本明細書に記載される方法、組成物およびキットは、別段の指示がない限り、当業者の技能の範囲内である分子生物学(組換え技法を含む)、細胞生物学、生化学、免疫化学および眼科的技法についての従来の技法および説明を利用することができる。そのような従来の技法は、被験体における網膜または視力の観察および分析、組換えウイルスのクローニングおよび増殖、医薬組成物の製剤化、ならびに生化学的精製および免疫化学のための方法を含む。好適な技法の具体的例証は、本明細書における実施例を参照することにより得ることができる。しかしながら、もちろん、同等の従来手順を使用することもできる。そのような従来の技法および説明は、標準的な実験マニュアル、例えば、Green, et al., Eds., Genome Analysis: A Laboratory Manual Series (Vols. I-IV) (1999);Weiner, et al., Eds., Genetic Variation: A Laboratory Manual (2007);Dieffenbach, Dveksler, Eds., PCR Primer: A Laboratory Manual (2003);Bowtell and Sambrook, DNA Microarrays: A Molecular Cloning Manual (2003);Mount, Bioinformatics: Sequence and Genome Analysis (2004);Sambrook and Russell, Condensed Protocols from Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2006);およびSambrook and Russell, Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2002) (全てCold Spring Harbor Laboratory Pressからのもの);Stryer, L., Biochemistry (4th Ed.) W. H. Freeman, N.Y. (1995);Gait, “Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach” IRL Press, London (1984);Nelson and Cox, Lehninger, Principles of Biochemistry, 3rd Ed., W. H. Freeman Pub., New York (2000);およびBerg et al., Biochemistry, 5th Ed., W. H. Freeman Pub., New York (2002)において見つけることができ、これらの参考文献の全ては、それら全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての専門用語は、当業者により一般に理解されているのと同じ意味を有する。
本明細書で使用される用語法は、特定の例を説明することを目的にしたものに過ぎず、限定することを意図したものでない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈による別段の明確な指示がない限り、複数形も含むように意図されている。さらに、用語「含むこと(including)」、「含む(includes)」、「有すること(having)」、「有する(has)」、「伴う(with)」、またはこれらの異表記が、詳細な説明および/または特許請求の範囲のどちらかで使用される場合には、このような用語は、用語「含むこと(comprising)」と同様に包括的であるように意図されている。用語「含むこと(comprising)」は、本明細書で使用される場合、「含むこと(including)」または「含有すること(containing)」と同義語であり、包括的または非限定的である。
本明細書における「または」へのいずれの言及も、別段の記述がない限り、「および/または」を包含するように意図されている。本明細書で使用される場合、用語「約」ある数は、その数の10%を加えたまたは引いた、その数を指す。用語「約」ある範囲は、その最低値の10%を引いたおよびその最大値の10%を加えた、その範囲を指す。
用語「被験体」、「患者」、または「個体」は、霊長類、例えば、ヒトならびに非ヒト霊長類、例えばアフリカミドリザルおよびアカゲザル、を指す。一部の実施形態では、被験体はヒトである。
用語「処置する」、「処置すること」、「処置」、「好転させる(ameliorate)」または「好転させること」および他の文法的等価表現は、本明細書で使用される場合、眼疾患もしくは障害をまたは眼疾患もしくは障害の症状を緩和すること、和らげることまたは好転させること、眼疾患または障害のさらなる症状を防止すること、症状の基礎代謝原因を好転させることまたは防止すること、眼疾患または障害を阻害すること、例えば眼疾患または障害の発症を止めること、眼疾患または障害を軽減すること、眼疾患または障害の退行を生じさせること、あるいは眼疾患または障害の症状を停止させることを指し、かつ予防を含むように意図されている。これらの用語は、治療利益および/または予防利益を得ることをさらに含む。用語「治療利益」は、処置される眼疾患または障害の根絶または好転を指す。また、治療利益は、一部の実施形態では患者が依然として眼疾患または障害に罹患しているにもかかわらず、患者において改善が観察されるような、眼疾患または障害に関連する生理的症状の1つまたは複数についての根絶または好転により得られる。予防利益のために、医薬組成物は、眼疾患もしくは障害を発症するリスクがある患者に、または眼疾患もしくは障害の生理的症状の1つもしくは複数を訴える患者に、たとえ疾患または症状の診断が下されていなくても投与される。非同期的に疾患が発症した患者は、疾患がより進行した彼らの眼の処置から治療利益を、疾患があまり進行していない彼らの眼の処置から予防利益を得ることができる。
用語「投与する」、「投与すること」、「投与」およびこれらに類する用語は、本明細書で使用される場合、所望の生物学的作用部位への治療薬または医薬組成物の送達を可能にするために使用される方法を指すことができる。これらの方法は、眼への硝子体内または網膜下注射を含む。
用語「有効量」、「治療有効量」または「薬学的有効量」は、本明細書で使用される場合、処置される眼疾患または障害の症状の1つまたは複数をある程度軽減することになる、投与される少なくとも1つの医薬組成物または化合物の十分な量を指すことができる。医薬組成物の「有効量」、「治療有効量」または「薬学的有効量」は、単位用量(本明細書中の他の箇所でさらに詳細に説明される通り)としての場合、それを必要としている被験体に投与され得る。
用語「薬学的に許容される」は、本明細書で使用される場合、担体または希釈剤などの材料であって、本明細書で開示される化合物の生物活性または特性を消失させず、比較的非毒性である(すなわち、材料が個体に投与されたとき、それが、望ましくない生物学的効果を引き起こすことも、それを含有する組成物の成分のいずれとも有害に相互作用することもない)材料を指すことができる。
用語「医薬組成物」、または単に「組成物」は、本明細書で使用される場合、少なくとも1つの薬学的に許容される化学成分、例えば、これらに限定されないが、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、賦形剤およびこれらに類するものと必要に応じて混合された、生物活性化合物を指すことができる。
「AAVベクター」または「rAAVベクター」は、本明細書で使用される場合、標的細胞内へのまたは標的組織への形質導入のための、AAV起源のものでないポリヌクレオチド配列(例えば、治療用導入遺伝子、例えばアフリベルセプト、をコードする核酸配列などの、AAVにとって異種であるポリヌクレオチド)を含む、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターまたは組換えAAV(rAAV)ベクターを指す。一般に、異種ポリヌクレオチドは、少なくとも1つの、一般には2つの、AAV逆方向末端反復配列(ITR)と隣接している。用語rAAVベクターは、rAAVベクター粒子とrAAVベクタープラスミドの両方を包含する。rAAVベクターは、一本鎖状(ssAAV)または自己相補型(scAAV)のどちらであってもよい。
「AAVウイルス」または「AAVウイルス粒子」または「rAAVベクター粒子」または「rAAV粒子」は、少なくとも1つのAAVカプシドタンパク質を含む(典型的には、野生型AAVのカプシドタンパク質の全てによる)ウイルス粒子、およびポリヌクレオチドrAAVベクターを指す。粒子が異種ポリヌクレオチド(例えば、標的細胞または標的組織に送達される導入遺伝子などの、野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド)を含む場合、それは、典型的には、「rAAVベクター粒子」または「rAAVベクター」と呼ばれる。したがって、rAAV粒子の産生は、rAAVベクター、したがってrAAV粒子内に含有されているベクター、の産生を必然的に含む。
用語「パッケージング」は、本明細書で使用される場合、rAAV粒子の組み立ておよびカプシド形成を生じさせる結果となり得る一連の細胞内事象を指すことができる。
AAV「rep」および「cap」遺伝子は、アデノ随伴ウイルスの複製およびカプシド形成タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を指す。AAV repおよびcapは、本明細書ではAAV「パッケージング遺伝子」と呼ばれる。
用語「ポリペプチド」は、天然に存在するおよび天然に存在しない両方のタンパク質(例えば、融合タンパク質)、ペプチド、これらの断片、変異体、誘導体およびアナログを包含することができる。ポリペプチドは、モノマー、ダイマー、トリマーまたはポリマーであることがある。さらに、ポリペプチドは、1つまたは複数の明確に異なる活性を各々が有する、いくつかの異なるドメインを含むこともある。疑念を避けるために、「ポリペプチド」は、アミノ酸数2より大きい任意の長さであり得る。
本明細書で使用される場合、「ポリペプチドバリアント」または単に「バリアント」は、配列がアミノ酸改変を含有する、ポリペプチドを指す。一部の実施形態では、改変は、天然または野生型タンパク質などの参照タンパク質またはポリペプチドのアミノ酸配列と比較して1つまたは複数のアミノ酸の挿入、重複、欠失、再配列または置換である。バリアントは、ある位置の単一のアミノ酸が別のアミノ酸に変更された、1つまたは複数のアミノ酸点置換;1つまたは複数のアミノ酸が参照タンパク質の配列においてそれぞれ挿入または欠失される、1つまたは複数の挿入および/または欠失;ならびに/あるいはアミノ酸配列のアミノもしくはカルボキシ末端のどちらかまたは両方における短縮化を有することがある。バリアントは、参照タンパク質または未改変タンパク質と比較して、同じ生物活性を有することも、異なる生物活性を有することもある。
一部の実施形態では、バリアントは、例えば、その対応参照タンパク質に対して少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%のうちのいずれか1つの全配列相同性を有することができる。一部の実施形態では、バリアントは、野生型タンパク質に対して少なくとも約90%の全配列相同性を有することができる。一部の実施形態では、バリアントは、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の全配列同一性を示す。
本明細書で使用される場合、「組換え(の)」は、(1)その天然に存在する環境から除去された、(2)遺伝子が天然に見られるポリヌクレオチドの全てもしくは一部分を伴わない、(3)天然では連結されていないポリヌクレオチドに必要に応じて連結されている、または(4)天然に存在しない、生体分子、例えば、遺伝子またはタンパク質を指すことができる。用語「組換え(の)」は、クローニングされたDNA単離物、化学合成されたポリヌクレオチドアナログ、または異種の系により生物学的に合成されるポリヌクレオチドアナログ、ならびにそのような核酸によりコードされるタンパク質および/もしくはmRNAに関して使用され得る。したがって、例えば、微生物により合成されたタンパク質は、例えば、細胞内に存在する組換え遺伝子から合成されたmRNAから合成された場合、組換えタンパク質である。
用語「抗VEGF剤」は、内在性VEGFおよび/もしくは内在性VEGF受容体(VEGFR)の活性もしくは機能、またはVEGF-VEGFR相互作用もしくは経路を、in vivoで低減させること、それに干渉すること、それを破壊すること、遮断することおよび/または阻害することができる、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、多量体タンパク質、遺伝子産物、抗体、ヒトモノクローナル抗体、抗体断片、アプタマー、小分子、キナーゼ阻害剤、受容体もしくは受容体断片、または核酸分子を含む、任意の治療剤を含む。抗VEGF剤は、細胞、組織または被験体にin vivoで送達されたときに新しい血管の成長もしくは形成および/または浮腫または腫脹を低減させることができる、公知の治療剤のいずれか1つ、例えば、ラニビズマブ、ブロルシズマブ、またはベバシズマブであり得る。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、天然に存在する、天然に存在しない、または合成のものであることがある。一部の実施形態では、抗VEGF剤を天然に存在する分子から誘導することができ、その後、それを改変してまたは変異させて抗VEGF活性を付与した。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、融合またはキメラタンパク質である。そのようなタンパク質中の、機能的ドメインまたはポリペプチドは、in vivoでVEGFを隔離することができるまたはVEGFRデコイとして機能することができる融合またはキメラタンパク質を作製するための部分またはポリペプチドと人工的に融合される。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、内在性VEGFRのそのリガンドとの相互作用を遮断する、融合またはキメラタンパク質である。
本明細書で使用される場合、「VEGF」は、別段の要求がない限り、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、VEGF-E、VEGF-F、あるいはこれらの任意の組合せ、または任意の機能的断片もしくはバリアントを含むがそれらに限定されない、VEGFの任意のアイソフォームを指すことができる。別段の要求がない限り、「VEGF」は、次のメンバーを含む、VEGFファミリーの任意のメンバーを指すことができる:VEGF-A、胎盤増殖因子(PGF)、VEGF-B、VEGF-CおよびVEGF-D、またはこれらの任意の組合せ、機能的断片もしくはバリアント。本明細書で使用される場合、「VEGF受容体」または「VEGFR」または「VEGF-R」は、VEGFR-1(またはFlt-1)、VEGFR-2(またはFlk-1/KDR)、およびVEGFR-3(またはFlt-4)を含むがこれらに限定されない、VEGFの受容体のいずれか1つを指すために使用することができる。VEGFRは、受容体の膜結合もしくは可溶性形態、または機能的断片または短縮化であり得る。抗VEGF剤の例としては、これらに限定されないが、ラニビズマブ、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、またはこれらの任意の組合せ、バリアントもしくは機能的断片が挙げられる。
「動作可能に連結した/された/される」または「作動可能に連結した/された/される」または「カップリングした/された/される」は、エレメントが、期待された様式で動作することを可能にする関係にある、遺伝子エレメントの並置を指すことができる。例えば、プロモーターがコード配列の転写を開始させるのに役立つ場合、プロモーターは、コード配列に動作可能に連結されていることがある。この機能的関係が維持されるのであれば、プロモーターとコード領域との間に介在残基があってもよい。+++
用語「発現ベクター」または「発現構築物」または「カセット」または「プラスミド」または単に「ベクター」は、遺伝子産物をコードする核酸またはポリヌクレオチドを含有する、AAVまたはrAAVベクターを含む、任意のタイプの遺伝子構築物であって、配列をコードする核酸の一部または全てが、転写可能であり、遺伝子治療に適応する、遺伝子構築物を含むことができる。転写物をタンパク質に翻訳することができる。一部の実施形態では、転写物は、部分的に翻訳されるかまたは翻訳されない。ある特定の態様では、発現は、遺伝子の転写と、mRNAの遺伝子産物への翻訳の両方を含む。他の態様では、発現は、目的の遺伝子をコードする核酸の転写のみを含む。発現ベクターは、標的細胞におけるタンパク質の発現を促進するためにコード領域に動作可能に連結された制御エレメントも含むことができる。制御エレメントと遺伝子(単数もしくは複数)の組合せであって、それらが発現のために作動可能に連結されている組合せは、「発現カセット」と呼ばれることもあり得、これらの多数が当技術分野において公知であり、入手可能であるか、または当技術分野において入手可能である成分からこれらを容易に構築することができる。
用語「異種(の)」は、実体が比較されることになるその実体の残りの部分とは遺伝子型的に明確に異なる実体を指すことができる。例えば、異なる種に由来するプラスミドまたはベクターに遺伝子操作技法によって導入されたポリヌクレオチドは、異種ポリヌクレオチドであり得る。その天然コード配列から除去されたプロモーターであって、天然には連結された状態で見られないコード配列に動作可能に連結されているプロモーターは、異種プロモーターであり得る。
本明細書で使用される場合、「7m8」は、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)を指す。
「7m8バリアント」は、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)がカプシドタンパク質の溶媒露出GHループに挿入されている、任意の血清型のものであり得る、rAAVを指す。
7m8がrAAV2に挿入されている場合(AAV2.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV2カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV2カプシドタンパク質、VP1、の587位と588位との間に挿入されている。7m8がrAAV1に挿入されている場合(AAV1.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV1カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV1カプシドタンパク質のアミノ酸590と591との間に挿入されている。7m8がrAAV5に挿入されている場合(AAV5.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV5カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV5カプシドタンパク質のアミノ酸575と576との間に挿入されている。7m8がrAAV6に挿入されている場合(AAV6.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV6カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV6カプシドタンパク質のアミノ酸590と591との間に挿入されている。7m8がrAAV7に挿入されている場合(AAV7.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV7カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV7カプシドタンパク質のアミノ酸589と590との間に挿入されている。7m8がrAAV8に挿入されている場合(AAV8.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV8カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV8カプシドタンパク質のアミノ酸590と591との間に挿入されている。7m8がrAAV9に挿入されている場合(AAV9.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV9カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV9カプシドタンパク質のアミノ酸588と589との間に挿入されている。7m8がrAAV10に挿入されている場合(AAV10.7m8とも呼ばれる)、アミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)は、AAV10カプシドタンパク質のGHループに、例えば、AAV10カプシドタンパク質のアミノ酸589と590との間に挿入されている。
