JP7626115B2 - 電池およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、電池およびその製造方法に関する。
特開2020-123484号公報(特許文献1)は、複数の貫通孔を有する第1電極と、該貫通孔に充填された第2電極とを開示する。
特開2020-123484号公報
図1は、本開示の一局面における課題の説明図である。負極合材10は、所定の形状に成形されている。負極合材10には、複数の貫通孔2が形成されている。貫通孔2は、第1開口部2aと第2開口部2bとを有する。セパレータ層30が貫通孔2の内壁を被覆している。
例えば、第1開口部2aから正極ペースト4が貫通孔2内に圧入される。正極ペースト4が乾燥することにより、正極合材20が貫通孔2の内部に配置される。正極ペースト4の乾燥時、正極ペースト4が収縮し得る。正極ペースト4の収縮により、正極合材20に陥没部21(凹み)が発生し得る。正極合材20の先端に陥没部21が形成されることにより、正極合材20と正極集電体25との接続が不十分となり、電池抵抗が増加し得る。
本開示の一局面における目的は、電池抵抗の低減にある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本明細書の作用メカニズムは推定を含む。作用メカニズムは本開示の技術的範囲を限定しない。
1.本開示の一局面における電池は、負極合材と、セパレータ層と、正極合材と、導電層と、正極集電体とを含む。負極合材は、負極活物質を含む。負極合材は、ハニカム構造体を形成している。ハニカム構造体は、第1端面と第2端面と側壁とを含む。第2端面は、第1端面の反対面である。側壁は、第1端面と第2端面とを接続している。第1端面から第2端面まで延びる貫通孔が複数形成されている。貫通孔の各々は、第1端面に開口する第1開口部と、第2端面に開口する第2開口部とを有する。
セパレータ層は、貫通孔の内壁の少なくとも一部を被覆している。セパレータ層は、負極合材から正極合材を分離している。
正極合材は、正極活物質を含む。正極合材は、貫通孔の内部に配置されている。
導電層は、導電材を含む。導電層は、正極合材と異なる組成を有する。正極集電体は、貫通孔の外部に配置されている。導電層は、正極合材と正極集電体とを接続している。
上記「1」に記載の電池は、導電層を含む。導電層は、貫通孔の内部の正極合材と、貫通孔の外部の正極集電体とを接続するように延びる。したがって、たとえ正極合材の先端に陥没部が形成されていても、正極合材と正極集電体とが接続され得る。これにより、電池抵抗の低減が期待される。
2.上記「1」に記載の電池において、第1開口部および第2開口部の少なくとも一方を塞ぐように、導電層が配置されていてもよい。
開口部を塞ぐように導電層が形成されることにより、導電層が陥没部を埋めることが期待される。導電層が陥没部を埋めることにより、正極合材と正極集電体との間の抵抗が低減することが期待される。
3.上記「1」または「2」に記載の電池において、正極合材は、陥没部を含んでいてもよい。陥没部は、第1開口部または第2開口部から、貫通孔の内部に向かって後退している。
4.上記「1」~「3」のいずれか1項に記載の電池において、導電材は、例えば、球状炭素粒子群、円盤状炭素粒子群、および棒状炭素粒子群からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
5.上記「1」~「4」のいずれか1項に記載の電池において、導電材は、例えば10μm以上の球換算径を有していてもよい。
例えば、導電ペーストの塗布時、導電材がセパレータ層に侵入すると、短絡経路が形成される可能性がある。導電材が10μm以上の球換算径を有する時、導電材がセパレータ層に侵入し難い傾向がある。
6.上記「1」~「5」のいずれか1項に記載の電池において、導電層は、バインダをさらに含んでいてもよい。導電材に対するバインダの質量比は、例えば0.2以下であってもよい。
バインダを多量に含む導電ペーストは、乾燥時に収縮しやすい傾向がある。導電ペーストの体積が大きく変化することにより、導電層内に収縮応力が発生する。その結果、導電層と隣接するセパレータ層内に亀裂が入る可能性がある。セパレータ層の亀裂は、短絡の原因になり得る。導電材に対するバインダの質量比が0.2以下である時、セパレータ層に亀裂が発生し難い傾向がある。導電ペーストの体積変化が小さくなるためと考えられる。
7.上記「1」~「6」のいずれか1項に記載の電池において、導電層は、正極活物質を含んでいなくてもよい。
導電層が正極合材と異なる組成を有する限り、導電層は正極活物質を含んでもよい。しかし一般に、正極活物質は導電材に比して高価である。導電層が正極活物質を含まないことにより、製造コストの低減が期待される。
8.上記「1」~「7」のいずれか1項に記載の電池において、第1開口部または第2開口部を塞ぐように、導電層が配置されてもよい。
上記「8」に記載の電池においては、第1端面または第2端面の一方に、正極集電体が配置され得る。
9.上記「1」~「7」のいずれか1項に記載の電池において、第1開口部および第2開口部を塞ぐように、導電層が配置されてもよい。
上記「9」に記載の電池においては、第1端面および第2端面の両方に、正極集電体が配置され得る。集電面積の増大により、電池抵抗の低減が期待される。
10.本開示の一局面における電池の製造方法においては、ハニカム構造体を基材とする電池が製造される。ハニカム構造体は、第1端面と第2端面と側壁とを含む。第2端面は、第1端面の反対面である。側壁は、第1端面と第2端面とを接続している。第1端面から第2端面へと延びる貫通孔が複数形成されている。貫通孔の各々は、第1端面に開口する第1開口部と、第2端面に開口する第2開口部とを有する。
