自己T細胞療法は個別化された療法であり、遺伝子改変T細胞は患者自身の細胞、「自己細胞」に由来し、操作され、患者に戻される。T細胞又はTリンパ球は、身体の免疫応答に積極的に関与するリンパ球の一種(他はB細胞及びNK細胞である)を指す。自己細胞の使用は免疫学的応答のリスクを低減するが、患者1人当たり1ロットの治療を製造することは複雑さ及びコストを加える。また、自己T細胞療法は患者中心であるため、この治療は従来の生物学的治療法とは異なり、大規模な製造及び既製の使用には適していない。
自己T細胞療法は、標的細胞に関連するタンパク質を認識する目的のタンパク質を発現するように改変された、患者自身の生きたT細胞を用いて患者を治療することを含む。自己T細胞製造プロセスは、一般に、セミクローズド工程及び/又はクローズド工程を含む複数の単位操作を使用し、製造過程を通して、プレート、フラスコ、容器、バッグ、又は他のタイプの容器、典型的にはガス透過性容器などの複数の容器の間で患者の細胞を移動させる。これらの移送は、シリンジ又はピペット、遠心分離機などの手段により1つの容器から別の容器へと流体を移動させることを伴い得るが、それは剪断力によって細胞に不必要な応力を加え、細胞を汚染物質や喪失に曝す可能性がある。加えて、そのような容器は、細胞分離器、バイオセーフティキャビネット及びインキュベータなどの機器内及び機器間の手動移送を必要とする。
本明細書に記載されるように、98%を超える高純度のT細胞を生成し、CD8 T細胞で45%を超える高い導入遺伝子発現を示し、10日間の完全に閉鎖された連続的なプロセスにおいて、90%を超える生存率で100億超の細胞収率を生じる、目的タンパク質を発現する遺伝子改変自己T細胞を製造する方法が開発された。アフェレーシスドナー細胞から出発して、T細胞は、収穫時の約50%から、遺伝子操作及び活性化細胞の増殖後の98%を超えるまで選択的に増殖される。得られたT細胞は分化が少なく、より幹細胞又はメモリー様の表現型を保ち、これが持続性及び全体的有効性を増大させる。得られた細胞は、標的細胞のキリング及び標的細胞チャレンジに対する耐性がより強力である。
増殖速度及び生存率は、活性化及び形質導入の前に濃縮された細胞と同等であったが、形質導入はより効率的であり、収穫されたドナー細胞から直接生成された細胞の機能及び有効性はより大きかった。
遺伝子改変自己T細胞は、全期間に亘ってロッキング運動を生じさせることができるバイオリアクターを使用して、活性化、形質導入及び増殖の工程を通して、閉鎖系連続ロッキング培養において生成された。ロッキングは、プロセス中の細胞密度の増加に伴い、バイオリアクター容積(増殖の終わりまでに1リットルに増加)及び酸素レベルの変化に合わせて調整された。これにより、静的条件下での培養培地の制限のために、低い細胞密度(≦2E6細胞/ml)で増殖されなければならない静的培養を使用する方法とは対照的に、高密度培養を支援するのに十分な酸素及び栄養素の物質移動が保証された。バイオリアクターバッグ及び一般的に使用されている静的G-Rex(登録商標)ガス透過性培養システムにおいてロッキングされた細胞はいずれも効率的な酸素輸送を有したが、G-Rex(登録商標)システムは、適時に栄養素を細胞に移送する対流を欠いた。また、バイオリアクターバッグは、非常に高い細胞密度(場合によっては、50E6細胞/mlまで)を支持する新鮮な培地の潅流を利用することができる。
静的ガス透過性容器、又は静的(活性化及び形質導入操作)システム及びロッキング(増殖操作)システムの組み合わせを使用して生成された培養物中で生成された細胞と比較して、本明細書に記載される方法は、実地作業の30%超を排除し、コストを大幅に低減した。ガス透過性容器中で静的培養物を調製し維持するために不可欠なインキュベータ及び他の支援装置は必要ではなく、これらの静的培養物が必要とする取り扱い及び操作から、製造フットプリント、並びに細胞及び装置の汚染のリスクを低減する。これらのシステムによって生成される細胞の増殖速度及び生存率は同等であったが、本明細書に記載の方法によって生成された細胞の導入遺伝子発現、機能及び有効性は、静的培養、又はハイブリッド静的/ロッキング培養においてガス透過性容器を利用する培養において生成された細胞よりも大きかった。
ドナーは、遺伝子改変自己T細胞を製造するために血液細胞の試料が必要とされる任意の対象であり得る。ドナーは、本明細書に記載の方法によって生成された細胞集団(すなわち、自己ドナー)による治療を必要とする患者であり得る。
ドナー細胞は、体外法、静脈穿刺、又は血液試料が一般に得られる他の採血法などの当該技術分野で使用される任意の好適な方法によって、循環末梢血から採取され得る。一実施形態では、ドナー細胞はアフェレーシスによって採取される。アフェレーシスは、ドナーから血液を取り出し、これを細胞成分及び可溶性成分に分離し、血液から特定の所望の成分を除去し、その後、残りの血液をドナーに戻すことを指す。T細胞が、例えば細胞療法用途のためなどの所望の細胞型である場合、白血球アフェレーシス、すなわちドナーの末梢血から白血球(blood cell)(白血球(leukocyte))を優先的に除去するアフェレーシスプロセスが最も頻繁に使用される。採取された白血球アフェレーシス試料は、Leukopak(登録商標)容器で提供され得る。複数の血液量を同じドナーから処理して、完全なLeukopak(登録商標)を生成する。
アフェレーシスは、分画遠心法などの方法を使用して、入ってくる血液を様々な血液成分に分離する。しかしながら、血液成分間の密度は近接しているため、これにより純粋な細胞集団は得られず、アフェレーシスプロセスによって収集された試料中に細胞が残存し、アフェレーシス手順中に処理される血液の量が増すにつれ、これらの残存細胞の量は増加する。白血球アフェレーシスによって集められた細胞は、単球、樹状細胞、リンパ球(T細胞、B細胞及びNK細胞)、及び顆粒球を含む白血球並びに巨核球などの有核細胞、並びに赤血球及び血小板などの核を有さない細胞を含むであろう。集められたアフェレーシス試料中のリンパ球の割合は全血と比較してより濃縮されているが、試料中にはNK細胞、赤血球、血小板及び顆粒球などの他の細胞もかなりの数が存在する。
アフェレーシス細胞は、白血球及びリンパ球などの血液細胞を採取するための供給源として頻繁に使用される。しかしながら、これらの試料は血液細胞の混合物を含むので、例えば、アフェレーシス細胞を含有するLeukopack(登録商標)は、採取された細胞試料を目に見えて赤色にする何百億個もの赤血球を含有する可能性がある。赤血球は、例えば、エレクトロポレーションを使用した場合、トランスフェクション速度を大きく低下させるなど、試料中の細胞のさらなる処理に影響を及ぼすことが知られている。「これらの白血球アフェレーシス生成物には細胞集団に固有の変動性があるので、不要な細胞の除去又は特定の細胞集団の単離を行うためのプロセスが、遠心分離、磁気、蛍光及びに音響に基づく選択による物理的分離を含む様々な技術を用いて開発されている。細胞種は、密度勾配媒体系(例えば、Ficollなど)の使用の有無にかかわらず、遠心分離によりサイズに基づいて分離することができ、これにより、白血球アフェレーシス生成物から、顆粒球、血小板及び残りの赤血球混入物などの望ましくない画分を除去することができる。Iyer et al.,(2018)Frontiers in Medicine,Vol.5,150。自己T細胞及び同種異系T細胞の製造においては、細胞療法に関連する特定の方法又は適用で細胞を使用する前に、アフェレーシス試料から所望の細胞集団又は表現型をさらに単離、選択及び/又は濃縮することが一般的に行われている。このさらなる処理の目的は、T細胞の活性化又は増殖などの使用のために、PBMCなどの高度に定義された細胞集団、又は具体的なリンパ球集団を得ることであり、例えば、Stroncek et al.Journal of Translational Medicine 2014,12:241-249を参照されたい。
特定のT細胞表現型の濃縮などの所望の細胞集団を得るための手順は、自己T細胞製造プロセスにおける最も高価な単位操作の1つであり、例えば、CliniMAC Plus磁気分離技術を使用する臨床状況において、患者1人当たり平均約1万ドルである。濃縮後でも、T細胞純度は90~95%にしか到達せず、T細胞の約10%は陰性画分(フロースルー)において失われ得る。
アフェレーシス細胞などの採取された血液試料中のPBMC及びリンパ球から赤血球及び顆粒球を分離するための標準的な手順は、密度勾配遠心法の使用による。この目的のために使用される典型的な密度勾配材料は、親水性多糖であるFicoll(登録商標)であり、これは、全血又はアフェレーシスプロセス若しくは他の方法によって採取された血液などの血液試料中の成分を分離する。Ficoll(登録商標)密度勾配は、バフィーコート中に見出される単核細胞、樹状細胞及びリンパ球(T細胞、B細胞及びNK細胞)を、ペレット中に見出される赤血球、血小板及び顆粒球から分離する。しかしながら、異なるFicoll(登録商標)分離媒体、プロトコール、操作者のスキルなどは、細胞の収率、生存率及び機能に影響を及ぼし得る。加えて、いくつかのプロセスでは、細胞は高浸透圧Ficoll(登録商標)溶液中で操作された後、人工培地に再懸濁され、これは、T細胞機能に対して重大な改変効果をもたらし得る。Mallone et al.,Clinical and Experimental Immunology,163:33-49(2010)を参照されたい。また、自己赤血球に対し高い結合性を発現するリンパ球がFicoll(登録商標)分離中にこれらのT-ロゼッティング細胞の喪失をもたらすことが示されている。例えば、Hokland et al.Scand.J.Immunol,11,353-356(1980)を参照されたい。
さらに、さらに単離され、選択され且つ/又は増強されたアフェレーシス細胞は、洗浄及び分離プロセスの一部としての遠心分離、密度勾配などのさらなる操作に供される。これは、これらのプロセスの間に繰り返し受ける剪断力に起因する細胞損傷及び損失につながり得る。加えて、手動で、又は自動化されたプロセスの一部として、細胞が取り扱われるたびに、細胞の曝露及び汚染のリスクが増大する。異なるドナーからの大量の試料が自己細胞療法用途で使用するために処理される製造施設では、処理された試料の外来ドナー細胞による汚染は、ドナー患者にとって、深刻なリスク及び危険である。
本明細書に記載される方法では、特定の細胞集団又は表現型のためにさらなる単離、分離及び/又は濃縮を行うことなく、アフェレーシス試料全体を利用する。本方法は、白血球アフェレーシスによって採取された、例えば、単球、樹状細胞、リンパ球(T細胞、B細胞及びNK細胞)及び顆粒球を含む白血球並びに巨核球などの有核細胞、並びに赤血球及び血小板などの核を有さない細胞を含む数十億もの細胞で開始される。アフェレーシス試料中の細胞の約30~60%のみがT細胞であるが、他の支援細胞は、この方法の結果に対して正の効果を有し、T細胞の健康全般にその0日目から寄与する。これらのアフェレーシス試料に由来する遺伝子改変T細胞は、アフェレーシス試料中の他の細胞と共に処理された場合、特定のT細胞集団についてさらに濃縮された同じアフェレーシス細胞と比較して、より速く増殖し、より高い形質導入効率を有し、且つより多くのメモリー様状態を維持した。
細胞型又は表現型によるなど、アフェレーシス細胞の任意のサブセットについてのさらなる単離、選択及び/又は濃縮は、高い純度及び生存率を有し、高い導入遺伝子発現を有する遺伝子改変T細胞を達成するために必要ではなく、この混合細胞集団から出発して、10日プロセスで数百億を十分に超える細胞密度を生成する能力に影響を及ぼさないことがわかった。得られたT細胞は、分化が少なく、持続性及び全体的有効性を増大させるよりメモリー様の表現型のままであり、チャレンジ時に標的細胞を死滅させる能力がより高かった。アフェレーシス細胞からの出発は、目的の細胞を単離する磁気分離又は他の沈降といった追加の分離工程を不要とし、その結果、連続した最小限の操作で、アフェレーシスドナー細胞から遺伝子改変T細胞を収穫することが可能になった。これにより、製造施設内の患者1人当たりのフットプリント、及び採取された細胞を処理する時間は大幅に減少する。さらに、活性化前のドナー細胞の選択又は増強の必要性がなくなることにより、ドナー試料に対する操作が少なくなり、Ficoll(登録商標)などの不必要な化学物質への曝露が減少し、全体的な細胞損失、全体的なコスト、及び細胞への損傷の可能性が減少し、患者試料を汚染するリスクが大幅に減少する。自己細胞試料は、深刻な疾患を有する患者に由来する。これらの患者から細胞試料を採取し、得られた遺伝子改変T細胞を患者に戻す場合、常にリスクを伴う。過剰な操作及び不必要な処理への細胞の曝露、集中的な実践的処理時の取り扱いミス、又は汚染された細胞を患者に戻すことによって、さらなる不必要なリスクに患者を曝露することは、実行可能な選択肢ではない。
本発明は、少なくとも1つの目的タンパク質を発現する遺伝子改変自己T細胞を製造する方法であって、培養培地を含有するクローズドシングルユースバイオリアクターバッグに、アフェレーシスドナー細胞及び1つ以上の可溶性T細胞アクチベーターを播種する工程(ここで、バイオリアクターバッグは、ロッキング式バイオリアクタープラットフォームの一部である)、約2RPMの速度で連続的にロッキングしながら、クローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中で細胞を培養する工程、約2RPMの速度で連続的にロッキングしながら、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの可溶性ウイルスベクターでクローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞を形質導入する工程、並びに約2RPMのロッキング速度でクローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞を増殖させるとともに、培養物を収穫まで維持するために必要に応じて培養容量及びロッキング速度を増加させる工程を含む方法を提供する。
一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、末梢血由来の細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、有核細胞及び無核細胞を含む。一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、白血球及び赤血球を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞はまた、顆粒球及び/又は血小板を含む。一実施形態では、アフェレーシスは、白血球アフェレーシスである。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、Leukopak(登録商標)で提供される。
アフェレーシスドナー細胞は、アフェレーシス後、アフェレーシスドナー細胞を活性化する前に、いかなる細胞集団又は細胞種でついてもさらなる単離、選択及び/又は濃縮に供されることはない。
理解されるように、採取した細胞を洗浄して、血漿画分及びあらゆるアフェレーシス緩衝液を除去し、その後の処理のために、採取した細胞を適切な緩衝液又は培地に入れることができる。この目的のために、自動クローズドプロセスが市販されており、例えば、Sepax C-Pro(GE Healthcare、Pittsburg、PA)、Cobe 2991セルプロセッサ(Terumo BCT、Lakewood、CO)、CellSaver 5(Haemonetics(Boston、MA))などが挙げられる。一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、播種前に、洗浄され、培養培地に再懸濁される。増殖した遺伝子改変自己T細胞を製剤化及び凍結保存のために収穫するまで、さらなる洗浄工程は行われない。
T細胞活性化は、ナイーブT細胞のエフェクター細胞への増殖及び分化をもたらす抗原依存性プロセスである。活性化は、一次及び共活性化シグナルによって刺激される。適切な刺激により、T細胞はインビトロで増殖する。T細胞は完全に活性化されるために2つのシグナルを必要とし、一次刺激は、T細胞受容体と抗原提示細胞上のペプチド-HLA分子との相互作用による抗原特異的である。第2は、抗原提示細胞の膜とT細胞との間の相互作用による非抗原特異的共刺激シグナルである。
本明細書に記載されるように、活性化強度は、より良好な形質導入効率と相関しないようであった。結合したアクチベーターは、最高のシグナル強度を提供したにもかかわらず、高い形質導入率をもたらさなかった。可溶性アクチベーター、例えば、可溶性CD3、CD28及び/又はCD2抗体の混合物、特に可溶性CD3、CD28及びCD2抗体の組み合わせは、バッグに結合したアクチベーターとビーズに結合したアクチベーターとの中間に位置するシグナル強度を有したが、それらは最高のGFP発現と改変されたTCRでT細胞を活性化した。
1つ又は複数の可溶性T細胞アクチベーターを使用して、活性化T細胞集団を生成することができる。そのようなT細胞アクチベーターとしては、T細胞刺激因子及び/又は共刺激分子を標的とする抗体又はその機能的フラグメントが挙げられる。そのようなT細胞アクチベーターとしては、抗CD3抗体若しくは結合フラグメント、抗CD28抗体若しくは結合フラグメント、及び抗CD2抗体若しくは結合フラグメント、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。また、抗ヒトCD3単一特異性四量体抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異性四量体抗体複合体、及び抗ヒトCD2単一特異性四量体抗体複合体も挙げられる。このようなT細胞アクチベーターは、様々な供給源から市販されており、なかでも、Stem Cell Technologies、Vancouver、BC CAが挙げられる。
一実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターは、抗CD3抗体又はその結合フラグメントである。一実施形態では、T細胞アクチベーターは、抗CD3抗体及び抗CD28抗体、又はこれらの結合フラグメントを含む。別の実施形態では、T細胞アクチベーターは、少なくとも抗CD3抗体、抗CD28抗体、及び抗CD2抗体、又はこれらの結合フラグメントを含む。別の実施形態では、T細胞アクチベーターは、少なくとも抗ヒトCD3単一特異性四量体抗体複合体、抗ヒトCD28単一特異性四量体抗体複合体、及び抗ヒトCD2単一特異性四量体抗体複合体を含む。
一実施形態では、少なくとも1つの可溶性T細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも0.001μg/ml~少なくとも10μg/mlである。関連する実施形態では、濃度は、少なくとも0.01μg/ml~少なくとも10μg/mlである。関連する実施形態では、濃度は、少なくとも0.1μg/ml~少なくとも10μg/mlである。関連する実施形態では、濃度は、少なくとも1μg/ml~少なくとも10μg/mlである。関連する実施形態では、濃度は、少なくとも5μg/ml~少なくとも10μg/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも0.001μg/ml~少なくとも1μg/mlである。関連する実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも0.01μg/ml~少なくとも1μg/mlである。関連する実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも0.1μg/ml~少なくとも1μg/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも0.001μg/ml~少なくとも5μg/mlである。関連する実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも0.01μg/ml~少なくとも5μg/mlである。関連する実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも0.1μg/ml~少なくとも5μg/mlである。関連する実施形態では、少なくとも1つのT細胞アクチベーターの濃度は、少なくとも1μg/ml~少なくとも5μg/mlである。一実施形態では、濃度は、少なくとも0.001μg/mlである。一実施形態では、濃度は、少なくとも0.01μg/mlである。一実施形態では、濃度は、少なくとも0.1μg/mlである。一実施形態では、濃度は、少なくとも1μg/mlである。一実施形態では、濃度は、少なくとも5μg/mlである。一実施形態では、濃度は、少なくとも10μg/mlである。一実施形態では、濃度は10μg/ml超である。
