JP7628320B2 - 変性hdlの定量方法、及びそれに用いる分析用試薬 - Google Patents

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Description

本発明は、生活習慣病リスク及びその治癒効果の判定に用いることのできる変性HDLの定量方法、及びそれに用いる分析用試薬に関するものである。
HDL(High-Density Lipoprotein、高比重リポ蛋白質)は、いわゆるコレステロールの一種で、比重が高く粒子径が小さいものである。組織から肝臓へコレステロールへの輸送は、HDLが担っていることが知られている。HDLは、血中濃度が高いと動脈硬化のリスクを低減させることから、「善玉コレステロール」と通称されることもある。一方、比重が低いLDL(Low-Density Lipoprotein、低比重リポ蛋白質)は、「悪玉コレステロール」として知られる。HDLとLDLの濃度は、健康診断の指標として用いられている。
HDLの生理的活性としては、LDLの酸化を抑制するだけでなく、NOの増加などを介して酸化LDLによる細胞毒性を軽減し、抗動脈硬化効果を発揮する。しかし、冠動脈疾患患者では血中変性HDLが増えており、それがLOX-1を介して血管に作用して、動脈硬化を促進すること、ヒトの動脈硬化巣にはHDLのアポタンパク質であるApoAIが変性したものが多量に蓄積していることが明らかになっている。これらの結果から、HDLを健康診断の指標として用いるには、単にHDLの濃度を測定するだけでなく、本来の生理的活性を有するHDLと、変性などによって活性の変化したHDLを別に定量する必要がある。特に変性HDLを定量することができれば、上述の冠動脈疾患を含めて、循環系及び血液に関係する疾患やそのリスクの検証に用いることができると考えられている。
特許文献1は、試料中に含まれる機能不全HDLの測定方法であって、機能不全HDLの受容体に試料を接触させて、試料中の機能不全HDLを受容体に結合させ、受容体に結合した機能不全HDLを検出するものであり、受容体は、LOX-1又はその改変体であり、受容体は、担体に固定化されており、受容体に結合した機能不全HDLに、機能不全HDLを認識する抗体をさらに結合させる機能不全HDLの測定方法を開示している。この技術は、多様な分子形態の機能不全HDLを広く検出できる機能不全HDLの測定技術を提供するとともに、当該技術を利用した生活習慣病の検出技術を提供しようとするものである。
また、本発明者らは、特許文献2において、LOX-1へ結合するLOX-1結合タンパク配列に、ApoA1の全タンパク配列又は部分フラグメントタンパク配列が、直接又はスペーサを介して連結されている融合タンパク質及びそれを用いた高密度リポタンパク質の測定キットを開示している。この技術は、LOX-1と抗ApoA1抗体により同時に認識されるHDLを測定することにより様々な変性を受けたHDLを測定でき、及びLOX-1に対する抗体(抗LOX-1抗体)のLOX-1結合部位等のようにLOX-1に対して特異的に結合するタンパク質とApoA1とを融合させた融合タンパク質を用いるものである。この融合タンパク質により、様々な変性を受けたHDLを同時に認識でき、受容体結合活性を測定して生理活性そのものを測定するために用いられるもので、脂質を含まず、長期保存が可能で、再現的に調整でき、測定試験間ごとのばらつきを低減して信頼性を高くすることができるリファレンスとなり得る融合タンパク質を得ようとするものである。
特許第6231307号公報 特願2018-024007
変性HDLは、理論上、実験室では特許文献1に記載の技術で定量が可能である。本発明者らの特許文献2の技術は、従来の技術よりさらに洗練されたものである。これらを応用して、さほど洗練されたものでなくとも変性HDLの定量に用いることができる方法を樹立することは容易と予想された。
しかしながら、特許文献1の技術も普及には至っていないのが現状である。さらに、本発明者らの特許文献2の技術を用いても、実験室以外の条件や異なる検体を用いて実施すると、変性HDLの定量の結果が一定でないことがあった。これらの差は、実験室内の条件の他、技術を実施する者の試験技術の差などの、さまざまな要因が考えられた。
本発明者らは、上述の歴史的な経緯と、臨床の実地応用には多少条件が劣悪でも測定可能とすべきことを考え、変性HDLの定量技術を、より汎用性がある定量の技術へと改良することを目標として鋭意研究を進めていった。
本発明は上記のような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、変性HDLを従来よりも安定して正確に定量でき、心・血管系疾患、糖尿病若しくは糖尿病性疾患等、又はその進行度の判定に有用な変性HDLの定量方法、及び、その定量方法に用いる分析用試薬を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の態様を有する。
