この発明に係る血流解析装置、眼科装置、血流解析方法、及びプログラムの実施形態の例について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この明細書において引用された文献の記載内容や任意の公知技術を、以下の実施形態に援用することが可能である。
実施形態に係る血流解析装置は、被検者の血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行い、時間周波数解析を行うことにより得られた解析データの特徴量に基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。いくつかの実施形態では、血流は、被検者の眼底における血流である。いくつかの実施形態では、時系列データは、波形情報である。時間周波数解析の例として、連続ウェーブレット変換(Continuous Wavelet Transform:CWT)、離散ウェーブレット変換(Discrete Wavelet Transform:DWT)、短時間フーリエ変換(Short-Time Fourier Transform:STFT)、多重解像度解析(Multiresolusion analysis:MRA)などがある。いくつかの実施形態では、2以上の時間周波数解析により得られた2以上の特徴量に基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。
健常者グループは、医師等によりあらかじめ健常者であると診断されたグループである。疾病者グループは、医師等によりあらかじめ疾病者であると診断されたグループである。いくつかの実施形態では、複数のグループは、健常者グループ、疾病者グループ、及び健常者と疾病者との中間領域のグループ(疾病者の疑いがあるグループ)を含む。
いくつかの実施形態では、血流速度の時系列データは、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)を用いて取得される。いくつかの実施形態では、血流解析装置の機能は、被検眼に対してOCTを実行可能な眼科装置に搭載される。いくつかの実施形態では、血流解析装置は、OCTを実行することにより得られた血流速度の時系列データを外部から受信するように構成される。
実施形態に係る血流解析方法は、実施形態に係る血流解析装置により実行される。実施形態に係るプログラムは、血流解析方法の各ステップをプロセッサ(コンピュータ)に実行させる。実施形態に係る記録媒体は、実施形態に係るプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体(記憶媒体)である。
本明細書において「プロセッサ」は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を意味する。プロセッサは、例えば、記憶回路や記憶装置に格納されているプログラムを読み出し実行することで、実施形態に係る機能を実現する。
以下の実施形態では、フーリエドメインタイプのOCTを実行する眼科装置が実施形態に係る血流解析装置の機能を実現する場合について説明する。
また、以下では、スウェプトソースOCTと眼底カメラとを組み合わせた眼科装置について説明するが、実施形態に係る構成はこれに限定されない。例えば、OCTの種別はスウェプトソースOCTには限定されず、スペクトラルドメインOCT等であってもよい。スウェプトソースOCTは、波長可変光源(波長掃引光源)からの光を測定光と参照光とに分割し、被検物からの測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光をバランスドフォトダイオード等で検出し、波長の掃引及び測定光のスキャンに応じて収集された検出データにフーリエ変換等を施して画像を形成する手法である。スペクトラルドメインOCTは、低コヒーレンス光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検物からの測定光の戻り光を参照光と重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル分布を分光器で検出し、検出されたスペクトル分布にフーリエ変換等を施して画像を形成する手法である。換言すると、スウェプトソースOCTは時分割でスペクトル分布を取得する手法であり、スペクトラルドメインOCTは空間分割でスペクトル分布を取得する手法である。なお、実施形態に適用可能なOCTの手法はこれらに限定されず、他の任意の手法(例えば、タイムドメインOCT)を適用することが可能である。
実施形態に係る眼科装置は、眼底カメラのような被検眼の写真(デジタル写真)を取得する機能を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。また、眼底カメラの代わりに、走査型レーザ検眼鏡(SLO)や、スリットランプ顕微鏡や、前眼部撮影カメラや、手術用顕微鏡など、任意のモダリティが設けられてもよい。なお、眼底写真等の正面画像は、眼底の観察やスキャンエリアの設定やトラッキングなどに利用可能である。
<第1実施形態>
[構成]
図1に示すように、血流解析装置としての機能を有する眼科装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100、及び演算制御ユニット200を含む。眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系が設けられている。OCTユニット100には、OCTを実行するための光学系や機構が設けられている。演算制御ユニット200は、プロセッサを含む。被検者の顔を支持するための顎受けや額当てが、眼底カメラユニット2に対向する位置に設けられている。
[光学系]
(眼底カメラユニット2)
眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efを撮影するための光学系や機構が設けられている。眼底Efを撮影して得られる画像(眼底像、眼底写真等と呼ばれる)には、観察画像や撮影画像がある。観察画像は、例えば、近赤外光を用いた動画撮影により得られる。撮影画像は、例えば、可視フラッシュ光を用いて得られるカラー画像若しくはモノクロ画像、又は近赤外フラッシュ光を用いて得られるモノクロ画像である。眼底カメラユニット2は、フルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能であってよい。
眼底カメラユニット2は、照明光学系10と撮影光学系30とを含む。照明光学系10は被検眼Eに照明光を照射する。撮影光学系30は、被検眼Eからの照明光の戻り光を検出する。OCTユニット100からの測定光は、眼底カメラユニット2内の光路を通じて被検眼Eに導かれ、その戻り光は、同じ光路を通じてOCTユニット100に導かれる。
照明光学系10の観察光源11は、例えばハロゲンランプ又は発光ダイオード(LED)である。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて被検眼E(特に眼底Ef)を照明する。
被検眼Eからの観察照明光の戻り光は、対物レンズ22により屈折され、ダイクロイックミラー46を透過し、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過する。孔部を通過した戻り光は、ダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を経由し、ミラー32により反射される。更に、この戻り光は、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、例えば所定のフレームレートで戻り光を検出する。なお、撮影光学系30のピントが眼底Efに合っている場合には眼底Efの観察画像が得られ、ピントが前眼部に合っている場合には前眼部の観察画像が得られる。
撮影光源15は、例えば、キセノンランプ又はLEDを含む可視光源である。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。被検眼Eからの撮影照明光の戻り光は、観察照明光の戻り光と同じ経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。
液晶ディスプレイ(LCD)39は、被検眼Eを固視させるための固視標を表示する。LCD39から出力された光束(固視光束)は、その一部がハーフミラー33Aにて反射され、ミラー32に反射され、撮影合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した固視光束は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。LCD39の画面における固視標の表示位置を変更することにより被検眼Eの固視位置を変更できる。なお、LCD39の代わりに、複数のLEDが2次元的に配列されたマトリクスLEDや、光源と可変絞り(液晶絞り等)との組み合わせなどを、固視光束生成手段として用いることができる。
眼底カメラユニット2にはアライメント光学系50とフォーカス光学系60とが設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する光学系のアライメントに用いられるアライメント視標を生成する。フォーカス光学系60は、被検眼Eに対するフォーカス調整に用いられるスプリット視標を生成する。
アライメント光学系50のLED51から出力されたアライメント光は、絞り52及び53並びにリレーレンズ54を経由し、ダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過する。孔開きミラー21の孔部を通過した光は、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により被検眼Eに投射される。
アライメント光の角膜反射光は、対物レンズ22、ダイクロイックミラー46及び上記孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過し、撮影合焦レンズ31を通過する。撮影合焦レンズ31を通過した角膜反射光は、ミラー32により反射され、ハーフミラー33Aを透過し、ダイクロイックミラー33に反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に投影される。CCDイメージセンサ35による受光像(2つの輝点からなるアライメント視標像)に基づき、従来と同様のマニュアルアライメントやオートアライメントを行うことができる。
フォーカス光学系60は、撮影光学系30の光路(撮影光路)に沿った撮影合焦レンズ31の移動に連動して、照明光学系10の光路(照明光路)に沿って移動される。反射棒67は、照明光路に対して挿脱可能である。
フォーカス調整を行う際には、反射棒67の反射面が照明光路に斜設される。LED61から出力されたフォーカス光は、リレーレンズ62を通過し、スプリット視標板63により2つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65により反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、ダイクロイックミラー46を透過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投射される。
フォーカス光の眼底反射光は、アライメント光の角膜反射光と同じ経路を通ってCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(2つの輝線像からなるスプリット視標像)に基づき、従来と同様のマニュアルアライメントやオートアライメントを行うことができる。
ダイクロイックミラー46は、眼底撮影用の光路とOCT用の光路とを合成する。ダイクロイックミラー46は、OCTに用いられる波長帯の光を反射し、眼底撮影用の光を透過させる。OCT用の光路には、OCTユニット100側から順に、コリメータレンズユニット40、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44、及びリレーレンズ45が設けられている。
光路長変更部41は、図1に示す矢印の方向に移動可能とされ、OCT用の光路の光路長を変更する。この光路長の変更は、被検眼Eの眼軸長に応じた光路長の補正や、干渉状態の調整などに利用される。光路長変更部41は、例えばコーナーキューブと、これを移動する機構とを含む。
光スキャナ42は、被検眼Eの瞳孔と光学的に共役な位置に配置される。光スキャナ42は、OCT用の光路を通過する測定光LSの進行方向を変更する。それにより、被検眼Eが測定光LSでスキャンされる。光スキャナ42は、xy平面の任意方向に測定光LSを偏向可能であり、例えば、測定光LSをx方向に偏向するガルバノミラーと、y方向に偏向するガルバノミラーとを含む。
(OCTユニット100)
