JP7601533B2 - ボール拡開式アンカー - Google Patents

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Description

本願発明は、コンクリートやレンガなどの石質系部材に各種部材を取り付けるのに好適な拡開式アンカーに係り、特に、拡開手段としてボールの群を使用しているボール拡開式アンカーに関するものである。
建物やトンネルなどのコンクリート構造物に各種の部材を取り付けるための手段として、後施工方式の拡開式アンカー(拡張式アンカー)が使用されている。この拡開式アンカーは、筒状のアンカー本体を有しており、アンカー本体にスリットの群を備えた拡開部を形成することにより、拡開部が軸心と交叉した方向に広がり変形(膨れ変形)するようになっている。
そして、拡開部を押し広げる拡開操作部材としては、叩き込み式の芯棒(拡張ピン)を使用したものが多いが、多数個のボールとこれを押す拡開用ボルトとのセットも提案されている。特許文献1は叩き込み式アンカーの例であり、この公報には、プラグ(拡張ピン)の外周面に防錆油等の潤滑剤を塗布することにより、プラグの滑りを良くすることが開示されている。他方、特許文献2には、後者のボール拡開式アンカーが開示されている。
叩き込み式の拡開式アンカーでは、重いハンマを振り回す必要があるため作業者の負担が大きい問題や、下穴の加工誤差によって締結力にバラツキが発生しやすい問題があるが、特許文献2のようにボールの群を拡開用ボルトで押して拡開する方式では、ハンマを振り回す必要はないため作業者の負担を著しく軽減できると共に、拡開の程度をボルトのねじ込み加減によって調節できるため、下穴に加工誤差があっても必要な締結強度を確保できる利点がある。
また、拡開部の長さを長くして下穴に対する突っ張り力を分散できるため、施工部のコーン破壊を抑制できる利点もある。
特開昭48-50151号公報 国際公開WO2016/121993号公報
ボール拡開式アンカーは上記のような利点を有するが、締結力にバラツキが見られることがあった。この点を本願発明者たちが分析したところ、ボールの群が拡開部の内部で潰れ変形してダンゴ状の塊になることにより、拡開部の先端部まで移動せずに途中でつかえてしまい、結果として拡開部の押し広げが不十分になっていることが判明した。
この点については、ボールの群を変形させつつ先端側に押しやることができればよいと云える。そこで、特許文献1のように、ボールに潤滑油を塗布して使用してみたが、改善は見られなかった。ボールに潤滑油を塗布してもバラツキが改善しない理由は正確には解明していないが、ボール拡開式アンカーでは、ボールと拡開部との接触面は小さいため、ボールに潤滑剤を塗布しても拡開部との間での滑りの促進には貢献していないためと推測される。
本願発明はこのような現状を背景に成されたものであり、固体間のバラツキを無くして高い締結力を安定的に確保できると共に、ボール群の押し込みに要する力も低減できるボール拡開式アンカーを提供せんとするものである。
本願発明の拡開式アンカーは、
「施工部の下穴に入り込む拡開部を有するアンカー本体と、前記アンカー本体の拡開部に
封入されたボールの群と、前記ボールの群を押圧して前記拡開部を押し広げる拡開用ボル
トとを備えており、
少なくとも前記ボールの群による拡開時に前記アンカー本体における拡開部の内面に位
置して前記ボールの群の滑りを促進する摩擦低減手段が設けられている」
という構成になっている。なお、摩擦低減手段は潤滑手段と言い換えることも可能である
本願発明の拡開式アンカーは、拡開部がアンカー本体の前端まで延びている先割れタイプと、アンカー本体の先端は閉じていて拡開部がアンカー本体の先端まで至っていないクローズドタイプとの両方を含んでいる。
本願発明は様々に展開できる。その例として請求項2では、
