JP7620504B2 - セリア系複合微粒子分散液、その製造方法及びセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液 - Google Patents
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Description
シャロートレンチ素子分離工程では、酸化ケイ素膜の研磨だけではなく、窒化ケイ素膜の研磨も行われる。素子分離を容易にするためには、酸化ケイ素膜の研磨速度が高く、窒化ケイ素膜の研磨速度が低い事が望ましく、この研磨速度比(選択比)も重要である。
このような仕上げ研磨としての2次研磨に用いる研磨剤に関して、従来、例えば次のような方法等が提案されている。
これは、焼成工程を含むセリア粒子の製造方法(焼成によりセリア粒子の結晶化度が高まる)に比べて、特許文献1に記載の酸化セリウム超微粒子の製法は、焼成工程を含まず、液相(硝酸第一セリウムを含む水溶液)から酸化セリウム粒子を結晶化させるだけなので、生成する酸化セリウム粒子の結晶化度が相対的に低く、また、焼成処理を経ないため酸化セリウムが母粒子と固着せず、酸化セリウムが研磨基材の表面に残留することが主要因であると、本発明者は推定している。
また、これら文献に記載されているセリア粒子は母粒子上に付着されたものであり、強く固着されていないので母粒子から脱落しやすい。
さらに、特許文献2に記載の真球状のシリカ母粒子上に結晶性セリア粒子を形成した砥粒を用いて研磨すると、セリア粒子の研磨時の機械的作用と同時に起こる化学的な反応によりシリカ膜の研磨速度は高いものの、高い圧力条件下では、セリア結晶が脱落や磨減、崩壊により、基板とセリアの接触面積が低下し、研磨速度が低くなる恐れがある。
本発明は以下の(1)~(10)である。
(1)下記[1]から[3]の特徴を備えるセリア系複合微粒子を含む、セリア系複合微粒子分散液。
[1]前記セリア系複合微粒子は、母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している子粒子とを有し、前記母粒子は非晶質シリカを主成分とし、前記子粒子は結晶性セリアを主成分とすること。
[2]前記セリア系複合微粒子は、次の要件を満たすこと。
1)その電子顕微鏡写真上において、前記セリア系複合微粒子の像が内接する円が存在し、更に該セリア系複合微粒子の像は、その円の該円周上の円弧と弦からなる弓形図形Xに対し次の関係にあること。
(I)弓形図形Xの弦と、少なくとも部分的に内接する。
(II)弓形図形Xの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接する。
2)前記セリア系複合微粒子の像の面積に対し、弓形図形Xの面積は1.0~1.5倍であり、弦の長さが80nm以上であり、矢高が40nm以上である。
[3]前記セリア系複合微粒子は、画像解析法による平均粒子径が50~350nmであること。
(2)前記セリア系複合微粒子は、その電子顕微鏡写真上において、弓形図形Xの弦における少なくとも20%の部分へ内接している、上記(1)記載のセリア系複合微粒子分散液。
(3)更に前記セリア系複合微粒子は、その電子顕微鏡写真上において、円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dの両側に、円弧に沿ってw/6(w:円弧の全長)ずつの長さに及ぶ円弧曲線と少なくとも部分的に内接し、該円弧曲線の両末端と接続する2つの円弧曲線とも、それぞれ少なくとも部分的に内接している、上記(1)又は(2)記載のセリア系複合微粒子分散液。
(4)さらに下記[4]の特徴を備えるセリア系複合微粒子を含む、上記(1)~(3)のいずれかに記載のセリア系複合微粒子分散液。
[4]前記セリア系複合微粒子は、子粒子の粒子径分布の変動係数が15~50%の範囲にあること。
(5)電子顕微鏡写真上において、全ての粒子に占める前記セリア系複合微粒子の個数割合が5~20%である、上記(1)~(4)のいずれかに記載のセリア系複合微粒子分散液。
(6)上記(1)または(2)に記載のセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液。
(7)シリカ膜が形成された半導体基板の平坦化用であることを特徴とする上記(6)に記載の研磨用砥粒分散液。
(8)下記の工程1および工程2を含むことを特徴とし、上記(1)~(5)のいずれかに記載のセリア系複合微粒子分散液が得られる、セリア系複合微粒子分散液の製造方法。
工程1:下記1)、2)及び3)の条件を満たすシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ系微粒子分散液を撹拌し、温度を0~20℃、pHを5.0~9.0、酸化還元電位を50~500mVに維持しながら、ここへセリウムの金属塩を連続的又は断続的に添加し、前駆体粒子を含む前駆体粒子分散液を得る工程。
1)その電子顕微鏡写真上において、前記シリカ微粒子の像が内接する円が存在し、更に該シリカ微粒子の像は、その円の円周上の円弧と弦からなる弓形図形Yに対し次の関係にあること。
(I)弓形図形Yの弦と、少なくとも部分的に内接する。
(II)弓形図形Yの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接する。
2)前記シリカ微粒子の像の面積に対し、弓形図形Yの面積は1.0~1.5倍であり、弦の長さが80nm以上であり、矢高が40nm以上である。
3)前記シリカ微粒子は、画像解析法による平均粒子径が50~350nmであること。
工程2:前記前駆体粒子分散液を乾燥させ、850~1,100℃で焼成し、得られた焼成体に溶媒を加えて、pH8.6~10.8の範囲にて、湿式で解砕処理をして前記セリア系複合微粒子分散液を得る工程。
(9)前記工程2が、前記焼成体に前記溶媒を加えて、pH8.6~10.8の範囲にて、湿式で解砕処理をした後、相対遠心加速度300G以上にて遠心分離処理を行い、続いて沈降成分を除去することにより前記セリア系複合微粒子分散液を得る工程である、上記(8)に記載のセリア系複合微粒子分散液の製造方法。
(10)前記工程1が、球状のシリカ粒子を含む分散液をpH9.5~10.5の範囲に調整し、これを湿式で解砕して前記シリカ微粒子を得る操作を含む、上記(8)または(9)に記載のセリア系複合微粒子分散液の製造方法。
本発明のセリア系複合微粒子分散液の製造方法は、このような優れた性能を示すセリア系複合微粒子分散液を効率的に製造する方法を提供するものである。
本発明のセリア系複合微粒子分散液の製造方法においては、セリア系複合微粒子に含まれる不純物を著しく低減させ、高純度化させることも可能である。
本発明のセリア系複合微粒子分散液の製造方法の好適態様によって得られる、高純度化されたセリア系複合微粒子分散液は、不純物を含まないため、半導体基板、配線基板などの半導体デバイスの表面の研磨に特に好ましく用いることができる。
また、本発明のセリア系複合微粒子分散液は、研磨用砥粒分散液として使用した場合、半導体デバイス表面の平坦化に有効であり、特にはシリカ絶縁膜が形成された基板の研磨に好適である。
本発明は、下記[1]から[3]の特徴を備えるセリア系複合微粒子を含む、セリア系複合微粒子分散液である。
[1]前記セリア系複合微粒子は、母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している子粒子とを有し、前記母粒子は非晶質シリカを主成分とし、前記子粒子は結晶性セリアを主成分とすること。
