以下、実施形態の置局設計支援装置及び置局設計支援方法について、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態における置局設計支援装置1について説明する。本実施形態の置局設計支援装置1は、電柱に設置される基地局の設置位置と、各々の建物に設置される端末局の設置位置とを決定する置局設計を支援するための装置である。
置局設計支援装置1は、少なくとも1つの基地局の設置候補位置と少なくとも1つの端末局の設置候補位置との組合せについて、それぞれ通信の可否に関する判定を行う。本実施形態では、置局設計支援装置1は、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の、見通しの有無の判定又は遮蔽率の算出によって、通信の可否に関する判定を行う。
ここでいう見通しの有無とは、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置とにそれぞれ基地局と端末局とが設置された場合において、基地局と端末局との間で送受信される電波の伝搬経路に当該電波の伝搬を遮る遮蔽物が存在するか否かを表す。基地局と端末局との間の電波の伝搬経路に当該電波を遮蔽する遮蔽物が存在しない場合には、「見通しが有る」といい、基地局と端末局との間の電波の伝搬経路に当該電波を遮蔽する遮蔽物が存在する場合には、「見通しが無い」という。
以下、見通しの有無の判定及び遮蔽率の算出による通信の可否の判定を総称して、「見通し判定」という。置局設計支援装置1は、見通し判定によって特定された両局の設置候補位置の適切な組合せ候補の集合(以下、「組合せ候補群」という。)を提示することにより、置局設計支援を行う。
なお、置局設計支援装置1による置局設計支援によって提示された組合せ候補群は、後段の置局設計において用いられる。置局設計を行う置局設計装置は、置局設計支援装置1によって提示された組合せ候補群に含まれる組合せ候補の各々について、例えば電波伝搬シミュレーション等を行うことによって通信状態の評価を行う。置局設計装置は、評価結果に基づいて、基地局の設置位置と端末局の設置位置とを決定する。
置局設計支援装置1は、まず、評価対象エリア内に存在する遮蔽物等の物体の位置を表す低密度なデータを用いて見通し判定を行うことにより、事前に組合せ候補群の絞り込みを行う。ここでいう遮蔽物とは、基地局と端末局との間で送受信される電波の伝搬を遮る可能性がある物体である。遮蔽物には、例えば、住戸及びビル等の建物(建築物)、住宅の塀及び高架道路等の構造物、道路標識及び看板等の工作物、街路樹及び庭木等の植物、及び隆起した地面等の、電波の伝搬を遮断しうる全ての物体が含まれる。
低密度なデータ(第1の環境情報)とは、相対的に情報量の少ないデータであり、本実施形態では、建物の水平面上の(2次元の)輪郭を示す情報に、当該建物の高さ情報が付与された、3次元の地図情報(以下、単に「地図情報」という。)である。本実施形態における高さ情報とは、各々の建物の最高点の高さを示す情報である。
本実施形態における地図情報は、MMS等によって得られた点群データ(以下、単に「点群データ」という。)に基づいて生成された地図ではなく、例えば地図制作業者によって(例えば、測量等によって)制作された住宅地図等の一般的な地図に基づく情報である。したがって、本実施形態における地図情報には、例えば、建物の輪郭と高さとを示す情報は含まれているが、建物以外の物体(例えば上記の構造物、工作物、及び植物等)の位置に関する情報は含まれていないことがある。低密度なデータを用いた見通し判定では、判定精度は相対的に低くなるが、判定処理にかかる計算量が相対的に少なくなる。
その後、置局設計支援装置1は、低密度なデータに基づく見通し判定によって絞り込みがなされた組合せ候補の各々について、評価対象エリア内に存在する遮蔽物等の物体の位置を表す高密度なデータを用いて見通し判定を行う。
高密度なデータ(第2の環境情報)とは、相対的に情報量の多いデータであり、本実施形態では、例えばMMS等によって得られた3次元の点群データである。点群データには、建物だけでなく、上記の地図情報には含まれていない建物以外の物体を含んだ、遮蔽物となりうる全ての物体の3次元の位置を示す情報が含まれている。したがって、点群データは、上記の地図情報と比べて、はるかに情報量の多いデータである。高密度なデータを用いた見通し判定では、判定精度は相対的に高くなるが、判定処理にかかる計算量は相対的に多くなる。
このように、本実施形態の置局設計支援装置1は、事前に低密度なデータを用いて見通し判定を行うことで、通信可能である見込みが低い両局の設置候補位置の組合せ候補を予め除外する。その後、置局設計支援装置1は、絞り込まれた組合せ候補のみについて、高密度なデータを用いて詳細な見通し判定を行う。これにより、置局設計支援装置1は、判定精度の低下を抑えつつ、より少ない計算量で、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との適切な組合せ候補群を提示することができる。
[置局設計支援装置の機能構成]
以下、置局設計支援装置1の機能構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の置局設計支援装置1の機能構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、置局設計支援装置1は、設備情報取得部11と、基地局候補位置抽出部12と、地図情報取得部13と、端末局候補位置抽出部14と、組合せ候補群生成部15と、地図見通し判定部16と、点群データ取得部21と、データ整合部22と、点群見通し判定部23と、記憶部30と、組合せ候補群出力部40と、を含んで構成される。置局設計支援装置1は、例えば汎用コンピュータ等の情報処理装置である。
設備情報取得部11は、例えば外部の装置等から設備情報を取得する。ここでいう設備情報とは、例えば基地局を設置可能な電柱等の、屋外設備の平面位置及び高さを示す情報が含まれる。設備情報取得部11は、取得された設備情報を基地局候補位置抽出部12へ出力する。
なお、ここでいう「平面位置」とは、高さ方向(垂直方向)の座標を含まない、2次元の座標のことをいう。また、以下の説明では、特に断りのない限り、「位置」とは、高さ方向(垂直方向)の座標を含む3次元の座標のことをいう。
なお、設備情報取得部11は、設備情報を、外部の記憶装置から取得してもよいし、外部の装置から通信ネットワークを介して取得してもよい。あるいは、設備情報が記憶部30に予め記憶されており、設備情報取得部11は、記憶部30から設備情報を取得する構成であってもよい。
基地局候補位置抽出部12は、設備情報取得部11から出力された設備情報を取得する。基地局候補位置抽出部12は、取得された設備情報に基づいて、基地局の設置候補位置を抽出する。基地局候補位置抽出部12は、抽出された基地局の設置候補位置を示す情報及び設備情報を組合せ候補群生成部15へ出力する。
地図情報取得部13は、例えば外部の装置等から地図情報を取得する。ここでいう地図情報とは、例えば住宅及びビル等の、建物の輪郭の平面位置及び高さを示す情報が含まれる。地図情報取得部13は、取得された地図情報を、端末局候補位置抽出部14及びデータ整合部22へ出力する。
なお、地図情報取得部13は、地図情報を、外部の記憶装置から取得してもよいし、外部の装置から通信ネットワークを介して取得してもよい。あるいは、地図情報が記憶部30に予め記憶されており、地図情報取得部13は、記憶部30から地図情報を取得する構成であってもよい。
端末局候補位置抽出部14は、地図情報取得部13から出力された地図情報を取得する。端末局候補位置抽出部14は、取得された地図情報に基づいて、端末局の設置候補位置を抽出する。端末局候補位置抽出部14は、抽出された端末局の設置候補位置を示す情報及び地図情報を組合せ候補群生成部15へ出力する。
組合せ候補群生成部15(生成部)は、基地局候補位置抽出部12によって抽出された基地局の設置候補位置を示す情報及び設備情報を取得する。また、組合せ候補群生成部15は、端末局候補位置抽出部14によって抽出された端末局の設置候補位置を示す情報及び地図情報を取得する。組合せ候補群生成部15は、取得された情報に基づく、基地局(第1無線局)の設置候補位置と端末局(第2無線局)の設置候補位置とに基づいて、両局の設置候補位置の組合せの候補の集合(第1組合せ候補群)を生成する。組合せ候補群生成部15は、生成された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を記憶部30に記憶させる。
地図見通し判定部16(第1判定部)は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を取得する。地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群の各々について、見通し判定を行う。前述の通り、本実施形態における見通し判定とは、基地局と端末局との間の、見通しの有無の判定又は遮蔽率の算出に基づく、通信の可否の判定である。なお、地図見通し判定部16による見通し判定の処理の詳細については、後述される。
地図見通し判定部16は、通信可能と判定された組合せ候補のみを抽出する。地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を、地図情報を用いた判定によって通信可能と判定された組合せ候補群によって上書き更新する。なお、地図見通し判定部16は、上記のように上書き更新をする代わりに、記憶部30に記憶された組合せ候補群に含まれる組合せ候補の各々について、見通し有りと判定されたか否かを示す情報(例えば、見通し判定結果フラグ)をそれぞれ付与するようにしてもよい。
点群データ取得部21は、例えば外部の装置等から点群データを取得する。ここでいう点群データとは、空間を撮像することによって得られる3次元の点群データである。例えば、点群データは、MMSを搭載した車両等の移動体を評価対象の住宅エリア周辺の道路に沿って走行させることによって得られたものである。設備情報取得部11は、取得された点群データをデータ整合部22へ出力する。
なお、点群データ取得部21は、点群データを、外部の記憶装置から取得してもよいし、外部の装置から通信ネットワークを介して取得してもよい。あるいは、点群データが記憶部30に予め記憶されており、点群データ取得部21は、記憶部30から点群データを取得する構成であってもよい。
データ整合部22は、地図情報取得部13から出力された地図情報を取得する。また、データ整合部22は、点群データ取得部21から出力された点群データを取得する。データ整合部22は、地図情報の座標系と点群データの座標系との整合を図り、地図情報に含まれる位置(座標)と点群データに含まれる位置(座標)とを整合させる。データ整合部22は、必要に応じて、記憶部30に記憶された組合せ候補群に含まれる位置を、点群データの座標系に基づく位置となるように補正する。データ整合部22は、取得された点群データを記憶部30に記憶させる。
なお、一般的には、地図情報の座標系と点群データの座標系には、例えば世界測地系等の共通の座標系が用いられている場合が多いため、データ整合部22による座標の整合処理を必要としない場合が多いと考えられる。
