JP7614970B2 - 水素処理装置及び水素処理方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、ガス中に含まれる水素を処分する水素処理装置及び水素処理方法に関する。
過酷事故時の原子炉格納容器内には、高温となった燃料被覆管のジルコニウムと水が反応(Metal-Water反応)して大量の水素が発生する。4vol%以上の水素が含まれる場合には水素爆発の恐れがあるため、酸素を含む空気を原子炉格納容器に直接導入する水素の燃焼処理や、触媒による水素と酸素の反応を促進させることは困難である。特に、沸騰水型軽水炉においては原子炉格納容器内が窒素で満たされており、雰囲気中に酸素がほとんど存在しないため別の手段が必要である。
酸素の導入が困難な系では、金属酸化物により水素を処理する方法が考えられる。水素と金属酸化物の酸素を反応させて水を生成することにより、水素を処理することが可能になる。グローブボックスなど酸素を導入できない系では、同様に、金属酸化物に水素を導入して水素を処理する。過酷事故時のガス組成の特徴としては、酸素がほとんど存在しない点以外にも、水素濃度や水蒸気濃度が高いという点が挙げられる。ここで、原子力発電所向けの水素処理装置に充填される上記金属酸化物は、粉体や成形体の形状で使用される。
特開2015-187553号公報 特開2016-8839号公報
反応熱が大きな金属酸化物は、反応熱によって温度が上昇し処理速度が上がる点、水蒸気による反応の阻害を受け難い点などの利点がある。しかし、高濃度の水素を処理すると反応熱が大きいため反応器の温度上昇が大きくなり、高温になると水素が自然発火温度を越えて原子炉格納容器内に存在する酸素と水素とが反応する、または金属酸化物の分解温度に到達することにより酸素の放出が発生するなどの懸念が生じる可能性がある。
特許文献1では、処理ガスを温める目的で低発熱処理材の量や長さを決めて上流に配置し、温度を上昇させた処理ガスを高発熱処理材に流通させて水素を処理している。ところが、この手法では、高濃度水素の処理ガスを導入した場合、高発熱処理材が水素自燃温度500℃を超える恐れがあり、このため、水素供給量の制限、及び冷却装置の追加設置が必要となって、処理時間及び装置コストの増大を招く。
一方、反応熱が小さな金属酸化物のみの場合には上述のような制約はなくなる。ところが、反応によって温度上昇による処理速度が上がることが期待できないこと、温度が高くならないため低濃度水素ガスの処理速度のさらなる低下、水蒸気による反応の阻害を大きく受ける等の懸念がある。これらは、処理時間を短くしたい場合には課題になる。
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、処理材の温度上昇を抑制でき且つ水素処理時間を短縮することができる水素処理装置及び水素処理方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態における水素処理装置は、反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物のそれぞれにより構成された処理材を備え、これらの処理材が混合した状態で1つの反応器に充填して構成され、前記反応器内では、反応熱が小さな低発熱金属酸化物の前記処理材が上流側に、反応熱が大きな高発熱金属酸化物の前記処理材が下流側にそれぞれ配置され、前記金属酸化物のうち反応熱が小さな前記低発熱金属酸化物が高濃度水素ガスに対して水素を処理するよう構成されたことを特徴とするものである。
本発明の実施形態における水素処理方法は、反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物のそれぞれにより構成された処理材を混合した状態で1つの反応器に充填し、反応熱が小さな低発熱金属酸化物の前記処理材を上流側に、反応熱が大きな高発熱金属酸化物の前記処理材を下流側にそれぞれ配置した前記反応器を用い、前記金属酸化物のうち反応熱が小さな前記低発熱金属酸化物が高濃度水素ガスに対して水素を処理することを特徴とするものである。
本発明の実施形態によれば、処理材の温度上昇を抑制でき且つ水素処理時間を短縮することができる。
