JP7614901B2 - 電子写真部材、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Description
上記のような低温定着用のトナーでは、従来知られている電子写真部材を用いて、印刷を繰り返し行うと、電子写真部材間での摺擦や、摺擦に伴う熱や押圧によって、トナーが破壊されやすくなる。これによって、トナーと接触している電子写真部材や像担持体表面にトナー成分の固着や堆積が発生し、その結果、各部材の本来の役割が阻害されて、高品位な画像を出力し続けることが困難になりつつある。
特許文献1には、クリーニングブレードの感光体への当接圧を低減させた場合であっても感光体の外表面の汚染をよりよく防止し得る現像ローラが開示されている。
本開示に係る電子写真部材の一実施形態を図1に示す。
図1(A)に示すように、電子写真部材は、導電性の基体11と、その外周に設けられた弾性層12とを有する。また、電子写真部材は、図1(B)に示すように、外表面に凸部15を有し、該凸部15は複数個の無機粒子13を含有する。さらに、凸部15の表面には、凸部15に含まれる複数個の無機粒子13の少なくとも一部が露出しており、かつ、凸部15に含まれる複数個の無機粒子13の間には、結着樹脂14が存在する。
導電性の基体としては、円柱状もしくは中空円筒状の導電性の軸芯体、または、該軸芯体上にさらに一層もしくは複数層の導電性の中間層を設けたものを用いることができる。
軸芯体の形状は、円柱状または中空円筒状であり、軸芯体は、以下の導電性の材質で構成される。アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロムまたはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂。導電性の基体の表面には、その外周に設けられる中間層や弾性層等との接着性を向上させる目的で、適宜、公知の接着剤を塗布してもよい。
弾性層は、軸芯体上または中間層を介して軸芯体の外表面に形成される層である。本開示における弾性層は、結着樹脂と無機粒子とを含有する。また、弾性層は、電子写真部材として必要な導電性や強度などの特性を発現するために、導電性付与剤や他の添加剤を含んでもよい。
弾性層中の結着樹脂としては、架橋性を有するゴムの架橋体であることが好ましい。このようなゴムとしては、ジエン系ゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリンゴムが挙げられる。
ジエン系ゴムは、後述する、紫外線照射等の表面処理によって該ジエン系ゴムが有する二重結合が架橋し、弾性層の表面近傍の硬度をより高めることに資する。
本開示の電子写真部材は、外表面が有する凸部の表面に無機粒子の一部が露出している。本開示の電子写真部材に用いる無機粒子としては、一定の硬度を有するものであればよく、金属化合物などを用いることができる。金属化合物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化銅、酸化スズ等、後述する充填剤や架橋助剤などのように一般的に電子写真部材に添加されるものを挙げることができる。これらの中でも、無機粒子の一部を表面に露出させることで帯電付与能などの付随する効果が得られることから、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウムまたは酸化マグネシウムを用いることが好ましい。
ここで、「粒子径」とは、透過型顕微鏡による観察で、無機粒子500個以上の粒子を無作為に撮影し、これらの粒子の直径を測定したものの算術平均値(平均粒子径)である。直径を測定する際には、最大長径Lmと最大長径に直交する最大幅Wmとの平均値を、その粒子の直径と定義し、この値を以て平均粒子径を算出する。