図2に例示するように、OCTユニット100には、被検眼EのOCTを実行するための光学系が設けられている。この光学系の構成は、従来のスウェプトソースOCTと同様である。すなわち、この光学系は、光源からの光を測定光と参照光とに分割し、被検眼Eからの測定光の戻り光と参照光路を経由した参照光とを重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光を検出する干渉光学系を含む。干渉光学系により得られる検出結果(検出信号)は、干渉光のスペクトルを示す信号であり、演算制御ユニット200に送られる。
光源ユニット101は、一般的なスウェプトソースOCTと同様に、出射光の波長を高速で変化させることが可能な波長可変光源を含む。波長可変光源は、例えば、近赤外レーザ光源である。
光源ユニット101から出力された光L0は、光ファイバ102により偏波コントローラ103に導かれてその偏波状態が調整される。更に、光L0は、光ファイバ104によりファイバカプラ105に導かれて測定光LSと参照光LRとに分割される。
参照光LRは、光ファイバ110によりコリメータ111に導かれて平行光束に変換され、光路長補正部材112及び分散補償部材113を経由し、コーナーキューブ114に導かれる。光路長補正部材112は、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長とを合わせるよう作用する。分散補償部材113は、参照光LRと測定光LSとの間の分散特性を合わせるよう作用する。
コーナーキューブ114は、入射した参照光LRの進行方向を逆方向に折り返す。コーナーキューブ114に対する参照光LRの入射方向と出射方向は互いに平行である。コーナーキューブ114は、参照光LRの入射方向に移動可能であり、それにより参照光LRの光路長が変更される。
図1及び図2に示す構成では、測定光LSの光路(測定光路、測定アーム)の長さを変更するための光路長変更部41と、参照光LRの光路(参照光路、参照アーム)の長さを変更するためのコーナーキューブ114の双方が設けられている。いくつかの実施形態では、光路長変更部41とコーナーキューブ114のいずれか一方のみが設けられる。また、これら以外の光学部材を用いて、測定光路長と参照光路長との差を変更することも可能である。
コーナーキューブ114を経由した参照光LRは、分散補償部材113及び光路長補正部材112を経由し、コリメータ116によって平行光束から集束光束に変換され、光ファイバ117に入射する。光ファイバ117に入射した参照光LRは、偏波コントローラ118に導かれてその偏波状態が調整され、光ファイバ119によりアッテネータ120に導かれて光量が調整され、光ファイバ121によりファイバカプラ122に導かれる。
一方、ファイバカプラ105により生成された測定光LSは、光ファイバ127により導かれてコリメータレンズユニット40により平行光束に変換される。平行光束に変換された測定光LSは、光路長変更部41、光スキャナ42、OCT合焦レンズ43、ミラー44及びリレーレンズ45を経由し、ダイクロイックミラー46により反射され、対物レンズ22により屈折されて被検眼Eに入射する。測定光LSは、被検眼Eの様々な深さ位置において散乱・反射される。被検眼Eからの測定光LSの戻り光は、往路と同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ105に導かれ、光ファイバ128を経由してファイバカプラ122に到達する。
ファイバカプラ122は、光ファイバ128を介して入射された測定光LSと、光ファイバ121を介して入射された参照光LRとを重ね合わせて干渉光を生成する。ファイバカプラ122は、所定の分岐比(例えば1:1)で干渉光を分岐することにより、一対の干渉光LCを生成する。一対の干渉光LCは、それぞれ光ファイバ123及び124を通じて検出器125に導かれる。
検出器125は、例えばバランスドフォトダイオード(Balanced Photo Diode)である。バランスドフォトダイオードは、一対の干渉光LCをそれぞれ検出する一対のフォトディテクタを有し、これらによる検出結果の差分を出力する。検出器125は、その検出結果(検出信号)をDAQ(Data Acquisition System)130に送る。
DAQ130には、光源ユニット101からクロックKCが供給される。クロックKCは、光源ユニット101において、波長可変光源により所定の波長範囲内で掃引される各波長の出力タイミングに同期して生成される。光源ユニット101は、例えば、各出力波長の光L0を分岐することにより得られた2つの分岐光の一方を光学的に遅延させた後、これらの合成光を検出した結果に基づいてクロックKCを生成する。DAQ130は、検出器125から入力される検出信号をクロックKCに基づきサンプリングする。DAQ130は、検出器125からの検出信号のサンプリング結果を演算制御ユニット200に送る。
(演算制御ユニット200)
演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。また、演算制御ユニット200は、各種の演算処理を実行する。例えば、演算制御ユニット200は、一連の波長走査毎に(Aライン毎に)、検出器125により得られた検出結果に基づくスペクトル分布にフーリエ変換等の信号処理を施すことにより、各Aラインにおける反射強度プロファイルを形成する。更に、演算制御ユニット200は、各Aラインの反射強度プロファイルを画像化することにより画像データを形成する。そのための演算処理は、従来のスウェプトソースOCTと同様である。
演算制御ユニット200は、例えば、プロセッサ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含む。ハードディスクドライブ等の記憶装置には各種のコンピュータプログラムが格納されている。演算制御ユニット200は、操作デバイス、入力デバイス、表示デバイスなどを含んでいてもよい。
[処理系]
眼科装置1の処理系(制御系)は、演算制御ユニット200を中心に構成される。
眼科装置1の処理系の構成例を図3~図8に示す。図3は、眼科装置1の処理系の機能ブロック図の一例を表す。図4は、図3の画像形成部220の機能ブロック図の一例を表す。図5は、図3のデータ処理部300の機能ブロック図の一例を表す。図6は、図5の血流情報生成部320の機能ブロック図の一例を表す。図7は、図5の血流情報解析部330の機能ブロック図の一例を表す。図8は、図7の解析部350の機能ブロック図の一例を表す。
演算制御ユニット200は、図3に示すように、制御部210と、画像形成部220と、データ処理部300とを含む。
(制御部210)
制御部210は、眼科装置1の各部を制御する。制御部210は、プロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブなどを含む。制御部210の機能は、回路を含むハードウェアと、制御ソフトウェアとの協働により実現される。制御部210は、主制御部211と記憶部212とを含む。
(主制御部211)
主制御部211は各種の制御を行う。特に、主制御部211は、眼底カメラユニット2の合焦駆動部31A及び43A、CCDイメージセンサ35及び38、LCD39、光路長変更部41、及び光スキャナ42などを制御する。また、主制御部211は、OCTユニット100の光源ユニット101、参照駆動部114A、検出器125、及びDAQ130などを制御する。更に、主制御部211は、図1及び図2に示す光学系を駆動する光学系駆動部(図示せず)を制御する。
合焦駆動部31Aは、主制御部211からの制御を受け、撮影光学系30の光軸に沿って撮影合焦レンズ31を移動させる。合焦駆動部31Aには、撮影合焦レンズ31を保持する保持部材と、この保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。それにより、主制御部211からの制御を受けた合焦駆動部31Aが撮影合焦レンズ31を移動することにより、撮影光学系30の合焦位置が変更される。なお、手動又はユーザーの操作部242に対する操作により合焦駆動部31Aが撮影光学系30の光軸に沿って撮影合焦レンズ31を移動するようにしてもよい。
合焦駆動部43Aは、主制御部211からの制御を受け、OCTユニット100における干渉光学系の光軸(測定光の光路)に沿ってOCT合焦レンズ43を移動させる。合焦駆動部43Aには、OCT合焦レンズ43を保持する保持部材と、この保持部材を移動するための駆動力を発生するアクチュエータと、この駆動力を伝達する伝達機構とが設けられる。アクチュエータは、例えばパルスモータにより構成される。伝達機構は、例えば歯車の組み合わせやラック・アンド・ピニオンなどによって構成される。それにより、主制御部211からの制御を受けた合焦駆動部43AがOCT合焦レンズ43を移動することにより、測定光の合焦位置が変更される。なお、手動又はユーザーの操作部242に対する操作により合焦駆動部43Aが干渉光学系の光軸に沿ってOCT合焦レンズ43を移動するようにしてもよい。
主制御部211は、CCDイメージセンサ35の露光時間(電荷蓄積時間)、感度、フレームレート等を制御することが可能である。主制御部211は、CCDイメージセンサ38の露光時間、感度、フレームレート等を制御することが可能である。
主制御部211は、LCD39に対して固視標や視力測定用視標の表示制御を行うことが可能である。それにより、被検眼Eに呈示される視標の切り替えや視標の種別の変更が可能になる。また、LCD39における視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eに対する視標呈示位置を変更することが可能である。
主制御部211は、光路長変更部41を制御することにより、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長との差を相対的に変更することが可能である。主制御部211は、被検眼Eの対象部位がOCT画像のフレーム内における所定の範囲に描出されるように光路長変更部41を制御する。具体的には、主制御部211は、被検眼Eの対象部位がOCT画像のフレーム内における所定のz位置(深さ方向の位置)に描出されるように光路長変更部41を制御することが可能である。
主制御部211は、光スキャナ42を制御することにより被検眼Eの眼底Ef又は前眼部における測定光LSの走査位置を変更することが可能である。光スキャナ42の制御には、測定光LSをx方向に偏向するガルバノミラーによる走査位置、走査範囲又は走査速度の制御、測定光LSをy方向に偏向するガルバノミラーによる走査位置、走査範囲又は走査速度の制御などがある。また、主制御部211は、光スキャナ42による測定光LSの走査態様を制御することができる。測定光LSの走査態様としては、例えば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋スキャンなどがある
主制御部211は、光源ユニット101を制御することにより、光L0の点灯と消灯の切り替えや、光L0の光量の変更などを制御することが可能である。
主制御部211は、参照駆動部114Aを制御することにより、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長との差を相対的に変更することが可能である。参照駆動部114Aは、参照光路に設けられたコーナーキューブ114を移動させる。それにより、参照光路の長さが変更される。主制御部211は、被検眼Eの対象部位がOCT画像のフレーム内における所定の範囲に描出されるように参照駆動部114Aを制御する。具体的には、主制御部211は、被検眼Eの対象部位がOCT画像のフレーム内における所定のz位置に描出されるように参照駆動部114Aを制御することが可能である。主制御部211は、光路長変更部41及び参照駆動部114Aの少なくとも一方を制御することにより、参照光LRの光路長と測定光LSの光路長との差を相対的に変更することが可能である。以下では、主制御部211は、光路長変更部41だけを制御することにより測定光LSと参照光LRとの光路長差調整を行うものとして説明するが、参照駆動部114Aだけを制御することにより参照光LRと測定光LSとの光路長差調整を行ってもよい。
主制御部211は、検出器125の露光時間(電荷蓄積時間)、感度、フレームレート等を制御することが可能である。また、主制御部211は、DAQ130を制御することが可能である。
図示しない光学系駆動部は、眼科装置1に設けられた光学系(図1及び図2に示す光学系)を3次元的に移動する。主制御部211は、被検眼Eと装置光学系との位置関係を維持するように光学系駆動部を制御することが可能である。この制御は、アライメントやトラッキングにおいて用いられる。トラッキングとは、被検眼Eの運動に合わせて装置光学系を移動させるものである。トラッキングを行う場合には、事前にアライメントとピント合わせが実行される。トラッキングは、被検眼Eを動画撮影して得られる画像に基づき被検眼Eの位置や向きに合わせて装置光学系をリアルタイムで移動させることにより、アライメントとピントが合った好適な位置関係を維持する機能である。
(記憶部212)
