JP7596156B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に関する。さらに詳しくは、電動車椅子のような駆動源を有する車両であって、介護者等の手動操作や乗員の操作によって、駆動される車両に関する。
従来、モータ等により駆動される電動車椅子等の車両が知られている。また、運転者が、肘置き部に設けられた操作レバーを操作することによって駆動される電動車椅子も知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の電動車椅子は、肘置き部に備えたセンサにより、運転者が肘置き部に肘を置かない状態にあることを検出し、当該運転者が、肘置き部に肘を置かない状態で、操作レバーを操作した場合には、当該操作レバーによる入力を無効化している。これにより、電動車椅子が誤発進することを抑制している。
特開2017-176422号公報
ところで、上述した特許文献1の電動車椅子は、例えば、坂道や、車両の幅方向一方側に傾斜した斜面を走行する際に、運転者の姿勢が崩れ、一方側に重心が偏ることとなる。その結果、車椅子の挙動が、不安定となる問題がある。特に、運転者が、高齢者や体の不自由な者である場合、体を支え切れずに、重心の偏りが生じやすいと考えられる。しかしながら、上述した特許文献1の電動車椅子は、誤発進を抑制するものであり、走行中の挙動を安定化するものではない。そのため、誤操作がない場合であっても、より安定した走行が可能な電動車椅子等の車両が望まれている。
そこで、本発明は、安定な走行が可能な車両を提供することを目的とする。また、本発明は、乗員の姿勢に応じた制御が可能な車両を提供することを目的とする。
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の車両は、車体に搭載された駆動源によって駆動される車両であって、乗員が着座して搭乗が可能な着席部と、前記着席部に設けられ、前記乗員の着座状態を取得する状態取得部と、前記着座状態に基づいて前記乗員の重心を推定することにより重心推定位置を求める重心推定部と、前記車両の幅方向一方側及び他方側に設けられた一対の車輪と、前記車輪をそれぞれ独立して駆動する車輪駆動部と、前記車輪のそれぞれの回転数を取得可能な車輪回転数検知部と、前記車輪駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部が、前記重心推定位置に基づいて、前記車輪駆動部を制御することにより、前記車輪のそれぞれの回転数を制御すること、を特徴とするものである。
上述した本発明の車両は、重心推定部で求めた重心推定位置に基づいて、それぞれの前記車輪における車輪回転数を制御部により制御することができる。これにより、乗員の重心の変化(姿勢の変化)に基づいた車両の制御を行うことができる。また、乗員の姿勢変化が起こりやすい路面を車両が走行する場合であっても、乗員の姿勢変化を迅速に把握し、これを反映させた精度の良い車両の制御を行うことができる。従って、安定な走行が可能な車両を提供することができる。ここで、乗員の姿勢変化が起こりやすいと考えられる路面としては、坂道や車両の幅方向一方側に傾斜した斜面が挙げられる。なお、車両の操作は、乗員や介護者等によるものの他、自動走行や遠隔操作によるものとしても良い。
(2)上述した本発明の車両は、前記車両の路面に対する傾斜角を検知する傾斜角検知部を備え、前記傾斜角検知部により検知した前記傾斜角及び前記重心推定位置に基づいて、前記車輪駆動部を制御することにより、前記車輪のそれぞれの回転数を制御すると良い。
かかる構成によれば、路面状態に応じて変化する乗員の姿勢変化を迅速に把握して、これを反映させた車両の制御を行うことができる。そのため、より一層精度の良い車両の制御を行うことができる。ここで、上述した車両は、傾斜角検知部により、例えば、車両が幅方向の一方側に傾斜しており、幅方向一方側及び他方側において同一の力を作用させても、車両の進行方向が幅方向一方側に傾いてしまう現象(片流れ)が生じる懸念があることを、検知した傾斜角により把握できる。また、車両の傾斜によって生じる重心位置の変化を重心推定位置として取得できる。そのため、当該車両の傾斜角及び重心推定位置に基づいて生じる車輪回転数の差を、制御部が補正して、車輪回転数を目標値に近づけることで、片流れの生じるような斜面での車両の挙動を安定化させることができる。
ここで、乗員の姿勢変化による着席部にかかる荷重(負荷)の変化の度合いは、座面部と、背もたれ部と、アームレスト部とで、それぞれ異なっていると考えられる。
(3)かかる知見に基づき、本発明の車両は、前記着席部は、座面部と、背もたれ部と、アームレスト部と、を有し、前記状態取得部は、前記座面部と、前記背もたれ部と、前記アームレスト部とのそれぞれに対して一又は複数配置されており、前記重心推定部は、配置された前記状態取得部のそれぞれの位置に基づき、所定の重み付けを行って得た重心指標値を用いて、前記重心推定位置を求めると良い。
かかる構成によれば、座面部、背もたれ部、及びアームレスト部の各部位毎に所定の重み付けが行われた重心指標値を用いて、重心推定位置を求めることができる。従って、乗員の姿勢変化を強調して把握することができ、乗員の姿勢変化を緻密に精度良く取得できる。これにより、乗員の姿勢変化に応じた精度の良い車両の制御を行うことができ、車両の挙動を安定化することができる。
ここで、着席部における乗員の姿勢変化による重心位置の変動する度合いは、背もたれ部、座面中央部、座面両端部、アームレスト部の順に高くなると考えられる。
(4)かかる知見に基づき、本発明の車両は、前記座面部が、座面中央部及び座面両端部に区画分けされており、前記重み付けが、前記背もたれ部、前記座面中央部、前記座面両端部、前記アームレスト部の順に高くなるように行われると良い。