[2]前記セリア系複合微粒子は、次の要件を満たすこと。
1)その電子顕微鏡写真上において、前記セリア系複合微粒子の像が内接する円が存在し、更に該セリア系複合微粒子の像は、その円の該円周上の円弧と弦からなる弓形図形Xに対し次の関係にあること。
(I)弓形図形Xの弦と、少なくとも部分的に内接する。
(II)弓形図形Xの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接する。
2)前記セリア系複合微粒子の像の面積に対し、弓形図形Xの面積は1.0~1.5倍であり、弦の長さが80nm以上であり、矢高が40nm以上である。
[3]前記セリア系複合微粒子は、画像解析法による平均粒子径が50~350nmであること。
このようなセリア系複合微粒子分散液を、以下では「本発明の分散液」ともいう。
また、上記[1]から[3]の特徴を備えるセリア系複合微粒子を、以下では「本発明の複合微粒子」ともいう。
工程1:下記1)、2)及び3)の条件を満たすシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ系微粒子分散液を撹拌し、温度を0~20℃、pHを5.0~9.0、酸化還元電位を50~500mVに維持しながら、ここへセリウムの金属塩を連続的又は断続的に添加し、前駆体粒子を含む前駆体粒子分散液を得る工程。
1)その電子顕微鏡写真上において、前記シリカ微粒子の像が内接する円が存在し、更に該シリカ微粒子の像は、その円の円周上の円弧と弦からなる弓形図形Yに対し次の関係にあること。
(I)弓形図形Yの弦と、少なくとも部分的に内接する。
(II)弓形図形Yの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接する。
2)前記シリカ微粒子の像の面積に対し、弓形図形Yの面積は1.0~1.5倍であり、弦の長さが80nm以上であり、矢高が40nm以上である。
3)前記シリカ微粒子は、画像解析法による平均粒子径が50~350nmであること。
工程2:前記前駆体粒子分散液を乾燥させ、850~1,100℃で焼成し、得られた焼成体に溶媒を加えて、pH8.6~10.8の範囲にて、湿式で解砕処理をして前記セリア系複合微粒子分散液を得る工程。
このような製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
電子顕微鏡写真とは、走査型電子顕微鏡写真(画像)または透過型電子顕微鏡写真(画像)を意味する。なお、走査型電子顕微鏡写真(画像)を「SEM」、透過型電子顕微鏡写真(画像)を「TEM」と表示する場合がある。
同様に「シリカ系微粒子の像」あるいは「シリカ微粒子の像」の記載は、それぞれ「シリカ系微粒子の電子顕微鏡写真」あるいは「シリカ微粒子の電子顕微鏡写真」を意味する。
また、「セリア系複合微粒子は、その電子顕微鏡写真上において」の記載は、特に断りの無い限り、「セリア系複合微粒子の電子顕微鏡写真において」を意味する。同様に「シリカ系微粒子は、その電子顕微鏡写真において」の記載は、「シリカ系微粒子の電子顕微鏡写真において」を意味し、「シリカ微粒子は、その電子顕微鏡写真において」の記載は、「シリカ微粒子の電子顕微鏡写真において」を意味する。
本発明の複合微粒子は、後に述べるように擬球欠状の構造をとることを特徴とする。
本発明の複合微粒子の形状について、図1を用いて説明する。
図1(a)は、10万倍に拡大した本発明の複合微粒子のSEM画像である。また、図1(a)には、本発明の複合微粒子を内接する弓形図形Xを特定するための線も示している。そして、図1(b)は、図1(a)によって特定された弓形図形Xを示している。
(a)1:複合微粒子 5:弦 3:円
(b)7:円弧 9:矢高 D:円弧7の等分点
10:弓形図形X
L1:円弧7の始点 L2:円弧7の終点
S:円弧7上であって、等分点DからL1側に、円弧7の全長(w)の6分の1相当に位置する点
T:円弧7上であって、等分点DからL2側に、円弧7の全長(w)の6分の1相当に位置する点
S-T:円弧7上であって、点Sと点Tを結ぶ円弧曲線
初めに、10万倍に拡大した本発明の複合微粒子1の電子顕微鏡写真(図1の場合はSEM画像)を用意する。
そして、該画像上の1つの複合微粒子について、その複合微粒子外周のできるだけ多くの部分が内接する円3を決定する。次に、その円3において、その複合微粒子の像の外周のできるだけ多くの部分に内接する弦5を決定する。円3と弦5を決定することにより、弦5と円弧7からなる弓形図形が特定される。
前記図1(a)の方法で、複合微粒子1の像が内接する円3と弦5を決定する。
弦5と円3の2つの交点をそれぞれ始点L1、終点L2とし、円周上で始点L1と終点L2を結ぶ曲線を円弧7とする。ここで弦5と円弧7からなる弓形図形が特定される。
このような弓形図形であって、複合微粒子1の像と、前記弓形図形の関係において、複合微粒子1の像が、円弧7を等分する等分点Dと内接し、等分点Dから円弧7の始点L1方向の円弧曲線(D-L1)及び同じく等分点Dから円弧7の終点L2方向の円弧曲線(D-L2)の両円弧曲線にそれぞれ少なくとも部分的に内接する関係である弓形図形を選び、円弧7と弦5とからなる弓形図形の矢高9の長さと、弓形図形の面積(面積SXとする)を求める。
そして、弦5の長さが80nm以上、矢高9の長さが40nm以上であって、かつ、その弓形図形の面積SXが本発明の複合微粒子1の像の面積(面積S0とする)に対して1.0~1.5倍(面積SX/面積S0)である場合、その円弧7と弦5とからなる弓形図形を弓形図形Xとする。
また、このような弓形図形Xが特定される場合、対応する複合微粒子の像を、本発明の複合微粒子1の像とする。
本発明の複合微粒子は、この様な擬球欠状の構造をとり、特に研磨用砥粒として用いた場合、滑り摩擦の作用が働きやすいため、研磨速度向上に寄与するものと考えられる。
弓形図形Xの面積SXは、擬球欠状である本発明の複合微粒子1の像の面積S0に対して1.0~1.5倍の範囲にあり、他の要件(弦の長さ範囲、矢高の長さ範囲、複合微粒子の平均粒子径範囲及び前記(I)と(II)の内接に関する要件)を満たす本発明の複合微粒子は、研磨用の砥粒として用いた場合、被研磨基板との間での滑り摩擦がはたらきやすく研磨レート向上に寄与することができる。
また、平均粒子径が350nmを超える場合、研磨対象の基板の面精度低下を招く可能性もある。
なお、本発明の複合微粒子の平均粒子径は、次のような画像解析法によって測定するものとする。10万倍に拡大した本発明の複合微粒子の電子顕微鏡写真(透過型電子顕微鏡写真)を用意し、画像上の任意の50個の粒子について、次に、その粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをその粒子の粒子径とする。
このようにして50個の粒子について粒子径を測定し、これを単純平均して得た値を平均粒子径とする。
このような矢高9は弓形図形Xにおいて40nm以上が好ましい。電子顕微鏡写真上において矢高が40nm以上の弓形図形と内接する本発明の複合微粒子は、砥粒として十分な厚さがあり、壊れにくく、滑り摩擦による研磨に好適である。
電子顕微鏡写真上において矢高が40nm未満の弓形図形と内接する複合微粒子の場合、砥粒として十分な厚さの複合微粒子ではない場合がある。
より好適には、電子顕微鏡写真上において矢高が50nm以上の弓形図形と内接する本発明の複合微粒子が推奨される。なお、本発明の複合微粒子の平均粒子径範囲(50~350nm)に対応して、矢高の上限は300nm程度となる。
