(第1の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1及び図2は、本実施形態のインクジェット記録装置の要部模式的断面図及び平面図であり、図3は、記録ヘッドの要部模式的平面図である。
図1において、記録ヘッド100の吐出口面102には、インクを吐出するための吐出口列101C、101M、101Y、101Kが設けられている。それぞれ、シアンインクを吐出するための吐出口列101C、マゼンタインクを吐出するための吐出口列101M、イエローインクを吐出するための吐出口列101Y、ブラックインクを吐出するための吐出口列101Kである。尚、各吐出口列には、1,200個の吐出口が、図3中の矢印Y1もしくはY2で示す方向に配列され、各吐出口の間隔は1,200dpi(ドット/インチ)である。本明細書において、図のY1方向を副走査方向とも称する。各吐出口の内部には、電気熱変換体が備えられ、この電気熱変換体に駆動信号に基づいた電気信号が印加されると、吐出口内のインク中に気泡が発生し、気泡の圧力によって、インク滴が吐出口から吐出する。記録ヘッド100に対しては、不図示のインクタンクからインクが供給される。
図1及び図2に示すように、記録ヘッド100はキャリッジ111に搭載されており、キャリッジ111は、ガイドシャフト110にガイドされ、キャリッジモータ(不図示)の回転によって矢印X1方向及びX2方向に往復走査する。以下、本明細書において、図のX1方向を主走査方向とも称する。被記録媒体は、搬送モータ(不図示)の間欠的な回転に伴って、プラテン120上を図2中のY1方向に間欠的に搬送される。そして、搬送動作が停止している間に、キャリッジ111がX1方向(往方向)及びX2方向(復方向)へ往復移動する。このキャリッジ111の走査中に吐出口からインクが吐出され、被記録媒体上に画像が記録される。このような、被記録媒体の間欠的な搬送動作と、キャリッジ111の往復走査中の吐出動作とを繰り返すことにより、1頁の被記録媒体に画像が記録される。
キャップ130は、吐出口が設けられた吐出口面を封止することによって吐出口からインク中の溶媒の蒸発を抑制する。周知の手段(不図示)によって、キャップ130がキャッピングポジションと離間ポジションとの間を両矢印Z方向に往復移動可能に構成されている。加えて、キャップ130は、ポンプチューブ131を介して吸引ポンプ132に接続され、吸引ポンプ132の駆動によって吐出口からインクやエアを吸引排出可能である。また、キャップ130内には、インク吸収体が設けられている。吸引ポンプ132が駆動されて吸引排出されたインクは、廃インクチューブ133を介して、不図示のメンテナンスカートリッジ内に収容される。尚、図1には、キャップ130が離間ポジションに位置している場合を示している。
図2において、ワイパ150は、周知の手段(不図示)によって図中矢印Y1方向及びY2方向に往復移動可能な払拭部材である。ワイパ150がY1方向に移動する際に、記録ヘッド100の吐出口面102を払拭し、吐出口面102に付着した不要なインクや埃等を拭い去ることで、記録ヘッド100の記録性能が維持もしくは回復される。
ワイパ150がY1方向へ移動しながら払拭動作を行った後、キャリッジ111をX1方向へ移動させることで、ワイパ150がY2方向へ移動する際に吐出口面102に接触しないようにする。そして、ワイパ150をY2方向へ移動させた後、キャリッジ111をX2方向へ移動させる。以下、このようなワイパ150及びキャリッジ111の払拭動作を、ワイピングあるいはワイピング動作と称する。尚、ワイピング動作を行う際、キャップ130は離間ポジションに位置する。
次に、図4は、本実施形態の記録装置の制御系を示すブロック図である。ホストコンピュータ490は、例えばUSBインターフェイス等によって記録装置と接続されている。プリンタドライバ491は、ホストコンピュータ490内にソフトウェアの形式で記憶されており、ユーザによるプリント命令に応じて、ユーザ所望の文書や写真等の画像データからプリントデータを生成する。そして、生成されたプリントデータやその他のデータを含んだプリント指令が記録装置へ送信される。受信バッファ410は、ホストコンピュータ490から本記録装置へと送信されたプリントデータ等を保持する。受信バッファ410に保持されたプリントデータ等は、CPU400の管理下でRAM420に転送され、一次的に記憶される。ROM430は、記録装置の各種制御に必要なプログラムや固定データ等を記憶する。NVRAM440は、記録装置の電源がオフされたときにも記憶しておくべき情報を保存しておくための不揮発性メモリである。
ヘッドドライバ450は、記録ヘッド100を駆動するためのドライバである。モータドライバ460は、キャリッジモータや搬送モータ、キャップ130を上下動させるためのモータ、ワイパ150を往復移動させるためのモータ、等の各種モータ465を駆動するためのドライバである。センサコントローラ470は、各種センサ475をコントロールする。表示部操作部コントローラ480は、記録装置の表示部や操作部485をコントロールする。CPU400は、RAM420、ROM430、NVRAM440、その他とともに、演算、制御、判定、設定等の各種処理動作を実行する。
ここで、マルチパス記録について説明する。本実施形態の記録装置は、所謂シリアルスキャンタイプの記録装置であり、記録ヘッド100を主走査方向に往復走査させる記録動作と、被記録媒体を副走査方向に搬送する搬送動作を繰り返し行うことにより画像が記録される。一般に、被記録媒体上の単位領域に対して記録ヘッド100による主走査方向への1回の主走査で記録画像が完成する記録方式は1パス記録、複数回の主走査で記録画像が完成する記録方式はマルチパス記録と呼ばれている。本実施形態のマルチパス記録では、記録ヘッド100の1回の主走査で被記録媒体上に画像が記録される領域の副走査方向の長さよりも短い長さを、被記録媒体の1回の搬送量とする。これにより、被記録媒体上の単位領域に対して画像の記録に用いられる吐出口を、複数回の主走査毎に異ならせることができる。このため、吐出口毎の吐出特性のばらつきに起因する濃度ムラやスジの発生が抑制される。マルチパス記録において被記録媒体上の記録領域に対する主走査の回数は、パス数と呼ばれる。パス数を増加させることによって濃度ムラやスジの発生をより確実に抑制することができる反面、画像の記録に要する時間が長くなる。そのため、所謂シリアルスキャンタイプの記録装置においては、1パス~16パス程度の記録モードが用意されている場合が多い。
次に、図5~図11を用いて、本実施形態の記録装置の記録動作について説明する。図5は、本実施形態における記録動作を示すフローチャートである。ホストコンピュータ490から画像の記録を指示するプリント指令を受信すると、本記録装置の制御系は、プリント指令中にプリントデータやその他とともに含まれている記録モードデータ(記録モード情報)を取得する。記録モードデータには、ユーザが指定した「高速モード」や「高画質モード」に対応する情報が含まれる。ステップS501において、記録モードデータに含まれるパス数データを取得する。以下、取得したプリント指令におけるパス数が1パスである場合を例に挙げて説明する。
ステップS501においてパス数を取得した後、ステップS502において記録前処理が行われる。図6は、ステップS502における記録前処理を示すフローチャートである。まず、ステップS601において、カウンタSの値が0にリセットされる。ステップS602において、カウンタWの値が0にリセットされる。
ステップS603において、周知の給紙搬送手段(不図示)により、図2に示した給紙完了位置まで被記録媒体が給紙及び搬送される。なお、本記録装置に給紙可能な被記録媒体の最大幅(上記X1方向またはX2方向の長さ)は、A2サイズの短手長さ、すなわち、420mmである。以下に説明する記録動作例は、給紙される被記録媒体のサイズがA2サイズであり、その被記録媒体上に、主走査方向及び副走査方向の両方においてA2サイズよりも僅かに小さいサイズの画像(以下、A2サイズ弱の画像とも称する)が記録される場合である。
ステップS604において、キャップ130をキャッピングポジションから離間ポジションへと移動させる。ステップS605において、予備吐出が行われる。予備吐出は、記録ヘッド100の吐出口からキャップ130内の吸収体に向けてインクを吐出させることにより行われる。予備吐出を行うのは、吐出口近傍のインク中の溶媒が蒸発して濃縮増粘することによる吐出口の目詰まりを抑制するため、及び、濃縮したインクを画像の記録に用いないためである。予備吐出によって吸収体に吐出されたインクは、適切なタイミングでの、吸引ポンプ132の駆動によって、廃インクチューブ133を介して不図示のメンテナンスカートリッジ内へと排出される。
ステップS606において、記録ヘッド100の各吐出口列から吐出されたインク滴の数をカウントし、それぞれのカウント値を、それぞれのドットカウンタに加算する。以下に、本処理について詳細に説明する。
上述したように、本実施形態の記録ヘッド100の各吐出口の内部には、インクを吐出するためのエネルギーを生成する記録素子として電気熱変換体が備えられている。この電気熱変換体に電圧を印加することによってインク中に気泡を発生させ、その気泡の圧力によってインク滴を吐出口から吐出させる。各電気熱変換体に印加される電圧は、各吐出口から吐出される1滴のインク滴が被記録媒体上で1つのドットを形成することを意図した、ひと塊の電気信号に基づく電圧が印加される。このひと塊の電気信号を、以下、駆動パルスとも称する。本実施形態では、この1回の吐出動作に対応した駆動パルスの数を、吐出されたインク滴の数としてカウントする。従って、ステップS606においては、記録ヘッド100の各吐出口列に属する1,200個の吐出口内の電気熱変換体に対して印加された駆動パルスの総数が、各吐出口列に対応するそれぞれのドットカウンタに加算される。
なお、吐出口内の電気熱変換体に電圧が印加されると、被記録媒体上に着弾する主滴とよばれる体積の大きなインク滴の他に、ミストとよばれる体積の小さなインク滴が複数吐出される。このミストのいくつかは被記録媒体上に着弾せず、記録ヘッド100の吐出口面102上に付着する。膨大な数のインク滴の吐出動作に伴って、吐出口面102上に堆積した多くのミストが大きなインクの塊となる。このインクの塊が、主滴の吐出方向を偏向させ、さらには、主滴の吐出自体を妨げて不吐出をも生ぜしめる。これに対し、本実施形態では、各吐出口列から吐出されたインク数をカウントしたカウント値を用いて吐出口面102上に堆積しているインクの量を推定し、後述する回復動作の発動トリガ等に用いる。ステップS606の終了後、図6に示した記録前処理を終了し、ステップS503の主走査関連処理へと進む。
図7は、ステップS503の主走査関連処理の詳細なフローチャートである。まず、ステップS701において、キャリッジ111をX1方向(以下、往方向とも称する)に主走査させつつ、その走査の間に吐出口からインクを吐出させることにより、被記録媒体上に画像を記録する。この際、被記録媒体上に記録される記録領域の、Y1方向の長さは、略1インチ=略25.4mmである。図10(a)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示した平面図である。
ステップS701の終了後、ステップS702において、ステップS606と同様のカウント処理が行われる。ステップS701の記録動作の際に吐出されたインク滴の数が吐出口列毎にカウントされ、それぞれのカウント値が対応するドットカウンタに加算される。
次に、ステップS703において、カウンタSの値がインクリメントされる。Sの初期値は0であるため、ステップS703の処理後のSの値は1である。
ステップS704において、Sの値が2以上であるか否かの判定処理が行われる。このとき、Sの値は1であるため、判定結果は否定判定となる。否定判定である場合は、ステップS705がスキップされ、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701の記録動作によって、被記録媒体1頁分の画像の記録が終了したか否かの判定処理が行われる。本記録動作例は、A2サイズ弱の画像が記録される例であるが、この段階で記録された画像の副走査方向の長さは略25.4mmのみである。従って、ここでの判定結果は否定判定となり、ステップS505の処理へ進む。
ステップS505において、被記録媒体がY1方向へ搬送される。以下、この被記録媒体の搬送を副走査とも称する。本記録動作例での記録モードのパス数は1パスであるため、搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さと同じ、25.4mmである。
ステップS506において、主走査間において、回復動作を実行するかどうかの判定処理が行われる。ここでは、各吐出口列に対応するドットカウンタ値のうちの最大値であるMaxDC値が、頁内閾値SDthを超えている場合には、回復動作の1つであるワイピングを実行すると判定される。上述したように、インクの吐出動作に伴って、吐出口面102上に付着したミスト等からなるインクが堆積していく。堆積したインクが大きな塊になると、吐出不良等を生ぜしめる。これに対し、頁内閾値SDthを、堆積したインクによる吐出不良等の発生リスクを考慮した値に設定する。本実施形態では、頁内閾値SDthの値は、1,100,000,000、すなわち、1.1×10の9乗である。
尚、ステップS605の予備吐出が行われる前のMaxDC値が、後述する第2の頁間閾値PD2th以下の値である場合には、頁内閾値SDthの値は、1頁のA2サイズ弱の画像の記録中に、MaxDC値が達することのできない値に設定される。本実施形態の記録装置は、定型サイズとしては最大A2サイズ弱の画像が記録可能である。従って、記録前のMaxDC値が後述する第2の頁間閾値PD2th以下の値であれば、1頁の記録中に、MaxDC値がこの頁内閾値SDthを超えることはない。すなわち、記録前のMaxDC値が、後述する第2の頁間閾値PD2th以下の値であれば、定型サイズの被記録媒体1頁の記録中において、主走査間でのワイピングは行われない。
