JP7616478B2 - ハイブリッド自動車の走行制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、ハイブリッド自動車の走行制御装置に関する。
特許文献1には、速度、充電率、及びアクセル開度等の情報に基づいて、クラッチを制御することによって、パラレル走行モード、シリーズ走行モード、及びEV走行モードの中からいずれか1つの走行モードに切り替える走行モード制御部が開示されている。パラレル走行モードでは、走行モード制御部は、クラッチを接続し、エンジンとフロントモータの両方によって前輪駆動軸を駆動する。シリーズ走行モードでは、走行モード制御部は、クラッチを開放し、エンジンで発電機を駆動し、発電機で発電した電力をフロントモータ及びリアモータに供給し、フロントモータ及びリアモータが前輪駆動軸及び後輪駆動軸を駆動する。EV走行モードでは、走行モード制御部は、クラッチを解放し、駆動用バッテリの電力をフロントモータ及びリアモータに供給し、フロントモータ及びリアモータが前輪駆動軸及び後輪駆動軸を駆動する。
国際公開第2021-261247号公報
ところで、特許文献1には開示されていないが、ハイブリッド自動車の走行制御装置は、予め定められた閾値を超える出力が要求された場合に、パラレル走行モード又はシリーズ走行モードのうち、ハイブリッド自動車が出力可能な最大出力が大きな走行モードが選択されるように構成されている。
しかしながら、パラレル走行モードとシリーズ走行モードでは走行用モータ及び発電機の損失が異なるにもかかわらず、パラレル走行モード選択中はパラレル走行モードの損失(走行用モータ及び発電機の損失)を用いてシリーズ走行モードの最大出力を計算し、シリーズ走行モード選択中はシリーズ走行モードの損失(走行用モータ及び発電機の損失)を用いてパラレル走行モードの最大出力を計算していた。これにより、パラレル走行モード選択中はシリーズ走行モードの最大出力が過大に算出され、シリーズ走行モード選択中はパラレル走行モードの最大出力が過小に算出されていた。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、シリーズ走行モード選択中であってもパラレル走行モードの最大出力を適切に算出でき、パラレル走行モード選択中であってもシリーズ走行モードの最大出力を適切に算出できるハイブリッド自動車の走行制御装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るハイブリッド自動車の走行制御装置は、駆動輪を駆動する走行用モータと、前記駆動輪及び発電機を駆動するエンジンと、前記発電機によって発電された電力を蓄電する駆動用バッテリとを備え、前記エンジンが前記発電機を駆動することで発電された電力及び前記駆動用バッテリから供給された電力によって前記走行用モータが前記駆動輪を駆動するシリーズ走行モード、又は前記エンジンが前記駆動輪を駆動するとともに前記駆動用バッテリから供給された電力によって前記走行用モータが前記駆動輪を駆動するパラレル走行モードのいずれか一方を選択可能なハイブリッド自動車の走行制御装置であって、予め定められた閾値を超える出力が要求された場合に、前記シリーズ走行モード又は前記パラレル走行モードのうち、前記ハイブリッド自動車が出力可能な最大出力が大きな走行モードを選択する走行モード選択部を備え、前記走行モード選択部は、発電機の最高出力又はエンジンの最高出力のうち小さい値に、前記走行モードを選択する時の駆動用バッテリの最大出力を加算した値から、前記シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を減算した値を前記シリーズ走行モードの最大出力とするシリーズ最大出力算出部と、前記パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を、前記走行モードを選択する時の駆動用バッテリの最大出力から減算した値に、前記走行モードを選択する時のエンジン回転速度における前記エンジンの出力を加算した値を前記パラレル走行モードの最大出力とするパラレル最大出力算出部と、前記パラレル最大出力算出部で求められたパラレル走行モードの最大出力と前記シリーズ最大出力算出部で求められたシリーズ走行モードの最大出力とを比較し、最大出力が大きな走行モードを決定する走行モード決定部とを含む。