電池の製造方法は、下記(a)~(e)をこの順に含む。
(a)負極合材をハニカム構造体に成形する。
(b)貫通孔の内壁の少なくとも一部をセパレータ層で被覆する。
(c)第1開口部または第2開口部から、正極ペーストを貫通孔に押し込むことにより、貫通孔の内部に正極合材を配置する。
(d)第1開口部および第2開口部の少なくとも一方に、導電ペーストを塗布することにより、正極合材と接触する導電層を形成する。
(e)貫通孔の外部から正極集電体を導電層に接着する。
負極合材は、負極活物質を含む。正極合材は、正極活物質を含む。導電層は、導電材を含む。導電層は、正極合材と異なる組成を有する。
11.上記「10」に記載の電池の製造方法において、第1開口部から、正極ペーストが貫通孔に押し込まれてもよい。かつ、少なくとも第2開口部に導電ペーストが塗布されることにより、導電層が形成されてもよい。
正極ペーストを押し込んだ側(入口側)に比して、出口側は、正極合材と正極集電体との導通不良が発生しやすい傾向がある。出口側において、乾燥時、正極ペーストの収縮が起こりやすいためと考えられる。少なくとも出口側に導電層を配置することにより、電池抵抗の低減が期待される。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と略記され得る。)、および本開示の実施例(以下「本実施例」と略記され得る。)が説明される。ただし、本実施形態および本実施例は、本開示の技術的範囲を限定しない。本実施形態および本実施例は、全ての点で例示である。本実施形態および本実施例は、非制限的である。本開示の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内における全ての変更を包含する。例えば、本実施形態および本実施例から、任意の構成が抽出され、それらが任意に組み合わされることも当初から予定されている。
図1は、本開示の一局面における課題の説明図である。 図2は、本実施形態における電池の一例を示す概略図である。 図3は、本実施形態における発電要素の概略図である。 図4は、本実施形態における負極合材の一例を示す概略図である。 図5は、本実施形態における発電要素の概略断面図である。 図6は、本実施形態における電池の製造方法の概略フローチャートである。 図7は、本実施例における電池の製造過程を示す第1光学顕微鏡写真である。 図8は、本実施例における電池の製造過程を示す第2光学顕微鏡写真である。
<用語および定義等>
「備える」、「含む」、「有する」、および、これらの変形(例えば「から構成される」等)の記載は、オープンエンド形式である。オープンエンド形式は必須要素に加えて、追加要素をさらに含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。「からなる」との記載はクローズド形式である。ただしクローズド形式であっても、通常において付随する不純物であったり、本開示技術に無関係であったりする付加的な要素は排除されない。「実質的に…からなる」との記載はセミクローズド形式である。セミクローズド形式においては、本開示技術の基本的かつ新規な特性に実質的に影響しない要素の付加が許容される。
「AおよびBの少なくとも一方」は、「AまたはB」ならびに「AおよびB」を含む。「AおよびBの少なくとも一方」は、「Aおよび/またはB」とも記され得る。
「してもよい」、「し得る」等の表現は、義務的な意味「しなければならないという意味」ではなく、許容的な意味「する可能性を有するという意味」で使用されている。
幾何学的な用語(例えば「平行」、「垂直」、「直交」等)は、厳密な意味に解されるべきではない。例えば「平行」は、厳密な意味での「平行」から多少ずれていてもよい。幾何学的な用語は、例えば、設計上、作業上、製造上等の公差、誤差等を含み得る。各図中の寸法関係は、実際の寸法関係と一致しない場合がある。読者の理解を助けるために、各図中の寸法関係(長さ、幅、厚さ等)が変更されている場合がある。さらに一部の構成が省略されている場合もある。
「m~n%」等の数値範囲は、特に断りのない限り、上限値および下限値を含む。すなわち「m~n%」は、「m%以上n%以下」の数値範囲を示す。また「m%以上n%以下」は「m%超n%未満」を含む。さらに数値範囲内から任意に選択された数値が、新たな上限値または下限値とされてもよい。例えば、数値範囲内の数値と、本明細書中の別の部分、表中、図中等に記載された数値とが任意に組み合わされることにより、新たな数値範囲が設定されてもよい。
全ての数値は用語「約」によって修飾されている。用語「約」は、例えば±5%、±3%、±1%等を意味し得る。全ての数値は、本開示技術の利用形態によって変化し得る近似値であり得る。全ての数値は有効数字で表示され得る。測定値は、複数回の測定における平均値であり得る。測定回数は、3回以上であってもよいし、5回以上であってもよいし、10回以上であってもよい。一般に測定回数が多い程、平均値の信頼性が向上することが期待される。測定値は有効数字の桁数に基づいて、四捨五入により端数処理され得る。測定値は、例えば測定装置の検出限界等に伴う誤差等を含み得る。
化合物が化学量論的組成式(例えば「LiCoO2」等)によって表現されている場合、該化学量論的組成式は該化合物の代表例に過ぎない。化合物は、非化学量論的組成を有していてもよい。例えば、コバルト酸リチウムが「LiCoO2」と表現されている時、特に断りのない限り、コバルト酸リチウムは「Li/Co/O=1/1/2」の組成比に限定されず、任意の組成比でLi、CoおよびOを含み得る。さらに、微量元素によるドープ、置換等も許容され得る。
