JP7600914B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサに関する。
ガスセンサは、内燃機関の排気管に配置され、排気管を流れる排ガスを検出対象ガスとして、検出対象ガスに含まれる酸素、特定ガス等の濃度を求めるよう構成される。また、ガスセンサは、排ガスに基づく内燃機関の空燃比を求めるよう構成される。ガスセンサには、電極導体が設けられた板形状の固体電解質体と、ヒータ導体が設けられた絶縁体とが積層された積層タイプのセンサ素子が用いられることがある。
積層タイプのセンサ素子においては、センサ素子の外部への電極導体及びヒータ導体の配線を行うために、センサ素子の長手方向の基端部の両面に端子導体部が設けられる。また、固体電解質体における、電極導体に対向する位置、及び絶縁体における、ヒータ導体に対向する位置には、導電材料が配置される貫通穴が形成されている。そして、電極導体と端子導体部、及びヒータ導体と端子導体部とは、貫通穴(スルーホール)に配置された導電材料によって導通されている。
例えば、特許文献1のセンサ素子の製造方法、センサ素子及びガスセンサにおいては、スルーホールの内周面に絶縁性ペーストによって被覆し、絶縁性ペーストの内側に導電性ペーストを充填することが記載されている。そして、絶縁ペーストによる絶縁層によって、導電性ペーストによる導電体の絶縁が部分的に不十分になることを抑制している。
特開2016-136144号公報
センサ素子の製造時においては、センサ素子の中間体における、絶縁体を貫通する貫通穴に、溶媒を含有することによって所定の粘度を有する導電性ペーストを流し込む。そして、センサ素子の中間体を焼成するとき等には、導電性ペーストの乾燥・収縮、絶縁性ペーストと固体電解質体、絶縁体等との収縮量の差などによって、ヒータ導体における、貫通穴に対向する部位の、貫通穴の反対側に位置する表面と、絶縁体の表面との間の境界に空洞が生じることがある。
この空洞の周辺には応力が集中しやすく、応力の集中によって、絶縁体に亀裂が生じるおそれがある。そのため、絶縁体における、貫通穴に対向する部位に亀裂が生じることを防止するためには、更なる工夫が必要とされる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、絶縁体における、貫通穴に対向する部位に亀裂が生じにくくすることができるガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
固体電解質材料による固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体に設けられた、導電材料による電極導体(310)と、
前記固体電解質体の第1表面(301)及び第2表面(302)のうちの少なくとも一方に積層された、絶縁材料による絶縁体(33A,33B)と、
前記絶縁体に埋設された、導電材料によるヒータ導体(34)と、を備え、
前記絶縁体における、前記電極導体又は前記ヒータ導体に対向する位置に形成された貫通穴(331A,331B)には、前記電極導体又は前記ヒータ導体の導電材料と同一又は異なる組成の導電材料(38)が配置されており、
前記電極導体又は前記ヒータ導体における、前記貫通穴に対向する部位には、前記貫通穴の反対側に位置する表面から凹む凹部(343)が形成されており、
前記凹部には、前記絶縁体を構成する基材(332,333)同士の間に挟まれた、前記絶縁材料による絶縁層(334)の一部が、凸部(335)として膨らむ状態で充填配置されており、前記絶縁層となる前記絶縁材料の厚みは、9μm以上30μm以下である、ガスセンサ(1)にある。
本発明の他の態様は、
固体電解質材料による固体電解質体(31)と、
前記固体電解質体に設けられた、導電材料による電極導体(310)と、
前記固体電解質体の第1表面(301)及び第2表面(302)のうちの少なくとも一方に積層された、絶縁材料による絶縁体(33A,33B)と、
前記絶縁体に埋設された、導電材料によるヒータ導体(34)と、を備え、
前記絶縁体における、前記電極導体又は前記ヒータ導体に対向する位置に形成された貫通穴(331A,331B)には、前記電極導体又は前記ヒータ導体の導電材料と同一又は異なる組成の導電材料(38)が配置されており、
前記電極導体又は前記ヒータ導体における、前記貫通穴に対向する部位には、前記電極導体もしくは前記ヒータ導体を貫通する貫通凹部(344)が形成されており、