かかる構成によれば、乗員の姿勢変化による重心位置の変動する度合いに応じて、着席部における重み付けを行うことができる。従って、乗員の姿勢変化を強調して把握することができ、乗員の姿勢変化を緻密に精度良く取得できる。これにより、乗員の姿勢変化に応じた精度の良い車両の制御を行うことができ、車両の挙動を安定化することができる。
(5)上述した本発明の車両は、前記重心推定位置が、前記車両の進行方向に対して幅方向に対称となる位置の前記状態取得部同士の取得値を演算処理することにより求められると良い。
かかる構成によれば、幅方向の中央を境に乗員の姿勢変化を強調して把握することができる。そのため、乗員の姿勢変化が微弱であっても、乗員の姿勢変化を緻密に精度良く把握することができ、これを反映させた精度の良い車両の制御を行うことができる。
(6)上述した本発明の車両は、前記車両が、操作部を有していると良い。
かかる構成によれば、車両を乗員や介護者等の操作により、操作することができる。これにより、操作者の操作意図を反映させた車両の移動制御を行うことができる。
本発明によれば、安定な走行が可能な車両を提供することができる。また、本発明によれば、乗員の姿勢に応じた制御が可能な車両を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る車両の斜視図である。 本発明の車両の構成図である。 本発明の車両を構成する状態取得部の構成図である。 本発明の車両を構成する重心推定部における重心推定位置の算出例を示す説明図である。 乗員が傾斜した場合の重心推定位置の変化を説明する説明図である。 (a)は、乗員が車両の幅方向一方側に傾斜した場合の説明図であり、(b)は、(a)における状態取得部の検知状態を説明する説明図である。 (a)は、車両が片流れの斜面を走行する場合の説明図であり、(b)は、(a)における状態取得部の検知状態を説明する説明図である。 (a)は、乗員が背もたれ部から離れた状態にある場合の説明図であり、(b)は、(a)における状態取得部の検知状態を説明する説明図である。 (a)は、車両が下り坂を走行する場合の説明図であり、(b)は、(a)における状態取得部の検知状態を説明する説明図である。 本発明の車両における制御動作を示すフロー図である。 図10のフロー図における車輪回転数の補正動作を示すフロー図である。 図11の続きのフロー図である。 本発明の車両を構成する状態取得部(着座センサ)における状態判定(重心位置のずれ判断)を示すフロー図である。 本発明の車両を構成する状態取得部(着座センサ)における状態判定(着座状態が適正か判断)を示すフロー図である。
本発明に係る車両1の一実施形態について、図1~図9を参照しつつ以下に詳細を説明する。本実施形態では、車両1が、操作レバーを備えた電動車椅子である場合を例として説明する。
≪車両1の構成について≫
図1に示すように、車両1は、車両1の本体となる車体2を有している。車体2は、後方側に立設された後方支持部材2aと、車体後方側に回転可能に支持された駆動輪としての一対の車輪3L,3R(駆動輪3L,3Rとも称する)と、車体前方側に回転可能に支持された従動輪としての一対の全方向車輪4,4等が設けられている。なお、図1において車輪3Rは、車体2に隠れているため図示していない。
車体2は、要介護者等の乗員が着座して搭乗が可能な着席部100と、着席部100に設けられた状態取得部110と、乗員の重心を推定する重心推定部120等を備えている。また、車体2は、例えば、介護者等(操作者とも称する)に操作される一対の操作部10L,10Rと、前記操作者による操作力を検出する操作量取得部20と、着席部100の前端側下方に設けられ、車体2の前端側に設けられた固定軸(図示せず)を中心に回転可能なフットレスト2b等が設けられている。
また、車体2は、上述した構成に加えて、車輪駆動部40L,40Rと、車両1の各種の制御を行う制御部30と、車輪回転数検知部50と、車両1の路面に対する傾斜角を検知する傾斜角検知部60とを備えている。なお、図1において、車輪駆動部40Rは、図示していない。
操作部10L,10Rは、後方支持部材2aの車幅方向両端側に設けられている。操作部10L,10Rは、棒状の部材によって構成されている。操作部10L,10Rは、その一端側において車体2に揺動可能に支持され、他端側が自由端とされている。操作部10L,10Rは、中途において屈曲しており、車体2側に支持される部分が後方支持部材2aの側面に沿って延びるように形成されている。また、操作部10は、操作者が車体2の後方側において把持して操作しやすいように、後方支持部材2aから車体2の後方側に向けて延び、所定の角度で傾斜するように形成されている。操作部10L,10Rの操作側は、端部がそれぞれ対向するように離間配置されている。操作部10L,10Rの操作側には、図示しない把持センサが設けられており、操作者が操作部10L,10Rを把持しているか否かを検知することができる。また、操作部10L,10Rの支持側は、後方支持部材2aに対して揺動可能に支持されている。そのため、操作部10L,10Rは、それぞれ独立して揺動操作することができる。
図2に示すように、操作部10L,10Rの支持側には、操作量取得部20がそれぞれ設けられている。操作量取得部20は、例えば、ロードセルからなる一対の圧力センサ22,22と、圧力センサ22,22で検知した信号を増幅する信号増幅器23と、信号増幅器23でのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器24等を有している。操作量取得部20は、操作部10L,10Rに加わる操作力を、それぞれの圧力センサ22,22により、独立して取得することができる。
