JP7623357B2 - 光コネクタ及び光コネクタ接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、光コネクタ及び光コネクタ接続構造に関し、特にレンズ方式で光ファイバを接続するレンズコネクタ及びそれを備える光コネクタ接続構造に関する。
データセンタ内における光ファイバを用いた光配線の構築にあたって、光配線の高密度化に対処するため、バックプレーン(BP)用光コネクタの需要が拡大している。また、長距離伝送、大容量伝送の要求が高まっており、BP用光コネクタとして、これらの要求を満たし得るシングルモード(SM)の光ファイバの利用が増大している。さらに、BP用光コネクタにおいては、データ通信量の増大による大規模化に対処するため、光コネクタの多心化も検討されている。
BP用光コネクタにおける光ファイバを接続する方式として、フィジカル・コンタクト(PC)方式とレンズ方式とが知られている。PC方式では、接続すべき光ファイバアレイにおける光ファイバの端面同士を押圧力により互いに突き合わせて物理的に接触させることにより、光ファイバを物理的に接続する。しかしながら、BP用光コネクタは、一般的に清掃が困難な場所で使用されるため、光接続部のダストによる通信品質の低下が懸念される。例えば、ダストにより光路が遮断されると挿入損失(光パワー損失)が増大してしまい、また、ダストの挟み込みによりフィジカル・コンタクトが阻害されるおそれがある。さらに、PC方式では光ファイバの心数が増加するにつれてボード当たりの押圧力が過大になるため、心数の拡張が困難である。
一方、近年では、光コネクタに対する更なる多心化要求により、レンズ方式の多心コネクタが注目されている。レンズ方式では、光ファイバアレイの各光ファイバに対応したレンズを有するレンズアレイが光コネクタに設けられており、レンズアレイが設けられた光コネクタを対向させて固定することにより、レンズを介して光ファイバを光学的に接続する。このようなレンズ方式では、レンズを介して光ファイバのビーム径が拡大するためダストの影響が低減され、また、接続部のパワー密度の低減によりダストによる光ファイバの端面の焦げ付きも抑制される。さらに、光ファイバ同士が非接触で接続可能であるため、押圧力を光ファイバの心数によらず一定にできる。
このようなレンズ方式の多心コネクタの接続構造として、例えば、特許文献1には、多心光ファイバを備える2つの光コネクタを、透明樹脂で形成されたレンズを備える光コネクタ用レンズアレイを介して接合した光コネクタ接続構造が開示されている。
特開2003-107277号公報
ところで、現在、100ギガビット・イーサネット(登録商標)の光伝送システムが広く普及されており、伝送距離、伝送速度等の伝送特性の向上についての研究が進められている。このような光伝送システムでは、最大約+10.5dBmの入光パワーで利用されている。
しかしながら、従来の多心光ファイバをレンズ方式で接続する光コネクタ接続構造を、波長分割多重方式等+20dBmを超える高パワーの光伝送システムに利用すると、樹脂製レンズ中でわずかに光が吸収されて熱に変換され、その熱により光路にあたる樹脂製レンズの温度が上昇する。樹脂製レンズの温度が上昇すると実効的な屈折率が変化し、レンズから理想的な焦点までの距離にズレが生じる。理想的な焦点位置の変化に伴い、光ファイバのコアに対してピントのズレが生じるため、挿入損失の増大を招くことが懸念される。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、高パワー入光時においても、挿入損失を抑制可能なレンズ方式の光コネクタを提供することを目的とする。
本発明の代表的な実施の形態に係る光コネクタは、少なくとも1つの光ファイバと、前記光ファイバの端面に光を結合する少なくとも1つのレンズを有するレンズ素子とを備え、前記光ファイバの端面と前記レンズの頂点との間の距離FLh(μm)が、前記レンズの頂点から前記レンズの背面方向に位置する焦点Fまでの距離FL(μm)と、前記光ファイバの端面と前記焦点Fとの間隔δ(μm)との和で表され、且つ、前記間隔δが10μmより長いことを特徴とする。
本発明に係る光コネクタによれば、高パワー入光時においても、挿入損失を抑制することが可能となる。
実施形態1に係る光コネクタの外観を示す斜視図である。 実施形態1に係る光コネクタの構成を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子との接合部分を模式的に示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子の接合方法の一例を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子の接合方法の一例を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子の接合方法の一例を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子の接合方法の別の一例を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子の接合方法の別の一例を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子の接合方法の別の一例を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子の接合方法の別の一例を示す図である。 図5A~図5Dに示す接合方法で用いる光ファイバの別の一例を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタにおける距離FLhと距離FLと間隔δとの関係を模式的に示す図である。 距離FLを算出するための方程式を説明するための模式図である。 実施形態2に係る光コネクタにおける光ファイバとレンズ素子との接合部分を模式的に示す図である。 実施形態2に係る光コネクタにおける距離FLhと距離FLと間隔δとの関係を模式的に示す図である。 実施形態1に係る光コネクタについて、δ=約23の場合における入光パワーと挿入損失との関係を示す図である。 実施形態1に係る光コネクタについて、δ=約33の場合における入光パワーと挿入損失との関係を示す図である。