上記(1)の構成によれば、シリーズ走行モード選択中に閾値を超える出力が要求された場合でも、パラレル最大出力算出部は、パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を用いてパラレル走行モードの最大出力を計算するので、シリーズ走行モード選択中であってもパラレル走行モードの最大出力を適切に算出できる。また、パラレル走行モード選択中に閾値を超える出力が要求された場合でも、シリーズ最大出力算出部は、シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を用いてシリーズ走行モードの最大出力を計算するので、パラレル走行モード選択中であってもシリーズ走行モードの最大出力を適切に算出できる。そして、走行モード決定部は、このように算出されたシリーズ走行モードの最大出力とパラレル走行モードの最大出力とを比較し、最大出力が大きな走行モードを決定するので、走行モード選択部は、真に最大出力が大きな走行モードを選択できる。これにより、ドライバは、ハイブリッド自動車の出力限界の枠内で求める出力を得ることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記パラレル走行モード選択中は、前記パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を、前記走行用モータを制御するモータ制御ユニット及び前記発電機を制御する発電機制御ユニットから取得する。
上記(2)の構成によれば、パラレル走行モード選択中はモータ制御ユニット及び発電機制御ユニットから取得した損失を走行用モータ及び発電機の損失とする。これは、パラレル走行モード選択中にモータ制御ユニット及び発電機制御ユニットから取得した損失は、パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失だからである。これにより、パラレル走行モード選択中は、パラレル走行モードにおける損失計算を省くことができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記シリーズ走行モード選択中は、前記シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を、前記走行用モータを制御するモータ制御ユニット及び前記発電機を制御する発電機制御ユニットから取得する。
上記(3)の構成によれば、シリーズ走行モード選択中はモータ制御ユニット及び発電機制御ユニットから取得した損失を走行用モータ及び発電機の損失とする。これは、シリーズ走行モード選択中にモータ制御ユニット及び発電機制御ユニットから取得した損失は、シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失だからである。これにより、シリーズ走行モード選択中は、シリーズ走行モードにおける損失計算を省くことができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記走行用モータの損失は、前記走行用モータのトルク及び回転速度に前記走行用モータの損失が関連付けられたモータ損失マップによって求められ、前記発電機の損失は、前記発電機のトルク及び回転速度に前記発電機の損失が関連付けられた発電機損失マップによって求められる。
上記(4)の構成によれば、走行用モータのトルク及び回転速度によって走行用モータの損失が求められ、発電機のトルク及び回転速度によって発電機の損失が求められる。これにより、走行用モータ及び発電機の損失計算を簡略化できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、前記パラレル走行モードを選択した時の発電機の損失は、前記発電機損失マップにおいて、前記発電機のトルクが0のときの損失である。
上記(5)の構成によれば、シリーズ走行モード選択中にパラレル走行モードを選択した時の発電機の損失を簡単に求めることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、シリーズ走行モード選択中であってもパラレル走行モードの最大出力を適切に算出でき、パラレル走行モード選択中であってもシリーズ走行モードの最大出力を適切に算出できる。
本発明の実施形態に係る走行制御装置が搭載されるプラグインハイブリッド自動車の構成を概略的に示す図である。 図1に示したハイブリッド自動車の制御構成を示すブロック図である。 シリーズ走行モードにおける最大出力の計算を説明するための図である。 パラレル走行モードにおける最大出力の計算を説明するための図である。 パラレル走行モード選択中にシリーズ走行モードを選択した時の走行用モータの損失計算を説明するための図である。 パラレル走行モード選択中にシリーズ走行モードを選択した時の発電機の損失計算を説明するための図である。 シリーズ走行モード選択中にパラレル走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失計算を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るプラグインハイブリッド自動車の走行制御装置の制御内容を示すフロチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は、本発明の実施形態に係る走行制御装置1が搭載されるプラグインハイブリッド自動車100の構成を概略的に示す図である。