制御部30には、車輪駆動部40L,40Rと、車輪回転数検知部50と、傾斜角検知部60と、状態取得部110と接続された重心推定部120等が接続されている。制御部30は、操作部10L,10Rにおいて取得された操作量の差に基づいて設定値(例えば、回転数)を後述する車輪駆動部40L,40Rに出力する。制御部30は、前記車輪駆動部40L,40Rの制御の他、車両1における各種の制御を行うことができる。なお、制御部30は、単体で構成されるものだけではなく、構成する部材に応じて複数で構成されるものであっても良い。
車輪駆動部40は、例えば、インホイールモータと、モータドライバ等で形成されており、車輪3L,3Rのそれぞれに接続されている。車輪駆動部40L,40Rは、車輪3L,3Rをそれぞれ独立して回転させることができる。車輪駆動部40L,40Rは、制御部30から出力される設定値(例えば、回転数)に基づいて、それぞれ独立した駆動制御が行われる。これにより、車両1は、車輪駆動部40L,40Rによる車輪3L,3Rの駆動により進行し、全方向車輪4,4(図1参照)によって、各方向に旋回することが可能である。
車輪回転数検知部50は、駆動輪としての車輪3L,3Rに設けられ、車輪3L,3Rのそれぞれの車輪回転数を検知することができる。車輪回転数検知部50には、例えば、角度を検知するエンコーダ等が用いられる。また、車輪回転数検知部50は、例えば、車輪軸に設けたり、車輪駆動部40に設けたりするものなど、車輪3の回転数を検知できる位置であれば、各種の場所に設けることができる。
傾斜角検知部60は、図1に示すように車体2の底面部分に設けられている。傾斜角検知部60は、車両1の路面5に対する傾斜角を検知することができる。傾斜角検知部60には、例えば、ジャイロセンサ等、各種のセンサを用いることができる。また、傾斜角検知部60は、車両1の路面5に対する傾斜角を検知できる場所であれば、各種の場所に設けることができる。
次に、乗員が着座して搭乗する着席部100の詳細について、図3に基づいて説明する。着席部100は、乗員が腰掛けする座面部101と、乗員の背中を支持する背もたれ部102と、乗員の肘置きとなるアームレスト部103R,103L(アームレスト部103)等を有している。また、座面部101と、背もたれ部102と、アームレスト部103とには、それぞれに対して状態取得部110が複数設けられている。それぞれの状態取得部110は、重心推定部120に接続されている。
状態取得部110は、例えば、圧力センサ等のセンサから構成されている。また、状態取得部110は、前記センサで検知した信号を増幅する信号増幅器111と、信号増幅器111でのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器112等を有している。状態取得部110は、乗員が着座した際に掛かる荷重(圧力)を検出することができる。なお、以下の説明において、状態取得部110は、配置されている位置に応じて、センサa,b,sと称することがある。また、センサa,b,sは、それぞれ配置されている位置に応じて、アルファベットの記号に数字を付けて称することがある。
座面部101には、センサsが複数配置されている。座面部101は、座面中央部101c及び座面両端部101R,101Lに区画分けされている。座面中央部101cには、車両1の進行方向に沿ってそれぞれ列をなしたセンサs21~s23及びs31~s33が、車幅方向中央に対して対称となるように配置されている。また、車両1の進行方向右側となる座面端部101Rには、センサs11~s13が配置されている。また、車両1の進行方向左側となる座面端部101Lには、センサs41~s43が配置されている。
背もたれ部102には、センサbが複数配置されている。背もたれ部102には、車両1の進行方向に沿ってそれぞれ列をなしたセンサb11及びb12と、センサb21及びb22とが、車幅方向中央に対して対称となるように配置されている。
アームレスト部103Rには、センサa11及びa12が車両1の進行方向に沿って配置されている。アームレスト部103Lには、センサa21及びa22が車両1の進行方向に沿って配置されている。
重心推定部120は、上述したそれぞれのセンサa,b,sと接続されている。重心推定部120は、各センサa,b、cで取得した取得値から、乗員の重心を推定して、重心推定位置Gを求めることができる。また、重心推定部120は、制御部30と接続されており、推定した重心推定位置Gを制御部30に送信する。なお、重心推定部120は、別途の装置としても良いし、制御部30によって行うものとしても良い。次に、重心推定部120による具体的な重心の推定について、図4を参照しながら説明する。
≪重心の推定≫
まず、乗員の重心を推定するにあたり、座面部101において、座面中央部101cにおける2列の各センサs21~s23及びs31~s33の出力差の合計SCと、座面両端部101R,101Lにおける2列の各センサs11~s13及びs41~s43の出力差の合計SSとが求められる。具体的には、合計SC及び合計SSは、以下の(式1)及び(式2)によって求められる。
SC={(s21-s31)+(s22-s32)+(s23-s33)}・・・(式1)
SS={(s11-s41)+(s12-s42)+(s13-s43)}・・・(式2)
また、両アームレスト部103R,103Lにおける各センサa11,a12,a21,a22の出力差の合計Aが求められる。具体的には、合計Aは、以下の(式3)によって求められる。
A={(a11-a21)+(a12-a22)}・・・(式3)
また、背もたれ部102における各センサb11,b12,b21,b22の出力差の合計Bが求められる。具体的には、合計Bは、以下の(式4)によって求められる。
B={(b11-b21)+(b12-b22)}・・・(式4)
