JP7621793B2 - トナー、二成分現像剤及びトナーの製造方法 - Google Patents

トナー、二成分現像剤及びトナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7621793B2
JP7621793B2 JP2020216658A JP2020216658A JP7621793B2 JP 7621793 B2 JP7621793 B2 JP 7621793B2 JP 2020216658 A JP2020216658 A JP 2020216658A JP 2020216658 A JP2020216658 A JP 2020216658A JP 7621793 B2 JP7621793 B2 JP 7621793B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
monomer unit
vinyl polymer
wax
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020216658A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022102117A (ja
Inventor
健太郎 釜江
武 橋本
剛 大津
隼人 井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2020216658A priority Critical patent/JP7621793B2/ja
Publication of JP2022102117A publication Critical patent/JP2022102117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7621793B2 publication Critical patent/JP7621793B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本開示は、トナー及びその製造方法、並びに二成分現像剤に関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置に対する省エネルギー対応への要求が高まっている。省エネルギーへの対応策として、定着工程での消費電力を低下させるために、トナーを低温定着させる技術が検討されている。
トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立させるために、トナーに結晶性樹脂を使用する方法が検討されている。トナー用の結着樹脂として一般的に用いられる非晶性樹脂は、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示さない。一方、結晶性樹脂は、DSC測定において吸熱ピークを示す。結晶性樹脂は、分子間又は分子内のアルキル基が規則的に配列することにより、融点まではほとんど軟化しないといった性質を有する。このような性質を持つことから、結晶性樹脂は、融点を境に結晶が急激に溶融(シャープメルト)し、それに伴った急激な粘度の低下が起こる。
このため、シャープメルト性に優れ、トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立する材料として、結晶性樹脂が注目されている。結晶性樹脂の1種として、結晶性のビニル樹脂が知られている。結晶性のビニル樹脂は、長鎖アルキル基を有するモノマーユニットを有するビニル重合体である。つまり、結晶性のビニル樹脂は、主鎖骨格と、側鎖としての長鎖アルキル基と、を有している。そして、側鎖の長鎖アルキル基同士が規則的に配列し、結晶化することで、樹脂として結晶性を示す。
特許文献1では、長鎖アルキル基を有するモノマーユニットを有する結晶性のビニル樹脂を含有するトナーが提案されている。
特開2014-130243号公報
特許文献1に記載のトナーについて本発明者らが検討した結果、該トナーを用いた定着画像の擦過性、即ちトナーの耐擦過性についてより一層の改善が必要であることを認識した。
本開示の一態様は、優れた低温定着性を有し得るとともに、優れた耐擦過性を有し得るトナー及びその製造方法の提供に向けたものである。
また、本開示の他の態様は、優れた低温定着性を有し得るとともに、優れた耐擦過性を有し得る二成分現像剤の提供に向けたものである。
本開示の一態様によれば、樹脂成分及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
前記樹脂成分は、ビニル系重合体Aと非晶性ポリエステルPを含有し、
前記樹脂成分中の前記ビニル系重合体Aの含有割合が、50.0~90.0質量%であり、
前記ビニル系重合体AはモノマーユニットA及びモノマーユニットBを含有し、
前記モノマーユニットAは下記式(A)で示されるモノマーユニットであり、
前記モノマーユニットBのSP値をSP(J/cm0.5としたとき、前記SPが21.00(J/cm0.5以上であり、
前記ビニル系重合体A中の前記モノマーユニットAの含有割合が、20.0~90.0質量%であり、
前記樹脂成分中の前記非晶性ポリエステルPの含有割合が、10.0~49.0質量%であり、
前記ビニル系重合体AのSP値をSPA1(J/cm0.5、前記非晶性ポリエステルPのSP値をSPP1(J/cm0.5としたとき、前記SPA1及び前記SPP1が下記式(2)を満たし、
前記トナー粒子の断面において、
(i)前記ビニル系重合体Aを含有するマトリクスと、前記非晶性ポリエステルPを含有するドメインとで構成されるドメインマトリクス構造が観察され、
(ii)前記ドメインの中に内包されているワックスの面積をIとし、前記ドメインの中に内包されていないワックスの面積をSとしたとき、
前記I及び前記Sが下記式(3)を満たす、
ことを特徴とするトナーが提供される。
3.0(J/cm0.5≦SPP1-SPA1≦8.0(J/cm0.5・・・(2)
0.00≦S/I≦0.70・・・(3)
Figure 0007621793000001
(式(A)中、RはH又はCHを示し、Rは炭素数18~36のアルキル基を示す。)
本開示によれば優れた低温定着性を有し得るとともに、優れた耐擦過性を有し得るトナーを提供できる。
本開示の効果を発現する想定メカニズムを説明するための、トナー粒子の概略断面図である。
数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
(メタ)アクリレートとは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を意味する。
モノマーユニットとは、ポリマー(重合体)を構成するユニット(単位)であり、モノマー(重合性単量体)の反応した形態をいう。例えば、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の炭素-炭素結合1区間が1モノマーユニットである。ビニル系モノマーは、下記式(Z)で示すことができ、ビニル系モノマーユニットは、重合体の構成単位であり、下記式(Z)で示されるモノマーが反応した形態である。また、モノマーユニットを、単に「ユニット」と表記する場合もある。
Figure 0007621793000002
(式(Z)中、RZ1は、水素原子、又はアルキル基を表し、RZ2は、任意の置換基を表す。)
結晶性樹脂とは、樹脂、トナー粒子、又はトナーを測定試料とする示差走査熱量計(DSC)測定において、明確な吸熱ピークを示す樹脂を指す(示差走査熱量計測定をDSC測定とも表記する。)。
本開示に係るS及びIの単位は、面積%である。
<発明に至った経緯>
特許文献1に係るトナーの耐擦過性が十分でない場合がある理由について、本発明者らは以下のように推測している。
長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートのユニットを有する重合体を含有するトナーは、優れた低温定着性を発揮しやすい。これは重合体の側鎖部分に長鎖アルキル基を有するため、側鎖の長鎖アルキル基同士が規則的に配列して結晶性が高まりやすいためであると本発明者らは考えている。
しかしながら、上記のトナーに離型剤としてワックスを含有させると、定着画像の耐擦過性が十分でない場合があることを発見した。具体的には、このトナーを用いて、炭酸カルシウム等の無機微粒子を多く含む高白色の厚紙のコート紙に画像を形成する場合に、定着画像の一部が剥離されやすい場合があることを発見した。
この剥離の要因としては、上記の重合体とワックスとが相溶しやすい場合があり、定着時にワックスが定着画像の表面に十分に染み出しにくくなることが挙げられる。これにより、定着画像の表層にワックスの層が形成されにくくなり、別の紙等との間で生じる摩擦力が大きくなることで、定着画像の一部が剥離されやすくなると考えられる。
上記考察に基づき更なる検討を重ねた結果、上記の構成要件を有するトナーは、優れた低温定着性を有し得るとともに、定着画像に優れた耐擦過性を付与し得ることを見出した。以下に、推測しているメカニズム及び、それぞれの構成要件について詳細に説明する。
<本開示の効果が発現するメカニズム>
本開示の効果を発現する想定メカニズムを、図1を用いて説明する。
トナーの樹脂成分が、式(A)で示されるモノマーユニットAと、式(1)を満たすモノマーユニットBとを有する重合体Aを特定の割合で含有することで、重合体Aが高い結晶性を有しやすく、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすくなる。
式(2)が満たされることで、ビニル系重合体Aと非晶性ポリエステルPとの相溶性が適切に保たれ、トナー粒子1中で、ポリエステルPを含有するドメイン3と、重合体Aを含有するマトリクス2で構成されるドメインマトリクス構造が形成されやすい。その結果、マトリクス2中で重合体A同士が集合することによって結晶性が高まりやすく、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。
さらに、式(3)が満たされることで、トナー粒子1に含有されるワックスのうち、上記ドメイン3に内包されるワックス4の割合が大きくなる。ワックス4は、重合体Aとの相溶が生じにくく、定着時に画像の表面に染み出しやすいと考えられる。その結果、定着画像の表層にワックスの層を形成させやすいと考えられるため、定着画像に優れた耐擦過性を付与することができるトナーが得られやすくなる。
<ワックス>
本開示のトナー粒子はワックスを含有し、トナー粒子の断面において、
(i)ビニル系重合体Aを含有するマトリクスと、非晶性ポリエステルPを含有するドメインとで構成されるドメインマトリクス構造が観察され、
(ii)ドメインの中に内包されているワックスの面積をIとし、ドメインの中に内包されていないワックスの面積をSとしたとき、
及びSが下記式(3)を満たす。
0.00≦S/I≦0.70・・・(3)
トナー粒子が、上記の要件(i)及び(ii)を満たすことで、ビニル系重合体Aとワックスとが相溶しにくくなると考えられ、定着画像に優れた耐擦過性を付与することができるトナーが得られやすいことが分かった。
上記S/Iが0.70以下であることで、トナー粒子に含有されるワックスのうち、一定の割合以上のワックスが上記ドメインに内包されることとなる。すなわち、トナー粒子中に含まれるワックスのうちの一定量以上を、ビニル系重合体Aと接してない状態とすることができる。その結果、当該トナー粒子を含むトナーの定着時にワックスとビニル系重合体Aとの相溶が抑制され、定着画像の表面にワックスの層が形成されやすくなるものと考えられる。トナー粒子中においてビニル系重合体Aと直接接しないワックス量を増やすことが定着画像の表面へのワックスの層の形成に有利であると考えられることから、上記S/Iは、好ましくは、0.50以下である。より好ましくは、0.30以下、更には、0.20以下、特には、0.10以下である。下限は特に制限されず、上記S/Iが0.00である。