一実施形態では、培養培地は、少なくとも1つの可溶性サイトカインを含む。IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-7、IL-15及び/又はIL-21などのサイトカインもまた、可溶性T細胞刺激剤として使用することができる。一実施形態では、可溶性サイトカインは、IL-2、IL-7、IL-15又はIL-21から選択される。一実施形態では、可溶性サイトカインは、IL-15又はIL-21と組み合わせたIL-7である。そのようなサイトカインは、少なくとも5ng/ml~少なくとも30ng/ml又はそれ以上の濃度で使用され得る。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも5ng/ml~少なくとも25ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも5ng/ml~少なくとも20ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも5ng/ml~少なくとも15ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも5ng/ml~少なくとも10ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも10ng/ml~少なくとも20ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも5ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも10ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも15ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも20ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも25ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、少なくとも30ng/mlである。一実施形態では、少なくとも1つのサイトカインの濃度は、30ng/ml超である。WNT経路アクチベーターなどの、T細胞活性化又は成熟に影響を及ぼす他の分子も含まれ得る。このようなアクチベーターとしては、セリン/トレオニンキナーゼグリコーゲンシンターゼキナーゼ-3β(Gsk-3β)の阻害剤である4,6-二置換ピロロピリミジンTWS119(Stemcell Technologies)が挙げられる。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも5μM~少なくとも20μM又はそれ以上である。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも5μM~少なくとも15μMである。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも5μM~少なくとも10μMである。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも10μM~少なくとも20μMである。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも5μMである。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも10μMである。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも15μMである。一実施形態では、TWS119の濃度は、少なくとも20μMである。一実施形態では、TWS119の濃度は、20μM超である。一実施形態では、培養培地は、可溶性TWS117、IL-7及びIL-21の混合物を含む。
一実施形態では、少なくとも1つの可溶性サイトカインは、IL-2である。一実施形態では、IL-2は、約250IU/ml~約350IU/mlの濃度である。一実施形態では、可溶性サイトカインは、約250IU/ml~300IU/mlの濃度のIL-2である。一実施形態では、可溶性サイトカインは、約300IU/ml~350IU/mlの濃度のIL-2である。一実施形態では、可溶性サイトカインは、約250IU/ml、300IU/ml又は350IU/mlの濃度のIL-2である。一実施形態では、可溶性サイトカインは、約250IU/mlの濃度のIL-2である。一実施形態では、可溶性サイトカインは、約300IU/mlの濃度のIL-2である。一実施形態では、可溶性サイトカインは、約350IU/mlの濃度のIL-2である。
抗原刺激の間、T細胞は解糖代謝に移行して、エフェクター機能を維持する。これは、細胞にアクチベーターを添加した後の最初の数日で起こる。活性化工程及び形質導入工程の間に、解糖代謝を阻害するために、活性化剤と共に解糖阻害剤を添加することができ、これは、分化の少ない表現型、増強された形質導入効率、及び/又は増強されたT細胞発現を示すT細胞の生成に寄与することができる。本明細書に記載されるように、2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)阻害T細胞由来の改変T細胞は、2-DGを含まない培地由来のT細胞と比較して、より多くのTscm及びTcmを産生した。阻害剤は、収穫まで、又は解糖を回復させ、T細胞増殖を支援する任意の時点で除去されるまで、培養培地中に保持され得る。一実施形態では、培養培地はまた、可溶性解糖阻害剤を含む。関連する実施形態では、可溶性解糖阻害剤は、2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)である。一実施形態では、2-DGの濃度は、約1mM~約3mMである。関連する実施形態では、2-DGの濃度は、約1mM~約2mMである。関連する実施形態では、2-DGの濃度は、約2mM~約3mMである。一実施形態では、2-DGの濃度は、約1mM以下である。一実施形態では、濃度は、約2mMである。一実施形態では、2-DGの濃度は、約3mM以上である。
改変T細胞を生成するための手順には、特定の細胞型又は表現型のための採取したドナー試料に対する細胞単離、選択及び/又は濃縮、活性化、形質導入、増殖、収穫、製剤化並びに凍結保存など、多くの単位操作が含まれる。これらの工程の各々の間、複数の容器又はプロセスが、各操作を行うために使用され得る。例えば、所望の細胞型又は表現型を得るために、1つ又は複数の閉鎖系容器及び/又はプロセスを使用して、洗浄、磁気抗体標識、選択又は濃縮手順の実施、遠心分離/沈降、及び単離、選択又は濃縮された細胞の濃縮などの工程が実施され得る。活性化のための結合アクチベーター及び/又は形質導入を促進するための結合剤が、それらがプレートにコーティングされているか、バッグにコーティングされているか、又はビーズ若しくは他の支持体に結合されているかにかかわらず多く使用される。これらの結合したアクチベーターを用いた刺激又は形質導入が完了したなら、細胞を除去し、洗浄し、新しい容器に移す必要がある。栄養素の要求の増加及び培養量の増加に対応するために、増殖中に複数の容器を使用することができる。これらの工程に関連する異なるタイプの容器間の切り替えには、時間や費用がかかり、また細胞を損傷、喪失及び汚染にさらすおそれがある。
本明細書に記載されるように、本発明はアフェレーシスドナー細胞の播種から、増殖した遺伝子改変T細胞の収穫までの全過程の閉鎖系連続操作を提供する。活性化、形質導入及び増殖を含む全ての工程が、少なくとも2RPMの速度で絶えずロッキングされるシングルクローズドバイオリアクターシステムにおいて行われる。これは、ドナー材料の手動操作を最小限に抑え、汚染及び細胞喪失のリスクを低減するだけでなく、供給及び培養操作の自動化を可能にする。活性化及び/又は形質導入のためのインキュベータ及び個別の容器などの追加の機器は、ドナー細胞の処理に必要なくなり、汚染及び細胞喪失のリスクが大きく低減されるだけでなく、材料/試薬及びFTE時間、並びに製造施設内の患者1人当たりのフットプリントも低減する。
本明細書に記載されるように、T細胞増殖のために最適化された培養培地で可溶性成分を利用する、連続的にロッキングするバイオリアクターにおける活性化、形質導入及び増殖は、洗浄されたアフェレーシスドナー細胞からの改変自己T細胞の高密度の生成をもたらした。T細胞アクチベーター、刺激因子及び代謝経路阻害剤などの可溶性成分の使用は、自己改変T細胞の製造における様々な工程間の連続的なフローを可能にし、所望の表現型及び導入遺伝子発現の改変T細胞を生成した。このプロセス中のロッキングもまた、静的条件下での培養培地の制限のために、低い細胞密度(≦2E6細胞/ml)で増殖しなければならない静的培養とは対照的に、高密度培養を支持するのに十分な酸素及び栄養素の物質移動を保証した。ロッキングバイオリアクター及び汎用されているG-Rex(登録商標)ガス透過性培養システムはいずれも効率的な酸素輸送を有するが、G-Rex(登録商標)システムは栄養素を適時に細胞に移送する送り達する対流を欠いている。また、ロッキングバイオリアクターシステムの使用は、非常に高い細胞密度、場合によっては最大50E6細胞/mlの密度を可能にする新鮮な培地の潅流を可能にする。
白血球及び赤血球を含む自己ドナーアフェレーシス細胞の活性化、形質導入及び増殖を、連続的にロッキングさせたシングルバイオリアクターバッグ内の閉鎖系連続システムで行った。Cellbag(商標)バイオリアクターバッグ(GE Healthcare)などのバイオリアクターバッグは、Wave又はXuri細胞培養システム(GE Healthcare)などのロッキングバイオリアクタープラットフォームの一部として使用され、バイオリアクターとして動作することに加えて、T細胞に過度の剪断応力を加えることなく、酸素及び栄養素の効率的な物質移動を可能にする様々な速度及び角度でロッキングする能力も有する。このようなバイオリアクターバッグは、一般に、入ってくる培養培地を濾過するための潅流フィルター、培養培地及び他の成分を添加し、使用済み培地及び試料を取り出すためのポート及びラインを備えており、これらは全て無菌の制御された環境内にある。バッグはまた、温度、CO2、O2、pHなどの培養パラメーター、グルコース及び乳酸などの代謝及び培地パラメーターを自動的に測定及び制御し、またガス及び培地のフローを制御するロッキングプラットフォームシステムの制御と接続するような装備がされている。バッグは、ボーラス、フェドバッチ、フェドバッチ/潅流、及び/又は半若しくは連続潅流のいずれであっても自動供給を可能にする。細胞の手動操作の量が減少することに加えて、クローズドバイオリアクターシステム中で細胞を培養することにより、改変T細胞の収率及び培養密度に対する能力の向上及び改善が可能になる。
細胞療法に適用するための改変自己T細胞の生成は、一般に、ガス透過性容器を利用し、広範な手動操作が必要であり得、培養物及び装置を汚染リスクにさらし、且つ細胞への栄養素のフローが制限される静的培養に依っている。バッグ、フラスコ及びプレートなどの静的なガス透過性容器は、遺伝子改変T細胞を生成するための形質導入工程を含む自己T細胞プロセスに広く使用されている。現在使用されているこのような静的ガス透過性細胞培養バッグの例としては、Permalife細胞培養バッグ、Origin Biomedical、Austin Texas、MACS GMP細胞分化バッグ、Miltenyi Biotech、Cambridge、MA、Rapid Expansion Flask(G-Rex)バイオリアクター、他のG-Rex(登録商標)容器、Wilson-Wolf Manufacturingが挙げられる。容器は、所望の温度を維持するためにインキュベータ又は他の環境制御チャンバを必要とし、且つ周囲インキュベータ環境からのO2及び培地からのCO2の受動拡散を可能にするためにガス透過性である。容器は、培養物を維持するために必要な処理装置、インキュベータ、又はバイオセーフティキャビネットなどへの移動や、それらからの移動のために、手動操作を必要とする。さらに、容器は、培養物を維持するために、処理装置、シリンジ、ポンプ、チャンバ、並びに他の容器及びデバイスへの絶え間ない接続及び再接続を必要とする。手動処理は、培養物の汚染のリスクを増加させる。さらに、Permalife細胞培養バッグは、低密度T細胞増殖(<2E6細胞/ml)用にのみ設計されており、T細胞療法に必要な高用量で供給するためには極めて大きな容量を必要とする。一方、G-rex(登録商標)は、比較的高い密度(約10E6細胞/ml)でT細胞を増殖させることができるが、増殖パラメーターの操作に課題がある。これらの2つの容器はまた、より高度でデジタルの製造操作を支援するための制御システム及びデータ記録能力を備えていない。
本発明の方法は、培養培地を含有するクローズドシングルユースバイオリアクターバッグに、アフェレーシスドナー細胞及び1つ以上の可溶性T細胞アクチベーターを播種すること(ここで、バイオリアクターバッグは、ロッキングバイオリアクタープラットフォームの一部である)を提供する。播種時のバイオリアクターバッグ中の培養培地の容量は、任意の所定の容量であり得る。一実施形態では、培養培地の容量は、少なくともバイオリアクターバッグの最小容量である。一実施形態では、培養培地の第2の容量は、少なくとも300mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、400ml以上である。一実施形態では、培養培地の容量は、約300ml~約400mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約325ml~約400mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約350ml~約400mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約375ml~約400mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約300ml、約325ml、約350ml、約375ml又は約400mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約300mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約325mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約350mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約375mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約400mlである。一実施形態では、培養培地の容量は、約400ml以上である。
T細胞は、活性化して生存するために細胞間接触を必要とする。活性化中の細胞濃度が不十分であると、活性化が不十分となるレベルまで細胞間接触を減少させる可能性がある。アフェレーシスドナー細胞は、有核細胞及び無核細胞を含む。アフェレーシスドナー試料中の有核細胞の数は、任意の知られた方法、例えば、NC-200(商標)自動細胞計数器(ChemMetec、Denmark)などの自動システムの使用によって決定することができる。一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、2RPMのロッキング速度のバイオリアクターバッグ内で十分に活性化することができるだけの数の有核細胞を含む。一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.0E9~1.3E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.1E9~約1.2E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.2E9~約1.3E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.2E9~約1.25E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.0E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.1E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.2E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.25E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.3E9の有核細胞を含む。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、約1.0E6の有核細胞、約1.1E9の有核細胞、約1.2E9の有核細胞、約1.25のE9有核細胞、又は約1.3E9の有核細胞を含む。
一実施形態では、本発明は、培養培地を含有するクローズドシングルユースバイオリアクターバッグに約1E6~約5E6有核細胞/mlの細胞密度でアフェレーシスドナー細胞を播種することを提供する。関連する実施形態では、細胞密度は、約2E6~約4E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3E6~約4E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3E6~約3.75E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3E6~約3.5E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3E6~約3.35E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6~約3E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6有核細胞/ml、約3E6有核細胞/ml、約3.25E6有核細胞/ml、約3.75E6有核細胞/ml、又は約4E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.25E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.75E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約4E6有核細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、可溶性サイトカインを含有する約300mlの培養培地中で、約3E6有核細胞/ml~4E6有核細胞/mlである。
活性化中の細胞は、所定の温度で培養することができる。一実施形態では、細胞は、34~39℃で培養される。一実施形態では、細胞は、34~35℃で培養される。一実施形態では、細胞は、35~37℃で培養される。一実施形態では、細胞は、35~36℃で培養される。一実施形態では、細胞は、36~37℃で培養される。一実施形態では、細胞は、34℃、35℃、36℃又は37℃で培養される。一実施形態では、細胞は、34℃で培養される。一実施形態では、細胞は、35℃で培養される。一実施形態では、細胞は、36℃で培養される。一実施形態では、細胞は、37℃で培養される。