前記貫通凹部には、前記絶縁体を構成する基材(332,333)同士の間に挟まれた、前記絶縁材料による絶縁層(334)の一部が、凸部(336)として膨らむ状態で配置されている、ガスセンサ(1)にある。
前記一態様のガスセンサにおいては、電極導体又はヒータ導体における、絶縁体の貫通穴に対向する位置の形状に工夫をしている。具体的には、電極導体又はヒータ導体における、絶縁体の貫通穴に対向する部位には、貫通穴の反対側に位置する表面から凹む凹部、又は電極導体もしくはヒータ導体を貫通する貫通凹部が形成されている。この凹部又は貫通凹部は、絶縁体にヒータ導体を設けるときに形成する。
そして、凹部又は貫通凹部には、絶縁体の一部である絶縁材料が配置されている。この構成により、ガスセンサの製造時又は使用時において、センサ素子が加熱されるときに、ヒータ導体における、貫通穴に対向する部位であって貫通穴の反対側に位置する表面と、絶縁体との間の界面において応力集中が生じにくくすることができる。
それ故、前記一態様のガスセンサによれば、絶縁体における、貫通穴に対向する部位に亀裂が生じにくくすることができる。
なお、本発明の一態様において示す各構成要素のカッコ書きの符号は、実施形態における図中の符号との対応関係を示すが、各構成要素を実施形態の内容のみに限定するものではない。
図1は、実施形態1にかかる、ガスセンサを示す説明図である。 図2は、実施形態1にかかる、センサ素子を示す断面図である。 図3は、実施形態1にかかる、センサ素子を示す、図2のIII-III断面図である。 図4は、実施形態1にかかる、センサ素子を、各構成要素に分解した状態で示す斜視図である。 図5は、実施形態1にかかる、ヒータ用貫通穴の周辺を示す断面図である。 図6は、実施形態2にかかる、ヒータ用貫通穴の周辺を示す断面図である。
前述したガスセンサにかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガスセンサ1は、図1~図3に示すように、固体電解質体31、電極導体310、絶縁体33A,33B及びヒータ導体34を備える。固体電解質体31は、固体電解質材料によって構成されている。電極導体310は、導体材料によって構成され、固体電解質体31に設けられている。絶縁体33A,33Bは、絶縁材料によって構成され、固体電解質体31の第1表面301及び第2表面302に積層されている。ヒータ導体34は、導電材料によって構成され、絶縁体33Bに埋設されている。
絶縁体33Aにおける、電極導体310に対向する位置に形成された電極用貫通穴331Aには、電極導体310の導電材料と同一又は異なる組成の導電材料38が配置されている。また、絶縁体33Bにおける、ヒータ導体34に対向する位置に形成されたヒータ用貫通穴331Bには、ヒータ導体34の導電材料と同一又は異なる組成の導電材料38が配置されている。ヒータ導体34における、ヒータ用貫通穴331Bに対向する部位には、ヒータ用貫通穴331Bの反対側に位置する表面から凹む凹部343が形成されている。凹部343には、絶縁体33Bの一部である絶縁材料が配置されている。
以下に、本形態のガスセンサ1について詳説する。
(ガスセンサ1)
図1に示すように、ガスセンサ1は、車両の内燃機関(エンジン)の排気管7の取付口71に配置され、排気管7を流れる排ガスGを検出対象ガスとして、検出対象ガスにおける酸素濃度、特定ガス濃度等を検出するために用いられる。ガスセンサ1は、排ガスGにおける酸素濃度、未燃ガス濃度等に基づいて、内燃機関における空燃比を求める空燃比センサ(A/Fセンサ)として用いることができる。空燃比センサは、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が多い燃料リッチの状態から、理論空燃比と比べて空気に対する燃料の割合が少ない燃料リーンの状態まで定量的に連続して空燃比を検出することができるものである。
排気管7には、排ガスG中の有害物質を浄化するための触媒が配置されており、ガスセンサ1は、排気管7における排ガスGの流れ方向において、触媒の上流側又は下流側のいずれに配置してもよい。また、ガスセンサ1は、排ガスGを利用して内燃機関が吸入する空気の密度を高める過給機の吸入側の配管に配置してもよい。また、ガスセンサ1を配置する配管は、内燃機関から排気管7に排気される排ガスGの一部を、内燃機関の吸気管に再循環させる排気再循環機構における配管としてもよい。
(センサ素子2)
図2及び図3に示すように、固体電解質体31、電極導体310、第2絶縁体33A,33B及びヒータ導体34は、互いに積層されて、積層タイプのセンサ素子2を形成している。センサ素子2は、長尺の長方形状に形成されており、後述する素子保持材42によって保持された状態でハウジング41に保持される。