即ち、S及びIが下記式(4)を満たすことがより好ましい。
0.00≦S/I≦0.30・・・(4)
上記S及びIは、トナーを製造する際の、非晶性ポリエステルPとワックスを混合して混合物を得たのち、該混合物とビニル系重合体Aを混合してトナーを製造することに上記の好ましい範囲を満たしやすい。また、非晶性ポリエステルPの量、ワックスの量などによって、S及びIの値を制御することができる。
上記した通り、本開示に係るトナー粒子中に、ビニル系重合体Aと直接接しない状態にあるワックスを一定量以上存在させることが必要である。そのため、本開示における、ドメインの中に内包されているワックスとは、ドメインとのみ接しているワックス(図1中のワックス4)と定義される。一方、図1中のワックス5のように一部がマトリクスと接しているワックス5は、ドメインの中に内包されていないワックスとして取り扱う。ビニル系重合体A及び非晶性ポリエステルPの詳細については後述する。
<内包されているワックスの平均長径>
また、上記ドメインの中に内包されているワックスの平均長径は、20~100nmであることが好ましい。該平均長径が20nm以上であると、上記ドメインに内包されているワックスのサイズが過小になりにくく、優れた離型性を有するトナーが得られやすい。そのため、20nm以上であることが好ましく、45nm以上であることがより好ましい。また、100nm以下であると、上記ドメインに内包されるワックスが上記ドメイン中で分散されやすく、該ワックスが定着時にトナー表面に染み出しやすいと推測される。そのため、該平均長径が100nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましい。
上記の平均長径は、非晶性ポリエステルPの量、ワックスの量などによって制御することができる。
<ワックスの含有割合>
トナー粒子中のワックスの含有割合が1.0~10.0質量%であることが好ましい。1.0質量%以上であると、トナー粒子中に十分な量のワックスが含有されており、優れた離型性を有するトナーが得られやすい。そのため、1.0質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましい。また、10.0質量%以下であると、上記ドメインに内包されていないワックスの量が過大になりにくく、優れた低温定着性及び耐擦過性を有するトナーが得られやすい。そのため、10.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以下であることがより好ましい。
<ワックスの種類>
本開示のトナー粒子に含有されるワックスは、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸のような飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸のような不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのような飽和アルコール類;ソルビトールのような多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸のような脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールのようなアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドのような飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドのような不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドのような芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸のようなビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス、若しくはカルナバワックスのような脂肪酸エステル系ワックスを用いると、優れた耐擦過性を有するトナーが得られやすいためより好ましい。さらに好ましくは炭化水素系ワックスである。
<樹脂成分>
樹脂成分は結着樹脂であることが好ましい。即ち、結着樹脂及びワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
結着樹脂は、ビニル系重合体Aと非晶性ポリエステルPを含有し、結着樹脂中の前記ビニル系重合体Aの含有割合が、50.0~90.0質量%であり、該結着樹脂中の前記非晶性ポリエステルPの含有割合が、10.0~49.0質量%であることが好ましい。
<ビニル系重合体A及びモノマーユニットA>
樹脂成分は、上記式(A)で示されるモノマーユニットAを有するビニル系重合体Aを含有する。即ち、モノマーユニットAはビニル系モノマーユニットである。
ビニル系重合体Aが有するモノマーユニットAが、ビニル系重合体Aの側鎖として長鎖アルキル基(炭素数18~36のアルキル基)を有することで、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。
トナーの低温定着性の向上の観点から、ビニル系重合体Aは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す結晶性樹脂であることが好ましい。
モノマーユニットAは、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを重合性単量体として重合(ビニル重合)させることで、ビニル系重合体Aのモノマーユニットとして組み込むことが可能である。
炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、炭素数18~36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコサ、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドドリアコンタ等]及び炭素数18~36の分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデシル等]が挙げられる。
これらの内、トナーの低温定着性と耐擦過性の観点から、炭素数18~36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。該炭素数が18以上であると、ビニル系重合体Aの結晶性が高まりやすく、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。また、該炭素数が36以下であると、ビニル系重合体Aとワックスとの相溶性が過大になりにくいと推測される。そのため、炭素数18~36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、より好ましくは炭素数18~30の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである。さらに好ましいのは(メタ)アクリル酸ステアリル及び/又は(メタ)アクリル酸ベヘニルである。上記式(1)中、Rは炭素数18~36のアルキル基であり、より好ましくは炭素数18~30のアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数18及び22のアルキル基である。また、Rは直鎖のアルキル基であることが好ましく、RはHであることが好ましい。
モノマーユニットAを形成する重合性単量体(以下、重合性単量体Aとも表記する)及びモノマーユニットAは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
トナーの低温定着性及び耐擦過性の観点から、ビニル系重合体A中のモノマーユニットAの含有割合が、20.0~90.0質量%である。
ビニル系重合体A中のモノマーユニットAの含有割合が、20.0質量%以上であれば、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。そのため、20.0質量%以上であり、30.0質量%以上が好ましく、40.0質量%以上がより好ましく、45.0質量%以上がより好ましい。また、該含有割合が、90.0質量%以下であれば、ビニル系重合体Aとワックスとの相溶性が過大になりにくいと推測される。そのため、90.0質量%以下がより好ましく、85.0質量%以下がより好ましく、75.0質量%以下がさらに好ましい。
また、モノマーユニットAの含有割合は、上記式(A)で示されるモノマーユニット全ての含有割合の和とする。重合性単量体Aが複数存在する場合も同様である。
<モノマーユニットB>
ビニル系重合体AはモノマーユニットBを含有し、モノマーユニットBのSP値をSP(J/cm0.5としたとき、SPが21.00(J/cm0.5以上である。また、モノマーユニットBはビニル系モノマーユニットであることが好ましい。
本開示におけるSP値の単位は、(J/m0.5であるが、1(cal/cm0.5=2.045×10(J/m0.5によって(cal/cm0.5の単位に換算することができる。
SP値が21.00(J/cm0.5以上のモノマーユニットBが含有されることで、ビニル系重合体Aの結晶性を低下させることなく、融点やその他の物性が制御することができる。それにより、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすいため好ましい。
このメカニズムについて、以下のように推察している。
モノマーユニットAはビニル系重合体Aに組み込まれ、モノマーユニットA同士が集合(ブロック化)することで、ビニル系重合体Aの結晶性が高くなる。しかし、通常の場合、他のモノマーユニットが組み込まれていると結晶化を阻害するため、他のモノマーユニットが組み込まれていない場合と比較して重合体の結晶性が低下する。この傾向は、ビニル系重合体A中に、モノマーユニットAと他のモノマーユニットがランダムに組み込まれていると顕著になる。
一方、SP値が21.00(J/cm0.5以上のモノマーユニットBを与えるような重合性単量体を使用することで、重合時に重合性単量体AとモノマーユニットBに対応する重合性単量体(以下、重合性単量体Bとも表記する。具体例は後述する。)がランダムに結合するのではなく、重合性単量体A同士がある程度連続して結合できると考えられる。これは、モノマーユニットAのSP値が、モノマーユニットBのSP値に比べ十分に低いためである本発明者らは考えている。
その結果、ビニル系重合体A中で、モノマーユニットA同士が集合(ブロック化)しやすくなり、モノマーユニットBが組み込まれていても優れた結晶性が得られやすくなると考えられる。また、モノマーユニットBによってビニル系重合体Aの融点やその他の物性の制御もしやすくなると考えられる。即ち、ビニル系重合体Aは、モノマーユニットAを含む結晶性部位を有することが好ましい。また、ビニル系重合体Aは、モノマーユニットBを含む非晶性部位を有することが好ましい。また、ビニル系重合体Aが、モノマーユニットBを含む非晶性部位を有することで、ビニル系重合体Aとワックスの相溶性が過大になりにくくなると考えられる。
このため、SPは21.00(J/cm0.5以上であり、より好ましくは25.00(J/cm0.5以上である。
SPの上限は特に制限されないが、40.00(J/cm0.5以下であることが好ましく、30.00(J/cm0.5以下であることがより好ましい。
