JP7594372B2 - タンパク質含有飲料 - Google Patents
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Description
そこで、本技術は、タンパク質由来の臭気を抑制する技術を提供することを主な目的とする。
すなわち、本技術は、以下のとおりである。
前記D-3-ヒドロキシ酪酸を含むBx値3.3°未満のコーヒー抽出物を含有するものでもよい。
前記コーヒー抽出物のBx値が1.0°以下でもよい。
前記コーヒー抽出物が、D-3-ヒドロキシ酪酸濃度を0.001g/100g以上含有してもよい。
前記D-3-ヒドロキシ酪酸が、0.01mg/飲料100g以上含むものでもよい。
前記飲料中に含まれるタンパク質1質量部に対する前記D-3-ヒドロキシ酪酸の質量含有比が、2.5×10-6質量部以上でもよい。
前記タンパク質の含有量が、8g/飲料100kcal以上でもよい。
本技術は、D-3-ヒドロキシ酪酸及び/又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むBx値3.3°未満のコーヒー抽出物を添加する工程を含む、タンパク質含有飲食品のタンパク質由来の臭気抑制方法を提供する。
焙煎コーヒー豆から水系溶媒にて抽出して、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むBx値3.3°未満のコーヒー抽出物を調製する工程をさらに含んでもよい。当該コーヒー抽出物が、さらに固形分回収率26.5%~40%であってもよい。
本技術は、D-3-ヒドロキシ酪酸を含む、タンパク質含有飲料を提供できる。また、本技術は、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むブリックス値(単位:°)(以下、「Bx値」ともいう)3.3°未満のコーヒー抽出物を含有する、タンパク質含有飲料を提供できる。
また、本技術におけるタンパク質含有飲料は、タンパク質含有飲料の原料として、D-3-ヒドロキシ酪酸を又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物を、配合することによって、製造することができる。
また、本技術は、タンパク質由来の臭気が抑制されたタンパク質含有飲料を提供できる。
本技術に用いるD-3-ヒドロキシ酪酸(以下、「D-3HB」ともいう)は、タンパク質由来の臭気を抑制することができる。
なお、D-3-ヒドロキシ酪酸は、ヒトの体内に存在する物質であり、肝臓でアセチルCoAから合成され、糖質の代わりに脳のエネルギー源として使用されることが知られている。D-3-ヒドロキシ酪酸は、ヒトの体内で利用されているため、摂取しても安全性が高い。
本技術に用いるD-3-ヒドロキシ酪酸は、市販品でもよく、また、ハロモナス属に属する好塩菌(特許文献2:特開2013-81403号公報)などの微生物を用いて製造できることも知られている。また、D-3-ヒドロキシ酪酸を含む飲食品などから、適宜、分離・精製することによって、D-3-ヒドロキシ酪酸を得ることができ、例えば、後述する<1-2:本技術に用いるコーヒー抽出物>を参考にしてD-3-ヒドロキシ酪酸を得てもよい。
なお、D-3-ヒドロキシ酪酸の測定方法は、D-3-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素及び補酵素NAD(酸化型)(波長492nm)を使用する食品用試薬キットや一般分析用試薬キットを用い、その取扱説明書に従って測定することができる。
一般的に、タンパク質含有飲料に対して通常のコーヒーエキス画分を使用すると、コーヒー由来の風味がタンパク質含有飲料に強く付与される。しかしながら、本発明者らは、Bx値3.3°未満のコーヒー抽出物を、タンパク質含有飲料に対して使用すると、タンパク質含有飲料におけるタンパク質由来の臭気を抑制することができることを見出し、しかもタンパク質含有飲料に対してコーヒー由来の風味を付与せずにタンパク質含有飲料のタンパク質由来の臭気を低減できることを見出した。
前記Bx値3.3°未満のコーヒー抽出物は、通常のコーヒーエキス画分よりも、D-3-ヒドロキシ酪酸の含有量が高い傾向にあると共にコーヒー由来の風味が大幅に低減する傾向にあった。これにより、タンパク質由来の臭気を低減した、コーヒー以外のフレーバーを付与したタンパク質含有飲料を製造することができる。