「球換算径」は、対象物の体積と、同一の体積を有する球の直径を示す。30個の対象物(例えば30個の粒子)において、体積がそれぞれ測定される。対象物の体積は、例えば、顕微鏡画像において、代表部分の寸法が測定されることにより特定され得る。例えば、円柱(丸棒)の場合、直径(太さ)と、高さ(長さ)とが測定され得る。30個の対象物の平均体積(算術平均)が求められる。下記式により、球換算径が求められる。
φ=2{(V/π)(3/4)}1/3
φ:球換算径
V:対象物の平均体積
π:円周率
「平均粒子径」は、体積基準の粒子径分布において、粒子径が小さい側からの頻度の累積が50%に到達する粒子径を示す。平均粒子径は「D50」とも記される。平均粒子径は、レーザ回折法により測定され得る。
「正極集電体」は、正極合材との間で、電子の授受を行う部材を示す。正極集電体は、外部端子(正極端子)と接続されていてもよい。正極集電体は、外部端子の機能を兼ねていてもよい。負極集電体についても同様である。
以下「リチウムイオン電池」への適用例が説明される。ただしリチウムイオン電池は、電池の一例に過ぎない。本実施形態は、任意の電池系に適用され得る。
<電池>
図2は、本実施形態における電池の一例を示す概略図である。以下「本実施形態における電池」が「本電池」と略記され得る。本電池100は、発電要素50と、正極集電体25を含む。本電池100は、例えば、負極集電体15、電解液(不図示)、外装体(不図示)等をさらに含んでいてもよい。外装体は、発電要素50を収納し得る。外装体は、例えば、金属製の容器、または金属箔ラミネートフィルム製のパウチ等であってもよい。電解液は、発電要素50に含浸されていてもよい。
図3は、本実施形態における発電要素の概略図である。発電要素50は、ハニカム構造体を基材とする。発電要素50は、負極合材10(ハニカム構造体)と、正極合材20と、セパレータ層30と、導電層40(図5参照)とを含む。
《負極合材》
負極合材10は、負極活物質を含む。負極活物質は、粒子群であってもよい。負極活物質は、例えば1~30μmの平均粒子径を有していてもよい。負極合材は、例えば導電材、バインダ等をさらに含んでいてもよい。負極合材10は、質量分率で、例えば、1~10%のバインダと、0~10%の導電材と、残部の負極活物質とを含んでいてもよい。負極活物質は、任意の成分を含み得る。負極活物質は、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、ソフトカーボン、ハードカーボン、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫およびチタン酸リチウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。導電材は、例えば、アセチレンブラック(AB)、カーボンナノチューブ(CNT)等を含んでいてもよい。バインダは、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を含んでいてもよい。
図4は、本実施形態における負極合材の一例を示す概略図である。負極合材10は、所定の形状に成形されている。成形体は、多孔質であってもよい。負極合材10の外形は、任意である。負極合材10の外形は、例えば、柱状、板状等であってもよい。負極合材10の外形は、例えば、円柱状、角柱状等であってもよい。
負極合材10は、例えば、直径10dを有していてもよい。直径10dは、XY平面における最大幅を示す。直径10dは、例えば、1~1000mmであってもよい。負極合材10は、例えば、高さ10hを有していてもよい。高さ10hは、YZ平面における最大幅を示す。高さ10hは、例えば、1~1000mmであってもよい。直径10dに対する、高さ10hの比は、例えば、0.1~10であってもよい。
負極合材10は、ハニカム構造体を形成している。「ハニカム構造体」は、例えば「ハニカムコア」または「ハニカム成形体」等とも表現され得る。ハニカム構造体(負極合材10)は、第1端面11と、第2端面12と、側壁13とを含む。第2端面12は、第1端面11の反対面である。第2端面12は、第1端面11と平行であってもよいし、非平行であってもよい。第1端面11および第2端面12は、それぞれ独立に、平面であってもよいし、曲面であってもよい。側壁13は、第1端面11と第2端面12とを接続している。側壁13は、第1端面11および第2端面12の周縁の全周にわたって形成されている。例えば、側壁13に負極集電体15が接合されてもよい(図2、図5参照)。負極集電体15は、例えば、金属箔、金属板、金属線等を含んでいてもよい。負極集電体15は、例えば、Cu、Ni、ステンレス鋼等を含んでいてもよい。
負極合材10には、貫通孔2が複数形成されている。貫通孔2の各々は、第1端面11から第2端面12まで延びている。貫通孔2の延びる方向は、負極合材10の軸方向(Z軸方向)と平行であってもよい。軸方向に垂直な断面(XY平面)において、貫通孔2は、規則的に並んでいてもよいし、不規則に並んでいてもよい。XY平面において、例えば、0.1~10個/mm2の密度で、貫通孔2が形成されていてもよい。XY平面において、貫通孔2の断面形状は任意である。断面形状は、例えば、円形状、または多角形状であってもよい。断面形状は、例えば3~12角形状であってもよい。断面形状は、例えば、正方形状、正六角形状であってもよい。
貫通孔2同士を隔てる壁(負極合材10の一部)は、「リブ」とも称される。XY平面において、リブは、例えば網目状に延びていてもよい。リブは、例えば、100~300μmの厚さを有していてもよい。
《セパレータ層》