1.実施の形態の概要
先ず、本発明における代表的な実施形態について概要を説明する。尚、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
[1]本発明の代表的な実施形態に係る光コネクタ(10)は、少なくとも1つの光ファイバ(18)と、前記光ファイバの端面に光を結合する少なくとも1つのレンズ(44)を有するレンズ素子(14)とを備え、前記光ファイバの端面(180)と前記レンズの頂点(144)との間の距離FLh(μm)が、前記レンズの頂点から前記レンズの背面方向に位置する焦点Fまでの距離FL(μm)と、前記光ファイバの端面と前記焦点との間隔δ(μm)との和で表され、且つ、前記間隔δが10μmより長い。
[2]上記光コネクタ(10)は、低パワー入光時の接続損失より高パワー入光時の接続損失の方が小さくなる入光パワーを有していてもよい。
[3]上記光コネクタ(10)において、前記高パワーとは+20dBm以上の入光パワーであってもよい。
[4]上記光コネクタ(10)において、前記低パワーとは+11dBm未満の入光パワーであってもよい。
[5]上記光コネクタ(10)において、前記レンズ素子(14)は樹脂材料を含んでいてもよい。
[6]上記光コネクタ(10)は、前記光ファイバ(18)を保持するフェルール(12)を更に備え、前記レンズ素子(14)と前記フェルールは同じ樹脂材料を含んでいてもよい。
[7]上記光コネクタ(10)において、前記樹脂材料が、シクロオレフィンポリマー又はポリエーテルイミドであってもよい。
[8]上記光コネクタ(10)は、前記光ファイバの端面(180)と前記レンズ素子との間に充填媒体(19)を備え、前記充填媒体は接着剤であってもよい。
[9]上記光コネクタ(10)は、複数の光ファイバ(18)と、当該複数の光ファイバに対応する複数のレンズ(44)とを備えていてもよい。
[10]上記光コネクタ(10)において、前記間隔δは20μmより長くてもよい。
[11]上記光コネクタ(10)において、前記間隔δは100μm以下であってもよい。
[12]上記光コネクタ(10)において、前記光ファイバ(18)はシングルモードファイバであってもよい。
[13]光コネクタ接続構造は、接続する少なくとも一方が上記光コネクタ(10)であってもよい。
2.実施形態の具体例
以下、本発明の実施形態の具体例について図を参照して説明する。尚、以下の説明において、各実施形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係及び各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係及び比率が異なる部分が含まれている場合がある。
<実施形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る光コネクタの外観を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態1に係る光コネクタの構成を示す分解斜視図である。
図1、2に示すように、実施形態1に係る光コネクタ10は、当該光コネクタ10に固定された複数の光ファイバを、接続先の他の光コネクタに固定された複数の光ファイバにそれぞれ接続するための多心光コネクタである。具体的に、光コネクタ10は、複数の光ファイバ18と、フェルール12と、レンズ素子14と、一対のガイドピン16とを有している。
図3に示すように、光ファイバ18は、コア118とクラッド218を有する石英系の光ファイバである。例えば、光コネクタ10では、所定数の光ファイバ18を平行に並べて紫外線硬化樹脂等の樹脂からなる被覆22で一体的に被覆した光ファイバテープ心線20を用い、その光ファイバテープ心線20が複数積層されてフェルール12に固定されている。光ファイバ18は、例えば、シングルモードファイバである。
フェルール12は、アレイ状に配列された複数の光ファイバ18を整列して収容するコネクタ本体部である。フェルール12は、一般的な樹脂フェルールに用いられる、樹脂を含むベース材と、ベース材とは異なる材料からなる固形材であるフィラーとの混合材を含んでいる。フェルール12は、混合材を成形加工することにより形成されている。尚、フェルール12の成形方法は、特に限定されるものではないが、例えば、トランスファー成形法、射出成形法等を用いることができる。
フェルール12に用いられるベース材は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも一方を含んでいる。フェルール12のベース材に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(polyphenylenesulfide、PPS)、液晶ポリマー(liquid crystal polymer、LCP)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone、PES)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)等を用いてよい。また、フェルール12のベース材に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を用いてよい。
