JP7626075B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の制御装置に関する。
電動機と駆動輪との間の動力伝達経路の一部に自動変速機が配置された車両が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2014-073705号公報
自動変速機によるパワーオフアップシフト変速中においてイナーシャ相の進行が停滞すると、イナーシャ相が終了するまでに時間を要し、結果的に変速時間が長期化する。このため、パワーオフアップシフト変速において係合に向けて制御される係合装置の係合圧を増大させることにより、イナーシャ相の進行を促進することが考えられる。しかしながら係合装置の係合圧を増大させると、その係合圧が自動変速機の出力軸に伝達されて変速ショックが発生するおそれがある。
そこで本発明は、パワーオフアップシフト変速での変速時間の長期化と変速ショックの発生とを抑制する車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、電動機と、前記電動機と駆動輪との間の動力伝達経路に配置される共に複数の係合装置のうちの所定の係合装置の解放と係合とによってギヤ段を変更する自動変速機と、を備えた車両の制御装置であって、前記自動変速機によるパワーオフアップシフト変速中においてイナーシャ相の進行が停滞しているか否かを判定する判定部と、前記判定部で肯定判定がなされた場合、前記判定部で否定判定がなされた場合よりも、前記パワーオフアップシフト変速において係合に向けて制御される前記係合装置の係合圧を増大させ、且つ前記電動機のトルクを低下させる制御部と、を備えた車両の制御装置によって達成できる。
本発明によれば、パワーオフアップシフト変速での変速時間の長期化と変速ショックの発生とを抑制する車両の制御装置を提供できる。
図1は、車両の概略構成図である。 図2は、自動変速機で成立するギヤ段とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を示した図である。 図3は、ECUが実行する変速遅延抑制制御の一例を示したフローチャートである。
[車両の概略構成]
図1は、車両1の概略構成図である。車両1には、エンジン10から駆動輪13までの動力伝達経路に、K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び自動変速機19が順に設けられている。車両1は、走行動力源としてエンジン10及びモータ15を備えたハイブリッド車両である。エンジン10は、例えばV型6気筒ガソリンエンジンであるが気筒数はこれに限定されず、直列型のガソリンエンジンであってもよいしディーゼルエンジンであってもよい。モータ15は電動機の一例である。K0クラッチ14、モータ15、トルクコンバータ18、及び自動変速機19は、変速ユニット11内に設けられている。変速ユニット11と左右の駆動輪13とは、ディファレンシャル12を介して駆動連結されている。
K0クラッチ14は、同動力伝達経路上のエンジン10とモータ15との間に設けられている。K0クラッチ14は、油圧の供給に応じて、解放状態、スリップ状態、及び係合状態の何れかに切り替えられる。詳細には、K0クラッチ14が解放状態の場合に油圧供給により、スリップ状態又は係合状態となり、エンジン10とモータ15との動力伝達が接続される。また、K0クラッチ14は、油圧供給の停止に応じて解放状態となって、エンジン10とモータ15との動力伝達を遮断する。尚、スリップ状態とは、K0クラッチ14のエンジン10側の係合要素とモータ15側の係合要素とが所定の回転速度差を有して摺接している状態である。係合状態とは、K0クラッチ14の両係合要素が連結しエンジン10とモータ15とが同じ回転速度となっている状態である。解放状態とは、K0クラッチ14の双方の係合要素が離間した状態である。
モータ15は、インバータ17を介してバッテリ16に接続されている。モータ15は、バッテリ16からの給電に応じて車両の駆動力を発生するモータとして機能し、更にエンジン10や駆動輪13からの動力伝達に応じてバッテリ16に充電する電力を発電する発電機としても機能する。モータ15とバッテリ16との間で授受される電力は、インバータ17により調整されている。