[1]試料中に含まれる変性HDLの定量方法であって、前記変性HDLと変性HDL結合蛋白質とを結合させ、前記変性HDL結合蛋白質と前記変性HDLとの結合体を定量し、前記変性HDL結合蛋白質は、Factor VのL鎖部位の配列を有する蛋白質又はその変異体を含む、変性HDLの定量方法。
[2]前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位の配列を含む、前記の変性HDLの定量方法。
[3]前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vの配列を含む、前記の変性HDLの定量方法。
[4]前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位であるC1-C2ドメインと一部相同性を有する部位を備えた蛋白質である、前記の変性HDLの定量方法。
[5]前記C1-C2ドメインと一部相同性を有する部位を備えた蛋白質は、MFG-E8、Del-1又はFactor VIIIである、前記の変性HDLの定量方法。
[6]前記変性HDL結合蛋白質は、組み換え蛋白質である、前記の変性HDLの定量方法。
[7]前記定量は、前記変性HDL及び前記変性HDL結合蛋白質の複合体を形成し、前記複合体を免疫分析により定量する、前記の変性HDLの定量方法。
[8]前記免疫分析による定量は、前記変性HDL結合蛋白質、あるいはこれを結合する蛋白質を固相化したELISAプレートを用いたELISA法により行う、前記の変性HDLの定量方法。
[9]前記定量は、前記変性HDL、前記変性HDL結合蛋白質及びLOX-1蛋白質の複合体を形成し、前記複合体を免疫分析により定量する、前記の変性HDLの定量方法。
[10]前記定量では、試料として血清又は血漿を用いる、前記の変性HDLの定量方法。
[11]前記定量では、試料として血清を用い、前記試料に前記変性HDL結合蛋白質を添加する工程を備える、前記の変性HDLの定量方法。
[12]心・血管系疾患、糖尿病若しくは糖尿病性疾患、それらのリスク、又は、その進行度を判定するための変性HDLの定量に用いる分析用試薬であって、前記変性HDLと結合可能な変性HDL結合蛋白質を含み、前記変性HDL結合蛋白質は、Factor VのL鎖部位配列を有する蛋白質又はその変異体を含む、分析用試薬。
[13]前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位の配列を含む、前記の分析用試薬。
[14]前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vの配列を含む、前記の分析用試薬。
[15]前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位であるC1-C2ドメインと一部相同性を有する部位を備えた蛋白質である、前記の分析用試薬。[16]前記C1-C2ドメインと一部相同性を有する部位を備えた蛋白質は、MFG-E8、Del-1又はFactor VIIIである、前記の分析用試薬。
[17]前記変性HDL結合蛋白質は、組み換え蛋白質である、前記の分析用試薬。
[18]前記心・血管系疾患は、動脈硬化又はその進行によって生じる心筋梗塞若しくは脳卒中である、前記の分析用試薬。
本発明によれば、変性HDLを従来よりも安定して正確に定量でき、心・血管系疾患、糖尿病若しくは糖尿病性疾患等、又はその進行度の判定に有用な変性HDLの定量方法、及び、その定量方法に用いる分析用試薬が得られる。
第1の実施形態に係る変性HDLの定量方法を示す概略図である。 第2の実施形態に係る変性HDLの定量方法を示す概略図である。 試験例1に係る変性HDLの検出感度を示すグラフ図である。 試験例2に係る血漿中の変性HDLの検出感度を示すグラフ図である。 試験例2に係る血清中の変性HDLの検出感度を示すグラフ図である。 試験例2に係る別のFactor V濃度での血漿中の変性HDLの検出感度を示すグラフ図である。 試験例2に係る別のFactor V濃度での血清中の変性HDLの検出感度を示すグラフ図である。 試験例4に係るFactor Vの固相化量を示すグラフ図である。 試験例4に係る変性HDL結合試験を示すグラフ図である。 試験例5に係る血漿及び血清中の変性HDLの定量を示すグラフ図である。
以下、本発明に係る変性HDLの定量方法及び分析用試薬について、実施形態を示して説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(第1の実施形態)
(変性HDLの定量方法)
本実施形態の変性HDLの定量方法は、試料中に含まれる変性HDLを定量するにあたり、変性HDLと変性HDL結合蛋白質とを結合させる。この変性HDL結合蛋白質と変性HDLとが結合した複合体を定量する。
本実施形態における変性HDLとは、本来生体内で生理的活性を有するHDLとはなんらかの構造の差異を有するHDLを含み、特に、それらの構造の差異により生理的活性が低下しているものを指す。HDLが変性HDLとなる機序としては、例えば構成蛋白質の化学的修飾や部分的あるいは完全分解、遺伝的欠損および変異、高次構造の異常や変化、又は、活性を失わせる分子との結合などの要因が含まれる。