上述した着席部100の各部におけるセンサの出力差の合計が求められると、重心の推定を行うために座面中央部101c、座面両端部101R,101L、背もたれ部102、アームレスト部103についての重み付けが行われる。以下、重み付けについて、図6を参照しながら詳細を説明する。図示において、図6(a)は、車両1と乗員の状態を示すものであり、図6(b)は図6(a)における状態取得部110のセンサの出力状態を示すものである。なお、図6(b)において、各センサの出力値範囲は、ハッチングの密度で表しており、ハッチングの密度が高い程、センサの出力が高いことを表していることに留意されたい。重み付けは、車両1や乗員の状態に応じた状態取得部110のセンサの出力状態に基づいて行われる。
図6(a)は、車両1が水平な路面5を走行しており、乗員が進行方向に対して左側に傾斜している状態を示したものである。図6(a)に示すように、乗員が車両1の進行方向に対して左側に傾斜した場合は、図6(b)に示すように、アームレスト部103Lにおけるセンサa21及びa22(図4参照)での出力が一番大きくなっている。また、着席部100において、左側のアームレスト部103Lから右側のアームレスト部103Rにかけて順にセンサの出力値が下がっていることが分かる。
上述したように、乗員の姿勢変化に応じて、座面中央部101c、座面両端部101R,101L、背もたれ部102、アームレスト部103R,103Lにおける各センサs,b,aの出力の強弱の傾向があることが分かる。そのため、本実施形態では、前記傾向(乗員の重心の変動の度合い)に基づいて、部位毎に各センサs,b,aの出力に重み付けを行っている。具体的には、図4に示すように、以下の(式5)の順に重み付けを行っている。
(背もたれ部:Wb)<(座面中央部:Wsc)<(座面両端部:Wss)<(アームレスト部:Wa)・・・(式5)
上述したように、着席部100における乗員の姿勢変化による重心位置の変動する度合いに応じて重み付けを行うことにより、乗員の姿勢変化を強調して把握でき、乗員の姿勢変化を緻密に精度良く取得できる。これにより、乗員の姿勢変化に応じた精度の良い車両1の制御を行うことができ、車両の挙動を安定化することができる。
上述した重み付けが行われると、当該重み付けを反映させた乗員の重心の推定が、重心推定部120にて行われる。具体的には、以下の(式6)に基づいて、重心位置指標G(重心推定位置Gとも称する)が求められる。
G=重心位置指標:G=SC×Wsc+SS×Wss+A×Wa+B×Wb・・・(式6)
重心位置指標Gが求められると、当該重心位置指標Gを反映させた車両1の駆動制御が行われる。このように、本発明の車両1は、重心位置指標Gが、車両1の進行方向に対して幅方向に対称となる位置の状態取得部110同士の取得値を演算処理することにより求められる。従って、幅方向の中央を境に乗員の姿勢変化を強調して把握することができる。そのため、乗員の姿勢変化が微弱であっても、乗員の姿勢変化を緻密に精度良く把握することができ、これを反映させた精度の良い車両1の制御を行うことができる。
ここで、重心位置指標Gは、図5に示すように乗員の傾斜方向に応じて変化する。例えば、図示左側のように、車両1が水平状態にあり、乗員の姿勢変化がない場合は、重心位置指標Gが変化しない。また、図示中央のように、車両1が水平状態にあり、乗員が進行方向左側に傾斜した場合は、重心位置指標Gが負の値を示す(G<0)。また、図示右側のように、車両1が水平状態にあり、乗員が進行方向右側に傾斜した場合は、重心位置指標Gが正の値を示す(G>0)。
次に、乗員の着座姿勢、及び路面5の傾斜状態に応じた重心推定位置Gの変化と、重心推定位置Gの変化に伴う駆動制御とについて、図6~図9を参照しながら場合分けをして説明する。
図6(a)及び図6(b)は、上述したように路面5が水平状態にあり、乗員が進行方向に対して左側に傾斜した状態を表すものである。かかる場合は、左側に重心推定位置Gが移動するため、車両1が左側に曲がろうとする。すなわち、進行方向左側の車輪3Lの回転数が低下する。そのため、車輪3Lの車輪回転数が増大するように、車輪駆動部40L,40Rを制御する。これにより、乗員の姿勢変化に応じた迅速な車両1の走行制御を行うことができる。
図7(a)は、路面5が車両1の進行方向左側に傾斜しており、乗員が進行方向左側に傾斜している状態を示したものである。なお、車両1の傾斜方向は、傾斜角検知部60により検出することができる。車両1が進行方向に対して左側に傾斜した場合は、乗員が大きく左側に傾斜し、重心が左側に移動する。そのため、図7(b)に示すように、アームレスト部103Lにおけるセンサa21及びa22(図4参照)での出力が一番大きくなっている。また、左側のアームレスト部103Lから右側のアームレスト部103Rにかけて順にセンサの出力値が下がっていることが分かる。なお、上述した乗員のみが左側に傾斜する場合に比べ、車両1が傾斜している場合は、より一層、左側に重心が移動していることが分かる。
かかる場合は、車両1が左側に曲がろうとする。すなわち、進行方向左側の車輪3Lの回転数が低下する。そのため、車輪3Lの車輪回転数が増大するように、車輪駆動部40L,40Rを制御する。これにより、乗員の姿勢変化に応じた迅速な車両1の走行制御を行うことができる。
図8(a)は、車両1が水平状態にあり、乗員が背もたれ部102から離れると共にアームレスト部103に肘を掛けていない状態(不適切な着座状態)を示したものである。図8(b)に示すように、座面部101の各センサsでは、ほぼ同等の出力が行われている。背もたれ部102の各センサb及びアームレスト部103の各センサaでは、出力がされていない。ここで、乗員の着座状態が不適切な状態である場合は、乗員が姿勢を崩しやすいと考えられる。そのため、車両1の速度を低減させるように、車輪回転数を目標回転数よりも下げる処理が行われる。すなわち、車輪駆動部40L,40Rの設定値を、目標値よりも低減するように補正する。これにより、乗員が姿勢を崩すことを抑制すると共に乗員の姿勢変化に応じた迅速な車両1の走行制御を行うことが可能である。