本形態の電極導体310は、固体電解質体31の第1表面301に設けられた排気電極311、固体電解質体31の第2表面302に設けられた大気電極312、並びに排気電極311及び大気電極312のそれぞれに接続された電極リード部313によって構成されている。第2絶縁体33A,33Bは、固体電解質体31の第1表面301に積層された第1絶縁体33A及び固体電解質体31の第2表面302に積層された第2絶縁体33Bによって構成されている。ヒータ導体34は、第2絶縁体33Bに埋設されている。なお、ヒータ導体34は、第1絶縁体33Aに埋設されていてもよい。
(長手方向L,積層方向D,幅方向W)
本形態において、ガスセンサ1及びセンサ素子2の長手方向Lとは、センサ素子2が長尺形状に延びる方向のことをいう。また、長手方向Lに直交し、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとが積層された方向を、積層方向Dという。また、長手方向Lと積層方向Dとに直交する方向を、幅方向Wという。また、センサ素子2の長手方向Lにおいて、排ガスGに晒される側を先端側L1といい、先端側L1の反対側を基端側L2という。
(固体電解質体31、排気電極311及び大気電極312)
図2及び図3に示すように、固体電解質体31は、所定の活性温度において、酸素イオン(O2-)の伝導性を有するものである。固体電解質体31の第1表面301には、排ガスGに晒される排気電極311が設けられており、固体電解質体31の第2表面302には、大気Aに晒される大気電極312が設けられている。排気電極311と大気電極312とは、センサ素子2の長手方向Lの、排ガスGに晒される先端側L1の部位において、固体電解質体31を介して積層方向Dに重なる位置に配置されている。
センサ素子2の長手方向Lの先端側L1の部位には、排気電極311及び大気電極312と、これらの電極311,312の間に挟まれた固体電解質体31の部分とによるセンサセル21が形成されている。本形態のセンサセル21は、空燃比センサを構成するために、センサ素子2において1つ形成されている。これ以外にも、センサセル21は、例えば、NOx(窒素酸化物)センサを構成するために、センサ素子2において複数形成されていてもよい。この場合には、複数の電極の組が使用される。
固体電解質体31は、ジルコニア系酸化物からなり、ジルコニアを主成分とし(50質量%以上含有し)、希土類金属元素又はアルカリ土類金属元素によってジルコニアの一部を置換させた安定化ジルコニア又は部分安定化ジルコニアからなる。固体電解質体31を構成するジルコニアの一部は、イットリア、スカンジア又はカルシアによって置換される。
排気電極311及び大気電極312は、酸素に対する触媒活性を示す貴金属としての白金、及び固体電解質体31との共材としてのジルコニア系酸化物を含有している。図1及び図2に示すように、排気電極311及び大気電極312には、これらの電極311,312をガスセンサ1の外部と電気接続するための電極リード部313が接続されている。電極リード部313は、センサ素子2の長手方向Lの基端側L2の部位まで引き出されている。電極リード部313の長手方向Lの基端側L2の端部であって、第1絶縁体33Aの表面には、電極リード部313に接続された端子接続部22が形成されている。
(ガス室35)
図2及び図3に示すように、固体電解質体31の第1表面301には、第1絶縁体33Aと固体電解質体31とに囲まれたガス室35が隣接して形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aの長手方向Lの先端側L1の部位において、排気電極311を収容する位置に形成されている。ガス室35は、第1絶縁体33Aと拡散抵抗部32と固体電解質体31とによって閉じられた空間部として形成されている。排気管7内を流れる排ガスGは、拡散抵抗部32を通過してガス室35内に導入される。
(拡散抵抗部32)
図2及び図3に示すように、本形態の拡散抵抗部(ガス導入部)32は、ガス室35の幅方向Wの両側に設けられている。拡散抵抗部32は、第1絶縁体33Aに形成された導入口内に、酸化アルミニウム等の金属酸化物の多孔質体を配置することによって形成されている。ガス室35に導入される排ガスGの拡散速度(流量)は、排ガスGが拡散抵抗部32における多孔質体の気孔を通過する速度が制限されることによって決定される。なお、拡散抵抗部32は、ガス室35の長手方向Lの先端側L1の部位に設けてもよい。