本発明の実施形態に係る走行制御装置1は、外部充電可能かつ外部給電可能なプラグインハイブリッド自動車100に搭載されるが、これ以外のハイブリッド自動車、例えば、外部充電ができないハイブリッド自動車にも搭載可能である。また、本発明の実施形態に係る走行制御装置1が搭載されるプラグインハイブリッド自動車100は、四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車であるが、二輪駆動のハイブリッド自動車にも搭載可能である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る走行制御装置1が搭載されるプラグインハイブリッド自動車100は、駆動輪3を駆動する走行用モータ5と、駆動輪3及び発電機7を駆動するエンジン9と、発電機7で発電された電力を蓄電する駆動用バッテリ11とを備えている。四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100では、走行用モータ5は前輪13を駆動するフロントモータ15と後輪17を駆動するリアモータ19であって、エンジン9が前輪13を駆動するが、エンジン9が後輪17を駆動するものであってもよい。
フロントモータ15はフロントトランスアクスル21を介して前輪駆動軸23に接続され、フロントモータ15の駆動力が減速されて前輪駆動軸23に伝達され前輪13を駆動する。リアモータ19はリアトランスアクスル25を介して後輪駆動軸27に接続され、リアモータ19の駆動力が減速されて後輪駆動軸27に伝達され後輪17を駆動する。エンジン9はフロントトランスアクスル21を介して前輪駆動軸23及び発電機7に接続され、エンジン9の駆動力が減速されて前輪駆動軸23及び発電機7に伝達され前輪13及び発電機7を駆動する。フロントトランスアクスル21にはエンジン9から前輪駆動軸23への駆動力の伝達を遮断するクラッチ29が設けられ、クラッチ29を接続することでエンジン9から前輪駆動軸23へ駆動力を伝達する一方、クラッチ29を解放することでエンジン9から前輪駆動軸23への駆動力の伝達を遮断する。
フロントモータ15及び発電機7はパワードライブユニット31を介して駆動用バッテリ11に接続されている。パワードライブユニット31にはフロントモータ制御ユニット33及び発電機制御ユニット35が設けられている。フロントモータ制御ユニット33はフロントモータ15を制御するとともに、電力を直流から交流又は交流から直流に変換するユニットであって、フロントモータ15の損失電力及び回転速度を管理する。また、発電機制御ユニット35は発電機7を制御するとともに、発電機7で発電された電力を交流から直流に整流するユニットであって、発電機7の損失電力及び回転速度を管理する。
リアモータ19はリアモータ制御ユニット37を介して駆動用バッテリ11に接続されている。リアモータ制御ユニット37は、リアモータ19を制御するとともに、電力を直流から交流又は交流から直流に変換するユニットであって、リアモータ19の損失電力及び回転速度を管理する。
エンジン9には燃料タンク39が接続され、エンジン9には燃料タンク39から燃料が供給される。また、エンジン9にはエンジン制御ユニット41が接続されている。エンジン制御ユニット41はエンジン9を制御するユニットであって、エンジン9は燃料タンク39から供給された燃料が燃焼することで運転される。
駆動用バッテリ11にはバッテリ管理ユニット43が設けられ、駆動用バッテリ11の充電率(SOC(State Of Charge)、バッテリ温度、駆動用バッテリ11の最大出力が管理される。
フロントモータ制御ユニット33、発電機制御ユニット35、リアモータ制御ユニット37、エンジン制御ユニット41及びバッテリ管理ユニット43は、車載ネットワークCAN(Controller Area Network)を介して車両制御ユニット45に接続されている。これにより、フロントモータ制御ユニット33、発電機制御ユニット35、リアモータ制御ユニット37、エンジン制御ユニット41及びバッテリ管理ユニット43は車両制御ユニット45に管理され、車両制御ユニット45の指令によってフロントモータ制御ユニット33、発電機制御ユニット35、リアモータ制御ユニット37及びエンジン制御ユニット41は、フロントモータ15、発電機7、リアモータ19、及びエンジン9を制御する。
車両制御ユニット45には、アクセルポジションセンサ(図示せず)が接続され、アクセルペダル47の踏み込み量及び踏み込み速度が入力される。
