JP7604241B2 - 樹脂組成物、及び、熱伝導性シート - Google Patents
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Description
このような放熱シートは、窒化ホウ素フィラーなどの無機フィラーを比較的多量に含有することから、放熱性を有する。
前記シランカップリング剤は、ポリブタジエン構造を有する。
前記シランカップリング剤は、複数のブロックを有するブロック共重合体であり、
前記ブロック共重合体は、ポリブタジエンブロックを含み、
分子両末端に、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックをさらに含む、ことが好ましい。
官能基を有していない非置換のブタジエンの付加重合物で構成された第1のポリブタジエンブロックと、
酸無水物基を有するブタジエンの付加重合物で構成された第2のポリブタジエンブロックと、を含む、ことが好ましい。
前記無機フィラーが、窒化ホウ素フィラーを含む、ことが好ましい。
前記シランカップリング剤は、ポリブタジエン構造を有する。
前記シランカップリング剤は、複数のブロックを有するブロック共重合体であり、
前記ブロック共重合体は、ポリブタジエンブロックを含み、
分子両末端に、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックをさらに含む、ことが好ましい。
前記ブロック共重合体は、
官能基を有していない非置換のブタジエンの付加重合物で構成された第1のポリブタジエンブロックと、
酸無水物基を有するブタジエンの付加重合物で構成された第2のポリブタジエンブロックと、を含む、ことが好ましい。
前記無機フィラーが、窒化ホウ素フィラーを含む、ことが好ましい。
本実施形態に係る樹脂組成物は、最終的に硬化物を構成することとなる成分を含む。すなわち、本実施形態に係る樹脂組成物は、重合によって硬化樹脂となる重合性成分を含有する。
また、本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化後の硬化物が良好な熱伝導性を有するように、無機フィラーを含有する。
さらに、本実施形態に係る樹脂組成物は、前記重合性成分と前記無機フィラーとをつなぐ役割を果たすカップリング剤として、シランカップリング剤を含有する。
なお、本実施形態に係る樹脂組成物は、プラスチック配合薬品として一般に用いられる添加剤を本発明の効果を損なわない範囲において含有してもよい。
また、前記硬化物における前記無機フィラーの含有割合が上記のような範囲内となり易くなるという観点から、本実施形態に係る樹脂組成物は、前記重合性成分100質量部に対して、前記無機フィラーを、30質量部以上90質量部以下含有することが好ましく、60質量部以上80質量部以下含有することがより好ましい。
前記アミン系硬化剤としては、例えば、ジアミノジフェニルスルホン、ジシアミンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、ビスフェノール系フェノール樹脂などが挙げられる。
前記酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水マレイン酸などが挙げられる。
窒化ホウ素フィラーは、熱伝導性に優れるものの、重合に関わる表面官能基(OH等)が比較的少ない。そのため、窒化ホウ素フィラーを含有し、かつ、前記シランカップリング剤を含有しない樹脂組成物においては、窒化ホウ素フィラーの表面官能基が少ないために、前記重合性成分と窒化ホウ素フィラーとの親和性を高めることが難しい。
ところが、本実施形態に係る樹脂組成物は、前記シランカップリング剤を含有している。前記シランカップリング剤は、後述するように、前記無機フィラーの表面官能基への親和性を有する官能基と、前記重合性成分に対する親和性を有する官能基と、を有している。そのため、前記樹脂組成物が、表面官能基が比較的少ない窒化ホウ素フィラーを含有している場合であっても、前記シランカップリング剤が前記重合性成分と窒化ホウ素フィラーとをつなぐ役割を果たすことができる。その結果、本実施形態に係る樹脂組成物が硬化物となったときに、該硬化物の凝集破壊強度が高められる。
これにより、前記無機フィラーとして、熱伝導性に優れる窒化ホウ素フィラーを含有させた場合には、本実施形態に係る樹脂組成物が硬化物となったときに、該硬化物の熱伝導性を高めつつ、凝集破壊強度を高めることができる。
また、窒化ホウ素フィラーの含有量を変化させることによって、硬化物となったときの熱伝導率及び凝集破壊強度を調整することができる。
即ち、前記シランカップリング剤は、ブタジエン由来の構成単位と、重合性官能基を備えたシランカップリング剤由来の構成単位とを備えたポリマーである。
前記シランカップリング剤は、前記重合性官能基として縮重合が可能な官能基よりも付加重合が可能な官能基を有することが好ましい。
該付加重合可能な官能基としては、例えば、ビニル基が挙げられる。
ビニル基は、エテニル基の形態で設けられていなくてもよく、イソプロペニル基の形態でシランカップリング剤の分子鎖に備わっていてもよい。