(大気ダクト36)
図2~図4に示すように、固体電解質体31の第2表面302には、第2絶縁体33Bと固体電解質体31とに囲まれ、大気Aが導入される大気ダクト36が隣接して形成されている。大気ダクト36は、第2絶縁体33Bにおける、大気電極312を収容する長手方向Lの部位から、センサ素子2の長手方向Lにおける基端位置まで形成されている。
(各絶縁体33A,33B)
図2~図4に示すように、第1絶縁体33Aは、ガス室35を形成するものであり、第2絶縁体33Bは、大気ダクト36を形成するとともにヒータ導体34を埋設するものである。第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bは、アルミナ(酸化アルミニウム)等の金属酸化物によって形成されている。各絶縁体33A,33Bは、排ガスG又は大気Aである気体が透過することができない緻密体として形成されている。
(ヒータ導体34)
図3及び図4に示すように、ヒータ導体34は、発熱体として構成されており、大気ダクト36を形成する第2絶縁体33B内に埋設されている。ヒータ導体34は、通電によって発熱する発熱部341と、発熱部341の、長手方向Lの基端側L2に繋がるヒータリード部342とを有する。発熱部341は、固体電解質体31と各絶縁体33A,33Bとの積層方向Dにおいて、少なくとも一部が排気電極311及び大気電極312に重なる位置に配置されている。ヒータ導体34は、導電性を有する金属材料によって構成されている。ヒータリード部342の長手方向Lの基端側L2の端部であって、ヒータリード部342に接続された端子接続部22が形成されている。
(表面保護層37)
図1に示すように、センサ素子2の長手方向Lの先端側L1の部位には、センサセル21を覆う表面保護層37が形成されている。表面保護層37は、排ガスGが通過可能な気孔を有するセラミックス材料としての、互いに結合された複数のセラミックス粒子によって構成されている。
(他のセンサ素子2の構成)
図示は省略するが、センサ素子2は、1つの固体電解質体31を有するものに限られず、複数の固体電解質体31を有するものとしてもよい。電極導体310は、複数の固体電解質体31のそれぞれに設けられる。
(ガスセンサ1の他の構成)
図1に示すように、ガスセンサ1は、センサ素子2を排気管7に配置するとともにセンサ制御装置5に電気配線するために、ハウジング41、素子保持材42、端子保持材43、接触部材431、接点端子44、先端側カバー45、基端側カバー46、ブッシュ47、リード線48等を有する。
ハウジング41は、ガスセンサ1を排気管7の取付口71に締め付けるために用いられる。ハウジング41は、素子保持材42等を介してセンサ素子2を保持する。センサ素子2は、ガラス421を介して素子保持材42に保持され、素子保持材42は、かしめ用材料422,423,424を介してハウジング41に保持されている。素子保持材42の長手方向Lの基端側L2には、接点端子44を保持する端子保持材43が連結されている。端子保持材43は、接触部材431によって基端側カバー46に支持されている。
接点端子44は、センサ素子2における、電極リード部313の基端部に繋がる端子接続部22、及びヒータリード部342の基端部に繋がる端子接続部22に接触して、電極リード部313及びヒータリード部342をリード線48に電気的に接続するものである。接点端子44は、端子保持材43内に配置された状態で、接続金具441を介してリード線48に接続されている。
図1に示すように、先端側カバー45は、ハウジング41の長手方向Lの先端側L1に設けられており、センサ素子2のセンサセル21を覆う。先端側カバー45には、センサ素子2に接触する排ガスGが流通可能なガス流通孔451が形成されている。センサ素子2のセンサセル21及び先端側カバー45は、内燃機関の排気管7内に配置される。排気管7内を流れる排ガスGの一部は、先端側カバー45のガス流通孔451から先端側カバー45内に流入する。そして、先端側カバー45内の排ガスGは、センサ素子2の表面保護層37及び拡散抵抗部32を通過して排気電極311へと導かれる。
基端側カバー46は、ハウジング41の長手方向Lの基端側L2に設けられており、ガスセンサ1の長手方向Lの基端側L2に位置する配線部を覆って、この配線部を大気A中の水等から保護するためのものである。配線部は、センサ素子2に電気的に繋がる部分としての、接点端子44、接点端子44とリード線48との接続部分(接続金具441)等によって構成される。