点群見通し判定部23(第2判定部)は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、及び点群データを取得する。点群見通し判定部23は、取得された組合せ候補の各々について、見通し判定を行う。前述の通り、本実施形態における見通し判定とは、基地局と端末局との間の、見通しの有無の判定又は遮蔽率の算出に基づく、通信の可否の判定である。なお、点群見通し判定部23による見通し判定の処理には、任意の従来技術を用いることができる。
点群見通し判定部23は、通信可能と判定された組合せ候補のみを抽出する。地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を、点群データを用いた判定によって通信可能と判定された組合せ候補群によって上書き更新する。なお、点群見通し判定部23は、上記のように上書き更新をする代わりに、記憶部30に記憶された組合せ候補の各々について、見通し有理と判定されたか否かを示す情報(例えば、見通し判定結果フラグ)をそれぞれ更新するようにしてもよい。
記憶部30は、上記の、組合せ候補群、設備情報、地図情報、及び点群データを記憶する。なお、記憶部30は、全ての設備情報、全ての地図情報、及び全ての点群データを記憶する必要はなく、少なくとも地図見通し判定部16による判定処理に必要となる設備情報及び地図情報と、少なくとも点群見通し判定部23による判定処理に必要となる点群データとを記憶していればよい。
記憶部30は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory;読み書き可能なメモリ)、ROM(Read Only Memory;読み出し専用メモリ)等の記憶媒体、又は、これらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。
なお、例えば、基地局候補位置抽出部12、端末局候補位置抽出部14、組合せ候補群生成部15、地図見通し判定部16、データ整合部22、及び点群見通し判定部23は、1つの制御部(不図示)の構成要素として構成されてもよい。この場合、制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。あるいは、制御部は、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。CPUによって読み出されるプログラムは、例えば、予め置局設計支援装置1が備える記憶部30等の記憶媒体に格納されていてもよい。
組合せ候補群出力部40(出力部)は、組合せ候補群生成部15によって生成された組合せ候補群であって、その後、地図見通し判定部16による判定処理及び点群見通し判定部23による判定処理によって絞り込みがなされた組合せ候補群(第2組合せ候補群)を示す情報を記憶部30から取得する。組合せ候補群出力部40は、取得された組合せ候補群を示す情報を外部の装置へ出力する。
組合せ候補群出力部40は、例えば、組合せ候補群を示す情報を外部の装置へ出力するための通信インターフェースを含んで構成される。なお、組合せ候補群出力部40は、組合せ候補群を表示させる表示部として機能するものであってもよい。この場合、組合せ候補群出力部40は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ等の表示装置を含んで構成される。
[置局設計支援装置の動作]
以下、第1の実施形態における置局設計支援装置1の動作の一例について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態における置局設計支援装置1の動作を示すフローチャートである。
設備情報取得部11は、例えば外部の装置等から設備情報を取得する(ステップS1)。設備情報取得部11は、取得された設備情報を基地局候補位置抽出部12へ出力する。
地図情報取得部13は、例えば外部の装置等から地図情報を取得する。地図情報取得部13は、取得された地図情報を、端末局候補位置抽出部14及びデータ整合部22へ出力する(ステップS2)。
基地局候補位置抽出部12は、設備情報取得部11から出力された設備情報を取得する。基地局候補位置抽出部12は、取得された設備情報に基づいて、基地局の設置候補位置を抽出する(ステップS3)。基地局候補位置抽出部12は、抽出された基地局の設置候補位置を示す情報及び設備情報を組合せ候補群生成部15へ出力する。
端末局候補位置抽出部14は、地図情報取得部13から出力された地図情報を取得する。端末局候補位置抽出部14は、取得された地図情報に基づいて、端末局の設置候補位置を抽出する(ステップS4)。端末局候補位置抽出部14は、抽出された端末局の設置候補位置を示す情報及び地図情報を組合せ候補群生成部15へ出力する。
組合せ候補群生成部15は、基地局候補位置抽出部12によって抽出された基地局の設置候補位置を示す情報及び設備情報を取得する。また、組合せ候補群生成部15は、端末局候補位置抽出部14によって抽出された端末局の設置候補位置を示す情報及び地図情報を取得する。組合せ候補群生成部15は、取得された情報に基づく、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置とに基づいて、両局の設置候補位置の組合せの候補の集合である組合せ候補群を生成する(ステップS5)。組合せ候補群生成部15は、生成された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を記憶部30に記憶させる。
地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を取得する。地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群の各々について、見通し判定を行う。地図見通し判定部16は、見通しが有ると判定された組合せ候補のみを抽出することにより、地図情報に基づく見通し判定による組合せ候補群の絞り込みを行う(ステップS6)。
地図見通し判定部16は、地図情報に基づいて絞り込まれた組合せ候補群を示す情報を記憶部30に出力する(ステップS7)。これにより、記憶部30に記憶された組合せ候補群が、地図情報を用いた見通し判定によって見通しが有ると判定された組合せ候補からなる組合せ候補群によって上書き更新される。なお、地図見通し判定部16は、地図情報に基づいて絞り込まれた組合せ候補群を示す情報を外部の装置に出力するようにしてもよい。なお、ステップS6の動作の詳細については、後に図3を参照しながら説明する。
データ整合部22には、上記ステップS7において出力された、地図情報に基づいて絞り込まれた組合せ候補群と、当該組合せ候補群に含まれる、基地局の設置候補位置及び端末局の設置候補位置の座標と、を示す情報が記憶部30から入力される(ステップS8)。なお、当該情報は、外部の装置からデータ整合部22に入力される構成であってもよい。
なお、例えば置局設計支援装置1は、上記の地図情報に基づく見通し判定を行う装置と、下記の点群データに基づく見通し判定を行う装置と、を別々に有する装置であってもよい。なお、図2のフローチャートでは、地図情報に基づく見通し判定と、点群データに基づく見通し判定とが、一連の動作の中で行われている。但し、地図情報に基づく見通し判定と、点群データに基づく見通し判定とが、それぞれ別々に実行されてもよい。
点群データ取得部21は、例えば外部の装置等から点群データを取得する(ステップS9)。点群データ取得部21は、取得された点群データをデータ整合部22へ出力する。
データ整合部22は、点群データ取得部21から出力された点群データを取得する。データ整合部22は、地図情報の座標系と点群データの座標系との整合を図り、地図情報に含まれる位置(座標)と点群データに含まれる位置(座標)とを整合させる。データ整合部22は、取得された点群データを記憶部30に記憶させる。
点群見通し判定部23は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、及び点群データを取得する。点群見通し判定部23は、取得された組合せ候補群に含まれる組合せ候補の各々について、見通し判定を行う。点群見通し判定部23は、見通しが有ると判定された組合せ候補のみを抽出する。地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を、点群データを用いた見通し判定によって見通しが有ると判定された組合せ候補からなる組合せ候補群によって上書き更新することにより、組合せ候補の絞り込みを行う(ステップS10)。なお、ステップS10の動作の詳細については、後に図4を参照しながら説明する。
組合せ候補群出力部40は、地図見通し判定部16による見通し判定及び点群見通し判定部23による見通し判定によって組合せ候補の絞り込みがなされた組合せ候補群を示す情報を記憶部30から取得する。組合せ候補群出力部40は、取得された組合せ候補群を示す情報を外部の装置へ出力する(ステップS11)。以上で、図2のフローチャートが示す置局設計支援装置1の動作が終了する。
以下、図2に示されるフローチャートのステップS6における、地図見通し判定部16の動作についてさらに詳しく説明する。図3は、本発明の第1の実施形態の地図見通し判定部16による見通し判定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を取得する。地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群の中から、まだ見通し判定がなされていない組合せ候補を1つ選択する(ステップS601)。
地図見通し判定部16は、選択された組合せ候補が示す、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通し判定を行う(ステップS602)。地図見通し判定部16は、見通し判定の結果、見通しが無いと判定された場合(ステップS602・NO)、取得された組合せ候補群から、上記選択された組合せ候補を削除する(ステップS603)。
地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定を行うまで、上記ステップS601からステップS603までの動作を繰り返す(ステップS604)。取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定が行われた場合(ステップS604・YES)、図2に示されるフローチャートのステップS7へ進む。
以下、図2に示されるフローチャートのステップS10における、点群見通し判定部23の動作についてさらに詳しく説明する。図4は、本発明の第1の実施形態の点群見通し判定部23による見通し判定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
点群見通し判定部23は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、及び点群データを取得する。点群見通し判定部23は、取得された組合せ候補群の中から、まだ見通し判定がなされていない組合せ候補を1つ選択する(ステップS1001)。