弾性層に、電子導電性物質やイオン導電性物質のような導電性付与剤を配合することにより、導電性を付与することができる。電子導電性物質としては、例えば以下の物質が挙げられる。導電性カーボン、例えば、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラックの如きカーボンブラック;SAF(Super Abrasion Furnace)、ISAF(Intermediate SAF)、HAF(High Abrasion Furnace)、FEF(Fast Extruding Furnace)、GPF(General Purpose Furnace)、SRF(Semi-Reinforcing Furnace)、FT(Fine Thermal)、MT(Medium Thermal)の如きゴム用カーボン;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン;銅、銀、ゲルマニウムの如き金属およびその金属酸化物。これらの中でも、少量で導電性を制御しやすいことから、導電性カーボンが好ましい。イオン導電性物質としては、例えば以下の物質が挙げられる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの如き無機イオン導電性物質;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの如き有機イオン導電性物質。
これらの導電性付与剤は、各電子写真部材に求められる導電性に合わせて適宜必要量が配合される。
弾性層には、必要に応じてさらに、粒子、導電剤、可塑剤、充填剤、増量剤、架橋剤、架橋促進剤、加硫助剤、架橋助剤、受酸剤、硬化抑制剤、酸化防止剤、老化防止剤の如き各種添加剤を含有させることができる。これらの任意成分は、本開示の特徴を損なわない範囲の量を配合することができる。
硫黄の配合割合は、ゴムとしての良好な特性を付与することを考慮すると、結着樹脂の総量100質量部あたり0.5質量部以上、2.0質量部以下であることが好ましい。また、架橋剤として有機含硫黄化合物を使用する場合、分子中の硫黄量が、上記範囲内の割合となるように調整することが好ましい。
まず、本開示の電子写真部材が従来の電子写真部材と大きく異なる点として、表面近傍の結着樹脂の硬度が高く、また、その表面にその高硬度の結着樹脂を介在する形で複数個の無機粒子が露出して存在する凸部を有している点が挙げられる。このように、表面近傍の結着樹脂の硬度が非常に高く設計されているため、電子写真部材自体の表面は、摩耗等に対し、非常に優位な耐久性を有する。また、表面の結着樹脂の硬度を上げることにより、樹脂特有のタック性やブリードを抑制することが可能であり、結果として、トナー由来の固着や堆積に対しても明確な優位性を示すことが可能となる。
そのため、本開示の電子写真部材を、電子写真部材と当接する部材、例えば現像部材として用いた際には、像担持体やトナー量規制部材などの表面に対して、この微細な凸部15がブラシのように働き、かきとり性、いわゆるクリーニング効果を発現するものと考えられる。
さらに、本開示の構成において、電子写真部材の表面近傍は上述したように高硬度であるが、その内部においては柔軟性を保持しており、削れによる表面のキズとトナーへのダメージを高い次元で抑制することができる。
弾性層の形成方法としては、例えば、押出成形、プレス成形、射出成形、液状射出成形、注型成形等の各種成形法により、上記弾性層の材料を適切な温度および時間で加熱硬化させて、基体上に弾性層を形成する方法を挙げることができる。具体的には、基体を設置した円筒形金型内に未硬化の弾性層形成材料を注入し、加熱硬化することによって、基体の外周に弾性層を形成することができる。
上記方法により形成された弾性層に対して表面処理を行うことで、最表面の結着樹脂を除去する。これにより、弾性層の最表面に、複数の無機粒子と結着樹脂を含む複数の凸部を形成し、各凸部を構成する無機粒子の少なくとも一部を該凸部の表面に露出させることができる。
本開示の電子写真部材の構成を達成するためには、適切な表面処理方法を選択し、処理を行う必要がある。電子写真部材の表面処理を行う一般的な手法としては、表面研磨や、コロナ処理、フレーム処理、紫外線処理、電子線処理などが挙げられる。これらの手法の中で、本開示の電子写真部材の構成を備えるための最適な方法として、本発明者らは紫外線処理を選択した。すなわち、本開示の電子写真部材は、弾性層に対して紫外線処理を行うことにより、最表面の結着樹脂を除去して凸部を形成し、該凸部の表面に、複数個の無機粒子の少なくとも一部を露出させることによって製造することが好ましい。そして、紫外線処理に用いる光源の波長や処理強度を適切に選択して、表面近傍の結着樹脂の硬度および内部の結着樹脂の硬度、さらに無機粒子の露出具合などを制御することによって、本開示に係る電子写真部材の構成が達成される。
続いて、無機粒子の露出を目的とする2回目の表面処理を行う。2回目の表面処理は、上述したように、紫外線波長の中でも、より低波長領域の紫外線を用いて処理を行うことが好ましい。