こうした変性HDLの例としては、例えば、HDLを構成する蛋白質又は脂質のいずれかの部位が酸化された、酸化HDLが含まれる。このような変性HDLとしては、例えば、HClO-HDL、HNE-HDL、Carbamylated HDL及びMDA-HDLなどが挙げられる。これらの変性HDLは、血管壁の血管内皮細胞を障害し、動脈硬化や血栓形成を引き起こす心疾患や虚血疾患等の動脈硬化性疾患のような各種疾患の発症リスクを高めるものとして知られている。
本実施形態の変性HDLの定量方法では、変性HDLと変性HDL結合蛋白質とを結合させ、変性HDL結合蛋白質と変性HDLとの結合体を定量する。
本実施形態の変性HDL結合蛋白質は、変性HDLと直接相互作用し得る、例えばその蛋白質自体が変性HDLと結合し得る蛋白質を広く指す。
変性HDLは、生体にとって不利な反応を引き起こす受容体と相互作用する活性を獲得していることがある。このとき、変性HDLは変性HDL結合蛋白質を介して受容体と結合している、すなわち変性HDLと変性HDL結合蛋白質とが直接結合し、この変性HDL結合蛋白質が受容体に結合していることがある。
変性HDL結合蛋白質としては、例えばFactor V、その変異体及び一部相同性を有する蛋白質などがある。変性HDLに別蛋白質を介して結合することのある受容体としては、後述のLOX-1蛋白質がある。
本実施形態では、変性HDL結合蛋白質は、Factor VのL鎖部位の配列を有する蛋白質又はその変異体を含んでいる。
Factor V(第V因子)は、凝固系を構成する蛋白質として知られ、A1-A2-B-A3-C1-C2ドメインから構成されているおよそ330kDaの蛋白質であり、A1-A2ドメインからなるH鎖(重鎖)と、A3-C1-C2ドメインからなるL鎖(軽鎖)に大きく分けられる。主にH鎖は細胞膜と結合し、L鎖はC1-C2ドメインを介してリン脂質を認識、結合することが知られている。
変異体とは、一部の配列の置換が行われたものを指し、本実施形態では主にFactor VのL鎖部位以外の部位が置換されているものであることが好ましい。
Factor VのL鎖部位は、変性HDLと直接結合する部位であるため、変性HDL結合蛋白質がこの部位を含む蛋白質又はその変異体であることで、変性HDLと変性HDL結合蛋白質を結合させ、定量に用いることができる。
また、変性HDL結合蛋白質として、Factor Vの一部であるL鎖部位の配列を有する蛋白質を用いることで、変性HDLと結合する部位を有しつつ、Factor Vとは異なる構造を有する蛋白質を用いることができる。すなわち、Factor Vよりも入手が容易な蛋白質や、試験の行いやすい蛋白質を用いることができる。Factor Vよりも入手が容易な蛋白質としては、例えばL鎖部位及び最小限の配列のみ用いることで、Factor Vよりも全長が短く、組み換え蛋白質としての製造が行いやすい蛋白質を用いることができる。試験が行いやすい蛋白質としては、L鎖以外の配列を変更することで、より保存やプレートへの固相化が行いやすい蛋白質を用いることができる。
変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位の配列を含むことも好ましい。Factor Vの配列のうち、L鎖が備えるリン脂質認識部位は、変性HDLを認識し、有効に結合することができる。
変性HDL結合蛋白質は、Factor Vの配列を含むことが好ましい。ここでFactor Vの配列とはFactor V蛋白質の全長であり、Factor Vそのものを用いてもよく、他の蛋白質との融合体又は結合、修飾蛋白質等を用いてもよい。
変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位であるC1-C2ドメインと一部相同性を有する部位を備える蛋白質であることも好ましい。このようなC1-C2ドメインと一部相同性を有する部位を備えた蛋白質としては、MFG-E8、Del-1又はFactor VIIIが挙げられる。また、これらの蛋白質や変異体、これらの蛋白質の配列を一部に含む蛋白質であってもよい。
変性HDL結合蛋白質は、例えば、組み換え蛋白質を用いることも好ましい。ここで組み換え蛋白質とは、遺伝子組み換えによって発現させて得られた蛋白質である。組み換え蛋白質は、必要に応じて他の構造との融合や変異を導入されていてもよい。
本実施形態では、試料中に含まれる変性HDLの定量を行う。ここで試料としては、生物から取り出した成分を含む試料を広く指す。試料は前記成分の液体のものを用いるか、又は前記成分に液体を添加して、液体の試料とすることが好ましい。試料としては、例えば、生物の体液を直接試料として用いることができる。生物の体液としては、例えばヒトの血液又は唾液を用いることができる。血液のサンプルとしては血清又は血漿などを用いることができる。本実施形態では、これらの体液を試料として、上述の定量に供する。
