本明細書において、個々の野生型ウイルスより優れる新規な複合型キメラポックスウイルスを生み出すような、種々のウイルス種由来の好ましい特徴を併せ持つ、キメラポックスウイルス組成物を記載する。出願人は、種々の属由来のキメラポックスウイルスを作製した。キメラオルソポックスウイルス及びパラポックスウイルスの単離株は、これらの親である個々の野生型ウイルスと比較し、NCI60がん細胞株のパネルにおいて優れた殺傷能力を示した。更に、poxviridaeファミリーの種々の属由来のメンバーが抗原性を有するという好都合な事実に基づくと、本研究において作製した有力なキメラオルソポックスウイルス及び有力なキメラパラポックスウイルスは、同じ治療法において潜在的に組み合わせることにより最大の治療効果を発揮することができる。
I.定義
本明細書において、本発明の各種の実施形態及び態様が記載されるが、かかる実施形態及び態様は、例示としてのみ提供されるものであることが、当業者にとって明らかである。当業者であれば、本発明から逸脱しない範囲で、多数の変形、変更及び置換を想起する。本明細書に記載される本発明の実施形態の各種の代替的形態が、本発明の実施の際に適用できることを理解すべきである。
本明細書において用いられるセクション見出しは、編集を目的とするものに過ぎず、記載される主題を限定するものとして解釈すべきでない。限定されないが、特許、特許出願、記事、書籍、マニュアル及び論文等の、本出願に引用される全ての文書又は文書の一部は、いかなる目的においてもその全開示内容を参照により本明細書に明示的に組み込む。
特に定義されない限り、本明細書において用いられる技術的及び科学的用語は通常、当業者により理解されるものと同じ意味を有する。例えば、Singletonら、DICTIONARY OF MICROBIOLOGY AND MOLECULAR BIOLOGY 2nd ed.,J.Wiley&Sons(New York,NY 1994)、Sambrookら、MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL,Cold Springs Harbor Press(Cold Springs Harbor,NY 1989)を参照されたい。本明細書に記載されるものと類似の、又は同等のいかなる方法、装置及び材料も、本発明の実施において使用できる。以下の定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を促進するために提供されるものであり、本開示の範囲を制限するものでない。
用語「単離する」又は「単離された」は、核酸、ウイルス又はタンパク質に適用する場合は、当該核酸、ウイルス又はタンパク質が、天然状態において会合する他の細胞成分を本質的に含まない状態であることを意味する。それは例えば、均一な状態とすることができ、また乾燥状態又は水溶液の状態であってもよい。純度及び均一性は典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又は高性能液体クロマトグラフィーのような分析化学的方法を用いて測定される。調製物中に多く存在する種のタンパク質は、実質的に精製されたものである。
本明細書において用いられる「核酸」又は「オリゴヌクレオチド」又は「ポリヌクレオチド」又は文法的な同等物は、少なくとも2つのヌクレオチドが一緒に共有結合されたものを意味する。用語「核酸」は、一本鎖又は二本鎖の形態のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド、及びそのポリマー又はこれらの相補物を指す。用語「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチドの直鎖状配列を指す。用語「ヌクレオチド」は典型的には、ポリヌクレオチドを構成する一個の単位(すなわちモノマー)を指す。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド又はその修飾されたバージョンでありうる。本明細書において想定されるポリヌクレオチドの例には、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖RNA(siRNAを含む)、並びに一本鎖及び二本鎖DNA及びRNAの混合物を有するハイブリッド分子が含まれる。該用語はまた、公知のヌクレオチドアナログ又は修飾された主鎖残基若しくは結合を含む核酸を包含し、これらは合成物、天然物及び非天然物であり、これらは参照核酸と同等の結合特性を有し、またこれらは参照ヌクレオチドと同様の方法で代謝される。かかるアナログの例としては、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、メチルホスホネート、キラルメチルホスホネート及び2-O-メチルリボヌクレオチドが挙げられるが、これらに限定されない。
核酸は、非特異的な配列を含んでもよい。本明細書において、用語「非特異的な配列」は、他の何らかの核酸配列と相補的となるように設計されていないか又は部分的にのみ相補的である一連の残基を含む、核酸配列を指す。例えば、非特異的な核酸配列は、細胞又は生物と接触するときに阻害的な核酸として機能しない、一連の核酸残基である。「阻害的な核酸」とは、標的核酸(例えばタンパク質への翻訳が可能なmRNA)に結合し、標的核酸の(例えばDNAからmRNAへの)転写を減少させ、又は標的核酸(例えばmRNA)の翻訳を減少させ、又は転写後スプライシングを変化させる(例えば一本鎖モルホリノオリゴ)ことができる核酸(例えばDNA、RNA、ヌクレオチドアナログのポリマー)である。
「標識された核酸又はオリゴヌクレオチド」とは、核酸に結合した検出可能な標識の有無の検出により該核酸の存在が検出されうるような標識に、リンカー若しくは化学結合を介した共有結合によって又はイオン、ファンデルワールス、静電若しくは水素結合を介した非共有結合的な結合によって、、結合しているものである。あるいは、高親和性の相互作用を用いる方法もまた、一対の結合パートナーのうちの一方が他方と結合する(例えばビオチン、ストレプトアビジン)ことで、同じ結果を達成し得る。実施形態において、ホスホロチオエート核酸又はホスホロチオエートポリマー主鎖は、本明細書に開示され、また当技術分野において一般的に公知である検出可能な標識を含む。
用語「相補的な」又は「相補性」とは、ポリヌクレオチド中の核酸の、第2のポリヌクレオチド中の別の核酸と塩基対を形成する能力を指す。例えば、配列A-G-Tは、配列T-C-Aと相補的である。相補性は、核酸の一部のみが塩基対形成に従って整合する部分的なものであってもよく、又は全ての核酸が塩基対形成に従って整合する全体的なものであってもよい。
核酸は、別の核酸配列との機能性関係に置かれるとき、「作動可能に連結」される。例えば、ポリペプチドの分泌に関与する前駆タンパク質として前駆配列又は分泌リーダーが発現する場合、前駆配列又は分泌リーダーについてのDNAはポリペプチドのためのDNAに作動可能に連結され、プロモーター又はエンハンサーが配列の転写に影響を及ぼす場合、プロモーター又はエンハンサーはコード配列に作動可能に連結され、又は、リボソーム結合部位が翻訳を促進するように配置される場合、リボソーム結合部位はコード配列に作動可能に連結されている。「作動可能に連結」とは、広義には、連結するDNA配列が互いに近くに位置することを意味し、分泌リーダーの場合、連続的であり、読み取り相が一致することを意味する。しかしながら、エンハンサーは連続的である必要はない。連結は、好都合な制限酵素部位におけるライゲーションにより実現される。そのような部位が存在しない場合は、通常の手法に従い、合成されたオリゴヌクレオチドアダプター又はリンカーが使用される。
用語「遺伝子」とは、タンパク質の産生に関連するDNAの部分を意味し、コード領域(リーダー及びトレーラー)の前後の領域、並びに個々のコード部分(エキソン)間の介在配列(イントロン)を含む。リーダー、トレーラー並びにイントロンは、遺伝子の転写及び翻訳の際に必要となる制御エレメントを含む。更に、「タンパク質遺伝子生成物」とは、特定の遺伝子から発現されるタンパク質である。
遺伝子に関して本明細書において用いられる用語「発現」又は「発現される」は、その遺伝子の転写及び/又は翻訳生成物を意味する。細胞内におけるDNA分子の発現レベルは、細胞内に存在する対応するmRNAの量、又は該DNAによりコードされるタンパク質の該細胞により産生される量を基に測定できる。非コード核酸分子(例えばsiRNA)の発現レベルは、当技術分野において周知の標準的なPCR又はノーザンブロット法により検出することができる。Sambrookら、1989 Molecular Cloning:A Laboratory Manual,18.1-18.88を参照されたい。
本明細書に示す「siRNA」、「小分子干渉RNA」、「小分子RNA」又は「RNAi」とは、二本鎖RNAを形成する核酸を指し、該二本鎖RNAは、遺伝子又は標的遺伝子と同じ細胞において発現されたときに、該遺伝子又は標的遺伝子の発現を減少させ、又は阻害する能力を有する。ハイブリダイズして二本鎖分子を形成する核酸の相補性部分は、典型的には、実質的又は完全な同一性を有する。一実施形態において、siRNA又はRNAiは、標的遺伝子と実質的な又は完全な同一性を有し、二本鎖siRNAを形成する核酸のことを指す。実施形態において、siRNAは、細胞内の相補的なmRNAと相互作用することにより遺伝子発現を阻害し、それにより、この相補的なmRNAの発現に干渉する。典型的には、核酸は、少なくとも約15~50ヌクレオチド長である(例えば、二本鎖siRNAの各相補配列は15~50ヌクレオチド長であり、二本鎖siRNAは約15~50塩基対長である)。他の実施形態において、該長さは、20~30塩基のヌクレオチド長、好ましくは約20~25、又は約24~29ヌクレオチド長であり、例えば20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30ヌクレオチド長である。siRNAの非限定的な例には、リボザイム、RNAデコイ、短鎖ヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)及び小分子核小体RNA(snoRNA)が含まれる。
用語「組換え」とは、例えば細胞又は核酸、タンパク質又はベクターについて使用されるときは、該細胞、核酸、タンパク質又はベクターが、異種起源の核酸若しくはタンパク質の導入、又は天然の核酸若しくはタンパク質の変更によって改変されていること、又は該細胞がそのように改変された細胞に由来することを指す。したがって、例えば、組換え細胞は、天然の(非組換え)形態の細胞には存在しない遺伝子を発現するか、又は、組換え細胞でなければ異常発現されるか過小発現されるか若しくは全く発現されない天然の遺伝子を、発現する。トランスジェニック細胞及び植物は、典型的には組換え手法の結果、異種遺伝子又はコード配列を発現するものである。
用語「異種」とは、核酸の部分に関して用いるときは、該核酸が、2つ以上のサブ配列を、天然において互いに同じ関係で見出されることのない関係で含むことを指す。例えば、核酸は、典型的には、組換え的に産生され、新規な機能性核酸を作り出すように並べられた、無関係な遺伝子由来の2つ以上の配列(例えば1つの供給源由来のプロモーター及び他の供給源由来のコード領域)を有する。同様に、異種タンパク質は、該タンパク質が、天然において同じ関係で見出されることのない関係の2つ以上のサブ配列を含むこと(例えば融合タンパク質)を指す。
用語「外因性」とは、所定の細胞又は生物の外部に由来する分子又は物質(例えば化合物、核酸又はタンパク質)であることを指す。例えば、本明細書において言及される「外因性プロモーター」とは、それが発現される細胞又は生物に由来しないプロモーターである。逆に、用語「内因性」又は「内因性プロモーター」とは、所定の細胞又は生物に天然に存在し、又はそれに由来する分子又は物質であることを指す。
用語「単離された」とは、核酸又はタンパク質に適用されるときは、核酸又はタンパク質が、天然状態において会合する他の細内成分を本質的に含まないことを意味する。それは、例えば、均一な状態とすることができ、また乾燥状態又は水溶液の状態であってもよい。純度及び均一性は典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又は高性能液体クロマトグラフィーのような分析化学的方法を用いて測定される。調製物中に存在する主な種類のタンパク質は、実質的に精製されている。
用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーを指すものとして交換可能に本明細書において用いられ、該ポリマーは、実施形態では、アミノ酸からならない部分とコンジュゲートしたものであってもよい。該用語は、1つ又は複数のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の人工的化学的模倣物であるアミノ酸ポリマー、並びに、天然に存在するアミノ酸ポリマー及び非天然アミノ酸ポリマーに適用される。「融合タンパク質」とは、単一の部分として組換え的に発現される、2つ以上の別々のタンパク質配列をコードするキメラタンパク質を指す。
用語「ペプチジル」及び「ペプチジル部分」とは、一価のペプチドを意味する。
用語「アミノ酸」は、天然に存在する、及び合成のアミノ酸、並びに、天然に存在するアミノ酸と類似の方法で機能するアミノ酸アナログ及びアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝暗号によりコードされるもの、並びに、これらのアミノ酸が事後的に修飾されたもの、例えばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸及びO-ホスホセリン等である。「アミノ酸アナログ」とは、天然に存在するアミノ酸と同じ、すなわちα炭素に水素、カルボキシル基、アミノ基及びR基が結合する、基本的な化学的構造を有する化合物を指し、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムが挙げられる。かかるアナログは、修飾されたR基(例えばノルロイシン)又は修飾されたペプチド主鎖を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持する。アミノ酸模倣物とは、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸と類似の方法で機能する化学物質を指す。用語「天然に存在しないアミノ酸」及び「非天然アミノ酸」とは、アミノ酸アナログ、合成アミノ酸及び天然には存在しないアミノ酸擬態物を指す。
アミノ酸は、本明細書において、一般に公知の3文字表記により表記されてもよく、又は、IUPAC-IUB Biochemical Nomenclature委員会により推奨される1文字表記により表記されてもよい。同様に、ヌクレオチドも、一般に認められる一文字表記により表記されうる。
「保存的に改変された変異体」とは、アミノ酸及び核酸配列の両方に適用される。特定の核酸配列に関する「保存的に改変された変異体」とは、同一の、又は本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸を指す。遺伝暗号の縮重のため、幾つかの核酸配列が、いずれかの所与のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCG及びGCUは全て、アミノ酸アラニンをコードする。したがって、コドンによりアラニンが特定されるいずれの位置においても、コードされるポリペプチドを変更させずに、上記の対応するコドンのいずれかにコドンを改変することができる。
かかる核酸の変異は「サイレントな変異」であり、それは保存的に改変される変異の一種である。1つのポリペプチドをコードするあらゆる核酸配列に関しては、あらゆる考えられる該核酸のサイレント変異が本明細書に記載されるものとする。当業者であれば、(通常メチオニンの唯一のコドンであるAUG、及び通常トリプトファンの唯一のコドンであるTGGを除く)各核酸コドンを、機能的に同一の分子を得るために改変できることを認識する。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変異は、記載されている各配列に包含されるものとする。
アミノ酸配列に関して、当業者であれば、核酸、ペプチド、ポリペチド又はタンパク質配列に対する、コードされた配列中の一個のアミノ酸若しくは数%のアミノ酸を置換する、付加する若しくは欠失させる個々の置換、欠失又は付加が、「保存的に改変された変異体」であり、該改変の結果、化学的に類似のアミノ酸を有するアミノ酸に置換されることを認識する。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的置換をまとめた表が当技術分野において周知である。かかる保存的に改変された変異体は、本発明の多形変異体、種間ホモログ及び対立遺伝子を排除するものではなく、それに追加されるものである。
以下の8つの群は、互いに保存的置換となるアミノ酸を各々含むものである:1)アラニン(A)、グリシン(G)、2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、4)アルギニン(R)、リシン(K)、5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V)、6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、7)セリン(S)、トレオニン(T)、及び8)システイン(C)、メチオニン(M)(Creighton、Proteins(1984)を参照されたい)。
用語「同一」又はパーセント「同一性」とは、2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈においては、同一である、又は所定の領域において所定のパーセンテージ(すなわち、約60%の同一性、好ましくは65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上の同一性)で同一のアミノ酸残基又はヌクレオチドを有する2つ以上の配列又はサブ配列を指し、該同一性は、比較ウインドウ又は所定の領域において、BLAST又はBLAST2.0配列比較アルゴリズムを以下に記載のデフォルトパラメータで使用して測定し、最も適合するよう配列を整列させる、又は手動によるアラインメント及び目視評価することにより行う(NCBIウェブサイトhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/等を参照されたい)。かかる配列は、「実質的に同一である」といわれる。この定義はまた、試験配列の相補物を指す場合もあり、又はそれに適用される場合もある。該定義はまた、欠失及び/又は付加を有する配列、並びに置換を有する配列を包含する。後述するように、好適なアルゴリズムによりギャップ等を設けることができる。好ましくは、同一性は、少なくとも約25アミノ酸長又はヌクレオチド長の領域を通じて、又は、より好ましくは、50~100アミノ酸又はヌクレオチド長の領域を通じて存在する。
本明細書において用いられる用語「チミジンキナーゼ遺伝子」、「TK遺伝子」、「TK」、「J2R遺伝子」又は「J2R」は、組換え形態又は天然の形態のチミジンキナーゼ遺伝子又はその変異体若しくはホモログを指し、これらはチミジンキナーゼポリペプチドの活性を(例えば、チミジンキナーゼポリペプチドと比較し、少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性を)維持できるチミジンキナーゼポリペプチドをコードする。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のチミジンキナーゼ遺伝子と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、チミジンキナーゼ遺伝子は、受託番号DQ121394により同定される核酸配列83422~83955位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、チミジンキナーゼ遺伝子は、配列番号4の核酸配列を含む。実施形態において、チミジンキナーゼ遺伝子は、配列番号4の核酸配列である。実施形態において、チミジンキナーゼ遺伝子は、変異を有する。実施形態において、チミジンキナーゼ遺伝子は、部分的に欠失している。実施形態において、チミジンキナーゼ遺伝子は、配列番号5の核酸配列を含む。実施形態において、チミジンキナーゼ遺伝子は、配列番号5の核酸配列を含む。
本明細書において用いられる用語「F14.5L遺伝子」、「F14.5L配列」、「F14.5L」等は、F14.5Lポリペプチドの活性を、(例えば、F14.5Lポリペプチドと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持できるF14.5Lポリペプチドをコードする、組換え型又は天然型のF14.5L遺伝子又はその変異体若しくはホモログを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のF14.5L遺伝子と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、F14.5L遺伝子は、受託番号KX781953により同定される核酸配列44428~44279位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、F14.5L遺伝子は、配列番号6の核酸配列を含む。実施形態において、F14.5L遺伝子は、配列番号6の核酸配列である。実施形態において、F14.5L遺伝子は、変異を有する。実施形態において、F14.5L遺伝子は、部分的に欠失している。実施形態において、F14.5L遺伝子は、配列番号7の核酸配列を含む。実施形態において、F14.5L遺伝子は、配列番号7の核酸配列を含む。
本明細書において用いられる用語「D4R遺伝子」、「ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子」等は、ウラシルDNAグリコシラーゼポリペプチドの活性を、(例えばウラシルDNAグリコシラーゼポリペプチドと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持できるウラシルDNAグリコシラーゼポリペプチドをコードする、組換え型若しくは天然型のウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子、又はこれらの変異体若しくはホモログのいずれかを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、ウラシルDNAグリコシダーゼ遺伝子は、受託番号DQ439815により同定される核酸配列102720~103376位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、ウラシルDNAグリコシダーゼ遺伝子は、配列番号8の核酸配列を含む。実施形態において、ウラシルDNAグリコシダーゼ遺伝子は、配列番号8の核酸配列である。
本明細書において用いられる用語「E9L遺伝子」、「DNAポリメラーゼ遺伝子」等は、DNAポリメラーゼポリペプチドの活性を、(例えばDNAポリメラーゼポリペプチドと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持できるDNAポリメラーゼポリペプチドをコードする、組換え型若しくは天然型のDNAポリメラーゼ遺伝子、又はこれらの変異体若しくはホモログのいずれかを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のDNAポリメラーゼ遺伝子と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、DNAポリメラーゼ遺伝子は、受託番号AY243312により同定される核酸配列56656~53636位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、DNAポリメラーゼ遺伝子は、配列番号12の核酸配列を含む。実施形態において、DNAポリメラーゼ遺伝子は、配列番号12の核酸配列である。
本明細書において用いられる用語「ヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体遺伝子」、「hNIS遺伝子」、「NIS遺伝子」等は、ヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体ポリペプチドの活性を、(例えばヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体ポリペプチドと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持できるヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体ポリペプチドをコードする、組換え型若しくは天然型のヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体遺伝子、又はこれらの変異体若しくはホモログのいずれかを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体遺伝子と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、ヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体遺伝子は、受託番号NM_000453により同定される核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、ヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体遺伝子は、配列番号13の核酸配列を含む。実施形態において、ヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体遺伝子は、配列番号13の核酸配列である。
本明細書において用いられる用語「Emerald遺伝子」、「Emerald配列」は、Emeraldポリペプチドの活性を、(例えばEmeraldポリペプチドと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持できるEmeraldポリペプチドをコードする、遺伝子操作された遺伝子、又はこれらの変異体を指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、Emerald配列と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、Emeraldは、受託番号KF293661により同定される核酸配列3215~3931位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、Emerald遺伝子は、配列番号14の核酸配列を含む。実施形態において、Emerald遺伝子は、配列番号14の核酸配列である。
本明細書において用いられる用語「ホタルルシフェラーゼ遺伝子」又は「ホタルルシフェラーゼ配列」は、ホタルルシフェラーゼポリペプチドの活性を、(例えばホタルルシフェラーゼポリペプチドと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持できるホタルルシフェラーゼポリペプチドをコードする、組換え型若しくは天然型のホタルルシフェラーゼ遺伝子、又はこれらの変異体若しくはホモログを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のホタルルシフェラーゼ遺伝子と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、ホタルルシフェラーゼ遺伝子は、受託番号KF990214により同定される核酸配列3129~4781位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、ホタルルシフェラーゼ遺伝子は、配列番号15の核酸配列を含む。実施形態において、ホタルルシフェラーゼ遺伝子は、配列番号15の核酸配列である。
本明細書において用いられる用語「mCherry遺伝子」又は「mCherry配列」は、mCherryポリペプチドの活性を、(例えばmCherryポリペプチドと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持できるmCherryポリペプチドをコードする、組換え型若しくは天然型の該遺伝子、又はこれらの変異体若しくはホモログを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のmCherry遺伝子と比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、mCherry遺伝子は、受託番号KX446949により同定される核酸配列1073~1783位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、mCherry遺伝子は、配列番号16の核酸配列を含む。実施形態において、mCherry遺伝子は、配列番号16の核酸配列である。
本明細書において用いられる用語「H5プロモーター」、「H5」等は、H5プロモーターの活性を、(例えばH5プロモーターと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持する、組換え型若しくは天然型のH5プロモーター、又はこれらの変異体若しくはホモログを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のH5プロモーターと比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、H5プロモーターは、受託番号FJ386852により同定される核酸配列7~76位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、H5プロモーターは、配列番号18の核酸配列を含む。実施形態において、H5プロモーターは、配列番号18の核酸配列である。
本明細書において用いられる用語「SEプロモーター」、「SE」等は、SEプロモーターの活性を、(例えばSEプロモーターと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持する、組換え型若しくは天然型のSEプロモーター、又はこれらの変異体若しくはホモログを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然のSEプロモーターと比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、SEプロモーターは、配列番号19の核酸配列を含む。実施形態において、SEプロモーターは、配列番号19の核酸配列を含む。
本明細書において用いられる用語「11Kプロモーター」、「11K」等は、11Kプロモーターの活性を、(例えば11Kプロモーターと比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持する、組換え型若しくは天然型の11Kプロモーター、又はこれらの変異体若しくはホモログを指す。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続する核酸部分)にわたり、天然の11Kプロモーターと比較し、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の核酸配列同一性を有する。実施形態において、11Kプロモーターは、受託番号KF179385により同定される核酸配列40734~40771位に該当する核酸配列、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、11Kプロモーターは、配列番号20の核酸配列を含む。実施形態において、11Kプロモーターは、配列番号20の核酸配列である。
抗体は、大型の(約150,000の分子量又は約1320アミノ酸の)、複雑な内部構造を有する複合分子である。天然の抗体分子は、2対の同一のポリペプチド鎖(1つの軽鎖及び1つの重鎖を有する各対)を含む。各軽鎖及び重鎖は、標的抗原との結合に関与する可変(「V」)領域、及び免疫系の他の成分と相互作用する定常(「C」)領域、の2つの連続する領域からなる。軽鎖及び重鎖可変領域は、3次元空間においては一緒になり、抗原(例えば細胞表面上の受容体)と結合する可変領域を形成する。各軽鎖又は重鎖可変領域内には、相補性決定領域(「CDR」)と呼ばれる3つの短い部分(平均10アミノ酸長)が存在する。抗体可変ドメインの6つのCDR(軽鎖由来が3、及び重鎖由来が3)は、3次元空間においては一緒に折り畳まれ、標的抗原上にドッキングする実際の抗体結合部位を形成する。CDRの位置及び長さは、正確には、Kabat、E.ら(Sequences of Proteins of Immunological Interest,U.S.Department of Health and Human Services,1983,1987)により定義される。CDRに含まれない可変領域の部分は、フレームワーク(「FR」)と呼ばれ、これらはCDRのための環境を形成する。
用語「抗体」は、当技術分野において一般に公知の意味に従い用いられる。抗体は、例えば、インタクトなイムノグロブリンとして存在する、又は種々のペプチダーゼによる消化によって産生され、十分に特徴づけられた幾つかの断片として存在する。したがって、例えばペプシンで、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下で抗体を消化することにより、F(ab)’2という、それ自体がジスルフィド結合によりVH-CH1に連結されている軽鎖であるFabのダイマーが産生される。F(ab)’2は穏やかな条件下で還元されることでヒンジ領域のジスルフィド結合が切断され、F(ab)’2ダイマーからFab’モノマーに変換される。Fab’モノマーは、本質的に、ヒンジ領域部分を有するFabである(Fundamental Immunology(Paul編集、第3版、1993を参照されたい)。各種の抗体断片は、インタクトな抗体の消化物として定義される一方で、当業者であれば、化学的に、又は組換えDNA法を用いることにより、かかる断片を新たに合成できることを理解する。したがって、本明細書において用いられる用語「抗体」には、全長抗体の改変により産生される抗体断片、又は、組換えDNA法を用いて新たに合成されたもの(例えば単鎖Fv)、又は、ファージディスプレイライブラリーを用いて同定されたもの(例えば、McCaffertyら、Nature 348:552-554(1990)を参照されたい)が包含される。
例示的な免疫クロブリン(抗体)の構造単位は、四量体を含む。各四量体は、2対の同一のポリペプチド鎖(1つの「軽」鎖(約25kD)及び1つの「重」鎖(約50~70kD)を各対が有する)からなる。各鎖のN末端は、主に抗原認識に関与する約100~110又はそれ以上のアミノ酸の可変領域を定義する。用語「可変軽鎖」(VL)及び「可変重鎖」(VH)は、各々、これらの軽鎖及び重鎖を指す。Fc(すなわち断片結晶性領域)は、免疫クロブリンの「基部」又は「尾部」であり、典型的には、抗体の種類に応じて、2つ又は3つの不変ドメインを形成する2つの重鎖からなる。Fc領域は、特定のタンパク質に結合することにより、各抗体が所定の抗原に対する適切な免疫応答を生じさせることを確実にする。Fc領域はまた、Fc受容体のような各種の細胞受容体、及び補体タンパク質のような他の免疫分子と結合する。
本明細書において提供される用語「抗原」は、本発明で提供される抗体の結合ドメインに対して結合できる分子を指す。本明細書において提供される「抗原結合ドメイン」は、抗原(エピトープ)と結合する抗体中の領域である。上記の通り、抗原結合ドメインは、広義には、各重鎖及び軽鎖の1つの不変ドメイン及び1つの可変ドメイン(それぞれVL、VH、CL及びCH1)からなる。パラトープ又は抗原結合部位は、抗原結合ドメインのN末端上に形成される。抗原結合ドメインの2つの可変ドメインは、典型的には抗原上のエピトープと結合する。
抗体は、例えばインタクトなイムノグロブリンとして存在するか、又は種々のペプチダーゼによる消化により産生されて十分に特徴づけられた幾つかの断片として存在する。したがって、例えばペプシンで、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下流で抗体を消化することにより、F(ab)’2という、それ自体がジスルフィド結合によりVH-CH1に連結されている軽鎖であるFabのダイマーが産生される。F(ab)’2は穏やかな条件下で還元されることでヒンジ領域のジスルフィド結合が切断され、F(ab)’2ダイマーからFab’モノマーに変換される。Fab’モノマーは、本質的に、ヒンジ領域部分を有する抗原結合部位である(Fundamental Immunology(Paul編集、第3版、1993を参照されたい)。各種の抗体断片は、インタクトな抗体の消化物として定義される一方で、当業者であれば、化学的に、又は組換えDNA法を用いることによりかかる断片を新たに合成できることを理解する。したがって、本明細書において用いられる用語「抗体」には、全長抗体の改変により産生される抗体断片、又は、組換えDNA法を用いて新たに合成されたもの(例えば単鎖Fv)、又は、ファージディスプレイライブラリーを用いて同定されたもの(例えば、McCaffertyら、Nature 348:552-554(1990)を参照されたい)が包含される。
単鎖可変断片(scFv)は、典型的には、免疫クロブリンの重鎖(VH)及び軽鎖(VL)の可変領域の融合タンパク質であり、10~約25のアミノ酸の短いリンカーペプチドで連結されている。リンカーは、通常、柔軟性のためにグリシンがリッチであり、また可溶性のためにセリン又はトレオニンがリッチでありうる。リンカーは、VHのN末端とVLのC末端とを連結するものであってもよく、又はその逆であってもよい。