記憶部212は各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、例えば、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報、データ処理部300による処理結果などがある。被検眼情報は、被検者IDや氏名などの被検者情報や、左眼/右眼の識別情報や、電子カルテ情報などを含む。
(画像形成部220)
画像形成部220は、DAQ130によりサンプリングされた検出器125からの検出信号に基づいて、眼底Ef又は前眼部の断層像の画像データを形成する。画像形成部220はプロセッサを含む。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づく「画像」とを同一視することがある。
図4に示すように、画像形成部220は、断層像形成部221を含む。
(断層像形成部221)
断層像形成部221は、DAQ130による検出信号のサンプリング結果に基づいて、眼底Efの断層像の画像データを形成する。断層像形成部221は、予備計測において取得されたデータに基づいて断層像を形成することができる。断層像形成部221が実行する処理は、従来のスペクトラルドメインOCTと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などを含む。他のタイプのOCTが適用される場合、断層像形成部221は、そのタイプに応じた公知の処理を実行する。
このような断層像形成部221は、血流計測(第1走査及び/又は第2走査)により取得されたデータに基づいて断層像を形成することが可能である。
例えば、特開2017-79886号公報に開示されているように、実施形態では、血流計測の対象部位を設定するための走査(予備計測)と、予備計測の結果から設定された部位に関する血流情報を取得するための走査(血流計測)とが実行される。
予備計測では、眼底Efの複数の断面を測定光LSで反復的に走査する。複数の断面の走査は、例えば、互いに平行な複数の走査線に沿ったラスタースキャンである。ラスタースキャンの走査線の本数は例えば128本であり、それにより眼底Efの3次元領域が走査される(3次元スキャン)。なお、走査パターンや走査線の本数は本例に限定されない。
血流計測では、予備計測の結果から設定された眼底Efの部位に基づき2種類の走査(第1走査及び第2走査)が実行される。予備計測の結果から設定された部位を注目部位と呼ぶ。注目部位は、注目血管と注目断面とを含む。注目血管は、予備計測の結果から設定された眼底Efの血管である。注目血管は、脈波が明瞭に観察される血管であってよく、例えば動脈である。注目断面は、注目血管に交差する断面である。更に、注目部位は、注目断面の近傍に位置する1以上の断面を含んでいてよい。この1以上の断面は、注目血管の傾きを求めるためのOCTスキャンの対象となる。
第1走査では、注目血管に交差する2以上の断面が測定光LSで走査される。第1走査により取得されたデータは、注目断面における注目血管の傾き(向き)を求めるために用いられる。一方、第2走査は、注目血管に交差する注目断面が測定光LSで反復的に走査される。第1走査が行われる断面は、注目断面の近傍に配置される。第2走査は、OCTを用いたドップラー計測(ドップラーOCT)である。
第1走査及び第2走査の対象断面は、xy面において、注目血管の走行方向に対して直交するように向き付けられることが望ましい。図9の眼底像Dに示すように、実施形態では、例えば、視神経乳頭Daの近傍に、第1走査が行われる2つの断面C11及びC12と、第2走査が行われる注目断面C2とが注目血管Dbに交差するように設定される。2つの断面C11及びC12の一方は注目断面C2に対して注目血管Dbの上流側に位置し、他方は下流側に位置する。注目断面C2に対する各断面C11及びC12の距離(断面間距離)は、事前に決定される。
第2走査は、被検者の心臓の少なくとも1心周期の間にわたって実行されることが望ましい。それにより、心臓の全ての時相における血流情報が得られる。第2走査の実行時間は、あらかじめ設定された一定の時間(例えば2秒間)であってもよいし、被検者ごとに又は検査毎に設定された時間であってもよい。後者の一例において、心電計を用いて得られる被検者の心拍データを利用することができる。
例えば、断層像形成部221は、断面C11及びC12に対する第1走査により得られた干渉光LCの検出結果に基づいて、断面C11の形態を表す断層像と、断面C12の形態を表す断層像とを形成する。このとき、断面C11を1回走査して1枚の断層像を形成し、且つ、断面C12を1回走査して1枚の断層像を形成することができる。或いは、断面C11を複数回走査して得られた複数の断層像に基づき1枚の断層像を取得し、且つ、断面C12を複数回走査して得られた複数の断層像に基づき1枚の断層像を取得することができる。複数の断層像から1枚の断層像を取得する処理の例として、複数の断層像を平均して画質向上を図る処理や、複数の断層像から最適な1枚を選択する処理がある。
また、断層像形成部221は、注目断面C2に対する第2走査により得られた干渉光LCの検出結果に基づいて、注目断面C2の形態の時系列変化を表す断層像群を形成する。この処理についてより詳しく説明する。第2走査では、上記のように注目断面C2が繰り返し走査される。断層像形成部221には、第2走査に応じて、OCTユニット100の検出器125から検出信号が逐次入力される。断層像形成部221は、注目断面C2の1回分の走査に対応する検出信号群に基づいて、注目断面C2の1枚の断層像を形成する。断層像形成部221は、この処理を第2走査の反復回数だけ繰り返すことで、時系列に沿った一連の断層像を形成する。ここで、これら断層像を複数の群に分割し、各群の断層像を平均して画質の向上を図ってもよい。
(ユーザーインターフェイス240)
眼科装置1には、ユーザーインターフェイス240が設けられている。ユーザーインターフェイス240は表示部241と操作部242とを含む。表示部241は表示装置3を含む。操作部242は各種の操作デバイスや入力デバイスを含む。ユーザーインターフェイス240は、例えばタッチパネルのような表示機能と操作機能とが一体となったデバイスを含んでいてもよい。ユーザーインターフェイス240の少なくとも一部を含まない実施形態を構築することも可能である。例えば、表示デバイスは、眼科装置に接続された外部装置であってよい。
(データ処理部300)
データ処理部300は、画像形成部220により形成された画像データに対して各種のデータ処理(画像処理)や解析処理を施す。例えば、データ処理部300は、画像の輝度補正や分散補正等の補正処理を実行する。また、データ処理部300は、CCDイメージセンサ35、38を用い得られた画像(前眼部像等)に対して各種の画像処理や解析処理を施す。
データ処理部300は、断層像の間の画素を補間する補間処理などの公知の画像処理を実行することにより、被検眼Eのボリュームデータ(ボクセルデータ)を形成することができる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、データ処理部300は、このボリュームデータに対してレンダリング処理を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像を形成する。
データ処理部300は、取得されたボリュームデータ(3次元データセット、スタックデータ等)に各種のレンダリングを施すことで画像を形成することが可能である。データ処理部300により形成される画像として、任意断面におけるBモード画像(縦断面像、軸方向断面像)、任意断面におけるCモード画像(横断面像、水平断面像)、プロジェクション画像、シャドウグラムなどがある。Bモード画像やCモード画像のような任意断面の画像は、指定された断面上の画素(ピクセル、ボクセル)を3次元データセットから選択することにより形成される。プロジェクション画像は、3次元データセットを所定方向(z方向、深さ方向、軸方向)に投影することによって形成される。シャドウグラムは、3次元データセットの一部(たとえば特定層に相当する部分データ)を所定方向に投影することによって形成される。Cモード画像、プロジェクション画像、シャドウグラムのような、被検眼の正面側を視点とする画像を正面画像(en-face画像)と呼ぶ。
また、データ処理部300は、OCTにより時系列に収集されたデータ(例えば、Bスキャン画像データ)に基づいて、網膜血管や脈絡膜血管が強調されたBモード画像や正面画像(血管強調画像、アンギオグラム)を構築することができる。例えば、被検眼Eの略同一部位を反復的にスキャンすることにより、時系列のOCTデータを収集することができる。
いくつかの実施形態では、データ処理部300は、略同一部位に対するBスキャンにより得られた時系列のBスキャン画像を比較し、信号強度の変化部分の画素値を変化分に対応した画素値に変換することにより当該変化部分が強調された強調画像を構築する。更に、データ処理部300は、構築された複数の強調画像から所望の部位における所定の厚さ分の情報を抽出してen-face画像として構築することでOCTアンギオグラムを形成する。
更に、データ処理部300は、画像形成部220により形成された断層像において、所定の層領域を特定することが可能である。特定可能な層領域として、内境界膜、神経繊維層、神経節細胞層、内網状層、内顆粒層、外網状層、外顆粒層、外境界膜、視細胞層、網膜色素上皮層、脈絡膜、強膜、各層領域の界面などがある。
断層像から所定の層領域を特定する処理は、典型的には、セグメンテーション処理を含む。セグメンテーション処理は、断層像中の部分領域を特定するための公知の処理である。データ処理部300は、例えば、断層像における各画素の輝度値に基づきセグメンテーション処理を行う。すなわち、眼底Efのそれぞれの層領域は特徴的な反射率を有し、これら層領域に相当する画像領域もそれぞれ特徴的な輝度値を有する。データ処理部300は、これら特徴的な輝度値に基づきセグメンテーション処理を実行することにより、目的の画像領域(層領域)を特定することができる。データ処理部300は、少なくとも網膜動脈又は網膜静脈が存在する層領域(例えば、内境界膜からブルッフ膜までの間の層領域)を特定する。いくつかの実施形態では、データ処理部300は、断層像において特定された層領域に対応する位相画像(後述)中の画像領域を特定する。
データ処理部300は、画像形成部220により形成された画像に基づいて血流情報を生成し、生成された血流情報を解析して被検者が疾病者(健常者)グループであるか否かを分類することが可能である。血流情報は、眼底Efにおける血流速度を含む。このようなデータ処理部300は、図5に示すように、位相画像形成部310と、血流情報生成部320と、血流情報解析部330とを含む。
(位相画像形成部310)
位相画像形成部310は、眼底Efの(略同一の)所定部位を繰り返しOCTスキャンすることにより得られたデータ(OCTデータ)に基づいて位相画像を形成する。位相画像形成部310は、予備計測において取得されたデータに基づいて、スキャンされた断面における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。予備計測では、眼底Efの複数の断面が繰り返し走査される。位相画像形成部310は、予備計測により取得されたデータに基づいて、これら断面のそれぞれにおける位相画像を形成する。
また、位相画像形成部310は、血流計測の第2走査により取得されたデータに基づいて位相画像を形成する。例えば、位相画像形成部310は、注目断面C2に対する第2走査により得られた干渉光LSの検出結果に基づいて、注目断面C2における位相差の時系列変化を表す位相画像を形成する。
位相画像の形成に用いられるデータは、断層像形成部221が断層像を形成するために用いられるデータと同じであってよい。この場合、スキャンされた断面の断層像と位相画像とを容易に位置合わせすることができる。つまり、同じデータに基づき形成された断層像と位相画像とについて、断層像の画素と位相画像の画素とを自然に対応付けることが可能である。
位相画像の形成方法の例を説明する。本例の位相画像は、隣り合うAライン複素信号(隣接する走査点に対応する信号)の位相差を算出することにより得られる。換言すると、本例の位相画像は、スキャンされた断面の断層像の各画素について、その画素の画素値(輝度値)の時系列変化に基づき形成される。任意の画素について、位相画像形成部310は、その輝度値の時系列変化のグラフを考慮する。位相画像形成部310は、このグラフにおいて所定の時間間隔Δtだけ離れた2つの時点t1及びt2(t2=t1+Δt)の間における位相差Δφを求める。そして、この位相差Δφを時点t1(より一般に2つの時点t1及びt2の間の任意の時点)における位相差Δφ(t1)として定義する。あらかじめ設定された多数の時点のそれぞれについてこの処理を実行することで、当該画素における位相差の時系列変化が得られる。
位相画像は、各画素の各時点における位相差の値を画像として表現したものである。この画像化処理は、例えば、位相差の値を表示色や輝度で表現することで実現できる。このとき、時系列に沿って位相が増加したことを表す色(例えば赤)と、減少したことを表す色(例えば青)とを違えることができる。また、位相の変化量の大きさを表示色の濃さで表現することもできる。このような表現方法を採用することで、血流の向きや大きさを色や濃度で提示することが可能となる。以上の処理を各画素について実行することにより位相画像が形成される。