なお、「コーヒー抽出物100gのBx値当たりのD-3HB(mg)」は、「〔D-3HB(mg)/コーヒー抽出物100g〕/Bx値(°)」と表示することもできる。
本技術に用いるコーヒー抽出物は、焙煎したコーヒー豆から水系溶媒にて過抽出して得ることができる。当該コーヒー抽出物は、過抽出画分であることが好適である。
本技術における「固形分回収率(%)」は、「各画分の固形分回収率(%)」を積算して算出することができる。「各画分の固形分回収率(%)」は、〔各画分のコーヒー抽出液量(g)×抽出液Bx値(°)〕/焙煎コーヒー豆粉末量(g)にて算出することができる。
前記コーヒー豆の焙煎度(L)は、特に限定されないが、L=15~20程度が好ましい。
より具体的には、焙煎コーヒー豆に対し溶媒を一定量流した後、その後のコーヒー抽出液が目的のBx値及び/又は固形分回収率に達したときに、達した以降のコーヒー抽出液を過抽出画分としてより良好に分画採取することができる。このとき流す溶媒と分画採取の溶媒とは、同一又は異なってもよいが、作業効率や品質の安定性の観点から、流す溶媒と分画採取の溶媒とが実質的に同一又は同一であることが、より好ましい。
例えば、通常のコーヒーエキス画分を抽出した後に抽出液のBx値が1.0°以下になるときに、分画採取を開始し、Bx値1.0°以下のコーヒー抽出物を過抽出画分として得ることができる。さらに、分画採取開始後に、抽出液のBx値が所望の下限値になるときに、分画採取を終了することが、回収効率の観点から、好ましい。例えば、過抽出画分としてBx値0.1~0.7°のコーヒー抽出物を得る場合、抽出液のBx値が0.7°になったときに分画採取を開始し、Bx値が0.1°になったときに分画採取を終了する。
また、分画採取を開始した後に、抽出開始からの固形分回収率が、好ましくは40%、より好ましくは35%、さらに好ましくは32%、よりさらに好ましくは30%になるときに、分画採取を終了することが、タンパク質由来の臭気を抑制できる抽出物を効率よく得る観点から、望ましい。
前記過抽出画分は、抽出開始からの固形分回収率を分画の目安としたときに、好ましくは、26.5%以降40%までの間の固形分を含む画分、より好ましくは28%以降35%までの間の固形分を含む画分、さらに好ましくは29%以降30%までの間の固形分を含む画分である。これにより、D-3-ヒドロキシ酪酸の含有量を高くしつつ、コーヒー由来の風味成分の量も減らすことができるので、タンパク質由来の臭気をより良好に抑制でき、さらにコーヒー由来の風味もより良好に低減できる。
本技術における「タンパク質含有飲料」とは、少なくともタンパク質を含有した飲料である。
本技術に用いるタンパク質としては、動物由来、植物由来、微生物由来の何れでよく、これらから選択される1種又は2種以上であってもよい。本技術において、市販されているタンパク質を原料として使用してもよく、飲食品として使用可能なタンパク質を用いることが好適である。
このうち、動物由来タンパク質及び/又は植物由来タンパク質が、上述したD-3HB又はコーヒー抽出物によりこれらタンパク質由来の臭気を良好に抑制できる観点から、好適である。
本技術に用いる動物由来のタンパク質として肉類、卵類、乳類などが挙げられるが、これらに特に限定されない。前記肉類として、牛肉、豚肉、羊肉、馬肉などの畜肉、鶏肉、鴨肉、アヒル肉などの家禽肉、卵類として、鶏などの家禽類の卵、また、乳類として、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳などの哺乳動物の乳が挙げられるが、これらに特に限定されない。本技術に用いる動物由来のタンパク質として、これらの群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
本技術において、哺乳動物の乳由来の乳成分や乳タンパク質、好適には牛乳由来の乳成分や乳タンパク質を使用することが、本技術の効果の観点、幅広く利用されている観点から、好適である。
本技術において「乳成分」を用いることが、D-3HBが乳タンパク質由来の臭気をより良好に抑制できる観点、乳成分は幅広く使用されている観点から、好適である。
本技術に用いる乳成分は、少なくとも乳タンパク質を含有するものが好ましい。
水分含量(質量%)=[(乾燥前の質量-乾燥後の質量)/乾燥前の質量]×100