抗体のエピトープは、その抗原中の、該抗体が結合する領域である。2つの抗体は、各々がその他の抗原の結合を競争的に阻害(ブロック)する場合には、同じ又は重複するエピトープと結合する。すなわち、1つの抗体の1×、5×、10×、20×又は100×過剰は、競合結合アッセイ(例えば、Junghansら、Cancer Res.50:1495,1990を参照されたい)で測定したとき、少なくとも30%、好ましくは50%、75%、90%又は99%、他の抗体の結合を阻害する。あるいは、1つの抗体の結合を減少させ、又は排除する実質的に全ての抗原中のアミノ酸変異が、他の抗体の結合も減少させ、又は排除する場合、2つの抗体は、同じエピトープを有する。1つの抗体の結合を減少させ、又は排除する幾つかのアミノ酸変異が、他の抗体の結合を減少させ、又は排除する場合、2つの抗体は重複するエピトープを有する。
本発明の適切な抗体の調製のため、また本発明に記載の使用(例えば組換え、モノクローナル又はポリクローナル抗体)のため、当技術分野において公知の多くの技術が使用できる(例えば、Kohler及びMilstein、Nature 256:495-497、1975、Kozborら、Immunology Today 4:72(1983)、Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、pp.77-96、Alan R.Liss Inc.(1985)、Coligan、Current Protocols in Immunology(1991)、Harlow及びLane、Antibodies、A Laboratory Manual(1988)、並びにGoding、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice(第2版、1986)を参照されたい)。目的の抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子は、細胞からクローニングすることが可能であり、例えば、モノクローナル抗体をコードする遺伝子はハイブリドーマからクローニングでき、組換え型モノクローナル抗体の産生に使用できる。モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子のライブラリーは、ハイブリドーマ又は形質細胞から作製することもできる。重鎖及び軽鎖遺伝子産物のランダムな組合せにより、種々の抗原特異性を有する抗体の大規模なプールを生成できる(例えば、Kuby、Immunology(第3版、1997)を参照されたい)。単鎖抗体又は組換え型抗体の産生の技術により、本発明のポリペプチドに対する抗体の産生を最適化できる(米国特許4946778号明細書、同第4816567号明細書)。また、トランスジェニックマウス又は他の哺乳動物のような他の生物を用いることで、ヒト化抗体又はヒト抗体を発現させることができる(例えば、米国特許第5545807号明細書、同第5545806号明細書、同第5569825号明細書、同第5625126号明細書、同第5633425号明細書、同第5661016明細書、Marksら、Bio/Technology 10:779-783(1992)、Lonbergら、Nature 368:856-859(1994)、Morrison、Nature 368:812-13(1994)、Fishwildら、Nature Biotechnology 14:845-51(1996)、Neuberger、Nature Biotechnology 14:826(1996)、並びにLonberg及びHuszar(Intern.Rev)Immunol.13:65-93(1995)を参照されたい)。あるいは、ファージディスプレイ技術を用いることで、選択された抗原と特異的に結合する抗体及びヘテロマーのFab断片を同定することができる(例えば、McCaffertyら、Nature 348:552-554(1990)、Marksら、Biotechnology 10:779-783(1992)を参照されたい)。二重特異性の、すなわち2つの異なる抗原を認識できる抗体を作製することもできる(例えば、国際公開第93/08829号、Trauneckerら、EMBO J.10:3655-3659、1991、及びSureshら、Methods in Enzymology 121:210(1986)を参照されたい)。抗体は、ヘテロコンジュゲート(例えば、2つの共有結合した抗体又は免疫毒素複合体)であってもよい(例えば、米国特許第4676980号明細書、国際公開第91/00360号、国際公開第92/200373号、及び欧州特許第03089号明細書を参照されたい)。
「抗体に特異的(又は選択的)に結合する」又は「特異的(又は選択的)に免疫反応性を有する」という句は、タンパク質又はペプチドに関するときは、多くの場合、タンパク質及び他の生物学的物質の不均一な集団中で、その結合反応が当該タンパク質の存在に対して決定的であることを指す。すなわち、所定の免疫学的アッセイ条件で、特定の抗体が、特定のタンパク質に対して、バックグラウンドの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10~100倍以上結合する。かかる条件での抗体との特異的な結合は、典型的には、特定のタンパク質に対するその特異性に基づき選択された抗体を必要とする。例えば、選択された抗原に対する特異的な免疫反応性を有し、他のタンパク質に対しては有さない抗体のサブセットのみを得るよう、ポリクローナル抗体を選択することができる。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を除外することにより可能となる。様々な免疫学的アッセイフォーマットを用いて、特定のタンパク質との特異的免疫反応性を有する抗体を選択してもよい。例えば、固相ELISA免疫学的アッセイは、タンパク質との特異的免疫反応性を有する抗体を選択するためにルーチン的に用いられる(例えば、免疫学的アッセイフォーマット、及び特異的免疫活性の測定に使用できる条件の説明については、Harlow及びLane、Using Antibodies、A Laboratory Manual(1998)を参照されたい)。
「接触」とは、その明白な通常の意味に従い使用され、少なくとも2つの異なる種(例えば生体分子又は細胞を含む化学的物質)を、反応させるか、相互作用させるか、又は物理的に触れさせるために、十分に近づけるプロセスを指す。しかしながら、反応生成物は、添加した試薬間の反応から直接に得られるもの、又は添加した1つ又は複数の試薬から反応混合物中で生成しうる中間体から得られるものであることを、理解すべきである。
用語「接触している」は、2つの種を反応させるか、相互作用させるか、又は物理的に接触させることを含んでもよく、その際、該2つの種は、例えば本明細書に記載される抗体ドメイン及び抗体結合ドメインであってもよい。実施形態において、該接触には、例えば、本明細書に記載される抗体ドメインを、抗体結合ドメインと相互作用させることが含まれる。
「患者」又は「それを必要とする被験者」とは、本明細書において提供される組成物又は医薬組成物の投与により治療できる疾患又は症状に罹患する、又はそのような傾向を有する、生物体のことを指す。非限定的な例には、ヒト、他の哺乳動物、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、ウシ、シカ、及びその他の非哺乳動物が含まれる。幾つかの実施形態において、患者はヒトである。
用語「疾患」又は「症状」とは、本明細書において、提供される化合物又は方法で治療されうる患者又は被験者の、状態又は健康状態のことを指す。疾患は、がんでありうる。幾つかの更なる例において、「がん」とは、ヒトのがん及び癌腫、肉腫、腺癌、リンパ腫、白血病を指し、固形がん及びリンパがん、腎臓がん、乳がん、肺がん、膀胱がん、結腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がん、胃がん、脳がん、頭頸部がん、皮膚がん、子宮がん、精巣がん、膠腫、食道がん、並びに肝臓癌等の肝がん、B急性リンパ芽球リンパ腫等のリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(例えばバーキット、小細胞及び大細胞リンパ腫)、ホジキンリンパ腫、白血病(AML、ALL及びCMLを含む)又は多発性骨髄腫が挙げられる。
本明細書において、用語「がん」は、哺乳動物(例えばヒト)で見られる全ての種類のがん、新生物又は悪性腫瘍を指し、白血病、癌腫及び肉腫が含まれる。本明細書において提供される化合物又は方法で治療されうるがんの例には、乳がん、結腸がん、腎臓がん、白血病、肺がん、黒色腫、卵巣がん、前立腺がん、膵がん、脳がん、肝がん、胃がん又は肉腫が含まれる。
用語「白血病」は、広義には造血器官の進行性の悪性疾患を指し、血液及び骨髄における白血球及びその前駆体の異常な増殖及び発生により主に特徴づけられる。白血病は通常、(1)疾患の期間及び特徴(急性又は慢性)、(2)関与する細胞のタイプ(骨髄(骨髄性)、リンパ球(リンパ行性)又は単核球性)、及び(3)血液中の細胞数の異常な増加又は非増加(白血球増殖又は無白血性(亜白血性))、を基礎として臨床的に区分される。本明細書において提供される化合物又は方法で治療されうる白血病の例には、例えば、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、無白血性白血病、白血球血症性白血病、好塩基球性白血病、芽細胞性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胎生細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、有毛状細胞性白血病、血芽球性白血病、血球芽細胞性白血病、組織球性白血病、幹細胞性白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病(lymphatic leukemia)、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ行性の白血病、リンパ性白血病(lymphoid leukemia)、リンパ肉腫細胞白血病、肥胖細胞性白血病、巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄性の顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、Naegeli型白血病、形質細胞白血病、多発性骨髄腫、形質細胞の白血病、前骨髄球白血病、Rieder細胞白血病、Schillingの白血病、幹細胞性白血病、亜白血病又は未分化細胞白血病、が含まれる。
用語「肉腫」とは通常、胎生期結合組織のような物質により形成される腫瘍を意味し、通常、繊維状物質又は均質な物質に埋め込まれた密に圧縮された細胞から構成される。本明細書において提供される化合物又は方法で治療されうる肉腫には、軟骨肉腫、繊維肉腫、リンパ肉腫、黒色肉腫、粘液肉腫、骨肉腫、Abemethyの肉腫、脂肪肉腫(adipose sarcoma)、脂肪肉腫(liposarcoma)、蜂窩性軟部肉腫、エナメル芽細胞の肉腫、ブドウ状肉腫、緑色腫肉腫、絨毛癌、胎児性肉腫、ウィルムス腫瘍肉腫、子宮内膜肉腫、間質性肉腫、ユーイング肉腫、筋膜肉腫、線維芽細胞肉腫、巨細胞肉腫、顆粒球性肉腫、ホジキンの肉腫、特発性多発性色素性出血性肉腫、B細胞の免疫芽細胞肉腫、リンパ腫、T細胞の免疫芽細胞肉腫、Jensenの肉腫、カポジ肉腫、クッパー細胞肉腫、血管肉腫、白肉腫、悪性間葉腫肉腫、傍骨性骨肉腫、網状赤血球肉腫、ラウス肉腫、血清嚢胞性肉腫、滑膜肉腫又は毛細血管拡張性肉腫、が含まれる。
用語「黒色腫」は、皮膚及び他の器官の色素細胞系から生じる腫瘍を意味するものとする。例えば、本明細書において提供される化合物又は方法で治療されうる黒色腫には、肢端黒子型黒色腫、メラニン欠乏性黒色腫、良性若年性黒色腫、Cloudmanの黒色腫、S91黒色腫、Harding-Passey黒色腫、若年性黒色腫、悪性黒子型黒色腫、悪性黒色腫、結節性黒色腫、爪甲下黒色腫又は表在拡大型黒色腫、が含まれる。
用語「癌」は、周辺の組織に浸潤し、転移を生じさせる傾向のある上皮細胞から構成される悪性の新生増殖物を意味する。例えば、本明細書において提供される化合物又は方法で治療されうる癌の例には、髄様甲状腺癌、家族性髄様甲状腺癌、小葉癌、小葉性癌、腺様嚢胞性癌、腺様嚢胞癌、腺腫性癌、副腎皮質癌、肺胞癌、肺胞細胞癌、基底細胞癌、基底細胞性癌、類基底細胞癌、基底鱗状細胞癌、気管支肺胞癌、細気管支癌、気管支癌、大脳様癌、胆管細胞癌、絨毛膜癌、膠様癌(colloid carcinoma)、面疱癌、体癌、篩状癌、鎧状癌、皮膚癌、円筒状癌、円筒細胞癌、腺管癌、緻密癌、胚性癌、脳様癌、類表皮癌、アデノイド上皮癌、外方増殖性癌、潰瘍癌、線維性癌、膠様癌(geratiniforni carcinoma)、膠質癌、巨細胞癌、巨細胞性癌、腺癌、顆粒膜細胞癌、毛母基癌、血液様癌、肝癌、Hurthle細胞癌、硝子体癌、過剰腎癌、幼児性胚性癌、上皮内癌(carcinoma in situ)、表皮内癌、上皮内癌(intraepithelial carcinoma)、Krompecherの癌、Kulchitzky細胞癌、大細胞癌、レンズ状癌(lenticular carcinoma)、レンズ状癌(carcinoma lenticulare)、脂肪腫癌、リンパ上皮癌、髄様癌(carcinoma medullare)、髄様癌(medullary carcinoma)、黒色癌、軟癌、粘液性癌、粘液癌(carcinoma muciparum)、粘液癌(carcinoma mucocellulare)、粘液細胞性腺癌、粘液性類表皮癌、粘液癌(carcinoma mucosum)、粘液癌、粘液腫様癌、上咽頭癌、燕麦細胞癌、骨化癌、類骨癌、乳頭状癌、門脈周囲癌、前浸潤癌、有棘細胞癌、髄質様癌、腎細胞癌、予備細胞癌、肉腫様癌、シュナイダー癌、硬癌、陰嚢癌、印環細胞癌、単純癌、小細胞癌、馬鈴薯様癌、スピンドル細胞癌、紡錘体細胞癌、海綿癌、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、紐状癌、毛細血管拡張性癌(carcinoma telangiectaticum)、毛細血管拡張性癌(carcinoma telangiectodes)、移行上皮癌、結節性癌(carcinoma tuberosum)、結節癌、疣状癌又は絨毛癌が含まれる。
用語「関連する」又は「と関連する」とは、(例えばがん、喘息、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、関節炎、ブドウ膜炎、壊疽性膿皮症又は結節性紅斑等の)疾患と関連する物質、又は物質の活性若しくは機能の文脈においては、該物質、又は該物質の活性若しくは機能により、該症状が(全体又は一部)生じる、又は該疾患の徴候が(全体又は一部)生じることを指す。
本明細書において、用語「免疫チェックポイント」、「免疫チェックポイントタンパク質」又は「チェックポイントタンパク質」は、交換可能に用いられ、生理的免疫応答の期間及び程度を調節できる(例えば、持続的な免疫細胞活性化を減衰させ及び/又は除去する、すなわち通常の免疫ホメオスタシスを制御する)組成物(分子)を参照するものとして定義される。免疫チェックポイントタンパク質は、免疫応答を刺激(増強)できる。実施形態において、チェックポイントタンパク質は、細胞の受容体である。刺激性チェックポイント分子の例には、限定されないが、腫瘍壊死因子(TNF)受容体スーパーファミリーのメンバー(例えばCD27、CD40、OX40、糖質コルチコイド誘導TNFRファミリー関連遺伝子(GITR)及びCD137)、B7-CD28スーパーファミリーのメンバー(例えばCD28自体及び誘導性T細胞共刺激因子(ICOS))が包含される。あるいは、免疫チェックポイントタンパク質は、免疫応答を阻害(低減)するものであってもよい。阻害的なチェックポイント分子の例には、限定されないが、アデノシンA2A受容体(A2AR)、B7-H3、B7-H4、BTLA、CTLA-4、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、キラー免疫クロブリン様受容体(KIR)、LAG3、PD-1、TIM-3及びT細胞活性化(VISTA)タンパク質のV-ドメイン免疫クロブリンサプレッサー、が含まれる。
同様に、本明細書において提供される「免疫チェックポイント阻害剤」又は「チェックポイント阻害剤」は、阻害剤がない場合のチェックポイントタンパク質の活性又は機能と比較して、チェックポイントタンパク質の活性又は機能を阻害し、負の影響(例えば低下)をもたらす(例えば発現を減少させ、又はチェックポイントタンパク質の活性を低下させる)物質(例えば抗体又はその断片、小分子等の物質)を指す。チェックポイント阻害剤は、少なくとも部分的に、一部若しくは全部において、刺激をブロックし、活性化を低減、防止若しくは遅延させ、又はシグナル伝達若しくは酵素活性を不活性化し、感度を低下させ、若しくは下方制御し、又はチェックポイントタンパク質の量を減少させる。チェックポイント阻害剤は、例えば、チェックポイントタンパク質と結合し、一部若しくは全部においてブロックし、活性を低下させ、阻害し、遅延させ、不活性化し、感度を低下させ、又は下方制御することにより、チェックポイントタンパク質を阻害することができる。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体断片である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体変異体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、scFvである。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗CTLA-4抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗PD1抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗PD-L1抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗LAG-3抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗IgG1k抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗CD25抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗IL2R抗体である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、腫瘍溶解性ウイルスの一部を形成する。チェックポイント阻害剤の非限定的な例には、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、タリモゲン、ラヘルパレプベク、ドゥルバルマブ、ダクリズマブ、アベルマブ及びアテゾリズマブが含まれる。
本明細書において用いられる用語「異常な」とは、標準とは異なることを指す。異常とは、酵素活性に言及する際に使用するときは、通常のコントロール又は通常の発症していないコントロール試料の平均的なものと比較し、強い、又は弱い活性であることを指す。異常な活性とは、疾患をもたらす程度の活性を指し、その場合、(例えば本明細書に記載される方法を用いて)異常な活性を通常の、又は疾患に関連しない程度に戻すことにより、疾患又は1つ又は複数の病徴の低減がもたらされる。
「コントロール」又は「標準コントロール」とは、試験用サンプル、測定又は値の比較用の、参照(通常既知の参照物)としてのサンプル、測定又は値のことを指す。例えば、試験用サンプルは、所定の疾患(例えばがん)の疑いのある患者から採取され、公知の健常な(発症していない)個体(例えば標準的コントロール被験者)と比較することができる。標準コントロールはまた、所定の疾患がない類似の個体(例えば標準コントロール被験者)の集団、例えば、類似の医療的バックグラウンド、同じ年齢、同等の体重等を有する健常な個体(すなわち標準的なコントロール集団)から収集した測定値又は値の平均値を表すこともできる。標準コントロール値は、同じ個体から、例えば疾患が発症する前の患者から事前に得たサンプルから得ることもできる。例えば、コントロールを利用することで、薬理学的データ(例えば半減期)又は治療的手段(例えば副作用の比較)に基づく治療的利益を比較することができる。コントロールはまた、データの有意性を決定するためにも重要である。例えば、所定のパラメータ値がコントロールにおいて大きく変動する場合、試験サンプルの変動は有意であるとはみなされない。当業者であれば、標準コントロールがいかなる数値的パラメータ(例えばRNAレベル、タンパク質レベル、特定の細胞型、特定の体液、特定の組織、滑膜細胞、滑液、滑液組織、線維芽細胞様の滑膜細胞、マクロファージ様の滑膜細胞等)の評価用にも設計できることを認識する。
当業者であれば、いずれの標準コントロールが所定の状況において最適かについて理解し、標準コントロール値との比較に基づきデータを分析することが可能である。標準コントロールはまた、データの有意性(例えば統計的有意差)を決定するためにも重要である。例えば、所定のパラメータ値が標準コントロールにおいて大きく変動する場合、試験サンプルの変動は有意であるとは考えられない。
用語「診断」とは、疾患(例えばがん)が被験者に存在する相対的確率を指す。同様に、用語「予後」とは、特定の将来の結果が、ある疾患状態に関して被験者に生じうるという相対的確率に関する。例えば、本発明の文脈では、予後とは、個体が疾患(例えばがん)を呈する可能性、又は疾患において予想される重症度(例えば疾患の持続期間)に関する。医療診断分野の当業者が理解するように、この用語は絶対的な意味を有するものではない。
「生体サンプル」又は「サンプル」とは、被験者又は患者から得られる材料、又はこれらに由来する材料を指す。生体サンプルには、生検及び剖検サンプルのような組織の一部、並びに組織学的目的で採取された凍結切片が含まれる。かかるサンプルには、血液及び血液分画又は製剤(例えば血清、血漿、血小板、赤血球等)のような体液、痰、組織、培養細胞(例えば初代培養、移植片及び形質転換細胞)便、尿、滑液、関節組織、滑液組織、滑膜細胞、線維芽細胞様滑膜細胞、マクロファージ様滑膜細胞、免疫細胞、造血細胞、線維芽細胞、マクロファージ、T細胞等が含まれる。生体サンプルは、典型的には真核生物から、例えば霊長類(例えばチンパンジー又はヒト)、ウシ、イヌ、ネコ、齧歯類(例えばモルモット、ラット、マウス)、ウサギのような哺乳類、又は鳥類、爬虫類、若しくは魚類から得られる。
本明細書中で使用する「細胞」とは、そのゲノムDNAを保存又は複製するのに十分な代謝機能、又は他の機能を実施している細胞を指す。細胞は、例えばインタクトな細胞膜の存在、特定の色素による染色、子孫細胞を産生する能力、又は(生殖細胞の場合には)第2の生殖細胞と組み合わさって生存可能な子孫を産生する能力を含む、当技術分野における周知の方法により同定することができる。細胞には、原核細胞及び真核細胞が含まれうる。原核細胞には、細菌が包含されるがこれに限定されない。真核細胞には、酵母細胞、並びに動植物に由来する細胞(例えば哺乳動物、昆虫(例えばスポドプテラ)及びヒトの細胞)が含まれるが、これらに限定されない。細胞は、これらが通常は接着性を有さない場合、又は表面上に接着させないための処理(例えばトリプシン処理)を行った場合に、使用可能となりうる。
用語「複製」とは、その明白な通常の意味に従い使用され、すなわち細胞又はウイルスが子孫を産生する能力を指す。当業者にとっては自明ではあるが、用語「複製」は、DNAに関連して使用されるとき、1つの元のDNA分子から2つの同一のDNAレプリカを産生する生物学的プロセスを指す。したがって、用語「複製」には、子孫細胞に承継され、再感染することが含まれる。実施形態において、本明細書において提供されるキメラポックスウイルスは、その親ウイルスと比較し、腫瘍溶解活性が高い。実施形態において、腫瘍溶解活性(感染した細胞の細胞死を誘導する能力)は、親ウイルス(本明細書において提供されるキメラウイルスの作成に用いられるウイルスの1つ)の腫瘍溶解活性と比較し、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、100、10000、10000倍以上高い。
本明細書において用いられる「相乗的量」とは、第1量(例えば第1キメラポックスウイルス量)と第2量(例えば第2キメラポックスウイルス量)を合計することにより、相乗効果(すなわち相加効果より高い効果)が得られることを指す。したがって、用語「相乗効果」、「相乗作用」、「相乗的」、「複合的相乗的量」及び「相乗的治療効果」は、本明細書において交換可能に使用され、キメラポックスウイルスを共投与したときの効果を測定した結果、その測定された効果が、単剤として各キメラポックスウイルスを単独で投与したときの個別的な効果の合計よりも高いことを指す。
実施形態において、相乗的量は、第2キメラポックスウイルスとは別個に使用した場合の、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%の第1キメラポックスウイルス量でありうる。実施形態において、相乗的量は、第1キメラポックスウイルスとは別個に使用した場合の、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%の第2キメラポックスウイルス量であってもよい。
用語「ウイルス」又は「ウイルス粒子」とは、ウイルス学上の明白な通常の意味に従い使用され、ウイルスのゲノム(例えばDNA、RNA、単鎖、二本鎖)、ウイルス性キャプシド及び関連タンパク質を含むウイルス粒子を指し、エンベロープ型ウイルス(例えばヘルペスウイルス、ポックスウイルス)の場合、脂質、任意の宿主細胞膜成分、及び/又はウイルスタンパク質を含むエンベロープを指す。
用語「ポックスウイルス」は、ウイルス学上その明白な通常の意味に従い使用され、脊椎動物及び無脊椎動物に感染し、これらの宿主細胞質中で複製する能力を有するポックスウイルスのファミリーのメンバーを指す。実施形態において、ポックスウイルスイルス粒子は、直径約200nm及び長さ約300nmのサイズを有し、典型的には130~375kbの、単一の、直鎖状の、二本鎖のDNAセグメントの形態のゲノムを有する。用語ポックスウイルスには、全てのpoxviridae属のウイルスが含まれる(例えば、ベタントモ(betaentomo)ポックスウイルス、ヤタ(yata)ポックスウイルス、セルビド(cervid)ポックスウイルス、ガンマエントモ(gammaentomo)ポックスウイルス、レポリ(lepori)ポックスウイルス、スイポックスウイルス、モルシ(mollusci)ポックスウイルス、クロコディリド(crocodylid)ポックスウイルス、アルファエントモ(alphaentomo)ポックスウイルス、カプリポックスウイルス、オルソポックスウイルス、アビポックスウイルス及びパラポックスウイルスが挙げられる)が、特に限定されない。実施形態において、ポックスウイルスは、オルソポックスウイルス(例えば天然痘ウイルス、ワクシニアウイルス、ウシポックスウイルス、サルポックスウイルス)、パラポックスウイルス(例えば、羊鵞口瘡ウイルス、偽ウシポックスウイルス、ウシ丘疹性口内炎ウイルス)、ヤタポックスウイルス(例えば、タナポックスウイルス、ヤバ(yaba)サル腫瘍ウイルス)、又は、モルシポックスウイルス(例えば伝染性軟属腫ウイルス)である。実施形態において、ポックスウイルスは、オルソポックスウイルス(例えば、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株)である。実施形態において、ポックスウイルスは、パラポックスウイルス(例えばオルフウイルスNZ2株又は偽ウシポックスウイルスTJS株)である。
キメラポックスウイルスの文脈で使用される用語「キメラ」は、ウイルス学上の明白な通常の意味に従い使用され、2つ以上の異なる微生物(例えば、同じサブファミリー由来の2つのウイルス、異なるサブファミリー由来の2つのウイルス)由来の核酸断片を連結することによって作製されるハイブリッド微生物(例えばキメラポックスウイルス)を指す。実施形態において、組み合わせる少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片は、複製に必要な必須遺伝子を含む。実施形態において、少なくとも2つのポックスウイルス株の1つ由来の核酸断片は、複製に必要な必須遺伝子を含む。本明細書において提供されるこれらの実施形態に係るキメラポックスウイルスは、1つ又は複数の導入遺伝子(すなわち天然のウイルスゲノムには存在しない核酸配列)を含んでもよい。例えば、本明細書において提供されるこれらの実施形態に係るキメラポックスウイルスは、抗がん核酸配列、核酸結合配列、検出可能部分をコードする核酸配列又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。実施形態において、キメラポックスウイルスは、抗がん核酸配列、核酸結合配列及び検出可能部分をコードする核酸配列を含む核酸配列を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、抗がん核酸配列及び検出可能部分をコードする核酸配列を含む核酸配列を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、核酸結合配列及び検出可能部分をコードする核酸配列を含む核酸配列を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、抗がん核酸配列及び核酸結合配列を含む核酸配列を含む。
用語「プラーク形成単位」とは、ウイルス学上の明白な通常の意味に従い使用され、ウイルス粒子の体積当たりの、細胞単層に形成されうるプラークの量を指す。幾つかの実施形態において、前記単位は、感受性細胞の単層に感染させたときに形成されうるプラークの数に基づく。例えば、実施形態において、1,000PFU/μlは、ウイルス粒子を含む溶液1μlが、細胞単層上で1000個の感染プラークを産生するのに十分なウイルス粒子を含むことを指す。実施形態において、プラーク形成単位は「PFU」と略記される。
用語「多重感染度」又は「MOI」とは、ウイルス学上の明白な通常の意味に従い使用され、感染因子(例えばポックスウイルス)の、所定の面積又は体積中の標的(例えば細胞)との比を指す。実施形態において、前記面積又は体積は同種であるとみなされる。
用語「ウシポックスウイルスBrighton株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のウシポックスウイルスBrighton株、又はウシポックスウイルスBrighton株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のウシポックスウイルスBrighton株、又はウシポックスウイルスBrighton株のゲノムに対して配列同一性(例えばウシポックスウイルスBrighton株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。ウシポックスウイルスBrighton株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ウシポックスウイルスBrighton株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばウシポックスウイルスBrighton株と比較し増減)する。ウシポックスウイルスBrighton株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ウシポックスウイルスBrighton株は、ATCC(American Type Culture Collection)参照番号ATCC VR-302TMにより同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。実施形態において、ウシポックスウイルスBrighton株は、Taxonomy参照番号265872により同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
用語「アライグマポックスウイルスHerman株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のアライグマポックスウイルスHerman株、又はアライグマポックスウイルスHerman株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のアライグマポックスウイルスHerman株、又はアライグマポックスウイルスHerman株のゲノムに対して配列同一性(例えばアライグマポックスウイルスHerman株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。アライグマポックスウイルスHerman株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、アライグマポックスウイルスHerman株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばアライグマポックスウイルスHerman株と比較し増減)する。アライグマポックスウイルスHerman株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、アライグマポックスウイルスHerman株は、ATCC参照番号ATCC VR-838TMにより同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。実施形態において、アライグマポックスウイルスHerman株は、参照番号NC_027213の核酸配列によりコードされるウイルス株を指す。
用語「ウサギポックスウイルスUtrecht株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のウサギポックスウイルスUtrecht株、又はウサギポックスウイルスUtrecht株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のウサギポックスウイルスUtrecht株、又はウサギポックスウイルスUtrecht株のゲノムに対して配列同一性(例えばウサギポックスウイルスUtrecht株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。ウサギポックスウイルスUtrecht株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ウサギポックスウイルスUtrecht株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばウサギポックスウイルスUtrecht株と比較し増減)する。ウサギポックスウイルスUtrecht株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ウサギポックスウイルスUtrecht株は、ATCC参照番号ATCC VR-1591TMにより同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。実施形態において、ウサギポックスウイルスUtrecht株は、Taxonomy参照番号45417により同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
用語「ワクシニアウイルスWR株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスWR株、又はワクシニアウイルスWR株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスWR株、又はワクシニアウイルスWR株のゲノムに対して配列同一性(例えばワクシニアウイルスWR株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。ワクシニアウイルスWR株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ワクシニアウイルスWR株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばワクシニアウイルスWR株と比較し増減)する。ワクシニアウイルスWR株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ワクシニアウイルスWR株は、ATCC参照番号ATCC VR-1354TMにより同定されるウイルス株、変異体又はそのホモログを指す。実施形態において、ワクシニアウイルスWR株は、Taxonomy参照番号10254により同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
用語「ワクシニアウイルスIHD株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスIHD株、又はワクシニアウイルスIHD株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスIHD株、又はワクシニアウイルスIHD株のゲノムに対して配列同一性(例えばワクシニアウイルスIHD株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。ワクシニアウイルスIHD株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ワクシニアウイルスIHD株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばワクシニアウイルスIHD株と比較し増減)する。ワクシニアウイルスIHD株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ワクシニアウイルスIHD株は、ATCC参照番号ATCC VR-156TMにより同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。実施形態において、ワクシニアウイルスIHD株は、Taxonomy参照番号10251により同定されるウイルス株、その変異体又はそのホモログを指す。