「前記摩擦低減手段は、シリコーン系オイル、石油系オイル、天然系又は動物系オイル、グリス、ワックス類、ペースト類、パラフィン類、植物系又は動物系の蝋から選ばれる1種又は複数種である」
という構成になっている。これらは単体で使用してもよいし、複数種を混合して使用してもよい。また、オイルのような液体の場合は、液垂れしないように補助剤を添加するなどしてゲル化することも可能である。
請求項2の好適な展開例として請求項3では、前記摩擦低減手段としてワックス(ワックスエステル)を使用している。ここで、ワックスとは潤滑性を有する練り物であり、例えば自動車の艶出しに使用するワックス(コーティング用ワックス)をそのまま使用できる。フロア磨き用ワックス、スキー板用ワックスなども検討に値する。
請求項4では、請求項1~3のうちのいずれかにおいて、前記摩擦低減手段は、前記拡開部の内面に予め塗布されている。他方、請求項5では、請求項1~3のうちのいずれかにおいて、前記摩擦低減手段は袋の外観を呈しており、その内部に前記ボールの群が収納されている。
更に、請求項6の発明では、請求項1~3のうちのいずれかにおいて、
「前記摩擦低減手段は、ボール状又は他の形状を成して潰れ変形できる定形潤滑体であり、この定形潤滑体の多数個が前記ボールの群に混在しており、拡開時には前記ボールの群による押圧作用によって前記定形潤滑体が潰れて前記拡開部の内面に付着するようになっている」という構成になっている。請求項6で例示する「ボール」には、真球の他にラグビーボールのような楕円球も含まれる。
請求項6では、摩擦低減手段である定形潤滑体は、例示したボール状の他に様々な形状
を採用できる。例えば、角砂糖を小さくしたような直方体形状、円柱状、粒状、筒状、紐
状、円板状、薄片状、多数の突起を有する金平糖状などであるが、いずれにしても、拡
開部を形成するスリットから抜け出ない大きさになっている必要がある。同一形状の定形
潤滑体のみを使用してもよいし、異なる形状のものを併用してもよい。大きさについても
、一定の大きさのものを使用してもよいし、異なる大きさのものを混在させてもよい。
構造としては、ワックス類や油脂類などを形態が安定した状態に固化して全体を単一組成とすることも可能であるし、薄い皮部材とその内部に封入した流体との複層構造として、拡開部の拡開に際して皮部材が破れて流体が流れ出るように構成することも可能である。なお、後者の構造で球状の場合は、海産物のイクラのような状態になる。
本願発明においても、ボール群はボルトで押されて拡開部の内部で潰れ変形して塊状化するが、本願発明では、拡開部の内面に摩擦低減手段を設けたことにより、ボール群が拡開部の先端側に押しやられやすくなるため、拡開部の拡開作用を促進して高い締結力を安定的に確保できる。すなわち、個体差によるバラツキを無くして、高い締結力を安定的に保持できる。
更に述べると、ボール群は塑性変形して塊状になるが、弾性変形もしているため、塊状に変形したボール群が拡開部の先端側まで押しやられつつ拡開部に対して弾性復元力を作用させており、この弾性復元力を利用して高い締結力が確保されていると云える。
また、ボール群とアンカー本体との間の摩擦が低減するため、拡開用ボルトでボール群を押し込むに際して、拡開用ボルトのねじ込みに要する力を軽減できる。これにより、作業者の負担を軽減できる。また、拡開用ボルトのねじ込みに要する力を軽減できると、小型のドライバ工具を使用した押し込みが可能になるため、ボール式アンカーの普及促進にも貢献できる。
摩擦低減手段は、請求項2に例示すように、様々な性質・組成・外観のものを使用できるが、請求項3で特定したワックスは滑り促進効果に優れて好適であった。ワックス等の摩擦低減手段は、各ボールの外面に塗布しておいて、拡開部の拡開に際して拡開部の内面に転移させることも可能であるが、請求項4のように予め拡開部の内面に塗布しておくと、品質の安定性が高い。
