以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る情報処理サーバ10と対象車両2を示す図である。図1に示すように、情報処理サーバ10はネットワークNを介して対象車両2(2A~2Z)と通信可能に接続されている。ネットワークNは、無線通信ネットワークである。対象車両2は、情報処理サーバ10の情報収集対象の車両を意味する。対象車両2には、情報処理サーバ10から各種支援が行われる支援対象の車両が含まれる。対象車両2を個別に説明する場合、対象車両2A~2Zを用いる。
図2は、情報処理の一例を説明するための図である。図2に示すように、路面凍結などによって対象車両2Aのスリップが生じた場合、対象車両2Aはスリップが生じた位置である不安定挙動位置Dを含む対象車両データを情報処理サーバ10に送信する。情報処理サーバ10は、例えば対象車両2Aの後方を走行する対象車両2Bに不安定挙動位置の情報を通知する。これにより、対象車両2Bでは、不安定挙動位置Dにおける対象車両2Bのスリップの発生を抑制することが可能になる。不安定挙動位置について詳しくは後述する。
[対象車両の構成]
まず、対象車両2の構成について説明する。対象車両2には、車両を識別するためのID[identification](車両識別番号)が割り振られている。対象車両2は一台であってもよく、二台以上であってもよく、数十台以上であってもよく、数百台以上であってもよい。対象車両2は、同一の構成を有する車両である必要はなく、車種などが異なっていてもよい。対象車両2は、自動運転機能を有する自動運転車両であってもよく、自動運転機能を有しない車両であってもよい。
以下、図3を参照して対象車両2について説明する。図3は、対象車両2の構成の一例を示すブロック図である。ここでは、対象車両2を自動運転車両として説明する。
図3に示すように、対象車両2は、自動運転ECU30を備えている。自動運転ECU30は、CPU、ROM、RAMなどを有する電子制御ユニットである。自動運転ECU30では、例えば、ROMに記憶されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。自動運転ECU30は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
自動運転ECU30は、GPS[Global Positioning System]受信部21、外部センサ22、内部センサ23、運転操作検出部24、地図データベース25、通信部26、HMI[Human Machine Interface]27、及び、アクチュエータ28と接続されている。
GPS受信部21は、3個以上のGPS衛星から信号を受信することにより、対象車両2の位置(例えば対象車両2の緯度及び経度)を測定する。GPS受信部21は、測定した対象車両2の位置情報を自動運転ECU30へ送信する。
外部センサ22は、対象車両2の外部環境を検出する検出機器である。外部センサ22は、カメラ、レーダセンサのうち少なくとも一つを含む。
カメラは、対象車両2の外部環境を撮像する撮像機器である。カメラは、対象車両2のフロントガラスの裏側に設けられ、車両前方を撮像する。カメラは、対象車両2の外部環境に関する撮像情報を自動運転ECU30へ送信する。カメラは、単眼カメラであってもよく、ステレオカメラであってもよい。
レーダセンサは、電波(例えばミリ波)又は光を利用して対象車両2の周辺の物体を検出する検出機器である。レーダセンサには、例えば、ミリ波レーダ又はライダー[LIDAR:Light Detection and Ranging]が含まれる。レーダセンサは、電波又は光を対象車両2の周辺に送信し、物体で反射された電波又は光を受信することで物体を検出する。レーダセンサは、検出した物体情報を自動運転ECU30へ送信する。物体には、ガードレール、建物などの固定物の他、歩行者、自転車、他車両などの移動物が含まれる。外部センサ22は、対象車両2の外気温を検出する外気温センサを含んでもよい。外部センサ22は、外部の明るさを検出するライトセンサを含んでいてもよい。
内部センサ23は、対象車両2の状態を検出する検出機器である。内部センサ23は、対象車両2の走行状態を検出するセンサとして車速センサ、加速度センサ、及びヨーレートセンサを含んでいる。車速センサは、対象車両2の速度を検出する検出器である。車速センサとしては、対象車両2の車輪又は車輪と一体に回転するドライブシャフトなどに対して設けられ、各車輪の回転速度を検出する車輪速センサを用いることができる。車速センサは、検出した車速情報(車輪速情報)を自動運転ECU30に送信する。
加速度センサは、対象車両2の加速度を検出する検出器である。加速度センサは、例えば、対象車両2の前後方向の加速度を検出する前後加速度センサを含んでいる。加速度センサは、対象車両2の横加速度を検出する横加速度センサを含んでいてもよい。加速度センサは、例えば、対象車両2の加速度情報を自動運転ECU30に送信する。ヨーレートセンサは、対象車両2の重心の鉛直軸周りのヨーレート(回転角速度)を検出する検出器である。ヨーレートセンサとしては、例えばジャイロセンサを用いることができる。ヨーレートセンサは、検出した対象車両2のヨーレート情報を自動運転ECU30へ送信する。
内部センサ23は、対象車両2の車両状態として、タイヤ空気圧、ワイパー作動状態、及び灯火器状態のうち少なくとも一つを検出する。タイヤ空気圧は、対象車両2のタイヤの空気圧である。ワイパー作動状態には、ワイパー作動の有無だけではなく、ワイパーの作動速度を含んでもよい。灯火器状態には、方向指示器の点灯状態が含まれる。灯火器状態には、ヘッドライトの点灯の有無及びフォグランプの点灯の有無が含まれてもよい。
また、内部センサ23は、対象車両2の車両状態として、液圧ブレーキシステムのブレーキ圧をブレーキ圧センサから検出してもよく、走行支援(例えば後述する車両安定制御システム)のオン状態/オフ状態を検出してもよい。内部センサ23は、対象車両2の車両状態として、各車輪の荷重状態を車輪荷重センサから検出してもよい。その他、内部センサ23は、対象車両2の各種の故障を検出する故障検出部を有していてもよい。
運転操作検出部24は、運転者による対象車両2の操作部の操作を検出する。運転操作検出部24は、例えば、操舵センサ、アクセルセンサ、及びブレーキセンサを含んでいる。対象車両2の操作部とは、運転者が車両の運転のための操作を入力する機器である。対象車両2の操作部には、操舵部、アクセル操作部、及びブレーキ操作部のうち少なくとも一つが含まれる。操舵部とは、例えばステアリングホイールである。操舵部は、ホイール状である場合に限られず、ハンドルとして機能する構成であればよい。アクセル操作部とは、例えばアクセルペダルである。ブレーキ操作部とは、例えばブレーキペダルである。アクセル操作部及びブレーキ操作部は、必ずしもペダルである必要はなく、運転者による加速又減速の入力が可能な構成であればよい。
操舵センサは、運転者による操舵部の操作量を検出する。操舵部の操作量には、操舵角が含まれる。操舵部の操作量には、操舵トルクが含まれてもよい。アクセルセンサは、運転者によるアクセル操作部の操作量を検出する。アクセル操作部の操作量には、例えばアクセルペダルの踏込み量が含まれる。ブレーキセンサは、運転者によるブレーキ操作部の操作量を検出する。ブレーキ操作部の操作量には、例えばブレーキペダルの踏込み量が含まれる。ブレーキセンサは、液圧ブレーキシステムのマスターシリンダ圧を検出する態様であってもよい。アクセル操作部及びブレーキ操作部の操作量には踏込み速度が含まれてもよい。運転操作検出部24は、検出した運転者の操作量に関する操作量情報を自動運転ECU30に送信する。
地図データベース25は、地図情報を記憶するデータベースである。地図データベース25は、例えば、対象車両2に搭載されたHDDなどの記憶装置内に形成されている。地図情報には、道路の位置情報、道路形状の情報(例えば曲率情報)、交差点及び分岐点の位置情報などが含まれる。地図情報には、位置情報と関連付けられた法定速度などの交通規制情報が含まれていてもよい。地図情報には、対象車両2の地図上の位置認識に利用される物標情報が含まれていてもよい。物標には、車線の区画線、信号機、ガードレール、路面標示などを含むことができる。地図データベース25は、対象車両2と通信可能なサーバ(情報処理サーバ10に限らない)に構成されていてもよい。
通信部26は、対象車両2の外部との無線通信を制御する通信デバイスである。ネットワークNを介して各種情報の送信及び受信を行う。通信部26は、自動運転ECU30からの信号に応じて各種情報を情報処理サーバ10に送信する。
HMI27は、自動運転ECU30と運転者又は乗員との間で情報の入出力を行うためのインターフェイスである。HMI27は、例えば、車室内に設けられたディスプレイ、スピーカなどを備えている。HMI27は、自動運転ECU30からの制御信号に応じて、ディスプレイの画像出力及びスピーカからの音声出力を行う。
アクチュエータ28は、対象車両2の制御に用いられる機器である。アクチュエータ28は、駆動アクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、及び操舵アクチュエータを少なくとも含む。駆動アクチュエータは、自動運転ECU30からの制御信号に応じてエンジンに対する空気の供給量(スロットル開度)を制御し、対象車両2の駆動力を制御する。なお、対象車両2がハイブリッド車である場合には、エンジンに対する空気の供給量の他に、動力源としてのモータに自動運転ECU30からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。対象車両2が電気自動車である場合には、動力源としてのモータに自動運転ECU30からの制御信号が入力されて当該駆動力が制御される。これらの場合における動力源としてのモータは、アクチュエータ28を構成する。