なお、位相差の時系列変化は、上記の時間間隔Δtを十分に小さくして位相の相関を確保することにより得られる。このとき、測定光LSの走査において断層像の分解能に相当する時間未満の値に時間間隔Δtを設定したオーバーサンプリングが実行される。
(血流情報生成部320)
血流情報生成部320は、画像形成部220により形成された断層像(具体的には、位相画像形成部310により形成された位相画像)において上記のように特定された所定の層領域(例えば、内境界膜からブルッフ膜までの間の層領域)の血流情報を生成する。
血流情報生成部320は、予備計測に基づいて設定された部位の血流計測にて取得されたデータの処理を実行する。本例において、血流情報生成部320は、1本の血管について、第1走査により取得されたデータに基づいて、注目断面における注目血管の傾きを求める。更に、血流情報生成部320は、第1走査に基づき求められた注目血管の傾きと、第2走査により取得されたデータとに基づいて、注目血管に関する血流情報を求める。血流情報は、例えば、血流速度と、血流量とを含む。このような血流情報生成部320は、図6に示すように、血管領域特定部321と、傾き算出部322と、血流速度算出部323と、血管径算出部324と、血流量算出部325とを含む。
(血管領域特定部321)
血管領域特定部321は、断層像形成部221により形成された断層像において、注目血管に対応する血管領域を特定する。更に、血管領域特定部321は、位相画像形成部310により形成された位相画像において、注目血管に対応する血管領域を特定する。血管領域の特定は、各画像の画素値を解析することにより行われる(例えば閾値処理)。いくつかの実施形態では、血管領域特定部321は、断層像又は位相画像に対して、閾値処理、エッジ検出、二値化、細線化、領域拡張法(リージョングローイング)などの公知の画像処理を実行することにより血管領域を特定する。
いくつかの実施形態では、位相画像に描出される血管領域の形状が略円形状である場合、血管領域特定部321は、輝度差又は位相差の変化が大きい略円形状の領域を特定することにより血管領域を特定する。
この実施形態では、同じデータから断層像と位相画像とを形成することが可能である。それにより、血管領域特定部321は、断面形態が比較的明瞭に描出される断層像内の血管領域を特定し、特定された血管領域に対応する位相画像内の領域を血管領域として特定することが可能である。また、断層像と位相画像とが異なるデータから作成された場合であっても、それらのレジストレーションが直接的又は間接的に可能である場合には、一方の画像の血管領域の特定結果を他方の画像の血管領域の特定に利用することができる。
いくつかの実施形態では、血管領域特定部321は、ユーザーによる操作部242に対する操作内容に基づいて指定された血管領域を特定する。ユーザーは、主制御部211により表示部241に表示された眼底Efの正面画像又は断面の位相画像を見ながら操作部242に対して操作を行うことにより、所望の注目血管に対応する血管領域を指定することができる。
(傾き算出部322)
傾き算出部322は、第1走査により取得されたデータに基づいて注目断面C2における注目血管Dbの傾きを算出する。このとき、第2走査により得られたデータを更に用いることも可能である。傾き算出部322は、断面間距離と血管領域の特定結果とに基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの傾きを算出する。断面間距離は、断面C11と断面C12との間の距離を含んでよい。また、断面間距離は、断面C11と注目断面C2との間の距離と、断面C12と注目断面C2との間の距離とを含んでよい。
注目血管Dbの傾きの算出方法の例を、図10を参照しつつ説明する。断層像G11及びG12は、それぞれ、第1走査が適用される断面C11を表す断層像及び断面C12を表す断層像である。また、断層像G2は、第2走査が適用される注目断面C2を表す断層像である。符号V11、V12及びV2は、それぞれ、断層像G11内の血管領域、断層像G12内の血管領域、及び断層像G2内の血管領域を示す。なお、これら血管領域は注目血管Dbの断面に相当する。図10において、z座標軸は下方向を向いており、これは測定光LSの照射方向(測定光LSの光路の光軸の方向、軸線方向、Aライン方向)と実質的に一致するものとする。また、隣接する断層像(断面)の間隔をLとする。
1つの例において、傾き算出部322は、3つの血管領域V11、V12及びV2の位置関係に基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの傾きUを算出する。この位置関係は、例えば、3つの血管領域V11、V12及びV2を結ぶことによって得られる。具体的には、傾き算出部322は、3つの血管領域V11、V12及びV2のそれぞれの特徴点を特定し、これら特徴点を結ぶ。この特徴点としては、中心位置、重心位置、最上部(z座標値が最小の位置)、最下部(z座標値が最大の位置)などがある。また、これら特徴点の結び方としては、線分で結ぶ方法、近似曲線(スプライン曲線、ベジェ曲線等)で結ぶ方法などがある。
更に、傾き算出部322は、これら特徴点を結ぶ線に基づいて傾きUを算出する。線分が用いられる場合、例えば、注目断面C2内の血管領域V2の特徴点と断面C11内の血管領域V11の特徴点とを結ぶ第1線分の傾きと、血管領域V2の当該特徴点と断面C12内の血管領域V12の特徴点とを結ぶ第2線分の傾きとに基づいて、傾きUが算出される。この算出処理の例として、2つの線分の傾きの平均値を求めることができる。また、近似曲線で結ぶ場合の例として、近似曲線と注目断面C2との交差位置における近似曲線の傾きを求めることができる。なお、断面間距離Lは、線分や近似曲線を求める処理において、これら断層像G11、G12及びG2をxyz座標系に埋め込むときに用いられる。
本例では、3つの断面における血管領域を考慮しているが、2つの断面の血管領域を考慮して傾きを求めることも可能である。具体例として、断面C11内の血管領域V11と断面C12内の血管領域V12とに基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの傾きUを求めるよう構成できる。或いは、上記第1線分又は第2線分の傾きを傾きUとして用いることも可能である。
注目断面における注目血管の傾きを算出する方法は、上記のものには限定されない。例えば、次のような方法を適用することができる。まず、注目断面に交差し、かつ注目血管に沿う断面に対してOCTスキャンを行う。次に、このOCTスキャンにより取得されたデータに基づいて断層像を形成し、この断層像のセグメンテーションを行って所定組織に相当する画像領域(層領域)が特定される。特定される層領域は、例えば、内境界膜に相当する層領域(ILM領域)である。内境界膜は、網膜と硝子体との境界を規定する網膜の組織であり、比較的明瞭に描出される。更に、特定された層領域の形状を近似する線分を求め、その傾きを求める。近似線分の傾きは、例えば、z座標軸に対する角度として、又は、xy面(つまりz座標軸に直交する平面)に対する角度として表現される。
(血流速度算出部323)
血流速度算出部323は、位相画像として得られる位相差の時系列変化に基づいて、注目血管Db内を流れる血液の注目断面C2における血流速度を算出する。この算出対象は、或る時点における血流速度でもよいし、この血流速度の時系列変化(血流速度変化情報)でもよい。前者の場合、例えば心電図の所定の時相(例えばR波の時相)における血流速度を選択的に取得することが可能である。また、後者における時間の範囲は、注目断面C2を走査した時間の全体又は任意の一部である。
血流速度変化情報が得られた場合、血流速度算出部323は、当該時間の範囲における血流速度の統計値を算出することができる。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。また、血流速度の値についてのヒストグラムを作成することもできる。
血流速度算出部323は、前述のようにドップラーOCTの手法を用いて血流速度を算出する。このとき、傾き算出部322により算出された注目断面C2における注目血管Dbの傾きUが考慮される。具体的には、傾き算出部322は次式を用いる。
式(1)において、Δfは、測定光LSの散乱光が受けるドップラーシフトを表し、nは、媒質(血液)の屈折率を表し、vは、媒質の流速(血流速度)を表す。また、θは、測定光LSの入射方向と媒質の流れの方向(傾きU)とが成す角度を表し、λは、測定光LSの中心波長を表す。
実施形態では、nとλは既知であり、Δfは位相差の時系列変化から得られ、θは傾きUから得られる(又はθは傾きUとして得られる)。これらの値を式(1)に代入することにより、血流速度vが算出される。
(血管径算出部324)
血管径算出部324は、眼底像又はOCT画像を解析することにより、注目断面C2における注目血管Dbの径を算出する。眼底像が用いられる場合、注目断面C2の位置を含む眼底Efの部位の撮影が行われ、それにより得られた眼底像(例えば、カラー眼底像、レッドフリー画像等)に基づいて、注目断面C2における注目血管Dbの径、つまり血管領域V2の径を算出する。OCT画像が用いられる場合、このOCT画像は、例えば、第2走査に基づき形成された断層像、又は、予備計測に基づき形成された画像である。このような血管径の算出は、従来と同様にして実行される。
(血流量算出部325)
血流量算出部325は、血流速度の算出結果と血管径の算出結果とに基づいて、注目血管Db内を流れる血液の流量を算出する。この処理の一例を以下に説明する。
血管内における血流がハーゲン・ポアズイユ流(Hagen-Poiseuille flow)と仮定する。また、血管径をwとし、血流速度の最大値をVmとすると、血流量Qは次式で表される。
血流量算出部325は、血管径算出部324による血管径の算出結果wと、血流速度算出部323による血流速度の算出結果に基づく最大値Vmとを式(2)に代入することにより、血流量Qを算出する。
(血流情報解析部330)
血流情報解析部330は、血流情報生成部320により生成された血流情報を用いて解析処理を実行する。本例において、血流情報生成部320は、1本の網膜動脈又は網膜静脈の血流速度を血流情報として生成する。血流情報解析部330は、血流情報生成部320により生成された血流情報の経時的変化を表す血流情報の時系列データ(すなわち、血流速度の経時的変化を表すデータ)を生成する。血流情報解析部330は、生成された血流情報の時系列データに対して時間周波数解析を行うことにより血流情報の特徴量を取得し、取得された特徴量に基づいて被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。
このような血流情報解析部330は、図7に示すように、抽出部340と、解析部350と、分類部360と、学習部370とを含む。
(抽出部340)
抽出部340は、血流情報生成部320により生成された血流情報(血流速度の時系列データ)から1拍動期間の血流情報(血流速度の時系列データ)を抽出する。抽出部340は、心周期特定部341と、補間部342と、正規化部343とを含む。
(心周期特定部341)
心周期特定部341は、血流速度の時系列データから心周期(1拍動期間)を特定する。血流速度は、心臓の拍動に起因して変化する。心周期特定部341は、例えば、拍動に対応した血流速度の変化点を特定することにより心周期を特定する。
図11に、抽出部340の動作説明図を示す。図11は、血流速度の時系列データである血流速度波形の一例を表す。図11において、横軸は時間を表し、縦軸は血流速度を表す。
心周期特定部341は、血流速度の時系列データから血流速度が所定の値となる2つのタイミングの間の期間を1心拍に要する心周期(1拍動期間)THRとして特定する。所定の値として、極小値、極大値、最小値、最大値などがある。実施形態では、心周期特定部341は、血流速度が最小値となる2つのタイミングの間の期間を心周期THRとして特定する。心周期特定部341は、血流速度の時系列データから特定された2以上の心周期の統計値を心周期THRとして出力してもよい。この統計値としては、平均値、標準偏差、分散、中央値、最大値、最小値、極大値、極小値などがある。
(補間部342)
補間部342は、心周期特定部341により特定された心周期THRの間の血流速度の時系列データを時間軸方向に正規化する。時間軸方向の正規化は、心周期の正規化に相当する。具体的には、補間部342は、心周期特定部341により心周期が特定された血流速度の時系列データに対して、所定の期間における計測サンプリング数が所定のサンプリング数になるように補間処理を実行する。所定の期間として、例えば、1拍動期間、1秒間、2秒間などがある。所定のサンプリング数として、2k(kは自然数、例えばk=7)点などがある。この実施形態では、補間部342は、1拍動期間においてサンプリング数が27(=128)点(次元)になるように補間処理を実行する。
所定の期間における計測サンプリング数が所定のサンプリング数に満たない場合、補間部342は、1以上のサンプリング点における血流速度を補間により追加することが可能である。いくつかの実施形態では、補間部342は、線形補間、ラグランジュ補間、スプライン補間等の公知の補間方法を用いて1以上のサンプリング点を追加する。