本開示に係る電子写真プロセスカートリッジの一態様は、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、本開示に係る電子写真部材を有する。また、本開示に係る電子写真画像形成装置の一態様は、静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を一次帯電するための帯電装置と、一次帯電された該像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成するための現像部材と、該トナー画像を転写材に転写するための転写装置と、を有する電子写真画像形成装置であって、該現像部材として、本開示に係る電子写真部材を有する。図2および図3に、本開示に係る電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置の一例の概略図を示す。
像担持体201は、不図示のバイアス電源に接続された帯電部材202によって一様に帯電(一次帯電)される。次に、像担持体201に、静電潜像を書き込むための露光光301を、不図示の露光装置により照射し、像担持体の表面に静電潜像が形成される。露光光には、LED光、レーザー光のいずれも使用することができる。
次に、現像部材203によって負極性に帯電したトナーが静電潜像に付与され、像担持体上にトナー画像が形成され、静電潜像が可視像に変換される(現像)。このとき、現像部材203には、不図示のバイアス電源によって電圧が印加される。なお、現像部材203は、像担持体201と、例えば0.5mm以上、3mm以下のニップ幅をもって接触している。像担持体201上で現像されたトナー画像は、中間転写ベルト302に1次転写される。中間転写ベルトの裏面には1次転写部材303が当接しており、1次転写部材303に電圧を印加することで、負極性のトナー画像を像担持体201から中間転写ベルト302に1次転写する。1次転写部材303は、部材形状であってもブレード形状であってもよい。
<1.電子写真部材の製造>
(基体の用意)
外径6mm、長さ270mmのステンレス鋼(SUS304)製の軸芯体を準備し、軸芯体の周面に導電性加硫接着剤(商品名:メタロックU-20、東洋化学研究所社製)を塗布し、焼付けて基体となる軸芯体を用意した。
下記表1に示す弾性層用の材料を、6リットル加圧ニーダー(商品名:TD6-15MDX、トーシン社製)を用いて、充填率70体積%、ブレード回転数30rpmで16分間混合して混合物Aを得た。
その後、軸芯体を電気炉にて温度160℃で40分間加熱し、混合物Bの層を加硫して、加硫部材を形成した。続いて、加硫部材の表面をプランジカットの研削方式の研磨機にて研磨して、研磨ローラを得た。なお、研磨ローラの外径は、レーザー測長器(商品名:コント部材LS-7000、センサーヘッドLS-7030R、キーエンス社製)を用いて測定した。外径は、長手方向に10mmピッチで測定し、部材端部から10mmの位置の外径と、部材中央の位置の外径との差をクラウン量とした。得られた研磨ローラの部材端部の外径は11.998mm、部材中央の外径は12.048mmであったため、クラウン量は50μmであった。
得られた研磨ローラの表面に対して、以下の表面処理を行った。
最終的に外表面に露出する無機粒子の脱落を抑制するために、無機粒子間の結着樹脂の硬化を目的とした表面処理を行った。具体的には、無機粒子が露出する前の弾性層内部の無機粒子近傍の結着樹脂の硬化を促進するために、比較的内部まで硬化の影響を及ぼす高波長側の紫外線にて、処理を行った。また、熱の発生を抑えて、ワーク温度を低くするために、高照度にて短時間紫外線を照射するにとどめた。
図4は、本実施例で使用した処理装置を示す概略図である。
使用する紫外線ランプ41と研磨ローラ42を平行に配置する。紫外線ランプ41の表面と研磨ローラ42の表面との距離43は、任意に変更することが可能である。また、紫外線処理中は、不図示の回転機構によって、研磨ローラ42を回転させることができる。研磨ローラ42を回転数20rpmにて回転させながら紫外線照射を行う。また、研磨ローラ42の下部には、不図示のエアー吹き出し口が存在し、該吹き出し口からエアーを当てることで、紫外線処理による研磨ローラの温度上昇を抑えることが可能である。また、紫外線ランプ41と研磨ローラ42の間に、フィルターやランプの汚染防止のためのガラス板などを適宜配置してもよい。