フェルール12に用いられるフィラーとしては、例えば、石英ガラス、石英結晶を所定の形状に加工した固形材を用いてよい。フェルール12のフィラーは、フェルール12の線膨張係数を低下させるためにベース材に配合されている。
図1、2に示されるように、フェルール12は、フェルール本体部24と、鍔部26とを有している。
フェルール本体部24は、光コネクタ10の接続端側に設けられ、鍔部26は光コネクタ10の接続端と反対側に設けられている。尚、以下の説明では、光コネクタ10の接続端側を光コネクタ10の「前」と、光コネクタ10の接続端と反対側を光コネクタ10の「後」と称する。
フェルール12は、多心光コネクタ用のフェルールである。具体的には、フェルール12は、MT(Mechanically Transferable)フェルールであり、例えば、国際電気標準会議によるIEC 61754-5、日本工業規格によるJIS C 5981等の規格に適合又は準拠している。
鍔部26には、複数の光ファイバ18をフェルール12内に導入するための光ファイバ導入口28が形成されている。光ファイバ導入口28は、光コネクタ10の前後方向に貫通するように鍔部26に形成されている。
フェルール本体部24には、鍔部26の光ファイバ導入口28に接続する中空部30が形成されている。また、フェルール本体部24の上面には、中空部30に接続する開口部32が形成されている。開口部32は、光ファイバ18をフェルール12に固定する接着剤29を導入するための穴である。
フェルール本体部24は、光コネクタ10の前方側に接続側端面34を有している。接続側端面34は、光コネクタ10の前後方向に垂直な平面に対して傾斜している。フェルール本体部24の接続側端面34には、複数の光ファイバ18がその光ファイバの光軸に沿って挿入される複数の光ファイバ挿入孔36が形成されている。複数の光ファイバ挿入孔36は、それぞれ光コネクタ10の前後方向に沿って形成されている。複数の光ファイバ挿入孔36の一端は、それぞれ接続側端面34に開口している。複数の光ファイバ挿入孔36の他端は、それぞれ中空部30に接続するように開口している。
複数の光ファイバ挿入孔36は、アレイ状に配列されている。例えば、光コネクタ10の幅方向に沿って平行に並んだ所定の本数の光ファイバ挿入孔36の列が、光コネクタ10の上下方向に平行に複数段形成されている。図2では、一例として、12本の光ファイバ挿入孔36の列が5段形成されている場合が示されている。尚、複数の光ファイバ挿入孔36の配列の態様、複数の光ファイバ挿入孔36の総本数、1列当たりの光ファイバ挿入孔36の本数及び光ファイバ挿入孔36の列の段数は、複数の光ファイバ18の本数等に応じて適宜設定することができる。また、光ファイバ挿入孔36の孔径及びピッチも、光ファイバ18の外径及びピッチに応じて適宜設定することができる。また、光ファイバ挿入孔36の段数は、複数段である必要はなく、1段であってもよい。
尚、各光ファイバ18は、その外径(コア及びクラッドから成るガラス部分の外径)が80~126μmである。光コネクタ10において、光ファイバ18の外径が80μmの場合には例えばピッチは125μm又は250μmであり、光ファイバ18の外径が125μmの場合には例えばピッチは250μmである。尚、ピッチはこれに限定されず、光ファイバ18の外径以上に設定すればよい。
上述のように形成されたフェルール12において、鍔部26の光ファイバ導入口28からフェルール本体部24の中空部30内に、複数の光ファイバテープ心線20の先端部が導入されている。複数の光ファイバテープ心線20は、光コネクタ10の上下方向に積層されている。複数の光ファイバテープ心線20は、光コネクタ10の後端においてブーツ等により覆われて保持されることにより保護されていてもよい。中空部30内に導入された複数の光ファイバテープ心線20の先端部では、それぞれ被覆22が除去されており、光ファイバ18の端面180が露出している。
フェルール本体部24に形成された複数の光ファイバ挿入孔36のそれぞれには、光ファイバ18が挿入されて固定されている。同一の列の複数の光ファイバ挿入孔36に挿入されて固定された複数の光ファイバ18は、同一の光ファイバテープ心線20に含まれるものになっている。
光ファイバ18は、フェルール本体部24の上面の開口部32から導入された接着剤29により、光ファイバ挿入孔36に接着されて固定されている。中空部30内に導入された複数の光ファイバテープ心線20の端部も、開口部32から導入された接着剤29によりフェルール本体部24に接着されて固定されている。
光ファイバ挿入孔36に挿入されて固定された光ファイバ18は、樹脂被覆で覆われている状態であってもよく、樹脂被覆が除去された状態であってもよい。
光ファイバ挿入孔36に固定された光ファイバ18の端面は、フェルール本体部24の接続側端面34とともに研磨されて接続側端面34と揃えられている。
このようにして、フェルール12は、複数の光ファイバ18がアレイ状に配列されるように複数の光ファイバ18を収容する。複数の光ファイバ18を収容したフェルール12は、複数の光ファイバ18を含むファイバアレイを有している。
また、光コネクタ10の幅方向において、フェルール本体部24の複数の光ファイバ挿入孔36及び中空部30の両側における両側端部には、それぞれガイドピン16が挿入される一対のガイドピン挿入孔38が形成されている。一対のガイドピン挿入孔38は、それぞれ光コネクタ10の前後方向に沿って形成されている。