本発明の複合微粒子1に対応する弓形図形Xにおける弦5の長さは、80nm以上である。本発明の複合微粒子1の像が弦5と内接する長さは90nm以上が好ましい。
なお、本発明の複合微粒子の平均粒子径範囲(50~350nm)に対応して、弦の上限は430nm程度となる。
本発明の複合微粒子において、上記のような方法によって、10万倍に拡大した本発明の複合微粒子1の電子顕微鏡写真を用意し、画像上の全ての粒子について、上記の要領で擬球欠状の粒子に該当するか否かを判断する。そして、擬球欠状の粒子の個数比率を求める。このような本発明の複合微粒子は、個数比率でその5%以上が擬球欠状の粒子であることが好ましく、この比率は7%以上であることがより好ましい。また、その個数比率は20%以下であってよい。
本発明の複合微粒子の像は弓形図形Xの弦と少なくとも部分的に内接するが、弓形図形Xの弦における少なくとも20%の部分と内接していることが望ましい。係る割合は50%以上が好ましく、75%以上が更に好ましく、100%であることが最も好ましい。
本発明の複合微粒子の像と、弦との内接の割合が高い程、平面状構造Fの領域は広くなり、滑り摩擦の作用効果をより発揮しやすくなるものと推察される。
図2(a)および図2(b)は共に本発明の複合微粒子の断面を例示する模式図である。図2(a)は、子粒子の一部が外部に露出しているタイプであり、図2(b)は、全ての子粒子が外部に露出していない、埋没タイプである。
図2に示すように、本発明の複合微粒子20は、母粒子10と、母粒子10の表面上のセリウム含有シリカ層12と、セリウム含有シリカ層12の内部に分散している子粒子14とを有する。なお、図2中の▲は、後述するSTEM-EDS分析を行う測定点X~Zの例示である。
したがって、STEM-EDS分析を行って得られる元素マップにおいて、本発明の複合微粒子における母粒子10とセリウム含有シリカ層12とは、Ceモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3%となるラインによって、区別することができる。また、STEM-EDS分析を行って得られる元素マップにおいて、本発明の複合微粒子におけるセリウム含有シリカ層12と子粒子14とは、Ceモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が50%となるラインによって、区別することができる。
本発明の複合微粒子における母粒子について説明する。
前述の通り、本発明の複合微粒子についてSTEM-EDS分析を行い、図2に示した本発明の複合微粒子の断面におけるCeとSiとの元素濃度を測定した場合に、母粒子はCeモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3%未満となる部分である。
本発明の分散液を研磨剤として用いた場合、研磨に伴うスクラッチの発生が少なくなる。前記母粒子の平均粒子径が50nm未満の場合、その様な母粒子を用いて得られる複合微粒子の平均粒子径は50nmに達し難く、その様な複合微粒子の分散液を研磨剤として用いると、研磨レートが実用的な水準に達さない可能性がある。
また、前記母粒子の平均粒子径が350nmを超える場合、その様な母粒子を用いて得られる複合微粒子の平均粒子径は350nmを超える場合が多く、その様な複合微粒子の分散液を研磨剤として用いると、研磨レートが実用的な準に達さない可能性があり、研磨対象の基板の面精度低下を招く可能性もある。
なお、母粒子は、単分散性を示すものがより好ましい。
10万倍に拡大した本発明の複合微粒子の母粒子の電子顕微鏡写真を用意し、画像上の全ての粒子について、その母粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをその母粒子の粒子径とする。
このようにして50個の母粒子について粒子径を測定し、これを単純平均して得た値を平均粒子径とする。
具体的には、STEM-EDS分析によって80万倍で観察し、Ceモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3%となるラインを特定することで母粒子を特定した後、前述の本発明の複合微粒子の形状が擬球台状であるか否かを判断する場合と同様の方法によって、母粒子が擬球台状であるか否かを判断することができる。
また、本発明の分散液を乾燥させ、樹脂包埋した後にPtによるスパッタコーティングを施し、従来公知の収束イオンビーム(FIB)装置を用い断面試料を作成する。例えば作成した断面試料を従来公知のTEM装置を用い、高速フーリエ変換(FFT)解析を用いてFFTパターンを得ると、Cristobaliteのような結晶性シリカの回折図は現れない。このことから、母粒子に含まれるシリカは非晶質であることを確認できる。また、このような場合に、母粒子が非晶質シリカを主成分とするものとする。
また、別の方法として同様に作成し断面試料について、従来公知のTEM装置を用い、母粒子の原子配列による格子縞の有無を観察する方法が挙げられる。結晶質であれば結晶構造に応じた格子縞が観察され、非晶質であれば格子縞は観察されない。このことから、母粒子に含まれるシリカは非晶質であることを確認できる。また、このような場合に、母粒子が非晶質シリカを主成分とするものとする。
例えば、前記母粒子において、Na、Ag、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mg、Ni、Ti、Zn及びZrの各元素(以下、「特定不純物群1」と称する場合がある)の含有率が、それぞれ5000ppm以下であることが望ましい。
また、前記母粒子におけるU、Th、Cl、NO3、SO4及びFの各元素(以下、「特定不純物群2」と称する場合がある)の含有率は、それぞれ5ppm以下であることが好ましい。
dry量に対する含有率とは、対象物(母粒子、本発明の複合微粒子または後述するシリカ微粒子)に含まれる固形分の質量に対する測定対象物(特定不純物群1または特定不純物群2)の重量の比(百分率)の値を意味するものとする。なお、母粒子の不純分は、汚染等による混入が無ければ、シリカ微粒子の不純分と概ね一致する。
本発明の複合微粒子において結晶性セリアを主成分とする子粒子(以下、「セリア子粒子」ともいう)は、前記母粒子上に配されたセリウム含有シリカ層に分散している。
前記セリア子粒子は、前記セリウム含有シリカ層中に埋没するものもあれば、セリウム含有シリカ層から部分的に露出するものもある。
子粒子の平均粒子径が25nmを超える場合、工程2において、そのようなセリア子粒子を有した前駆体粒子は、焼成後に焼結や凝結が生じ解砕も困難となる傾向がある。また、このようなセリア系複合微粒子分散液は、研磨用途に使用しても研磨対象でのスクラッチ発生を招き、好ましくない。子粒子の平均粒子径が10nm未満の場合、同じく研磨用途に使用すると、実用的に充分な研磨速度を得難い傾向がある。
初めにSTEM-EDS分析によって80万倍で観察し、Ceモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が50%となるラインを特定することで子粒子を特定する。次に、その子粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをその子粒子の粒子径とする。
このようにして100個以上の子粒子について粒子径を測定し、粒子径分布を得ることができる。