概要
IVT注射後に標的網膜細胞に効率的に形質導入するAAVベクター(例えば、AAV2.7m8)の能力は、様々な網膜疾患を処置するために、光受容細胞、網膜色素上皮および網膜内層に治療用遺伝子をうまく移入するために活用されている。硝子体内(IVT)AAV投与は、安全かつ適便な網膜送達方法であるが、ベクターカプシドに対する中和抗体(nAb)は網膜下注射後よりもIVT注射後に生成される可能性が高いことが示唆されている。滲出型加齢性黄斑変性(wAMD)などの、ある特定の眼疾患が、個体の眼の両方に非同期的に発症し得ることを考えると、第1の眼へのAAVのIVT投与後に生成されるnAbは、例えば個体の対側眼への、治療用遺伝子移入の効率を低下させる可能性があり、効率的ベクター再投与を妨げる可能性があるという懸念がある。本明細書で提供される方法は、被験体の第1の眼へのrAAV2に基づくベクターのIVT投与後の免疫(例えば、中和抗体または「nAb」)の発生が、被験体の対側眼へのIVT注射によるベクターの投与後の形質導入を完全に遮断しないという、本出願人の発見に基づく。
処置方法
被験体における眼疾患もしくは障害を処置する、眼疾患もしくは障害の進行を緩徐化する、および/または眼疾患もしくは障害を防止する方法であって、(i)医薬組成物の第1の単位用量を第1の時点で被験体の第1の眼に硝子体内(IVT)注射によって投与するステップ、および(ii)医薬組成物の第2の単位用量を第2の時点で被験体の対側眼にIVT注射によって投与するステップを含み、医薬組成物が、(a)抗血管内皮増殖因子(VEGF)剤をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子であって、IVT注射後に網膜細胞に感染することができるrAAV粒子と、(b)薬学的に許容される賦形剤とを含む、方法が、本明細書で提供される。
一部の実施形態では、方法は、第1の時点の後かつ第2の時点の前の被験体からの試料においてrAAVに対する中和抗体(nAb)のレベルを測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、試料は、血清試料、硝子体液試料、または房水試料である。一部の実施形態では、nAbのレベルを測定するステップは、rAAVに対する中和抗体(nAb)の効力を測定することを含む。一部の実施形態では、中和効力は、rAAV感染力がnAbの非存在と比較して50%低下されたnAb(例えば、血清nAb)の濃度(すなわち、IC50)と定義される、阻害濃度(IC)により定量される。一部の実施形態では、rAAV粒子感染力は、rAAVによって容易に形質導入される細胞型、例えばHEK293T細胞、において細胞に基づくin vitroアッセイで測定される。一部の実施形態では、IC50は、nAb含有試料がrAAV粒子感染力の50%低下を引き起こすために必要な希釈倍率として表される。例えば、nAb含有試料が、rAAV感染力の50%低下を引き起こすために1:500希釈を必要とした場合、IC50を500と表すことができる。一部の実施形態では、IC50は、約600、550、500、450、400、350、300、250、200、125または100のうちのいずれか1つ未満である。一部の実施形態では、第1の時点と第2の時点との間の時間間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10週間のうちのいずれか1つ、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月のうちのいずれか1つ、または少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、15もしくは20年のうちのいずれか1つであり(これらの値の間の任意の範囲を含む)、被験体からの試料におけるrAAVに対する中和抗体(nAb)のレベルを測定するステップは、この時間間隔内に行なわれる。
一部の実施形態では、第1の時点の後かつ第2の時点の前の被験体からの試料においてrAAVに対するnAbのレベルを測定するステップは、カットポイントnAbアッセイを用いて遂行される。カットポイントアッセイでは、被験試料により引き起こされるrAAV感染力の阻害のレベルが、所定のカットポイントと比較され、このカットポイントより上では、試料がnAbに対して陽性であると決定され、このカットポイントより下では試料が陰性であると決定される。カットポイントは、rAAVナイーブ集団から採取された被験試料の所定のパーセンテージ(例えば、95%)が入るレベル未満のレベルに設定される。
一部の実施形態では、方法は、第1の時点の後かつ第2の時点の前の被験体からの試料において抗VEGF剤をコードする核酸の発現レベルを測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、試料は、硝子体液試料または房水試料である。一部の実施形態では、核酸の発現レベルは、抗VEGF剤をコードするmRNAの存在量(例えば、相対存在量)を決定することにより測定される。一部の実施形態では、mRNAの存在量(例えば、相対存在量)は、ノーザンブロット、RT-qPCR、RNAシークエンシング、RNA in situハイブリダイゼーション、または当技術分野において公知の他の方法によって決定される(例えば、定量される)。一部の実施形態では、核酸の発現レベルは、核酸によりコードされる抗VEGF剤の存在量(例えば、相対存在量)を決定することにより測定される。一部の実施形態では、抗VEGF剤の存在量(例えば、相対存在量)は、ウェスタンブロット、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC/MS)、ELISA、免疫組織化学、または当技術分野において公知の他のイムノアッセイによって決定される(例えば、定量される)。一部の実施形態では、第1の時点と第2の時点との間の時間間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10週間のうちのいずれか1つ、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月のうちのいずれか1つ、または少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、15もしくは20年のうちのいずれか1つであり(これらの値の間の任意の範囲を含む)、被験体からの試料における抗VEGF剤をコードする核酸の発現レベルを測定するステップは、この時間間隔内に行なわれる。
一部の実施形態では、第1および第2の単位用量は、各々、治療有効用量、例えば、標的細胞(例えば、網膜細胞)への核酸(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤をコードする核酸)の効率的送達を確実にするのに十分な用量である。一部の実施形態では、第1の単位用量および第2の単位用量は、同じであり、例えば、約1E9~約3E13の間のベクターゲノム、約1E10~約1E13の間のベクターゲノム、約1E11~約1E13の間のベクターゲノム、約1E10~約3E12の間のベクターゲノム、または約2E12~約6E12の間のベクターゲノムである。一部の実施形態では、第2の単位用量は、第1の単位用量より多く、例えば、第1の単位用量の少なくとも約150%、175%、200%、225%、250%、275%または300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%または1000%のうちのいずれか1つである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。例えば、一部の実施形態では、第2の単位用量は、第1の単位用量の少なくとも約1.5倍、1.75倍、2倍、2.25倍、2.5倍、2.75倍、3倍、3.25倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍または10倍のうちのいずれか1つである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、第1の単位用量は、約6E10ベクターゲノムを含み、第2の単位用量は、約1.8E11~約6E11の間のベクターゲノムを含む。一部の実施形態では、第2の単位用量は、約1.8E11ベクターゲノムまたは約6E11ベクターゲノムを含む。一部の実施形態では、第1の単位用量は、約2E11ベクターゲノムを含み、第2の単位用量は、約6E11~約2E12の間のベクターゲノムを含む。一部の実施形態では、第2の単位用量は、約6E11ベクターゲノムまたは約2E12ベクターゲノムを含む。単位用量に関するさらなる詳細は、本明細書中の他の箇所で提供される。一部の実施形態では、第1の単位用量の体積は、約100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15または10μLのうちのいずれか1つ以下である。一部の実施形態では、第2の単位用量の体積は、約100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15または10μLのうちのいずれか1つ以下である。
被験体における眼疾患または障害を処置する方法であって、医薬組成物の単位用量を被験体の片側の眼に硝子体内(IVT)注射によって投与するステップを含み、医薬組成物が、(a)治療用タンパク質、例えば抗血管内皮増殖因子(VEGF)剤、をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子であって、IVT注射後に網膜細胞に感染することができるrAAV粒子と、(b)薬学的に許容される賦形剤とを含み、被験体が、IVT注射による対側眼への医薬組成物の先行単位用量の投与を受けたものである、方法も本明細書で提供される。
一部の実施形態では、方法は、対側眼への医薬組成物の投与後かつ片側の眼への医薬組成物の投与前の被験体からの試料においてrAAVに対する中和抗体のレベルを測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、試料は、血清試料、硝子体液試料、または房水試料である。一部の実施形態では、nAbのレベルを測定するステップは、rAAVに対する中和抗体(nAb)の効力を測定することを含む。一部の実施形態では、中和効力は、rAAV感染力がnAbの非存在と比較して50%低下されたnAb(例えば、血清nAb)の濃度(すなわち、IC50)と定義される、阻害濃度(IC)により定量される。一部の実施形態では、rAAV粒子感染力は、HEK293T細胞に基づくin vitroアッセイで測定される。一部の実施形態では、IC50は、nAb含有試料がrAAV粒子感染力の50%低下を引き起こすために必要な希釈倍率として表される。例えば、nAb含有試料が、rAAV感染力の50%低下を引き起こすために1:500希釈を必要とした場合、IC50を500と表すことができる。一部の実施形態では、IC50は、約600、550、500、450、400、350、300、250または200のうちのいずれか1つ未満である。一部の実施形態では、医薬組成物の先行単位用量を対側眼に投与するステップと医薬組成物の単位用量を片側の眼に投与するステップとの間の時間間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10週間のうちのいずれか1つ、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月のうちのいずれか1つ、または少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、15もしくは20年のうちのいずれか1つであり(これらの値の間の任意の範囲を含む)、被験体からの試料におけるrAAVに対する中和抗体(nAb)のレベルを測定するステップは、この時間間隔内に行なわれる。一部の実施形態では、被験体からの試料中のrAAVに対する中和抗体のレベルは、本明細書中の他の箇所で説明されるカットポイントnAbアッセイによって測定される。
一部の実施形態では、方法は、対側眼への医薬組成物の投与後かつ片側の眼への医薬組成物の投与前の被験体からの試料において抗VEGF剤をコードする核酸の発現レベルを測定するステップをさらに含む。一部の実施形態では、試料は、硝子体液試料または房水試料である。一部の実施形態では、核酸の発現レベルは、抗VEGF剤をコードするmRNAの存在量(例えば、相対存在量)を決定することにより測定される。一部の実施形態では、mRNAの存在量(例えば、相対存在量)は、ノーザンブロット、RT-qPCR、RNAシークエンシング、RNA in situハイブリダイゼーション、または当技術分野において公知の他の方法によって決定される(例えば、定量される)。一部の実施形態では、核酸の発現レベルは、核酸によりコードされる抗VEGF剤の存在量(例えば、相対存在量)を決定することにより測定される。一部の実施形態では、抗VEGF剤の存在量(例えば、相対存在量)は、ウェスタンブロット、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC/MS)、ELISA、免疫組織化学、または当技術分野において公知の他のイムノアッセイによって決定される(例えば、定量される)。一部の実施形態では、医薬組成物の先行単位用量を対側眼に投与するステップと医薬組成物の単位用量を片側の眼に投与するステップとの間の時間間隔は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10週間のうちのいずれか1つ、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月のうちのいずれか1つ、または少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、15もしくは20年のうちのいずれか1つであり(これらの値の間の任意の範囲を含む)、被験体からの試料における抗VEGF剤をコードする核酸の発現レベルを測定するステップは、この時間間隔内に行なわれる。
一部の実施形態では、単位用量は、治療有効用量、例えば、標的細胞(例えば、網膜細胞)への核酸(例えば、抗VEGF剤をコードする核酸)の効率的送達を確実にするのに十分な用量である。一部の実施形態では、先行単位用量は、治療有効用量であった。一部の実施形態では、単位用量および先行単位用量は、同じであり、例えば、約1E9~約3E13の間のベクターゲノム、約1E10~約1E13の間のベクターゲノム、約1E11~約1E13の間のベクターゲノム、約1E10~約3E12の間のベクターゲノム、または約2E12~約6E12の間のベクターゲノムである。一部の実施形態では、単位用量は、先行単位用量より多く、例えば、先行単位用量の少なくとも約150%、175%、200%、225%、250%、275%または300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、850%、900%、950%または1000%のうちのいずれか1つである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。例えば、一部の実施形態では、単位用量は、先行単位用量の少なくとも約1.5倍、1.75倍、2倍、2.25倍、2.5倍、2.75倍、3倍、3.25倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、9.5倍または10倍のうちのいずれか1つである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、先行単位用量は約6E10ベクターゲノムを含んでいたが、単位用量は、約1.8E11~約6E11の間のベクターゲノムを含む。一部の実施形態では、単位用量は、約1.8E11ベクターゲノムまたは約6E11ベクターゲノムを含む。一部の実施形態では、先行単位用量は、約2E11ベクターゲノムを含んでいたが、単位用量は、約6E11~約2E12の間のベクターゲノムを含む。一部の実施形態では、単位用量は、約6E11ベクターゲノムまたは約2E12ベクターゲノムを含む。単位用量に関するさらなる詳細は、本明細書中の他の箇所で提供される。一部の実施形態では、単位用量の体積は、約100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15または10μLのうちのいずれか1つ以下である。一部の実施形態では、先行単位用量の体積は、約100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15または10μLのうちのいずれか1つ以下であった。
一部の実施形態では、眼疾患または障害を処置するために被験体に投与されるrAAV粒子は、バリアントカプシドタンパク質を含み、バリアントカプシドタンパク質は、対応する親カプシドタンパク質と比較してカプシドタンパク質GHループ内へのペプチドの挿入を含み、挿入は、LALGETTRPA(配列番号1);LANETITRPA(配列番号2)、LAKAGQANNA(配列番号3)、LAKDPKTTNA(配列番号4)、KDTDTTR(配列番号5)、RAGGSVG(配列番号6)、AVDTTKF(配列番号7)、STGKVPN(配列番号8)、LAKDTDTTRA(配列番号9)、LARAGGSVGA(配列番号10)、LAAVDTTKFA(配列番号11)、およびLASTGKVPNA(配列番号12)から選択されるアミノ酸配列を含む。一部の実施形態では、挿入部位は、配列番号13に記載のAAV2カプシドタンパク質のアミノ酸570~611内にあるか、または別のAAV血清型のカプシドタンパク質中の対応する位置である。一部の実施形態では、眼疾患または障害を処置するために被験体に投与されるrAAV粒子は、配列番号13の587位と588位との間に挿入されたアミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)を含むrAAV2粒子である。配列番号13のアミノ酸配列は、下記に提供される:
一部の実施形態では、眼疾患または障害を処置するために被験体に投与されるrAAV粒子は、下記に提供される配列番号46のアミノ酸配列を含むrAAV2粒子である:
一部の実施形態では、眼疾患または障害を処置するために被験体に投与されるrAAV粒子は、バリアントカプシドタンパク質を含み、バリアントカプシドタンパク質は、対応する親AAVカプシドタンパク質と比較してペプチド挿入を含み、ペプチド挿入は、LALGETTRPA(配列番号1);LANETITRPA(配列番号2)、LAKAGQANNA(配列番号3)、LAKDPKTTNA(配列番号4)、KDTDTTR(配列番号5)、RAGGSVG(配列番号6)、AVDTTKF(配列番号7)、STGKVPN(配列番号8)、LAKDTDTTRA(配列番号9)、LARAGGSVGA(配列番号10)、LAAVDTTKFA(配列番号11)、およびLASTGKVPNA(配列番号12)から選択されるアミノ酸配列を有し、挿入部位は、AAV2のVP1のアミノ酸570および611に対応するアミノ酸の間の位置におけるまたは別のAAV血清型のカプシドタンパク質中の対応する位置における2つの隣接アミノ酸間に位置する。
一部の実施形態では、眼疾患または障害を処置するために被験体に投与されるrAAV粒子は、バリアントカプシドタンパク質を含み、バリアントカプシドタンパク質は、親AAVカプシドタンパク質と比較してアミノ酸残基570~579内に1つまたは複数のアミノ酸置換を含む改変配列を含み、改変配列は、HKFKSGD(配列番号1)を含み、アミノ酸残基番号付けは、AAV5 VP1カプシドタンパク質に対応する。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV5カプシドタンパク質であるかまたはAAV5とAAV2のハイブリッドカプシドタンパク質である。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2.5Tカプシドタンパク質である。一部の実施形態では、「AAV2.5Tカプシドタンパク質」または「AAV2.5Tバリアント」は、米国特許第9,441,244号に記載されているAAV2およびAAV5からの領域を含有するハイブリッドカプシドを指し、前記参考特許文献の開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。AAV2.5Tは、網膜下送達されたときに網膜に形質導入することができるが、硝子体内注射されたときには形質導入できない。AAV2.5T形質導入は、ヘパリン硫酸プロテオグリカン(HSPG)を豊富に含む内境界膜(ILM)により遮断され得る。AAV2.5Tの表面露出ドメインは、AAV5の表面露出ドメインと、AAV2.5Tのaa582(AAV5のaa581)におけるAのTへの単一置換を除いて同一であり、この変異は、AAV5の典型的なシアル酸受容体結合に影響を与えることなく哺乳動物細胞における感染力を増加させるようである。AAV5およびAAV2.5Tは、無視できるほどわずかなヘパリン硫酸結合を有し、その一方で、AAV2は、ヘパリン硫酸に対して高い親和性を有する。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2.5T VP1カプシドタンパク質である。一部の実施形態では、改変配列は、LAHKFKSGDA(配列番号3)を含む。一部の実施形態では、rAAVは、AAV2.5T.LSVである。一部の実施形態では、「AAV2.5T.LSV」または「AAV2.5T.LSVバリアント」は、バリアントカプシドタンパク質を含むrAAVバリアントを指し、このバリアントカプシドタンパク質は、ループ置換バリアントを含み、このループ置換バリアントは、AAV2.5T、親AAVカプシドタンパク質、と比較してアミノ酸残基570~579にアミノ酸ループ配列LAHKFKSGDA(配列番号3)を含む。本願の方法とともに使用することができる組換えアデノ随伴ウイルスベクターに関するさらなる詳細は、本明細書中の他の箇所で提供される。
