)、カリウムシクロプロピルトリフルオロボラヌイド(2.1g、14.1mmol)、Pd(dppf)Cl
2(770mg、1.05mmol)及びK
3PO
4(3.8g、18.1mmol)の混合物を窒素下で100℃に16時間加熱した。混合物を室温に冷却し、次にろ過した。ろ液を真空下で蒸発させた。残渣をクロマトグラフィーAによって精製して、表題化合物を得た(834.0mg、81%)。LCMS:C
11H
13NO
3理論値207.2、実測値207.9[M+H]
+。
[0500] ステップ2:6-シクロプロピル-5-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-カルボン酸の合成。THF(6mL)及び水(2mL)中の6-シクロプロピル-5-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-カルボン酸メチル(170.0mg、0.82mmol)及びLiOH(45.0mg、1.88mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。混合物のpHをHCl(1N)で約5に調整した。混合物を真空下で蒸発させて表題化合物を得て(200.0mg、粗製)、これを精製することなく使用した。MS(ESI)計算値(C10H11NO3)[M+H]+、194.1、実測値、193.9。
[0501] ステップ3:6-シクロプロピル-5-(ヒドロキシメチル)-N-[3-[(2R)-1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル]フェニル]ピリジン-2-カルボキサミドの合成。DMF(3mL)中の6-シクロプロピル-5-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-カルボン酸(200.0mg、粗製)の混合物に、DIEA(1mL、6.05mmol)、3-[(2R)-1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル]アニリン(173.6mg、0.80mmol)及びHATU(883.0mg、2.32mmol)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。混合物をクロマトグラフィーCによって精製し、次に分取HPLCによって精製して、表題化合物を得た(31.6mg、10%)。MS(ESI)計算値(C22H25N5O2)[M+H]+、392.2、実測値、392.2。
[0502] ステップ4:(R)-6-シクロプロピル-5-ホルミル-N-(3-(1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル)フェニル)ピコリンアミドの合成。塩化メチレン(30mL)中の(R)-6-シクロプロピル-5-(ヒドロキシメチル)-N-(3-(1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル)フェニル)ピコリンアミド(3.1g、7.9mmol)の溶液に、0℃でデス・マーチン試薬(4.0g、9.5mmol)を加えた。この混合物を0℃で1時間撹拌し、次に飽和NaHCO3水溶液を加えることによりクエンチした。水相をEtOAcで抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させて、ろ過した。ろ液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィーBによって精製して、表題化合物を得た(1.8g、58%)。MS(ESI)計算値(C22H23N5O2)[M+H]+、390.2;実測値390.2。
[0503] ステップ5.(R)-5-(13-アミノ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデシル)-6-シクロプロピル-N-(3-(1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル)フェニル)ピコリンアミドの合成。N-(2-{2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)カルバミン酸tert-ブチル(45mg、0.15mmol)(R)-6-シクロプロピル-5-ホルミル-N-(3-(1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル)フェニル)ピコリンアミド(60mg、0.15mmol)を含有するDCM(1.00mL)溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.05g、0.23mmol)を加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。濃縮後、粗反応混合物を逆相分取HPLC(Waters 5mM CSH C18カラム、50×50mm)によって、0.1%TFA含有水中アセトニトリルで溶出して精製した。所望の画分を合わせ、濃縮することにより、(R)-(1-(2-シクロプロピル-6-((3-(1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル)フェニル)カルバモイル)ピリジン-3-イル)-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-13-イル)カルバミン酸tert-ブチルを得て、これを室温でDCM/TFA 1:1溶液によって処理した。1時間後、反応物を濃縮して、表題化合物を得た(51mg);LCMS:C30H43N7O4理論値m/z=565、実測値566[M+H]+。
[0504] ステップ6.(R)-6-シクロプロピル-5-(17-(5,5-ジフルオロ-7,9-ジメチル-5H-5l4,6l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)-15-オキソ-5,8,11-トリオキサ-2,14-ジアザヘプタデシル)-N-(3-(1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル)フェニル)ピコリンアミドの合成。HATU(17mg、0.05mmol)及び3-(5,5-ジフルオロ-7,9-ジメチル-5H-5λ4,6λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3-イル)プロパン酸(9mg、0.03mmol)を含有するDMF溶液(1mL)に、トリエチルアミン(0.01mL、6.08mg、0.06mmol)を加えた。室温で5分間撹拌した後、5-(13-アミノ-5,8,11-トリオキサ-2-アザトリデカン-1-イル)-6-シクロプロピル-N-{3-[(2R)-1-(4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)プロパン-2-イル]フェニル}ピリジン-2-カルボキサミド(17mg、0.03mmol)を加え、得られた溶液を室温で4時間撹拌した。この粗反応混合物を逆相分取HPLCによって、0.1%TFA含有水中アセトニトリルで溶出して精製することにより、表題化合物を得た。1H NMR(500MHz,メタノール-d4)δ 8.00(s,2H),7.67(t,J=2.0Hz,1H),7.55-7.45(m,1H),7.38(s,1H),7.33(t,J=7.9Hz,1H),7.05(d,J=7.7Hz,1H),6.97(d,J=4.0Hz,1H),4.57(s,2H),3.82(dd,J=5.7,4.2Hz,2H),3.68(hd,J=3.9,2.6Hz,4H),3.65-3.62(m,3H),3.61(s,3H),3.60-3.56(m,2H),3.48(t,J=5.6Hz,3H),3.39(q,J=6.2,5.6Hz,3H),3.34(s,4H),3.18(t,J=7.8Hz,3H),2.59(t,J=7.7Hz,2H),2.47(s,3H),2.35(tt,J=8.3,4.7Hz,1H),2.24(s,3H),1.46(d,J=6.7Hz,3H),1.37-1.28(m,2H),1.19(dt,J=8.2,3.3Hz,3H);LCMS:C44H56BF2N9O5理論値m/z=840、実測値841[M+H]+。
生物学的実施例
[0505] 以下の略語が適用される:ACT(養子細胞治療);AUC(曲線下面積);Cmpd(化合物);CP(細胞増殖);E/T(エフェクター:標的細胞比);ID(識別情報);MFI(平均蛍光強度);mpk(ミリグラム毎キログラム);PBMC(末梢血単核球);TIL(腫瘍浸潤リンパ球);DPBS(ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水);及びUb(ユビキチン)。
生物学的実施例1:候補阻害薬によるCbl-b阻害の評価
[0506] 候補化合物について、Cbl-bに結合したフルオロフォア標識プローブ(実施例59)を置換するその能力から明らかなとおりの、それがE3ユビキチンタンパク質リガーゼであるCbl-bに結合して阻害する能力を評価した。
材料及び方法
Cbl-b置換アッセイ(Cbl-b阻害アッセイ)
[0507] 候補化合物の存在下でのCbl-bとフルオロフォア標識プローブの相互作用をモニタすることにより、候補化合物が公知の阻害薬を置換し、それによってCbl-b活性を阻害する能力を測定した。そのN末端にAvitagを含有するCbl-b(UniProt番号Q13191;配列番号1)のトランケート型変異体をBirAビオチンリガーゼと共発現させて、標準プロトコルを用いて精製した(Dou et al., Nature Structural and Molecular Biology, 8: 982-987, 2013;Avidity LLCを参照されたい)。
[0508] Cbl-bアミノ酸残基36~427:
[0509] 蛍光標識阻害薬プローブを合成し、BODIPY FLタグを付加した(実施例59)。Cbl-b置換アッセイの実施は、室温で384ウェルプレートにおいて、10μL反応容積として、20mM HEPES pH7.5、150mM NaCl、0.01%トリトンX-100、0.01%BSA及び0.5mM TCEPを含有するアッセイ緩衝液中の0.5nM Cbl-b又は0.125nM Cbl-b(最終濃度、それぞれ「高」及び「低」と指示される)を1%DMSO(最終濃度)で候補化合物の存在下にて1時間プレインキュベートすることによった。候補化合物の存在下でインキュベートした後、150nM蛍光標識阻害薬プローブ及び2nMストレプトアビジン-テルビウム(Cisbio)(最終濃度)からなる近似EC40結合飽和の存在下でプレートを更に1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用してプレートのTR-FRETシグナルを520/620nMで読み取った。TR-FRETシグナルが存在する場合、Cbl-bからプローブが追い出されておらず、化合物候補に置き換わっていないことを意味した。FRETシグナルが存在しない場合、Cbl-bからプローブが追い出され、化合物候補に置き換わったことを意味した。
[0510] 化合物をIC50に関して順位付けして、以下のとおりのビンA~Eに分けた:Aは<1nMを示し;Bは1nM≦IC50<2nMを示し;Cは2nM≦IC50<5nMを示し;Dは5nM≦IC50<20nMを示し;Eは20nM≦IC50を示す。
生物学的実施例2:Cbl-b阻害薬によるT細胞活性化の評価
[0511] T細胞及びマウスの両方において、cbl-b遺伝子の遺伝子ノックアウトによりCbl-b機能を喪失させると、T細胞活性化及びT細胞のアネルギー抵抗性のためのCD28共刺激要件が失われる(Bachmaier et al., Nature, 403: 211-216, 2000;及びJeon et al., Immunity, 21: 167-177, 2004を参照されたい)。本明細書に記載されるCbl-b阻害薬がT細胞を活性化させる能力について評価した。
材料及び方法
初代ヒト全T細胞活性化の精製及び評価
