JP7610909B2 - 人間型ハンド - Google Patents

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Description

本発明は、人間の指の動きを模した劣駆動型の人間型ハンドに関する。
ロボットアームの先端に装着したり、身障者用の義手などとして使用される人間型ハンドとしては、リンク機構を用いることでより少ない駆動源で関節を連動させる劣駆動型ロボットハンドが一般的である。
特許文献1には、複数の骨部材をリンク機構を介して折り曲げたり伸ばすことができる2本の指を、1つの駆動機構で動作させる構造が開示されている。この駆動機構は、リニアアクチュエータと連結部材とを具備して構成され、リニアアクチュエータは、概略円筒形をなすアクチュエータ本体とアクチュエータ本体の一方の端面から進退可能に突出するロッドとを有している。
特許文献2には、人の第一指(親指)、第二指(人差し指)、第三指(中指)、第四指(薬指)、第五指(小指)、及び掌に対応する第一指部、第二指部、第三指部、第四指部、第五指部及び掌部を有した手部が開示されている。
そして、親指に相当する第一指部は他の指部と同じ構造で旋回可能に構成され、各指部は個々の駆動源によって個別に動作する。
特許文献3には、掌基板にジョイントを介して基端部が連結される中手骨に相当する第1骨部材と、この第1部材の先端に基端部が連結される基節骨に相当する第2骨部材と、この第2骨部材の先端に基端部が連結される中節骨に相当する第3骨部材と、この第3部材の先端に基端部が連結される末節骨に相当する第4骨部材とを備え、前記第2骨部材乃至第4骨部材をリンク機構によって回動させるようにした人間型ハンドが開示されている。この特許文献では1つのアクチュエータで親指を含む全ての指が伸縮動を行う。
特開2013-154409号公報 国際公開第2010/064684号 特開2018-167372号公報
特許文献1に開示される指機構は、2本の指を1つのアクチュエータで動作させることを開示しているが、人間型ハンドではなく、特に親指と他の指の動作関係については何ら開示されていない。
特許文献2に開示される機構は、各指を個別のアクチュエータで動作させている。このため、機構が複雑となり、重量も増加してしまう。
特許文献3では、1つのアクチュエータによって5本の指が同時に閉じ又は開動作を行う。
しかしながら、実際の人間の手の動作は5本の指を閉じた時には、親指は内側に旋回した状態で閉じることで把持した物を落とさない構造になっている。また、5本の指を開いて物を把持するときには親指は外側に旋回して、大きく手を広げ、把持対象物を確実に掴むことができる構造になっている。特許文献3の構造では、このような動作を行うことができない。
即ち、本発明に係る人間型ハンドは、単一のアクチュエータによって親指を含む複数の指を伸屈動させる劣駆動型ハンドであり、前記アクチュエータの駆動範囲を3分割し、駆動範囲の中立位置を親指が伸長し且つ内側に旋回し親指以外は伸長した状態とし、中立位置から一方の領域を親指を含む複数の指を伸屈動させる領域とし、中立位置から他方の領域を2分割して、親指の旋回規制を解除する領域と親指を旋回せしめる領域とした構成である。
より具体的には、アクチュエータは360°以内の範囲で往復回転する回転盤とし、これに基準ピンと旋回ピンが取付けられ、中立位置から一方の側に回転盤が回転する際に前記基準ピンはリンク機構を介して親指を含む複数の指を伸屈動させ、中立位置から一方の側に回転盤が回転する際に前記基準ピンはリンク機構を介して親指の旋回規制を解除し、また旋回ピンはリンク機構を介して親指を旋回せしめる構成である。
本発明によれば、1つのアクチュエータで親指の掌の外側と内側に向かった旋回と、親指を含む全ての指の伸屈動作を行うことができ、今まで掴みにくかった物体を容易に把持することができる。
アクチュエータが1つのため、ハンド全体の小型化及び軽量化が可能となり、用途範囲が大幅に広がる。