また、子粒子はセリウム含有シリカ層中に埋没していてよいし、セリウム含有シリカ層の外部へ部分的に露出していてもよいが、子粒子がセリウム含有シリカ層に埋没した場合は、セリア系複合微粒子の表面はよりシリカ表面に近くなるため、保存安定性及び研磨安定性が向上し、さらに研磨後の基板上に砥粒残りが少なくなることから、子粒子はセリウム含有シリカ層に埋没している方が望ましい。
前記子粒子が結晶性セリアを主成分とすることは、例えば、本発明の分散液を乾燥させた後、得られた固形物を乳鉢を用いて粉砕する等して本発明の複合微粒子を得て、その後、これを例えば従来公知のX線回折装置(例えば、理学電気株式会社製、RINT1400)を用いてX線分析し、得られたX線回折パターンにおいて、セリアの結晶相のみが検出されることから確認できる。このような場合に、前記子粒子が結晶性セリアを主成分とするものとする。なお、セリアの結晶相としては、特に限定されないが、例えばCerianite等が挙げられる。
ただし、上記のように、本発明の複合微粒子をX線回折に供するとセリアの結晶相のみが検出される。すなわち、セリア以外の結晶相を含んでいたとしても、その含有率は少ない、あるいはセリア結晶中に固溶しているため、X線回折による検出範囲外となる。
初めに、本発明の複合微粒子を、乳鉢を用いて粉砕し、例えば従来公知のX線回折装置(例えば、理学電気(株)製、RINT1400)によってX線回折パターンを得る。そして、得られたX線回折パターンにおける2θ=28度近傍の(111)面のピークの半値全幅を測定し、下記のScherrerの式により、平均結晶子径を求めることができる。
D=Kλ/βcosθ
D:平均結晶子径(オングストローム)
K:Scherrer定数(本発明ではK=0.94とする)
λ:X線波長(1.5419オングストローム、Cuランプ)
β:半値全幅(rad)
θ:反射角
本発明の複合微粒子は、前記母粒子の表面上にセリウム含有シリカ層を有する。そして、セリウム含有シリカ層の内部に子粒子が分散している。
この部分についてSTEM-EDS分析を行い、当該部分のSiモル濃度及びCeモル濃度を求めると、Siモル濃度が非常に高いことを確認することができる。具体的には、Ceモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3~50%となる。
なお、セリウム含有シリカ層の平均の厚さは、本発明の複合微粒子の母粒子の中心から最外殻まで、任意の12箇所に直線を引き、前述のようにSTEM-EDS分析を行って得た元素マップから特定されるCeモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3%となるラインと、本発明の複合微粒子の最外殻との距離(母粒子の中心を通る線上の距離)を測定し、それらを単純平均して求めるものとする。なお、母粒子の中心は、前述の長軸と短軸との交点を意味するものとする。
このような構造により、本発明の分散液を研磨剤として用いた場合、研磨速度が高く、面精度やスクラッチの悪化が少ないと考えられる。
本発明の複合微粒子は、さらに、前記セリア系複合微粒子は、シリカとセリアとの質量比は、典型的には100:11~316である。
シリカとセリアとの質量比は、概ね、母粒子と子粒子との質量比と同程度と考えられる。母粒子に対する子粒子の量が少なすぎると、母粒子または複合微粒子同士が結合し、粗大粒子が発生する場合がある。この場合に本発明の分散液を含む研磨剤(研磨スラリー)は、研磨基材の表面に欠陥(スクラッチの増加などの面精度の低下)を発生させる可能性がある。また、シリカに対するセリアの量が多すぎても、コスト的に高価になるばかりでなく、資源リスクが増大する。さらに、粒子同士の融着が進む。その結果、基板表面の粗度が上昇(表面粗さRaの悪化)したり、スクラッチが増加する、更に遊離したセリアが基板に残留する、研磨装置の廃液配管等への付着といったトラブルを起こす原因ともなりやすい。
次に、所定量の本発明の複合微粒子に含まれるセリウム(Ce)の含有率(質量%)をICPプラズマ発光分析により求め、酸化物質量%(CeO2質量%等)に換算する。そして、本発明の複合微粒子を構成するCeO2以外の成分はSiO2であるとして、SiO2質量%を算出することができる。
なお、本発明の製造方法においては、シリカとセリアの質量比は、本発明の分散液を調製する際に投入したシリカ源物質とセリア源物質との使用量から算定することもできる。これは、セリアやシリカが溶解し除去されるプロセスとなっていない場合に適用でき、そのような場合はセリアやシリカの使用量と分析値が良い一致を示す。
試料を純水で0.1質量%に希釈調整した後、5mlを採取し、これを従来公知の粗大粒子数測定装置に注入する。そして、0.51μm以上の粗大粒子の個数を求める。この測定を3回行い、単純平均値を求め、その値を1000倍して、0.51μm以上の粗大粒子数の値とする。
まず、乾燥させた試料(0.2g)を測定セルに入れ、窒素ガス気流中、250℃で40分間脱ガス処理を行い、その上で試料を窒素30体積%とヘリウム70体積%の混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料の温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、試料の比表面積を測定する。
このようなBET比表面積測定法(窒素吸着法)は、例えば従来公知の表面積測定装置を用いて行うことができる。
本発明において比表面積は、特に断りがない限り、このような方法で測定して得た値を意味するものとする。
また、本発明の複合微粒子における前記特定不純物群2の各元素の含有率は、それぞれ5ppm以下であることが好ましい。本発明の複合微粒子における特定不純物群1及び前記特定不純物群2それぞれの元素の含有率を低減させる方法は、前述の通りである。
なお、本発明の複合微粒子における前記特定不純物群1および前記特定不純物群2の各々の元素の含有率は、以下の方法によって測定することができる。
・Na及びK:原子吸光分光分析
・Ag、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、Mg、Ni、Ti、Zn、Zr、U及びTh:ICP-MS(誘導結合プラズマ発光分光質量分析)
・Cl:電位差滴定法
・NO3、SO4及びF:イオンクロマトグラフ
本発明の分散液について説明する。
本発明の分散液は、上記のような本発明の複合微粒子が分散溶媒に分散しているものである。
本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は以下に説明する工程1および工程2を備える。
工程1ではシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ系微粒子分散液を用意する。
なお、本明細書では「工程1」を「調合工程」という場合もある。
1)その電子顕微鏡写真上において、前記シリカ微粒子の像が内接する円が存在し、更に該シリカ微粒子の像は、その円の円周上の円弧と弦からなる弓形図形Yに対し次の関係にあること。
(I)弓形図形Yの弦と、少なくとも部分的に内接する。
(II)弓形図形Yの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接する。
2)前記シリカ微粒子の像の面積に対し、弓形図形Yの面積は1.0~1.5倍であり、弦の長さが80nm以上であり、矢高が40nm以上である。
3)前記シリカ微粒子は、画像解析法による平均粒子径が50~350nm