一部の実施形態では、抗VEGF剤は、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、またはラニビズマブである。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、アフリベルセプトに対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、アフリベルセプトである。
一部の実施形態では、網膜細胞は、光受容細胞、網膜神経節細胞、ミュラー細胞、双極細胞、アマクリン細胞、水平細胞、または網膜色素性上皮細胞である。
一部の実施形態では、眼疾患または障害は、異常な(例えば、過剰な)血管新生または新生血管を特徴とする。一部の実施形態では、眼疾患または障害は、例えば、脈絡膜新生血管、新生血管(滲出型)加齢性黄斑変性(wAMD)、網膜静脈閉塞後の黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、もしくはDMEを伴う糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞症、または被験体における異常な(例えば、過剰な)新生血管を特徴とする任意の他の関連眼疾患もしくは障害である。一部の実施形態では、眼疾患または障害は、アフリベルセプト(EYLEA(登録商標))での処置に対して応答性である疾患または障害である。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、現行の標準治療に対して応答性であるまたはDME患者におけるAMD、RVO、DMEもしくはDRのための承認されている治療法のうちの少なくとも1つ、例えば、アフリベルセプト注射、ラニビズマブ注射、ブロルシズマブ注射、もしくはベバシズマブ注射に対して応答性である、眼疾患または障害を処置するために使用される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、アフリベルセプトに対して少なくとも80%の相同性(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のうちのいずれか1つの相同性)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸を、網膜細胞に送達することができるベクターを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、カプシドタンパク質VP1(例えば、配列番号13に記載のもの)の587位と588位との間に挿入されたアミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)を含むバリアントカプシドタンパク質と、アフリベルセプトに対して少なくとも80%の相同性(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のうちのいずれか1つの相同性)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸とを含む、組換えアデノ随伴ウイルスベクターrAAV2バリアント、および薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、配列番号46のアミノ酸配列を含むバリアントカプシドタンパク質と、アフリベルセプトに対して少なくとも80%の相同性(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のうちのいずれか1つの相同性)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸とを含む、組換えアデノ随伴ウイルスベクターrAAV2バリアント、および薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態では、核酸は、アフリベルセプトをコードする。
一部の実施形態では、医薬組成物は、ループ置換バリアントを含むバリアントカプシドタンパク質であって、ループ置換バリアントが、AAV2.5T、親AAVカプシドタンパク質、と比較してアミノ酸残基570~579にアミノ酸ループ配列LAHKFKSGDA(配列番号3)を含むバリアントカプシドタンパク質と、アフリベルセプトに対して少なくとも80%の相同性(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のうちのいずれか1つの相同性)を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸とを含む、組換えアデノ随伴ウイルスベクターrAAV2.5Tバリアント、および薬学的に許容される賦形剤を含む。一部の実施形態では、核酸は、アフリベルセプトをコードする。アフリベルセプトのタンパク質配列は、DrugBankデータベース、受託番号DB08885で公開されている。一部の実施形態では、アフリベルセプトは、米国特許出願公開第2014/0371438号において開示されているような、タンパク質をコードする核酸配列を指す(例えば、図6を参照されたい)。
一部の実施形態では、ベクター(例えば、組換えアデノ随伴ウイルスベクター)により送達される核酸によりコードされるアフリベルセプト(またはその機能的断片もしくはその機能的バリアント)は、第1の眼および対側眼の標的細胞(例えば、網膜細胞)において治療用量で発現される。一部の実施形態では、アフリベルセプトは、第1の眼へのIVT注射による投与後、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月のうちのいずれか1つにわたって、または12カ月より長く、例えば、少なくとも約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15もしくは20年にわたって(これらの値のいずれかの間の任意の範囲を含む)、第1の眼および対側眼において治療用量で発現される。一部の実施形態では、アフリベルセプトは、対側眼へのIVT注射による投与後、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12カ月のうちのいずれか1つにわたって、または12カ月より長く、例えば、少なくとも約1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15もしくは20年うちのいずれか1つにわたって(これらの値のいずれかの間の任意の範囲を含む)、第1の眼およびその対側眼において治療用量で発現される。
一部の実施形態では、被験体は、ヒトまたは非ヒト霊長類(例えば、アフリカミドリザルもしくはアカゲザル)である。一部の実施形態では、被験体は、アフリベルセプトでの処置に対して応答性である。一部の実施形態では、被験体は、アフリベルセプトでの前処置を受けていた(例えば、先行処置を受けていた)。ヒトの眼の体積は、非ヒト霊長類(例えば、アフリカミドリザル)の眼の体積のおおよそ2倍であり、ヒトの第1の眼に投与される用量(例えば、ベクターゲノムの数)は、非ヒト霊長類の第1の眼に投与される用量(例えば、ベクターゲノムの数)の約2倍であり、ヒトの第2の(対側)眼に投与される用量(例えば、ベクターゲノムの数)は、非ヒト霊長類の第2の(例えば、対側)眼に投与される用量(例えば、ベクターゲノムの数)の約2倍である。
単位用量/治療有効用量
一部の実施形態では、単位用量は、ベクター(例えば、ウイルスベクター)の治療有効量を含む。一部の実施形態では、ウイルスベクターの治療有効量は、例えば抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする核酸の、標的細胞(例えば、網膜細胞)への効率的送達を確実にするのに十分な量である。一部の実施形態では、ウイルスベクターの治療有効量は、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)が、治療効果を生じさせるレベルで標的細胞(例えば、網膜細胞)に送達され、そこに発現されることを確実にするのに十分な量である。抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)での処置の例示的な治療効果としては、これらに限定されないが、眼疾患の1つもしくは複数の症状の発症の防止もしくは遅延、疾患の症状の経過の変更、眼疾患の1つもしくは複数の症状の進行の緩徐化、または眼疾患の1つもしくは複数の症状の逆転が挙げられる。本明細書中の他の箇所で説明される眼疾患の進行をモニタリングする方法は、周知であり、広く使用されている。
一部の実施形態では、単位用量(例えば、治療有効量)は、被験体に投与されるベクターゲノムの数として表される。一部の実施形態では、ウイルスベクターの単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×1010~約2×1010の間、約2×1010~約3×1010の間、約3×1010~約4×1010の間、約4×1010~約5×1010の間、約5×1010~約6×1010の間、約6×1010~約7×1010の間、約7×1010~約8×1010の間、約8×1010~約9×1010の間、約9×1010~約10×1010の間、約1×1011~約2×1011の間、約2×1011~約3×1011の間、約3×1011~約4×1011の間、約4×1011~約5×1011の間、約5×1011~約6×1011の間、約6×1011~約7×1011の間、約7×1011~約8×1011の間、約8×1011~約9×1011の間、約9×1011~約10×1011の間、約1×1012~約2×1012の間、約2×1012~約3×1012の間、約3×1012~約4×1012の間、約4×1012~約5×1012の間、約5×1012~約6×1012の間、約6×1012~約7×1012の間、約7×1012~約8×1012の間、約8×1012~約9×1012の間、約9×1012~約10×1012の間、約1×1013~約2×1013の間、約2×1013~約3×1013の間、約3×1013~約4×1013の間、約4×1013~約5×1013の間、約5×1013~約6×1013の間、約6×1013~約7×1013の間、約7×1013~約8×1013の間、約8×1013~約9×1013の間、または約9×1013~約10×1013の間のベクターゲノムである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。
一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約2.1×1012ベクターゲノムである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約2×1012~約6×1012の間のベクターゲノムである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1010~約1013の間、約1010~約1011の間、約1011~約1012の間、約1012~約1013の間、約1013~約1014の間、約2×1011~約4×1011の間、約3×1011~約5×1011の間、約4×1011~約6×1011の間、約5×1011~約7×1011の間、約6×1011~約8×1011の間、約7×1011~約9×1011の間、約8×1011~約10×1011の間、約1×1012~約3×1012の間、約2×1012~約4×1012の間、約3×1012~約5×1012の間、約4×1012~約6×1012の間、約5×1012~約7×1012の間、約6×1012~約8×1012の間、約7×1012~約9×1012の間、約8×1012~約10×1012の間、約1×1013~約5×1013の間、約5×1013~約1×1014の間、約1012~約5×1012の間、または約5×1012~約1×1013の間のベクターゲノムである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8またはAAV2.5T.LSV)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×1010~約1×1013の間のベクターゲノムである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×109~約1×1014ベクターゲノムである。
一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×1010~約1×1011ベクターゲノムである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×108~約1×1015ベクターゲノムである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、少なくとも約1×101、1×102、1×103、1×104、1×105、1×106、1×107、1×108、1×109、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、1×1016、1×1017および1×1018ベクターゲノムのうちのいずれか1つである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、1×108~1×1015ベクターゲノムである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、多くとも約1×101、1×102、1×103、1×104、1×105、1×106、1×107、1×108、1×109、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、1×1016、1×1017および1×1018ベクターゲノムのうちのいずれか1つである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、1010~1011の間、1011~1012の間、1010~1012の間、1012~1013の間、1011~1013の間、1012~1013の間、1012~1014の間、1011~1014の間、1011~1015の間、1012~1015の間、1013~1014の間、1014~1015の間、1015~1016の間、1016~1017の間、1017~1018の間、1018~1019の間、または1019~1020の間のベクターゲノムである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。
一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×1010~2×1010の間、2×1010~3×1010の間、3×1010~4×1010の間、4×1010~5×1010の間、5×1010~6×1010の間、6×1010~7×1010の間、7×1010~8×1010の間、8×1010~9×1010の間、9×1010~10×1010の間、1×1011~2×1011の間、2×1011~3×1011の間、2×1011~2.5×1011の間、2.5×1011~3×1011の間、3×1011~4×1011の間、4×1011~5×1011の間、5×1011~6×1011の間、6×1011~7×1011の間、7×1011~8×1011の間、8×1011~9×1011の間、9×1011~10×1011の間、1×1012~2×1012の間、2×1012~3×1012の間、2.5×1012~3×1012の間、3×1012~4×1012の間、4×1012~5×1012の間、5×1012~6×1012の間、6×1012~7×1012の間、7×1012~8×1012の間、8×1012~9×1012の間、9×1012~10×1012の間、1×1013~2×1013の間、2×1013~3×1013の間、3×1013~4×1013の間、4×1013~5×1013の間、5×1013~6×1013の間、6×1013~7×1013の間、7×1013~8×1013の間、8×1013~9×1013の間、または9×1013~10×1013の間のベクターゲノムである。
一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効量)は、2.1×1011~2.1×1012ベクターゲノムの間である。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効量)は、1010~1013の間、1010~1011の間、1011~1012の間、1012~1013または1013~1014の間のベクターゲノムである。
一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効量)は、1×1010~2×1010の間、2×1010~4×1010の間、3×1010~5×1010の間、4×1010~6×1010の間、5×1010~7×1010の間、6×1010~8×1010の間、7×1010~9×1010の間、8×1010~1011の間、1×1011~2×1011の間、2×1011~4×1011の間、3×1011~5×1011の間、4×1011~6×1011の間、5×1011~7×1011の間、6×1011~8×1011の間、7×1011~9×1011の間、8×1011~10×1011の間、1×1012~3×1012の間、2×1012~4×1012の間、3×1012~5×1012の間、4×1012~6×1012の間、5×1012~7×1012の間、6×1012~8×1012の間、7×1012~9×1012の間、8×1012~10×1012の間、1×1013~5×1013の間、5×1013~10×1013の間、1012~5×1012の間、5×1012~1×1013の間、7×1012~1×1013の間、8×1012~2×1013の間、9×1012~2×1013の間、9×1012~2×1013の間、9×1012~4×1013の間、1×1013~3×1013の間、1×1013~2×1013の間、2×1013~3×1013の間、3×1013~4×1013の間、4×1013~5×1013の間、5×1013~6×1013の間、6×1013~7×1013の間、7×1013~8×1013の間、8×1013~9×1013の間、または8×1013~1×1014の間のベクターゲノムである。
一部の実施形態では、ベクターゲノムの単位用量(例えば、治療有効量)は、例えば、被験体に投与される医薬組成物中に存在するウイルスベクターの凝集を回避するために、本明細書に記載される値の低い方の範囲から選択される。一部の実施形態では、ベクターゲノムの単位用量(例えば、治療有効量)は、例えば、標的細胞への治療用導入遺伝子の効率的送達を確実にするために、本明細書に記載される値の高い方の範囲から選択される。一部の実施形態では、単位用量(例えば、治療有効用量)は、硝子体内注射に関連する有害作用、例えば、眼内圧上昇、炎症、刺激または疼痛を低減することができる、より小さい注射体積を可能にするために、本明細書に記載される値の高い方の範囲から選択される。
