(実施の形態1)
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。はじめに図1を用いて実施の形態1にかかる通信装置10の構成例について説明する。通信装置10は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。通信装置10は、電気信号を光信号へ変換するルータであってもよく、電気信号を光信号へ変換するゲートウェイ装置であってもよい。
通信装置10は、通信部11、管理部12、及び制御部13を有している。通信部11、管理部12、及び制御部13は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信部11、管理部12、及び制御部13は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
通信部11は、光信号を伝送する光通信ネットワークと接続する。光通信ネットワークは、例えば光ファイバによって構成されるネットワークであってもよい。光通信ネットワークは、光通信デバイスによって構成されてもよい。光通信デバイスは、例えば、スプリッタ、増幅器、減衰器、もしくはスイッチ等であってもよい。光通信ネットワークは、光通信デバイスを、光ファイバを用いて接続することによって構成されてもよい。スプリッタは、光通信ネットワークにおける通信パスである光通信回線を分離もしくは集約する。増幅器は、光信号を増幅させ、減衰器は、光信号を減衰させる。光通信ネットワークは、光信号を電気信号へ変換することなく、光信号の終端装置へ伝送する。光信号の終端装置は、例えば、パケットを終端するルータであってもよく、ONU(Optical Network Unit)であってもよい。
通信部11が光通信ネットワークと接続するとは、通信部11が光信号を光通信ネットワークへ出力し、さらに、通信部11が光通信ネットワークから光信号を受け取ることを可能とすることであってもよい。
管理部12は、光通信ネットワーク上の仮想デバイスと通信部11との間における光信号の伝送時間と、仮想デバイスの識別情報とを関連付けて管理する。光通信ネットワークは、光信号を終端することが無い。そのため、通信装置10を介して光通信ネットワークへデータを送信する外部装置は、光通信ネットワークを、光ファイバ等の1本のケーブルのように認識する。つまり、外部装置が、光通信ネットワーク上の光通信デバイスを監視もしくは管理するために光通信デバイスをあて先とする信号もしくはメッセージを送信することができない。さらに、外部装置は、仮に光通信デバイスに対して信号もしくはメッセージを送信したとしても、光通信デバイスから応答信号を受信することができない。
仮想デバイスは、光通信ネットワークにおいて、外部装置から信号を受信し、さらに、外部装置へ応答信号を送信しているかのように振る舞う仮想的なデバイスであってもよい。例えば、光通信デバイスが仮想デバイスと定義されてもよく、実際には光通信デバイスが存在しない位置に、仮想デバイスが存在すると定義されてもよい。
仮想デバイスと通信部11との間における光信号の伝送時間は、例えば、仮想デバイスが光信号を送信してから、通信部11が光信号を受信するまでの時間であってもよい。または、通信部11が光信号を送信してから、仮想デバイスが光信号を受信するまでの時間であってもよい。伝送時間は、伝送遅延もしくは遅延時間等と言い換えられてもよい。
伝送時間は、例えば、仮想デバイスと通信部11との間の距離に応じて定められてもよい。もしくは、光通信ネットワークを敷設する際に、計測装置等を用いて、通信部11と仮想デバイスとの間の伝送時間が計測されてもよい。
仮想デバイスの識別情報は、例えば、仮想デバイスに割り当てられたアドレス情報であってもよい。アドレス情報は、例えば、IPアドレスであってもよい。
制御部13は、仮想デバイスと通信部11との間における光信号の伝送時間を要求する要求メッセージを受信した場合に、仮想デバイスの識別情報と関連付けて管理されている伝送時間を示す応答メッセージを要求メッセージに対して応答する。
要求メッセージは、例えば、通信装置10を介して光通信ネットワークへデータを送信し、もしくは、通信装置10を介して光通信ネットワークからデータを受信する外部装置から、通信装置10へ送信される。外部装置は、光通信ネットワークを利用するユーザが管理する機器であり、ユーザ機器もしくはユーザ装置等と称されてもよい。ユーザ機器もしくはユーザ装置は、コンピュータ装置である。要求メッセージには、仮想デバイスの識別情報が含まれる。制御部13は、通信装置10から送信された要求メッセージを受け取ると、管理部12から、仮想デバイスの識別情報と関連付けて管理されている伝送時間に関する情報を取得する。取得するとは、例えば、選択するもしくは抽出すると言い換えられてもよい。