また、モノマーユニットAのSP値をSP(J/cm0.5としたとき、SP及びSPが、下記式(1)を満たすことが好ましい。
3.00(J/cm0.5≦(SP-SP)≦15.00(J/cm0.5・・・(1)
なお、ビニル系重合体A中に、モノマーユニットAの要件を満たすモノマーユニットが複数種類存在する場合、SPの値は、それぞれのモノマーユニットのSP値を加重平均した値とする。
また、モノマーユニットBが2種類以上である場合、SPはそれぞれのモノマーユニットBのSP値を表し、SP-SPはそれぞれのモノマーユニットBに対して決定される。
また、ビニル系重合体A中のモノマーユニットBの含有割合が、1.0~70.0質量%であることが好ましい。
ビニル系重合体A中のモノマーユニットBの含有割合が1.0質量%以上であると、ビニル系重合体の結晶性を損なうことなく、ワックスとの相溶性やビニル系重合体Aの融点などが制御されやすい。そのため、1.0質量%以上であることが好ましく、5.0質量%以上であることがより好ましく、10.0質量%以上であることがさらに好ましい。また、該含有割合が70.0質量%以下であれば、ビニル系重合体Aの結晶性が低下しにくく、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。そのため、70.0質量%以下が好ましく、60.0質量%以下がより好ましく、40.0質量%以下がより好ましく、30.0質量%以下であることがさらに好ましい。
モノマーユニットBは、対応する重合性単量体(重合性単量体B)を重合性単量体として重合(ビニル重合)させることで、ビニル系重合体Aのモノマーユニットとして組み込むことが可能である。
重合性単量体B及びモノマーユニットBは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
モノマーユニットBの含有割合は、モノマーユニットBに該当するモノマーユニット全ての含有割合の和とする。
モノマーユニットBを形成する重合性単量体Bとしては、例えば以下のうち、対応するモノマーユニットのSP値が21.00(J/cm0.5である重合性単量体を用いることができる。
ニトリル基を有する重合性単量体:例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
ヒドロキシ基を有する重合性単量体:例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等。
アミド構造を有する重合性単量体:例えば、アクリルアミド、炭素数1~30のアミンとエチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸等)を反応させた重合性単量体。
ウレタン構造を有する重合性単量体:例えば、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~22のアルコール(メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ビニルアルコール等)と、炭素数1~30のイソシアネートとを反応させた重合性単量体。また、炭素数1~26のアルコールと、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとを反応させた重合性単量体等。
ウレア構造を有する重合性単量体:例えば炭素数3~22のアミンと、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとを反応させた重合性単量体等。
カルボキシル基を有する重合性単量体:例えば、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル酸-2-カルボキシエチル等。
上記のような、ニトリル基、アミド構造、ウレタン構造、ヒドロキシ基、ウレア構造又はカルボキシル基を有する重合性単量体を使用することが好ましい。より好ましくは、ニトリル基、アミド構造、ウレタン構造、ヒドロキシ基、ウレア構造及びカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性単量体である。これらの重合性単量体を用いると、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすいため好ましい。中でも、ニトリル基は電子吸引性が高く、ビニル系重合体Aにおいて、モノマーユニットAの長鎖アルキル基同士の集合(ブロック化)による結晶性部位が得られやすく、ビニル系重合体Aの結晶性がより高まるため好ましい。
重合性単量体Bとして、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニルといったビニルエステル類も好ましく用いられる。
また、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすいため、モノマーユニットBが、下記式(B1)で示されるモノマーユニット及び下記式(B2)で示されるモノマーユニットからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーユニットであることが好ましい。
Figure 0007621793000003
(式(B1)及び(B2)中、
Xは、単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、
は、シアノ基(-C≡N)、-C(=O)NHR(Rは水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基))、ヒドロキシ基、-COOR(Rは炭素数1~6(好ましくは炭素数1~4)のアルキル基、若しくは炭素数1~6(好ましくは炭素数1~4)のヒドロキシアルキル基)、-NHCOOR(Rは炭素数1~4のアルキル基)、-NH-C(=O)-NH(R10(R10はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6(好ましくは炭素数1~4)のアルキル基)、-COO(CHNHCOOR11(R11は炭素数1~4のアルキル基)、又は-COO(CH-NH-C(=O)-NH(R12(R12はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6(好ましくは炭素数1~4)のアルキル基)を示し、Rは、炭素数1~4のアルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はCHを示す。)
<モノマーユニットC>
ビニル系重合体Aには、上述したモノマーユニットA、及びモノマーユニットBの好ましい含有割合を損ねない範囲で、上記式(1)を満たさないその他のモノマーユニットCが含まれていてもよい。
モノマーユニットCは、対応するモノマー(以下、重合性単量体Cとも表記する。)を重合性単量体として用いて重合することで、ビニル系重合体Aに組み込むことができる。
重合性単量体Cとしては、上記重合性単量体Bとして挙げた単量体のうち、上記式(1)を満たさないモノマーユニットに対応する単量体を用いることができる。
また、上記ニトリル基、アミド構造、ウレタン構造、ヒドロキシ基、ウレア構造、又はカルボキシル基を有さない、以下の重合性単量体も用いることができる。
例えば、スチレン、o-メチルスチレン等のスチレン及びその誘導体、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル類である。
なお、これらがモノマーユニットになったときのSP値が、21.00(J/cm0.5となる場合には、重合性単量体Bとして用いることができる。
また、モノマーユニットCは、下記式(C1)で示されるモノマーユニット及び下記式(C2)で示されるモノマーユニットからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーユニットであることが好ましい。これらのモノマーユニットは、ビニル系重合体Aを製造する共重合反応の際に、対応するモノマーを添加することで導入することができる。その中でもモノマーユニットCは、下記式(C1)で示されるモノマーユニットであることがより好ましい。
Figure 0007621793000004
(式(C2)中、R13はH又はCHを示す。)
ビニル系重合体A中の、上記の群から選択される少なくとも1つのモノマーユニットCの含有割合が、1.0~30.0質量%であることが好ましい。該含有割合が1.0質量%以上であれば、ビニル系重合体Aの弾性が適切に保たれやすい。そのため、1.0質量%以上が好ましく、5.0質量%以上がより好ましい。また、ビニル系重合体A中のモノマーユニットCの含有割合が30.0質量%以下であれば、ビニル系重合体Aの結晶性が低下しにくく、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。そのため、30.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以下がより好ましく、15.0質量%以下がさらに好ましい。
<ビニル系重合体Aの酸価>
ビニル系重合体Aの酸価は、30.0mgKOH/g以下であることが好ましい。30.0mgKOH/g以下であると、ビニル系重合体Aの結晶化を阻害しにくい。20.0mgKOH/g以下であることがより好ましい。下限は特に制限されず、0mgKOH/g以上である。ビニル系重合体Aの酸価は、組み込まれるモノマーユニットAの種類や量、組み込まれるモノマーユニットBの種類や量などによって調整可能である。
<ビニル系重合体AのMw>
ビニル系重合体Aは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が、10000~200000であることが好ましい。より好ましくは20000~150000であり、より好ましくは、20000~100000であり、さらに好ましくは20000~50000である。該Mwが上記範囲内であることで、室温付近での弾性が維持させやすくなる。また、ビニル系重合体AはTHFに可溶な重合体であることが好ましい。
<ビニル系重合体Aの融点>
ビニル系重合体Aの融点は、50℃~80℃であることが好ましい。融点が50℃以上であると、優れた耐熱保存性を有するトナーが得られやすい。そのため、50℃以上であることが好ましく、53℃以上であることがより好ましい。また、80℃以下であると、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。そのため、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることがより好ましい。ビニル系重合体Aの融点は、組み込まれるモノマーユニットAの種類や量、組み込まれるモノマーユニットBの種類や量などによって調整可能である。
<ビニル系重合体Aに関するその他の形態>
また、樹脂成分中のビニル系重合体Aの含有割合は、50.0~90.0質量%である。該含有割合が、50.0質量%以上であると、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。そのため、50.0質量%以上であり、55.0質量%以上であることがより好ましい。また、該含有割合が90.0質量%以下であると、トナーの弾性が過小になりにくく、また、樹脂成分中に非晶性ポリエステルPを十分に含有させやすい。そのため、90.0質量%以下が好ましく、75.0質量%以下がより好ましく、65.0質量%以下がさらに好ましい。
ビニル系重合体Aは樹脂成分中に、1種又は複数種含有されてもよい。ビニル系重合体Aが樹脂成分中に複数種含有される場合、ビニル系重合体Aに該当する重合体の合計含有割合を、ビニル系重合体Aの含有割合とする。