本技術に用いる植物由来のタンパク質のうち、穀物類由来が好ましく、当該穀物類として、例えば、大豆、エンドウ豆などの菽穀類;大麦、小麦、デュラム小麦などの麦類;米;トウモロコシ;などが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
当該穀物類由来のタンパク質のうち、菽穀類由来のタンパク質が好ましい。本技術において、菽穀類由来のタンパク質のうち、大豆由来のタンパク質を使用することが、本技術の効果の観点から好適である。
本技術において、大豆由来のタンパク質として「豆乳」を用いることが、D-3HBが大豆タンパク質由来の臭気を良好に抑制できる観点から、好適である。豆乳は、豆乳類や豆乳含有飲食品など豆乳含有組成物として幅広く使用されているため、この大豆タンパク質由来の臭気を抑制できることは本技術の利点といえる。さらに、豆乳は大豆イソフラボンを含むため種々の効能も期待できる。
また、本技術で用いられる豆乳は、広義の意味の「豆乳」であり、日本農林規格(以下、『昭和56年11月16日 農林水産省告示第180号;最終改正:平成24年7月17日農林水産省告示第1679号』に記載の規格に基づく)による「豆乳類」で定義される狭義の「豆乳」に限定されない。
これにより、大豆原料から熱水などによりタンパク質その他の成分を溶出させて、繊維質を除去して大豆豆乳液を得ることができる。当該熱水の温度は、50~100℃(好適には80℃以上)である。また、豆乳を得る際のpH調整は、通常中性~弱アルカリ性のpH7~9程度(好適にはpH7~8程度)が好適である。
前記加熱殺菌は、常法の条件で行うことが可能であり、加熱殺菌条件として、例えば、130~150℃で、1~120秒程度(好適には2~14秒、より好適には2~10秒)が一般的であるが、これに限定されるものではない。
本技術で用いられる豆乳の大豆タンパク質含有量は、特に限定されないが、好ましくは1.8%以上、より好ましくは3.0%以上、さらに好ましくは3.8%以上であり、上限は特に限定されないが、8%や6%などが挙げられる。なお、本技術における豆乳の「大豆固形分」は、屈折計(例:Refractometer RX-5000(アタゴ社製))にて測定できる。
本技術の豆乳含有組成物中の大豆タンパク質含有量は、原料の豆乳含有量×この豆乳の大豆タンパク質含有率にて算出できる。また、本技術の豆乳含有組成物中の大豆固形分は、原料の豆乳含有量×この豆乳の大豆固形分にて算出できる。
「日本農林規格による豆乳類」の「豆乳」は、本技術における狭義の「豆乳」であり、当該狭義の「豆乳」を、以下、「無調整豆乳」ともいう。
<1-4-1:D-3-ヒドロキシ酪酸の含有量>
本技術に用いるD-3-ヒドロキシ酪酸の含有量(mg/飲料100g)は、特に限定されないが、D-3-ヒドロキシ酪酸を含有させることで、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むタンパク質含有飲料とすることができる。
D-3-ヒドロキシ酪酸の含有量(mg/飲料100g)は、飲料100g中、好適な下限値として、好ましくは0.005mg以上、より好ましくは0.01mg以上、さらに好ましくは0.02mg以上、よりさらに好ましくは0.025mg以上、より好ましくは0.1mg以上、より好ましくは0.25mg以上、より好ましくは0.5mg以上、より好ましくは0.8mg以上、より好ましくは1mg以上、より好ましくは2mg以上、より好ましくは2.5mg以上であり、タンパク質由来の臭気を抑制する観点から好適である。当該D-3-ヒドロキシ酪酸の含有量における好適な上限値として、特に制限されないが、飲料100g中、好ましくは20mg以下、より好ましくは15mg以下、さらに好ましくは10mg以下、より好ましくは5mg以下であり、少ない方がコストの観点から、好適である。当該好適な範囲として、飲料100g中、より好ましくは0.01~10mg、さらに好ましくは0.5~10mgである。