図5は、本実施形態における発電要素の概略断面図である。セパレータ層30は、貫通孔2の内壁の少なくとも一部を被覆している。セパレータ層30は、負極合材10と正極合材20との間に介在している。セパレータ層30は、負極合材10から正極合材20を分離している。セパレータ層30は、Liイオン透過性を有する。セパレータ層30は、例えば、多孔質であってもよい。セパレータ層30に電解液が浸透していてもよい。
セパレータ層30は、例えば、10~100μmの厚さを有していてもよい。セパレータ層30は、絶縁材料を含む。セパレータ層30は、例えば、セラミックス粒子群、樹脂粒子群、高分子ゲル、固体電解質等を含んでいてもよい。セパレータ層30は、例えば、ベーマイト、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド(PI)、硫化物固体電解質(Li3PS4)等を含んでいてもよい。
セパレータ層30は、例えば、第1端面11および第2端面12の少なくとも一方を覆うように延びていてもよい。セパレータ層30は、部分的に組成が異なっていてもよい。例えば、貫通孔2の内部と外部との間で、セパレータ層30の組成が異なっていてもよい。例えば、貫通孔2の内壁を被覆する部分と、第1端面11(または第2端面12)を被覆する部分との間で、セパレータ層30の組成が異なっていてもよい。例えば、貫通孔2の内壁を被覆する部分は、セラミックス粒子群を含んでいてもよい。例えば、第1端面11(または第2端面12)を被覆する部分は、樹脂粒子群を含んでいてもよい。
《正極合材》
正極合材20は、正極活物質を含む。正極活物質は、粒子群であってもよい。正極活物質は、例えば、1~30μmの平均粒子径を有していてもよい。正極合材20は、例えば導電材、バインダ等をさらに含んでいてもよい。正極合材20は、質量分率で、例えば、1~10%のバインダと、1~10%の導電材と、残部の正極活物質とを含んでいてもよい。
正極活物質は、任意の成分を含み得る。正極活物質は、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム、およびリン酸鉄リチウムからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。導電材は、例えば、AB等を含んでいてもよい。バインダは、例えばPVDF等を含んでいてもよい。
正極合材20は、貫通孔2の内部に配置されている。正極合材20は、多孔質であってもよい。正極合材20は、貫通孔2の内部に充填されていてもよい。正極合材20は、例えば、柱状であってもよい。正極合材20は、貫通孔2を隙間なく埋めていてもよい。貫通孔2の一部が、未充填のまま残存していてもよい。正極合材20は、層状であってもよい。正極合材20は、セパレータ層30に積層されていてもよい。正極合材20は、貫通孔2の内壁に沿って延びていてもよい。例えば、XY平面において、正極合材20、セパレータ層30、負極合材10が同心円状に配置されていてもよい。
正極合材20は、陥没部21を含んでいてもよい(図1参照)。陥没部21は、第1開口部2aまたは第2開口部2bから貫通孔2の内部に向かって後退している。陥没部21は、正極ペースト4の乾燥時、正極ペースト4が収縮することにより形成され得る。陥没部21は、例えば、すり鉢状であってもよい。陥没部21の深さは、例えば、貫通孔2の直径の0.1~1倍、または0.1~0.5倍であってもよい。
《導電層》
導電層40は、導電材を含む。導電層40は、例えば、バインダ、正極活物質等をさらに含んでいてもよい。ただし、導電層40は、正極合材20と異なる組成を有する。導電層40における正極活物質の質量分率は、正極合材20における正極活物質の質量分率よりも低い。導電層40は、正極活物質を含んでいなくてもよい。導電層40は、質量分率で、例えば0.1~30%のバインダと、残部の導電材とを含んでいてもよい。バインダの質量分率は、例えば、1~20%、または5~15%であってもよい。
導電材に対するバインダの質量比は、例えば、0.2以下であってもよい。導電材に対するバインダの質量比が0.2以下であることにより、セパレータ層30の亀裂が低減され得る。導電材に対するバインダの質量比は、例えば、0.1以下であってもよい。導電材に対するバインダの質量比は、例えば、0.01超、0.07以上、または0.1以上であってもよい。
導電材は、電子伝導性を有する。導電材は、例えば、球状炭素粒子群、円盤状炭素粒子群、および棒状炭素粒子群からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。球状炭素粒子群の一例として、例えば、球形化黒鉛が挙げられる。棒状炭素粒子群の一例として、例えば、ミルドファイバー等の炭素繊維が挙げられる。特に、導電材が棒状炭素粒子群を含むことにより、電池抵抗の低減が期待される。棒状炭素粒子群が長距離にわたる電子伝導パスを形成し得るためと考えられる。棒状炭素粒子は、例えば、50~500μm、150~250μm、または100~200μmの平均長さ(繊維長)を有していてもよい。棒状炭素粒子群は、例えば、1~30μm、または5~15μmの平均直径(繊維径)を有していてもよい。
導電材は、10μm以上の球換算径を有していてもよい。球換算径が10μm以上であることにより、導電材がセパレータ層30に侵入し難くなる傾向がある。球換算径は、例えば、11μm以上、20μm以上、または24μm以上であってもよい。球換算径は、例えば、38μm以下、または30μm以下であってもよい。