[0512] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technolgies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。細胞を37℃、5%CO2で一晩静置した。各ウェル1×105細胞にCbl阻害薬を加え、最終DMSO濃度を0.1%未満としてプレートを指示される濃度(表3)で37℃で5%CO2にて1時間インキュベートした。抗CD3抗体及び抗CD28抗体で刺激した試料(抗CD3/抗CD28)について、試験したCbl-b阻害薬濃度は、1μM、及び0.3μMであった。抗CD3抗体単独で刺激した試料(抗CD3)について、試験したCbl-b阻害薬濃度は、3μM、及び1μMであった。Cbl-b阻害薬とのインキュベーション後、プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)単独又はプレート結合型抗CD3抗体(OKT3)と可溶型抗CD28抗体(28.2)(Life Technologies)のいずれかで初代ヒト全T細胞を刺激した。プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)を含むプレートを調製するため、96ウェル丸底組織培養プレートを100μLの抗CD3抗体(OKT3)によってリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mLで、37℃、5%CO2にて4時間コートした。プレートをPBSで1回洗浄した後、各ウェルに可溶型抗CD28抗体(28.2)と共に又はそれ無しで細胞を5μg/mLの最終濃度で加えた。細胞を48時間刺激した後、無細胞の上清を回収し、フローサイトメトリーによる表面マーカー判定のため細胞集団を染色した。IL-2を含めたサイトカイン分泌に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により、製造者のプロトコルに従い上清を分析した。細胞を抗CD25抗体(BD Biosciences)で染色して、表面活性化マーカーのレベルを判定した。
結果
[0513] 読み取った情報は、ベースラインに対する変化倍数として報告した。この研究のベースラインは、抗CD3抗体及び可溶型抗CD28抗体で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値である(表3)。抗CD3/抗CD28で刺激したT細胞については、IL-2分泌がベースラインの2.5倍より大きい変化及びCD25表面染色がベースラインの1.3倍より大きい変化を、有意且つ陽性応答と見なした(表3)。抗CD3単独で刺激したT細胞については、IL-2分泌がベースラインの0.1倍より大きい変化及びCD25表面染色がベースラインの0.6倍より大きい変化を、有意且つ陽性応答と見なした(表3)。それらの読取り値に基づき化合物を順位付けして、以下のとおり各ビンに分けた。
[0514] 抗CD3抗体及び抗CD28抗体共刺激でのIL-2分泌について、ビンは以下である:Cは15倍以下を示し、Bは15~20倍を示し、Aは20倍超を示す;
抗CD3抗体刺激でのIL-2分泌について、ビンは以下である:Cは0.40倍未満を示し、Bは0.40~0.85倍を示し、Aは0.85倍超を示す;
抗CD3抗体及び抗CD28抗体共刺激でのCD25染色について、ビンは以下である:Cは1.24倍以下を示し、Bは1.24~1.39倍を示し、Aは1.39倍超を示す;及び
抗CD3抗体刺激でのCD25染色について、ビンは以下である:Cは1.00倍以下を示し、Bは1.00~1.15倍を示し、及びAは1.15倍超を示す。
結論
[0515] Cbl-b阻害薬は、抗CD3抗体単独で刺激するか、又は抗CD28抗体と組み合わせて刺激したT細胞においてIL-2分泌を亢進させた。表面活性化マーカー、CD25の発現は、抗CD3抗体単独で刺激するか、又は抗CD28抗体と組み合わせて刺激したT細胞で増加した。これらの結果は、同定されたCbl-b阻害薬がT細胞を活性化させる能力を有すること、及びかかる活性化が抗CD28抗体との共刺激を必要としないことを示している。
生物学的実施例3:Cbl-b阻害薬の免疫調節効果の評価
[0516] スクリーニングアッセイから同定されたCbl-b阻害薬は、IL-2分泌及びCD25表面活性化マーカーの発現の亢進からも明らかなとおり、インビトロで全ヒトT細胞を活性化させる能力を実証した。更なるインビトロ研究を行い、T細胞による追加的なサイトカイン分泌及びT細胞上の表面活性化マーカーの発現を判定した。Cbl-b阻害薬がT細胞増殖を増加させ、T細胞枯渇を低下させ、及びT細胞アネルギーを低下させる能力など、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬と接触したT細胞に対する追加的な免疫調節効果を判定した。本明細書に記載されるものなどのCbl-b阻害薬がインビボでT細胞を活性化させる能力もまた判定した。Cbl-b阻害薬がB細胞及びNK細胞を活性化させる能力など、Cbl-b阻害薬による他の免疫調節効果も判定した。
初代ヒト全T細胞活性化の精製及び評価
[0517] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technolgies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。細胞増殖の測定のため、細胞をCell Trace Violet(Invitrogen)で製造者のプロトコルに従い標識した後、抗CD3抗体単独、又は抗CD28抗体との組み合わせで刺激することにより活性化させた。最終DMSO濃度を0.1%未満としながら、各ウェル1×105細胞にCbl-b阻害薬を複数の濃度(例えば、10μM、1.11μM、又は0.123μM)で加えた。プレートを5%CO2にて37℃で1時間インキュベートした。Cbl-b阻害薬とのインキュベーション後、プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)単独又はプレート結合型抗CD3抗体(OKT3)と可溶型抗CD28抗体(28.2)(Life Technologies)のいずれかで初代ヒト全T細胞を刺激した。プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)を含むプレートを調製するため、96ウェル丸底組織培養プレートを100μLの抗CD3抗体(OKT3)によってリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mLで、37℃、5%CO2にて4時間コートした。プレートをPBSで洗浄した後、各ウェルに可溶型抗CD28抗体(28.2)と共に又はそれ無しで細胞を5μg/mLの最終濃度で加えた。細胞を48時間刺激した後、無細胞の上清を回収し、フローサイトメトリーによる表面マーカー判定のため細胞集団を染色した。サイトカイン分泌(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びTNFα)に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により、製造者のプロトコルに従い上清を分析した。細胞を抗CD69(BD Biosciences)で染色して、表面活性化マーカーのレベルを判定した。増殖はフローサイトメトリーにより測定し、データはFlowJo v7.6.5又はv10で分析した。読み取った情報は、ベースラインに対する変化倍数として報告した。一部の実施形態において、ベースラインは、抗CD3抗体単独で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値であった。一部の実施形態において、ベースラインは、抗CD3抗体及び抗CD28抗体で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値であった。
[0518] 同種異系混合リンパ球反応(MLR)のコンテクストで、Cbl-b阻害薬が初代ヒトT細胞に及ぼす効果もまた評価した。同種異系未熟樹状細胞を以下の条件下で作成した。1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるポジティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから単球を単離することにより(Stemcell Technologies、カタログ番号17858)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD14+細胞を生じさせた。単球を30ng/mLの組換えヒトGM-CSF及び20ng/mLの組換えヒトIL-4と共に7日間培養して、未熟樹状細胞を作成した。単球及びT細胞は、末梢血から新鮮に単離するか、又は凍結ストックから解凍するかのいずれかであった。ヒトT細胞を単離し、CFSEで標識し、上記に記載されるとおり阻害薬と共にインキュベートした。各ウェル2×103同種異系未熟樹状細胞との共培養下にある1×105T細胞に、最終DMSO濃度を0.1%未満としてCbl-b阻害薬を複数の濃度(例えば、10μM、又は1.11μM)で加え、5%CO2にて37℃で5日間インキュベートした。T細胞の増殖をフローサイトメトリーにより評価した。
[0519] Cbl-b阻害薬が、T細胞活性化の指標となるT細胞からのサイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びTNFα)の分泌及び/又はT細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD69)の表面発現を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。またCbl-b阻害薬がT細胞増殖を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験も行った。共刺激の存在下で、且つ条件がプライミングに最適以下の場合にCbl-b阻害薬がT細胞活性化に及ぼす効果を試験した。
T細胞枯渇のヒトT細胞インビトロモデル
[0520] T細胞枯渇は、慢性感染症及び癌に応答して細胞のエフェクター応答が不足し、抑制性受容体発現レベルが持続するために、T細胞機能不全が生じることを特徴とした。T細胞枯渇のインビトロモデルには、同種異系モデル及び自家モデルが含まれる。自家モデルでは、骨髄系細胞及びSEB(ブドウ球菌エンテロトキシンB、Millipore)を使用して抗CD3刺激T細胞を刺激した。1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を用いて、Stemcell Technologies EasySepヒト単球濃縮キット、CD16枯渇なし(カタログ番号19058)で、製造者のプロトコルに従い単球を単離した。50ng/mL組換えヒトM-CSF(R&D System又はPeprotech)を含有する完全培地(例えば、添加剤不含、10%HI FBS、1×グルタミン及び1×β-メルカプトエタノール含有RPMI 1640)で、単離した単球を培養した。細胞は、各ウェルにつき2×106細胞で播き(0日目)、5日間培養し、2日目に新鮮培地及びサイトカインを供給した。5日目、100ng/mLでIFNγを加え、細胞を一晩インキュベートした。市販キットでネガティブ選択を用いて(Stemcell Technologies EasySepヒトT細胞単離キット(カタログ番号17951)による)、製造者のプロトコルに従いPBMCから同じドナーの初代ヒトT細胞を単離した。CD4、CD8、CD45RA、CD45RO、CD19、CD14、CD56、及びCD3に関するフローサイトメトリー(BD Biosciences)による表面マーカー検出によって純度を確認した。3×106細胞/mLのT細胞を10μg/mLのプレート結合型抗CD3抗体(クローンUCHT-1)で5日間刺激した。これは、骨髄系細胞の作成と並行して行った。6日目、丸底96ウェルプレートのウェルに、1ウェル当たり2.5×104T細胞を加え、1ウェル当たり12.5×103骨髄系細胞及びSEB抗原(0.1μg/mL)を加えた。試験薬剤(例えば、Cbl-b阻害薬化合物)又は対照(例えば、抗PD1抗体などのチェックポイント中和抗体)を指示濃度(例えば、10μM)でウェルに加えた。細胞を3日間培養した時点で、無細胞の上清を回収し、分泌サイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びIL-2)に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により判定した。チェックポイント阻害薬を含む表面マーカー(例えば、CTLA4)のパネルに関してT細胞を染色し、Cbl-b阻害薬の効果に関してフローサイトメトリーにより評価した。
[0521] Cbl-b阻害薬が骨髄系細胞の存在下で枯渇T細胞からのサイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びIL-2)の分泌(T細胞枯渇減少の指標となる)を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。また、Cbl-b阻害薬が枯渇T細胞の活性化後にチェックポイント調節因子発現レベルに及ぼす効果も試験した。