本技術の飲料中におけるD-3HB(質量部)/タンパク質(質量部)の質量含有比は、特に限定されないが、好適な下限値として、飲料に含まれるタンパク質1質量部に対して、飲料中、好ましくは1.0×10-6質量部以上、より好ましくは2.0×10-6質量部以上、さらに好ましくは2.5×10-6質量部以上、よりさらに好ましくは2.7×10-6質量部以上、より好ましくは2.9×10-6質量部以上、より好ましくは3.0×10-6質量部以上、より好ましくは5.0×10-6質量部以上、より好ましくは6.0×10-6質量部以上、より好ましくは7.0×10-6質量部以上、より好ましくは2.5×10-5質量部以上、より好ましくは3.0×10-5質量部以上、より好ましくは3.5×10-5質量部以上、より好ましくは5.0×10-5質量部以上、より好ましくは6.0×10-5質量部以上、より好ましくは7.0×10-5質量部以上、より好ましくは1.0×10-4質量部以上、より好ましくは1.2×10-4質量部以上、より好ましくは1.4×10-4質量部以上、より好ましくは1.8×10-4質量部以上、より好ましくは2.0×10-4質量部以上、より好ましくは2.1×10-4質量部以上、より好ましくは2.5×10-4質量部以上、より好ましくは5.0×10-4質量部以上、より好ましくは6.2×10-4質量部以上、より好ましくは7.0×10-4質量部以上、より好ましくは2.0×10-3質量部以上、より好ましくは2.5×10-3質量部以上であり、タンパク質由来の臭気をより抑制できる観点から好適である。
また、当該飲料中におけるD-3HB(質量部)/タンパク質(質量部)の質量含有比における好適な上限値として、特に限定されないが、飲料に含まれるタンパク質1質量部に対して、飲料中、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下、より好ましくは5.0×10-2質量部以下、より好ましくは1.0×10-2質量部以下、より好ましくは5.0×10-3質量部以下であり、少ない方がコストの観点から、好適である。
当該飲料中におけるD-3HB(質量部)/タンパク質(質量部)の質量含有比における好適な数値範囲として、飲料に含まれるタンパク質1質量部に対して、飲料中、より好ましくは2.5×10-6~1質量部、さらに好ましくは2.5×10-5~0.5質量部、より好ましくは1.0×10-4~0.1量部である。
本技術に用いるコーヒー抽出物の含有量(mg/飲料100g)は、特に限定されないが、本技術のコーヒー抽出物を含有させることで、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物を含む、タンパク質含有飲料を得ることができる。
例えば、本技術に用いるコーヒー抽出物は、飲料100g中のD-3-ヒドロキシ酪酸濃度が、好ましくは5.0×10-3~0.1mg、より好ましくは0.01~0.02mgであり、タンパク質由来の臭気を抑制する観点やコーヒー由来の風味を低減する観点から好適である。
また、例えば、本技術に用いるコーヒー抽出物は、本技術の飲料中におけるD-3HB(質量部)/タンパク質(質量部)の質量含有比が、飲料に含まれるタンパク質1質量部に対して、飲料中、好ましくは5.0×10-7~0.1質量部、より好ましくは1.0×10-6~1.0×10-4質量部であり、タンパク質由来の臭気を抑制する観点やコーヒー由来の風味低減の観点から好適である。
本技術の飲料におけるタンパク質の含有量(g/飲料100g)は、特に限定されないが、飲料100g中、好適な下限値として、好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.5g以上、さらに好ましくは1g以上、より好ましくは2g以上、より好ましくは3g以上であり、また、好適な上限値として、好ましくは15g以下、好ましくは12g以下、より好ましくは10g以下、さらに好ましくは8g以下、より好ましくは7g以下、より好ましくは6g以下である。当該好適な数値範囲として、飲料100g中、より好ましくは0.1~12g/飲料100g、さらに好ましくは3~6g/飲料100gである。
また、前記タンパク質が乳タンパク質の場合、乳タンパク質の含有量は、飲料100g中、より好ましくは0.1~12g、さらに好ましくは1~8g、よりさらに好ましくは3~6gである。
また、前記タンパク質が大豆タンパク質の場合、大豆タンパク質の含有量は、飲料100g中、より好ましくは0.1~12g、さらに好ましくは1~8g、よりさらに好ましくは3~6gである。