所定の期間における計測サンプリング数が所定のサンプリング数を越える場合、補間部342は、1以上のサンプリング点における血流速度を間引くことが可能である。
このように血流速度の時系列データに対して時間軸方向に正規化を行うことによって、心拍数(心周期)が異なる複数の被検者の時系列データに対する解析精度を向上させることが可能になる。
(正規化部343)
正規化部343は、補間部342によりサンプリング点の追加(又は間引き)が行われた血流速度の時系列データを血流速度軸方向に正規化する。血流速度軸方向の正規化は、血流速度(振幅)の正規化に相当する。具体的には、正規化部343は、図11に示すように、心周期THR内の血流速度を最大値で正規化する。例えば、正規化部343は、心周期THR内の血流速度の最大値と最小値との差VHRを最大値が「1」になり最小値が「0」になるように血流速度を正規化する。
このように血流速度の時系列データに対して血流速度軸方向に正規化を行うことによって、血流速度の最大値、最小値、又は変動幅が異なる複数の被検者の血流速度の時系列データに対する解析精度を向上させることが可能になる。
いくつかの実施形態では、補間部342により補間処理が施された血流速度の時系列データに対して、正規化部343による正規化処理が省略される。いくつかの実施形態では、正規化部343により正規化された血流速度の時系列データに対して、補間部342は、上記の補間処理を実行するように構成される。
(解析部350)
解析部350は、抽出部340により抽出された血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行い、取得された解析データの特徴量を求める。この実施形態では、解析部350は、1拍動期間における血流速度の時系列データに対して連続ウェーブレット変換を行い、取得されたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値とを求める。以下、連続ウェーブレット変換を単に「ウェーブレット変換」と表記する。
このような解析部350は、図8に示すように、ウェーブレット変換部351と、特徴位置探索部352と、特徴量特定部353とを含む。
(ウェーブレット変換部351)
ウェーブレット変換部351は、1拍動期間における血流速度の時系列データに対してウェーブレット変換を行う。
例えば、基底に用いるウェーブレット関数Ψa,b(t)(tは時間)を式(3)のように定義する。式(3)において、「a」は時間軸を「1/a」倍に変換するスケール値を表し、「b」は時間軸上を「b」だけ移動させるシフト値を表す。
また、マザーウェーブレットとして、例えば、次の式(4)のようにメキシカンハット(Mexican Hat)ウェーブレットを採用した場合、式(3)のウェーブレット関数Ψa,b(t)は、式(5)のように表される。
ここで、抽出部340により抽出された1拍動期間における血流速度の時系列データを被解析信号x(t)とする。ウェーブレット変換部351は、式(6)に従って被解析信号x(t)に対してウェーブレット変換を行い、スケール値「a」とシフト値「b」の関数である変換データWΨ[x(t)]を求める。
(特徴位置探索部352)
特徴位置探索部352は、ウェーブレット変換部351により得られた変換データWΨ[x(t)]の特徴位置を探索する。特徴位置探索部352は、変換データWΨ[x(t)]に基づいて特徴位置を探索する。特徴位置の例として、変換データWΨ[x(t)]の最大を示す位置、変換データWΨ[x(t)]の最小を示す位置、変換データWΨ[x(t)]の平均値(中央値)を示す位置などがある。この実施形態では、特徴位置探索部352は、変換データWΨ[x(t)]が最大を示す位置を特徴位置として探索する。
(特徴量特定部353)
特徴量特定部353は、ウェーブレット変換部351により得られた変換データWΨ[x(t)]の特徴量を特定する。具体的には、特徴量特定部353は、特徴位置探索部352により探索された特徴位置における変換データWΨ[x(t)]の特徴量を特定する。特徴量は、スケール値「a」及びシフト値「b」を含む。この実施形態では、特徴量特定部353は、変換データWΨ[x(t)]が最大を示す位置におけるスケール値「a」及びシフト値「b」を特徴量として特定する。
図12に、解析部350の動作説明図を示す。図12は、縦軸をスケール値「a」とし、横軸をシフト値「b」としたとき、式(6)を用いて算出された変換データWΨ[x(t)]のプロット図を模式的に表したものである。なお、図12において、縦軸及び横軸のそれぞれは最大値で規格化(正規化)されている。
すなわち、ウェーブレット変換部351は、式(6)に従って被解析信号x(t)に対してウェーブレット変換を行う。それにより、スケール値[a]とシフト値「b」の関数である変換データWΨ[x(t)]は、図12に示すように分布する。なお、図12では、各座標位置における変換データWΨ[x(t)]の値を濃淡で表す(値が大きいほど濃い)。
特徴位置探索部352は、ウェーブレット変換部351により算出された変換データWΨ[x(t)]の最大を示す位置を探索し、特徴位置CPを特定する。特徴量特定部353は、特徴位置探索部352により特定された特徴位置CPにおけるスケール値a0及びシフト値b0を特徴量として特定する。
(分類部360)
分類部360は、解析部350により得られた変換データWΨ[x(t)]の特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値とに基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。上記のように、健常者グループは、医師によりあらかじめ健常者であると診断されたグループであり、疾病者グループは、医師によりあらかじめ疾病者であると診断されたグループである。
いくつかの実施形態では、分類部360は、上記のスケール値及びシフト値に基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに分類する。
いくつかの実施形態では、複数のグループは、健常者グループ、疾病者グループ、及び健常者と疾病者との中間領域のグループを含む。この場合、分類部360は、上記のスケール値及びシフト値に基づいて、被検者を健常者グループ、疾病者グループ、及び中間領域のグループのいずれかに分類する。被検者を中間領域のグループに分類することで、当該被検者に対する精密検査の検査結果を特に注意深く精査する必要があることを、被検者、検者、又は医師等に促すことができる。
いくつかの実施形態では、分類部360は、上記のスケール値及びシフト値に基づいて、被検者を中間領域のグループ及びそれ以外のグループに分類する。
いくつかの実施形態では、分類部360は、上記のスケール値及びシフト値の少なくとも1つを所定の閾値と比較することにより、被検者を上記のように分類する。
いくつかの実施形態では、分類部360は、複数の被検者の血流速度の時系列データを事前に解析することにより得られた分類モデルを用いて、上記のスケール値及びシフト値に基づいて被検者を上記のように分類する。複数の被検者の血流速度の時系列データに対する事前の解析には、回帰分析(単回帰分析、重回帰分析)、機械学習等の公知の解析手法が用いられる。機械学習による解析手法として、線形サポートベクタマシン、非線形サポートベクタマシン、決定木法、ランダムフォレスト法、k近傍法などの分類モデルの学習などがある。この場合、分類部360は、回帰分析により得られた回帰直線又は回帰曲線を用いて、上記のスケール値及びシフト値に基づいて被検者を上記のように分類することができる。或いは、分類部360は、機械学習により得られた分類モデル(学習済みモデル)を用いて、上記のスケール値及びシフト値に基づいて被検者を上記のように分類することができる。この実施形態では、分類部360は、非線形サポートベクタマシンとして機能する分類モデルを用いて、上記のスケール値及びシフト値に基づいて被検者を上記のように分類する。
(学習部370)
学習部370は、分類部360により被検者の分類に用いられる分類モデルを生成する。学習部370は、被検者の血流速度の時系列データから得られたスケール値及びシフト値の組み合わせを訓練データとし、訓練データの分類結果を教師データとする公知の教師あり機械学習を実行することにより分類モデルを生成する。分類結果は、事前に医師等により上記の複数のグループのいずれに分類されるかが判断されたものである。
上記のデータ処理部300の機能は、1以上のプロセッサにより実現される。いくつかの実施形態では、データ処理部300の機能は、データ処理部300の各部の機能を実行する複数のプロセッサにより実現される。
眼科装置1又は血流情報解析部330は、実施形態に係る「血流解析装置」の一例である。ドップラーシフトΔfは、実施形態に係る「ドップラー信号」の一例である。図1において対物レンズ22からOCTユニット100までの光学系は、実施形態に係る「光学系」の一例である。
[動作]
実施形態に係る眼科装置1の動作について説明する。
眼科装置1の動作の例を図13~図15に示す。図13は、眼科装置1の動作例のフロー図を表す。図14は、図13のステップS1の処理例のフロー図を表す。図15は、図13のステップS5の処理例のフロー図を表す。記憶部212には、図13~図15に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。主制御部211は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図13~図15に示す処理を実行する。なお、アライメント、フォーカス調整、干渉感度調整、z位置調整など、一般的な準備処理は既に完了しているものとする。
(S1:血流情報を生成)
まず、制御部210(主制御部211)は、被検眼Eの1本の網膜動脈又は網膜静脈の血流速度を含む血流情報を血流情報生成部320に生成させる。続いて、制御部210は、血流情報解析部330を制御して、血流情報生成部320により生成された血流速度の時系列データを生成させる。
具体的には、制御部210は、OCTユニット100等の光学系を制御してOCT計測を実行させ、取得された計測結果を用いて血流情報を血流情報生成部320に生成させる。血流情報解析部330は、血流情報生成部320により生成された血流情報を時系列に配列することにより血流情報の時系列データ(血流速度の時系列データ)を生成する。ステップS1の詳細は後述する。
(S2:心周期を特定)
次に、制御部210は、ステップS1において生成された時系列データから上記のように心周期を心周期特定部341に特定させる。
(S3:補間)
続いて、制御部210は、ステップS2において特定された心周期における血流速度の時系列データを上記のように補間部342に補間させる。
(S4:正規化)
続いて、制御部210は、ステップS3において補間された血流速度の時系列データを上記のように正規化部343に正規化させる。
(S5:解析)
次に、制御部210は、ステップS4において正規化された血流速度の時系列データに対する時間周波数解析を解析部350に実行させる。ステップS5の詳細は後述する。
(S6:分類)
次に、制御部210は、ステップS5において実行された時間周波数解析により得られた特徴量に基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに分類する。ここで、特徴量は、ウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値である。
以上で、眼科装置1の動作は終了である(エンド)。
図13のステップS1の処理は、図14に示すように行われる。
(S11:計測位置を指定)
まず、ユーザー又は制御部210は、予備計測のスキャン範囲を設定する。スキャン範囲の設定においては、例えば、リアルタイムで取得される眼底Efの赤外観察像、或いは、過去に取得された眼底Efのデータ(眼底像、OCT画像、SLO画像、位相画像等)が参照される。
制御部210は、OCTユニット100等を制御することにより、設定されたスキャン範囲(複数の断面)に対して予備計測を実行させる。一例として、設定されるスキャン範囲は3次元領域であり、この3次元領域のラスタースキャンが繰り返し実行される。位相画像形成部310は、予備計測により取得されたデータに基づいて、複数の断面のそれぞれについて位相画像を形成する。
(S12:計測位置近傍の断面を設定)
次に、制御部210は、眼底Efの正面画像を表示させる。正面画像は、例えば、リアルタイムで取得される赤外観察像、又は、過去に取得された画像である。ユーザーは、表示された情報を参照し、血流計測の対象となる断面(注目断面C2)を設定する。例えば、ユーザーは、眼底Efの正面画像とともに表示された設定支援情報を参照することにより、この正面画像内の所望の動脈領域(注目血管Db)を指定する。
本例では注目断面C2の設定を手動で行っているが、これに限定されない。例えば、眼底Efの赤外観察像と計測部位情報とに基づいて、注目血管Dbや注目断面C2を自動で設定することができる。注目血管Dbの設定は、例えば、動脈領域のいずれか(例えば最も太いもの)を選択することにより行われる。また、注目断面C2は、例えば、注目血管Dbの向きが所定の許容範囲内である位置に、注目血管Dbの走行方向に対して直交するように設定される。