T細胞アネルギーのヒトT細胞インビトロモデル
[0522] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technologies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーにより判定して95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。固定化した抗CD3抗体(OKT3)及び可溶型抗CD28抗体(28.2)で細胞を活性化させて、2日経った時点で細胞を洗浄し、刺激の非存在下で3日間静置させておいた。次にこの細胞をイオノマイシン(Sigma)で18~24時間処理してアネルギーを誘導した。2回洗浄して試料からイオノマイシンを除去した後、Cbl-b阻害薬化合物を指示濃度(例えば、10、1.11、及び0.37μM)で細胞に加え、1時間インキュベートした。次に細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で再チャレンジし、24時間経った時点で無細胞の上清を回収し、サイトカイン(例えば、IFNγ)に関してELISA(R&D Systems又はPeprotech)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)によって製造者のプロトコルに従い判定した。
[0523] Cbl-b阻害薬が、T細胞寛容の低下の指標となる、アネルギー状態のT細胞からのサイトカイン(例えば、IFNγ)の分泌を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。
Cbl-b阻害薬のインビボ活性
[0524] C57BL/6又はBALB/cなど、適格性の免疫系を有する諸系統のマウスにCbl-b阻害薬を投与することにより、Cbl-b阻害薬の薬力学的プロファイルを決定する方法を実施した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、静脈内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)、又は経口(PO)などの様々な経路のうちの1つにより、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度(例えば、1日2回BID又は1日3回TID)で投与した。Cbl-b阻害薬の投与後、PBS中の抗CD3抗体又はその抗原結合断片を動物1個体当たり2μg又は10μgなどの決められた量でIV又はIPなどの経路によって投与することにより、T細胞及び間接的に他の免疫細胞(例えば、サイトカイン産生による)をインビボで刺激した(Hirsh et al., J. Immunol., 1989;Ferran et al., Eur. J. Immunol., 1990を参照されたい)。追加的な研究対照アームには、媒体製剤単独(即ち、Cbl-b阻害薬及び抗CD3抗体を含まない製剤)、Cbl-b阻害薬単独を含有する製剤、抗CD3抗体単独を含有する製剤、PBS単独、又はこれらの薬剤の組み合わせで処置されたマウスの群が含まれた。次に、血漿サイトカインレベル及び/又は免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化マーカーの発現を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。決められた時点(例えば、8時間又は24時間)で血液又はリンパ系器官(例えば脾臓)を採取した。当該技術分野において公知の標準方法を用いて血液試料を処理することにより、サイトカインレベルの決定用に血漿を収集した。測定したサイトカインには、IL-2、IFNγ、及びTNFαが含まれた。標準方法を用いた免疫細胞(例えば、T細胞)のフローサイトメトリー分析用に追加の血液試料及びリンパ系組織を処理して、CD25及び/又はCD69など、細胞型特異的マーカー及び活性化マーカーの発現を決定した。血漿中の相対的サイトカイン濃度、又は免疫細胞上の活性化マーカーの発現レベルを適切な群間で(例えば、Cbl-b阻害薬及び2μg抗CD3抗体で処置したマウスと、媒体及び2μg抗CD3抗体で処置したマウスで)比較することにより、Cbl-b阻害薬投与による免疫刺激の増大を判定した。
[0525] Cbl-b阻害薬が、免疫応答の調節の指標となる、抗CD3抗体で刺激した処置マウスから入手した血中のサイトカイン(例えば、IL-2、IFNγ、及びTNFα)のレベルを誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。また、Cbl-b阻害薬が、免疫応答の調節の指標となる、抗CD3抗体で刺激した処置マウスから単離したT細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD25及び/又はCD69)の発現を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験も行った。
B細胞活性化アッセイ
[0526] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCからヒト初代B細胞を単離することにより(Stemcell Technologies、カタログ番号17954)、フローサイトメトリーにより判定して95%を超えるCD20+細胞を生じさせた。0.5%未満の最終DMSO濃度として、10μM~1nMの範囲の用量にわたるCbl-b阻害薬を含む96ウェルプレートに初代ヒトB細胞を1ウェル当たり0.7~1×105で播き、37℃、5%CO2でインキュベートした。細胞を抗IgMによって37℃、5%CO2で20時間刺激した。成熟CD20+IgD+B細胞上の表面活性化マーカーを、抗CD69抗体(BD Biosciences)を使用してFACSによりモニタした。
[0527] Cbl-b阻害薬がB細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD69)の表面発現(B細胞活性化の指標となる)を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。
初代ヒトNK細胞の精製及び活性化
[0528] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCから全ヒト初代NK細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-092-657又はStemcell Technologies、カタログ番号17955)、フローサイトメトリーによって判定したとき92%を超えるCD56+、CD3-細胞を生じさせた。細胞をIL-2(60ng/mL)と共に37℃、5%CO2で一晩培養した。最終DMSO濃度を0.1%未満として、Cbl-b阻害薬を特定の濃度(例えば、10μM、1μM、又は0.1μM)で刺激の1時間前に加え、37℃、5%CO2でインキュベートした。フローサイトメトリーによって測定可能な赤色の核を有するように操作された標的細胞(K562 NucRed)と共にNK細胞を共培養した。K562 NucRed細胞は、K562細胞をIncuCyte NucLight Red Lentivirus試薬(カタログ番号4476)で形質導入することにより作製し、5日間選択した。クローン集団を単離し、標準的な組織培養技法を用いて拡大し、NK細胞死滅アッセイで野生型K562細胞と比較することにより、個々のクローンの妥当性を確認した。指示される比率(例えば、5:1、1:1、又は1:5)のNK(エフェクター細胞)対K562 NucRed(標的細胞)で細胞を6時間混合した。無細胞の上清を回収し、サイトカイン分泌(例えば、TNFα、IFNγ、又はMIP1β)に関してELISA又はLuminexマルチプレックスキットによって製造者のプロトコルに従い分析した。IFNγ分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY285)を使用して判定し、TNFα分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY210)を使用して判定し、及びMIP1β分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY271)を使用して判定した。
生物学的実施例4:癌の処置に対する免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせたCbl-b阻害薬の評価
[0529] 腫瘍微小環境は、抗腫瘍免疫応答を回避する機構としてT細胞抑制経路を利用する。PD-1、PD-L1、及びCTLA-4の阻害薬など、免疫チェックポイント阻害薬が使用されるようになり、ある種の腫瘍型に対して著しく効果的な、持続性のある応答がもたらされている(Marshall and Djamgoz, Front Oncol, 8:315, 2018)。しかしながら、免疫チェックポイント阻害薬単剤治療に対する応答は普遍的でなく、従って利益を受けるのは、ごく一部の癌患者に限られている(Lv et al., Journal for ImmunoTherapy of Cancer, 7:159, 2019)。本例は、免疫チェックポイント阻害薬とCbl-b阻害薬とを含む癌の処置に対する併用治療の評価について記載する。
[0530] 端的には、同系腫瘍を成長させることができる適格性の免疫系を有する諸系統のマウス(例えば、C57BL/6又はBALB/c)において、併用治療を試験した。同系マウス腫瘍細胞を皮下注射した:BALB/cマウスにCT26結腸癌細胞;C57BL/6マウスにTC-1肺癌細胞;又はC57BL/6マウスにMC-38結腸癌細胞。腫瘍を成長させて、100~200mm3になった時点で動物を無作為化し、処置を開始した。或いは、処置は、腫瘍細胞移植から1~3日以内に予防的セッティングで投与した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度で投与した。Cbl-b阻害薬製剤は、経口的に(PO)又は非経口的に(例えば、IV、IP、SC、又は腫瘍内に、各腫瘍につき1~3ヵ所の注射部位で)投与した。免疫チェックポイント阻害薬製剤は、IP注射で3日毎に(例えば、1、4、及び7日目に)投与した。併用治療を受けた試験マウス群に加えて、本研究には、媒体製剤単独、Cbl-b阻害薬製剤単独、又は免疫チェックポイント阻害薬単独のいずれかを受けた対照マウス群が含まれた。
[0531] 腫瘍成長を測定し試験マウスの腫瘍成長を対照マウスと比較することにより、応答レベルを評価した。腫瘍を採取して腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。TIL及びリンパ系組織を処理して、標準方法を用いたフローサイトメトリー分析にかけることにより、細胞系統、細胞型特異的マーカーの発現、並びにグランザイムB、PD-1、TIM3、及びLAG3などの活性化マーカーの発現を決定した。試験群及び研究群のマウスにおいて腫瘍中の免疫細胞集団の相対的割合及び免疫細胞上の活性化マーカーの相対的発現レベルを比較することにより、併用治療による抗腫瘍免疫応答の増大を判定した。
生物学的実施例5:癌の処置に対する抗新生物剤と組み合わせたCbl-b阻害薬の評価
[0532] 化学治療は、腫瘍浸潤リンパ球に正の免疫学的効果を及ぼすことが報告されており(Lazzari et al., Ther Adv Med Oncol, 10:1-12, 2018)、ここでは免疫調節細胞と免疫エフェクター細胞との均衡が予後に影響する。加えて、化学治療は、腫瘍抗原提示の増大によって腫瘍内T細胞レパートリーを増加させることが企図される。本例は、抗新生物剤とCbl-b阻害薬とを含む癌の処置に対する併用治療の評価について記載する。
[0533] 端的には、適格性の免疫系を有する諸系統のマウス(例えば、C57BL/6又はBALB/c)において、そこで同系腫瘍を成長させて併用治療を試験した。同系マウス腫瘍細胞を皮下注射した:BALB/cマウスにCT26結腸癌細胞;又はC57BL/6マウスにTC-1肺癌細胞。腫瘍を成長させて、約120mm3になった時点で動物を無作為化し、処置を開始した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度で投与した。Cbl-b阻害薬製剤は、経口的に(PO)又は非経口的に(例えば、IV、IP、SC、又は腫瘍内に、各腫瘍につき1~3ヵ所の注射部位で)投与した。抗新生物剤(例えば、ゲムシタビン及び/又はオキサリプラチン)を3日又は4日に1回、IP注射によって投与した。併用治療を受けた試験マウス群に加えて、本研究には、媒体製剤単独、Cbl-b阻害薬製剤単独、又は抗新生物剤単独のいずれかを受けた対照マウス群が含まれた。