制御部13は、応答メッセージに、通信部11と仮想デバイスとの間の伝送時間を示す情報を含めてもよい。もしくは、制御部13は、要求メッセージを受信後、伝送時間経過後に、通信部11を介して応答メッセージを外部装置へ送信してもよい。
続いて、図2を用いて通信装置10における通信処理の流れについて説明する。はじめに、光通信ネットワーク上の仮想デバイスと通信部11との間における光信号の伝送時間と、仮想デバイスの識別情報とを関連付けて管理する(S11)。次に、管理部12は、仮想デバイスと通信部11との間における光信号の伝送時間を要求する要求メッセージを受信した場合に、要求メッセージに対して、仮想デバイスの識別情報と関連付けて管理されている伝送時間を示す情報を応答する(S12)。管理部12は、応答メッセージに伝送時間を示す情報を含めて、要求メッセージの送信元の装置へ応答メッセージを送信する。
以上説明したように、通信装置10は、外部装置から受信した要求メッセージに対して、予め管理していた伝送時間を示す応答メッセージを外部装置へ送信する。これによって、通信装置10は、光通信ネットワーク内において光信号を電気信号へ変換させることなく、伝送時間を示す応答メッセージを外部装置へ送信することができる。その結果、通信装置10は、外部装置における光通信ネットワークの監視処理を簡素化することが可能となる。
外部装置は、光通信ネットワーク内の特定区間における伝送時間を認識することができるため、光通信ネットワークにおける通信品質を管理することができる。その結果、外部装置は、光通信ネットワークにおける通信品質に基づいて、光通信ネットワークを利用したネットワーク設計を行うことができる。
(実施の形態2)
続いて、図3を用いて実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。図3の通信ネットワークは、ルータ20、ルータ30、光通信デバイス40、光通信デバイス50、ユーザ装置60、及び外部装置70を有している。ルータ20及びルータ30は、ルータ装置と称されてもよい。ルータ20及び30は、図1の通信装置10に相当する。光通信デバイス40及び50は、例えば、スプリッタ、増幅器、減衰器、もしくはスイッチ等であってもよい。ユーザ装置60は、通信機能を有するコンピュータ装置であってもよい。外部装置70は、サーバ装置であってもよく、ユーザ装置であってもよい。また、ユーザ装置60及び外部装置70は、ルータであってもよい。
ルータ20及び30は、光通信ネットワークに接続している。つまり、ルータ20は、ユーザ装置60から受信した電気信号を光信号へ変換して、光信号を光通信デバイス40へ送信する。さらに、ルータ20は、光通信デバイス40から受信した光信号を電気信号へ変換して、電気信号をユーザ装置60へ送信する。ルータ30もルータ20と同様に、外部装置70と光通信デバイス50との間において、光信号から電気信号、さらに、電気信号から光信号への変換を行う。ルータ20及びルータ30には、光信号と電気信号との間の変換機能を有する装置が接続されていてもよい。もしくは、ルータ20及びルータ30が有する通信部11が、光信号と電気信号との間の変換機能を有してもよい。
ルータ20及び30は、光通信ネットワーク上に設定される光通信パスの終端点である。ルータ20及び30は、ユーザ装置60と外部装置70との間のIPデータ伝送を中継する。
ルータ20及び30は、IPルータであり、ネットワーク状態を把握する制御用通信としてエコー要求(echo request)が設定されたICMP(Internet Control Message Protocol)を利用する。また、ルータ20及び30の代わりに、Ethernet(登録商標)スイッチもしくはMPLS(Multi Protocol Label Switching)ルータが用いられる場合、制御用通信としてOAM(Operations,Administration, Management)が利用されてもよい。
例えば、ルータ20は、ユーザ装置60から受信した制御通信に関するメッセージ(ICMPメッセージ)に対して、光通信デバイス40もしくは光通信デバイス50が応答したかのような疑似的な返信もしくは応答を行う。また、ルータ20及びルータ30は、ユーザ装置60及び外部装置70に対して、IPの経路交換プロトコルを用いることによって、光通信ネットワーク内の仮想的なIP通信経路を公告し、IP通信を提供する。経路交換プロトコルは、例えば、BGP(Border Gateway Protocol)であってもよい。