ブレーキアクチュエータは、自動運転ECU30からの制御信号に応じてブレーキシステムを制御し、対象車両2の車輪へ付与する制動力を制御する。ブレーキシステムとしては、例えば、液圧ブレーキシステムを用いることができる。操舵アクチュエータは、電動パワーステアリングシステムのうち操舵トルクを制御するアシストモータの駆動を、自動運転ECU30からの制御信号に応じて制御する。これにより、操舵アクチュエータは、対象車両2の操舵トルクを制御する。
次に、自動運転ECU30の機能的構成について説明する。図3に示すように、自動運転ECU30は、対象車両データ取得部31、進路生成部32、及び自動運転制御部33を有している。なお、以下に説明する自動運転ECU30の機能の一部は対象車両2と通信可能なサーバ(情報処理サーバ10に限らない)において実行される態様であってもよい。
対象車両データ取得部31は、対象車両2に関するデータである対象車両データを得る。対象車両データには、対象車両2の地図上の位置情報及び対象車両2の走行状態が含まれる。対象車両データには、対象車両2の外部環境が含まれてもよく、対象車両2の走行するルートが含まれてもよい。対象車両データには、対象車両2の運転者による運転操作情報及び対象車両2の車両状態が含まれてもよい。対象車両データ取得部31は、取得した対象車両データを情報処理サーバ10に送信する。
対象車両データ取得部31は、車両位置取得部31a、外部環境認識部31b、走行状態認識部31c、運転操作情報取得部31d、及び車両状態認識部31eを有している。
車両位置取得部31aは、GPS受信部21の位置情報及び地図データベース25の地図情報に基づいて、対象車両2の地図上の位置情報を取得する。また、車両位置取得部31aは、地図データベース25の地図情報に含まれた物標情報及び外部センサ22の検出結果を利用して、SLAM[Simultaneous Localization and Mapping]技術により対象車両2の位置情報を取得してもよい。車両位置取得部31aは、車線の区画線と対象車両2の位置関係から、車線に対する対象車両2の横位置(車線幅方向における対象車両2の位置)を認識して位置情報に含めてもよい。車両位置取得部31aは、その他、周知の手法により対象車両2の地図上の位置情報を取得してもよい。
外部環境認識部31bは、外部センサ22の検出結果に基づいて、対象車両2の外部環境を認識する。外部環境には、対象車両2に対する周囲の物体の相対位置が含まれる。外部環境には、対象車両2に対する周囲の物体の相対速度及び移動方向が含まれていてもよい。外部環境には、他車両、歩行者、自転車などの物体の種類が含まれてもよい。物体の種類は、パターンマッチングなどの周知の手法により識別することができる。外部環境には、対象車両2の周囲の区画線認識(白線認識)の結果が含まれていてもよい。外部環境には、外気温が含まれていてもよく、天候が含まれていてもよい。
走行状態認識部31cは、内部センサ23の検出結果に基づいて、対象車両2の走行状態を認識する。走行状態には、対象車両2の車速及び対象車両2のヨーレートが含まれる。走行状態には、対象車両2の加速度が含まれてもよい。具体的に、走行状態認識部31cは、車速センサの車速情報に基づいて、対象車両2の車速を認識する。走行状態認識部31cは、加速度センサの車速情報に基づいて、対象車両2の加速度を認識する。走行状態認識部31cは、ヨーレートセンサのヨーレート情報に基づいて、対象車両2の向きを認識する。
運転操作情報取得部31dは、運転操作検出部24の検出結果に基づいて、対象車両2の運転操作情報を取得する。運転操作情報には、例えば運転者のアクセル操作量、ブレーキ操作量、及び操舵量のうち少なくとも一つが含まれる。
運転操作情報取得部31dは、対象車両2に個人認証機能がある場合には、個人認証した運転者ごとに運転操作履歴を記憶させる。運転操作履歴には、対象車両2の外部環境及び走行状態が関連付けられていてもよい。自動運転ECU30は、必ずしも運転操作情報取得部31dを有する必要はない。この場合、運転操作検出部24も不要である。
車両状態認識部31eは、内部センサ23の検出結果に基づいて、対象車両2の車両状態を認識する。車両状態には、タイヤ空気圧が含まれてもよい。車両状態には、ワイパー作動状態、灯火器状態が含まれてもよく、対象車両2の故障状態が含まれてもよい。自動運転ECU30は、必ずしも車両状態認識部31eを有する必要はない。
進路生成部32は、対象車両2の自動運転に利用される進路[trajectory]を生成する。進路生成部32は、予め設定された走行ルート、地図情報、対象車両2の地図上の位置、対象車両2の外部環境、及び対象車両2の走行状態に基づいて、自動運転の進路を生成する。
走行ルートとは、自動運転において対象車両2が走行するルートである。進路生成部32は、例えば目的地、地図情報、及び対象車両2の地図上の位置に基づいて、自動運転の走行ルートを求める。走行ルートは、周知のナビゲーションシステムによって設定されてもよい。目的地は対象車両2の乗員によって設定されてもよく、自動運転ECU30又はナビゲーションシステムなどが自動的に提案してもよい。
進路には、自動運転で車両が走行する経路[path]と自動運転における車速プロファイルとが含まれる。経路は、走行ルート上において自動運転中の車両が走行する予定の軌跡である。経路は、例えば走行ルート上の位置に応じた対象車両2の操舵角変化のデータ(操舵角プロファイル)とすることができる。走行ルート上の位置とは、例えば走行ルートの進行方向において所定間隔(例えば1m)毎に設定された設定縦位置である。操舵角プロファイルとは、設定縦位置毎に目標操舵角が関連付けられたデータとなる。
進路生成部32は、例えば走行ルート、地図情報、対象車両2の外部環境、及び対象車両2の走行状態に基づいて、車両が走行する経路を生成する。進路生成部32は、例えば対象車両2が走行ルートに含まれる車線の中央(車線幅方向における中央)を通るように経路を生成する。
なお、操舵角プロファイルに代えて、設定縦位置毎に目標操舵トルクが関連付けられた操舵トルクプロファイルを用いてもよい。また、操舵角プロファイルに代えて、設定縦位置毎に目標横位置が関連付けられた横位置プロファイルを用いてもよい。目標横位置とは、車線の幅方向における目標の位置である。この場合、設定縦位置及び目標横位置は、合わせて一つの位置座標として設定されてもよい。
車速プロファイルは、例えば設定縦位置毎に目標車速が関連付けられたデータである。なお、設定縦位置は、距離ではなく車両の走行時間を基準として設定されてもよい。設定縦位置は、車両の1秒後の到達位置、車両の2秒後の到達位置として設定されていてもよい。
進路生成部32は、例えば経路と地図情報に含まれる法定速度などの速度関連情報に基づいて車速プロファイルを生成する。法定速度に代えて、地図上の位置又は区間に対して予め設定された設定速度を用いてもよい。進路生成部32は、経路及び車速プロファイルから自動運転の進路を生成する。なお、進路生成部32における進路の生成方法は上述した内容に限定されず、その他の周知の方法を採用することができる。
進路生成部32は、情報処理サーバ10から不安定挙動位置を避けるための走行経路変更の通知を受け取った場合、不安定挙動位置を通らないように対象車両2の経路を変更する。進路生成部32は、対象車両2の走行する走行ルート(走行する道路)を変更してもよく、同じ道路内において不安定挙動位置から道路幅方向で一定距離以上に離れるように対象車両2の経路を変更してもよい。
進路生成部32は、情報処理サーバ10から不安定挙動位置情報及び安定走行データの通知を受け取った場合、不安定挙動位置情報及び安定走行データに基づいて、対象車両2に不安定挙動が生じないように進路生成を行う。不安定挙動位置情報及び安定走行データについて詳しくは後述する。進路生成部32は、不安定挙動位置の付近において対象車両2の走行状態が安定走行データの走行状態に近づくように進路を生成する。進路生成部32は、情報処理サーバ10から安定走行データの通知に代えて、安定走行指示を受け取った場合には、安定走行指示に沿って進路生成を行う。安定走行指示について詳しくは後述する。
自動運転制御部33は、対象車両2の自動運転を実行する。自動運転制御部33は、例えば対象車両2の外部環境、対象車両2の走行状態、及び進路生成部32の生成した進路に基づいて、対象車両2の自動運転を実行する。自動運転制御部33は、アクチュエータ28に制御信号を送信することで、対象車両2の自動運転を行う。
自動運転制御部33は、情報処理サーバ10から自動運転解除の指示を受け取った場合、不安定挙動位置における自動運転解除を行う。自動運転制御部33は、運転者に対してHMI27を通じて運転者に手動運転への移行を通知する。自動運転制御部33は、運転者に通知後、自動運転を解除して運転者の手動運転に移行する。また、自動運転制御部33は、HMI27を通じて運転者に情報処理サーバ10から受け取った不安定挙動位置情報を通知する。