導電層40は、貫通孔2の内部の正極合材20と、貫通孔2の外部の正極集電体25とを接続している。例えば、第1開口部2aおよび第2開口部2bの少なくとも一方を塞ぐように、導電層40が配置されていてもよい。例えば、第1開口部2aまたは第2開口部2bの一方を塞ぐように、導電層40が配置されていてもよい。例えば、第1開口部2aおよび第2開口部2bの両方を塞ぐように、導電層40が配置されていてもよい。例えば、セパレータ層30の一部を覆うように、導電層40が延びていてもよい。例えば、第1端面11の全体を覆うように、導電層40が延びていてもよい。例えば、第2端面12の全体を覆うように、導電層40が延びていてもよい。
《正極集電体》
正極集電体25は、貫通孔2の外部に配置されている。正極集電体25は、第1端面11または第2端面12の一方に配置されていてもよい。正極集電体25は、第1端面11および第2端面12の両方に配置されていてもよい。正極集電体25は、導電層40に接着されていてもよい。正極集電体25は、例えば、金属箔、金属板、金属線等を含んでいてもよい。正極集電体25は、例えば、Al、Al合金、ステンレス鋼等を含んでいてもよい。正極集電体25は、例えば、5~50μmの厚さを有していてもよい。
《電解液》
本電池100は、電解液を含んでいてもよい。電解液は、支持電解質と溶媒とを含む。支持電解質は溶媒に溶解している。支持電解質は、任意の成分を含み得る。支持電解質は、例えば、LiPF6、LiBF4、およびLi(FSO22Nからなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。支持電解質の濃度は、例えば、0.5~2mоl/kgであってもよい。
溶媒は、非プロトン性である。溶媒は、任意の成分を含み得る。溶媒は、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)およびジエチルカーボネート(DEC)からなる群より選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。電解液は、支持電解質および溶媒に加えて、任意の添加剤をさらに含んでいてもよい。
<電池の製造方法>
図6は、本実施形態における電池の製造方法の概略フローチャートである。以下「本実施形態における電池の製造方法」が「本製造方法」と略記され得る。本製造方法は、「(a)ハニカム構造体の成形」、「(b)セパレータ層の形成」、「(c)正極合材の配置」、「(d)導電層の形成」、および「(e)正極集電体の配置」を含む。本製造方法は、例えば「(f)注液」等をさらに含んでいてもよい。
《(a)ハニカム構造体の成形》
本製造方法は、負極合材をハニカム構造体に成形することを含む。例えば、押出成形法により、負極合材が成形されてもよい。
例えば、負極合材が分散媒に分散されることにより、負極ペーストが準備される。例えば、バインダの種類等に応じて適当な分散媒が選択され得る。分散媒は、例えば水、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、酪酸ブチル、テトラリン等を含んでいてもよい。これ以降に記載のペーストについても同様である。
金型が準備される。金型は、押出口(ダイ)を有する。押出口は、ハニカム構造体の形状と対応する。押出口から負極ペーストが押し出されることにより、成形体が形成される。成形体が乾燥されることにより、ハニカム構造体が形成され得る。
《(b)セパレータ層の形成》
本製造方法は、貫通孔2の内壁の少なくとも一部をセパレータ層30で被覆することを含む。セパレータ層30は、例えば、吸引法により形成されてもよい。
例えば、絶縁材料およびバインダが分散媒に分散されることにより、セパレータペーストが準備される。第1開口部2aまたは第2開口部2bから、セパレータペーストが吸引されることにより、セパレータペーストが貫通孔2の内壁に付着し得る。例えば、真空ポンプにより、セパレータペーストが吸引されてもよい。セパレータペーストが乾燥されることにより、セパレータ層30が形成され得る。
第1端面11および第2端面12にも、セパレータ層30が形成されてもよい。例えば、電着法により、第1端面11および第2端面12に、絶縁材料を付着させてもよい。
《(c)正極合材の配置》
本製造方法は、第1開口部2aまたは第2開口部2bから、正極ペースト4を貫通孔2に押し込むことにより、貫通孔2の内部に正極合材20を配置することを含む。
例えば、正極合材が分散媒に分散されることにより、正極ペースト4が準備される。例えば、シリンダ内に、正極ペースト4およびハニカム構造体が配置される。シリンダ内において、ピストンにより、正極ペースト4が貫通孔2に圧入されてもよい。正極ペーストが乾燥されることにより、正極合材20が貫通孔2内に配置され得る。
正極ペースト4は、第1開口部2aまたは第2開口部2bから、貫通孔2内に充填される。図1では、一例として、第1開口部2aから正極ペースト4が挿入されている。例えば、出口側(第2開口部2b側)に、多孔質フィルタ200が配置されてもよい。多孔質フィルタ200は、分散媒が通過し、かつ固形分(正極活物質等)が通過しない程度の目開きを有していてもよい。多孔質フィルタ200は、例えば金属製のメッシュ、多孔体等であってもよい。出口側に多孔質フィルタ200が配置されることにより、正極合材20が緻密に充填されることが期待される。
《(d)導電層の形成》
本製造方法は、第1開口部2aおよび第2開口部2bの少なくとも一方に、導電ペーストを塗布することにより、導電層40を形成することを含む。導電層40は、貫通孔2の内部の正極合材20と接触するように形成される。
例えば、導電材およびバインダが分散媒に分散されることにより、導電ペーストが準備される。導電ペーストは、第1開口部2aおよび第2開口部2bの少なくとも一方を覆うように塗布され得る。例えば、第1端面11および第2端面12の少なくとも一方に、導電ペーストが塗布されてもよい。導電ペーストが乾燥されることにより、導電層40が形成され得る。