更に、エテニル基は、ビニルフェニル基やアクリル基の一部となってシランカップリング剤の分子鎖に備わっていてもよい。
イソプロペニル基は、メタクリル基の一部となってシランカップリング剤の分子鎖に備わっていてもよい。
従って、前記シランカップリング剤は、下記(1a)に示す構造を有する化合物であることが好ましい。
下記化合物は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
(1a)に示す構造を有する化合物は、分子末端(Rx、Ry)が水素原子、水酸基、炭素数1~3の炭化水素基、カルボニル基の何れかであってもよい。
分子末端(Rx、Ry)は一端側(Rx)と他端側(Ry)とで同じ構造を有していても異なっていてもよい。
また、式中のZが有機基である場合、例えば、該有機基の炭素数は1以上20以下とすることができる。
また、前記シランカップリング剤は、下記式(1b)で示されたような、ポリブタジエンブロックと、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックと、のブロック共重合体であることがより好ましい。
下記式(1b)で示されたようなシランカップリング剤の市販品としては、例えば、商品名「X-12-1267B」(信越シリコーン社製)、商品名「X-12-1267B-ES」(信越シリコーン社製)などが挙げられる。
さらに、前記シランカップリング剤は、下記式(2a)で示されたような、前記第1のポリブタジエンブロックと、前記第2のポリブタジエンブロックと、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックと、のブロック共重合体であってもよい。
下記式(2a)で示されたようなシランカップリング剤の市販品としては、例えば、商品名「X-12-1287A」(信越シリコーン社製)などが挙げられる。
そのため、上記のごとく、本実施形態に係る樹脂組成物が、前記重合性成分としてエポキシ樹脂を含有し、前記シランカップリング剤として、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤を含有していると、前記樹脂組成物中において、前記重合性成分とポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤との親和性が高められて、前記重合性成分に対するポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤の相溶性が高められると考えられる。これにより、前記樹脂組成物中においては、前記重合性成分中にポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤が十分に分散されていると考えられる。
また、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤は、ポリブタジエン構造に由来して、ゴムに近い特性、すなわち、ゴム弾性を示すようになると考えられる。
すなわち、本実施形態に係る樹脂組成物では、前記重合性成分中にゴム弾性を示すと考えられるポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤が十分に分散されていると考えられるので、硬化体とされたときに、該硬化体中で凝集破壊が生じることを抑制でき、これにより、金属ベース回路基板などの被着体に対する接着性に優れるものになると考えられる。
本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤とを一次混練して一次混練液を得る一次混練工程と、前記一次混練液に無機フィラーを添加して、前記無機フィラーと前記一次混練液とを二次混練して二次混練液を得る二次混練工程と、を含む。
本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法では、エポキシ樹脂などの重合性成分と混練する前に、無機フィラーとシランカップリング剤とをつなぐための前処理工程を要さずに、すなわち、前処理工程に供する設備を要さずに、前記一次混練工程と前記二次混練工程とを一設備にて行うことができる。
そのため、比較的簡便な方法で、樹脂組成物を得ることができる。
なお、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤は、適度な粘性を有する液状物であるので、前記一次混練工程において、エポキシ樹脂などの重合性成分と十分に混練されて、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤とエポキシ樹脂などの重合性成分とが十分につながれるとともに、前記二次混練工程において、エポキシ樹脂などの重合性成分に十分につながれたポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤を無機フィラーにも十分につなぐことができる。
