JP7632300B2 - 音響再生システム、ディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
この際、例えば上記で例示したディスプレイ装置の表示面や室内の壁面において有指向性音を反射させる場合には、これら表示面や壁面を傾斜させることは困難(例えば、表示面を傾斜させるとコンテンツを見づらくなるなどコンテンツの表示特性悪化に繋がる)であるため、音像定位サービスエリアの調整は、有指向性音の発音方向の調整により行うことが考えられる。
これにより、音反射面から視聴者側に反射される音に関して、減衰の抑制が図られる。
平面波スピーカとしては、可動コイルにより平面パネルを振動させるダイナミック型ベースの平面波スピーカや、静電型振動板や圧電型振動板を用いた平面波スピーカを用いることが考えられる。
振動板が底面に対し非並行に配置された構造とすることで、平面波を斜め方向に発することを前提とした場合において、振動板裏側の容積を稼ぎやすくなる。
これにより、スピーカに対しメカ的な角度調整機構を設けることなく、有指向性音の音反射面への入射角を調整可能となる。
これにより、音反射体を設けたことによる視聴対象物の視認性の悪化の抑制が図られる。
これにより、視聴者から見て視聴対象物の手前に位置する音反射面において、ペッパーズゴーストの原理を用いて映像を浮かび上がらせることが可能となる。
これにより、音反射面からの反射音を水平方向から上側に傾斜させることが可能とされる。
これにより、有指向性音を発する位置に対し横方向位置が異なる視聴者に対して、音源の位置を該有指向性音の反射位置近傍に知覚させることが可能となる。
これにより、音反射体を膜状とする場合のように音反射体にテンションをかけずとも音反射面を形成することが可能とされる。
天井からの吊り下げ式による支持方式は、大型で重量のあるパネルの支持方式として好適である。
これにより、天井側、床側それぞれから発せられた有指向性音の反射音を視聴者の手前で上下方向に交差させることが可能とされる。
これにより、音反射体の傾斜角度を調整することによる有指向性音の入射角度及び反射角度の調整が可能となる。
これにより、発音方向の調整による有指向性音の音反射面に対する入射角度及び反射角度の調整が可能となる。
これにより、有指向性音の発音方向を調整するにあたり発音方向調整のための音声信号処理を行う必要がなくなる。
これにより、有指向性音の発音方向の調整にあたり機構的な駆動音が生じない。
ディスプレイ装置により視聴対象のコンテンツを表示する場合、スクリーン投影による表示を行う場合のように表示面(スクリーン)の裏側にスピーカを配置することによる音像定位手法を採ることができず、表示面の左右にスピーカを配置することが考えられるが、その場合には、ディスプレイ装置の大型化を招いてしまう。
視聴コンテンツを上映する施設としてはシアター施設を挙げることができるが、シアター施設では、視聴対象物が配置される部分と視聴者の座席が配置される座席部分との間に或る程度の空間がとられているのが通常である。
これにより、視聴者と視聴者の視聴対象物との間に音反射面が位置されることになる。このため、該音反射面に有指向性音を反射させて音像を定位させる音響再生システムにおいては、該音反射面の傾斜角度の設定によって、有指向性音の反射角度を任意に定めることが可能となる。
これにより、視聴者における受聴音が目標とする音に近づくように有指向性音の入射角度の調整、すなわち音像定位についての調整を行うことが可能となる。
<1.実施形態としての音響再生システム>
<2.キャリブレーションについて>
<3.変形例>
<4.実施形態のまとめ>
<5.本技術>
図1は、本技術に係る実施形態としての音響再生システム1の構成例を示している。
図示のように音響再生システム1は、有指向性音(指向性を有する音)を発する発音装置2と、発音装置2が発した有指向性音を反射する音反射面31を有する音反射体3と、映像を表示する自発光型のディスプレイ装置4とを備えている。
音響再生システム1は、映像と音による視聴コンテンツを視聴者5に視聴させるためのシステムとされ、ディスプレイ装置4は該視聴コンテンツを構成する映像の表示を行い、発音装置2は該視聴コンテンツを構成する音を発する。
