JP7611558B2 - カテーテル用バルーンの作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カテーテル用バルーンの作製方法に関する。
バルーンカテーテルに使用されるカテーテル用バルーン200は、一般的に、図9に示すように、円筒部110、テーパー部120及び接続部130を有している。本来、カテーテル用バルーンは、血管や病変部の通過性を考慮すると、接続部及びテーパー部はできる限り薄い方が好ましい。しかしながら、一般的な作製方法であるブロー成形でカテーテル用バルーンを作製すると、カテーテル用バルーンの肉厚は、加工の特性上、接続部、テーパー部、円筒部の順に薄くなり、接続部が最も厚く、円筒部が最も薄くなってしまう。血管や病変部の通過性を向上させるために接続部やテーパー部をできる限り薄くなるように作製すると、円筒部の膜厚が非常に薄くなりすぎて、耐圧性が低くなってしまうという問題点があった。
かかる点を考慮した発明として、ポリマー材料から形成され、かつ、円筒状中間部、該中間部の各端にあって外側に傾斜する円錐部及び該円錐部の端にある円筒状首部を有する拡張カテーテル用のバルーンであって、内層及び外層を含む2以上の層から形成され、その一方が短縮されて他方の円錐域内で終了することを特徴とする拡張カテーテル用バルーンが提案されている。また、かかる拡張カテーテル用バルーンの製造方法として、円筒状中間部、該中間部の端から伸長する円錐部及び該円錐部の端から伸長する首部を有し、バルーンがポリマー材料から形成される拡張バルーンを製造する方法であって、金型内で第一バルーンを吹き込み成形すること;第一バルーンを金型から取り出して、その円錐部域の端を縁切りすること;縁切りした第一バルーンを金型内に配置し、次のバルーンを吹き込み成形して前に配置したバルーンセグメントに緊密に接触させること;組み合わせバルーン層を金型から取り出し、最後に形成された層を縁切りしてバルーンの首部を定めることからなるものが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、かかる拡張カテーテル用バルーンの製造方法では、重ね合わされるバルーンを成形のたびに金型内から取り出し、縁切り処理を行わなければならないため、必ずしも均一に成形することができず、再現性に乏しいという問題点があった。
特開平4-231070号公報
本発明は、従来のカテーテル用バルーン成形用型と同じ型で、同じパリソンを使用して成形した場合であっても従来のカテーテル用バルーンよりも薄い部分と厚い部分を作製することができるカテーテル用バルーンの作製方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法は、以下の工程を含む。
(1)プラスチックチューブを延伸加工することにより、パリソン部材を作製するパリソン作製工程
(2)薄膜チューブを作製する薄膜チューブ作製工程
(3)前記パリソン部材に少なくとも1枚の前記薄膜チューブを被覆して被覆パリソン部材を作製する薄膜チューブ被覆工程
(4)バルーン成形用金型で前記被覆パリソン部材をバルーンの形態に成形するバルーン成形工程
本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法によれば、パリソン部材に薄膜チューブを被覆した状態でバルーン成形することによって、被覆部分と被覆されていない部分とで温度及び強度に違いを発生させることによって、応力の加わり方に違いを生じさせ、被覆されていない部分をより局所的に薄くさせることができる。このため、同じバルーン成形用金型を使ってパリソンのみで作製した場合と比較して、薄膜チューブが被覆されていない部位はさらに薄い膜を有するカテーテル用バルーンを作製することができる。
また、本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法において、
前記バルーン成形工程の後に、前記バルーン成形用金型をバルーン成形時より高温にして前記薄膜チューブをパリソン部材に圧着する圧着工程を有することを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、パリソン部材と薄膜チューブとをより強固に圧着させることができる。
さらに、本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法において、
前記薄膜チューブは、作製後のカテーテル用バルーンのテーパー部以外に被覆されていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、テーパー部に薄膜チューブが被覆されていないので、テーパー部を特に薄く形成することができる。