ビニル系重合体Aは、ポリエステルなどの他の樹脂が結合した、ハイブリッド樹脂(ビニル系重合体Aとビニル系樹脂以外の樹脂とのハイブリッド樹脂)の一部であってもよい。その場合、該ハイブリッド樹脂中のビニル系重合体Aの含有割合は、50質量%以上である。該含有割合は80質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。結合とは、例えば、共有結合などが挙げられる。
トナー粒子の断面において、ドメインマトリクス構造が観察され、該マトリクスがビニル系重合体Aを含有する。マトリクスがビニル系重合体Aを含有することで、トナー粒子全体にビニル系重合体Aが存在しやすく、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。また、該マトリクスの主成分がビニル系重合体Aであることがより好ましい。
<非晶性ポリエステルP>
本開示に係る樹脂成分は非晶性ポリエステルPを含有し、上記ビニル系重合体AのSP値をSPA1(J/cm0.5、非晶性ポリエステルPのSP値をSPP1(J/cm0.5としたとき、SPA1とSPP1が下記式(2)を満たす。
3.0(J/cm0.5≦SPP1-SPA1≦8.0(J/cm0.5・・・(2)
SPP1-SPA1が3.0以上であることで、ビニル系重合体Aと非晶性ポリエステルPの相溶性が適切に保たれやすく、ビニル系重合体Aがマトリクスに含有され、非晶性ポリエステルPがドメインに含有されるドメインマトリクス構造が形成されやすい。これによって、ビニル系重合体Aが集合しやすくなり、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。また、非晶性ポリエステルPが集合しやすくなると、ドメインにワックスを内包させるという構成を形成させやすい。また、SPP1-SPA1が8.0以下であることで、ビニル系重合体Aと非晶性ポリエステルPの相溶性が過小になりにくく、ビニル系重合体Aのみを含有するトナーや非晶性ポリエステルPのみを含有するトナーが得られにくいため好ましい。より好ましくは、SPP1-SPA1が5.0以下である。
また、SPA1は、下記式(7)を満たすことが好ましい。
19.0(J/cm0.5≦SPA1≦24.0(J/cm0.5・・・(7)
SPA1が上記範囲である場合、ビニル系重合体Aとワックスとが相溶しにくくなり、定着時にワックスがトナー表面に染み出しやすくなると推測される。その結果、優れた耐擦過性を有するトナーが得られやすいため好ましい。
また、SPP1が、下記式(8)を満たすことが好ましい。
23.0(J/cm0.5≦SPP1≦29.0(J/cm0.5・・・(8)
また、樹脂成分中の非晶性ポリエステルPの含有割合は、10.0~49.0質量%である。該含有割合が、10.0質量%以上であると、樹脂成分中に非晶性ポリエステルPが十分に含有されており、非晶性ポリエステルPを含有するドメインにワックスを内包させるという構成を形成させやすい。そのため、10.0質量%以上であり、20.0質量%以上であることが好ましく、35.0質量%以上であることがより好ましい。また、49.0質量%以下であると、トナーのメインバインダー及びマトリクスがビニル系重合体Aであるトナーが得られやすく、優れた低温定着性を有するトナーが得られやすい。そのため、49.0質量%以下であり、45.0質量%以下であることが好ましい。
<非晶性ポリエステルP中のTHF不溶分>
非晶性ポリエステルP中に含有されるTHF不溶分の含有割合が、50質量%以上であることが好ましい。該含有割合が50質量%以上であると、非晶性ポリエステルPと、ビニル系重合体A及びワックスとの相溶性が小さくなりやすく、上記のドメインマトリクス構造が形成されやすいと推測される。そのため、該含有割合が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることがさらに好ましい。上限としては特に制限されないが、95質量%以下であることが好ましい。該THF不溶分の含有割合の制御は、非晶性ポリエステルPの分子量を制御することによってすることができる。
<非晶性ポリエステルPのピークトップ分子量>
非晶性ポリエステルPのTHF可溶分のピークトップ分子量(Mp)が10000~250000であることが好ましい。該Mpが10000以上であると、ビニル系重合体Aと非晶性ポリエステルPの相溶性が適切に保たれやすくなると推測され、優れた低温定着性及び耐擦過性を有するトナーが得られやすい。そのため、該Mpが10000以上であることが好ましく、80000以上であることがより好ましく、100000以上であることがより好ましく、150000以上であることがさらに好ましい。また、該Mpが250000以下であると、ビニル系重合体Aと非晶性ポリエステルPの相溶性が過小になりにくく、ビニル系重合体Aのみを含有するトナーや非晶性ポリエステルPのみを含有するトナーが得られにくいため好ましい。そのため、該Mpが250000以下であることが好ましく、210000以下であることがより好ましい。
<非晶性ポリエステルPの製造例>
非晶性ポリエステルPは、多価アルコール及び、多価カルボン酸(又は多価カルボン酸誘導体)をモノマーとして縮重合反応を行うことによって製造することができる。多価カルボン酸の誘導体しては、その多価カルボン酸の酸無水物及び酸ハロゲン化物、並びに多価カルボン酸の低級アルキルエステルが挙げられる。また、多価アルコール及び多価カルボン酸は2価及び/又は3価であることが好ましい。
モノマーとしての多価アルコールは以下のものが挙げられる。
2価のアルコール成分として、ビスフェノール誘導体が挙げられる。例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。
その他のアルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。
これらの中でもビスフェノール誘導体がモノマーとして用いられることが好ましい。
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールである。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独で用いても良く、複数を併用して用いてもよい。
モノマーとしての多価カルボン酸は以下のものが挙げられる。
2価のカルボン酸成分として、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n-ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n-ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n-オクテニルコハク酸、n-オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n-ドデセニルコハク酸、又はこれらの誘導体が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、又はこれらの誘導体などが挙げられる。これらのうち、特に1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、即ちトリメリット酸又はこれらの誘導体が、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸及び3価以上のカルボン酸及びこれらの誘導体は、単独で用いてもよく、複数を併用して用いてもよい。
本開示の非晶性ポリエステルPの製造方法については、特に制限されない。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを反応容器に投入し、縮重合反応を起こさせることで非晶性ポリエステルPを製造できる。また、重合時の温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。重合することによって非晶性ポリエステルPを得る際には、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。これらの中でも、スズ系触媒を使用して重合させて、非晶性ポリエステルPを得ることが好ましい。
<各種添加剤>
樹脂成分及びワックス以外に必要により、着色剤、磁性体、荷電制御剤及び流動化剤などから選ばれる1種以上の添加剤をトナーに含有させてもよい。
<着色剤>
着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤としては、顔料を単独で使用してもよく、染料と顔料とを併用してもよい。フルカラー画像の画質の観点から、染料と顔料とを併用することが好ましい。
マゼンタ着色剤としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパースバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアン着色剤としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料、C.I.ソルベントブルー70。
イエロー着色剤としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
着色剤の含有割合は、樹脂成分の質量に対して0.1~30.0質量部であることが好ましい。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては特に制限されず使用できるが、無色でトナーの帯電スピードが速く、且つ一定の帯電量を安定して保持できるため、芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては例えば以下のものが挙げられる。
サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物。スルホン酸塩又はスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物。カルボン酸塩又はカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物。ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなど。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし外添してもよい。
荷電制御剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対し、0.2質量部~10.0質量部が好ましく、0.5質量部~10.0質量部がより好ましい。
<無機微粒子>
無機微粒子は、トナー粒子に内添してもよいし、外添剤としてトナーと混合してもよい。無機微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子又はそれらの複酸化物の微粒子のような微粒子が挙げられる。無機微粒子の中でもシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子が、流動性改良及び帯電均一化のために好ましい。
無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部~10.0質量部であることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような混合機を用いることができる。
<現像剤>