用語「ワクシニアウイルスElstree株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスElstree株、又はワクシニアウイルスElstree株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスElstree株、又はワクシニアウイルスElstree株のゲノムに対して配列同一性(例えばワクシニアウイルスElstree株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。ワクシニアウイルスElstree株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ワクシニアウイルスElstree株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばワクシニアウイルスElstree株と比較し増減)する。ワクシニアウイルスElstree株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ワクシニアウイルスElstree株は、ATCC参照番号ATCC VR-1549TM変異体又はそのホモログにより同定されるウイルス株を指す。
用語「ワクシニアウイルスCL株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスCL株、又はワクシニアウイルスCL株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスCL株、又はワクシニアウイルスCL株のゲノムに対して配列同一性(例えばワクシニアウイルスCL株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。ワクシニアウイルスCL株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ワクシニアウイルスCL株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばワクシニアウイルスCL株と比較し増減)する。ワクシニアウイルスCL株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ワクシニアウイルスCL株は、ATCC参照番号ATCC VR-1774TMにより同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
用語「ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、又はワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、又はワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株のゲノムに対して配列同一性(例えばワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有する変異体を包含する。ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株と比較し増減)する。ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株は、ATCC参照番号ATCC VR-118TMにより同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
用語「ワクシニアウイルスAS株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスAS株、又はワクシニアウイルスAS株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のワクシニアウイルスAS株、又はワクシニアウイルスAS株のゲノムに対して配列同一性(例えばワクシニアウイルスAS株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有するその変異体を包含する。ワクシニアウイルスAS株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、ワクシニアウイルスAS株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばワクシニアウイルスAS株と比較し増減)する。ワクシニアウイルスAS株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ワクシニアウイルスAS株は、ATCC参照番号ATCC VR-2010TMにより同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
用語「オルフウイルスNZ2株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型のオルフウイルスNZ2株、又はオルフウイルスNZ2株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型のオルフウイルスNZ2株、又はオルフウイルスNZ2株のゲノムに対して配列同一性(例えばオルフウイルスNZ2株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有する変異体を包含する。オルフウイルスNZ2株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、オルフウイルスNZ2株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えばオルフウイルスNZ2株と比較し増減)する。オルフウイルスNZ2株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、オルフウイルスNZ2株は、ATCC参照番号ATCC VR-1548TM変異体又はそのホモログにより同定されるウイルス株を指す。実施形態において、オルフウイルスNZ2株は、Taxonomy参照番号10259により同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
用語「偽ウシポックスウイルスTJS株」は、一般的な、通常の意味に従い使用され、それと同じ若しくは類似の名称のウイルス株、並びにその機能性断片及びホモログを指す。前記用語は、組換え型又は天然型の偽ウシポックスウイルスTJS株、又は偽ウシポックスウイルスTJS株の活性を(例えば少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%又は100%以内で)維持するその変異体を包含する。前記用語は、組換え型又は天然型の偽ウシポックスウイルスTJS株、又は偽ウシポックスウイルスTJS株のゲノムに対して配列同一性(例えば偽ウシポックスウイルスTJS株ゲノムに対して約65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%又は100%の同一性)を有する変異体を包含する。偽ウシポックスウイルスTJS株は、アミノ酸残基が変異した変異体を指すこともあり、それにより、偽ウシポックスウイルスTJS株の活性、発現、細胞ターゲティング又は感染性が変調(例えば偽ウシポックスウイルスTJS株と比較し増減)する。偽ウシポックスウイルスTJS株は、本明細書に記載されるように改変できる。実施形態において、ワクシニアウイルスWR株は、ATCC参照番号ATCC VR-634TM変異体又はそのホモログにより同定されるウイルス株を指す。
実施形態において、ウシポックスウイルスBrighton株は、ウシポックスウイルスBrighton株 ATCC VR-302TMである。実施形態において、アライグマポックスウイルスHerman株は、アライグマポックスウイルスHerman株 ATCC VR-838TMである。実施形態において、ウサギポックスウイルスUtrecht株は、ウサギポックスウイルスUtrecht株 ATCC VR-1591TMである。実施形態において、ワクシニアウイルスWR株は、ワクシニアウイルスWR株 ATCC VR-1354TMである。実施形態において、ワクシニアウイルスIHD株は、ワクシニアウイルスIHD株 ATCC VR-156TMである。実施形態において、ワクシニアウイルスElstree株は、ワクシニアウイルスElstree株 ATCC VR-1549TMである。実施形態において、ワクシニアウイルスCL株は、ワクシニアウイルスCL株 ATCC VR-1774TMである。実施形態において、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株 ATCC VR-118TMである。実施形態において、ワクシニアウイルスAS株は、ワクシニアウイルスAS株 ATCC VR-2010TMである。実施形態において、オルフウイルスNZ2株は、オルフウイルスNZ2株 ATCC VR-1548TMである。実施形態において、偽ウシポックスウイルスTJS株は、偽ウシポックスウイルスTJS株 ATCC VR-634TMである。実施形態において、ウシポックスウイルスBrighton株は、Taxonomy参照番号265872により同定されるウイルス株、その変異体又はホモログを指す。
本開示において「含む(comprises)」、「~を含んでいる(comprising)」、「~を含有する(containing)」及び「有する(having)」等は、米国特許法に規定する意味を有し、「包含する(includes)」及び「~を包含する(including)」等を意味することができる。「本質的に~からなる(consisting essentially of)」又は「~から本質的になる(consists essentially)」も同様に、米国特許法に規定する意味を有し、当該用語は、記載されるものの基礎的又は新規な特徴が、記載されるもの以外のものの存在により変化しない限りにおいて、記載される以外の他の要素の存在を許容する、オープンエンドな表現であるが、但し先行技術の実施形態を除くものである。
II.ウイルス組成物
一態様において、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスが提供され、前記核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片を含む。
本明細書に記載されるキメラポックスウイルスは、導入遺伝子を含んでもよい。本明細書において、「導入遺伝子」とは、所定の細胞、生物又はウイルスの外部に由来する核酸配列を指す。したがって、本明細書において提供される導入遺伝子は、天然でないか、又はポックスウイルスの内部に由来するものではない。提供される導入遺伝子は、タンパク質をコードするものでも、又はコードしない核酸配列であってもよい。本明細書において提供される導入遺伝子は、抗がん核酸配列(例えばがんの治療のために有用なポリペプチドをコードする、核酸結合配列及び核酸配列)、又は検出可能部分をコードする核酸配列を含んでもよい。したがって、実施形態において、本明細書に記載されるキメラポックスウイルスは、1つ又は複数の抗がん核酸配列又は検出可能部分をコードする核酸配列を含む。実施形態において、本明細書に記載されるキメラポックスウイルスは、1つ又は複数の抗がん核酸配列及び検出可能部分をコードする核酸配列を含む。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも71%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも72%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも73%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも74%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも75%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも76%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも77%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも78%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも79%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも81%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも82%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも83%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも84%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも85%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも86%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも87%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも88%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも89%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも91%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも92%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも93%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも94%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも96%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも97%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して少なくとも99%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも71%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも72%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも73%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも74%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも75%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも76%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも77%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも78%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも79%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも81%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも82%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも83%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも84%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも85%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも86%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも87%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも88%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも89%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも91%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも92%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも93%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも94%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも96%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも97%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも98%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して少なくとも99%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して71%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して72%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して73%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して74%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して75%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して76%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して77%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して78%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して79%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して80%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して81%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して82%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して83%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して84%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して85%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して86%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して87%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して88%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して89%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して90%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して91%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して92%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して93%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して94%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して95%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して96%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して97%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して98%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して99%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1の配列である。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して71%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して72%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して73%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して74%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して75%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して76%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して77%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して78%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して79%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して80%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して81%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して82%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して83%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して84%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して85%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して86%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して87%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して88%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して89%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して90%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して91%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して92%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して93%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して94%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して95%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して96%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して97%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して98%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して99%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1の配列である。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約71%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約72%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約73%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約74%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約75%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約76%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約77%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約78%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約79%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約80%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約81%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約82%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約83%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約84%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約85%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約86%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約87%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約88%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約89%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約90%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約91%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約92%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約93%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約94%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約95%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約96%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約97%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約98%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号1に対して約99%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約71%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約72%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約73%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約74%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約75%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約76%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約77%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約78%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約79%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約80%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約81%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約82%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約83%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約84%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約85%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約86%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約87%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約88%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約89%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約90%の配列同一性を有する。
実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約91%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約92%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約93%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約94%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約95%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約96%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約97%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約98%の配列同一性を有する。実施形態において、核酸配列は、配列番号2に対して約99%の配列同一性を有する。
核酸配列は、少なくとも70%の配列同一性を有し、少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列は、連続的であってもよい。実施形態において、核酸配列は、少なくとも70%の配列同一性を有し、少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列は、非連続的配列であってもよい。本明細書において提供される「非連続的配列」とは、配列番号1又は配列番号2との配列同一性を有しない1つ又は複数の配列断片を含む配列を意味する。実施形態において、非連続的配列は、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する第1の配列断片、及び配列番号1又は配列番号2に対する配列同一性を有しない配列断片を介して連結した、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する第2の配列断片を含む配列である。実施形態において、非連続的配列は、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する複数の配列断片を、配列番号1又は配列番号2に対する配列同一性を有しない複数の配列断片により連結された形で含む配列である。実施形態において、キメラポックスウイルスは、ヌクレオチドの挿入、欠失又は変異を更に含む。
実施形態において、核酸断片は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である。
実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びアライグマポックスウイルスHerman株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びウサギポックスウイルスUtrecht株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスWR株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及びオルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスWR株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株及びオルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株及びオルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株及びワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株及びオルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株及びオルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びオルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスAS株及びオルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、ワクシニアウイルスAS株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、アライグマポックスウイルスHerman株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、アライグマポックスウイルスHerman株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、アライグマポックスウイルスHerman株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも90%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、アライグマポックスウイルスHerman株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも95%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウシポックスウイルスBrighton株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、アライグマポックスウイルスHerman株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ウサギポックスウイルスUtrecht株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスWR株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスIHD株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスElstree株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスCL株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号1に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株又はワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、オルフウイルスNZ2株由来の核酸断片を含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、配列番号2に対して少なくとも98%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列は、偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、腫瘍溶解性ウイルスである。本明細書において使用される腫瘍溶解性ウイルスは、がん細胞を標的とし、排除できるウイルスである。実施形態において、腫瘍溶解性ウイルスは、肺がん細胞を標的とする。実施形態において、腫瘍溶解性ウイルスは、卵巣がん細胞を標的とする。実施形態において、腫瘍溶解性ウイルスは、膵臓がん細胞を標的とする。実施形態において、腫瘍溶解性ウイルスは、非がん細胞と関連してがん細胞を優先して標的とする。