さらに、本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法において、前記薄膜チューブは、作製後のカテーテル用バルーンのテーパー部に被覆されていることを特徴とするものであってもよい。
バルーンの両テーパー部を被覆することで、バルーンの円筒部が周方向に膨らみやすくなり、バルーンの軸方向への膨らみを防止できる。
さらに、本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法において、
前記パリソン部材の素材と前記薄膜チューブの素材は同じ素材であることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、圧着工程において、パリソン部材と薄膜チューブが互いに相溶して一体化しやすくすることができる。
さらに、本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法において、
前記薄膜チューブの素材は、常温において、ショア硬さで前記パリソン部材の素材よりも硬い素材であることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、バルーン成形工程において、薄膜チューブが伸張しづらくなり、薄膜チューブが被覆されていない部分が延伸しやすく、薄膜チューブが被覆されていない部分をより薄い膜にすることができる。
本発明にかかるカテーテル用バルーンの作製方法によれば、テーパー部が薄く、かつ円筒部が厚いカテーテル用バルーンを一度の成形で作製することができ、また、従来のカテーテル用バルーン作製用型と同じ型を使用して、同じパリソンを使用した場合であっても従来のカテーテル用バルーンよりも薄いテーパー部を作製することができる。
図1は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法を示すフローチャートである。 図2は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法の1工程を示す模式図である。 図3は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法の1工程を示す模式図である。 図4は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法の1工程を示す模式図である。 図5は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法によって作製されたカテーテル用バルーン100の断面図である。 図6は、実施形態にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法によって作製された別実施形態のカテーテル用バルーン100の断面図である。 図7は、カテーテル用バルーン100の膜厚測定位置を示す図である。 図8は、カテーテル用バルーン100の膜厚測定結果である。 図9は、一般的なカテーテル用バルーン200を示す模式図である。
次に、本発明にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
(実施形態)
本発明にかかるカテーテル用バルーン100の作製方法は、図1に示すように、主として、プラスチックチューブを延伸加工することにより、パリソン部材10を作製するパリソン作製工程(S1)、押出成形によって薄膜チューブ20を作製する薄膜チューブ作製工程(S2)、パリソン部材10に薄膜チューブ20を被覆して被覆パリソン部材30を作製する薄膜チューブ被覆工程(S3)、バルーン成形用金型80で被覆パリソン部材30をバルーンの形態に成形するバルーン成形工程(S4)、バルーン成形工程の後に、バルーン成形用金型80をバルーン成形時より高温にして薄膜チューブ20を圧着する圧着工程(S5)と、完成したカテーテル用バルーン100を取り出す脱型工程(S6)と、を含んでいる。
(1)パリソン作製工程(S1)
パリソン作製工程は原材料の長いプラスチックチューブに対して長手軸方向への延伸を行い、長手軸方向への引張強度を向上させる工程である。延伸加工されたパリソン部材10は、図2Aに示すようにチューブ状であってもよいし、図2Bに示すように、ある程度二軸延伸を行い、最終製品のカテーテル用バルーン100より小さいバルーン形状に成形してもよい。なお、図2には、サイズ感がわかりやすいように、バルーン成形用金型80も記載されているが、あくまで比較のためである。パリソン部材10に使用される素材としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの熱可塑性樹脂を使用することができる。