基端側カバー46の長手方向Lの基端側L2の部分の内周側には、複数のリード線48を保持するブッシュ47が保持されている。基端側カバー46には、ガスセンサ1の外部から大気Aを導入するための大気導入孔461が形成されている。大気導入孔461は、撥水フィルタ462によって覆われている。センサ素子2における、大気ダクト36の基端位置は、基端側カバー46内の空間に開放されており、大気Aは、大気ダクト36内の大気電極312へ導かれる。
(センサ制御装置5)
図1に示すように、ガスセンサ1におけるリード線48は、ガスセンサ1におけるガス検出の制御を行うセンサ制御装置5に電気接続されている。センサ制御装置5は、エンジンにおける燃焼運転を制御するエンジン制御装置6と連携してガスセンサ1における電気制御を行うものである。センサ制御装置5は、各種制御回路、コンピュータ等を用いて構成されている。なお、センサ制御装置5は、エンジン制御装置6内に構築してもよい。センサ制御装置5は、排気電極311と大気電極312との間に直流電圧を印加する回路511、及び排気電極311と大気電極312との間に流れる電流を検出する回路512等を用いて構成されている。
(第1絶縁体33Aの電極用貫通穴331A)
図5に示すように、第1絶縁体33Aにおける、電極導体310の電極リード部313に対向する位置に形成された電極用貫通穴331Aには、導電材料38が配置されている。第1絶縁体33Aの外側表面における、電極用貫通穴331Aに対向する部位には、導電材料による端子接続部22が設けられている。そして、電極用貫通穴331Aに配置された導電材料38によって、電極導体310の電極リード部313と端子接続部22とが電気接続されている。
排気電極311の電極リード部313に対向する電極用貫通穴331Aは、第1絶縁体33Aを積層方向Dに貫通する状態で形成されている。大気電極312の電極リード部313に対向する電極用貫通穴331Aは、第1絶縁体33A及び固体電解質体31を積層方向Dに貫通する状態で形成されている。各電極用貫通穴331Aにおける導電材料38は、各電極用貫通穴331Aを充填する状態に配置されている。
(第2絶縁体33Bのヒータ用貫通穴331B)
図5に示すように、第2絶縁体33Bにおける、ヒータ導体34の一対のヒータリード部342に対向する位置に形成された各ヒータ用貫通穴331Bには、導電材料38が配置されている。第2絶縁体33Bの外側表面における、各ヒータ用貫通穴331Bに対向する部位には、導電材料による端子接続部22がそれぞれ設けられている。そして、各ヒータ用貫通穴331Bに配置された導電材料38によって、ヒータ導体34のヒータリード部342と端子接続部22とが電気接続されている。
ヒータリード部342に対向するヒータ用貫通穴331Bは、第2絶縁体33Bを積層方向Dに貫通する状態で形成されている。ヒータ用貫通穴331Bにおける導電材料38は、ヒータ用貫通穴331Bを充填する状態に配置されている。
(凹部343)
図5に示すように、ヒータ導体34の凹部343は、ヒータ導体34のヒータリード部342における、ヒータ用貫通穴331Bに対向する部位に形成されている。本形態の凹部343は、ヒータ導体34のヒータリード部342の一部が他の部分に比べて薄くなる状態で形成されている。また、凹部343は、曲面状に凹む状態で形成されている。
(ヒータ用貫通穴331Bの周辺の構造)
図4及び図5に示すように、第2絶縁体33Bは、ヒータ導体34を間に挟み込むよう、複数枚の基材332,333が接合されることによって形成されている。本形態のヒータ導体34は、大気ダクト36を形成する内側基材332と、内側基材332の積層方向Dの外側に積層された外側基材333との間に埋設されている。ヒータ導体34は、第2絶縁体33Bを構成する外側基材333の表面に設けられている。ヒータ導体34のヒータリード部342の凹部343には、内側基材332と外側基材333との間に挟まれた、絶縁材料による絶縁層334の一部が、凸部335として膨らむ状態で配置されている。
また、本形態のヒータ導体34は、外側基材333にパターン印刷によって設けられ、内側基材332の表面に設けられた、絶縁材料としての絶縁ペーストによる絶縁層334と、外側基材333との間に挟まれている。換言すれば、絶縁層334は、内側基材332の表面と、外側基材333の表面、及び外側基材333におけるヒータ導体34の表面との間に設けられている。