光通信デバイス40及び50は、光信号のパワーを計測し、光ファイバの不具合等により、信号レベルの低下を検知する。信号レベルは、例えば、受光レベルと言い換えられてもよい。例えば、光通信デバイス40及び50は、通信不能なほどに低下した信号レベルの低下を検知してもよく、通信を行うことは可能であるが、通信品質の劣化を引き起こす程度の信号レベルの低下を検知してもよい。
ここで、ルータ20が、エコー要求(echo request)が設定されたICMPメッセージに対して、疑似的な応答を行うことについて説明する。以下においては、エコー要求(echo request)が設定されたICMPメッセージを、ICMP Echoとして説明する。ルータ30は、ルータ20と同様の機能を有するとして、詳細な説明を省略する。
光通信ネットワークは、光信号を電気信号へ変換することなく、光信号を終端装置へ伝送することを前提とするため、光通信ネットワークを構成する光通信デバイス40及び50は、IPパケットに関する処理を行わない。つまり、ユーザ装置60がICMP Echoを用いても、光通信デバイス40及び50は、エコー応答(echo reply)を設定したICMPメッセージを応答することができない。以下においては、エコー応答(echo reply)を設定したICMPメッセージを、ICMP Echo replyとして説明する。その結果、ユーザ装置60は、光通信ネットワークを構成する光通信デバイス40及び50を、ICMP等を利用したIPの制御信号を用いて検出することができない。
ユーザ装置60が光通信デバイス40及び50を検出することができないことによって、例えば、ユーザ装置60は、ルータ20及び30からのみ、ICMP Echo replyを受信する。そのため、ユーザ装置60は、ルータ20との間、もしくは、ルータ30との間の伝送時間しか計測できず、さらに、ルータ20もしくはルータ30としか導通確認を行えない。将来的に光通信パスが延長された大規模光通信ネットワークにおいては、ブラックボックスとなる区間が大きくなる。そのため、ユーザ装置60を管理するユーザは、光通信ネットワーク内において、通信性能に影響を与えるような障害が発生した場合であっても、ユーザがこの原因を知る手がかりを得ることができない。
そこで、本開示においては、ルータ20及び30、並びに、光通信デバイス40及び50は、ルータ20及び30が、ICMP Echoに対して、疑似的な応答を行うために必要な仮想化機能を備える。
続いて、図4を用いて光通信デバイス40の構成例について説明する。光通信デバイス50は、光通信デバイス40と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。光通信デバイス40は、コネクタ41、コネクタ42、カプラ43、及び仮想デバイス部44を有している。仮想デバイス部44は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。図4においては、光通信デバイス40が、仮想デバイス部44を有する構成を示しているが、仮想デバイス部44は、光通信デバイス40とは異なるデバイスに備えられてもよい。この場合、光通信デバイス40は、仮想デバイス部44を搭載しているデバイスと、有線ケーブルを介して接続してもよく、ネットワークを介して接続してもよく、もしくは、無線通信回線を介して接続してもよい。
コネクタ41及び42は、例えば、光ファイバコネクタであり、光通信パスを形成する光ファイバに接続する。また、コネクタ41及びコネクタ42には、それぞれ仮想アドレスが割り当てられる。仮想アドレスは、例えば、IPアドレスの形式であってもよい。つまり、仮想アドレスは、仮想IPアドレスと称されてもよい。例えば、光通信ネットワークを管理する管理者が、コネクタ41及びコネクタ42へ割り当てる仮想アドレスを決定してもよい。コネクタ41は、例えば、光ファイバを介して光通信デバイス50と接続され、コネクタ42は、光ファイバを介してルータ20と接続されていてもよい。
カプラ43は、例えば、光ファイバカプラであり、コネクタ41もしくはコネクタ42から受け取った光信号の一部を分岐させる。カプラ43は、例えば、コネクタ41もしくはコネクタ42から受け取った光信号をコネクタ42もしくはコネクタ41へ出力するとともに、分岐させた光信号の一部を仮想デバイス部44へ出力する。また、図4においては、コネクタ41、コネクタ42、及びカプラ43は、一本の光ファイバが双方向通信に用いられることを前提として一つずつ記載されているが、片方向通信に用いられる場合、それぞれが2台を一組として用いられてもよい。
仮想デバイス部44は、仮想デバイス制御部45及び光パワーメータ46を有している。光パワーメータ46は、カプラ43から受け取った光信号のパワーを計測する。仮想デバイス制御部45は、光パワーメータ46において計測された光信号のパワーが、予め設定された範囲内の値であるか否かを判定する。言い換えると、仮想デバイス制御部45は、光パワーメータ46において計測された光信号のパワーが、予め設定された範囲の下限値以下であるか否かを判定する。予め設定された範囲の下限値は、閾値と言い換えられてもよい。