活性化中の細胞は、所定時間培養することができる。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも16時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも14時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも16時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18~20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも20時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも13時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも15時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも17時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも19時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも21時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも22時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも23時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも24時間培養される。
本発明の一実施形態では、播種時に、少なくとも1つの可溶性T細胞アクチベーターが少なくとも1つのドナー細胞に結合する。一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、バイオリアクターバッグに播種される前に、1つ以上の可溶性T細胞アクチベーターと共にインキュベートされる。一実施形態では、インキュベーションは、播種前に1つ以上の可溶性T細胞アクチベーターのアフェレーシスドナー細胞への結合を十分に飽和させることができるだけの時間である。一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、1つ以上のT細胞アクチベーターと共に少なくとも30分間以上インキュベートされる。一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、1つ以上のT細胞アクチベーターと共に少なくとも30分間~少なくとも2時間又はそれ以上インキュベートされる。関連する実施形態では、アフェレーシスドナー細胞は、1つ以上のT細胞アクチベーターと共に少なくとも1時間~少なくとも2時間インキュベートされる。一実施形態では、インキュベーションは、少なくとも30分である。一実施形態では、インキュベーションは、約1時間である。一実施形態では、インキュベーションは、約2時間である。
一実施形態では、アフェレーシスドナー細胞及び1つ以上の可溶性T細胞アクチベーターは、トランスファーバッグ中でインキュベートされる。細胞及び可溶性T細胞アクチベーターを懸濁し、有核細胞へのアクチベーターの結合を可能にするのに十分な、好ましくは細胞の総体積を保持するのに十分な最小量の培養培地が使用される。一実施形態では、トランスファーバッグ内の培養培地の容量は約5ml~約50mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約40mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約30mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約20mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約15mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約14mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約13mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約12mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約11mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約10mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約9mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約8mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約7mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml~約6mlである。本発明の一実施形態では、可溶性サイトカイン及び1つ以上のT細胞アクチベーターを含む培養培地の初期容量は、約5ml、約6ml、約7ml、約8ml、約9ml、約10ml、約15ml、約20ml、約30ml、約40ml又は約50mlである。
「形質導入」は、ウイルスベクターによって外来DNAを細胞に導入するプロセスを指す。Jones et al.,(1998).Genetics:principles and analysis.Boston:Jones&Bartlett Publを参照されたい。本明細書で使用される場合、「ベクター」は、T細胞などの宿主細胞の形質転換に有用であり、それに作動可能に連結された1つ又は複数の異種コード領域の発現を(細胞と協働して)誘導及び/又は制御する核酸配列を含む、ウイルスベクターなどの任意の分子又は実体を意味する。発現コンストラクトは、以下に限定されないが、転写、翻訳に影響するか、又はそれを制御し、イントロンが存在するのであれば、それに作動可能に連結されたコード領域のRNAスプライシングに影響する配列を含み得る。1つ又は複数のベクターは、その後、増幅及び/又はポリペプチド発現のために細胞に挿入される。選択された細胞への発現ベクターの形質転換は、ウイルス形質転換を介して達成され得る。ウイルス形質転換T細胞は、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むウイルスベクターで細胞を形質導入することによって得ることができる。ウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、マウス白血病ウイルスベクター、SFGベクター、アデノウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、ヘルペスウイルスベクター及びワクシニアウイルスベクターが挙げられる。
本発明は、クローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞を、2RPMの速度で連続的にロッキングしながら、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも1つのウイルスベクターで形質導入することを提供する。2RPMの連続ロッキング速度は、形質転換の成功に必要な十分な細胞間接触を可能にした。一実施形態では、培養物は、2°の角度、2RMPの速度でロッキングされる。
一実施形態では、ウイルスベクターは、レトロウイルスベクターである。レンチウイルスベクターなどのレトロウイルスベクターは、統合されたプロウイルスとして核内に留まり、細胞分裂で複製される。一実施形態では、ウイルスベクターは、レンチウイルスベクターである。
一実施形態では、細胞は、1つ以上の目的タンパク質をコードする1つ以上のポリヌクレオチド配列を含む1つ以上のウイルスベクターを使用して改変することができる。一実施形態では、目的タンパク質は、細胞表面受容体である。一実施形態では、細胞表面受容体は、キメラ抗原受容体又はT細胞受容体である。一実施形態では、細胞表面受容体は、標的細胞表面の抗原標的を認識する。
一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.25~10の感染多重度(MOI)で添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.25~5のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.25~2のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.25~1のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.25~0.5のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.5~10のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.5~5のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.5~2のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.5~1のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、1~10のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、1~5のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、1~2のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、2~10のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、2~5のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、5~10のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.25、0.5、1、2、5又は10のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、10のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、5のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、2のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、1のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.5のMOIで添加される。一実施形態では、レンチウイルスベクターは、0.25のMOIで添加される。
細胞は、所定の温度で形質導入することができる。一実施形態では、細胞は、34~39℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、34~35℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、35~37℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、35~36℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、36~37℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、34℃、35℃、36℃又は37℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、34℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、35℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、36℃で形質導入される。一実施形態では、細胞は、37℃で形質導入される。
細胞は、所定の時間に亘って形質導入することができる。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも24時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも24時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも20時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも18時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも16時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも14時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも24時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも20時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも18時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも16時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも24時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも20時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも18時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18時間~少なくとも24時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18~20時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも20時間~少なくとも24時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも13時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも15時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも17時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも19時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも20時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも21時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも22時間に亘って形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも23時間形質導入される。一実施形態では、細胞は、少なくとも24時間に亘って形質導入される。
本明細書に記載されるように、形質導入は、シングルユースバイオリアクターバッグを備えたロッキング式バイオリアクターを用いて、2RPMのロッキング速度、特に、2°の角度、2RPMのロッキング速度で行った。目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む1つ以上のウイルスベクターは、バッグがロッキングしている間に、バイオリアクターバッグ内の培養物に直接播種し得る。ロッキング式バイオリアクターで使用されるようなガス不透過性のバッグの使用は、形質導入中の使用には推奨されていない。「ロッキングモーションバイオリアクターに適合するように設計された使い捨てバイオリアクターなどの、ガス不透過性の容器は、ウイルスベクターを介した細胞の形質導入には理想的ではない。したがって、形質導入は、現在、静的細胞培養バッグ又は平面容器中で行われている」Farid and Jenkins,Bioprocesses for Cell Therapies,Chapter 44,Biopharmeceutical Processing:Development,Design and Implementation of Manufacturing Processes,Eds.Jagschies et al.,Elsevier,page914,2018を参照。
しかしながら、本明細書に記載されるように、静的ガス透過性容器中で形質導入された細胞と比較して、ロッキングモーションバイオリアクターの一部であるように設計された使い捨てバイオリアクターバッグ中で形質導入された細胞は、より高い形質導入効率を有し、分化が少なく、より多くのメモリー細胞様であり、静的ガス透過性バッグ又は静的G-Rex(登録商標)ガス透過性システムで形質導入された細胞よりも標的細胞を死滅させる効力はより大きかった。
一実施形態では、形質導入後、培養培地の半分をバイオリアクターバッグから取り出し、等量の新鮮な培養培地と交換し、2RPMの速度でロッキングする。一実施形態では、培養物は、2°の角度にて2RMPの速度でロッキングされる。
細胞は、所定の温度で培養することができる。一実施形態では、細胞は、34~39℃で培養される。一実施形態では、細胞は、34~35℃で培養される。一実施形態では、細胞は、35~37℃で培養される。一実施形態では、細胞は、35~36℃で培養される。一実施形態では、細胞は、36~37℃で培養される。一実施形態では、細胞は、34℃、35℃、36℃又は37℃で培養される。一実施形態では、細胞は、34℃で培養される。一実施形態では、細胞は、35℃で培養される。一実施形態では、細胞は、36℃で培養される。一実施形態では、細胞は、37℃で培養される。
細胞は、所定の時間にわたって培養することができる。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも16時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間~少なくとも14時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間~少なくとも16時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間~少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18~20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも20時間~少なくとも24時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも12時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも13時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも14時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも15時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも16時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも17時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも18時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも19時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも20時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも21時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも22時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも23時間培養される。一実施形態では、細胞は、少なくとも24時間培養される。