ヒータリード部342の凹部343に絶縁層334による凸部335が配置されていることにより、センサ素子2の加熱時に、第2絶縁体33Bとヒータリード部342との間の境界に空洞が生じないようにすることができる。センサ素子2の加熱時には、センサ素子2を製造する際における、センサ素子2の焼成時、ヒータ導体34等への通電時等、又はガスセンサ1の使用時としてのセンサ素子2の使用時等がある。また、絶縁ペーストによる絶縁層334を用いることにより、ヒータリード部342の凹部343に絶縁材料の一部が容易に充填されるようにすることができる。
絶縁ペーストは、第2絶縁体33Bと同様の酸化アルミニウム等の絶縁材料によって構成されている。絶縁ペーストは、センサ素子2が焼成された後に絶縁体33Bを構成する。第1絶縁体33A、第2絶縁体33B、固体電解質体31等が積層されたセンサ素子2の中間体において、ヒータ導体34のヒータリード部342の凹部343には、絶縁ペーストの一部が配置される。そして、焼成後のセンサ素子2においては、絶縁ペーストが内側基材332及び外側基材333と一体化し、第2絶縁体33Bの一部がヒータリード部342の凹部343に配置された状態が形成される。
また、センサ素子2において、ヒータ導体34のヒータリード部342と導電材料38とは一体化されている。そのため、凹部343は、ヒータリード部342及び導電材料38において陥没する状態に形成されていてもよい。また、外側基材333は、2枚積層されており、ヒータ用貫通穴331Bに充填された導電材料38の一部381は、外側基材333同士の間の隙間、及び外側基材333の外側表面に浸透している。
絶縁層334の絶縁ペーストの厚みは、例えば、9μm以上30μm以下の範囲内に設定すればよい。この構成により、絶縁ペーストがヒータ導体34のヒータリード部342の凹部343に適切に充填される。また、ヒータ導体34のヒータリード部342の厚みは、例えば、10μm以上30μm以下の範囲内に設定すればよい。この構成により、ヒータリード部342の導通性を確保するとともに凹部343の形成を容易にすることができる。また、ヒータ用貫通穴331Bの大きさ(直径)は、φ200μm以上φ300μ以下とすればよい。
ヒータ導体34のヒータリード部342の凹部343は、ヒータ用貫通穴331Bに対向する中心側部位において、5μm以上の深さであって、100μm以上300μm以下の最大径に形成されている。最大径とは、最も直径が大きくなる部位の長さのことをいう。換言すれば、凹部343の最も深い部位の深さは5μm以上であり、凹部343の最大径は100μm以上300μm以下である。凹部343の平面形状は、必ずしも円形状である必要はない。
凹部343の最も深い部位の深さが5μm未満である場合には、センサ素子2の加熱時に、凹部343がさらに深くなるように空洞が大きくなり、ヒータ導体34のヒータリード部342と絶縁層334との間の界面に応力集中が生じにくくする効果が得られないおそれがある。凹部343の最も深い部位の深さは、ヒータリード部342の厚みに関わらず、5μm以上450μm以下の範囲内とする。凹部343には、グリーンシートの積層体に圧力を加えて、グリーンシート同士を圧着させることによって絶縁層334を構成する絶縁ペーストを充填させる。
凹部343の最大径が100μm以上300μm以下であることにより、ヒータ用貫通穴331Bの大きさとの関係において、凹部343を形成することが容易である。
(センサ素子2の製造方法)
以下に、センサ素子2の製造方法について説明する。
センサ素子2を製造するに当たっては、固体電解質体31のグリーンシート、第1絶縁体33A及び第2絶縁体(基材)33Bのグリーンシートを、押出成形法、ドクターブレード成形法等によって成形する。次いで、第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bのグリーンシートに、パンチング装置等によってヒータ用貫通穴331Bを形成する。次いで、固体電解質体31のグリーンシートに、パターン印刷によって電極導体310を形成する。また、第1絶縁体33Aのグリーンシートの電極用貫通穴331A及び第2絶縁体33Bのグリーンシートのヒータ用貫通穴331Bに導電材料38を充填するとともに、第2絶縁体33Bのグリーンシートに、パターン印刷によってヒータ導体34を形成する。
また、ヒータ導体34のヒータリード部342における、ヒータ用貫通穴331Bに対向する部分の表面を押圧し、ヒータリード部342の表面に凹部343を形成する。次いで、固体電解質体31のグリーンシート、第1絶縁体33A及び第2絶縁体33Bのグリーンシートを互いに積層する。このとき、第2絶縁体33Bの内側基材332を構成するグリーンシートには絶縁ペーストを設け、内側基材332と、第2絶縁体33Bの外側基材333との間に絶縁ペーストが挟まれるようにする。そして、複数のグリーンシート同士が密着するように、グリーンシートの積層体に圧力を加えて、グリーンシート同士を圧着させる。このとき、第2絶縁体33Bの内側基材332における絶縁ペーストが、絶縁層334となってヒータリード部342の凹部343に充填される。