点群見通し判定部23は、選択された組合せ候補が示す、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通し判定を行う(ステップS1002)。点群見通し判定部23は、見通し判定の結果、見通しが無いと判定された場合(ステップS1002・NO)、取得された組合せ候補群から、上記選択された組合せ候補を削除する(ステップS1003)。
点群見通し判定部23は、取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定を行うまで、上記ステップS1001からステップS1003までの動作を繰り返す(ステップS1004)。取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定が行われた場合(ステップS1004・YES)、図2に示されるフローチャートのステップS11へ進む。
本実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の結果として、図37に示されるような4つのケースが考えられる。図37は、見通し判定の結果として考えられる4つのケースを説明するための図である。
図37に示されるように、置局設計支援装置1による見通し判定の結果として考えられる4つのケースとは、地図情報に基づく見通し判定の結果が「見通し有り」である場合と「見通し無し」である場合と、点群データに基づく見通し判定の結果が「見通し有り」である場合と「見通し無し」である場合と、の組合せからなる。
図37に示されるように、ここでは、地図情報に基づく見通し判定の結果が「見通し有り」であり、点群データに基づく見通し判定の結果が「見通し有り」である場合を、「ケース(1)」という。また、地図情報に基づく見通し判定の結果も「見通し有り」であり、点群データに基づく見通し判定の結果が「見通し無し」である場合を、「ケース(2)」という。また、地図情報に基づく見通し判定の結果が「見通し無し」であり、点群データに基づく見通し判定の結果が「見通し有り」である場合を、「ケース(3)」という。また、地図情報に基づく見通し判定の結果が「見通し無し」であり、点群データに基づく見通し判定の結果も「見通し無し」である場合を、「ケース(4)」という。
[計算量の削減効果]
以下、地図情報を用いた組合せ候補の事前の絞り込みによる計算量の削減効果について説明する。図5は、本発明の第1の実施形態における置局設計支援装置1による計算量の削減効果を説明するための図である。
図5の(A)及び(B)は、地図見通し判定部16による地図情報に基づく見通し判定を示したものである。一方、図5の(C)及び(D)は、点群見通し判定部23による点群データに基づく見通し判定を示したものである。
図示されるように、図5の(A)及び(B)では、地図情報に基づく見通し判定であることから、地図情報には含まれていない住宅の塀、街路樹、及び交通標識等の存在は、見通し判定において考慮されない。一方、図5の(C)及び(D)では、点群データに基づく見通し判定であることから、点群データには含まれている住宅の塀、街路樹、及び道路標識等の存在についても、見通し判定において考慮される。
図5の(A)~(D)はいずれも、住宅h1の壁面の一か所を端末局の設置候補位置とした場合の組合せ候補の一例を示している。
図5の(A)は、電柱p1を基地局の設置候補位置として、地図情報に基づく見通し判定が行われる場合を示す。この場合、図示されるように、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通しは住宅h2によって遮られるため、見通し判定の結果は「見通し無し」となる。
一方、図5の(B)は、電柱p2を基地局の設置候補位置として、地図情報に基づく見通し判定が行われる場合を示す。この場合、図示されるように、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通しは住宅h2等によって遮られることもないため、見通し判定の結果は「見通し有り」となる。
図5の(C)は、電柱p1を基地局の設置候補位置として、点群データに基づく見通し判定が行われる場合を示す。この場合、図示されるように、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通しは住宅h2によって遮られるため、見通し判定の結果は「見通し無し」となる。
一方、図5の(D)は、電柱p2を基地局の設置候補位置として、点群データに基づく見通し判定が行われる場合を示す。この場合、図示されるように、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通しは、例えば住宅h2、当該住宅h2の塀、街路樹、及び道路標識等によって遮られることもないため、見通し判定の結果は「見通し有り」となる。
本実施形態の置局設計支援装置1によって計算量の削減効果が表れる理由は、実際の環境においては、図37に示されるケース(1)又はケース(4)のような状況が殆どであると想定されることに基づいている。例えば、図5(B)の場合ように地図情報に基づく見通し判定によって見通しが有ると判定される状況では、図5の(D)の場合のように点群データに基づく見通し判定によっても見通しが有ると判定される状況である可能性が高い。同様に、例えば、図5(A)の場合ように地図情報に基づく見通し判定によって見通しが無いと判定される状況では、図5の(C)の場合のように点群データに基づく見通し判定によっても見通しが無いと判定される状況である可能性が高い。
しかしながら、可能性は高くないものの、図37に示されるケース(2)のような状況もあり得る。例えば、図5(B)の場合ように地図情報に基づく見通し判定によって見通しが有ると判定される状況であっても、図5の(C)の場合のように点群データに基づく見通し判定によっては見通しが無いと判定される状況も有り得る。例えば、地図情報に含まれない、住宅の塀及び高架道路等の構造物、道路標識及び看板等の工作物、街路樹及び庭木等の植物、及び隆起した地面等の電波の伝搬を遮断しうる建物以外のあらゆる物体によって、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通しが遮られることがある。そのため、本実施形態における置局設計支援装置1は、地図情報に基づく見通し判定によって見通しが有ると判定された組合せ候補に対して、点群データに基づく見通し判定を実施する。
そして、更に可能性が高くないものの、図37に示されるケース(3)のような状況もあり得る。例えば、2次元の地図情報に含まれる建物の輪郭を示す情報に対して当該建物の最高点の高さが付与された地図情報に基づく見通し判定が行われる場合、別の建物が遮蔽物となって基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の見通しが遮られることがある。例えば、後に説明する図10及び図13のような状況では、地図情報に基づく見通し判定によれば(建物の最高点の高さに基づいて)見通しが無いと判定されるが、点群データに基づく見通し判定によれば見通しが有ると判定される(実際には見通しが有る)ことがある。
ここで、図5の(A)、(B)、(C)、及び(D)の場合における見通し判定に要する判定時間を、それぞれta、tb、tc、及びtdと表す。この場合、地図情報は点群データと比べて相対的に密度が低い(情報量の少ない)データであることから、地図情報に基づく見通し判定の判定時間であるta及びtbは、点群データに基づく見通し判定の判定時間であるtc及びtdと比べて大幅に短い時間となる。
また、見通しの有無に関わらず、各々の組合せ候補に対する地図情報に基づく見通し判定の判定時間は凡そ同程度の長さであることから、ta及びtbは凡そ同程度の長さの判定時間となる。同様に、見通しの有無に関わらず、各々の組合せ候補に対する点群データに基づく見通し判定の判定時間は凡そ同程度での長さであることから、tc及びtdは凡そ同程度の長さの判定時間となる。
以上のことから、以下の(1)式のような関係が成り立つといえる。
ta≒tb<<tc≒td ・・・(1)
ここで、評価対象エリア内の、基地局の全ての設置候補位置と端末局の全ての設置候補位置との組合せの総数を、Mと表す。また、このM個の組合せ候補のうち、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間に見通しが有る組合せの個数を、nと表す。
本実施形態における置局設計支援装置1は、まず地図情報に基づく見通し判定によって組合せ候補群に含まれる組合せ候補の個数の絞り込みを行い、その後、絞り込まれた組合せ候補の各々について点群データに基づく見通し判定を行うことから、凡そ、以下の(2)式に示される程度の判定時間で見通し判定を完了させることができる。
ta×n+tb×(M-n)+tc×n
ここで、ta=tbとすると、
ta×M+tc×n ・・・(2)
一方、従来技術のように、評価対象エリア内の、基地局の全ての設置候補位置と端末局の全ての設置候補位置との組合せについて、点群データに基づく見通し判定が行われる場合、凡そ、以下の(3)式に示される程度の判定時間を要することになる。
tc×n+td×(M-n)
ここで、tc=tdとすると、
tc×M ・・・(3)
上記の通り、ta<<tcであることから、本実施形態における置局設計支援装置1は、凡そ、tc×(M-n)程度の判定時間の短縮を実現することができるということができる。
なお、前述の通り、本実施形態における地図情報は、2次元の地図データに含まれる建物の位置情報の各々に対して、当該建物の高さを示す情報が付加されたものである。一般的に、2次元の地図情報に基づく座標情報は数メートル間隔での座標からなる座標情報であり、2次元の点群データに基づく座標情報は数セントメートル間隔での座標からなる座標情報である。したがって、2次元の点群データに基づく座標情報は、2次元の地図情報に基づく座標情報と比べて、1万(=1002)倍程度の情報量となる。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態における置局設計支援装置1は、事前に、評価対象エリア内に存在する遮蔽物の位置を表す低密度なデータ(3次元の地図情報)を用いて見通し判定を行う。これにより、置局設計支援装置1は、明らかに見通しが無いと推測される両局の設置候補位置の組合せを除外し、組合せ候補の絞り込みを行うことができる。その後、置局設計支援装置1は、絞り込みがなされた各々の組合せ候補について、評価対象エリア内に存在する遮蔽物の位置を表す高密度なデータ(3次元の点群データ)を用いてより詳細な見通し判定を行う。これにより、置局設計支援装置1は、見通しが有る組合せ候補を特定する。
このように、本発明の置局設計支援装置1は、事前に低密度なデータを用いて見通し判定を行うことで、高密度なデータを用いた詳細な見通し判定を行う件数を削減させることができる。
このような構成を備えることで、発明の第1の実施形態における置局設計支援装置1は、見通し判定における計算量の増大を抑えつつ、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との組合せ候補を適切に提示することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態における置局設計支援装置1について説明する。一般的に、基地局と端末局との間に見通しが無い場合であっても、例えば建物の壁面に電波が反射することによって電波の伝搬経路が確保され、通信が可能であることがある。本実施形態の置局設計支援装置1は、地図情報に基づく見通し判定によって、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間に見通しが無いと判定された場合であっても、壁面等による電波の反射を許容した見通しの有無を、地図情報を用いてさらに判定する。