図9(a)は、車両1が下り坂を走行しており、乗員が前方側に傾斜して背もたれ部102から離れると共にアームレスト部103に肘を掛けていない状態(不適切な着座状態)を示したものである。なお、車両1の傾斜方向は、傾斜角検知部60により検出することができる。図9(b)に示すように、座面部101の各センサsでは、ほぼ同等の出力が行われている。背もたれ部102の各センサb及びアームレスト部103の各センサaでは、出力がされていない。ここで、車両1が下り坂を走行し、かつ乗員の着座状態が不適切な状態にある場合は、乗員が姿勢を崩しやすいと考えられる。そのため、車両1の速度を極めて遅くするように車輪駆動部40L,40Rの設定値を、目標値よりも極力低減するように補正する。これにより、乗員が姿勢を崩すことを抑制すると共に乗員の姿勢変化に応じた迅速な車両1の走行制御を行うことが可能である。
以上が、車両1の構成であり、次に、本発明に係る車両1の制御の詳細について、図6~図9の説明図、及び図10~図14のフロー図を参照しつつ、以下に詳細を説明する。まず、乗員の姿勢変化の有無に関わらず、共通に行われる制御(メインルーチン)について、図10を参照しつつ、以下に詳細を説明する。
≪制御フローについて≫
図10に示すように、車両1の制御が開始されると、まずステップS10で左右の操作部10L,10Rの把持状態が、図示しない把持センサにより検出される。続いて、操作部10L,10Rが共に把持状態か否かの判定がステップS11として行われる。
ステップS11において、操作部10L,10Rのうち少なくともいずれか一方が把持されていない状態であるか、操作部10L,10Rの双方が把持されていない状態であると判定された場合は、図示右側のステップS20に処理が進められる。ステップS20では、車輪駆動部40L,40R(図1参照)が駆動中であるか否かの判定が行われる。
車輪駆動部40L,40Rが停止している場合は、再びステップS10に戻って処理が進められる。一方、車輪駆動部40L,40Rが駆動中である場合は、ステップS21として警告音が発報される。すなわち、車両1が片手で操作された場合や、車両1が手離し状態で駆動されている場合は、上述の停止条件を満たすものとして、次の車両1を停止させる制御がステップS22として行われる。続いて、ステップS34として、車両1を停止させるための設定値が制御部30(図2参照)から車輪駆動部40L,40Rに出力され、車輪駆動部40L,40Rの停止制御が行われる。これにより、操作者の操作意図に反して車両1が移動することを抑制することができる。停止制御が完了すると、再びステップS10に戻って処理が進められる。
上述したステップS11において、操作部10L,10Rが共に把持状態であると判定された場合は、ステップS30として、操作部10L,10Rの操作量が取得される。次に、ステップS31として、傾斜角検知部60(図1及び図2参照)により、車両1の路面5に対する傾斜角が検出される。車両1の傾斜角が検出されると、ステップS32として、車輪3L,3Rの車輪回転数が取得される。
続いて、ステップS33として、操作部10L,10Rの操作量に応じて、車輪回転数の目標値が決定される。ここで、車輪回転数の目標値は、路面5が水平状態にある場合における前記操作量に応じた車輪回転数が定められる。前記目標値は、例えば、予め定めた関数に基づいて求めることができる。なお、前記目標値は、関数によるものではなく、例えば、操作量毎及び車輪回転数毎にテーブルを作成しておき、当該テーブルに基づいて、設定されるものであっても良い。
ステップ33において、目標値が決定されると、ステップS100としてのサブルーチン(車輪回転数の補正)に処理が進められる。ステップS100のサブルーチンでは、車輪3L,3Rの回転数の補正が行われる。ステップ100における具体的な車輪回転数の補正については、後述において場合分けしながら詳細を説明する。
ステップ100での処理が完了すると、ステップS34として、設定値が車輪駆動部40L,40Rに出力され、当該設定値に基づいて車輪駆動部40L,40Rが制御される。ステップS34での処理が完了すると、ステップS10に戻って、処理が繰り返し行われる。
次に、ステップS100のサブルーチンにおける具体的な制御フローについて、図11及び図12並びに図5~8に基づいて、以下に詳細を説明する。
図10におけるステップS100のサブルーチンが開始すると、図11に示すサブルーチンとしてのステップS100の処理が開始される。ステップS100の処理が開始されると、ステップS101として、傾斜角検知部60(図1及び図2参照)により、路面5の傾斜状態が判断される。路面5の傾斜状態については、大きく分けて、路面5が水平状態(平坦状態)にある場合と、車両1が幅方向の一方側に傾斜しており、幅方向一方側及び他方側において同一の力を作用させても、車両の進行方向が幅方向一方側に傾いてしまう現象(片流れとも称する、図7参照)と、路面5が車両1の進行方向の前後方向に傾斜する場合(図9参照)の3パターンが考えられるため、以下では、上記3つの傾斜状態に分けて説明する。なお、片流れについては、車両1が幅方向の左側に傾斜している場合について説明し、前後方向の傾斜については、下り坂について説明する。
≪水平状態の場合≫
図11に示すように、車両1の路面5に対する傾斜角が例えば0°の場合は、ステップS101で傾斜なし(水平状態)と判断され、ステップS110に処理が進められる。ステップS110では、車輪3L,3Rの車輪回転数と目標値との差の有無についての判定が行われる。