その後、グリーンシートの積層体の焼成が行われ、センサ素子2が製造される。グリーンシートの積層体が焼成されたときには、内側基材332、外側基材333及び絶縁層334が接合されて第2絶縁体33Bとなる。
なお、ヒータリード部342の表面における凹部343は、外圧を加えるのではなく、ヒータ用貫通穴331Bに充填された導電材料38が熱収縮する際に、ヒータリード部342の一部がヒータ用貫通穴331Bに引き寄せられることによって形成されてもよい。導電材料38には溶剤が含まれている。グリーンシートの積層体が乾燥又は焼成されるときには、導電材料38における溶剤が揮発することによって凹部343が形成されてもよい。
(作用効果)
本形態のガスセンサ1においては、ヒータ導体34における、第2絶縁体33Bのヒータ用貫通穴331Bに対向する位置の形状に工夫をしている。具体的には、ヒータ導体34のヒータリード部342における、第2絶縁体33Bのヒータ用貫通穴331Bに対向する部位には、ヒータ用貫通穴331Bの反対側に位置する表面から凹む凹部343が形成されている。この凹部343は、第2絶縁体33Bのグリーンシートにヒータ導体34を設けるときに形成する。
そして、凹部343には、第2絶縁体33Bの一部である絶縁材料が配置されている。この構成により、ガスセンサ1の製造時又は使用時において、センサ素子2が加熱されるときに、ヒータ導体34における、ヒータ用貫通穴331Bに対向する部位であってヒータ用貫通穴331Bの反対側に位置する表面と、第2絶縁体33Bとの間の界面において応力集中が生じにくくすることができる。
それ故、本形態のガスセンサ1によれば、第2絶縁体33Bにおける、ヒータ用貫通穴331Bに対向する部位に亀裂が生じにくくすることができる。
また、図5の二点鎖線で示すように、ヒータ導体34のヒータリード部342における凹部343を形成する部位は、ヒータ用貫通穴331Bに充填された導電材料38の内側端面に形成された窪み383に沿って、ヒータ用貫通穴331B内に突出していてもよい。この場合には、凹部343は、ヒータリード部342の一部がヒータ用貫通穴331Bに向けて屈曲することによって形成されている。
この場合の凹部343は、ヒータ用貫通穴331Bに充填された導電材料38が熱収縮する際に、ヒータリード部342の一部がヒータ用貫通穴331Bに引き寄せられること、及び導電材料38における溶剤が揮発して導電材料38が乾燥収縮することの少なくともいずれかによって形成される。なお、センサ素子2において、ヒータ導体34のヒータリード部342と導電材料38とは一体化されている。そのため、センサ素子2において、ヒータリード部342と導電材料38とを明確に区別する必要はない。
<実施形態2>
本形態は、図6に示すように、ヒータ導体34のヒータリード部342に貫通凹部344が形成され、導電材料38がヒータ用貫通穴331Bの内周面に形成された場合を示す。ヒータ導体34のヒータリード部342の貫通凹部344には、内側基材332と外側基材333との間に挟まれた、絶縁材料による絶縁層334の一部が、凸部336として膨らむ状態で配置されている。
貫通凹部344は、ヒータリード部342を積層方向Dに貫通する穴によって形成されており、貫通凹部344における、ヒータ用貫通穴331Bの反対側に位置する表面の縁部には、テーパ状の開口部345が形成されている。導電材料38が、ヒータ用貫通穴331Bの内周面に配置されていることによって、ヒータ用貫通穴331Bの中心部に、導電材料38を貫通する貫通中心部382が形成されている。第2絶縁体33Bの絶縁層334の一部は、ヒータリード部342の貫通凹部344及びヒータ用貫通穴331Bの貫通中心部382に凸部336として配置されている。
本形態においては、ヒータリード部342に貫通凹部344が形成されていることにより、導電材料38がヒータリード部342を貫通してヒータ用貫通穴331Bに配置されるようにする。これにより、第2絶縁体33Bにおける、ヒータ用貫通穴331Bに対向する部位に亀裂が生じにくくすることができる。
本形態のガスセンサ1においても、第2絶縁体33Bの内側基材332、外側基材333、絶縁層334等の構成は、実施形態1の場合と同様である。本形態のガスセンサ1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