[0534] 腫瘍成長を測定し、試験マウスの腫瘍成長を対照マウスと比較することにより、応答レベルを評価した。腫瘍を採取して腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。TIL及びリンパ系組織を処理して、標準方法を用いたフローサイトメトリー分析にかけることにより、細胞系統、細胞型特異的マーカーの発現、並びにグランザイムB、PD-1、TIM3、及びLAG3などの活性化マーカーの発現を決定した。試験群及び研究群のマウスにおいて腫瘍中の免疫細胞集団の相対的割合及び免疫細胞上の活性化マーカーの相対的発現レベルを比較することにより、併用治療による抗腫瘍免疫応答の増大を判定した。
生物学的実施例6:癌の処置に対する放射線治療と組み合わせたCbl-b阻害薬の評価
[0535] 局所腫瘍を標的とするアブレーション放射線治療は、正常組織への損傷が限られており、及び腫瘍抗原の提示が増加するため、T細胞受容体レパートリーの多様性を亢進させる能力がある(Lee et al., Blood, 114: 589-595, 2009)。1つの部位での放射線治療が、照射されていない遠隔部位の腫瘍の退縮につながることが報告されている(Ngwa et al., Nat Rev Cancer, 18: 313-322, 2018)。局在的治療のこの全身的作用は「アブスコパル効果」と呼ばれ、これは、放射線治療のコンテクストでは、免疫系が関わると考えられている。本例は、放射線治療とCbl-b阻害薬とを含む癌の処置に対する併用治療の評価について記載する。
[0536] 端的には、適格性の免疫系を有する諸系統のマウス(例えば、C57BL/6又はBALB/c)において、そこで同系腫瘍を成長させて併用治療を試験した。同系マウス腫瘍細胞を皮下注射した:BALB/cマウスにCT26結腸癌細胞;又はC57BL/6マウスにB16-F10黒色腫細胞。腫瘍を成長させて、約80mm3になった時点で動物を無作為化し、処置を開始した。一部の研究では、アブスコパル効果を判定するため、腫瘍細胞を両方の側腹部に移植し、片方の腫瘍のみを処置した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度で投与した。Cbl-b阻害薬製剤は、経口的に(PO)又は非経口的に(例えば、IV、IP、SC、又は腫瘍内に、各腫瘍につき1~3ヵ所の注射部位で)投与した。放射線治療は、X線ベースの焦点ビーム照射器を使用して20グレイの線量で1回投与した。併用治療を受けた試験マウス群に加えて、本研究には、媒体製剤単独、Cbl-b阻害薬製剤単独、又は放射線治療単独のいずれかを受けた対照マウス群が含まれた。
[0537] 腫瘍成長を測定し、試験マウスの腫瘍成長を対照マウスと比較することにより、応答レベルを評価した。腫瘍を採取して腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。TIL及びリンパ系組織を処理して、標準方法を用いたフローサイトメトリー分析にかけることにより、細胞系統、細胞型特異的マーカーの発現、並びにグランザイムB、PD-1、TIM3、及びLAG3などの活性化マーカーの発現を決定した。試験群及び研究群のマウスにおいて腫瘍中の免疫細胞集団の相対的割合及び免疫細胞上の活性化マーカーの相対的発現レベルを比較することにより、併用治療による抗腫瘍免疫応答の増大を判定した。
生物学的実施例7:癌の処置に対する養子細胞治療と組み合わせたCbl-B阻害薬の評価
[0538] 自己腫瘍特異的T細胞を利用する養子細胞治療(ACT)は、T細胞が標的細胞を特異的に認識して排除する天然の機能を活かすものである(Hinrichs and Rosenberg, Immunol Rev, 257: 56-71, 2014)。腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の特異性は、突然変異遺伝子の産物に由来するネオ抗原を含め、腫瘍関連抗原を認識するその能力によるものである。本例は、ACTによる癌の処置に対するエキソビボTIL拡大培養前のCbl-b阻害薬によるインビボリンパコンディショニングプログラムの評価について記載する。
[0539] 適格性の免疫系を有する諸系統のマウス(例えば、C57BL/6又はBALB/c)を、その体内で同系腫瘍を成長させて利用した。同系マウス腫瘍細胞を皮下又は静脈内に注射した:BALB/cマウスに4T1乳癌細胞;BALB/cマウスにRENCA腎癌細胞;C57BL/6マウスにB16-F10黒色腫細胞;C57BL/6マウスに3LL肺癌細胞;又はC57BL/6マウスにMC-38結腸癌細胞。腫瘍を成長させて、約50~600mm3になった時点で動物を無作為化し、処置を開始した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度で投与した。Cbl-b阻害薬製剤は、経口的に(PO)又は非経口的に(例えば、IV、IP、SC、又は腫瘍内に、各腫瘍につき1~3ヵ所の注射部位で)投与した。腫瘍採取前にCbl-b阻害薬の投与を受けた試験マウス群に加えて、対照マウス群は、腫瘍採取前に媒体製剤単独の投与を受けるか、又は未処置のままかのいずれかであった。原発腫瘍又は転移のある組織(例えば、肺)のいずれかから腫瘍組織を採取した。組織を細断し、TILの拡大に好適な条件下において、1つ以上の外因性T細胞成長因子(例えば、IL-2、IL-7、IL-15、及び/又はIL-21)が存在する又は存在しない培地で培養した。TILの拡大培養は、Cbl-b阻害薬の存在下又は非存在下で行った。拡大したTILについて、フローサイトメトリー分析により、メモリー、エフェクター、及びステムネスに関するマーカー(例えば、CD95、TCF7、CD62L、CD44等)の発現を測定することによって表現型を判定した。TILの拡大の成功後、腫瘍担持マウスにCbl-b阻害薬の存在下又は非存在下でTILを注入することにより、リンパコンディショニング及び/又は続くインビボ処置がTIL生着及び抗腫瘍免疫応答に及ぼす効果を判定した。
[0540] ACTの抗腫瘍有効性は、腫瘍測定を通じてTILによる腫瘍成長阻害レベルを決定することにより判定した。
生物学的実施例8:候補阻害薬によるCbl-b阻害の評価
[0541] 候補化合物について、Cbl-bに結合したフルオロフォア標識プローブを置換するその能力から明らかなとおりの、それがE3ユビキチンタンパク質リガーゼであるCbl-bに結合して阻害する能力を評価した。
材料及び方法
Cbl-b置換アッセイ(Cbl-b阻害アッセイ)
[0542] 候補化合物の存在下でのCbl-bとフルオロフォア標識プローブの相互作用をモニタすることにより、候補化合物が公知の阻害薬を置換し、それによってCbl-b活性を阻害する能力を測定した。残基36~427及びそのN末端にAvitagを含有するCbl-b(UniProt番号Q13191)のトランケート型変異体をBirAビオチンリガーゼと共発現させて、標準プロトコルを用いて精製した(Dou et al., Nature Structural and Molecular Biology 8: 982-987, 2013;Avidity LLCを参照されたい)。
[0543] 蛍光標識阻害薬プローブを合成し、BODIPY FLタグを付加した。Cbl-b置換アッセイの実施は、室温で384ウェルプレートにおいて、10μL反応容積として、20mM HEPES pH7.5、150mM NaCl、0.01%トリトンX-100、0.01%BSA、及び0.5mM TCEPを含有するアッセイ緩衝液中の0.5nM Cbl-b又は0.125nM Cbl-b(最終濃度、それぞれ「高」及び「低」と指示される)を1%DMSO(最終濃度)で候補化合物の存在下にて1時間プレインキュベートすることによった。候補化合物の存在下でインキュベートした後、150nM蛍光標識阻害薬プローブ及び2nMストレプトアビジン-テルビウム(Cisbio)(最終濃度)からなる近似EC40結合飽和の存在下でプレートを更に1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用してプレートのTR-FRETシグナルを520/620nMで読み取った。TR-FRETシグナルが存在する場合、Cbl-bからプローブが追い出されておらず、化合物候補に置き換わっていないことを意味した。FRETシグナルが存在しない場合、Cbl-bからプローブが追い出され、化合物候補に置き換わったことを意味した。
結果
[0544] Cbl-b活性アッセイの得られたデータを標準方法を用いて分析して、試験化合物のIC50値を決定した。表4では、化合物をIC50に関して順位付けして、以下のとおりビンに分けた:Aは1nM未満を示し;Bは1nM~5nMを示し;及びCは5nM超を示す。
生物学的実施例9:Cbl-b阻害薬によるT細胞活性化の評価
[0545] Cbl-b阻害薬がT細胞を活性化させる能力について評価した。
材料及び方法
初代ヒト全T細胞活性化の精製及び評価
[0546] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technologies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。細胞を37℃、5%CO2で一晩静置した。各ウェル1×105細胞にCbl阻害薬を加え、最終DMSO濃度を0.1%未満としてプレートを指示される濃度(表5)で37℃で5%CO2にて1時間インキュベートした。抗CD3抗体及び抗CD28抗体で刺激した試料(抗CD3/抗CD28)について、試験したCbl-b阻害薬濃度は、1μM、及び0.3μMであった。抗CD3抗体単独で刺激した試料(抗CD3)について、試験したCbl-b阻害薬濃度は、3μM、及び1μMであった。Cbl-b阻害薬とのインキュベーション後、プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)単独又はプレート結合型抗CD3抗体(OKT3)と可溶型抗CD28抗体(28.2)(Life Technologies)のいずれかで初代ヒト全T細胞を刺激した。プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)を含むプレートを調製するため、96ウェル丸底組織培養プレートを100μLの抗CD3抗体(OKT3)によってリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mLで、37℃、5%CO2にて4時間コートした。プレートをPBSで1回洗浄した後、各ウェルに可溶型抗CD28抗体(28.2)と共に又はそれ無しで細胞を5μg/mLの最終濃度で加えた。細胞を48時間刺激した後、無細胞の上清を回収し、フローサイトメトリーによる表面マーカー判定のため細胞集団を染色した。IL-2を含めたサイトカイン分泌に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により、製造者のプロトコルに従い上清を分析した。細胞を抗CD25抗体(BD Biosciences)で染色して、表面活性化マーカーのレベルを判定した。
結果
[0547] 読み取った情報は、ベースラインに対する変化倍数として報告した。この研究のベースラインは、抗CD3抗体及び可溶型抗CD28抗体で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値である(表5)。抗CD3/抗CD28で刺激したT細胞については、IL-2分泌がベースラインの2.5倍より大きい変化及びCD25表面染色がベースラインの1.3倍より大きい変化を、有意且つ陽性応答と見なした。抗CD3単独で刺激したT細胞については、IL-2分泌がベースラインの0.1倍より大きい変化及びCD25表面染色がベースラインの0.6倍より大きい変化を、有意且つ陽性応答と見なした。
[0548] それらの読取り値に基づき化合物を順位付けして、以下のとおり各ビンに分けた:
抗CD3抗体及び抗CD28抗体共刺激でのIL-2分泌について、ビンは以下である:Cは10倍未満を示し、Bは10~15倍を示し、Aは15倍超を示す;
抗CD3抗体刺激でのIL-2分泌について、ビンは以下である:Cは0.33倍以下を示し、Bは0.34~0.66倍を示し、Aは0.66倍超を示す;
抗CD3抗体及び抗CD28抗体共刺激でのCD25染色について、ビンは以下である:Cは1.24倍以下を示し、Bは1.25~1.39倍を示し、Aは1.39倍超を示す;及び
抗CD3抗体刺激でのCD25染色について、ビンは以下である:Cは1.04倍以下を示し、Bは1.05~1.14倍を示し、及びAは1.14倍超を示す。
