JP7619786B2 - メルトブロー不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
したがって本発明の課題は、メルトブロー不織布の製造方法の改良にあり、更に詳しくは細径のメルトブロー不織布を生産性よく製造し得る方法を提供することにある。
前記繊維形成性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用い、
前記熱風が噴出される前記スリットの出口部よりも下方の位置において、前記繊維に冷却風を吹き付けて該繊維を冷却し、
前記紡糸ノズルの直下における雰囲気温度が、前記ポリプロピレン系樹脂の融点よりも125℃以上高くなるように、且つ、該紡糸ノズル直下の雰囲気温度と該紡糸ノズルから35mm離れた位置での雰囲気温度との差が120℃以上になるように紡糸条件を設定するとともに、
前記冷却風の風量を、前記熱風の風量の1.5倍以上4倍未満に設定する、メルトブロー不織布の製造方法を提供することによって前記の課題を解決したものである。
紡糸ヘッド10はホッパー11を有する押出機12に接続されている。ホッパー11には、メルトブロー不織布の原料である繊維形成性樹脂のペレットが充填されている。ホッパー11から供給された樹脂は押出機12内で溶融混練された溶融物となり、該溶融物が紡糸ヘッド10に供給される。
各吹き出しノズル30a,30bの後端は、図2に示すとおり、冷却風流路31a,31bを介して、マニホールドブロック32a,32bの内部に設けられた第2マニホールド33a,33bに接続されている。マニホールドブロック32a,32bはダイ本体20a,20bの側面に取り付けられている。第2マニホールド33a,33bは、上述した冷却風の供給部14(図1参照)と連通している。
ホモポリマーの種類に特に制限はなく、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン及びアタクチックポリプロピレンのいずれを用いてもよい。
一方、コポリマーを用いる場合、該コポリマーはランダムコポリマーやブロックコポリマーであり得る。いずれの場合においても、α-オレフィンとして炭素数が好ましくは2以上、更に好ましくは2以上8以下のものを用いることができる。そのようなα-オレフィンとしては例えばエチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンなどが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂の中でも、繊維の細径化を図る観点や価格と性能とのバランスがよい点等から、プロピレンのホモポリマーを用いることが好ましい。
詳細には、紡糸ノズル23直下の雰囲気温度をT0とし、紡糸ノズル23から35mm離れた位置での雰囲気温度をT35としたとき、T0とT35との温度差、すなわち(T0-T35)が好ましくは120℃以上、更に好ましくは130℃以上、一層好ましくは150℃以上になるように紡糸条件を設定することが、紡出された繊維の細径化、及び繊維どうしが接触することに起因する繊維の太径化の抑制の観点から有利である。雰囲気温度は、紡糸線上(図3における符号Lで示す一点鎖線上)において、樹脂が吐出されていない熱風の吹出部に熱電対を設置することで測定できる。外気の影響をできるだけ受けにくくする目的で、熱電対は、紡糸された繊維が絡まない限度において、熱風の吹出部のうち、樹脂の吹出部寄りの場所に熱電対を設置することが好ましい。
紡糸ノズル23の孔径に関しては、繊維の細径化の観点から、好ましくは0.2mm以下に設定し、更に好ましくは0.19mm以下、一層好ましくは0.18mm以下に設定する。また、メルトブロー不織布の生産性を向上させる観点から、好ましくは0.13mm以上に設定し、更に好ましくは0.14mm以上、一層好ましくは0.15mm以上に設定する。
紡糸ノズル23のピッチP(図4参照)に関しては、メルトブロー不織布の生産性を向上させる観点から、好ましくは0.9mm以下に設定し、更に好ましくは0.6mm以下、一層好ましくは0.3mm以下に設定する。また、安定紡糸の観点及び繊維の十分な冷却化の観点から、好ましくは0.20mm以上に設定し、更に好ましくは0.22mm以上、一層好ましくは0.24mm以上に設定する。