第1実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図。 第2実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図。 第3実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図。 第4実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図。 図4における水素処理装置の変形形態の構成を示す概略図。 第5実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図。 第6実施形態に係る水素処理装置の構成を、水素高濃度時について示す概略図。 図7の水素処理装置の構成を、水素低濃度時について示す概略図。 第7実施形態に係る水素処理装置の構成を、水素高濃度時について示す概略図。 図9の水素処理装置の構成を、水素低濃度時について示す概略図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1)
図1は、第1実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図である。この図1に示す水素処理装置10は、例えば原子炉の過酷事故時に原子炉格納容器1内で発生した水素を酸化処理して水(水蒸気を含む)に変化させ、水素濃度を低下させるものであり、処理材11が充填された反応器12、ブロア13、加熱器14、冷却器15、ドレインタンク16、上流側開閉弁17及び下流側開閉弁18を有して構成される。
処理材11は、水素を含むガス中の水素を酸化処理して水(水蒸気を含む)に変化させるものである。この処理材11は、反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物、例えば反応熱の小さな低発熱金属酸化物と反応熱の大きな高発熱金属酸化物とが粉末状態で混合され成形されて1つの処理材として構成され、複数個が反応器12内に充填される。
ここで、低発熱金属酸化物としては、Co、CoO、NiO、Mn等が挙げられる。また、高発熱金属酸化物としては、CuO、MnO、Mn、MoO、Cr等が挙げられる。低発熱金属酸化物はCo、CoO等の2種類以上を用いてもよい。同様に、高発熱金属酸化物はCuO、MnO等の2種類以上を用いてもよい。更に、低発熱金属酸化物と高発熱金属酸化物とを混合して成形する際には、シリカ、水硬性アルミナ等のバインダを用いてもよい。
高発熱金属酸化物の添加量は、特に制限はないが、発熱抑制の観点から低発熱金属酸化物と同一の重量比程度(50wt%)までを上限とすることが好ましい。更に好ましくは、低発熱金属酸化物の総反応熱量と高発熱金属酸化物の総反応熱量とが等しくなるように、高発熱金属酸化物の分量を調整するのがよい。これにより、低発熱金属酸化物が高発熱金属酸化物よりも分量が多くなり、また、処理材11の総反応熱量が低発熱金属酸化物のみの場合の2倍程度に抑えられるので、発熱を抑制することが可能になる。
ブロア13は、上流側開閉弁17及び下流側開閉弁18の開動作と共に起動して、原子炉格納容器1内の水素を含むガスを反応器12へ導く。加熱器14は、上記水素を含むガスを加熱して、このガス、処理材11及び反応器12を両金属酸化物が反応する温度に調整する。冷却器15は、反応器12内の処理材11にて水素が処理されて水素濃度が低下したガスを冷却する。この冷却器15により冷却された後のガスは、下流側開閉弁18を経て原子炉格納容器1に戻される。冷却器15により冷却されて生じたガス中の水(水蒸気を含む)はドレインタンク16に排出されるが、ガスと共に原子炉格納容器1に戻されてもよい。
過酷事故時に原子炉格納容器1内で水素が発生した場合、上流側開閉弁17及び下流側開閉弁18を開とし、原子炉格納容器1内の水素を含むガスを、ブロア13等を使用して、処理材11が充填された反応器12に流通させる。水素ガス、処理材11及び反応器12を、両金属酸化物が反応する温度まで加熱器14により加熱し、水素と両金属酸化物を反応させて水(水蒸気)を生成することで、水素を処理する。
処理されたガスを冷却器15で冷却したのち原子炉格納容器1に戻すことにより、原子炉格納容器1内の水素濃度を低下させる。また、冷却器15の冷却により生じた水を分離してドレインタンク16に排出する。なお、冷却器15により生成された水は原子炉格納容器1に戻してもよい。
以上のように構成されたことから、本第1実施形態によれば、次の効果(1)~(4)を奏する。
(1)処理材11が低発熱金属酸化物と高発熱金属酸化物とが混合して成形されて構成され、更に、高発熱金属酸化物の分量が少なく、大部分が低発熱金属酸化物である。従って、低発熱金属酸化物が、反応器12に導入される水素濃度の高い高濃度水素ガスに対して水素を処理するので、水素ガス、処理材11及び反応器12の温度上昇を抑制することができる。また、水素が高濃度であることで、水素を速やかに短時間に処理することができる。