そして、摩擦低減手段は様々なものを使用できるが、使用後に垂れ落ちることがない程度に塗布しておくのが好ましい。請求項3で特定したワックスのような固形物(非液体)であると、気温が高くなっても溶け出ることはないため好適である。
請求項5のように、摩擦低減手段を袋の外観を呈する形態に構成すると、アンカーへの装填作業を簡単に行える。また、ボール群を予め封入しておけるため、ボールの装填作業を容易化できる利点もある。
請求項6の構成を採用すると、定形潤滑体をボールの群に混在させてアンカー本体に封
入できるため、作業性がよい。また、定形潤滑体は拡開部の拡開に際して潰れて潤滑効果
を発揮するものであるため、気温が高い環境保管しておいても流れ落ちるといったこと
はない。従って、保存性にも優れている。
第1実施形態を示す図で、(A)は側面図、(B)は(A)のB-B視正面図、(C)は(A)のC-C視背面図、(D)は縦断側面図、(E)はボール群とボルトとを取り除いた状態での縦断側面図、(F)は使用状態の縦断側面図である。 第2実施形態の縦断側面図である。 第3実施形態の縦断側面図である。 第4実施形態の分離縦断側面図である。 第5実施形態の分離縦断側面図である。 (A)は第6実施形態の縦断側面図、(B)は第7実施形態の分離縦断側面図である。 第8実施形態の分離縦断側面図である。 第9実施形態を示す図で、(A)は一部破断側面図、(B)は(A)を右から見た正面図、(C)は(A)を左から見た背面図、(D)は雄ねじ部を明確に表示した部分側面図である。
(1).第1実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に示す第1実施形態を説明する。拡開式アンカー(以下、単に「アンカー」という)は、例えばコンクリート構造物に使用されるものであり、鋼製(鉄製)のアンカー本体1を備えている。
アンカー本体1は、中空部を有する円筒状であり、先端側に、4本のスリット2を備えた拡開部3を形成している。換言すると、先端側に等間隔で4本のスリット2を形成することにより、先端側に拡開部3を形成している。各スリット2は、周方向に等間隔で4本形成されており、それぞれ拡開部3の(或いはアンカー本体1の)先端面3aに開口している。従って、本実施形態のアンカーは先割れ方式である。
実施形態の拡開部3は加工の容易性から4本のスリット2によって4つ割りされているが、スリット2の本数は任意に設定できる。拡開部3を均等に押し広げる作用の点では、3本のスリット2を等間隔で形成するのが好ましいと推測される。
アンカー本体1の内部には、拡開部3を押し広げるための手段として、ボール4の群を装填している(なお、断面図では、便宜的に、ボール4とボール4、ボール4とスリット2とを重ねて表示している。)。アンカー本体1の内周には雌ねじ5が形成されており、この雌ねじ5に、ボール4の群を押圧する拡開用ボルト6がねじ込まれている。雌ねじ5はアンカー本体1の基端からタップを立てることによって形成されており、拡開部3の入り口部まで掛かっている。
ボール4は、大きさが異なる複数種類を使用しているが、同径のものだけを使用することも可能である。使用前の状態で、ボール4の群の密度ができるだけ大きくなっているのが好ましい。拡開用ボルト6は頭を備えておらず、基端面(後端面)に、六角式等の棒状レンチ(図示せず)が係合する係合穴7を形成している。
アンカー本体1の先端部には、ボール4の抜けを阻止する内膨れ部(ストッパ部)8を形成している。内膨れ部8もスリット2で分断されている。拡開部3の内周面は、内膨れ部8を除いてストレートに形成されている。拡開部3の内径は雌ねじ5の下穴径と同径になっているが、拡開部3の内径を雌ねじ5の下穴径より大径又は小径に形成することも可能である。