[0549] Cbl-b阻害薬は、抗CD3抗体単独で刺激するか、又は抗CD28抗体と組み合わせて刺激したT細胞によるIL-2分泌を亢進させた。抗CD3抗体単独で刺激したとき、又は抗CD28抗体と組み合わせて刺激したとき、T細胞の表面上のCD25活性化マーカーの発現は増加した。これらの結果は、同定されたCbl-b阻害薬がT細胞を活性化させる能力を有すること、及びかかる活性化が抗CD28抗体との共刺激を必要としないことを示している。
生物学的実施例10:Cbl-b阻害薬の免疫調節効果の評価
[0550] スクリーニングアッセイから同定されたCbl-b阻害薬は、IL-2分泌及びCD25表面活性化マーカーの発現の亢進からも明らかなとおり、インビトロで全ヒトT細胞を活性化させる能力を実証した。
[0551] 更なるインビトロ研究を行い、T細胞による追加的なサイトカイン分泌及びT細胞上の表面活性化マーカーの発現を判定した。Cbl-b阻害薬がT細胞増殖を増加させ、T細胞枯渇を低下させ、及びT細胞アネルギーを低下させる能力など、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬と接触したT細胞に対する追加的な免疫調節効果を判定した。本明細書に記載されるものなどのCbl-b阻害薬がインビボでT細胞を活性化させる能力もまた判定した。Cbl-b阻害薬がB細胞及びNK細胞を活性化させる能力など、Cbl-b阻害薬による他の免疫調節効果も判定した。
初代ヒト全T細胞活性化の精製及び評価
[0552] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technologies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。細胞増殖の測定のため、細胞をCell Trace Violet(Invitrogen)で製造者のプロトコルに従い標識した後、抗CD3抗体単独、又は抗CD28抗体との組み合わせで刺激することにより活性化させた。最終DMSO濃度を0.1%未満としながら、各ウェル1×105細胞にCbl-b阻害薬を複数の濃度(例えば、10μM、1.11μM、又は0.123μM)で加えた。プレートを5%CO2にて37℃で1時間インキュベートした。Cbl-b阻害薬とのインキュベーション後、プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)単独又はプレート結合型抗CD3抗体(OKT3)と可溶型抗CD28抗体(28.2)(Life Technologies)のいずれかで初代ヒト全T細胞を刺激した。プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)を含むプレートを調製するため、96ウェル丸底組織培養プレートを100μLの抗CD3抗体(OKT3)によってリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mLで、37℃、5%CO2にて4時間コートした。プレートをPBSで洗浄した後、各ウェルに可溶型抗CD28抗体(28.2)と共に又はそれ無しで細胞を5μg/mLの最終濃度で加えた。細胞を48時間刺激した後、無細胞の上清を回収し、フローサイトメトリーによる表面マーカー判定のため細胞集団を染色した。サイトカイン分泌(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びTNFα)に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により、製造者のプロトコルに従い上清を分析した。細胞を抗CD69(BD Biosciences)で染色して、表面活性化マーカーのレベルを判定した。増殖はフローサイトメトリーにより測定し、データはFlowJo v7.6.5又はv10で分析した。読み取った情報は、ベースラインに対する変化倍数として報告した。一部の実施形態において、ベースラインは、抗CD3抗体単独で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値であった。一部の実施形態において、ベースラインは、抗CD3抗体及び抗CD28抗体で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値であった。
[0553] 同種異系混合リンパ球反応(MLR)のコンテクストで、Cbl-b阻害薬が初代ヒトT細胞に及ぼす効果もまた評価した。同種異系未熟樹状細胞を以下の条件下で作成した。1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるポジティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから単球を単離することにより(StemCells、カタログ番号17858)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD14+細胞を生じさせた。単球を30ng/mLの組換えヒトGM-CSF及び20ng/mLの組換えヒトIL-4と共に7日間培養して、未熟樹状細胞を作成した。単球及びT細胞は、末梢血から新鮮に単離するか、又は凍結ストックから解凍するかのいずれかであった。ヒトT細胞を単離し、CFSEで標識し、上記に記載されるとおり阻害薬と共にインキュベートした。各ウェル2×103同種異系未熟樹状細胞との共培養下にある1×105T細胞に、最終DMSO濃度を0.1%未満としてCbl-b阻害薬を複数の濃度(例えば、10μM、又は1.11μM)で加え、5%CO2にて37℃で5日間インキュベートした。T細胞の増殖をフローサイトメトリーにより評価した。
[0554] Cbl-b阻害薬が、T細胞活性化の指標となるT細胞からのサイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びTNFα)の分泌及び/又はT細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD69)の表面発現を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。またCbl-b阻害薬がT細胞増殖を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験も行った。共刺激の存在下で、且つ条件がプライミングに最適以下の場合にCbl-b阻害薬がT細胞活性化に及ぼす効果を試験した。
T細胞枯渇のヒトT細胞インビトロモデル
[0555] T細胞枯渇は、慢性感染症及び癌に応答して細胞のエフェクター応答が不足し、抑制性受容体発現レベルが持続するために、T細胞機能不全が生じることを特徴とした。T細胞枯渇のインビトロモデルには、同種異系モデル及び自家モデルが含まれる。自家モデルでは、骨髄系細胞及びSEB(ブドウ球菌エンテロトキシンB、Millipore)を使用して抗CD3刺激T細胞を刺激した。1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を用いて、StemCells EasySepヒト単球濃縮キット、CD16枯渇なし(カタログ番号19058)で製造者のプロトコルに従い単球を単離した。50ng/mL組換えヒトM-CSF(R&D System又はPeprotech)を含有する完全培地(例えば、添加剤不含、10%HI FBS、1×グルタミン及び1×β-メルカプトエタノール含有RPMI 1640)で、単離した単球を培養した。細胞は、各ウェルにつき2×106細胞で播き(0日目)、5日間培養し、2日目に新鮮培地及びサイトカインを供給した。5日目、100ng/mLでIFNγを加え、細胞を一晩インキュベートした。市販キットでネガティブ選択を用いて(Stemcell Technologies EasySepヒトT細胞単離キット(カタログ番号17951)による)、製造者のプロトコルに従いPBMCから同じドナーの初代ヒトT細胞を単離した。CD4、CD8、CD45RA、CD45RO、CD19、CD14、CD56、及びCD3に関するフローサイトメトリー(BD Biosciences)による表面マーカー検出によって純度を確認した。3×106細胞/mLのT細胞を10μg/mLのプレート結合型抗CD3抗体(クローンUCHT-1)で5日間刺激した。これは、骨髄系細胞の作成と並行して行った。6日目、丸底96ウェルプレートのウェルに、1ウェル当たり2.5×104T細胞を加え、1ウェル当たり12.5×103骨髄系細胞及びSEB抗原(0.1μg/mL)を加えた。試験薬剤(例えば、Cbl-b阻害薬化合物)又は対照(例えば、抗PD1抗体などのチェックポイント中和抗体)を指示濃度(例えば、10μM)でウェルに加えた。細胞を3日間培養した時点で、無細胞の上清を回収し、分泌サイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びIL-2)に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により判定した。チェックポイント阻害薬を含む表面マーカー(例えば、CTLA4)のパネルに関してT細胞を染色し、Cbl-b阻害薬の効果に関してフローサイトメトリーにより評価した。
[0556] Cbl-b阻害薬が骨髄系細胞の存在下で枯渇T細胞からのサイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びIL-2)の分泌(T細胞枯渇減少の指標となる)を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。また、Cbl-b阻害薬が枯渇T細胞の活性化後にチェックポイント調節因子発現レベルに及ぼす効果も試験した。
T細胞アネルギーのヒトT細胞インビトロモデル
[0557] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technologies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーにより判定して95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。固定化した抗CD3抗体(OKT3)及び可溶型抗CD28抗体(28.2)で細胞を活性化させて、2日経った時点で細胞を洗浄し、刺激の非存在下で3日間静置させておいた。次にこの細胞をイオノマイシン(Sigma)で18~24時間処理してアネルギーを誘導した。2回洗浄して試料からイオノマイシンを除去した後、Cbl-b阻害薬化合物を指示濃度(例えば、10、1.11、及び0.37μM)で細胞に加え、1時間インキュベートした。次に細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で再チャレンジし、24時間経った時点で無細胞の上清を回収し、サイトカイン(例えば、IFNγ)に関してELISA(R&D Systems又はPeprotech)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)によって製造者のプロトコルに従い判定した。
[0558] Cbl-b阻害薬が、T細胞寛容の低下の指標となる、アネルギー状態のT細胞からのサイトカイン(例えば、IFNγ)の分泌を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。
Cbl-b阻害薬のインビボ活性
[0559] C57BL/6又はBALB/cなど、適格性の免疫系を有する諸系統のマウスにCbl-b阻害薬を投与することにより、Cbl-b阻害薬の薬力学的プロファイルを決定する方法を実施した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、静脈内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)、又は経口(PO)などの様々な経路のうちの1つにより、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度(例えば、1日2回BID又は1日3回TID)で投与した。Cbl-b阻害薬の投与後、PBS中の抗CD3抗体又はその抗原結合断片を動物1個体当たり2μg又は10μgなどの決められた量でIV又はIPなどの経路によって投与することにより、T細胞及び間接的に他の免疫細胞(例えば、サイトカイン産生による)をインビボで刺激した(Hirsh et al., J. Immunol., 1989;Ferran, et al., Eur. J. Immunol., 1990を参照されたい)。追加的な研究対照アームには、媒体製剤単独(即ち、Cbl-b阻害薬及び抗CD3抗体を含まない製剤)、Cbl-b阻害薬単独を含有する製剤、抗CD3抗体単独を含有する製剤、PBS単独、又はこれらの薬剤の組み合わせで処置されたマウスの群が含まれた。次に、血漿サイトカインレベル及び/又は免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化マーカーの発現を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。決められた時点(例えば、8時間又は24時間)で血液又はリンパ系器官(例えば脾臓)を採取した。当該技術分野において公知の標準方法を用いて血液試料を処理することにより、サイトカインレベルの決定用に血漿を収集した。測定したサイトカインには、IL-2、IFNγ、及びTNFαが含まれた。標準方法を用いた免疫細胞(例えば、T細胞)のフローサイトメトリー分析用に追加の血液試料及びリンパ系組織を処理して、CD25及び/又はCD69など、細胞型特異的マーカー及び活性化マーカーの発現を決定した。血漿中の相対的サイトカイン濃度、又は免疫細胞上の活性化マーカーの発現レベルを適切な群間で(例えば、Cbl-b阻害薬及び2μg抗CD3抗体で処置したマウスと、媒体及び2μg抗CD3抗体で処置したマウスで)比較することにより、Cbl-b阻害薬投与による免疫刺激の増大を判定した。