本発明の実施形態に係る走行制御装置1が搭載されるプラグインハイブリッド自動車100は、EV走行モード、シリーズ走行モード又はパラレル走行モードが択一的に選択可能である。EV走行モードは駆動用バッテリ11から供給された電力だけで走行用モータ5が駆動輪3を駆動する走行モードであって、四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100ではフロントモータ15が前輪13を駆動しリアモータ19が後輪17を駆動する。シリーズ走行モードはエンジン9が発電機7を駆動することで発電された電力及び駆動用バッテリ11から供給された電力によって走行用モータ5が駆動輪3を駆動する走行モードであって、四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100ではフロントモータ15が前輪13を駆動しリアモータ19が後輪17を駆動する。本実施形態に係るシリーズ走行モードでは、クラッチ29を解放することでエンジン9から前輪駆動軸23への駆動力の伝達を遮断する。パラレル走行モードはエンジン9が駆動輪3を駆動するとともに駆動用バッテリ11から供給された電力によって走行用モータ5が駆動輪3を駆動する走行モードであって、四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100ではエンジン9とフロントモータ15が前輪13を駆動しリアモータ19が後輪17を駆動する。本実施形態に係るパラレル走行モードでは、クラッチ29を接続することでエンジン9から前輪駆動軸23へ駆動力を伝達する。
本発明の実施形態に係る走行制御装置1が搭載されるプラグインハイブリッド自動車100では、予め定められた閾値を超える出力がプラグインハイブリッド自動車100に要求され、駆動用バッテリ11から供給される電力だけではプラグインハイブリッド自動車100に要求された出力を賄えない場合に、シリーズ走行モード又はパラレル走行モードが選択される。
本発明の実施形態に係る走行制御装置1は、上述したフロントモータ制御ユニット33、発電機制御ユニット35、リアモータ制御ユニット37、エンジン制御ユニット41、バッテリ管理ユニット43、及び車両制御ユニット45によって構成される。これらはそれぞれ演算装置、命令や情報を格納するレジスタ、及び周辺回路等から構成されるプロセッサ(図示せず)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリ(図示せず)、及び入力インタフェース(図示せず)によって構成される。
図2に示すように、本発明の実施形態に係る走行制御装置1は、フロントモータ制御ユニット33及びリアモータ制御ユニット37を含むモータ制御ユニット49、発電機制御ユニット35、エンジン制御ユニット41、及びバッテリ管理ユニット43、及び車両制御ユニット45を含んでいる。車両制御ユニット45からモータ制御ユニット49、発電機制御ユニット35、エンジン制御ユニット41にトルク指令(Nm指令)を出力する一方、モータ制御ユニット49、発電機制御ユニット35から制御制御ユニットに損失電力及び回転速度が入力され、バッテリ制御ユニットから車両制御ユニット45に上限電力等が入力される。
車両制御ユニット45には、アクセルポジションセンサから予め定められた閾値を超える出力が要求された場合に、シリーズ走行モード又はパラレル走行モードのうち、プラグインハイブリッド自動車100が出力可能な最大出力が大きな走行モードを選択する走行モード選択部51が設けられている。
走行モード選択部51は、シリーズ最大出力算出部53、パラレル最大出力算出部55、及び走行モード決定部57を含んでいる。
図3Aに示すように、シリーズ最大出力算出部53は、シリーズ走行モードにおいてプラグインハイブリッド自動車100が出力可能な最大出力を算出する。本実施形態に係るシリーズ走行モードでは、クラッチ29を解放することでエンジン9から駆動軸(前輪駆動軸23)への駆動力の伝達を遮断するので、エンジン9の回転速度にかかわらず、プラグインハイブリッド自動車100が出力可能な最大出力は走行用モータ5の最高出力以下に制限される。したがって、シリーズ走行モードにおける四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100の最大出力は、フロントモータ15の最高出力とリアモータ19の最高出力を加算した出力以下に制限される。
シリーズ最大出力算出部53は、発電機7の最高出力又はエンジン9の最高出力のうち小さい値に、走行モードを選択する時の駆動用バッテリ11の最大出力を加算した値から、シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失を減算した値をシリーズ走行モードの最大出力とする。ここで、発電機7の最高出力又はエンジン9の最高出力のうち小さい値とするのは、発電機7の発電電力が発電機7の最高出力及びエンジン9の最高出力によって制限されるからである。尚、プラグインハイブリッド自動車100の損失には、走行用モータ5及び発電機7の損失のほか、補機類の消費電力があるが、補機類の消費電力はシリーズ走行モードとパラレル走行モードにおいて同じように消費されるので、本実施形態では損失の計算から除外するものとする。また、最大出力の計算では、プラグインハイブリッド自動車100の損失に補機類の損失を含める必要があるが、シリーズ走行モードとパラレル走行モードにおいて同じように消費されるので、どちらの最大出力の計算においても同じ値を使用する。