実施形態では、拡開部3はアンカー本体1の長さの略半分程度になっているが、アンカー本体1の長さや外径・内径、拡開部3の長さなどは、現場で要求される条件に応じて任意に設定できる。例えば、建物の壁面に各種器具類を取り付けるために使用するアンカーの場合は、全長が40mm前後の短いものが多い一方、トンネル用アンカーの場合は100mm以上の長いものが多いと云える。
拡開部3の内面(内周面)には、摩擦低減手段の一例として、潤滑剤より成る潤滑膜(或いは潤滑層)9を形成している。図1(E)では、潤滑膜9の範囲を網かけで表示している。
潤滑膜9は、例えば刷毛を使用して潤滑剤を塗布することによって形成されている。潤滑膜9としてオイル類のような液体潤滑剤を使用している場合は、スプレーやディスペンサーを使用して塗布することが可能である。アンカー本体1を潤滑剤槽に浸漬してから引き上げて、ブラシ手段などで外周面の潤滑剤を完全に除去するといったことも可能である。ワックス類やクリーム類のような固形物(高粘度剤)の場合は、綿棒状の棒状塗布具を使用して塗布できる。化粧用マスカラの塗布具として、心棒にハケを螺旋状等に巻いたものが使用されているが、これと同様の形態の塗布具を使用するのも好適である。
(2).施行
図1(F)では、アンカーの使用状態を示している。本実施形態では、アンカー本体1はその全体が施工部10の下穴11に入り込んでおり、拡開用ボルト6をレンチ(図示せず)でねじ込んでボール4の群を先端側に押圧していくと、ボール4の群は潰れ変形して全体として1つの塊に変化しつつ軸心と交叉した方向に膨れていき、これにより、拡開部3がラッパ状に押し広げられて下穴11に突っ張っていく(一般には、拡開部3は下穴11に食い込んでいく。)。これにより、アンカー本体1は下穴11に強固に固定される。
そして、拡開部3の内面に潤滑膜9が形成されているため、ボール4の群が塊状に変形しても先端側に向けて滑り移動することが許容されて、ボール4の群は、押圧されて潰れ変形しつつ、拡開部3の先端の側に押されて移動していく。このため、ボール4の群を拡開部3の先端の側に強制的に追い込むことができて、拡開部3を全体的にラッパ状に大きく押し広げることができる。その結果、個体差によるバラツキを無くして、高い締結力(引き抜き抵抗)を安定的に確保できる。また、拡開用ボルト6のねじ込みトルクを低減できるため、作業者の負担軽減にも貢献できる。
本願発明者たちが実験したところ、シリコーンオイル(潤滑オイル)と自動車用ワックスは同じ程度の効果があったが、使用後の垂れ落ち防止の点やコストの点からは、ワックス類の使用が好適であると解される。また、オイルにしてもワックスにしても、分子量が大きい方が潤滑効果は高いと推測される。また、アンカー本体1とボール4とについて見ると、アンカー本体1の硬度が高くなるとボール4が滑りやすくなると推測される。
アンカーの具体的な使用態様は様々である。例えば、図のとおり、アンカー本体1を下穴11に固定してから、アンカー本体1の雌ねじ5に外側からねじ込んだ締結用ボルト13によって部材(ワーク)12を施工部10の表面に締結することができる。アンカー本体1の基端部を施工部10の表面から露出させて、露出部に部材12を嵌め込むことも可能である。吊りボルトをアンカー本体1にねじ込んで、部材を吊りボルトに吊支することも可能である。
潤滑剤としては、先に例示した物の他に、ピッチ、コールタール、ワセリン、アスファルト、黒鉛粉なども使用可能である。靴クリーム(保革油)のような有機系クリーム類も検討に値する。クリーム類についても、分子量はできるだけ大きいのが好ましいと考えられる。
(3).第2~5実施形態
図2,3では、アンカーの構造の別例を示している。このうち図2に示す第2実施形態では、アンカー本体1は、施工部10の外側に露出する雄ねじ部14を備えている。部材の取り付け穴が雄ねじ部14に嵌め込まれるようになっており、部材12はナット(図示せず)で施工部10に押さえ固定される。この実施形態のような雄ねじタイプのアンカーでは、拡開用ボルト6として六角穴付きソケットボルトや六角頭付きボルトを使用することも可能である。