なお、対象車両2は、必ずしも自動運転車両である必要はない。この場合、対象車両2のECUは、進路生成部32及び自動運転制御部33を有する必要はない。対象車両2のECUは、HMI27を通じて運転者に不安定挙動位置情報などを通知可能な情報提供部を有していればよい。対象車両2のECUは、情報処理サーバ10から安定走行データの通知を受け取った場合に、不安定挙動位置の付近において対象車両2の走行状態が安定走行データの走行状態に近づくように運転支援を行う運転支援部を有していてもよい。運転支援の方法は特に限定されず、運転者に対する情報提供であってもよく、車両の走行制御を行ってもよい。
[情報処理サーバの構成]
情報処理サーバ10は、例えば情報管理センターなどの施設に設けられ、対象車両2と通信可能に構成されている。図4は、情報処理サーバ10の構成の一例を示すブロック図である。図4に示す情報処理サーバ10は、プロセッサ11、記憶部12、通信部13及びユーザインターフェース14を備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
プロセッサ11は、例えば、オペレーティングシステムを動作させて情報処理サーバ10を制御する。プロセッサ11は、制御装置、演算装置、レジスタなどを含むCPU[Central Processing Unit]などの演算器である。プロセッサ11は、記憶部12、通信部13及びユーザインターフェース14を統括する。記憶部12は、メモリ及びストレージのうち少なくとも一方を含んで構成されている。メモリは、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]などの記録媒体である。ストレージは、HDD[Hard Disk Drive]などの記録媒体である。
通信部13は、ネットワークNを介した通信を行うための通信機器である。通信部13には、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードなどを用いることができる。ユーザインターフェース14は、ディスプレイ、スピーカなどの出力器、及び、タッチパネルなどの入力器を含む機器である。なお、情報処理サーバ10は、必ずしも施設に設けられている必要はなく、車両、船舶などの移動体に搭載されていてもよい。
また、情報処理サーバ10は、記憶データベース15と接続されている。記憶データベース15は、不安定挙動位置情報などを記憶するためのデータベースである。記憶データベース15は、HDDの周知のデータベースと同様の構成とすることができる。なお、記憶データベース15は、情報処理サーバ10から離れた施設などに設けられていてもよい。
次に、プロセッサ11の機能的構成について説明する。図4に示すように、プロセッサ11は、対象車両データ認識部11a、不安定挙動位置認識部11b、状況判定部11c、記憶処理部11d、モデル生成部11e、支援対象車両判定部11f、車両支援部11g、統計値算出部11h、モデル更新要否判定部11j、及びモデル更新部11kを有している。
対象車両データ認識部11aは、対象車両2から送信された対象車両データを認識(取得)する。対象車両データには、対象車両2の地図上の位置情報及び対象車両2の走行状態が含まれる。対象車両データには、対象車両2の外部環境が含まれてもよく、対象車両2の走行するルートが含まれてもよい。対象車両データ認識部11aは、後述する設定エリアと関連付けて対象車両データを取得してもよい。
不安定挙動位置認識部11bは、対象車両データ認識部11aの取得した対象車両データに基づいて、対象車両2が不安定挙動になった地図上の位置である不安定挙動位置を認識する。不安定挙動とは、車両の走行を不安定にするような車両の挙動である。不安定挙動には、例えばスリップが含まれる。不安定挙動には、急減速又は急な舵角変化が含まれてもよい。不安定挙動には、対象車両2の車線逸脱を含んでもよく、対象車両2の物体への過剰接近を含んでもよい。
まず、不安定挙動の判定について説明する。不安定挙動位置認識部11bは、対象車両データに基づいて対象車両2が不安定挙動になったか否かを判定する。不安定挙動位置認識部11bは、例えば、加速度センサの検出した加速度(前後加速度及び横加速度)、車輪速センサの検出した各車輪の車輪速、ヨーレートセンサの検出したヨーレート、操舵センサの検出した運転者の操舵角、ブレーキセンサの検出した運転者のブレーキ操作量、及びブレーキ圧センサのブレーキ圧のうち少なくとも一つに基づいて、不安定挙動として対象車両2がスリップになったことを判定する。ブレーキセンサのブレーキ操作量に代えて、液圧ブレーキシステムのマスターシリンダ圧を用いてもよい。
不安定挙動位置認識部11bは、スリップの判定として、周知のアンチロックブレーキシステム[ABS:Antilock Brake System]の作動開始条件を用いてもよい。例えばアンチロックブレーキシステムでは、一例として、各車輪の車輪速と推定車体速度とを比較して、ロックしていると考えられる車輪が特定される場合に作動する。推定車体速度は、スリップするまでの各車輪の車輪速から求めてもよく、スリップするまでの加速度の変化から求めてもよい。
また、不安定挙動位置認識部11bは、スリップの判定として、周知の車両安定制御システム[VSC: Vehicle Stability Control]の作動開始条件を用いてもよく、周知のトラクションコントロール[TRC: Traction Control System]の作動開始条件を用いてもよい。トラクションコントロールも、各車輪の車輪速と推定車体速度とを比較して、空転している車輪が特定される場合に作動させることができる。不安定挙動位置認識部11bは、その他の周知の手法により対象車両2のスリップを判定してもよい。
不安定挙動位置認識部11bは、加速度センサの検出した減速度に基づいて、対象車両2が不安定挙動として急減速になったか否かを判定してもよい。この場合、不安定挙動位置認識部11bは、例えば減速度の絶対値が急減速閾値以上になったとき、対象車両2が急減速になったと判定する。急減速閾値は予め設定された値の閾値である。以下、説明で用いる閾値は予め設定された値の閾値を意味する。
不安定挙動位置認識部11bは、ヨーレートセンサの検出したヨーレートに基づいて、不安定挙動として対象車両2に急な舵角変化が生じたか否かを判定してもよい。この場合、不安定挙動位置認識部11bは、例えばヨーレートが舵角変化閾値以上になったとき、対象車両2に急な舵角変化が生じたと判定する。なお、ヨーレートに代えてタイヤ切れ角を用いてもよい。
不安定挙動位置認識部11bは、方向指示器が点灯していない場合に、対象車両2の横位置又は対象車両2の外部環境に基づいて、不安定挙動として対象車両2が車線逸脱になったか否かを判定してもよい。この場合、不安定挙動位置認識部11bは、例えば、対象車両2の横位置から車線逸脱を判定する。又は、不安定挙動位置認識部11bは、対象車両2の外部環境から、対象車両2が車線の区画線を跨いだことを認識した場合に、車線逸脱を判定してもよい。
不安定挙動位置認識部11bは、対象車両2の走行状態と対象車両2の外部環境とに基づいて、不安定挙動として対象車両2が物体への過剰接近になったか否かを判定してもよい。この場合、不安定挙動位置認識部11bは、対象車両2が低速の場合には物体との間隔が小さくても不安定な挙動ではないことから、対象車両2の車速が車速閾値以上で対象車両2と物体との衝突余裕時間[TTC:Time To Collision]がTTC閾値以下となった場合に、対象車両2が物体への過剰接近になったと判定する。衝突余裕時間に代えて、車間時間[THW:Time Headway]又は距離を用いてもよい。
対象車両2が不安定挙動になったか否かの判定は、対象車両データを得る度に行われてもよく、一定時間又は一定期間ごとにまとめて行われてもよい。対象車両2が不安定挙動になったか否かの判定は、対象車両2の停車中に行われる態様であってもよい。
続いて、不安定挙動位置の認識について説明する。不安定挙動位置とは、対象車両2が不安定挙動になったときの対象車両2の地図上の位置である。不安定挙動位置認識部11bは、対象車両2が不安定挙動になったと判定した場合、不安定挙動位置を認識する。
不安定挙動位置認識部11bは、対象車両2が不安定挙動になったと判定したときの対象車両2の地図上の位置情報に基づいて、不安定挙動位置を認識する。不安定挙動位置は、車線ごとに区別して認識される。不安定挙動が車線逸脱である場合には、不安定挙動位置は車線逸脱前の走行車線上の位置としてもよく、区画線上の位置としてもよい。
なお、不安定挙動位置は、地図上の点ではなく、区間又はエリアとして認識されてもよい。不安定挙動位置認識部11bは、対象車両2がスリップしながら滑走したような場合には、スリップの開始位置を不安定挙動位置としてもよく、対象車両2がスリップと判定される状態で移動した区間全てを不安定挙動位置として認識してもよい。エリアは、スリップした対象車両2を中心とした一定距離内の範囲であってもよく、対象車両2が走行している地域や区域であってもよい。他の不安定挙動においても同様である。
状況判定部11cは、不安定挙動位置認識部11bの認識した不安定挙動位置における複数台の対象車両2の不安定挙動の有無に基づいて、当該不安定挙動位置が連続発生状況であるか非連続状況であるかを判定する。
状況判定部11cは、例えば対象車両データ認識部11aの認識した対象車両データと不安定挙動位置認識部11bの認識した不安定挙動位置とに基づいて、対象車両2が不安定挙動位置を通過したか否かを判定する。状況判定部11cは、対象車両2が不安定挙動位置を通過したと判定した場合、当該対象車両2の不安定挙動の有無に基づいて、当該不安定挙動位置が連続発生状況であるか非連続状況であるかを判定する。なお、状況判定部11cは、一定期間ごとの複数の対象車両データを一括処理することで上記判定を行ってもよい。