実施形態において、miRNA結合配列は、キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ遺伝子の一部を形成する。実施形態において、ポックスウイルスは、miRNA結合配列を含む。実施形態において、ポックスウイルスは、複数のmiRNA結合配列を含む。実施形態において、複数のmiRNA結合配列は、独立して異なる。実施形態において、複数のmiRNA結合配列は、同一である。実施形態において、miRNA結合配列は、約22ヌクレオチド長である。実施形態において、miRNA結合配列は、少なくとも22ヌクレオチド長である。実施形態において、miRNA結合配列は、22ヌクレオチド長である。実施形態において、miRNA結合配列は、約22ヌクレオチド長である。実施形態において、複数のmiRNA結合配列は、各々少なくとも22ヌクレオチド長である。実施形態において、複数のmiRNA結合配列は、各々約22ヌクレオチド長である。実施形態において、複数のmiRNA結合配列は、各々22ヌクレオチド長である。
一態様において、本明細書に記載されるキメラポックスウイルスをコードする単離された核酸が提供される。実施形態において、単離された核酸は、配列番号1の核酸配列である。実施形態において、単離された核酸は、配列番号2の核酸配列である。
III.導入遺伝子を含むウイルス組成物
本明細書において提供されるキメラポックスウイルスは、その実施形態において、導入遺伝子を含みうる。本明細書において提供されるキメラポックスウイルスに含まれる前記導入遺伝子は、それを欠くキメラポックスウイルスと比較し、キメラポックスウイルスの腫瘍溶解活性を増強することができる。導入遺伝子は更に、健常な(非がん)細胞よりもがん細胞において、キメラポックスウイルスの差別的な発現/複製を行う能力を増強することができる。キメラポックスウイルスが導入遺伝子を含むとき、キメラポックスウイルスの核酸は、抗がん核酸配列、核酸結合配列、検出可能部分をコードする核酸配列又はこれらの任意の組合せを含む。したがって、一態様において、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスが提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、又は(iii)検出可能部分をコードする核酸配列。
一態様において、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスが提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルス WR株、ワクシニアウイルス IHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルス CL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルス AS株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、又は(iii)検出可能部分をコードする核酸配列。
一態様において、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスは提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、又は(iii)検出可能部分をコードする核酸配列。
一態様において、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスが提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、又は(iii)検出可能部分をコードする核酸配列。
本明細書において、用語「抗がん核酸配列」又は「抗がん核酸配列」は、抗新生物特性、並びに/又は、がん細胞の成長若しくは増殖を阻害し、及び/若しくは、本明細書において提供される実施形態に係るキメラポックスウイルスを、健常細胞と比較して、がん細胞において、選択的に発現させる能力を有する核酸配列を指す。抗がん核酸配列は、がんの進行を阻害するものであっても、又は、該進行を一時的若しくは永久に減速させるものであってもよい。抗がん核酸配列の例には、発現されることにより、直接的又は間接的にがん細胞増殖を阻害するタンパク質をコードする配列が含まれる。例えば、本明細書において提供される抗がん核酸配列は、健常細胞と比較して、がん細胞において、高発現されるタンパク質(例えばヨウ化ナトリウムトランスポーター)をコードしてもよい。他の非限定的な例において、抗がん核酸配列は、抗腫瘍免疫応答の抑制を解除できるポリペプチド(抗体)(例えば抗PD-L1抗体又はその断片)をコードしてもよい。実施形態において、抗がん核酸配列は、健常細胞と比較して、がん細胞において、キメラポックスウイルスの発現/複製を増強できる核酸配列を含む。したがって、実施形態において、抗がん核酸配列を含むキメラポックスウイルスの発現(例えば転写、翻訳)速度は、がん細胞と比較して、健常細胞においては低い。実施形態において、抗がん核酸配列を含むキメラポックスウイルスは、健常細胞において、検出可能な量で発現されない。実施形態において、抗がん核酸配列は、核酸結合配列である。実施形態において、抗がん核酸配列は、核酸結合配列を含む。
本明細書において、「核酸結合配列」とは、細胞内の相補的な核酸(例えばDNA、RNA、miRNA)と少なくとも部分的に結合(ハイブリダイズ)できる核酸配列を指し、該細胞内の核酸の量は、がん細胞よりも健常細胞において高い。本明細書において提供される核酸結合配列は、キメラポックスウイルスが有する核酸の一部であってもよく、またキメラポックスウイルスの遺伝子に作動可能に連結されてもよい。核酸結合配列に対する細胞内の核酸の結合により、キメラポックスウイルス遺伝子は分解(加水解離)のための標的とされ、それにより、キメラポックスウイルスの発現/複製が減少する。実施形態において、核酸結合配列は、DNA結合配列である。実施形態において、核酸結合配列は、RNA結合配列である。実施形態において、核酸結合配列は、miRNA結合配列である。したがって、実施形態において、抗がん核酸配列は、核酸結合配列である。実施形態において、抗がん核酸配列は、DNA結合配列である。実施形態において、抗がん核酸配列は、RNA結合配列である。実施形態において、抗がん核酸配列は、miRNA結合配列である。
本明細書において用いられる「検出可能部分をコードする核酸配列」は、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、化学的、又は他の物理的手段によって検出可能な組成物をコードする核酸配列を指す。検出可能部分をコードする核酸配列は、蛍光部分をコードしてもよい。蛍光部分の非限定的な例は、mCherry、Emerald及びホタルルシフェラーゼである。
一態様において、配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスが提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、(iii)1つ又は複数の核酸結合配列、又は(iv)検出可能部分をコードする核酸配列。
他の一態様において、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスは提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、(iii)1つ又は複数の核酸結合配列、又は(iv)検出可能部分をコードする核酸配列。
他の一態様において、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスが提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、(iii)1つ又は複数の核酸結合配列、又は(iv)検出可能部分をコードする核酸配列。
他の一態様において、配列番号3に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスが提供され、前記核酸配列は以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、(iii)1つ又は複数の核酸結合配列、又は(iv)検出可能部分をコードする核酸配列。
実施形態において、核酸配列は、以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、並びに(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列。実施形態において、核酸断片は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である。実施形態において、核酸断片は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片である。
実施形態において、核酸配列は、以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルス株Herman、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、並びに(ii)1つ又は複数の核酸結合配列。実施形態において、核酸断片は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である。実施形態において、核酸断片は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片である。
実施形態において、核酸配列は、以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルス株Herman、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、並びに(ii)検出可能部分をコードする核酸配列。実施形態において、核酸断片は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である。実施形態において、核酸断片は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片である。
実施形態において、核酸配列は、以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルス株Herman、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、及び(iii)検出可能部分をコードする核酸配列。実施形態において、核酸断片は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である。実施形態において、核酸断片は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片である。
実施形態において、核酸配列は、以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルス株Herman、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、及び(iii)1つ又は複数の核酸結合配列。実施形態において、核酸断片は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である。実施形態において、核酸断片は、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片である。
抗がん核酸配列(導入遺伝子)は、本明細書において提供される実施形態に係るキメラポックスウイルスのゲノムの一部を形成してもよい。キメラポックスウイルスゲノムは、ポックスウイルスの発現及び複製のために必要とされる遺伝子を含む。キメラポックスウイルスの発現及び複製のために必要とされる遺伝子は、本明細書において「必須遺伝子」と称される。キメラポックスウイルスの発現及び複製のために必要とされない遺伝子は、本明細書において「非必須遺伝子」と称される。抗がん核酸配列は、遺伝子への挿入によりキメラポックスウイルスゲノムに組み込まれてもよく、又は遺伝子に作動可能に連結されてもよい。抗がん核酸配列のキメラポックスウイルス遺伝子への挿入により、遺伝子(例えば非必須遺伝子)又はその一部を欠失させてもよい。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列は、キメラポックスウイルスの非必須遺伝子の一部を形成する。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列は、キメラポックスウイルスの非必須遺伝子に挿入される。実施形態において、非必須遺伝子は、チミジンキナーゼ遺伝子である。実施形態において、非必須遺伝子は、J2R遺伝子である。実施形態において、非必須遺伝子は、F14.5L遺伝子である。
上記のように、抗がん核酸配列は、がんの治療に有用なポリペプチドをコードしうる。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列は、PD-L1阻害剤又はヨウ化ナトリウム共輸送体を独立にコードする。実施形態において、PD-L1阻害剤は、抗PD-L1 scFvである。実施形態において、抗PD-L1 scFvは、配列番号17の配列を含む。実施形態において、抗PD-L1 scFvは、配列番号17の配列である。実施形態において、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を含む。実施形態において、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列である。
本明細書に記載する「PD-L1」又は「PD-L1タンパク質」には、組換え型又は天然型のプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)、別名分化抗原群274(CD274)、又は、PD-L1活性を(例えばPD-L1と比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持するその変異体又はホモログが含まれる。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、天然のPD-L1プロモーターと比較し、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続するアミノ酸部分)にわたり、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態において、PD-L1タンパク質は、UniProt参照番号Q9NZQ7、又はそれと実質的な同一性を有する変異体若しくはホモログにより同定されるタンパク質と実質的に同一である。
本明細書に記載の用語「PD-L1阻害剤」とは、コントロールと比較し、PD-L1の発現又はその活性レベルを検出可能な程度で低下させることができる物質(例えば、抗体、抗体断片、単鎖可変断片(scFv))を指す。PD-L1の発現又は活性の阻害は、コントロールに対して10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の阻害であってもよい。特定の例において、前記阻害は、コントロールと比較し1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍又はそれ以上の阻害である。PD-L1阻害剤は、PD-L1阻害剤がない場合と比較し、例えば、少なくとも部分的に、部分的に若しくは全体的に、刺激をブロックし、活性化を減少、防止若しくは遅延させ、又はシグナル伝達を不活性化若しくは感受性を低下させ、又はPD-L1の活性若しくは量を下方制御することにより、PD-L1を阻害する。
本明細書において記載する用語「ヨウ化ナトリウム共輸送体」、「NIS」又は「hNIS」には、組換え型又は天然型のヨウ化ナトリウム共輸送体、又は、ヨウ化ナトリウム共輸送体活性を、(例えばヨウ化ナトリウム共輸送体と比較し少なくとも50%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%以内の活性で)維持するその変異体若しくはホモログが含まれる。幾つかの態様において、変異体又はホモログは、天然のヨウ化ナトリウム共輸送体と比較し、全部の配列又は一部の配列(例えば50、100、150又は200の連続するアミノ酸部分)にわたり、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%のアミノ酸配列同一性を有する。実施形態において、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、UniProt参照番号Q92911により同定されるタンパク質、又はそれと実質的な同一性を有するその変異体若しくはホモログと、実質的に同一である。実施形態において、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を含む。実施形態において、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列である。
本明細書において提供される抗がん核酸配列の発現は、プロモーターにより制御されうる。したがって、実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列は、プロモーターに各々作動可能に連結されている。実施形態において、プロモーターは、ワクシニアウイルス初期プロモーターである。実施形態において、プロモーターは、合成された初期プロモーターである。実施形態において、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を含む。実施形態において、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列である。実施形態において、プロモーターは、ワクシニアウイルス後期プロモーターである。実施形態において、プロモーターは、H5プロモーター又は11Kプロモーターである。実施形態において、H5プロモーターは、配列番号18の配列を含む。実施形態において、H5プロモーターは、配列番号18の配列である。実施形態において、11Kプロモーターは、配列番号20の配列を含む。実施形態において、11Kプロモーターは、配列番号20の配列である。
本明細書において提供される抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、特定のポックスウイルス遺伝子と機能的(作動可能に連結された)関係となるように、キメラポックスウイルスゲノムに組み込まれうる。例えば、抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、ポックスウイルス遺伝子の転写又は翻訳に影響を及ぼす場合、ポックスウイルス遺伝子に作動可能に連結されている場合がある。通常、抗がん核酸配列(核酸結合配列)及びポックスウイルス遺伝子は、これらが連続的であり、及び/又は読み取り相が一致するときに、作動可能に連結されている。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列(1つ又は複数の核酸結合配列)は、キメラポックスウイルスの必須遺伝子に作動可能に連結されている。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列(1つ又は複数の核酸結合配列)は、キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列(1つ又は複数の核酸結合配列)は、キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列(1つ又は複数の核酸結合配列)は、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている。実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列(1つ又は複数の核酸結合配列)は、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている。
実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列(1つ又は複数の核酸結合配列)は、miRNA結合配列を独立にコードする。実施形態において、miRNA結合配列は、miR100結合配列又はlet7c結合配列である。実施形態において、miRNA結合配列は、miR100結合配列である。実施形態において、miR100結合配列は、配列番号9の配列を含む。実施形態において、miR100結合配列は、配列番号9の配列である。実施形態において、miR100結合配列は、配列番号10の配列を含む。実施形態において、miR100結合配列は、配列番号10の配列である。実施形態において、miRNA結合配列は、let7c結合配列である。実施形態において、let7c結合配列は、配列番号11の配列を含む。実施形態において、let7c結合配列は、配列番号11の配列である。
実施形態において、1つ又は複数の抗がん核酸配列は、第1の抗がん核酸配列及び第2の抗がん核酸配列である。本明細書において提供されるように、第1の抗がん核酸配列は、第1の核酸結合配列であってもよく、第2の抗がん核酸配列は、第2の核酸結合配列であってもよい。
実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、前記第2の抗がん核酸配列(第2核酸結合配列)は、miRNA結合配列をコードする。実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列(第2核酸結合配列)は、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている。実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列(第2核酸結合配列)は、DNAポリメラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている。
実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、第2の抗がん核酸配列は、PD-L1阻害剤をコードする。実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列は、F14.5L遺伝子の一部を形成する。
実施形態において、核酸配列は、以下を含む:(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、並びに(ii)前記検出可能部分をコードする核酸配列。実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、蛍光部分をコードする。実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、キメラポックスウイルスの非必須遺伝子の一部を形成する。実施形態において、非必須遺伝子は、チミジンキナーゼ遺伝子である。実施形態において、非必須遺伝子の部分は欠失している。
実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、プロモーターに作動可能に連結されている。実施形態において、プロモーターは、ワクシニアウイルス初期プロモーターである。実施形態において、プロモーターは、合成された初期プロモーターである。実施形態において、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を含む。実施形態において、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列である。実施形態において、プロモーターは、ワクシニアウイルス後期プロモーターである。実施形態において、プロモーターは、H5プロモーター又は11Kプロモーターである。実施形態において、H5プロモーターは、配列番号18の配列を含む。実施形態において、H5プロモーターは、配列番号18の配列である。実施形態において、11Kプロモーターは、配列番号20の配列を含む。実施形態において、11Kプロモーターは、配列番号20の配列である。
一実施形態において、抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号10の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている。
一実施形態において、抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号9の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている。
一実施形態において、抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号11の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている。
一実施形態において、抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号9の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、DNAポリメラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている。
一実施形態において、抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号11の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、DNAポリメラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている。
一実施形態において、キメラポックスウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子は、配列番号5の配列を有する。
一実施形態において、抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部をなし、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、配列番号14の配列を有する蛍光部分をコードし、H5プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、H5プロモーターは、配列番号18の配列を有する。
一実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、配列番号15の配列を有する蛍光部分をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、配列番号15の配列を有する蛍光部分をコードし、H5プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、H5プロモーターは、配列番号18の配列を有する。
一実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、配列番号15の配列を有する蛍光部分をコードし、11Kプロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、11Kプロモーターは、配列番号20の配列を有する。
一実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、配列番号16の配列を有する蛍光部分をコードし、H5プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、H5プロモーターは、配列番号18の配列を有する。
一実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、配列番号16の配列を有する蛍光部分をコードし、11Kプロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、11Kプロモーターは、配列番号20の配列を有する。
一実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号10の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結され、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号9の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結され、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号11の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結され、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号9の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、DNAポリメラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結され、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列(核酸結合配列)は、配列番号11の配列を有するmiRNA結合配列をコードし、DNAポリメラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結され、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、キメラポックスウイルスのF14.5L遺伝子は、配列番号7の配列を有する。
一実施形態において、抗がん核酸配列は、抗PD-L1のscFvをコードし、H5プロモーターに作動可能に連結され、F14.5L遺伝子の一部を形成し、抗PD-L1のscFvは、配列番号17の配列を有し、H5プロモーターは、配列番号18の配列を有する。
一実施形態において、抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、F14.5L遺伝子は、配列番号7の配列を有し、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有する。
一実施形態において、第1の抗がん核酸配列は、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、合成された初期プロモーターに作動可能に連結され、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、第2の抗がん核酸配列は、抗PD-L1のscFvをコードし、H5プロモーターに作動可能に連結され、F14.5L遺伝子の一部を形成し、ヨウ化ナトリウム共輸送体は、配列番号13の配列を有し、合成された初期プロモーターは、配列番号19の配列を有し、抗PD-L1のscFvは、配列番号17の配列を有し、H5プロモーターは、配列番号18の配列を有する。
IV.キメラポックスウイルスの形成方法
他の一態様において、キメラポックスウイルスを形成する方法が提供され、前記方法は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株を含む群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株により細胞を感染させること、並びに少なくとも2つのポックスウイルス株を複製させ、それによりキメラポックスウイルスを形成することを含む。
本明細書において提供されるキメラポックスウイルスの形成方法は、本明細書に記載される導入遺伝子(例えば抗がん核酸配列、核酸結合配列、検出可能部分をコードする核酸配列)を含むキメラポックスウイルスの形成に使用できる。
実施形態において、少なくとも2つのポックスウイルス株は、約1.0未満の多重感染度で各々存在する。実施形態において、少なくとも2つのポックスウイルス株は、約0.5未満の多重感染度で各々存在する。実施形態において、少なくとも2つのポックスウイルス株は、約0.1未満の多重感染度で各々存在する。実施形態において、少なくとも2つのポックスウイルス株は、約0.05未満の多重感染度で各々存在する。実施形態において、少なくとも2つのポックスウイルス株は、約0.01未満の多重感染度で各々存在する。
実施形態において、キメラポックスウイルスは、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株を含む群から選択される少なくとも2つのポックスウイルスにより細胞を感染させること、並びに少なくとも2つのポックスウイルス株を複製させ、それによりキメラポックスウイルスを形成させることを含む方法により、形成される。
実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。
実施形態において、核酸断片は、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である。
実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びアライグマポックスウイルスHerman株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びウサギポックスウイルス株Utrechtにより感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスWR株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスIHD株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスElstree株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスCL株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスWR株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスIHD株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスElstree株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスCL株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ウサギポックスウイルスUtrecht株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスIHD株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスElstree株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスCL株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスWR株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスWR株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスWR株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスElstree株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスCL株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスIHD株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスIHD株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスIHD株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスElstree株及びワクシニアウイルスCL株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスElstree株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスElstree株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスElstree株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスElstree株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスCL株及びワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスCL株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスCL株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスCL株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスAS株及びオルフウイルスNZ2株により感染させる。実施形態において、細胞を、ワクシニアウイルスAS株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。実施形態において、細胞を、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染させる。