また、以上の諸条件を採用することで、得られるメルトブロー不織布における地合指数が好ましくは350以下、更に好ましくは300以下、一層好ましくは280以下という良好な地合の不織布が得られるように紡糸を行うことができる。地合指数は、不織布の地合の良否の評価基準となり、その値が小さいほど不織布の地合が良好であることを意味する。前記の地合指数の値は、不織布の目付が5g/m2のときに満足することが好ましい。
(ア)耐水性に優れることは、本製造方法で得られたメルトブロー不織布を、例えば生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品の裏面シートや、前後端や側方に配する立体ガードの構成シート等として用いた場合に、防漏性が高くなる等の利点がある。
(イ)フィルタ性に優れることは、本製造方法で得られたメルトブロー不織布を、各種分離膜や衛生マスク等として用いた場合に、除去したい異物を効率よく捕集できる等の利点がある。
おむつ等から測定対象の不織布を得る場合は、コールドスプレー又は有機溶剤でホットメルト接着剤を無効化させ、測定対象の不織布を丁寧に剥がして単離する。この工程は、特に記載がない限り、本明細書中において、すべての測定に共通である。
平均繊維径は、先ず、不織布からランダムに小片サンプル5個を採取する。不織布がSMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンドの3層構造不織布)形態の場合は、不織布の上面から観察してメルトブローに由来する細い繊維を測定する。次に、走査型電子顕微鏡で視野に20~60本の繊維が映るよう1000~10000倍に拡大した写真を撮影する。視野内のすべての繊維について、それぞれ1回ずつカウントするよう繊維径を測定し、繊維100本以上に対する繊維径の平均値をナノメートルオーダーで算出し、小数点以下第一位を四捨五入し算出する。このようにして得られた値を平均繊維径とする。
具体的には、メルトブロー不織布から採取した試料片を試料台の上に置き、該試料片の片面側から光を照射したときの透過像を二次元CCDカメラで捕える。試料片中の有効サイズ10cm×10cmを320×230画素に分解し、それぞれの画素が受ける光の強さを測定し、画素それぞれに対する透過率を下記の式で算出する。
透過率T(%)=〔(VT-VR)/(V100-V0)〕×100 ・・・(1)
式中、VTは点灯時(試料片有)の透過光量、VRは消灯時(試料片有)の透過光量であり、V100は点灯時(試料片無)の透過光量、V0は、消灯時(試料片無)の透過光量である。
得られた透過率Tから下記式(2)に従い吸光度を算出する。
吸光度E=2-logT ・・・(2)
得られた吸光度から下記式(3)により地合指数を算出する。
地合指数=吸光度Eの変動係数×10
=〔吸光度の標準偏差(σ)〕/〔吸光度の平均値(Eave.)〕×10 ・・・(3)
測定は10枚の試料片について行い、その平均値をメルトブロー不織布の地合指数とする。
試料片のサイズが小さく、有効サイズとして10cm×10cmの大きさが得られない場合は、該試料片を試料台中央に置き、有効サイズを該試料片の大きさ未満で且つできるだけ広い面積となるよう適宜指定して測定を行うことで、その試料片の地合指数を求めることができる。
例えば、本製造方法によって、吸収性物品の構成部材として用いられるメルトブロー不織布を得ることができる。本製造方法によって得られたメルトブロー不織布は、例えば吸収性物品の吸収体に積層して用いられる。具体的には、上述した方法でメルトブロー不織布を製造する工程と、製造された該メルトブロー不織布と吸収体とを積層する工程とを具備する方法によって吸収性物品を製造できる。
また、本発明の製造方法を実施するための紡糸ヘッド10の構造は図示したものに限られず、本発明の製造方法を実施可能な限りにおいて紡糸ヘッド10は他の構造を有していてもよい。
図1ないし4に示す製造装置を用いメルトブロー不織布を製造した。製造条件は以下に示すとおりである。
(1)樹脂
・ポリプロピレンホモポリマー(Mp:160℃、MFR:1200g/min)
(2)製造装置
・紡糸ノズル孔径:0.15mm
・紡糸ノズルピッチ:0.25mm