連続発生状況とは、不安定挙動が連続的に発生している状況である。連続発生状況の場合には、対象車両2の個車要因によって不安定挙動が生じた可能性が低くなり、道路環境などの外部要因により不安定挙動が生じている可能性が高まると考えることができる。非連続状況とは、連続発生状況ではない状況である。非連続状況の場合には、対象車両2の個車要因により不安定挙動が生じた可能性が高まると考えることができる。状況判定部11cは、不安定挙動位置が連続発生状況であると判定しない場合、不安定挙動位置が非連続状況であると判定する。
図5(a)は、連続発生状況の一例を説明するための図である。図5(a)に示すように、状況判定部11cは、一例として、不安定挙動位置Dで二台の対象車両2A、2Bが連続して不安定挙動になった場合に、当該不安定挙動位置が連続発生状況であると判定する。図5(b)は、非連続状況の一例を説明するための図である。状況判定部11cは、不安定挙動位置Dで対象車両2Aが不安定挙動になったとしても、後続する対象車両2Bが不安定挙動にならずに通過した場合には、当該不安定挙動位置が非連続状況であると判定してもよい。
なお、連続発生状況と判定される状況は図5(a)の状況に限定されない。状況判定部11cは、三台の対象車両2A~2Cが連続して不安定挙動になった場合に、当該不安定挙動位置Dが連続発生状況であると判定してもよい。状況判定部11cは、四台以上の対象車両2が連続して不安定挙動になった場合に、当該不安定挙動位置Dが連続発生状況であると判定してもよい。状況判定部11cは、一定時間以内に不安定挙動位置Dを通過する複数台の対象車両2の全てが不安定挙動になった場合に、当該不安定挙動位置Dが連続発生状況であると判定してもよい。
状況判定部11cは、不安定挙動にならなかった対象車両2が一台存在したとしても、その前後の対象車両2で不安定挙動が生じた場合には不安定挙動位置Dが連続発生状況であると判定してもよい。具体的に、状況判定部11cは、三台の対象車両2A~2Cのうち、真ん中の対象車両2Bが不安定挙動にならずに不安定挙動位置Dを通過したとしても対象車両2A及び対象車両2Cが不安定挙動になった場合には、不安定挙動位置Dが連続発生状況であると判定してもよい。或いは、状況判定部11cは、不安定挙動にならなかった対象車両2が複数台存在したとしても、一定時間内に不安定挙動になった対象車両2の数が閾値以上である場合には、不安定挙動位置Dが連続発生状況であると判定してもよい。
記憶処理部11dは、不安定挙動位置認識部11bの認識した不安定挙動位置に関する不安定挙動位置情報を記憶データベース15に記憶させる。記憶処理部11dは、状況判定部11cによる判定が行われた場合、不安定挙動位置と状況判定部11cの判定結果とを関連付けて記憶データベース15に記憶させてもよい。
また、記憶処理部11dは、不安定挙動位置情報と当該不安定挙動位置を走行した対象車両2の対象車両データとを関連付けて記憶データベース15に記憶させる。なお、記憶処理部11dは、必ずしも当該不安定挙動位置を走行した全ての対象車両2の対象車両データを記憶させる必要はない。記憶処理部11dは、後述するモデル生成部11eが取得した不安定走行データ及び/又は安定走行データを不安定挙動位置と関連付けて記憶データベース15に記憶させてもよい。
モデル生成部11eは、地図上に複数設定された設定エリアごとに、不安定挙動位置で不安定挙動になった対象車両2の対象車両データから挙動判別モデルを生成する。設定エリアとは、地図上に任意に設定されたエリアである。設定エリアは、例えば地域や都道府県(東京都や大阪府)であってもよく、州や群であってもよい。設定エリアは、市町村区であってもよい。設定エリアは、地図上に設定された任意の形状のエリア(例えば矩形状のエリア)であってもよい。なお、複数の設定エリアは互いに重複しない。
挙動判別モデルとは、不安定挙動位置で対象車両2が不安定挙動になるか否かの判定(推定)に用いられる車両挙動モデルである。挙動判別モデルには、車速、前後加速度、操舵角、ヨーレート、ABS[Antilock Brake System]の作動継続時間、走行支援(車両安定制御システムなど)の作動状態、及び、不安定挙動前のステアリング最大角のうち少なくとも一つの特徴量パラメータが含まれている。挙動判別モデルには、外気温、推定路面摩擦、路面勾配、ワイパー作動状態、灯火器状態などの周辺環境に関する特徴量パラメータが含まれていてもよく、時刻又は時間帯が特徴量パラメータとして含まれていてもよい。挙動判別モデルは、不安定挙動になった多数の対象車両2の車速などの特徴量パラメータの中央値を含むように生成されてもよく、所定の演算処理によって各特徴量パラメータが求められてもよい。挙動判別モデルの生成には、車両挙動モデル生成に関する周知の様々な手法を採用することができる。
挙動判別モデルは、状況判定部11cの判定結果に応じて異なるモデルが生成されてもよい。挙動判別モデルは、連続発生状況の不安定挙動位置に対応するモデルと非連続状況の不安定挙動位置に対応するモデルがそれぞれ生成されてもよい。
挙動判別モデルは、不安定挙動位置の場所属性に応じて異なるモデルが生成されてもよい。場所属性は、自動車専用道路と一般道路を異なる属性として区別してもよく、道路幅に応じて狭隘道路と一般道路を異なる属性として区別してもよい。場所属性としては、地図情報から判別できる様々な属性を採用することができる。
挙動判別モデルは、車種などの個車属性に応じて異なるモデルが生成されてもよい。個車属性は、大型車、中型車、小型車を異なる属性として区別してもよく、貨物車と乗用車を異なる属性として区別してもよい。個車属性としては、車両諸元から判別できる様々な属性を採用することができる。
挙動判別モデルには、不安定挙動判別モデル及び安定挙動判別モデルの少なくとも一方が含まれる。不安定挙動判別モデルとは、不安定挙動位置で不安定挙動になった対象車両2の対象車両データから生成される車両挙動モデルである。安定挙動判別モデルとは、不安定挙動位置で不安定挙動にならなかった対象車両2の対象車両データから生成される車両挙動モデルである。
モデル生成部11eは、例えば不安定挙動位置で不安定挙動になった対象車両2の対象車両データから不安定走行データを設定エリアごとに取得する。不安定走行データとは、不安定挙動位置で不安定挙動が生じた過去の対象車両2の走行状態に関するデータである。不安定走行データは、例えば不安定挙動位置の一定距離手前の位置から不安定挙動位置までの間における対象車両2の走行状態のデータとすることができる。不安定走行データは、不安定挙動が生じるまでの一定時間における対象車両2の走行状態のデータであってもよい。不安定走行データには、対象車両2の走行軌跡が含まれていてもよい。モデル生成部11eは、設定エリアごとの不安定走行データを利用して当該設定エリアの不安定挙動判別モデルを生成してもよい。
モデル生成部11eは、不安定挙動位置を不安定挙動にならずに通過した対象車両2の安定走行データを設定エリアごとに取得してもよい。安定走行データとは、非連続状況の不安定挙動位置を不安定挙動が生じることなく通過した過去の対象車両2の走行状態に関するデータである。安定走行データは、例えば不安定挙動位置の一定距離手前の位置から不安定挙動位置までの間における対象車両2の走行状態のデータとすることができる。安定走行データは、不安定挙動位置に至るまでの一定時間における対象車両2の走行状態のデータであってもよい。安定走行データには、対象車両2の走行軌跡が含まれていてもよい。モデル生成部11eは、設定エリアごとの安定走行データを利用して当該設定エリアの安定挙動判別モデルを生成してもよい。
支援対象車両判定部11fは、不安定挙動位置認識部11bの認識した不安定挙動位置と対象車両データ認識部11aの認識した対象車両データとに基づいて、支援対象車両が存在するか否かを判定する。支援対象車両とは、一定時間以内に不安定挙動位置で不安定挙動になると推定される対象車両2である。一定時間は、5分であってもよく、10分であってもよい。一定時間は5分未満の時間であってもよく、30分以上の時間であってもよい。一定時間は、特に限定されず、サーバ管理者によって任意に設定されてもよい。
具体的に、支援対象車両判定部11fは、不安定挙動位置と対象車両データに含まれる対象車両2の位置情報とに基づいて、一定時間以内に不安定挙動位置に至る対象車両2である候補車両が存在するか否かを判定する。候補車両とは、支援対象の候補となる車両である。なお、対象車両2の進行方向は、位置情報の時間的変化に基づいて認識されてもよく、位置情報と地図情報のマッチングにより地図情報に含まれる車線の進路方向から認識されてもよい。
支援対象車両判定部11fは、一定時間以内に不安定挙動位置に至る候補車両が存在すると判定した場合に、当該候補車両が不安定挙動位置で不安定挙動になるか否かを推定する。
支援対象車両判定部11fは、対象車両データ認識部11aの取得した候補車両の対象車両データに基づきモデル生成部11eの生成した挙動判別モデルを用いて、候補車両が不安定挙動位置で不安定挙動になるか否かを推定する。支援対象車両判定部11fは、不安定挙動位置が含まれる設定エリアにおける挙動判別モデル(例えば不安定挙動判別モデル及び/又は安定挙動判別モデル)を用いて判定を行う。なお、支援対象車両判定部11fは、挙動判別モデルを用いずに候補車両が不安定挙動位置で不安定挙動になるか否かを推定してもよい。