フェルール本体部24の接続側端面34には、レンズ素子14が取り付けられている。レンズ素子14は、フェルール12に収容された複数の光ファイバ18に対応する複数のレンズ44を含むレンズアレイである。
レンズ素子14は、1.40~1.67の屈折率を有する樹脂材料を含むことが好ましい。レンズ素子14を樹脂材料で形成することで、加工性及び量産性を高めることができる。また、レンズ素子14を形成する樹脂材料とフェルール12を形成する樹脂材料の特性、例えば線膨張係数を近づけ、あるいは一致させることで光コネクタにおける結合損失を抑制することができる。レンズ44は、レンズ素子14と同様の樹脂材料を含んでいてもよく、レンズ素子14はレンズ44と一体に成形されていてもよい。
このような樹脂材料は、伝送対象の光が伝搬可能な材料であればよく、透明であることが好ましい。樹脂材料として、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP:屈折率n=1.51)、ポリエーテルイミド(PEI:屈折率n=1.66)、ポリカーボネート(PC:屈折率n=1.58)、ポリエーテルスルホン(PES:屈折率n=1.63)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:屈折率n=1.49)及びシリコーン系樹脂(屈折率n=1.40~1.50)等が挙げられる。また、樹脂材料はフィラーを含有してもよい。レンズ素子14が樹脂プレートであることにより、成形が容易でありガラスに比べて量産可能である。また、レンズ素子14とレンズ44とが同じ樹脂材料から形成されることにより、異種材料間での屈折率の変化を防止できる。
レンズ素子14は、複数の光ファイバ18に対応する複数のレンズ44を含むレンズアレイ部42が形成された第1主面としてのレンズアレイ側端面40と、レンズアレイ側端面40に対向する第2主面としてのレンズアレイ背面41とを有する。
レンズアレイ側端面40は、レンズ素子14における光コネクタ10の前方の面であって、2つの光コネクタ10を接続する際に、接続先の他の光コネクタ10と対面配置される面である。より具体的には、レンズアレイ側端面40は、接続先の他の光コネクタ10のレンズ素子14のレンズアレイ側端面40と互いに対向して配置される。
レンズアレイ部42には、フェルール本体部24の接続側端面34に並ぶ複数の光ファイバ18に対応してアレイ状に配列された複数のレンズ44が形成されている。
複数のレンズ44は、それぞれ、レンズアレイ側端面40の凸の曲面を有し、光コネクタ10の前後方向に沿った方向が光軸となるように形成されている。尚、各レンズ44は、球面レンズであってもよいし、非球面レンズであってもよい。
レンズアレイ背面41は、レンズ素子14における光コネクタ10の後方の面であって、接着剤29によってフェルール12の接続側端面34と接合される面である。具体的には、レンズアレイ背面41は、後述するように、光コネクタ10の前後方向に垂直な平面に対して傾斜した面であって、各レンズ44が対応する光ファイバ18と光学的に結合するように、フェルール本体部24の接続側端面34と接合されている。尚、レンズ素子14と光ファイバ18との接合部分の詳細については、後述する。
このように、レンズアレイ背面41をフェルール12の接続側端面34に接合することにより、複数のレンズ44は、そのレンズ44に向けて対応する光ファイバ18から出射された光を、平行光にコリメートして接続の相手方の光コネクタに向けて出射するコリメートレンズとして機能することができる。また、複数のレンズ44は、そのレンズ44に向けて接続の相手方の光コネクタから入射した平行光を、対応する光ファイバ18の端面に集光してその光ファイバ18に入射させる集光レンズとしても機能することができる。
光コネクタ10の幅方向において、レンズ素子14のレンズアレイ部42の両側における両側端部には、それぞれガイドピン16が挿入される一対のガイドピン挿入孔46が形成されている。一対のガイドピン挿入孔46は、それぞれ光コネクタ10の前後方向に沿って形成されている。一対のガイドピン挿入孔46は、フェルール本体部24の一対のガイドピン挿入孔38に対応して形成されている。
レンズ素子14は、一対のガイドピン16により、すなわちフェルール12に対して位置決めされた状態で、接着剤29により、フェルール12の接続側端面34に接着されて固定されている。ガイドピン挿入孔46、38に挿入されたガイドピン16は、接続の相手方の光コネクタに同様に挿入して接続するために、レンズ素子14から光コネクタ10の前方に突出した部分を有している。
以上により、フェルール12に収容されて固定された複数の光ファイバ18を有する光コネクタ10が実現される。
次に、レンズ素子14と光ファイバ18との接合部分について詳細に説明する。
図3は、実施の形態1に係る光コネクタ10における光ファイバ18とレンズ素子14との接合部分を模式的に示す図である。図3では、シングルモードの多心光ファイバをレンズ方式で接続するための光コネクタ10の一例として、フェルール12に固定された複数の光ファイバ18のうち、一つの光ファイバ18を代表的に図示している。
図3に示されるように、レンズアレイ背面41は、フェルール12(フェルール本体部24)の接続側端面34及び光ファイバ18の端面180と、充填媒体としての接着剤19を介して接合されている。
