JP7600984B2 - ポリエステルエラストマー樹脂及びブロー成形品 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、複雑な形状のブロー成形における成形安定性について検討されているが、溶融粘度特性についてまでは深く検討されていない。
また特許文献2では、ブロー成形だけではなくインジェクションブロー成形、押出成形、射出成形の成形性にも優れた樹脂について検討しているが、溶融粘度のせん断速度依存性の検討はできておらず、高いせん断速度がかかる状況での外観不良(メルトフラクチャ現象)が発生すると考える。
さらに特許文献3では、グリシジル基変性のオレフィン樹脂組成物を用いて溶融粘度特性を改良しているが、ポリエステルエラストマー樹脂組成物との反応により鎖延長しており、溶融粘度のせん断速度依存性は小さいと考える。
即ち本発明は、以下の通りである。
[1] 芳香族ジカルボン酸を含む酸成分、脂肪族及び/又は脂環族ジオール、及びポリアルキレングリコールを含むアルコール成分を構成成分とするポリエステルエラストマー樹脂であり、全酸成分を100モル%、全アルコール成分を100モル%とした時、共重合成分として、1種類以上の三官能以上の成分を0~1.0モル%含み、前記ポリアルキレングリコールがブロック共重合体であり、その数平均分子量が1000~4000であり、
キャピラリーレオメータで測定した溶融粘度特性として、ポリエステルエラストマー樹脂の融点よりも20℃以上高く、かつせん断速度6080sec-1の溶融粘度が120Pa・sとなる温度において測定した、せん断速度6.08sec-1の溶融粘度が6000Pa・s以上であることを特徴とするポリエステルエラストマー樹脂。
[2] 前記ポリアルキレングリコールが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである[1]に記載のポリエステルエラストマー樹脂。
[3] 前記ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール(PEG)-ポリプロピレングリコール(PPG)-ポリエチレングリコール(PEG)の構造を有するブロック共重合体である、[1]に記載のポリエステルエラストマー樹脂。
[4] ポリエステルエラストマー樹脂に含有されるプロピレングリコール成分が、ポリエステルエラストマー樹脂中で18質量%以上である、[2]または[3]に記載のポリエステルエラストマー樹脂。
[5] 三官能以上の成分が酸成分である[1]~[4]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂。
[6] 三官能以上の成分がトリメリット酸である[1]~[5]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂。
[7] [1]~[6]のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂を含むブロー成形品。
ポリエステルエラストマー樹脂を構成する全酸成分を100モル%とした時、芳香族ジカルボン酸は70モル%以上であることが好ましく、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。
ポリエステルエラストマー樹脂を構成する酸成分として、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂環族ジカルボン酸も30モル%以下であれば使用しても良い。
ブロック共重合体として好ましくは、入手のしやすさから、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールである。より好ましくは、ポリエチレングリコール(PEG)-ポリプロピレングリコール(PPG)-ポリエチレングリコール(PEG)の構造を有するブロック共重合体である。
本発明者らは、鋭意検討する中で、次の点を見出した。メルトフラクチャ現象の発生なく、良好なブロー成形品内面の平滑性を得られるのは、キャピラリーレオメータで測定したせん断速度6080sec-1の溶融粘度(a)が120Pa・s以下の場合においてであった。したがって、せん断速度依存性が良好であるといえるのは、せん断速度6080sec-1の溶融粘度(a)が120Pa・sとなる測定温度における、せん断速度6.08sec-1の溶融粘度(b)の値が大きい場合である。一般的に、(b)が6000Pa・s以上であった場合、成形時にドローダウンが発生せず、連続的に成形可能な良好な成形性を示す。(b)は大きいほど成形性は向上し、より好ましくは(b)が8000Pa・s以上であり、さらに好ましくは9000Pa・s以上の場合である。(b)の上限は特に限定されないが、好ましくは16000Pa・s以下である。