(2)薄膜チューブ作製工程(S2)
次に、パリソン部材10を被覆する薄膜チューブ20を作製する工程である。薄膜チューブ20は、押出成形やディップモールディング等によって作製する。薄膜チューブ20の膜の厚さは、パリソン部材10と薄膜チューブ20とのそれぞれの素材の種類及び、バルーン成形工程によって、薄膜チューブ20の被覆部位と被覆されていない部位の所望する延伸比率等を考慮して適宜決定される。一般的に薄膜チューブ20が厚ければ、薄膜チューブ20を被覆した部位が延伸しづらく、薄膜チューブ20を延伸していない部位が大きく延伸し、薄く形成される。また、薄膜チューブ20は、長手軸方向に延伸していないものを使用するとよい。薄膜チューブ20を延伸してしまうと、それ以上延伸しづらくなるからである。なお、薄膜チューブ20は、パリソン部材10の外径よりわずかに大きい内径を有する大きさに作製し、薄膜チューブ20をパリソン部材10に被せると摩擦で互いが移動しない程度に固定できるようにすれば、その後の工程で扱いやすくすることができる。薄膜チューブ20は、パリソン部材10と同様に、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレンポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマーなどの熱可塑性樹脂を使用することができる。パリソン部材10と薄膜チューブ20の素材の組み合わせは限定するものではないが、好ましくは、パリソン部材10と同じ素材か又は、常温においてショア硬度でパリソン部材10よりも硬い素材を薄膜チューブ20に使用するとよい。同じ素材を使用することによって、後述する圧着工程において、パリソン部材10と薄膜チューブ20が互いに相溶して一体化しやすくすることができる。また、常温においてショア硬度でパリソン部材10よりも硬い素材を薄膜チューブ20に使用すれば、バルーン成形工程において、薄膜チューブ20が伸張しづらくなり、薄膜チューブ20が被覆されていない部分が延伸しやすく、より被覆されていない部分を薄い膜にすることができる。好ましい組み合わせとしては、パリソン部材10と薄膜チューブ20がポリアミドとポリアミドの組み合わせ、ポリアミドとポリアミド系エラストマーとの組み合わせ、ポリアミド系エラストマーとポリアミドとの組み合わせがある。なお、薄膜チューブ20の長手方向の長さは、パリソン部材10に対して被覆したい部位に応じて選択することができる。
(3)薄膜チューブ被覆工程(S3)
図3に示すように、前述したパリソン部材10の外周に薄膜チューブ20を被覆し、被覆パリソン部材30を作製する工程である。作製したいカテーテル用バルーン100に応じて適切な位置にセットする。このように、本発明では、薄膜チューブ20をカテーテル用バルーン100の任意の位置で取り付けることができるので、様々な目的のカテーテル用バルーン100を作製することができる。詳細は後述する。本実施形態においては、カテーテル用バルーン100の円筒部の中央にくるように配置している。なお、薄膜チューブ20は必ずしも1枚である必要はなく、2枚以上重ねて被覆してもよいし、複数箇所被覆しても良い。
(4)バルーン成形工程(S4)
図4Aに示すように、被覆パリソン部材30をバルーン成形用金型80にセットし、図4Bに示すように、ブロー成形により、バルーンを成形する工程である。成形時の温度は、素材によって適宜選択されるが、概ね80℃~160℃である。この際に被覆パリソン部材30は、薄膜チューブ20の被覆部分と非被覆部分における成形時の温度分布の違い、及び応力分布の違いにより、成形時に延伸される量を変化させることができ、非被覆部分の肉厚をコントロールすることができる。
(5)圧着工程(S5)
圧着工程は、バルーン成形工程の後に、バルーン成形用金型80をバルーン成形時より高温にしてパリソン部材10と薄膜チューブ20とを圧着する工程である。すなわち、パリソン部材10に薄膜チューブ20を被覆した状態で、バルーン成形用金型80内でブロー成型を行った後にバルーン成形用金型80内の温度をブロー成型時より10℃~30℃高温にし、被覆した薄膜チューブ20を完全に溶着させるために行われる。上述したバルーン成形工程の条件により、パリソン部材10と、薄膜チューブ20とが十分に圧着できれば、本工程は省略してもよい。
(6)脱型工程(S6)
最後に、完成したカテーテル用バルーン100をバルーン成形用金型80から脱型してカテーテル用バルーン100が得られる。