[0560] Cbl-b阻害薬が、免疫応答の調節の指標となる、抗CD3抗体で刺激した処置マウスから入手した血中のサイトカイン(例えば、IL-2、IFNγ、及びTNFα)のレベルを誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。また、Cbl-b阻害薬が、免疫応答の調節の指標となる、抗CD3抗体で刺激した処置マウスから単離したT細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD25及び/又はCD69)の発現を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験も行った。
B細胞活性化アッセイ
[0561] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCからヒト初代B細胞を単離することにより(Stemcell Technologies、カタログ番号17954)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD20+細胞を生じさせた。0.5%未満の最終DMSO濃度として、10μM~1nMの範囲の用量にわたるCbl-b阻害薬を含む96ウェルプレートに初代ヒトB細胞を1ウェル当たり0.7~1×105で播き、37℃、5%CO2でインキュベートした。細胞を抗IgMによって37℃、5%CO2で20時間刺激した。成熟CD20+IgD+B細胞上の表面活性化マーカーを抗CD69抗体(BD Biosciences)を使用してFACSによりモニタした。
[0562] Cbl-b阻害薬がB細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD69)の表面発現(B細胞活性化の指標となる)を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。
初代ヒトNK細胞の精製及び活性化
[0563] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCから全ヒト初代NK細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-092-657又はStemcell Technologies、カタログ番号17955)、フローサイトメトリーによって判定したとき92%を超えるCD56+、CD3-細胞を生じさせた。細胞をIL-2(60ng/mL)と共に37℃、5%CO2で一晩培養した。最終DMSO濃度を0.1%未満として、Cbl-b阻害薬を特定の濃度(例えば、10μM、1μM、又は0.1μM)で刺激の1時間前に加え、37℃、5%CO2でインキュベートした。フローサイトメトリーによって測定可能な赤色の核を有するように操作された標的細胞(K562 NucRed)と共にNK細胞を共培養した。K562 NucRed細胞は、K562細胞をIncuCyte NucLight Red Lentivirus試薬(カタログ番号4476)で形質導入することにより作製し、5日間選択した。クローン集団を単離し、標準的な組織培養技法を用いて拡大し、NK細胞死滅アッセイで野生型K562細胞と比較することにより、個々のクローンの妥当性を確認した。指示される比率(例えば、5:1、1:1、又は1:5)のNK(エフェクター細胞)対K562 NucRed(標的細胞)で細胞を6時間混合した。無細胞の上清を回収し、サイトカイン分泌(例えば、TNFα、IFNγ、又はMIP1β)に関してELISA又はLuminexマルチプレックスキットによって製造者のプロトコルに従い分析した。IFNγ分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY285)を使用して判定し、TNFα分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY210)を使用して判定し、及びMIP1β分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY271)を使用して判定した。
生物学的実施例11:癌の処置に対する癌ワクチンと組み合わせたCbl-b阻害薬の評価
[0564] 本例は、癌ワクチンとCbl-b阻害薬とを含むマウスにおける癌の処置に対する併用治療の評価について記載する。
材料及び方法
[0565] 端的には、同系TC-1細胞腫瘍を担持するC57BL/6マウスで併用治療を試験した。TC-1細胞は、ヒトパピローマウイルス株16(HPV16)初期タンパク質6及び7(E6及びE7)及び活性化ヒトc-Ha-ras癌遺伝子がトランスフェクトされた初代マウス肺細胞に由来した(Lin et al., Cancer Research, 56: 21-26, 1996)。2.5×104個(第1の研究)又は5.0×104個(第2の研究)のいずれかのTC-1細胞(Johns Hopkins Universityから入手した)を各マウスの側腹部中央に皮下注射した。腫瘍を成長させて、50~100mm3になった時点で動物を無作為化し、処置を開始した(0日目)。
[0566] HPV16 E7癌ワクチン(Shrimali et al., Cancer Immunol Res, 5: 755-766, 2017)は、E7の残基49~57のCTLエピトープのアミノ酸配列(配列番号2として示されるRAHYNIVTF)を有する100μgの合成ペプチドを、PADREとして知られるThエピトープのアミノ酸配列(配列番号3として示されるaK-Cha-VAAWTLKAAa、式中、「a」はD-アラニンであり、及び「Cha」はL-シクロヘキシルアラニンである)を有する20μgの合成ペプチド及びBrenntag Biosector A/Sによって市販されている、精製キラヤサポニンを含有する20μgのQuil-A(登録商標)アジュバントと混合したものを含んだ。2及び9日目(=TC-1注射後16日目及び23日目)にHPV16 E7ワクチン又はダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)を皮下(SC)投与した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度で投与した。初回の研究では、好適な媒体中にあるCbl-b阻害薬(化合物番号60)、又は媒体を、0日目(=TC-1注射後14日目)から開始して、180mg/kgの用量で1日2回(BID)、経口(PO)投与した。更なる研究では、Cbl-b阻害薬製剤は、経口的に(PO)又は非経口的に(例えば、IV、IP、SC、又は腫瘍内に、各腫瘍につき1~3ヵ所の注射部位で)投与した。併用治療(Cbl-b阻害薬製剤+HPV16 E7ワクチン)を受けた試験マウス群に加えて、本研究には、媒体製剤+DPBS、Cbl-b阻害薬製剤+DPBS、又は媒体製剤+HPV16 E7ワクチンを受けた対照マウス群が含まれた。
[0567] 0日目(TC-1注射後14日目)に開始して、週2回腫瘍サイズを記録し、これを33日目~42日目の間(=TC-1注射後47日目~56日目の間)に人道的エンドポイントに達するまで、投与期間中を通して継続した。試験マウスと対照マウス(各群10匹のマウス)の腫瘍成長を比較することにより、応答レベルを評価した。加えて、10日目(=TC-1注射後24日目)に、試験及び対照マウス(各群6匹のマウス)において腫瘍を採取して腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。TILを処理して、標準方法を用いたフローサイトメトリー分析にかけることにより、抗原特異性、細胞型特異的マーカーの発現、並びにグランザイムB、CD25、CD69、PD-1、及びLAG3などの活性化マーカーの発現を決定した。更なる実験では、PBMC及び/又は脾細胞もまた採取し、処理した。試験群及び研究群のマウスにおいて全又はE7特異的(腫瘍抗原特異的)CD8+ T細胞の相対的割合、及び免疫細胞上の活性化マーカーの相対的発現レベルを比較することにより、併用治療による抗腫瘍免疫応答の増大を判定した。
結果
[0568] 表6に示されるとおり、Cbl-b阻害を腫瘍ペプチドワクチン接種と組み合わせると、腫瘍ペプチド特異的CD8+ T細胞による腫瘍浸潤が促進された。加えて、Cbl-b阻害薬と腫瘍ペプチドワクチンとを含む併用治療により、腫瘍中の腫瘍ペプチド特異的(E7+)及び他の(E7-)活性化CD8+ T細胞の両方のレベルが上昇した。更に、Cbl-b阻害薬と腫瘍ペプチドワクチンとを含む併用治療により、それぞれの単剤治療(Cbl-b阻害薬単独に対して10例中0例の部分奏効例及び腫瘍ペプチドワクチン単独に対して10例中3例の部分奏効例)と比べてより多くの部分奏効例(10例中6例のマウス)が得られた。この実験では、部分奏効例は、Cbl-b阻害薬又は腫瘍ペプチドワクチンの投与を受けなかった対照マウスの腫瘍サイズと比べた腫瘍サイズ(腫瘍容積)の有意な減少によって定義した。
生物学的実施例12:候補阻害薬によるCbl-b阻害の評価
[0569] 候補化合物について、Cbl-bに結合したフルオロフォア標識プローブを置換するその能力から明らかなとおりの、それがE3ユビキチンタンパク質リガーゼであるCbl-bに結合して阻害する能力を評価した。
材料及び方法
Cbl-b置換アッセイ(Cbl-b阻害アッセイ)
[0570] 候補化合物の存在下でのCbl-bとフルオロフォア標識プローブの相互作用をモニタすることにより、候補化合物が公知の阻害薬を置換し、それによってCbl-b活性を阻害する能力を測定した。残基36~427及びそのN末端にAvitagを含有するCbl-b(UniProt番号Q13191)のトランケート型変異体をBirAビオチンリガーゼと共発現させて、標準プロトコルを用いて精製した(Dou et al., Nature Structural and Molecular Biology 8: 982-987, 2013;Avidity LLCを参照されたい)。
[0571] 蛍光標識阻害薬プローブを合成し、BODIPY FLタグを付加した。Cbl-b置換アッセイの実施は、室温で384ウェルプレートにおいて、10μL反応容積として、20mM HEPES pH7.5、150mM NaCl、0.01%トリトンX-100、0.01%BSA及び0.5mM TCEPを含有するアッセイ緩衝液中の0.5nM Cbl-b又は0.125nM Cbl-b(最終濃度、それぞれ「高」及び「低」と指示される)を1%DMSO(最終濃度)で候補化合物の存在下にて1時間プレインキュベートすることによった。候補化合物の存在下でインキュベートした後、150nM蛍光標識阻害薬プローブ及び2nMストレプトアビジン-テルビウム(Cisbio)(最終濃度)からなる近似EC40結合飽和の存在下でプレートを更に1時間インキュベートした。1時間のインキュベーション後、Envisionプレートリーダー(Perkin Elmer)を使用してプレートのTR-FRETシグナルを520/620nMで読み取った。TR-FRETシグナルが存在する場合、Cbl-bからプローブが追い出されておらず、化合物候補に置き換わっていないことを意味した。FRETシグナルが存在しない場合、Cbl-bからプローブが追い出され、化合物候補に置き換わったことを意味した。
結果
[0572] Cbl-b活性アッセイの得られたデータを標準方法を用いて分析して、試験化合物のIC50値を決定した。表7では、化合物をIC50に関して順位付けして、以下のとおりビンに分けた:Aは1nM未満を示し;及びBは1nM~5nMを示し;及びCは5nM超を示す。