また、溶融粘度はキャピラリーレオメータで測定するが、実際のブロー成形では成形機への負荷を考慮し、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度にて行うため、測定温度は実成形と同様に融点よりも20℃以上高い温度にて行う。
本発明のポリエステルエラストマー樹脂には、芳香族アミン系、ヒンダードフェノール系、リン系、硫黄系などの汎用の酸化防止剤を配合することが好ましい。酸化防止剤は重合の段階で配合されてもよいし、ポリエステルエラストマー樹脂が得られた後に混練押出によって配合されてもよい。
キャピラリーレオメータ(東洋精機社製F-1)を用いて、せん断速度を0.5mm/分(6.08sec-1)から500mm/分(6080sec-1)まで変化させた場合の溶融粘度の測定を行った。測定温度は、ポリエステルエラストマー樹脂の融点より20℃以上高い温度で、かつ6080sec-1のせん断速度における溶融粘度が120Pa・sとなる温度とした。(せん断速度6080sec-1の溶融粘度:溶融粘度(a)、せん断速度6.08sec-1の溶融粘度:溶融粘度(b))
なお、ノズル形状:キャピラリー直径:1.0mm、キャピラリー長さ:10mmとした。
ダイレクトブロー成型機(単軸押出し機:L/D=25、フルフライトスクリュー、スクリュー径65mm)のシリンダー温度を溶融粘度の測定温度に設定し、ダイレクトブロー成型ボトルを製造した。シリンダー先端には、パリソン形成用ダイリップを取り付け、金型内でブローエアーを封入し、ボトルを成形した。このときのパリソン保持状態にて評価した。
◎:ドローダウンが見られず、形状を保持している。
○:ドローダウンが小さく、形状を保持している。
△:ドローダウンが大きく、形状は崩れ気味だがブロー成形は可能である。
×:ドローダウンが非常に大きく、形状が崩れてしまいブロー成形が不可能である。
JIS K7121に記載の試験法に準拠し、デュポン社製、V4.0B2000型示差走査熱量測定器を用いて、アルゴン雰囲気中で、試料質量:10mg、昇温開始温度:30℃、昇温速度:20℃/分で測定して得られる吸熱ピーク温度を融点とした。
ASTM D2240に記載の試験法(ショアD)に準拠し、23℃環境下において表面硬度の測定を行った。シリンダー温度を樹脂の融点+20℃、金型温度を50℃にて作製した射出成形品(幅100mm、長さ100mm、厚み2.0mm)を3枚重ねて、針先を落下させた際のショアDの瞬間値を読み取り、表面硬度を測定した。
充分乾燥したポリエステルエラストマー樹脂0.02gをフェノール/テトラクロロエタン(質量比6/4)の混合溶媒10mlに溶解し、ウベローゼ粘度計にて30℃で測定した。
樹脂の製造後、ハードセグメントとソフトセグメントの相溶性を樹脂溶融時の外観の目視評価により評価した。
○:溶融樹脂が透明であり、相溶性は十分である。
△:溶融樹脂が半透明(若干の白濁)の状態であり、相溶性は低い。
×:溶融樹脂が白濁しており、相溶性はきわめて低い。
シリンダー温度を樹脂の融点+20℃、金型温度を50℃にて作製した射出成形品(幅100mm、長さ100mm、厚み2.0mm)の樹脂の流動方向に対し、直角方向にJIS3号ダンベル形状に打ち抜き試験片を作製した。その後、JIS K6251:2010に準じ引張伸度(切断時伸び)を測定した。
実施例1:「特開平9-59491号公報」に記載の方法に準じて、テレフタル酸/トリメリット酸//1,4-ブタンジオール/PPG-PEG#3000が、99.9/0.1//96/4(モル%)のポリエステルエラストマー樹脂を製造した。その後、固相重合を実施し、還元粘度を上昇させた。このポリエステルエラストマー樹脂の融点は218℃、還元粘度は2.4dl/gであった。
PPG-PEG#2900:PEG-PPG-PEGブロック共重合体(数平均分子量2900、PG/EG=60/40(質量%)、三洋化成工業製ニューポールPE-64)
PPG-PEG#1100:PEG-PPG-PEGブロック共重合体(数平均分子量1100、PG/EG=90/10(質量%)、ADEKA製アデカプルロニックL-31)