予め設定された範囲の下限値以下である光信号のパワーは、通信不能なほどに低下した信号レベルであってもよく、通信を行うことは可能であるが、通信品質の劣化を引き起こす程度の信号レベルであってもよい。光パワーメータ46において計測された光信号のパワーが、予め設定された範囲の下限値以下である場合、コネクタ41もしくはコネクタ42と接続している光ファイバに障害が発生している可能性があることを示す。
仮想デバイス制御部45は、判定結果を、ユーザ装置60が接続されているルータ20へ送信する。また、仮想デバイス制御部45は、判定結果をルータ20及びルータ30へ送信してもよい。仮想デバイス制御部45は、例えば、ルータ20及び30、並びに、光通信デバイス40及び50を用いて構成される光通信ネットワークとは異なるネットワークを介して、判定結果をルータ20へ送信してもよい。光通信ネットワークが、ユーザ装置60及び外部装置70へ通信サービスを提供するサービス用のネットワークであるとすると、光通信デバイス40が判定結果をルータ20へ送信するために用いられるネットワークは、保守用ネットワークであってもよい。保守用ネットワークは、IPネットワークであり、ルータ20及び30、並びに、光通信デバイス40及び50を用いて構成される光通信ネットワークとは異なる光通信ネットワークであってもよい。
続いて、図5を用いて実施の形態2にかかるルータ20の構成例について説明する。ルータ30は、ルータ20と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。ルータ20は、光信号処理部21、フレーム処理部22、パケット転送部23、入出力処理部24、フレーム処理部25、及び仮想ルータ部26を有している。ルータ20を構成するそれぞれの構成要素は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、ルータ20を構成するそれぞれの構成要素は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
光信号処理部21は、光通信ネットワークから受信した光信号の通信フレームを取り出し、取り出した通信フレームをフレーム処理部22へ出力する。光信号処理部21が光通信ネットワークから受信した光信号は、光ファイバを介して受信した光信号と言い換えられてもよい。もしくは、光信号処理部21は、フレーム処理部22から受け取った通信フレームを、光信号として光通信ネットワークへ送信する。光信号処理部21には、仮想アドレスが割り当てられる。
フレーム処理部22は、光信号処理部21から受け取った通信フレームからパケットを取り出し、取り出したパケットをパケット転送部23へ出力する。もしくは、フレーム処理部22は、パケット転送部23から受け取ったパケットをフレーム化し、フレーム化した通信フレームを光信号処理部21へ出力する。
入出力処理部24は、ユーザ装置60から受信した通信データの通信フレームを取り出し、取り出した通信フレームをフレーム処理部25へ出力する。もしくは、入出力処理部24は、フレーム処理部25から受け取った通信フレームを、ユーザ装置60へ送信する。
パケット転送部23は、パケット内に記載されたあて先を参照し、パケットをフレーム処理部22もしくはフレーム処理部25へ転送する。また、パケット転送部23は、あて先が光通信デバイス40もしくは50のコネクタに割り当てられた仮想アドレスである制御パケットを受け取った場合、制御パケットを制御パケット処理部28へ出力する。ここでは、制御パケット処理部28は、制御パケットとして、あて先として仮想アドレスが設定されたICMP Echoを受け取るとする。
続いて、仮想ルータ部26の機能もしくは動作について説明する。仮想ルータ部26は、仮想ネットワーク制御部27及び制御パケット処理部28を有している。
制御パケット処理部28は、パケット転送部23から受け取った制御パケットを仮想ネットワーク制御部27へ出力する。もしくは、制御パケット処理部28は、仮想ネットワーク制御部27から受けっとった制御パケットをパケット転送部23へ出力する。
仮想ネットワーク制御部27は、光信号処理部21と、光通信ネットワークに存在する光通信デバイス40及び50との間における光信号の往復伝送時間に関する情報を予め保持している。例えば、仮想ネットワーク制御部27は、光通信デバイスに割り当てられた仮想アドレスと、光信号の往復伝送時間とを関連付けて管理する。具体的には、仮想ネットワーク制御部27は、光信号処理部21と、光通信デバイス40との間の往復伝送時間を、光通信デバイス40のコネクタ42に割り当てられた仮想アドレスと関連付けて管理する。さらに、仮想ネットワーク制御部27は、光信号処理部21と、光通信デバイス50との間の往復伝送時間を、光通信デバイス50のコネクタ42に割り当てられた仮想アドレスと関連付けて管理する。