以下、壁面等による電波の反射を許容した見通しを「反射見通し」といい、反射見通しの有無の判定を「反射見通し判定」という。第2の実施形態の置局設計支援装置1は、見通しが有ると判定された組合せ候補だけでなく、反射見通しがあると判定された組合せ候補も含めた、より多くの組合せ候補を提示することができる。
[地図情報に基づく見通し判定]
以下、本実施形態の置局設計支援装置1による地図情報に基づく見通し判定について説明する。本実施形態の置局設計支援装置1は、まず、水平面上での見通し判定及び反射見通し判定を行った後、垂直断面上での見通し判定及び反射見通し判定を行う。
以下、置局設計支援装置1による見通し判定及び反射見通し判定について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による水平面上での見通し判定及び反射見通し判定を説明するための図である。
図6には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11が示されている。また、図6には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の中央の位置である壁面位置h11-1と、住宅h11の一壁面の端部の位置である壁面位置h11-2と、壁面位置h11-1及び壁面位置h11-2に設置された場合のそれぞれの端末局t11と、が示されている。また、図6には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、が示されている。
地図見通し判定部16は、まず、基地局の設置候補位置である電柱p11と、端末局の設置候補位置である住宅h11の壁面との、水平面上での見通し判定を行う。図6に示されるように、例えば電柱p11と壁面位置h11-1との間は、住宅h12によって見通しが遮られていることから、電柱p11と住宅h11との間は見通しが無いといえる。この場合、地図見通し判定部16は、基地局の設置候補位置である電柱p11と、端末局の設置候補位置である住宅h11の壁面との、水平面上での反射見通し判定を行う。
図6に示されるように、住宅h13の一壁面を、電波を反射させる反射面m11とした場合、壁面位置h11-2から見た場合における電柱p11の鏡像の位置は、鏡像p11mの位置となる。また、壁面位置h11-2と鏡像p11mとを結ぶ直線と、反射面m11との交点は、電波が反射する位置である反射点r11となる。
地図見通し判定部16は、電柱p11と反射点r11との間に見通しが有り、かつ、反射点r11と壁面位置h11-2との間にも見通しが有ることに基づいて、電柱p11と壁面位置h11-2との間は、水平面上においては反射見通しが有ると判定する。
次に、地図見通し判定部16は、基地局の設置候補位置である電柱p11と、端末局の設置候補位置である住宅h11の壁面との、垂直断面上での見通し判定を行う。
図7は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による垂直断面上での見通し判定及び反射見通し判定を説明するための図である。
図7の(A)は、電柱p11と壁面位置h11-1との、垂直断面上での見通し判定を示している。一方、図7の(B)は、電柱p11と壁面位置h11-2との、垂直断面上での反射見通し判定を示している。
図7の(A)及び(B)には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11が示されている。また、図7の(A)及び(B)には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の中央の位置である壁面位置h11-1と、住宅h11の一壁面の端部の位置である壁面位置h11-2と、壁面位置h11-1及び壁面位置h11-2に設置された場合のそれぞれの端末局t11と、が示されている。また、図7の(A)及び(B)には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、が示されている。なお、図示されるように、住宅h12の高さと比べて、住宅h13の高さはより低い。
図7の(A)に示されるように、例えば電柱p11と壁面位置h11-1との間は、住宅h12によって見通しが遮られており、電柱p11と住宅h11との間は垂直断面上において見通しが無いといえる。
しかしながら、もし、住宅h12の高さが、例えば住宅h13の高さと同程度の高さならば、電柱p11と壁面位置h11-1との間は垂直断面上において見通しが有るといえる。このような場合には、地図見通し判定部16は、水平面上での見通し判定によって見通しが無いと判定された場合であっても、垂直断面上での見通し判定によって実際には見通しが有る可能性があることを認識することができる。
地図見通し判定部16は、水平面上での見通し判定、及び垂直断面上での見通し判定のうち、少なくとも一方で見通しが有ると判定された場合には、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間には見通しが有ると判定し、この組合せ候補を組合せ候補群に含める(すなわち、この組合せ候補を組合せ候補群から削除しない)。
地図見通し判定部16は、水平面上での見通し判定、及び垂直断面上での見通し判定のいずれにおいても見通しが無いと判定された場合には、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間には見通しが無いと判定し、この組合せ候補を組合せ候補群から削除する。
一方、図7の(B)に示されるように、例えば電柱p11と壁面位置h11-2との間を垂直断面上において直線で結んだ場合、反射点r11の位置は、図6の反射面m11を形成する住宅h13の高さより高いことが分かる。そのため、地図見通し判定部16は、図7の(B)に示される反射点r11の位置には実際には壁面が存在しないことから、反射見通しが無いことを認識することができる。
このように、地図見通し判定部16は、水平面上での反射見通し判定によって反射見通しが有ると判定された場合であっても、垂直断面上での見通し判定によって実際には反射見通しが無いことを認識することができる。
地図見通し判定部16は、水平面上での反射見通し判定、及び垂直断面上での反射見通し判定のいずれにおいても反射見通しが有ると判定された場合に、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間には反射見通しが有ると判定し、この組合せ候補を組合せ候補群に含める(すなわち、この組合せ候補を組合せ候補群から削除しない)。
地図見通し判定部16は、水平面上での反射見通し判定、及び垂直断面上での反射見通し判定の少なくとも一方で反射見通しが無いと判定された場合に、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間には反射見通しが無いと判定し、この組合せ候補を組合せ候補群から削除する。
図38は、水平面上での見通し判定の結果及び垂直断面上での見通し判定の結果と、点群データに基づく見通し判定の対象であるか否かと、の関係を示す図である。図38は、水平面上での見通し判定の結果と垂直断面上での見通し判定の結果とに応じて、評価対象の組合せ候補が、点群データに基づく見通し判定の対象となるか否かを表している。
図38に示されるように、例えば、ケース(A)は、水平面上での見通し判定によって見通しが無いと判定され、垂直断面上での見通し判定によっても見通しが無いと判定された場合である。このようなケース(A)の場合には、評価対象の組合せ候補は、点群データに基づく見通し判定の対象外となる。また、ケース(B)は、水平面上での見通し判定によって見通しが無いと判定され、垂直断面上での見通し判定によって見通しが有ると判定された場合である。このようなケース(B)の場合には、評価対象の組合せ候補は、点群データに基づく見通し判定の対象となる。
また、ケース(C)は、水平面上での見通し判定によって見通しが有ると判定された場合である。このようなケース(C)の場合には、垂直断面上での見通し判定を行う必要はなく、評価対象の組合せ候補は、点群データに基づく見通し判定の対象となる。このような構成により、本実施形態の置局設計支援装置1は、点群データに基づく見通し判定の対象となるか否かを効率的に決定することができる。
図39は、水平面上での反射見通し判定の結果及び垂直断面上での反射見通し判定の結果と、点群データに基づく見通し判定の対象であるか否かと、の関係を示す図である。図39は、水平面上での反射見通し判定の結果と垂直断面上での反射見通し判定の結果とに応じて、評価対象の組合せ候補が、点群データに基づく見通し判定の対象となるか否かを表している。
図39に示されるように、例えば、ケース(D)は、水平面上での反射見通し判定によって反射見通しが無いと判定された場合である。このようなケース(D)の場合には、垂直断面上での反射見通し判定を行う必要はなく、評価対象の組合せ候補は、点群データに基づく見通し判定の対象外となる。このような構成により、本実施形態の置局設計支援装置1は、点群データに基づく見通し判定の対象となるか否かを効率的に決定することができる。
また、ケース(E)は、水平面上での反射見通し判定によって反射見通しが有ると判定され、垂直断面上での反射見通し判定によって反射見通しが無いと判定された場合である。このようなケース(E)の場合には、評価対象の組合せ候補は、点群データに基づく見通し判定の対象外となる。また、ケース(F)は、水平面上での反射見通し判定によって反射見通しが有ると判定され、垂直断面上での反射見通し判定によっても反射見通しが有ると判定された場合である。このようなケース(E)の場合には、評価対象の組合せ候補は、点群データに基づく見通し判定の対象となる。
[置局設計支援装置の動作]
以下、第2の実施形態における置局設計支援装置1の動作の一例について説明する。なお、第2の実施形態における置局設計支援装置1の動作において、図2に示されるフローチャートのステップS6以外の動作は、前述の第1の実施形態における置局設計支援装置1の動作と同様である。したがって、以下、図2のフローチャートのステップS6に示される地図情報に基づく見通し判定による組合せ候補群の絞り込みの動作についてのみ説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態の地図見通し判定部16による見通し判定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を取得する。地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群の中から、まだ見通し判定がなされていない組合せ候補を1つ選択する(ステップS611)。