ステップS110において、車輪回転数と目標値との差が認められる場合は、ステップS111として、車輪駆動部40L,40Rの設定値が補正される。ここで、車輪回転数が走行抵抗等により目標値よりも低い場合、車輪回転数を増大するような設定値に補正する。一方、車輪回転数が目標値よりも高い場合、設定値を減少させる補正を行う。車輪回転数の設定値の補正が行われるとステップS300としてのサブルーチン(着座状態判定)に処理が進められる。ステップS300での、サブルーチンでは、着座状態の判定(着座状態が適正か否かの判断)が行われる。また、ステップS110において、車輪回転数と目標値との差が認められない場合は、上述のステップS300のサブルーチンに処理が進められる。以下、ステップS300における具体的な着座状態の判定の詳細について説明する。
≪ステップS300における着座センサ状態の判定≫
図14に示すように、ステップS300における着座状態判定が開始されると、ステップS301として、状態取得部110の各センサs,b,aの出力値が取得される。
ステップS302として、座面部101における全てのセンサs11~s43の出力値が所定の閾値Sthrを超えているか否かが判断される。すなわち、乗員が座面部101に着座しているかの確認が行われる。
ステップS302において、全てのセンサs11~s43の出力値が所定の閾値Sthrを超えている場合は、ステップS303として、アームレスト部103における全てのセンサa11~a22の出力値が所定の閾値Athr未満であるか否かが判断される。
ステップS303において、全てのセンサa11~a22の出力値が所定の閾値Sthrを超えていない場合は、ステップS304として、背もたれ部102における全てのセンサb11~b22の出力値が所定の閾値Bthr未満であるか否かが判断される。
ステップS304において、全てのセンサb11~b22の出力値が所定の閾値Bthr未満である場合は、ステップS305として、着座状態が不適正(例えば、図8のような状態)であると判断され、図11に示すサブルーチンに戻って、ステップ112の処理が行われる。
ステップS302において、全てのセンサs11~s43の出力値が所定の閾値Sthrを超えていない場合は、上記のステップS305の処理が行われる。
ステップS303において、全てのセンサa11~a22の出力値が所定の閾値Sthrを超えている場合は、ステップS306で、着座状態が適正であるものと判断され、図11に示すサブルーチンに戻って、ステップS112の処理が行われる。
ステップS304において、全てのセンサb11~b22の出力値が所定の閾値Bthrを超えている場合は、ステップS306で、着座状態が適正であると判断され、図11に示すサブルーチンに戻って、ステップS112の処理が行われる。
なお、上述した閾値Sthr,Bthr,Athrは、センサ特性に合わせて各種の数値に設定することができる。また、閾値Sthr,Bthr,Athrは、センサ毎に個別に設定したり、複数のセンサをまとめて設定したりするなど、各種の設定を行うことができる。
ステップS300におけるサブルーチンでの処理が完了すると、ステップS112として、着座状態が適正か否かの判断が行われる。ステップS112において、着座状態が不適正な場合(例えば、図8の状態)は、ステップS113として、車輪駆動部40L,40Rの設定値が補正される。ここで、設定値は、車輪回転数が減少するように補正される。ステップ113が完了すると、図10に示すステップS100に戻って、メインルーチンにおけるステップS34が行われる。ステップS112において、着座状態が適正な場合は、図10に示すステップS100に戻って、メインルーチンにおけるステップS34の処理が行われる。
≪車両が片流れする場合≫
図7(a)は、路面5が車両1の進行方向に対して右上がり傾斜している場合(片流れする場合)の車両1の走行状態を示す説明図である。かかる場合は、車両1が、傾斜方向(左側)に車両1が下ろうとする。そのため、車輪3L,3Rのそれぞれの車輪回転数に差が生じる。
上述のように車両1が片流れ状態にある場合は、図11に示すステップS101において、左右方向に傾斜があると判断され、ステップS120に処理が進められる。ステップS120では、操作部10L,10Rの操作量に差があるか否かが判定される。
ステップS120において、操作部10L,10Rの操作量の差に差がある場合は、ステップS121として、車輪3L,3Rのそれぞれの車輪回転数に差があるか否かが判定される。
ステップS121において、両車輪3L,3Rの車輪回転数に差があると判断された場合(車両1が片流れする場合)は、ステップS122に処理が進められる。ステップS122では、車輪3L,3Rの車輪回転数が目標値に近づくように車輪駆動部40L,40Rの設定値が補正される。具体的には、車両1が曲がる側の車輪3Lの回転数を増大させるように車輪駆動部40L,40Rの設定値を補正する。これにより、車輪3L、3Rの車輪回転数を目標値に近づけることができ、車両1の片流れを抑制することができる。上述において、目標値は、車両1が水平状態にある場合の車輪駆動部40L,40Rの設定値である。
ステップS122での処理が完了すると、ステップS200としてのサブルーチン(着座センサ状態判定)に処理が進められる。上述したステップS120において、操作部10L,10Rの操作量に差がない場合も、ステップS200のサブルーチンに処理が進められる。また、ステップ121において、両車輪3L,3Rの車輪回転数に差がない場合も、ステップS200のサブルーチンに処理が進められる。ステップS200での、サブルーチンでは、重心位置のずれの判断が行われる。以下、ステップS200における具体的な着座センサ状態の判定の詳細について説明する。
≪ステップS200における着座センサ状態の判定≫
図13に示すように、ステップS200における着座状態判定が開始されると、ステップS201として、状態取得部110の各センサs,b,aの出力値が取得される。
続いて、ステップS202として、座面中央部101cにおける各センサs21~s23及びs31~s33の出力差の合計SCが求められる。合計SCは、上述した(式1)に基づいて求めることができる。