接着剤19には、レンズ素子14に使用される樹脂材料に応じて、最適な屈折率を有する材料が用いられる。接着剤19に使用される材料の屈折率は、光ファイバ18(コア118)の屈折率とレンズ素子14に使用される樹脂材料の屈折率との間の値であることが好ましい。また、接着剤19は、硬化後に、伝送対象の波長帯の光に対して透明となる材料であることが好ましい。このような接着剤19として、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、シリコーン系接着剤を用いることができる。
図3に示されるように、光ファイバ18とレンズ素子14との接合面は、各光ファイバ18の光軸181に対して垂直ではない。すなわち、光ファイバ18とレンズ素子14との接合面は、光ファイバ18の光軸181に垂直な平面182に対して傾斜している。
ここで、光ファイバ18とレンズ素子14との接合面とは、接着剤19を介して互いに接合された、光ファイバ18の端面180及びレンズアレイ背面41をいう。
すなわち、光ファイバ18の端面180は、その光ファイバ18の光軸181に垂直な平面182に対して傾斜し、レンズアレイ背面41は、平面182に対して傾斜している。ここで、平面182に対する光ファイバ18の端面180の傾斜角度と、平面182に対するレンズアレイ背面41の傾斜角度は互いに等しい。
平面182に対する光ファイバ18の端面180の傾斜角度(平面182に対するレンズアレイ背面41の傾斜角度)をθ〔度(°)〕としたとき、0°<θ<90°であり、好ましくはθ≧3°であり、より好ましくはθ=略8°である。
具体例を挙げるとすれば、レンズ素子14と光ファイバ18との接合面での反射光が光ファイバ18に結合する割合、すなわちレンズ素子14と光ファイバ18との接合面における反射減衰量を-45dB以下とするために、レンズ素子14をCOP(屈折率n=1.51)で形成した場合はθ≧3°、レンズ素子14をPEI(屈折率n=1.66)で形成した場合はθ≧6°とすることが好ましい。また、レンズ素子14の材料によらず、θ=略8°としてもよい。
尚、実施の形態1に係る光コネクタ10において、レンズ44に反射防止(AR:Anti-Reflective)コーティングを施した場合、反射減衰量を-45dB以下にすることが可能である。また、光コネクタ10は、用途によっては、OバンドからLバンドまで(1260nmから1625nmまで)の光通信波長帯に対応した波長帯域を利用することが好ましい。例えば、シングルモードの光ファイバ18であれば、Oバンド(1260nm~1360nm)、Cバンド(1530nm~1565nm)、Lバンド(1565nm~1625nm)の波長帯域の波長が利用される。
次に、実施形態1に係る光コネクタ10における光ファイバ18とレンズ素子14との接合方法について説明する。ここでは、光ファイバ18とレンズ素子14とを接合する方法として、2つの方法を例示する。
図4A~4Cは、実施形態1に係る光コネクタ10における光ファイバ18とレンズ素子14の接合方法の一例を示す図である。
先ず、図4Aに示すように、複数の光ファイバ挿入孔36が形成されたフェルール12を用意し、そのフェルール12の各光ファイバ挿入孔36に光ファイバ18をそれぞれ挿入して固定する(ステップS11)。例えば、各光ファイバ挿入孔36に光ファイバ18をそれぞれ挿入した状態で、各光ファイバ挿入孔36と光ファイバ18との隙間に接着剤19を流し込むことにより、固定する。
次に、図4Bに示すように、光ファイバ18が固定されたフェルール12の一方の端面を研磨する(ステップS12)。具体的には、フェルール12の接続側端面34が光ファイバ18の光軸181に対して非垂直となるように、公知の研磨技術により、フェルール12を研磨する。このとき、光ファイバ18の光軸181に垂直な平面182に対するフェルール12の接続側端面34の傾斜角度θは、上述したように、レンズ素子14を形成する材料に応じて適切な値に設定すればよい。
次に、図4Cに示すように、フェルール12と同様にレンズアレイ背面41を斜めに研磨したレンズ素子14を用意し、レンズ素子14のレンズアレイ背面41とフェルール12の接続側端面34とを接着剤19によって接合する(ステップS13)。このとき、フェルール12に接着固定された各光ファイバ18の端面180と対応するレンズ44とが対向するように、フェルール12とレンズ素子14とを接合する。
以上の処理ステップにより、実施形態1に係る光コネクタ10における光ファイバ18とレンズ素子14との接合部分を実現することができる。
図5A~5Dは、実施形態1に係る光コネクタ10における光ファイバ18とレンズ素子14の接合方法の別の一例を示す図である。
先ず、図5Aに示すように、複数の光ファイバ挿入孔36が形成されたフェルール12を用意し、公知の研磨技術により、そのフェルール12の一方の端面を研磨する(ステップS21)。研磨の方法は、上述したステップS12と同様である。
次に、図5Bに示すように、フェルール12と同様にレンズアレイ背面41を斜めに研磨したレンズ素子14を用意し、レンズ素子14のレンズアレイ背面41とフェルール12の接続側端面34とを接着剤19によって接合する(ステップS22)。このとき、フェルール12の光ファイバ挿入孔36と対応するレンズ44とが対向するように、フェルール12とレンズ素子14とを接合する。
次に、図5Cに示すように、フェルール12と同様に、一方の端面180を斜めに研磨した複数の光ファイバ18を用意し、それらの光ファイバ18をフェルール12の対応する光ファイバ挿入孔36にそれぞれ挿入する(ステップS23)。
次に、図5Dに示すように、接着剤19を介して、各光ファイバ18をレンズ素子14のレンズアレイ背面41に接着固定する(ステップS24)。
以上の処理ステップにより、実施形態1に係る光コネクタ10における光ファイバ18とレンズ素子14との接合部分を実現することができる。