アクチュエータの位置に対応したハンドの状態を示した図。 アクチュエータの駆動範囲を3分割して示した図。 アクチュエータの駆動範囲と基準ピンの位置との関係を示す図。 中立位置にあるハンドの側面図 図4の要部を拡大した図。 図5におけるリセットアームを外して示した図。 図6を斜め下方から見た図。 図7を上から見た図。 基準ピンが中立位置から反時計方向に回動した状態を示す図。 図9を左側から見た図。 図9を下から見た図。 図9よりも更に基準ピンが反時計方向に回動した状態を示す図。 図12を下から見た図。
本発明に係る人間型ハンドの指機構の実施例を以下に示す。
人間型ハンドは掌基板1、親指機構2、示指機構3、中指機構4、環指機構5及び小指機構6を備え、各指機構は掌基板1に設けたアクチュエータ7によって動作する。
図1及び図2は各指機構とアクチュエータ7との関係を示し、アクチュエータ7は約300°の範囲で往復回転する軸8に回転盤9が取付けられ、この回転盤9に基準ピン10が取付けられている。
そして、基準ピン10が図2の中立位置に位置する時には、人間型ハンドは図1(b)(a)のように、親指機構2は伸びた状態で(b)~(a)の間の任意の位置に旋回し、他の4本の指機構は伸びた状態となっている。旋回セット領域の任意の位置で折り返す(逆転する)ことにより、任意の旋回角度に設定できる。
図2の中立位置から回転盤9が反時計方向に回動し基準ピン10が旋回リセット領域を通過すると図1(b)状態に、更に旋回セット領域に入ると、人間型ハンドは図1(a)に示す形態、すなわち、親指機構2は伸びた状態で掌の外側に旋回し、他の4本の指機構は伸び、最も手を広げた状態になる。
図2の中立位置から回転盤9が時計方向に回動し基準ピン10が指引き領域に入ると、人間型ハンドは図1(c)に示す形態、すなわち、親指機構2は掌の内側に旋回した状態で屈曲し、他の4本の指機構も屈曲した状態となる。
図3(a)~(c)はアクチュエータの駆動範囲と基準ピンの位置との関係を示す図であり、何れも内部機構を分かりやすくするため、親指機構2の旋回規制を解除するリセットアームを外して示している。
図3(b)は中立位置に基準ピン10があり、この基準ピン10よりも反時計方向に離れた位置の回転盤9に旋回ピン11が取付けられている。即ち基準ピン10と旋回ピン11は回転盤9が回転することで、一体的に時計方向又は半時計方向に回動する。
図3(b)の中立位置では、基準ピン10はリンク部材12の凹部に係止している。このリンク部材12は各指機構2~6を伸屈させるリンク機構と連結しており、また図3(b)に示す位置を上限として上方に付勢されている。
中立位置から図3(c)に示す位置まで回転盤9とともに基準ピン10が時計方向に回動すると、リンク部材12が図中下方に引き下げられ、この動作に連動して示指機構3、中指機構4、環指機構5及び小指機構6を屈曲させるトーナメント状リンク部材13及び親指機構2を屈曲させるリンク部材14が作動して図1(c)に示した状態となる。
各指機構2~6を伸屈させるリンク機構としては、従来の機構を利用することができる。
図3(a)は図1(b)から図1(a)に示した全ての指が開いた状態になる過程を示した図であり、図4~図13と併せて説明する。
掌基板1の一部は支持プレート15となっており、この支持プレート15にリセットアーム16が軸17を中心として回動自在に支持されている。このリセットアーム16は支持プレート15に設けたバネ18によって図5中反時計方向に付勢されている。
リセットアーム16にはリセットカム19が軸20を介して取り付けられ、このリセットカム19はバネ21により図6中時計方向に付勢されている。中立位置から基準ピン10が反時計方向に回動すると基準ピン10がリセットカム19に当接し、リセットアーム16は軸17を中心として時計方向に回動する。
親指機構2は軸22を中心として掌基板1に対して旋回可能とされている。この親指機構2の旋回は掌基板1にスライド可能に設けた旋回ストッパ23によって規制されている。この旋回ストッパ23はバネ30によって旋回を規制する方向に付勢されている。(図11、図13参照)