(2)処理材11が低発熱金属酸化物と高発熱金属酸化物とが混合して成形されて構成されているため、反応器12に導入される水素濃度の低い低濃度水素ガスに対して、高発熱金属酸化物により水素を速やかに短時間に処理することができる。また、処理材11は、高発熱金属酸化物の分量が少なく、大部分が低発熱金属酸化物であることから、水素濃度が低い低濃度水素ガスの高発熱金属酸化物による処理時に、水素ガス、処理材11及び反応器12の温度上昇を抑制することができる。なお、低濃度の水素ガスの場合、水素処理に必要な金属酸化物が多くないので、高発熱金属酸化物の分量が少なくても水素を十分に処理することができる。
(3)処理材11が低発熱金属酸化物と高発熱金属酸化物とが混合して成形されて構成され、この高発熱金属酸化物により生じた反応熱によって低発熱金属酸化物の反応活性が高まる。このため、低発熱金属酸化物による高濃度水素ガスの処理速度を向上させることができる。
(4)低発熱金属酸化物による高濃度水素ガスの水素処理時においても、高発熱金属酸化物による低濃度水素ガスの水素処理時においても、上述の(1)及び(2)のように水素ガス、処理材11及び反応器12の温度上昇が抑制される。このため、処理材11等を冷却するための冷却装置が不要になるので、装置コストを低減することができる。
[B]第2実施形態(図2)
図2は、第2実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図である。この第2実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態の水素処理装置20が第1実施形態と異なる点は、反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物、例えば反応熱の小さな低発熱金属酸化物により成形された処理材21と、反応熱の大きな高発熱金属酸化物により成形された処理材22とが、1つの反応器12内に均等に分散し混合して充填された点である。
ここで、低発熱金属酸化物としては、Co、CoO、NiO、Mn等が挙げられる。また、高発熱金属酸化物としては、CuO、MnO、Mn、MoO、Cr等が挙げられる。低発熱金属酸化物はCo、CoO等の2種類以上を用いてもよい。同様に、高発熱金属酸化物はCuO、MnO等の2種類以上を用いてもよい。
低発熱金属酸化物の処理材21と高発熱金属酸化物の処理材22との反応器12内での混合割合は、発熱抑制の観点から、反応器12内において高発熱金属酸化物の処理材22の重量を50wt%以下にするのがよい。好ましくは、低発熱金属酸化物の処理材21の総反応熱量と高発熱金属酸化物の処理材22の総反応熱量とが等しくなるように、反応器12内で処理材21と処理材22の分量を調整するのがよい。従って、反応器12内には、処理材21が処理材22よりも多い分量配置されることになる。
過酷事故時に原子炉格納容器1内で水素が発生した場合、上流側開閉弁17及び下流側開閉弁18を開とし、原子炉格納容器1内の水素を含むガスを、ブロア13等を使用して、処理材21及び22が充填された反応器12に流通させる。水素ガス、処理材21、22及び反応器12を、両金属酸化物が反応する温度まで加熱器14により加熱し、水素と両金属酸化物を反応させて水(水蒸気)を生成することで、水素を処理する。
処理されたガスを冷却器15で冷却したのち原子炉格納容器1に戻すことにより、原子炉格納容器1内の水素濃度を低下させる。また、冷却器15の冷却により生じた水を分離してドレインタンク16に排出する。なお、冷却器15により生成された水は原子炉格納容器1に戻してもよい。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)及び(6)を奏する。
(5)反応器12内には、低発熱金属酸化物の処理材21の分量が高発熱金属酸化物の処理材22よりも多く配置されるため、この処理材21が、反応器12に導入される高濃度水素ガスに対して水素を処理する。このとき、処理材21が低発熱金属酸化物で成形されたものであるから、水素ガス、処理材21、22及び反応器12の温度上昇を抑制することができる。また、水素が高濃度であるため、処理材21により水素を速やかに短時間で処理することができる。