一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1E10、約1.5E10、約2E10、約2.5E10、約3E10、約3.5E10、約4E10、約4.5E10、約5E10、約5.5E10、約6E10、約6.5E10、約7E10、約7.5E10、約8E10、約8.5E10、約9E10、約9.5E10、約1E11、約1.5E11、約2E11、約2.5E11、約3E11、約3.5E11、約4E11、約4.5E11、約5E11、約5.5E11、約6E11、約6.5E11、約7E11、約7.5E11、約8E11、約8.5E11、約9E11、約9.5E11、約1E12、約1.3E12、約1.5E12、約2E12、約2.1E12、約2.3E12、約2.5E12、約2.7E12、約2.9E12、約3E12、約3.1E12、約3.3E12、約3.5E12、約3.7E12、約3.9E12、約4E12、約4.1E12、約4.3E12、約4.5E12、約4.7E12、約4.9E12、約5E12、約5.1E12、約5.3E12、約5.5E12、約5.7E12、約5.9E12、約6E12、約6.1E12、約6.3E12、約6.5E12、約6.7E12、約6.9E12、約7E12、約7.1E12、約7.3E12、約7.5E12、約7.7E12、約7.9E12、約8E12、約8.1E12、約8.3E12、約8.5E12、約8.7E12、約8.9E12、約9E12、約9.1E12、約9.3E12、約9.5E12、約9.7E12、約9.9E12、約1.01E13、約1.03E13、約1.05E13、約1.07E13、約1.09E13、約1.1E13、約1.15E13、約1.2E13、約1.25E13、約1.3E13、約1.35E13、約1.4E13、約1.45E13、約1.5E13、約1.55E13、約1.6E13、約1.65E13、約1.7E13、約1.75E13、約1.8E13、約1.85E13、約1.9E13、約1.95E13、約2.0E13、約2.5E13、約3.0E13、約3.5E13、約4.0E13、約4.5E13、約5.0E13、約5.5E13、約6.0E13、約6.5E13、約7.0E13、約7.5E13、約8.0E13、約8.5E13、約9.0E13、約9.5E13、または約1E14ベクターゲノムであり(これらの値の間の任意の範囲を含む)、Eは、べき乗の基数10の略語であり、xEyは、基数10のy乗/指数を掛けたxを指す。一部の実施形態では、単位用量は、約1E9~約3E13のベクターゲノムの間、約1E10~約1E13のベクターゲノムの間、約1E11~約1E13のベクターゲノムの間、約1E10~約3E12のベクターゲノムの間、または約2E12~約6E12のベクターゲノムの間である(例えば、それらを含む)。
一部の実施形態では、ウイルスベクターの単位用量(例えば、治療有効量)は、感染多重度(MOI)として表される。一部の場合には、MOIは、異種核酸(例えば、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする核酸)が送達される標的細胞に対するベクターまたはウイルスゲノムの比を指す。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、1×106のMOIである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×101、1×102、1×103、1×104、1×105、1×106、1×107、1×108、1×109、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、1×1016、1×1017および1×1018のうちのいずれか1つのMOIである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×108~約1×1015の間のMOIである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×101、1×102、1×103、1×104、1×105、1×106、1×107、1×108、1×109、1×1010、1×1011、1×1012、1×1013、1×1014、1×1015、1×1016、1×1017および1×1018のうちのいずれか1つの値以下のMOIである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えば、rAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、1×1010~2×1010の間、2×1010~4×1010の間、3×1010~5×1010の間、4×1010~6×1010の間、5×1010~7×1010の間、6×1010~8×1010の間、7×1010~9×1010の間、8×1010~1011の間、1×1011~2×1011の間、2×1011~4×1011の間、3×1011~5×1011の間、4×1011~6×1011の間、5×1011~7×1011の間、6×1011~8×1011の間、7×1011~9×1011の間、8×1011~10×1011の間、1×1012~3×1012の間、2×1012~4×1012の間、3×1012~5×1012の間、4×1012~6×1012の間、5×1012~7×1012の間、6×1012~8×1012の間、7×1012~9×1012の間、8×1012~10×1012の間、1×1013~5×1013の間、5×1013~10×1013の間、1012~5×1012の間、5×1012~1×1013の間、7×1012~1×1013の間、8×1012~2×1013の間、9×1012~2×1013の間、9×1012~2×1013の間、9×1012~4×1013の間、1×1013~3×1013の間、1×1013~2×1013の間、2×1013~3×1013の間、3×1013~4×1013の間、4×1013~5×1013の間、5×1013~6×1013の間、6×1013~7×1013の間、7×1013~8×1013の間、8×1013~9×1013の間、または8×1013~1×1014の間のMOIである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。
一部の実施形態では、ウイルスベクターの単位用量(例えば、治療有効量)は、pfu(プラーク形成単位)として表される。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×108~約1×1012pfuの間である。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、最少約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011または1×1012pfuのうちのいずれか1つである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター、例えばrAAV2.7m8)の単位用量(例えば、治療有効量)は、約1×108、2×108、3×108、4×108、5×108、6×108、7×108、8×108、9×108、1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、9×109、1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、9×1010、1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、9×1011または1×1012pfuのうちのいずれか1つである(これらの値の間の任意の範囲を含む)。
一部の実施形態では、ウイルスベクターの治療有効量は、硝子体液において治療用タンパク質(例えば、抗VEGF剤、例えばアフリベルセプト)の発現を引き起こして、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.5、0.95または1.0μg/ml(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つの濃度を得るために十分な量である。一部の実施形態では、ウイルスベクターの治療有効量は、網膜において治療用タンパク質(例えば、抗VEGF剤、例えばアフリベルセプト)の発現を引き起こして、少なくとも約0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95または1.0μg/ml(これらの値の間の任意の範囲を含む)の濃度を得るために十分な量である。一部の実施形態では、ウイルスベクターの治療有効量は、脈絡膜において治療用タンパク質(例えば、抗VEGF剤、例えばアフリベルセプト)の発現を引き起こして、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.5、0.95または1.0μg/ml(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つの濃度を得るために十分な量である。
一部の実施形態では、被験体に投与されるウイルスベクターの用量(例えば、単位用量)は、被験体への用量の投与が、眼疾患または障害の少なくとも1つの症状を低減する、停止させる、または防止する場合、治療上有効である。異常な(例えば、過剰な)血管新生を特徴とする眼疾患または障害の場合、そのような症状は、これらに限定されないが、例えば、視覚の歪み(例えば、色覚障害、霧視、中心視力低下)および視力喪失を含む。一部の実施形態では、被験体に投与されるウイルスベクターの用量(例えば、単位用量)は、被験体への用量の投与が疾患の1つまたは複数の臨床的特徴の維持、部分的消散または完全消散をもたらす場合、治療上有効である。例えば、被験体に投与されるウイルスベクターの用量(例えば、単位用量)は、被験体への用量の投与が、(a)光干渉断層撮影(OCT)により測定した眼疾患の完全消散、部分的消散または維持、(b)最良矯正視力の増加および/または維持(例えば、EDTRS視力チャート、アムスラーグリッドなどにより評価される)、(c)蛍光眼底撮影(FA)によって測定した過蛍光の維持または低減をもたらす場合、治療上有効である。
標的細胞に導入遺伝子を送達する例示的ベクター
一部の実施形態では、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする異種核酸の標的細胞(例えば、網膜細胞)への送達は、任意の好適なベクター(「遺伝子送達」または「遺伝子移入ビヒクル」とも呼ばれる)を使用して行なわれる。一部の実施形態では、ベクター、送達ビヒクル、遺伝子送達ビヒクルまたは遺伝子移入ビヒクルは、異種核酸を含み、その異種核酸を標的細胞に送達することができる、巨大分子または分子の複合体である。一部の実施形態では、標的細胞は、網膜細胞、例えば、網膜を構成する細胞型のいずれか、例えば、光受容細胞、網膜神経節細胞、ミュラー細胞、双極細胞、アマクリン細胞、水平細胞、または網膜色素性上皮細胞である。一部の実施形態では、標的細胞は、核酸分子または遺伝子が送達される任意の細胞である。一部の実施形態では、異種核酸は、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする。一部の実施形態では、ベクター、送達ビヒクル、遺伝子送達ビヒクルまたは遺伝子移入ビヒクルは、硝子体内注射(IVT)による被験体(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)の眼への投与のために製剤化されるまたはそのような投与に適応する医薬組成物中に存在する。
一部の実施形態では、ベクターは、ウイルスベクター、例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルスもしくはレンチウイルスまたはハイブリッドウイルスベクターである。一部の実施形態では、ウイルスベクターは、組換えウイルスベクターである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、組換えウイルスベクター)は、強力な真核生物プロモーター(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターまたは構成的プロモーター)に作動可能に連結されている異種核酸(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤をコードする異種核酸)を含む。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、組換えウイルスベクター)は、少なくとも1つの(例えば、1つより多くの)核酸分子を含む。一部の実施形態では、少なくとも1つの(例えば、1つより多くの)核酸は、DNA(例えば、cDNA)またはRNAである。一部の実施形態では、ウイルスベクター(例えば、組換えウイルスベクター)は、DNAとRNAの両方を含む。一部の実施形態では、RNAは、例えば、イントロン、非翻訳領域(UTR)、終結配列およびこれらに類するものを含む、転写物(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤の転写物)である。一部の実施形態では、DNAは、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードし、必要に応じて、プロモーター配列、UTR、終結配列およびこれらに類するものをさらに含む。一部の実施形態では、ベクターは、異種核酸(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤をコードする核酸)をその異種核酸が発現される標的細胞(例えば、網膜細胞)に送達することができる、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)である。一部の実施形態では、異種核酸の発現は、標的組織において治療効果を発揮する。
一部の実施形態では、ベクターは、被験体(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)において複製欠損であるように変更されたアデノウイルス(Ad)またはアデノ随伴ウイルス(AAV)に由来する組換えウイルスベクターである。一部の実施形態では、アデノ随伴ウイルス(AAV)は、組換えAAV(rAAV)である。一部の実施形態では、異種核酸(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤をコードする核酸)は、標的細胞ゲノム(例えば、網膜細胞ゲノム)と一体化し、その結果、標的細胞において、例えば抗VEGF剤(例えばアフリベルセプト)の、長期発現をもたらす。一部の実施形態では、ウイルスベクターは、異種核酸(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤をコードする核酸)を含むプラスミドまたは他の染色体外遺伝子エレメントを、標的細胞(例えば、網膜細胞)に送達する。
AAVまたはrAAVは、非エンベロープ一本鎖DNAウイルスである。rAAVは、非病原性ヒトパルボウイルスであり、rAAVを、複製がアデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルスおよびCMVをはじめとするヘルパーウイルスに依存性になるように作製することができる。野生型(wt)AAVへの曝露は、いずれかのヒトの病理を引き起こすことに関連付けられていることも、いずれかのヒトの病理を引き起こすことが公知であることもなく、一般集団に多く見られ、そのためAAVまたはrAAVは、遺伝子治療に好適な送達系とされる。抗VEGF剤、例えばアフリベルセプト、の送達のために遺伝子治療に使用されるAAVおよびrAAVは、任意の血清型のものであり得る。一部の実施形態では、本開示の医薬組成物および方法は、AAV1、AAV2、AAV2.5、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV11、AAV12、rh10、AAV-DJ、およびこれらの任意のハイブリッドまたはキメラAAVを含む、任意の好適なAAV血清型の使用を提供する。一部の実施形態では、使用される血清型は、ウイルスの指向性、または目的の標的細胞に対する感染力に基づく。一部の実施形態では、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする核酸配列を硝子体内または網膜下注射によって被験体の眼または網膜細胞に送達するために、AAV2またはrAAV2が使用される。一部の実施形態では、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)の核酸配列を被験体の網膜細胞に送達するために、rAAV2.7m8が使用される。
一部の実施形態では、被験体において網膜細胞に対する形質導入を増加させるためにまたは網膜細胞への遺伝子送達の標的化を増加させるために、標的細胞、例えば網膜細胞、に対する感染力が増加したバリアントカプシドタンパク質を含む、AAVまたはrAAVウイルス、粒子またはビリオンが使用される。一部の実施形態では、rAAV粒子は、AAVカプシドタンパク質のカプシドタンパク質GHループ/ループIVにおけるアミノ酸改変を含む。一部の実施形態では、改変の部位は、AAVカプシドタンパク質のGHループ/ループIVの、溶媒がアクセス可能な部分である。AAVカプシドのGHループ/ループIVの説明については、例えば、van Vliet et al. (2006) Mol. Ther. 14:809;Padron et al. (2005) J. Virol. 79:5047;およびShen et al. (2007) Mol. Ther. 15:1955を参照されたい。7m8バリアントをはじめとする、いくつかのAAVカプシドバリアントが、公知である。一部の実施形態では、rAAV粒子は、対応する親AAVカプシドタンパク質と比較してカプシドタンパク質のGHループ内への5アミノ酸~11アミノ酸、例えば7アミノ酸配列、の挿入を含む、バリアントAAVカプシドタンパク質を含み、このバリアントカプシドタンパク質は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子による網膜細胞に対する感染力と比較して、網膜細胞に対する感染力の増加をもたらす。一部の実施形態では、次のアミノ酸配列のいずれか1つをカプシドタンパク質のGHループ内に挿入することができる:LALGETTRPA(配列番号1);LANETITRPA(配列番号2)、LAKAGQANNA(配列番号3)、LAKDPKTTNA(配列番号4)、KDTDTTR(配列番号5)、RAGGSVG(配列番号6)、AVDTTKF(配列番号7)、STGKVPN(配列番号8)、LAKDTDTTRA(配列番号9)、LARAGGSVGA(配列番号10)、LAAVDTTKFA(配列番号11)、およびLASTGKVPNA(配列番号12)、LGETTRP(配列番号14)、NETITRP(配列番号15)、KAGQANN(配列番号16)、KDPKTTN(配列番号17)、KDTDTTR(配列番号18)、RAGGSVG(配列番号19)、AVDTTKF(配列番号20)、およびSTGKVPN(配列番号21)。一部の実施形態では、配列番号1~12および14~21に記載のアミノ酸配列のいずれか1つが、rAAVのVP1カプシドタンパク質の溶媒露出GHループ内に挿入される。例えば、IVT注射後の、網膜細胞への目的の核酸の形質導入を促進するために、カプシドタンパク質のGHループに挿入することができるアミノ酸配列に関するさらなる詳細は、WO2012145601において提供されており、前記参考特許文献の内容は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、アフリベルセプトを含むrAAV.7m8が遺伝子治療に使用される。
一部の実施形態では、次のアミノ酸配列:LALGETTRPA(配列番号1);LANETITRPA(配列番号2)、LAKAGQANNA(配列番号3)、LAKDPKTTNA(配列番号4)、KDTDTTR(配列番号5)、RAGGSVG(配列番号6)、AVDTTKF(配列番号7)、STGKVPN(配列番号8)、LAKDTDTTRA(配列番号9)、LARAGGSVGA(配列番号10)、LAAVDTTKFA(配列番号11)、およびLASTGKVPNA(配列番号12)、LGETTRP(配列番号14)、NETITRP(配列番号15)、KAGQANN(配列番号16)、KDPKTTN(配列番号17)、KDTDTTR(配列番号18)、RAGGSVG(配列番号19)、AVDTTKF(配列番号20)、およびSTGKVPN(配列番号21)のうちのいずれか1つを、遺伝子治療に使用するためのrAAVバリアントを生成するために次の位置に挿入することができる:AAV2カプシドタンパク質の587位と588位との間、AAV1カプシドタンパク質のアミノ酸590と591との間、AAV5カプシドタンパク質のアミノ酸575と576との間、AAV6カプシドタンパク質のアミノ酸590と591との間、AAV7カプシドタンパク質のアミノ酸589と590との間、AAV8カプシドタンパク質のアミノ酸590と591との間、AAV9カプシドタンパク質のアミノ酸588と589との間、またはAAV10カプシドタンパク質のアミノ酸589と590との間。