実施形態において、細胞は腎臓線維芽細胞である。実施形態において、細胞は上皮細胞である。実施形態において、細胞はCV-1細胞である。実施形態において、細胞はウシ腎臓上皮細胞である。
V.医薬組成物
一態様において、治療有効量の、実施形態を含む本明細書に記載されるキメラポックスウイルスを含む、医薬組成物が提供される。実施形態において、キメラポックスウイルスは、導入遺伝子(例えば抗がん核酸配列、核酸結合配列、検出可能部分をコードする核酸配列又はこれらの任意の組合せ)を含む。
「薬学的に許容される賦形剤」及び「薬学的に許容される担体」とは、被験者への活性薬剤の投与及び吸収を補助し、患者に対する顕著な毒性的な副作用を生じさせずに本発明の組成物に含めることができる物質のことを指す。薬学的に許容される賦形剤の非限定的な例には、水、NaCl、生理食塩液、乳酸添加リンガー液、通常のスクロース、通常のグルコース、結合剤、充填剤、崩壊剤、潤滑油、コーティング、甘味料、風味剤、塩溶液(例えばリンガー液)、アルコール、油脂、ゼラチン、ラクトース、アミロース又はデンプンのような炭水化物、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン及び色素等が含まれる。かかる調製物は殺菌することができ、必要に応じて、助剤(例えば潤滑剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、バッファー、色素、及び/又は本発明の化合物と有害な反応をしない芳香剤等)と混合することができる。当業者であれば、他の医薬賦形剤が本発明に有用であることを認識する。
本明細書において提供される実施形態に係るキメラポックスウイルス組成物は、経口的に、胃腸内に、又は直腸内に投与されうる。投与は、単回のボーラス投与の形式で行ってもよく、又は、例えば連続的に灌流ポンプにより行ってもよい。実施形態において、本明細書において提供されるキメラポックスウイルスは、1つ又は複数の賦形剤(例えば崩壊剤、充填剤、流動促進剤又は防腐剤)と組み合わされる。実施形態において、本明細書において提供されるキメラポックスウイルスは、カプセルの一部を形成する。好適なカプセルには、ハードシェルカプセル又はソフトシェルカプセルが含まれる。いかなる脂質ベースの、又はポリマーベースのコロイドを用いてカプセルを形成してもよい。コロイド状調製物のために有用な例示的なポリマーには、カラゲナン及び修飾型デンプン及び修飾型セルロース、例えばヒプロメロースのようなゼラチン、植物性多糖類又はこれらの誘導体が含まれる。任意選択的に、その他の成分として、ゲル化剤溶液に対し、例えばカプセルの硬度を低下させるためのグリセリン及び/又はソルビトールのような可塑剤や、着色剤、防腐剤、崩壊剤、滑沢剤及び表面処理剤を添加してもよい。
キメラポックスウイルス組成物は、用量当たり最小のウレアーゼ活性を有する、例えば約0.005mg~約2000mgの所定のキメラポックスウイルスを各々含む単位投与形態で製剤化することができる。用語「単位投与形態」は、ヒト被験者やその他の哺乳動物への単位投与に適する単位に物理的に分離したものを指し、各単位は、適切な薬剤担体と共に所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性成分を含有する。錠剤のような固体組成物を調製するためには、主な活性成分を医薬賦形剤と混合し、本発明の化合物の均質混合物を含む固体状の製剤化前組成物を形成する。これらの製剤化前組成物が均質であるということは、典型的には活性成分が組成物の全体にわたって均一に分散していることにより、組成物が、錠剤、ピル及びカプセルのような等しい効果を有する単位投与形態に直ちに再分割できるということを指す。
幾つかの実施形態において、本発明の錠剤又はピルはコーティングすることができ、又は、その他の形態として、長時間持続型の投与形態に製剤化することができる。例えば、錠剤又はピルは、内側薬剤層と、それに対するエンベロープを形成する外側薬剤層とを有することができる。2つの成分を腸溶性層により分離することにより、胃内での分解への耐性を付与し、それにより内側の成分をインタクトな状態で十二指腸内を通過させ、又は遅延放出させることが可能となる。かかる腸溶性層又はコーティングには各種の物質が使用され、かかる物質としては、複数のポリマー性の酸、並びにポリマー性の酸とシェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロース等の物質との混合物が挙げられる。
本発明の組成物が、経口投与又は注入投与用に取り込まれる液体の形態としては、水溶液、適切に香味を付与されたシロップ、水性又は油性懸濁液、並びに綿実油、ゴマ油、ココナッツ油若しくはピーナッツ油のような食用油を使用し香味を付与されたエマルション、並びにエリキシル剤及び同様の薬学的ビヒクルが挙げられる。
VI.治療方法
他の一態様において、がんの治療を必要とする被験者のがんを治療する方法が提供され、前記方法は、被験者に、治療有効量の、実施形態を含む本明細書に記載されるキメラポックスウイルスを投与することにより、被験者のがんを治療することを含む。実施形態において、前記がんは、乳がん、結腸がん、腎臓がん、白血病、肺がん、黒色腫、卵巣がん、前立腺がん、膵がん、脳がん、肝がん、胃がん又は肉腫である。実施形態において、がんは乳がんである。実施形態において、がんは結腸がんである。実施形態において、がんは腎臓がんである。実施形態において、がんは白血病である。実施形態において、がんは肺がんである。実施形態において、がんは黒色腫である。実施形態において、がんは卵巣がんである。実施形態において、がんは前立腺がんである。実施形態において、がんは膵がんである。実施形態において、がんは脳がんである。実施形態において、がんは肝がんである。実施形態において、がんは胃がんである。実施形態において、がんは肉腫である。実施形態において、がんはトリプルネガティブ乳がんである。
実施形態において、投与することは、第1のキメラポックスウイルス及び第2のキメラポックスウイルスを投与することを含む。実施形態において、第1のキメラポックスウイルス及び第2のキメラポックスウイルスは、組み合わせた相乗的な量で投与される。実施形態において、第1のキメラポックスウイルス及び第2のキメラポックスウイルスは、同時に投与される。実施形態において、第1のキメラポックスウイルス及び第2のキメラポックスウイルスは、順次投与される。
実施形態において、ポックスウイルスは、少なくとも103プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、少なくとも104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、少なくとも105プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、少なくとも106プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、少なくとも107プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、少なくとも108プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。
実施形態において、ポックスウイルスは、103プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、105プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、106プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、107プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、108プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。
実施形態において、ポックスウイルスは、約103プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、103プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、約4×104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、4×104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、約5×104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。実施形態において、ポックスウイルスは、5×104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される。
一態様において、細胞の細胞増殖を阻害する方法が提供され、前記方法は、本明細書に記載されるキメラポックスウイルスを細胞に接触させることを含む。実施形態において、細胞はがん細胞である。実施形態において、がん細胞は乳がん細胞、結腸がん細胞、腎臓がん細胞、白血病細胞、肺がん細胞、黒色腫細胞、卵巣がん細胞、前立腺がん細胞、膵がん細胞、脳がん細胞、肝がん細胞、胃がん細胞又は肉腫細胞である。実施形態において、がん細胞は乳がん細胞である。実施形態において、がん細胞は結腸がん細胞である。実施形態において、がん細胞は腎臓がん細胞である。実施形態において、がん細胞は白血病細胞である。実施形態において、がん細胞は肺がん細胞である。実施形態において、がん細胞は黒色腫である。実施形態において、がん細胞は卵巣がん細胞である。実施形態において、がん細胞は前立腺がん細胞である。実施形態において、がん細胞は膵がん細胞である。実施形態において、がん細胞は脳がん細胞である。実施形態において、がん細胞は肝がん細胞である。実施形態において、がん細胞は胃がん細胞である。実施形態において、がん細胞は肉腫細胞である。実施形態において、がん細胞はトリプルネガティブ乳がん細胞である。
本明細書において提供される方法によれば、被験者は、本明細書において提供される1つ又は複数の薬剤を有効量で投与される。用語「有効量」及び「有効投与量」は交換可能に用いられる。用語「有効量」は、所望の生理的反応(例えばがんの治療)を得るのに必要ないずれかの量として定義される。有効量及び薬剤を投与するためのスケジュールは、経験的に当業者により決定できる。投与量の範囲は、疾患又は障害の1つ又は複数の症状が影響を受ける(例えば軽減され、又は遅延する)という所望の効果を得るのに十分な範囲である。投与量は、不必要な交叉反応、アナフィラキシー反応等のような実質的に有害な副作用を引き起こすほどの過多量であってはならない。通常、投与量は、年齢、状態、性別、疾患の種類、疾患又は障害の程度、投与経路、又は他の薬物がレジメンに含まれるか否かにより変化し、それを基に当業者より決定されうる。投与量は、あらゆる禁忌事象において、個々の医師により調節することができる。投与量を適宜変化させ、1日1回~複数回で、1日~数日にわたり投与することができる。所定の種類の医薬製品ごとの適切な投与量に関するガイダンスは、文献に記載されている。例えば、有効量は、所定のパラメータに応じて、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、40%、50%、60%、75%、80%、90%、又は少なくとも100%増加又は減少する。有効性は、「~倍」の増加又は減少として表すこともできる。例えば、治療有効量は、コントロールに対して少なくとも1.2倍、1.5倍、2倍、5倍又はそれ以上の効果を示しうる。実際の投与量及び製剤化は、治療目的に依存し、公知の技術を使用して当業者により決定される(例えば、Lieberman、Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1-3,1992);Lloyd、The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Remington、The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Gennaro,Editor(2003)、及びPickar、Dosage Calculations(1999)を参照されたい)。
予防的使用の場合、治療有効量の、本明細書に記載されるキメラポックスウイルス組成物は、発症前又は発症初期(例えばがんの最初の徴候及び症状)に被験者に投与される。治療的処置では、診断後又は疾患の発症後に、治療有効量の本明細書に記載される薬剤を被験者に投与する。したがって、別の態様においては、疾患(例えば、がん)の治療を必要とする被験者における該疾患の治療方法が提供される。
用語「被験者」、「患者」、「個体」等は、限定を目的とせず、通常交換可能に用いられる。すなわち、「患者」と記載される個体は、所定の疾患を必ずしも有するわけではなく、単に医療的アドバイスを求めているだけの個体である場合もある。
本明細書において、症状、疾患若しくは障害、又は症状、疾患若しくは障害に関連する徴候「を治療すること」又は「の治療」は、臨床結果を含む有益な、又は所望の結果を得るためのアプローチを指す。有益な、又は所望の臨床結果には、限定されないが、1つ又は複数の徴候又は症状の緩和又は改善、症状、障害又は疾患の程度の軽減、症状、障害又は疾患の状態の安定化、症状、障害又は疾患の進行の防止、症状、障害又は疾患の拡散の防止、症状、障害又は疾患の進行の遅延又は減速、症状、障害又は疾患の開始の遅延又は減速、症状、障害又は疾患の状態の改善又は緩和、部分的又は全体的な鎮静、が含まれる。「治療」とは、治療がない場合に予想される期間を越えて被験者の生存を長期化することを意味する場合もある。「治療」とは、症状、障害又は疾患の進行を阻害すること、一時的に症状、障害又は疾患の進行を減速させること、を意味する場合もあるが、幾つかの場合では、永久的に症状、障害又は疾患の進行を停止させることを含む場合もある。本明細書における用語「治療」、「治療する」又は「治療すること」とは、プロテアーゼの発現により特徴づけられる1つ又は複数の疾患又は症状の徴候の効果を、又はプロテアーゼの発現により特徴づけられる疾患又は症状の徴候を、低減する方法を指す。したがって、開示される方法では、治療とは、確立された疾患、症状、又は疾患若しくは症状(例えば、がん)の徴候の重症度を、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%低減することを指す。例えば、被験者の疾患の1つ又は複数の症状は、コントロールと比較し10%低減される場合、その疾患を治療する方法は「治療」であると考えられる。したがって、低減とは、天然又はコントロールのレベルと比較し、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、又は、10%~100%のいずれかのパーセントでの低減でありうる。治療とは、必ずしも疾患、症状又は疾患若しくは症状の徴候の治癒又は完全な消失を指すものではないものと理解される。更に、本明細書において用いられる「減少」、「低下」又は「阻害」とは、コントロールのレベルと比較し、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の変化を含むが、該用語は、完全な除去を必ずしも含むわけではない。
キメラポックスウイルス組成物を製剤化する方法に関係なく、必要とされる投与量は、投与経路、製剤の性質、被験者の症状の性質(例えば免疫系の成熟度又は胃腸障害)、被験者の身体のサイズ、体重、対表面積、年齢及び性別、投与を受けている他の薬物及び主治医の判断に依存する。あるいは、又はそれに加えて、投与量は、Pfu/kg(乾燥重量)として表すことができる。
投与は、単回、又は複数回(例えば2回、又は3、4、6、8、10、20、50、100、150回又はそれ以上)で行ってもよい。本明細書において提供される組成物による治療期間は、1日という短い期間から、宿主のライフスパンという長い期間(例えば何年もの間)のいかなる期間とすることもできる。例えば、組成物は、週1回(例えば4週間~数ヶ月又は数年)、月1回(例えば3ヶ月から12ヶ月、又は多年)、又は、年1回を5年間、10年、又はそれ以上にわたり、投与することができる。治療頻度が可変的でありうる点にも、留意すべきである。例えば、本組成物は、1日、1週、1月又は1年に1回(又は2回、3回等)投与することができる。
組成物は、他の治療薬との組合せで投与することもできる。実施形態において、組成物は、抗がん剤との組合せで投与することもできる。他の治療薬としては、具体的な障害により異なるが、例えば食事の変更、血液透析、安息香酸ナトリウム、フェニル酢酸、アルギニンのような治療薬又は外科手術治療が挙げられる。2つ以上の治療薬の同時投与は、薬剤がこれらの治療効果を発揮する時間の重複がある限り、薬剤が同時に、又は同じ経路により投与されることを必要としない。同時の、又は異なる日若しくは週における投与のような順次投与が企図される。
本明細書に記載される化合物は、相互に組み合わせて使用することも、また本明細書に記載される疾患(例えば乳がん、結腸がん、腎臓がん、白血病、肺がん、黒色腫、卵巣がん、前立腺がん、膵がん、脳がん、肝がん、胃がん又は肉腫)を治療する際に有用であることが知られている他の活性薬剤(例えば抗がん剤)と組み合わせ使用することも、又は、単独では効果を示さないが活性薬剤の効果に寄与できる補助剤と組み合わせて使用することもできる。
実施形態において、本方法は、治療薬を投与することを含む。実施形態において、治療薬は、チェックポイント阻害タンパク質である。実施形態において、治療薬は、イピリムマブである。実施形態において、治療薬は、ペムブロリズマブである。実施形態において、治療薬は、ニボルマブである。実施形態において、治療薬は、タリモゲン ラヘルパレプベクである。実施形態において、治療薬は、ドゥルバルマブである。実施形態において、治療薬は、ダクリズマブである。実施形態において、治療薬は、アベルマブである。実施形態において、治療薬は、アテゾリズマブである。実施形態において、キメラポックスウイルス及び治療薬は、組み合わせた相乗的な量で投与される。実施形態において、キメラポックスウイルス及び治療薬は、同時に投与される。実施形態において、キメラポックスウイルス及び治療薬は、順次投与される。
幾つかの実施形態において、同時投与は、1つの活性薬剤の投与から0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20又は24時間以内に、第2の活性薬剤(例えば抗がん剤)を投与することを含む。同時投与は、2つの活性薬剤を同時に、ほぼ同時に(例えば、各々約1、5、10、15、20又は30分以内に)又は、順次、任意の順序で投与することを含む。幾つかの実施形態において、同時投与は、同時製剤化、すなわち、両方の活性薬剤を含む単一の医薬組成物を調製することにより、実現することができる。他の実施形態において、活性薬剤は別個に製剤化することができる。他の実施形態では、活性薬剤及び/又は補助剤は、互いに混合又はコンジュゲートさせることができる。
「抗がん剤」は、その明白な、通常の意味に従い使用され、抗新生物特性又は細胞の増殖若しくは成長を阻害する能力を有する組成物(例えば化合物、薬物、アンタゴニスト、阻害剤、モジュレーター)を指す。幾つかの実施形態において、抗がん剤は化学療法剤である。幾つかの実施形態において、抗がん剤は、がんの治療方法における有用性を有するものとして本明細書において同定される薬剤である。幾つかの実施形態において、抗がん剤は、がんの治療用に、FDA又は米国以外の国の同様の監督機関の承認を得ている薬剤である。抗がん剤の例としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:MEK(例えばMEK1、MEK2又はMEK1及びMEK2)阻害剤(例えばXL518、CI-1040、PD035901、セルメチニブ/AZD6244、GSK1120212/トラメチニブ、GDC-0973、ARRY-162、ARRY-300、AZD8330、PD0325901、U0126、PD98059、TAK-733、PD318088、AS703026、BAY869766)、アルキル化剤(例えばシクロホスファミド、イホスファミド、クロラムブシル、ブスルファン、メルファラン、メクロレタミン、ウラムスチン、チオテパ、ニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード(例えばメクロエタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン)、エチレンイミン及びメチルメラミン(例えばヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えばブスルファン)、ニトロソウレア(例えばカルマスティン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン)、トリアゼン(デカルバジン))、代謝拮抗剤(例えば5-アザチオプリン、ロイコボリン、カペシタビン、フルダラビン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、葉酸アナログ(例えばメトトレキセート)、又はピリミジンアナログ(例えばフルオロウラシル、フロキソウリジン、シタラビン)、プリンアナログ(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)等)、植物アルカロイド(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ポドフィロトキシン、パクリタキセル、ドセタキセル等)、トポイソメラーゼ阻害剤(例えばイリノテカン、トポテカン、アムサクリン、エトポシド(VP16)、リン酸エトポシド、テニポシド等)、抗腫瘍抗生物質(例えばドキソルビシン、アドリアマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ミトキサントロン、プリカマイシン等)、プラチナ系化合物又はプラチナ含有薬剤(例えばシスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えばミトキサントロン)、置換された尿素(例えばヒドロキシウレア)、メチルヒドラジン誘導体(例えばプロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えばミトタン、アミノグルテチミド)、エピポドフィロトキシン(例えばエトポシド)、抗生物質(例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えばエルアスパラギナーゼ)、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤(例えばU0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY-142886、SB239063、SP600125、BAY43-9006、ワートマニン又はLY294002、Syk阻害剤、mTOR阻害剤、抗体(例えばリツキサン)、ゴシフォール、ゲナセンス、ポリフェノールE、クロロフォシン、オールトランスレチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、5-アザ-2’-デオキシシチジン、オールトランスレチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ(Gleevec(登録商標))、ゲルダナマイシン、17-N-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY11-7082、PKC412、PD184352、20-epi-1、25ジヒドロキシビタミンD3、5-エチニルウラシル、アビラテロン、アクラルビシン、アシルフルベン、アデシペノール、アドゼレシン、アルデスロイキン、ALL-TKアンタゴニスト、アルトレタミン、アンバムスチン、アミドックス、アミホスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンドログラホリド、血管形成阻害剤、アンタゴニストD、アンタゴニストG、アンタレリックス、抗背側化形態形成性タンパク質-1、抗アンドロゲン剤、前立腺癌、抗エストロゲン剤、抗新生物剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アフィディコリングリシネイト、アポトーシス遺伝子モジュレーター、アポトーシス調節因子、アプリン酸、ara-CDP-DL-PTBA、アルギニンデアミナーゼ、アスラクリン、アタメスタン、アトリムスチン、アキシナスタチン1、アキシナスタチン2、アキシナスタチン3、アザセトロン、アザトキシン、アザチロシン、バカチンIII誘導体、バラノール、バチマスタット、BCR/ABLアンタゴニスト、ベンゾクロリン、ベンゾイルスタウロスポリン、βラクタム誘導体、βアレチン、ベタクラマイシンB、ベツリン酸、bFGF阻害剤、ビカルタミド、ビサントレン、ビサジリジニルスペルミン、ビスナフィド、ビストラテンA、ビゼレシン、ブレフレート、ブロピリミン、ブドチタン、ブチオニンスルホキシイミン、カルシポトリオール、カルフォスチンC、カンプトセシン誘導体、カナリポックス IL-2、カペシタビン、カルボキサミド-アミノトリアゾール、カルボキシアミドトリアゾール、CaRest M3、CARN 700、軟骨由来阻害剤、カルゼレシン、カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS)、カスタノスペルミン、セクロピンB、セトロレリックス、クロリン、クロロキノキサリンスルホンアミド、シカプロスト、シスポルフィリン、クラドリビン、クロミフェンアナログ、クロトリマゾール、コリスマイシンA、コリスマイシンB、コンブレタスタチンA4、コンブレタスタチンアナログ、コナゲニン、クラムベシジン816、クリスナトール、クリプトフィシン8、クリプトフィシンA誘導体、クラシンA、シクロペンタンスラキノン、シクロプラタム、シペマイシン、シタラビン オクフォスフェート、細胞溶解因子、サイトスタチン、ダクリキシマブ、デシタビン、デヒドロジデムニンB、デスロレリン、デキサメタゾン、デキシフォスファミド、デクスラゾキサン、デクスベラパミル、ジアジクオン、ジデムニンB、ジドックス、ジエチルノルスペルミン、ジヒドロ-5-アザシチジン、9-ジオキサマイシン、ジフェニルスピロムスチン、ドコサノール、ドラセトロン、ドキシフルリジン、ドロロキシフェン、ドロナビノール、デュオカルマイシンSA、エブセレン、エコムスチン、エデルホシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エレメン、エミテフル、エピルビシン、エプリステライド、エストラムスチンアナログ、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト、エタニダゾール、リン酸エトポシド、エクセメスタン、ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フレゼラスチン、フルアステロン、フルダラビン、フルオロダウノルニシン塩酸塩、ホルフェニメクス、ホルメスタン、ホストリエシン、ホテムスチン、ガドリニウムテキサフィリン、硝酸ガリウム、ガロシタビン、ガニレリックス、ゼラチナーゼ阻害剤、ゲムシタビン、グルタチオン阻害剤、ヘプスルファム、ヘレグリン、ヘキサメチレンビスアセトアミド、ヒペリシン、イバンドロン酸、イダルビシン、イドキシフェン、イドラマントン、イルモホシン、イロマスタット、イミドアゾアクリドン、イミキモド、免疫賦活薬ペプチド、インスリン様増殖因子-1受容体阻害剤、インターフェロンアゴニスト、インターフェロン、インターロイキン、イオベングアン、ヨードドキソルビシン、イポメアノール、4-、イロプラクト、イルソグラジン、イソベンガゾール、イソホモカリコンドリンB、イタセトロン、ジャスプラキノリド、カハラリドF、ラメラリン-Nトリアセテート、ランレオチド、レイナマイシン、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レプトルスタチン、レトロゾール、白血病抑制因子、白血球αインターフェロン、ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン、ロイプロレリン、レバミゾール、リアロゾール、直鎖状ポリアミンアナログ、親油性二糖ペプチド、親油性白金化合物、リソクリナミド7、ロバプラチン、ロムブリシン、ロメトレキソール、ロニダミン、ロソキサントロン、ロバスタチン、ロキソリビン、ルルトテカン、ルテチウムテキサフィリン、リソフィリン、溶解性ペプチド、マイタンシン、マンノスタチンA、マリマスタット、マソプロコール、マスピン、マトリライシン阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、メノガリル、メルバロン、メテレリン、メチオニナーゼ、メトクロプラミド、MIF阻害剤、ミフェプリストーン、ミルテフォシン、ミリモスチム、ミスマッチ二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシンアナログ、ミトナフィド、マイトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン、ミトキサントロン、モファロテン、モルグラモスチム、モノクローナル抗体、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、モノホスホリルリピドA+ミオバクテリウム細胞壁sk、モピダモール、多剤耐性遺伝子阻害剤、多重腫瘍サプレッサー1ベースの治療剤、マスタード抗がん剤、ミカペルオキシドB、マイコバクテリウム細胞壁抽出物、ミリアポロン、N-アセチルジナリン、N-置換ベンズアミド、ナファレリン、ナグレスチプ、ナロキソン+ペンタゾシン、ナパビン、ナフテルピン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ネムルビシン、ネリドロン酸、中性エンドペプチダーゼ、ニルタミド、ニサマイシン、一酸化窒素モジュレーター、窒素酸化物抗酸化剤、ニトルリン、O6-ベンジルグアニン、オクトレオチド、オキセノン、オリゴヌクレオチド、オナプリストン、オンダンセトロン、オンダンセトロン、オラシン、経口サイトカインインデューサー、オルマプラチン、オサテロン、オキサリプラチン、オキサウノマイシン、パラウアミン、パルミトイルリゾキシン、パミドロン酸、パナキシトリオール、パノミフェン、パラバクチン、パゼリプチン、ペガスパルガーゼ、ペルデシン、ペントサンポリ硫酸塩ナトリウム、ペントスタチン、ペントロゾール、ペルフルブロン、ペルホスファミド、ペリリルアルコール、フェナジノマイシン、フェニル酢酸、ホスファターゼ阻害剤、ピシバニール、塩酸ピロカルピン、ピラルビシン、ピリトレキシム、プラセチンA、プラセチンB、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、プラチナ複合体、白金化合物、プラチナ-トリアミン複合体、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニゾン、プロピル二アクリドン、プロスタグランジンJ2、プロテアソーム阻害剤、プロテインAベースの免疫調節剤、タンパク質キナーゼC阻害剤、タンパク質キナーゼC阻害剤(微細藻類)、タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤、プルプリン、ピラゾロアクリジン、ピリドキシル化されたヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート、rafアンタゴニスト、ラルチトレキセド、ラモセトロン、rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤、ras阻害剤、ras-GAP阻害剤、脱メチル化レテリプチン、レニウムRe 186エチドロン酸、リゾキシン、リボザイム、RIIレチンアミド、ログレチミド、ロヒツキン、ロムルチド、ロキニメクス、ルビギノンB1、ルボキシル、サフィンゴール、サイントピン、SarCNU、サルコフィトールA、サルグラモスチム、Sdi 1擬晶、セムスチン、老化由来阻害剤1、センスオリゴヌクレオチド、シグナル伝達阻害剤、シグナル伝達モジュレーター、単鎖抗原結合性タンパク質、シゾフラン、ソブゾキサン、ナトリウムボロカプテート、フェニル酢酸ナトリウム、ソルベロール、ソマトメジン結合タンパ