本技術の飲料におけるタンパク質の含有量(g/100kcal)は、特に限定されないが、飲料100kcal中、好適な下限値として、好ましくは1g以上、より好ましくは2g以上、さらに好ましくは3g以上、より好ましくは4g以上、より好ましくは6g以上、より好ましくは7g以上、より好ましくは8g(より好適には8.1g)以上である。また、飲料100kcal中、好適な上限値として、好ましくは15g以下、より好ましくは13g以下、より好ましくは12g以下、さらに好ましくは11g以下、より好ましくは10g以下、より好ましくは9g以下である。当該好適な数値範囲として、飲料100kcal中、より好ましくは1~13g、さらに好ましくは8.1~12gである。
なお、本技術における飲料中のカロリーについて、修正アトウォーター法を用いて計算することができる。
また、前記タンパク質が乳タンパク質の場合、飲料100kcal中、好ましくは1~13g、より好ましくは5~12g、さらに好ましくは8.1~12gである。
また、前記タンパク質が大豆タンパク質の場合、飲料100kcal中、好ましくは1~13g、より好ましくは5~12g、さらに好ましくは8.1~12gである。
また、飲料中のタンパク質の含有量が8.1g/飲料100kcal以上の場合には、日本厚生労働省による栄養表示基準で定められた、タンパク質が高い旨の表示基準(100kcalあたりタンパク質8.1g)を満たすので、「高タンパク質飲料」と表示、分類することができる。
本技術の飲料には、本技術の効果を損なわない範囲内で、飲料成分として使用可能な任意成分を配合することができ、任意成分として、酸性成分、プロバイオティクス、甘味料、安定剤、香味成分、植物油脂、植物性乳、増粘多糖類、香味成分、油脂、タンパク質、アミノ酸、有機酸、ビタミン、無機塩類などが挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
当該酸性成分は酸味料及び/又はpH調整剤として用いられ、当該酸性成分により、飲料に酸味を付与したり、酸性領域にしたりすることができる。
本技術は、(a)D-3-ヒドロキシ酪酸及び/又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物と、(b)タンパク質と、を混合して原料液を調製する工程を含む、タンパク質含有組成物の製造方法を提供することもできる。当該タンパク質含有組成物は、タンパク質含有飲料が好適である。
また、本技術のタンパク質含有組成物は、上述したD-3-ヒドロキシ酪酸を、タンパク質含有組成物に、少なくとも含有させることで得ることができる。このとき、D-3-ヒドロキシ酪酸の態様は特に限定されず、例えば、本技術は、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物などのような、D-3-ヒドロキシ酪酸を含む組成物を用いてもよい。
本技術のタンパク質含有組成物の製造方法は、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物を調製する工程を含んでもよい。当該コーヒー抽出物が、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むBx値3.3°未満及び/又は固形分回収率26.5%~40%であることが好適である。
例えば、本技術のタンパク質含有組成物の製造方法において、D-3-ヒドロキシ酪酸を組成物100g中に0.01mg以上(より好適には1~10mg)になるように添加すること;組成物中に含まれるタンパク質1質量部に対して、D-3-ヒドロキシ酪酸を、組成物中に2.5×10-6質量部以上(より好適には2.5×10-6~1質量部)になるように添加すること;タンパク質を、タンパク質含有量が8g/組成物100kcalになるように添加すること;などが好適である。
本技術のタンパク質含有組成物の製造方法において、各成分の添加は、製造工程中の何れの工程でもよく、特に限定されず、例えば、原料液調製工程での添加が挙げられる。
本技術のタンパク質含有組成物の製造工程における、コーヒー抽出物調製工程の順序は、特に限定されないが、例えば、コーヒー抽出物調製工程、及び原料液調製工程の順でもよい。
なお、コーヒー抽出物調製工程の説明において、上述した<1.>(より具体的には、<1-2:本技術に用いるコーヒー抽出物>及び<1-2-1:本技術に用いるコーヒー抽出物の製造方法>など)と重複する構成について適宜省略するが、上述した<1.>の説明が当該コーヒー抽出物調製工程にも当てはまり、適宜適用することができる。