さらに、シリカ微粒子の平均粒子径は、前述の本発明の複合微粒子の平均粒子径と同じ方法によって測定して得た値とする。
具体的には、原料であるシリカ系微粒子分散液中のシリカ微粒子として、次の(a)と(b)の条件を満たすものが好適に使用される。
(a)Na、Ag、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mg、Ni、Ti及びZnの含有率が、それぞれ100ppm以下。
(b)U、Th、Cl、NO3、SO4及びFの含有率が、それぞれ5ppm以下。
なお、シリカ微粒子が含有し得る上記(a)(b)の各成分の含有率の測定方法は、本発明の複合微粒子が含有し得る特定不純物群1および特定不純物群2の各々の元素の含有率の測定方法と同じであってよい。
なお、このような前駆体粒子であっても、焼成温度を1100℃超とすることでセリア子粒子の平均結晶子径を10nm以上とすることは可能であるが、この場合は、セリウム含有シリカ層は形成されずにシリカ被膜が形成され、このシリカ被膜がセリア子粒子を強固に被覆する傾向が強まるために、解砕が困難となる点で支障がある。そのため、反応温度を0~20℃に保ち、液相でのシリカとセリアの反応を適度に抑えることで、乾燥後の前駆体粒子におけるCeO2超微粒子の平均結晶子径を2.5nm以上にでき、解砕しやすい粒子となる。さらに乾燥後の平均結晶子径が大きいため、セリア子粒子の平均結晶子径を10nm以上とするための焼成温度を低くすることができ、焼成により形成されるセリウム含有シリカ層の厚みが過剰に厚膜化せず、解砕が容易となる。
さらに、酸化還元電位を所定の範囲に調整しない場合は、調合工程で生成したCeO2超微粒子は結晶化しにくい傾向にあり、結晶化していないCeO2超微粒子は調合後の加熱、熟成によっても結晶化が促進されない。そのため工程2の焼成において所定サイズに結晶化させるためには、高温での焼成が必要となり、解砕が困難になる。
調合段階でのCeO2超微粒子の粒子径が2.5nm未満であると、焼成後のセリア粒子径を10nm以上とするために、焼成温度を高くする必要があり、その場合、セリウム含有シリカ層が母粒子を強固に被覆してしまい、解砕が困難となる可能性がある。溶解されやすいシリカ微粒子は、100℃以上で乾燥させた後に原料に供すると溶解性を抑制することができる。
また、工程1において、シリカ系微粒子分散液にセリウムの金属塩を添加した後、撹拌する際の温度が0~20℃であることで、子粒子の粒子径分布における変動係数が好適値である本発明の複合微粒子を含む本発明の分散液を得ることができる。
酸化還元電位を上記の範囲内に保つ方法として過酸化水素などの酸化剤を添加したり、エアー、酸素及びオゾンを吹き込む方法が挙げられる。これらの方法を行わない場合は、酸化還元電位は負であったり50mV以下になる傾向にある。
すなわち、工程1では、温度0~20℃にて処理を行うが、その後に、温度20℃超98℃以下に変更して処理を行って前記前駆体粒子分散液を得ることが好ましい。
このような工程1を行うと、子粒子の粒子径分布における変動係数が好適値である本発明の複合微粒子を含む本発明の分散液をより得やすいからである。
なお、温度を20℃超98℃以下として処理する場合のpHおよび酸化還元電位の好適値、調整方法等は、温度0~20℃にて処理する場合と同様とする。
このような工程1を行った場合も、子粒子の粒子径分布における変動係数が好適値である本発明の複合微粒子を含む本発明の分散液をより得やすいからである。
なお、温度を20℃超98℃以下として処理する場合のpHおよび酸化還元電位の好適値、調整方法等は、温度0~20℃にて処理する場合と同様とする。
このように調合中に温度を変化させて調合した場合であっても、温度が0~20℃にて調合が行われる工程が含まれていれば、複合微粒子は前述と同様の生成機構となる。
また、反応温度を2段階以上で行う場合の0~20℃で反応させる工程でのセリウム金属塩の添加量は、セリウム金属塩の全添加量に対して10~90質量%の範囲であることが好ましい。この範囲を超える場合は、サイズの大きい(または小さい)CeO2超微粒子およびセリア子粒子割合が少なくなるため、粒度分布があまり広くならないからである。
工程2では、前駆体粒子分散液を乾燥させた後、850~1100℃で焼成する。
なお、好適には、さらに乾燥前の前駆体粒子分散液のpHを6.0~7.0とすることが推奨される。乾燥前の前駆体粒子分散液のpHを6.0~7.0とした場合、表面活性を抑制できるからである。
またフラックス成分は、原料のコロイダルシリカからの持込みを利用したり、調合時にセリウム金属塩の中和に使用するアルカリとして利用しても良いが、調合時にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が共存した場合、シリカ微粒子の重合が促進され緻密化するため、水酸化セリウム等とシリカ微粒子との反応性が低下する。さらにシリカ微粒子の表面がアルカリ金属またはアルカリ土類金属で保護されるため、水酸化セリウム等との反応性が抑制され、セリウム含有シリカ層が形成されない傾向にある。さらに調合中にシリカの溶解が抑制されるため、セリア子粒子中にケイ素原子が固溶し難くなる。
ここで、焼成体に湿式で解砕処理を施す前に焼成体を乾式で解砕し、その後、湿式で解砕処理を施してもよい。
焼成体を湿式で解砕するときに用いる溶媒としては、水及び/又は有機溶媒が使用される。例えば、純水、超純水、イオン交換水のような水を用いることが好ましい。また、ここでの固形分濃度は、格別に制限されるものではないが、例えば、0.3~50質量%の範囲にあることが好ましい。
すなわち、前述の好ましい態様に該当する本発明の分散液が得られる程度に、解砕を行うことが好ましい。前述のように、好ましい態様に該当する本発明の分散液を研磨剤に用いた場合、研磨速度がより向上するからである。これについて本発明者は、本発明の複合微粒子表面におけるセリウム含有シリカ層が適度に薄くなること、及び/又は複合微粒子表面の一部に子粒子が適度に露出することで、研磨速度がより向上し、且つセリア子粒子の脱落を制御できると推定している。さらに解砕中に、セリウム含有シリカ層中のシリカが溶解し再び沈着することで、軟質で易溶解なシリカ層が最外層に形成され、この易溶解性のシリカ層が基板との凝着作用で摩擦力を向上させ研磨速度が向上すると推定している。また、セリウム含有シリカ層が薄いか剥げた状態であるため、子粒子が研磨時にある程度脱離しやすくなると推定している。ΔPCD/Vは、-100.0~-15.0であることがより好ましく、-100.0~-20.0であることがさらに好ましい。
なお、工程2のような湿式解砕工程を経ずに、焼成粉をほぐす程度であったり、乾式解砕・粉砕だけ、あるいは湿式解砕であっても所定のpH範囲外の場合は、ΔPCD/Vが-100.0~-15の範囲となりにくく、さらに軟質で易溶解性のシリカ層が形成され難い。
遠心分離処理による分級は、300G以上の相対遠心加速度にて行うことが好ましい。遠心分離処理後、沈降成分を除去し、セリア系複合微粒子分散液を得ることが好ましい。相対遠心加速度の上限は格別に制限されるものではないが、実用上は10,000G以下で使用される。
このような遠心加速度とすると、セリア系複合微粒子分散液中に粗大粒子が残存し難くなり、その結果、セリア系複合微粒子分散液を用いた研磨材などの研磨用途に使用した際に、スクラッチが発生し難くなるからである。