支援対象車両判定部11fは、状況判定部11cの判定結果、不安定挙動位置の場所属性(自動車専用道路や一般道路の区別)、候補車両の個車属性(貨物車や乗用車の区別)を踏まえて使用するモデルを選定してもよい。支援対象車両判定部11fは、更に外気温、天候情報などの周辺環境を考慮してモデルを選定してもよい。
支援対象車両判定部11fは、例えば候補車両の走行状態が不安定挙動判別モデルと安定挙動判別モデルの何れに近いかを判定する。支援対象車両判定部11fは、例えば候補車両の車速、加速度、ヨーレートなどの任意のパラメータについて不安定挙動判別モデルに含まれる特徴量パラメータの値と安定挙動判別モデルに含まれる特徴量パラメータの値の何れに近いかを判定する。支援対象車両判定部11fは、候補車両の走行状態が不安定挙動判別モデルに近いと判定した場合に候補車両が不安定挙動位置で不安定挙動になると推定する。支援対象車両判定部11fは、候補車両が不安定挙動位置で不安定挙動になると推定した場合、支援対象車両が存在すると判定する。
支援対象車両判定部11fは、挙動判別モデルを反映して学習したニューラルネットワーク(深層学習ネットワーク)により、候補車両が不安定挙動位置で不安定挙動になるか否かを推定してもよい。ニューラルネットワークの一例として、CNN[Convolutional neural networks:畳み込みニューラルネットワーク]を用いることができる。ニューラルネットワークの学習方法は特に限定されず、バックプロパゲーション等の公知の手法を用いることができる。なお、支援対象車両判定部11fは、ニューラルネットワーク以外の周知の機械学習(例えばサポートベクターマシンやブースティングなど)を採用してもよい。挙動判別モデルは、何らかの形で支援対象車両の判定に用いられていればよい。
車両支援部11gは、支援対象車両判定部11fにより支援対象車両が存在すると判定された場合に、支援対象車両に対して不安定挙動位置で不安定挙動になることを抑制するための車両支援を行う。車両支援部11gは、通信部13を介して対象車両2に対する各種の車両支援を行う。車両支援部11gは、不安定挙動の発生からリアルタイムで支援対象車両に対する車両支援を実行可能に構成されていてもよい。
車両支援部11gは、車両支援として、不安定挙動位置に関する情報である不安定挙動位置情報の通知、走行経路変更支援、不安定挙動位置で不安定挙動にならなかった対象車両2の走行状態に関する安定走行データの通知、及び、支援対象車両の走行状態を安定走行データの走行状態に近づける安定走行指示のうち少なくとも一つを行う。
車両支援部11gは、例えば支援対象車両に対して不安定挙動位置情報の通知を行う。支援対象車両は、不安定挙動位置情報を利用して不安定挙動になることを抑制できる。また、車両支援部11gは、不安定挙動位置を避けるように走行経路変更を支援対象車両に指示してもよい。支援対象車両は、ルート(道路)又は道路内の走行経路を変更することで不安定挙動位置における不安定挙動の発生を回避する。
車両支援部11gは、支援対象車両に対して当該不安定挙動位置で不安定挙動にならなかった対象車両2の走行状態に関する安定走行データの通知を行ってもよい。支援対象車両は、安定走行データを参照することにより不安定挙動の抑制が可能になる。
車両支援部11gは、支援対象車両の走行状態が安定走行データの走行状態に近づくように支援対象車両に安定走行指示を行ってもよい。この場合、車両支援部11gは、支援対象車両の走行状態を安定走行データの走行状態に近づけることで不安定挙動位置において不安定挙動が生じることを抑制することができる。
なお、車両支援部11gは、支援対象車両が自動運転中である場合には、不安定挙動位置情報の通知と共に不安定挙動位置における自動運転解除を指示してもよい。支援対象車両は、自動運転を解除して運転者による手動運転に移行することで、自動運転のまま不安定挙動位置で支援対象車両が不安定挙動になることを避けることができる。
統計値算出部11hは、対象車両データ認識部11aの認識した対象車両データ(対象車両2の地図上の位置情報及び対象車両2の走行状態のデータ)に基づいて、設定エリアにおける統計値を算出する。統計値算出部11hは、一定期間ごとに統計値の算出を繰り返す。一定期間は例えば一ヶ月、二ヶ月である。一定期間は特に限定されず、一週間でもよく、二週間でもよく、半年であってもよい。
統計値には、車両通行統計値又は不安定挙動統計値が含まれる。まず、車両通行統計値の場合について説明する。
車両通行統計値とは、設定エリア内における対象車両2の通行に関する値である。車両通行統計値は、一例として、一定期間における設定エリア内の対象車両2の通行回数とすることができる。なお、統計値算出部11hは、車両ごとに通行回数を区別して車両通行統計値を算出してもよく、運転者ごとに通行回数を区別して車両通行統計値を算出してもよい。
或いは、統計値算出部11hは、設定エリアを複数に分割した分割エリアの状況を踏まえて車両通行統計値を算出してもよい。分割エリアとは、設定エリアを複数に分割したエリアである。図6は、設定エリア及び分割エリアの一例を示す図である。図6では、東京都が設定エリアA、各区が分割エリアB1~B4として示されている。なお、図6では一部の分割エリアのみを示している。分割エリアは、市区町村である必要はなく、一つの設定エリア内であれば任意の形状のエリアとすることができる。分割エリア同士は重複しない。設定エリア内に分割エリアとして設定されない空白エリアが存在してもよい。
統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて、分割エリアごとの車両通行算出値を算出する。分割エリアごとの車両通行算出値とは、分割エリア内における対象車両2の通行に関する値である。分割エリアごとの車両通行算出値は、例えば一定期間における分割エリア内の対象車両2の通行回数とすることができる。統計値算出部11hは、車両ごとの通行回数を考慮して車両通行算出値を算出してもよく、運転者ごとの通行回数を考慮して車両通行算出値を算出してもよい。なお、一定期間は、算出対象ごとに異なる期間であってもよく、算出対象にかかわらず共通であってもよい。
統計値算出部11hは、車両通行算出値が第一の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数をカウントする。第一の分割エリア用閾値は、予め設定された値の閾値である。第一の分割エリア用閾値は、任意の値を採用することができる。第一の分割エリア用閾値は、一つの設定エリア内で共通の値が設定されていてもよく、分割エリアごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、設定エリア内において車両通行算出値が第一の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数(合計数)から当該設定エリアの車両通行統計値を算出する。統計値算出部11hは、設定エリア内において車両通行算出値が第一の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数をそのまま車両通行統計値として算出してもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて車両通行算出値が第一の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数から車両通行統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、分割エリアごとに予め設定された評価値を利用して、設定エリア内において車両通行算出値が第一の分割エリア用閾値以上である各分割エリアの評価値を合計した値を車両通行統計値として算出してもよい。評価値は、例えば各分割エリアの位置又は面積に応じて予め設定されている。評価値は、分割エリアの面積が大きいほど大きい値としてもよい。
統計値算出部11hは、分割エリアに代えて、設定エリア内の道路の状況を踏まえて車両通行統計値を算出してもよい。図7は、道路の一例を説明するための図である。図7に、分割エリアB1内の道路C1~C5を示す。道路C1~C5は、図6の設定エリアA内の道路でもある。なお、分割エリアは必ずしも設定されている必要はない。
統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて、道路ごとの車両通行算出値を算出する。各道路は、一定距離ごとに異なる道路として認識されてもよく、任意の交差点などで分割して認識されてもよい。道路ごとの車両通行算出値とは、道路ごとの対象車両2の通行に関する値である。道路ごとの車両通行算出値は、例えば一定期間における道路ごとの対象車両2の通行回数とすることができる。