(6)反応器12内には、低発熱金属酸化物の処理材21と高発熱金属酸化物の処理材22が充填されており、反応器12に導入される低濃度水素ガスに対して、処理材22が水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、水素が低濃度であり、更に処理材22の分量が処理材21よりも少ないことから、水素ガス、処理材21、22及び反応器12の温度上昇を抑制することができる。なお、低濃度の水素ガスの場合、水素の処理に必要な金属酸化物が多くないので、高発熱金属酸化物の処理材22の分量が少なくても、水素を十分に処理することができる。
[C]第3実施形態(図3)
図3は、第3実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図である。この第3実施形態において第1実施形態と同様な部分については、第1実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第3実施形態の水素処理装置30が第2実施形態と異なる点は、反応熱の小さな低発熱金属酸化物により成形された処理材21が反応器12の上流側に収容され、反応熱の大きな高発熱金属酸化物により成形された処理材22が反応器12の下流側に収容され、充填されて構成された点である。
ただし、処理材21、22及び反応器12の温度上昇が生じないように、低発熱金属酸化物の処理材21と高発熱金属酸化物の処理材22の層高及び収容量を適切に設計する。例えば、高発熱金属酸化物の処理材22の分量は、この処理材22の総反応熱量を低発熱金属酸化物の処理材21の総反応熱量以下にすることにより、発熱を抑制する。従って、反応器12内には、処理材21が処理材22よりも多い分量収容されることになる。
過酷事故時に原子炉格納容器1内で水素が発生した場合、上流側開閉弁17及び下流側開閉弁18を開とし、原子炉格納容器1内の水素を含むガスを、ブロア13等を使用して、処理材21及び22が充填された反応器12に流通させる。水素ガス、処理材21、22及び反応器12を、両金属酸化物が反応する温度まで加熱器14により加熱し、水素と両金属酸化物を反応させて水(水蒸気)を生成することで、水素を処理する。
処理されたガスを冷却器15で冷却したのち原子炉格納容器1に戻すことにより、原子炉格納容器1内の水素濃度を低下させる。また、冷却器15の冷却により生じた水を分離してドレインタンク16に排出する。なお、冷却器15により生成された水は原子炉格納容器1に戻してもよい。
以上のように構成されたことから、本第3実施形態によれば、第1実施形態の効果(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)及び(8)を奏する。
(7)反応器12の上流側に低発熱金属酸化物の処理材21が、下流側に収容された高発熱金属酸化物の処理材22よりも多い分量収容されている。従って、処理材21は活性が低くても、反応器12に導入される高濃度水素ガスに対して、水素濃度が高いことから水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、処理材21の低発熱金属酸化物の発熱量が低いことから、水素ガス、処理材21、22及び反応器12の温度上昇を抑制することができる。
(8)水素ガスが反応器12内で低濃度水素になって低発熱金属酸化物の処理材21では処理速度が低下した水素ガスに対して、または反応器12に導入される低濃度水素ガスに対して、反応器12の下流側の高発熱金属酸化物の処理材22が水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、処理材22の高発熱金属酸化物が低濃度の水素に反応することで発熱量が低いことから、水素ガス、処理材21、22及び反応器12の温度上昇を抑制することができる。
[D]第4実施形態(図4、図5)
図4は、第4実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図である。この第4実施形態において第1及び第2実施形態と同様な部分については、第1及び第2実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第4実施形態の水素処理装置40が第2及び第3実施形態と異なる点は、反応熱の小さな低発熱金属酸化物により成形された処理材21と、反応熱の大きな高発熱金属酸化物により成形された処理材22とが反応器12内で、配置割合を、反応器12の上流側から下流側へ向かって徐々に変えて充填された点である。つまり、低発熱金属酸化物の処理材21と高発熱金属酸化物の処理材22との反応器12内での配置割合は、反応器12の上流側で処理材21が高く、反応器12の下流側へ向かうに従って処理材22を徐々に高くしている。