図3Bに示すように、パラレル最大出力算出部55は、パラレル走行モードにおいてプラグインハイブリッド自動車100が出力可能な最大出力を算出する。本実施形態に係るパラレル走行モードでは、走行用モータ5の最大出力は走行用モータ5の最高出力以下に制限される。したがって、四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100の走行用モータ5の最大出力は、フロントモータ15の最高出力とリアモータ19の最高出力を加算した出力以下に制限される。
パラレル最大出力算出部55は、パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失を、走行モードを選択する時の駆動用バッテリ11の最大出力から減算した値に、走行モードを選択する時のエンジン回転速度におけるエンジン9の出力を加算した値をパラレル走行モードの最大出力とする。ここで、走行モードを選択する時のエンジン回転速度におけるエンジン9の出力とするのは、パラレル走行モードではクラッチ29を接続することでエンジン9から駆動軸(前輪駆動軸23)へ駆動力を伝達するので、走行モードを選択する時のエンジン回転速度によって制限されるからである。尚、プラグインハイブリッド自動車100の損失には、走行用モータ5及び発電機7の損失のほか、補機類の消費電力があるが、補機類の消費電力はパラレル走行モードとシリーズ走行モードにおいて同じように消費されるので、本実施形態では損失の計算から除外するものとする。また、最大出力の計算では、プラグインハイブリッド自動車100の損失に補機類の損失を含める必要があるが、シリーズ走行モードとパラレル走行モードにおいて同じように消費されるので、どちらの最大出力の計算においても同じ値を使用する。
走行用モータ5の損失(損失電力)は、走行用モータ5のトルク及び回転速度に走行用モータ5の損失(損失電力)が関連付けられた三次元のモータ損失マップ(Mloss_MAP)によって求める。よって、モータの損失(損失電力)は、下記の数式1によって表すことができる。
Figure 0007616478000001
このように走行用モータ5の損失(損失電力)をモータ損失マップによって求めることにすれば、走行用モータ5のトルク及び回転速度によって走行用モータ5の損失が求められ、走行用モータ5の損失計算を簡略化できる。
発電機7の損失(損失電力)を発電機7のトルク及び回転速度に発電機7の損失(損失電力)が関連付けられた三次元の発電機損失マップ(Gloss_MAP)によって求める。よって、発電機7の損失(損失電力)は下記の数式2によって表すことができる。
Figure 0007616478000002
このように発電機7の損失(損失電力)を発電機損失マップによって求めることにすれば、発電機7のトルク及び回転速度によって発電機7の損失が求められ、発電機7の損失計算を簡略化できる。
図4Aに示すように、シリーズ最大出力算出部53では、パラレル走行モード選択中は、シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5の損失(損失電力)を算出する。シリーズ走行モードでは、エンジン9は発電するだけであり、走行用モータ5だけでドライバの要求する駆動トルクを出力する。そのため、シリーズ最大出力算出部53では、ドライバの出力要求(駆動トルク)を車軸(前輪駆動軸23又は後輪駆動軸27)から走行用モータ5の出力軸までのギヤ比によって走行用モータ5のトルク[Mtrq_SR]に変換する。モータ制御ユニット49から取得した走行用モータ5の回転速度[Mrpm_SR](センサ値)と走行用モータ5のトルク[Mtrq_SR]をモータ損失マップ(Mloss_MAP)にあてはめることで、走行用モータ5の損失電力を求める。よって、パラレル走行モード選択中にシリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5の損失電力[Mloss_SR]は、下記の数式3で表すことができる。
Figure 0007616478000003
図4Bに示すように、シリーズ最大出力算出部53では、パラレル走行モード選択中は、シリーズ走行を選択した時の走行用モータ5の損失(損失電力)を算出する。シリーズ走行モードでは、予め定められた閾値を超える出力が要求された場合にエンジン9又は発電機7はいずれか一方の最高出力で運転される。エンジン9の最高出力及び発電機7の最高出力はそれぞれ固有の値であり、エンジン9の性能及び発電機7の性能によって決定される。そのため、シリーズ最大出力算出部53では、エンジン9の最高出力及び最高出力時の回転速度を単位換算係数で換算することでエンジン9のトルクを求め、このエンジン9のトルクをエンジン9の出力軸(クランク軸)から発電機7の入力軸までのギヤ比によって発電機7のトルク[Gtrq_SR]に変換する。よって、パラレル走行モード選択中にシリーズ走行モードを選択した時の発電機7のトルク[Gtrq_SR]は、下記の数式4で表すことができる。