一部の実施形態では、遺伝子治療に使用されるバリアントカプシドタンパク質を含むAAVまたはrAAVウイルス、粒子またはビリオンは、硝子体内投与されたとき、その天然、野生型および/または親カプシドタンパク質を含む対応するウイルスベクターと比較して、次の特性の1つまたは複数を示す:1)網膜細胞に対する感染力の増加、2)指向性の変更、3)ヘパリンおよび/またはヘパリン硫酸プロテオグリカンおよび/または内境界膜(ILM)への結合の増加、ならびに4)感染し、および/またはILMを横断して治療用遺伝子産物を送達する能力の増加。一部の実施形態では、遺伝子治療に使用されるバリアントAAVカプシドタンパク質は、親AAVカプシドタンパク質と比較してアミノ酸残基570~579内に1つまたは複数のアミノ酸置換を含む改変配列を含み、改変配列は、HKFKSGD(配列番号37)を含み、アミノ酸残基番号付けは、AAV5 VP1カプシドタンパク質に対応する。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、親AAVカプシドタンパク質と比較してアミノ酸残基570~579内に1つまたは複数のアミノ酸置換を含む改変配列を含み、改変配列は、X1X2HKFKSGDX3(配列番号38)を含み、アミノ酸残基番号付けは、AAV5 VP1カプシドタンパク質に対応し、配列式中のX1~3は、独立して、任意のアミノ酸であり得る。一部の実施形態では、X1~3の各々は、独立して、A、L、G、SおよびTから選択される。一部の実施形態では、各X1~3の各々は、独立して、A、L、G、SおよびTから選択される。一部の実施形態では、X1は、Lである。一部の実施形態では、X2は、Aである。一部の実施形態では、X3は、Aである。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、親AAVカプシドタンパク質と比較してアミノ酸残基570~579内に1つまたは複数のアミノ酸置換を含む改変配列を含み、改変配列は、LAHKFKSGDA(配列番号39)、配列番号39との少なくとも80%または少なくとも90%の相同性を有する配列、配列番号39との少なくとも80%または少なくとも90%の配列同一性を有する配列、あるいは配列番号39内の4つもしくはそれより多くの、5つもしくはそれより多くの、6つもしくはそれより多くの、7つもしくはそれより多くの、8つもしくはそれより多くの、または9つもしくはそれより多くの連続するアミノ酸を有する配列を含み、アミノ酸残基番号付けは、AAV5 VP1カプシドタンパク質に対応する。一部の実施形態では、改変配列は、LAHKFKSGDA(配列番号39)を含む。
一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、野生型AAVカプシドタンパク質、例えば、AAV1型(AAV1)、AAV2型(AAV2)、AAV3型(AAV3)、AAV4型(AAV4)、AAV5型(AAV5)、AAV6型(AAV6)、AAV7型(AAV7)、AAV8型(AAV8)、AAV9型(AAV9)、AAV10型(AAV10)、トリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、霊長類AAV、非霊長類AAV、またはヒツジAAVカプシドタンパク質である。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV5カプシドタンパク質である。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、VP1、VP2またはVP3カプシドタンパク質である。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV5 VP1カプシドタンパク質である。
一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、バリアントAAVカプシドタンパク質である。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、トリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、霊長類AAV、非霊長類AAV、またはヒツジAAVカプシドタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV5 VP1カプシドタンパク質(配列番号40)のバリアントである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、配列番号40に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の相同性を有するAAV5 VP1カプシドタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、配列番号40に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を有するAAV5 VP1カプシドタンパク質のバリアントである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、ハイブリッドカプシドタンパク質である。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2とAAV5のハイブリッドである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2.5Tであるか、またはAAV2.5Tカプシドタンパク質に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の相同性を有するそのバリアントである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2.5Tであるか、またはAAV2.5Tカプシドタンパク質に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2.5Tである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、VP1、VP2またはVP3カプシドタンパク質である。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2.5T VP1カプシドタンパク質であるか、またはAAV2.5T VP1カプシドタンパク質(配列番号41)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の相同性を有するそのバリアントである。一部の実施形態では、親AAVカプシドタンパク質は、AAV2.5T VP1カプシドタンパク質であるか、またはAAV2.5T VP1カプシドタンパク質(配列番号41)に対して少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列同一性を有するそのバリアントである。
一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号40または配列番号41に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有するカプシド配列を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号40または配列番号41に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有するカプシド配列を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号42(AAV5.LSV1 VP1)または配列番号43(AAV2.5T.LSV1 VP1)に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の相同性を有するカプシド配列を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号42または配列番号43に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するカプシド配列を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号42または配列番号43を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号42を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号43を含む。配列番号40、41、42および43のアミノ酸配列は、下記に提供される:
一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号44(AAV5.LSV1 VP2)または配列番号45(AAV5.LSV1 VP3)に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の相同性を有するカプシド配列を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号44または配列番号45に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するカプシド配列を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号44または配列番号45を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号44を含む。一部の実施形態では、バリアントAAVカプシドタンパク質は、配列番号45を含む。配列番号44および45のアミノ酸配列は、下記に提供される:
上記ではAAV5 VP1、VP2またはVP3カプシドタンパク質に対応するアミノ酸番号付けを使用してカプシドタンパク質のアミノ酸改変(特異的アミノ酸置換および挿入を含む)に言及したが、これらのアミノ酸改変のいずれかを、他の血清型のAAVのカプシドタンパク質内に、例えば、AAV5 VP1、VP2またはVP3のものに対応する位置に、導入することもできることは、理解されよう。AAVタンパク質配列は、有意な相同性および同様のアミノ酸番号付けを共有するため、当業者は、上記でAAV5 VP1、VP2またはVP3について具体的に説明したものに対応する、他のAAV血清型におけるアミノ酸残基を、容易に決定することができる。親AAVカプシドタンパク質と比較してアミノ酸残基570~579内に1つまたは複数の置換を含む改変配列(例えば、HKFKSGD(配列番号37))を含むバリアントAAVカプシドタンパク質、および遺伝子治療におけるそれらの使用に関するさらなる詳細は、米国特許出願第62/839,548号および米国特許出願第62/923,924号において詳述されており、これらの参考特許文献の内容は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする異種核酸は、異種核酸の転写を開始させるプロモーターの転写制御下にある。一部の実施形態では、プロモーターは、「強力な」または構成的に活性なプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、伸長因子1アルファ(EF1a)プロモーター、グリセルアルデヒド3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)プロモーター、またはコネキシン36(または「Cx36」)プロモーターである。一部の実施形態では、プロモーターは、標的化されない細胞への潜在的毒性または望ましくない効果を低減させるために特異的組織または細胞、例えば網膜細胞、において活性化される組織特異的プロモーターである。一部の実施形態では、rAAVウイルスを生成するために使用される組換えウイルスおよび/またはプラスミドは、他の転写または調節エレメント、例えば、ポリA(ポリアデニル化)配列、非翻訳領域(UTR)、3’UTR、または終結配列を含む。一部の実施形態では、2つもしくはそれより多くのタンパク質の共発現を可能にする、または多重遺伝子もしくはポリシストロニックmRNAを生じさせる、内部リボソーム進入部位(IRES)または同様のエレメントを使用して、ベクターまたはプラスミドから1つより多くの遺伝子が発現される。
一部の実施形態では、rAAV、および/またはrAAVを生成するために使用されるプラスミドは、次の核酸エレメントの1つまたは複数を含む:第1のITR配列、プロモーター配列、イントロン配列、第1のUTR配列、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする異種核酸、第2のUTR配列、ポリA配列、および第2のITR配列。一部の実施形態では、リンカー配列が、核酸エレメントのうちの2つまたはそれより多くの間に挿入される。一部の実施形態では、治療用ポリペプチドをコードする異種核酸は、アフリベルセプト(またはその機能的断片もしくは機能的バリアント)をコードする。
一部の実施形態では、自己相補型ベクター(sc)を使用することができる。自己相補型AAVベクターの使用は、参照により本明細書に組み込まれる、Wu, Hum Gene Ther. 2007, 18(2):171-82により提供されているように、ウイルス第二鎖DNA合成の必要を回避することができ、導入遺伝子タンパク質のより高い発現率をもたらすことができる。
一部の態様では、抗VEGF剤導入遺伝子(例えば、アフリベルセプト導入遺伝子)とともに使用するのに最も最適な血清型およびプロモーターの選択を可能にするために、いくつかのAAVベクターが生成され得る。
一部の実施形態では、AAVベクターは、標的細胞(例えば、網膜細胞)における導入遺伝子(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤)の発現増強のためのポリヌクレオチドカセットを含む。一部の実施形態では、ポリヌクレオチドカセットは、5’から3’へ順に、(a)CMV配列(配列番号22)を含む第1のエンハンサー領域、(b)CMV配列(配列番号23)を含むプロモーター領域、(c)5’から3’へ順にTPLおよびeMLP配列(それぞれ、配列番号24および配列番号25)を含む5’UTR領域、(d)ペプチドまたはポリペプチド(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤)をコードするコード配列、(e)完全EES配列(配列番号26)を含む第2のエンハンサー領域、ならびに(f)HGHポリアデニル化部位(配列番号27)を含む。これらの実施形態のいくつかでは、ポリヌクレオチドカセットは、配列番号28~32から選択される1つもしくは複数の配列、またはその配列に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含む。これらの実施形態のいくつかでは、ポリヌクレオチドカセットの5’アームは、配列番号33、または配列番号33に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含むか、またはそれからなる。これらの実施形態のいくつかでは、ポリヌクレオチドカセットの3’アームは、配列番号34、または配列番号34に対して少なくとも85%の同一性を有する配列を含むか、またはそれからなる。配列番号22~34の核酸配列は、下記に提供される:
標的細胞(例えば、網膜細胞)における導入遺伝子(例えば、アフリベルセプトなどの抗VEGF剤をコードする導入遺伝子)の発現増強のためのさらなるポリヌクレオチドカセットは、WO2018/170473において開示されており、この参考特許文献の内容は、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、ベクターは、網膜細胞(例えば、光受容細胞、網膜神経節細胞、ミュラー細胞、双極細胞、アマクリン細胞、水平細胞、または網膜色素性上皮細胞)などの特異的細胞に対してより高い感染力を示す、標的化されたベクター、特に、標的化されたrAAV(例えば、AAV2.7m8)である。本開示における使用のためのベクターは、被験体において低い毒性および/または低い免疫原性を示すもの、ならびに被験体、例えばヒト患者、において治療有効量の抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)を発現するものを含むことができる。当技術分野において公知の任意の好適な方法を、例えば本明細書中の他の箇所で説明される医薬組成物の調製のために、組換えウイルス(例えば、rAAV)の生化学的精製において使用することができる。組換えAAVウイルスを細胞から直接回収することができ、または細胞を含む培養培地から回収することができる。様々な生化学的手段、例えば、ゲル濾過、濾過、クロマトグラフィー、親和性精製、密度勾配超遠心分離またはサイズ排除法を使用して、ウイルスを精製することができる。一部の実施形態では、ウイルスは、凍結乾燥される。
一部の実施形態では、rAAVは、7m8バリアントカプシドタンパク質、またはrAAV2.7m8と、被験体(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)における抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト、またはその機能的断片もしくは機能的バリアント)をコードする核酸配列とを含む。
一部の実施形態では、rAAVバリアント(例えば、7m8バリアント)の網膜細胞感染力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%である。一部の実施形態では、網膜細胞に対する感染力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、5%~100%の間、5%~95%の間、5%~90%の間、5%~85%の間、5%~80%の間、5%~75%の間、5%~70%の間、5%~65%の間、5%~60%の間、5%~55%の間、5%~50%の間、5%~45%の間、5%~40%の間、5%~35%の間、5%~30%の間、5%~25%の間、5%~20%の間、5%~15%の間、5%~10%の間の増加である。
一部の実施形態では、rAAVバリアントの網膜細胞感染力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、少なくとも1倍、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、または少なくとも2倍である。一部の実施形態では、感染力の増加は、対応する親AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍である。一部の実施形態では、感染力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも35倍、少なくとも40倍、少なくとも45倍、少なくとも50倍、少なくとも55倍、少なくとも60倍、少なくとも65倍、少なくとも70倍、少なくとも75倍、少なくとも80倍、少なくとも85倍、少なくとも90倍、または少なくとも100倍である。
一部の実施形態では、網膜細胞感染力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、10倍~100倍の間、10倍~95倍の間、10倍~90倍の間、10倍~85倍の間、10倍~80倍の間、10倍~75倍の間、10倍~70倍の間、10倍~65倍の間、10倍~60倍の間、10倍~55倍の間、10倍~50倍の間、10倍~45倍の間、10倍~40倍の間、10倍~35倍の間、10倍~30倍の間、10倍~25倍の間、10倍~20倍の間、または10倍~15倍の間である。
一部の実施形態では、網膜細胞感染力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、2倍~20倍の間、2倍~19倍の間、2倍~18倍の間、2倍~17倍の間、2倍~16倍の間、2倍~15倍の間、2倍~14倍の間、2倍~13倍の間、2倍~12倍の間、2倍~11倍の間、2倍~10倍の間、2倍~9倍の間、2倍~8倍の間、2倍~7倍の間、2倍~6倍の間、2倍~5倍の間、2倍~4倍の間、または2倍~3倍の間である。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるカプシドタンパク質のアミノ酸改変は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子の、被験体の眼のILMを横断する能力と比較して、霊長類またはヒト被験体の眼の内境界膜(ILM)を横断する能力の増加をもたらすことができる。一部の実施形態では、ILMを横断する能力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%の増加である。一部の実施形態では、ILMを横断する能力の増加は、親または非改変AAVカプシドタンパク質と比較して、5%~100%の間、5%~95%の間、5%~90%の間、5%~85%の間、5%~80%の間、5%~75%の間、5%~70%の間、5%~65%の間、5%~60%の間、5%~55%の間、5%~50%の間、5%~45%の間、5%~40%の間、5%~35%の間、5%~30%の間、5%~25%の間、5%~20%の間、5%~15%の間、または5%~10%の間の増加である。
一部の実施形態では、ILMを横断する能力の増加は、対応する親AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、少なくとも1倍、少なくとも1.1倍、少なくとも1.2倍、少なくとも1.3倍、少なくとも1.4倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.6倍、少なくとも1.7倍、少なくとも1.8倍、少なくとも1.9倍、または少なくとも2倍である。一部の実施形態では、ILMを横断する能力の増加は、対応する親AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍である。一部の実施形態では、ILMを横断する能力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、少なくとも15倍、少なくとも20倍、少なくとも25倍、少なくとも30倍、少なくとも35倍、少なくとも40倍、少なくとも45倍、少なくとも50倍、少なくとも55倍、少なくとも60倍、少なくとも65倍、少なくとも70倍、少なくとも75倍、少なくとも80倍、少なくとも85倍、少なくとも90倍、または少なくとも100倍である。