例えば、第1開口部2aから正極ペースト4が押し込まれている時(すなわち、第1開口部2aが入口側である時)、少なくとも第2開口部2b(出口側)に導電ペーストが塗布されてもよい。出口側において、正極ペースト4の収縮が起こりやすいためである。
《(e)正極集電体の配置》
本製造方法は、貫通孔2の外部から、正極集電体25を導電層40に接着することを含む。正極集電体25は、任意の方法により、導電層40に接着され得る。例えば、正極集電体25が導電層40に圧着されてもよい。例えば、導電ペーストにより、正極集電体25が導電層40に接着されてもよい。
本製造方法は、負極合材10に負極集電体15を接合することを含んでいてもよい。例えば、ハニカム構造体の側壁13に、シート状の負極集電体15が貼り付けられてもよい。例えば、ハニカム構造体の側壁13に、線状の負極集電体15が巻き付けられてもよい。
《(f)注液》
本製造方法は、セパレータ層30に電解液を浸透させることを含んでいてもよい。例えば、外装体(不図示)が準備される。外装体に発電要素50が収納される。外装体内に電解液が注入される。電解液の注入後、外装体が密閉される。電解液はセパレータ層30に浸透し得る。以上より、本電池100が製造され得る。
<試験電池の製造>
以下のように、No.1~14に係る試験電池が製造された。以下、例えば「No.1に係る試験電池」が「No.1」と略記され得る。
《No.1》
(a)ハニカム構造体の成形
下記材料が準備された。
負極活物質:天然黒鉛(平均粒子径:15μm)
バインダ:CMC
分散媒:イオン交換水
100質量部の負極活物質と、10質量部のバインダと、60質量部の分散媒とが混合されることにより、負極ペーストが準備された。負極ペーストが金型から押し出されることにより、成形体が形成された。成形体が120℃で3時間乾燥されることにより、ハニカム構造体が形成された。ハニカム構造体は、下記構造を有していた。
外形:円柱状(直径:20mm、高さ:10mm)
貫通孔の配置:等間隔、規則的(ハニカム状)
貫通孔の断面形状:正六角形状(1辺の長さ:700μm、リブの厚さ:200μm)
(b)セパレータ層の形成
下記材料が準備された。
絶縁材料:ベーマイト(平均粒子径:0.5μm)
バインダ:PVDF(製品名 KFポリマー、グレード #8500、クレハ社製)
分散媒:NMP
57質量部の絶縁材料と、5質量部のバインダと、38質量部の分散媒とが混合されることにより、セパレータペーストが準備された。3~5gのセパレータペーストが、ハニカム構造体の第1端面に載せられた。真空ポンプが、第2端面側からセパレータペーストを貫通孔内に吸引した。これによりセパレータペーストが貫通孔の内壁に付着した。ハニカム構造体が120℃で15分乾燥された。これによりセパレータ層(ベーマイト層)が形成された。光学顕微鏡観察により、セパレータ層の平均厚さが測定された。平均厚さは65μmであった。
電着塗料(製品名「エレコートPI」、シミズ社製)が準備された。電着塗料は、絶縁材料(ポリイミド)と、分散媒(水)とを含んでいた。Ni平線(厚さ:50μm、幅:3mm)が準備された。Ni平線がハニカム構造体の側壁に巻き付けられた。Ni平線が電源に接続された。ハニカム構造体が電着塗料に浸漬された。ハニカム構造体(負極合材)を陰極とし、かつ作用極を陽極として、30Vの電圧が2分間印加された。これにより、第1端面および第2端面が、セパレータ層(ポリイミド層)に被覆された。電着後、水によってハニカム構造体が軽く洗浄されることにより、余分な電着塗料が除去された。洗浄後、ハニカム構造体が180℃で1時間熱処理された。
(c)正極合材の配置
下記材料が準備された。
正極活物質:コバルト酸リチウム(平均粒子径:10μm)
導電材:アセチレンブラック
バインダ:PVDF(製品名 KFポリマー、グレード ♯1300、クレハ社製)
分散媒:NMP
64質量部の正極活物質と、4質量部の導電材と、2質量部のバインダと、30質量部の分散媒とが混合されることにより、正極ペーストが準備された。プラスチック製のパイプが準備された。パイプは、入口端と出口端とを有していた。出口端側にハニカム構造体が固定された。板状の金属フィルタが準備された。金属フィルタの上に、パイプが直立するように固定された。出口端は、金属フィルタに接していた。パイプの入口端から、3.5gの正極ペーストが注入された。入口端から円柱(丸棒)がパイプ内に挿入された。円柱は、パイプの内径と略同一の直径(胴径)を有していた。300Nの押圧力により円柱が押し込まれた。これにより正極ペーストが貫通孔内に押し込まれた。押圧力が500Nを超えた時点で、円柱の押し込みが停止された。ハニカム構造体がパイプから取り出された。ハニカム構造体が120℃で30分、真空乾燥された。これにより、貫通孔の内部に正極合材が配置された。
図7は、本実施例における電池の製造過程を示す第1光学顕微鏡写真である。図7には、正極ペーストの乾燥後のハニカム構造体の断面(開口部およびその周辺)が示されている。乾燥時に正極ペーストが収縮するため、正極合材20の先端に陥没部21が形成されている。
(d)導電層の形成
下記材料が準備された。
導電材:棒状炭素粒子群(平均長さ:100μm、平均直径:10μm、球換算径:30μm)
バインダ:PVDF(製品名 KFポリマー、グレード ♯1300、クレハ社製)
分散媒:NMP
70質量部の導電材と、7質量部のバインダと、23質量部の分散媒とが混合されることにより、導電ペーストが準備された。第1端面および第2端面の両方に、導電ペーストが塗布された。導電ペーストは、へらによって押し付けられるように塗布された。さらに、へらによって、導電ペーストが平滑になるように成形された。導電ペーストの塗布後、ハニカム構造体が120℃で30分、真空乾燥された。これにより導電層が形成された。