さらに、仮想ネットワーク制御部27は、保守用ネットワークを介して受信した、光通信デバイス40及び50における光信号のパワーの判定結果を管理する。判定結果は、例えば、光通信デバイス40及び50において受信された光信号のパワーが予め設定された範囲内の値であるか否を示している。
仮想ネットワーク制御部27は、パケット転送部23から、あて先に仮想アドレスが設定されたICMP Echoを受信すると、仮想アドレスが割り当てられた光通信デバイスとの間における光信号の往復伝送時間を特定する。さらに、仮想ネットワーク制御部27は、仮想アドレスに関連付けられた判定結果として、光信号のパワーが予め設定された範囲内の値であるか否かを判定する。
仮想ネットワーク制御部27は、仮想アドレスに関連付けられた判定結果として、光信号のパワーが予め設定された範囲内の値であると判定した場合に、あて先に設定された仮想アドレスを送信元に設定したICMP Echo replyを生成する。仮想ネットワーク制御部27は、生成したICMP Echo replyを制御パケット処理部28へ出力する。ICMP Echoの送信元がユーザ装置60である場合、仮想ネットワーク制御部27は、ICMP Echo replyのあて先をユーザ装置60とする。また、仮想ネットワーク制御部27は、仮想アドレスに関連付けられた判定結果として、光信号のパワーが予め設定された範囲内の値ではないと判定した場合、ICMP Echo replyを生成しない。つまり、仮想ネットワーク制御部27は、光信号のパワーが予め設定された範囲内の値ではないと判定した場合、ICMP Echo replyをユーザ装置60へ応答しない。
仮想ネットワーク制御部27は、ICMP Echo replyを制御パケット処理部28へ出力する際に、入出力処理部24がICMP Echoを受信してから、特定した往復伝送時間が経過したタイミングに、ICMP Echo replyを制御パケット処理部28へ出力してもよい。もしくは、仮想ネットワーク制御部27は、入出力処理部24がユーザ装置60へICMP Echo replyを送信する際に、入出力処理部24がICMP Echoを受信してから往復伝送時間が経過するように、ICMP Echo replyを制御パケット処理部28へ出力してもよい。
続いて、図6を用いて、ユーザ装置60が、光通信デバイス40までの往復の伝送時間を計測するためのツールとしてPingを用いた場合における、ルータ20の処理の流れについてについて説明する。Pingは、ICMP Echoを送信し、ICMP Echo replyを受信するまでのRTT(Round Trip Time:往復時間)を測定するために用いられる。
はじめに、入出力処理部24は、ユーザ装置60からパケットを受信する(S11)。次に、パケット転送部23は、受信したパケットがICMP Echoか否かを判定する(S12)。ステップS12において、パケット転送部23がICMP Echoを受信したと判定すると、仮想ネットワーク制御部27は、ICMP Echoのあて先が仮想アドレスか否かを判定する(S13)。
ステップS13において、仮想ネットワーク制御部27は、ICMP Echoのあて先が仮想アドレスであると判定すると、仮想アドレスに関連付けられた光信号のパワーが予め設定された範囲内の値、つまり、閾値以上であるか否かを判定する(S14)。
仮想ネットワーク制御部27は、ステップS14において、仮想アドレスに関連付けられた光信号のパワーが閾値以上であると判定した場合、ICMP Echo replyを生成し、入出力処理部24が、ICMP Echo replyをユーザ装置60へ送信する(S15)。ここで、仮想ネットワーク制御部27は、仮想アドレスに関連付けて管理されている往復伝送時間に基づいてICMP Echo replyの出力タイミングを決定する。例えば、仮想ネットワーク制御部27は、往復伝送時間が経過したタイミングに、ICMP Echo replyを制御パケット処理部28へ出力してもよい。もしくは、仮想ネットワーク制御部27は、入出力処理部24がユーザ装置60へICMP Echo replyを送信する際に、入出力処理部24がICMP Echoを受信してから往復伝送時間が経過するように、ICMP Echo replyを制御パケット処理部28へ出力してもよい。仮想ネットワーク制御部27は、ICMP Echo replyの送信元アドレスを、仮想アドレスに設定する。