本実施形態では、試料として血清を用いることが好ましい。本実施形態では、変性HDLと直接結合するFactor VのL鎖部分の配列を備えた変性HDL結合蛋白質を、試料中の変性HDLと結合させる。そのため、変性HDLと直接結合する因子を含んでいない場合のある血清を試料として用いても、変性HDLを安定して正確に定量することができる。加えて血清は血漿等の他の体液試料よりも、血清の方が検体の取得・保存が容易である。実際に血液試料としては、血清の形で凍結保持されている検体が国際的に一般的であることから、有益な技術である。
本発明者らは、従来の技術においてLOX-1等の変性HDLと相互作用する蛋白質を変性HDLの定量に用いた場合、血漿を試料に用いると変性HDLが検出できるが、血清を試料に用いると変性HDLの検出が少なく、正確に定量することができないという点に着目した。そこで、血液や血漿から血清を形成する過程において分解喪失される物質を測定系に補填することにより、血清を試料に用いた測定が可能となることを予測した。
本発明者らは、前記補填する物質として、Factor Vに着目した。生体内の反応として、変性HDLがLOX-1と結合する際には、Factor Vを介して結合する。具体的には、Factor Vが備えるフォスファチジルセリン(PS)認識部位が変性HDLに、LOX-1認識部位がLOX-1と結合する。
後述するように、血清を試料として用い、試料にFactor Vを添加すると、血清中の変性HDL検出感度がほぼ添加量に応じて増加する。このため、血清等の試料にFactor Vのような変性HDL結合蛋白質を添加することで、変性HDLを定量することができる。
上述の定量には、蛋白質の定量(蛋白質量の測定)のための公知の手段を用いることができる。例えば、上述の定量には免疫学的手法を用いることができる。
免疫学的手法を用いた定量、免疫分析としては、酵素(エンザイムイムノアッセイ、EIA、ELISA)、蛍光物質(蛍光イムノアッセイ、FIA)又は放射性物質(ラジオイムノアッセイ、RIA)などを適宜用いることができる。このうち、ELISAは比較的安価、簡便かつ多数のサンプルを分析できるため望ましい。
例えば、本実施形態では前記定量に、ELISA法を用いることができる。具体的には、変性HDL結合蛋白質を、ELISAプレートに固相化する。変性HDL結合蛋白質の固相化(固定化)には、既知の方法を適宜用いることができる。例えば、公知の担体(支持体)に受容体を結合させることができる。
このELISAプレートに試料を添加して、試料に含まれる変性HDLを変性HDL結合蛋白質に結合させ、ELISAプレートを洗浄して未結合物を除去し、変性HDL又は複合体を検出できる抗体を用いて検出すると、定量する対象と、変性HDLを変性HDL結合蛋白質の複合体を定量することができる。
変性HDL又は前記複合体に結合する抗体としては、HDL配列に結合する抗体を適宜用いることができる。本実施形態では、ELISAプレート上の変性HDL及び変性HDL結合蛋白質の複合体を検出するので、プレート上で検出されるのは変性HDLである。 なお、本実施形態において変性HDLに結合する抗体は、モノクローナル及びポリクローナル抗体のいずれも用いることができる。
本実施形態においては、さらに具体的には、変性HDL及び変性HDL結合蛋白質が結合した複合体を形成し、この複合体を免疫分析により定量することができる。
この免疫分析について、図1に模式図を示して説明する。例えば、変性HDL結合蛋白質20を、プレート40に固相化させる。本実施形態では、変性HDL結合蛋白質20は、例としてL鎖部位21とH鎖部位22とを備えた、Factor V蛋白質と相同性を有する蛋白質である。プレート40は、ELISAプレートである。既知の担体で固相化を行うと、プレート40上には、前記H鎖部位22がプレート40に固相化された構造が生じる。ついで、プレート40を洗浄し、未結合の変性HDL結合蛋白質20を除去する。
このプレート40に、体液由来の試料を注入する。プレート40上のL鎖部位21に、試料中の変性HDL10が結合する。このプレート40上の複合を、変性HDL又は前記複合体に結合する抗体30で定量する。本実施形態では、抗体30には抗アポリポタンパクAI抗体(抗ApoA1)を用いている。
この実施形態では、従来技術のようなLOX-1等の変性HDL受容体を用いず、変性HDLに直接結合する変性HDL結合蛋白質をプレート上に固相化するので、変性HDL受容体が不要である。例えば変性HDL結合蛋白質として、上述するようなFactor Vよりもさらに全長が短い蛋白質等、入手が容易な蛋白質を用いれば、LOX-1等の変性HDL受容体を定量に用いるのに比べて、より容易に定量を行うことができる。
(変性HDL定量に用いる分析用試薬)
次に、上述の体液中の変性HDL定量方法に用いる分析用試薬について説明する。
この分析用試薬は、体液中の変性HDLの定量に用いることで、心・血管系疾患、糖尿病若しくは糖尿病性疾患、又は、その進行度を判定するための体液中の変性HDLの定量に用いることができる。