更に、ユーザー又は制御部210(又はデータ処理部300)は、第1走査の対象となる断面C11及びC12の設定を行う。
(S13:OCT計測)
続いて、制御部210は、ステップS12において設定された断面C11及びC12のOCTスキャンを実行する(第1走査)。更に、制御部210は、ステップS12において設定された注目断面C2の反復的なOCTスキャンを実行する(第2走査)。
(S14:画像を形成)
制御部210は、ステップS13における第1走査により取得されたデータに基づいて、断面C11及びC12に対応する断層像G11及びG12を断層像形成部221に形成させる。また、制御部210は、ステップS13における第2走査により取得されたデータに基づいて、注目断面C2の位相画像を位相画像形成部310に形成させる。また、断層像形成部221は、当該データに基づいて注目断面C2の断層像を形成する。
(S15:血管領域を特定)
制御部210は、ステップS14において形成された断層像における注目血管Dbを特定させる。このとき、制御部210は、データ処理部300によるセグメンテーション処理により特定された所定の層領域(例えば、内境界膜からブルッフ膜までの間の層領域)における注目血管Dbに相当する画像領域を血管領域として特定する。
(S16:血管の傾きを算出)
続いて、制御部210は、上記のように注目断面C2における注目血管Dbの傾きUを傾き算出部322に算出させる。
(S17:血流速度を算出)
続いて、制御部210は、ステップS13における第1走査に基づき算出された傾きUと、ステップS13における第2走査により取得された位相画像とに基づいて、注目断面C2における血流速度を血流速度算出部323に算出させる。
(S18:血管径を算出)
次に、制御部210は、注目断面C2における注目血管Dbの径を血管径算出部324に算出させる。
(S19:血流量を算出)
続いて、制御部210は、ステップS17において算出された血流速度と、ステップS18において算出された血管径とに基づいて、注目血管Db内を流れる血液の流量を血流量算出部325に算出させる。
制御部210は、以上のように算出された血流速度、血管径、及び血流量の少なくとも1つを含む血流情報を血流情報生成部320に生成させることが可能である。この実施形態では、制御部210は、少なくとも血流速度を含む血流情報を血流情報生成部320に生成させる。更に、制御部210は、血流情報解析部330を制御することにより、血流情報生成部320により生成された少なくとも1心周期より長い期間にわたる血流速度の時系列データを含む血流情報を生成させる。
以上で、図13のステップS1の処理は終了である(エンド)。
図13のステップS5の処理は、図15に示すように行われる。
(S21:ウェーブレット変換)
図13のステップS5では、制御部210は、ステップS4において正規化された血流速度の時系列データに対するウェーブレット変換をウェーブレット変換部351に実行させる。
ウェーブレット変換部351は、上記のように、血流速度の時系列データを被解析信号x(t)として、式(6)に従ってウェーブレット変換を行い、スケール値とシフト値の関数である変換データWΨ[x(t)]を求める。
(S22:最大となる位置を探索)
続いて、制御部210は、ステップS21において求められた変換データWΨ[x(t)]の特徴位置を特徴位置探索部352に探索させる。
特徴位置探索部352は、変換データWΨ[x(t)]が最大を示す位置を特徴位置(例えば、図12の特徴位置CP)として探索する。
(S23:スケール値とシフト値とを特定)
次に、制御部210は、ステップS22において特定された特徴位置におけるスケール値及びシフト値(例えば、図12のスケール値a0及びシフト値b0)を特徴量として特徴量特定部353に特定させる。
以上で、図13のステップS5の処理は終了である(エンド)。
ここで、医師によりあらかじめ健常者グループに分類された36名の被検者、及び医師によりあらかじめ疾病者グループに分類された8名の被検者について、血流速度の時系列データを第1実施形態に適用した例について説明する。なお、疾病者グループに分類された被検者は、包括的高度慢性下肢虚血(Chronic limb-threatening ischemia:CLTI)、腹部大動脈瘤(Abdominal Aortic Aneurysm:AAA)、急性大動脈解離(Acute Aortic Dissection)、急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome:ACS)のいずれかの疾病を伴うと診断された被検者である。
図16に、健常者グループに分類された被検者の血流速度の時系列データと、疾病者グループに分類された被検者の血流速度の時系列データの一例を示す。図16において、各時系列データは、補間部342により1拍動期間に27個のサンプリング数となるように補間され、且つ、正規化部343による正規化処理と同様に正規化されている。
図16に示すように、健常者グループと疾病者グループとの間で血流速度の変化の差違を明確に識別することは非常に困難である。
図17に、図16に示す血流速度の時系列データから算出されたウェーブレット変換データの特徴位置における特徴量の分布の一例を示す。図17において、横軸はシフト値を表し、縦軸はスケール値を表す。
図17に示すように、血流速度の時系列データに対してウェーブレット変換を行うことにより算出された特徴量は、範囲GR0、GR1のいずれかに含まれる。範囲GR0は、健常者グループに分類された被検者が分布する範囲である。範囲GR1は、疾病者グループに分類された被検者が分布する範囲である。例えば、分類部360は、解析対象の被検者の血流速度の時系列データに対してウェーブレット変換を行うことにより算出された特徴量が、範囲GR0、GR1に含まれるか否かを判別することにより、被検者を分類する。それにより、解析対象の被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに高精度に分類することができる。
分類部360は、上記のように、回帰分析により得られた回帰直線又は回帰曲線、或いは、機械学習により得られた分類モデル(学習済みモデル)を用いて、解析対象の被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに高精度に分類することができる。
範囲GR0、GR1が重複する範囲GR2は、健常者と疾病者との中間領域の被検者が分布する範囲である。従って、解析対象の被検者が範囲GR2に含まれるか否かを判別することにより、解析対象の被検者に対する精密検査の検査結果を特に注意深く精査する必要があることを、被検者、検者、又は医師等に促すことができる。
以上説明したように、第1実施形態によれば、被検眼の眼底における1拍動期間の血流速度の時系列データに対してウェーブレット変換を行うことにより、血流速度の時系列データの特徴量を取得することができる。取得された特徴量に基づいて被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類することで、被検者の血管状態を高精度に評価することができるようになる。
<第2実施形態>
第1実施形態では、時間周波数解析としてウェーブレット変換を行う場合について説明したが、実施形態に係る構成はこれに限定されるものではない。第2実施形態では、時間周波数解析として多重解像度解析を行う。
以下、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態に係る眼科装置の構成が第1実施形態に係る眼科装置1の構成と異なる点は、解析部350に代えて解析部350aが設けられている点である。
(解析部350a)
図18に、解析部350aの機能ブロック図の一例を示す。
解析部350aは、1拍動期間における2k(kは2以上の自然数)次元の血流速度の時系列データを第1深度における近似項と微小項とに分解すると共に、第m(mは2以上の自然数)深度における近似項を第(m+1)深度における近似項と微小項とに分解することを第n(nは自然数、n<k)深度まで繰り返し分解する多重解像度解析を行い、第n深度における近似項の2k-n個の項の二乗和と第n深度における微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和とを特徴量として求める。このような解析部350aは、多重解像度解析部351aと、特徴量算出部352aとを含む。
(多重解像度解析部351a)
多重解像度解析部351aは、1拍動期間における2k次元(2k個のサンプリング点)の血流速度の時系列データに対して多重解像度解析を行う。
ここで、血流速度の時系列データをf(0)(x)とし、スケーリング関数である近似項(approximation)をf(j)(x)(jは深度(次数))とし、ウェーブレット関数である微小項(detail coefficient)をg(j)(x)とする。多重解像度解析部351aは、次の式(7)に従ってf(0)(x)を分解する(式(7)において、n=1の場合)。
すなわち、多重解像度解析部351aは、所定の深度(例えば、深度n=5)までf(0)(x)を式(8)に示すように分解する。
式(8)において、スケーリング関数(ファーザーウェーブレット)及びウェーブレット関数(マザーウェーブレット)を下記のように定義すると、f(j)(x)は式(9)、式(10)のように表され、g(j)(x)は式(11)、式(12)のように表される。
図19A及び図19Bに、多重解像度解析部351aの動作説明図を示す。図19Aは、深度が「5」になるまで血流速度の時系列データf(0)(x)(original)を近似項と微小項とに繰り返し分解する様子を模式的に表す。なお、図19Aでは、各深度において、近似項と微小項とにより再現される波形(時系列データ)が模式的に図示されている。図19Bは、各深度における近似項数と微小項数とを模式的に表す。
図19Aに示すように、多重解像度解析部351aは、血流速度の時系列データf(0)(x)を近似項f(1)(x)と微小項g(1)(x)とに分解し(深度=1、第1深度)、f(1)(x)を近似項f(2)(x)と微小項g(2)(x)とに分解し(深度=2、第2深度)、・・・、f(4)(x)を近似項f(5)(x)と微小項g(5)(x)とに分解する(深度=5、第5深度)。これ以降も同様に分解することが可能である。
すなわち、多重解像度解析部351aは、1拍動期間における血流速度の時系列データを第1深度における近似項と微小項とに分解すると共に、第m深度の近似項を第(m+1)深度の近似項と微小項とに分解することを第n深度(所定の深度)まで繰り返す多重解像度解析を行う。
図19Bに示すように、第1深度では、2k(例えば、k=7)個の項数を有する2k次元の元の時系列データ(original)が2k-1次元の近似項と2k次元の微小項とに分解される。第2深度では、第1深度における2k-1次元の近似項が2k-2次元の近似項と2k-1次元の微小項とに分解される。第n深度では、第(n-1)深度における2k-(n-1)次元の近似項が2k-n次元の近似項と2k-(n-1)次元の微小項とに分解される。すなわち、深度が深くなるに従って次元数(項数)が減少する。このような近似項の項数と微小項の項数との関係は、式(7)、式(8)から導き出される。
なお、図19Aに示す各深度における再現波形に基づいて、近似項と微小項との分解の繰り返し回数(次数、深度)を決定することが可能である。或いは、各深度における再現波形と直前の深度における再現波形との差分に基づいて、近似項と微小項との分解の繰り返し回数を決定することが可能である。
(特徴量算出部352a)
特徴量算出部352aは、多重解像度解析部351aにより所定の深度まで分解された近似項と微小項とに基づいて特徴量を算出する。
特徴量算出部352aは、式(13)、式(14)に示すように、多重解像度解析部351aにより得られた第n深度における近似項の2k-n個(次元)の項の二乗和Anと第n深度における微小項の2k-(n-1)個(次元)の項の二乗和Dnとを特徴量として算出する。式(13)において、aq
nは、第n深度における近似項のq番目の項を表す。式(14)において、dq
nは、第n深度における微小項のq番目の項を表す。例えば、n=5、k=7である。
第2実施形態に係る眼科装置の動作は、第1実施形態に係る眼科装置1の動作とほぼ同様である。図13のステップS5の処理は、図20に示すように行われる。
図20に、図13のステップS5の処理例のフロー図を表す。記憶部212には、図13、図14、及び図20に示す処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されている。主制御部211は、このコンピュータプログラムに従って動作することにより、図13、図14、及び図20に示す処理を実行する。
(S31:多重解像度解析)
図13のステップS5では、制御部210は、ステップS4において正規化された血流速度の時系列データに対する多重解像度解析を多重解像度解析部351aに実行させる。