地図見通し判定部16は、選択された組合せ候補が示す、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の、水平面上での見通し判定を行う(ステップS612)。地図見通し判定部16は、見通し判定の結果、水平面上での見通しが無いと判定された場合(ステップS612・NO)、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の、垂直断面上での見通し判定を行う(ステップS613)。
このように、水平面上での見通し判定の後に垂直断面上での見通し判定を行う処理順序である理由としては、前述の通り、図38のケース(C)の場合には、垂直断面上での見通し判定の実施は不要となるため、効率的な見通し判定を行うことができるようになるからである。
地図見通し判定部16は、見通し判定の結果、垂直断面上での見通しが無いと判定された場合(ステップS613・NO)、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の、水平面上での反射見通し判定を行う(ステップS614)。
地図見通し判定部16は、反射見通し判定の結果、水平面上での反射見通しが有ると判定された場合(ステップS614・YES)、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の、垂直断面上での反射見通し判定を行う(ステップS615)。
このように、水平面上での反射見通し判定の後に垂直断面上での反射見通し判定を行う処理順序である理由としては、前述の通り、図38のケース(D)の場合には、垂直断面上での反射見通し判定の実施は不要となるため、効率的な反射見通し判定を行うことができるようになるからである。
一方、地図見通し判定部16は、反射見通し判定の結果、水平面上での反射見通しが無いと判定された場合(ステップS614・NO)、取得された組合せ候補群から、上記選択された組合せ候補を削除する(ステップS616)。
地図見通し判定部16は、反射見通し判定の結果、垂直断面上での反射見通しが無いと判定された場合(ステップS615・NO)、取得された組合せ候補群から、上記選択された組合せ候補を削除する(ステップS616)。
地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定及び反射見通し判定を行うまで、上記ステップS611からステップS616までの動作を繰り返す(ステップS617)。取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定及び反射見通し判定が行われた場合、図2に示されるフローチャートのステップS7へ進む。
以上説明したように、本発明の第2の実施形態における置局設計支援装置1は、地図情報に基づく見通し判定によって、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間に見通しが無いと判定された場合であっても、例えば建物の壁面等の反射面による電波の反射を許容した反射見通しの有無をさらに判定する。置局設計支援装置1は、見通しが無いと判定された場合であっても、反射見通しが有ると判定された組合せ候補については、組合せ候補群から除外しない。
なお、必要に応じ、図8に示されるフローチャートの、反射見通し判定に関するステップS614及びステップS615が省略されてもよい。すなわち、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の直接の見通し判定のみが行われる構成であってもよい。また、必要に応じ、図8に示されるフローチャートの、見通し判定に関するステップS612及びステップS613が省略されてもよい。すなわち、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の反射見通し判定のみが行われる構成であってもよい。
このような構成を備えることで、発明の第2の実施形態における置局設計支援装置1は、見通し判定及び反射見通し判定における計算量の増大を抑えつつ、見通しが有ると判定された組合せ候補だけでなく、反射見通しがあると判定された組合せ候補も含めた、より多くの組合せ候補を適切に提示することができる。
[地図情報に基づく建物の形状]
なお、地図情報に含まれる高さ情報が各建物の最高点の高さを示す情報のみである場合、地図見通し判定部16は、各建物の形状が柱状であるものと見なして見通し判定及び反射見通し判定を行うようにしてもよい。
すなわち、地図見通し判定部16は、2次元の地図における輪郭が、例えば長方形の形状である建物については、3次元の形状が直方体であるものと見なすようにしてもよい。同様に、地図見通し判定部16は、2次元の地図において、例えば円形の形状である建物については、3次元の形状が円柱であるものと見なすようにしてもよい。
図9は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図9には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11と、が示されている。また、図9には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の中央の位置である壁面位置h11-1と、壁面位置h11-1に設置された場合の端末局t11と、が示されている。また、図9には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、が示されている。
図9に示されるように、地図見通し判定部16は、2次元の地図において輪郭が長方形の形状である住宅h11、住宅h12、及び住宅h13については、3次元の形状が直方体であると見なす。
例えば、住宅h12の最高点の高さに基づき、住宅h12の3次元の形状が図9に破線で示される直方体であると見なされるならば、地図見通し判定部16は、電柱p11と壁面位置h11-1の間は、住宅h12によって見通しが遮られるため、見通しが無いと判定する。また、例えば、住宅h12の最高点の高さに基づき、住宅h12の3次元の形状が図9に実線で示される直方体であると見なされるならば、地図見通し判定部16は、電柱p11と壁面位置h11-1の間は、住宅h12によって見通しが遮られないため、見通しが有ると判定する。
なお、地図情報に含まれる高さ情報が、各建物の最高点の高さを示す情報のみではなく、例えば各建物の屋根の形状や傾斜角度等の、建物の形状に関する情報も含んでいる場合には、地図見通し判定部16は、建物の形状に関する情報も考慮して、見通し判定及び反射見通し判定を行ってもよい。
図10は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図10には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11と、が示されている。また、図10には、端末局の設置候補位置である住宅h14の一壁面の中央の位置である壁面位置h11-1と、壁面位置h11-1に設置された場合の端末局t11と、が示されている。また、図10には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h15と、住宅h16と、が示されている。
図10に示されるように、基地局b11の設置候補位置である電柱p11と、端末局t11の設置候補位置である住宅h14の壁面位置h11-1との間には、ともに切妻屋根を有する住宅h15及び住宅h16が存在する。
前述の図9に示されるように、もし住宅h15の形状が最高点の高さに基づいて直方体であると見なされるならば、地図見通し判定部16は、電柱p11と壁面位置h11-1との間の見通しは住宅h15によって遮られることになるため、見通しが無いと判定される。しかしながら、建物の形状に関する情報も利用可能であるならば、地図見通し判定部16は、例えば住宅h15の屋根の形状等も考慮して、見通し判定を行うことができる。
図11及び図12は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。図11は、図10に示されるエリアにおける水平面上での物体の位置関係を表している。図11に示されるように、水平面上での見通し判定によれば、電柱p11と壁面位置h11-1との間の見通しは、住宅h16及び住宅h15によって遮られるため、見通しが無いと判定される。
一方、図12は、図10に示されるエリアにおける垂直断面上での物体の位置関係を表している。図12には、垂直断面上における住宅h15の屋根の位置rf15と、垂直断面上における住宅h16の屋根の位置rf16と、が示されている。また、参考までに、同じ垂直断面上における住宅h14の屋根の位置は、この例では最も高い位置(住宅h14の高さと同じ)である。図12に示されるように、電柱p11と壁面位置h11-1とを結ぶ直線は、住宅h15の最高点の高さより低い位置を通過するものの、垂直断面上における住宅h15の屋根の位置rf15と及び垂直断面上における住宅h16の屋根の位置rf16より高い位置を通過することから、地図見通し判定部16は、この組合せ候補は見通しが有ると認識することができる。
[フレネルゾーンの遮蔽率を用いた見通し判定]
なお、地図見通し判定部16は、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置とを結ぶ一直線上の見通しによって単に見通し判定をするのではなく、フレネルゾーンの遮蔽率を考慮して見通し判定を行ってもよい。
実際の電磁波は、対向する2つの無線局間を結ぶ直線的な経路のみを伝搬していくのではなく、フレネルゾーンと呼ばれる楕円形の経路領域内を伝搬していく。そのため、対向する2つの無線局間の見通しの有無の判定をより精度高く行うためには、フレネルゾーン内に存在する遮蔽物による影響を考慮した上で、見通しの有無を判定する必要がある。ミリ波帯におけるフレネルゾーンのフレネルゾーン半径は、例えば60[GHz]帯の電磁波を用いて50[m]の距離を伝送する場合において、最大で25[cm]程度である。
図13は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図13には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11が示されている。また、図13には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の中央の位置である壁面位置h11-1と、壁面位置h11-1に設置された場合の端末局t11と、が示されている。また、図13には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、が示されている。また、図13には、基地局b11と端末局t11との間で電波が送受信される場合のフレネルゾーンfz11が示されている。
図13に示されるように、基地局b11の設置候補位置である電柱p11と、端末局t11の設置候補位置である壁面位置h11-1との間の見通しは、住宅h12の壁面によって遮られている。また、図13には、見通しが遮られる住宅h12の壁面の位置におけるフレネルゾーンfz11の断面cs11が示されている。