分析用試薬は、上述した変性HDL結合蛋白質を含んでいる。変性HDL結合蛋白質を含むことで、生理的活性を有する変性HDLの定量を行うことができる。
(その他の構成)
本実施形態の分析用試薬は、その他免疫分析の試薬に含まれる成分を含有していてもよい。
また、本実施形態の分析用試薬は、上記構成を複数備えたキットとして提供されてもよい。例えば、このキットは変性HDLの定量のための変性HDL結合蛋白質を含む分析用試薬を備えていてもよい。また、このキットは、上述した定量の操作に用いるための担体、ELISAプレート、発色基質又は抗体等を含んでいてもよい。
また、上述した蛋白質が固相化されたELISAプレートを含んでいてもよい。例えば、心・血管系疾患、糖尿病若しくは糖尿病性疾患、それらのリスク、又は、その進行度を判定するための変性HDLの定量に用いる分析用プレートであって、変性HDLと結合可能な変性HDL結合蛋白質が固相化されたELISAプレートを備え、変性HDL結合蛋白質は、Factor VのL鎖部位配列を有する蛋白質又はその変異体を含む、分析用プレートとして提供されていてもよい。
(本実施形態の効果)
本実施形態の変性HDLの定量方法は、従来技術に比して変性HDLを安定して正確に定量することができる。本実施形態が安定して正確に定量できるとは、従来の方法が試料によって検出感度自体に差がある場合や、検出感度が低かったのに対して、本実施形態の方法は試料の条件、例えば変性HDL以外の含有物等によらず、変性HDLを一定の高い感度で定量することができる。
本実施形態の変性HDLの定量方法は、変性HDLの安定かつ正確な定量を行うことができることで、疾患、それらのリスクや進行度の判定に用いることができる。疾患としては、HDLが関連すると思われる疾患が広く対象となり、例えば、心・血管系疾患、糖尿病若しくは糖尿病性疾患が挙げられる。心・血管系疾患としては特に、動脈硬化又はその進行によって生じる心筋梗塞若しくは脳卒中が挙げられる。
(本実施形態の用途)
本実施形態の変性HDLの定量方法及び分析用試薬は、例えば、体液中のHDLの定量において、変性HDLの測定により、上述した心・血管系疾患への罹患、及び/又は、糖尿病若しくは糖尿病性疾患への罹患を診断する方法に用いることができる。
診断方法としては、例えば、前記試料中の変性HDLの測定において、総HDL量に対する変性HDLの比率の変化から、前記疾患への罹患のリスク、及び/又は、これらの進行度合いを診断することもできる。
この診断方法では、蛋白質の標準品、健常体液試料などを用いて標準品として用い、検量線、対比表などを作成し、診断する対象の検体試料による定量結果を検量線や対比表などと比較して診断に用いる過程なども含まれる。
また、高血圧、睡眠時無呼吸症候群といった、肥満に関連する疾患への罹患、罹患リスク、及び/又はその進行度合いの判定及び診断にも用いることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、変性HDL、変性HDL結合蛋白質及びLOX-1蛋白質の複合体を形成し、この複合体を免疫分析により定量する。
なお、第1の実施形態と同様の構成については、図面中に同符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、換言すれば、変性HDL及びLOX-1蛋白質の複合体を検出することによって定量しようとしていた従来技術に対して、さらに変性HDL結合蛋白質を介することで、より安定性、確実性を高く検出しようとするものである。この実施形態では、LOX-1蛋白質を用いた従来技術で行っていた手法や設備等を改良することで定量を行うことができる。
LOX-1は、本発明者が発見した分子で(Sawamura T et al. Nature 386, 73-77,1997)、レクチン様酸化LDL受容体の1種として知られている。LOX-1は、詳細な構造も明らかとなっており、細胞膜一回貫通型の膜タンパク質であり、レクチン様のドメインを備え、このレクチン様ドメインが酸化LDLの認識部位であること(特開平9-98787号公報など)、血液中に可溶性の成分も存在していること、修飾された高比重リポ蛋白質(HDL)がLOX-1のリガンドとして作用すること等が知られている(特開2012-100585号公報、特許第6231307号公報など)。
前記LOX-1蛋白質は、例えば、組み換えLOX-1蛋白質を用いることも好ましい。ここで組み換えLOX-1蛋白質とは、遺伝子組み換えによって発現させて得られたLOX-1蛋白質である。組み換えLOX-1蛋白質は、必要に応じて他の構造との融合や変異を導入されていてもよい。
上述の免疫分析においては、変性HDL、変性HDL結合蛋白質及びLOX-1蛋白質の複合体の定量は、いわゆるサンドイッチELISAを用いて行うことができる。