ただし、上述したように、本実施形態の記録装置に給紙可能な被記録媒体の主走査方向の最大幅は、A2サイズの短手長さ(420mm)である。一方、給紙可能な被記録媒体の副走査方向の長さは、A2サイズの長手長さ(594mm)ではなく、それよりも長い。副走査方向における長さの長い、いわゆるバナー記録を行う際には、記録前のMaxDC値が、後述する第2の頁間閾値PD2th以下の値であっても、1頁分の画像の記録中に、主走査間でワイピングが行われる場合がある。
ここで、ステップS506における判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えていない場合について説明する。ステップS506における判定結果が否定判定である場合、ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われる。このときのWの値は0であるため、ステップS507における判定結果は肯定判定となり、ステップS503の主走査関連処理へと戻る。
ここでの主走査関連処理は、基本的には前回の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111がX2方向(以下、復方向とも称する)に主走査され、その間に記録ヘッド100の吐出口からインクが吐出され、画像が記録される。ここで被記録媒体上に記録される記録領域の副走査方向の長さは、略1インチ=略25.4mmである。図10(b)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。
ステップS702において、再び、ドットカウント値が加算される。ここでは、ステップS701の記録動作の際に吐出されたインク滴の数が、吐出口列毎にカウントされ、それぞれのカウント値が対応するドットカウンタに加算される。
次に、ステップS703において、カウンタSの値がインクリメントされる。ここでのSの値は1であるため、ステップS703の処理後のSの値は2である。
ステップS704において、Sの値が2以上であるか否かの判定処理が行われる。このとき、Sの値は2であるため、判定結果は肯定判定となり、ステップS705へと進む。
ステップS705において、カウンタSの値が0にリセットされる。カウンタSの値は、ステップS701における主走査及びその間の記録を終えた後の、キャリッジ111が停止する位置を示している。Sの値が0であるとき、キャリッジ111は、キャップ130やワイパ150が設けられたX2側(以下、HP側とも称する)に停止していることを示している。一方、Sの値が1であるとき、キャリッジ111は、X1側(以下、BP側とも称する)に停止していることを示す。ステップS705の終了後、図7のフローチャートに対応する主走査関連処理が終了し、その後、ステップS504へ進む。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701の記録動作によって、被記録媒体1頁の画像の記録が終了したか否かの判定処理が行われる。このとき、A2サイズ弱の画像の記録を行っているのに対して、この段階で記録された画像の副走査方向の長さは、略25.4mm×2=略50.8mmである。従って、ここでの判定結果は否定判定となり、再びステップS505の処理へ進む。
ステップS505において、被記録媒体がY1方向へ搬送される。このときの搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さと同じ、略25.4mmである。
ステップS506において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。判定結果が否定判定である場合には、ステップS507へと進む。上述したように、A2サイズ弱の画像の記録開始前のMaxDC値が、後述する第2の頁間閾値PD2th以下の値である場合には、ここでの判定結果が肯定判定になることはない。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われる。ここでのWの値は0であるため、判定結果は肯定判定となり、再びステップS503へ戻る。
ここで、画像の記録開始前のMaxDC値が、第2の頁間閾値PD2th以下の値である場合には、ステップS504における判定結果が肯定判定になるまで、上述の、ステップS503~ステップS507の処理が繰り返される。1頁分の画像の記録が終了した後にステップS514へ進む。ステップS514以降の処理については後述する。
一方、画像の記録開始前のMaxDC値が、第2の頁間閾値PD2thを超える値である場合には、A2サイズ弱の1頁の画像の記録中に、MaxDC値が頁内閾値SDthを超え、ステップS506における判定結果が肯定判定になる場合がある。その場合は、ステップS508へと進み、カウンタWの値がインクリメントされる。ここでのWの値は0であるため、ステップS508の処理後のWの値は1である。
ステップS509において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。図9は、パス数、カウンタWの値、カウンタSの値、動作トリガT、ウェイトの動作の関係を示す図である。例えば、往方向への主走査での記録においてMaxDC値が頁内閾値SDthを超えた場合、Sの値が1となる。本記録動作例の記録モードにおいて、パス数は1、Wの値は1であるため、図9中の動作トリガT欄は空欄である。空欄、すなわち、Wwではないため、ステップS509における判定結果は否定判定となる。
ステップS511において、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。本記録動作例は、1パス,W=1,S=1の記録モードであり、上述したように図9中の動作トリガT欄が空欄である。このため、ステップS511における判定結果は否定判定となる。
ステップS512において、待機動作(ウェイト)が行われる。このとき(1パス,W=1,S=1)のウェイト時間は、図9に示したように0秒である。このため、待機動作(ウェイト)が行われることなく、ステップS503の主走査関連処理へ戻る。
主走査関連処理では、図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その間にインクが吐出されて画像が記録される。ステップS702において、記録動作に伴うドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS705の処理によって、カウンタSの値が0に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へ進む。一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701の記録動作を行ってもこの頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、上述と同様の、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さと同じ、略25.4mmである。
ステップS506において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、前回のステップS506における判定処理において肯定判定である値、すなわち、頁内閾値SDthを超えている値に、ステップS702におけるドットカウント値が加算された値である。従って、このときの判定結果は肯定判定となり、ステップS508へと進む。
ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされる。Wの値は1であるため、ステップS508の処理後のWの値は2である。
ステップS509において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき(1パス,W=2,S=0)、図9中の動作トリガT欄はWwである。従って、ステップS509における判定結果は肯定判定となり、ステップS510のワイプ関連処理へ進む。
図8は、ワイプ関連処理を示すフローチャートである。まず、ステップS801において、上述したワイピングが行われ、記録ヘッド100の吐出口面102上に付着した、不要なインクや埃等が拭い去られる。そして、ステップS802において、吐出口列毎に対応する各ドットカウンタの値が0にリセットされる。ステップS803において、予備吐出が行われる。ステップS801のワイピングによって、吐出口面102上に付着していたインクがワイピングによって吐出口内へと押し込められる可能性がある。このため、押し込められたインクが次に行われる画像の記録動作に用いられないよう、予備吐出が行われる。ステップS804において、ステップS803での予備吐出に対応するカウント値が加算され、ワイプ関連処理が終了する。尚、ワイプ関連処理によって、記録ヘッド100の吐出性能は維持回復されるが、このワイプ関連処理の実行には約15秒の時間を要する。
ワイプ関連処理の終了後、ステップS511へと進み、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(1パス,W=2,S=0)、図9中の動作トリガT欄は、上述のようにWwであり、WEではない。従って、ステップS511における判定結果は否定判定となり、ステップS512へと進む。
ステップS512において、待機動作(ウェイト)が行われる。このとき(1パス,W=2,S=0)のウェイト時間は、図9に示したように0秒である。このため、待機動作(ウェイト)が行われることなく、ステップS503の主走査関連処理へ戻る。
主走査関連処理では、図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その間にインクが吐出されて画像が記録される。ステップS702において、記録動作に伴うドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、カウンタSの値が1に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へ進む。一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701の記録動作を行ってもこの頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さと同じ、略25.4mmである。
ステップS506において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後、ステップS804においてドットカウント値が加算された値である。この値は、1×10の6乗程度の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS507へ進む。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われる。このときのWの値は2であるため、判定結果は否定判定となる。
ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされる。Wの値は2であるため、ステップS508の処理後のWの値は3である。
ステップS509において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき(1パス,W=3,S=1)、図9中の動作トリガT欄はWEであり、Wwではないため、判定結果は否定判定となり、ステップS511へ進む。
ステップS511において、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(1パス,W=3,S=1)、図9中の動作トリガT欄はWEであるため、判定結果は肯定判定となり、ステップS513へ進む。
ステップS513において、カウンタWの値が0にリセットされ、再度ステップS503の主走査関連処理へ戻る。その後、ステップS504における判定結果が肯定判定になるまで、ステップS503~ステップS507の処理が繰り返される。1頁の画像記録が終了した後、ステップS514へ進む。
一方、復方向の主走査の記録によってMaxDC値が頁内閾値SDthを超えた場合には、ステップS506の判定処理における判定結果が肯定判定となる。この場合には、ステップS508に進み、カウンタWの値が1にインクリメントされる。
ステップS509において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき、パス数は1、Wの値は1、Sの値は0であるため、図9中の動作トリガT欄はWwである。したがって、ステップS509における判定結果は肯定判定となり、ステップS510へと進み、上述した、ワイプ関連処理が行われる。
ワイプ関連処理が終了後、ステップS511において、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(1パス,W=1,S=0)の、図9中の動作トリガT欄はWwであり、WEではないため、判定結果は否定判定となる。
ステップS512において、待機動作(ウェイト)が行われる。このとき(1パス,W=1,S=0)のウェイト時間は、図9に示したように0秒であるため、待機動作(ウェイト)が行われることなく、再びステップS503の主走査関連処理へと戻る。