Figure 0007616478000004
また、エンジン9の最高出力時の回転速度をエンジン9の出力軸(クランク軸)から発電機7の入力軸までのギヤ比によって発電機7の回転速度[Grpm_SR]に変換する。このように求めた発電機7のトルク[Gtrq_SR]と発電機7の回転速度[Grpm_SR]を発電機損失マップ(Gloss_MAP)にあてはめることで、発電機7の損失電力を求める。よって、パラレル走行モード選択中にシリーズ走行モードを選択した時の発電機7の損失電力[Gloss_SR]は、下記の数式5で表すことができる。
Figure 0007616478000005
図5に示すように、パラレル最大出力算出部55では、シリーズ走行モード選択中は、パラレル走行を選択した時の走行用モータ5の損失(損失電力)を算出する。パラレル走行モードでは、エンジン9が駆動トルクを出力し、エンジン9だけでは足りない駆動トルクを走行用モータ5が出力する。これにより、走行用モータ5の駆動トルク[Mtrq_PR]は、ドライバの出力要求(駆動トルク)とエンジン9の最大トルクの差となる。そのため、パラレル最大出力算出部55では、プラグインハイブリッド自動車100の車速を車軸(前輪駆動軸23)からエンジン9の出力軸(クランク軸)までのギヤ比によってエンジン9の回転速度に変換する。エンジン9の回転速度に最大トルクを関連付けたエンジン最大トルク計算マップにエンジン9の回転速度をあてはめることでエンジン9の最大トルクを求め、エンジン9の最大トルクをエンジン9の出力軸(クランク軸)から走行用モータ5の出力軸までのギヤ比によって走行用モータ5の出力軸における駆動トルク(エンジン9の最大トルク)に変換する。一方、ドライバの出力要求(駆動トルク)を車軸(前輪駆動軸23又は後輪駆動軸27)から走行用モータ5の出力軸までのギヤ比によって走行用モータ5の出力軸における駆動トルク(ドライバの出力要求)に変換する。そして、走行用モータ5の出力軸におけるドライバの出力要求(駆動トルク)とエンジン9の最大トルク(駆動トルク)の差分を求めることによって走行用モータ5のトルク[Mtrq_PR]を求める。モータ制御ユニット49から取得した走行用モータ5の回転速度[Mrpm_PR](センサ値)と走行用モータ5のトルク[Mtrq_PR]をモータ損失マップ(Mloss_MAP)にあてはめることで、走行用モータ5の損失電力[Mloss_PR]を求める。よって、シリーズ走行モード選択中にパレレル走行モードを選択した時の走行用モータ5の損失電力[Mloss_PR]は、下記の数式6で表すことができる。
Figure 0007616478000006
パラレル最大出力算出部55では、シリーズ走行モード選択中は、パラレル走行モードを選択した時の発電機7の損失(損失電力)を算出する。パラレル走行モードでは、予め定められた閾値を超える出力が要求された場合に発電機7では発電しないため、発電機7には無負荷損失のみが発生する。これにより、発電機7のトルクは0[0Nm]である。また、発電機7の回転速度はシリーズ走行モード選択中のプラグインハイブリッド自動車100の車速でクラッチ29が接続されると仮定できる。そのため、パラレル最大出力算出部55では、エンジン9の回転速度をエンジン9の出力軸(クランク軸)から発電機7の入力軸までのギヤ比によって発電機7の回転速度[Grpm]に変換する。発電機7の回転速度[Grpm]と発電機7のトルク0[0Nm]を発電機損失マップにあてはめることで、発電機7の損失電力[Gloss_PR]を求める。よって、シリーズ走行モード選択中にパラレル走行モードを選択した時の発電機7の損失電力[Gloss_PR]は、下記の数式7で表すことができる。
Figure 0007616478000007
このように、パラレル走行モードを選択した時の発電機7の損失は、発電機損失マップにおいて発電機7のトルクが0のときの損失であるから、シリーズモード選択中にパラレル走行モードを選択した時の発電機7の損失を簡単に求めることができる。
シリーズ最大出力算出部53では、シリーズ走行モード選択中は、シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5の損失(損失電力)をモータ制御ユニット49から取得する。四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100では、フロントモータ15の損失電力をフロントモータ制御ユニット33から取得し、リアモータ19の損失電力をリアモータ制御ユニット37から取得する。また、シリーズ最大出力算出部53は、シリーズ走行モード選択中は、シリーズ走行モードを選択した時の発電機7の損失を発電機制御ユニット35から取得する。
そして、シリーズ走行モード選択中はモータ制御ユニット49及び発電機制御ユニット35から取得した損失を走行用モータ5及び発電機7の損失とする。これは、シリーズ走行モード選択中にモータ制御ユニット49及び発電機制御ユニット35から取得した損失は、シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失だからである。これにより、シリーズ走行モード選択中は、シリーズ走行モードにおける損失計算を省くことができる。