コーヒー抽出物調製工程において、前記焙煎したコーヒー豆から水系溶媒にて過抽出するときに、過抽出画分を分画採取することが好適である。
前記過抽出画分を分画採取する場合、焙煎コーヒー豆250gに対し、抽出開始から流した溶媒の量が、好ましくは1000mL以上であることが、より好適である。
前記過抽出画分を分画採取する場合、通常のコーヒーエキス画分を抽出した後に抽出液のBx値が1.0°以下になるときに、分画採取を開始し過抽出画分を得ることが、より好適である。
前記過抽出画分を分画採取する場合、固形分回収率が26%になるときに、分画採取を開始し、固形分回収率26%以降のコーヒー抽出物を過抽出画分として得ることが、より好適である。
なお、本技術のタンパク質含有組成物のpH(20℃)は、特に限定されないが、酸性にする場合、好ましくは6以下、さらに好ましくは2~6、よりさらに好ましくは3~5である。これにより、酸性組成物(好適には酸性飲料)を得ることができる。
本技術のタンパク質含有組成物の形態は特に限定されないが、流動状又は液状の何れでもよい。本技術のタンパク質含有組成物は、飲食品用、医薬品用など幅広い用途に使用することができる。
また、本技術に用いるD-3-ヒドロキシ酪酸及び/又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物は、タンパク質含有組成物に対して、タンパク質由来の臭気を抑制することが可能である。当該組成物として、例えば、飲食品、流動食などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、本技術に用いるD-3-ヒドロキシ酪酸及び/又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物を、タンパク質含有組成物に用いることで、タンパク質由来の臭気を抑制することができる。また、本技術のコーヒー抽出物は、タンパク質含有組成物に対してコーヒー由来の風味が付与されないようにできるので、幅広い組成物に対して味や香りなどを損なうことなく適用できる。
また、本技術は、タンパク質由来の臭気を抑制するための、D-3-ヒドロキシ酪酸及び/又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物、又はその使用を提供することもできる。また、本技術は、D-3-ヒドロキシ酪酸及び/又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物を、配合又は添加することを含む、タンパク質含有組成物(好適には飲食品)のタンパク質由来の臭気抑制方法を提供することも可能である。
さらに、本技術は、乳タンパク質由来の臭気及び/又は大豆タンパク質由来の臭気を抑制できるので、乳タンパク質及び/又は大豆タンパク質を含有する組成物に対して適用することができる。
前記飲料としては、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料などが挙げられる。
表1に示すとおりに、室温以下(~25℃)にて、原料を混合して、各高タンパク質含有飲料を作製した。なお、脱脂粉乳、Total Milk Protein、乳化剤、及び一部水を混合して前処理原料液を得、次いで残りの原料を混合してもよい。コーヒー画分抽出液の製造は下記の〔製造例1:コーヒー抽出液(画分1~4)の製造方法〕に示す。
比較例1、及び何れの実施例1~3も、脂肪分0.5%、タンパク質4.0%、炭水化物6.48%であり、エネルギーは46kcal/100gである。栄養表示基準で定められた、タンパク質を強化した旨の表示基準(100kcalあたりタンパク質8.1g)をクリアしており、高タンパク質を含有していることを訴求可能である。
これら飲料はすべて、85℃で10分間の加熱殺菌を施し、10℃に冷却後、パネルに提供した。なお、以下、タンパク質由来の臭気を、「タンパク臭」ともいう。
コーヒー画分抽出液中のD-3-ヒドロキシ酪酸は、食品及び一般分析用試薬キット:F-キット D-3-ヒドロキシ酪酸(J.K.インターナショナル社製:D-3-ヒドロキシ酪酸脱水素酵素及びNAD(酸化型)/492nm)を用いて、その取扱説明書に従って測定した。なお、試料のBx値は、0.4~1.0°になるように希釈した。
官能評価パネルには、食品開発に従事する専門家パネル6名を用いた。事前に比較例を喫食し、タンパク臭がする(以下の基準の「4:する」に相当するもの)ことをパネルですり合わせを行い、各実施例について以下の基準でタンパク臭を評価した。