統計値算出部11hは、車両通行算出値が第一の道路用閾値以上である道路の数をカウントする。第一の道路用閾値は、予め設定された値の閾値である。第一の道路用閾値は、任意の値を採用することができる。第一の道路用閾値は、一つの設定エリア内で共通の値が設定されていてもよく、道路ごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、設定エリア内において車両通行算出値が第一の道路用閾値以上である道路の数(合計数)から当該設定エリアの車両通行統計値を算出する。統計値算出部11hは、車両通行算出値が第一の道路用閾値以上である道路の数をそのまま車両通行統計値として算出してもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて車両通行算出値が第一の道路用閾値以上である道路の数から車両通行統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、道路ごとに予め設定された評価値を利用して、設定エリア内において車両通行算出値が第一の道路用閾値以上である道路の評価値を合計した値を車両通行統計値として算出してもよい。評価値は、例えば各道路の位置又は長さに応じて予め設定されている。評価値は、道路の長さが長いほど大きい値としてもよい。
更に、統計値算出部11hは、分割エリアと道路を用いて二段階で統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、例えば分割エリア内の道路ごとの対象車両2の通過台数から分割エリアの車両通行算出値を算出し、分割エリアの車両通行算出値から設定エリアの車両通行統計値を算出する。
統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて、一定期間における道路ごとの対象車両2の通過台数を算出する(図7参照)。統計値算出部11hは、一定期間における分割エリア内の道路ごとの対象車両2の通過台数から分割エリアの車両通行算出値を算出する。統計値算出部11hは、例えば分割エリア内において対象車両2の通過台数が第一の算出用閾値以上である道路の数をそのまま分割エリアの車両通行算出値として算出することができる。第一の算出用閾値は、予め設定された値の閾値である。第一の算出用閾値は、任意の値を採用することができる。第一の算出用閾値は、一つの分割エリア内で共通の値が設定されていてもよく、道路ごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて対象車両2の通過台数が第一の算出用閾値以上である道路の数から分割エリアの車両通行算出値を算出してもよい。統計値算出部11hは、道路ごとに予め設定された評価値を利用して、分割エリア内において車両通行算出値が第一の算出用閾値以上である道路の評価値を合計した値を当該分割エリアの車両通行算出値として算出してもよい。
統計値算出部11hは、設定エリア内の複数の分割エリアの車両通行算出値から当該設定エリアの車両通行統計値を算出する。統計値算出部11hは、例えば設定エリア内において車両通行統計値が第二の統計用閾値以上である分割エリアの数をそのまま設定エリアの車両通行統計値として算出することができる。第二の統計用閾値は、予め設定された値の閾値である。第二の統計用閾値は、任意の値を採用することができる。第二の統計用閾値は、一つの設定エリア内で共通の値が設定されていてもよく、分割エリアごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて車両通行算出値が第二の統計用閾値以上である分割エリアの数から設定エリアの車両通行統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、分割エリアごとに予め設定された評価値を利用して、設定エリア内において車両通行算出値が第二の統計用閾値以上である各分割エリアの評価値を合計した値を車両通行統計値として算出してもよい。
なお、統計値算出部11hは、車両ごとに区別して道路における対象車両2の通過台数を算出してもよく、運転者ごとに区別して道路における対象車両2の通過台数を算出してもよい。
次に、不安定挙動統計値の場合について説明する。不安定挙動統計値とは、設定エリア内における不安定挙動の発生に関する値である。不安定挙動統計値は、例えば一定期間における設定エリア内の不安定挙動位置の認識回数又は不安定挙動の発生回数とすることができる。同一位置で複数回の不安定挙動が発生しても不安定挙動位置の認識回数は一回となることがある。統計値算出部11hは、対象車両データから不安定挙動統計値を直接的に算出してもよく、対象車両データに基づく不安定挙動位置認識部11bの認識結果から不安定挙動統計値を算出してもよい。なお、統計値算出部11hは、車両ごとに不安定挙動の発生を区別して不安定挙動統計値を算出してもよく、運転者ごとに不安定挙動の発生を区別して不安定挙動統計値を算出してもよい。
或いは、統計値算出部11hは、設定エリアを複数に分割した分割エリアの状況を踏まえて不安定挙動統計値を算出してもよい(図6参照)。統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて、分割エリアごとの不安定挙動算出値を算出する。分割エリアごとの不安定挙動算出値とは、一定期間における分割エリア内における対象車両2の不安定挙動に関する値である。分割エリアごとの不安定挙動算出値は、例えば一定期間における分割エリア内の不安定挙動位置の認識回数又は不安定挙動の発生回数とすることができる。統計値算出部11hは、車両ごとの通行回数を考慮して不安定挙動算出値を算出してもよく、運転者ごとの通行回数を考慮して不安定挙動算出値を算出してもよい。
統計値算出部11hは、不安定挙動算出値が第二の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数をカウントする。第二の分割エリア用閾値は、予め設定された値の閾値である。第二の分割エリア用閾値は、任意の値を採用することができる。第二の分割エリア用閾値は、一つの設定エリア内で共通の値が設定されていてもよく、分割エリアごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、設定エリア内において不安定挙動算出値が第二の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数(合計数)から当該設定エリアの不安定挙動統計値を算出する。統計値算出部11hは、例えば設定エリア内において不安定挙動算出値が第二の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数をそのまま不安定挙動統計値として算出してもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて不安定挙動算出値が第二の分割エリア用閾値以上である分割エリアの数から不安定挙動統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、分割エリアごとに予め設定された評価値を利用して、設定エリア内において不安定挙動算出値が第二の分割エリア用閾値以上である各分割エリアの評価値を合計した値を不安定挙動統計値として算出してもよい。評価値については車両通行統計値の場合と同様とすることができる。
統計値算出部11hは、分割エリアに代えて、設定エリア内の道路の状況を踏まえて不安定挙動統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて、道路ごとの不安定挙動算出値を算出する。各道路は、一定距離ごとに異なる道路として認識されてもよく、任意の交差点などで分割して認識されてもよい。道路ごとの不安定挙動算出値とは、一定期間における道路ごとの不安定挙動に関する値である。道路ごとの不安定挙動算出値は、例えば一定期間における道路ごとの不安定挙動位置の認識回数又は不安定挙動の発生回数とすることができる。
統計値算出部11hは、不安定挙動算出値が第二の道路用閾値以上である道路の数をカウントする。第二の道路用閾値は、予め設定された値の閾値である。第二の道路用閾値は、任意の値を採用することができる。第二の道路用閾値は、一つの設定エリア内で共通の値が設定されていてもよく、道路ごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、設定エリア内において不安定挙動算出値が第二の道路用閾値以上である道路の数(合計数)から当該設定エリアの不安定挙動統計値を算出する。統計値算出部11hは、不安定挙動算出値が第二の道路用閾値以上である道路の数をそのまま不安定挙動統計値として算出してもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて不安定挙動算出値が第二の道路用閾値以上である道路の数から不安定挙動統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、道路ごとに予め設定された評価値を利用して、設定エリア内において不安定挙動算出値が第二の道路用閾値以上である道路の評価値を合計した値を不安定挙動統計値として算出してもよい。評価値については車両通行統計値の場合と同様とすることができる。
更に、統計値算出部11hは、分割エリアと道路を用いて二段階で統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、例えば分割エリア内の道路ごとの不安定挙動数から分割エリアの不安定挙動算出値を算出し、分割エリアの不安定挙動算出値から設定エリアの不安定挙動統計値を算出する(図7参照)。道路ごとの不安定挙動数は、例えば一定期間における道路ごとの不安定挙動位置の認識回数又は不安定挙動の発生回数とすることができる。