ただし、処理材21、22及び反応器12の温度上昇が生じないように、低発熱金属酸化物の処理材21と高発熱金属酸化物の処理材22の層高及び収容量を適切に設計する。例えば、高発熱金属酸化物の処理材22の分量は、この処理材22の総反応熱量を低発熱金属酸化物の処理材21の総反応熱量以下にすることにより、発熱が抑制される。これにより、反応器12内には、処理材21が処理材22よりも多い分量配置されることになる。
また、反応器12内における処理材21と処理材22との配置割合を、反応器12の上流側から下流側へ向かって徐々に変える際には、処理材21と処理材22との境界に、図5に示すようなグラデーションを施して、処理材21及び22を反応器12内に収容して充填してもよい。
過酷事故時に原子炉格納容器1内で水素が発生した場合、上流側開閉弁17及び下流側開閉弁18を開とし、原子炉格納容器1内の水素を含むガスを、ブロア13等を使用して、処理材21及び22が充填された反応器12に流通させる。水素ガス、処理材21、22及び反応器12を、両金属酸化物が反応する温度まで加熱器14により加熱し、水素と両金属酸化物を反応させて水(水蒸気)を生成することで、水素を処理する。
処理されたガスを冷却器15で冷却したのち原子炉格納容器1に戻すことにより、原子炉格納容器1内の水素濃度を低下させる。また、冷却器15の冷却により生じた水を分離してドレインタンク16に排出する。なお、冷却器15により生成された水は原子炉格納容器1に戻してもよい。
以上のように構成されたことから、本第4実施形態によれば、第1実施形態の効果(4)、並びに第3実施形態の効果(7)及び(8)と同様な効果を奏するほか、次の効果(9)を奏する。
(9)低発熱金属酸化物の処理材21と高発熱金属酸化物の処理材22とが反応器12内で、上流側に処理材21を多く配置し、上流側から下流側へ向かって処理材22を徐々に多くするように、処理材21と処理材22の配置割合を変えて充填されている。このため、処理材21の低発熱金属酸化物が高濃度水素ガスに対して水素を処理する際に、処理材22の高発熱金属酸化物の反応熱により低発熱金属酸化物の活性が高まるので、この低発熱金属酸化物の処理材21による高濃度水素ガスの水素処理を、より速やかに短時間に実施することができる。
[E]第5実施形態(図6)
図6は、第5実施形態に係る水素処理装置の構成を示す概略図である。この第5実施形態において第1及び第2実施形態と同様な部分については、第1及び第2実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第5実施形態の水素処理装置50が第2~第4実施形態と異なる点は、反応熱の小さな低発熱金属酸化物により成形された処理材21が第1反応器51に充填され、反応熱の大きな高発熱金属酸化物により成形された処理材22が第2反応器52に充填され、第1反応器51が第2反応器52の前段(即ち水素ガスの流れの上流側)に直列に接続されて構成された点である。
ただし、処理材22及び第2反応器52で温度上昇が生じないように、高濃度水素ガスを低濃度水素ガスに処理できる量の低発熱金属酸化物の処理材21が第1反応器51に充填されることにより、処理材21による未処理の高濃度水素ガスが第2反応器52に導入されないようにする。また、処理材22の高発熱金属酸化物の反応活性が処理材21の低発熱金属酸化物よりも高いため、第2反応器52には、水素ガスの温度を高めて導入する必要はない。更に、処理材22及び第2反応器52の温度抑制のためには、高発熱金属酸化物の処理材22の温度を低発熱金属酸化物の処理材21の温度よりも低い温度にすることが望ましい。そのために、第2反応器52の加温温度を下げる、または放熱を大きくする手段を設けることが好ましい。
過酷事故時に原子炉格納容器1内で水素が発生した場合、上流側開閉弁17及び下流側開閉弁18を開とし、原子炉格納容器1内の水素を含むガスを、ブロア13等を使用して、処理材21、22がそれぞれ充填された第1反応器51、第2反応器52に順次流通させる。水素ガス、処理材21及び第1反応器51を、低発熱金属酸化物が反応する温度まで加熱器14により加熱し、水素と第1反応器51内の処理材21とを反応させ、更に水素と第2反応器52内の処理材22とを反応させて水(水蒸気)を生成することで、水素を処理する。
処理されたガスを冷却器15で冷却したのち原子炉格納容器1に戻すことにより、原子炉格納容器1内の水素濃度を低下させる。また、冷却器15の冷却により生じた水を分離してドレインタンク16に排出する。なお、冷却器15により生成された水は原子炉格納容器1に戻してもよい。