本実施形態では、アンカー本体1のうち雄ねじ部14の基端には、下穴11の縁に当たるフランジ1aを形成している。このため、下穴11の深さが深くてもアンカー本体1の挿入深さを一定化できる。
図3に示す第3実施形態では、スリット2はアンカー本体1の先端に開口しておらず、アンカーは先端が閉じたクローズドタイプになっている。従って、拡開部3は山形に膨れ変形する。クローズドタイプでは、先割れタイプに比べてボール4の群が移動しにくく、ボール4の群が拡開部3の入り口近くで留まってしまう傾向が高いため、潤滑膜9を設けて滑りを良くすると、拡開部3をその全体に亙って山形に大きく膨れ変形させることを確実化できると期待される。従って、潤滑膜9を設けることによる拡開促進効果を、先割れタイプよりも顕著に享受できると期待される。敢えて述べることではないが、クローズドタイプにおいても、図2のような雄ねじ部14を設けることができる。
図4,5では、摩擦低減手段としてシート材を使用した例を示している。このうち図4に示す第4実施形態では、潤滑性を有するシート材によって一端開口の袋体16を形成している。この例では、先に袋体16をアンカー本体1の内部に挿入してからボール4の群を充填してもよいし、予めボール4の群を袋体16に入れておいてからアンカー本体1に挿入してもよい。
図5に示す第5実施形態では、袋体は両端が封止されている。従って、ボール4の群を袋体16に充填してから口を閉じて、ボール4が封入された袋体16をアンカー本体1の内部に挿入することになる。このタイプでは、ボール4の封入間違いを防止できる利点がある。また、アンカーの組み立ての作業性も優れている。
本願発明者たちは、紙にオイルを含浸させた防錆紙と樹脂フィルムとをそれぞれ拡開部3の内面に巻いて、ボール4の群の滑り効果があるか否か実験してみた。しかし、いずれにおいても、紙やフィルムが細かく潰れてボール4と拡開部3との間に噛み込まれる現象が現れて、滑り促進効果は見られなかった。
従って、袋体16にボール4の滑り促進効果を持たせるためには、材質や厚さなどに工夫を要するといえる。例えば、袋体16を内層と外層との二重構造に構成し、両層の間に液状やワックス状等の潤滑剤を塗布しておくことが考えられる。袋体16を極く薄いステンレス板のような強靱な材料で作り、内面と外面とのいずれか一方又は両方に潤滑剤を塗布しておくことも有益と推測される。袋体16の外面に潤滑剤を塗布しておくことも有益と解される。
(4).第6~9実施形態
図6では、請求項6を具体化した実施形態を示している。このうち図6(A)に示す第6実施形態は、アンカーの構造は基本的には第1実施形態と同じであり、第1実施形態との相違点は、第1実施形態の潤滑膜9を設けずに、摩擦低減手段としてボール状の定形潤滑体17を使用して、多数の定形潤滑体17をボール4の群に混在させている点である。
定形潤滑体17は、例えば、ワックス類や油脂類を固めたものや、流動性のあるオイル類やグリス類を皮膜で包んだイクラ状のものなど、様々な構造を採用できる。大きさは、スリット2から抜け出ない大きさであれば任意に設定できるが、拡開部3の拡開時に押圧作用よって潰れることが重要なので、使用前の状態では、ボールの群の隙間に入り込むような大きさが好ましい。
従って、ボールの群よりも小さいものが好ましいといえる。ボール4が異なる大きさで構成されている場合は、最も小さいボール4と同じ程度の大きさでもよいであろう。なお、定形潤滑体17がボール状である場合、ワックス類や固形状油脂類、アスファルトなどを材料にして、造粒機を使用して球状化することも可能である。
この実施形態では、ボール4の群が加圧されて拡開部3が拡開するにおいて、定形潤滑体17が潰されて拡開部3の内面に付着することにより、ボール4の群の滑りが促進されて拡開部3の開きが大きくなる。従って、定形潤滑体17の群のうち潤滑に貢献するのは一部であるが、多数個の定形潤滑体17を混入させておくことにより、拡開部3の内面全体に油膜を形成して潤滑機能を発揮させることができる。