・タンパク臭が、1点:しない。 ; 2点:あまりしない。 ; 3点:どちらともいえない。 ; 4点:する。 ; 5点:非常にする。
官能評価パネルには、食品開発に従事する専門家パネル6名を用いた。事前に比較例を喫食し、コーヒー由来の風味がしない(以下の基準の「1:しない」に相当するもの)ことをパネルですり合わせを行い、各実施例について以下の基準でコーヒー由来の風味を評価した。
・コーヒー由来の風味が、1点:しない。 ; 2点:あまりしない。 ; 3点:どちらともいえない。 ; 4点:する。 ; 5点:非常にする。
コーヒーマメブラジルNo.2(焙煎度 L=18)を市販されている電動コーヒーミルで粉砕し、焙煎コーヒー豆の粉末を作製した。コーヒーネルに焙煎コーヒー豆粉末(250g)を充填し、90~100℃の熱水を投入し、熱水2000mLまでで1分画し、次いで1000mLごとに3分画し、下記表2のとおり、固形分(Bx)の回収率が異なる抽出液(画分1~4)を分画採取した。
具体的には、画分1の固形分回収率(%)として、2000g×3.31°/250gから、26.48%を得、画分2の固形分回収率(%)として、1000g×0.7°/250gから、2.8%を得た。同様にして、画分3の固形分回収率(%)として1.5%、画分4の固形分回収率(%)として0.9%を得た。
表2の「固形分回収率(積算)」の欄に示すように、画分1までの積算の固形分回収率は26.5%であり、画分2までの積算の固形分回収率は、画分1の26.5%+画分2の2.8%=29.3%であった。画分3までの積算の固形分回収率は、30.8%、画分4までの積算の固形分回収率は31.7%であった。
画分1は0.00%以降26.5%までの間の固形分を含む画分であり、画分2は26.5%以降29.3%までの間の固形分を含む画分、画分3は、29.3%以降30.8%までの間の固形分を含む画分、画分4は30.8%以降31.7%までの間の固形分を含む画分である。
表1中の画分1は、「通常製造されるコーヒー抽出画分」に相当した。画分2、画分3、画分4は、それぞれ「過抽出画分」に相当した。
本技術で得られたコーヒー抽出液のBx値(固形分)は、液体中に溶解している固形分の濃度を測定可能な屈折計で測定して得られる値であり、屈折計としてRefractometer RX-5000(アタゴ社製)を使用して測定した。
本発明者らは、試験例1並びに後述する試験例2及び3の結果から、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むコーヒー抽出物、又はD-3-ヒドロキシ酪酸を、飲料の原料として、タンパク質含有飲料に含有させることによって、タンパク質含有飲料で生じるタンパク質由来の臭気を抑制できることを確認できた。
表3に示すとおりに、室温以下(~25℃)にて、原料を混合して、高タンパク質含有飲料(乳タンパク質)を作製した。なお、脱脂粉乳、Total Milk Protein、乳化剤、及び一部水を混合して前処理原料液を得、次いで残りの原料を混合してもよい。これら飲料はすべて、85℃で10分間の加熱殺菌を施し、10℃に冷却後、パネルに提供した。
3-ヒドロキシ酪酸(3HB)試薬は、市販品(製造元 :Alfa Aesar (ALF);富士フィルム和光純薬社製)を用いた。当該3HB試薬中に含まれるD-3HBの割合を、上記「食品及び一般分析用試薬キット:F-キット D-3-ヒドロキシ酪酸」にて測定した結果、当該3HB試薬にはD-3HBが28%含まれていた。
比較例2、及び何れの実施例4~9も、脂肪分0.5%、タンパク質4.0%、炭水化物6.48%であり、エネルギーは46kcal/100gである。栄養表示基準で定められた、タンパク質を強化した旨の表示基準(100kcalあたりタンパク質8.1g)をクリアしており、高タンパク質を含有していることを訴求可能である。
官能評価パネルには、食品開発に従事する専門家パネル6名を用いた。事前に比較例を喫食し、乳タンパク臭がする(以下の基準の「4:する」に相当するもの)ことをパネルですり合わせを行い、各実施例について以下の基準でタンパク臭を評価した。
・乳タンパク臭が、1点:しない。 ; 2点:あまりしない。 ; 3:どちらともいえない。 ; 4点:する。 ; 5点:非常にする。