ステップS12において、パケット転送部23は、受信したパケットがICMP Echoではないと判定した場合、受信したパケットをフレーム処理部22へ出力し、光信号処理部21が、パケットを含む光信号を光通信ネットワークへ送信する(S16)。
ステップS13において、仮想ネットワーク制御部27は、ICMP Echoのあて先が仮想アドレスではないと判定した場合、パケットを、パケット転送部23を介して光信号処理部21へ出力する。さらに、光信号処理部21が、パケットを含む光信号を光通信ネットワークへ送信する(S16)。
ステップS14において、仮想ネットワーク制御部27は、仮想アドレスに関連付けられた光信号のパワーが閾値を下回ると判定した場合、ICMP Echoに対してICMP Echo replyを応答しない。つまり、ステップS14において、仮想ネットワーク制御部27は、仮想アドレスに関連付けられた光信号のパワーが閾値を下回ると判定した場合、ステップS15における処理が実行されることなく処理が終了する。
以上説明したように、ルータ20は、光通信デバイス40もしくは50に割り当てられた仮想アドレスが設定されたICMP Echoに対して、ICMP Echo replyを応答する。さらに、ルータ20は、ルータ20と光通信デバイス40もしくは50との間の往復伝送時間に基づいて、ICMP Echo replyを応答する。その結果、ユーザ装置60は、ICMP Echoが光通信デバイス40もしくは50へ送信され、光通信デバイス40もしくは50から送信されたICMP Echo replyを受信した場合と実質的に同様の時間が経過した後に、ICMP Echo replayを応答することができる。
さらに、ルータ20は、ICMP Echoのあて先が光通信デバイス40に割り当てられた仮想アドレスであり、光通信デバイス40における光信号のパワーが閾値を下回る場合、ICMP Echo replyを応答しない。これにより、ユーザ装置60は、ルータ20と光通信デバイス40との間において、障害が発生したことを検出、もしくは、障害の発生を推定することができる。
なお、実施の形態2においては、主にICMP Echoを用いた動作について説明したが、Ethernet(登録商標) OAM(Ether OAMと称されてもよい)やMPLS OAMなどICMP Echoと類似の要求/応答動作をする導通確認、遅延確認が用いられてもよい。
また、図3の通信システムにおいては、ルータ間の光通信ネットワークに光通信デバイスが2台存在する構成例を説明したが、光通信デバイスの数は2台に制限されない。例えば、図7に示すように、光通信デバイスの数は、n(nは1以上の整数)台と一般化されてもよい。図7は、光通信デバイス40_1~40_nが存在する構成例を示している。光通信デバイス40_1~40_nのそれぞれには、仮想アドレスV1~Vnが割り当てられているとする。
光ファイバを敷設する際等に、光ファイバ区間における伝送時間di(i=1~n)を計測しておくこととする。diは、光通信デバイス40_i-1と光通信デバイス40_iとの間の光ファイバ区間における伝送時間を示しているとする。この場合、ルータ20と光通信デバイス40_iとの間の往復伝送時間Diは、下記の式(1)を用いて示される。
ルータ20は、光通信デバイス40_1~40_nのそれぞれまでの往復伝送時間に関する情報を記録しておく。
(実施の形態3)
続いて、図8を用いて実施の形態3にかかる通信システムの構成例について説明する。図8の通信システムは、計測器80が、ルータ20とルータ30との間に配置される。さらに、計測器80は、ルータ20に近接する位置に配置されてもよい。計測器80は、光パルス信号を用いて光通信ネットワークに障害が発生しているか否かを検出するために用いられる。
続いて、図9を用いて実施の形態3にかかる計測器80の構成例について説明する。計測器80は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって動作するコンピュータ装置であってもよい。
計測器80は、コネクタ81、コネクタ82、カプラ83、及び仮想計測部84を有している。コネクタ81、コネクタ82、及びカプラ83は、図4におけるコネクタ41、コネクタ42、及びカプラ43と同様であるため詳細な説明を省略する。コネクタ81は、ルータ30との間の光ファイバと接続する。コネクタ82は、ルータ20との間の光ファイバと接続する。
仮想計測部84は、制御部85及び光パルス試験部86を有している。光パルス試験部86は、例えば、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)と称されてもよい。光パルス試験部86は、例えば、光ファイバの破断箇所を検出するために用いられる。光パルス試験部86は、光パルス信号を送信し、光パルス信号の反射を観察することによって、光ファイバに発生した障害を検出し、さらに、障害位置を特定する。障害位置は、例えば、計測器80からの距離によって特定されてもよい。光パルス試験部86は、光パルス信号を、コネクタ81を介してルータ30の方向へ送信する。つまり、光パルス試験部86は、計測器80とルータ30との間に敷設された光ファイバに障害が発生しているか否かを判定するために用いられる。