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、また、長期にわたり安定した画像を供給するために、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることが好ましい。
該磁性キャリアとしては、例えば以下のものが挙げられる。
酸化鉄;鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、及び希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、それらの酸化物粒子。また、フェライトなどの磁性体、磁性体及び磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア);なども例として挙げられる。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際の磁性キャリアの混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%~15質量%であることが好ましく、より好ましくは4質量%~13質量%以下である。
<トナーの製造方法>
本開示のトナーについては、その製造方法は特に制限されず、粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、分散重合法などの方法を用いることができる。
本開示のトナーは、粉砕法により製造されることが好ましい。即ち、本開示のトナーの製造方法が、
非晶性ポリエステルPとワックスを含有する材料を溶融混錬し、第一溶融混錬物を得る第一溶融混錬工程と、
第一溶融混錬物を粉砕して第一粉体を得る第一粉砕工程と、
第一粉体及びビニル系重合体Aを含有する材料を溶融混錬し、第二溶融混錬物を得る第二溶融混錬工程と、
第二溶融混錬物を粉砕して第二粉体を得る第二粉砕工程を含む、トナーの製造方法であることが好ましい。
製造方法が、上記の方法である場合、溶融混錬する際の仕込み原材料、温度、軸構成、回転、ニーディングエリア、クリアランス、滞留時間の調整が可能である。これらによってドメインマトリクス構造、非晶性ポリエステルPのドメイン径、及び、ドメインにおけるワックスの内包率などを制御できるため好ましい。
同様に、本開示のトナーは、乳化凝集法により製造されることが好ましい。即ち、本開示のトナーの製造方法が、
非晶性ポリエステルPとワックスを含有する第一微粒子分散液を得る工程と、
ビニル系重合体Aを含有する第二微粒子分散液を得る工程と、
第一微粒子分散液と第二微粒子分散液に凝集剤を添加して、凝集体粒子を形成する工程を含むトナーの製造方法であることが好ましい。
製造方法が、上記の方法である場合、原材料微粒子分散液を調整する際や、凝集体粒子を形成する際の仕込み原材料、溶媒比、乳化条件の調整が可能である。これらによって、ドメインマトリクス構造、非晶性ポリエステルのドメイン径、及び、ドメインにおけるワックスの内包率などを制御できるため好ましい。
<粉砕法>
以下、粉砕法でのトナー製造手順について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、樹脂成分、ワックス、着色剤、必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、樹脂成分中にワックス等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が好ましく用いられる。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
続いて、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
ここで、非晶性ポリエステルPを含有するドメインに、ワックスを内包させやすくするために、第一溶融混錬として、非晶性ポリエステルPとワックスをまず溶融混錬及び粉砕を行い、第一粉体を得ることが好ましい。そしてその後、第二溶融混錬として、該第一粉体とビニル系重合体Aを溶融混錬、粉砕を行うことが好ましい。この第一溶融混錬を行うことで、ワックスを内包した非晶性ポリエステルPとビニル系重合体Aを溶融混錬することができ、ビニル系重合体Aとワックスの接点を大きく減らすことができる。その結果、非晶性ポリエステルPにワックスが内包させたトナーが得られやすい。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級する。
更に必要に応じて、トナー粒子の表面に外添剤が外添処理される。外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーと各種外添剤を所定量配合し、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン株式会社製)等の混合装置を外添機として用いて、撹拌・混合する方法が挙げられる。
<各種測定方法等>
各種測定方法等について以下に説明する。
<トナーからの各材料の分離方法>
トナーに含まれる各材料の溶剤への溶解度の差を利用して、トナーから各材料を分離することができる。
第一分離:23℃のメチルエチルケトン(MEK)にトナーを溶解させ、可溶分(非晶性ポリエステルP)と不溶分(ビニル系重合体A、ワックス、着色剤、無機微粒子など)を分離する。
第二分離:100℃のMEKに、第一分離で得られた不溶分(ビニル系重合体A、ワックス、着色剤、無機微粒子など)を溶解させ、可溶分(ビニル系重合体A、ワックス)と不溶分(着色剤、無機微粒子など)を分離する。
第三分離:23℃のクロロホルムに、第二分離で得られた可溶分(ビニル系重合体A、ワックス)を溶解させ、可溶分(ビニル系重合体A)と不溶分(ワックス)を分離する。
<重合体中のモノマーユニットの含有割合の測定方法>
ポリマー中のモノマーユニットの含有割合の測定は、H-NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
算出の一例として、ビニル系重合体A中のモノマーユニットAの含有割合の算出を以下に示す。
得られたH-NMRチャートより、モノマーユニットAの構成要素に帰属されるピークの中から、他のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
同様に、モノマーユニットBの構成要素に帰属されるピークの中から、他のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
さらに、モノマーユニットCが含有されている場合も同様に、モノマーユニットCの構成要素に帰属されるピークから、他のモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
ビニル系重合体A中のモノマーユニットAの含有割合は、上記積分値S、S及びSを用いて、以下のようにして求める。なお、n、n2、はそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
ビニル系重合体A中のモノマーユニットAの含有割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
モノマーユニットB及びモノマーユニットCも同様に含有割合を算出する。
なお、ビニル系重合体Aにおいて、ビニル基以外の構成要素に水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C-NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、H-NMRにて同様にして算出する。
また、トナーを測定試料とする場合、ワックスやその他の樹脂のピークが重なり、独立したピークが観測されないことがある。それにより、ビニル系重合体A中の各種モノマーユニットの含有割合が算出できない場合が生じる。その場合、ワックスやその他の樹脂を使用しないで同等のトナー製造を行うことで、ビニル系重合体A’を製造し、ビニル系重合体A’をビニル系重合体Aとみなして分析することができる。
<SP値算出方法>
SP値は、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
算出対象の分子構造中の原子又は原子団に対して、「polym.Eng.Sci.,14(2),147-154(1974)」に記載の表から蒸発エネルギー(Δei)(cal/mol)及びモル体積(Δvi)(cm/mol)を求め、(4.184×ΣΔei/ΣΔvi)0.5をSP値(J/cm0.5とする。SPA1及びSPP1は、トナーの製造時に使用されるビニル系重合体A及び非晶性ポリエステルPが有するモノマーユニットの構成から計算する。
<トナー粒子断面のサンプル作製方法>
トナー粒子断面の作成は以下の手順で行う。
カバーガラス(松波硝子社、角カバーグラス 正方形 No.1)上にトナーを一層となるように散布する。そして、オスミウム・プラズマコーター(filgen社、OPC80T)を用い、保護膜としてトナーにOs膜(5nm)及びナフタレン膜(20nm)を施す。次に、PTFE製のチューブ(Φ1.5mm×Φ3mm×3mm)に光硬化性樹脂D800(日本電子社)を充填し、チューブの上に上記のカバーガラスをトナーが光硬化性樹脂D800に接するような向きで静かに置く。この状態で光を照射して樹脂を硬化させた後、カバーガラスとチューブを取り除くことで、最表面にトナーが包埋された円柱型の樹脂を形成する。超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度0.6mm/sで、円柱型の樹脂の最表面からトナーの半径(例えば、重量平均粒径(D4)が8.0・mの場合は4.0・m)の長さだけ切削して、トナーの断面を出す。次に、膜厚250nmとなるように切削し、トナー断面の薄片サンプルを作製した。このような手法で切削することで、トナー中心部の断面を得ることができる。
<トナー粒子の断面における、ドメインに中に内包されているワックス面積I、マトリクスの中に存在するワックス面積S、ドメインに内包されているワックスの平均長径の測定方法>
トナー粒子の断面における、ドメインに中に内包されているワックス面積I、及びドメインの中に内包されていないワックス面積Sは以下のように測定する。
走査型透過電子顕微鏡HD-2700(日立ハイテクサイエンス社製)、及び、エネルギー分散型X線解析装置EDAX204Bを用いて、酸素、窒素のマッピング測定をすることにより測定する。
なお、観察するトナー粒子断面は以下のように選択する。まずトナー粒子断面画像から、トナー粒子の断面積を求め、その断面積と等しい面積を持つ円の直径(円相当径)を求める。この円相当径とトナーの重量平均粒径(D4)との差の絶対値が1.0μm以内のトナー粒子断面画像についてのみ観察する。
加速電圧:20kV
倍率:10000倍
具体的な方法としては、得られた撮影像を二値化して、画像処理ソフトImage-Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を用いて算出した。