本発明の分散液を含む液体は、研磨用砥粒分散液(以下では「本発明の研磨用砥粒分散液」ともいう)として好ましく用いることができる。特にはSiO2絶縁膜が形成された半導体基板の平坦化用の研磨用砥粒分散液として好適に使用することができる。また研磨性能を制御するためにケミカル成分を添加し、研磨スラリーとしても好適に用いることができる。
本発明の研磨用砥粒分散液に、被研磨材の種類によっても異なるが、必要に応じて従来公知の研磨促進剤を添加することで研磨スラリーとして、使用することができる。この様な例としては、過酸化水素、過酢酸、過酸化尿素など及びこれらの混合物を挙げることができる。このような過酸化水素等の研磨促進剤を含む研磨剤組成物を用いると、被研磨材が金属の場合には効果的に研磨速度を向上させることができる。
本発明の研磨用砥粒分散液の分散性や安定性を向上させるためにカチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系の界面活性剤又は親水性化合物を添加することができる。界面活性剤と親水性化合物は、いずれも被研磨面への接触角を低下させる作用を有し、均一な研磨を促す作用を有する。界面活性剤及び/又は親水性化合物としては、例えば、以下の群から選ばれるものを使用することができる。
本発明の研磨用砥粒分散液については、被研磨基材に金属が含まれる場合に、金属に不動態層又は溶解抑制層を形成させて、被研磨基材の侵食を抑制する目的で、複素環化合物を含有させても構わない。ここで、「複素環化合物」とはヘテロ原子を1個以上含んだ複素環を有する化合物である。ヘテロ原子とは、炭素原子、又は水素原子以外の原子を意味する。複素環とはヘテロ原子を少なくとも一つ持つ環状化合物を意味する。ヘテロ原子は複素環の環系の構成部分を形成する原子のみを意味し、環系に対して外部に位置していたり、少なくとも一つの非共役単結合により環系から分離していたり、環系のさらなる置換基の一部分であるような原子は意味しない。ヘテロ原子として好ましくは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、テルル原子、リン原子、ケイ素原子、及びホウ素原子などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。複素環化合物の例として、イミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾチアゾール、テトラゾールなどを用いることができる。より具体的には、1,2,3,4-テトラゾール、5-アミノ-1,2,3,4-テトラゾール、5-メチル-1,2,3,4-テトラゾール、1,2,3-トリアゾール、4-アミノ-1,2,3-トリアゾール、4,5-ジアミノ-1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾールなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
上記各添加剤の効果を高めるためなどに必要に応じて酸又は塩基およびそれらの塩類化合物を添加して研磨用組成物のpHを調節することができる。
本発明の研磨用砥粒分散液のpH値を一定に保持するために、pH緩衝剤を使用しても構わない。pH緩衝剤としては、例えば、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、4ホウ酸アンモ四水和水などのリン酸塩及びホウ酸塩又は有機酸塩などを使用することができる。
初めに、実施例及び比較例における各測定方法及び試験方法の詳細について説明する。各実施例及び比較例について、以下の各測定結果及び試験結果を第1表に記す。
実施例および比較例において得らえたセリア系複合微粒子について、図1を用いて説明した方法によって、弓形図形Xの面積(Sx)および擬球欠状のセリカ系複合微粒子の面積(S0)を求め、その面積比(Sx/S0)を求めた。また、弓形図形Xの弦の長さ、矢高および円弧の全長(w)も求めた。さらに、シリカ微粒子についても同様に、弓形図形Yの弦の長さ、矢高および円弧の全長(w)を求めた。
[SiO2含有量およびCeO2含有量の測定]
セリア系複合微粒子におけるSiO2含有量は、セリア系複合微粒子分散液に1000℃灼熱減量を行い、固形分の質量を求めた後、後述するICPプラズマ発光分析装置(例えば、SII製、SPS5520)を用いた標準添加法によってCe含有率を測定してCeO2質量%を算出し、CeO2以外の固形分の成分はSiO2であるとして、SiO2の含有量を求めた。なお、セリア系複合微粒子におけるSiO2含有率、CeO2含有率およびシリカ100質量部に対するセリアの質量部は、ここで求めたCeO2含有量およびSiO2含有量に基づいて算出した。なお、ここでセリア系複合微粒子分散液の固形分濃度も求めることができる。
初めに、セリア系複合微粒子またはセリア系複合微粒子分散液からなる試料約1g(固形分20質量%に調整したもの)を白金皿に採取する。リン酸3ml、硝酸5ml、弗化水素酸10mlを加えて、サンドバス上で加熱する。乾固したら、少量の水と硝酸50mlを加えて溶解させて100mlのメスフラスコにおさめ、水を加えて100mlとする。次に、100mlにおさめた溶液から分液10mlを20mlメスフラスコに採取する操作を5回繰り返し、分液10mlを5個得る。そして、これを用いて、CeについてICPプラズマ発光分析装置(例えばSII製、SPS5520)にて標準添加法で測定を行う。ここで、同様の方法でブランクも測定して、ブランク分を差し引いて調整し、Ceの測定値とする。
実施例及び比較例で得られたセリア系複合微粒子分散液またはシリカ微粒子を従来公知の乾燥機を用いて乾燥し、得られた粉体を乳鉢にて10分粉砕し、X線回折装置(理学電気(株)製、RINT1400)によってX線回折パターンを得て、結晶型を特定した。
また、前述の方法によって、得られたX線回折パターンにおける2θ=28度近傍の(111)面(2θ=28度近傍)のピークの半価全幅を測定し、Scherrerの式により、平均結晶子径を求めた。
(1)実施例及び比較例で得られたセリア系複合微粒子分散液について、これに含まれるセリア系複合微粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影して得た写真投影図を基に、前述の画像解析法によって測定を行った。即ち、次のとおりである。
10万倍に拡大した本発明の複合微粒子の電子顕微鏡写真(透過型電子顕微鏡写真)を用意し、画像上の任意の50個の粒子について、その粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをその粒子の粒子径とする。このようにして50個の粒子について粒子径を測定し、これを単純平均して得た値を平均粒子径とする。
(2)実施例及び比較例で得られたセリア系複合微粒子分散液に含まれる擬球欠状のセリア系複合微粒子の平均粒子径についても、透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影して得た写真投影図を基に、前記の画像解析法によって測定を行った。ただし、擬球欠状のセリア系複合微粒子の平均粒子径測定にあたっては、透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影して得た写真投影図に写ったセリア系複合微粒子のうち、擬球欠状のセリア系複合微粒子を50個選び前記と同様に測定及び算定を行った。