ク質、ソネルミン、スパルホス酸、スピカマイシンD、スピロムスチン、スプレノペンチン、スポンジスタチン1、スクアラミン、幹細胞阻害剤、幹細胞分割阻害剤、スチピアミド、ストロメライシン阻害剤、スルフィノシン、超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト、スラジスタ、スラミン、スワインソニン、合成グリコサミノグリカン、タリムスチン、タモキシフェンメチオジド、タウロムスチン、タザロテン、テコガランナトリウム、テガフール、テルラピリリウム、テロメラーゼ阻害剤、テモポルフィン、テモゾロマイド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、テトラゾミン、タリブラスチン、チオコラリン、トロンボポエチン、トロンボポエチン擬態物、チマルファシン、チモポエチン受容体アゴニスト、チモトリナン、甲状腺刺激ホルモン、スズエチルエチオプルプリン、チラパザミン、チタノセン二塩化物、トプセンチン、トレミフェン、全能性幹細胞因子、翻訳阻害剤、トレチノイン、トリアセチルウリジン、トリシリビン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロピセトロン、ツロステリド、チロシンキナーゼ阻害剤、チロホスチン、UBC阻害剤、ウベニメクス、泌尿生殖洞由来の増殖阻害因子、ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト、バプレオチド、バリロリンB、ベクター系、赤血球遺伝子治療剤、ベラレソール、ベラミン、ベルジン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビンキサルチン、ビンタキシン、ボロゾール、ザノテロン、ゼニプラチン、ジラスコルブ、ジノスタチン スチマラマー、アドリアマイシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、シスプラチン、アシビシン、アクラルビシン、塩酸アコダゾール、アクロニン、アドゼレシン、アルデスロイキン、アルトレタミン、アムボマイシン、アメタントロン酢酸塩、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アントラマイシン、アスパラギナーゼ、アスペルリン、アザシチジン、アゼテパ、アゼトマイシン、バチマスタット、ベンゾデパ、ビカルタミド、ビサントレン塩酸塩、ビスナフィドジメシレート、ビゼレシン、硫酸ブレオマイシン、ブレキナルナトリウム、ブロピリミン、ブスルファン、カクチノマイシン、カルステロン、カラセミド、カルベチマー、カルボプラチン、カルマスティン、カルビシン塩酸塩、カルゼレシン、セデフィンゴール、クロラムブシル、シロレマイシン、クラドリビン、クリスナトールメシレート、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、塩酸ダウノルビシン、デシタビン、デキソルマプラチン、デザグアニン、デザグアニンメシレート、ジアジクオン、ドキソルビシン、塩酸ドキソルビシン、ドロロキシフェン、クエン酸ドロロキシフェン、プロピオン酸ドロモスタノロン、ドゥアゾマイシン、エダトレキサート、塩酸エフロルニチン、エルサミトルシン、エンロプラチン、エンプロマート、エピプロピジン、エピルビシン塩酸塩、エルブルゾール、エソルビシン塩酸塩、エストラムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、エタニダゾール、エトポシド、リン酸エトポシド、エトプリン、塩酸ファドロゾール、ファザラビン、フェンレチニド、フロキシウリジン、フルダラビンリン酸塩、フルオロウラシル、フルオロシタビン、ホスキドン、ホストリエシンナトリウム、ゲムシタビン、塩酸ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、塩酸イダルビシン、イホスファミド、イイモフォシン、インターロイキンI1(組換えインターロイキンII又はrIL-2.sub.2を含む)、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-n1、インターフェロンα-n3、インターフェロンβ-1a、インターフェロンγ-1b、イプロプラチン、塩酸イリノテカン、ランレオチド酢酸塩、レトロゾール、酢酸ロイプロリド、塩酸リアロゾール、ロメトレキソールナトリウム、ロムスチン、塩酸ロソキサントロン、マソプロコール、マイタンシン、塩酸メクロレタミン、メゲストロールアセテート、酢酸メレンゲストロール、メルファラン、メノガリル、メルカプトプリン、メトトレキセート、メトトレキセートナトリウム、メトプリン、メタウレデパ、ミチンドミド、ミトカルシン、ミトクロミン、マイトジリン、ミトマルシン、マイトマイシン、ミトスペル、ミトタン、ミトキサントロン塩酸塩、ミコフェノール酸、ノコダゾール、ノガラマイシン、オルマプラチン、オキシスラン、ペガスパルガーゼ、ペリオマイシン、ペンタムスチン、硫酸ペプロマイシン、ペルホスファミド、ピポブロマン、ピポスルファン、塩酸ピロキサントロン、プリカマイシン、プロメスタン、ポルフィマーナトリウム、ポルフィロマイシン、プレドニムスチン、塩酸プロカルバジン、ピューロマイシン、ピューロマイシン塩酸塩、ピラゾフリン、リボプリン、ログレチミド、サフィンゴール、塩酸サフィンゴール、セムスチン、シムトラゼン、スパルフォセートナトリウム、スパルソマイシン、スピロゲルマニウム塩酸塩、スピロムスチン、スピロプラチン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、スロフェヌル、タリソマイシン、テコガランナトリウム、テガフール、塩酸テロキサントロン、テモポルフィン、テニポシド、テロキシロン、テストラクトン、チアミプリン、チオグアニン、チオテパ、チアゾフリン、チラパザミン、クエン酸トレミフェン、トレストロン酢酸塩、リン酸トリシリビン、トリメトレキサート、グルクロン酸トリメトレキサート、トリプトレリン、塩酸ツブロゾール、ウラシルマスタード、ウレデパ、バプレオチド、ベルテポルフィン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、ビンデシン、硫酸ビンデシン、硫酸ビネピジン、硫酸ビングリシネート、硫酸ビンリューロシン、酒石酸ビノレルビン、硫酸ビンロシジン、硫酸ビンゾリジン、ボロゾール、ゼニプラチン、ジノスタチン、ゾルビシン塩酸塩、G2-M期の細胞を抑制し、及び/又は微小管の形成又は安定性を調節する薬剤、(例えばTaxol(商標)(すなわちパクリタキセル)、Taxotere(商標)タキサン骨格を含んでいる化合物、エルブロゾール(すなわちR-55104)、ドラスタチン10(すなわちDLS-10及びNSC-376128)、ミボブリンイセチオネート(すなわちCI-980として)、ビンクリスチン、NSC-639829、ジスコデルモリド(すなわちNVP-XX-A-296として)、ABT-751(アボット、すなわちE-7010)、アルトルヒルチン(例えばアルトルヒルチンA及びアルトルヒルチンC)、スポンジスタチン(例えばスポンジスタチン1、スポンジスタチン2、スポンジスタチン3、スポンジスタチン4、スポンジスタチン5、スポンジスタチン6、スポンジスタチン7、スポンジスタチン8及びスポンジスタチン9)、塩酸セマドチン(すなわちLU-103793及びNSC-D-669356)、エポチロン(例えばエポチロンA、エポチロンB、エポチロンC(すなわちデスオキシエポチロンA又はdEpoA)、エポチロンD(すなわちKOS-862、dEpoB及びデスオキシエポチロンB)、エポチロンE、エポチロンF、エポチロンB N-オキシド、エポチロンA N-オキシド、16-アザ-エポチロンB、21-アミノエポチロンB(すなわちBMS-310705)、21-ヒドロキシエポチロンD(すなわちデスオキシエポチロンF及びdEpoF)、26-フルオロエポチロン、アウリスタチンPE(すなわちNSC-654663)、ソブリドチン(すなわちTZT-1027)、硫酸ビンクリスチン、クリプトフィシン52(すなわちLY-355703)、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン(すなわちNSC-106969)、オンコシジンA1(すなわちBTO-956及びDIME)、フィジアノリドB、ラウリマリド、ナルコシン(別名NSC-5366)、ナスカピン、ヘミアステルリン、バナドセンアセチルアセトネート、モンサトロール、イナノシン(すなわちNSC-698666)、エリュテロビン(例えばデスメチルエリュテロビン、デスアセチルエリュテロビン、イソエリュテロビンA及びZ-エリュテロビン)、カリベオシド、カリベオリン、ハリコンドリンB、ジアゾナミドA、テカロノリドA、ジオゾスタチン、(-)-フェニルアヒスチン(すなわちNSCL-96F037)、ミオセベリンB、レスベラスタチンリン酸ナトリウム、ステロイド(例えばデキサメタゾン)、フィナステリド、アロマターゼ阻害剤、生殖腺刺激ホルモンアゴニスト(GnRH)、例えばゴセレリン又はロイプロリド、副腎皮質ステロイド(例えばプレドニゾン)、プロゲスチン(例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、メゲストロールアセテート、メドロキシプロゲステロンアセテート)、エストロゲン(例えばジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン)、アンドロゲン(例えばプロピオン酸テストステロン、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン剤(例えばフルタミド)、免疫賦活薬(例えばバチルス・カルメット・グエリン(BCG)、レバミゾール、インターロイキン-2、α-インターフェロン等)、モノクローナル抗体(例えば抗CD20、抗HER2、抗CD52、抗HLA-DR及び抗VEGFモノクローナル抗体)、イムノトキシン(例えば抗CD33モノクローナル抗体-カリケアマイシンコンジュゲート、抗CD22モノクローナル抗体-シュードモナスエンドトキシンコンジュゲート等)、ラジオイムノセラピー(例えば抗CD20モノクローナル抗体の111In、90Y又は131I等へのコンジュゲート)、トリプトリド、ホモハリントニン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、トポテカン、イトラコナゾール、ビンデシン、セリバスタチン、ビンクリスチン、デオキシアデノシン、セルトラリン、ピタバスタチン、イリノテカン、クロファジミン、5-ノニルオキシトリプタミン、ベムラフェニブ、ダブラフェニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、EGFR阻害剤、表皮成長因子受容体(EGFR)-標的治療又は治療剤(例えばゲフィチニブ(Iressa(商標))、エルロチニブ(Tarcrva(商標))、セツキシマブ(Erbitux(商標))、ラパチニブ(Tykerb(商標))、パニツムマブ(Vectibix(商標))、バンデタニブ(Caprelsa(商標))、アファチニブ/BIBW2992、CI-1033/カネルチニブ、ネラチニブ/HKI-272、CP-724714、TAK-285、AST-1306、ARRY334543、ARRY-380、AG-1478、ダコミチニブ/PF299804、OSI-420/デスメチルエルロチニブ、AZD8931、AEE788、ペリチニブ/EKB-569、CUDC-101、WZ8040、WZ4002、WZ3146、AG-490、XL647、PD153035、BMS-599626。
VII.検出方法
他の一態様において、被験者のがんを検出する方法が提供され、該方法は、本明細書に記載される実施形態に係るキメラポックスウイルスをがん細胞に接触させること、及びキメラポックスウイルスを複製させ、それによりがん細胞を検出することを含む。実施形態において、キメラポックスウイルスは、検出可能部分をコードする核酸配列を含む。実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、蛍光部分をコードする。実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、mCherryをコードする。実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、Emeraldをコードする。実施形態において、検出可能部分をコードする核酸配列は、ホタルルシフェラーゼをコードする。実施形態において、がん細胞は被験者に存在する。実施形態において、被験者は哺乳動物である。実施形態において、被験者はヒトである。
以下の実施例は例示として示され、特許請求された本発明を限定するものではない。
[実施例1] がんの腫瘍溶解的免疫治療に用いられる新規かつ強力なキメラポックスウイルス
がんは、米国では第2位の主要な死因である。近年、免疫チェックポイント阻害剤、キメラ抗原受容体を有するT細胞及び腫瘍溶解性ウイルス等によるがん免疫療法が高度に進歩している。
腫瘍溶解性ウイルスは、健常な細胞を無傷のままにすると共に、がん細胞に感染し、複製し、最終的にこれを殺傷する、天然の、又は遺伝子改変されたウイルスである(1、2)。436人の切除不能なステージIIIB、IIIC又はIVの黒色腫患者を対象とする、腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルスT-VECに関する最近完了したフェーズIII臨床試験は、GM-CSFを受容した患者の2.1%と比較し、T-VECを受容した患者の16.3%の耐性応答率を示し、その主要エンドポイントを満たすことが報告されている(3)。この試験結果に基づき、FDAは、2015年10月27日にT-VECを承認した。FDAによる初の腫瘍溶解性ウイルスの承認は、当分野における可能性の道を開いた。
アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス1、ニューキャッスル病ウイルス、レオウイルス、はしかウイルス、コクサッキーウイルス、セネカバレーウイルス及びワクシニアウイルスを含む少なくとも8つの異なる種由来の腫瘍溶解性ウイルス構築物を用い、臨床試験の各種フェーズにおいて試験した。腫瘍溶解性ウイルスががん患者において十分許容できることが明らかとなった。しかしながら、スタンドアロン治療としての腫瘍溶解性ウイルスの臨床的利益は、限定されたままである(5)。腫瘍溶解性ウイルスの安全性に関する配慮により、高度減弱化(天然において無発症性であるか、又は遺伝子工学的に減弱させた)腫瘍溶解性ウイルスのみを、前臨床試験及び治験に使用した。腫瘍溶解性ウイルスの安全性が本発明において確立されたため、更に、最大の抗腫瘍効果を有する腫瘍溶解性ウイルスの設計及び試験を試みることとする。強力な腫瘍溶解効果を有する腫瘍溶解性ウイルスは、腫瘍抗原を多量に放出し、それにより、強力な免疫治療効果をもたらすと考えられる。
19及び20世紀において500,000,000人の生命を奪ったと推定される天然痘を根絶した天然痘ワクチンである、ワクシニアウイルス(ポックスウイルスファミリーのプロトタイプメンバー)を使用した。したがって、最も有効な生物学的治療的因子と考えられる。ワクシニアウイルスの安全性は、世界的に知られている。ワクシニアウイルスはまた、実験室においてウイルス性の腫瘍溶解が示されている最初の腫瘍溶解性ウイルスでもある。腫瘍溶解性ウイルスとしてのワクシニアウイルスは、多くの臨床試験において試験され、末期がん患者においても十分許容されることが示されている(2)。幾つかの研究では、腫瘍溶解活性に関して、ワクシニアウイルスがアデノウイルスより優れており(6)、腫瘍溶解性ウイルス種として十分に研究された腫瘍溶解性ウイルスの1つが、中国においてがん治療用に承認されている(7)。ワクシニアウイルスの他に、ポックスウイルスファミリー以外の、アライグマポックスウイルス(8)、オルフウイルス(9)及び粘液腫ウイルス(10)等のメンバーについても腫瘍溶解性ウイルスとして試験が行われた。
キメラポックスウイルスは、種々のウイルス種由来の好ましい特徴を組み合わせる能力を有し、個々の野生型ウイルスよりも優れている。オルソポックスウイルス及びパラポックスウイルスは明らかな抗原を有するため、本試験において作製した有力なキメラオルソポックスウイルス及び有力なキメラパラポックスウイルスは、同じ治療法において組み合わせることで最大の治療効果を奏する能力を有する。出願人は、キメラオルソポックスウイルス及びキメラパラポックスウイルスのプールを作製した。幾つかのキメラオルソポックスウイルス及びパラポックスウイルスの単離株は、これらの親の個々の野生型ウイルスと比較し、NCI60がん細胞株のパネルよりも優れた殺傷能力を示した。
キメラウイルスのプールの作製及び個々のキメラウイルスの単離。CV-1細胞をウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR、IHD、Elstree、CL、Lederle-Chorioallantoic及びAS株により、各ウイルス0.01の多重感染度(MOI)で共感染させることにより、キメラオルソポックスウイルスのプールを作製した。キメラパラポックスウイルスのプールを作製するため、MDBK細胞を、0.1のMOIで、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルス株TJSにより共感染させた。出願人のパイロット試験では、CV-1の細胞が本試験において使用した全てのオルソポックスウイルスに感受性であり、またオルフウイルス及び偽ウシポックスウイルスのいずれもMDBK細胞に感染し、プラークを形成することが示されている。
キメラオルソポックスウイルスのプールにより感染させたCV-1細胞、及びキメラパラポックスウイルスのプールにより感染させたMDBK細胞から、それぞれ、100のキメラオルソポックスウイルスのプラーク及び100のキメラパラポックスウイルスのプラークを採取した。これらの200のプラークをそれぞれの細胞において更に2回以上プラーク精製し、200のクローンとして精製された個々のキメラウイルスとして単離した。ウイルス#114-113は、キメラオルソポックスウイルスの単離株であるのに対し、ウイルス#214-113は、キメラパラポックスウイルスの単離株である。
NCI-60細胞株におけるハイスループットスクリーニングによる、新規かつ強力なキメラポックスウイルス単離株の同定。200のキメラオルソポックスウイルス及びキメラパラポックスウイルス単離株の腫瘍細胞殺傷活性を、NCI-60細胞株(表1)のパネルにおいて、11の親のウイルス株及び2つのコントロール腫瘍溶解性ウイルス(GLV-1h68及びOncoVEX GFP)と共に評価し、比較した。GLV-1h68は、十分に研究がなされた腫瘍溶解性ワクシニアウイルスの1つであり、現在臨床開発中である。OncoVEX GFPは、腫瘍溶解性単純ヘルペスウイルス-1であるT-VECと同じ基本構成を有し、FDAの承認をはじめて得た腫瘍溶解性ウイルスである。各細胞株を、0.01のMOIで各ウイルスにより感染させた。MTSアッセイを用い、感染後96時間の細胞生存率を測定した。このハイスループットスクリーニング実験において、ウイルスの使用量を意図的に低く維持し(MOI 0.01)、接着型の細胞株(NCI-60パネルの大多数の細胞株は接着型の細胞である)における細胞殺傷能力の比較のために最適化し、有力かつ新規なウイルスの単離を試みた。しかしながら、このウイルス量は、懸濁型の細胞株においては、顕著かつ一定の細胞殺傷能力を観察するには低過ぎた。したがって、6種の白血病細胞株から得た結果は、ウイルスを比較する目的の分析には含めなかった。
100の新規なキメラオルソポックスウイルス単離株のうち、単離株#17(配列番号3)及び#33(配列番号1)は、9つの親のオルソポックスウイルス株及び2つのコントロールウイルスより顕著に良好なNCI-60固体腫瘍細胞株の細胞殺傷能力を示した(図1)。100の新規なパラポックスウイルス単離株から単離した株#189(配列番号2)は目立った特徴を示し、2つの親パラポックスウイルス株及びコントロールウイルスより顕著に優れた細胞殺傷能力を示した(図2)。全3つの新規なキメラウイルス単離株(#17、#33及び#189)は、0.01の低いMOIであっても、大部分のNCI-60固形がん細胞株において顕著に細胞死を生じさせた。一般に、オルソポックスウイルス及びキメラオルソポックスウイルスの単離株は、0.01の低いMOIでがん細胞の殺傷能力が、パラポックスウイルス株及びキメラパラポックスウイルスの単離株よりも強力であった。
#33及び#189のゲノムシークエンシング。
新規なポックスウイルス単離株#33及び#189のゲノムDNAを精製されたウイルス粒子から単離し、Illumina Hiseq 2500を使用して1000倍以上のカバレージで次世代シークエンシングを行った。ギャップをPCRで増幅し、サンガーシークエンシング法によりシークエンシングした。#33ゲノムの189,415塩基対(bps)を完全にシークエンシングし、138,203bpsの189のゲノムを得た。GenBankに対するIntitial BLAST解析の結果、#33及び#189のゲノム配列がGenBankのいかなるゲノム配列とも同一でないことが示された。#33は、他のいかなるオルソポックスウイルスよりもワクシニアウイルス株と近縁の関係であった。#189は、オルフウイルスNZ2株(親のパラポックスウイルスの1つ)と非常に近縁の関係であった。オルフウイルスNZ2株において、同定された全てのORFの核酸配列は、#189のそれと同一である。オルフウイルスNZ2と比較し、#189のゲノムでは6755位に1つの「G」が挿入されている。逆向きの末端反復領域において、#189ゲノムでは1コピーの繰り返しエレメントが欠失し、また1コピーの他の繰り返しエレメントが挿入されている。全体として、#33及び#189は新規でユニークなポックスウイルス単離株を表す。
方法及び材料:
細胞株:全てのがん細胞株は、RPMI-1640(Mediatech、Manassas、VA)において増殖させた。アフリカミドリザル腎臓線維芽細胞(CV-1)及びウシ腎臓上皮細胞(MDBK)を、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、Rockville、MD、米国)から得、DMEM(Mediatech、Manassas、VA)において増殖させた。全ての培地には、10%のFBS(Mediatech、Manassas、VA)及び1%のペニシリン-ストレプトマイシン溶液(Mediatech、Manassas、VA)を補充した。細胞を5%のCO2下、37℃で培養した。
ウイルス:
ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR、IHD、Elstree、CL、Lederle-Chorioallantoic及びAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株は、ATCCから購入した。全てのオルソポックスウイルス株はCV-1細胞において増殖させ、力価測定し、またパラポックスウイルス株はMDBK細胞において増殖させ、力価測定した。
キメラオルソポックスウイルス及びキメラパラポックスウイルスのプールの作成、並びに個々のクローン性キメラウイルス単離株の単離:
CV-1細胞を、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR、IHD、Elstree、CL、Lederle-Chorioallantoic及びAS株により、各ウイルス0.01の多重感染度(MOI)で共感染させることにより、キメラオルソポックスウイルスのプールを作製した。キメラパラポックスウイルスのプールを作製するため、MDBK細胞を、0.1のMOIで、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株により共感染させた。感染細胞を感染後3日目に回収した。最初のキメラオルソポックスウイルスのプールを更に0.1のMOIでCV-1細胞において3回通過させ、また最初のキメラパラポックスウイルスのプールを更に0.1のMOIでMDBK細胞において3回通過させた。最後のキメラオルソポックスウイルスプールにより感染させたCV-1細胞、及び最後のキメラパラポックスウイルスプールにより感染させたMDBK細胞から、それぞれ、100のキメラオルソポックスウイルスのプラーク、及び100のキメラパラポックスウイルスのプラークを採取した。これらの200のプラークをそれぞれの細胞において更に2回以上プラーク精製して、200の単クローンとして精製されたキメラウイルス単離株を得た。
ハイスループットスクリーニング:
NCI-60がん細胞株、並びにPANC-1、MIA-PaCa2、BxPC3、FG、Capan-2及びSu.86.86を含む膵がん細胞株のパネルを、epMotion 5075リキッドハンドラー(エッペンドルフ)を用い、96ウェルプレートに分注し(固体腫瘍細胞株の場合3000細胞/ウェル、白血病細胞株の場合5000細胞/ウェル)、無菌条件下、5%(v/v)のCO2の下、37℃で一晩インキュベートした。次に細胞を、11個の親ウイルス株、及び2つコントロール腫瘍溶解性ウイルスGLV-1h68及びOncoVEX GFPと共に、200のキメラオルソポックスウイルス及びキメラパラポックスウイルス単離株により、0.01のMOIで感染させた。MTSアッセイ(Promega)を用い、感染後96時間における細胞生存率を測定した。自動BMG PHERAstarプレートリーダー(BMG Labtech)を用いて490nmの吸収度を測定した。各実験は2回実施した。偽感染細胞の細胞生存率を100%と設定した。
胃がん細胞株に対するウイルスの細胞毒性:
MKN-45、OCUM-2M及びKATO-3細胞を、1ウェルあたり3,000細胞の濃度で96ウェルプレートに播種し、5%(v/v)のCO2下、37℃で一晩インキュベートした。0.01、0.1及び1のMOIで、#33、#189、GLV-1h68及びOncoVEX GFPにより細胞を感染させた。5%(v/v)のCO2下、37℃でMTSアッセイを用い、4日間毎日、細胞生存率をモニターした。
ゲノムシークエンシング:
Wizard Genomic DNA Purificationキット(Promega)を用い、#33及び#189のゲノムDNAを精製されたウイルス粒子から抽出し、超音波処理により断片化した。KAPA LTP Library Preparation Kitを用いてライブラリーを調製した。Illumina Hiseq 2500を用いてシークエンシングした。
[実施例2] 膵がん細胞株のハイスループットスクリーニング
NCI-60がん細胞株は、8つの異なる器官由来の固形がんのみ含有する(表1を参照されたい)。NCI-60がん細胞株による結果が、異なる由来器官の固形がんにおいても再現されるか否かを調べた。NCI-60がん細胞株のハイスループットスクリーニングにおいて、同じウイルスを0.1のMOIで用い、6つの膵がん細胞株(BxPC3、FG、MIA PaCa-2、Capan-2、PANC-1及びSU.86.86)を感染させた。MTSアッセイを用い、感染後96時間における細胞生存率を再度測定した。キメラオルソポックスウイルスの単離株#17及び#33は、全てのキメラオルソポックスウイルス単離株の中で最も良好な細胞殺傷能力を示し、一方、キメラパラポックスウイルス単離株#189は、全てのキメラパラポックスウイルス単離株の中で最も良好な細胞殺傷能力を示した。表2及び図3及び図4に示すように、これらはいずれも、これらの各親ウイルス株並びにコントロールウイルスGLV-1h68及びOncoVEX GFPよりも膵がん細胞株の殺傷能力が優れていた。このように、NCI-60がん細胞株の結果は、膵がん細胞株のパネルにおいて非常に再現性が高かった。
[実施例3] 新規なキメラオルソポックスウイルス単離株#33及びキメラパラポックスウイルス単離株#189は、胃がん細胞株において強力な細胞殺傷能力を示す
NCI-60がん細胞株及び膵がん細胞株のパネルを用いたハイスループットスクリーニング結果に基づき、新規なキメラオルソポックスウイルス単離株#33及びキメラパラポックスウイルス単離株#189を選択し、更なる特徴解析に供した。単離株#33及び#189の腫瘍細胞殺傷活性を、3種の胃がん細胞株において更に解析した。MKN-45、OCUM-2M及びKATO-3細胞を、0.01、0.1及び1のMOIで、#33、#189、GLV-1h68及びOncoVEX GFPにより感染させた。MTSアッセイを用い、4日間毎日、細胞生存率を毎日モニターした。MKN-45及びOCUM-2Mの細胞株は#33に対し最も感受性が高く、OncoVEX GFPに対しては中程度の感受性で、GLV-1h68に対する感受性が最も低かった。KATO-3は、0.01の低いMOIにおいてOncoVEX GFPに対し最も感受性が高い一方、#33、#189及びOncoVEX GFPは、より高いMOI(0.1及び1)において同様にKATO-3細胞への殺傷能力を示した。KATO-3細胞は、GLV-1h68に対する感受性が最も低かった。全体的に、#33は最も効果的に胃がん細胞株を殺傷し、一方GLV-1h68は胃がん細胞株の殺傷効果が最も低かった(図5A~5C)。
表3に報告されるように、全てのシークエンシングされたChPVに存在する90の遺伝子を、これらの公知の機能と共に列記する。遺伝子の名称は、対応するVACV-COPを基に付与する。星印*は、該遺伝子が2つのEnPVに存在することを示す。表3は、Gubserらを基に作成し(Gubser,C.,Hue,S.,Kellam,P.,及びSmith,G.L.(2004).Poxvirus genomes:a phylogenetic analysis.J Gen Virol 85,105-117)、参照によりその全内容を全目的において本明細書に組み込む。
本明細書に記載する実施例及び実施形態は、単に例示のみを目的とするものであり、各種の修飾又は変更は、当業者であれば示唆されるところであり、また本出願の技術思想及び添付の特許請求の範囲に含まれるものであることを理解すべきである。本明細書において引用される全ての刊行物、特許及び特許出願は、参照によりその全内容を全目的において本明細書に組み込む。
[実施例4] トリプルネガティブ乳がんの腫瘍溶解免疫療法としての、新規なキメラパラポックスウイルスHOV-189
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、高い再発率及び予後不良を特徴とする乳がんの悪性サブタイプである。本出願にて出願人は、TNBCを効率的に殺傷する遺伝子操作された新規なパラポックスウイルスを説明する。
方法:
相同組換えにより新規なキメラパラポックスウイルス(HOV-189)を作製し、ハイスループットスクリーニングにより同定した。4種のTNBC細胞株において細胞毒性をインビトロで解析した。標準的なプラークアッセイによりウイルスの複製を試験した。胸腺切除ヌードマウスの第2及び第4乳房脂肪パッドに、MDA-MB-468インプラントによりオルソトロピックなTNBC異種移植片を形成させ、ウイルスで処理した。
結果:
HOV-189は、低い多重感染度(MOI)で用量依存的に細胞毒性を示し、処理の6日後に>90%の細胞死を示した。腫瘍サイズの著しい削減は、コントロール(P<0.01)と比較して、103PFUの低用量で、腫瘍内注入の2週後に観察された。更に、遠達効果(非注入遠隔腫瘍の収縮)が明らかに示された。
結論:
HOV-189は、103PFUの低用量で、効率的なインビトロ細胞毒性及び強力なインビボ抗腫瘍効果を示した。これらは、TNBCに対するこの非常に強力な薬剤の臨床開発を奨励するデータである。
はじめに:
世界的に、毎年新規に診断される100万件の乳がん症例の約12~20%がトリプルネガティブであり11、これらはエストロゲン受容体(ER)、プロゲステロン受容体(PR)及びヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の発現を欠くことを意味する。トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、その本質的に悪性の挙動及び有効な標的治療の欠如の両方により、臨床結果が低いことを示す。TNBCに罹患する患者は、非TNBC患者と比較し、診断の後5年以内に、再発及び転移性疾患の発症のリスクが高い12。
現在では、TNBCのアジュバント療法のメインステイは細胞毒性化学療法であるが、ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ1(PARP1)阻害剤、PI3K阻害剤、MEK阻害剤及びプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)阻害剤等の研究を含む、標的治療に対する研究開発が積極的に行われている11、13。
免疫療法は長きにわたり、乳がんを含む多くのがん種において研究が行われていた。TNBCは、高い遺伝的不安定性、高い新生抗原の発生率を示し、また微細環境における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の存在頻度が高く、それによりTNBCは非トリプルネガティブの疾患よりも免疫原性が高い14。これらの要因により、TNBCは、免疫療法の良好な候補となる。出願人は、以前に、TNBCモデルにおいて、抗腫瘍効果を有する腫瘍溶解性ワクシニアウイルスについて研究を行った15。本出願において出願人は、インビトロ及びインビボのいずれの場合も、TNBCモデルにおいて効果的である新規なキメラパラポックスウイルスに関するデータを示す。
方法:
細胞培養及び細胞株。10%のウシ胎児血清(FBS)及び100IU/mlのストレプトマイシン及びペニシリンを補充したRPMI1640(コーニング、コーニングNY)中で、ヒトトリプルネガティブ乳がん細胞株であるMDA-MB-231(Sangkil Nam博士(City of Hope)により提供)、MDA-MB-468(John Yim博士(City of Hope)により提供)、BT549(Yim博士)及びHs578T(Yim博士)を培養した。全てのTNBC株を、Geneticaの細胞株試験(Burlington、NC)により試験し、真正を認証した。アフリカミドリザル腎臓線維芽細胞(CV-1)及びMDBK細胞を、ATCC(Mannassus、VA)から得、10%のFBS及び100IU/mlのストレプトマイシン及びペニシリンで補充したダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM、コーニング、コーニングNY)で培養した。全ての細胞を、37℃、5%のCO2条件の加湿インキュベーター内で増殖させた。
キメラパラポックスウイルスの開発及び選択
キメラパラポックスウイルスのプールを作製するために、MDBK細胞をオルフウイルスNZ2株(ATCC)及び偽ウシポックスウイルスTJS株(ATCC)により共感染させた。感染させた細胞を、感染後3日目に回収した。キメラパラポックスウイルスプールで感染させたMDBK細胞から、100のキメラパラポックスウイルスのプラークを採取した。これらの100のプラークをMDBK細胞において更に2回以上プラーク精製し、単クローンのキメラウイルス単離株を各々100個得、それを親ウイルスと共にNCI-60細胞株におけるハイスループットスクリーニングに供した。NCI-60細胞株に対して最も強力な殺腫瘍性特性を示した単離株HOV-189を、この試験のために選択した。
細胞毒性アッセイ
MDA-MB-231、BT549及びHs578Tの場合は1000細胞/ウェルで、MDA-MB-468の場合は3000細胞/ウェルで、細胞を96ウェルプレートに播種し、一晩インキュベートした。MDA-MB-231の場合は各ウイルス0.1、1及び10のMOIで、MDA-MB-468、BT549及びHs578Tの場合は0.01、0.1及び1のMOIで、細胞を感染させた。分光光度計(Tecan Spark 10M、Mannedorf、Switzerland)にて、CellTiter 96 Aqueous One溶液(Promega、Madison、WI)を用い、490nmで3回、1~6日にわたり、24時間毎に細胞生存率を測定した。
ウイルス複製アッセイ
TNBCのウイルス複製を、標準的なプラークアッセイを用いて定量化した。2mlの増殖培地中、6ウェルプレートにおいて細胞がコンフルエントに達した後、0.01のMOIの各ウイルスにより感染させた。細胞を、3日間連続して3回回収した。HOV-189で処理したサンプルの系列希釈法により、MDBK細胞を24ウェルプレート中で感染させた。
オーソトピック異種移植モデル
26匹のHsd:Athymic Nude-Foxn1nu雌ヌードマウス(Envigo、Indianapolis、IN)を、生後12週目で第2及び第4乳房脂肪パッドに、6mg/mlのマトリゲル(コーニング)と共に107個のMDA-MB-468細胞を注入した。腫瘍が約100~150のmm3のサイズに到達したとき、マウスを無作為に分け、腫瘍内にPBSのみ(n=4)、50μlのPBS中103PFU(n=6)、104PFU(n=6)若しくは105PFU(n=7)を注入した。腫瘍サイズは、処理前には群間で顕著な相違がなかった。次に、腫瘍サイズを6週間にわたり3日毎に測定した。腫瘍体積をV(mm3)=(4/3)×(π)×(a/2)2×(b/2)に従って算出した。式中、aは最小直径であり、bは最大直径である。腫瘍内注入から7日後、1群当たり2~4匹のマウスを屠殺し、腫瘍及び器官(肺、心臓、肝臓、腎臓、脾臓、卵巣、脳)を液体窒素中で急速凍結させ、更に組織病理染色、免疫組織化学染色及びウイルスプラークアッセイに用いた。残りの3匹のマウスについては、第2の乳房腫瘍のみを105PFU/50ul PBSで処理し、第4の非注入乳房腫瘍に対する効果の有無を観察した。処理の2週間後、両腫瘍を回収し、各ウイルスの力価を測定した。
結果:
HOV-189は、時間依存的及び用量依存的にインビトロでTNBCを効果的に殺傷する。
TNBCの不均一な性質を考慮し、2種の転移性がん由来の細胞株(MDA-MB-231及びMDA-MB-468)及び非転移性がん由来の2種の細胞株(Hs578T及びBT549)を用い、6日にわたり、0.01~10のMOIで、HOV-189により処理した。HOV-189は、MOI=1で処理したとき、Hs578T(96時間目のLD50:MOI 0.396)、及びMDA-MB-468(LD50:MOI 0.185)を最も効率的に殺傷し、その際、6日目に>80%の細胞死をもたらした(図6A及び6C)。LD50はBT549及びMDA-MB-231では高かったが(それぞれLD50:MOI 1.636及びMOI 1.712)、MDA-MB-231データは、HOV-189の濃度増加により、6日後において、MOI 10で>90%の細胞死をもたらしたことを示す(図6D)。
HOV-189は、インビトロでTNBCにおいて複製する。
3日にわたり回収した感染細胞を用いた標準的なプラークアッセイにより、ウイルス複製を全4種のTNBC細胞株において評価した。MOI 0.01で効率的なウイルス複製がBT549、Hs578T及びMDA-MB-231で生じ、最大の複製は24~48時間目の間で生じた(図7)。しかしながら、低MOIでも有効な細胞毒性は示したものの、MOI 0.01ではMDA-MB-468におけるHOV-189の複製は低かった。MDA-MB-468株では、MOI 10に濃度を増加させることにより、ウイルス複製が改善された(図7)。
腫瘍内へのHOV-189注入は、顕著なウイルス毒性を伴わずに、オーソトピックTNBC異種移植の腫瘍サイズを効果的に減少させる。
MDA-MB-468細胞を胸腺切除ヌードマウスの第2及び第4の乳房脂肪パッドに挿入することにより、オーソトピック異種移植を作製した。両方の腫瘍に対し、PBS又はHOV-189(103PFU、104PFU又は105PFU)を、単回腫瘍内注入した。PBS処理を受けたコントロールと比較し、HOV-189で処理した全ての群において、処理後13日目に相対腫瘍サイズが顕著に減少し、この治療効果は注入後6週間にわたり持続した(図8)。コントロールと比較し、処理群では顕著な体重減量がないことが示されたため、腫瘍内注入はマウスにおいて顕著なウイルス毒性を生じさせず、許容されるものであった(図9)。
処理後1週及び6週目におけるHOV-189生体内分布は、インビボでの固有の腫瘍特異性を示す。
HOV-189注入後1週及び6週目に、各群の2~4匹のマウスを屠殺し、ウイルス体内分布の解析に供した。感染した腫瘍組織のウイルス力価を測定した結果、両時点において他の器官と比較し2桁高いHOV-189力価を示しており、正常細胞と比較しがん細胞に対するHOV-189の自然な向性を反映している(表4)。注入腫瘍組織から離れた部位としては、HOV-189は注入後1週目に心肺組織において、また注入後6週目に肺組織において検出されただけであり、これは、観察された有意な全身毒性の欠如と相関するものである。
免疫蛍光イメージングにより確認される、オーソトピック異種移植モデルにおけるHOV-189の感染及び複製。
HOV-189注入後1週目に、オルフウイルスに対するポリクローナル抗体の免疫蛍光検出を行った結果、コントロールと比較し、腫瘍1つ当たり105PFUでHOV-189により処理した腫瘍組織において、ウイルス感染が示された(図10A及び10B)。更に、DAPI対比染色とマージした抗体検出のパターンは、オルフウイルス抗体が核(図10C)の外側領域に局在化していることから、ウイルス工場での活発な複製と整合するものである。
腫瘍内HOV-189注入は、離れた非注入腫瘍に対する腫瘍鎮静効果を発揮する。
3匹の動物を第2乳房腫瘍にのみ105PFUでHOV-189処理する一方で、第4乳房腫瘍は未処理のままとした。腫瘍サイズを、PBS処理コントロールとの比較において3日毎に測定し、ウイルス力価を2週目の終わりに標準的なプラークアッセイにより定量化した。注入腫瘍群では、相対腫瘍サイズが最初に増加したものの(注入による外傷によると考えられる)、腫瘍サイズは6日目以降には減少し、13日目にはコントロールと比較し有意な減少を示した(p<0.05)。非注入腫瘍群の相対腫瘍サイズは、HOV-189で直接処理されていないにもかかわらず安定なままであった(図11)。2週目の終わりのウイルス力価測定の結果、注入腫瘍の平均力価が3.37×103PFU/g組織である一方、非注入腫瘍では平均1.15×103PFU/g組織であることを示した。
考察
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、全ての乳がん診断ケースの15~20%を占める。それは悪性の生物学的性質を示し、しばしば若い女性が罹患し、高い再発率及び全体的な生存率の低下をもたらす傾向がある16、17。ホルモン受容体陽性疾患とは反対に、TNBCには、有効な標的治療の開発及び投与のための公知の生物学的マーカーがない。したがって、ネオアジュバント及びアジュバント療法のメインステイは細胞毒性化学療法のままであり、それは多くの全身性効果をもたらしうる11、13。
2015年10月において、米国食品医薬品局(FDA)は、ヒト用の最初腫瘍溶解性ウイルス(OV)として、T-VEC(talimogene laherparepvec)と呼ばれる単純ヘルペスウイルス(HSV-1)を承認した18。この承認はウイルス学及び免疫薬物療法学の分野におけるランドマーク的な出来事であり、TNBCを含む他のがんの治療用のOVの更なる開発をより強力に刺激した。OVは、菌体内シグナル伝達経路の変化、及び優先的にがん細胞に感染するための細胞表面受容体の過剰発現のような、がん細胞の病理学的混乱を利用することにより、正常細胞よりもがん細胞への固有の指向性を示す19-21。更に、OVにより媒介される感染細胞の破壊により、がん細胞に対する固有の、及び適応免疫系をプライミングするサイトカイン、腫瘍関連抗原(TAA)、損傷関連分子パターン分子(DAMP)及び病原体関連分子パターン(PAMP)分子を放出する20、22-26。TNBCは、遺伝的不安定性の増大、新生抗原の数の増加、微細環境での腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数の増加を示す14。これにより、非トリプルネガティブ疾患よりも免疫原性の高いTNBCとなり、またOVベースの治療が魅力的な候補であることがアピールされることとなる。