このとき(1パス,W=1,S=0)の主走査関連処理では、図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その走査の間にインクが吐出され、画像が記録される。ステップS702において、記録動作に対応するドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、Sの値が1に更新され、主走査関連処理は終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701の記録動作によって1頁の画像記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へ進む。一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、1頁の画像記録が終了していない場合には、ステップS505において、副走査が行われる。このときの搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さと同じ、略25.4mmである。
ステップS506において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。このときのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後、ステップS804においてドットカウント値が加算された後の値である。この値は1×10の6乗程度の値であるため、ステップS506における判定結果は否定判定となる。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われ、このときのWの値は1であるため、判定結果は否定判定となる。ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされる。このときの、Wの値は1であるため、ステップS508の処理後のWの値は2である。
ステップS509において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき(1パス,W=2,S=1)、図9中の動作トリガT欄はWEであり、Wwではないため、判定結果は否定判定となる。
ステップS511において、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(1パス,W=2,S=1)、図9中の動作トリガT欄はWEであるため、判定結果は肯定判定となる。
ステップS513において、カウンタWの値が0にリセットされ、再度、ステップS503の主走査関連処理へ戻る。
その後、上述したように、ステップS504における判定結果が肯定判定になるまで、ステップS503~ステップS507の処理が繰り返される。1頁の記録が終了した後、ステップS514へ進む。
このような制御により、主走査間において行われるワイプ関連処理が、キャリッジ111の復方向への主走査後に行われ、ワイプ関連処理のためだけのキャリッジ111の復方向への移動が生じない。
ここで、マルチパス記録時の時間差に起因する画像弊害について説明する。マルチパス記録においては、ある主走査で吐出されたインクが被記録媒体上で拡散乾燥しつつドットを形成している最中に、次の主走査で吐出されたインクが略同一位置に着弾し、混ざり合う。このとき、インクが混ざり合う程度は、着弾時間差、すなわち主走査間の時間差によって異なる。従って、各主走査間の時間差が均一でないと、連続する2回の主走査で吐出されたインク同士の混ざり合う程度に差が生じ、画像ムラが生じてしまう。
一方、1パス記録では、連続する2回の主走査で吐出されたインク同士が被記録媒体上で混ざり合うことがない。このため、各主走査間の時間差が均一でなくても、画像弊害が生じない。
このようなマルチパス記録における主走査間の時間差は、ワイピング処理を実行するかどうかによっても異なる。ワイピングを実行する場合の連続する2回の主走査間の時間差は、ワイピングを実行しない場合の連続する2回の主走査間の時間差よりも長い。そのため、マルチパス記録を行う場合には、ワイピングを実行したことによる時間差によって画像ムラが生じてしまう場合がある。
図9は、本実施形態の4パスのマルチパス記録モードのウェイト制御を示す図である。約15秒の時間を要するワイプ関連処理の前後の主走査間に、本図に示すウェイト制御を実施する。
以下、復方向の主走査での記録によって、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えた場合の記録動作例を挙げ、4パスモード時の主走査間でのワイピングが行われる場合について説明する。
復方向の主走査の際の記録によって、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えた場合であるから、図5中のステップS506における判定結果は肯定判定となり、ステップS508へと進む。そして、ステップS508において、カウンタWの値が1へとインクリメントされる。なお、復方向の主走査の際の記録によって、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えた場合であるため、カウンタSの値は0である。また、図11(a)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。
ステップS509において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき、パス数は4、Wの値は1、Sの値は0であるため、図9中の動作トリガT欄は空欄であり、Wwではない。従って、判定結果は否定判定となる。
ステップS511において、動作トリガT欄がWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(4パス,W=1,S=0)の、図9中の動作トリガT欄は、上述したように空欄であるため、判定結果は否定判定となる。
ステップS512において、待機動作(ウェイト)が行われる。このとき(4パス,W=1,S=0)のウェイト時間は、図9に示したように1秒である。1秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へと戻る。
このとき(4パス,W=1,S=0)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(b)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、Sの値が1に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。なお、このとき(4パスモードのとき)の被記録媒体の搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略25.4mm×1/4=略6.35mmである。
ステップS505の後、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、前回のステップS506における判定処理において肯定判定である値、すなわち、頁内閾値SDthを超えている値に、さらにステップS702におけるドットカウント値が加算された値である。従って、頁内閾値SDthを超えており、判定結果は肯定判定となり、ステップS508へ進む。ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされ、2となる。
ステップS508が終了後、ステップS509以降の処理へと進むが、このとき、パス数は4、Wの値は2、Sの値は1であるため、図9中の動作トリガT欄は空欄、ウェイト時間は2秒である。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果も否定判定となる。ステップS512において2秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=2,S=1)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(c)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS705の処理によって、Sの値が0に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、前回のステップS506における判定処理において肯定判定である値、すなわち頁内閾値SDthを超えた値に、さらにステップS702におけるドットカウント値が加算された値である。従って、頁内閾値SDthを超えており、判定結果は肯定判定となり、ステップS508へ進む。
そして、ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされ、3となる。このとき(4パス,W=3,S=0)の、図9中の動作トリガT欄は空欄、ウェイト時間は4秒となる。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果も否定判定となる。ステップS512において、4秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=3,S=0)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その間にインクが吐出されて、画像が記録される。図11(d)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。図中、Rで示した部分は、4回の主走査での記録によって画像が完成されている。このようなマルチパス記録により、記録ヘッド100を被記録媒体上の所定の領域に対して4回主走査させ、主走査毎に異なる吐出口から吐出されるインクによってドットを形成することで、記録画像における濃度ムラやスジの発生を抑えることができる。
その後、ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、Sの値が1に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、前回のステップS506における判定処理において肯定判定である値、すなわち頁内閾値SDthを超えている値に、ステップS702におけるドットカウント値が加算された後の値である。従って、頁内閾値SDthを超えており、判定結果は肯定判定となり、ステップS508へ進む。
そして、ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされ、4となる。このとき(4パス,W=4,S=1)の、図9中の動作トリガT欄は空欄、ウェイト時間は8秒となる。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果も否定判定となる。ステップS512において、8秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=4,S=1)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(e)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。図中、Rで示した部分は、4回の主走査での記録によって画像の記録が完成されている。
その後、ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS705の処理によって、Sの値がリセットされて0となり、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、前回のステップS506における判定処理において肯定判定である値、すなわち頁内閾値SDthを超えている値に、ステップS702におけるドットカウント値が加算された値である。従って、頁内閾値SDthを超えており、判定結果は肯定判定となり、ステップS508へ進む。
そして、ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされ、5となる。このとき(4パス,W=5,S=0)の、図9中の動作トリガT欄はWw、ウェイト時間は0秒となる。従って、ステップS509における判定結果は肯定判定となり、ステップS510においてワイプ関連処理が行われる。尚、上述したようにワイプ関連処理には、約15秒の時間を要する。その後、ステップS511における判定結果が否定判定となり、ステップS512においての待機はせず(待機時間0秒)、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=5,S=0)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(f)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。図中、Rで示した部分は、4回の主走査での記録によって画像が完成されている。
その後、ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、Sの値が1に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後、ステップS804においてドットカウント値が加算され値である。この値は1×10の6乗程度の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS507へと進む。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われる。このときのWの値は5であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS508へと進む。
ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされて6となる。このとき(4パス,W=6,S=1)の、図9中の動作トリガT欄は空欄、ウェイト時間は8秒となる。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果も否定判定となり、ステップS512において、8秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=6,S=1)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(g)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。図中、Rで示した部分は、4回の主走査での記録によって画像が完成されている。
ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS705の処理によって、Sの値が0に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504においては、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後に、ステップS804におけるドットカウント値の加算、及び、1回のステップS702におけるドットカウント値が加算された値である。この値は1×10の7乗未満の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS507へ進む。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われ、このときのWの値は6であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS508へと進む。
ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされて7となる。このとき(4パス,W=7,S=0)の、図9中の動作トリガT欄は空欄、ウェイト時間は4秒となる。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果も否定判定となり、ステップS512において、4秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理と戻る。
このとき(4パス,W=7,S=0)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(h)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。図中にRで示した部分は、4回の主走査での記録によって画像の記録が完成されている。
ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、Sの値が1に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後に、ステップS804においてドットカウント値が加算され、且つ、2回のステップS702におけるドットカウント値の加算が行われた値である。この値は1.5×10の7乗未満の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS507へ進む。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われ、このときの、Wの値は7であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS508へ進む。
ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされて8となる。このとき(4パス,W=8,S=1)の、図9中の動作トリガT欄は空欄、ウェイト時間は2秒となる。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果も否定判定となり、ステップS512において、2秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=8,S=1)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(i)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。図中、Rで示した部分は、4回の主走査での記録によって画像の記録が完成されている。
ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS705の処理によって、Sの値が0に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後に、ステップS804においてドットカウント値が加算され、且つ、ステップS702においてドットカウント値が2回加算された値である。この値は2×10の7乗未満の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS507へ進む。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われ、このときの、Wの値は8であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS508へ進む。
ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされて9となる。このとき(4パス,W=9,S=0)の、図9中の動作トリガT欄は空欄、ウェイト時間は1秒となる。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果も否定判定となり、ステップS512において、1秒間待機した後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=9,S=0)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。図11(j)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。図中、Rで示した部分は、4回の主走査での記録によって画像の記録が完成されている。
ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、Sの値が1に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後に、ステップS804におけるドットカウント値が加算され、且つ、4回のステップS702におけるドットカウント値の加算が行われた値である。この値は2.5×10の7乗未満の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS507へ進む。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われ、このときの、Wの値は9であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS508へと進む。
ステップS508において、カウンタWの値がインクリメントされて10となる。このとき(4パス,W=10,S=1)の、図9中の動作トリガT欄はWEとなる。従って、ステップS509における判定結果は否定判定、ステップS511における判定結果は肯定判定となり、ステップS513へ進む。
ステップS513において、カウンタWの値が0へとリセットされた後、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
このとき(4パス,W=0,S=1)の主走査関連処理は、基本的には前述の主走査関連処理と同様である。図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その間にインクが吐出され、画像が記録される。
ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ステップS703~ステップS705の処理によって、Sの値が0に更新され、主走査関連処理が終了する。
図5に戻り、ステップS504において、ステップS701における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS514へと進む。
一方、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS505へと進み、副走査が行われる。搬送量は、ステップS701において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さの4分の1、すなわち、略6.35mmである。
ステップS505の後は、ステップS506へと進み、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。ここでのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後に、ステップS804においてドットカウント値が加算され、且つ、5回のステップS702におけるドットカウント値の加算が行われた値である。この値は3×10の7乗未満の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS507へ進む。
ステップS507において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われ、このときの、Wの値は0であるため、判定結果は肯定判定となり、ステップS503、すなわち、主走査関連処理へ戻る。
その後、上述したように、ステップS504における判定結果が肯定判定になるまで、ステップS503~ステップS507の処理が繰り返される。画像1頁の記録が終了した後、ステップS514へと進む。
このように、ワイプ関連処理が実行されるタイミングに向けて、主走査間の時間差が徐々に長くなるように、且つ、ワイプ関連処理の実行終了後には、主走査間の時間差が徐々に短くなり、元の時間に戻るように制御する。この結果、主走査間の時間差が急激に変動せず、時間差ムラの発生を抑制することができる。
次に、ステップS514以降の処理について説明する。ステップS504における判定結果が肯定判定、すなわち、1頁の記録が終了した場合には、S514において、不図示のキャリッジモータの回転によって、キャリッジ111がホームポジションへ移動する。ホームポジション(以下、HPとも称する。)とは、記録ヘッド100のインク吐出口が、キャップ130によってキャッピングされるときのキャリッジ111の位置である。
ステップS515において、周知の手段(不図示)によって、被記録媒体が排紙され、ステップS516において、次頁のプリント指令が入力されているか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定、すなわち、次頁のプリント指令が入力されている場合には、ステップS517へと進み、次頁のプリント指令中に含まれている、パス数データを取得する。ステップS518において、ステップS517で取得したパス数データが、1パスであるか否かの判定処理が行われる。判定結果が否定判定、すなわち、1パスでないマルチパス記録である場合には、ステップS519へと進む。
ステップS519において、頁間閾値PDthが、第2の頁間閾値PD2thに設定される。本実施形態において、第2の頁間閾値の値は500,000,000、すなわち、5×10の8乗である。
この第2の頁間閾値PD2thについて以下に説明する。MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下の値であった場合、その後にA2サイズ弱の画像が記録されたとしても、1頁の画像記録中に、MaxDC値が上記頁内閾値SDthを超えることはない。すなわち、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下の値であれば、この後の定型サイズの被記録媒体に対する1頁の画像の記録中に、主走査間のワイピングが行われることはないことを意味する。
ステップS519の後、ステップS521へ進み、MaxDC値が頁間閾値PDthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。上述したように、ここでの頁間閾値PDthは、第2の頁間閾値PD2thに設定されている。
判定結果が肯定判定、すなわち、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2thを超える値である場合には、ステップS522のワイプ関連処理へと進む。これは、次の1頁でのマルチパス記録中にワイピングが実行される可能性があるかどうかの判断であり、ワイピングが実行される可能性がある場合には、次の1頁の記録が開始する前に、予めワイピングを行っておく。これにより、ドットカウント値がリセットされ、次の1頁の記録がA2サイズ以下の定型サイズの被記録媒体への記録である場合には、記録中にワイピングが行われないようにすることができる。尚、ステップS522のワイプ関連処理は、上述したステップS510におけるワイプ関連処理と同様であるため、その説明は省略する。
ステップS522のワイプ関連処理の後、ステップS502の記録前処理、ステップS503のマルチパスモードでの記録動作が実行される。尚、記録前処理のステップS604における、キャップ130をキャッピングポジションから離間ポジションへと移動させる処理については、既にキャップ130が離間ポジションに位置しているため、ここではスキップされる。
一方、ステップS521における判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下の値である場合には、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS502の記録前処理へ戻る。MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下である場合には、定型サイズの被記録媒体であれば、次の1頁の記録中にワイピングが行われない。そのため、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下である場合には、次の1頁の記録モードがマルチパスモードであっても、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS502へ戻る。