本発明は、約2RPMのロッキング速度でクローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞を増殖させるとともに、培養物を収穫まで維持するために必要に応じて培養容量及びロッキング速度を増加させることを提供する。T細胞は、生存するために細胞間接触を必要とする。2E6細胞/ml未満では、細胞間接触ができず、細胞ストレスが増加し、且つ/又はバイオリアクターの撹拌を克服し、増殖する能力が減少する可能性がある。4E6細胞/ml以上まで増大させることにより、培養体積を増加させることが可能になり、これはまた供給プロセスを単純化する。培養体積を段階的に増加させることにより、培養物を適時に1リットルまで増大させることが可能になり、ロッキング速度/角度は、体積の増加に対応し、システム内の溶存酸素量を安定させて細胞の増殖を促進する。活性化の間、T細胞は大量のグルコース及び乳酸を消費し、放出する。高レベルの乳酸は、T細胞の活性化及び増殖に有害であると思われる。その結果、細胞はあまり増殖していないため、活性化及び形質導入の初期段階では、細胞培地の交換は細胞密度に対応するパラメーターではない。活性化/形質導入の間、乳酸レベルは重要な培養パラメーターであり、培地の十分な代謝回転は、T細胞の活性化及び増殖にとって重要である。半連続培地交換は、培養培地中の代謝物レベルを制御するために使用される。
T細胞は、ロッキング式バイオリアクタープラットフォームにおいて培養された場合、静的ガス透過性容器システムにおけるよりも、より高い密度に達することができる。本明細書に記載の方法の最終収量は、1Lバイオリアクターにおいて、10~14日で、1500万~350億細胞であった。1人の患者を支持するのに1つのバイオリアクターで十分である。本発明の方法によって製造される1リットルで製造されるのと同じ100億個の改変T細胞を得るためには、約20個の透過性バッグ(250ml)又は4LのG-rex(登録商標)バイオリアクターが必要であろう。本発明の方法の細胞収率は、実際に使用されている他の一般的な方法の細胞収率よりも高い。
一実施形態では、細胞の増殖に伴い、培養培地の容量を、少なくとも2E6有核細胞/mlの細胞密度を維持するように徐々に増加させる。一実施形態では、細胞の増殖に伴い、バイオリアクター中の培養培地の容量を、少なくとも4E6有核細胞/mlの細胞密度を維持するように、増殖中に1リットルまで徐々に増加させる。一実施形態では、増殖中の細胞密度は、少なくとも2E6細胞/ml又はそれ以上である。一実施形態では、細胞密度は、約2E6細胞/ml~約3.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6細胞/ml~約3.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6細胞/ml~約3.25E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6細胞/ml~約3.00E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6細胞/ml~約2.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6細胞/ml~約2.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2E6細胞/ml~約2.25E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.25E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.25E6細胞/ml~約3.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.25E6細胞/ml~約3.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.25E6細胞/ml~約3.25E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.25E6細胞/ml~約3.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.25E6細胞/ml~約2.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.25E6細胞/ml~約2.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約3.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約3.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約3.25E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約3.00E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約2.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約2.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.50E6細胞/ml~約2.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.75E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.75E6細胞/ml~約3.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.75E6細胞/ml~約3.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.75E6細胞/ml~約3.25E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.75E6細胞/ml~約3.00E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.75E6細胞/ml~約2.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約2.75E6細胞/ml~約2.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.0E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.0E6細胞/ml~約3.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.0E6細胞/ml~約3.50E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.0E6細胞/ml~約3.25E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.25E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.25E6細胞/ml~約3.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.25E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.50E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.50E6細胞/ml~約3.75E6細胞/mlである。一実施形態では、細胞密度は、約3.75E6細胞/ml~約4.0E6細胞/mlである。
一実施形態では、増殖中、新鮮な培養培地を、フェドバッチ/潅流供給の組み合わせによって、及び/又は潅流によってバイオリアクターに添加される。一実施形態では、培養物が少なくとも1リットルの体積に達するまで、新鮮な培養培地がフェドバッチ/潅流によって添加され、その後、培養物が収穫されるまで潅流に切り替えられる。一実施形態では、培養物は、収穫まで、増殖期間を通して潅流される。一実施形態では、増殖中、灌流速度は、1日当たり少なくとも1バイオリアクターバッグ容量である。一実施形態では、潅流速度は、1日当たり1バイオリアクターバッグ容量未満である。一実施形態では、潅流速度は、1日当たり1バイオリアクターバッグ容量超である。
一実施形態では、バイオリアクター中の培養培地の容量を、増殖中、約2E6~約4E6有核細胞/mlの細胞密度を維持するために、1000mlまで徐々に増加させる。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも500mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも600mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも700mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも800mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも900mlから少なくとも1000mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも900mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも900mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlから少なくとも900mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも500mlから少なくとも900mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも600mlから少なくとも900mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも700mlから少なくとも900mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも800mlから少なくとも900mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも500mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも700mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも700mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも700mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも500mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも600mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも700mlから少なくとも800mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも700mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも700mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも700mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlから少なくとも700mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも500mlから少なくとも700mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも600mlから少なくとも700mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも600mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも600mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlから少なくとも600mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも500mlから少なくとも600mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも500mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも500mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlから少なくとも500mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlから少なくとも400mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlから少なくとも400mlに増加される。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200ml、250ml、300ml、350ml、400ml、450ml、少なくとも500ml、少なくとも550ml、少なくとも600ml、少なくとも650ml、少なくとも700ml、少なくとも750ml、少なくとも800ml、少なくとも850ml、少なくとも900ml、少なくとも950ml、少なくとも1000ml、又は1000ml超である。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも200mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも300mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも400mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも500mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも600mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも700mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも800mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも900mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、少なくとも1000mlである。一実施形態では、バイオリアクターの容量は、1000ml超である。
一実施形態では、培養物体積及び/又は細胞密度の増加に伴い、ロッキング速度は増加する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも2RMPから少なくとも3RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも2RMPから少なくとも4RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも2RMPから少なくとも5RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも2RMPから少なくとも6RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも3RMPから少なくとも4RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも3RMPから少なくとも5RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも3RMPから少なくとも6RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも4RMPから少なくとも5RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも4RMPから少なくとも6RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、少なくとも5RMPから少なくとも6RPMに増大する。一実施形態では、ロッキング速度は、2°の角度で少なくとも2RPMである。一実施形態では、ロッキング速度は、3°の角度で少なくとも3RPMである。一実施形態では、ロッキング速度は、4°の角度で少なくとも4RPMである。一実施形態では、ロッキング速度は、5°の角度で少なくとも5RPMである。一実施形態では、ロッキング速度は、6°の角度で少なくとも6RPMである。
一実施形態では、培養培地の容量が1000mlまで徐々に増加するにつれて、ロッキング速度は6RPMまで徐々に増大する。一実施形態では、膨張開始時のバイオリアクターバッグ内の培養培地の容量は、2°の角度、2rpmのロッキング速度で約300mlであり、1日当たり1バイオリアクターバッグ容量の潅流速度で維持される。一実施形態では、培養物の細胞密度が4E6有核細胞/mlに達すると、バイオリアクターバッグ内の培養培地の容量は、4°の角度、4rpmのロッキング速度、1日当たり1バイオリアクターバッグ容量の潅流速度で、600mlに増加する。関連する実施形態では、培養物の細胞密度が4E6有核細胞/mlに達すると、バイオリアクターバッグ内の培養培地の容量は、6°の角度、6rpmのロッキング速度、1日当たり1バイオリアクターバッグ容量の潅流速度で、1000mlに増加する。
一実施形態では、シングルユースバイオリアクターバッグ中の培養物は、約80~100%のO2に維持される。
一実施形態では、細胞を7~14日間増殖させる。一実施形態では、細胞を7~13日間増殖させる。一実施形態では、細胞を7~12日間増殖させる。一実施形態では、細胞を7~11日間増殖させる。一実施形態では、細胞を7~10日間増殖させる。一実施形態では、細胞を7~9日間増殖させる。一実施形態では、細胞を7~8日間増殖させる。一実施形態では、細胞を8~14日間増殖させる。一実施形態では、細胞を8~13日間増殖させる。一実施形態では、細胞を8~12日間増殖させる。一実施形態では、細胞を8~11日間増殖させる。一実施形態では、細胞を8~10日間増殖させる。一実施形態では、細胞を8~9日間増殖させる。一実施形態では、細胞を9~14日間増殖させる。一実施形態では、細胞を9~13日間増殖させる。一実施形態では、細胞を9~12日間増殖させる。一実施形態では、細胞を9~11日間増殖させる。一実施形態では、細胞を9~10日間増殖させる。一実施形態では、細胞を10~14日間増殖させる。一実施形態では、細胞を10~13日間増殖させる。一実施形態では、細胞を10~12日間増殖させる。一実施形態では、細胞を10~11日間増殖させる。一実施形態では、細胞を11~14日間増殖させる。一実施形態では、細胞を11~13日間増殖させる。一実施形態では、細胞を11~12日間増殖させる。一実施形態では、細胞を12~14日間増殖させる。一実施形態では、細胞を12~13日間増殖させる。一実施形態では、細胞を13~14日間増殖させる。一実施形態では、細胞を7、8、9、10、11、12、13、14日間又はそれ以上増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも7日間増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも8日間増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも9日間増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも10日間増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも11日間増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも12日間増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも13日間増殖させる。一実施形態では、細胞を少なくとも14日間増殖させる。