本実施形態の定量法の概略を図2に示す。この定量法としては、例えば、LOX-1蛋白質50を、プレート40Aに固相化させる。このプレート40A上のLOX-1蛋白質50に、変性HDL結合蛋白質20を結合させる。このプレート40Aに体液由来の試料を注入することで、このLOX-1蛋白質50と変性HDL結合蛋白質20の複合体に、変性HDL10を結合させる。ついで、プレート40A上の複合体を、上述した変性HDL又は前記複合体に結合する抗体30で定量することができる。抗体30には、抗Factor-V抗体を用いることもできる。
本実施形態では、試料として血清を用い、前記試料に前記変性HDL結合蛋白質を添加する工程を備えていてもよい。この試料を、上述したLOX-1が固相化されたELISAプレートに添加することで、ELISAプレート上のLOX-1に、変性HDL結合蛋白質及び変性HDLが結合した複合体が形成され、ELISAプレート上の結合体を、上述した変性HDL又は前記複合体に結合する抗体で定量することができる。
なお、本実施形態の定量方法に用いる分析用試薬は、病理学的活性を有する変性HDLの定量のための、組み換えLOX-1蛋白質を含むものであってもよい。この分析用試薬は、上述したように、組み換えLOX-1蛋白質が変性HDLと相互作用するので、変性HDL、変性HDL結合蛋白質及びLOX-1の複合体に対して免疫分析により変性HDLの定量を行うことができる。
また、本実施形態の分析用試薬は、上記構成を複数備えたキットとして提供されてもよい。例えば、このキットは変性HDLの定量のための変性HDL結合蛋白質を含む分析用試薬及びLOX-1蛋白質を含む分析用試薬を備えていてもよい。
以下、実施例を示す。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
(試験例1)
(Factor Vによる変性HDL検出感度の検証)
まず、変性HDLと、変性HDLの受容体であるLOX-1との結合のFactor Vの影響を調べた。
LOX-1を固相化したプレートに変性HDLを含む血漿又は血清試料を添加して、LOX-1と変性HDLの複合体を、変性HDLの抗体(抗apоA1抗体)で検出する試験を行う。このとき、試料にFactor Vを添加することで、Factor Vの添加量に依存して検出感度が向上し、また安定した検出感度が得られるのであれば、Factor Vと変性HDLの結合の機序を変性HDLの定量に用いることができる。
ELISA法は以下の手順で行った。
384 well プレートに組換えヒトLOX-1(61-273aa)を0.15μg/well固相化した。PBSで2回洗浄した後、1%カゼイン-Naでブロッキングを行った。PBSで3回洗浄後、Factor Vを添加した血漿又は血清試料を室温で2時間インキュベーションした。試料希釈液には1%カゼイン-Na, 10mM HEPES,150mM NaCl,pH7.4, 100μM APMSFを用いた。PBSで3回洗浄度、1μg/mlに調製した抗apоA1抗体(chicken #1)を添加し、室温で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄度、4000倍希釈したHRP標識抗chicken IgY抗体を添加し、室温で1時間インキュベートした。抗体反応後、PBSで5回洗浄し、TMB溶液(Bio-Rad社製)をプレートに添加し室温で反応させた。2M硫酸で反応を停止させ、450nmの吸光度を測定した。変性HDL濃度(ng/ml)は、硫酸銅で酸化させた酸化HDLを標準品として作成した検量線を用いて算出した。
ELISA法による検出結果を図3に示す。図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、それぞれ異なる被験者(A、B、C、D、E)より採取した血漿(plasma)、及び血清(serum)についての結果を示した。縦軸のcomplexは、固相化されたLOX-1に対してなんらかの複合体を形成した変性HDL(LOX-1変性HDLの結合を他の蛋白質が介しているものを含む)に対して、抗apоA1抗体が検出した濃度を示し、横軸は添加したFactor Vの濃度を示す。
血清については、図3(a)、(b)、(c)、(d)、(e)に示すように、被験者A、B、C、D、Eより採取した検体の5例全てにおいて、Factor Vの添加量に依存して変性HDLの検出感度が上昇している。血漿については、採取する検体によって、添加量による差が大きく見られない場合と、ほぼ添加量に依存して上昇する場合があった。
これらの結果は、血漿よりも含有物質の少ない血清については、Factor V等のLOX-1と変性HDLの結合を介する蛋白質がほとんど含まれていないため、このFactor Vの添加によってこの結合が介されたと考えられる。一方、血漿にはFactor V等のLOX-1と変性HDLの結合を介する蛋白質が含まれている場合があるが、含有量が検体やその採取、保存方法などによってそれぞれ異なっており、Factor V添加による影響が異なると考えられる。
これらの結果により、Factor Vが変性HDLと結合すること、変性HDLとLOX-1の結合がFactor Vを介して行われ、Factor Vの添加量に依存してこの結合が行われた複合体の検出感度が向上することが示された。