<その他の実施形態>
詳細は省略するが、電極導体310としての排気電極311の電極リード部313における、電極用貫通穴331Aに対向する部位に、電極用貫通穴331Aの反対側に位置する表面から凹む凹部、又は電極リード部313を貫通する貫通凹部が形成されていてもよい。この場合には、凹部又は貫通凹部には、第1絶縁体33Aの一部である絶縁材料が配置される。
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。さらに、本発明から想定される様々な構成要素の組み合わせ、形態等も本発明の技術思想に含まれる。
1 ガスセンサ
2 センサ素子
31 固体電解質体
310 電極導体
33A,33B 絶縁体
331A,331B 貫通穴
34 ヒータ導体
343 凹部
344 貫通凹部

Claims (6)

  1. 固体電解質材料による固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体に設けられた、導電材料による電極導体(310)と、
    前記固体電解質体の第1表面(301)及び第2表面(302)のうちの少なくとも一方に積層された、絶縁材料による絶縁体(33A,33B)と、
    前記絶縁体に埋設された、導電材料によるヒータ導体(34)と、を備え、
    前記絶縁体における、前記電極導体又は前記ヒータ導体に対向する位置に形成された貫通穴(331A,331B)には、前記電極導体又は前記ヒータ導体の導電材料と同一又は異なる組成の導電材料(38)が配置されており、
    前記電極導体又は前記ヒータ導体における、前記貫通穴に対向する部位には、前記貫通穴の反対側に位置する表面から凹む凹部(343)が形成されており、
    前記凹部には、前記絶縁体を構成する基材(332,333)同士の間に挟まれた、前記絶縁材料による絶縁層(334)の一部が、凸部(335)として膨らむ状態で充填配置されており、前記絶縁層となる前記絶縁材料の厚みは、9μm以上30μm以下である、ガスセンサ(1)。
  2. 前記凹部は、前記貫通穴に対向する部位の中心側部位において、5μm以上の深さであって100μm以上300μm以下の最大径に形成されている、請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記ヒータ導体は、通電によって発熱する発熱部(341)と、前記発熱部に繋がるヒータリード部(342)とによって構成されており、
    前記凹部は、前記ヒータリード部における、前記貫通穴に対向する部位に形成されている、請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記ヒータ導体における前記凹部を形成する部位は、前記貫通穴に充填された前記導電材料の内側端面に形成された窪み(383)に沿って、前記貫通穴内に突出している、請求項1~3のいずれか1項に記載のガスセンサ。
  5. 固体電解質材料による固体電解質体(31)と、
    前記固体電解質体に設けられた、導電材料による電極導体(310)と、
    前記固体電解質体の第1表面(301)及び第2表面(302)のうちの少なくとも一方に積層された、絶縁材料による絶縁体(33A,33B)と、
    前記絶縁体に埋設された、導電材料によるヒータ導体(34)と、を備え、
    前記絶縁体における、前記電極導体又は前記ヒータ導体に対向する位置に形成された貫通穴(331A,331B)には、前記電極導体又は前記ヒータ導体の導電材料と同一又は異なる組成の導電材料(38)が配置されており、
    前記電極導体又は前記ヒータ導体における、前記貫通穴に対向する部位には、前記電極導体もしくは前記ヒータ導体を貫通する貫通凹部(344)が形成されており、
    前記貫通凹部には、前記絶縁体を構成する基材(332,333)同士の間に挟まれた、前記絶縁材料による絶縁層(334)の一部が、凸部(336)として膨らむ状態で配置されている、ガスセンサ(1)。
  6. 前記ヒータ導体は、通電によって発熱する発熱部(341)と、前記発熱部に繋がるヒータリード部(342)とによって構成されており、
    前記貫通凹部は、前記ヒータリード部における、前記貫通穴に対向する部位に形成されている、請求項に記載のガスセンサ。
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