その後、ステップS502の記録前処理が行われた後、マルチパスモードでの記録動作が開始される。このときも、ステップS604はスキップされる。
ステップS518へ戻り、判定結果が肯定判定、すなわち、ステップS517で取得したパス数データが1パスである場合には、ステップS520へ進む。
ステップS520において、頁間閾値PDthを、第1の頁間閾値PD1thに設定する。本実施形態において、第1の頁間閾値の値は1,090,000,000、すなわち、1.09×10の9乗であり、上述した頁内閾値SDth1.1×10の9乗よりも、1×10の7乗(1%程度)小さい。
ステップS520の終了後、ステップS521へ進み、MaxDC値が、頁間閾値PDthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。このときの頁間閾値PDthは、ステップS520において第1の頁間閾値PD1thに設定されている。判定結果が肯定判定、すなわち、MaxDC値が第1の頁間閾値PD1thを超える値である場合には、ステップS522のワイプ関連処理へ進む。すなわち、次の被記録媒体に対する記録開始後直ぐに、MaxDC値が頁内閾値SDthを超える可能性がある場合には、記録開始前のこのタイミングで予めワイピングを行っておく。ステップS522のワイプ関連処理については、ステップS510におけるワイプ関連処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS522の後、ステップS502の記録前処理が行われ、その後、1パスモードでの画像記録が開始される。ここでも、ステップS604はスキップされる。
一方、ステップS521における判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が第1の頁間閾値PD1th以下の値である場合には、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS502の記録前処理へ戻る。次の被記録媒体に対する記録モードが1パスモードである場合、記録開始後の主走査間にワイピングが行われても時間差ムラは発生しない。従って、前の被記録媒体への記録終了後、次の被記録媒体への記録開始前のタイミングにおいては、ワイプ関連処理を行うことなくステップS502へ戻る。
このような制御により、頁間、すなわち、前の被記録媒体への記録終了後であって次の被記録媒体への記録開始前のタイミングにおけるワイプ関連処理の実施頻度を下げることができる。この結果、複数枚の被記録媒体に対して画像を連続的に記録する場合に、記録に要する時間を短縮化し、スループットを向上させることができる。
ステップS502の記録前処理の後、1パスモードでの記録動作が開始される。このときも、ステップS604はスキップされる。
一方、ステップS516における判定結果が肯定判定、すなわち、ステップS515の終了までに次の被記録媒体へのプリント指令が入力されていない場合には、ステップS523へ進む。ステップS523において、MaxDC値が、頁後閾値EDthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。本実施形態において、頁後閾値EDthの値は20,000,000、すなわち、2×10の7乗である。
ステップS523における判定結果が肯定判定、すなわち、MaxDC値が頁後閾値EDthを超えている場合には、ステップS524へと進み、ワイプ関連処理が行われる。このときは、次の被記録媒体への記録指令が無いため、ワイプ関連処理を行っても記録動作に要する時間に影響しない。頁後閾値EDthとして比較的小さい値を設定しておくことで、ワイピング処理が入りやすくなり、記録ヘッド100の吐出性能を維持回復させることができる。
ステップS524のワイプ関連処理の終了後、ステップS525へ進み、キャップ130を離間ポジションからキャッピングポジションへと移動させてキャッピングし、記録動作を終了する。
一方、ステップS523における判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が頁後閾値EDth以下である場合には、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS525へ進み、キャッピングする。MaxDC値が頁後閾値EDth以下である場合には、記録ヘッド100の吐出口面102上に付着しているインクはほとんど無く、ワイピングを行う必要性がないからである。ステップS525のキャッピング終了後、記録動作を終了する。
以上のように、複数枚の被記録媒体へ連続的に記録動作を実行する際に、(n+1)(n:自然数)頁目の画像を記録するための記録動作が、時間差ムラが視認されやすいマルチパス記録モードであるかどうかを判断する。そして、判断結果に基づいて、n頁目と(n+1)頁目の間に回復処理を実行するかどうかを適切に判断する。これにより、適切にワイピング等の回復処理が行われ、記録に要する時間を短縮化しつつ、記録性能を維持回復することにより画質低下を抑制することができる。
尚、本実施形態では、1パスモードと4パスモードについてそれぞれ閾値を設定しているが、同じパス数でも条件の異なる複数の記録モードを備える形態であってもよく、例えば、主走査速度の異なる複数の1パスモードを含む記録モード群や、主走査速度の異なる複数の4パスモードを含む記録モード群である。そして、各記録モードについてそれぞれ頁間閾値及び頁内閾値が設定される形態であってもよい。このとき、1パスモードに対応する閾値の最も大きい値が、2パス以上のマルチパスモードに対応する閾値の最も大きい値よりも大きい値に設定される。
(第2の実施形態)
前述の実施形態では、1パスモードや4パスモード等の記録モードを有するインクジェット記録装置の例について説明したが、本実施形態では、変則2パスモードをさらに有するインクジェット記録装置について説明する。尚、前述の実施形態と同様の点については、説明を省略する。
以下、本実施形態の記録装置の記録動作について、図12~図15を参照しながら説明する。図12は、本実施形態の記録動作を示すフローチャートである。各処理の詳細について、図5と同様の点については省略する。図14は、本実施形態で説明する変則2パスモードにおけるパス数、カウンタWの値、カウンタSの値、動作トリガT、ウェイトの動作の関係を示す図である。
本実施形態の記録装置がプリント指令を受信すると、ステップS1201において、プリント指令中に含まれている記録モードデータを取得する。以下、取得した記録モードが変則2パスモードであって、A2サイズの被記録媒体上にA2サイズ弱の画像を記録する場合の記録動作例について説明する。
ステップS1201においてパス数を取得した後、ステップS1202において記録前処理が行われる。記録前処理については、第1の実施形態における記録前処理と同様である。
ステップS1203において、主走査関連処理へと進む。図7中のステップS701において、キャリッジ111を往方向に主走査させつつ、その走査の間にインクが吐出され、画像が記録される。この際、被記録媒体上に記録される記録領域のY1方向の長さは、略1インチ=略25.4mmである。図15(a)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。
ステップS701の終了後、ステップS702において、ドットカウント値が加算される。本実施形態では、ステップS701において各吐出口列から吐出されたインク数に係数を乗じた値を、各ドットカウンタに加算する。
図13は、本処理における係数を説明するための表である。ここで、被記録媒体上に、主走査方向1,200dpi(ドット/インチ)、副走査方向1,200dpi(ドット/インチ)間隔の、架空の格子点を考える。この架空の格子点は、被記録媒体上の、主走査方向1インチ、副走査方向1インチの範囲(以下、対象範囲とも称する。)内に、1,440,000点含まれる。図13に記載のデューティーとは、単位面積あたりに付与されるインク量を示しており、ステップS701において対象範囲に向けて吐出された各吐出口列のインク滴の数を、1,440,000で除した値のパーセント表示値である。すなわち、ステップS702においては、ステップS701において各吐出口列から吐出されたインク滴の数に、デューティーが高くなるほど大きな値となる係数を乗じた値が、各ドットカウンタに加算される。デューティーが高いほど、記録ヘッド100の吐出口面102上に付着する、1ドットあたりのインク量が多いからである。
ステップS702の終了後、ステップS703において、カウンタSの値がインクリメントされる。このときのSの値は0であるため、ステップS703の処理によって、Sの値が1に更新される。
ステップS704において、Sの値が2以上であるか否かの判定処理が行われる。このときのSの値は1であるため、判定結果は否定判定となる。この結果、ステップS705はスキップされ、主走査関連処理は終了する。
図12に戻り、ステップS1204において、ステップS701の記録動作によって被記録媒体1頁分の記録が終了したか否かの判定処理が行われる。A2サイズ弱の画像を記録する上で、ここまでに記録された上記副走査方向の長さは略25.4mmのみであるため、判定結果は否定判定となる。
ステップS1205に進み、Sの値に応じた搬送量の副走査が行われる。ここでのSの値は1であるため、搬送量は略0mmである。この詳細については後述する。
ステップS1206において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。本実施形態において、頁内閾値SDthの値は、第1の実施形態と同様に、1,100,000,000、すなわち、1.1×10の9乗である。
ステップS1206における判定結果が否定判定である場合、ステップS1207へと進む。そして、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われるが、このときのWの値は0であるため、ステップS1207における判定結果は肯定判定となり、ステップS1203の主走査関連処理へと戻る。
ここでの主走査関連処理では、図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その走査の間にインクが吐出され、画像が記録される。この際、被記録媒体上に既に記録されている記録領域の上にインクが吐出され、画像が記録される。図15(b)は、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図である。
ステップS701の終了後、ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ここでは、ステップS701における記録の際に、各吐出口列から吐出されたインク滴の数に、図13の表に示す係数を乗じた値が、各ドットカウンタに加算される。
その後、ステップS703において、カウンタSの値がインクリメントされる。このときのSの値は1であるため、ステップS703における処理によってSの値が2に更新される。
ステップS704において、Sの値が2以上であるか否かの判定処理が行われる。このとき、Sの値は2であるため、判定結果は肯定判定となり、ステップS705において、カウンタSの値が0にリセットされ、主走査関連処理が終了する。
図12に戻り、ステップS1204において、ステップS701の記録動作によって、1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われる。ここまでに記録された副走査方向の長さは略25.4mmであるため、判定結果は否定判定となり、再び、ステップS1205へ進む。
ステップS1205において、Sの値に応じた搬送量の副走査が行われる。このときのSの値は0であるため、搬送量は略25.4mmである。
ステップS1206において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われ、判定結果が否定判定である場合には、ステップS1207へ進み、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われる。このときのWの値は0であるため、判定結果は肯定判定となり、再び、ステップS1203へと戻る。
MaxDC値が頁内閾値SDthを超えていない場合には、ステップS1204における判定結果が肯定判定になるまで、ステップS1203~ステップS1207の処理が繰り返される。1頁の記録終了後、ステップS1214へ進む。ステップS1214以降の処理については後述する。
以上では、キャリッジ111の往方向への主走査の間の記録、被記録媒体搬送量略0mmの副走査、キャリッジ111の復方向への主走査の間の記録、被記録媒体搬送量略25.4mmの副走査を繰り返して、1頁の画像の記録を完成させた。このような記録モードのことを変則2パスモードと称する。この変則2パスモードの採用により、1パスモード等で、比較的デューティーの高い画像を記録する際に発生することのある、いわゆる色順ムラの発生を抑制することができる。色順ムラとは、記録ヘッド100の各インク吐出口列から吐出される各色インクの、被記録媒体への着弾順序が異なる場合に発生することのある画像ムラである。例えば、1パスモードにおいては、被記録媒体を搬送する毎にキャリッジの走査方向が逆になるため、各色インクの被記録媒体への着弾順序も逆になる。その結果、1パスモードにおける色順ムラは、副走査方向の搬送量ピッチの画像ムラとして現れる。
ステップS1206に戻り、判定結果が肯定判定、すなわち、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えている場合には、ステップS1208において、カウンタWの値がインクリメントされる。このときの、Wの値は0であったため、ステップS1208における処理により、Wの値が1に更新される。