図6(B)に示す第7実施形態では、図5の実施形態に加えて、袋体16の内部に定形潤滑体17を混在させている。この実施形態では、袋体16が潤滑性を持たなくても、拡開部3の拡開に際して袋体16が破れると、定形潤滑体17が潰れて広がることにより、拡開部3の内面に潤滑剤を付着させることができる。
定形潤滑体17をボール4の群に混在させることは、図2で示した雄ねじタイプのアンカーにも適用できる。図7の実施形態は雄ねじタイプへの適用例であるが、この実施形態では、雄ねじ部14を下穴11よりも大径に形成している。定形潤滑体17の配置態様は図6と同じであり、ワーク(固定される部材)12とナット18も一点鎖線で表示している。図8に示すアンカーも図7に示すものと殆ど同じであり、図8では、外観を明瞭に表示している(図8では、ボールや摩擦低減手段は省略している。)。
さて、後施工方式のアンカーには、本体の全体が下穴に入り込む雌ねじタイプと、雄ねじ部が施工面の外側に露出する雄ねじタイプとがあり、特許文献2にも、雌ねじタイプと雄ねじタイプとが開示されている。
そして、雄ねじタイプのアンカーでは、施工部に予めアンカーを取り付けておいてから、雄ねじ部に固定される部材の取付け穴を雄ねじ部に嵌め込むことができるため、いわば、固定される部材を施工面に仮り止めできる利点がある。従って、壁面に部材を取り付ける場合に特に好適である。
しかし、従来の雄ねじタイプのアンカーは、全長に亙って同径に形成されているため、下穴への挿入深さが一定しないという問題があった。そこで、叩き込み式のアンカーでは、深さを一定にするには、予めナットを所定位置までねじ込んでおいてからアンカーを施工部にセットし、次いで、いったんナットを取り外して部材を嵌め込み、それからナットを付け直すという作業を行わねばならないため、作業が面倒であった。
これに対して、図7,8の実施形態のように雄ねじ部14を大径部に形成すると、下穴11への挿入深さが自動的に一定化されるため、ナット13の付け直しの手間は不要であり、従って、部材の取付けの作業性を格段に向上できる。
図2のようにフランジ15を設けた場合も同じ効果を享受できるが、フランジ15の場合は、小径過ぎると下穴11の中に入り込んでしまって意味がなくなり、大径過ぎると施工面の外側に露出して部材が当たってしまうという問題があり、確実性に劣るという問題がある。これに対して、図7,8のようにアンカー本体1を、小径の挿入部と大径の雄ねじ部14との異径構造に形成すると、下穴10のバラツキに関係なく挿入深さを一定化できるため、現実性に優れている。
また、雄ねじ部14を大径に形成すると、図8に一点鎖線で示すように、拡開用ボルト6として、六角穴付きソケットボルトのような頭6aを備えたボルトを使用できるため、ボール4の群に対する押圧力を高くできる利点やコストのを抑制できる利点もある。
更に、図8(A)に二点鎖線で示すように、アンカー本体1の小径部に、拡開部3と下穴11との間の摩擦抵抗を増大させるスリーブ19を装着できるが、スリーブ19の雄ねじ部14によって形成された段差面をスリーブ19のストッパーとして利用することも可能であり、これにより、スリーブ19を備えたアンカーの品質を安定化できる。
以上の説明より理解できるように、雄ねじ部14を大径に形成することは、摩擦低減手段とは関係なく独立した発明たり得るし、ピンを叩き込んで拡開するアンカーにも適用できる。また、雄ねじ部14を大径に形成した後施工アンカーの形態は斬新であり、従って、意匠登録の対象にもなる。この場合、全体としての形態が意匠登録の対象になることはもとより、部分意匠としての登録も可能である。