生物学的実施例13:Cbl-b阻害薬によるT細胞活性化の評価
[0573] Cbl-b阻害薬がT細胞を活性化させる能力について評価した。
材料及び方法
初代ヒト全T細胞活性化の精製及び評価
[0574] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technologies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。細胞を37℃、5%CO2で一晩静置した。各ウェル1×105細胞にCbl阻害薬を加え、最終DMSO濃度を0.1%未満としてプレートを指示される濃度(表8)で37℃で5%CO2にて1時間インキュベートした。抗CD3抗体及び抗CD28抗体で刺激した試料(抗CD3/抗CD28)について、試験したCbl-b阻害薬濃度は、1μM、及び0.3μMであった。抗CD3抗体単独で刺激した試料(抗CD3)について、試験したCbl-b阻害薬濃度は、3μM、及び1μMであった。Cbl-b阻害薬とのインキュベーション後、プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)単独又はプレート結合型抗CD3抗体(OKT3)と可溶型抗CD28抗体(28.2)(Life Technologies)のいずれかで初代ヒト全T細胞を刺激した。プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)を含むプレートを調製するため、96ウェル丸底組織培養プレートを100μLの抗CD3抗体(OKT3)によってリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mLで、37℃、5%CO2にて4時間コートした。プレートをPBSで1回洗浄した後、各ウェルに可溶型抗CD28抗体(28.2)と共に又はそれ無しで細胞を5μg/mLの最終濃度で加えた。細胞を48時間刺激した後、無細胞の上清を回収し、フローサイトメトリーによる表面マーカー判定のため細胞集団を染色した。IL-2を含めたサイトカイン分泌に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により、製造者のプロトコルに従い上清を分析した。細胞を抗CD25抗体(BD Biosciences)で染色して、表面活性化マーカーのレベルを判定した。
結果
[0575] 読み取った情報は、ベースラインに対する変化倍数として報告した。この研究のベースラインは、抗CD3抗体及び可溶型抗CD28抗体で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値である(表8)。抗CD3/抗CD28で刺激したT細胞については、IL-2分泌がベースラインの2.5倍より大きい変化及びCD25表面染色がベースラインの1.3倍より大きい変化を、有意且つ陽性応答と見なした。抗CD3単独で刺激したT細胞については、IL-2分泌がベースラインの0.1倍より大きい変化及びCD25表面染色がベースラインの0.6倍より大きい変化を、有意且つ陽性応答と見なした。
[0576] それらの読取り値に基づき化合物を順位付けして、以下のとおり各ビンに分けた:
抗CD3抗体及び抗CD28抗体共刺激でのIL-2分泌について、ビンは以下である:Cは10倍以下を示し、Bは11~15倍を示し、Aは15倍超を示す;
抗CD3抗体刺激でのIL-2分泌について、ビンは以下である:Cは0.33倍以下を示し、Bは0.34~0.66倍を示し、Aは0.66倍超を示す;
抗CD3抗体及び抗CD28抗体共刺激でのCD25染色について、ビンは以下である:Cは1.24倍以下を示し、Bは1.25~1.39倍を示し、Aは1.39倍超を示す;及び
抗CD3抗体刺激でのCD25染色について、ビンは以下である:Cは1.04倍以下を示し、Bは1.05~1.14倍を示し、及びAは1.14倍超を示す。
[0577] Cbl-b阻害薬は、抗CD3抗体単独で刺激するか、又は抗CD28抗体と組み合わせて刺激したT細胞によるIL-2分泌を亢進させた。抗CD3抗体単独で刺激したとき、又は抗CD28抗体と組み合わせて刺激したとき、T細胞の表面上のCD25活性化マーカーの発現は増加した。これらの結果は、同定されたCbl-b阻害薬がT細胞を活性化させる能力を有すること、及びかかる活性化が抗CD28抗体との共刺激を必要としないことを示している。
生物学的実施例14:Cbl-b阻害薬の免疫調節効果の評価
[0578] スクリーニングアッセイから同定されたCbl-b阻害薬は、IL-2分泌及びCD25表面活性化マーカーの発現の亢進からも明らかなとおり、インビトロで全ヒトT細胞を活性化させる能力を実証した。
[0579] 更なるインビトロ研究を行い、T細胞による追加的なサイトカイン分泌及びT細胞上の表面活性化マーカーの発現を判定した。Cbl-b阻害薬がT細胞増殖を増加させ、T細胞枯渇を低下させ、及びT細胞アネルギーを低下させる能力など、本明細書に記載されるCbl-b阻害薬と接触したT細胞に対する追加的な免疫調節効果を判定した。本明細書に記載されるものなどのCbl-b阻害薬がインビボでT細胞を活性化させる能力もまた判定した。Cbl-b阻害薬がB細胞及びNK細胞を活性化させる能力など、Cbl-b阻害薬による他の免疫調節効果も判定した。
初代ヒト全T細胞活性化の精製及び評価
[0580] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technologies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。細胞増殖の測定のため、細胞をCell Trace Violet(Invitrogen)で製造者のプロトコルに従い標識した後、抗CD3抗体単独、又は抗CD28抗体との組み合わせで刺激することにより活性化させた。最終DMSO濃度を0.1%未満としながら、各ウェル1×105細胞にCbl-b阻害薬を複数の濃度(例えば、10μM、1.11μM、又は0.123μM)で加えた。プレートを5%CO2にて37℃で1時間インキュベートした。Cbl-b阻害薬とのインキュベーション後、プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)単独又はプレート結合型抗CD3抗体(OKT3)と可溶型抗CD28抗体(28.2)(Life Technologies)のいずれかで初代ヒト全T細胞を刺激した。プレート結合型抗CD3抗体(OKT3)を含むプレートを調製するため、96ウェル丸底組織培養プレートを100μLの抗CD3抗体(OKT3)によってリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mLで、37℃、5%CO2にて4時間コートした。プレートをPBSで洗浄した後、各ウェルに可溶型抗CD28抗体(28.2)と共に又はそれ無しで細胞を5μg/mLの最終濃度で加えた。細胞を48時間刺激した後、無細胞の上清を回収し、フローサイトメトリーによる表面マーカー判定のため細胞集団を染色した。サイトカイン分泌(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びTNFα)に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により、製造者のプロトコルに従い上清を分析した。細胞を抗CD69(BD Biosciences)で染色して、表面活性化マーカーのレベルを判定した。増殖はフローサイトメトリーにより測定し、データはFlowJo v7.6.5又はv10で分析した。読み取った情報は、ベースラインに対する変化倍数として報告した。一部の実施形態において、ベースラインは、抗CD3抗体単独で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値であった。一部の実施形態において、ベースラインは、抗CD3抗体及び抗CD28抗体で刺激した全ヒトT細胞であって、Cbl-b阻害薬とインキュベートしなかった細胞から入手した測定値であった。
[0581] 同種異系混合リンパ球反応(MLR)のコンテクストで、Cbl-b阻害薬が初代ヒトT細胞に及ぼす効果もまた評価した。同種異系未熟樹状細胞を以下の条件下で作成した。1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるポジティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPMBCから単球を単離することにより(StemCells、カタログ番号17858)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD14+細胞を生じさせた。単球を30ng/mLの組換えヒトGM-CSF及び20ng/mLの組換えヒトIL-4と共に7日間培養して、未熟樹状細胞を作成した。単球及びT細胞は、末梢血から新鮮に単離するか、又は凍結ストックから解凍するかのいずれかであった。ヒトT細胞を単離し、CFSEで標識し、上記に記載されるとおり阻害薬と共にインキュベートした。各ウェル2×103同種異系未熟樹状細胞との共培養下にある1×105T細胞に、最終DMSO濃度を0.1%未満としてCbl-b阻害薬を複数の濃度(例えば、10μM、又は1.11μM)で加え、5%CO2にて37℃で5日間インキュベートした。T細胞の増殖をフローサイトメトリーにより評価した。
[0582] Cbl-b阻害薬が、T細胞活性化の指標となるT細胞からのサイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びTNFα)の分泌及び/又はT細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD69)の表面発現を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。またCbl-b阻害薬がT細胞増殖を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験も行った。共刺激の存在下で、且つ条件がプライミングに最適以下の場合にCbl-b阻害薬がT細胞活性化に及ぼす効果を試験した。
T細胞枯渇のヒトT細胞インビトロモデル
[0583] T細胞枯渇は、慢性感染症及び癌に応答して細胞のエフェクター応答が不足し、抑制性受容体発現レベルが持続するために、T細胞機能不全が生じることを特徴とした。T細胞枯渇のインビトロモデルには、同種異系モデル及び自家モデルが含まれる。自家モデルでは、骨髄系細胞及びSEB(ブドウ球菌エンテロトキシンB、Millipore)を使用して抗CD3刺激T細胞を刺激した。1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を用いて、StemCells EasySepヒト単球濃縮キット、CD16枯渇なし(カタログ番号19058)で製造者のプロトコルに従い単球を単離した。50ng/mL組換えヒトM-CSF(R&D System又はPeprotech)を含有する完全培地(例えば、添加剤不含、10%HI FBS、1×グルタミン及び1×β-メルカプトエタノール含有RPMI 1640)で、単離した単球を培養した。細胞は、各ウェルにつき2×106細胞で播き(0日目)、5日間培養し、2日目に新鮮培地及びサイトカインを供給した。5日目、100ng/mLでIFNγを加え、細胞を一晩インキュベートした。市販キットでネガティブ選択を用いて(Stemcell Technologies EasySepヒトT細胞単離キット(カタログ番号17951)による)、製造者のプロトコルに従いPBMCから同じドナーの初代ヒトT細胞を単離した。CD4、CD8、CD45RA、CD45RO、CD19、CD14、CD56、及びCD3に関するフローサイトメトリー(BD Biosciences)による表面マーカー検出によって純度を確認した。3×106細胞/mLのT細胞を10μg/mLのプレート結合型抗CD3抗体(クローンUCHT-1)で5日間刺激した。これは、骨髄系細胞の作成と並行して行った。6日目、丸底96ウェルプレートのウェルに、1ウェル当たり2.5×104T細胞を加え、1ウェル当たり12.5×103骨髄系細胞及びSEB抗原(0.1μg/mL)を加えた。試験薬剤(例えば、Cbl-b阻害薬化合物)又は対照(例えば、抗PD1抗体などのチェックポイント中和抗体)を指示濃度(例えば、10μM)でウェルに加えた。細胞を3日間培養した時点で、無細胞の上清を回収し、分泌サイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びIL-2)に関して、ELISA(R&D Systems、Peprotech又はLife Technologies)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)により判定した。チェックポイント阻害薬を含む表面マーカー(例えば、CTLA4)のパネルに関してT細胞を染色し、Cbl-b阻害薬の効果に関してフローサイトメトリーにより評価した。