上述した後者の接合方法(図5A~5D)では、図6に示すように、例えばレーザークリーバー(またはレーザーカッター)を用いて一端を溶融によって切断した光ファイバ18を用いてもよい。光ファイバ18の切断面(端面180)は、溶融時の熱により、丸まった形状となる。尚、上記レーザークリーバーのレーザーは、一般的に、COレーザー、紫外線レーザーなどの光ファイバの吸収波長のレーザーである。ここで、光ファイバ18の端面180は、コア118の中心に接する面である。
次に、光コネクタ10において高パワー入光時に挿入損失を抑制させるアプローチについて詳細に説明する。
図7は、実施形態1に係る光コネクタ10において、光ファイバ18の端面とレンズ44の頂点との間の距離FLhと、レンズ44の頂点からレンズ44の背面方向に位置する焦点Fまでの距離FLと、光ファイバ18の端面と焦点Fとの間隔δとの関係を模式的に示す図である。図7では、図3と同様、シングルモードの多心光ファイバをレンズ方式で接続するための光コネクタ10の一例として、フェルール12に固定された複数の光ファイバ18のうち、一つの光ファイバ18を代表的に図示している。
図7に示すように、レンズアレイ背面41は、図3と同様に、光ファイバ18の端面180と、接着剤19を介して接合されており、光ファイバ18の端面180及びレンズアレイ背面41は、互いに等しい傾斜角度で傾斜している。
光ファイバ18の端面180とレンズの頂点144との間の距離FLhは、レンズの頂点144からレンズ背面244の方向に位置する焦点Fまでの距離FLと、光ファイバ18の端面180と焦点Fとの間隔δとの和で表される。焦点Fの位置は、レンズ素子14及びレンズ44の屈折率の変化がほとんど生じない程度の光パワーを入射した場合におけるレンズの頂点144から入光した光の焦点位置、すなわち、低パワー入光時の焦点位置である。以下、焦点Fの位置を理想的焦点位置Fと称する。尚、低パワーとは、従来から利用されている+11dBm未満の入光パワーを意味する。
低パワー入光時にレンズの頂点144から入射した光は、光路Aで示したようにレンズ44を介して屈折し、さらにレンズ素子14を透過して理想的焦点位置Fに到達する。このような、レンズの頂点144から理想的焦点位置Fまでの距離を距離FL(μm)として定義する。焦点Fは、接着剤19とレンズ素子14との接合面、すなわち、レンズアレイ背面41に位置している。そのため、低パワー入光時において入射した光の伝送損失を低減するためには、光ファイバ18の端面180は、レンズアレイ背面41にできる限り近づけて配置されることが好ましい。
一方、高パワー入光時にレンズの頂点144から入射した光は、光路Bで示したようにレンズ44を介して屈折し、さらにレンズ素子14及び接着剤19を透過して光ファイバ18の端面180に到達する。具体的には、高パワー入光時の焦点は光ファイバ18の端面180に位置するように調整される。すなわち、高パワー入光時には光ファイバ18の端面180に焦点が位置するように、高パワー入光時の焦点は理想的焦点位置Fから間隔δだけずれている。このような、レンズの頂点144から高パワー入光時の焦点位置までの距離を距離FLh(μm)として定義する。尚、高パワーとは、+20dBm以上の入光パワーを意味し、上限値は特に限定されないが現実的に実施可能な入光パワーとして、例えば+30dBm以下であればよい。
間隔δは、理想的焦点位置Fと高パワー入光時の焦点位置との距離(間隔)であり、10μmより長く設定される。間隔δが10μmより長いことにより、挿入損失を抑制することができ、間隔δが20μmより長いことがより好ましい。このように、高パワー入光時の焦点が、理想的焦点位置Fから光ファイバ18の端面180に向かって10μmより長い間隔δだけずらした位置になるように、すなわち、光ファイバ18のコア118に高パワー入光時の焦点が到達するように、距離FLhが調整される。間隔δの上限値は特に限定されないが、100μm以下であればよい。
図8は、距離FLを算出するための方程式を説明するための模式図である。距離FLは、下記式(1)より算出することができ、レンズの公式に基づく。下記式(1)より距離FLが算出されるため、理想的焦点位置Fが定まる。そのため、上述した理想的焦点位置Fと間隔δとの関係から高パワー入光時の焦点位置を調整することができる。尚、図8において、光ファイバ18の端面180及びレンズアレイ背面41は、便宜上それぞれ傾斜していない態様で示しているが、これらがそれぞれ傾斜していても同様に、距離FLを下記式(1)より算出することができる。
Figure 0007623357000001
FL:レンズ頂点から理想的焦点位置までの距離
T:レンズ頂点からレンズ素子までの距離
R:レンズ面の中心軸付近の曲率半径(非球面の場合は下記式(2)で表される非球面方程式におけるr)
:レンズ媒体の屈折率
:充填媒体(接着剤等)の屈折率(空気の場合は1)
Figure 0007623357000002
r:曲率半径
h:光軸からの距離(ラジアル方向)
k:円錐定数
z:サグ量(レンズの光軸に平行な方向に対する)
A,B,C・・・:非球面係数
次に、高パワー入光時の光コネクタ10が示す挿入損失について、具体例を挙げて説明する。
図11は、実施形態1に係る光コネクタ10について、δ=約23の場合における入光パワーと挿入損失との関係を示す図である。図11に示すように、δ=約23の場合では、入光パワーが+20~+23dBmの範囲で挿入損失が最小となる。尚、図11では、48回の測定結果の平均値で算出された値をプロットし、各プロットの上下に伸びる直線は各測定結果の上限値と下限値の範囲を表す。