ステップS202の処理が完了すると、ステップS203として、座面両端部101R,101Lにおける各センサs11~s13及びs41~s43の出力差の合計SSが求められる。合計SSは、上述した(式2)に基づいて求めることができる。
ステップS203の処理が完了すると、ステップS204として、アームレスト部103R,103Lにおける各センサa11~a22の出力差の合計Aが求められる。合計Aは、上述した(式3)に基づいて求めることができる。
ステップS204の処理が完了すると、ステップS205として、背もたれ部102における各センサb11~b22の出力差の合計Bが求められる。合計Bは、上述した(式4)に基づいて求めることができる。
ステップS205の処理が完了すると、ステップS206として、各合計SC,SS,A,Bに基づいて乗員の重心位置指標G(重心推定位置G)が計算される。重心位置指標Gは、上述した(式6)に基づいて求めることができる。ステップS206の処理が完了すると、図11のサブルーチンに戻って、ステップS123の処理が行われる。
ステップS123では、適正重心位置指標Gbとのずれがあるか否かの判断が行われる。重心位置指標Gのずれの判断は、適正重心位置指標Gb(車両1が水平状態にあり、乗員が適正に着座している状態の重心位置指標)との比較により行われる。
ステップS123において、求めた重心位置指標Gが適正重心位置指標Gbに対してずれがあると判断された場合(例えば、図7の場合)は、ステップS124として、車輪駆動部40L,40Rの設定値が補正される。ここで、前記設定値は、重心が移動した方向の車輪3Lの車輪回転数を増大させるように設定される。
ステップS124の処理が完了すると、ステップS125として、車輪駆動部40L,40Rの設定値が補正される。具体的には、前記設定値は、車輪3L,3Rの車輪回転数が減少するように補正される。以上が、車両が片流れする場合の制御フローであり、次に、路面5に前後方向の傾斜がある場合についての車両1の制御フローについて図11及び図12に基づいて詳細を説明する。なお、上述のフローと同様の制御については、説明を一部省略する。
≪路面に前後方向の傾斜がある場合≫
図11に示すように、ステップS101において、路面5に前後方向の傾斜があると判断された場合(例えば、図9の状態)は、図12に示すステップS130に処理が進められる。ステップS130では、操作部10L,10Rの操作量に変化があるか否かが判定される。
ステップS130において、操作部10L,10Rの操作量に変化があると判断された場合は、ステップS131として、車輪回転数と目標値との差があるか否かが判断される。ここで、目標値は、車両1が水平状態にある場合の車輪駆動部40L,40Rの設定値である。ステップS131において、車輪回転数と目標値との差があると判断された場合は、ステップS132に処理が進められる。
ステップS132では、車輪駆動部40L,40Rの設定値が補正される。具体的には、路面5が上り坂の場合は、両車輪3L,3Rの車輪回転数が減少するので、両車輪3L,3Rの車輪回転数が増大されるように前記設定値を補正する。また、路面5が下り坂の場合は、両車輪3L,3Rの車輪回転数が増大するので、両車輪3L,3Rの車輪回転数を減少させるように設定値が補正される。
上述したステップS130において、操作部10L,10Rの操作量に変化がない場合は、上述したステップS300のサブルーチンに処理が進められる。また、ステップ131において、両車輪3L,3Rの車輪回転数と目標値に差がない場合も、ステップS300のサブルーチンに処理が進められる。ステップS300は、上述と同様であるので、説明を省略する。
ステップS300のサブルーチンの処理が完了すると、ステップS133として、着座状態が適正か否かの判断が行われる。ステップS133において、着座状態が不適正である場合は、ステップS134として、車輪駆動部40L,40Rの設定値が補正される。具体的には、車輪回転数が極小となるように前記設定値の補正が行われる。これにより、乗員の姿勢が不適正な場合に、乗員の姿勢が崩れることを抑制できる。また、ステップS133において、着座状態が適正と判断された場合は、図11のステップS100のサブルーチンの処理を終了し、上述した図10に示すステップS34の処理が行われる。
なお、上述の制御において、前後及び左右の双方について傾斜があるときは、片流れを抑制するための補正と前後方向の傾斜に対する補正を同時に行うか、片流れを抑制するための補正及び前後方向の傾斜に対する補正のいずれか一方を優先的に行い、他方を前記補正後に行えば良い。
以上が、本発明の車両1の実施形態であるが、本発明の車両1は、各種の変形を行うことができる。
本実施形態では、車両1が車椅子である場合を例示したが、車両1は、乗員が自ら操作する電動車両等を含め、各種のものを採用することができる。また、車輪駆動部40は、インホイールモータだけではなく、各種のモータやその他の駆動源を用いることができる。
着席部100は、乗員の体形等に応じて、各種の形状や大きさのものとすることができる。また、本実施形態では、着席部100が、座面部101と、背もたれ部102と、アームレスト部103とを有しているが、これらは、乗員の体形等に応じて、一体的に構成されていても良い。
状態取得部110は、上述したセンサに限定されるものではなく、乗員の姿勢変化を検知できるものであれば各種のものを用いることができる。また、本実施形態では、状態取得部110が、座面部101と、背もたれ部102と、アームレスト部103とのそれぞれに対して複数配置されているが、各部に対して状態取得部110が単数配置されるものであっても良い。また、状態取得部110におけるセンサの配置は、乗員の姿勢変化を検知できるものであれば各種の位置に配置することができる。