(3)実施例及び比較例で得られたセリア系複合微粒子分散液におけるセリア系複合微粒子の母粒子の平均粒子径及び実施例及び比較例で得られたセリア系複合微粒子分散液に含まれる擬球欠状のセリア系複合微粒子の母粒子の平均粒子径については、セリア系複合微粒子分散液を製造するための原料として使用するシリカゾル(シリカ微粒子分散液)について、前記(1)と(2)の方法でそれぞれ平均粒子径の測定及び算定を行った。
前述の方法によって変動係数を求めた。
実施例及び比較例で得られたセリア系複合微粒子の比表面積を前述の方法によって測定した。ここで表面積測定装置(マウンテック社製、品番:Mascsorb HM-1220)を用いて行うことができる。
本発明において比表面積は、特に断りがない限り、このような方法で測定して得た値を意味するものとする。
10万倍に拡大した本発明の複合微粒子分散液の電子顕微鏡写真を用意し、画像上の50個の粒子について、擬球欠状の粒子に該当するか否かを判断する。そして、擬球欠状の粒子の個数比率を求める。
即ち、50個の粒子に占める擬球欠状粒子の割合を算定した。
<SiO2膜の研磨>
実施例及び比較例の各々において得られたセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液を調整した。ここで固形分濃度は0.6質量%であり、硝酸を添加してpHは5.0とした。
次に、被研磨基板として、熱酸化法により作製したSiO2絶縁膜(厚み1μm)を有する基板を準備した。
次に、この被研磨基板を研磨装置(ナノファクター株式会社製、NF300)にセットし、研磨パッド(ニッタハース社製「IC-1000/SUBA400同心円タイプ」)を使用し、基板荷重0.5MPa、テーブル回転速度90rpmで研磨用砥粒分散液を50ml/分の速度で1分間供給して研磨を行った。
そして、研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。
上記のようなSiO2膜の研磨試験を行って得られた被研磨基材の表面の平滑性(表面粗さRa)を原子間力顕微鏡(AFM、株式会社日立ハイテクサイエンス社製)を用いて測定した。平滑性と表面粗さは概ね比例関係にあるため、第1表には表面粗さを記載した。
[擬球欠状のシリカ微粒子を含むシリカ系微粒子分散液の調製]
シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:スフェリカスラリーSS-300、平均粒子径341nm)500gにイオン交換水を451g添加して、希釈スラリーを得た。
次に、この希釈スラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH9.6に調整した後、φ0.05mmのジルコニアビーズ(株式会社ニッカトー製)を用いて湿式解砕機(カンペ(株)製、バッチ式卓上サンドミル)にて湿式解砕を900分行った。ここで、湿式解砕中に水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを9.5~10.5に保った。
図3に示すように、シリカ微粒子は擬球欠状であった。すなわち、シリカ微粒子を内接させた場合の面積比が1.0~1.5倍であり、矢高が174nmであり、弦の長さが285nmである弓形図形Yが存在していた。
また、シリカ微粒子の平均粒子径は232nm、そのうち擬球欠状であるものの平均粒子径は207nmであった。
ここで図3から、実施例1において用いたシリカ微粒子が弓形図形Yの弦と、少なくとも部分的に内接していることが確認できる。また、弓形図形Yの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接していることが確認できる。
さらに図3から、実施例1において用いたシリカ微粒子が弓形図形Yの弦における少なくとも20%の部分へ内接していることを確認できる。
さらに固形分濃度は4.6質量%、重量は1375gであった。
そして、イオン交換後に44メッシュの金網を通して樹脂を分離して、陽イオン交換液を得た。得られた陽イオン交換液の固形分濃度は4.0質量%、pHは3.1で重量は1440gであった。
次に、得られた陽イオン交換液1440gに陰イオン交換樹脂(三菱ケミカル社製)50gを添加し60分攪拌を行った。
そして、イオン交換後に44メッシュの金網を通して樹脂を分離して、陰イオン交換液を得た。得られた陰イオン交換液の固形分濃度は3.0質量%、pHは4.5で重量は1891gであった。
次に、得られた陰イオン交換液にアンモニア水溶液を添加し、pH9.1に調整した。ここで得られた液を、以下では、A-1液ともいう。
次に、A-1液(1894g)を15.5℃に保ち、撹拌しながら、ここへB-1液(2293g、CeO2 dry70g)を27時間かけて添加した。この間、液温を15.5℃に維持しておき、また、必要に応じて3%アンモニア水を添加して、pH5.0から9.0を維持するようにした。そして、添加終了後に、液温15.5℃で4時間熟成を行った。なお、B-1液の添加中および熟成中は調合液にエアーを吹き込みながら調合を行い、酸化還元電位を50~400mVに保った。
その後、限外膜にてイオン交換水を補給しながら洗浄を行った。洗浄を終了して得られた前駆体粒子分散液は、固形分濃度が5.0質量%、pHが7.5(25℃にて)、電導度が20μs/cm(25℃にて)であった。
そして、解砕後に44メッシュの金網を通してビーズを分離した。得られた焼成体解砕分散液の固形分濃度は7.1質量%で重量は1090gであった。なお、解砕中にはアンモニア水溶液を添加してpHを9.2に保った。
得られたセリア系複合微粒子分散液に含まれるセリア系複合微粒子の平均粒子径は236nm、そのうち擬球欠状のものであるものの平均粒子径は209nmであった。
また、得られたセリア系複合微粒子のSEM画像(10万倍)を図4に示す。図4に示すように、セリア系複合微粒子は擬球欠状であった。すなわち、セリア系複合微粒子を内接させた場合の面積比が1.1倍であり、矢高が156nmであり、弦の長さが275nmである弓形図形Xが存在していた。ここで図4から、実施例1において得られたセリア系複合微粒子が弓形図形Xの弦と、少なくとも部分的に内接していることが確認できる。また、弓形図形Xの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接していることが確認できる。
さらに図4から、実施例1において得られたセリア系複合微粒子が弓形図形Xの弦における少なくとも20%の部分へ内接していることを確認できる。
実施例1と同様の操作を行い、得られた焼成体解砕分散液を遠心分離装置(日立工機株式会社製、型番「CR21G」)にて、1700Gで102秒処理し、重液を回収し、イオン交換水を加え59gに希釈した後、超音波照射を行い分散し、セリア系複合微粒子分散液を得た。
また、得られたセリア系複合微粒子のSEM画像を得た。そして、セリア系複合微粒子は擬球欠状であることを確認した。
すなわち、セリア系複合微粒子を内接させた場合の面積比が1.1倍であり、矢高が156nmであり、弦の長さが275nmである弓形図形Xが存在していた。また、得られたセリア系複合微粒子のSEM画像から、実施例2において得られたセリア系複合微粒子が弓形図形Xの弦と、少なくとも部分的に内接していることを確認した。また、弓形図形Xの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接していることを確認した。
また、得られたセリア系複合微粒子のSEM画像から、実施例2において得られたセリア系複合微粒子が弓形図形Xの弦における少なくとも20%の部分へ内接していることを確認した。
《シリカゾル(60nm)》の調製