以上のように構成されたこから、本第5実施形態によれば、第1実施形態の効果(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(10)及び(11)を奏する。
(10)上流側の第1反応器51に低発熱金属酸化物の処理材21が、下流側の第2反応器52に高発熱金属酸化物の処理材22がそれぞれ充填されている。従って、処理材21は活性が低くても、第1反応器51に導入される高濃度水素ガスに対して、水素濃度が高いことから水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、第1反応器51内の処理材21の低発熱金属酸化物の発熱量が低いことから、水素ガス、処理材21及び第1反応器51の温度上昇を抑制することができる。
(11)水素ガスが第1反応器51内で低濃度水素ガスになって低発熱金属酸化物の処理材21では処理速度が低下した水素ガスに対して、または第1反応器51に導入される低濃度水素ガスに対して、第2反応器52内の高発熱金属酸化物の処理材22が水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、第2反応器52内の処理材22の高発熱金属酸化物が低濃度の水素に反応することで発熱量が低いことから、水素ガス、処理材21、22、第1反応器51及び第2反応器52の温度上昇を抑制することができる。
[F]第6実施形態(図7、図8)
図7は、第6実施形態に係る水素処理装置の構成を、水素高濃度時について示す概略図である。この第6実施形態において第1、第2及び第5実施形態と同様な部分については、これら第1、第2及び第6実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第6実施形態の水素処理装置60が第5実施形態と異なる点は、第1反応器51の下流側に、第1切替弁61が配設されて冷却器15に接続される戻し配管64を備え、更に、第1反応器51と第2反応器52との接続配管に第2切替弁62を、第2反応器52と冷却器15との接続配管に第3切替弁63をそれぞれ備え、水素ガスを、第1反応器51と第1反応器51及び第2反応器52とに選択して流通させるよう構成された点である。
過酷事故時に原子炉格納容器1内に水素が発生し、高濃度水素ガスであることが水素濃度計65により計測された場合、図7に示すように、第2切替弁62及び第3切替弁63を閉とし、上流側開閉弁17、下流側開閉弁18及び第1切替弁61を開として、原子炉格納容器1内の水素を含むガスをブロア13等を使用して、処理材21が充填された第1反応器51に流通させる。水素ガス、処理材21及び第1反応器51を低発熱金属酸化物が反応する温度まで加熱器14により加熱して、第1反応器51内の処理材21と水素とを反応させて水(水蒸気)を生成することで水素を処理する。
過酷事故時に原子炉格納容器1内で発生した水素を含むガスが水素濃度計65により低濃度水素ガスであると計測された場合、図8に示すように第1切替弁61を閉とし、上流側開閉弁17、下流側開閉弁18、第2切替弁62及び第3切替弁63を開として、原子炉格納容器1内の水素を含むガスをブロア13等を使用して、処理材21が充填された第1反応器51、及び処理材22が充填された第2反応器52に流通させる。低濃度水素ガスでは、第1反応器51内の処理材21は活性が低くほとんど反応せず、第2反応器52内の高発熱金属酸化物の処理材22が水素と反応して水(水蒸気)を生成させることで、水素を処理する。また、第1反応器51及び第2反応器52に流入する低濃度水素ガスに対しては、必要であれば加熱器14が温度調整する。
処理されたガスを冷却器15で冷却したのち原子炉格納容器1に戻すことにより、原子炉格納容器1内の水素濃度を低下させる。また、冷却器15の冷却により生じた水を分離してドレインタンク16に排出する。なお、冷却器15により生成された水は原子炉格納容器1に戻してもよい。
以上のように構成されたことから、本第6実施形態によれば、第1実施形態の効果(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(12)及び(13)を奏する。
(12)原子炉格納容器1からの水素ガスが高濃度水素ガスであると水素濃度計65により計測された場合、この水素ガスは、図7に示すように、処理材21が充填された第1反応器51のみに導入される。従って、低発熱金属酸化物の処理材21は活性が低くても、第1反応器51に導入される高濃度水素ガスに対して、水素濃度が高いことから水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、第1反応器51内の処理材21の低発熱金属酸化物の発熱量が低いことから、水素ガス、処理材21及び第1反応器51の温度上昇を抑制することができる。