また、掌基板1には軸24を介してL字状解除レバー25が回動可能に支持され、また前記親指機構2の軸22と離れた箇所に設けたピン26に連結する旋回レバー27が掌基板1にスライド可能に支持され、この旋回レバー27には係止部28が形成されている。
更に前記旋回レバー27を跨ぐように旋回カム29が旋回レバー27に対してスライド可能に設けられている。この旋回カム29はバネ31によって親指機構2の軸22方向に付勢されている。(図11、図13参照)
以上において、中立位置から基準ピン10が反時計方向に回動し、基準ピン10がリセットカムに当接してリセットアーム16が軸17を中心として時計方向に回動すると、リセットアーム16の下部がL字状解除レバー25の一端に当接して解除レバー25を図8において軸24を中心に反時計方向に回動させ、この解除レバー25の動きに連動して、旋回ストッパ23は図8において上方(図11において下方)に移動し、親指機構2の旋回規制が解除される。
尚、旋回ピン11の高さは基準ピン10の高さより低く、基準ピン10とともに旋回ピン11が反時計方向に回動する際に、旋回ピン11はリセットカム19には当接しない。
親指機構2の旋回規制が解除された後、リセットアーム16が更に反時計方向に回動することで、図7に示すようにリセットアーム16の下部によって旋回レバー27が図の矢印方向に移動し、親指ピン26を押して親指機構2が軸22介してリセット位置まで回動する。
更に、回転盤9の回転で基準ピン10と旋回ピン11が反時計方向に回動すると、旋回ピン11が旋回カム29に当接し、旋回カム29が図9において右方向に移動する。
旋回カム29が右方向に移動すると、旋回カム29が旋回レバー27の右端部に当り、旋回レバー27が右方向に移動する。旋回レバー27が右方向に移動すると親指ピン26を介して親指機構2が軸22を中心として旋回する。
本発明に係る人間型ハンドは産業用としても、また義手としても使用することができ、図示例では指機構を組み込んだ具体例として、5指を有する人間型ハンドを説明したが、指の本数は任意である。
1…掌基板、2…親指機構、3…示指機構、4…中指機構、5…環指機構、6…小指機構、7…アクチュエータ、8…アクチュエータの軸、9…回転盤、10…基準ピン、11…旋回ピン、12…リンク部材、13…トーナメント状リンク部材、14…親指機構を屈曲させるリンク部材、15…プレート、16…リセットアーム、17…リセットアームの軸、18…バネ、19…リセットカム、20…リセットカムの軸、21…バネ、22…親指機構の軸、23…旋回ストッパ、24…L字状解除レバーの軸、25…L字状解除レバー、26…親指ピン、27…旋回レバー、28…係止部、29…旋回カム。

Claims (1)

  1. 単一のアクチュエータによって親指を含む複数の指を伸屈動させる劣駆動型の人間型ハンドにおいて、前記アクチュエータの駆動範囲を3分割し、駆動範囲の中立位置を親指が伸長し且つ内側に旋回し親指以外は伸長した状態とし、中立位置から一方の領域を親指を含む複数の指を伸屈動させる動域とし、中立位置から他方の領域を2分割して、親指の旋回規制を解除する領域と親指を旋回せしめる領域とし、前記アクチュエータは360°以内の範囲で往復回転する回転盤に基準ピンと旋回ピンが取付けられ、
    前記基準ピンは、中立位置から一方の側に回転盤が回転する際には前記基準ピンはリンク機構を介して親指を含む全指を伸屈動させ、中立位置から他方の側に回転盤が回転する際にはリセットアームと解除レバーを介して親指機構の旋回規制を解除し、
    また前記旋回ピンは前記リセットアームとの干渉を避けるべく基準ピンよりも低く設定され、中立位置から他方の側に回転盤が回転する際には親指機構に連結する旋回レバーを介して旋回規制が解除された親指機構を掌の外側に旋回せしめ最も手を広げた状態にすることを特徴とする人間型ハンド。
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