まず、トナー粒子群の部分を抽出し、抽出されたトナー粒子1個のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析するトナー粒子群を抽出するため、トナー粒子群と背景部分を分離する。次いで、Image-Pro Plus5.1Jの「測定」-「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50~255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、トナー粒子群の抽出を行った。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度を5に設定し、「穴埋める」にチェックを入れた。上記操作により、画像の全ての境界(外周)上に位置するトナー粒子や他のトナー粒子と重なっているトナー粒子については、計算から除外するものとした。次に「カウント/サイズ」の測定項目で、「面積とフェレ径(平均)」を選択し、面積の選別レンジを最小100pixel、最大10000pixelとして、画像解析するトナー粒子を抽出した。抽出されたトナー粒子群からトナー粒子1個を選択し、酸素あるいは窒素のマッピングドットにより、そのトナー粒子のマトリクス領域に該当する部分の大きさ(pixel数)jsを求めた。同様に、ドメイン領域に該当する部分の大きさ(pixel数)jiを求めた。
次に、ドメイン領域に内包されている、酸素のマッピングドットが連続していない部分(ワックス部分に相当)の大きさ(pixel数)miを求めた。同様に、ドメイン領域に内包されていない酸素のマッピングドットが連続していない部分(ワックス部分に相当)の大きさ(pixel数)msを求めた。得られたms、miの値と、1つのpixelの面積から、ワックスの面積sw及び、iwを算出した。
次いで、抽出されたトナー粒子群の各トナー粒子に対して、選択されるトナー粒子の数が100となるまで同様の処理を行い、swの平均値及びiwの平均値を、本開示に係るS及びIの値とした。
1つの視野中のトナー粒子の数が100に満たない場合には、別視野のトナー粒子投影像について同様の操作を繰り返した。
また、ドメインに内包されているワックスの平均長径は以下のように算出する。
上記の操作において、ドメイン領域に内包されている、酸素のマッピングドットが連続していない部分(ワックス部分に相当)のうち、最も二点間の距離が大きい2つのピクセル間の距離を1つワックスドメインの長径とする。そして、トナー粒子に含有されるそれらの平均値を算出する。該平均値の算出をトナー粒子20個に対して行い、それらの算術平均を、内包されているワックスの平均長径とする。
<テトラヒドロフラン(THF)不溶分の含有割合の測定方法>
THF不溶分を測定する試料1.5gを精秤(Wg)し、予め精秤した円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。
溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)200mLを用いて18時間抽出し、その際に溶媒の抽出サイクルが約5分に1回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、円筒濾紙を取り出して風乾した後、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を含む円筒濾紙の質量を秤量し、円筒濾紙の質量を差し引くことにより、抽出残分の質量(Wg)を算出する。THF不溶分は、下記式(A)で求められる。
THF不溶分(質量%)=(W/W)×100・・・(A)
<GPCによる非晶性ポリエステルの重量平均分子量測定>
非晶性ポリエステルのTHF可溶分の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<GPCによる重合体Aの分子量測定>
重合体Aの分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、100℃で1時間かけて、重合体Aをトルエンに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、トルエンに可溶な成分の濃度が約0.1質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC-8121GPC/HT(東ソー社製)
カラム:TSKgel GMHHR-H HT(7.8cm I.D×30cm)2連(東ソー社製)
検出器:高温用RI
温度 :135℃
溶媒 :トルエン
流速 :1.0mL/min
試料 :0.1%の試料を0.4mL注入
試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark-Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出する。
以下、本開示を実施例により具体的に説明するが、これらは本開示をなんら限定するものではない。なお、以下の処方において、部は特に断りのない限り質量基準である。
実施例中における、それぞれの測定結果は、上記で記載した測定方法で測定した結果である。
<重合体A1の製造例>
・溶媒:トルエン 100.0部
・単量体組成物:100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル・アクリロニトリル・スチレンを以下に示す割合で混合したものとする)
・アクリル酸ベヘニル(重合性単量体A) 67.0部(25.3モル%)
・アクリロニトリル(重合性単量体B) 22.0部(59.5モル%)
・スチレン(重合性単量体C) 11.0部(15.2モル%)
・重合開始剤 t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)0.5部
還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、上記溶媒及び単量体組成物を投入した。反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分を濾別し、さらにメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して重合体A1を得た。重合体A1の物性を表2、表3に示す。
<重合体A2~A12の製造例>
重合体A1の製造例において、それぞれの重合性単量体及び部数を表1となるように変更した以外は同様の操作を行い、重合体A2~A12を得た。重合体A1~A12の物性を表2、表3に示す。
重合体A1~A12は、DSC測定において明確な吸熱ピークを有する結晶性樹脂であった。また、重合体A1~A12は、THFに可溶な樹脂であった。
Figure 0007621793000005
表1~表3中の略号は以下の通り。
BEA:ベヘニルアクリレート
STA:ステアリルアクリレート
MYA:ミリシルアクリレート
HA:ヘキサデシルアクリレート
AN:アクリロニトリル
VA:酢酸ビニル
AA:アクリルアミド
St:スチレン
※表1において、ヘキサデシルアクリレートは重合性単量体Aには該当しないが、重合性単量体Aの列に記載している。
Figure 0007621793000006
※表2において、ヘキサデシルアクリレートに対応するユニットは、モノマーユニットAに該当しないが、モノマーユニットAの列に記載している。
Figure 0007621793000007
<非晶性ポリエステルP1の製造例>
・ビスフェノールA・PO付加物(平均付加モル数2.0):37.0部(13.6mol%)
・エチレングリコール:13.0部(35.5mol%)
・テレフタル酸:50.0部(50.9mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、5時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が140℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、非晶性ポリエステルP1を得た。得られた非晶性ポリエステルP1のピークトップ分子量(Mp)は200000であった。非晶性ポリエステルP1の物性を表5に示す。
<非晶性ポリエステルP2~P27の製造例>
非晶性ポリエステルP1の製造例において、それぞれの重合性単量体の種類及び部数を表4となるように変更したこと、表5に記載の分子量(Mp)となるように反応条件を調整したこと以外は同様の操作を行い、非晶性ポリエステルP2~P27を得た。非晶性ポリエステルP2~P27の物性を表5に示す。
Figure 0007621793000008
表4及び表5中の略号は以下の通り。
PO2:ビスフェノールA・プロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.0)
EO2:ビスフェノールA・エチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.0)
ED:エチレングリコール
THM:ペンタエリスリトール
TPA:テレフタル酸
AA:アジピン酸
Figure 0007621793000009
<トナー1の製造例>
・非晶性ポリエステルP1:40部
・炭化水素ワックス(HNP-51、日本精蝋製):5部
・着色剤(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3):10部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数1500rpm、回転時間3分で混合した後、温度150℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物1を得た。
続いて、下記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数1500rpm、回転時間5分で混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
・重合体A1:60部
・粗砕物1:55部
得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティ(F-300、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を11000rpm、分散ローター回転数を7200rpmとした。
続いて下記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で回転数1900rpm、回転時間10分で混合し、トナー1を得た。得られた物性を表6に示す。
・トナー粒子1:100部
・シリカ微粒子A:ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカ
(個数基準におけるメジアン径(D50)が120nm)4部
・小粒径無機微粒子:イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子
(個数基準におけるメジアン径(D50)が10nm)1部
<トナー3~37の製造例>
トナー1の製造例において、重合体Aの種類及び添加量、非晶性ポリエステルPの種類及び添加量を表6の通りとなるように変更した以外はトナー1の製造例と同様の操作を行い、トナー3~37を得た。得られた物性を表6に示す。
Figure 0007621793000010
表6中のTHF不溶分量とは、トナー中に含有される非晶性ポリエステルの全質量に対する、非晶性ポリエステルのTHF不溶分の質量の割合である。
<重合体A1微粒子分散液の製造例>
・トルエン(和光純薬製):300部
・重合体A1:100部
上記材料を秤量・混合し、90℃で溶解させ、トルエン溶液を得た。
別途、イオン交換水700部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.0部、ラウリン酸ナトリウム10.0部を加え90℃で加熱溶解させ水溶液を得た。
次いで該トルエン溶液と該水溶液を混ぜ合わせ、超高速撹拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて7000rpmで撹拌した。さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い重合体A1微粒子の濃度が20質量%の水系分散液(重合体A1微粒子分散液)を得た。