本例では、音響再生システム1の適用先としてシアター施設が想定されており、ディスプレイ装置4としては、画面サイズが例えば100インチを超えるような大型のディスプレイ装置が用いられる。シアター施設内には、ディスプレイ装置4の表示面41(映像の表示画面)と対向する位置に座席6が配置され、図示ように視聴者5は座席6に着座した状態でコンテンツを視聴することが想定されている。
図1に示すように本例ではサブウーファ22を床FL上に配置する例を示しているが、サブウーファ22を配置する位置は床FL上に限るものではない。
図示のように平面波スピーカ21は複数配置することができる。換言すれば、複数の平面波スピーカ21のそれぞれが発する平面波を音反射面31で反射させて視聴者5に受聴させる構成を採ることができる。
平面波スピーカ21を配置する位置については、図示のように視聴者5と音反射体3との間の床FL近傍とすることが考えられる。シアター施設では、視聴対象物(本例ではディスプレイ装置4の表示画面)と視聴者の座席が配置される座席部分との間に或る程度の空間がとられているのが通常である。上記のような平面波スピーカ21の配置は、このように視聴対象物と座席部分との間に空間がとられるシアター施設に好適となる。
また、上記のように音反射面31に対し横方向の入射角度を有するように平面波を発するものとすれば、音像定位サービスエリアALの横方向への拡大のために用いるべきスピーカ数の削減を図ることができる。
なお、以降の説明においては、図1で説明したサブウーファ22の図示は省略する。平面波スピーカ21の再生可能帯域が広ければサブウーファ22は不要とすることができる。
また、以降の説明では、発音装置2の構成のうち、音声信号に基づきスピーカを駆動するための構成(図1でのHPF23、LPF24、アンプ25、27、遅延処理部26)についても図示を省略する。
シアター施設としては、座席6が前後左右方向に複数配列され、前後方向に配列される座席6は、図示のように前方から後方にかけて高さが徐々に高くなるようにされていることが多い。このような場合には、音像定位サービスエリアALの拡大を考慮すると、平面波の反射方向を水平方向から傾斜させる(具体的には、上方向に傾斜させる)ことが望ましい。
ここで、図中では、音反射面31に対する平面波の入射角度(図中では「入射角」と表記)と反射角度(図中では「反射角」と表記)を模式的に示しているが、この場合の入射角度、出射角度は、それぞれ音反射面31に対する垂線Vとのなす角度となる。
図示のように音反射体3の水平方向を基準とした傾斜角度を「傾斜角度A」、平面波スピーカ21が発する平面波の水平方向を基準とした出射角度を「出射角度Q」(ここでは、平面波スピーカ21を傾ける角度と一致)、音反射面31で反射された平面波の進行方向の水平方向に対する傾斜角度を「進行角度P」とする。この場合、各角度の関係は、「Q=2A-P-90」と表すことができる。従って、例えば音反射体3の傾斜角度Aが70度とされる場合において、実現したい進行角度Pが15度である場合には、平面波の出射角度Qは35度とすればよい。
図示のように平面波スピーカ21を複数配置し、各平面波スピーカ21が音反射面31におけるそれぞれ異なる高さ位置に向けて平面波を発するようにする。すなわち、各平面波スピーカ21からの平面波が音反射面31の高さ方向におけるそれぞれ異なる位置で反射されるようにする。図中では、平面波スピーカ21を前後方向に複数配置し、各平面波スピーカ21がそれぞれ同じ出射角度Qで平面波を発することで、各平面波スピーカ21からの平面波が音反射面31の高さ方向におけるそれぞれ異なる位置で反射されるようにしている。
これにより、音像定位サービスエリアALを高さ方向に拡大することができる。
図7に示すように平面波スピーカ21Aは、平面波を発する振動板21aが底面21bに対し非平行に配置された構造を有する。このような構造とすることで、図6に示すように平面波を斜め方向に発することを前提とした場合において、振動板21a裏側の容積を稼ぎやすくなる。従って、再生可能帯域を低域側に拡大し易くなる。