インバータ17は、後述するECU100によって制御され、バッテリ16からの直流電圧を交流電圧に変換し、またはモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換する。モータ15がトルクを出力する力行運転の場合、インバータ17はバッテリ16の直流電圧を交流電圧に変換してモータ15に供給される電力を調整する。モータ15が発電する回生運転の場合、インバータ17はモータ15からの交流電圧を直流電圧に変換してバッテリ16に供給される電力を調整する。
トルクコンバータ18は、トルク増幅機能を有した流体継ぎ手である。自動変速機19は、ギヤ段の切替えにより変速比を多段階に切替える有段変速機である。自動変速機19は、動力伝達経路上のモータ15と駆動輪13の間に設けられている。トルクコンバータ18を介して、モータ15と自動変速機19の入力軸19aとが連結されている。自動変速機19の出力軸19bは、ディファレンシャル12に連結されている。トルクコンバータ18には、油圧の供給を受けて係合状態となってモータ15と自動変速機19とを直結するロックアップクラッチ20が設けられている。尚、トルクコンバータ18は必ずしも設けられている必要はない。
変速ユニット11には、更にオイルポンプ21と油圧制御機構22とが設けられている。オイルポンプ21で発生した油圧は、油圧制御機構22を介して、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、自動変速機19、及びロックアップクラッチ20にそれぞれ供給されている。油圧制御機構22には、K0クラッチ14、トルクコンバータ18、自動変速機19、及びロックアップクラッチ20のそれぞれの油圧回路と、それらの作動油圧を制御するための各種の油圧制御弁と、が設けられている。
ハイブリッド車両1には、同車両の制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)100が設けられている。ECU100は、車両の走行制御に係る各種演算処理を行う演算処理回路と、制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリと、を備える電子制御ユニットである。ECU100は、車両の制御装置の一例であり、後述する判定部及び制御部を機能的に実現する。
ECU100は、エンジン10及びモータ15の駆動を制御する。具体的にはECU100は、エンジン10のスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を制御することにより、エンジン10のトルクや回転速度を制御する。ECU100は、インバータ17を制御してモータ15とバッテリ16との間での電力の授受量を調整することで、モータ15の回転速度やトルクを制御する。またECU100は、油圧制御機構22の制御を通じて、K0クラッチ14やロックアップクラッチ20、自動変速機19の駆動制御を行う。
ECU100には、イグニッションスイッチ71、クランク角センサ72、モータ回転速度センサ73、74、及び75からの信号が入力される。クランク角センサ72は、エンジン10のクランクシャフトの回転速度を検出する。モータ回転速度センサ73は、モータ15の出力軸の回転速度を検出する。入力軸回転速度センサ74は、入力軸19aの回転速度を検出する。出力軸回転速度センサ75は、出力軸19bの回転速度を検出する。
ECU100は、モータモード及びハイブリッドモードの何れかの走行モードでハイブリッド車両を走行させる。モータモードでは、ECU100はK0クラッチ14を解放し、モータ15の動力により走行する。ハイブリッドモードでは、ECU100はK0クラッチ14を係合状態に切り替えて少なくともエンジン10の動力により走行する。尚、ハイブリッドモードでは、モータ15を回生運転させてエンジン10のみの動力で走行するモード、及びモータ15を力行運転させてエンジン10及びモータ15の双方を走行動力源として走行するモードを含む。走行モードの切り替えは、車速やアクセル開度から求められた車両の要求駆動力と、バッテリ16の充電状態などに基づいて行われる。
自動変速機19は、1組又は複数組の遊星歯車装置と複数の係合装置とを有し、その係合装置によって複数のギヤ段が択一的に成立する。自動変速機19は、係合装置の係合と解放との切替えにより変速が実行される、所謂クラッチツゥクラッチ変速を行う。係合装置は、エンジン10からの動力を受ける入力軸19aと駆動輪13に動力を伝達する出力軸19bとの間で回転とトルクとを伝達する油圧式の係合装置である。