一実施形態では、細胞を34~39℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を34~35℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を35~37℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を35~36℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を36~37℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を34℃、35℃、36℃又は37℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を34℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を35℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を36℃で増殖させる。一実施形態では、細胞を37℃で増殖させる。
「改変T細胞」及び「遺伝子改変T細胞」は互換的に使用され、追加の遺伝物質、特に、細胞表面に発現する受容体などの目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドの導入によって改変されたT細胞を指す。細胞表面受容体の例としては、キメラ抗原受容体(CAR)及びT細胞受容体(TCR)が挙げられる。「単離された改変T細胞」及び「単離された遺伝子改変T細胞」という用語は、特に、遺伝子改変などの改変若しくは操作された、又は天然に通常見られないT細胞を指す。本明細書で使用される場合、T細胞又はTリンパ球は、身体の免疫応答に積極的に関与するリンパ球種を指す。
用語「ポリヌクレオチド」又は「核酸分子」は、全体を通して互換的に使用され、一本鎖及び二本鎖核酸の両方を含み、且つゲノムDNA、RNA、mRNA、cDNA、又は天然で通常見出される配列と関連しない合成起源若しくはそのいくつかの組み合わせを含む。「単離されたポリヌクレオチド」又は「単離された核酸分子」という用語は、特に、合成起源又は天然で通常見出されないものの配列を指す。特定の配列を含む単離された核酸分子は、その特定の配列に加えて、最大で10若しくは最大で20に及ぶ数の他のタンパク質若しくはその一部をコードする配列を含むか、又は記載の核酸配列のコード領域の発現を制御する、作動可能に連結された調節配列を含むか、且つ/又はベクター配列を含み得る。核酸分子を含むヌクレオチドは、リボヌクレオチド若しくはデオキシリボヌクレオチド又はヌクレオチドのいずれかの型の修飾形態であり得る。修飾には、ブロモウリジン及びイノシン誘導体などの塩基修飾、2’,3’-ジデオキシリボースなどのリボース修飾、並びにホスホロチオアート、ホスホロジチオアート、ホスホロセレノアート、ホスホロジセレノアート、ホスホロアニロチオアート、ホスホロアニラダート及びホスホロアミダートなどのヌクレオチド間結合の修飾が含まれる。
「ポリペプチド」又は「タンパク質」という用語は、全体を通して互換的に使用され、ペプチド結合によって互いに連結された2つ以上のアミノ酸残基を含む分子を指す。ポリペプチド及びタンパク質はまた、天然配列のアミノ酸残基からの1つ以上の欠失、挿入及び/又は置換を有する高分子、すなわち、天然に存在する非組換え細胞によって産生されるか、又は遺伝子操作された細胞若しくは組換え細胞によって産生され、天然タンパク質のアミノ酸配列のアミノ酸残基からの1つ以上の欠失、挿入、及び/若しくは置換を有する分子を含むポリペプチド若しくはタンパク質を含む。ポリペプチド及びタンパク質はまた、1つ以上のアミノ酸が対応する天然に存在するアミノ酸及びポリマーの化学的アナログであるアミノ酸ポリマーを含む。ポリペプチド及びタンパク質はまた、グリコシル化、脂質結合、硫酸化、グルタミン酸残基のガンマ-カルボキシル化、ヒドロキシル化、及びADP-リボシル化を含むが、これらに限定されない修飾を含む。目的のポリペプチド及びタンパク質は、科学的又は商業的に興味深いもの、例えば、細胞療法の成分として有用なものであり得る。目的のタンパク質には、とりわけ、膜結合タンパク質が含まれる。
本発明は、目的タンパク質を発現する改変T細胞を生成するための方法を提供する。一実施形態では、目的タンパク質は、細胞表面受容体である。細胞表面受容体は、T細胞受容体(TCR)、及びキメラ抗原受容体(CAR又はCAR-T細胞、TRUCK(ユニバーサルサイトカイン媒介性キリング(universal cytokine-mediated killing)用にT細胞をリダイレクトするキメラ抗原受容体)、及び武装した(armored)CAR(免疫抑制環境を調節するように設計))などの遺伝子改変受容体、並びにその標的抗原と相互作用する抗原結合分子を含む他のタンパク質である。これらの改変受容体は、T細胞の表面上に発現される。一実施形態では、細胞表面受容体は、T細胞受容体又はキメラ抗原受容体である。
TCRは、不変のCD3鎖分子と複合体化したα鎖及びβ鎖を含む膜固定ヘテロ二量体タンパク質複合体である。TCR α鎖及びβ鎖の可変ドメインはそれぞれ、MHC/HLA分子の溝によって提示される/その溝内に結合したタンパク質に由来するペプチドを認識する3つの相補性決定領域(CDR)と、鎖を連結するためにジスルフィド結合に関与する定常ドメインとを有する。CD3 zetaはシグナル伝達によってTリンパ球を活性化する。TCRは、癌細胞、炎症細胞、及び他の供給源由来の細胞などの多くの細胞の表面に提示される抗原を認識する可能性を有する。
CARは、細胞外ドメインを含み、典型的には、目的の抗原に結合する抗原結合タンパク質又はドメイン、ヒンジ領域、膜貫通ドメイン、及び細胞内(細胞質)ドメインを含む、改変された膜貫通タンパク質である。
細胞外ドメインは、合成の供給源又は天然の供給源、例えば、本明細書に記載のタンパク質に由来し得る。細胞外ドメインは、「スペーサー」領域と呼ばれることもあるヒンジ部分を含むことが多い。ヒンジは、本明細書に記載のタンパク質、特に本明細書に記載の共刺激タンパク質、及び免疫グロブリン(Ig)配列又は他の好適な分子から誘導され、標的細胞からの所望の特定の距離を達成し得る。
膜貫通ドメインは、CARの細胞外又は細胞内ドメインに融合され得る。膜貫通ドメインは、合成の供給源又は天然の供給源、例えば、本明細書に記載のタンパク質、特に本明細書に記載の共刺激タンパク質に由来し得る。
細胞内(細胞質)ドメインは、膜貫通ドメインに融合し、免疫細胞の正常なエフェクター機能の少なくとも1つの活性化を提供することができる。エフェクター機能には、サイトカインの分泌を含む細胞溶解活性又はヘルパー活性が含まれる。細胞内ドメインは、本明細書に記載のタンパク質から、特にCD3から誘導され得る。
CARは、抗原(細胞表面抗原など)に、その標的化抗原と相互作用する抗原結合分子を組み込むことによって結合するように改変することができる。CARは、典型的には、1つ以上の共刺激(「シグナル伝達」)ドメイン及び1つ以上の活性化ドメインと協力して抗原結合ドメイン(scFvなど)を取り込む。
一実施形態では、抗原結合分子は、その抗体フラグメントであり、より好ましくは1つ以上の単鎖抗体フラグメント(「scFv」)である。scFvは、他のCAR成分と共に単鎖の一部として発現されるように改変され得るため、CARでの使用に好適である。Krause et al.,J.Exp.Med.,188(4):619-626,1998;Finney et al.,Journal of Immunology,161:2791-2797,1998を参照されたい。
CARは、その効能を高めるために、1つ以上の共刺激(シグナル伝達)ドメインを組み込む。米国特許第7,741,465号明細書及び同第6,319,494号明細書、並びにKrause,et al.及びFinney,et al.(前述)、Song et al.,Blood 119:696-706(2012);Kalos et al.,Sci Transl.Med.3:95(2011);Porter et al.,N.Engl.J.Med.365:725-33(2011)及びGross et al.,Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.56:59-83(2016)を参照されたい。好適な共刺激ドメインは、供給源の中でもとりわけ、CD28、CD28T、OX40、4-1BB/CD137、CD2、CD3(アルファ、ベータ、デルタ、イプシロン、ガンマ、ゼータ)、CD4、CD5、CD7、CD8、CD9、CD16、CD22、CD27、CD30、CD 33、CD37、CD40、CD 45、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1、CDl la/CD18)、CD247、CD276(B7-H3)、LIGHT(腫瘍壊死因子スーパーファミリーメンバー14;TNFSF14)、NKG2C、Igアルファ(CD79a)、DAP-10、Fcガンマ受容体、MHCクラスI分子、TNF、TNFr、インテグリン、シグナル伝達リンパ球活性化分子、BTLA、Tollリガンド受容体、ICAM-1、CDS、GITR、BAFFR、LIGHT、HVEM(LIGHTR)、KIRDS2、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL-2Rベータ、IL-2Rガンマ、IL-7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CDl-ld、ITGAE、CD103、ITGAL、CDl-la、LFA-1、ITGAM、CDl-lb、ITGAX、CDl-lc、ITGBl、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRT AM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Lyl08)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、41-BB、GADS、SLP-76、PAG/Cbp、CD19a、CD83リガンド又はこれらの断片若しくは組み合わせから誘導され得る。共刺激ドメインは、1つ以上の細胞外部分、膜貫通部分及び細胞内部分を含み得る。
CARにはまた、1つ以上の活性化ドメインが含まれる。CD3 zetaは、天然T細胞上のT細胞受容体の一エレメントであり、CARにおいて重要な細胞内活性化エレメントであることが示されている。
細胞表面分子は、従来のCARで標的化することができる。細胞内分子は、MHC/HLA分子の溝によって提示されるか、又は溝内に結合されたタンパク質に由来するペプチドを認識するTCRで標的とすることができる。そのような標的としては、アルファ葉酸受容体、5T4、AFP、ADAM17、17-A、ART-4、αvβ6インテグリン、BAGE、Bcr-abl、BCMA、B7-H3、B7-H6、CAIX、CAMEL、CAP-1、カルボニックアンヒドラーゼIX、CASP-8、CDC27m、CD19、CD20、CD22、CD30、CD33、CD44、CD44v6、CD44v7/8、CD70(CD27L又はTNFSF7)、CD79a、CD79b、CD123、CD138、CD171、CDK4/m、カドヘリン19(CDH19)、胎盤型カドヘリン(CDH3)、CEA、CLL-1、CSPG4、CT、Cyp-B、DAM、DDL3、EBV、EGFR、EGFRvIII、EGP2、EGP40、ELF2M、ErbB2(HER2)、EPCAM、EphA2、EpCAM、ETV6-AML1、FAP、胎児型AchR、FLT3、FRα、G250、GAGE、GD2、GD3、グリピカン-3(GPC3)、GNT-V、GP-100、HAGE、HBV、HCV、HER-2/neu、HLA-A、HPV、HSP70、HST-2、hTERT、iCE、IgE、IL-11Rα、IL-13Rα2、カッパ、KIAA0205、LAGE、ラムダ、LDLR/FUT、ルイス-Y、MAGE、MAGE1、MAGEB2、MART-1/Melan-A、MC1R、MCSP、MUM-1、MUM-2、MUM-3、メソテリン(MSLN)、Muc1、Muc16、ミオシン/m、NA88-A、NCAM、NKG2Dリガンド、NY-ESO-1、P15、p190マイナーbcr-abl、PML/RARa、PRAME、PSA、PSCA、PSMA、RAGE、ROR1、RU1、RU2、SAGE、SART、SSX-1、SSX-2、SSX-3、スルビビン、TAA、TAG72、TEL/AML1、TEMs、TPI、TRP-1、TRP-2、TRP-2/INT2、VEGFR2及びWT1が挙げられる。Loeffler et al.,Blood 85(6):2098-2103,15 March 2000;Wolf et al.,Drug Discovery Today10(8):1237-1244,September 2005;Baeuerle&Reinhardt,Cancer Res 69(12):4941-4944,June 15,2009;Baeuerle et al.,Curr.Opin,Mol.Ther.11:22-30,2009;Nagorsen&Baeuele,Exp Cell Res 317:1255-1260,2011;Nagorsen et al.,Pharmacology&Therapeutics 136:334-342,2012;Huehls et al.,Immunology and Cell Biology 93:290-296,2015;及びStieglmaier et al.,Expert Opin Biol Ther15(8):1093-1099,2015もまた参照されたい。
本方法は、CD19 CARを発現するT細胞、例えば、(Kymriah(商標))及び(Yescarta(登録商標))を生成するために使用することができる。
一実施形態では、細胞表面受容体は、細胞表面分子又は分子間分子などの標的細胞に関連する抗原標的を認識する。標的細胞は、目的の遺伝子によって認識される抗原を提示する任意の細胞である。一実施形態では、標的細胞は、癌細胞である。癌細胞は、癌に関連する細胞、例えば、転移性腫瘍、固形腫瘍、血液癌、脳腫瘍、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌、脾臓癌、胃癌、甲状腺癌に関連する細胞である。
高い形質導入効率は、より少量でより有効な用量を患者に送達することを可能にする。目的の遺伝子で形質導入されたT細胞の生成が少ない場合、患者への投与に利用可能な遺伝子改変T細胞が少なくなり、その結果、効果の少ない用量となる。本明細書に記載の方法は、より低いレンチウイルスベクターMOIで高い形質導入率(CD8 T細胞で40%を超える高い導入遺伝子の発現)を達成する。目的のタンパク質を発現するより多くのT細胞を作製するために必要とされるレンチウイルスベクターはより少なくてすみ、本方法はより効率的であり、費用対効果も高い。本発明は、目的のタンパク質を発現する遺伝子改変自己T細胞における導入遺伝子発現を増加させる方法であって、培養培地を含有するクローズドシングルユースバイオリアクターバッグに、アフェレーシスドナー細胞及び1つ以上の可溶性T細胞アクチベーターを播種する工程(ここで、少なくとも1つの可溶性T細胞アクチベーターは、播種時に少なくとも1つのドナー細胞に結合しており、且つバイオリアクターバッグは、ロッキング式バイオリアクタープラットフォームの一部である)、約2RPMの速度で連続的にロッキングしながら、クローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中で細胞を培養する工程、約2RPMの速度で連続的にロッキングしながら、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの可溶性ウイルスベクターでクローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞に形質導入する工程、並びに約2RPMのロッキング速度でクローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞を増殖させるとともに、培養物を収穫まで維持するために必要に応じて培養容量及びロッキング速度を増加させる工程を含み、導入遺伝子の発現は、同じアフェレーシスドナー細胞からのT細胞の濃縮集団に由来し、同じ目的タンパク質を発現する遺伝子改変自己T細胞の導入遺伝子の発現より大きい、方法を提供する。
遺伝子改変T細胞は、細胞密度が所望の若しくは所定の状態に達したとき、又は所定の若しくは所望の時点で、収穫することによって回収される。遺伝子改変T細胞は、重力又は遠心分離を使用する分離などの当該技術分野で知られた方法を使用して、バイオリアクターから回収され得る。細胞はまた、血液分離システムを含む半自動及び完全自動の細胞分離システムを使用して回収され得る。このようなシステムは市販されており、Sepax(登録商標)2及びSefia(商標)S-2000細胞プロセシングシステム(GE Healthcare)、Cobe 2991細胞プロセッサ(Terumo BCT、Lakewood、CO、CellSaver 5(Haemonetics、Boston、MA)などが挙げられる。回収された細胞は、一般的には、洗浄され、患者への投与及び凍結保存に適した製剤に濃縮される。
本明細書に記載の方法では、90%を超える生存率を有する100億を超える収量が、10日間のプロセスで見られる。細胞増殖をさらに数日間延長した後は、200億を超える収量が見られた。
試料は、品質管理試験のために、増殖中及び/又は収穫時に採取することができる。そのようなQC試験には、フローサイトメトリーを使用して細胞表面のTCR%を決定すること、及び組み込みを測定するためにqPCRを使用してベクターコピー数を決定することなどの、遺伝子改変T細胞の形質導入効率を定量するものが含まれ得る。生存率は、患者に送達するために製品を放出する前にも試験することができる。
回収された遺伝子改変T細胞を、ヒト対象において使用するための貯蔵及び/又は調製のために凍結保存するのに、当該技術分野で知られる標準的な手順を使用することができる。一実施形態では、回収された細胞は、1%HSAを補充した生理食塩水中、2E8細胞/mlで溶出され、さらに、5%ヒト血清アルブミンを補充したHyclone凍結保存培地(GE Healthcare)を用いて1:1の比率で製剤化された。
製剤化された改変T細胞の画分、及び本方法において使用されなかったアフェレーシス細胞は、患者の将来の治療に向けてそのような細胞の永続的な供給源を提供するために、当該技術分野で知られる方法によって凍結保存することができる。
治療で必要になった場合、凍結保存された遺伝子改変T細胞は解凍され、治療有効量で注入によりドナーへ投与するために、生理食塩水緩衝液又は他の好適な媒体で希釈される。好適な注入媒体は、任意の等張媒体配合物、一般的には、生理食塩水、Normosol(商標)R(Abbott)又はPlasma-Lyte(商標)A(Baxter)であり得るが、5%デキストロース水溶液又は乳酸リンゲル液を利用することもできる。注入媒体にヒト血清アルブミンを補充し得る。体積は一般的には可能な限り最小限に保たれ、薬学的に許容される用量は細胞の数及び生存率、治療すべき症状、及び患者に基づく。治療用量は、他の要因の中でもとりわけ、患者の状態及び必要性にも依るが、一般的には、数百万~数十億細胞である。例示的な用量は、約100E6細胞/mlで≦100mlであり得る。
本発明は、目的のタンパク質を発現する遺伝子改変自己T細胞で患者を治療する方法であって、患者由来のアフェレーシス細胞を、抗CD3抗体、抗CD2抗体及び抗CD28抗体、又はその結合フラグメントからなる群から選択される1つ以上のT細胞アクチベーターと共にインキュベートして、抗体結合を飽和させる工程、培養培地を含有するクローズドシングルユースバイオリアクターバッグに、アフェレーシス細胞を播種する工程(ここで、バイオリアクターバッグは、ロッキング式バイオリアクタープラットフォームの一部である)、約2RPMの速度で連続的にロッキングしながら、クローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中で細胞を培養する工程、約2RPMの速度で連続的にロッキングしながら、目的タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む少なくとも1つの可溶性ウイルスベクターでクローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞に形質導入する工程、約2RPMのロッキング速度でクローズドシングルユースバイオリアクターバッグ中の細胞を増殖させるとともに、培養物を収穫まで所望の細胞密度に維持するために必要に応じて培養容量及びロッキング速度を増加させる工程、凍結保存のために、細胞を収穫し製剤化する工程、細胞を凍結し、患者に投与するために必要とされるまで保存する工程、細胞を解凍し、注入に好適な培地に再懸濁する工程、並びに目的のタンパク質を発現する薬学的に有効な量の遺伝子改変自己T細胞を患者に再導入する工程を含む方法を提供する。