部分意匠としての登録対象部は、図8(A)に符合20で示す段部のエリアのみとして捉えることも可能であるし、段部のエリア20に加えて、スリット2が形成されているエリア21を特定することも可能である。雄ねじタイプのアンカーは、図3に示したクローズドタイプにも当然に適用できるが、クローズドタイプも意匠登録の対象になることはいうまでもない。
本願発明は、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば、各実施形態では拡開部をスリットの群によって形成したが、外面に長溝(内周面に貫通していない長溝)を設けることによって拡開部を形成することも可能である。また、アンカー本体の外形は円形(真円形)には限らず、正八角形等の多角形や楕円形状なども採用できる。拡開部の外周面に環状溝や環状突起のような摩擦増大手段を形成することも可能である。
アンカー本体の先端にドリル部を一体的に設けて、アンカーに下穴穿孔機能を持たせることも可能である。
摩擦低減手段としては、拡開部の内面にカーボン層を接着や溶射などで形成しておくことも可能である。カーボン粉を主体とした薄い筒体を形成し、これを拡開部の内部に装填するといったことや、オイル類やワックス類を吸水ポリマーに類した樹脂材(吸油ポリマー)によって薄い筒体に形成し、これをアンカー本体の内部に装填するといったことも可能である。
本願発明は、拡開式アンカーに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 アンカー本体
2 拡開部を構成するスリット
3 拡開部
4 ボール
5 雌ねじ
6 拡開用ボルト
8 内膨れ部(ストッパー部)
9 摩擦低減手段の一例としての潤滑膜
10 施工部(コンクリート)
11 下穴
12 部材(ワーク)
13 締結用ボルト
14 雄ねじ部
16 摩擦低減手段の一例としての袋体
17 摩擦低減手段の一例としての定形潤滑体
18 ナット

Claims (6)

  1. 施工部の下穴に入り込む拡開部を有するアンカー本体と、前記アンカー本体の拡開部に
    封入されたボールの群と、前記ボールの群を押圧して前記拡開部を押し広げる拡開用ボル
    トとを備えており、
    少なくとも前記ボールの群による拡開時に前記アンカー本体における拡開部の内面に位
    置して前記ボールの群の滑りを促進する摩擦低減手段が設けられている、
    ボール拡開式アンカー。
  2. 前記摩擦低減手段は、シリコーン系オイル、石油系オイル、天然系又は動物系オイル、グリス、ワックス類、ペースト類、パラフィン類、植物系又は動物系の蝋から選ばれる1種又は複数種である、
    請求項1に記載したボール拡開式アンカー。
  3. 前記摩擦低減手段はワックスである、
    請求項2に記載したボール拡開式アンカー。
  4. 前記摩擦低減手段は、前記拡開部の内面に予め塗布されている、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載したボール拡開式アンカー。
  5. 前記摩擦低減手段は袋の外観を呈しており、その内部に前記ボールの群が収納されている、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載したボール拡開式アンカー。
  6. 前記摩擦低減手段は、ボール状又は他の形状を成して潰れ変形できる定形潤滑体であり、この定形潤滑体の多数個が前記ボールの群に混在しており、拡開時には前記ボールの群による押圧作用によって前記定形潤滑体が潰れて前記拡開部の内面に付着するようになっている、
    請求項1~3のうちのいずれかに記載したボール拡開式アンカー。
JP2021007442A 2020-01-24 2021-01-20 ボール拡開式アンカー Active JP7601533B2 (ja)

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