図示されるように、断面cs13のうち、住宅h12によって見通しが遮られている範囲は、断面cs13の下部の約半分程度の領域である(すなわち、遮蔽率は50%程度であるといえる)。したがって、電柱p11と壁面位置h11-1との間で直線での見通しは無いが、基地局b11と端末局t11との間で送受信される電波が、フレネルゾーンfz11の断面cs11の上部の範囲を通過することによって、通信可能である可能性がある。
図14及び図15は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図14は、図13に示されるエリアにおける水平面上での物体の位置関係を表している。図14に示されるように、水平面上での見通し判定によれば、電柱p11と壁面位置h11-1との間の見通しは、住宅h12によって遮られるため、見通しが無いと判定される。また、フレネルゾーンfz11を考慮したとしても、水平面上では、フレネルゾーンfz11は住宅h12によって遮られている。
一方、図15は、図10に示されるエリアにおける垂直断面上での物体の位置関係を表している。図15に示されるように、垂直断面上での見通し判定によれば、電柱p11と壁面位置h11-1との間の見通しは、住宅h12によって遮られるため、見通しが無いと判定される。しかしながら、フレネルゾーンfz11を考慮した場合、垂直断面上では、フレネルゾーンfz11の少なくとも上部は、住宅h12によって遮られていないことが分かる。したがって、地図見通し判定部16は、例えばフレネルゾーンf11の断面cs11における遮蔽率が所定値以上である場合には、見通しが有ると判定するようにしてもよい。
このように、地図見通し判定部16は、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置とを結ぶ一直線上の見通しが無い場合であっても、さらにフレネルゾーンの遮蔽率を考慮して見通しの有無を判定することによって、より正確に見通し判定を行うことができる。これにより、置局設計支援装置1は、より多くの組合せ候補を提示することができる。
[複数回の反射を許容する反射見通し判定]
なお、本実施形態では、地図見通し判定部16が、1回の反射を含む反射見通し判定を行う場合について説明したが、2回以上の反射を含む反射見通し判定が行われる構成であってもよい。
図16~図23は、本発明の第2の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図16~図23には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11と、が示されている。また、図16~図23には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の中央の位置である壁面位置h11-1及び住宅h11の一壁面の端部の位置である壁面位置h11-2と、壁面位置h11-1及び壁面位置h11-2にそれぞれ設置された場合の端末局t11と、が示されている。また、図16~図21には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、住宅h17と、住宅h18と、が示されている。
なお、図16~図21は、上記の各物体の水平面上での位置関係を表した図であり、これらの位置関係は、図16~図21において共通である。また、図16~図21に示される、基地局b11の設置候補位置である電柱p11と、端末局t11の設置候補位置である壁面位置h11-1及びh11-2を有する住宅h11と、住宅h12と、住宅h13との位置関係は、前述の図6に示される電柱p11と各住宅との位置関係と同じである。
図16に示されるように、水平面上において、基地局装置の設置候補位置である電柱p11と端末局の設置候補位置である住宅h11の壁面との間は、住宅h12が存在していることにより見通しが無い。そこで、地図見通し判定部16は、複数回の反射も許容した反射見通し判定を行う。
まず、地図見通し判定部16は、反射面となる壁面の候補を抽出する。図17は、6つの反射面候補(反射面候補α、β、γ、δ、ε、ζ)が抽出された様子を表す。図17には、基地局b11から各反射面候補への電波の伝搬経路となりうる領域が示されている。
次に、地図見通し判定部16は、抽出された各反射面候補によって基地局b11の鏡像となる位置を特定する。図18に示されるように、反射面候補αによる基地局b11の鏡像の位置は鏡像Aの位置である。反射面候補βによる基地局b11の鏡像の位置は鏡像Bの位置である。反射面候補γによる基地局b11の鏡像の位置は鏡像Cの位置である。反射面候補δによる基地局b11の鏡像の位置は鏡像Dの位置である。反射面候補εによる基地局b11の鏡像の位置は鏡像Eの位置である(なお、図18~図20に示される、反射面候補εと鏡像Eとの位置関係は、前述の図6に示される、反射面m11と鏡像p11mとの位置関係と同じである)。反射面候補ζによる基地局b11の鏡像の位置は鏡像Fの位置である。
次に、地図見通し判定部16は、上記の反射面候補によって反射した反射波が到達する建物の壁面である他の反射面候補によってさらに鏡像となる位置(すなわち、上記特定された鏡像の鏡像の位置)を特定する。図19に示されるように、具体的には、例えば、上記の反射面候補βによって反射した反射波が到達する住宅h18の壁面は反射面候補ηである。反射面候補ηによる鏡像Bの鏡像の位置は鏡像Gの位置である。
一方、図19に示されるように、反射面候補εで反射する反射波は、端末局t11の設置候補位置である壁面位置h11-2に到達することが分かる。したがって、地図見通し判定部16は、反射面候補εでの電波の反射により、1回の反射で反射見通しが有る組合せ候補があることを認識することができる。
次に、地図見通し判定部16は、反射面候補ηで再反射する反射波が伝搬する領域を特定する。図20に示されるように、地図見通し判定部16は、鏡像Gと、端末局t11の設置候補位置である壁面位置h11-1とを結ぶ経路に基づいて、反射点Cを特定する。地図見通し判定部16は、反射点Cと、反射面候補βとに基づいて、鏡像反射点cを特定する。地図見通し判定部16は、基地局の設置候補位置である電柱p11と、反射面候補βと、鏡像反射点cとに基づいて、反射点Bを特定する。反射点B及び反射点Cが特定されたことにより、地図見通し判定部16は、反射点B及び反射点Cでの電波の2回の反射によって、反射見通しが有る組合せ候補があることを認識することができる。
なお、図21に示されるように、反射点Aで反射する電波の伝搬経路は、住宅h11の壁面位置h11-2に対しては反射見通しがあるが、住宅h11の壁面位置h11-1に対しては住宅h12が遮蔽物となるため反射見通しが無い(なお、図20~図21に示される反射点Aの位置は、前述の図6に示される反射点r11の位置と同じである)。一方、反射点B及び反射点Cで反射する電波の伝搬経路は、住宅h11の壁面位置h11-1に対しては反射見通しがあるが、住宅h11の壁面位置h11-2に対しては住宅h12が遮蔽物となるため反射見通しが無い。
次に、地図見通し判定部16は、垂直断面上での反射見通し判定を行う。図22の上側の図には、水平面上での、反射点B及び反射点Cで反射する電波の伝搬経路が示されている。また、図22の下側の図は、上記の水平面上での電波の伝搬経路が、垂直断面上に投影された様子を表している。
図23には、図22の下側の図に示される垂直断面上の電波の伝搬経路が、更に詳細に示されている。地図見通し判定部16は、反射面候補βによる、基地局の設置候補位置である電柱p11の鏡像の位置が、鏡像B(鏡像基地局)の位置であることを特定する。地図見通し判定部16は、反射面候補ηによる、反射面候補β上の反射点Bの鏡像の位置が鏡像反射点bの位置であることを特定する。地図見通し判定部16は、反射面候補βによる、反射面候補η上の反射点Cの鏡像の位置が鏡像反射点cの位置であることを特定する。地図見通し判定部16は、反射面候補ηによる、端末局の設置候補位置である住宅h11の壁面位置h11-1の鏡像の位置が鏡像端末局の位置であることを特定する。
図23に示されるように、垂直断面上において、基地局b11の設置候補位置である電柱p11と、反射点Bと、鏡像反射点cとは、同一の直前上に位置する。また、垂直断面上において、鏡像基地局(鏡像B)の位置と、反射点Bの位置と、反射点Cの位置と、鏡像端末局の位置とは、同一の直線上に位置する。また、垂直断面上において、鏡像反射点bと、反射点Cと、端末局t11の設置候補位置である壁面位置h11-1とは、同一の直線上に位置する。
反射点Bは、住宅h17の壁面に位置する必要があることから、地図見通し判定部16は、住宅h17の壁面の高さと反射点Bの高さとを比較し、住宅h17の壁面の高さが反射点Bの高さより低い場合には、反射見通しが無いと認識することができる。また、反射点Cは、住宅h18の壁面に位置する必要があることから、地図見通し判定部16は、住宅h18の壁面の高さと反射点Cの高さとを比較し、住宅h18の壁面の高さが反射点Cの高さより低い場合には、反射見通しが無いと認識することができる。
なお、置局設計支援装置1は、上記の反射見通し判定によって絞り込まれた組合せ候補のそれぞれについて、例えばレイトレーシング法(非特許文献1~6を参照)を用いて電波伝搬のシミュレートを行い、伝搬品質の値が所定値以上となる組合せ候補のみとなるように、さらに組合せ候補の絞り込みを行うようにしてもよい。
<第3の実施形態>
前述の実施形態では、置局設計支援装置1は、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との見通しを判定するにあたって、水平面上での見通し判定を行った後、垂直断面上での見通し判定を行う構成であった。一方、以下に説明する第3の実施形態における置局設計支援装置1では、高さ方向の見通し判定をより簡単な構成にすることができる。
図24~図26は、本発明の第3の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図24には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11が示されている。また、図24には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の中央の位置である壁面位置h11-1と、壁面位置h11-1に設置された場合の端末局t11と、が示されている。また、図24には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、が示されている。
図24に示されるように、電柱p11と壁面位置11-1との間には住宅h12が存在する。したがって、地図見通し判定部16は、水平面上での見通し判定を行った場合、この組合せ候補については、水平面上での見通しは無いと判定する。
しかしながら、図25に示されるように、垂直断面上で見れば、住宅h12の高さが、基地局b11の設置候補位置と端末局t11の設置候補位置とを結ぶ直線の高さより低いことによって、垂直断面上での見通し有る場合がある。
本実施形態では、地図見通し判定部16は、所定の高さの水平面である基準面を設定し、基準面上での見通し判定を行う。例えば、地図見通し判定部16は、電柱p11において基地局b11が設置される高さの水平面を基準面として設定する。図25に、基地局b11が設置される高さに設定された基準面rp11を示す。