製剤化された改変T細胞は、単独で、或いは希釈剤及び/又はIL-2若しくは他のサイトカイン若しくは細胞集団などの他の成分と組み合わせた医薬組成物として投与され得る。
状態、症状、疾患、障害などを治療するために改変T細胞を使用するための方法が提供される。T細胞は、細胞表面受容体などの目的の遺伝子を発現し、病態、症状、疾患、障害などに関連する標的細胞に関連する抗原標的を認識する。このような病態、疾患又は障害には、癌、腫瘍、固形腫瘍、血液学的疾患、白血病、リンパ腫、ウイルス感染、炎症性疾患若しくは障害、及び/又は自己免疫疾患若しくは障害が含まれる。本発明の一実施形態では、遺伝子改変T細胞が対象における症状を治療するために使用される。本発明の一実施形態では、遺伝子改変T細胞は、癌患者を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、本発明は、目的のタンパク質を発現する改変自己T細胞の有効量をドナーに投与することを含む、ドナーにおけるT細胞媒介性免疫応答の作製を提供する。いくつかの実施形態では、T細胞媒介性免疫応答は、1個又は複数の標的細胞に向けられる。いくつかの実施形態では、改変自己T細胞は、1つ又は複数のキメラ抗原受容体、T細胞受容体及び/又は他の目的のタンパク質を発現する遺伝子構築物を含む。いくつかの実施形態では、標的細胞は、腫瘍細胞である。いくつかの実施形態では、本発明は、症状を治療又は予防するための方法を含み、前記方法は、それを必要とする対象に、本明細書に記載の方法によって作製された遺伝子改変自己T細胞の有効量を投与することを含む。いくつかの態様では、本発明は、炎症及び/又は自己免疫障害を治療又は予防するための方法を含む。
本願で使用する用語法は、当該技術分野内で標準的であるが、特定の用語の定義は、特許請求の範囲の意味に対して明快さ及び明確さを保証するために本明細書において提供される。単位、接頭辞及び記号は、それらのSIで認められた形式で示され得る。本明細書に記載の数値範囲は、範囲を定義する数を含み、定義された範囲内の各整数を含み、それを支持する。別段の記載がない限り、本明細書に記載の方法及び手法は、一般に、当該技術分野においてよく知られる従来の方法に従って実施され、こうした方法及び手法は、本明細書を通して引用され且つ論じられる様々な一般の参考文献及び特定性の高い参考文献に記載されるものである。特許、特許出願、論文、書籍及び学術論文が挙げられるが、これらに限定されない、本願で引用される全ての文献又は文献の一部は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
本発明は、本発明の個々の態様の単一の説明として意図されている本明細書に記載される特定の実施形態によって範囲が限定されるものではなく、機能的に同等の方法及び構成要素は、本発明の範囲内である。実際に、本明細書中に示され、記載されるものに加えて本発明の様々な変更形態は、上記及び添付の図面から当業者に明らかになるであろう。そのような変更形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。本発明の一態様又は実施形態に記載されているものは、本発明の他の態様及び/又は実施形態と組み合わせることができる。
実施例1 3つのプロセスの比較研究
1:Xuri W25細胞培養システムにおいて活性化から増殖まで行う閉鎖系連続自己T細胞バイオプロセシング法を用いて生成された自己T細胞。「Xuri W25バイオリアクター」。
2:G-Rex(登録商標)6及び24ウェルプレートにおいて活性化から増殖まで行うバイオプロセシングシステム。「G-Rex」。
3:活性化及び形質導入をガス透過性バッグで行った後、Xuri W25細胞培養システムでT細胞の増殖を行うハイブリッドバイオプロセシングシステム。「透過性バッグ」。
さらに、IL2(培地1)又はTWS119+IL7+IL21(培地2)を補充した2つの異なる培養培地もまた、閉鎖系連続自己T細胞バイオプロセシングシステム及びG-Rex(登録商標)プレートを用いて比較した。
T細胞の生成を、その純度、表現型及びインビトロ特性について評価した。
0日目に、正常な末梢血から採取された300mlの新鮮な白血球アフェレーシス生成物を含有する新鮮なLeukopack(登録商標)(Hemacare、Northridge、CA)を、CD-600.1 Sepax細胞分離キット(GE)に無菌接続し、Culture Wash-Proプログラムの下で処理した。Leukopack(登録商標)は、白血球、赤血球及び血小板を含有した。細胞を1L ClinMACS PBS/EDTA、5mlヒト血清アルブミン(Miltenyi Biotec、San Diego、CA)中で洗浄し、CS-600.1キット(GE Healthcare)を備えたSepax CPro細胞分離システムを製造業者の取扱説明書に従って使用して、血漿及びアフェレーシス緩衝液を除去した。Leukopack(登録商標)に添付されたドナー情報シートに示された初期白血球(WBC)数に基づいて、細胞を、約50mlのOpTimizer完全培地を用いて150E6WBC/mlの細胞密度で溶出した。
洗浄した白血球アフェレーシス採取試料中の有核細胞を、NC-200(商標)自動細胞計数器(ChemMetec、Denmark)を用いて計数し、続いて、洗浄した細胞の総生細胞数、生存率及び免疫表現型解析を行った。
1)Xuri W25細胞培養システムを使用する閉鎖系連続自己T細胞バイオプロセス。「Xuri W25バイオリアクター」
次いで、1.2E9有核細胞を含む洗浄したアフェレーシスドナー細胞の一部を、同じCD-600.1キットを備えたSepax C-Proプロセシングシステムを用いて、Diluteプログラムの下で、2つのトランスファーバッグ(Charter Medicine、Winston-Salem、NC)に移した。1つのバッグに、約8mlの培地1:(300IU/mLのrhIL2を含むOpTmizer完全培地(ThermoFisher))を加えた。第2のバッグに、約8mlの培地2:(5μMのTWS119(Cayman Chemical、Ann Arbor、MI)、20ng/mlのIL7(Stemcell Technologies、Cambridge、MA)及び20ng/mlのIL-21(Stemcell Technologies)を含有するOpTmizer完全培地)を加えた。各バッグを7.5mlのImmunoCult(商標)ヒトCD3/CD28/CD2(25μl/mlの細胞、Stemcell Technologies)と共に室温で1時間インキュベートして、抗体結合を飽和させた。添加したImmunocultの濃度は、以下の工程で記載するように、300mlの最終活性化培養容量で決定した。OpTmizer完全培地:OpTimizer T細胞増殖培地(ThermoFisher、Waltham、MA)、2.5% 免疫細胞SRサプリメント(ThermoFisher)、2.6% CTS T細胞サプリメント(ThermoFisher)、1% GlutaMax(ThermoFisher)、0.1% Pluronic F68、及び300IU/ml IL2。
2L Xuri SP Perf Cellbagバイオリアクター(GE Healthcare)をXuri細胞培養システムW25に接続し、300mlの培地1を加え、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、及び6°の角度で6rpmのロッキング速度で平衡化させた。第2の2L Xuri SP Perf CellbagバイオリアクターもXuri細胞培養システムW25に接続し、300ml培地2を同様に平衡化した。
培地1及び培地2中の細胞を含むトランスファーバッグをXuri Cellbagフィードラインに無菌接続し、内容物を重力によってバッグ中に移送した。次いで、細胞を、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、2°の角度で2rpmのロッキング速度で一晩培養して、T細胞を活性化した。
1日目に、各バッグ中の有核細胞を計数した。1機能性タイターのMOIに対応するレンチウイルスベクター(TCRをコードするポリヌクレオチドを含む)の量を、10mlの培地1又は培地2で希釈し、トランスファーバッグに入れた。トランスファーバッグをXuri Cellbagフィードラインに無菌接続し、レンチウイルスを重力流によってバイオリアクターのそれぞれに移送した。細胞を、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、及び2°角度で2rpmのロッキング速度で20~24時間インキュベートした。
2日目に、各バイオリアクターバッグ中の培養培地の約半分の量を、フィードライン及び廃棄ラインによって3回の50mlバッグ洗浄を用いて交換した。細胞を毎日計数し、生細胞密度(VCD)及び生存率をNC200(商標)自動細胞計数器(ChemMetec)を用いて測定し、溶存酸素及び代謝産物もまた測定した。細胞表現型を、試験した全ての試料について決定した。バッグを、2°角度で2rpm、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量で24時間、ロッキングバイオリアクター上に維持した。
3~7日目に、IL-2(培地1)又はTWS119/IL17/IL21(培地2)を含有する追加のOpTimizer完全培地を、2E6細胞/mlを上回る細胞密度を維持するために、フェドバッチ/潅流供給によって両方の培養物に1Lの最終容量まで添加した。細胞密度を所望のレベルに維持するために、体積の増加に伴い、ロッキング速度及び角度を、4°の角度で4RPMまで増加した。
総生細胞密度、生存率、グルコース及び乳酸塩の測定を毎日行った。表現型解析は、3、5及び7日目に行った。
7~10日目に、両方の培養物を、1バッグ容量/日の速度の潅流供給に切り替えた。ここで、両方のバイオリアクターバッグに培地1を供給した。細胞密度の増加に伴い、溶存O2レベルはフィードバック制御によって80%に維持した。
総生細胞密度、生存率、グルコース及び乳酸塩の測定を毎日行った。表現型解析は10日目に行った。
細胞を10日目に回収した。Xuri SP Perバイオリアクターバッグを、FlexCellプログラム及びCT-800.1細胞プロセシングキット(GE Healthcare)を使用して、Selfia5200細胞プロセシングシステムに無菌接続した。T細胞を75ml/分の流量で約20mlに濃縮した。1vol%のヒト血清アルブミン(HSA)を補充した0.9%の生理食塩水(Baxter、Deerfield、Ill)を用いて、1回の洗浄サイクルを行った。洗浄は380×gで5分間行った。
細胞を、5%HSAを補充した等容量の生理食塩水+1%HSA+HyClone(商標)凍結保存用培地(GE Healthcare)中に再構成し、コントロールレートフリーザーVia Freeze(GE Healthcare)を用いて-80℃まで凍結させ、液体窒素中で保存することによって凍結保存した。
2.G-rexプレート「G-rex」。
培地1及び培地2を用い、製造業者のプロトコールに従って、24ウェル又は6ウェルG-Rex(登録商標)(WilsonWolf、New Brighton、MN)プレートで細胞を培養した。1E6細胞/ウェルをG-Rex(登録商標)プレートに播種し、0日目にImmunoCult(商標)ヒトCD3/CD28/CD2(25ug/ml細胞を含む培地)で活性化した。活性化の約24時間後、細胞を1E6細胞/ウェル(濃度2E6細胞/mL)で播種し、1機能性タイターのMOIに対応する量の同じレンチウイルスベクター(TCRをコードするポリヌクレオチドを含む)を各ウェルに加えた。2日目に、培地1及び培地2をウェルの全容量(合計6mL)まで加えてウイルスを希釈した。2~3日毎に培地を交換し、細胞に栄養を与えた。
細胞を毎日計数し、生細胞密度(VCD)及び生存率をNC200(商標)自動細胞計数器(ChemMetec)を用いて測定し、溶存酸素及び代謝産物もまた測定した。細胞表現型を、試験した全ての試料について決定した。
3.活性化及び形質導入をガス透過性バッグで行った後、Xuri W25細胞培養システムでT細胞の増殖を行うハイブリッドバイオプロセシングシステム。「潅流バッグ」。
500E6有核細胞を含む洗浄済みのアフェレーシスドナー細胞を、6mlのImmunoCult(商標)ヒトCD3/CD28/CD2と共にガス透過性バッグ(OriGen、Austin、TX)に移し、37℃、5%CO2で24時間インキュベートした。
有核細胞を計数した。1機能性タイターのMOIに対応する量の同じレンチウイルスベクター(aTCRをコードするポリヌクレオチドを含む)を、シリンジを使用してバッグに直接加え、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。
その後、翌日に、細胞を2つのガス透過性バッグに分け、合計10億個の有核細胞まで、37℃、5%CO2でバッグ中でインキュベートした。
次いで、細胞を、300IU/mlのIL2を含有する300mlのOpTimizer完全培地を含有するXuri W25細胞培養システム(GE Healthcare)上の2L Xuri SP Perf Cellbagバイオリアクターバッグに播種し、6°の角度で6rpmの速度でロッキングした。バイオリアクターを、播種の24時間後に1Lの容量までスケールアップした。新鮮な培地を500ml/日で1日間潅流した後、回収まで1L/日とした。
細胞を毎日計数し、生細胞密度(VCD)及び生存率をNC200(商標)自動細胞計数器(ChemMetec)を用いて測定し、溶存酸素及び代謝産物もまた測定した。細胞表現型を、試験した全ての試料について決定した。
細胞を回収し、濃縮し、さらに、5%HSAを補充したHyClone(商標)凍結保存用培地(GE Healthcare)を用いて1:1の比率で製剤化し、Via Freeze(GE Healthcare)を用いて-100℃まで凍結させ、液体窒素中で保存することによって凍結保存した。回収時の生存率及び回収率を測定した。
結果
図1は、条件1のXuri W25バイオリアクターを使用する閉鎖系連続自己T細胞バイオプロセスの下で生成されたT細胞の、回収時の増殖曲線及びTCR発現を示す。図1Aは、IL2のみ、又はIL7、IL21及びTWS119のカクテルを補充した培地を含むXuri W25バイオリアクターにおける細胞増殖の増殖曲線を示す。IL2を含む培地は10日間で160億個のT細胞を生じ、IL7、IL21及びTWS119を含む培地は10日間で120億個のT細胞を生じた。図1Bは、IL2のみ、又はIL7、IL21及びTWS119のカクテルを補充した培地を含むXuri W25バイオリアクターにおいて増殖した細胞の生存率を示す。細胞生存率は、増殖を通して90%を超え、異なる培地条件間で細胞生存率の差異は観察されなかった。
図2は、異なる条件下でのT細胞導入遺伝子発現を示す。活性化の1日後に、全ての細胞に同じレンチウイルスベクターをMOI=1で形質導入した。導入遺伝子は、透過性バッグ(ハイブリッド条件3)又はG-Rexシステム(条件2)で形質導入された細胞と比較して、Xuri W25バイオリアクターで形質導入された細胞においてより高度に発現した。
図3は、異なる試験条件から回収したT細胞における白血球サブセットを示す。ヒトB細胞(CD19)、単球(CD14)、NK細胞(CD56/16)、NKT細胞(CD3+Cd56+)及びT細胞(CD3+Cd56-)の分析は、免疫表現型解析によって行った。T細胞純度は全ての条件で98%を超え、異なる条件間で非T細胞サブセットの割合に有意差は見られなかった。
図4は、異なる条件下での5日目(A)及び10日目(B)のT細胞サブセットの割合を示す。Tscm、Tcm、Tem及びTteサブセットを、CD45RA、CD45RO、CD95及びCCR7の発現に基づく免疫表現型解析によって分析した。5日目では、Xuri W25バイオリアクター中で生成されたT細胞は、G-Rexシステム又は透過性バッグ中で生成されたT細胞よりも、Tscm及びTcmの割合が高く、10日目では、Tcmの割合が、G-Rexシステムで生成されたT細胞よりも高く、表現型の分化が少ないことを示した。
図5は、標的細胞の溶解(A)、標的細胞に応答したIFN-ガンマの放出(B)、及び標的細胞に応答したTNF-アルファの放出(C)の能力によって特徴付けられる改変T細胞の細胞傷害性機能を示す。簡潔に記すと、回収されたT細胞及びペプチドパルスT2細胞を、1:1の比で共培養した。T2細胞をルシフェラーゼ処理し、Steady-Glo(登録商標)ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega、Madison、WI)を用いて発光を測定した。発光の減少を用いて、改変T細胞の細胞傷害性の指標としてT2細胞の細胞死を定量した。図に示すように、2つの培地条件(IL2、又はIL7、IL21、TWS119)下でXuri W25バイオリアクターにおいて生成された改変T細胞はいずれも、静的透過性バッグ及び静的G-Rexシステムで生成された改変T細胞よりも、標的細胞を死滅させる能力(A)が高く、これはおそらくIFN-ガンマ(B)及びTNF-アルファ(C)の放出がより強いためであろう。
図6は、1:1のエフェクター対標的(E:T)比でインビトロにおいて標的細胞と共培養した後のアネキシンのレベル(A)及び疲弊マーカーTim3の発現(B)によって特徴付けられる、改変T細胞の標的細胞チャレンジに対する耐性を示す。アポトーシス細胞におけるホスファチジルセリンの外在化を、紫色蛍光Pacific Blue(商標)色素にコンジュゲートした組換えアネキシンVを用いて検出した。エフェクター表現型を有するT細胞は標的細胞チャレンジによる活性化を受けやすく、活性化後にアポトーシスになるので、アネキシンのレベルが低いことはより多くのメモリーサブセットを有するT細胞を示すはずである。図に示されるように、Xuri W25バイオリアクターで生成された改変T細胞は、標的細胞チャレンジに応答したアネキシンレベルが、G-Rexシステム又は透過性バッグからの細胞よりも低いく、したがって、より多くのメモリー表現型様である(A)。さらに、Xuri W25バイオリアクター及び透過性バッグで生成された改変T細胞は、G-Rexシステムからの細胞と比較して、疲弊マーカーTim3の発現が低かった(B)。
自己レンチウイルス操作T細胞を生成する能力を、閉鎖系連続自己T細胞バイオプロセシング法と、静的G-Rex及びハイブリッドガス透過性バッグ/Xuriシステムとで比較した。閉鎖系連続法は、静的G-Rexシステム又は静的ガス透過性バッグで形質導入されたT細胞と比較した場合、より高い導入遺伝子発現、より高いレベルのサイトカイン分泌、及びより多くのメモリー様表現型を有するT細胞を生成した。
実施例2 培養培地への解糖阻害剤の添加
0日目に、正常な末梢血から採取された300mlの新鮮な白血球アフェレーシス生成物を含有する新鮮なLeukopack(登録商標)(Hemacare、Northridge、CA)を、CD-600.1 Sepax細胞分離キット(GE Healthcare)に無菌接続し、Culture Wash-Proプログラムの下で処理した。Leukopack(登録商標)は、白血球、赤血球及び血小板を含んだ。細胞を1L ClinMACS PBS/EDTA、5mlヒト血清アルブミン(Miltenyi Biotec)中で洗浄し、CS-600.1キット(GE Healthcare)を備えたSepax CPro細胞分離システムを製造業者の取扱説明書に従って使用して、血漿及びアフェレーシス緩衝液を除去した。細胞を洗浄し、実施例1で上述したように計数した。
1.2E9有核細胞を含む洗浄済みのアフェレーシスドナー細胞の一部を、同じCS-600.1キット(新しいキットは使用しなかった)を有するSepax C-Proプロセシングシステムを使用して、Diluteプログラムの下で2つのトランスファーバッグに移した。1つのバッグに、約8mlの培地1(300IU/mlのrhIL2及び2mMの2-デオキシ-D-グルコース(2-DG)(MilliporeSigma、Burlington、MA)を含有するOpTmizer完全培地(ThermoFisher))を加えた。第2のバッグに、約8mlの培地2(300IU/mlのrhIL2を含有するOpTmizer完全培地(ThermoFisher))を加えた。それぞれに、7.5mlのImmunocult抗CD3/CD28/CD12(25μl/ml細胞を含む培地、Stemcell Technologies)を添加した。アクチベーターの量は、以下の培養/活性化工程で使用した300mlの培養容量に基づいて決定した。バッグを室温で1時間インキュベートして、抗体結合を飽和させた。