紫外線ランプとしては、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製)を使用した。研磨ローラ表面の位置における365nm波長の紫外線の照度を紫外線積算光量計(本体:UIT-250、受光部:UVD-S365、共に商品名、ウシオ電機社製)で測定し、照度30mWとなるようにランプの出力および距離43を調整した。また研磨ローラ表面が熱を持たないように、研磨ローラ表面にエアーが当たるように処理を行った。この状態で積算光量が約5000mJとなるように、照射時間を167秒とし、表面処理1を行った。
前記表面処理1に続いて、以下の表面処理を行った。
紫外線ランプとしては、エキシマUVランプ(商品名:GEL40XTS、東芝ライテック社製)を使用した。研磨ローラ表面の位置における172nm波長の紫外線の照度を紫外線積算光量計(本体:UIT-250、受光部:VUV-S172、共に商品名、ウシオ電機社製)で測定した。この際、照度が15mWとなるように距離43の調整を行った。この状態で積算光量が30000mJとなるように、照射時間を2000秒として照射を行った。ただし、研磨ローラ表面が100℃以上にならないように、複数回に分けて処理を行った。
得られた電子写真部材の表面粗さRaを接触粗さ計(商品名:サーフコードSE3500、小坂研究所社製)を用いて測定したところ、Ra=1.05μmであった。
電子写真部材の硬度を測定する断面の領域を、クライオミクロトーム(商品名:FC6、ライカ製)にて-110℃に保持した状態で、ダイヤモンドナイフを用いて薄片に切削して切り出し、100μm角、深さ方向の幅100μmの薄片を作製した。本開示では、図5に示すように、基体11と対向する面とは反対側の弾性層12の外表面から深さ0.1μmまでの第1領域51と、弾性層12の外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでの第2領域52の各領域において、結着樹脂の弾性率を測定した。
測定には、SPM装置(商品名:MFP-3D-Origin、オックスフォード・インストゥルメンツ社製)と、探針(商品名:AC160、オリンパス製)を使用した。フォースカーブを10回測定し、最高値と最低値を除く8点の算術平均を求め、Hertz理論を用いて弾性率を算出した。
第1領域の弾性率をE1、第2領域の弾性率をE2として、それぞれの値を測定したところ、E1は1527(MPa)、E2は98(MPa)であった。その結果を表4に示す。
電子写真部材表面における無機粒子の存在量は、JSM-7800Fショットキー電界放出形走査電子顕微鏡(商品名、日本電子社製)を用いて電子写真部材の表面を観察することによって確認することが可能である。図6に、紫外線処理後の電子写真部材の表面の観察写真を示す。
拡大倍率を25000倍、観察領域を約3μm四方として、10箇所にて観察を行った。この拡大倍率および観察領域であれば、無機粒子の粒子径が1μm以下であっても十分観察することができ、細かい凸部に無機粒子が含まれていることを確認することが可能である。また、表面の無機粒子の露出具合は、以下の方法で確認することができる。
先述したJSM-7800Fを使用し、拡大倍率を500倍、観察領域を約200μm四方として、加速電圧5kVにてEDXの分析を行った。加速電圧を5kVにすることで、サンプルに対する電子線の侵入量を数μm以内に抑え、より表面の露出具合に対する感度を高めることが可能である。EDXで得られた全検出元素から無機粒子由来の検出ピークを選択し、その元素量(原子%)を求め、その測定点の結果とした。本実施例では、無機粒子としては酸化亜鉛が挙げられるため、亜鉛のピークを使用して最表面と内部の比較を行った。
電子写真部材を、その長手方向(幅方向)に3等分した3つの領域の各々から、弾性層の全厚さ分の断面が表れるようにサンプルを1つ切り出した。得られた3つのサンプルの各々について、電子写真部材の外表面に相当する面に対してEDX分析を行った。
次に、各サンプルの弾性層の厚さ方向の断面に相当する面に対してEDX分析を行った。この時、分析する領域としては、厚み方向に対して表面から10μm以上内側に入ったところとし、この分析結果を内部の分析結果とした。また、観察視野をずらしながら、同サンプル内で5点ずつ測定を行った。各サンプルについて同様の分析を行い、これら計15点の結果について、それぞれ最表面、内部に対して平均値を求め、元素量の比較を行った。その結果、最表面から得られた元素量Aは0.45原子%、内部から得られた元素量Bは0.33原子%であった。その結果を表4に示す。