ステップS1208が終了後、ステップS1209へと進み、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。例えば、往方向の主走査の際の記録によって、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えた場合には、Sの値は1である。また、いま、記録モードは変則2パス、Wの値は1であるため、このときの、図14中の動作トリガT欄は、空欄である。空欄であって、Wwではないため、このときの、ステップS1209における判定結果は否定判定となり、ステップS1211へと進む。
ステップS1211において、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=1,S=1)の、図14中の動作トリガT欄は空欄であるため、ステップS1211における判定結果は否定判定となり、S1212へと進む。
ステップS1212において、待機動作(ウェイト)が行われる。このとき(変則2パス,W=1,S=1)のウェイト時間は、図14に示したように0秒であるため、待機動作(ウェイト)は行われることなく、ステップS1203の主走査関連処理へ戻る。
このとき(変則2パス,W=1,S=1)の、主走査関連処理では、図7中のステップS701において、キャリッジ111が復方向に主走査され、その走査の間にインクが吐出され、画像が記録される。
ステップS701の後、ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ここでも、ステップS701における記録動作において各吐出口列から吐出されたインク数に、図13に示した係数を乗じた値が、各ドットカウンタに加算される。
ステップS702の後、ステップS703~ステップS705の処理によって、Sの値が0に更新され、主走査関連処理は終了する。
図12に戻り、ステップS1204において、ステップS701における記録によって被記録媒体1頁分の記録動作が終了したか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定である場合には、ステップS1214へと進む。判定結果が否定判定、すなわち、ステップS701における記録を行っても、この頁の記録が終了していない場合には、ステップS1205へと進み、Sの値に応じた搬送量の副走査が行われる。このときのSの値は0であるため、搬送量は略25.4mmである。
ステップS1205の後、ステップS1206において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。このときのMaxDC値は、前回のステップS1206での判定処理で肯定判定である値、すなわち頁内閾値SDthを超えている値に、ステップS702でドットカウント値が加算された値であるため、頁内閾値SDthを超えている。従って、判定結果は肯定判定となり、ステップS1208へ進む。
ステップS1208において、カウンタWの値がインクリメントされる。このときのWの値は1であるため、ステップS1208の処理によってWの値が2に更新される。
ステップS1209において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=2,S=0)には、図14中の動作トリガT欄にWwが記載されているため、判定結果は肯定判定となり、ステップS1210のワイプ関連処理へ進む。なお、ワイプ関連処理については、第1の実施形態におけるワイプ関連処理と同様であるため、説明は省略する。本実施形態におけるワイプ関連処理にも、第1の実施形態のときと同様に、約15秒の時間を要する。
ステップS1211において、動作トリガTはWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=2,S=0)の、図14中の動作トリガT欄には、Wwが記載されており、WEは記載されていないため、判定結果は否定判定となり、ステップS1212へ進む。
ステップS1212において、待機動作(ウェイト)が行われる。このとき(変則2パス,W=2,S=0)のウェイト時間は、図14に示したように0秒であるため、待機動作(ウェイト)は行われることなく、再びステップS1203の主走査関連処理へ戻る。
このとき(変則2パス,W=2,S=0)の主走査関連処理では、図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その走査の間にインクが吐出されて、画像が記録される。
ステップS702において、ドットカウント値が加算される。ここでは、ステップS701における記録の際に、各吐出口列から吐出されたインク滴の数に、図13に示した係数を乗じた値が、各ドットカウンタに加算される。ステップS703~ステップS704の処理によって、Sの値が1に更新され、主走査関連処理が終了する。
図12に戻り、ステップS1204において、ステップS701の記録動作によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われるが、このときの判定結果は否定判定となる。記録モードが変則2パスである場合、往方向への主走査の際の記録によって、1頁の記録が終了することはないからである。
ステップS1205へ進み、Sの値に応じた搬送量の副走査が行われる。このときの、Sの値は1であるため、搬送量は略0mmである。
ステップS1206において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。このとき、MaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後、ステップS804においてドットカウント値が加算された値である。この値は1×10の6乗程度の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS1207へと進む。
ステップS1207において、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われる。このときのWの値は2であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS1208へと進む。
ステップS1208において、カウンタWの値がインクリメントされる。このときのWの値は2であるため、ステップS1208における処理によって、Wの値が3に更新される。
ステップS1209において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=3,S=1)、図14中の動作トリガT欄には、WEが記載されており、Wwは記載されていないため、判定結果は否定判定となり、ステップS1211へ進む。
ステップS1211において、動作トリガT欄がWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=3,S=1)、図14中の動作トリガT欄には、上述したように、WEが記載されているため、判定結果は肯定判定となり、ステップS1213へ進む。
ステップS1213において、カウンタWの値が0にリセットされ、再度ステップS1203の主走査関連処理へ戻る。
その後、上述したように、ステップS1204の判定結果が肯定判定になるまで、ステップS1203~ステップS1207の処理が繰り返される。1頁の記録が終了した後、ステップS1214へと進む。
一方、復方向の主走査の際の記録によって、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えた場合には、ステップS1206における判定結果が肯定判定になって進んだステップS1208において、カウンタWの値が1にインクリメントされる。
そして、ステップS1209において、記録モード及びカウンタW及びSの値に応じた、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このときの記録モードは変則2パス、Wの値は1、Sの値は0であるため、図14中の動作トリガT欄には、Wwが記載されている。従って、判定結果は肯定判定となり、ステップS1210においてワイプ関連処理が行われる。
ワイプ関連処理の終了後、ステップS1211へ進み、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=1,S=0)の、図14中の動作トリガT欄には、上述したように、Wwが記載されており、WEは記載されていないため、判定結果は否定判定となり、ステップS1212へと進む。
ステップS1212において、待機動作(ウェイト)が行われる。このとき(変則2パス,W=1,S=0)のウェイト時間は、図14に示したように0秒であるため、待機動作(ウェイト)は行われることなく、再びステップS1203の主走査関連処理へ戻る。
このとき(変則2パス,W=1,S=0)の主走査関連処理では、図7中のステップS701において、キャリッジ111が往方向に主走査され、その走査の間にインクが吐出され、画像が記録される。ステップS702において、ドットカウント値が加算される。すなわち、ステップS701における記録の際に、各吐出口列から吐出されたインク滴の数に、図13に示した係数を乗じた値が、各ドットカウンタに加算される。ステップS703~ステップS704の処理によってSの値が1に更新され、主走査関連処理は終了する。
図12に戻り、ステップS1204において、ステップS701の記録動作によって被記録媒体1頁分の記録が終了したか否かの判定処理が行われるが、このときの判定結果は否定判定となる。上述したように、記録モードが変則2パスである場合、往方向への主走査の際の記録によって、1頁の記録が終了することはないからである。
ステップS1205へ進み、Sの値に応じた搬送量の副走査が行われる。このときのSの値は1であるため、搬送量は略0mmである。
ステップS1206において、MaxDC値が頁内閾値SDthを超えているか否かの判定処理が行われる。このときのMaxDC値は、ステップS802においてリセットされて0となった後、ステップS804でのドットカウント値の加算、及び、1回のステップS702におけるドットカウント値の加算が行われた値である。この値は0.5×10の6乗未満の値であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS1207へと進む。
ステップS1207においては、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われ、このときの、Wの値は1であるため、判定結果は否定判定となり、ステップS1208へと進む。
ステップS1208において、カウンタWの値がインクリメントされる。なお、このときの、Wの値は1であるため、ステップS1208の処理によって、Wの値が2に更新される。
ステップS1209において、動作トリガTがWwであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=2,S=1)、図14中の動作トリガT欄には、WEが記載されており、Wwは記載されていないため、判定結果は否定判定となり、ステップS1211へ進む。
ステップS1211において、動作トリガTがWEであるか否かの判定処理が行われる。このとき(変則2パス,W=2,S=1)、図14中の動作トリガT欄には、上述したように、WEが記載されているため、判定結果は肯定判定となり、ステップS1213へ進む。
ステップS1213において、カウンタWの値が0にリセットされ、再度ステップS1203の主走査関連処理へと戻る。
その後、上述したように、ステップS1204における判定結果が肯定判定になるまで、ステップS1203~ステップS1207の処理が繰り返される。1頁の記録が終了後、ステップS1214へ進む。
このような制御により、ある主走査と次の主走査の間に行われるワイプ関連処理が、キャリッジ111の復方向への主走査後に行われるため、ワイプ関連処理のみのためのキャリッジ111の復方向への移動がない。
なお、変則2パスモード時においては、キャリッジ111の復方向への主走査後にワイピングを行っても、記録される画像に時間差ムラが発生しない。1頁の画像内で、ある主走査の際に吐出されたインクと、次の主走査の際に吐出されたインクとが、被記録媒体上で混ざり合う時間に差が生じないからである。ただし、キャリッジ111の往方向への主走査後にワイピングを行うと、時間差ムラが発生してしまう。これは、走査の前後にワイピングが行われた箇所においてのみ、往方向への主走査の際に吐出されたインクが、復方向への主走査の際に吐出されたインクと、被記録媒体上で混ざり合うまでの時間が長くなるからである。
図12に戻り、ステップS1214において、ステップS1204の判定結果が肯定判定、すなわち、1頁の記録が終了した場合には、キャリッジ111がホームポジションへと移動する。その後、ステップS1215において、周知の手段(不図示)によって、被記録媒体が排紙される。
ステップS1216において、次頁のプリント指令が入力されているか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定、すなわち、次頁のプリント指令が入力されている場合には、ステップS1217へと進み、次頁のプリント指令中に含まれている、記録モードデータを取得する。
ステップS1218において、取得した記録モードデータが、1パスモードであるか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定である場合には、ステップS1219へ進み、頁間閾値PDthを、第1の頁間閾値PD1thに設定する。なお、この第1の頁間閾値PD1thの値は、第1の実施形態における値と同一の1,090,000,000、すなわち、1.09×10の9乗である。