また、前記シランカップリング剤は、下記式(1b)で示されたような、ポリブタジエンブロックと、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックと、のブロック共重合体であることがより好ましい。
さらに、前記シランカップリング剤は、下記式(2a)で示されたような、前記第1のポリブタジエンブロックと、前記第2のポリブタジエンブロックと、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックと、のブロック共重合体であってもよい。
また、無機フィラーは、複数の一次粒子が凝集した凝集粒子を含むことが好ましい。
本実施形態に係る熱伝導性シートは、上記した樹脂組成物で構成された樹脂層を備えている。そのため、本実施形態に係る熱伝導性シートは、熱伝導性が向上されたものとなる。
エポキシ樹脂A、フェノール樹脂A、シランカップリング剤A、及び、硬化促進剤とを混練して一次混練液を得た後、該一次混練液に無機フィラーを添加して、前記一次混練液と前記無機フィラーとを混練して二次混練液を得ることにより、実施例1に係る樹脂組成物を得た。
なお、前記エポキシ樹脂A、前記フェノール樹脂A、前記硬化促進剤、前記無機フィラー、及び、前記シランカップリング剤Aは、以下の通りのものである。
・エポキシ樹脂A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「JER(登録商標)1001」、三菱ケミカル社製)
・フェノール樹脂A(硬化剤):ノボラック型フェノール樹脂(商品名「GS-200」、群栄化学社製)
・硬化促進剤:テトラフェニルホスホニウム テトラフェニルボレート(Tetraphenylphosphonium tetraphenylborate)(TPP-K(登録商標)、北興化学工業社製)
・無機フィラー:窒化ホウ素フィラー(BNフィラー)
・シランカップリング剤A:官能基を有していない非置換のブタジエンの付加重合物で構成された第1のポリブタジエンブロックと、酸無水物基を有するブタジエンの付加重合物で構成された第2のポリブタジエンブロックと、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックと、のブロック共重合体(商品名「X-12-1287A」、信越シリコーン社製)
エポキシ樹脂A及びフェノール樹脂Aは、当量比1:1で樹脂組成物に含有させた。
また、硬化促進剤は、エポキシ樹脂Aとフェノール樹脂Aとの合計100質量部に対して0.01質量部で樹脂組成物に含有させた。
さらに、樹脂組成物の硬化後において該樹脂組成物の硬化物の固形分を100体積部としたときの無機フィラーの含有割合が59.0体積部となるように、無機フィラーを樹脂組成物に含有させた。
また、シランカップリング剤Aは、樹脂組成物中に含有させる無機フィラーの質量に対して、0.015質量%で含有させた。
混練前に前記無機フィラーを処理するシランカップリング剤として、シランカップリング剤Aに代えて、シランカップリング剤Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係る樹脂組成物を得た。
シランカップリング剤Bとしては、ポリブタジエンブロックと、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックと、のブロック共重合体(商品名「X-12-1267B」、信越シリコーン社製)を用いた。
混練前に前記無機フィラーを処理するシランカップリング剤として、シランカップリング剤Aに代えて、シランカップリング剤Cを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係る樹脂組成物を得た。
シランカップリング剤Cとしては、ポリブタジエンブロックと、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックと、のブロック共重合体(商品名「X-12-1267B-ES」、信越シリコーン社製)を用いた。
混練前に前記無機フィラーを処理するシランカップリング剤として、シランカップリング剤Aに代えて、シランカップリング剤Dを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る樹脂組成物を得た。
シランカップリング剤Dとしては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM-403」、信越シリコーン社製)を用いた。
混練前の前記無機フィラーを処理するシランカップリング剤として、シランカップリング剤Aに代えて、シランカップリング剤Eを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係る樹脂組成物を得た。
シランカップリング剤Eとしては、グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(商品名「KBM-4803」、信越シリコーン社製。長鎖スペーサー型シランカップリング剤)を用いた。