こうして得られたカテーテル用バルーン100は、例えば、図5に示すように、円筒部60を被覆することで、非被覆部分であるカテーテル用バルーン100のテーパー部70の延伸量が大きくなる。これにより、テーパー部70が局所的に薄いカテーテル用バルーン100を作製することができ、狭窄部等の通過性が向上したカテーテル用バルーン100を作製することができる。このときのテーパー部70の膜厚は、同じパリソン部材を使用し、同じ金型で、同じ成形条件で作製したカテーテル用バルーンのテーパー部(薄膜チューブ20を被覆していない部分)よりも薄くすることができる。したがって、円筒部60を厚く、テーパー部70をより薄く形成したカテーテル用バルーン100を作製することができる。また、図6に示すように、カテーテル用バルーン100の両テーパー部70を被覆することで、カテーテル用バルーン100の円筒部60が周方向に膨らみやすくなり、カテーテル用バルーン100の軸方向への膨らみを防止できる。このように、カテーテル用バルーン100の拡張のしやすさを制御することができるため、意図しない部分の拡張を防止できる。そのため、ステントを複数回拡張させる場合(後拡張する場合)等に、意図しない部分が拡張してステントを変形させたりする可能性を低減することができる。さらに、カテーテル用バルーン100の両テーパー部70を被覆することで、バルーンの拡張形状をレモン型に作製することができる。これによりカテーテル用バルーン100が拡張時に滑ることが低減できるカテーテル用バルーン100を作製することができる。さらに、被覆部分は、膜厚を厚くすることができ、強度をコントロールすることができるので、カテーテル用バルーン100の破裂部位をコントロールすることができる。
(実施例)
実施例として、材料ポリアミドで作製されたプラスチックチューブを1軸延伸加工して得られたパリソン部材に、材料ポリアミドで作製された厚さ100μmの薄膜チューブを円筒部の中央の一部に被覆して被覆パリソン部材を得た。バルーン成形用金型を使用し、被覆パリソン部材を、150℃で成形した後、165℃で120秒間圧着を行い、カテーテル用バルーンを得た。
比較例として、同一材料のポリアミドで作製されたプラスチックチューブを1軸延伸加工して得られたパリソン部材を使用して、バルーン成形用金型を使用し、150℃で成形した後、カテーテル用バルーンを得た。
実施例及び比較例で得られたカテーテル用バルーンに対して、図7に示すように、7箇所の膜厚を測定した。実施例におけるカテーテル用バルーンにおいて、A及びGは、薄膜チューブを有しないテーパー部、B及びFは、薄膜チューブを有しない円筒部、C、D及びEは薄膜チューブを有する円筒部である。
サンプル数3の平均値を図8に示す。図8に示された結果により、薄膜チューブを被覆した状態で成形するだけでセットされていない箇所「A、B、F及びG」は、薄膜チューブを被覆しないで成形した場合と比較して局所的に薄くしたカテーテル用バルーンを得ることができることがわかる。
本発明は、バルーンカテーテルに使用されるバルーンの作製方法として産業上利用することができる。
10…パリソン部材、20…薄膜チューブ、30…被覆パリソン部材、60…円筒部、70…テーパー部、80…バルーン成形用金型、100…カテーテル用バルーン

Claims (4)

  1. 以下の(1)~(4)の全工程を番号順に含むことを特徴とするカテーテル用バルーンの作製方法。
    (1)プラスチックチューブを延伸加工することにより、パリソン部材を作製するパリソン作製工程
    (2)長手方向に延伸されておらず、パリソン部材に対して摩擦で互いに移動しない程度に前記パリソン部材より外形が大きい薄膜チューブを作製する薄膜チューブ作製工程
    (3)前記パリソン部材に少なくとも1枚の前記薄膜チューブを作製後のカテーテル用バルーンのテーパー部以外に被覆して被覆パリソン部材を作製する薄膜チューブ被覆工程
    (4)バルーン成形用金型で前記被覆パリソン部材をバルーンの形態に成形するバルーン成形工程
  2. 前記バルーン成形工程の後に、前記バルーン成形用金型をバルーン成形時より高温にして前記薄膜チューブをパリソン部材に圧着する圧着工程を有することを特徴とする請求項1に記載のカテーテル用バルーンの作製方法。
  3. 前記パリソン部材の素材と前記薄膜チューブの素材は同じ素材であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカテーテル用バルーンの作製方法。
  4. 前記薄膜チューブの素材は、常温において、ショア硬さで前記パリソン部材の素材よりも硬い素材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカテーテル用バルーンの作製方法。
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