図26に示されるように、基準面上での見通し判定が行われる場合、基準面の高さに満たない住宅h12は、地図見通し判定部16によって遮蔽物の対象であるとは認識されない。これにより、地図見通し判定部16は、基地局の設置候補位置である電柱p11と端末局の設置候補位置である壁面位置h11-1との間は、見通しが有ると認識することができる。
このように、第3の実施形態の置局設計支援装置1は、基準面の設定によって高さ情報を考慮されたもとで、水平面である基準面上での見通し判定を行うため、前述の垂直断面上での見通し判定を省略させることができる。
[置局設計支援装置の動作]
以下、第3の実施形態における置局設計支援装置1の動作の一例について説明する。なお、第3の実施形態における置局設計支援装置1の動作において、図2に示されるフローチャートのステップS6以外の動作は、前述の第1の実施形態における置局設計支援装置1の動作と同様である。したがって、以下、図3のフローチャートのステップS6に示される地図情報に基づく見通し判定による組合せ候補群の絞り込みの動作についてのみ説明する。
図27は、本発明の第3の実施形態の地図見通し判定部16による見通し判定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
地図見通し判定部16は、所定の高さの水平面である基準面を設定する(ステップS621)。例えば、地図見通し判定部16は、電柱p11において基地局b11が設置される高さの水平面を基準面として設定する。
地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を取得する。地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群の中から、まだ見通し判定がなされていない組合せ候補を1つ選択する(ステップS622)。
地図見通し判定部16は、選択された組合せ候補が示す、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の、基準面上での見通し判定を行う(ステップS623)。地図見通し判定部16は、見通し判定の結果、基準面上での見通しが無いと判定された場合(ステップS623・NO)、取得された組合せ候補群から、上記選択された組合せ候補を削除する(ステップS624)。
地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定を行うまで、上記ステップS622からステップS624までの動作を繰り返す(ステップS625)。取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定が行われた場合、図2に示されるフローチャートのステップS7へ進む。
以上説明したように、本発明の第3の実施形態における置局設計支援装置1は、所定の高さの水平面である基準面を設定し、基準面上での見通し判定を行う。これにより、置局設計支援装置1は、水平面である基準面上での見通し判定を行うだけで、高さ方向の簡易な見通し判定も併せて行うことができるため、前述の垂直断面上の見通し判定の処理を省略させることができる。
このような構成を備えることで、本発明の第3の実施形態における置局設計支援装置1は、とくに高さ方向の見通し判定における計算量を削減しつつ、組合せ候補を適切に提示することができる。
<第4の実施形態>
前述の実施形態では、置局設計支援装置1は、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との反射見通しを判定するにあたって、水平面上での反射見通し判定を行った後、垂直断面上での反射見通し判定を行う構成であった。一方、以下に説明する第4の実施形態における置局設計支援装置1では、高さ方向の反射見通し判定をより簡単な構成にすることができる。
図28~図30は、本発明の第4の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図28には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11と、が示されている。また、図28には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の端部の位置である壁面位置h11-2と、壁面位置h11-2に設置された場合の端末局t11と、が示されている。また、図28には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、が示されている。
図28に示されるように、電柱p11と壁面位置11-2との間には住宅h12が存在する。しかしながら、地図見通し判定部16は、水平面上での反射見通し判定を行った場合、反射面候補ε(住宅h13の壁面)による反射を含む電波の伝搬経路を特定することができるため、この組合せ候補については、水平面上での反射見通しが有ると判定する。
しかしながら、図29に示されるように、住宅h13の高さが、基地局b11の設置候補位置と端末局t11の設置候補位置とを結ぶ直線の高さより低いことによって、反射点となる位置に壁面が存在せず、垂直断面上での反射見通しが無い場合がある。
本実施形態では、地図見通し判定部16は、所定の高さの水平面である基準面を設定し、基準面上での反射見通し判定を行う。例えば、地図見通し判定部16は、電柱p11において基地局b11が設置される高さの水平面を基準面として設定する。図29に、基地局b11が設置される高さに設定された基準面rp11を示す。
図30に示されるように、基準面上での反射見通し判定が行われる場合、基準面の高さに満たない住宅h13は、地図見通し判定部16によって反射面の対象となる壁面を有する建物であるとは認識されない。これにより、地図見通し判定部16は、基地局の設置候補位置である電柱p11と端末局の設置候補位置である壁面位置h11-1との間は、利用できる反射面が存在しないことから、反射見通しが無いと認識することができる。
このように、第4の実施形態の置局設計支援装置1は、基準面の設定によって高さ情報が考慮されたもとで、水平面である基準面上での反射見通し判定を行うため、前述の垂直断面上での反射見通し判定を省略させることができる。
[置局設計支援装置の動作]
以下、第4の実施形態における置局設計支援装置1の動作の一例について説明する。なお、第4の実施形態における置局設計支援装置1の動作において、図2に示されるフローチャートのステップS6以外の動作は、前述の第1の実施形態における置局設計支援装置1の動作と同様である。したがって、以下、図4のフローチャートのステップS6に示される地図情報に基づく見通し判定による組合せ候補群の絞り込みの動作についてのみ説明する。
図31は、本発明の第4の実施形態の地図見通し判定部16による見通し判定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
地図見通し判定部16は、所定の高さの水平面である基準面を設定する(ステップS631)。例えば、地図見通し判定部16は、電柱p11において基地局b11が設置される高さの水平面を基準面として設定する。
地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を取得する。地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群の中から、まだ見通し判定がなされていない組合せ候補を1つ選択する(ステップS632)。
地図見通し判定部16は、基準面上において、選択された組合せ候補に基づく基地局の設置候補位置から見通しが有る反射面を抽出する(ステップS633)。また、地図見通し判定部16は、基準面上において、選択された組合せ候補に基づく端末局の設置候補位置から見通しが有る反射面を抽出する(ステップS634)。
地図見通し判定部16は、ステップS633において抽出された基地局の設置候補位置から見通しが有る反射面と、ステップS634において抽出された端末局の設置候補位置から見通しが有る反射面とを照合し、両局から見通しが有る反射面が存在するか否かを特定する(ステップ635)。
地図見通し判定部16は、照合の結果、両局から見通しが有る反射面が存在しないと判定された場合(ステップS635・NO)、取得された組合せ候補群から、上記選択された組合せ候補を削除する(ステップS636)。
地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について反射見通し判定を行うまで、上記ステップS632からステップS636までの動作を繰り返す(ステップS637)。取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定が行われた場合(ステップS637・YES)、図2に示されるフローチャートのステップS7へ進む。
以上説明したように、本発明の第4の実施形態における置局設計支援装置1は、所定の高さの水平面である基準面を設定し、基準面上での反射見通し判定を行う。これにより、置局設計支援装置1は、水平面である基準面上での反射見通し判定を行うだけで、高さ方向の簡易な反射見通し判定も同時に行うことができるため、前述の垂直断面上の反射見通し判定の処理を省略させることができる。
なお、図31のフローチャートに示される反射見通し判定の一連の処理は、前述の図8に示されるフローチャートに組み入れられてもよい。この場合、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の直接の見通し判定に係る処理と、図31に示される反射見通し判定の一連の処理とを併せて実施することが可能になる。
このような構成を備えることで、本発明の第4の実施形態における置局設計支援装置1は、とくに高さ方向の反射見通し判定における計算量を削減しつつ、組合せ候補を適切に提示することができる。
<第5の実施形態>
前述の第4の実施形態では、置局設計支援装置1は、例えば基地局が設置される高さ等の所定の高さの水平面を基準面として設定し、基準面上での反射見通し判定を行う構成であった。ここで、基準面の高さが低いほど、反射面となる壁面を有する建物の個数が増えることから、の反射見通し判定によって絞り込まれた後の組合せ候補の個数がより多くなることが見込まれる。以下に説明する第5の実施形態における置局設計支援装置1は、絞り込まれた後の組合せ候補の個数が所望の数になるように、基準面の高さを調節する。
図32~図35は、本発明の第5の実施形態の置局設計支援装置1による見通し判定の一例を説明するための図である。
図32には、基地局の設置候補位置である電柱p11と、当該電柱p11に設置された場合の基地局b11と、が示されている。また、図32には、端末局の設置候補位置である住宅h11の一壁面の端部の位置である壁面位置h11-2と、壁面位置h11-2に設置された場合の端末局t11と、が示されている。また、図32には、基地局b11と端末局t11との間の電波の伝搬を遮る遮蔽物となりうる、住宅h12と、住宅h13と、が示されている。
また、図32には、3種類の高さの基準面が示されている。基準面rp11は、基地局b11の設置候補位置の高さの水平面である。また、基準面rp12は、上記の基準面rp11より低い高さの水平面である。また、基準面rp13は、上記の基準面rp12よりさらに低い高さの水平面である。