・紡糸ノズル列の長さ:250mm
・樹脂の温度:270℃
・単孔吐出量:0.06g/min/hole
・樹脂吐出量:14.4kg/hr/m
・熱風の温度:345℃
・熱風の風量:750Nm3/hr/m
・紡糸ノズル直下での雰囲気温度T0:322℃
・無端ベルト速度:48m/min
(3)冷却風
・温度:5℃
・冷却風を吹き付ける範囲:紡糸ノズル直下から38mmまでの範囲の全域
・風量:2500Nm3/hr/m
・紡糸ノズル直下から35mm離れた位置での雰囲気温度T35:185℃
・温度差T0-T35:137℃
(4)不織布
・目付:5g/m2
・平均繊維径:662nm
・地合指数:258
実施例1において、紡糸ノズル直下での雰囲気温度T0が以下の表1に示す値となるように熱風の温度を変更した。また、冷却風の風量を、以下の表1に示すとおりに変更した。これら以外は実施例1と同様にして目付5g/m2のメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布について測定した平均繊維径及び地合指数を同表に示す。
これに対して、比較例で得られたメルトブロー不織布は、繊維の冷却が十分でないこと(比較例1)、及び熱風の温度が十分に高くないこと(比較例2)に起因して、平均繊維径が1000nm超となってしまった。
20a,20b ダイ本体
22 紡糸ダイ
22a ダイノーズ
23 紡糸ノズル
25a,25b 第1マニホールド
27a,27b バッファ空間
28a,28b スリット
29a,29b プレート
30a,30b 冷却風の吹き出しノズル
31a,31b 冷却風流路
32a,32b マニホールドブロック
33a,33b 第2マニホールド
Claims (7)
- 間隔を置いて直列配置された複数の紡糸ノズルから繊維形成性樹脂の溶融物を吐出させるとともに、該紡糸ノズルを挟むように設けられたスリットから噴出される熱風を該溶融物に吹き付けて、該溶融物を延伸させて繊維に形成する紡糸工程を具備するメルトブロー不織布の製造方法であって、
前記繊維形成性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用い、
前記熱風が噴出される前記スリットの出口部よりも下方の位置において、前記繊維に冷却風を吹き付けて該繊維を冷却し、
前記紡糸ノズルの直下における雰囲気温度が、前記ポリプロピレン系樹脂の融点よりも125℃以上高くなるように、且つ、該紡糸ノズル直下の雰囲気温度と該紡糸ノズルから35mm離れた位置での雰囲気温度との差が120℃以上になるように紡糸条件を設定するとともに、
前記冷却風の風量を、前記熱風の風量の1.5倍以上4倍未満に設定し、
前記紡糸ノズル直下の前記雰囲気温度及び前記紡糸ノズルから35mm離れた位置での前記雰囲気温度を、紡糸線上において、前記ポリプロピレン系樹脂が吐出されていない前記熱風の吹出部に熱電対を設置することで測定する、メルトブロー不織布の製造方法。 - 前記紡糸ノズル直下から、該紡糸ノズルより少なくとも35mm離れた位置までの範囲内において、前記冷却風を繊維紡糸線上に対して両側から吹き付ける、請求項1に記載の製造方法。
- 前記紡糸ノズルの孔径が0.2mm以下であり、該紡糸ノズルのピッチが0.3mm以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記溶融物の吐出量を20kg/hr/m以下に設定して紡糸を行う、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の製造方法。
- 平均繊維径が1000nm以下となるように且つ地合指数が350以下となるように紡糸を行う、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の製造方法。
- 吸収性物品の構成材料として用いられるメルトブロー不織布を製造する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法でメルトブロー不織布を製造する工程と、製造された該メルトブロー不織布と吸収体とを積層する工程と具備する吸収性物品の製造方法。
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