重合体A1微粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA-EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.10μmであった。
<炭化水素ワックス含有非晶性ポリエステルP2微粒子分散液の製造例>
・テトラヒドロフラン(和光純薬製):300.0部
・非晶性ポリエステルP2:100.0部
・炭化水素ワックス(HNP-51、日本精蝋製):12.5部
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製):0.5部
上記材料を秤量・混合し、溶解させた。
次いで、1mol/Lのアンモニア水を20.0部加え、超高速撹拌装置T.K.ロボミックス(プライミクス製)を用いて4000rpmで撹拌した。さらに、イオン交換水700部を8g/分の速度で添加し、炭化水素ワックス含有非晶性ポリエステルP2微粒子を析出させた。その後、エバポレーターを用いて、テトラヒドロフランを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い、該微粒子の濃度が20質量%の水系分散液(炭化水素ワックス含有非晶性ポリエステルP2微粒子分散液)を得た。
炭化水素ワックス含有非晶性ポリエステルP1微粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA-EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.10μmであった。
<着色剤微粒子分散液の製造>
・着色剤(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3):50.0部
・アニオン界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬製):7.5部
・イオン交換水:442.5部
上記材料を秤量・混合して溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度が10質量%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を得た。
着色剤微粒子の体積分布基準の50%粒径(D50)を動的光散乱式粒度分布計ナノトラックUPA-EX150(日機装製)を用いて測定したところ、0.20μmであった。
<トナー2の製造例>
・重合体A1微粒子分散液:300部
・炭化水素ワックス含有非晶性ポリエステルP2微粒子分散液:225部
・着色剤微粒子分散液:50部
・イオン交換水:160部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入し、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液10部を添加した。続いて、ホモジナイザー ウルトラタラックスT50(IKA社製)を用いて5000r/分で10分間分散した。その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながら58℃まで加熱した。
形成された凝集粒子の体積平均粒径を、コールターマルチサイザーIIIを用い、適宜確認し、体積平均粒径が約6.00μmである凝集粒子が形成されたところで、エチレンジアミンテトラ4酢酸ナトリウム100部を追加した。その後、撹拌を継続しながら、75℃まで加熱した。そして、75℃で1時間保持することで凝集粒子を融合させた。
その後、50℃まで冷却し、3時間保持することで重合体の結晶化を促進させた。
その後、凝集剤由来の多価の金属イオンの除去工程として、50℃に保持しながら、5%エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム水溶液で洗浄した。
その後、25℃まで冷却し、濾過・固液分離した後、イオン交換水で洗浄を行った。洗浄終了後に真空乾燥機を用いて乾燥することで、重量平均粒径(D4)が約6.07μmのトナー粒子2を得た。
続いて下記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で回転数1900rpm、回転時間10分で混合し、トナー2を得た。得られた物性を表6に示す。
・トナー粒子2:100部
・シリカ微粒子A:ヘキサメチルジシラザンで表面処理したヒュームドシリカ
(個数基準におけるメジアン径(D50)が120nm)4部
・小粒径無機微粒子:イソブチルトリメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子
(個数基準におけるメジアン径(D50)が10nm)1部
<磁性キャリア1の製造例>
・個数平均粒径0.30μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am/kg)のマグネタイト1
・個数平均粒径0.50μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am/kg)のマグネタイト2
上記の材料それぞれ100部に対し、4.0部のシラン化合物(3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール:10質量%
・ホルムアルデヒド溶液:6質量%
(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト1:58質量%
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト2:26質量%
上記材料100部と、28質量%アンモニア水溶液5部、及び水20部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温し、3時間保持して重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。
その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体分散型の球状の磁性キャリア1を得た。体積基準の50%粒径(D50)は、34.21μmであった。
<二成分系現像剤1の製造例>
92.0部の磁性キャリア1と8.0部のトナー1をV型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
<二成分系現像剤2~37の製造例>
二成分系現像剤1の製造例において、トナーの種類を表7のように変更する以外は同様の操作を行い、二成分系現像剤2~37を得た。
<実施例1>
上記二成分系現像剤1を用いて、トナー1を以下の様に評価した。
<トナーの耐擦過性の評価>
トナーの耐擦過性の評価には、画像形成装置として、デジタル商業印刷用プリンター(商品名:imageRUNNER ADVANCE C5560、キヤノン社製)の改造機を用いた。装置の改造点としては、定着温度、プロセススピード、現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及び、レーザーパワーを自由に設定できるようにした点であった。また、シアン位置の現像器内部から二成分系現像剤を取り出し、二成分系現像剤1を入れた。
まず、下記の条件で評価画像を1枚出力した。
・白色用紙(商品名:イメージコートグロス158(158.0g/m)、キヤノンマーケティングジャパン社)
・紙上のトナーの載り量:0.05mg/cm
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)
・評価画像:上記A4用紙の中心に3cm×15cmの画像を配置
・定着試験環境:常温常湿環境(温度23℃/湿度50%RH(以下N/N))
・定着温度:180℃
・プロセススピード:377mm/秒
その後、出力した評価画像に新品の評価紙を重ね、学振型摩擦堅牢度試験機(商品名:AB-301、テスター産業社製)を用い、評価画像の画像部の上から0.5kgfの荷重をかけて、10往復摩擦した。その後、摩擦時に用いた新品の評価紙に対して、評価画像の画像部と摩擦された部分の反射率を測定した。また、摩擦時に用いなかった新品の評価紙に対しても反射率の測定を行った。反射率の測定には、リフレクトメータ(商品名:REFLECTOMETER MODEL TC-6DS、東京電色社製)を用いた。
そして、下記式を用いて摩擦前後での反射率の差分を算出した。評価結果を表7に示す。反射率の差分が2.5%以下のものを、本開示の効果が得られているものと判断した。
反射率の差分(%)=摩擦時に用いなかった新品の評価紙の反射率(%)-評価画像の画像部と摩擦された部分の反射率(%)
<トナーの低温定着性の評価>
上記トナーの耐擦過性の評価で用いた画像形成装置を用い、下記の条件で評価画像を出力した。
・白色用紙(商品名:GFC-081(81.0g/m)、キヤノンマーケティングジャパン社)
・紙上のトナーの載り量:0.70mg/cm
(現像剤担持体の直流電圧VDC、静電潜像担持体の帯電電圧V、及びレーザーパワーにより調整)
・評価画像:上記A4用紙の中心に2cm×5cmの画像を配置
・試験環境:低温低湿環境:温度15℃/湿度10%RH(以下「L/L」)
・定着温度:150℃
・プロセススピード:377mm/秒
まず、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用い、評価画像の画像部の画像濃度を測定した。次に、画像濃度を測定した画像部にシルボン紙を重ね、その上から、4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけて5往復摩擦し、画像部の画像濃度を再度測定した。
そして、下記式を用いて摩擦前後での画像濃度の低下率を算出し、トナーの低温定着性の評価指標とした。評価結果を表7に示す。該画像濃度の低下率が5.5%以下であるものを、本開示の効果が得られているものと判断した。
画像濃度の低下率(%)={(摩擦前の画像濃度-摩擦後の画像濃度)/摩擦前の画像濃度}×100
<実施例2~29及び比較例1~8>
二成分系現像剤2~37を用いた以外は、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表7に示す。
Figure 0007621793000011
1 トナー粒子
2 ビニル系重合体Aを含有するマトリクス
3 非晶性ポリエステルPを含有するドメイン
4 ドメインに内包されたワックス
5 ドメインに内包されていないワックス

Claims (15)

  1. 樹脂成分及び炭化水素系ワックスを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    前記樹脂成分は、
    (1)下記式(A)で示されるモノマーユニットA及びSP値(SP [J/cm 0.5 )が21.00(J/cm 0.5 以上であるモノマーユニットBを含有するビニル系樹脂である、ビニル系重合体Aと
    (2)前記樹脂成分中において非晶性ポリエステルとして含有される唯一の成分である、非晶性ポリエステルPと、
    を含有し、
    前記ビニル系重合体Aは、結晶性樹脂であり、
    前記樹脂成分中の前記ビニル系重合体Aの含有割合が、50.0~90.0質量%であり、
    記ビニル系重合体A中の前記モノマーユニットAの含有割合が、20.0~90.0質量%であり、
    前記樹脂成分中の前記非晶性ポリエステルPの含有割合が、10.0~49.0質量%であり、