パラレル最大出力算出部55では、パラレル走行モード選択中は、パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ5の損失(損失電力)をモータ制御ユニット49から取得する。四輪駆動のプラグインハイブリッド自動車100では、フロントモータ15の損失電力をフロントモータ制御ユニット33から取得し、リアモータ19の損失電力をリアモータ制御ユニット37から取得する。パラレル最大出力算出部55は、パラレル走行モード選択中は、パラレル走行モードを選択した時の発電機7の損失を発電機制御ユニット35から取得する。
そして、パラレル走行モード選択中はモータ制御ユニット49及び発電機制御ユニット35から取得した損失を走行用モータ5及び発電機7の損失とする。これは、パラレル走行モード選択中にモータ制御ユニット49及び発電機制御ユニット35から取得した損失は、パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失だからである。これにより、パラレル走行モード選択中は、パラレル走行モードにおける損失計算を省くことができる。
走行モード決定部57は、シリーズ最大出力算出部53で求められたシリーズ走行モードの最大出力とパラレル最大出力算出部55で求められたパラレル走行モードの最大出力とを比較し、最大出力が大きな走行モードを決定する。
図6に示すように、走行制御装置1は、パラレル走行モード選択中か否かを判断する(ステップS11)。パラレル走行モード選択中と判断すると(ステップS11:Yes)、シリーズ最大出力算出部53がシリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失電力を算出し(ステップS13)、パラレル最大出力算出部55がモータ制御ユニット49及び発電機制御ユニット35から走行用モータ5及び発電機7の損失電力を取得する(ステップS15)。
そして、シリーズ最大出力算出部53で算出された損失電力を用いて算出したシリーズ走行モードの最大出力とパラレル最大出力算出部55で取得した損失電力を用いて算出したパラレル走行モードの最大出力とを比較する(ステップS17)。比較の際には、シリーズ走行モード又はパラレル走行モードのどちらか一方にヒステリシスとしてマージンを付与して比較してもよい。そして、シリーズ走行モードの最大出力がパラレル走行モードの最大出力よりも大きい場合(ステップS17:Yes)には、シリーズ走行モードを選択する(パラレル走行モードからシリーズ走行モードに切り替える)(ステップS19)。一方、シリーズ最大出力算出部53で算出された損失電力を用いて算出したシリーズ走行モードの最大出力がパラレル最大出力算出部55で取得した損失電力を用いて算出したパラレル走行モードの最大出力以下である場合(ステップS17:No)には、パラレル走行モードを選択する(パラレル走行モードを維持する)。
シリーズ走行モード選択中と判断すると(ステップS11:No,ステップS21:Yes)、シリーズ最大出力算出部53がモータ制御ユニット49及び発電機制御ユニット35から走行用モータ5及び発電機7の損失電力を取得し(ステップS23)、パラレル最大出力算出部55がシリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失電力を算出する(ステップS25)。
そして、パラレル最大出力算出部55で算出された損失電力を用いて算出したパラレル走行モードの最大出力とシリーズ最大出力算出部53で取得した損失電力を用いて算出したシリーズ走行モードの最大出力とを比較する(ステップS27)。比較の際には、パラレル走行モード又はシリーズ走行モードのどちらか一方にヒステリシスとしてマージンを付与して比較してもよい。パラレル走行モードの最大出力がシリーズ最大出力よりも大きい場合(ステップS27:Yes)には、パラレル走行モードを選択する(シリーズ走行モードからパラレル走行モードに切り替える)(ステップS29)。一方、パラレル最大出力算出部55で算出された損失電力を用いて算出したパラレル走行モードの最大出力がシリーズ最大出力算出部53で取得した損失電力以下である場合(ステップS27:No)には、シリーズ走行モードを選択する(シリーズ走行モードを維持する)。