温度30℃、相対湿度95%の高温高湿環境下にて、レーザープリンター(商品名:HP LaserJet Enterprise Color M553dn、HP製)用のシアンカートリッジに、上記で得られた電子写真部材を現像部材として組み込み、同環境下にて48時間放置して、十分にエージングを行った。
上記エージング後に、印字率を0.5%に調整した画像を連続して印刷し、レーザープリンターにカートリッジ交換ランプが点灯するまで印字を行った。さらにランプ点灯後に追加で500枚印字を行った後、カートリッジを分解し、像担持体と現像部材を取り外し、それぞれの部材に対して表面観察を行った。
像担持体表面をレーザー顕微鏡(商品名:VK-8700、キーエンス社製)で、20倍の対物レンズを用いて観察し、その表面状態から、以下の基準でかきとり性を評価した。
A:像担持体の全表面積に対する固着トナーの面積が1%以下であった。
B:上記固着トナーの面積が1%超5%以下であった。
C:上記固着トナーの面積が5%超、あるいは画像上に像担持体由来の縦スジが生じた。
なお、画像上の縦スジが像担持体由来かどうかについては、使用後の像担持体を新品の像担持体と交換して印刷を行い、交換前後の画像を比較した場合の縦スジの消失有無によって判断した。
回収した現像部材について、表面をエアブローして、トナーを除去した後、上記同様レーザー顕微鏡(商品名:VK-8700、キーエンス社製)で、20倍の対物レンズを用いて観察し、フィルミングの状態を以下の基準で評価した。
A:現像部材の全表面積に対する固着トナーの面積が5%以下であり、耐フィルミング性が特に良好である。
B:上記固着トナーの面積が5%超15%以下であり、耐フィルミング性が良好である。
C:上記固着トナーの面積が15%超であり、耐フィルミング性に劣る。
上記フィルミング評価を行った後、現像部材表面をエタノールにて洗浄を行った。そして、再度、上記同様のレーザー顕微鏡にて表面の観察を行い、以下の基準で耐久性を評価した。
A:最表面に他部材との摺擦由来の削れやクラックが確認されず、耐久性が特に優れる。
B:最表面に極微細(数μm程度)のクラックがみられる。
C:最表面にトナー粒径より大きなクラックがみられ、そのクラックにトナーなどが埋没などしている、あるいは、最表面に明らかに大きなキズがみられる。
<表面処理2>において、研磨ローラの表面に対する積算光量が、それぞれ表4に示す積算光量となるように照射時間を設定し、処理を行った以外は、実施例1と同様にして本開示の電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
<表面処理2>の際に使用するランプとして、低圧水銀オゾンレスランプ(東芝ライテック社製)を用いた。研磨ローラ表面における254nm波長の紫外線の照度を紫外線積算光量計(本体:UIT-250、受光部:UVD-S254、共に商品名、ウシオ電機社製)で測定し、照度が33mWとなるように距離の調整を行った。また、積算光量が30000mJとなるように照射時間を調整した。それ以外は、実施例1と同様に処理を行い、電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
<表面処理2>において、研磨ローラの表面に対する積算光量が、それぞれ表4に示す積算光量となるように照射時間を設定し、処理を行った以外は、実施例5と同様にして本開示の電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
<表面処理2>の際に使用するランプとして、高圧水銀ランプ(アイグラフィックス社製)を用いた。研磨ローラ表面における365nm波長の紫外線の照度を紫外線積算光量計(本体:UIT-250、受光部:UVD-S365、共に商品名、ウシオ電機社製)で測定し、照度が30mWとなるように距離を調整した。その後、積算光量が30000mJとなるように照射時間を調整した。それ以外は、実施例1と同様に処理を行い、電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