2L Xuri SP Perf Cellbagバイオリアクター(GE Healthcare)をXuri細胞培養システムW25に接続し、300mlの培地1を加え、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、及び6°の角度で6rpmのロッキング速度で平衡化させた。第2の2L Xuri SP Perf CellbagバイオリアクターもXuri細胞培養システムW25に接続し、300ml培地2を同様に平衡化した。
培地1及び培地2中の細胞を含むトランスファーバッグをXuri Cellbagフィードラインに無菌接続し、内容物を重力によってバッグ中に移送した。次いで、細胞を、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、2°の角度で2rpmのロッキング速度で一晩インキュベートした。
1日目に、各バッグ中の有核細胞を計数し、1機能性タイターのMOIに対応するレンチウイルスベクター(TCRをコードするポリヌクレオチドを含む)の量を、10mlの培地1又は培地2で希釈し、トランスファーバッグに入れた。トランスファーバッグをXuri Cellbagフィードラインに無菌接続し、次いで、レンチウイルスを重力流によってバイオリアクターのそれぞれに移送した。細胞を、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、及び2°角度で2rpmのロッキング速度で20~24時間インキュベートした。
2日目に、各バイオリアクターバッグ中の培養培地の約半分の量を、フィードライン及び廃棄ラインによって3回の50mlバッグ洗浄を用いて交換した。細胞数を毎日測定し、生細胞密度(VCD)、生存率、溶存酸素、代謝産物を上記のように測定した。細胞表現型を、試験した全ての試料について決定した。バッグを、2°角度で2rpm、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量で24時間、ロッキングバイオリアクター上に維持した。
3~9日目に、IL-2/2-DG(培地1)及びIL2(培地2)のいずれかを含有する追加のOpTimizer完全培地を、2E6細胞/mlを上回る細胞密度を維持するために、フェドバッチ/潅流供給によって1Lまで添加した。バイオリアクターにおいて十分な物質移動を維持するために、培養容量の増加に伴い、ロッキング速度及び角度を、4°の角度で4RPMまで増加した。培養容量が1Lに達したとき、2-DGを含有する培地1を、IL2のみを含有するOpTimizer完全培地(培地2)で潅流した。別の実験において、2-DGを含有するOpTimizer完全培地を、回収まで維持した。
総生細胞密度、生存率、グルコース及び乳酸塩の測定を毎日行った。表現型解析は、3、5及び7日目に行った。
9~14日目に、両方の培養物を、1L/日の潅流供給に切り替え、ロッキングを6°の角度で6RPMに設定した。
総生細胞密度、生存率、グルコース及び乳酸塩の測定を毎日行った。表現型解析は9日目及び14日目に行った。
細胞を14日目に回収した。Xuri SP Perバイオリアクターバッグを、FlexCellプログラム及びCT-800.1細胞プロセシングキット(GE Healthcare)を使用して、Selfia5200細胞プロセシングシステムに無菌接続した。T細胞を75ml/分の流量で約20mlに濃縮した。1vol%のヒト血清アルブミン(HSA)を補充した0.9%の生理食塩水(Baxter、Deerfield、Ill)を用いて、1回の洗浄サイクルを行った。洗浄は380×gで5分間行った。
生存率及び回収率を測定した。細胞を濃縮し、5%ヒト血清アルブミンを補充したHycloneを用いて1:1の比率でさらに製剤化し、ViaFreeze(GE Healthcare)を用いて-80℃まで凍結させ、液体窒素中で保存することによって凍結保存した
結果
抗原刺激の間、T細胞は解糖代謝に移行して、エフェクター機能を維持する。しかし、インビトロ増殖中のT細胞分化におけるグルコース代謝の役割は不明である。この研究では、グルコース代謝、特に解糖が、増殖時のエフェクター表現型へのT細胞分化を支持し、2-DGによる解糖の薬理学的阻害が、CD3/CD28/CD2抗原媒介性分化を弱め、メモリー表現型を促進することができるという仮説を立てた。この実験では、T細胞活性化後の解糖を阻害するために、2-DGをアクチベーターと共に細胞に添加した。次いで、解糖を回復させて細胞増殖を支持するために増殖期の後半に2-DGを除去するか、又は収穫まで全プロセスを通して2-DGを維持した。2-DG阻害T細胞分化に由来する改変T細胞は、2-DGを含まない培地に由来するT細胞と比較して、より多くのTscm及びTcmを生成した。これにより、T細胞のより高い収量、より高い導入遺伝子発現、及びT細胞のより多くのメモリー様表現型がもたらされた。
図7は、2-DGを添加した培地(培地1)及び2-DGを添加しない培地(培地2)で増殖させた細胞の増殖曲線(A)及び生存率(B)を示す。2-DGを含有する培地は14日間で350億個のT細胞を生じ、一方、2-DGを含まない培地条件は14日間で250億個のT細胞を生じた。全体の生存率は70%を超え、2-DG培地由来の細胞は、4日目から10日目まで、非2-DG培地由来の細胞よりもわずかに高い生存率を示した。4~10日目の生存率のこの低下は、おそらく非T細胞白血球の細胞死によるものであった。T細胞集団が培養物中で90%超に濃縮された後、回収まで、生存率は90%超に戻った。T細胞のTemへの分化の抑制を2-DGで確認すると、Tem集団の減少に関連する細胞傷害性サイトカイン放出の減少もまた、2-DG培地を含有する試料における高い生存率に寄与している可能性がある。
図8は、2-DGを添加した培地(培地1)及び2-DGを添加しない培地(培地2)で増殖させた細胞の導入遺伝子の発現を示す。2-DG培地中のT細胞による導入遺伝子の発現は、非2-DG培地中のT細胞のそれよりわずかに高く(56%対54%)、細胞密度が350億細胞/mlと高い場合、高レベル(50.4%)に維持することができた。対照的に、非2-DG培地におけるT細胞の導入遺伝子発現は、高細胞密度(250億細胞/ml)で44.4%に減少した。
図9は、2-DGを添加した培地(培地1)及び2-DGを添加しない培地(培地2)で増殖させた細胞によるCD25発現を示す。非2-DG培地におけるT細胞によるCD25の発現は、2-DG培地におけるT細胞よりも高いレベルで発現する活性化に対するより強い応答を示した(46%対32%)。両条件のT細胞によるCD25の発現によっても±80%で飽和した。2-DG培地中のT細胞は、7日目及び9日目で、非2-DG培地中の細胞よりもCD25をより良好に保持した。これは、2-DG培地で生成されたT細胞の導入遺伝子発現及びT細胞収量がより高いことによるものであり得る。
図10は、異なる培地条件下でのグルコース(A)及び乳酸塩(B)の濃度を示す。Cedex Bio Analyzer(Roche、Indianapolis、IN)を使用して、グルコース及び乳酸塩を測定した。2-DG培地条件(培地1)下での解糖の阻害は、非2-DG条件(培地2)からのものと比較して、使用済み培地中のより高いグルコース濃度(より低いグルコース消費)(A)及びより高い乳酸塩濃度(B)によって証明された。さらに、2-DGの効果は、グルコース(A)及び乳酸塩(B)レベルの回復が、7日目から14日目までの培地からの2-DGの除去後に見られたので、可逆的であった。
図11は、2-DGを補充した培地(培地1)及び補充しない培地(培地2)で増殖した細胞のT細胞分化表現型解析を示す。2-DGを0日目~7日目に培地に添加し、フィード培地を7~14日目に非2-DG培地(培地1)と交換した。2-DG培地中のT細胞は分化が少なく、これは5日目のTscmサブセットがより高いこと(26%対14%)と、7日目のTcmとTscmの合計がより高いこと(86%対65%)によって示唆された。T細胞は、2-DGを培養培地から潅流した後、分化をし続け、非2-DG培地(培地1)中のT細胞と同等の分化レベルで終了した。
図12は、異なる培地条件下で回収されたT細胞における白血球サブセットを示す。ヒトB細胞(CD19)、単球(CD14)、NK細胞(CD56/16)、NKT細胞(CD3+Cd56+)及びT細胞(CD3+Cd56-)の分析は、免疫表現型解析によって行った。NKT細胞は5%から±10%まで増殖したが、両方の条件におけるCD3+細胞純度は98%を超え、2-DG培地条件と非2-DG培地条件との間で非T細胞サブセットの割合に有意差は認められなかった。
図13は、改変TCR T細胞の効力アッセイの結果を示す。ルシフェラーゼを発現するT2細胞を、改変TCR又はDMSOによって認識されるペプチドで4時間パルスし、細胞を洗浄した後、1:1(E:T)比で総T細胞20,000個との共培養アッセイを設定した。(A)48時間後、Steady Glo(登録商標)ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega)を用いて、ルシフェラーゼシグナルを測定した。特異的細胞傷害性を、TCR T細胞と共に培養した非ペプチドT2細胞と比較して測定した。(B)24時間の共培養後に、IFN-γ発現を、AlphaLISA検出キット(Perkin Elmer Waltham、MA)を用いて測定した。高ペプチド濃度(1μM)では、2‐DG培地及び非2‐DG培地のT細胞間のT2細胞溶解に有意差は認められず、低ペプチド濃度(10nM)で、非2‐DG培地のT細胞にわずかに高いT2細胞溶解が認められた。さらに、加えて、24時間のIFN-γの蓄積放出は、試験したペプチドの全ての濃度を横切る非2-DG培地中のT細胞についてより高かった。早期の時点(24時間)の2-DG培地中のT細胞のIFN-γのレベルの低さは、遅延によるものであろう。さらなるデータ(本明細書には示さず)は、2-DG培地からのT細胞における活性化が、非2-DG培地からのT細胞よりも長時間の活性化を有しており、短期IFN-γアッセイでは捕捉することができないことを示唆した。(C)は異なる培地条件下でのT細胞の分化を示す。2-DGを含有する培養培地を全プロセス(10日間)を通して使用した。2-DG培地からのT細胞は、非2-DG培地からのT細胞と比較して、回収されたTscm及びTcmサブセットの割合がより高いことによって示唆されるように、分化が少なかった(59%対43%)。このデータは、2-DGを、収穫までの全プロセスの間、培養培地中に補充することを示唆している。
実施例3
この実験は、ドナーのアフェレーシス細胞試料の細胞(非濃縮)のCAR及びTCR形質導入を、T細胞についてさらに濃縮した同じアフェレーシス細胞試料の細胞(濃縮)と比較した。
0日目に、正常な末梢血から採取された300mlの新鮮な濃縮白血球アフェレーシス生成物を含有する新鮮なLeukopack(登録商標)(Hemacare、Northridge、CA)を、CD-600.1 Sepax細胞分離キット(GE)に無菌接続し、Culture Wash-Proプログラムの下で処理した。Leukopack(登録商標)は、白血球、赤血球及び血小板を含有した。細胞を洗浄して、実施例1で上述したように血漿及びアフェレーシス緩衝液を除去し、有核細胞をNC-200(商標)自動細胞計数器を用いて計数し、Sepax C-Pro細胞プロセシングシステム使用して、Diluteプログラムの下で2つのトランスファーバッグ(試料1、濃縮T細胞)及び(試料2、非濃縮アフェレーシスドナー細胞)に等しく分割した。
試料1「濃縮T細胞」については、T細胞を、EasySep(商標)ヒトpan Tネガティブ選択キット(Stemcell Technologies)を製造業者の取扱説明書に従って使用して、洗浄したアフェレーシスされた細胞から単離した。濃縮T細胞を、300IUのIL2を含有する120mlのOptimizer完全培地中、4E6有核細胞/mlの細胞密度で、ガス透過性バッグに加えた。ガス透過性バッグは、PBS中、1.23g/mlの抗CD3抗体(Miltenyi Biotec)で予めコーティングした。活性化のために、その後、可溶性抗CD28抗体(Miltenyi Biotec)を1:100(1μ/ml)の希釈で透過性バッグに添加した。
試料2「非濃縮アフェレーシスドナー細胞」については、120mlOptimizer完全培地(300IU/mlのIL-2を含有)中、同じ細胞密度(4E6有核細胞/ml)を、試料1のように抗CD3抗体で予めコーティングしたガス透過性バッグに加えた。活性化のために、その後、可溶性抗CD28抗体(Miltenyi Biotec)を1:100(1μ/ml)の希釈で透過性バッグに添加した。
1日目:各ガス透過性バッグ中の有核細胞を計数し、1(TCR)機能性タイターのMOIに対応するTCRをコードするポリヌクレオチドを含むレンチウイルスベクターの量を1つのバッグに加え、40(CAR)機能性タイターのMOIに対応するCARをコードするポリヌクレオチドを含むレンチウイルスベクターを第2のバッグに直接加え、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードするポリヌクレオチドを含むレンチウイルスベクターを第3のガス透過性バッグに加えた。バッグを37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。
2~6日目:2日目に、300IU/mlのIL-2を含有する追加の120mlのOpTmizer完全培地を各ガス透過性バッグに添加して、レンチウイルスを希釈した。
各ガス透過性バッグからの細胞を、4日目に2つのバッグに分割し、6日目に、(実施例1に記載のように)Xuri W25バイオリアクターの平衡化Xuri SP Perfバイオリアクターバッグに播種し、総容量800mlの培養培地とした。バイオリアクターを、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量にて、6rpmの速度及び6°の角度で、全増殖期間を通してロッキングさせた。
7~13又は14日目:7日目に、バイオリアクター中の培養培地の容量を1Lまでスケールアップした。細胞を、それらが収穫される13日目又は14日目までバイオリアクター中に保持した。増殖中、300IU/mlのIL-2を含有するOpTimizer完全培地を、8日目は500ml/日の速度で、9日目は800ml/日の速度で、10日目から収穫時まで1L/日の速度で潅流した。細胞数、生細胞密度、細胞生存率及び代謝産物を毎日測定した。
13日目又は14日目に細胞を収穫した。バイオリアクターバッグを、Culture Washプログラム及びCT-600細胞プロセシングキット(GE Healthcare)を用いてSepax Proに無菌接続した。1vol%のヒト血清アルブミン(HSA)を補充した生理食塩水(Baxter)を用いて、1回の洗浄サイクルを行った。洗浄は380×gで5分間行った。
生存率及び回収率を測定した。細胞を濃縮し、さらに、5%のヒト血清アルブミンを補充したHyClone(商標)凍結保存用培地(GE Healthcare)を用いて1:1の比率で製剤化し、Via Freeze(GE Healthcare)を用いて-100℃まで凍結させ、液体窒素中で保存することによって凍結保存した。
結果
非濃縮のアフェレーシスドナー細胞を出発材料として使用することにより、濃縮されたT細胞を出発材料として使用した場合と比較して、表面発現及びゲノム組み込みのレベルでわかるように、形質導入効率が改善された。さらに、アフェレーシスの非濃縮細胞は、低分化T細胞表現型を促進した。試験した3つドナーのうち2つは、CD4+及びCD8+T細胞サブセットの両方において、収穫時のTscm及びTcmについてより高い割合を示した。T細胞純度は、出発物質として濃縮T細胞を使用した場合と非濃縮T細胞を使用した場合で同等であった。
図14は、収穫時の濃縮細胞からのT細胞及び非濃縮細胞からのT細胞の導入遺伝子発現を示す。CAR、TCR又はGFPを送達する3つの異なるレンチウイルスベクターを、濃縮ドナー細胞及び非濃縮ドナー細胞に形質導入した。導入遺伝子発現は、フローサイトメトリーを使用して、CARの抗体染色、TCRのデキストラマー染色、及びGFPの蛍光シグナルによって検出した。CAR、TCR及びGFPは、濃縮プロセス由来のCD8+T細胞よりも、非濃縮細胞由来のCD8T細胞において高かった(A)。デキストラマー染色はCD8受容体依存性であり、したがって、CD4 T細胞はTCRの発現を示さなかった(B)。しかしながら、CAR及びGFP発現は、いずれも、濃縮ドナー細胞と比較して、非濃縮ドナー細胞由来のCD4+T細胞においてより高かった(B)。
図15は、CD4+及びCD8+T細胞におけるTCRのベクターコピー数を示す。WPRE及びヒトアルブミンのコピーをqPCRによって測定し、TCRのベクターコピー数を、WPREとヒトアルブミンの比を2で割って算出した。TCRのベクターコピー数は、非濃縮ドナー細胞からのCD4+T細胞及びCD8+T細胞の両方で、濃縮ドナー細胞よりも高かった。導入遺伝子組み込みはまた、より高いベクターコピー数によって示されるように、濃縮T細胞よりもアフェレーシス由来のT細胞においてより高かったことがわかる。
図16は、収穫終了時に測定された白血球及び白血球サブセットの割合を示す。全ての細胞を白血球(CD45+)について染色した。最少(<1%)のB細胞(CD19+)、NK細胞(CD56/16+)及び単球(CD14+)が、非濃縮及び濃縮ドナー細胞の両方で検出された。全体として、CD3+細胞の割合(>99%)は、非濃縮ドナー細胞と濃縮ドナー細胞との間で同等であり、T細胞(CD3+CD56-)の割合は、NKT細胞(CD3+CD56+)の増殖のために、濃縮ドナー細胞でわずかに低かった。
図17は、濃縮ドナー細胞及び非濃縮ドナー細胞の収穫時のT細胞表現型を示す。この実験は、毎回異なるドナー試料を用いて3回繰り返した。試験された3つのドナー試料の中で、2つのドナーから採取されたT細胞は、T細胞濃縮に供された細胞と比較して、非濃縮ドナー細胞からより高い割合でメモリーステムセルマーカー(CD45RA+、CCR7+)及びセントラルメモリーマーカー(CD45RA-、CCR7+)を発現した。この差はCD8+T細胞においてのみ有意であり、CD4+T細胞においては有意ではなかった。
図18は、濃縮ドナー細胞及び非濃縮ドナー細胞からのバイオリアクターにおける細胞の増殖曲線及び生存率を示す。増殖(A)及び生存率(B)は、濃縮ドナー細胞と非濃縮ドナー細胞との間で同等であった。
実施例4 この実施例は、T細胞受容体を発現する遺伝子改変自己T細胞を生成するための閉鎖系連続法を提供する。
0日目に、正常な末梢血から採取された300mlの新鮮な濃縮白血球アフェレーシス生成物を含有する新鮮なLeukopack(登録商標)(Hemacare、Northridge、CA)を、CD-600.1 Sepax細胞分離キット(GE)に無菌接続し、Culture Wash-Proプログラムの下で処理した。Leukopack(登録商標)は、白血球、赤血球及び血小板を含有した。細胞を1L ClinMACS PBS/EDTA、5mlヒト血清アルブミン(Miltenyi Biotec、San Diego、CA)中で洗浄し、CS-600.1キット(GE Healthcare)を備えたSepax CProを製造業者の取扱説明書に従って使用して、血漿及びアフェレーシス緩衝液を除去した。Leukopack(登録商標)に添付されたドナー情報シートに示された初期白血球(WBC)数に基づいて、細胞を、約50mlのOpTimizer完全培地を用いて150E6WBC/mlの細胞密度で溶出した。
洗浄した白血球アフェレーシス採取試料中の有核細胞を、NC-200(商標)自動細胞計数器を用いて計数し、続いて、洗浄した細胞の総生細胞数、生存率及び免疫表現型解析を行った。
次いで、1.2E9有核細胞を含む洗浄したアフェレーシスドナー細胞の試料を、300IU/mlのIL-2を含有する約6.5mlのOpTimizer完全培地で、同じCD-600.1キットを有するSepax C-proプロセシングシステムを用いて、Diluteプログラムの下でトランスファーバッグ(Charter Medicine)に移し、7.5mlのImmunoCult(商標)ヒトCD3/CD28/CD2(2.5μg/ml、Stemcell Technologies)と共に室温で1時間インキュベートし、抗体結合を飽和させた。