(13)第1反応器51内の処理材21による処理が進み原子炉格納容器1からの水素ガスが低濃度水素ガスになって水素濃度計65により計測された場合、または原子炉格納容器1からの水素ガスが低濃度水素ガスであると水素濃度計65により計測された場合、水素ガスは、図8に示すように、第1反応器51及び第2反応器52に導入される。この場合には、低濃度水素ガスに対して、第2反応器52内の高発熱金属酸化物の処理材22が水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、第2反応器52内の処理材22の高発熱金属酸化物が低濃度の水素に反応することで発熱量が低いことから、水素ガス、処理材21、22、第1反応器51及び第2反応器52の温度上昇を抑制することができる。
[G]第7実施形態(図9、図10)
図9は、第7実施形態に係る水素処理装置の構成を、水素高濃度時について示す概略図である。この第7実施形態において第1、第2及び第5実施形態と同様な部分については、これら第1、第2及び第5実施形態と同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第7実施形態の水素処理装置70が第5実施形態と異なる点は、反応熱の小さな低発熱金属酸化物の処理材21が充填された第1反応器51と、反応熱の大きな高発熱金属酸化物の処理材22が充填された第2反応器52とのそれぞれには、水素ガスの水素濃度に応じて水素ガスが切り替えて導入されるよう構成された点である。
つまり、加熱器14と冷却器15との間に、直列接続された低発熱側第1切替弁71、第1反応器51及び低発熱側第2切替弁72と、直列接続された高発熱側第1切替弁73、第2反応器52及び高発熱側第2切替弁74とが並列に配置され、水素濃度計65により計測された水素ガスの水素濃度に応じて、水素ガスが第1反応器51または第2反応器52に選択して導入されるよう構成されている。
過酷事故時に原子炉格納容器1内に水素が発生し、予め定められた値以上の高濃度水素ガスであることが水素濃度計65により計測された場合、図9に示すように、高発熱側第1切替弁73及び高発熱側第2切替弁74を閉とし、低発熱側第1切替弁71及び低発熱側第2切替弁72を開として、原子炉格納容器1内の水素を含むガスをブロア13等を使用して、処理材21が充填された第1反応器51に流通させる。水素ガス、処理材21及び第1反応器51を低発熱金属酸化物が反応する温度まで加熱器14により加熱して、第1反応器51内の処理材21と水素とを反応させて水(水蒸気)を生成させることで水素を処理する。
過酷事故時に原子炉格納容器1内で発生した水素を含むガスが水素濃度計65により予め定められた値未満の低濃度水素ガスであると計測された場合、図10に示すように低発熱側第1切替弁71及び低発熱側第2切替弁72を閉とし、高発熱側第1切替弁73及び高発熱側第2切替弁74を開とし、原子炉格納容器1内の水素を含むガスをブロア13等を使用して、処理材22が充填された第2反応器52に流通させる。低濃度水素ガスでは、第2反応器52内の高発熱金属酸化物の処理材22が水素と反応して水(水蒸気)を生成することで、水素を処理する。また、第2反応器52に流入する低濃度水素ガスに対しては、必要であれば加熱器14が温度調整する。
処理されたガスを冷却器15で冷却したのち原子炉格納容器1に戻すことにより、原子炉格納容器1内の水素濃度を低下させる。また、冷却器15の冷却により生じた水を分離してドレインタンク16に排出する。なお、冷却器15により生成された水は原子炉格納容器1に戻してもよい。
以上のように構成されたことから、本第7実施形態によれば、第1実施形態の効果(4)と同様な効果を奏するほか、次の効果(14)及び(15)を奏する。
(14)原子炉格納容器1からの水素ガスが高濃度水素ガスであると水素濃度計65により計測された場合、この水素ガスは、図9に示すように、処理材21が充填された第1反応器51のみに導入される。従って、低発熱金属酸化物の処理材21は活性が低くても、第1反応器51に導入される高濃度水素ガスに対して、水素濃度が高いことから水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、第1反応器51内の処理材21の低発熱金属酸化物の発熱量が低いことから、水素ガス、処理材21及び第1反応器51の温度上昇を抑制することができる。