図8は、本実施例における電池の製造過程を示す第2光学顕微鏡写真である。陥没部21(図7)を埋めるように、導電層40が形成されている。
絶縁試験
テスターにより、導電層とハニカム構造体の側壁(負極合材の露出部)との間で、直流抵抗が測定された。下記表1において、「pass」は、直流抵抗(絶縁抵抗)が1MΩ以上であったことを示す。「fail」は、直流抵抗が1MΩ未満であったことを示す。結果が「pass」である試料においては、直流抵抗がテスターの測定限界を超えていた。
(e)正極集電体の配置
正極集電体として、Al箔(直径:15mm、厚さ:15μm)が2枚準備された。導電層の形成に使用された導電ペーストにより、正極集電体が導電層に接着された。正極集電体は、第1端面の導電層、および第2端面の導電層の両方に、それぞれ接着された。正極集電体の配置後、ハニカム構造体が120℃で15分、乾燥された。
負極集電体の配置
負極集電体として、Ni平線(厚さ:50μm、幅:3mm)が準備された。ハニカム構造体の側壁(外周面)に、負極集電体が1周にわたって巻き付けられた。
外部端子として、ステンレス鋼製のリードタブが準備された。正極集電体および負極集電体の各々に、リードタブが溶接された。以上より発電要素が形成された。
(f)注液
外装体として、アルミニウムラミネートフィルム製のパウチが準備された。外装体に、発電要素が収納された。5gの電解液が外装体に注入された。電解液の注入後、外装体が真空封止された。電解液は下記組成を有していた。以上より試験電池が製造された。
電解液の組成
支持電解質:LiPF6(濃度:1mоl/kg)
溶媒:EC/EMC/DMC=1/1/1(体積比)
電池抵抗の測定
下記条件の充電、休止、放電が順次実施された。「CC」は定電流方式を示し、「CV」は定電圧方式を示し、「CCCV」は定電流-定電圧方式を示す。
充電:CCCV、CC電流=40mA、CV電圧=4.2V、終止電流=10mA
休止:10分
放電:CCCV、CC電流=40mA、CV電圧=3V、終止電流=10mA
初回充放電後、下記条件により、試験電池の電圧が調整された。
充電:CCCV、CC電流=40mA、CV電圧=3.85V、終止電流=10mA
電圧の調整後、200mAのCC電流で、試験電池が1秒間放電された。放電開始から1秒経過後の電圧降下量が測定された。電圧降下量と放電電流とから、電池抵抗が求められた。
《No.2》
棒状炭素粒子群(平均長さ:200μm、球換算径:38μm)が導電材として使用されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。
《No.3》
棒状炭素粒子群(平均長さ:50μm、球換算径:24μm)が導電材として使用されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。
《No.4、5、12~13》
導電ペーストにおいて、導電材に対するバインダの質量比(下記表1参照)が変更されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。
《No.6》
棒状炭素粒子群に代えて、球状炭素粒子群(球形化黒鉛、平均粒子径:20μm、球換算径:20μm)が導電材として使用されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。
《No.7》
棒状炭素粒子群に代えて、球状炭素粒子群(球形化黒鉛、平均粒子径:11μm、球換算径:11μm)が導電材として使用されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。
《No.8》
導電ペーストが第1端面のみに塗布されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。すなわち、導電層は、第1開口部および第2開口部のうち、第1開口部のみに形成された。本実施例においては、第1開口部から正極ペーストが押し込まれている。よって、第1開口部が入口側(挿入側)であり、第2開口部が出口側である。
《No.9》
導電ペーストが第2端面のみに塗布されることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。すなわち、導電層は、第1開口部および第2開口部のうち、第2開口部(出口側)のみに形成された。
《No.10》
導電層が形成されずに、正極集電体が第1端面および第2端面に直接貼り付けられることを除いては、No.1と同様に試験電池が製造された。
《No.11》
棒状炭素粒子群に代えて、不定形炭素材料(カーボンブラック、球換算径:1μm未満)が導電材として使用されることを除いては、No.4と同様に試験電池が製造された。
《No.14》
導電ペーストにおいて、導電材に対するバインダの質量比が0.01に変更され、導電ペーストが塗布された。しかし、導電層の形成は困難であった。No.1においては、試験電池の製造が中止された。
Figure 0007626115000001
<結果>
正極合材と正極集電体との間に導電層が形成されることにより、電池抵抗が大幅に低減する傾向がみられる(上記表1中、No.1~10参照)。
球換算径が小さくなると、絶縁抵抗が低下する傾向がみられる(上記表1中、No.1、11参照)。導電材がセパレータ層に侵入することにより、短絡経路が形成され得るためと考えられる。
導電材に対するバインダの質量比が大きくなると、絶縁抵抗が低下する傾向がみられる(上記表1中、No.1、13、14参照)。導電ペーストの乾燥時に、収縮応力が発生することにより、セパレータ層に亀裂が発生し得るためと考えられる。