図12は、実施形態1に係る光コネクタ10について、δ=約33の場合における入光パワーと挿入損失との関係を示す図である。図12に示すように、δ=約33の場合では、入光パワーが+25dBmを超えても挿入損失が低減され、+27dBm又はそれ以上で最小となることが予測される。すなわち、実施形態1に係る光コネクタ10は、低パワー入光時の接続損失より高パワー入光時の接続損失の方が小さくなる入光パワーを有していてもよい。尚、図12では、12回の測定結果をそれぞれ表す。
以上、実施形態1に係る光コネクタ10では、高パワー入光時の焦点が、理想的焦点位置Fから光ファイバ18の端面180に向かって10μmより長い間隔δだけずらした位置になるように距離FLhが調整される。すなわち、距離FLhが、レンズの頂点144から理想的焦点位置Fまでの距離FLよりも10μmより長くなるように調整される。これにより、高パワー入光時に光ファイバ18の端面180(コア118)に焦点が位置するため、レンズ素子14及びレンズ44が樹脂材料で形成されていても、光ファイバ18のコア118に対するピントのずれを防止できる。
したがって、実施形態1に係る光コネクタ10によれば、高パワー入光時においても、挿入損失を抑制することが可能となる。
また、実施形態1に係る光コネクタ10において、レンズ素子14におけるレンズ44の凸面に反射防止コーティングを施すことにより、反射減衰量を減らすことが可能となる。レンズ44の凸面に多層反射防止コーティングを施した場合、例えば1310nmを中心とした±40nmの帯域でレンズ44の凸面での反射を-40dB以下に、レンズ44の凸面で反射した光の光ファイバ18への結合分を-55dB以下とすることが可能となる。
尚、実施形態1に係る光コネクタ10では、フェルール12とレンズ素子14の線膨張係数に差がある場合、温度変化によりフェルール12に固定された各光ファイバ18の光軸とレンズ44の光軸との間にずれが生じるため、温度変化によって光コネクタ10への光の挿入損失が変動するおそれがある。
そこで、光コネクタ10において、フェルール12とレンズ素子14の線膨張係数差が小さくなるように、フェルール12及びレンズ素子14の材料を選択することが望ましい。例えば、フェルール12とレンズ素子14の線膨張係数差が20ppm/℃以下となるように、フェルール12のベース材(例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS))に混合するフィラー(例えば、石英ガラス)の混合量を調整する(例えば、減らす)ことが好ましい。
また、光コネクタ10において、フェルール12とレンズ素子14を同一の材料で形成してもよい。上記材料としては、シクロオレフィンポリマー(COP,線膨張係数:60~80ppm/℃)、ポリエーテルイミド(PEI,線膨張係数:56ppm/℃)等の樹脂材料を例示することができる。
<実施形態2>
図9は、実施形態2に係る光コネクタ10における光ファイバ18とレンズ素子14との接合部分を模式的に示す図である。図9では、シングルモードの多心光ファイバをレンズ方式で接続するための光コネクタ10において、複数のレンズ44が表面に形成されたレンズ素子14と複数の光ファイバ18を収容したフェルール12とが接合される部分の構造のうち、一つの光ファイバ18の接合部分を代表的に図示している。
図9に示すように、レンズアレイ背面41は、フェルール12(フェルール本体部24)の接続側端面34及び光ファイバ18の端面180と、接着剤19を介して接合されている。尚、図示はしていないが、接着剤19は、フェルール12の光ファイバ挿入孔36の内壁と光ファイバ18との隙間にも充填されている。
光ファイバ18とレンズ素子14との接合面は、各光ファイバ18の光軸181に対して垂直である。すなわち、光ファイバ18とレンズ素子14との接合面は、光ファイバ18の光軸181に垂直な平面182に対して平行である。
ここで、光ファイバ18とレンズ素子14との接合面とは、接着剤19を介して互いに接合された、光ファイバ18の端面180及びレンズアレイ背面41をいう。
すなわち、光ファイバ18の端面180及びレンズアレイ背面41は、その光ファイバ18の光軸181に垂直な平面182に対して平行であり、それぞれ傾斜せずに接着剤19を介して接合されている。尚、図9に示す実施形態2に係る光コネクタ10は、光ファイバ18とレンズ素子14とがそれぞれ傾斜していない以外は、図3に示す実施形態1に係る光コネクタ10と同様の構造である。
図10は、実施形態2に係る光コネクタ10において、光ファイバ18の端面とレンズ44の頂点との間の距離FLhと、レンズ44の頂点からレンズ44の背面方向に位置する焦点F’までの距離FLと、光ファイバ18の端面と焦点F’との間隔δとの関係を模式的に示す図である。図10では、図7と同様、シングルモードの多心光ファイバをレンズ方式で接続するための光コネクタ10の一例として、フェルール12に固定された複数の光ファイバ18のうち、一つの光ファイバ18を代表的に図示している。
光ファイバ18の端面180とレンズの頂点144との間の距離FLhは、レンズの頂点144からレンズ背面244の方向に位置する焦点F’(理想的焦点位置F’)までの距離FLと、光ファイバ18の端面180と焦点F’との間隔δとの和で表される。
低パワー入光時にレンズの頂点144から入射した光は、光路A’で示したようにレンズ44を介して屈折し、さらにレンズ素子14を透過して理想的焦点位置F’に到達する。焦点F’は、レンズアレイ背面41と光ファイバ18の端面180との間、すなわち接着剤19内に位置する。