この研究は、新規なキメラパラポックスウイルス(HOV-189)が4種の異なるTNBC細胞株(転移性及び非転移性癌の両方に由来)においてインビトロ細胞毒性を示すことを立証するものである。胸腺切除ヌードマウスのTNBC異種移植に対するHOV-189の単回腫瘍内注入により、顕著な毒性の徴候なく、腫瘍サイズを顕著に減少させた。更に、離れた非注入腫瘍部位においてもウイルスが検出され、また腫瘍サイズを安定化させていた。このように、HOV-189は全身を移動して離れた疾患部位をターゲティングする能力を示すため、それはネオアジュバント治療、更には転移への対処における応用が考えられる。
なお、インビボにおける腫瘍サイズの減少が、腫瘍1つ当たり103PFUの低いHOV-189の用量で観察されている。HOV-189はインビトロでは複製が少ないため、これは、かかる抗腫瘍効果がウイルス複製による直接的な腫瘍崩壊の結果ではないことを示唆する。HOV-189の遺伝子のシークエンシングの結果、その親ウイルスの1つである、パラポックスウイルスオルフウイルス(ORFV)との近縁の関係が明らかとなっている。ORFVに関する従来の研究は、特にナチュラルキラー(NK)細胞の活性化に関連して、ORFV治療が強い免疫調節性効果を誘導することを示している27、28。紫外線(UV)不活化ORFVによる処理を行っても、やや弱いが同等の応答を誘導することから、ウイルス自体が、その実際の複製とは無関係に、免疫応答を誘導できる抗原性の構造成分をおそらく有しているであろうことが、明らかとなった。HOV-189の遺伝子配列がORFV NZ2ウイルスと非常に近縁の関係であることを考慮すると、HOV-189の抗腫瘍作用機構は免疫細胞の媒介(おそらくNK細胞の媒介)であり、このことが、低用量の効果及びインビトロでの複製の少なさを説明すると、出願人は仮定している。
他のOVと比較して、ORFVは、臨床薬物療法剤の開発において十分には研究されていない。その疾患履歴に関して公知であることの多くは、獣医学の分野から拾い集めたものである。しかしながら、ORFVには、ヒトのがん治療用のOVとして開発するための幾つかの有利な特性が存在する。第1に、ORVF感染はヒトにおいて重篤な疾患を生じさせない29。第2に、ORFV感染は強力な免疫系刺激(Th1優性)を誘導し、不活化ウイルス粒子であっても免疫応答を誘導する能力を保持している30,31。第3に、中和抗体はまれであり、ORFに対する抗体が産生されるにもかかわらず再感染が発生しうる。これは、反復投与を同じ患者に行うことが可能であり28、また臨床開発において、連続的な応答を得るために血清型の切換え又は抗原的に特有な第2のウイルスの投与を必要とする他のOVと比較し、ロジスティックな改善であることを意味する。最後に、OVの製造は困難であり、コスト及び時間集約型であり、また注入1回当たり典型的には106~109PFUの範囲の力価を必要とするため、低ウイルス力価のORFVを用いた臨床応答は、OV開発におけるもう一つの実際的な進歩である。
要約すると、HOV-189は、インビトロ及びインビボで、TNBCに対して効果的な、新規な野生型キメラパラポックスウイルスである。TNBCの治療においては標的特異的治療が存在しないため、HOV-189は、この分野の免疫薬物療法のための有望な選択肢と考えられる。将来の方向性に関して、出願人は、他の異種移植モデルにおける更なる前臨床試験コース、並びに腫瘍選択性及び全体的効力を強化するための、野生型ウイルスへの遺伝子修飾を計画している。
[実施例5] 組換えキメラポックスウイルスの構築
#33キメラポックスウイルスのゲノムへの外来遺伝子発現カセット挿入のためのシャトルベクターの構築
チミジンキナーゼ(TK)シャトルベクターを構築するため、Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用い、#33ゲノムDNAから、#33キメラポックスウイルスのTK遺伝子の左右の隣接配列をPCR増幅した:
。2つの断片を、オーバーラップエクステンションによる遺伝子スプライシング法を用いて連結した
32。得られた断片をNdeI及びEcoRIで切断し、同じく切断したプラスミドpGPTにクローニングし、p33NC-TKを構築した。シャトルベクター中のTKの隣接配列をシークエンシングにより確認した。p33NC-TKは、SacI、SalI、BamHI、NheI及びNotIにより分離されたTKの左右の隣接配列と、トランジェントかつドミナントな選択可能マーカーとして、ワクシニアウイルス(VACV)初期プロモーターp7.5Eにより発現誘導されるエッシェリチア・コリ(Escherichia coli)グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(gpt)遺伝子とを含む。
F14.5Lシャトルベクターを同様に構築した。Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、#33ゲノムDNAから、#33キメラポックスウイルスのF14.5L遺伝子の左右の隣接配列をPCR増幅した:
。2つの断片を、オーバーラップエクステンションによる遺伝子スプライシング法を用いて連結した。得られた断片をNdeI及びEcoRIで切断し、同じく切断したプラスミドpGPTにクローニングし、p33NC-F14.5Lを構築した。シャトルベクター中のF14.5Lの隣接配列をシークエンシングにより確認した。p33NC-F14.5Lは、HindIII、SacI、XhoI、BamHI、NheI及びNotIにより分離されたF14.5Lの左右の隣接配列と、トランジェントなドミナント選択可能マーカーとして、VACV初期プロモーターp7.5Eにより発現誘導されるエッシェリチア・コリgpt遺伝子とを含む。
#33キメラポックスウイルスの必須遺伝子と、マイクロRNA標的配列との融合のためのシャトルベクターの構築
#33キメラポックスウイルスのウラシルDNAグリコシラーゼ(ワクシニアウイルスの遺伝子D4Rによりコードされる)の3’末端にmiR-100の標的配列を融合させるため、Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、#33ゲノムDNAから、#33キメラポックスウイルスのD4R遺伝子の左右の隣接配列をPCR増幅した:
。2つの断片を、オーバーラップエクステンションによる遺伝子スプライシング法を用いて連結した。得られた断片をNdeI及びEcoRIで切断し、同じく切断したプラスミドpGPTにクローニングして、p33NCD4R-miR100t及びp33NCD4R-miR100t-2を得た。シャトルベクター中のD4Rの隣接配列をシークエンシングにより確認した。p33NCD4R-miR100tは、予想通りにD4Rの3’末端に融合したmiR-100標的配列の4つのコピーを含む一方で、p33NCD4R-miR100t-2は、miR-100標的配列が2つのコピーが欠失した自発的な変異体である。両ベクターは、トランジェントかつドミナントな選択可能マーカーとして、VACV初期プロモーターp7.5Eにより発現誘導されるエッシェリチア・コリgptを含む。
#33キメラポックスウイルスのウラシルDNAグリコシラーゼ(ワクシニアウイルスの遺伝子D4Rによりコードされる)の3’末端にLet7cの標的配列を融合させるため、Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、#33ゲノムDNAから、#33キメラポックスウイルスのD4R遺伝子の左右の隣接配列をPCR増幅した:
。2つの断片を、オーバーラップエクステンションによる遺伝子スプライシング法を用いて連結した。得られた断片をNdeI及びEcoRIで切断し、同じく切断したプラスミドpGPTにクローニングし、p33NCD4R-Let7cを構築した。シャトルベクター中のD4Rの隣接配列をシークエンシングにより確認した。p33NCD4R-Let7cは、予想通りにD4Rの3’末端に融合したLet-7c標的配列の4つのコピーを含む。該ベクターは、トランジェントかつドミナントな選択可能マーカーとして、VACV初期プロモーターp7.5Eにより発現誘導されるエッシェリチア・コリgptを含む。
#33キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ(ワクシニアウイルスの遺伝子E9Lによりコードされる)の3’末端にmiR-100の標的配列を融合させるため、Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、#33ゲノムDNAから、#33キメラポックスウイルスのE9L遺伝子の左右の隣接配列をPCR増幅した:
。2つの断片を、オーバーラップエクステンションによる遺伝子スプライシング法を用いて連結した。得られた断片をNarI及びMfeIで切断し、NarI及びEcoRIで切断されたプラスミドpGPTにクローニングし、p33NCE9L-miR100tを構築した。シャトルベクター中のELLの隣接配列をシークエンシングにより確認した。p33NCE9L-miR100tは、予想通りにE9Lの3’末端に融合したmiR100標的配列の4つのコピーを含む。該ベクターはまた、トランジェントかつドミナントな選択可能マーカーとして、VACV初期プロモーターp7.5Eにより発現誘導されるエッシェリチア・コリgptを含む。
#33キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ(ワクシニアウイルスの遺伝子E9Lによりコードされる)の3’末端にLet7cの標的配列を融合させるため、Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、#33ゲノムDNAから、#33キメラポックスウイルスのE9L遺伝子の左右の隣接配列をPCR増幅した:
。2つの断片を、オーバーラップエクステンションによる遺伝子スプライシング法を用いて連結した。得られた断片をNarI及びMfeIで切断し、NarI及びEcoRIで切断されたプラスミドpGPTにクローニングし、p33NCE9L-Let7ctを構築した。シャトルベクター中のE9Lの隣接配列をシークエンシングにより確認した。p33NCE9L-Let7cは、予想通りにE9Lの3’末端に融合したLet-7c標的配列の4つのコピーを含む。該ベクターはまた、トランジェントかつドミナントな選択可能マーカーとして、VACV初期プロモーターp7.5Eにより発現誘導されるエッシェリチア・コリgptを含む。
外来遺伝子発現カセットの、TK及びF14.5Lシャトルベクターへの挿入
ヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体(hNIS)発現カセット。合成VACV初期プロモーター(SE)を有するhNIS発現カセットを、Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いてPCR増幅した:
。PCR断片をSacI及びBamHIで切断し、同じく切断したプラスミドp33NC-TKにクローニングし、p33NCTK-SE-hNISを構築した。hNIS発現カセットの配列を、シークエンシングにより確認した。
エメラルド(GFPの変異体)発現カセット。Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、プラスミドEmerald-pBAD(Addgene、Cambridge、MA)から、VACV H5初期/後期プロモーターを有するEmerald発現カセットをPCR増幅した:
。PCR断片をSacI及びBamHIで切断し、同じく切断しプラスミドp33NC-TKにクローニングし、p33NCTK-H5-Emeraldを構築した。Emerald発現カセットの配列を、シークエンシングにより確認した。
ホタルルシフェラーゼ発現カセット。Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、プラスミドpCDNA3.1(+)/Luc2=tdT(Addgene、Cambridge、MA)から、VACV 11Kの後期プロモーターを有するホタルルシフェラーゼ発現カセットをPCR増幅した:
。PCR断片をSacI及びBamHIで切断し、同じく切断したプラスミドp33NC-TKにクローニングし、p33NCTK-11K-Fluc2を構築した。ホタルルシフェラーゼ発現カセットの配列を、シークエンシングにより確認した。VACV SE及びH5プロモーターを有するホタルルシフェラーゼ発現カセットを含むプラスミドを構築するため、Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、プラスミドpCDNA3.1(+)/Luc2=tdT(Addgene、Cambridge、MA)から、ホタルルシフェラーゼcDNAをPCR増幅した:
。PCR断片を、SalI及びBamHIにより切断し、同じく切断したプラスミドp33NCTK-SE-hNISと、p33NCTK-H5-Emeraldとにクローニングし、hNIS及びEmeraldを置換し、それぞれp33NCTK-SE-Fluc2及びp33NCTK-H5-Fluc2を構築した。両ベクター中のホタルルシフェラーゼcDNAの配列を、シークエンシングにより確認した。
mCherry発現カセット。Q5 High-Fidelity 2× Master Mix(New England Biolabs Inc、Ipswich、MA)及び以下のプライマーを用いて、プラスミドpLV-mCherry(Addgene、Cambridge、MA)から、mCherryのcDNAをPCR増幅した:
。PCR断片を、SalI及びBamHIにより切断し、同じく切断したプラスミドp33NCTK-H5-Emeraldと、p33NCTK-11K-Fluc2とにクローニングし、Emerald及びホタルルシフェラーゼを置換し、それぞれp33NCTK-H5-mCherry及びp33NCTK-11K-mCherryを構築した。両ベクター中のmCherryのcDNAの配列を、シークエンシングにより確認した。
抗PD-L1単鎖抗体発現カセット。VACV H5プロモーター、Igκ軽鎖リーダー配列、(G4S)3リンカー配列により分離されたアテゾリズマブのVH及びVL鎖配列、及びC末端FLAGタグ配列を含む抗PD-L1単鎖抗体発現カセットの合成は、Integrated DNA Technologies(Coralville、Iowa)により行われた。断片をHindIII及びBamHIで切断し、同じく切断したプラスミドp33NC-F14.5Lにクローニングし、p33NCF14.5L-H5-抗PD-L1を構築した。抗PD-L1単鎖抗体発現カセットの配列をシークエンシングにより確認した。
組換えキメラポックスウイルスの作製
CV-1細胞を、0.1の多重感染度(MOI)で1時間親ウイルスに感染させ、次にjetPRIMEインビトロDNA&siRNAトランスフェクション試薬(Polyplus-トランスフェクション、New York、NY)を用いて導入ベクター(表5)と共にトランスフェクションした。感染後の2日目に、感染/トランスフェクション細胞を回収し、組換え型ウイルスを選択し、以前に記載の通りプラーク精製した33。
[実施例6] キメラポックスウイルス組成物及びその使用
出願人は最近、ウイルスキメラの生成のための特有の方法論を用いて新規な腫瘍溶解性キメラポックスウイルスを開発し、NCI-60細胞株及び膵細胞株におけるハイスループットスクリーニングを行った。これらの新規なキメラポックスウイルスは、複数の親ウイルスの最良のターゲティング能力を利用するもので、これらの親ウイルス及び現在ヒト臨床試験中の腫瘍溶解性ウイルスと比較し、70以上のがん細胞株において優れた殺腫瘍性活性を示すものである。ヒトのトリプルネガティブ乳がん、膵がん及び肺がんの異種移植モデルにおいて、新規なキメラポックスウイルスは、目立った副作用なく、1000プラーク形成単位でのウイルスの単回腫瘍内注入により腫瘍を縮小できる。これは、臨床試験中のほとんどの腫瘍溶解性ウイルスより2~5桁低い。加えて、キメラポックスウイルスは注入腫瘍から非注入腫瘍まで効率的に拡散し、より強い遠達効果(非注入遠隔腫瘍の収縮)をもたらした。
インビトロ及びインビボでのウイルス感染及び複製をモニターするため、Emerald(GFPの変異体)、mCherry(赤色蛍光タンパク質)及びホタルルシフェラーゼ発現カセットをキメラポックスウイルスに挿入した。これらの光学的イメージング遺伝子の発現は容易に検出可能であり、それにより、顕著にウイルスの複製及び効力に影響を与えずに、インビボでウイルスの複製及び拡散のモニタリングが大いに補助される。
治療的遺伝子を有する腫瘍溶解性ウイルスを作動状態にすることは、腫瘍溶解性ウイルスの抗腫瘍効果を改善するための広く受け入れられているストラテジーである。全ての試験した治療的遺伝子の中で、ヒトナトリウム及びヨウ素共輸送体(hNIS)は、前臨床試験及び治験において非常に良好な結果を得ている。hNISは、甲状腺胞状細胞の基底面に存在する膜結合糖タンパク質である。それは細胞質へのヨウ素の輸送を促進し、甲状腺ホルモンの合成プロセスに組み込まれる。この分子を用いることにより、分化した甲状腺がんのイメージング及び治療において放射性ヨウ素の蓄積が良好になされ、高い反応性及び治療率(>90%)が得られている。hNIS発現カセットを、キメラポックスウイルスに挿入することで、非甲状腺がんを、放射性ヨウ素又はレニウム-188治療に応答すると考えられる「甲状腺様」がんに変換する。このように、「甲状腺様」がんへの転換後の非甲状腺がんは、放射性ヨウ素を用いることでイメージングが可能となり、少なくとも以下の3つの機構により潜在的に破壊される:腫瘍溶解性ウイルスの固有の腫瘍溶解活性、標的特異的な放射線治療、並びに腫瘍溶解性ウイルス及び放射線治療により媒介される抗腫瘍免疫応答。出願人は、hNIS発現キメラポックスウイルスによる感染後、腫瘍細胞の細胞膜にhNISが適切に発現されることを示している。更に、最初の実験結果は、hNIS発現カセットの挿入が、インビトロ及び動物モデルにおいて、親ウイルスの固有の腫瘍溶解活性に影響を及ぼさないことを示している。加えて、出願人は、hNIS発現キメラポックスウイルスが腫瘍担持マウスにおいて安全であることを示している。
免疫チェックポイント阻害剤は、固形腫瘍の治療を飛躍的に高めた薬物であり、黒色腫、非小細胞肺癌及び腎細胞癌の治療用に承認されている。これらの薬物は、既存の抗腫瘍免疫応答を必要とする。腫瘍溶解性ウイルスによる免疫系のプライミングは、患者の免疫レパートリーを刺激し、抗PD-1/PD-L1及び抗CTLA-4療法をより強力にする。腫瘍溶解性ウイルスを免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせることにより、免疫寛容を誘導する複数の免疫経路を回避できる。加えて、腫瘍溶解性ウイルスは、感染した腫瘍における細胞毒性CD8 T細胞の浸潤を促進し、IFN-γ産生細胞毒性CD8 T細胞の活性化を通じてCTLA-4又はPD-L1の上方制御を誘導し、抗CTLA-4及び抗PD-1/PD-L1療法の最大の治療効果の実現を可能にする。幾つかの前臨床試験データは、腫瘍溶解性ウイルス治療とチェックポイント遮断との組合せをサポートしている。最初にFDA承認された腫瘍溶解性ウイルスT-VECと、抗CTLA-4及び抗PD-1抗体との組合せを評価する臨床試験が現在進行中である。最初の結果は肯定的なものである。キメラポックスウイルス、特にhNIS発現キメラポックスウイルスにより開始される抗腫瘍免疫応答を強化するため、キメラポックスウイルス又はhNIS発現キメラポックスウイルスに、抗PD-L1発現カセットを挿入する。出願人の予想では、hNISの腫瘍溶解性ウイルスへの挿入が、放射性ヨウ素による相乗的な腫瘍細胞の殺傷と、感染した腫瘍細胞の核医学イメージングを可能にする一方で、同じベクター中の抗PD-L1のような免疫賦活性導入遺伝子の発現が、抗腫瘍免疫応答を非常に強化しつつ、標的特異的な自己免疫性の毒性を低下させると考える。
[実施例7] 腫瘍溶解性ウイルス療法による膵がんのターゲティング
細胞毒性アッセイ
5%のFBS及び1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含む100μLのRPMI中の、がん細胞株Panc-1(図12A~12B)、MiaPaCa-2(図12C~12D)、BxPC-3(図12E~12F)、SU.86.86(図12G~12H)、Capan-1(図12I~12J)及びAsPC-1(図12K~12L)を、ウェル1つ当たり3×103がん細胞でプレーティングし、24時間にわたり細胞毒性アッセイを実施した。次にウイルス(#33、OncoVEXGFP、GLV-1h68又は#189のいずれか)20μLを、1、0.1及び0.01の多重感染度(MOI)で添加した。全てのウェルにCellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assayを20μL添加し、1時間のインキュベート後に比色分析し、日々の細胞生存率アッセイを実施した。実験結果は、培地のみ及びMOIゼロのコントロールに関し標準化した。この実験をそれぞれ3回繰り返した。各時点で、一方向ANOVAを用い、#33と他の実験群とを比較し、統計分析を実施した。SU.86.86の場合、統計分析は各MOIにおいて対応のないt検定を用いて実施した。
ウイルスの増殖曲線
10%のFBS及び1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含む2mLのRPMI中の、がん細胞株Panc-1(図13A~13B)、MiaPaCa-2(図13C~13D)、BxPC-3(図13E~13F)、SU.86.86(図13G~13H)、Capan-1(図13I~13J)及びAsPC-1(図13K~13L)を、ウェル1つ当たり5×105細胞でプレーティングし、24時間にわたりウイルス増殖曲線を3回作成した。次に培地を吸引し、2.5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含む500μLのRPMI中、#33、OncoVEXGFP、GLV-1h68又は#189を多重感染度(MOI)0.01で添加し、20分毎に振とうしながら1時間おいた。1時間後に培地を吸引し、2.5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含むRPMIを1.5mL添加した。24、48及び72時間で細胞及び上清を回収し、3回の凍結及び解凍サイクルの後、2連で連続希釈を実施した。この実験を2連で繰り返した。各時点で、一方向ANOVAを用い、#33と他の実験群とを比較し、統計分析を実施した。
インビボでの膵がん腫瘍の治療
18匹の雌の胸腺欠損Nude-Foxn1nuヌードマウス(Envigo、Indianapolis、IN)の両脇腹に、腫瘍MiaPaCa-2を2×106個で移植した。腫瘍サイズが400mm3となったとき、左側の腫瘍にPBS(3匹のマウス)、約1×105PFU/投与で、#33(5匹のマウス)、#33-(SE)hNIS又は#33-(SE)hNIS-E9LmiR100t(5匹のマウス)を50μLで注入した。HOV-33の実際の投与量は7.8×104であった。HOV-33-SE/hNISの実際の投与量は4.5×104であった。HOV-33-SE/hNIS-E9L-miR100tの実際の投与量は1.6×105であった。注入腫瘍及び非注入腫瘍の正味の重量変化率%及び変化率%を、43日間にわたり、週2回記録した(図14A~14C)。全てのマウスを43日目に屠殺し、マウスの器官に対してウイルス力価測定を行った。PBSのコントロールと比較した、#33、#33-(SE)hNIS及び#33-(SE)hNIS-E9LmiR100tで注入腫瘍の有意差を強調した(図14B、それぞれp=0.01、p=0.01及びp=0.0001)。非注入腫瘍群では、有意差は、PBSコントロールと#33-(SE)hNISとの間にみられるだけだった(図14C、p=0.03)。
26匹の雌の胸腺欠損Nude-Foxn1nuヌードマウス(Envigo、Indianapolis、IN)の両脇腹に、腫瘍Panc-1を1.25×106個で移植した。腫瘍サイズが約250mm3となったとき、左側の腫瘍にPBSを50μL(4匹のマウス)、並びに約1×105PFU/投与で、#33(6匹のマウス)、#33-(SE)hNIS(6匹のマウス)、#33-(SE)hNIS-E9LmiR100t(5匹のマウス)又は#33-(H5)Fluc2を注入した。HOV-33の実際の投与量は8.6×102であった。HOV-33-SE/hNISの実際の投与量は6.3×102であった。HOV-33-H5Flucの実際の投与量は1×104であった。HOV-33-SE/hNIS-E9L-miR100tの実際の投与量は1.0×103であった。注入腫瘍及び非注入腫瘍の正味の重量変化率%及び変化率%を、43日間にわたり、週2回記録した(図15A~15C)。全てのマウスを45日目に屠殺した。PBSコントロールと比較した、全ての群における注入腫瘍体積変化率%の有意差を強調した(図15B、p=0.0001)。PBSのコントロールと比較した、#33、#33-(H5)Fluc2及び#33-(SE)hNIS-E9LmiR100tで非注入腫瘍の有意差を強調した(図15C、それぞれp=0.003、p=0.008及びp=0.002)。
週2回、1匹のPBSコントロールマウス及び3匹の#33-(H5)Fluc2注入マウスの腹膜内に、4.28mgのルシフェリン/150μLのPBSを注入した。7分後、標準的な露光でルシフェラーゼイメージングを得た。相対単位を各時点で記録し、バックグラウンドとしてのPBSコントロールマウスとの比較で分析した(図16)。
[実施例8] 腫瘍溶解性ウイルス療法による結腸がんのターゲティング
細胞毒性アッセイ
100μLのMcCoy 5A培地、5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液中、HT-29(図17A~17B)及びHCT-116(図17C~17D)がん細胞株を、ウェル1つ当たり3×103細胞でプレーティングし、24時間にわたり細胞毒性アッセイを実施した。次にウイルス(#33、OncoVEXGFP、GLV-1h68又は#189のいずれか)溶液20μLを、1、0.1及び0.01の多重感染度(MOI)で添加した。全てのウェルにCellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assayを20μL添加し、1時間のインキュベート後に比色分析し、日々の細胞生存率アッセイを実施した。実験結果は、培地のみ及びMOIゼロのコントロールに関し標準化した。この実験をそれぞれ3回繰り返した。各時点で、一方向ANOVAを用い、#33と他の実験群とを比較し、統計分析を実施した。
100μLのRPMI、5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液中、SW620(図18A~18B)、SW480(図18C~18D)及びCOLO 320DM(図18E~F)のがん細胞株を、ウェル1つ当たり3×103細胞でプレーティングし、24時間にわたり細胞毒性アッセイを実施した。次にウイルス(#33、OncoVEXGFP、GLV-1h68又は#189のいずれか)溶液20μLを、1、0.1及び0.01の多重感染度(MOI)で添加した。全てのウェルにCellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assayを20μL添加し、1時間のインキュベート後に比色分析し、日々の細胞生存率アッセイを実施した。実験結果は、培地のみ及びMOIゼロのコントロールに関し標準化した。この実験をそれぞれ3回繰り返した。各時点で、一方向ANOVAを用い、#33と他の実験群とを比較し、統計分析を実施した。
100μLのF-12K培地、5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液中、LoVo(図19A~19B)がん細胞株を、ウェル1つ当たり3×103細胞でプレーティングし、24時間にわたり細胞毒性アッセイを実施した。次にウイルス(#33、OncoVEXGFP、GLV-1h68又は#189のいずれか)溶液20μLを、1、0.1及び0.01の多重感染度(MOI)で添加した。全てのウェルにCellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assayを20μL添加し、1時間のインキュベート後に比色分析し、日々の細胞生存率アッセイを実施した。実験結果は、培地のみ及びMOIゼロのコントロールに関し標準化した。この実験をそれぞれ3回繰り返した。各時点で、一方向ANOVAを用い、#33と他の実験群とを比較し、統計分析を実施した。
ウイルスの増殖曲線
2mLのMcCoy 5A培地(10%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液)中、HT-29(図20A~20B)及びHCT-116(図20C~20D)がん細胞株を、ウェル1つ当たり5×105細胞でプレーティングし、24時間にわたりウイルス増殖曲線を3回作成した。次に培地を吸引し、2.5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含む500μLのMcCoyの5A培地中、#33、#33-(SE)hNIS、#33-(H5)Emerald、OncoVEXGFP、GLV-1h68又は#189を多重感染度(MOI)0.01で添加し、20分毎に振とうしながら1時間おいた。1時間後に培地を吸引し、2.5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含むMcCoyの5A培地を1.5mL添加した。24、48及び72時間で細胞及び上清を回収し、3回の凍結及び解凍サイクルの後、2連で連続希釈を実施した。この実験を2連で繰り返した。各時点で、一方向ANOVAを用い、#33と他の実験群とを比較し、統計分析を実施した。
2mLのRPMI(10%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液)中、SW620(図21A~21B)及びSW480(図21C~21D)がん細胞株を、ウェル1つ当たり5×105細胞でプレーティングし、24時間にわたりウイルス増殖曲線を3回作成した。次に培地を吸引し、2.5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含む500μLのRPM中、#33、#33-(SE)hNIS、#33-(H5)Emerald、OncoVEXGFP、GLV-1h68又は#189を多重感染度(MOI)0.01で添加し、20分毎に振とうしながら1時間インキュベートした。1時間後に培地を吸引し、2.5%のFBS、1%の抗生物質(抗真菌剤)溶液を含むRPMI培地を1.5mL添加した。24、48及び72時間で細胞及び上清を回収し、3回の凍結及び解凍サイクルの後、2連で連続希釈を実施した。この実験を2連で繰り返した。各時点で、一方向ANOVAを用い、#33と他の実験群とを比較し、統計分析を実施した。
HCT-116#33-(SE)hNIS免疫組織化学
#33-(SE)hNISのインビトロイメージングを、1、0.1及び0.01のMOIで、24、48及び72時間にHCT-116において実施した。2×105のHCT116細胞を、10%のFBS McCoyの5A培地の500μL中、8チャンバースライドの各ウェルに添加した。24時間のインキュベーション後に培地を吸引し、#33-(SE)hNISを適切なMOIで2.5%のFBS McCoyの5A培地200μLで各ウェルに添加した。1時間後に培地を吸引し、細胞をPBSで2回洗浄した。1mLのMcCoyの5A培地(+10%のFBS)で培地を交換した。24、48又は72時間後に培地を吸引した。4%のパラホルムアルデヒドを用いて室温で15分間固定した。これを次にPBSで2回洗浄した。氷上で5分間、0.1%のトリトンX-100/PBSにより透過化処理を実施した。細胞をPBSで再び洗浄した。次に、37℃で、30分間のTNBブロッキングバッファーにおいて、スライドをインキュベートした(TNBブロッキングバッファー:0.1MのTris-HCl、pH7.5、0.15のNaCl及び0.5%のBlocking Reagent(Perkin Elmer、カタログFP1020)。TNBブロッキングバッファーのマウス抗ヒトナトリウムヨウ素輸送体(hNIS)抗体の1:50希釈液を添加し、4℃で一晩インキュベートした(ab17795)。次にスライドをPBSにより2回洗浄し、次にTNBブロッキングバッファー中のヤギ抗マウスIgG H&L(Alexa Fluor 488)(ab150113)の1:100希釈液を添加し、室温で1時間インキュベートした。次に細胞をPBSで2回洗浄した。TNB中のウサギ抗ワクシニア抗体(ab35219)の1:200希釈液を添加し、4℃で一晩インキュベートした。次に細胞をPBSで2回洗浄した。TNBで30分間ブロッキングした。次に、ヤギ抗ウサギ二次抗体の1:100の希釈液を添加し、室温で1時間静置した。PBSで2回洗浄した後、DAPIの1:1000希釈液を室温で5分間添加した。PBSで再度洗浄した。EVOS自動細胞イメージングシステムを用いて画像を撮影した(図22)。
HCT-29#33-(SE)hNIS免疫組織化学
#33-(SE)hNISのインビトロイメージングを、1、0.1及び0.01のMOIで、24、48及び72時間にHCT-29において実施した。2×105のHCT116細胞を、10%のFBS McCoyの5A培地の500μL中、8チャンバースライドの各ウェルに添加した。24時間のインキュベーション後に培地を吸引し、#33-(SE)hNISを適切なMOIで2.5%のFBS McCoyの5A培地200μLで各ウェルに添加した。1時間後に培地を吸引し、細胞をPBSで2回洗浄した。1mLのMcCoyの5A培地(+10%のFBS)で培地を交換した。24、48又は72時間後に培地を吸引した。4%のパラホルムアルデヒドを用いて室温で15分間固定した。これを次にPBSで2回洗浄した。氷上で5分間、0.1%のトリトンX-100/PBSにより透過化処理を実施した。細胞をPBSで再び洗浄した。次に、37℃で、30分間のTNBブロッキングバッファーにおいて、スライドをインキュベートした(TNBブロッキングバッファー:0.1MのTris-HCl(pH7.5)、0.15のNaCl及び0.5%のBlocking Reagent(Perkin Elmer、カタログFP1020)。TNBブロッキングバッファーのマウス抗ヒトナトリウムヨウ素輸送体(hNIS)抗体の1:50希釈液を添加し、4℃で一晩インキュベートした(ab17795)。次にスライドをPBSにより2回洗浄し、次にTNBブロッキングバッファー中のヤギ抗マウスIgG H&L(Alexa Fluor 488)(ab150113)の1:100希釈液を添加し、室温で1時間インキュベートした。次に細胞をPBSで2回洗浄した。TNB中のウサギ抗ワクシニア抗体(ab35219)の1:200希釈液を添加し、4℃で一晩インキュベートした。次に細胞をPBSで2回洗浄した。TNBで30分間ブロッキングした。次に、ヤギ抗ウサギ二次抗体の1:100の希釈液を添加し、室温で1時間静置した。PBSで2回洗浄した後、DAPIの1:1000希釈液を室温で5分間添加した。PBSで再度洗浄した。EVOS自動細胞イメージングシステムを用いて画像を撮影した(図23)。
インビボでの結腸がん腫瘍の治療
14匹の雌の胸腺欠損Nude-Foxn1nuヌードマウス(Envigo、Indianapolis、IN)の両脇腹に、腫瘍HT-29を5×106細胞で移植した。腫瘍サイズが200mm3となったとき、両側の腫瘍にPBSを50μL(4匹のマウス)、約1×105PFU/投与で#33(5匹のマウス)又は#33-(H5)Fluc2(5匹のマウス)で注入した。正味の重量変化率%及び腫瘍の変化率%を42日間にわたり週2回記録した。各群から2匹のマウスを10日後に屠殺し、器官ごとのウイルス力価測定及びIHCを実施した。全ての残存マウスを42日目に屠殺し、マウスの器官に対してウイルス力価測定を行った。PBSコントロールと、#33(3匹のマウス)及び#33-(H5)Fluc2とを比較したときの腫瘍体積変化率%の有意差(それぞれp=0.02及びp=0.03)を強調表示した(図24)。
週2回、1匹のPBSコントロールマウス及び3匹の#33-(H5)Fluc2注入マウスの腹膜内に、4.28mgのルシフェリン/150μL PBSを注入した。7分後、標準的な露光でルシフェラーゼイメージングを得た。相対単位を各時点で記録し、バックグラウンドとしてのPBSコントロールマウスとの比較で分析した(図25)。
19匹の雌の胸腺欠損Nude-Foxn1nuヌードマウス(Envigo、Indianapolis、IN)の両脇腹に、腫瘍HCT-116を5×106細胞で移植した。腫瘍サイズが約200mm3となったとき、両側の腫瘍にPBSを50μL(2匹のマウス)、約1×105PFU/投与で#33(3匹のマウス)、#33-(SE)hNIS又は#33-(H5)Fluc2を注入した。正味の重量変化率%及び腫瘍の変化率%を42日間にわたり週2回記録した。各群から2匹のマウスを10日後に屠殺し、器官ごとのウイルス力価測定及びIHCを実施した。全ての残存マウスを42日目に屠殺し、マウスの器官に対してウイルス力価測定を行った。PBSコントロールと、#33(3匹のマウス)、#33-(SE)hNIS及び#33-(H5)Fluc2とを比較したときの腫瘍体積変化率%の有意差(図26、それぞれp=0.0002、p=0.0001及びp=0.0002)を強調表示した。
週2回、1匹のPBSコントロールマウス及び3匹の#33-(H5)Fluc2注入マウスの腹膜内に、4.28mgのルシフェリン/150μL PBSを注入した。7分後、標準的な露光でルシフェラーゼイメージングを得た。相対単位を各時点で記録し、バックグラウンドとしてのPBSコントロールマウスとの比較で分析した(図27)。
[実施例9] 腫瘍溶解性ウイルス療法による肺がんのターゲティング
細胞毒性アッセイ
肺がん及び肺線維芽細胞における、感染後72時間目における、腫瘍溶解性ウイルスにより媒介される細胞毒性。5000個のA549、H2199又はHF1線維芽細胞を96ウェルプレートの各ウェルにプレーティングした。翌日、示される多重感染度(MOI、0、0.001、0.01、0.1、1のMOI)で、種々のウイルスにより細胞を感染させ、又は偽感染させた。#33、#33-(H5)Emerald、#189、GLV-1h68及びOncoVEXGFPウイルスを使用した。CellTiter 96 AQueous One Solution(Promega、Cat#G3581)を用いて感染後72時間における細胞生存率を測定した。感染細胞A549(図28A)、H2199(図28B)及びHF1線維芽細胞(図28C)の生存率を、偽感染細胞の生存率との比較により算出した。