一部の実施形態では、ILMを横断する能力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、10倍~100倍の間、10倍~95倍の間、10倍~90倍の間、10倍~85倍の間、10倍~80倍の間、10倍~75倍の間、10倍~70倍の間、10倍~65倍の間、10倍~60倍の間、10倍~55倍の間、10倍~50倍の間、10倍~45倍の間、10倍~40倍の間、10倍~35倍の間、10倍~30倍の間、10倍~25倍の間、10倍~20倍の間、または10倍~15倍の間である。
一部の実施形態では、ILMを横断する能力の増加は、対応する親または非改変AAVカプシドタンパク質を含むAAV粒子と比較して、2倍~20倍の間、2倍~19倍の間、2倍~18倍の間、2倍~17倍の間、2倍~16倍の間、2倍~15倍の間、2倍~14倍の間、2倍~13倍の間、2倍~12倍の間、2倍~11倍の間、2倍~10倍の間、2倍~9倍の間、2倍~8倍の間、2倍~7倍の間、2倍~6倍の間、2倍~5倍の間、2倍~4倍の間、または2倍~3倍の間である。
標的細胞への送達のための例示的抗VEGF剤
一部の実施形態では、遺伝子治療は、硝子体内(IVT)注射によって被験体(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)に投与したときに抗VEGF剤をコードまたは発現する核酸配列を含む導入遺伝子を送達するために使用される。一部の実施形態では、抗VEGF剤をコードする異種核酸配列を含む、本明細書に記載されるカプシドバリアント(例えば、AAV2.7m8)を含むrAAVは、被験体への硝子体内投与時に網膜細胞に抗VEGF剤遺伝子の配列を送達するために使用される。一部の実施形態では、抗VEGF剤をコードする遺伝子を含むrAAVは、遺伝子治療および硝子体内注射のために製剤化される。一部の実施形態では、抗VEGF剤をコードする遺伝子は、その機能的断片または機能的バリアントを指す。一部の実施形態では、抗VEGF剤の「機能的断片」および/または「機能的バリアント」は、被験体に投与されたときに治療効果を生じさせることができる、抗VEGF剤の断片またはバリアントを指す。
一部の実施形態では、抗VEGF剤は、内在性VEGFおよび/もしくは内在性VEGF受容体(VEGFR)の活性もしくは機能、またはVEGF-VEGFR相互作用もしくは経路を、in vivoで低減させること、それに干渉すること、それを破壊すること、遮断することおよび/または阻害することができる、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、融合タンパク質、多量体タンパク質、遺伝子産物、抗体、ヒトモノクローナル抗体、抗体断片、アプタマー、キナーゼ阻害剤、受容体もしくは受容体断片、または核酸分子を含む、任意の治療剤である。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、細胞、組織または被験体にin vivoで送達されたときに新しい血管の成長もしくは形成および/または浮腫または腫脹を低減させることができる、公知の治療剤のいずれか1つ、例えば、ラニビズマブ、ブロルシズマブ、またはベバシズマブである。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、天然に存在する、天然に存在しない、または合成のものである。一部の実施形態では、抗VEGF剤を天然に存在する分子から誘導することができ、その後、それを改変してまたは変異させて抗VEGF活性を付与した。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、融合またはキメラタンパク質である。そのようなタンパク質中の、機能的ドメインまたはポリペプチドは、in vivoでVEGFを隔離することができるまたはVEGFRデコイとして機能することができる融合またはキメラタンパク質を作製するための部分またはポリペプチドと人工的に融合される。一部の実施形態では、抗VEGF剤は、内在性VEGFRがそのリガンドと相互作用するのを遮断する、融合またはキメラタンパク質である。
一部の実施形態では、抗VEGF剤は、ベバシズマブである。ベバシズマブ(Cas登録番号216974-75-3;Drugbank受託番号DB00112)は、全てのVEGF-Aアイソフォームに結合し、VEGF-Aを阻害することにより血管新生を遮断する、組換えヒト化モノクローナルIgG1抗体である。Los, M.; Roodhart, J.M. L.; Voest, E. E. (2007). "Target Practice: Lessons from Phase III Trials with Bevacizumab and Vatalanib in the Treatment of Advanced Colorectal Cancer". The Oncologist. 12 (4): 443-50;Shih, T; Lindley, C (November 2006). "Bevacizumab: an angiogenesis inhibitor for the treatment of solid malignancies." Clinical therapeutics. 28 (11): 1779-802。
一部の実施形態では、抗VEGF剤は、ラニビズマブである。ラニビズマブ(CAS登録番号347396-82-1;DrugBank受託番号DB01270)は、組換えヒト化IgG1カッパアイソタイプモノクローナル抗体断片(Fab)であり、全てのVEGF-Aアイソフォームに、ベバシズマブより高い親和性で結合する。
一部の実施形態では、抗VEGF剤は、ブロルシズマブである。ブロルシズマブ(CAS登録番号1531589-13-5)は、高い親和性で全てのVEGF-Aアイソフォームに結合するヒト化単鎖抗体断片(scFv)である。
一部の実施形態では、抗VEGF剤は、アフリベルセプトである。アフリベルセプトのアミノ酸配列は、当技術分野において公知である:C4318H6788N1164O1304S32、FDA固有成分識別子(UNII)は、15C2VL427Dである。アフリベルセプトのアミノ酸配列は、DrugBankデータベース、受託番号DB08885で入手可能である:
アフリベルセプトの核酸配列(配列番号36)は、図6で提供される。
本明細書で使用される場合、「アフリベルセプト」は、上記で確認されるアフリベルセプトアミノ酸配列に対して少なくとも75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%のもしくはそれより高い、または100%の相同性を有するポリペプチドもしくはタンパク質配列、またはその機能的断片もしくはバリアントもしくは変異体を指す。相同性は、機能的断片;挿入、欠失、置換を含む配列;偽断片;偽遺伝子;スプライスバリアント;または人工最適化配列を含むがこれらに限定されない、2つの配列間のアラインメントの残基の保存%を指す。
一部の実施形態では、アフリベルセプトのアミノ酸配列は、配列番号35のアフリベルセプトアミノ酸配列と、少なくとも75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、または100%相同である。一部の実施形態では、本明細書で開示される遺伝子治療またはrAAVに使用される核酸配列は、上記で確認されるアフリベルセプトアミノ酸配列の対応するcDNA配列と比較され、アフリベルセプトの核酸配列(配列番号36)間の少なくとも75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、または100%配列相同性を示す。一部の実施形態では、アフリベルセプトは、アフリベルセプトと(例えば、その二次、三次および四次構造またはコンフォメーションの点で)少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、または100%空間的に相同である。一部の実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物および方法のアフリベルセプトは、標準治療で使用されるアフリベルセプト(例えば、二次、三次および四次構造またはコンフォメーション)と多くとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.9%、または100%空間的に相同である。
一部の実施形態では、rAAVに基づく遺伝子治療に含まれる場合の、アフリベルセプト遺伝子産物またはアフリベルセプト導入遺伝子は、本明細書で開示のカプシドバリアント(例えば、7m8バリアント)を含むものであり、配列番号35の上記アミノ酸配列に対してまたはアフリベルセプトの対応するcDNA配列(例えば、配列番号36と比較して遺伝子治療に使用されるアフリベルセプト配列のcDNA)間で、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも100%の相同性を有するタンパク質、融合タンパク質またはポリペプチドをコードする。一部の実施形態では、本明細書で開示される方法および医薬組成物は、アフリベルセプトの機能的断片、またはそのバリアントもしくは変異体を含む。一部の実施形態では、アフリベルセプトの核酸配列は、in vivoでのその活性、発現、安定性および/または溶解度を増強するように改変またはコドン最適化される。
一部の実施形態では、アフリベルセプトの核酸配列は、そのアミノ酸配列から誘導される。一部の実施形態では、アフリベルセプトの配列核酸は、被験体におけるその発現を向上させるためにコドン最適化される。
コドン最適化は、当技術分野において公知の任意の方法で達成することができる。コドン最適化は、目的の標的または宿主細胞、例えばヒト網膜細胞、における遺伝子の発現増強のために、天然配列の少なくとも1つのコドン(例えば、約1つのコドンまたはそれより多いコドン、約2つのコドンまたはそれより多いコドン、約3つのコドンまたはそれより多いコドン、約4つのコドンまたはそれより多いコドン、約5つのコドンまたはそれより多いコドン、約10個のコドンまたはそれより多いコドン、約15個のコドンまたはそれより多いコドン、約20個のコドンまたはそれより多いコドン、約25個のコドンまたはそれより多いコドン、約50個のコドンまたはそれより多いコドン、約100個のコドンまたはそれより多いコドン)を、天然アミノ酸配列を維持しながら宿主細胞においてより使用頻度の高いまたは最も使用頻度の高いコドンで置換することにより、核酸配列を改変するプロセスを指す。コドン使用頻度表は、容易に入手することができ、例えば、www(dot)genscript(dot)com/tools/codon-frequency-tableにおけるGenScript Codon Usage Frequency Table Tool;www(dot)kazusa(dot)or(dot)jp/codon/におけるCodon Usage Database:およびNakamura, Y., et al. “Codon usage tabulated from the international DNA sequence databases: status for the year 2000” Nucl. Acids Res. 28:292 (2000)を含む。
アフリベルセプトは、115kDa融合タンパク質であり、グリコシル化されていることもある。アフリベルセプトは、ヒトVEGFR-1およびVEGFR-2の細胞外VEGF受容体配列に融合されたIgG骨格を含み、その天然または内在性受容体より大きい親和性でVEGF-Aに結合することにより、可溶性デコイ受容体のように機能する。例えば、Stewart MW. Aflibercept (VEGF Trap-eye): the newest anti-VEGF drug. Br. J. Ophthalmol. 2012 Sep;96(9):1157-8を参照されたい。VEGFに対するアフリベルセプトの高い親和性は、天然または内在性VEGF受容体のその後の結合および活性化に干渉するか、またはそのような結合および活性化を妨げる。VEGF活性の低下は、血管新生および血管透過性の減少を招き得る。アフリベルセプトによる胎盤増殖因子PIGFおよびVEGF-Bの阻害もまた、異常な(例えば、過剰な)血管新生および/または新生血管を特徴とする眼疾患または障害の処置に寄与し得る。PIGFは、血管新生に関連付けられており、滲出型AMDなどの、ある特定の眼疾患または障害は、PIGFレベルの上昇を伴い得る。VEGF-B過剰発現は、血液網膜関門の破壊および網膜血管新生を伴い得る。したがって、VEGF-A、VEGF-B、およびPIGFの阻害は、全て、アフリベルセプトの有効性に寄与し得る。
一部の実施形態では、アフリベルセプトの核酸配列は、霊長類またはヒト被験体における発現のため最適化される。アフリベルセプトアミノ酸配列に対応する合成遺伝子の構築は、文献、例えば、Kanda A, Noda K, Saito W, Ishida S. Aflibercept Traps Galectin-1, an Angiogenic Factor Associated with Diabetic Retinopathy. Scientific Reports 5:17946 (2015)(「VEGF-TrapR1R2(アフリベルセプトに対応する)cDNAがIDT(Coralville、IA)により合成遺伝子として生成された」と記載している)に記載されている。アフリベルセプトの入手可能なアミノ酸配列を考慮すると、当技術分野において公知の任意の方法を使用して、本明細書に記載される遺伝子治療またはrAAVにおいて使用するためのアフリベルセプトのcDNAを生成することができる。
一部の実施形態では、AAV2.7m8がアフリベルセプトのための遺伝子治療または送達系として使用される。AAV2.7m8-アフリベルセプトは、rAAV2のカプシドタンパク質VP1の587位と588位との間への7m8挿入と、アフリベルセプトをコードする核酸配列とを含む、rAAV2を指す。
眼疾患または障害
一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、各々の眼に非同期的に生じる眼疾患または障害の処置における使用に好適である。非同期的に生じ得る(先ず片側の眼に生じ、後に第2の眼において生じるか、または第2の眼には全く生じない)疾患の例としては、緑内障、wAMD、RVO、DME、DRなどが挙げられる。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、両眼の同時処置が実行不可能である、得策でない、および/または安全でない、眼疾患または障害の処置における使用に好適である。一部の実施形態では、本明細書に記載の7m8バリアント(例えば、rAAV2.7m8)を含む任意の血清型のrAAV粒子またはその医薬組成物は、例えば、異常な(例えば、過剰な)新生血管が各々の眼において非同期的に生じる、眼の異常な(例えば、過剰な)新生血管に関連する眼疾患または障害を処置するために、または少なくとも部分的に好転させるために、使用される。一部の実施形態では、カプシドバリアントタンパク質を含むrAAV粒子は、ヒト被験体の眼に抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト、その機能的断片またはバリアント)を送達するために使用される。
抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブ、アフリベルセプトなど)での処置が承認されている眼疾患または障害としては、例えば、新生血管(滲出型)加齢性黄斑変性(wAMD)、網膜静脈閉塞(RVO)後の黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、およびDME患者における糖尿病性網膜症(DR)が挙げられる。一部の実施形態では、本明細書で開示される方法および医薬組成物は、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/またはアフリベルセプトが承認されているまたは適応となる眼疾患または障害を防止または処置するために使用される。一部の実施形態では、遺伝子治療(例えば、AAV2.7m8に基づく遺伝子治療)は、CNV、滲出型AMD、萎縮型AMD、DME、RVO、RVO後の黄斑浮腫、およびDME患者における糖尿病性網膜症を含むがこれらに限定されない、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/またはアフリベルセプトに対して応答性である眼疾患または障害を処置または防止するために使用される。一部の実施形態では、rAAV遺伝子治療は、新生血管またはCNVを特徴とする任意の眼疾患または障害を処置または防止するために使用される。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法およびキットは、AMD、DME、RVO、血管新生関連疾患、がん、自己免疫疾患、感染性疾患生物およびこれらに類するものなどの、疾患の処置のためのものである。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って処置される眼疾患または障害は、糖尿病性黄斑浮腫である。糖尿病性黄斑浮腫(DME)は、黄斑内の血管からの流体の漏出に起因する、糖尿病の際の網膜の腫脹である。黄斑は、網膜の中心部分であり、色を検出する特化した神経終末である錐体が豊富な小領域であり、昼間視力は錐体に依存する。黄斑浮腫が発症すると、中心視野の中央またはそのすぐ横でぼやけが起こる。糖尿病性黄斑浮腫による視力低下が数カ月かけて進行し、明瞭に焦点を合わせることを不可能にし得る。DMEの一般的な症状は、霧視、飛蚊症、複視であり、処置せずにおくと最終的には失明する。一部の実施形態では、本明細書で開示の方法および医薬組成物は、DMEを処置するために使用される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って処置される眼疾患または障害は、網膜静脈閉塞症である。網膜静脈閉塞症は、網膜から血液を運び出す小静脈の遮断である。網膜は、光の像を神経シグナルに変換して脳に送る、眼内の背部にある組織の層である。網膜静脈閉塞症は、ほとんどの場合、動脈の硬化(アテローム性動脈硬化症)および血餅形成によって引き起こされる。網膜におけるより小さい静脈(分枝静脈またはBRVO)の遮断は、多くの場合、アテローム性動脈硬化症により肥厚または硬化した網膜動脈が交差し、網膜静脈に圧力をかける場所で起こる。網膜静脈閉塞の症状は、片側の眼の全体または一部における突然のぼやけまたは視力喪失を含み得る。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って処置される眼疾患または障害は、滲出型加齢性黄斑変性(wAMD)としても公知の、脈絡膜新生血管(CNV)である。脈絡膜新生血管は、ブルッフ膜の破断によって脈絡膜から生じる新たな血管の、網膜色素上皮下(sub-RPE)または網膜下腔への成長を伴うことがあり、失明の主な原因であり得る。CNVは、数週間以内に顕著な、突然の中心視力悪化を生じさせ得る。他の症状としては、色覚障害および変視症(直線が波うって見える歪み)を挙げることができる。新たな血管の出血は、CNVの症状の開始を加速し得る。CNVは、眼の奥の圧迫感も含み得る。
進行した「滲出型」形態(新生血管性または滲出性)のAMDは、あまり見られないが、患者における中心視力の急速かつ多くの場合大幅な低下を引き起こし得ることが多い。滲出型形態のAMDの場合、脈絡膜新生血管が形成され、発達して、網膜色素上皮の下でそしてそれを通り抜けて成長し得る血管網になる。これは、網膜下腔への血漿の漏出および/または出血を伴うので、黄斑において起こった場合、突然の重度の中心視力の低下が起こる可能性がある。用語「AMD」は、他に指定がなければ、萎縮型AMDまたは滲出型AMDのいずれかであり得る。本開示は、AMD、滲出型AMDおよび/または萎縮型AMDの処置または防止を企図している。一部の実施形態では、本明細書で開示の方法および医薬組成物は、AMDを処置するために使用される。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/またはアフリベルセプトでの処置に対して応答性である眼疾患または障害を防止または処置するために使用される。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/またはアフリベルセプトでの先行処置を受けた被験体における眼疾患または障害を防止または処置するために使用される。
一部の実施形態では、本明細書で開示される方法および医薬組成物、すなわち、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)を含むAAV遺伝子治療は、カラー眼底撮影に従ってCNV形成後にグレードIV病変のパーセンテージにより測定した場合、ビヒクルまたは緩衝液対照と比較して、新生血管またはCNVの少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも100%低減をもたらす。