光パルス試験部86は、定期的に光パルス信号を送信してもよく、計測器80を操作する管理者等の指示に応じて任意のタイミングに光パルス信号を送信してもよい。光パルス試験部86は、光パルス信号を送信した後に、光パルス信号の反射を観察することによって、光通信ネットワークに障害が発生しているか否かを判定する。光パルス試験部86は、判定結果を制御部85へ出力する。制御部85は、判定結果をルータ20の仮想ネットワーク制御部27へ送信する。判定結果には、障害発生の有無を示す情報と、障害が発生している場合、障害位置を特定する情報とが含まれる。制御部85は、コネクタ82を介して判定結果をルータ20へ送信してもよく、保守用ネットワークを介して判定結果をルータ20へ送信してもよい。
ルータ20は、計測器80から受信した判定結果を用いて、ユーザ装置60から受信したICMP Echoに対するICMP Echo replyを応答するか否かを判定する。ここで、図10を用いて、光通信ネットワーク上の仮想デバイスに割り当てられた仮想アドレスについて説明する。図10に示すように、ルータ30と計測器80との間に、仮想アドレスVA_1が割り当てられた仮想デバイスと、仮想アドレスVA_2が割り当てられた仮想デバイスと、仮想アドレスVA_3が割り当てられた仮想デバイスと、が存在すると仮定する。仮想デバイスは、物理デバイスとして実際には配置されていないが、ルータ20は、経路交換プロトコルを用いて、仮想アドレスVA_1、仮想アドレスVA_2、及び仮想アドレスVA_3をユーザ装置60へ通知する。もしくは、ユーザ装置60には、ルータ20とルータ30との間に仮想アドレスVA_1、仮想アドレスVA_2、及び仮想アドレスVA_3が割り当てられたデバイスが存在するネットワーク構成を示す構成情報が通知されていてもよい。その結果、ユーザ装置60は、ルータ20とルータ30との間に、仮想アドレスVA_1、仮想アドレスVA_2、及び仮想アドレスVA_3が割り当てられたデバイスが実際に存在すると認識する。
ユーザ装置60は、例えば、仮想アドレスVA_1への到達性を検証するために、仮想アドレスVA_1を設定したICMP Echoをルータ20へ送信する。ユーザ装置60は、仮想アドレスVA_2もしくは仮想アドレスVA_3への到達性を検証するために、仮想アドレスVA_2もしくは仮想アドレスVA_3を設定したICMP Echoをルータ20へ送信してもよい。
ルータ20は、計測器80から受信した判定結果において、仮想アドレスVA_1が割り当てられた仮想デバイスと、仮想アドレスVA_2が割り当てられた仮想デバイスとの間の位置において障害が発生したと通知されたとする。この場合、ルータ20は、仮想アドレスVA_1を設定したICMP Echoに対しては、ICMP Echo replyを応答しない。一方、ルータ20は、仮想アドレスVA_2もしくは仮想アドレスVA_3を設定したICMP Echoに対しては、ICMP Echo replyを送信する。ルータ20は、仮想アドレスVA_2もしくは仮想アドレスVA_3を設定したICMP Echoに対してICMP Echo replayを送信する際に、ルータ20と仮想デバイスとの間の往復伝送時間に応じて、ICMP Echo replayを送信するタイミングを決定する。
ユーザ装置60は、ルータ20からICMP Echo replyを受信するか否かに応じて、障害位置を推定することができる。例えば、ユーザ装置60は、仮想アドレスVA_1を設定したICMP Echoに対するICMP Echo replyを受信せず、仮想アドレスVA_2を設定したICMP Echoに対するICMP Echo replyを受信したとする。この場合、ユーザ装置60は、仮想アドレスVA_1が割り当てられた仮想デバイスの位置と、仮想アドレスVA_2が割り当てられた仮想デバイスの位置との間において障害が発生したと推定することができる。
以上説明したように、ルータ20は、光ファイバの障害発生位置を、仮想デバイス間リンクの障害として検出することができる。さらに、ユーザ装置60は、ICMP Echo replyの受信結果に応じて、障害発生位置を検出することができる。
(実施の形態4)