一方、高パワー入光時にレンズの頂点144から入射した光は、光路B’で示したようにレンズ44を介して屈折し、さらにレンズ素子14及び接着剤19を透過して光ファイバ18の端面180に到達する。具体的には、高パワー入光時の焦点は光ファイバ18のコア118に位置するように調整される。
間隔δは、理想的焦点位置F’と高パワー入光時の焦点位置との距離(間隔)であり、10μmより長く設定される。このように、高パワー入光時の焦点が、理想的焦点位置F’から光ファイバ18の端面180に向かって10μmより長い間隔δだけずらした位置になるように距離FLhが調整される。
以上、実施形態2に係る光コネクタ10においても、高パワー入光時の焦点が、理想的焦点位置F’から光ファイバ18の端面180(コア118)に向かって10μmより長い間隔δだけずらした位置になるように距離FLhが調整される。これにより、高パワー入光時に光ファイバ18の端面180(コア118)に焦点が位置するため、レンズ素子14及びレンズ44が樹脂材料で形成されていても、光ファイバ18のコア118に対するピントのずれを防止できる。
<実施形態の拡張>
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、上記の各実施形態では、フェルール12がレンズ素子14とは別個の部品として形成されている場合を例示したが、フェルール12は、レンズ素子14と一体的に形成されていてもよい。
また、上記の各実施形態では、複数の光ファイバ18が備えられている場合を例示したが、これに限定されるものではなく、単心の光ファイバを用いてもよい。また、光ファイバ18は、ケーブル、コード等に内蔵されたものであってもよい。
また、上記の各実施形態では、光ファイバ18がシングルモード(SM)の光ファイバである場合を例示したが、光ファイバ18はマルチモード(MM)の光ファイバであってもよい。光ファイバ18がマルチモード(MM)の光ファイバである場合、850nm(850nn±50nmの範囲)、1060nm(1060nn±50nmの範囲)、1310nm(1310nn±50nmの範囲)の波長帯域の波長が利用される。
また、上記の各実施形態では、光コネクタ10にガイドピン16が備えられている雄型コネクタの場合を例示したが、ガイドピン16がない雌型コネクタであってもよい。また、光コネクタ10は、ガイドピン16がアダプタ等のハウジングに組み込まれたMPOコネクタ(マルチファイバ・プッシュオン・コネクタ)であってもよい。
また、光コネクタ接続構造として、上記の各実施形態における光コネクタ10を用いてもよく、このような光コネクタ接続構造は、接続する少なくとも一方が光コネクタ10であってもよい。
10 光コネクタ
12 フェルール
14 レンズ素子
16 ガイドピン
18 光ファイバ
19,29 接着剤
24 フェルール本体部
34 接続側端面
36 光ファイバ挿入孔
38 ガイドピン挿入孔
40 レンズアレイ側端面
41 レンズアレイ背面
44 レンズ
46 ガイドピン挿入孔
118 コア
144 レンズの頂点
180 光ファイバの端面
181 光ファイバの光軸
182 光軸に垂直な平面
218 クラッド
244 レンズ背面
θ 傾斜角度
F,F’ 焦点(理想的焦点)
FL レンズの頂点から理想的焦点位置までの距離
FLh 光ファイバの端面とレンズの頂点との間の距離
δ 理想的焦点位置と高パワー入光時の焦点位置との距離
A,A’,B,B’ 光路

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの光ファイバと、前記光ファイバの端面に光を結合する少なくとも1つのレンズを有するレンズ素子とを備え、
    前記光ファイバの端面と前記レンズの頂点との間の距離FLh(μm)が、前記レンズの頂点から前記レンズの背面方向に位置する焦点Fまでの距離FL(μm)と、前記光ファイバの端面と前記焦点Fとの間隔δ(μm)との和で表され、
    前記間隔δが20μmより長く、100μm以下であることを特徴とする光コネクタであって、
    前記光コネクタが、複数本の前記光ファイバを保持するフェルールを更に備え、
    前記フェルールと前記レンズ素子間に接着剤の接着層がある、光コネクタ
  2. 低パワー入光時の接続損失より高パワー入光時の接続損失の方が小さくなる入光パワーを有する、請求項1に記載の光コネクタ。
  3. 前記高パワーとは+20dBm以上の入光パワーである、請求項2に記載の光コネクタ。
  4. 前記低パワーとは+11dBm未満の入光パワーである、請求項2に記載の光コネクタ。
  5. 前記レンズ素子が樹脂材料を含む、請求項1乃至4までのいずれか一項に記載の光コネクタ。
  6. 記レンズ素子と前記フェルールが同じ樹脂材料を含む、請求項1乃至5までのいずれか一項に記載の光コネクタ。
  7. 前記フェルールと前記レンズ素子の線膨張係数差が20ppm/℃以下である、請求項6に記載の光コネクタ。
  8. 前記樹脂材料が、シクロオレフィンポリマー又はポリエーテルイミドである、請求項5乃至までのいずれか一項に記載の光コネクタ。
  9. 前記光ファイバの端面と前記レンズ素子との間に充填媒体を備え、
    前記充填媒体が接着剤である、請求項1乃至までのいずれか一項に記載の光コネクタ。
  10. 複数の光ファイバと、当該複数の光ファイバに対応する複数のレンズとを備える、請求項1乃至までのいずれか一項に記載の光コネクタ。
  11. 前記光ファイバがシングルモードファイバである、請求項1乃至1までのいずれか一項に記載の光コネクタ。
  12. 接続する少なくとも一方が請求項1乃至1までのいずれか一項に記載の光コネクタを備える、光コネクタ接続構造。
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