ステップS1223において、MaxDC値が頁間閾値PDthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。前述のように、ここでの頁間閾値PDthは、第1の頁間閾値PD1thに設定されている。判定結果が肯定判定である場合には、ステップS1224のワイプ関連処理へ進む。ワイプ関連処理については、上述のワイプ関連処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS1202の記録前処理へと戻り、記録前処理が行われた後、1パスモードでの記録が開始される。このときも、第1の実施形態のときと同様に、図6中のステップS604はスキップされる。
一方、ステップS1223における判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が第1の頁間閾値PD1th以下の値である場合には、ワイプ関連処理を行うことなく、そのままステップS1202の記録前処理へと戻る。次頁の記録モードが1パスモードであるため、次頁の記録中にワイピングが行われても時間差ムラが発生しない。ここでは、頁間におけるワイプ関連処理を行うことなく、ステップS1202へと戻る。
このような制御により、頁間におけるワイプ関連処理の実施頻度を下げることができ、複数頁の画像を連続的に記録する場合における記録動作に要する時間を短縮化することができる。
その後、記録前処理が行われた後、1パスモードでの記録が開始される。なお、このときも、図6中のステップS604はスキップされる。
図12のステップS1218へ戻り、判定結果が否定判定、すなわち、取得した記録モードデータが1パスモードでない場合、ステップS1220へ進み、ステップS1217で取得した記録モードデータが変則2パスモードであるか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定である場合、ステップS1221へ進む。
ステップS1221において、頁間閾値PDthを、第3の頁間閾値PD3thに設定する。なお、この第3の頁間閾値PD3thの値は、1,080,000,000、すなわち、1.08×10の9乗であるが、第1の頁間閾値PD1thと同一の値としても構わない。
ステップS1223において、MaxDC値が頁間閾値PDthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。ここでは、頁間閾値PDthは第3の頁間閾値PD3thに設定されている。判定結果が肯定判定、すなわち、MaxDC値が第3の頁間閾値PD3thを超える値である場合には、ステップS1224の、ワイプ関連処理を行った後に、ステップS1202の記録前処理へと戻る。記録前処理の後、変則2パスモードでの記録が開始される。このときも、図6中のステップS604はスキップされる。
一方、ステップS1223における判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が第3の頁間閾値PD3th以下の値である場合には、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS1202の記録前処理へ戻る。すなわち、次頁の記録モードが変則2パスモードであって、次頁の記録中に上述のようなワイピングが行われても、時間差ムラが発生しない場合には、頁間でのワイプ関連処理を行うことなく、ステップS1202へと戻る。その後、記録前処理が行われた後、変則2パスモードでの記録が開始される。このときも、図6中のステップS604はスキップされる。
図12のステップS1220へ戻り、判定結果が否定判定、すなわち、取得した記録モードデータが1パスモードでも変則2パスモードでもない、したがって、マルチパスモードである場合には、ステップS1222へと進む。
ステップS1222において、頁間閾値PDthを、第2の頁間閾値PD2thに設定する。なお、この第2の頁間閾値PD2thの値は、第1の実施形態における値と同一の、500,000,000、すなわち、5×10の8乗である。
第2の頁間閾値PD2thの値は、第1の実施形態と同様、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下の値であれば、この後、A2サイズ弱の画像を記録する場合であっても、記録中にMaxDC値が頁内閾値SDthを超えることはない。すなわち、本実施形態においても、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下の値であれば、この後の定型サイズの被記録媒体に対する記録(1頁)中に、ワイピングが行われることはない。
ステップS1223において、MaxDC値が頁間閾値PDthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。ここでの頁間閾値PDthは、第2の頁間閾値PD2thに設定されている。判定結果が肯定判定、すなわち、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2thを超える値である場合には、ステップS1224のワイプ関連処理へと進む。マルチパス記録モードである、次頁の記録(定型サイズ)中に、ワイピングが行われる可能性がある場合には、ステップS1224において予めワイピングを行い、ドットカウント値をリセットしておく。この処理により、次頁の記録が定型サイズの被記録媒体への記録である限り、記録中にワイピングが行われる可能性がなくなる。従って、次頁の記録モードがマルチパスモードであっても、定型サイズの被記録媒体への記録である場合には、時間差ムラの発生が抑制される。
ステップS1202の記録前処理の後、マルチパスモードでの記録が開始される。このときも、図6中のステップS604はスキップされる。
一方、ステップS1223の判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下の値である場合には、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS1202の記録前処理へと戻る。MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下である場合には、定型サイズの被記録媒体への記録であれば、次頁の記録中にワイピングが行われることがない。そのため、MaxDC値が第2の頁間閾値PD2th以下である場合には、次頁の記録モードがマルチパスモードであっても、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS1202へ戻る。
その後、記録前処理の後、マルチパスモードでの記録が開始される。このときも、図6中のステップS604はスキップされる。
図12のステップS1216へ戻り、判定結果が否定判定、すなわち、ステップS1215の終了までに、次頁のプリント指令が入力されていない場合には、ステップS1225へ進む。
ステップS1225において、MaxDC値が、頁後閾値EDthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。なお、この頁後閾値GEDthの値は、第1の実施形態における値と同一の20,000,000、すなわち、2×10の7乗である。
ステップS1225における判定結果が肯定判定、すなわち、MaxDC値が頁後閾値EDthを超えている場合には、ステップS1226へと進み、ワイプ関連処理が行われる。このときは次頁の記録指令が無いため、ワイプ関連処理に時間を掛けても、記録に要する時間が長くなることはない。MaxDC値が、比較的小さい値である頁後閾値EDthを超えている場合、ワイピングを行い、記録ヘッド100の吐出性能を維持回復させておく。
ワイプ関連処理が終了後、ステップS1227において、キャップ130を離間ポジションからキャッピングポジションへと移動させてキャッピングし、記録動作を終了する。
一方、ステップS1225の判定結果が否定判定、すなわち、MaxDC値が頁後閾値EDth以下である場合には、ワイプ関連処理を行うことなく、ステップS1227へと進み、キャッピングする。MaxDC値が頁後閾値EDth以下である場合には、記録ヘッド100の吐出口面102上に付着しているインクがほとんど無いため、ワイピングを行う必要性がない。キャッピング後、記録動作を終了する。
以上のような制御により、時間差ムラの発生を抑制しつつ、複数頁の画像を連続的に記録する際の記録に要する時間を、短縮化することができる。また、記録画像のデューティーを考慮した値をドットカウント値に加算することにより、ワイピングを実施するタイミングを適切に制御することができる。
尚、第1の実施形態と同様に、変則2パスモードにおいても、主走査速度等の条件の異なる複数の変則2パスの記録モード群を備える形態であってもよい。この場合においても、各記録モードに設定された頁間閾値のうち最も大きい値は、前述のマルチパスモードの各記録モードに設定された頁間閾値のうち最も大きい値よりも大きい値に設定される。
(第3の実施形態)
前述の実施形態においては、前回のワイピング実行から吐出されたインク数に基づいたカウント値が閾値を超えているか否かに応じて、頁内や頁間、あるいは、頁後に、ワイピングを実行するか否かを判断した。本実施形態においては、キャップ130が吐出口面102から離間している時間が所定の閾値を超えているか否かに応じて、ワイピングを実行するか否かを判断する。
図16は、本実施形態の記録動作例を示すフローチャートである。プリント指令を受信すると、ステップS1601において、プリント指令中に含まれている記録モードデータを取得する。以下、取得した記録モードが1パスモードかつ主走査速度40インチ/秒であって、A2サイズの被記録媒体上にA2サイズ弱の画像を記録する場合の記録動作例を説明する。
記録モードデータの取得終了後、ステップS1602において、図17に示す記録前処理Tが行われる。記録前処理T中のステップS1701~ステップS1704の処理は、図6中のステップS601~ステップS604の処理と同様であるため、説明は省略する。
ステップS1704において、キャップ130がキャッピングポジションから離間ポジションへ移動した後、ステップS1705において、キャップ130が開かれてからの経過時間をカウントするためのタイマのカウントが開始される。ステップS1706において、図6中のステップS605と同様の予備吐出が行われる。
ステップS1706の予備吐出の終了後、図17の記録前処理Tを終了し、図16中にステップS1603で示した主走査関連処理Tへと進む。
図18は、主走査関連処理Tについての詳細なフローチャートである。ステップS1801において、キャリッジ111を往方向に主走査させつつ、その走査の間にインクを吐出させて、画像を記録する。この際、被記録媒体上に記録される記録領域の副走査方向の長さは略1インチ=略25.4mmである。このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図は、図10(a)と同様である。
ステップS1802において、ステップS1705において開始したタイマのカウント値をタイマカウンタへと加算する。このタイマカウンタの値が、キャップから離間してからの経過時間を示す時間情報である。ステップS1803において、タイマのカウント値をリセットし、ステップS1804において、再び、タイマのカウントを開始する。
ステップS1804の後、図7中のステップS703~ステップS705と同様の、ステップS1805~ステップS1807の処理が行われ、Sの値が1に更新され、図18に示した主走査関連処理Tは終了する。
図16に戻り、ステップS1604において、図18中のステップS1801における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われ、このときの判定結果は否定判定となる。ここでは、A2サイズ弱の画像を記録している場合の例を説明しているのに対して、ここまでに記録された副走査方向の長さは略25.4mmであるためである。
ステップS1605に進み、副走査が行われる。このときの搬送量は、パス数が1パスであるため、被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さ、すなわち、略25.4mmである。
ステップS1606において、タイマカウンタの値(以下、TC値とも称する)を取得し、頁内閾値であるSTthを超えているか否かの判定処理が行われる。この頁内閾値STthは、TC値が頁内閾値STthを超えている場合には、主走査間において、ワイピングを実行するように制御するための閾値である。
上述したように、吐出口面102がキャップ130によってキャッピングされていないと、吐出口面102に付着したインク中の溶媒が蒸発し、濃縮増粘する。この濃縮増粘したインクは、ワイピングによって払拭することが困難であり、いずれは払拭不能となる。そのため、この頁内閾値STthは、あと数回の主走査の間の時間経過によって、付着インクの払拭不能リスクがかなり高くなるというときの、TC値に設定するのが適当である。本実施形態において、頁内閾値STthの値は8分(480秒)である。
以下、ステップS1606における判定結果が否定判定、すなわち、TC値が頁内閾値STthを超えていない場合について説明する。判定結果が否定判定である場合、ステップS1607へ進み、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われる。このときのWの値は0であるため、判定結果は肯定判定となり、ステップS1603の主走査関連処理Tへと戻る。
主走査関連処理Tでは、図18中のステップS1801において、キャリッジ111が、今度は復方向に主走査され、その走査の間にインクが吐出され、画像が記録される。この際も、被記録媒体上に記録される記録領域の、副走査方向の長さは、略1インチ=略25.4mmである。また、このときの被記録媒体Mを模式的に示す平面図は、図10(b)と同様である。