<表面処理2>において、研磨ローラの表面に対する積算光量が、それぞれ表4に示す積算光量となるように照射時間を設定し、処理を行った以外は、実施例9と同様にして本開示の電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1において、<表面処理1>を行わずに<表面処理2>を行った。また、<表面処理2>についてはワーク温度に関係なく、連続で処理を行い、積算光量30000mJとなるよう照射を行い、本発明の電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
実施例5において、<表面処理1>を行わずに<表面処理2>を行った。また、<表面処理2>についてはワーク温度に関係なく、連続で処理を行い、積算光量30000mJとなるよう照射を行い、本発明の電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
実施例9において、<表面処理1>を行わずに<表面処理2>を行った。また、<表面処理2>についてはワーク温度に関係なく、連続で処理を行い、積算光量30000mJとなるよう照射を行い、本発明の電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
実施例1と同様にして、研磨ローラを得た。この研磨ローラに対して、実施例1と同様に<表面処理1>を行った後、<表面処理2>として、紫外線処理ではなく、電子線処理を行った。
図7に電子線照射装置の概略図を示す。本開示に用いることのできる電子線照射装置としては、研磨ローラを回転させながら部材表面に電子線を照射するものが好ましい。例えば、図7に示すように、電子線発生部71と照射室72と照射口73とを備える電子線照射装置である。
電子線発生部71は、電子線を発生するターミナル74と、ターミナル74で発生した電子線を真空空間(加速空間)で加速する加速管75とを有する。また、電子線発生部の内部は、電子が気体分子と衝突してエネルギーを失うことを防ぐため、不図示の真空ポンプ等により10-3Pa以上10-6Pa以下の真空に保たれている。不図示の電源によりフィラメント76に電流を通じて加熱すると、フィラメント76は熱電子を放出し、この熱電子のうち、ターミナル74を通過したものだけが電子線として有効に取り出される。そして、電子線の加速電圧により加速管75内の加速空間で加速された後、照射口箔77を突き抜け、照射口73の下方の照射室72内を搬送される研磨ローラ78に照射される。研磨ローラ78に電子線を照射する場合には、照射室72の内部は窒素雰囲気とすることができる。また、研磨ローラ78は、不図示の回転機構にて回転されて、搬送手段により、照射室72内を移動する
上記の電子線処理装置を用いて、加速電圧50kVとして、線量が450kGyとなる照射時間において、研磨ローラに電子線処理を行い、電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
<表面処理2>において、研磨ローラの表面に対する積算光量が10000mJとなるように照射時間を設定し、処理を行った以外は、実施例1と同様にして電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
<表面処理2>において、研磨ローラの表面に対する積算光量が10000mJとなるように照射時間を設定し、処理を行った以外は、実施例5と同様にして電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
<表面処理2>において、研磨ローラの表面に対する積算光量が10000mJとなるように照射時間を設定し、処理を行った以外は、実施例9と同様にして電子写真部材を得た。
得られた電子写真部材について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
表3に示す5種類の材料を撹拌混合した。その後、得られた混合物を、固形分濃度が25質量%になるようにメチルエチルケトン(Aldrich社製)に溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散して、表面層用の塗料を得た。なお、表3に示す配合量(質量部)は、各材料とも固形分としての配合量である。すなわち、各材料中に含まれる溶剤を除いた質量が表中の質量部となるように秤量し使用した。
実施例1と同様にして得られた研磨ローラを、得られた表面層用の塗料中に浸漬することにより、研磨ローラ上に、膜厚が約15μmの塗膜を形成した。その後、温度130℃にて60分間加熱することにより、塗膜の乾燥、硬化を行い、実施例1と同様の表面処理および評価を行った。結果を表4に示す。