混練前の前記無機フィラーを処理するシランカップリング剤として、シランカップリング剤Aに代えて、シランカップリング剤Fを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3に係る樹脂組成物を得た。
シランカップリング剤Fとしては、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM-603」、信越シリコーン社製)を用いた。
混練前の前記無機フィラーを処理するシランカップリング剤として、シランカップリング剤Aに代えて、シランカップリング剤Gを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4に係る樹脂組成物を得た。
シランカップリング剤Gとしては、3-アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM-903」、信越シリコーン社製)を用いた。
熱伝導率の測定にあたって、以下のようにして絶縁放熱シートを作製した。
まず、基材たる銅箔(面積:2500cm2)に、各例に係る樹脂組成物(厚み:約200μm)をそれぞれ塗工した。塗工方法としては、コーター方式、ロール トゥ ロールを採用し、乾燥条件としては、120℃で5分間とした。このようにして各例に係る樹脂組成物について樹脂シートをそれぞれ作製した。
次に、各例に係る樹脂シートのそれぞれについて、基材と接していない面同士が向かい合うように、2枚の同種の樹脂シートを重ね合わせて、温度100℃、圧力8Mpa、時間20分の条件で熱プレスし、金属箔を備えた絶縁放熱シート(絶縁層厚さ0.22±0.04mm)を作製した。
熱伝導度の値は、キセノンフラッシュアナライザー(NETZSCH社製、LFA-447型)を用いて上記熱拡散率測定試料について測定した熱拡散率の値に、JIS 7123:1987に準拠して熱流束DSCにて測定した比熱の値、及び、JIS K 7122:1999に準拠して水中置換法にて測定した密度の値を乗じて算出した。上記熱拡散率の値は、3個の測定試料について測定した熱拡散率の値を算術平均して求めた。また、上記熱拡散率の測定は、測定試料1個について5点行い、各測定試料について、最大値と最小値を除外した3点の値を算術平均したものを測定値とした。
熱伝導率を測定した結果を、以下の表1に示した。
上記各例に係る樹脂組成物を電解銅箔(厚み:35μm)の片面に塗布し、樹脂層(厚み:145μm)を有するシートを2枚作製した。
次に、2枚のシートを熱プレス(3.0MPa、120℃、20min)して樹脂層どうしを貼り合わせ、シートの背面から銅箔を1枚剥離した。
そして、この銅箔を剥離した面にアルミニウム板を配置させ、熱プレス(2.0MPa、120℃、20min)によってシートをアルミニウム板に転着させ、さらに該シートから銅箔を剥がすことによって、半硬化状態のシートを得た。
次に、この半硬化状態のシートに被着体(銅箔1oz)を積層し、熱プレス(2.0MPa、180℃、120min)によって樹脂層と被着体を一体化させるとともに、樹脂層を十分に硬化させた後、20mm×100mmのサイズに切り出し、切り出したものの被着体を幅10mm幅に加工(エッチング)し剥離試験用テストピースを作製した。
該テストピースを50mm/minの剥離速度で90°ピール試験を実施し、被着体と樹脂層との接着強度をピール強度によって評価した。
ピール強度を測定した結果を、以下の表1に示した。
絶縁破壊強さは、波高率が1.34~1.48の間にあり、50または60Hzの周波数の電圧を印加でき、最大電圧がAC10kV(実効値)である絶縁破壊装置により測定した。測定方法の詳細について、図1及び2を参照しながら説明する。
75±1mm×65±1mmの熱伝導性シートの片側の銅箔を剥離して、樹脂シートを得て、該樹脂シートにおける銅箔13が剥離された面にアルミ板を積層して加熱し、樹脂シートにアルミ板が一体化された積層シートを得た。次に、前記積層シートをさらに過熱して樹脂シートを完全に硬化させて、図1に示す絶縁破壊強さ測定試料14を得た。なお、樹脂シートは、各例に係る樹脂組成物を用いて作製した。
次に、図2に示したように、絶縁破壊強さ測定試料14を油槽15の絶縁油16(JIS C2320:1999)中でアルミ板側を下にして黄銅性円板電極17(Φ:40mm)上に置き、絶縁破壊強さ測定試料14の上に、絶縁破壊強さ測定試料14の略中央部分で接するように黄銅性球状電極18(Φ:15mm、重さ:50g)を置いた。絶縁油16は20±10℃に保ち、絶縁破壊強さ測定試料14に、絶縁破壊が生じるまで昇圧速度1kV(実効値)/secで連続的に電圧を印加した。
なお、絶縁破壊の判断基準として、カットオフ電流を25mAとした。そして、絶縁破壊生じた電圧(単位:kV)を、絶縁破壊強さ測定試料14の厚さ(単位:mm)で除することにより、絶縁破壊強さを求めた。
絶縁破壊強さ(BDV)を測定した結果を、以下の表1に示した。
耐電圧は、波高率が1.34~1.48の間にあり、50または60Hzの周波数の電圧を印加でき、最大電圧がAC10kV(実効値)である絶縁破壊装置により測定した。測定方法の詳細については、図1及び2を参照しながら説明する。