ステップS1801の終了後、ステップS1802において、再び、タイマのカウント値をタイマカウンタへと加算する。すなわち、前回の往方向への主走査及び記録の後に、一旦リセットされたタイマのカウントが再び開始された時刻から、今回の復方向への主走査及び記録が終了した時刻までの経過時間がタイマカウンタへと加算される。なお、タイマのカウントは、カウント値がタイマカウンタに加算された後、ステップS1803において一旦リセットされ、その後、ステップS1804において、再び開始される。
ステップS1804が終了後、ステップS1805において、カウンタSの値がインクリメントされる。このとき、Sの値は1であるため、ステップS1805の処理によってSの値が2に更新される。
ステップS1806において、Sの値が2以上であるか否かの判定処理が行われる。このとき、Sの値は2であるため、ステップS1806における判定結果は肯定判定となり、ステップS1807へと進む。
ステップS1807において、カウンタSの値が0にリセットされ、主走査関連処理Tが終了し、図16中のステップS1604へと進む。
ステップS1604において、ステップS1801における記録によって1頁の記録が終了したか否かの判定処理が行われる。このとき、記録された副走査方向の長さは略25.4mm×2=略50.8mmであるため、判定結果は否定判定となり、再びステップS1605へ進む。
ステップS1605において、副走査が行われる。なお、このときも、被記録媒体の搬送量は、ステップS1801において被記録媒体上に記録された記録領域の副走査方向の長さ、すなわち、略25.4mmである。
ステップS1606において、TC値が頁内閾値STthを超えているか否かの判定処理が行われ、判定結果が否定判定である場合には、ステップS1607へ進む。
ステップS1607においては、カウンタWの値が0であるか否かの判定処理が行われるが、このときのWの値は0であるため、判定結果は肯定判定となり、再びステップS1603へ戻る。すなわち、TC値が頁内閾値STthを超えていない場合には、ステップS1604における判定結果が肯定判定になるまで、ステップS1603~ステップS1607の処理が繰り返される。画像1頁の記録が終了後、ステップS1614へと進む。
一方、ステップS1606における判定結果が肯定判定、すなわち、TC値が頁内閾値STthを超えている場合には、第1及び第2の実施形態と同様に、ステップS1603~ステップS1613の処理が繰り返され、主走査の間にワイピングが実行される。本実施形態のワイプ関連処理Tにおいて、前述の実施形態におけるワイプ関連処理と異なる点についてのみ説明する。
図19は、ワイプ関連処理Tの詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS1901において、ステップS801と同様のワイピングが行われる。そして、その後、ステップS1902において、ステップS803と同様の予備吐出が行われる。
ステップS1902の終了後、ステップS1903において、タイマカウンタの値、すなわち、TC値が0にリセットされる。ワイピングを実行したため、その値に基づいてワイピングを実行するか否かを決定するTC値は、リセットされる。ステップS1904において、タイマのカウント値が一旦リセットされる。その後、ステップS1905において、タイマのカウントが再び開始され、ワイプ関連処理Tが終了する。前述の実施形態と同様、本実施形態におけるワイプ関連処理Tにも約15秒の時間を要する。
主走査間でのワイピングが終了した後、ステップS1603へと戻り、ステップS1604における判定結果が肯定判定になるまで、ステップS1603~ステップS1607の処理が繰り返される。画像1頁の記録が終了した後に、ステップS1614へと進む。
ステップS1614において、キャリッジ111がホームポジションへと移動する。そして、その後、ステップS1615において、被記録媒体が排紙される。
ステップS1616において、次頁のプリント指令が入力されているか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定、すなわち、次頁のプリント指令が入力されている場合には、ステップS1617へ進み、次頁のプリント指令中に含まれている、記録モードデータが取得される。
ステップS1618において、取得した記録モードデータに応じて、頁間閾値PTthが、図20に示した値に設定される。例えば、取得した記録モードデータ中のパス数データ及び主走査速度データが、8パス及び主走査速度10インチ/秒である場合には、100秒に設定される。
図20における、次頁のパス数データが2パス~8パスである場合の頁間閾値PTthの設定値は、その値に設定しておけば、次頁の画像サイズが定型サイズである限り、画像記録中にTC値が頁内閾値STthを超える可能性が極めて低い値である。例えば、ホストコンピュータ490からのデータ転送がなんらかの事情によって遅延するというようなことがない限り、(次頁の画像サイズが定型サイズである限り、)画像記録中にTC値が頁内閾値STthを超えることはない。すなわち、画像記録中にワイピングが行われることがなく、記録画像に時間差ムラが発生する可能性が極めて低い。
一方、次頁のパス数データが1パスである場合の頁間閾値PTthの設定値は、1パス記録方式であれば主走査間でワイピングを行っても時間差ムラは発生しないため、上述のような値には設定されていない。具体的には、次頁の記録モードの主走査速度が、40インチ/秒、あるいは、20インチ/秒であるときには、次頁の画像がA2サイズ弱の画像であると、主走査間でのワイピングが実行される場合があるように設定されている。このような値に設定することで、ワイピングの頻度を減少させ、複数頁の画像を連続的に記録する際の記録に要する時間を短縮させることができる。
ただし、次頁の記録モードが、1パス10インチ/秒の記録モードである場合、頁間閾値PTthを図20中の設定値にすると、次頁の画像サイズが定型サイズである限り、記録中にワイピングが行われる可能性が極めて低い。言い換えると、次頁の画像サイズが定型サイズである限り、主走査間でのワイピングが行われる可能性が極めて低いように、頁間閾値PTthが設定されている。
多くの被記録媒体は、インクを含むと変形し、プラテン120から浮き上がる傾向を有している。また、1パス10インチ/秒の記録モードのような比較的記録時間を要する記録モードである場合には、被記録媒体がプラテン120から浮き上がる際の浮き上がり量が大きくなるという傾向も有している。被記録媒体のプラテン120からの浮き上がり量が大きくなった状態で、主走査間にワイピング動作を行うと、吐出口面102と被記録媒体とが接触し、被記録媒体を汚してしまうというリスクが高まる。このリスクを避けるため、次頁の記録モードが1パス10インチ/秒の記録モードである場合には、主走査間でのワイピングを極力少なくし、プラテン120上に被記録媒体が存在していない頁間で、ワイピングが行われるように、頁間閾値PTthを設定する。
このように、次頁が1パスモードあるからといって、そのときの頁間閾値PTth全てが、次頁がマルチパスモードであるときの頁間閾値PTthよりも大きく、すなわち頁間でのワイピングが実行されにくく設定されていなければならないということはない。
図16に戻り、ステップS1618における頁間閾値PTthの設定が終了した後、ステップS1623において、TC値が頁間閾値PTthを超える値であるか否かの判定処理が行われる。判定結果が肯定判定、すなわち、TC値が頁間閾値PTthを超える値である場合には、ステップS1624のワイプ関連処理Tへと進む。ステップS1624のワイプ関連処理Tについては、ステップS1610におけるワイプ関連処理Tと同様であるため、その説明は省略する。ステップS1602の記録前処理Tの後、ステップS1617で取得した記録モードにしたがって、次頁の記録が開始される。
図17中のステップS1704の、キャップ130をキャッピングポジションから離間ポジションへと移動させる処理については、既にキャップ130が離間ポジションに位置しているため、ここではスキップされる。また、既にステップS1905においてタイマのカウントが開始されているため、ステップS1705の処理もスキップされる。
一方、ステップS1623における判定の結果が否定判定、すなわち、TC値が頁間閾値PTth以下の値である場合には、ワイプ関連処理Tを行うことなく、そのまま、ステップS1602の記録前処理Tへと戻る。そして、図17にフローチャートを示した処理が行われた後、ステップS1617で取得した記録モードにしたがって、次頁の記録が開始される。
なお、このときも、図17中のステップS1704はスキップされる。また、ステップS1804においてタイマのカウントが既に開始されているため、ステップS1705の処理についてもスキップされる。
以上のステップS1617~ステップS1624の処理により、次頁の記録モードが1パス40インチ/秒あるいは1パス20インチ/秒の記録モードである場合には、ワイピングの頻度が低減され、複数頁の画像を連続的に記録する際の記録時間が短縮化される。また、次頁の記録モードが1パス40インチ/秒あるいは1パス20インチ/秒の記録モード以外の記録モードである場合には、次頁の画像サイズが定型サイズである限り、主走査間でワイピングが行われる可能性は極めて低い。したがって、記録画像に時間差ムラが発生する可能性が極めて低くなる。
一方、図16のステップS1616における判定結果が否定判定、すなわち、ステップS1615の終了までに、次頁のプリント指令が入力されていない場合には、ステップS1625へ進む。ステップS1625において、TC値が、頁後閾値ETthを超える値であるか否かの判定処理が行われ、判定結果が肯定判定、すなわち、TC値が頁後閾値ETthを超えている場合には、ステップS1626へと進む。なお、本実施形態における頁後閾値ETthの値は、80秒である。
ステップS1626において、ワイプ関連処理Tが行われる。次頁の記録指令が無いときには、ワイプ関連処理Tを行っても、記録に要する時間が長くなることはないため、比較的小さい値である頁後閾値ETthを、TC値が超えている場合には、ワイピングを行って、吐出性能を維持回復させておく。
ステップS1626のワイプ関連処理Tの終了後、ステップS1627において、キャップ130を離間ポジションからキャッピングポジションへと移動させ、キャッピングする。ステップS1628において、タイマのカウントを終了させ、記録動作を終了する。
一方、ステップS1625における判定結果が否定判定、すなわち、TC値が頁後閾値ETth以下である場合には、ワイプ関連処理Tを行うことなく、ステップS1627へと進み、キャッピングする。ステップS1628へと進み、タイマのカウントを終了させ、記録動作を終了する。
以上のような制御により、時間差ムラの発生を抑制しつつ、複数頁の画像を連続的に記録する際の記録に要する時間を短縮化することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、画像の記録に用いる被記録媒体は、シート状であってもよく、ロール状であってもよい。ロール状の被記録媒体、いわゆるロール紙に対して画像を記録する場合には、図5,図12,図16中の排紙工程の前に、ロール状の被記録媒体をカットする工程を加えるのが好ましい。
また、本明細書において、頁とは、記録される被記録媒体の頁数を示すものであって、例えば、1頁の被記録媒体に複数の画像を記録する場合であっても、被記録媒体が1頁であれば、上記実施形態において適用される頁数は1である。加えて、ロール状の被記録媒体に対して記録を行う場合においても同様に、本明細書における頁数とは、カットされた後の被記録媒体の頁数である。ただし、副走査方向へのカットに関しては、その限りではない。
さらに、第1及び第2の実施形態において、1パスモードは1種類であるが、第3の実施形態のように、複数種類あっても構わない。また、そのときには、それぞれ向けの頁間閾値が、第3の実施形態のように、異なる値であってもよい。加えて、複数ある1パスモード向けの頁間閾値全てが、マルチパスモード向けの頁間閾値よりも大きく(頁間でのワイピングが実行されにくく)設定されていなければならないということはない。
さらに、前述の実施形態における記録モードには、パス数や、変則2パス等の主副走査の仕方、主走査速度が含まれていたが、本実施形態はそのような例に限られるものではない。主走査毎の使用インク吐出口領域や、画像解像度等の、その他の項目を含んでいてもよい。
また、前述の実施形態においては、回復動作としてワイピングを例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。吸引ポンプ132その他を用いたいわゆる吸引動作や、予備吐出動作等であってもよい。
また、ワイピングは、ワイパが図2中のY1及びY2方向に移動する、いわゆる縦拭き方式を採用していたが、そのような例に限られるものではない。例えば、キャリッジ111が図1中のX1またはX2方向に移動し、その際にワイパが記録ヘッド100の吐出口面102を払拭する、いわゆる横拭き方式を採用しているインクジェット記録装置であってもよい。
さらに、前述の実施形態において、インクジェット記録装置に備えられている記録ヘッド100は、吐出口内部に電気熱変換体が具備されている、いわゆるサーマル方式の記録ヘッドであるが、このような例に限られるものではない。インク吐出口内部に電気機械変換体を具備する、いわゆるピエゾ方式の記録ヘッドであってもよい。
また、前述の実施形態では、主走査方向における記録ヘッド100の主走査と、副走査方向における被記録媒体の副走査とを行う、いわゆるシリアルタイプのインクジェット記録装置について説明した。被記録媒体と記録ヘッドとを相対的に移動させて相対走査を行う形態であれば、上記形態に限られない。例えば、被記録媒体が搬送される方向と交差する方向に複数の記録素子が配列した、いわゆるフルマルチタイプの記録ヘッドを用いた記録装置においても、本発明を適用可能である。次頁の記録動作における被記録媒体上の単位領域に対する記録ヘッドと被記録媒体との相対走査の回数に応じて、頁間のワイピングを制御することにより、記録動作に要する時間を低減することができる。