一部の実施形態では、本明細書で開示される方法および医薬組成物、すなわち、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)を含むAAV遺伝子治療は、カラー眼底撮影に従ってCNV形成後にグレードIV病変のパーセンテージにより測定した場合、例えば、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)とまたは遺伝子療法に基づかない抗VEGF剤と同等である、新生血管またはCNVの低減をもたらす。一部の実施形態では、CNVの低減、または治療効果は、遺伝子治療に基づかない抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)、または抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)のタンパク質溶液での投与と比較して、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)を含む遺伝子治療の投与でのほうが長く続く。一部の実施形態では、抗VEGF遺伝子治療(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)の治療効果は、単回硝子体内注射後に少なくとも1年、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10年またはそれより長い年数にわたって続く。一部の実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、内在性VEGFおよび/またはPIGFを阻害または隔離する。
医薬組成物
抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)をコードする核酸配列を含む1つまたは複数の活性成分、例えばAAV2.7m8ベクターと、1つまたは複数の賦形剤、担体、安定剤または増量剤とを含む医薬組成物(例えば、医薬製剤)が、本明細書で提供される。医薬組成物は、所望の治療または予防効果を達成するための硝子体内(IVT)注射によるヒト患者への投与に好適である。
一部の実施形態では、例えば、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)をコードする核酸配列を含むAAV2.7m8ベクターを含む医薬組成物は、再構成された均質な溶液として供給される。一部の実施形態では、溶液は、懸濁物である。一部の実施形態では、溶液は、等張性である。他の実施形態では、例えば、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)をコードする核酸配列を含むAAV2.7m8ベクターを含む医薬組成物は、凍結乾燥形態で供給され、患者への投与の前に再構成される。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)をコードするrAAV(例えば、AAV2.7m8)を含む凍結乾燥医薬組成物を、被験体への投与の前に緩衝液で再構成する、緩衝液に溶解または可溶化するステップをさらに含む。一部の実施形態では、そのような凍結乾燥医薬組成物は、次のうちの1つまたは複数を含む:抗凍結剤、界面活性剤、塩、安定剤、またはこれらの任意の組合せ。
一部の実施形態では、医薬組成物は、均質溶液である。一部の実施形態では、均質溶液は、充填済み注射器に入れて供給される。一部の実施形態では、医薬組成物は、懸濁物として供給される。一部の実施形態では、懸濁物は、溶液である。一部の実施形態では、懸濁物は、冷蔵される。一部の実施形態では、本明細書で提供される方法は、被験体に医薬を(例えば、IVT注射によって)投与する前に、確実に活性成分を溶液に溶解するおよび/または均一に分布させるために、冷蔵懸濁物を室温に加温するおよび/または懸濁物を撹拌するステップをさらに含む。一部の実施形態では、懸濁物は、被験体への(例えば、IVT注射による)投与の前に希釈される。一部の実施形態では、懸濁物は、充填済み注射器として供給される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、冷蔵懸濁物として提供される。一部の実施形態では、懸濁物は、薬学的に許容される賦形剤、例えば、界面活性剤、グリセロール、非イオン性界面活性剤、緩衝液、グリコール、塩、およびこれらの任意の組合せを含む。一部の実施形態では、塩酸および水酸化ナトリウムが、溶液のpHを調整するために使用される。一部の実施形態では、冷蔵懸濁物は、中性pHであり、または約6.5~約7.5の間のpHである。一部の実施形態では、冷蔵懸濁物のpHは、やや塩基性である(例えば、約7.5、8、8.2、8.4、8.5または9(これらの値の間の任意の範囲を含む)のうちのいずれか1つのpHを有する)。一部の実施形態では、懸濁物または溶液のpHは、やや酸性である(例えば、約6.5、6.3、6.1、6、5.5または5(これらの値の間の任意の範囲を含む)のpHを有する)。一部の実施形態では、懸濁物は、溶液である。一部の実施形態では、懸濁物は、ミセルを含む。一部の実施形態では、懸濁物は、被験体への(例えば、IVT注射による)投与の前に、撹拌される、および/または室温に加温される。
本明細書に記載される少なくとも1つの医薬組成物を含むキットも本明細書で提供される。一部の実施形態では、キットは、本明細書で開示される凍結乾燥またはフリーズドライ医薬組成物(例えば、バイアル内に1単位用量)と、凍結乾燥医薬組成物を溶解、希釈および/または再構成するための溶液とを含む。一部の実施形態では、再構成または希釈のための溶液は、充填済み注射器として供給される。一部の実施形態では、キットは、rAAV(例えば、AAV2.7m8)を含むフリーズドライまたは凍結乾燥医薬組成物と、医薬組成物を所望の濃度または体積に再構成するための溶液とを含む。一部の実施形態では、キットは、本明細書で開示される医薬組成物の再構成時に凝集を防止するのに役立つ緩衝液を含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、充填済み注射器に入れて提供される。一部の実施形態では、キットは、室の一方に医薬組成物を溶解または希釈するための緩衝液を含有する、二室式注射器または容器を含む。一部の実施形態では、キットは、注射のための注射器を含む。一部の実施形態では、再構成溶液は、投与の前に濾過される。一部の実施形態では、キットは、患者への投与の前に再構成医薬組成物を濾過するためのフィルターまたはフィルターシリンジを含む。
一部の実施形態では、保管安定性および取り扱いの適便性のために、rAAV(例えば、AAV2.7m8)と、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)をコードする核酸配列とを含む医薬組成物は、被験体への投与の前に食塩水、緩衝液または水で再構成される凍結乾燥、フリーズドライまたは真空乾燥粉末として製剤化される。あるいは、医薬組成物は、水溶液、例えば、懸濁物または均質溶液として製剤化される。医薬組成物は、アフリベルセプトをコードする核酸配列を含むrAAV粒子を含有することができる。一部の実施形態では、抗VEGF剤(例えば、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、ラニビズマブおよび/もしくはアフリベルセプト、またはその機能的断片もしくはバリアント)をコードする核酸配列を送達するために、異なるウイルスまたは送達系、例えば、ナノ粒子、または脂質に基づく複合体が使用される。様々な賦形剤、例えば、リン酸、PBSもしくはTris緩衝液、グリコール、グリセロール、食塩水、界面活性剤(例えば、プルロニック(登録商標)もしくはポリソルベート)、またはこれらの任意の組合せを使用して、医薬組成物を安定化させることができる。加えて、アルコールなどの抗凍結剤を、凍結乾燥の凍結または乾燥条件下での安定剤として使用することができる。一部の実施形態では、遺伝子治療は、懸濁物または冷蔵懸濁物として提供される。
一部の実施形態では、本明細書で開示の抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)遺伝子治療を構成する凍結乾燥医薬組成物の懸濁物または再構成形態は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000μLの体積を有する。一部の実施形態では、本明細書で開示の抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)遺伝子治療を含む医薬組成物の懸濁物は、0.1~0.5mLの間、0.1~0.2mLの間、0.3~0.5mLの間、0.5~1.0mLの間、0.5~0.7mLの間、0.6~0.8mLの間、0.8~1mLの間、0.9~1.1mLの間、1.0~1.2mLの間、または1.0~1.5mLの間の体積を有する。他の実施形態では、体積は、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5mL以下である。
一部の実施形態では、本明細書で開示される医薬組成物は、硝子体内または網膜下注射による霊長類(例えば、非ヒト霊長類およびヒト被験体)への投与のために設計される、操作される、またはそのような投与に適応する。一部の実施形態では、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする核酸配列を含むrAAV粒子を含む医薬組成物は、被験体の眼への硝子体内注射のために製剤化される。一部の実施形態では、医薬組成物は、多くとも約または多くとも2、2.5、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200μLの体積の硝子体内注射を可能にする濃度に製剤化または再構成される。一部の実施形態では、医薬組成物の単位用量は、多くとも約または多くとも2、2.5、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190または200μLの体積を含む。一部の実施形態では、本明細書で開示される処置の方法は、rAAV(例えば、AAV2.7m8)と、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードする核酸配列とを含む、約2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150μLの体積の溶液の硝子体内注射を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)導入遺伝子の核酸配列を含むAAV2.7m8粒子は、遺伝子治療用医薬組成物の成分である。一部の実施形態では、本明細書に記載の7m8バリアントカプシドタンパク質を含む、任意の血清型のrAAV粒子は、フリーズドライもしくは凍結乾燥医薬組成物またはその懸濁物を作製するために使用される。一部の実施形態では、遺伝子治療は、冷蔵懸濁物として製剤化される。一部の実施形態では、rAAV粒子は、rAAV2である。一部の実施形態では、凍結乾燥医薬組成物または医薬組成物の懸濁物は、7m8バリアントカプシドタンパク質と抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)をコードするDNA配列とを有するrAAV2を含む。一部の実施形態では、懸濁物は、冷蔵される。
一部の実施形態では、医薬組成物は、異常な(例えば、過剰な)血管新生または新生血管を特徴とする眼疾患または障害の処置のためにIVT注射によって被験体(例えば、ヒトまたは非ヒト霊長類)に投与される単位用量(例えば、治療有効用量)である。一部の実施形態では、医薬組成物は、本明細書中の他の箇所でさらに詳細に説明されるような単位用量(例えば、治療有効用量)を含む。一部の実施形態では、被験体に投与されるウイルスベクター(例えば、本明細書で開示されるrAAVベクター)の単位用量(例えば、治療有効用量)の体積は、約50、40、30、20、10または5μLのうちのいずれか1つ以下である(これらの値の間の任意の範囲を含む)。被験体に投与される単位用量の体積を最小にすることは、眼圧の変化およびIVT注射に関連する他の有害作用(例えば、眼内圧上昇、炎症、刺激または疼痛)を除去または軽減することができる。
眼への使用に好適な医薬組成物は、滅菌水溶液または水性分散物、および無菌注射用溶液、懸濁剤または分散物の即時調製用の無菌粉末を含む。硝子体内投与に好適な担体は、生理食塩水、静菌水、リン酸緩衝食塩水(PBS)、および/または等張剤、例えばグリセロールを含む。全ての実施形態における医薬組成物は、無菌でなければならず、容易に注射可能または注入可能である程度に流動性でなければならない。医薬組成物は、製造および保管条件下で安定していなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。一部の実施形態では、医薬組成物は、等張剤、例えば、塩またはグリセロールを含むことがある。一部の実施形態では、凝集を防止するために界面活性剤または安定剤が医薬組成物に添加される。
一部の実施形態では、賦形剤は、担体である。担体は、例えば水、食塩水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール、ならびにこれらに類するもの)ならびにこれらのあらゆる組合せを含有する、溶媒または分散媒である。例えば、レシチンなどのコーティング剤の使用により、分散物の場合には必要粒径の維持により、ならびに界面活性剤、例えば、ポリソルベート(例えば、Tween(登録商標)、ポリソルベート20、ポリソルベート80)、ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、ラウリルジメチルアミンオキシド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ポリエトキシ化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、オクトキシノール(Triton X100(商標))、N,N-ジメチルドデシルアミン-N-オキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HTAB)、ポリオキシル10ラウリルエーテル、Brij721(商標)、胆汁酸塩(デオキシコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム)、プルロニック(登録商標)酸(F-68、F-127)、ポリオキシルヒマシ油(Cremophor(商標))、ノニルフェノールエトキシレート(Tergitol(商標))、シクロデキストリンおよびエチルベンゼトニウムクロリド(Hyamine(商標))の使用により、適切な流動性を維持することができる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、クレゾール、チメロサールおよびこれらに類するものにより達成することができる。多くの実施形態では、等張剤、例えば、糖、多価アルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物に含めることが好ましいであろう。内部の組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン、を組成物に含めることにより、もたらすことができる。一部の実施形態では、医薬担体は、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ポリソルベート、およびスクロースを含む。一部の実施形態では、医薬組成物は、界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート、ポロキサマーまたはプルロニック(登録商標)を含む。一部の実施形態では、非イオン性界面活性剤の添加は、医薬組成物における凝集を低減させる。
製造物品およびキット
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法に従って使用するための本明細書で開示される1つまたは複数の医薬組成物を含むキットが提供される。一部の実施形態では、キットは、組換えウイルスベクター(例えば、抗VEGF剤(例えば、アフリベルセプト)の核酸配列を含むrAAVまたはrAAV2.7m8)を含む。一部の態様では、キットは、凍結乾燥形態の医薬組成物と、被験体への投与の前にその医薬組成物を再構成するための溶液とを含む。一部の実施形態では、キットは、本明細書で提供される組換えウイルスと、本明細書中の他の箇所に記載される方法のいずれか1つに従って、医薬組成物のある単位用量を第1の時点で被験体の第1の眼に硝子体内(IVT)注射によって投与するためのおよび医薬組成物の第2の単位用量を第2の時点で被験体の対側眼にIVT注射によって投与するための指示とを含む。
一部の実施形態では、キットは、医薬組成物を投与するための薬学的に許容される賦形剤、緩衝液、溶液などを含む。一部の実施形態では、キットは、好適な操作パラメーターについての指示をラベルまたは別の添付物の形態でさらに含む。例えば、キットは、医薬組成物の単位用量(例えば、治療有効用量)を調製するためのおよび/または凍結乾燥組成物を再構成するための情報を医師または研究技術者に提供する標準的な指示を有することができる。一部の実施形態では、キットは、投与用のデバイス、例えば、注射器、フィルターニードル、延長チューブ、カニューレ、または医薬組成物の硝子体内注射を容易にするための他の器具をさらに含む。
一部の実施形態では、キットは、懸濁物もしくは冷蔵懸濁物の形態の医薬組成物、および注射器、および/または希釈用の緩衝液を含む。一部の実施形態では、キットは、懸濁物または冷蔵懸濁物を含む充填済み注射器を含む。
以下の説明は、当業者が様々な実施形態を作製および使用できるようにするために提示される。具体的なデバイス、技法および応用の説明は、単に例として提供される。本明細書に記載される実施例の様々な修飾形態が当業者にはすぐに分かるであろうし、本明細書で定義される一般的原理を、様々な実施形態の趣旨および範囲を逸脱することなく他の実施例および応用に適用することもできる。したがって、様々な実施形態は、本明細書に記載されるおよび示される実施例に限定されるように意図されたものではなく、特許請求の範囲と整合する範囲が与えられることになる。
(実施例1:非ヒト霊長類における対側眼へのAAV2.7m8-アフリベルセプト遺伝子治療の逐次的硝子体内投与)
標的網膜細胞に効率的に形質導入するAAVベクター(例えば、AAV2.7m8)の能力は、様々な網膜疾患を処置するために、光受容細胞、網膜色素上皮および網膜内層に治療用遺伝子をうまく移入するために活用されている。硝子体内(IVT)AAV投与は、安全かつ適便な網膜送達方法であるが、ベクターカプシドに対する中和抗体(nAb)は網膜下注射後よりもIVT注射後に生成される可能性が高いことが示唆されている。滲出型加齢性黄斑変性(wAMD)などの、ある特定の眼疾患が、個体の眼の両方に発症し得ることを考えると、第1の眼へのAAVのIVT投与後に生成されるnAbは、例えば個体の対側眼への、治療用遺伝子移入の効率を低下させる可能性があり、有効なベクター再投与を妨げる可能性があるという懸念がある。
下記の実験は、非ヒト霊長類(すなわち、St.Kittsアフリカミドリザル)の片側の眼におけるAAV2.7m8-アフリベルセプトの先行曝露の、対側眼における同じAAVベクターの形質導入有効性に対する効果を評価するために行なった。AAV2.7m8-アフリベルセプトは、アフリベルセプトのコード配列を保有する、組換え、複製欠損アデノ随伴ウイルス(AAV.7m8)ベクターである。
手短に述べると、サル4匹を研究に選択した。研究開始前に、各サルを検査し、正常な細隙灯および眼底検査、カラー眼底写真(CFP)、ならびに光干渉断層撮影(OCT)を有すると決定した。加えて、各サルは、研究前のHEK293T細胞に基づくin vitroアッセイでAAV.7m8中和抗体(nAb)力価が陰性であると判明した。0日目に、サル3匹の右眼(すなわち、OD)に硝子体内注射(IVT)によって2E12vg AAV2.7m8-アフリベルセプトを投与し、サル1匹の両眼(すなわち、OU)にビヒクルを投与した。ヒトの眼の体積は、アフリカミドリザルの眼の体積のおおよそ2倍である。したがって、サルに投与した用量(2E12vg/眼)は、体積:体積ベースで4E12vg/眼に相当する。59日目に、AAV2.7m8-アフリベルセプトODを施したサル3匹の左眼(すなわち、OS)に2E12vg AAV2.7m8-アフリベルセプトをIVT投与した。下記の表Aを参照されたい。
表A:対側眼内へのAAV2.7m8-アフリベルセプトの時間をずらした投薬
硝子体液および房水試料を、研究の28、56、84、112、140、168、196および224日目にサル4匹の各々から採取し、ELISAによってアフリベルセプト発現について評価した。血清試料を並行して収集し、HEK293T細胞に基づくin vitroアッセイを使用して7m8カプシドと反応する中和抗体(nAb)の存在について評価した。硝子体液および血漿のベースライン試料を研究の前に採取した。様々な眼組織におけるアフリベルセプト発現を、研究終了時(すなわち、264日目)、死後にELISAによって決定した。