本実施形態では、前輪として一対の全方向車輪4,4が設けられ、後輪として駆動輪となる一対の車輪3,3が設けられているが、これらの車輪3,4が、2つ以上のものであっても良い。また、車輪回転数検知部50は、各種のセンサを用いることができる。車輪回転数検知部50には、例えば、角度により回転数を検知するものや、光学的に回転数を検知するものなど各種のものを用いることができる。また、傾斜角検知部60は、車両1の路面5に対する傾斜角を検知できるものであれば各種のセンサを用いることができ、設置する場所も様々な場所に設けることができる。本実施形態では、傾斜角検知部60が設けられているが、傾斜角検知部60を設けない構成としても良い。
本実施形態では、重心推定部120により求められる重心推定位置Gが、車両1の進行方向に対して幅方向に対称となる位置の状態取得部110同士の取得値を演算処理して求めるものとしたが、本発明は、これに限定されるものではなく、各種の演算処理方法によって、重心推定位置Gを求めることができる。また、本実施形態では、重心推定位置Gとして、重心位置指標を用いたが、重心位置指標に代えて位置座標を求めても良い。重心推定位置Gは、直接的なものだけではなく、間接的に求められるものでも良い。また、本実施形態では、重心推定部120が、配置された状態取得部110のそれぞれの位置に基づき、所定の重み付けを行って得た重心指標値を用いて、重心推定位置Gを求めるようにしているが、前記重み付けを用いずに重心推定位置Gを求めるようにしても良い。また、本実施形態では、重み付けを背もたれ部102、座面中央部101c、座面両端部101L,101R、アームレスト部103の順に高くなるように行っているが、重み付けは、乗員の体形、車両1の形状、走行する路面状況等に応じて、適宜変更することができる。
また、本実施形態では、重心推定部120を制御部30とは、別に設けているが、重心推定部120を制御部30と統合しても良い。また、制御部30は、単数のものだけではなく、機能毎に分割したり、機能毎に適宜組み合わせたりしたものでも良い。また、本実施形態では、車両1が、操作部10を有しているが、操作部10の形状、大きさ、設置数は、適宜変更できる。また、本実施形態では、操作部10が介護者等の操作者により操作されるものとしているが、乗員が操作するジョイスティックのようなコントローラを備えるものとしても良い。また、車両1が、操作部10を備えない、例えば、自動走行車両や無線等を通じて遠隔操作されるようなものであっても良い。
また、本実施形態では、片流れする場合として、進行方向に対して右上がり傾斜している場合を例示したが、進行方向に対して左上がり傾斜している場合においては、右上がり傾斜の場合と対称に制御を行えば良い。以上が、本発明の車両1の実施形態や変形例である。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明の車両は、各種の駆動源を有する車両に利用することができる。本発明の車両は、例えば、モータ等の駆動源により支援される電動車両、車椅子等の各種の車両に利用することができる。
G :重心位置指標(重心推定位置)
1 :車両
2 :車体
2a:後方支持部
2b:フットレスト
3 :車輪(駆動輪)
3L:車輪(駆動輪)
3R:車輪(駆動輪)
4 :全方向車輪(従動輪)
5 :路面
10 :操作部
10L:操作部
10R:操作部
20 :操作量取得部
30 :制御部
40 :車輪駆動部
40L:車輪駆動部
40R:車輪駆動部
50 :車輪回転数検知部
60 :傾斜角検知部
100 :着席部
101 :座面部
101c:座面中央部
101L:座面端部
101R:座面端部
102 :背もたれ部
103 :アームレスト部
103L:アームレスト部
103R:アームレスト部
110 :状態取得部(センサ)
120 :重心推定部

Claims (3)

  1. 車体に搭載された駆動源によって駆動される車両であって、
    乗員が着座して搭乗が可能な着席部と、
    前記着席部に設けられ、前記乗員の着座状態を取得する状態取得部と、
    前記着座状態に基づいて前記乗員の重心を推定することにより重心推定位置を求める重心推定部と、
    前記車両の幅方向一方側及び他方側に設けられた一対の車輪と、
    前記車輪をそれぞれ独立して駆動する車輪駆動部と、
    前記車輪のそれぞれの回転数を取得可能な車輪回転数検知部と、
    前記車輪駆動部を制御する制御部と、
    前記車両の路面に対する傾斜角を検知する傾斜角検知部と、を備え、
    前記着席部は、座面部と、背もたれ部と、アームレスト部と、を有し、
    前記状態取得部は、前記座面部と、前記背もたれ部と、前記アームレスト部とのそれぞれに対して一又は複数配置されており、
    前記重心推定部は、配置された前記状態取得部のそれぞれの位置に基づき、所定の重み付けを行って得た重心指標値を用いて、前記重心推定位置を求めるものであり、
    前記制御部が、前記傾斜角検知部により検知した前記傾斜角及び前記重心推定位置に基づいて、前記車輪駆動部を制御することにより、前記車輪のそれぞれの回転数を制御し、
    前記座面部は、座面中央部及び座面両端部に区画分けされており、
    前記所定の重み付けが、前記背もたれ部、前記座面中央部、前記座面両端部、前記アームレスト部の順に高くなるように行われること、を特徴とする車両。
  2. 前記重心推定位置が、前記車両の進行方向に対して幅方向に対称となる位置の前記状態取得部同士の取得値を演算処理することにより求められること、を特徴とする請求項1に記載の車両。
  3. 操作部を有し、
    前記操作部が把持状態であることを条件として、前記操作部の操作量が取得され、当該取得された前記操作部の操作量に応じて、車輪回転数の目標値が決定されること、を特徴とする請求項1または2に記載の車両。
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