多重解像度解析部351aは、上記のように、血流速度の時系列データに対して、式(7)~式(12)に従って多重解像度解析を行う。上記のように、例えば、n=5、k=7である。
(S32:近似項の二乗和と微小項の二乗和を算出)
続いて、制御部210は、ステップS31において求められた近似項及び微小項を用いて特徴量を特徴量算出部352aに算出させる。
特徴量算出部352aは、上記のように、ステップS31において得られた第5深度における近似項の27-5(=22)個の項の二乗和と第5深度における微小項の27-4(=23)個の項の二乗和とを特徴量として算出する。
以上で、図13のステップS5の処理は終了である(エンド)。
ここで、第1実施形態と同様に、あらかじめ健常者グループに分類された36名の被検者、及びあらかじめ疾病者グループに分類された8名の被検者(図16参照)について、血流速度の時系列データを第2実施形態に適用した例について説明する。
図21に、図16に示す血流速度の時系列データに対して多重解像度解析を行うことにより算出された特徴量(第5深度における近似項の22個の項と第5深度における微小項の23個の項の二乗和)の分布の一例を示す。図21において、横軸は第5深度における近似項の22個の項の二乗和を表し、縦軸は第5深度における微小項の23個の項の二乗和を表す。
図21に示すように、血流速度の時系列データに対して多重解像度解析を行うことにより算出された特徴量は、範囲GR10、GR11のいずれかに含まれる。範囲GR10は、健常者グループに分類された被検者が分布する範囲である。範囲GR11は、疾病者グループに分類された被検者が分布する範囲である。例えば、分類部360は、解析対象の被検者の血流速度の時系列データに対して多重解像度解析を行うことにより算出された特徴量が、範囲GR10、GR11に含まれるか否かを判別することにより、被検者を分類する。それにより、解析対象の被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに高精度に分類することができる。
分類部360は、上記のように、回帰分析により得られた回帰直線又は回帰曲線、或いは、機械学習により得られた分類モデル(学習済みモデル)を用いて、解析対象の被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに高精度に分類することができる。
第2実施形態では、学習部370は、被検者の血流速度の時系列データから得られた上記の第5深度における近似項の2k-n個の項の二乗和及び第5深度における微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和の組み合わせを訓練データとし、訓練データの分類結果を教師データとする公知の教師あり機械学習を実行することにより分類部360の機能を実現する分類モデルを生成する。ここで、分類結果は、事前に医師等により上記の複数のグループのいずれに分類されるかが判断されたものである。
範囲GR10、GR11が重複する範囲GR12は、健常者と疾病者との中間領域の被検者が分布する範囲である。従って、解析対象の被検者が範囲GR12に含まれるか否かを判別することにより、解析対象の被検者に対する精密検査の検査結果を特に注意深く精査する必要があることを、被検者、検者、又は医師等に促すことができる。
以上説明したように、第2実施形態によれば、被検眼の眼底における1拍動期間の血流速度の時系列データに対して多重解像度解析を行うことにより、血流速度の時系列データの特徴量を取得することができる。取得された特徴量に基づいて被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類することで、被検者の血管状態を高精度に評価することができるようになる。
<第3実施形態>
上記の実施形態では、時間周波数解析としてウェーブレット変換又は多重解像度解析を行う場合について説明したが、実施形態に係る構成はこれに限定されるものではない。第3実施形態に係る眼科装置は、時間周波数解析としてウェーブレット変換と多重解像度解析とを組み合わせて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに分類するように構成される。
以下、第3実施形態について、第1実施形態又は第2実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態に係る眼科装置の構成が第1実施形態に係る眼科装置1又は第2実施形態に係る眼科装置と異なる点は、解析部350又は解析部350aに代えて解析部350bが設けられている点である。
(解析部350b)
図22に、解析部350bの機能ブロック図の一例を示す。図22において、図8又は図18と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
解析部350bは、第1解析部361bと、第2解析部362bとを含む。第1解析部361bは、第1実施形態と同様に、血流速度の時系列データに対してウェーブレット変換を行うことにより、血流速度の時系列データの特徴量を取得する。第2解析部362bは、第2実施形態と同様に、血流速度の時系列データに対して多重解像度解析を行うことにより、血流速度の時系列データの特徴量を取得する。すなわち、第1解析部361bは、ウェーブレット変換部351と、特徴位置探索部352と、特徴量特定部353とを含む。第2解析部362bは、多重解像度解析部351aと、特徴量算出部352aとを含む。
具体的には、第1解析部361bは、被検者の1拍動期間における血流速度の時系列データに対してウェーブレット変換を行い、取得されたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値とを特徴量として求める。第2解析部362bは、第1解析部361bの解析対象である血流速度の時系列データに対して多重解像度解析を行い、第n深度における近似項の2k-n個の項の二乗和と第n深度における微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和とを特徴量として求める。
第3実施形態では、分類部360は、第1解析部361bにより得られた変換データWΨ[x(t)]の特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値と、第2解析部362bにより得られた第n深度における近似項の2k-n個の項の二乗和と第n深度における微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和とに基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。
いくつかの実施形態では、分類部360は、第1解析部361bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR0に含まれ、且つ、第2解析部362bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR10に含まれるとき、当該被検者を健常者グループに分類する。また、分類部360は、第1解析部361bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR1に含まれ、且つ、第2解析部362bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR11に含まれるとき、当該被検者を疾病者グループに分類する。
更に、分類部360は、第1解析部361bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR1に含まれ、且つ、第2解析部362bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR10に含まれるとき、又は第1解析部361bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR0に含まれ、且つ、第2解析部362bにより得られた特徴量に基づいて被検者が範囲GR11に含まれるとき、当該被検者を中間領域のグループに分類する。
学習部370は、被検者の血流速度の時系列データから得られたスケール値及びシフト値と第n深度における近似項の2k-n個の項の二乗和と第n深度における微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和との組み合わせを訓練データとし、訓練データの分類結果を教師データとする公知の教師あり機械学習を実行することにより分類部360の機能を実現する分類モデルを生成することが可能である。ここで、分類結果は、事前に医師等により上記の複数のグループのいずれに分類されるかが判断されたものである。
以上説明したように、第3実施形態によれば、被検眼の眼底における1拍動期間の血流速度の時系列データに対してウェーブレット変換及び多重解像度解析を行うことにより、血流速度の時系列データの複数の特徴量を取得する。取得された複数の特徴量を組み合わせて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類することで、被検者の血管状態を高精度に評価することができるようになる。
<第4実施形態>
第1実施形態~第3実施形態では、血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行う場合について説明したが、実施形態に係る構成はこれに限定されるものではない。第4実施形態に係る眼科装置は、血流速度の時系列データを回帰分析することにより、被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに分類するように構成される。
以下、第4実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第4実施形態に係る眼科装置の構成が第1実施形態に係る眼科装置1と異なる点は、血流情報解析部330に代えて血流情報解析部330cが設けられている点である。
(血流情報解析部330c)
図23に、血流情報解析部330cの機能ブロック図の一例を示す。図23において、図7と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
血流情報解析部330cは、抽出部340と、標準化部380cと、分類部360cと、学習部370cとを含む。抽出部340は、心周期特定部341と、補間部342と、正規化部343とを含む。標準化部380cは、抽出部340により抽出された血流速度の時系列データを標準化する。分類部360cは、標準化部380cにより標準化された血流速度の時系列データに基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。学習部370cは、分類部360cの機能を実現する分類モデルを生成する。
(標準化部380c)
標準化部380cは、血流速度の時系列データの分布を標準正規分布に変換する。時系列データを構成する各データをxとし、時系列データの平均値をμとし、時系列データの標準偏差をσとすると、標準化部380cは、血流速度の時系列データの分布を、式(15)に従って変換される標準化変数zの標準正規分布に変換する。
(分類部360c)
分類部360cは、標準化部380cにより標準正規分布に変換された血流速度の時系列データに基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。
いくつかの実施形態では、複数のグループは、健常者グループ、疾病者グループ、及び健常者と疾病者との中間領域のグループを含む。この場合、分類部360cは、上記のスケール値及びシフト値に基づいて、被検者を健常者グループ、疾病者グループ、及び中間領域のグループのいずれかに分類する。
いくつかの実施形態では、分類部360cは、標準化部380cにより標準正規分布に変換された血流速度の時系列データに基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループのいずれかに分類する。
いくつかの実施形態では、分類部360cは、標準化部380cにより標準正規分布に変換された血流速度の時系列データに基づいて、被検者を中間領域のグループ及びそれ以外のグループに分類する。
いくつかの実施形態では、分類部360cは、複数の被検者の血流速度の時系列データを事前に解析することにより得られた分類モデルを用いて、被検者を上記のように分類する。複数の被検者の血流速度の時系列データに対する事前の解析には、線形サポートベクタマシン、非線形サポートベクタマシン、決定木法、ランダムフォレスト法、k近傍法等の機械学習等の公知の解析手法が用いられる。この場合、分類部360cは、機械学習により得られた分類モデル(学習済みモデル)を用いて、被検者を上記のように分類することができる。
(学習部370c)