球状炭素粒子群が使用される場合に比して、棒状炭素粒子群が使用される場合は、電池抵抗が低減しやすい傾向がみられる(上記表1中、No.1~3、6、7参照)。棒状炭素粒子群が長距離の導電パスを形成し得るためと考えられる。
入口側(第1開口部)および出口側(第2開口部)の両方に導電層が配置された試料は、入口側または出口側に導電層が配置された試料に比して、電池抵抗の低減効果が大きい傾向がみられる(上記表1中、No.1、8、9参照)。
出口側に導電層が配置された試料は、入口側に導電層が配置された試料に比して、電池抵抗の低減効果が大きい傾向がみられる(上記表1中、No.8、9参照)。出口側において、乾燥時、正極ペーストの収縮が起こりやすいためと考えられる。
2 貫通孔、2a 第1開口部、2b 第2開口部、4 正極ペースト、10 負極合材、10d 直径、10h 高さ、11 第1端面、12 第2端面、13 側壁、15 負極集電体、20 正極合材、21 陥没部、25 正極集電体、30 セパレータ層、40 導電層、50 発電要素、100 電池、200 多孔質フィルタ。

Claims (7)

  1. 負極合材と、セパレータ層と、正極合材と、導電層と、正極集電体と
    を含み、
    前記負極合材は、負極活物質を含み、
    前記負極合材は、ハニカム構造体を形成しており、
    前記ハニカム構造体は、第1端面と第2端面と側壁とを含み、
    前記第2端面は、前記第1端面の反対面であり、
    前記側壁は、前記第1端面と前記第2端面とを接続しており、
    前記第1端面から前記第2端面まで延びる貫通孔が複数形成されており、
    前記貫通孔の各々は、前記第1端面に開口する第1開口部と、前記第2端面に開口する第2開口部とを有し、
    前記セパレータ層は、前記貫通孔の内壁の少なくとも一部を被覆しており、
    前記セパレータ層は、前記負極合材から前記正極合材を分離しており、
    前記正極合材は、正極活物質を含み、
    前記正極合材は、前記貫通孔の内部に配置されており、
    前記導電層は、導電材を含み、
    前記導電層は、前記正極合材と異なる組成を有し、
    前記導電層は、前記正極活物質を含まず、
    前記正極集電体は、前記貫通孔の外部に配置されており、
    前記導電層は、前記正極合材と前記正極集電体とを接続しており
    前記正極合材は、陥没部を含み、
    前記陥没部は、前記第1開口部または前記第2開口部から、前記貫通孔の前記内部に向かって後退しており、
    前記導電材は、10μm以上の球換算径を有し、
    前記導電層は、バインダをさらに含み、
    前記導電材に対する前記バインダの質量比は、0.07以上0.2以下である、
    電池。
  2. 前記第1開口部および前記第2開口部の少なくとも一方を塞ぐように、前記導電層が配置されている、
    請求項1に記載の電池。
  3. 前記導電材は、球状炭素粒子群、円盤状炭素粒子群、および棒状炭素粒子群からなる群より選択される少なくとも1種を含む、
    請求項1または請求項2に記載の電池。
  4. 前記第1開口部または前記第2開口部を塞ぐように、前記導電層が配置されている、
    求項2に記載の電池。
    (ただし、「または」が片方又は両方という数学的な意味の場合を除く。)
  5. 前記第1開口部および前記第2開口部を塞ぐように、前記導電層が配置されている、
    求項2に記載の電池。
  6. ハニカム構造体を基材とする電池の製造方法であって、
    前記ハニカム構造体は、第1端面と第2端面と側壁とを含み、
    前記第2端面は、前記第1端面の反対面であり、
    前記側壁は、前記第1端面と前記第2端面とを接続しており、
    前記第1端面から前記第2端面へと延びる貫通孔が複数形成されており、
    前記貫通孔の各々は、前記第1端面に開口する第1開口部と、前記第2端面に開口する第2開口部とを有し、
    (a)負極合材を前記ハニカム構造体に成形すること、
    (b)前記貫通孔の内壁の少なくとも一部をセパレータ層で被覆すること、
    (c)前記第1開口部または前記第2開口部から、正極ペーストを前記貫通孔に押し込むことにより、前記貫通孔の内部に正極合材を配置すること、
    (d)前記第1開口部および前記第2開口部の少なくとも一方に、導電ペーストを塗布することにより、前記正極合材と接触する導電層を形成すること、および
    (e)前記貫通孔の外部から正極集電体を前記導電層に接着すること、
    をこの順に含み、
    前記正極合材は、陥没部を含むように、前記貫通孔の前記内部に配置され、
    前記陥没部は、前記第1開口部または前記第2開口部から、前記貫通孔の前記内部に向かって後退しており、
    前記負極合材は、負極活物質を含み、
    前記正極合材は、正極活物質を含み、
    前記導電層は、導電材を含み、
    前記導電層は、前記正極合材と異なる組成を有
    前記導電層は、前記正極活物質を含まず、
    前記導電材は、10μm以上の球換算径を有し、
    前記導電層は、バインダをさらに含み、
    前記導電材に対する前記バインダの質量比は、0.07以上0.2以下である、
    電池の製造方法。
  7. 前記第1開口部から、前記正極ペーストが前記貫通孔に押し込まれ、かつ
    少なくとも前記第2開口部に前記導電ペーストが塗布されることにより、前記導電層が形成される、
    請求項に記載の電池の製造方法。
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