研究0日目にAAV2.7m8-アフリベルセプトを施したサル3匹の右眼の硝子体液および房水における平均アフリベルセプト発現の時間経過を図1Aに示す。アフリベルセプトのこれらの発現レベルは、同じ用量についての過去のデータと一致する。図1Bは、研究59日目にAAV2.7m8-アフリベルセプトを施したサル3匹の左眼(すなわち、後で投薬した眼)の硝子体液および房水における平均アフリベルセプト発現の時間経過を示す。左眼(後の用量のAAV2.7m8-アフリベルセプトを施した)におけるアフリベルセプト発現レベルは、IVT後の同等の時点で右眼における発現レベルの約3分の1であった。左眼におけるこのような発現レベルは、脈絡膜新生血管の非ヒト霊長類モデルにおいて治療レベルのアフリベルセプトをもたらすことが示されている範囲内である。図1Aは、図2A(硝子体液)および2B(房水)に示されている3つの発現レベルの平均値を表す。図1Bは、図3A(硝子体液)および3B(房水)に示されている3つの発現レベルの平均値を表す。
図4は、研究終了時(すなわち、264日目)の各サルの各眼内の網膜、脈絡膜および虹彩/毛様体におけるアフリベルセプトの発現レベルを示す。一般に、アフリベルセプトの発現は、網膜において最も高かった。アフリベルセプト発現は、AAV2.7m8-アフリベルセプトをIVTによって投与した各サルの第1の眼(すなわち、OD)においてより高いことが判明した。
AAV2.7m8-アフリベルセプトを投与したサル3匹の血清と硝子体液の両方においてIVT AAV2.7m8後のnAbが増加した。図5Aおよび5Bを参照されたい。より大きいnAb応答が、後で注射した眼(すなわち、OS)で観察された。血清nAbレベルは、想起免疫応答と一致して、各サルにおいて第2の眼への注射の約1カ月後(すなわち、約84日目)にピークに達した。下の表Bは、図5Aおよび5Bに示されているデータの定性的概要を提供する。
表B:様々な時点での血清および硝子体試料における
抗AAV2.7m8免疫グロブリン(IgG)の存在
軽度の炎症が両眼で観察され(データを示さない)、第2の注射は、おそらく想起免疫応答に起因してより早期の発症をもたらした。眼の健康パラメーターをHackett-McDonald刺激および炎症スコアリングシステムによりスコア化した(例えば、Hackett, R. B. and McDonald, T. O. “Eye Irritation” in Dermatotoxicology, 4th edition, Marzulli, F. N. and Maibach, H. I. editors, Hemisphere Publishing Corp., Washington D.C. (1991)を参照されたい)。図7は、検出された炎症性角膜後面沈着物(「KP」)、硝子体細胞浸潤物、硝子体混濁、および房水細胞浸潤物のレベルを示すものであり、IVT注射後に前房フレアは検出されなかった。(図7中の点線を伴う矢印は、注射の時点を示す)。眼の細隙灯検査中に硝子体混濁は、ほとんど乃至は全く検出されなかった。手短に述べると、前房フレアは、光線が前房を通過する際の光線が異常に見える状態である。このフレアは、眼房水中のタンパク質から反射される光に起因し、典型的には前房に炎症がある場合に見られる。房水および硝子体細胞浸潤物は、一般に、一過性かつ自己分解性であった。図7に概要が示されている眼科的効果は、AAV2.7m8の両側IVT投与が、良好な耐容性を示し、重篤な有害作用がなかったことを示す。
網膜体積の増加および/または網膜の肥厚は浮腫を示し、その一方で、網膜の菲薄化は網膜細胞の喪失を示す。両側IVT投与を施したサルの網膜厚および網膜体積を光干渉断層撮影(OCT)によって評価した。図8に示されているように、AAV2.7m8で処置したサルでは右眼(第1のIVT注射を施した)と左眼(後でIVT注射を施した)の網膜厚にも網膜体積にも差がほとんど乃至は全くなかった。さらに、AAV2.7m8の両側IVT投薬を施したサルの網膜厚にも網膜体積にも、ビヒクルを施したサルと比較して、差がほとんど乃至は全くなかった。
網膜組織切片をヘマトキシリン(核酸を染色する)およびエオシン(タンパク質を染色する)で染色して網膜の形態を評価し、細胞死が起こったかどうか、および/または免疫細胞が網膜に浸潤したかどうかを決定した。図9および下の表Cは、病変および血管周囲への浸潤物が最少であったことを示す。図9は、AAV2.7m8の両側IVT投与が、サルの左(すなわち、後で投薬した)眼において強い免疫応答を惹起しなかったことも示す。
表C:網膜組織の病理組織学評価
病理組織学スコア化スケール:NVL=目に見える病変なし、グレード1=最少、グレード2=軽度、グレード3=中等度、グレード4=顕著、グレード5=重度。
上で論じたデータは、片側の眼内へのAAV2.7m8カプシドのIVT投与後の免疫の発生が、対側眼内への逐次投薬後の形質導入を完全に遮断しないことを実証した。両眼へのAAV2.7m8-アフリベルセプトの時間をずらしたIVT投薬は、良好な耐容性を示し、血管周囲への浸潤物は最少であり、炎症は軽度であった。
明確な理解のために実例および実施例によって本開示をある程度詳細に説明したが、これらの説明および実施例を、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきでない。本明細書に引用した全ての特許および科学文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に明確に組み込まれる。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
被験体における眼疾患または障害を処置する方法であって、
(i)医薬組成物の第1の単位用量を第1の時点で前記被験体の第1の眼に硝子体内(IVT)注射によって投与するステップ、および
(ii)前記医薬組成物の第2の単位用量を第2の時点で前記被験体の対側眼にIVT注射によって投与するステップ
を含み、
前記医薬組成物が、
(a)抗血管内皮増殖因子(VEGF)剤をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子であって、IVT注射後に網膜細胞に感染することができるrAAV粒子と、
(b)薬学的に許容される賦形剤と
を含む、方法。
(項目2)
前記第1の時点の後かつ前記第2の時点の前の前記被験体からの試料において前記rAAVに対する中和抗体のレベルを測定するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の時点の後かつ前記第2の時点の前の前記被験体からの試料において前記抗血管内皮増殖因子(VEGF)剤をコードする前記核酸の発現レベルを測定するステップをさらに含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間間隔が、少なくとも約2週間である、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間間隔が、少なくとも約4週間または約1カ月である、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間間隔が、少なくとも約6週間である、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記第1の時点と前記第2の時点との間の時間間隔が、少なくとも約8週間である、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記第1の単位用量および前記第2の単位用量の各々が、約1E9~約3E13の間のベクターゲノムを含む、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記第1の単位用量および前記第2の単位用量の各々が、約1E10~約3E12の間のベクターゲノムを含む、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
前記第1の単位用量および前記第2の単位用量の各々が、1E11~1E13の間のベクターゲノムを含む、項目1から8のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記第1の単位用量および前記第2の単位用量の各々が、2E11~6E12の間のベクターゲノムを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記第2の単位用量が、前記第1の単位用量より多い、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記第2の単位用量が、前記第1の単位用量の少なくとも約300%である、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記第2の単位用量が、前記第1の単位用量の約300%~約1000%の間である、項目12または13に記載の方法。
(項目15)
前記第1の単位用量が、約6E10ベクターゲノムを含み、前記第2の単位用量が、約1.8E11~約6E11の間のベクターゲノムを含む、項目12から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記第1の単位用量が、約6E11ベクターゲノムを含み、前記第2の単位用量が、約1.8E12~約6E12の間のベクターゲノムを含む、項目12から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記第1の単位用量が、約2E11ベクターゲノムを含み、前記第2の単位用量が、約6E11~約2E12の間のベクターゲノムを含む、項目12から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記第1の単位用量が、約2E12ベクターゲノムを含み、前記第2の単位用量が、約6E12~約2E13の間のベクターゲノムを含む、項目12から14のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記第1の単位用量および前記第2の単位用量の体積が、各々、約100μL以下である、項目1から18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記第1の単位用量および前記第2の単位用量の体積が、各々、約50μL以下である、項目17に記載の方法。
(項目21)
被験体における眼疾患または障害を処置する方法あって、
医薬組成物の単位用量を前記被験体の片側の眼に硝子体内(IVT)注射によって投与するステップを含み、
前記医薬組成物が、
(a)抗血管内皮増殖因子(VEGF)剤をコードする核酸を含む組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子であって、IVT注射後に網膜細胞に感染することができるrAAV粒子と、
(b)薬学的に許容される賦形剤と
を含み、
前記被験体が、IVT注射による対側眼への前記医薬組成物の先行単位用量の投与を受けたものである、方法。
(項目22)
前記対側眼への前記先行単位用量の投与後かつ前記片側の眼への前記単位用量の投与前の前記被験体からの試料において前記rAAVに対する中和抗体のレベルを測定するステップをさらに含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記対側眼への前記先行単位用量の投与後かつ前記片側の眼への前記単位用量の投与前の前記被験体からの試料において前記抗血管内皮増殖因子(VEGF)剤をコードする前記核酸の発現レベルを測定するステップをさらに含む、項目21または22に記載の方法。
(項目24)
前記単位用量が、1E9~3E13の間のベクターゲノムを含む、項目21から23のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記単位用量が、1E10~3E12の間のベクターゲノムを含む、項目21から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記単位用量が、1E11~1E13の間のベクターゲノムを含む、項目21から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記単位用量が、2E11~6E12の間のベクターゲノムを含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記先行単位用量が、1E9~3E13の間のベクターゲノムを含んでいた、項目21から27のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
前記先行単位用量が、1E10~3E12の間のベクターゲノムを含んでいた、項目21から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
前記先行単位用量が、1E11~1E13の間のベクターゲノムを含んでいた、項目21から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記先行単位用量が、2E11~6E12の間のベクターゲノムを含んでいた、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記片側の眼に投与される前記単位用量が、前記対側眼に投与された前記先行単位用量より多い、項目21から29のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記単位用量が、前記先行単位用量の少なくとも約300%である、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記単位用量が、前記先行単位用量の約300%~約1000%の間である、項目32または33に記載の方法。
(項目35)
前記先行単位用量は、約6E10ベクターゲノムを含んでいたが、前記単位用量は、約1.8E11~約6E11の間のベクターゲノムを含む、項目32から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記先行単位用量は、約6E11ベクターゲノムを含んでいたが、前記単位用量は、約1.8E12~約6E12の間のベクターゲノムを含む、項目32から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記先行単位用量は、約2E11ベクターゲノムを含んでいたが、前記単位用量は、約6E11~約2E12の間のベクターゲノムを含む、項目32から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記先行単位用量は、約2E12ベクターゲノムを含んでいたが、前記単位用量は、約6E12~約2E13の間のベクターゲノムを含む、項目32から34のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記先行単位用量の投与と前記単位用量の投与との間の時間間隔が、少なくとも約2週間である、項目21から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記先行単位用量の投与と前記単位用量の投与との間の時間間隔が、少なくとも約4週間または約1カ月である、項目21から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記先行単位用量の投与と前記単位用量の投与との間の時間間隔が、少なくとも約6週間である、項目21から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記先行単位用量の投与と前記単位用量の投与との間の時間間隔が、少なくとも約8週間または約2カ月である、項目21から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記rAAV粒子が、対応する親AAVカプシドタンパク質と比較してペプチド挿入を含むバリアントカプシドタンパク質を含み、前記ペプチド挿入が、LALGETTRPA(配列番号1);LANETITRPA(配列番号2)、LAKAGQANNA(配列番号3)、LAKDPKTTNA(配列番号4)、KDTDTTR(配列番号5)、RAGGSVG(配列番号6)、AVDTTKF(配列番号7)、STGKVPN(配列番号8)、LAKDTDTTRA(配列番号9)、LARAGGSVGA(配列番号10)、LAAVDTTKFA(配列番号11)、およびLASTGKVPNA(配列番号12)から選択されるアミノ酸配列を有し、挿入部位が、AAV2のVP1のアミノ酸570および611に対応するアミノ酸の間の位置におけるまたは別のAAV血清型のカプシドタンパク質中の対応する位置における2つの隣接アミノ酸間に位置する、項目1から42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記rAAV粒子が、配列番号13の587位と588位の間に挿入されたアミノ酸配列LALGETTRPA(配列番号1)を含むバリアントカプシドタンパク質を含むrAAV2粒子である、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記バリアントカプシドタンパク質が、配列番号46のアミノ酸配列を含む、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記rAAV粒子が、改変配列を含むバリアントカプシドタンパク質を含み、前記改変配列が、親AAVカプシドタンパク質と比較してアミノ酸残基570~579内に1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、前記改変配列が、HKFKSGD(配列番号37)を含み、アミノ酸残基番号付けは、AAV5 VP1カプシドタンパク質に対応する、項目1から42のいずれか一項に記載の方法。
(項目47)
前記親AAVカプシドタンパク質が、AAV5カプシドタンパク質であるかまたはAAV5とAAV2のハイブリッドカプシドタンパク質である、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記親AAVカプシドタンパク質が、AAV2.5Tカプシドタンパク質である、項目46または47に記載の方法。
(項目49)
前記親AAVカプシドタンパク質が、AAV2.5T VP1カプシドタンパク質である、項目46から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記改変配列が、LAHKFKSGDA(配列番号39)を含む、項目46から49のいずれか一項に記載の方法。
(項目51)
前記バリアントAAVカプシドタンパク質が、配列番号40または配列番号41に記載のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の相同性を有するカプシド配列を含む、項目46から50のいずれか一項に記載の方法。
(項目52)
前記バリアントAAVカプシドタンパク質が、配列番号42または配列番号43に記載のカプシド配列を含む、項目46から51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記抗VEGF剤が、ベバシズマブ、ブロルシズマブ、またはラニビズマブである、項目1から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記抗VEGF剤が、アフリベルセプトに対して少なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドである、項目1から53のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記抗VEGF剤が、アフリベルセプトである、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記網膜細胞が、光受容細胞、網膜神経節細胞、ミュラー細胞、双極細胞、アマクリン細胞、水平細胞、または網膜色素性上皮細胞である、項目1から55のいずれか一項に記載の方法。
(項目57)
前記眼疾患または障害が、脈絡膜新生血管、滲出型加齢性黄斑変性(wAMD)、網膜静脈閉塞後の黄斑浮腫、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、またはDMEを伴う糖尿病性網膜症である、項目1から56のいずれか一項に記載の方法。
(項目58)
前記眼疾患または障害が、脈絡膜新生血管または滲出型AMDである、項目57に記載の方法。
(項目59)
前記被験体が、ヒトである、項目1から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目60)
前記被験体は、抗VEGF剤の投与に対して応答性であり、前記抗VEGF剤がポリペプチドである、項目1から58のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
前記抗VEGF剤が、アフリベルセプトである、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記被験体が、抗VEGF剤での前記眼疾患または障害の先行処置を受けた、項目1から61のいずれか一項に記載の方法。
(項目63)
前記抗VEGF剤が、アフリベルセプトであった、項目62に記載の方法。