(試験例2)
プレートに対するLOX-1の固相化の有無で検出感度を調べることで、Factor Vによる検出感度の上昇がLOX-1、Factor V及び変性HDLの複合体に対して起こっているかを調べた。
図4に、試料として前記A、B、C、D、Eより採取したそれぞれの血漿を用いて、1μg/mLとなるようFactor V蛋白質を加えた場合(plasma+FV)及び加えない場合(plasma)、プレートとしてLOX-1を固相化したもの(LOX-1 immobilized)及び固相化を行わないもの(non coat)を用い、その他は試験例1と同様に、ELISA法により検出を行った結果を示す。
図5に、試料として前記A、B、C、D、Eより採取したそれぞれの血清を用いて1μg/mLとなるようFactor V蛋白質を加えた場合(serum+FV)及び加えない場合(serum)、他は図4と同様に検出を行った結果を示す。
図6に、試料として前記A、B、C、D、Eより採取したそれぞれの血漿を用いて、10μg/mLとなるようFactor V蛋白質を加えた場合及び加えない場合について、他は図4と同様に検出を行った結果を示す。
図7に、試料として前記A、B、C、D、Eより採取したそれぞれの血清を用いて、10μg/mLとなるようFactor V蛋白質を加えた場合及び加えない場合について、他は図5と同様に検出を行った結果を示す。
図4~図7によれば、LOX-1を固相化しないプレートを用いると、Factor Vを試料に加えた場合も加えない場合も検出量に差が見られない。この結果から、Factor VはLOX-1、Factor V及び変性HDLが結合し、複合体を形成したものの検出量を増加させることが示されている。
図4と図5、図6と図7を比較すると、血漿を用いた図4、図6に対し、血清を用いた図5、図7では、Factor Vを添加することによって検出量が高くなっている。この結果も試験例1と同様、血清に含まれていないと思われる物質が、Factor Vの添加によって補われると考えられる。
(試験例3)
Factor Vが変性HDLに結合することから、Factor Vを直接プレートに固相化させ、変性HDLの定量を行うことができるかを試みた。
まず、PBS(-)に0~10μg/mLとなるよう溶解したFactor Vをプレートに添加し、抗Factor V抗体によるELISA法で、プレートへの固相化が可能かを試みた。条件は以下のように行った。
固相化:Human Factor V 各濃度
ブロッキング:1%カゼイン-Na中、2hr 室温
検出:一次抗体 anti-FV-LC (AHV-5101) 1μg/ml、1hr、室温
二次抗体 anti-mouse IgG-HRP、1:4000、 1% カゼイン-Na中、1hr 室温
結果を図8に示す。プレートに対し、ほぼ濃度依存でFactor Vの固相化が可能であることが示されている。
続いて、このFactor V固相化ELISAプレートに対して、変性していないHDL(nHDL)及び変性HDLの結合の試験を行った。変性HDLは、HDLを硫酸銅によって酸化させた酸化HDLである、Cu2+-оxHDLを用いた。
384wellプレート(greiner社製)にFactor Vを固相化した。PBSで2回洗浄した後、1%カゼイン-Naでブロッキングを行った。PBSで3回洗浄後、試料希釈液(1%カゼイン-Na, 10mM HEPES,150mM NaCl,pH7.4, 100μM APMSF)にて1μg/mlに調製したnHDL又はCu2+-оxHDL を室温で2時間インキュベーションした。PBSで3回洗浄度、1μg/mlに調製した抗apоA1抗体(chicken #1)を添加し、室温で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄度、4000倍希釈したHRP標識抗chicken IgY抗体を添加し、室温で1時間インキュベートした。抗体反応後、PBSで5回洗浄し、TMB溶液(Bio-Rad社製)をプレートに添加し室温で反応させた。2M硫酸で反応を停止させ、450nmの吸光度を測定した。
結果を図9に示す。プレートへのFactor V固相化量に依存して、変性HDLの検出量は高くなっている。一方、nHDLの検出量は大きく変化しない。この結果より、このプレートが変性HDLの検出に用いることができる旨が示されている。
(試験例4)
試験例3と同様に調整したFactor V固相化プレートを用いて、ヒト血漿及び血清中の変性HDLを検出した。被験者X,Yから採取した血漿及び血清の検体を用い、ELISA法により変性HDLの定量を行った。