2L Xuri SP Perf Cellbagバイオリアクター(GE Healthcare)をXuri細胞培養システムW25に接続し、300IU/mlのIL-2を含有する300mlのOpTimizer完全培地を加え、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、及び6°の角度で6rpmのロッキング速度で平衡化させた。
トランスファーバッグをXuriCellbagフィードラインに無菌接続し、内容物を重力によってバッグに移送した。次いで、細胞を、活性化を促進するために、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量にて、2°の角度で2rpmのロッキング速度で一晩インキュベートした。
1日目に、バッグ中の有核細胞を計数した。1機能性タイターのMOIに対応する量のレンチウイルスベクター(TCRをコードするポリヌクレオチドを含む)を、300IU/mlのIL2を含有する10mlのOpTimizer完全培地で希釈し、トランスファーバッグに入れた。トランスファーバッグをXuri Cellbagフィードラインに無菌接続し、レンチウイルスベクターを重力によりバイオリアクターに移した。細胞を、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量、及び2°角度で2rpmのロッキング速度で20~24時間インキュベートした。
2日目に、バイオリアクターバッグ中の培養培地の約半分の量を、3回の50ml洗浄を用いて、300IU/mlのIL2を含む新鮮なOpTimizer完全培地と交換した。細胞を毎日計数し、生細胞密度(VCD)及び生存率をNC200を用いて測定し、溶存酸素、代謝産物もまた測定した。細胞表現型を、試験した全ての試料について決定した。バッグを、2°角度で2rpm、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量で24時間、ロッキングバイオリアクター上に維持した。
3~10日目に、細胞密度が4e6細胞/mlに達するまで、2°角度で2rpmのロッキング速度、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量で、1日当たり1バッグ容量の速度の潅流供給によって、300IU/mlのIL2を含むOpTimzer完全培地300mlで培養物を維持した。
その時点で、培養培地の容量を600mlに増加させ、細胞密度が再び4e6細胞/mlに達するまで、4°の角度で4rpmのロッキング速度、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量で、1日当たり1バイオリアクターバッグの速度で潅流した。
その時点で、培養培地の容量を1000mlに増加させ、10日目に採取するまで、6°の角度で6rpmのロッキング速度、37℃、5%CO2、0.1L/分のガス流量で、1日当たり1バイオリアクターバッグの速度で潅流した。
総生細胞密度、生存率、グルコース及び乳酸塩の測定を毎日行った。表現型解析は、3、5及び7日目に行った。
細胞を10日目に回収した。Xuri SP Perバイオリアクターバッグを、FlexCellプログラム及びCT-800.1細胞プロセシングキット(GE Healthcare)を使用して、Selfia5200細胞プロセシングシステムに無菌接続した。T細胞を75ml/分の流量で約20mlに濃縮した。1vol%のヒト血清アルブミン(HSA)を補充した0.9%の生理食塩水(Baxter、Deerfield、Ill)を用いて、1回の洗浄サイクルを行った。洗浄は380×gで5分間行った。
次いで、細胞を、1%HSAを補充した生理食塩水中、2E8細胞/mlで溶出し、さらに、5%ヒト血清アルブミンを補充したHyclone(商標)凍結保存培地(GE Healthcare)を用いて1:1の比率で製剤化した。次いで、最終細胞生成物を2つの凍結バッグ及びいくつかのクライオバイアルに分割し、これらを、最終的に、温度が-80℃に達するまで-1℃/分の冷却速度でVIA Freeze(商標)Quad冷凍庫(GE)中で凍結させた。凍結後、細胞を長期保存のために液体窒素に移した。
結果
図19は、細胞の増殖曲線及び生存率を示す。生存率の低下は、非T細胞が徐々に死滅するためであると考えられる。
図20は、0日目及び10日目の白血球サブセットの割合を示す。細胞を、B細胞(CD19)、単球(CD14)、T細胞(CD3+、CD56/16-)、NKT細胞(CD3+、CD56/16+)、NK細胞(CD3-、CD56+)、CD4 T細胞(CD3+、CD4+)及びCD8 T細胞(CD3+、CD8+)を標的とする抗体カクテルで染色し、フローサイトメトリーによって分析した。回収時まで(10日間)に、CD3細胞純度は98%に達し、全T細胞は98%に、NKT細胞は10%に達した。
図21は、バイオプロセシング中のT細胞分化を示す。T細胞サブセットTscm(CD45RA+、CD45RO-、CCR7+、CD95+)、Tcm(CD45RA-、CD45RO+、CCR7+、CD95+)、及びTem(CD45RA-、CD45RO+、CCR7-、CD95+)を抗体カクテルで染色し、様々な時点でフローサイトメトリーによって分析した。T細胞は、実施例1及び2に示したものと同様に分化し、収穫時までにTemで約70%、Tscm+Tcmで約30%であった。
図22は、細胞表面レベル(A)及びDNAレベル(B)での、収穫したT細胞における導入遺伝子の発現を示す。デキストラマー染色を実施して、形質導入されたT細胞及び形質導入されていないT細胞の導入遺伝子の表面発現を確認した。導入遺伝子発現は、形質導入されたT細胞(A)で50%を超えた。収穫した細胞からDNAを抽出し、WPRE及びヒトアルブミンを標的とするqPCR反応に2ngのDNAを使用した。ベクターコピー数は、WPREのコピー数とヒトアルブミンのコピー数の比率を2で割ったものとして計算した。導入遺伝子の検出可能なコピーは形質導入していないT細胞において見出されず、形質導入したT細胞における導入遺伝子のコピー数はFDAによって実施されたベクターコピー数に関するガイドライン内の5未満であった(B)。
図23は、種々のエフェクター対標的細胞(E:T)比での標的細胞のキリングの割合を示す。回収されたT細胞(形質導入された又は形質導入されていない)を、1:1、1:5及び1:10のE:T比で24時間、標的細胞と共培養した。標的細胞のキリングの割合は、24時間の共培養後の標的細胞の細胞死の割合から算出した。形質導入されたT細胞は、試験した全てのE:T比で標的細胞に対し強いキリング効果(>70%)を示した。
図24は、収穫した細胞のIFN-ガンマ放出を示す。収穫した細胞(形質導入された又は形質導入されていない)を、種々ノ濃度のペプチドでパルスした標的細胞と24時間共培養した。上清中のIFN-ガンマを、Alphalisaアッセイにより測定した。同様のレベルのIFN-ガンマが、実施例1及び2において見られた。
閉鎖系連続自己プロセスは、260億個超の改変T細胞を、迅速に(10日間)、高い導入遺伝子発現率(>50%)と高いCD3細胞純度(98%)で生成した。改変T細胞は、低いエフェクター対標的細胞比(1:10)で標的細胞に対して顕著なキリング能を示し、これはおそらく標的細胞に応答してIFN-ガンマを強力に放出することによると考えられる。
実施例5 種々の試薬による刺激後のTCRを発現するT細胞の形質導入効率の評価
0日目に、正常な末梢血から採取された150mlの白血球アフェレーシス生成物を含有する新鮮なLeukopack(登録商標)(Hemacare、Northridge、CA)の半分を、CD-600.1 Sepax細胞分離キット(GE)に無菌接続し、Culture Wash-Proプログラムの下で処理した。Leukopack(登録商標)は、白血球、赤血球及び血小板を含有した。細胞を1L ClinMACS PBS/EDTA、5mlヒト血清アルブミン(Miltenyi Biotec、San Diego、CA)中で洗浄し、CS-600.1キット(GE Healthcare)を備えたSepax C-Pro細胞分離システムを製造業者の取扱説明書に従って使用して、血漿及びアフェレーシス緩衝液を除去した。
採取試料中の有核細胞を、NC-200(商標)自動細胞計数器(ChemoMetec)を用いて計数し、続いて、洗浄した細胞の総生細胞数、生存率及び免疫表現型解析を行った。
EasySep(商標)ヒトpan Tネガティブ選択キット(Stemcell Technologies)を使用して、製造業者の取扱説明書に従って、洗浄されたドナー細胞からpan T細胞を単離することによって、又はさらなる選択若しくは濃縮なしの洗浄されたドナー細胞(非濃縮細胞)を使用することによって、細胞の出発集団を調製した。濃縮pan T細胞及び非濃縮細胞を、特に明記しない限り、300IU/mlのIL2(Stemcell Technologies)を含有するOpTmizer完全培地に再懸濁し、トランスファーバッグに加えた。いくつかの実験では、IL-7、IL-15、IL-21、及び/又はTWS1119(Stemcell Technologies)を活性化培地及び増殖培地で使用した。
ガス透過性バッグ(PL07、Permalife、OriGen、Austin、TX)を、1ug/mLの抗CD3(Clone OKT3 Miltenyi Biotech、Cambridge、MA)を含むPBSで4℃にて一晩かけてコーティングすることによって調製し、PBSで洗浄した後、細胞を添加した。以下の条件を試験した。
1)1つの実験では、単離されたpan T細胞(2×106細胞/mL)を、抗CD3コーティングバッグ中の、300IU/mlのIL2(Stemcell Technologies)及び1μg/mlの抗CD28(Miltenyi)を含有するOpTmizer完全培地に播種した。抗CD3又は出発細胞数の滴定のために、抗CD3コーティングプレート(Corning)を使用した。プレートを、0.0001~10μg/mlの滴定濃度で抗CD3でコーティングした。細胞を20時間及び48時間活性化した。これらの細胞は形質導入しなかった。CD3+T細胞上のCD69、CD25、及び4-1BBのレベルを、20時間及び48時間でフローサイトメトリーによって測定した(1条件当たり2回の反復)。
2)種々のアクチベーターを比較するために、単離されたpan T細胞(2×106細胞/mL)を、抗CD3コーティングバッグ中の、300IU/mlのIL2(Stemcell Technologies)及び1ug/mlの抗CD28(Miltenyi)を含有するOpTmizer完全培地に播種した。以下の可溶性アクチベーターを、それぞれ2E6細胞/mLの培地1mL当たり25uLのアクチベーターで、製造業者の説明書に従って、コーティングされた抗CD3条件に対して試験した:Immunocult 抗CD3/CD28(Stemcell Technologies、Cambridge、MA)、及びImmunocult 抗CD3/CD28/CD2(Stemcell Technologies)。Dynabeads(商標)ヒトT-アクチベーターCD3/CD28(ThermoFisher)を、1:1のビーズ:細胞比で、製造業者の取扱説明書に従って、コーティングされていないバッグで試験した。細胞/アクチベーターを20時間及び48時間インキュベートした。
3)単離されたpan T細胞(2×106細胞/mL)を、上記の抗CD3コーティング透過性バッグ中の、300IU/mlのIL2(Stemcell Technologies)及び1μg/mlの抗CD28(Miltenyi)を含有するOpTmizer完全培地に接種した。以下のアクチベーターを試験した:上記の1ug/mLのコーティングされた抗CD3ガス透過性バッグ、1ug/mL。可溶性抗CD28(Miltenyi)、可溶性Immunocult抗CD3/CD28/CD2(Stemcell Technologies)(培地1mL当たり25uLのアクチベーター)、Dynabeads(商標)ヒトTアクチベーターCD3/CD28(ThermoFisher)(1:1のビーズ:細胞比)、及び可溶性MACS(登録商標)GMP T Cell TransAct(商標)抗CD3及び抗CD28コンジュゲートポリマーナノマトリックス(Miltenyi Biotech)(濃度(1:17.5希釈)で)を、活性化の48時間後に、コーティングされていないバッグ中で試験し、コーティングされた抗CD3バッグからの細胞を新しいバッグに移して、刺激を除去した。活性化後、細胞を、以下に記載するように形質導入した。細胞/アクチベーターを7日間インキュベートした。改変TCR発現を、CD8+T細胞にゲートしたペプチド-MHCクラスI複合体を認識するデキストラマーを使用するフローサイトメトリーによって評価した。
4)洗浄した白血球アフェレーシス細胞(2×106細胞/mL)を、上記の抗CD3コーティング透過性バッグ中の、300IU/mlのIL2(Stemcell Technologies)及び1μg/mlの抗CD28(Miltenyi)を含有するOpTmizer完全培地に播種した。以下のアクチベーターを試験した:1μg/mLのコーティングされた抗CD3(Miltenyi)と1μg/mLの可溶性抗CD28(Miltenyi)及び可溶性ImmunocultCD3/CD28/CD2(Stemcell Technologies)(培地1mL当たり、25μLのアクチベーター)。活性化の48時間後、コーティングされた抗CD3バッグから細胞を新しいバッグに移し、刺激を除去した。活性化後、細胞を、以下に記載するように形質導入した。細胞/アクチベーターを7日間インキュベートした。形質導入効率を、GFP発現を使用し、CD8+又はCD4+T細胞にゲーティングするフローサイトメトリーによって評価した。
5)種々のサイトカインカクテルの効果。Leukopheresed材料(WLPC)由来の新鮮な細胞を、次の4つの異なるサイトカインカクテルを含有するOpTmizer完全培地中にImmunocult抗CD3/CD28/CD2(Stemcell Technologies)を含むガス透過性バッグ中、2×106細胞/mLで活性化した:a)300IU/mlのIL2、b)10ng/mLのIL-7(Stemcell Technologies)及び10ng/mLのIL-15(Stemcell Technologies)、c)10μMのTWS119(Stemcell Technologies)、10ng/mLのIL-7(Stemcell Technologies)及び20ng/mLのIL-21(Stemcell Technologies)、又はd)10ng/mL IL-7(Stemcell Technologies)及び20ng/mLのIL-21(Stemcell Technologies)。改変TCR発現を、TCRに特異的なデキストラマー(Immudex)を使用し、CD8+T細胞にゲーティングするフローサイトメトリーによって評価した。
6)可溶性アクチベーターによる活性化に対する開始WLPC密度の効果。300IU/mLのIL-2又は10μMのTWS119(Stemcell Technologies)、10ng/mLのIL-7(Stemcell Technologies)及び20ng/mLのIL-21(Stemcell Technologies)を含有するOpTmizer完全培地において、4つの異なる密度:(a)1×106細胞/mL、b)2×106細胞/mL、c)4×106細胞/mL、又はd)6×106細胞/mLで、Immunocult抗CD3/CD28/CD2(Stemcell Technologies)により細胞を活性化した。改変TCR発現を、TCRに特異的なデキストラマー(Immudex)を使用し、CD8+T細胞にゲーティングするフローサイトメトリーによって評価した。
形質導入した場合、活性化の24時間後、各バッグ(上記の実験3、4、5及び6から)中の細胞を計数した。1~2の機能性タイターのMOIに対応する量のレンチウイルスベクター(TCR及びGFPをコードするポリヌクレオチドを含む)をバッグに加え、37℃、5%CO2で一晩インキュベートした。
2~3日毎に分割し、必要に応じてより大きなガス透過性バッグに移すことによって、細胞密度を100万~300万細胞/mLの間に保ちながら、細胞をガス透過性バッグ中、静置培養で増殖させた。増殖は6~9日間行った。サイトカインを含む培地を2~3日毎に交換した。
細胞計数を1~3日毎に行った。
結果
図25は、CD69、CD25、及び4-1BBによって測定された、コーティングされた抗CD3(OKT3)抗体及びpan T細胞活性化の滴定の結果を示す。T細胞の刺激に基づいて、1μg/mlの抗CD3を可溶性アクチベーターとの比較のために選択した。
図26は、CD69、CD25、及び4-1BBによって測定された、コーティングされた抗CD3に対する、様々な可溶性アクチベーターによるパンT細胞の刺激の結果を示す。Dynabeads(抗CD3/CD28)は最も強い刺激を示し、次いで、培地中に25μL/mLの細胞の製造業者が推奨する濃度のImmunocult抗CD3/CD28/CD2が示した。興味深いことに、可溶性Immunocult抗CD3/CD28アクチベーターは、コーティングされた抗CD3と同等であった。
図27は、改変T細胞の形質導入効率が刺激シグナルに依存したことを示す。(A)出発物質:pan T細胞。CD8+T細胞上の改変TCRのデキストラマー染色は、Immunocult抗CD3/CD28/CD2が最高の形質導入効率を与えたことを示した。(B)出発物質:アフェレーシス細胞:形質導入されたCD4+及びCD8+T細胞におけるGFP発現のためのFACSは、Immunocult抗CD3/CD28/CD2がコーティングされた抗CD3よりも優れていることを示した。
図28は、細胞増殖がコーティングされたアフェレーシス細胞活性化抗CD3/可溶性抗CD28、Immunocult抗CD3/CD28/CD2、TransAct、及びDynabeadsの間で9日間類似していたことを示す。
図29は、改変T細胞の形質導入効率に培養条件が影響を及ぼしたことを示す。IL-2、IL-7/15の組み合わせ、IL-7/21の組み合わせを含有する培養培地中で増殖させたアフェレーシス細胞の形質導入効率は類似していた。IL-7/21/TWS119を含有するカクテルは形質導入効率を改善した。
図30は、開始細胞密度が形質導入効率に影響を及ぼしたことを示す。全体的な増殖には影響がなかったが、培養培地がIL-2又はIL-7/21/TWS119のカクテルを含有する場合、Immunocult抗CD3/CD28/CD2で活性化されたアフェレーシスされた細胞の高い出発密度はより良好な形質導入効率をもたらした。
様々なT細胞アクチベーター及びサイトカインの本比較では、2つの異なる出発細胞集団、すなわち濃縮pan T細胞と白血球アフェレーシス細胞を用いる。Dynabeads抗CD3/CD28(ThermoFisher)が最高のシグナル強度を提供したにもかかわらず高い形質導入率をもたらさなかったため、活性化強度と良好な形質導入効率とは相関しないようであった。コーティングされた抗CD3よりも高いが、Dynabeadsよりも低いシグナル強度を有するImmunocult抗CD3/CD28/CD2は、GFP及び改変TCRの最も高い発現を有するT細胞を活性化した。様々なサイトカインカクテルの存在下での白血球アフェレーシス細胞のImmunocult抗CD3/CD28/CD2による活性化は形質導入効率に影響を及ぼしたが、異なる細胞密度で比較した場合、IL-2又はIL-7/21/TWS119を含有する培養培地中での活性化され増殖した細胞の形質導入は類似していた。IL-2及びIL-7/21/TWS119中で培養した細胞を比較し、IL-7/21/TWS119条件が形質導入効率の上昇を促進することがわかった。これらの結果は、細胞療法用途のための多くの機能的に改変されたT細胞をもたらす製造プロセスにおける、Immunocult抗CD3/CD28/CD2などの可溶性アクチベーターの使用に重要な意味を有する。
実施例6 TCR形質導入の最適なMOI
以前に凍結されたアフェレーシス細胞を解凍し、上記のように、ImmunocultCD3/CD28/CD2(25μl/mlの細胞、Stemcell Technologies)で24時間活性化した。活性化後1日目に、TRCをコードするポリヌクレオチドを含むレンチウイルスベクターを、1×106細胞に、MOIが1以上の高い感染多重度(MOI)で添加する(A)、又はMOIを2以下に減少させる(B)。形質導入の7日後に、細胞をTCR発現についてアッセイした。1を超えるMOIでは、観察可能なMOI効果は観察されなかった。報告された値は、4人の異なるドナー由来のCD8+T細胞におけるTCR発現の平均である。図31A及び31Bは、MOI1が大規模な閉鎖系バイオプロセスにおけるレンチウイルスによる形質導入に最適であったことを示す。