(15)原子炉格納容器1からの水素ガスが低濃度水素ガスであると水素濃度計65により計測された場合、水素ガスは、図10に示すように第2反応器52に導入される。この場合には、低濃度水素ガスに対して、第2反応器52内の高発熱金属酸化物の処理材22が水素を速やかに短時間に処理することができる。このとき、第2反応器52内の処理材22の高発熱金属酸化物が低濃度の水素に反応することで発熱量が低いことから、水素ガス、処理材22及び第2反応器52の温度上昇を抑制することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第5、第6及び第7実施形態の第1反応器51内には、低発熱金属酸化物の処理材21と少量の高発熱金属酸化物の処理材22とが混合されたもの、低発熱金属酸化物と少量の高発熱金属酸化物とが粉末状態で混合され成形されて低発熱混合処理材とされたもの、または低発熱金属酸化物の処理材21と上記低発熱混合処理材とが組み合わされたものが、それぞれ処理材21として充填されてもよい。
また、第5、第6、第7実施形態の第2反応器52内には、高発熱金属酸化物の処理材22と少量の低発熱金属酸化物の処理材21とが混合されたもの、高発熱金属酸化物と少量の低発熱金属酸化物とが粉末状態で混合され成形されて高発熱混合処理材とされたもの、または高発熱金属酸化物の処理材22と上記高発熱混合処理材とが組み合わされたものが、それぞれ処理材22として充填されてもよい。
更に、第1~第7実施形態はあくまで一例であり、水素を含むガスを採取する場所は原子炉格納容器1に限定されない。また、ガスを送る手段もブロア13に限らない。更に、水素濃度を測定する手段も水素濃度計65に限らず、可燃性ガス濃度検知器等を使用してもよい。
10…水素処理装置、11…処理材、12…反応器、20…水素処理装置、21…処理材、22…処理材、30、40…水素処理装置、50…水素処理装置、51…第1反応器、52…第2反応器、60、70…水素処理装置

Claims (5)

  1. 反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物のそれぞれにより構成された処理材を備え、これらの処理材が混合した状態で1つの反応器に充填して構成され、
    前記反応器内では、反応熱が小さな低発熱金属酸化物の前記処理材が上流側に、反応熱が大きな高発熱金属酸化物の前記処理材が下流側にそれぞれ配置され、
    前記金属酸化物のうち反応熱が小さな前記低発熱金属酸化物が高濃度水素ガスに対して水素を処理するよう構成されたことを特徴とする水素処理装置。
  2. 前記反応器内では、低発熱金属酸化物の処理材と高発熱金属酸化物の処理材とが、配置割合を上流側から下流側へ向って徐々に変えて充填されたことを特徴とする請求項に記載の水素処理装置。
  3. 反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物のそれぞれにより構成された処理材を備え、これらの処理材が別々の反応器に充填され、
    反応熱が小さな低発熱金属酸化物の前記処理材を含む前記反応器が、反応熱が大きな高発熱金属酸化物の前記処理材を含む前記反応器の前段に直列に配置され
    前記金属酸化物のうち反応熱が小さな前記低発熱金属酸化物が高濃度水素ガスに対して水素を処理するよう構成されたことを特徴とする水素処理装置。
  4. 反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物のそれぞれにより構成された処理材を備え、これらの処理材が別々の反応器に充填され、
    反応熱が小さな低発熱金属酸化物の前記処理材を含む前記反応器と、反応熱が大きな高発熱金属酸化物の前記処理材を含む前記反応器とのそれぞれには、水素ガスの水素濃度に応じて切り替えて前記水素ガスが導入されるよう構成され
    前記金属酸化物のうち反応熱が小さな前記低発熱金属酸化物が高濃度水素ガスに対して水素を処理するよう構成されたことを特徴とする水素処理装置。
  5. 反応熱が異なる2種類以上の金属酸化物のそれぞれにより構成された処理材を混合した状態で1つの反応器に充填し、反応熱が小さな低発熱金属酸化物の前記処理材を上流側に、反応熱が大きな高発熱金属酸化物の前記処理材を下流側にそれぞれ配置した前記反応器を用い、前記金属酸化物のうち反応熱が小さな前記低発熱金属酸化物が高濃度水素ガスに対して水素を処理することを特徴とする水素処理方法。
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