D-3HBは、飲料100g中に、0.02~3mgという微量でも、乳タンパク質に対して、非常に優れたマスキング効果を発揮している。
しかも、高タンパク質含有飲料において良好に発揮されており、乳タンパク質とD-3HBとの質量含有比において、乳タンパク質1に対してD-3HBが7.0×10-6以上の使用で発揮されている。
表4に示すとおりに、室温以下(~25℃)にて、原料を混合して、各高タンパク質含有飲料(大豆タンパク質)を作製した。これら飲料はすべて、85℃で10分間の加熱殺菌を施し、10℃に冷却後、パネルに提供した。
試験例2と同様の3HB試薬(D-3HB 28%)を用いた。
比較例3、及び何れの実施例10~15も、脂肪分0.5%、タンパク質4.0%、炭水化物6.48%であり、エネルギーは46kcal/100gである。栄養表示基準で定められた、タンパク質を強化した旨の表示基準(100kcalあたりタンパク質8.1g)をクリアしており、高タンパク質を含有していることを訴求可能である。
また、原豆乳含有量×大豆固形分(10.2%)にて、豆乳含有組成物中の大豆固形分を算出した。また、原豆乳含有量×大豆タンパク質含有量(4.4%)にて、飲料中の大豆タンパク質含有量を算出した。
官能評価パネルには、食品開発に従事する専門家パネル6名を用いた。事前に比較例を喫食し、大豆タンパク臭がする(以下の基準の「4:する」に相当するもの)ことをパネルですり合わせを行い、各実施例について以下の基準でタンパク臭を評価した。
・大豆タンパク臭が、1点:しない。 ; 2点:あまりしない。 ; 3点:どちらともいえない。 ; 4点:する。 ; 5点:非常にする。
官能評価パネルには、食品開発に従事する専門家パネル6名を用いた。事前に比較例を喫食し、豆乳の青臭さがある(以下の基準の「3:豆乳由来の青臭さがある」に相当するもの)ことをパネルですり合わせを行い、各実施例について以下の基準でタンパク臭を評価した。
豆乳由来の青臭さが、1点:比較例と比較して、豆乳由来の青臭さを弱く感じる。 ; 2点:比較例と比較して、豆乳由来の青臭さをやや弱く感じる。 ; 3点:豆乳の青臭さが、比較例と変わらない(豆乳由来の青臭さがある)。 ; 4点:比較例と比較して、豆乳由来の青臭さをやや強く感じる。 ; 5点:比較例と比較して、豆乳由来の青臭さを強く感じる。
D-3HBは、飲料100g中に、0.02mg~3mgという微量でも、大豆タンパク質に対して、非常に優れたマスキング効果を発揮している。
しかも、高タンパク質含有飲料において良好に発揮されており、大豆タンパク質とD-3HBとの質量含有比において、大豆タンパク質1に対してD-3HBが6.22×10-6以上の使用で発揮されている。
Claims (8)
- D-3-ヒドロキシ酪酸を0.01mg/飲料100g以上含み、
飲料中に含まれるタンパク質1質量部に対する前記D-3-ヒドロキシ酪酸の質量含有比が、2.5×10-6質量部以上であり、
前記タンパク質の含有量が、6g/飲料100kcal以上である、タンパク質含有飲料。 - 前記D-3-ヒドロキシ酪酸を含むBx値3.3°未満のコーヒー抽出物を含有する、請求項1に記載のタンパク質含有飲料。
- 前記コーヒー抽出物のBx値が1.0°以下である、請求項2に記載のタンパク質含有飲料。
- 前記コーヒー抽出物が、D-3-ヒドロキシ酪酸濃度を0.001g/100g以上含有する、請求項2又は3に記載のタンパク質含有飲料。
- 前記タンパク質の含有量が、8g/飲料100kcal以上である、請求項1~4の何れか1項に記載のタンパク質含有飲料。
- D-3-ヒドロキシ酪酸及び/又はD-3-ヒドロキシ酪酸を含むBx値3.3°未満のコーヒー抽出物と、タンパク質とを混合して原料液を調製する工程を含む、請求項1~5の何れかに記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
- 焙煎コーヒー豆から水系溶媒にて抽出して、D-3-ヒドロキシ酪酸を含むBx値3.3°未満のコーヒー抽出物を調製する工程をさらに含む、請求項6に記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
- 前記コーヒー抽出物が、さらに固形分回収率26.5%~40%である、請求項6又は7に記載のタンパク質含有飲料の製造方法。
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