係合装置は、油圧制御機構22内のソレノイドバルブ等の調圧によりトルク容量、即ち係合圧が変化して係合又は解放するクラッチCやブレーキBである。係合圧は係合装置の摩擦材の摩擦係数や摩擦板を押圧する油圧によって定まる。入力軸19aと出力軸19bとの間で差回転速度差を生じることなくトルクを伝達するためには、そのトルクに対して各係合装置にて受け持つ必要がある伝達トルク分が得られる係合圧が必要になる。
図2は、自動変速機19で成立するギヤ段とそれに用いられる係合装置の作動の組み合わせとの関係を示した図である。「○」は係合状態、「空欄」は解放状態を示す。自動変速機19におけるギヤ段としては、クラッチC(C1、C2、C3、C4)及びブレーキB(B1、B2)のそれぞれの係合解放制御により、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて前進8段の各ギヤ段が成立する。尚、共に係合装置であるクラッチCとブレーキBとを区別する必要が無い場合、特に区別せずにクラッチと総称する場合がある。また、ハイギヤ段を形成する係合装置は、ローギヤ段からハイギヤ段へのアップシフト時には係合に向けて制御され(以下、係合側クラッチと称する)、ハイギヤ段からローギヤ段へのダウンシフト時には解放に向けて制御される(以下、解放側クラッチと称する)。ローギヤ段を形成する係合装置は、アップシフト時は解放側クラッチに相当し、ダウンシフト時には係合側クラッチに相当する。
[変速遅延抑制制御]
図3は、ECU100が実行する変速遅延抑制制御の一例を示したフローチャートである。本制御は、イグニッションがオンの状態で所定の周期ごとに繰り返し実行される。ECU100は、自動変速機19によるパワーオフアップシフト変速中であるか否かを判定する(ステップS1)。パワーオフアップシフト変速とは、アクセル操作量が低下することに伴ってアップシフトする変速である。ステップS1でNoの場合には本制御を終了する。
ステップS1でYesの場合には、ECU100はイナーシャ相中であるか否かを判定する(ステップS2)。イナーシャ相とは、入力軸19aが変速後の変速段での同期回転数に向けて変化する期間である。具体的には、現在の入力軸19aの回転速度と変速後の入力軸19aの回転速度との差回転速度が所定範囲外であれば、イナーシャ相中と判定される。この差回転速度が所定範囲内であれば、イナーシャ相が終了したものと判定される。尚、変速後の入力軸19aの回転速度は、変速後の出力軸19bの回転速度と同期したものとして算出され、具体的には、出力軸回転速度センサ75により検出された出力軸19bの回転速度に変速後の変速段の変速比(ギヤ比)を乗じることにより算出される。
ステップS2でYesの場合、イナーシャ相の進行が停滞しているか否かを判定する(ステップS3)。具体的には、入力軸回転速度センサ74により検出される入力軸19aの回転速度の変化率が所定範囲内の場合に、入力軸19aの回転速度が低下せずにイナーシャ相の進行が停滞していると判定される。入力軸19aの回転速度の変化率が所定範囲外の場合に、入力軸19aの回転速度が低下してイナーシャ相は進行しているものと判定される。尚、このような入力軸19aの回転速度の低下の停滞は、K0クラッチ14が係合したハイブリッドモードでの走行中に生じやすい傾向がある。ハイブリットモードで走行中にエンジン10によるフリクショントルクのみでは、入力軸19aの回転速度が低下しにくいからである。ステップS3は、判定部が実行する処理の一例である。
ステップS3でYesの場合には、ECU100はモータ15のトルクを低下させるモータトルクダウン処理の実行中であるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4でNoの場合には、ECU100はイナーシャ相の停滞時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS5)。ステップS5でNoの場合には本制御は終了する。
ステップS5でYesの場合には、ECU100は係合側クラッチの係合圧を増大させ(ステップS6)、モータトルクダウン処理を実行する(ステップS7)。係合側クラッチの係合圧の増圧は、係合側クラッチに供給される油圧指令値を通常値よりも所定値だけ増大することにより実現できる。モータトルクダウン処理は、モータ15への要求トルクを所定量だけ低下させることにより実現できる。係合側クラッチの係合圧の増大により、イナーシャ相の進行が促進され変速時間の長期化を抑制することができる。また、モータ15のトルクを低下させることにより、入力軸19aの回転速度の低下を促進しつつ、出力軸19bに伝達されるトルクも低下して変速ショックの発生を抑制することができる。ステップS6及びS7は、制御部が実行する処理の一例である。