[0584] Cbl-b阻害薬が骨髄系細胞の存在下で枯渇T細胞からのサイトカイン(例えば、GM-CSF、IFNγ、及びIL-2)の分泌(T細胞枯渇減少の指標となる)を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。また、Cbl-b阻害薬が枯渇T細胞の活性化後にチェックポイント調節因子発現レベルに及ぼす効果も試験した。
T細胞アネルギーのヒトT細胞インビトロモデル
[0585] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCから全ヒト初代T細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-096-535(即ち、表面マーカーCD14、CD15、CD16、CD19、CD34、CD36、CD56、CD123、及びCD235aに対する抗体のカクテルをPBMCとインキュベートした後、試料を磁気ビーズに通して、これらの表面マーカーを発現する細胞を除去した)又はStemcell Technologies、カタログ番号17951)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD3+細胞を生じさせた。固定化した抗CD3抗体(OKT3)及び可溶型抗CD28抗体(28.2)で細胞を活性化させて、2日経った時点で細胞を洗浄し、刺激の非存在下で3日間静置させておいた。次にこの細胞をイオノマイシン(Sigma)で18~24時間処理してアネルギーを誘導した。2回洗浄して試料からイオノマイシンを除去した後、Cbl-b阻害薬化合物を指示濃度(例えば、10、1.11、及び0.37μM)で細胞に加え、1時間インキュベートした。次に細胞を抗CD3抗体及び抗CD28抗体で再チャレンジし、24時間経った時点で無細胞の上清を回収し、サイトカイン(例えば、IFNγ)に関してELISA(R&D Systems又はPeprotech)又はLuminexマルチプレックスキット(Procarta Life Technologies)によって製造者のプロトコルに従い判定した。
[0586] Cbl-b阻害薬が、T細胞寛容の低下の指標となる、アネルギー状態のT細胞からのサイトカイン(例えば、IFNγ)の分泌を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。
Cbl-b阻害薬のインビボ活性
[0587] C57BL/6又はBALB/cなど、適格性の免疫系を有する諸系統のマウスにCbl-b阻害薬を投与することにより、Cbl-b阻害薬の薬力学的プロファイルを決定する方法を実施した。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、静脈内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)、又は経口(PO)などの様々な経路のうちの1つにより、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度(例えば、1日2回BID又は1日3回TID)で投与した。Cbl-b阻害薬の投与後、PBS中の抗CD3抗体又はその抗原結合断片を動物1個体当たり2μg又は10μgなどの決められた量でIV又はIPなどの経路によって投与することにより、T細胞及び間接的に他の免疫細胞(例えば、サイトカイン産生による)をインビボで刺激した(Hirsh et al., J. Immunol., 1989;Ferran, et al., Eur. J. Immunol., 1990を参照されたい)。追加的な研究対照アームには、媒体製剤単独(即ち、Cbl-b阻害薬及び抗CD3抗体を含まない製剤)、Cbl-b阻害薬単独を含有する製剤、抗CD3抗体単独を含有する製剤、PBS単独、又はこれらの薬剤の組み合わせで処置されたマウスの群が含まれた。次に、血漿サイトカインレベル及び/又は免疫細胞(例えば、T細胞)上の活性化マーカーの発現を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。決められた時点(例えば、8時間又は24時間)で血液又はリンパ系器官(例えば脾臓)を採取した。当該技術分野において公知の標準方法を用いて血液試料を処理することにより、サイトカインレベルの決定用に血漿を収集した。測定したサイトカインには、IL-2、IFNγ、及びTNFαが含まれた。標準方法を用いた免疫細胞(例えば、T細胞)のフローサイトメトリー分析用に追加の血液試料及びリンパ系組織を処理して、CD25及び/又はCD69など、細胞型特異的マーカー及び活性化マーカーの発現を決定した。血漿中の相対的サイトカイン濃度、又は免疫細胞上の活性化マーカーの発現レベルを適切な群間で(例えば、Cbl-b阻害薬及び2μg抗CD3抗体で処置したマウスと、媒体及び2μg抗CD3抗体で処置したマウスで)比較することにより、Cbl-b阻害薬投与による免疫刺激の増大を判定した。
[0588] Cbl-b阻害薬が、免疫応答の調節の指標となる、抗CD3抗体で刺激した処置マウスから入手した血中のサイトカイン(例えば、IL-2、IFNγ、及びTNFα)のレベルを誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。また、Cbl-b阻害薬が、免疫応答の調節の指標となる、抗CD3抗体で刺激した処置マウスから単離したT細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD25及び/又はCD69)の発現を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験も行った。
B細胞活性化アッセイ
[0589] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCからヒト初代B細胞を単離することにより(Stemcell Technologies、カタログ番号17954)、フローサイトメトリーによって判定したとき95%を超えるCD20+細胞を生じさせた。0.5%未満の最終DMSO濃度として、10μM~1nMの範囲の用量にわたるCbl-b阻害薬を含む96ウェルプレートに初代ヒトB細胞を1ウェル当たり0.7~1×105で播き、37℃、5%CO2でインキュベートした。細胞を抗IgMによって37℃、5%CO2で20時間刺激した。成熟CD20+IgD+B細胞上の表面活性化マーカーを抗CD69抗体(BD Biosciences)を使用してFACSによりモニタした。
[0590] Cbl-b阻害薬がB細胞上の細胞表面マーカー(例えば、CD69)の表面発現(B細胞活性化の指標となる)を誘導し、又は亢進させる能力を決定する試験を行った。
初代ヒトNK細胞の精製及び活性化
[0591] 1)Ficoll-Paque(商標)(GE Healthcare)を使用して健常ヒトドナーのバフィーコートから末梢血造血細胞を分離することによるか;又は2)LeukoPak供血から直接かのいずれかにより、末梢血単核球(PBMC)を入手した。市販キットによるネガティブ選択を利用して、製造者のプロトコルに従いPBMCから全ヒト初代NK細胞を単離することにより(Miltenyi Biotec、カタログ番号130-092-657又はStemcell Technologies、カタログ番号17955)、フローサイトメトリーによって判定したとき92%を超えるCD56+、CD3-細胞を生じさせた。細胞をIL-2(60ng/mL)と共に37℃、5%CO2で一晩培養した。最終DMSO濃度を0.1%未満として、Cbl-b阻害薬を特定の濃度(例えば、10μM、1μM、又は0.1μM)で刺激の1時間前に加え、37℃、5%CO2でインキュベートした。フローサイトメトリーによって測定可能な赤色の核を有するように操作された標的細胞(K562 NucRed)と共にNK細胞を共培養した。K562 NucRed細胞は、K562細胞をIncuCyte NucLight Red Lentivirus試薬(カタログ番号4476)で形質導入することにより作製し、5日間選択した。クローン集団を単離し、標準的な組織培養技法を用いて拡大し、NK細胞死滅アッセイで野生型K562細胞と比較することにより、個々のクローンの妥当性を確認した。指示される比率(例えば、5:1、1:1、又は1:5)のNK(エフェクター細胞)対K562 NucRed(標的細胞)で細胞を6時間混合した。無細胞の上清を回収し、サイトカイン分泌(例えば、TNFα、IFNγ、又はMIP1β)に関してELISA又はLuminexマルチプレックスキットによって製造者のプロトコルに従い分析した。IFNγ分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY285)を使用して判定し、TNFα分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY210)を使用して判定し、及びMIP1β分泌は、R&D SystemsのELISAキット(カタログ番号DY271)を使用して判定した。
生物学的実施例15:癌の処置に対する腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせたCbl-b阻害薬の評価
[0592] 腫瘍溶解性ウイルスは、癌細胞に優先的に感染してそれを死滅させ、宿主抗腫瘍免疫応答を刺激する。本例は、マウスにおける癌の処置に対する腫瘍溶解性ウイルスとCbl-b阻害薬とを含む併用治療の評価について記載する。
材料及び方法
[0593] 端的には、同系MC-38細胞腫瘍を担持するC57BL/6マウスで併用治療を試験した。MC-38細胞は、ジメチルヒドラジンの皮下注射によって誘導したマウス腺癌に由来した(Cameron et al., J Exp Med, 171: 249-263, 1990)。MC-38細胞は、皮下又は腹腔内に注射した。腫瘍を成長させて、約5~7日経った時点で動物を無作為化し、処置を開始した。
[0594] ワクシニアウイルスなどの腫瘍溶解性ウイルスを、約108~109プラーク形成単位(plague forming unit)の用量で腹腔内投与した(Puhlmann et al., Cancer Gene Therapy, 7: 66-73, 2000)。Cbl-b阻害薬を好適な製剤に溶解させて、薬物動態学及び忍容性に関する先行研究によって情報が得られるとおりの好適な用量レベル及び頻度で投与した。初回の研究では、好適な媒体中のCbl-b阻害薬、又は媒体単独を、0日目(=MC-38注射後5~7日目)から開始して、180mg/kgの用量で1日2回(BID)、経口(PO)投与した。更なる研究では、Cbl-b阻害薬製剤は、経口的に(PO)又は非経口的に(例えば、IV、IP、SC、又は腫瘍内に、各腫瘍につき1~3ヵ所の注射部位で)投与した。併用治療(Cbl-b阻害薬製剤+腫瘍溶解性ウイルス)を受けた試験マウス群に加えて、本研究には、媒体製剤+DPBS、Cbl-b阻害薬製剤+DPBS、又は媒体製剤+腫瘍溶解性ウイルスを受けた対照マウス群が含まれた。
[0595] 腫瘍成長を測定し、試験マウスの腫瘍成長を対照マウスと比較することにより、応答レベルを評価した。加えて、腫瘍を採取して腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を分析することにより、免疫活性化レベルを判定した。更なる実験では、PBMC又は脾細胞もまた採取した。TIL及び任意選択で他のリンパ球試料を処理して、標準方法を用いたフローサイトメトリー分析にかけることにより、抗原特異性、細胞型特異的マーカーの発現、並びにグランザイムB、CD25、CD69、PD-1、及びLAG3などの活性化マーカーの発現を決定した。試験群及び研究群のマウスにおいて腫瘍中の免疫細胞集団の相対的割合及び免疫細胞上の活性化マーカーの相対的発現レベルを比較することにより、併用治療による抗腫瘍免疫応答の増大を判定した。
[0596] 本明細書で識別情報の引用によって言及される全ての刊行物、特許、特許出願、及び公開特許出願の開示は、全体として本明細書によって参照によりここに援用される。
[0597] 前述の開示の態様は、理解を明確にするため図解及び例を用いて幾らか詳細に記載されているが、当業者には、特定の変更及び修正が行われ得ることは明らかである。従って、記載及び例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されてはならない。