続いて、図11を用いて実施の形態4にかかる通信ネットワークの構成例について説明する。図11は、図3における光通信デバイス40及び50の代わりに、光スイッチ91~94が用いられる構成を示している。図11は、光スイッチ91が、ルータ20、光スイッチ92及び光スイッチ94と光ファイバを介して接続され、光スイッチ92が、光スイッチ91及び光スイッチ93と光ファイバを介して接続される構成を示している。さらに、図11は、光スイッチ93が、光スイッチ92及び光スイッチ94と光ファイバを介して接続され、光スイッチ94が、ルータ30、光スイッチ93及び光スイッチ91と光ファイバを介して接続される構成を示している。光スイッチ91~94には、仮想アドレスが割り当てられているとする。
続いて、図12を用いて、光スイッチ91の構成例について説明する。光スイッチ92~94は、光スイッチ91と同様の構成であるため詳細な説明を省略する。
光スイッチ91は、コネクタ101~104、スイッチ105、及び仮想デバイス部106を有している。スイッチ105は、コネクタ101~104から受け取った光信号を、コネクタ101~104及び光スイッチ管理部108のいずれかへ出力する。さらに、光スイッチ91は、コネクタ101~104における光信号の検出状態を光スイッチ管理部108へ出力する。言い換えると、光スイッチ91は、コネクタ101~104における導通状態を光スイッチ管理部108へ出力する。つまり、スイッチ105は、コネクタ101~104において、光信号を検出することができるか否かを判定し、判定結果を光スイッチ管理部108へ出力する。
光スイッチ管理部108は、スイッチ105から受け取った判定結果に基づいて、それぞれのコネクタに接続している光ファイバに障害が発生しているか否かを判定する。例えば、光スイッチ管理部108は、光信号を検出することができないコネクタに接続している光ファイバに、障害が発生していると判定してもよい。
制御部107は、光スイッチ管理部108における判定結果をルータ20及びルータ30へ送信する。判定結果は、どのコネクタに接続されている光ファイバにおいて障害が発生しているかに関する情報を含む。制御部107は、例えば、保守用ネットワークを介して、判定結果をルータ20及びルータ30へ送信してもよい。
ルータ20は、光スイッチ91~94から受信した判定結果に基づいて、どの区間の光ファイバに障害が発生しているかを特定する。さらに、ルータ20は、ユーザ装置60から仮想アドレスを設定したICMP Echoを受信した場合、障害が発生している光ファイバを介して通信する光スイッチの仮想アドレスがICMP Echoに設定されている場合、ICMP Echo replyを応答しない。ルータ20は、障害が発生している光ファイバを介して通信する必要のない光スイッチの仮想アドレスがICMP Echoに設定されている場合、ICMP Echo replyを応答する。
以上説明したように、光通信ネットワークを構成する光スイッチを用いて経路が分岐している場合であっても、ルータ20及びルータ30は、光通信ネットワークにおいて発生した障害位置を特定することができる。さらに、ルータ20は、ユーザ装置60から受信したICMP Echoに対して、障害の発生状況に応じてICMP Echo replyを応答するか否かを制御することができる。その結果、ユーザ装置60等の外部装置は、光通信ネットワークにおいて発生した障害発生位置を検出することができる。
図13は、通信装置10、光通信デバイス40、及び光通信デバイス50(以下、通信装置10等とする)の構成例を示すブロック図である。図13を参照すると、通信装置10等は、ネットワークインタフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワークインタフェース1201は、ネットワークノードと通信するために使用されてもよい。ネットワークインタフェース1201は、例えば、IEEE 802.3 seriesに準拠したネットワークインタフェースカード(NIC)を含んでもよい。IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineersを表す。
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された通信装置10等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/O(Input/Output)インタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
図13の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された通信装置10等の処理を行うことができる。
図13を用いて説明したように、上述の実施形態における通信装置10等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。