統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて、一定期間における道路ごとの不安定挙動数を算出する。統計値算出部11hは、分割エリア内の道路ごとの不安定挙動数から分割エリアの不安定挙動算出値を算出する。統計値算出部11hは、例えば分割エリア内において不安定挙動数が第二の算出用閾値以上である道路の数をそのまま分割エリアの不安定挙動算出値として算出することができる。第二の算出用閾値は、予め設定された値の閾値である。第二の算出用閾値は、任意の値を採用することができる。第二の算出用閾値は、一つの分割エリア内で共通の値が設定されていてもよく、道路ごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて不安定挙動数が第二の算出用閾値以上である道路の数から分割エリアの不安定挙動算出値を算出してもよい。統計値算出部11hは、道路ごとに予め設定された評価値を利用して、分割エリア内において不安定挙動算出値が第二の算出用閾値以上である道路の評価値を合計した値を当該分割エリアの不安定挙動算出値として算出してもよい。
統計値算出部11hは、設定エリア内の複数の分割エリアの不安定挙動算出値から当該設定エリアの不安定挙動統計値を算出する。統計値算出部11hは、例えば設定エリア内において不安定挙動算出値が第二の統計用閾値以上である分割エリアの数をそのまま設定エリアの不安定挙動統計値として算出することができる。第二の統計用閾値は、予め設定された値の閾値である。第二の統計用閾値は、任意の値を採用することができる。第二の統計用閾値は、一つの設定エリア内で共通の値が設定されていてもよく、分割エリアごとに異なる値が設定されていてもよい。
統計値算出部11hは、所定の演算式を用いて不安定挙動算出値が第二の統計用閾値以上である分割エリアの数から設定エリアの不安定挙動統計値を算出してもよい。統計値算出部11hは、分割エリアごとに予め設定された評価値を利用して、設定エリア内において不安定挙動算出値が第二の統計用閾値以上である各分割エリアの評価値を合計した値を不安定挙動統計値として算出してもよい。
モデル更新要否判定部11jは、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときからの車両通行統計値の変化、又は、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときからの不安定挙動統計値の変化に基づいて、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であるか否かを判定する。モデル更新要否判定部11jは、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときからの変化を踏まえた比率ベースでモデル更新要否の判定を行う。
モデル更新要否判定部11jは、例えば設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの車両通行統計値に対する当該設定エリアの最新の車両通行統計値の変化量が第一のモデル更新閾値以上である場合に、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であると判定する。第一のモデル更新閾値は予め設定された値の閾値である。第一のモデル更新閾値は、設定エリアごとに異なる値が設定されていてもよい。第一のモデル更新閾値は、モデル更新からの経過時間に応じて変更されてもよい。第一のモデル更新閾値は、モデル更新からの経過時間が長いほど小さい値となるように変更されてもよい。
設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの車両通行統計値とは、一定期間ごとに繰り返し算出される車両通行統計値のうち、モデル生成部11eにより挙動判別モデルが生成されたタイミングにおける車両通行統計値である。変化量は絶対値である。モデル更新要否判定部11jは、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの車両通行統計値と最新の車両通行統計値の何れが大きい値であっても、変化量が第一のモデル更新閾値以上である場合、挙動判別モデルの更新が必要であると判定する。
或いは、モデル更新要否判定部11jは、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの不安定挙動統計値に対する当該設定エリアの最新の不安定挙動統計値の変化量が第二のモデル更新閾値以上である場合に、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であると判定する。第二のモデル更新閾値は、第一のモデル更新閾値と同様に設定することができる。設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの不安定挙動統計値も車両通行統計値の場合と同様である。モデル更新要否判定部11jは、統計値の変化に基づいて、ニューラルネットワークなどからモデル更新の要否の判定を行ってもよい。
モデル更新部11kは、モデル更新要否判定部11jにより設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であると判定された場合に、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新を行う。モデル更新部11kは、設定エリアで挙動判別モデルが生成された後の当該設定エリアに対応する対象車両データを踏まえて、挙動判別モデルの更新を行う。挙動判別モデルの更新は、モデル生成部11eのモデル生成と同様とすることができる。
モデル更新部11kは、挙動判別モデルが生成された後の対象車両データのみを用いて挙動判別モデルの更新を行ってもよく、挙動判別モデルが生成される前の対象車両データと挙動判別モデルが生成された後の対象車両データの両方を用いて挙動判別モデルの更新を行ってもよい。
[プログラム]
プログラムは、情報処理サーバ10のプロセッサ11を上述したプロセッサ11は、対象車両データ認識部11a、不安定挙動位置認識部11b、状況判定部11c、記憶処理部11d、モデル生成部11e、支援対象車両判定部11f、車両支援部11g、統計値算出部11h、モデル更新要否判定部11j、及びモデル更新部11kとして機能(動作)させる。プログラムは、例えば、ROM又は半導体メモリなどの非一時的な記録媒体によって提供される。また、プログラムは、ネットワークなどの通信を介して提供されてもよい。
[情報処理サーバの処理方法]
次に、本実施形態に係る情報処理サーバ10の処理方法について図面を参照して説明する。図8は、不安定挙動位置記憶処理の一例を示すフローチャートである。不安定挙動位置記憶処理は、例えば情報処理サーバ10が対象車両2を管理している場合に実行される。
図8に示すように、情報処理サーバ10は、S10として、対象車両データ認識部11aにより対象車両データの認識を行う(対象車両データ認識ステップ)。対象車両データ認識部11aは、対象車両2から送信された対象車両データを認識する。対象車両データには、対象車両2の地図上の位置情報及び対象車両2の走行状態が含まれる。その後、情報処理サーバ10はS12に移行する。
S12において、情報処理サーバ10は、不安定挙動位置認識部11bにより対象車両2が不安定挙動になったか否かを判定する(不安定挙動判定ステップ)。不安定挙動位置認識部11bは、対象車両データに基づいて対象車両2が不安定挙動になったか否かを判定する。不安定挙動位置認識部11bは、例えば対象車両2の各車輪の車輪速から対象車両2Aが不安定挙動としてのスリップになったか否かを判定することで、不安定挙動の有無を判定する。情報処理サーバ10は、対象車両2が不安定挙動になったと判定されなかった場合(S12:NO)、今回の不安定挙動位置情報の記憶処理を終了する。情報処理サーバ10は、対象車両2が不安定挙動になったと判定された場合(S12:YES)、S14に移行する。
S14において、情報処理サーバ10は、不安定挙動位置認識部11bにより不安定挙動位置を認識する(不安定挙動位置認識ステップ)。不安定挙動位置認識部11bは、対象車両2が不安定挙動になったと判定されたときの対象車両2の地図上の位置情報に基づいて不安定挙動位置を認識する。その後、情報処理サーバ10はS16に移行する。
S16において、情報処理サーバ10は、記憶処理部11dにより不安定挙動位置の記憶処理を行う(記憶処理ステップ)。記憶処理部11dは、不安定挙動位置認識部11bの認識した不安定挙動位置を記憶データベース15に記憶する。記憶処理部11dは、状況判定部11cによる判定が行われた場合、不安定挙動位置と状況判定部11cの判定結果とを関連付けて記憶データベース15に記憶させてもよい。記憶処理部11dは、不安定挙動位置情報と当該不安定挙動位置を走行した対象車両2の対象車両データとを関連付けて記憶データベース15に記憶させてもよい。
図9(a)は、挙動判別モデル生成処理の一例を示すフローチャートである。挙動判別モデル生成処理は、例えば設定エリアが設定された場合に実行される。
図9(a)に示すように、情報処理サーバ10は、S20として、対象車両データ認識部11aにより設定エリアにおける対象車両データを認識する(対象車両データ認識ステップ)。対象車両データ認識部11aは、各対象車両2との無線通信によって対象車両データを認識する。
S22において、情報処理サーバ10は、モデル生成部11eにより設定エリアにおける挙動判別モデルの生成を行う(モデル生成ステップ)。モデル生成部11eは、地図上に複数設定された設定エリアごとに、不安定挙動位置で不安定挙動になった対象車両2の対象車両データから挙動判別モデルを生成する。