本発明の実施形態に係る走行制御装置1によれば、シリーズ走行モード選択中に閾値を超える出力が要求された場合でも、パラレル最大出力算出部55は、パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失を用いてパラレル走行モードの最大出力を計算するので、シリーズ走行モード選択中であってもパラレル走行モードの最大出力を適切に算出できる。また、パラレル走行モード選択中に閾値を超える出力が要求された場合でも、シリーズ最大出力算出部53は、シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ5及び発電機7の損失を用いてシリーズ走行モードの最大出力を計算するので、パラレル走行モード選択中であってもシリーズ走行モードの最大出力を適切に算出できる。そして、走行モード決定部57は、このように算出されたシリーズ走行モードの最大出力とパラレル走行モードの最大出力とを比較し、最大出力が大きな走行モードを決定するので、走行モード選択部51は、真に最大出力が大きな走行モードを選択できる。これにより、ドライバは、プラグインハイブリッド自動車100の出力限界の枠内で求める出力を得ることができる。
1 走行制御装置
3 駆動輪
5 走行用モータ
7 発電機
9 エンジン
11 駆動用バッテリ
13 前輪
15 フロントモータ
17 後輪
19 リアモータ
21 フロントトランスアクスル
23 前輪駆動軸(車軸)
25 リアトランスアクスル
27 後輪駆動軸(車軸)
29 クラッチ
31 パワードライブユニット
33 フロントモータ制御ユニット
35 発電機制御ユニット
37 リアモータ制御ユニット
39 燃料タンク
41 エンジン制御ユニット
43 バッテリ管理ユニット
45 車両制御ユニット
47 アクセルペダル
49 モータ制御ユニット
51 走行モード選択部
53 シリーズ最大出力算出部
55 パラレル最大出力算出部
57 走行モード決定部
100 プラグインハイブリッド自動車

Claims (5)

  1. 駆動輪を駆動する走行用モータと、
    前記駆動輪及び発電機を駆動するエンジンと、
    前記発電機によって発電された電力を蓄電する駆動用バッテリと
    を備え、
    前記エンジンが前記発電機を駆動することで発電された電力及び前記駆動用バッテリから供給された電力によって前記走行用モータが前記駆動輪を駆動するシリーズ走行モード、又は前記エンジンが前記駆動輪を駆動するとともに前記駆動用バッテリから供給された電力によって前記走行用モータが前記駆動輪を駆動するパラレル走行モードのいずれか一方を選択可能なハイブリッド自動車の走行制御装置であって、
    予め定められた閾値を超える出力が要求された場合に、前記シリーズ走行モード又は前記パラレル走行モードのうち、前記ハイブリッド自動車が出力可能な最大出力が大きな走行モードを選択する走行モード選択部を備え、
    前記走行モード選択部は、
    発電機の最高出力又はエンジンの最高出力のうち小さい値に、前記走行モードを選択する時の駆動用バッテリの最大出力を加算した値から、前記シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を減算した値を前記シリーズ走行モードの最大出力とするシリーズ最大出力算出部と、
    前記パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を、前記走行モードを選択する時の駆動用バッテリの最大出力から減算した値に、前記走行モードを選択する時のエンジン回転速度における前記エンジンの出力を加算した値を前記パラレル走行モードの最大出力とするパラレル最大出力算出部と、
    前記シリーズ最大出力算出部で求められたシリーズ走行モードの最大出力と前記パラレル最大出力算出部で求められたパラレル走行モードの最大出力とを比較し、最大出力が大きな走行モードを決定する走行モード決定部と
    を含む、ハイブリッド自動車の走行制御装置。
  2. 前記パラレル走行モード選択中は、前記パラレル走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を、前記走行用モータを制御するモータ制御ユニット及び前記発電機を制御する発電機制御ユニットから取得する、
    請求項1に記載のハイブリッド自動車の走行制御装置。
  3. 前記シリーズ走行モード選択中は、前記シリーズ走行モードを選択した時の走行用モータ及び発電機の損失を、前記走行用モータを制御するモータ制御ユニット及び前記発電機を制御する発電機制御ユニットから取得する、
    請求項1又は2に記載のハイブリッド自動車の走行制御装置。
  4. 前記走行用モータの損失は、前記走行用モータのトルク及び回転速度に前記走行用モータの損失が関連付けられたモータ損失マップによって求められ、
    前記発電機の損失は、前記発電機のトルク及び回転速度に前記発電機の損失が関連付けられた発電機損失マップによって求められる、
    請求項1に記載のハイブリッド自動車の走行制御装置。
  5. 前記パラレル走行モードを選択した時の発電機の損失は、前記発電機損失マップにおいて、前記発電機のトルクが0のときの損失である、
    請求項4に記載のハイブリッド自動車の走行制御装置。

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