384wellプレート(greiner社製)にFactor Vを固相化した。PBSで2回洗浄した後、1%カゼイン-Naでブロッキングを行った。PBSで3回洗浄後、血漿又は血清試料を室温で2時間インキュベーションした。PBSで3回洗浄度、1μg/mlに調製した抗apоA1抗体(chicken #1)を添加し、室温で1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄度、4000倍希釈したHRP標識抗chicken IgY抗体を添加し、室温で1時間インキュベートした。抗体反応後、PBSで5回洗浄し、TMB溶液(Bio-Rad社製)をプレートに添加し室温で反応させた。2M硫酸で反応を停止させ、450nmの吸光度を測定した。
結果を図10に示す。被験者Xから採取した検体について図10(a)、被験者Yから採取した検体について図10(b)に示した。
従来技術におけるLOX-1固相化の場合と異なり、血漿と血清で測定値にほとんど違いはなく、すなわち、血漿に対しても検体によらず、安定した検出感度の高さが見られた。この技術は、LOX-1を固相化した技術よりも感度が高く、またLOX-1及びFactor Vを用いたサンドイッチ法よりも容易に定量を行うことができるだけでなく、血漿及び血清の両方に対して安定して確実に高い感度で定量を行うことができることが示された。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明によれば、変性HDLを従来よりも安定して正確に定量できる変性HDLの定量方法、及び、その定量方法に用いる分析用試薬が得られる。この定量方法及び分析用試薬は、特に心・血管系疾患への罹患、糖尿病及び糖尿病性疾患への罹患のリスク又は進行度合いの判定等に用いることができる。
10 変性HDL
20 変性HDL結合蛋白質
21 L鎖部位
22 H鎖部位
30 抗体
40、40A プレート
50 LOX-1蛋白質

Claims (16)

  1. 試料中に含まれる変性HDLの定量方法であって、
    前記試料に前記変性HDLと結合可能な変性HDL結合蛋白質を添加し、
    前記変性HDLと変性HDL結合蛋白質とを結合させ、前記変性HDL結合蛋白質と前記変性HDLとの結合体を定量し、
    前記変性HDL結合蛋白質は、Factor VのL鎖部位の配列を有する蛋白質又はその変異体を含む、変性HDLの定量方法。
  2. 前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位であるC1-C2ドメインの配列を含む、請求項1に記載の変性HDLの定量方法。
  3. 前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vの配列を含む、請求項1又は2に記載の変性HDLの定量方法。
  4. 前記変性HDL結合蛋白質は、MFG-E8、Del-1又はFactor VIIIである、請求項2に記載の変性HDLの定量方法。
  5. 前記変性HDL結合蛋白質は、組み換え蛋白質である、請求項1から4のいずれか1項に記載の変性HDLの定量方法。
  6. 前記定量は、前記変性HDL及び前記変性HDL結合蛋白質の複合体を形成し、前記複合体を免疫分析により定量する、請求項1から5のいずれか1項に記載の変性HDLの定量方法。
  7. 前記免疫分析による定量は、前記変性HDL結合蛋白質、又は前記変性HDL結合蛋白質と結合する蛋白質を固相化したELISAプレートを用いたELISA法により行う、請求項6に記載の変性HDLの定量方法。
  8. 前記定量は、前記変性HDL、前記変性HDL結合蛋白質及びLOX-1蛋白質の複合体を形成し、前記複合体を免疫分析により定量する、請求項1から7のいずれか1項に記載の変性HDLの定量方法。
  9. 前記定量では、試料として血清又は血漿を用いる、請求項1から8のいずれか1項に記載の変性HDLの定量方法。
  10. 前記定量では、試料として血清を用いる、請求項1から9のいずれか1項に記載の変性HDLの定量方法。
  11. 心・血管系疾患、糖尿病若しくは糖尿病性疾患、それらのリスク、又は、その進行度を判定するための変性HDLの定量に用いる分析用試薬であって、
    前記変性HDLと結合可能な変性HDL結合蛋白質を含み、
    前記変性HDL結合蛋白質は、Factor VのL鎖部位配列を有する蛋白質又はその変異体を含む、分析用試薬。
  12. 前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vのリン脂質認識部位であるC1-C2ドメインの配列を含む、請求項11に記載の分析用試薬。
  13. 前記変性HDL結合蛋白質は、Factor Vの配列を含む、請求項11又は12に記載の分析用試薬。
  14. 前記変性HDL結合蛋白質は、MFG-E8、Del-1又はFactor VIIIである、請求項12に記載の分析用試薬。
  15. 前記変性HDL結合蛋白質は、組み換え蛋白質である、請求項11から14のいずれか1項に記載の分析用試薬。
  16. 前記心・血管系疾患は、動脈硬化又はその進行によって生じる心筋梗塞若しくは脳卒中である、請求項11から15のいずれか1項に記載の分析用試薬。
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