    前記ビニル系重合体AのSP値をSPA1(J/cm0.5、前記非晶性ポリエステルPのSP値をSPP1(J/cm0.5としたとき、前記SPA1及び前記SPP1が下記式(2)を満たし、
    前記トナー粒子の断面において、
    (i)前記ビニル系重合体Aを含有するマトリクスと、前記非晶性ポリエステルPを含有するドメインとで構成されるドメインマトリクス構造が観察され、
    (ii)前記ドメインの中に内包されているワックスの面積をIとし、前記ドメインの中に内包されていないワックスの面積をSとしたとき、
    前記I及び前記Sが、下記式(3)を満たす、
    ことを特徴とするトナー。
    3.0(J/cm0.5≦SPP1-SPA1≦8.0(J/cm0.5・・・(2)
    0.00≦S/I≦0.70・・・(3)
    Figure 0007621793000012

    (式(A)中、RはH又はCHを示し、Rは炭素数18~36のアルキル基を示す。)
  2. 前記I及び前記Sが、下記式(4)を満たす請求項1に記載のトナー。
    0.00≦S/I≦0.30・・・(4)
  3. 前記ビニル系重合体A中の、前記モノマーユニットBの含有割合が、1.0~70.0質量%である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記モノマーユニットBが、下記式(B1)で示されるモノマーユニット及び下記式(B2)で示されるモノマーユニットからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーユニットである請求項1~3の何れか一項に記載のトナー。
    Figure 0007621793000013

    (式(B1)及び(B2)中、
    Xは、単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、
    は、シアノ基(-C≡N)、-C(=O)NHR(Rは水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基))、ヒドロキシ基、-COOR(Rは炭素数1~6のアルキル基、若しくは炭素数1~6のヒドロキシアルキル基)、-NHCOOR(Rは炭素数1~4のアルキル基)、-NH-C(=O)-NH(R10(R10はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基)、-COO(CHNHCOOR11(R11は炭素数1~4のアルキル基)、又は-COO(CH-NH-C(=O)-NH(R12(R12はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基)を示し、Rは、炭素数1~4のアルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はCHを示す。)
  5. 前記トナー粒子中に含有される前記ワックスの含有割合が、1.0~10.0質量%である請求項1~4の何れか一項に記載のトナー。
  6. 前記トナー粒子の断面において、
    前記ドメインの中に内包されているワックスの平均長径が、20~100nmである請求項1~5の何れか一項に記載のトナー。
  7. 前記SPA1が、下記式(7)を満たす請求項1~6の何れか一項に記載のトナー。
    19.0(J/cm0.5≦SPA1≦24.0(J/cm0.5・・・(7)
  8. 前記非晶性ポリエステルP中に含有されるTHF不溶分の含有割合が、50質量%以上である請求項1~7の何れか一項に記載のトナー。
  9. 前記ビニル系重合体AがモノマーユニットCをさらに有し、
    前記モノマーユニットCが下記式(C1)で示されるモノマーユニット及び下記式(C2)で示されるモノマーユニットからなる群から選択される少なくとも1つのモノマーユニットである請求項1~8の何れか一項に記載のトナー。
    Figure 0007621793000014

    (式(C2)中、R13はH又はCHを示す。)
  10. 前記ビニル系重合体A中の前記モノマーユニットCの含有割合が、1.0~30.0質量%である請求項9に記載のトナー。
  11. 前記非晶性ポリエステルPのTHF可溶分のピークトップ分子量(Mp)が10000~250000である請求項1~10の何れか一項に記載のトナー。
  12. 前記ビニル系重合体Aの酸価が、30.0mgKOH/g以下である請求項1~11の何れか一項に記載のトナー。
  13. トナー及び磁性キャリアを含有する二成分系現像剤であって、
    前記トナーが請求項1~12の何れか一項に記載のトナーである二成分系現像剤。
  14. 請求項1~12の何れか一項に記載のトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    前記製造方法が、
    前記非晶性ポリエステルPとワックスを含有する材料を溶融混錬し、第一溶融混錬物を得る第一溶融混錬工程と、
    前記第一溶融混錬物を粉砕して第一粉体を得る第一粉砕工程と、
    前記第一粉体及び前記ビニル系重合体Aを含有する材料を溶融混錬し、第二溶融混錬物を得る第二溶融混錬工程と、
    前記第二溶融混錬物を粉砕して第二粉体を得る第二粉砕工程、を含む
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  15. 請求項1~12の何れか一項に記載のトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    前記製造方法が、
    前記非晶性ポリエステルPとワックスを含有する第一微粒子分散液を得る工程と、
    前記ビニル系重合体Aを含有する第二微粒子分散液を得る工程と、
    前記第一微粒子分散液と前記第二微粒子分散液に凝集剤を添加して、凝集体粒子を形成する工程と、を含む
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
JP2020216658A 2020-12-25 2020-12-25 トナー、二成分現像剤及びトナーの製造方法 Active JP7621793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020216658A JP7621793B2 (ja) 2020-12-25 2020-12-25 トナー、二成分現像剤及びトナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020216658A JP7621793B2 (ja) 2020-12-25 2020-12-25 トナー、二成分現像剤及びトナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022102117A JP2022102117A (ja) 2022-07-07
JP7621793B2 true JP7621793B2 (ja) 2025-01-27

Family

ID=82273594

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020216658A Active JP7621793B2 (ja) 2020-12-25 2020-12-25 トナー、二成分現像剤及びトナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7621793B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7447939B2 (ja) 2022-06-24 2024-03-12 株式会社タダノ クレーン

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019035807A (ja) 2017-08-10 2019-03-07 花王株式会社 トナーの製造方法
JP2020173414A (ja) 2018-06-13 2020-10-22 キヤノン株式会社 トナー

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019035807A (ja) 2017-08-10 2019-03-07 花王株式会社 トナーの製造方法
JP2020173414A (ja) 2018-06-13 2020-10-22 キヤノン株式会社 トナー

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022102117A (ja) 2022-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7493963B2 (ja) トナー及びトナーの製造方法
CN108333887B (zh) 调色剂
JP6921609B2 (ja) トナーの製造方法
US20210181647A1 (en) Toner and two component developer
EP1705523B1 (en) Toner for developing electrostatic latent images and manufacturing method thereof developer for developing electrostatic latent images image forming method and method for manufacturing dispersion of resin particles
JP7721320B2 (ja) トナー
JP6643066B2 (ja) トナーの製造方法
JP2018072389A (ja) トナー
CN115113499B (zh) 调色剂和调色剂的制造方法
JP4389665B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
JP5001691B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂の製造方法およびトナー
JP4993477B2 (ja) トナー用ポリエステル樹脂の製造方法およびトナー
JP6700730B2 (ja) トナー及びトナーの製造方法
CN115145131B (zh) 调色剂
JP7621793B2 (ja) トナー、二成分現像剤及びトナーの製造方法
JP7654477B2 (ja) トナー
JP7353956B2 (ja) トナー
JP2017125923A (ja) 電子写真用トナー
JP7419111B2 (ja) トナー
JP7793446B2 (ja) トナー
JP7604121B2 (ja) トナー
JP2024145472A (ja) トナー及び二成分現像剤
US20250306491A1 (en) Toner
EP4722817A1 (en) Toner
JP2025071400A (ja) 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20231213

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20241024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20241217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20250115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7621793

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150