75±1mm×65±1mmの絶縁放熱シートの片側の銅箔13を剥離し、その剥離面にアルミ板を積層し加熱して、アルミ板を絶縁放熱シートに一体化させ、さらに過熱して積層体を完全に硬化させて、図1に示す耐電圧測定試料14を得た。なお、上記絶縁放熱シートは、各例に係る樹脂組成物を備えたものをそれぞれ作製した。図2に示すように、耐電圧測定試料14を油槽15の絶縁油16(JIS C2320:1999)中でアルミ板側を下にして黄銅性円板電極17(Φ:40mm)上に置き、耐電圧測定試料14の上に、耐電圧測定試料14の略中央部分で接するように黄銅性球状電極18(Φ:15mm、重さ:50g)を置いた。絶縁油16は20±10℃に保ち、耐電圧測定試料14にAC3.0kV(実効値)を1分間印加した。そして、絶縁破壊が生じていない場合には、速やかにAC0.5kV(実効値)上げて1分間印加し、絶縁破壊が生じるまでAC0.5kV(実効値)間隔(0.5kV(実効値)ステップ、1分間印加)で昇圧した。
なお、絶縁破壊の判断基準として、カットオフ電流を10mAとした。そして、絶縁破壊が生じた電圧より0.5kV(実効値)低い印加電圧を、耐電圧測定試料14の厚さ(単位:mm)で除することにより、耐電圧を求めた。
各例について、耐電圧を測定した結果を、以下の表1に示した。
表1に示すように、実施例1に係る樹脂組成物では、各比較例に係る樹脂組成物と比べて、硬化物の熱伝導率が向上しており、また、実施例2及び3に係る樹脂組成物では、各比較例に係る樹脂組成物と比べて、硬化物の熱伝導率が同程度であることが分かる。
なお、各例に係る樹脂組成物において、硬化物の熱伝導率は、いずれも、10W/(m・K)を上回る極めて高い値であった。
このことから、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤を用いることにより、硬化物の熱伝導率を十分に高くできることが分かる。
表1に示すように、各実施例に係る樹脂組成物では、各比較例に係る樹脂組成物と比べて、ピール強度が顕著に向上していることが分かる。
特に、実施例2及び3に係る樹脂組成物では、ピール強度の値は、3N/cmを上回る高い値を示していた。
なお、各比較例に係る樹脂組成物では、凝集破壊が生じている様子が看守された。
このことから、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤を用いることにより、ピール強度を顕著に向上できることが分かる。
また、表1に示すように、各実施例に係る樹脂組成物は、絶縁破壊強さ(BDV)または耐電圧の少なくとも一方について、各比較例に係る樹脂組成物と同等程度の値を示すものとなることが分かる。
このことから、ポリブタジエン構造を有するシランカップリング剤を用いることにより、絶縁破壊強さ(BDV)及び耐電圧を比較的高い値を示すものとなることが分かる。
Claims (6)
- エポキシ樹脂と、シランカップリング剤と、硬化剤と、無機フィラーとを含有し、前記無機フィラーが前記エポキシ樹脂中に分散されている樹脂組成物であって、
前記シランカップリング剤は、ポリブタジエン構造を有し、且つ、複数のブロックを有するブロック共重合体であり、
前記ブロック共重合体は、ポリブタジエンブロックを含み、
分子両末端に、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックをさらに含む樹脂組成物。 - 前記ブロック共重合体は、
官能基を有していない非置換のブタジエンの付加重合物で構成された第1のポリブタジエンブロックと、
酸無水物基を有するブタジエンの付加重合物で構成された第2のポリブタジエンブロックと、を含む
請求項1に記載の樹脂組成物。 - 前記無機フィラーが、窒化ホウ素フィラーを含む
請求項1又は2に記載の樹脂組成物。 - エポキシ樹脂と、シランカップリング剤と、硬化剤と、無機フィラーとを含有し、前記無機フィラーが前記エポキシ樹脂中に分散されている樹脂組成物で構成された樹脂層を備えた熱伝導性シートであって、
前記シランカップリング剤は、ポリブタジエン構造を有し、且つ、複数のブロックを有するブロック共重合体であり、
前記ブロック共重合体は、ポリブタジエンブロックを含み、
分子両末端に、ビニル基とアルコキシシリル基とを備えた化合物の付加重合物で構成されたブロックをさらに含む熱伝導性シート。 - 前記ブロック共重合体は、
官能基を有していない非置換のブタジエンの付加重合物で構成された第1のポリブタジエンブロックと、
酸無水物基を有するブタジエンの付加重合物で構成された第2のポリブタジエンブロックと、を含む
請求項4に記載の熱伝導性シート。 - 前記無機フィラーが、窒化ホウ素フィラーを含む
請求項4又は5に記載の熱伝導性シート。
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| JP2018039909A (ja) | 2016-09-07 | 2018-03-15 | 信越化学工業株式会社 | シラン変性共重合体、その製造方法および密着向上剤 |
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