インビボでの肺がん腫瘍の治療
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=3)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右側の腫瘍にのみ、腫瘍内部に#33-(H5)Emerald、GLV1h68又はOncoVEXGFPを103プラーク形成単位(PFU)で注入した。3つのウイルス全ては、緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子をコードする。週2回小動物イメージング装置(LagoXイメージングシステム)を使用してマウスの緑色蛍光(励起:465及び放出:530nm)を撮像し、AMIview画像処理ソフトウェアを使用してイメージング処理した(図29)。
マウスの体重
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=4又は5)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右側の腫瘍にのみ、示されるウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68又はOncoVEXGFP、T-VECTM、#189、PBSコントロール)を腫瘍内部に、又は#33-(H5)Emeraldを腹膜内(i.p)に、103プラーク形成単位(PFU)で注入した。マウスを週2回体重測定し、これらの体重変化率%を測定した(図30)。図30において、各折れ線は個々のマウスの体重を表す。
腫瘍退縮
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=4又は5)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右側の腫瘍にのみ、示されるウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68、OncoVEXGFP、T-VECTM、#189、PBSコントロール)を腫瘍内部に、又は#33-(H5)Emeraldを腹膜内(i.p)に、103PFUで注入した。デジタルカリパス副木を用いて、注入(図31A)及び非注入(図31B)腫瘍の体積を週2回測定した(体積={(長さ)2×幅/2}。図31A及び31Bにおいて、各折れ線は個々のマウスの腫瘍体積を表す。
A549異種移植モデルにおける、ウイルス注入腫瘍の体積
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=4又は5)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右の腫瘍にのみ、示されるウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68、OncoVEXGFP、T-VECTM、#189、PBSコントロール)を腫瘍内部に、又は#33-(H5)Emeraldを腹膜内(i.p)に、103PFUで注入した。デジタルカリパス副木を用いて腫瘍体積を週2回測定した(体積={(長さ)2×幅/2}。図32において、各折れ線は、個々の処理群の標準偏差付きの経時的な平均腫瘍体積(注入あり)を表す。統計分析:24日目の一方向ANOVA(*=p<0.05)。
A549異種移植モデルにおける、ウイルス非注入腫瘍の体積
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=4又は5)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右側の腫瘍にのみ、示されるウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68、OncoVEXGFP、T-VECTM、#189、PBSコントロール)を腫瘍内部に、又は#33-(H5)Emeraldを腹膜内(i.p)に、103PFUで注入した。デジタルカリパス副木を用いて腫瘍体積を週2回測定した(体積={(長さ)2×幅/2}。図33において、各折れ線は、個々の処理群の標準偏差付きの経時的な平均腫瘍体積(注入なし)を表す。統計分析:24日目の一方向ANOVA(*=p<0.05)。
注入及び非注入腫瘍の体積の変化倍数
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=4又は5)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右の腫瘍にのみ、示されるウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68、OncoVEXGFP、T-VECTM、#189、PBSコントロール)を腫瘍内部に、又は#33-(H5)Emeraldを腹膜内(i.p)に、103PFUで注入した。デジタルカリパス副木を用いて腫瘍体積を週2回測定した(体積={(長さ)2×幅/2}。ウイルス注入時(すなわち0日目)の腫瘍体積に対して、種々の時点における腫瘍体積を正規化することにより、腫瘍体積の変化倍数を算出した。各折れ線は、注入(図34A)、及び非注入(図34B)腫瘍における、個々の処理群の標準偏差付きの平均腫瘍体積の変化倍数を表す。統計分析:24日目の一方向ANOVA(*=p<0.05)。
注入及び非注入腫瘍(A549モデル)におけるウイルスの生体内分布
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=3)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右側の腫瘍にのみ、示されるウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68又はOncoVEXGFP、T-VECTM)を腫瘍内部に103PFUで注入した。ウイルス注入の6日後に、腫瘍及び健常な臓器を回収した。回収された組織を秤量し、小片に切り刻み、Bullet Blender Goldホモジナイザーを用いて1mlのPBS中でホモジナイズした。ホモジネートに対し、凍結融解サイクルを3回施し、更に1分間超音波処理した。ホモジネートを3分間の1000rpmでスピンダウンし、上清を回収した。上清を連続希釈し、標準的なプラークアッセイを用いてウイルス力価を測定した。図35Aは、各ウイルス注入腫瘍のPFU/g腫瘍で表すウイルス力価を示し、図35Bは、各ウイルス非注入腫瘍のPFU/g腫瘍で表すウイルス力価を示す。
マウス(A549モデル)の卵巣におけるウイルス力価
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=3)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右側の腫瘍にのみ、腫瘍内部に示すウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68、OncoVEXGFP、T-VECTM)を103PFUで注入した。ウイルス注入の6日後に、腫瘍及び健常な臓器を回収した。回収された組織を秤量し、小片に切り刻み、Bullet Blender Goldホモジナイザーを用いて1mlのPBS中でホモジナイズした。ホモジネートに対し、凍結融解サイクルを3回施し、更に1分間超音波処理した。ホモジネートを3分間の1000rpmでスピンダウンし、上清を回収した。上清を連続希釈し、標準的なプラークアッセイを用いてウイルス力価を測定した。図36は、各ウイルスのPFU/g組織(卵巣)で表すウイルス力価を示す。**NDは、ウイルスが検出されなかったことを意味する。
ウイルス注入の20日後における血液中ウイルス力価
A549(ヒト肺がん細胞)を培養し、トリプシン処理し、PBSにより洗浄し、PBS及びマトリゲル=1:1中に再懸濁し、100μL当たり5×106細胞に調製した。細胞懸濁液100μLを胸腺切除ヌードマウスの上部両横腹に皮下注入し、マウス1匹当たり2つの腫瘍を発生させた。腫瘍細胞注入後3週目に、各群が同等の平均腫瘍体積(約200mm3)となるよう、種々の処理群(n=3)にマウスを分けた。分割の後、各マウスの右の腫瘍にのみ、腫瘍内部に示すウイルス(#33、#33-(H5)Emerald、GLV-1h68、OncoVEXGFP、T-VECTM)を103プラーク形成単位(PFU)で注入した。顔面静脈穿刺によりマウス(n=3)から血液を回収した。凍結融解を3回繰り返した後、血液を連続希釈し、標準的なプラークアッセイを用いてウイルス力価を測定した(図37)。**NDは、ウイルスが検出されなかったことを意味する。
P実施形態
実施形態P1. 配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスであって、前記核酸配列が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルスNZ2株及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片を含む、キメラポックスウイルス。
実施形態P2. 前記核酸配列が、少なくとも80%の配列同一性を有する、実施形態P1に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P3. 前記核酸配列が、少なくとも85%の配列同一性を有する、実施形態P1又はP2に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P4. 前記核酸配列が、少なくとも90%の配列同一性を有する、実施形態P1~P3のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P5. 前記核酸配列が、少なくとも95%の配列同一性を有する、実施形態P1~P4のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P6. 前記核酸配列が、少なくとも98%の配列同一性を有する、実施形態P1~P5のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P7. 前記核酸断片が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である、実施形態P1~P6のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P8. 前記核酸断片が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来である、実施形態P1~P6のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P9. 前記キメラポックスウイルスが、
(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株により細胞を感染させること、並びに
(ii)前記少なくとも2つのポックスウイルス株を複製させ、それによりキメラポックスウイルスを形成させること
を含む方法により形成される、実施形態P1に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P10. 前記細胞が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株により感染される、実施形態P9に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P11. 前記細胞が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染される、実施形態P9に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P12. 前記キメラポックスウイルスが、腫瘍溶解性ウイルスである、実施形態P1~P11のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P13. 前記ポックスウイルスが、miRNA結合配列を含む、実施形態P1~P12のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P14. 前記miRNA結合配列が、前記キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ遺伝子の一部を形成する、実施形態P13に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態P15. 実施形態P1~P14のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルスをコードする単離された核酸。
実施形態P16. 治療有効量の実施形態P1~P14のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルスを含む医薬組成物。
実施形態P17. それを必要とする被験者のがんを治療する方法であって、前記被験者に、治療有効量の実施形態P1~P14のいずれか1つのキメラポックスウイルスを投与し、それにより前記被験者のがんを治療することを含む前記方法。
実施形態P18. 前記がんが、乳がん、結腸がん、腎臓がん、白血病、肺がん、黒色腫、卵巣がん、前立腺がん、膵がん、脳がん、肝がん、胃がん又は肉腫である、実施形態P17に記載の方法。
実施形態P19. 投与することが、第1のキメラポックスウイルス及び第2のキメラポックスウイルスを投与することを含む、実施形態P17又はP18に記載の方法。
実施形態P20. 前記第1のキメラポックスウイルスが、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である核酸断片を含む、実施形態P19に記載の方法。
実施形態P21. 前記第2のキメラポックスウイルスが、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む、実施形態P19又はP20に記載の方法。
実施形態P22. 前記第1のキメラポックスウイルス及び前記第2のキメラポックスウイルスが、組み合わせた相乗的な量で投与される、実施形態P19~P21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P23. 前記第1のキメラポックスウイルス及び前記第2のキメラポックスウイルスが、同時に投与される、実施形態P19~P22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P24. 前記第1のキメラポックスウイルス及び前記第2のキメラポックスウイルスが、順次投与される、実施形態P19~P22のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P25. 前記ポックスウイルスが、少なくとも104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態P19~P24のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P26. 前記ポックスウイルスが、少なくとも106プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態P19~P25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P27. 前記ポックスウイルスが、約108プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態P19~P26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P28. キメラポックスウイルスを形成する方法であって、
(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株により細胞を感染させること、並びに
(ii)前記少なくとも2つのポックスウイルス株を複製させ、それにより前記キメラポックスウイルスを形成させること
を含む、方法。
実施形態P29. 前記少なくとも2つのポックスウイルス株が、約1未満の多重感染度で各々存在する、実施形態P28に記載の方法。
実施形態P30. 前記少なくとも2つのポックスウイルス株が、約0.1未満の多重感染度で各々存在する、実施形態P28又はP29に記載の方法。
実施形態P31. 前記少なくとも2つのポックスウイルス株が、約0.01の多重感染度で各々存在する、実施形態P28~P30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P32. 前記細胞が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株により感染される、実施形態P28に記載の方法。
実施形態P33. 前記細胞が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染される、実施形態P28に記載の方法。
実施形態P34. 前記キメラポックスウイルスが、腫瘍溶解性ウイルスである、実施形態P28~P33のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P35. 前記ポックスウイルスが、miRNA結合配列を含む、実施形態P28~P34のいずれか1つに記載の方法。
実施形態P36. 細胞の細胞増殖を阻害する方法であって、実施形態P1~P14のいずれか1つのキメラポックスウイルスを細胞に接触させることを含む、前記方法。
実施形態P37. 前記細胞ががん細胞である、実施形態P36に記載の方法。
実施形態P38. 前記がん細胞が、乳がん細胞、結腸がん細胞、腎臓がん細胞、白血病細胞、肺がん細胞、黒色腫細胞、卵巣がん細胞、前立腺がん細胞、膵がん細胞、脳がん細胞、肝がん細胞、胃がん細胞又は肉腫細胞である、実施形態P37に記載の方法。
実施形態
実施形態1. 配列番号1又は配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含むキメラポックスウイルスであって、前記核酸配列が、(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列、又は(iii)検出可能部分をコードする核酸配列を含む、キメラポックスウイルス。
実施形態2. 前記核酸配列が、(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルス株Herman、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、並びに(ii)1つ又は複数の抗がん核酸配列を含む、実施形態1に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態3. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、前記キメラポックスウイルスの非必須遺伝子の一部を形成する、実施形態1又は2に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態4. 前記非必須遺伝子が、チミジンキナーゼ遺伝子である、実施形態3に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態5. 前記非必須遺伝子が、F14.5L遺伝子である、実施形態3に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態6. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、PD-L1阻害剤又はヨウ化ナトリウム共輸送体を独立にコードする、実施形態1~5のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態7. 前記PD-L1阻害剤が、抗PD-L1 scFvである、実施形態6に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態8. 前記非必須遺伝子の部分が欠失している、実施形態1~7のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態9. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、プロモーターに各々作動可能に連結されている、実施形態1~8のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態10. 前記プロモーターが、ワクシニアウイルス初期プロモーターである、実施形態9に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態11. 前記プロモーターが、合成された初期プロモーターである、実施形態9又は10に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態12. 前記プロモーターが、ワクシニアウイルス後期プロモーターである、実施形態9に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態13. 前記プロモーターが、H5プロモーター又は11Kプロモーターである、実施形態9又は12に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態14. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、前記キメラポックスウイルスの必須遺伝子に作動可能に連結されている、実施形態1~8のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態15. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、前記キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている、実施形態1~14のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態16. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、前記キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている、実施形態1~15のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態17. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている、実施形態1~16のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態18. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子の3’末端に作動可能に連結されている、実施形態1~17のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態19. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、miRNA結合配列を独立にコードする、実施形態1~18のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態20. 前記miRNA結合配列が、miR100結合配列又はlet7c結合配列である、実施形態19に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態21. 前記1つ又は複数の抗がん核酸配列が、第1の抗がん核酸配列及び第2の抗がん核酸配列である、実施形態1~20のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態22. 前記第1の抗がん核酸配列が、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、前記第2の抗がん核酸配列が、miRNA結合配列をコードする、実施形態21に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態23. 前記第1の抗がん核酸配列が、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、前記第2の抗がん核酸配列が、ウラシルDNAグリコシラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている、実施形態22に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態24. 前記第1の抗がん核酸配列が、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、前記第2の抗がん核酸配列が、DNAポリメラーゼ遺伝子に作動可能に連結されている、実施形態22に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態25. 前記第1の抗がん核酸配列が、ヨウ化ナトリウム共輸送体をコードし、前記第2の抗がん核酸配列が、PD-L1阻害剤をコードする、実施形態21に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態26. 前記第1の抗がん核酸配列が、チミジンキナーゼ遺伝子の一部を形成し、前記第2の抗がん核酸配列が、F14.5L遺伝子の一部を形成する、実施形態25に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態27. 前記核酸配列が、(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株由来の核酸断片、並びに(ii)前記検出可能部分をコードする核酸配列を含む、実施形態1に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態28. 前記検出可能部分をコードする核酸配列が、蛍光部分をコードする、実施形態27に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態29. 前記検出可能部分をコードする核酸配列が、前記キメラポックスウイルスの非必須遺伝子の一部を形成する、実施形態27又は28に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態30. 前記非必須遺伝子が、チミジンキナーゼ遺伝子である、実施形態29に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態31. 前記非必須遺伝子の部分が欠失している、実施形態29又は30に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態32. 前記検出可能部分をコードする核酸配列が、プロモーターに作動可能に連結されている、実施形態27~31のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態33. 前記プロモーターが、ワクシニアウイルス初期プロモーターである、実施形態32に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態34. 前記プロモーターが、合成された初期プロモーターである、実施形態33に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態35. 前記プロモーターが、ワクシニアウイルス後期プロモーターである、実施形態32に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態36. 前記プロモーターが、H5プロモーター又は11Kプロモーターである、実施形態35に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態37. 前記核酸配列が、少なくとも80%の配列同一性を有する、実施形態1~36のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態38. 前記核酸配列が、少なくとも85%の配列同一性を有する、実施形態1~37のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態39. 前記核酸配列が、少なくとも90%の配列同一性を有する、実施形態1~38のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態40. 前記核酸配列が、少なくとも95%の配列同一性を有する、実施形態1~39のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態41. 前記核酸配列が、少なくとも98%の配列同一性を有する、実施形態1~40のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態42. 前記核酸断片が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来である、実施形態1~41のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態43. 前記核酸断片が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来である、実施形態1~41のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態44. 前記キメラポックスウイルスが、(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株により細胞を感染させること、並びに(ii)前記少なくとも2つのポックスウイルス株を複製させ、それによりキメラポックスウイルスを形成させることを含む方法により形成される、実施形態1~43のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態45. 前記細胞が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株により感染される、実施形態44に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態46. 前記細胞が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染される、実施形態44に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態47. 前記キメラポックスウイルスが、腫瘍溶解性ウイルスである、実施形態1~46のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態48. 前記ポックスウイルスが、miRNA結合配列を含む、実施形態1~47のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルス。
実施形態49. 前記miRNA結合配列が、前記キメラポックスウイルスのDNAポリメラーゼ遺伝子の一部を形成する、実施形態48に記載のキメラポックスウイルス。
実施形態50. 実施形態1~49のいずれか1つに記載のキメラポックスウイルスをコードする単離された核酸。
実施形態51. 治療有効量の実施形態1~49のいずれか1つのキメラポックスウイルスを含む医薬組成物。
実施形態52. それを必要とする被験者のがんを治療する方法であって、前記被験者に、治療有効量の実施形態1~49のいずれか1つのキメラポックスウイルスを投与し、それにより前記被験者のがんを治療することを含む前記方法。
実施形態53. 前記がんが、乳がん、結腸がん、腎臓がん、白血病、肺がん、黒色腫、卵巣がん、前立腺がん、膵がん、脳がん、肝がん、胃がん又は肉腫である、実施形態52に記載の方法。
実施形態54. 前記がんが、トリプルネガティブ乳がんである、実施形態52又は53に記載の方法。
実施形態55. 投与することが、第1のキメラポックスウイルス及び第2のキメラポックスウイルスを投与することを含む、実施形態52~54のいずれか1つに記載の方法。
実施形態56. 前記第1のキメラポックスウイルスが、配列番号1に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株由来の核酸断片を含む、実施形態55に記載の方法。
実施形態57. 前記第2のキメラポックスウイルスが、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列を含み、核酸配列が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株由来の核酸断片を含む、実施形態55又は56に記載の方法。
実施形態58. 前記第1のキメラポックスウイルス及び前記第2のキメラポックスウイルスが、組み合わせた相乗的な量で投与される、実施形態55~57のいずれか1つに記載の方法。
実施形態59. 前記第1のキメラポックスウイルス及び前記第2のキメラポックスウイルスが、同時に投与される、実施形態55~58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態60. 前記第1のキメラポックスウイルス及び前記第2のキメラポックスウイルスが、順次投与される、実施形態55~58のいずれか1つに記載の方法。
実施形態61. 前記ポックスウイルスが、少なくとも103プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態52~60のいずれか1つに記載の方法。
実施形態62. 前記ポックスウイルスが、約103プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態52~61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態63. 前記ポックスウイルスが、少なくとも104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態52~61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態64. 前記ポックスウイルスが、約4×104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態52~61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態65. 前記ポックスウイルスが、約5×104プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態52~61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態66. 前記ポックスウイルスが、少なくとも106プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態52~61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態67. 前記ポックスウイルスが、約108プラーク形成単位(Pfu)/kgで投与される、実施形態52~61のいずれか1つに記載の方法。
実施形態68. キメラポックスウイルスを形成する方法であって、
(i)ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株、ワクシニアウイルスAS株、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株からなる群から選択される少なくとも2つのポックスウイルス株により細胞を感染させること、並びに(ii)前記少なくとも2つのポックスウイルス株を複製させ、それにより前記キメラポックスウイルスを形成させることを含む、方法。
実施形態69. 前記少なくとも2つのポックスウイルス株が、約1未満の多重感染度で各々存在する、実施形態68に記載の方法。
実施形態70. 前記少なくとも2つのポックスウイルス株が、約0.1未満の多重感染度で各々存在する、実施形態68又は69に記載の方法。
実施形態71. 前記少なくとも2つのポックスウイルス株が、約0.01の多重感染度で各々存在する、実施形態68~70のいずれか1つに記載の方法。
実施形態72. 前記細胞が、ウシポックスウイルスBrighton株、アライグマポックスウイルスHerman株、ウサギポックスウイルスUtrecht株、ワクシニアウイルスWR株、ワクシニアウイルスIHD株、ワクシニアウイルスElstree株、ワクシニアウイルスCL株、ワクシニアウイルスLederle-Chorioallantoic株及びワクシニアウイルスAS株により感染される、実施形態68に記載の方法。
実施形態73. 前記細胞が、オルフウイルス株NZ2及び偽ウシポックスウイルスTJS株により感染される、実施形態68に記載の方法。
実施形態74. 前記キメラポックスウイルスが、腫瘍溶解性ウイルスである、実施形態68~73のいずれか1つに記載の方法。
実施形態75. 前記ポックスウイルスが、miRNA結合配列を含む、実施形態68~74のいずれか1つに記載の方法。
実施形態76. 細胞の細胞増殖を阻害する方法であって、実施形態1~49の1つのキメラポックスウイルスを細胞に接触させることを含む前記方法。
実施形態77. 前記細胞ががん細胞である、実施形態76に記載の方法。
実施形態78. 前記がん細胞が、乳がん細胞、大腸がん細胞、腎臓がん細胞、白血病細胞、肺がん細胞、黒色腫細胞、卵巣がん細胞、前立腺がん細胞、膵がん細胞、脳がん細胞、肝がん細胞、胃がん細胞又は肉腫細胞である、実施形態77に記載の方法。
実施形態79. 前記がん細胞が、トリプルネガティブ乳がん細胞である、実施形態77又は78に記載の方法。