図32に示されるように、住宅h11の高さは、基準面rp11より高い。また、住宅h12の高さは、基準面rp12より高く、基準面rp11より低い。また、住宅h13の高さは、基準面rp13より高く、基準面rp12より低い。なお、端末局t11の設置候補位置である壁面位置h11-2は、基準面rp13より低い。
図33は、基準面rp11に設定がなされた場合における反射見通し判定の様子を示している。図示されるように、基準面rp11では、当該基準面rp11より高さが低い住宅h12及び住宅h13は反射面の対象となる壁面を有する建物とは認識されない。そのため、基準面rp11に設定がなされた場合には、反射面となる建物の壁面が存在しないことから、地図見通し判定部16は、この組合せ候補は反射見通しが無いと判定する。
図34は、基準面rp12に設定がなされた場合における反射見通し判定の様子を示している。図示されるように、基準面rp12では、当該基準面rp12より高さが低い住宅h13は反射面の対象となる壁面を有する建物とは認識されない。一方、図示されるように、基準面rp12では、当該基準面rp12より高さが高い住宅h12は反射面の対象となる壁面を有しうる建物と認識される。しかしながら、電柱p11と、壁面位置h11-2と、住宅h12との位置関係から、住宅h12には反射面候補となる壁面が存在しないため、地図見通し判定部16は、この組合せ候補は反射見通しが無いと判定する。
図35は、基準面rp13に設定がなされた場合における反射見通し判定の様子を示している。図示されるように、基準面rp13では、当該基準面rp13より高さが高い住宅h12及び住宅h13は反射面の対象となる壁面を有しうる建物と認識される。しかしながら、電柱p11と、壁面位置h11-2と、住宅h12との位置関係から、住宅h12には反射面候補となる壁面が存在しない。一方、電柱p11と、壁面位置h11-2と、住宅h13との位置関係から、住宅h13には反射面候補となる壁面が存在する。これにより、地図見通し判定部16は、この組合せ候補は反射見通しが有ると判定する。
このように、基準面の高さがより低くなるほど、組合せ候補群の中で、反射見通しが有ると判定される組合せ候補の個数が多くなる。本実施形態の置局設計支援装置1は、反射見通し判定後の組合せ候補の個数が所望の個数になるように、基準面の高さを調節する。
[置局設計支援装置の動作]
以下、第5の実施形態における置局設計支援装置1の動作の一例について説明する。なお、第5の実施形態における置局設計支援装置1の動作において、図2に示されるフローチャートのステップS6以外の動作は、前述の第1の実施形態における置局設計支援装置1の動作と同様である。したがって、以下、図5のフローチャートのステップS6に示される地図情報に基づく見通し判定による組合せ候補群の絞り込みの動作についてのみ説明する。
図36は、本発明の第5の実施形態の地図見通し判定部16による見通し判定処理の動作の一例を示すフローチャートである。
地図見通し判定部16は、所定の高さの水平面である基準面を設定する(ステップS641)。地図見通し判定部16は、複数の高さの基準面のうち、最も高さが高い基準面を設定する。例えば、地図見通し判定部16は、電柱p11において基地局b11が設置される高さの水平面を基準面として設定する。
地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された組合せ候補群を示す情報、設備情報、及び地図情報を取得する。地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群の中から、まだ見通し判定がなされていない組合せ候補を1つ選択する(ステップS642)。
地図見通し判定部16は、基準面上において、選択された組合せ候補に基づく基地局の設置候補位置から見通しが有る反射面を抽出する(ステップS643)。また、地図見通し判定部16は、基準面上において、選択された組合せ候補に基づく端末局の設置候補位置から見通しが有る反射面を抽出する(ステップS644)。
地図見通し判定部16は、ステップS643において抽出された基地局の設置候補位置から見通しが有る反射面と、ステップS644において抽出された端末局の設置候補位置から見通しが有る反射面とを照合し、両局から見通しが有る反射面が存在するか否かを特定する(ステップ645)。
地図見通し判定部16は、照合の結果、両局から見通しが有る反射面が存在しないと判定された場合(ステップS645・NO)、取得された組合せ候補群から、上記選択された組合せ候補を削除する(ステップS646)。
地図見通し判定部16は、取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について反射見通し判定を行うまで、上記ステップS642からステップS646までの動作を繰り返す(ステップS647)。
取得された組合せ候補群に含まれる全ての組合せ候補について見通し判定が行われた場合(ステップS647・YES)、地図見通し判定部16は、組合せ候補群に含まれる、反射見通し判定によって絞り込まれた組合せ候補の個数をカウントする。組合せ候補群に含まれる組合せ候補の個数が所定数に満たない場合(ステップS648・NO)、地図見通し判定部16は、上記の反射見通し判定によって組合せ候補が絞り込まれた組合せ候補群を削除する(ステップS649)。
地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された、反射見通し判定が行われる前の組合せ候補群を再度読み込む(ステップS650)。すなわち、地図見通し判定部16は、組合せ候補群をリセットする。地図見通し判定部16は、基準面の高さを一段低い高さに再設定する(ステップS651)。このとき、地図見通し判定部16は、記憶部30に記憶された全ての組合せ候補について、再びまだ見通し判定がなされていないものと見なす。これにより、上記のステップS642において、全ての組合せ候補が再び選択候補となる。
地図見通し判定部16は、反射見込み判定によって絞り込まれた組合せ候補群に含まれる組合せ候補の個数が所定数以上になるまで、上記ステップS642からステップS651までの動作を繰り返す(ステップS648)。組合せ候補群に含まれる組合せ候補の個数が所定数以上になった場合(ステップS648・YES)、図2に示されるフローチャートのステップS7へ進む。
以上説明したように、本発明の第5の実施形態における置局設計支援装置1は、所定の高さの水平面である基準面を設定し、基準面上での反射見通し判定を行う。そして、置局設計支援装置1は、反射見通し判定によって絞り込まれた組合せ候補群に含まれる組合せ候補の個数が所定数に満たない場合には、基準面の高さを少し低くして、再度、基準面上での反射見通し判定を行う。置局設計支援装置1は、反射見通し判定によって絞り込まれた組合せ候補群に含まれる組合せ候補の個数が所定数以上になるまで、基準面の高さを少しずつ下げながら、基準面上での反射見通し判定を繰り返す。
これにより、本発明の第5の実施形態における置局設計支援装置1は、所望の個数の組合せ候補からなる組合せ候補群を得ることができる。また、置局設計支援装置1は、水平面である基準面上での反射見通し判定を行うだけで、高さ方向の簡易な反射見通し判定も同時に行うことができるため、前述の垂直断面上の反射見通し判定の処理を省略させることができる。
なお、図36のフローチャートに示される反射見通し判定の一連の処理は、前述の図8に示されるフローチャートに組み入れられてもよい。この場合、基地局の設置候補位置と端末局の設置候補位置との間の直接の見通し判定に係る処理と、図36に示される反射見通し判定の一連の処理とを併せて実施することが可能になる。
このような構成を備えることで、本発明の第5の実施形態における置局設計支援装置1は、とくに高さ方向の反射見通し判定における計算量を削減しつつ、組合せ候補を適切に提示することができる。
なお、上記の各実施形態において、基地局と端末局とが行う無線通信として、ミリ波無線を一例として示していたが、ミリ波無線通信以外の地上波デジタル通信、衛星電波による通信、UHF(Ultra High Frequency)を用いた通信であってもよい。
上述した実施形態によれば、置局設計支援装置は、生成部と、第1判定部と、第2判定部と、出力部と、を備える。例えば、置局設計支援装置は、実施形態における置局設計支援装置1であり、生成部は、実施形態における組合せ候補群生成部15であり、第1判定部は、実施形態における地図見通し判定部16であり、第2判定部は、実施形態における点群見通し判定部23であり、出力部は、実施形態における組合せ候補群出力部40である。
上記の生成部は、評価対象エリアにおける、第1無線局の設置候補位置と、第1無線局と通信を行う第2無線局の設置候補位置と、の組合せの集合である第1組合せ候補群を生成する。例えば、第1無線局は、実施形態における基地局b11であり、第2無線局は実施形態における端末局t11であり、第1組合せ候補群は、実施形態における組合せ候補群生成部15によって記憶部30に記憶させられる組合せ候補群である。
上記の第1判定部は、第1組合せ候補群に含まれる組合せごとに、評価対象エリアに存在する電波を遮蔽又は反射しうる物体の平面上の位置と高さを示す情報を含む第1の環境情報に基づいて、第1無線局の設置候補位置と第2無線局の設置候補位置との間の見通しの有無を判定する。例えば、電波を遮蔽又は反射しうる物体は、実施形態における住宅h11~h18等の遮蔽物であり、第1の環境情報は、実施形態における地図情報及び設備情報である。
上記の第2判定部は、第1判定部によって見通しが有ると判定された組合せごとに、第1の環境情報より情報量の多い第2の環境情報に基づいて、第1無線局の設置候補位置と第2無線局の設置候補位置との間の見通しの有無を判定する。例えば、第2の環境情報は、実施形態における点群データである。
上記の出力部は、第2判定部によって見通しが有ると判定された組合せの集合である第2組合せ候補群を出力する。例えば、第2組合せ候補群は、実施形態における、地図見通し判定部16による見通し判定、及び点群見通し判定部23による見通し判定による組合せ候補の絞り込みがなされた後の組合せ候補群である。
なお、上記の第1判定部は、上記の物体が上記の情報に基づく高さを有する柱状の物体であるものと見なして見通しの有無を判定するようにしてもよい。
なお、上記の第1の環境情報には、上記の物体の屋根の形状に関する情報が含まれていてもよい。この場合、上記の第1判定部は、屋根の形状を考慮して見通しの有無を判定するようにしてもよい。
なお、上記の第1判定部は、上記の電波を反射しうる物体による電波の反射を含んだ見通しの有無を判定するようにしてもよい。
なお、上記の第1判定部は、第1無線局と第2無線局との間で生成されるフレネルゾーンの遮蔽率に基づいて見通しの有無を判定するようにしてもよい。例えば、フレネルゾーンは、実施形態におけるフレネルゾーンfz11である。
なお、上記の第1判定部は、所定の高さの水平面である基準面を評価対象エリアに対して設定し、基準面の高さと上記の物体の高さとに基づいて見通しの有無を判定するようにしてもよい。
なお、上記の第1判定部は、第2組合せ候補群に含まれる組合せの個数が所定数以上となるように基準面の高さを設定するようにしてもよい。
上述した各実施形態における置局設計支援装置1をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。