エタノール12,090gと正珪酸エチル6,363.9gとを混合し、混合液a1とした。
次に、超純水6,120gと29%アンモニア水444.9gとを混合し、混合液b1とした。
次に、超純水192.9gとエタノール444.9gとを混合して敷き水とした。
そして、敷き水を撹拌しながら75℃に調整し、ここへ、混合液a1及び混合液b1を、各々10時間で添加が終了するように、同時添加を行った。添加が終了したら、液温を75℃のまま3時間保持して熟成させた後、固形分濃度を調整し、SiO2固形分濃度19質量%、レーザー回折・散乱法により測定された平均粒子径60nmのシリカゾルを9,646.3g得た。
メタノール2,733.3gと正珪酸エチル1,822.2gとを混合し、混合液a2とした。
次に、超純水1,860.7gと29%アンモニア水40.6gとを混合し、混合液b2とした。
次に、超純水59gとメタノール1,208.9gとを混合して敷き水として、前工程で得た平均粒子径60nmのシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ微粒子分散液922.1gを加えた。
そして、シリカ微粒子分散液を含んだ敷き水を撹拌しながら65℃に調整し、ここへ、混合液a2及び混合液b2を、各々18時間で添加が終了するように、同時添加を行った。添加が終了したら、液温を65℃のまま3時間保持して熟成させた後、固形分濃度(SiO2固形分濃度)を19質量%に調整し、3,600gの高純度シリカ微粒子分散液を得た。
この高純度シリカ微粒子分散液に含まれるシリカ微粒子は、動的光散乱法(大塚電子社製PAR-III)により測定した平均粒子径が108nmであった。なお、同じくシリカ微粒子の短径/長径比を透過型電子顕微鏡写真に基づいて測定したところ、短径/長径比=1.0であった。
また、Na、Ag、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mg、Ni、Ti、Zn、Zr、U、Th、Cl、NO3、SO4及びFの含有率を原子吸光分析法、ICP(誘導結合プラズマ発光分析)、電位差滴定法またはイオンクロマトグラフを用いて測定したところ、いずれも1ppm以下であった。
得られたシリカ微粒子分散液に超純水を加えて、SiO2固形分濃度3質量%のA-2液6,000gを得た。
そして、B-2液の添加が終了したら、液温を93℃へ上げて4時間熟成を行った。熟成終了後に室内に放置することで放冷し、室温まで冷却した後に、限外膜にてイオン交換水を補給しながら洗浄を行った。洗浄を終了して得られた前駆体粒子分散液は、固形分濃度が7質量%、pHが9.1(25℃にて)、電導度が67μs/cm(25℃にて)であった。
次いで得られた微粒子分散液を遠心分離装置(日立工機株式会社製、型番「CR21G」)にて、相対遠心加速度675Gで1分間遠心分離処理し、沈降成分を除去し、セリカ系複合微粒子分散液を得た。
Claims (9)
- 下記[1]から[3]の特徴を備えるセリア系複合微粒子を含み、電子顕微鏡写真上において、全ての粒子に占める前記セリア系複合微粒子の個数割合が5~20%である、セリア系複合微粒子分散液。
[1]前記セリア系複合微粒子は、母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している子粒子とを有し、前記母粒子は非晶質シリカを主成分とし、前記子粒子は結晶性セリアを主成分とすること。
[2]前記セリア系複合微粒子は、次の要件を満たすこと。
1)その電子顕微鏡写真上において、前記セリア系複合微粒子の像が内接する円が存在し、更に該セリア系複合微粒子の像は、その円の該円周上の円弧と弦からなる弓形図形Xに対し次の関係にあること。
(I)弓形図形Xの弦と、少なくとも部分的に内接する。
(II)弓形図形Xの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接する。
2)前記セリア系複合微粒子の像の面積に対し、弓形図形Xの面積は1.0~1.5倍であり、弦の長さが80nm以上であり、矢高が40nm以上である。
[3]前記セリア系複合微粒子は、画像解析法による平均粒子径が50~350nmであること。 - 前記セリア系複合微粒子は、その電子顕微鏡写真上において、弓形図形Xの弦における少なくとも20%の部分へ内接している、請求項1記載のセリア系複合微粒子分散液。
- 更に前記セリア系複合微粒子は、その電子顕微鏡写真上において、円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dの両側に、円弧に沿ってw/6(w:円弧の全長)ずつの長さに及ぶ円弧曲線と少なくとも部分的に内接し、該円弧曲線の両末端と接続する2つの円弧曲線とも、それぞれ少なくとも部分的に内接している、請求項1又は2記載のセリア系複合微粒子分散液。
- さらに下記[4]の特徴を備えるセリア系複合微粒子を含む、請求項1~3のいずれかに記載のセリア系複合微粒子分散液。
[4]前記セリア系複合微粒子は、子粒子の粒子径分布の変動係数が15~50%の範囲にあること。 - 請求項1または2に記載のセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液。
- シリカ膜が形成された半導体基板の平坦化用であることを特徴とする請求項5に記載の研磨用砥粒分散液。
- 下記の工程1および工程2を含むことを特徴とし、請求項1~4のいずれかに記載のセリア系複合微粒子分散液が得られる、セリア系複合微粒子分散液の製造方法。
工程1:下記1)、2)及び3)の条件を満たすシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ系微粒子分散液を撹拌し、温度を0~20℃、pHを5.0~9.0、酸化還元電位を50~500mVに維持しながら、ここへセリウムの金属塩を連続的又は断続的に添加し、前駆体粒子を含む前駆体粒子分散液を得る工程。
1)その電子顕微鏡写真上において、前記シリカ微粒子の像が内接する円が存在し、更に該シリカ微粒子の像は、その円の円周上の円弧と弦からなる弓形図形Yに対し次の関係にあること。
(I)弓形図形Yの弦と、少なくとも部分的に内接する。
(II)弓形図形Yの円弧の全長を二等分する円弧上の等分点Dと内接し、かつ、等分点Dを中心として円弧上の片側の円弧曲線及び反対側の円弧曲線と、それぞれ少なくとも部分的に内接する。
2)前記シリカ微粒子の像の面積に対し、弓形図形Yの面積は1.0~1.5倍であり、弦の長さが80nm以上であり、矢高が40nm以上である。
3)前記シリカ微粒子は、画像解析法による平均粒子径が50~350nmであること。
工程2:前記前駆体粒子分散液を乾燥させ、850~1,100℃で焼成し、得られた焼成体に溶媒を加えて、pH8.6~10.8の範囲にて、湿式で解砕処理をして前記セリア系複合微粒子分散液を得る工程。 - 前記工程2が、前記焼成体に前記溶媒を加えて、pH8.6~10.8の範囲にて、湿式で解砕処理をした後、相対遠心加速度300G以上にて遠心分離処理を行い、続いて沈降成分を除去することにより前記セリア系複合微粒子分散液を得る工程である、請求項7に記載のセリア系複合微粒子分散液の製造方法。
- 前記工程1が、球状のシリカ粒子を含む分散液をpH9.5~10.5の範囲に調整し、これを湿式で解砕して前記シリカ微粒子を得る操作を含む、請求項7または8に記載のセリア系複合微粒子分散液の製造方法。
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