PPG-PEG#4200:PEG-PPG-PEGブロック共重合体(数平均分子量4200、PG/EG=50/50(質量%)、日油製ポロキサマー185)
PEG#1000:ポリエチレングリコール(数平均分子量1000、日油製)
PPG#3000:ポリプロピレングリコール(数平均分子量3000、三洋化成工業製サンニックスPP-3000)
PTMG#1000:ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1000、三菱化学製)
PTMG#3000:ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量3000、三菱化学
製)
分子量は標準ポリスチレン換算で算出した。
装置はTOSOH製HLC-8320GPCを用い、溶媒をクロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール=98/2(体積比)の混合溶媒とし、流速0.6ml/分、濃度0.2%、注入量20ml、温度40℃の条件で測定した。
比較例1は、溶融粘度が低くドローダウンが発生し成形性に劣る。
比較例2は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールの数平均分子量が大きく、樹脂相溶性に劣る。低相溶性に起因する見かけの溶融粘度の上昇は見られるが、十分な伸度特性を満たさない。
比較例3は、ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコールであり、ポリプロピレングリコールとのブロック共重合体でなく、溶融粘度が低く成形性に劣り、かつ結晶性が高く、十分な伸度特性を満たさない。
比較例4は、ポリアルキレングリコールがポリプロピレングリコールであり、末端二級ヒドロキシル基の存在から、重合度、還元粘度が上がりにくく、十分な溶融粘度特性を示さず、伸度特性も不十分である。
比較例5は、ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールであり、ポリプロピレングリコールなどとのブロック共重合体ではなく、十分な溶融粘度特性を満たさない。
比較例6は、ポリアルキレングリコールがポリテトラメチレングリコールであり、かつ数平均分子量が大きいため樹脂相溶性が低く、成形性に劣るうえ、十分な引張伸度特性を満たさない。
Claims (5)
- 芳香族ジカルボン酸を含む酸成分、脂肪族及び/又は脂環族ジオール、ポリアルキレングリコールを含むアルコール成分を構成成分とするポリエステルエラストマー樹脂であり、
全酸成分を100モル%、全アルコール成分を100モル%とした時、共重合成分として、1種類以上の三官能以上の成分を0.05~1.0モル%含み、
前記ポリアルキレングリコールがブロック共重合体であり、その数平均分子量が1000~4000であり、
前記ポリアルキレングリコールが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールであり、
ポリエステルエラストマー樹脂に含有されるプロピレングリコール成分が、ポリエステルエラストマー樹脂中で18~35質量%であり、
キャピラリーレオメータで測定した溶融粘度特性として、ポリエステルエラストマー樹脂の融点よりも20℃以上高く、かつせん断速度6080sec-1の溶融粘度が120Pa・sとなる温度において測定した、せん断速度6.08sec-1の溶融粘度が6000Pa・s以上であることを特徴とするブロー成形用ポリエステルエラストマー樹脂。 - 前記ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコール(PEG)-ポリプロピレングリコール(PPG)-ポリエチレングリコール(PEG)の構造を有するブロック共重合体である、請求項1に記載のブロー成形用ポリエステルエラストマー樹脂。
- 三官能以上の成分が酸成分である請求項1または2のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマー樹脂。
- 三官能以上の成分がトリメリット酸である請求項1~3のいずれかに記載のブロー成形用ポリエステルエラストマー樹脂。
- 請求項1~4のいずれかに記載のポリエステルエラストマー樹脂を含むブロー成形品。
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