図9(b)は、車両支援実行処理の一例を示すフローチャートである。車両支援実行処理は、例えば走行中の各対象車両2を対象として定期的に実行される。
図9(b)に示すように、情報処理サーバ10は、S30として、対象車両データ認識部11aにより設定エリアにおける対象車両データを認識する(対象車両データ認識ステップ)。
S32において、情報処理サーバ10は、支援対象車両判定部11fにより設定エリアに対応する挙動判別モデルを用いて支援対象車両が存在するか否かを判定する(支援対象車両判定ステップ)。支援対象車両判定部11fは、設定エリア内の不安定挙動位置に向かう対象車両2などの対象車両データに基づいて、設定エリアに対応する挙動判別モデルを用いることにより支援対象車両が存在するか否かを判定する。情報処理サーバ10は、支援対象車両が存在すると判定された場合(S32:YES)、S34に移行する。情報処理サーバ10は、支援対象車両が存在すると判定されなかった場合(S32:NO)、今回の処理を終了する。
S34において、情報処理サーバ10は、車両支援部11gにより支援対象車両に対する車両支援を実行する(車両支援ステップ)。車両支援部11gは、車両支援として、不安定挙動位置に関する情報である不安定挙動位置情報の通知、走行経路変更支援、不安定挙動位置で不安定挙動にならなかった対象車両2の走行状態に関する安定走行データの通知、及び、支援対象車両の走行状態を安定走行データの走行状態に近づける安定走行指示のうち少なくとも一つを行う。その後、情報処理サーバ10は、今回の処理を終了する。
図10は、モデル更新処理の一例を示すフローチャートである。モデル更新処理は、定期的に実行される。モデル更新処理は、設定エリアの統計値が算出される度に実行されてもよい。
図10に示すように、情報処理サーバ10は、S40として、統計値算出部11hにより設定エリアの統計値(車両通行統計値又は不安定挙動統計値)を算出する(統計値算出ステップ)。統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて統計値の算出を行う。統計値算出部11hは、車両通行統計値又は不安定挙動統計値の算出を行う。統計値算出部11hは、対象車両データに基づいて認識された不安定挙動位置の認識結果から不安定挙動統計値の算出を行ってもよい。
S42において、情報処理サーバ10は、モデル更新要否判定部11jにより、モデル精製時からの統計値の変化に基づいて設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要か否かを判定する(モデル更新要否判定ステップ)。モデル更新要否判定部11jは、例えば設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの車両通行統計値に対する当該設定エリアの最新の車両通行統計値の変化量が第一のモデル更新閾値以上である場合に、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であると判定する。或いは、モデル更新要否判定部11jは、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの不安定挙動統計値に対する当該設定エリアの最新の不安定挙動統計値の変化量が第二のモデル更新閾値以上である場合に、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であると判定する。
情報処理サーバ10は、設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要と判定された場合(S42:YES)、S44に移行する。情報処理サーバ10は、設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要と判定されなかった場合(S42:NO)、今回の処理を終了する。
情報処理サーバ10は、S44として、モデル更新部11kにより設定エリアの挙動判別モデルの更新を行う(モデル更新ステップ)。モデル更新部11kは、設定エリアで挙動判別モデルが生成された後の当該設定エリアに対応する対象車両データを踏まえて、挙動判別モデルの更新を行う。その後、情報処理サーバ10は今回の処理を終了する。
図11(a)は、分割エリアを用いた統計値算出処理の一例を示すフローチャートである。図11(a)に示すように、情報処理サーバ10は、S50として、統計値算出部11hにより設定エリア内の分割エリアごとの車両通行算出値又は不安定挙動算出値を算出する(分割エリア算出ステップ)。分割エリアごとの車両通行算出値は、一定期間における分割エリア内の対象車両2の通行回数としてもよい。分割エリアごとの不安定挙動算出値は、一定期間における分割エリア内の不安定挙動位置の認識回数又は不安定挙動の発生回数としてもよい。
情報処理サーバ10は、S52として、統計値算出部11hにより設定エリアの統計値(車両通行統計値又は不安定挙動統計値)を算出する(統計値算出ステップ)。統計値算出部11hは、分割エリアごとの車両通行算出値から分割エリアを含む設定エリアの車両通行統計値を算出する。又は、統計値算出部11hは、分割エリアごとの不安定挙動算出値から分割エリアを含む設定エリアの不安定挙動統計値を算出する。その後、情報処理サーバ10は今回の処理を終了する。
図11(b)は、道路を用いた統計値算出処理の一例を示すフローチャートである。図11(b)に示すように、情報処理サーバ10は、S60として、統計値算出部11hにより設定エリア内の道路ごとの車両通行算出値又は不安定挙動算出値を算出する(道路算出ステップ)。道路ごとの車両通行算出値は、一定期間における道路の対象車両2の通行回数としてもよい。道路ごとの不安定挙動統計値は、一定期間における道路の不安定挙動位置の認識回数又は不安定挙動の発生回数としてもよい。
情報処理サーバ10は、S62として、統計値算出部11hにより設定エリアの統計値(車両通行統計値又は不安定挙動統計値)を算出する(統計値算出ステップ)。統計値算出部11hは、道路ごとの車両通行算出値から設定エリアの車両通行統計値を算出する。又は、統計値算出部11hは、道路ごとの不安定挙動算出値から設定エリアの不安定挙動統計値を算出する。その後、情報処理サーバ10は今回の処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係る情報処理サーバ10(及び情報処理サーバ10の処理方法、プログラム)では、対象車両データに基づいて設定エリアにおける車両通行統計値を算出し、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときからの車両通行統計値の変化に基づいて、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であるか否かを判定する。或いは、情報処理サーバ10では、対象車両データに基づいて設定エリアにおける不安定挙動統計値を算出し、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときからの不安定挙動統計値の変化に基づいて、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であるか否かを判定する。
従って、情報処理サーバ10によれば、設定エリアの状況を考慮せずに定期的にモデル更新を行う場合と比べて、設定エリアの状況に応じた適切なタイミングで挙動判別モデルの更新を行うことができる。その結果、学習済みの挙動判別モデルが市場環境と乖離することを抑制できる。また、高い頻度で定期的にモデル更新する場合と比べて情報処理サーバ10の負荷や運用コストを低減できる。
更に、この情報処理サーバ10では、最新の車両通行統計値又は不安定挙動統計値だけで判定を行うのではなく、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときからの変化に着目して比率ベースでモデル更新の要否を判定するので、挙動判別モデルが生成されたときからの設定エリアの状況の変化(市場変化など)を考慮して挙動判別モデルの更新を行うことができる。
また、情報処理サーバ10によれば、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの車両通行統計値に対する当該設定エリアの最新の車両通行統計値の変化量が第一のモデル更新閾値以上、又は、設定エリアで挙動判別モデルが生成されたときの不安定挙動統計値に対する当該設定エリアの最新の不安定挙動統計値の変化量が第二のモデル更新閾値以上である場合に、当該設定エリアの挙動判別モデルの更新が必要であると判定するので、閾値の設定により設定エリアの状況に応じた適切なタイミングで挙動判別モデルの更新を行うことができる。
また、情報処理サーバ10によれば、設定エリアを複数に分割した分割エリアごとの状況又は設定エリア内の道路ごとの状況を踏まえて設定エリアの統計値を算出することもでき、設定エリアの一部で極端な値が生じたとしても、緩やかに統計値に反映させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
情報処理サーバ10は、必ずしも状況判定部11cを有する必要はない。情報処理サーバ10は、他のサーバで判定処理されたデータに基づいて挙動判別モデルの生成を行ってもよい。