尚、係合側クラッチへの油圧指令値が増大してから実際に係合側クラッチに供給される油圧が増大するまでには時間差がある。この時間差を考慮して、ステップS6を実行してから時間差を空けてステップS7を実行してもよい。また、ハイブリッドモードで走行中にモータ15が回生運転している場合には、モータトルクダウン処理によりモータ15の回生トルクを増大させることにより、イナーシャ相の進行を促進してもよい。また、ハイブリッドモードで走行中の場合には、モータトルクダウン処理の実行によりエンジン10の回転数がアイドル回転数以下となった場合には、モータトルクダウン処理を停止してもよい。
ステップS4でYesの場合、ECU100はモータ15のトルクダウン量を所定量だけ増大する(ステップS8)。これにより入力軸19aの回転速度の低下を更に促進しつつ、出力軸19bに伝達されるトルクも抑制することができる。
ステップS3でNoの場合、ECU100はモータトルクダウン処理の実行中であるか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9でNoの場合には本制御を終了する。ステップS9でYesの場合には、ECU100はモータ15のトルクダウン量を維持する(ステップS10)。これによりイナーシャ相の進行の停滞の解消後も、必要以上にモータ15のトルクが低下して、入力軸19aの回転速度が不必要に低下することを抑制できる。尚、ステップS10ではモータ15のトルクダウン量を減少させてもよい。
ステップS2でNoの場合、即ちイナーシャ相が終了してトルク相が開始された場合、ECU100はモータトルクダウン処理の実行中であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11でNoの場合には本制御を終了する。ステップS11でYesの場合には、ECU100はモータ15のトルクダウン量を徐々に減少させる(ステップS12)。このようにイナーシャ相が終了すると、モータ15のトルクを通常値にまで復帰させることができ、車両1の減速度合のばらつきを抑制することができる。
上記実施例ではステップS5でYesと判定されることがステップS6及びS7の実行条件として要求されるが、これに限定されない。例えばステップS5を実行せずにステップS6及びS7を実行してもよい。これにより早期にイナーシャ相の進行を促進することができる。また、上記実施例ではステップS4でNoと判定されることがステップS6及びS7の実行条件として要求されるが、これに限定されない。例えばステップS4及びS8を実行せずに、モータトルクダウン処理を実行してもよい。この場合、既にモータトルクダウン処理の実行中である場合には一定のトルクダウン量でモータトルクダウン処理が継続される。
上記実施例では、単一のECU100により車両1を制御する場合を例示したが、これに限定されず、例えばエンジン10を制御するエンジンECU、モータ15を制御するモータECU等の複数のECUによって、上述した制御を実行してもよい。
上記実施例の車両1はハイブリッド車両であるがこれに限定されない。例えば、走行動力源としてモータのみを搭載した電気自動車であってもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 車両
10 エンジン
13 駆動輪
14 K0クラッチ
15 モータ(電動機)
19 自動変速機
19a 入力軸
19b 出力軸
100 ECU(判定部、制御部)

Claims (1)

  1. 電動機と、前記電動機と駆動輪との間の動力伝達経路に配置される共に複数の係合装置のうちの所定の係合装置の解放と係合とによってギヤ段を変更する自動変速機と、を備えた車両の制御装置であって、
    前記自動変速機によるパワーオフアップシフト変速中においてイナーシャ相の進行が停滞しているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部で肯定判定がなされた場合、前記判定部で否定判定がなされた場合よりも、前記パワーオフアップシフト変速において係合に向けて制御される前記係合装置の係合圧を増大させ、且つ前記電動機のトルクを低下させる制御部と、を備えた車両の制御装置。
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