学習部370cは、分類部360cにより被検者の分類に用いられる分類モデルを生成する。学習部370cは、被検者の血流速度の時系列データを訓練データとし、訓練データの分類結果を教師データとする公知の教師あり機械学習を実行することにより分類モデルを生成する。分類結果は、事前に医師等により上記の複数のグループのいずれに分類されるかが判断されたものである。
上記の血流情報解析部330cの機能は、1以上のプロセッサにより実現される。いくつかの実施形態では、血流情報解析部330cの機能は、各部の機能を実行する複数のプロセッサにより実現される。
以上説明したように、第4実施形態によれば、被検眼の眼底における1拍動期間の血流速度の時系列データに対して、機械学習により被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。特に、互いに異なる説明変数(入力)間で絶対値の分布が異なることに起因して分類部360cに対する機械学習の効果が低下する場合であっても、説明変数間の絶対値の分布を揃えることができるため、分類部360cに対する機械学習の精度を向上させることができる。
<変形例>
上記の実施形態において、式(4)に示すマザーウェーブレットを例として説明したが、実施形態に係る構成はこれに限定されるものではない。例えば、上記の実施形態において、式(16)~式(22)のいずれかのマザーウェーブレットを用いてもよい。
式(16)は、式(4)と異なるメキシカンハットマザーウェーブレット(mexh)の一例を表す。
式(17)は、モルレー(Morlet)マザーウェーブレット(morl)の一例を表す。
式(18)は、複素モルレー(Complex Morlet)マザーウェーブレット(cmorB-C)の一例を表す。式(18)において、Bは帯域幅を表し、Cは、中心周波数を表す。
式(19)は、ガウス微分(Gaussian Derivative)マザーウェーブレット(gausP)の一例を表す。式(19)において、Cは定数を表す。
式(20)は、複素ガウス微分マザーウェーブレット(cgausP)の一例を表す。式(20)において、Cは定数を表す。
式(21)は、シャノン(Shannon)ウェーブレット(shanB-C)の一例を表す。式(21)において、Bは帯域幅を表し、Cは、中心周波数を表す。
式(22)は、周波数Bスプライン(Frequency B-Spline)ウェーブレット(fbsp)の一例を表す。式(22)において、Mはスプラインの次数を表し、Bは帯域幅を表し、Cは、中心周波数を表す。
第3実施形態に眼科装置は、互いに異なる2以上のマザーウェーブレットが適用されたウェーブレット変換により得られた2以上の特徴量に基づいて、被検者を上記の複数のグループに分類するように構成されていてもよい。或いは、互いに異なる2以上のマザーウェーブレットが適用されたウェーブレット変換により得られた2以上の特徴量と、多重解像度解析により得られた特徴量とに基づいて、被検者を上記の複数のグループに分類するように構成されていてもよい。
[作用]
実施形態に係る血流解析装置、眼科装置、血流解析方法、及びプログラムについて説明する。
いくつかの実施形態に係る血流解析装置(血流情報解析部330、眼科装置1)は、解析部(350、350a)と、分類部(360)とを含む。解析部は、被検者の眼底(Ef)における血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行う。分類部は、解析部により得られた解析データの特徴量に基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する。
このような態様によれば、血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行うことにより特徴量を求め、求められた特徴量に基づいて被検者を分類するようにしたので、被検者の血管状態を正しく高精度に評価することが可能になる。
いくつかの実施形態では、解析部は、1拍動期間における時系列データに対してウェーブレット変換を行い、分類部は、解析部により得られたウェーブレット変換データの特徴位置(CP)におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値とに基づいて、被検者を複数のグループのいずれかに分類する。
このような態様によれば、ウェーブレット変換により得られたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値とを特徴量として求めるようにしたので、血管状態の高精度な評価に有用な特徴量を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、解析部は、1拍動期間における時系列データを第1深度における近似項と微小項とに分解すると共に、第m(mは2以上の自然数)深度における近似項を第(m+1)深度における近似項と微小項とに分解することを第n(nは自然数)深度まで繰り返す多重解像度解析を行い、分類部は、解析部により得られた第n深度における近似項の二乗和と第n深度における微小項の二乗和とに基づいて、被検者を複数のグループのいずれかに分類する。
このような態様によれば、多重解像度解析により得られた第n深度における近似項の二乗和(例えば、近似項の2k-n個の項の二乗和、n<k、kは2以上の自然数)と第n深度における微小項の二乗和(例えば、微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和)とを特徴量として求めるようにしたので、血管状態の高精度な評価に有用な特徴量を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、解析部は、1拍動期間における時系列データに対してウェーブレット変換を行う第1解析部(361b)と、1拍動期間における時系列データを第1深度における近似項と微小項とに分解すると共に、第m(mは2以上の自然数)深度における近似項を第(m+1)深度における近似項と微小項とに分解することを第n(nは自然数)深度まで繰り返す多重解像度解析を行う第2解析部(362b)と、を含む。分類部は、第1解析部により得られたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値と、第2解析部により得られた第n深度における近似項の二乗和と第n深度における微小項の二乗和とに基づいて、被検者を複数のグループのいずれかに分類する。
このような態様によれば、ウェーブレット変換により得られたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値と、多重解像度解析により得られた第n深度における近似項の二乗和(例えば、近似項の2k-n個の項の二乗和、n<k、kは2以上の自然数)と第n深度における微小項の二乗和(例えば、微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和)とを特徴量として求めるようにしたので、血管状態の高精度な評価に有用な特徴量を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、特徴位置は、ウェーブレット変換データが最大となる位置である。
このような態様によれば、特徴位置の探索が容易になり、より簡便に特徴量を求めることが可能になる。
いくつかの実施形態では、血流速度は、眼底に対してドップラーOCTを実行することにより得られる血流によるドップラー信号に基づいて取得される。
このような態様によれば、OCTにより血流速度の計測が可能な既存の眼科装置を用いて被検眼の血管状態を高精度に評価することが可能になる。
いくつかの実施形態は、眼底における計測部位に対して異なるタイミングでOCTを実行する光学系(図1の対物レンズ22からOCTユニット100までの光学系)と、光学系により得られた複数の信号に基づいて眼底における血流速度を求める血流情報生成部(320)と、上記の血流解析装置と、を含む、眼科装置である。
このような態様によれば、被検者の血管状態を正しく高精度に評価することが可能な眼科装置を提供することが可能になる。
いくつかの実施形態は、被検者の眼底(Ef)における血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行う解析ステップと、解析ステップにおいて得られた解析データの特徴量に基づいて、被検者を健常者グループ及び疾病者グループを含む複数のグループのいずれかに分類する分類ステップと、を含む、血流解析方法である。
このような態様によれば、血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行うことにより特徴量を求め、求められた特徴量に基づいて被検者を分類するようにしたので、被検者の血管状態を正しく高精度に評価することが可能になる。
いくつかの実施形態では、解析ステップは、1拍動期間における時系列データに対してウェーブレット変換を行い、分類ステップは、解析ステップにおいて得られたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値とに基づいて、被検者を複数のグループのいずれかに分類する。
このような態様によれば、ウェーブレット変換により得られたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値とを特徴量として求めるようにしたので、血管状態の高精度な評価に有用な特徴量を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、解析ステップは、1拍動期間における時系列データを第1深度における近似項と微小項とに分解すると共に、第m(mは2以上の自然数)深度における近似項を第(m+1)深度における近似項と微小項とに分解することを第n(nは自然数)深度まで繰り返す多重解像度解析を行い、分類ステップは、解析ステップにおいて得られた第n深度における近似項の二乗和と第n深度における微小項の二乗和とに基づいて、被検者を複数のグループのいずれかに分類する。
このような態様によれば、多重解像度解析により得られた第n深度における近似項の二乗和(例えば、近似項の2k-n個の項の二乗和、n<k、kは2以上の自然数)と第n深度における微小項の二乗和(例えば、微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和)とを特徴量として求めるようにしたので、血管状態の高精度な評価に有用な特徴量を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、解析ステップは、1拍動期間における時系列データに対してウェーブレット変換を行う第1解析ステップと、1拍動期間における時系列データを第1深度における近似項と微小項とに分解すると共に、第m(mは2以上の自然数)深度における近似項を第(m+1)深度における近似項と微小項とに分解することを第n(nは自然数)深度まで繰り返す多重解像度解析を行う第2解析ステップと、を含む。分類ステップは、第1解析ステップにおいて得られたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値と、第2解析ステップにおいて得られた第n深度における近似項の二乗和と第n深度における微小項の二乗和とに基づいて、被検者を複数のグループのいずれかに分類する。
このような態様によれば、ウェーブレット変換により得られたウェーブレット変換データの特徴位置におけるマザーウェーブレットのスケール値とシフト値と、多重解像度解析により得られた第n深度における近似項の二乗和(例えば、近似項の2k-n個の項の二乗和、n<k、kは2以上の自然数)と第n深度における微小項の二乗和(例えば、微小項の2k-(n-1)個の項の二乗和)とを特徴量として求めるようにしたので、血管状態の高精度な評価に有用な特徴量を簡便に取得することが可能になる。
いくつかの実施形態では、特徴位置は、ウェーブレット変換データが最大となる位置である。
このような態様によれば、特徴位置の探索が容易になり、より簡便に特徴量を求めることが可能になる。
いくつかの実施形態では、血流速度は、眼底に対してドップラーOCTを実行することにより得られる血流によるドップラー信号に基づいて取得される。
このような態様によれば、OCTにより血流速度の計測が可能な既存の眼科装置を用いて被検眼の血管状態を高精度に評価することが可能になる。
いくつかの実施形態は、コンピュータに、上記のいずれかに記載の血流解析方法の各ステップを実行させるプログラムである。
このような態様によれば、血流速度の時系列データに対して時間周波数解析を行うことにより特徴量を求め、求められた特徴量に基づいて被検者を分類するようにしたので、被検者の血管状態を正しく高精度に評価することが可能なプログラムを提供することができるようになる。
いずれかの実施形態に係るプログラムを記録したコンピュータ可読な非一時的記録媒体を作成することが可能である。この非一時的記録媒体は任意の形態であってよく、その例として、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどがある。
以上に説明した実施形態は本発明の一例に過ぎない。本発明を実施しようとする者は、本発明の要旨の範囲内における変形(省略、置換、付加等)を任意に施すことが可能である。