ただし、<無機粒子の存在量>に関しては、使用している無機粒子がアルミナ粒子であることからアルミニウムについての検出値を用いて計算を行った。
また、実施例13~15と実施例1、5、9を比較すると、実施例13~15では、表面処理2のみを行い、また、該表面処理を連続して行ったのに対し、実施例1、5、9では、表面処理1として高照度での表面処理を行った後、表面処理2を、ワーク温度が上がらないように処理を複数回に分けて行ったという違いがある。これらの評価結果から、単純に積算光量を増やすだけではなく、目的に応じて処理方法を工夫することにより、本開示の電子写真部材として、より好ましい形態が得られることが示唆される。
また、各実施例において、積算光量を増やすことで、無機粒子の露出具合の指標であるA/Bが増加しているが、この値の増加に比例して、かきとり性が向上していることがわかる。ただし、比較例4については、A/Bの値は高くなっているが、電子写真部材の表面を形成する樹脂としてジエン系ゴムを使用していないことから、表面の樹脂の架橋による硬化はなされていないことがE1の値から読み取れる。そのため、多枚数の印刷を行うような状況においては、表面に露出していた無機粒子を樹脂によって保持することができず、無機粒子が脱落してしまう。その結果、耐久終盤においてはかきとり性を喪失してしまうことがわかる。
なお、実施例16の結果から、表面処理に電子線を用いた場合、弾性率E2の値が高くなり、フィルミング特性が悪化することがわかる。
12.弾性層
13.無機粒子
14.結着樹脂
15.凸部
51.第1領域
52.第2領域
Claims (8)
- 導電性の基体と、弾性層と、を有する電子写真部材であって、
該電子写真部材は、現像部材であり、
該弾性層は、無機粒子および結着樹脂を含有し、
該結着樹脂が、少なくともジエン系ゴムを含み、
該電子写真部材は、
その外表面に凸部を有し、
該凸部は、複数個の該無機粒子を含み、
該凸部の表面には、該凸部に含まれる複数個の該無機粒子の少なくとも一部が露出しており、かつ、
該凸部に含まれる複数個の該無機粒子の間には、該結着樹脂が存在しており、
該弾性層の厚み方向の断面において測定される、該弾性層の外表面から深さ0.1μmまでの第1領域における該結着樹脂の弾性率E1が1000MPa以上である、
ことを特徴とする電子写真部材。 - 前記弾性層の厚み方向の断面において測定される、該弾性層の外表面から深さ1.0μmから1.1μmまでの第2領域における前記結着樹脂の弾性率E2が、前記E1の80%以下である、請求項1に記載の電子写真部材。
- 前記E2が、前記E1の50%以下である、請求項2に記載の電子写真部材。
- 前記E2が、100MPa以下である、請求項2または3に記載の電子写真部材。
- 加速電圧5kVにてエネルギー分散型X線分析を行い、前記無機粒子由来のピーク強度から算出される元素量について、前記電子写真部材の最表面における元素量をAとし、前記電子写真部材の内部における元素量をBとしたとき、AがBに比べて高い、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子写真部材。
- 前記Aが、前記Bの130%以上である、請求項5に記載の電子写真部材。
- 電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、
該電子写真プロセスカートリッジは、現像部材を有し、
該現像部材が、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子写真部材である、
ことを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。 - 静電潜像を担持するための像担持体と、
該像担持体を一次帯電するための帯電装置と、
一次帯電された該像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、
該静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成するための現像部材と、
該トナー画像を転写材に転写するための転写装置と、
を有する電子写真画像形成装置において、
該現像部材が、請求項1~6のいずれか一項に記載の電子写真部材である、
ことを特徴とする電子写真画像形成装置。
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