図8では、平面波スピーカ21Bとして、振動板を有するスピーカ本体部を軸部21cを中心とした回動が可能となるように支持する角度調整部21bを備えたものを例示している。このような角度調整部21bにより、スピーカ本体部の傾斜角度(水平方向に対する傾斜角度)を調整することが可能となり、発音方向の調整が可能となる。
周知のようにスピーカアレイ28を用いることで、点音源スピーカ28aに再生させる音声信号の遅延処理や、点音源スピーカ28aが発する音波についての波面合成技術を用いることで、音の指向性を制御することができる。すなわち、平面波の出射角度を調整可能となる。
音反射体3については、図示のように天井CLからの吊り下げ方式により支持させることが考えられる。この場合、音反射体3は、縁部に例えば金属製等によるフレーム部3aが形成され、該フレーム部3aの複数カ所において、それぞれ天井CL側から下方に延びる例えば金属製ワイヤ等による支持部材9を介して天井CLから支持される。
本例では、ディスプレイ装置4として大画面のディスプレイ装置を用いることから、音反射体3のサイズも大型となり、また重量に関しても大重量となる。吊り下げ方式は、このように音反射体3が大型・大重量となる場合に好適である。
また、フレーム部3aを設けることで、音反射体3を補強できる。さらに、支持部材9として金属ワイヤのような線材を用いることで、支持部材9を目立ち難くすることができ、視聴コンテンツへの没入感向上を図ることができる。
これまでの説明では、主にセンタースピーカの代用を想定していたが、L(左)、R(右)のスピーカについても、音反射体3での反射を利用した音像の定位を実現できる。
例えば、図14では、「C」と示すセンター音出力を担当する平面波スピーカ21(以下符号を「21C」とする)を横方向における中央に配置し、その右側(視聴者5から見た右側)にR音出力を担当する平面波スピーカ21(以下符号を「21R」とする)を、左側にL音出力を担当する平面波スピーカ21(以下符号を「21L」とする)をそれぞれ配置している。この場合、図示のように平面波スピーカ21Cについては平面波の出射方向を前後方向に一致する方向とし、平面波スピーカ21Rについては平面波の出射方向を前後方向に対して左側に傾け、また平面波スピーカ21Lについては平面波の出射方向を前後方向に対して右側に傾ける。これにより、横方向の中央付近に位置する視聴者5にとっては、センター音は中央から、またR音は中央より右側、L音は中央より左側からそれぞれ聞こえるようになる。
通常、ステレオ再生を行う場合には、ディスプレイ装置4の左右端部にそれぞれLch(チャンネル)スピーカ、Rchスピーカを配置することになるが、このようなステレオ再生手法を採ることで、本来はこのようにディスプレイ装置4の左右端部に配置すべきスピーカを省略することが可能となり、その分、表示画面の拡大化に充てることができるようになる。従って、スペースの有効活用や、デザイン性の向上に貢献することができる。
これら図15及び図16の例では、音反射体3と視聴者5との間において、音反射体3よりも後側に中心を持つ円弧上に複数の平面波スピーカ21を配置しており、これにより扇状の配置を実現している。この場合、扇状に配置した平面波スピーカ21のうち中央部に位置する平面波スピーカ21はセンター音出力用の平面波スピーカ21Cとして用い、それよりも右側に配置された平面波スピーカ21はR音出力用の平面波スピーカ21Rとし、左側に配置された平面波スピーカ21はL音出力用の平面波スピーカ21Lとして用いる。具体的に、図中では扇状に9個の平面波スピーカ21を配置しているが、中央の3個の平面波スピーカ21を平面波スピーカ21Cとし、それよりも右側の3個の平面波スピーカ21を平面波スピーカ21R、左側の3個の平面波スピーカ21を平面波スピーカ21Lとする。
これにより、センター音、R音、L音についての横方向における音像定位サービスエリアALを図14の場合よりも拡大することができる。
図17では、天井CLの近傍に配置した平面波スピーカ21から平面波を発する例を示している。
平面波を天井CL側から発する場合には、音反射体3を前傾させてしまうと、音反射面31からの反射音を視聴者5の頭部付近に到達させるために音反射面31への平面波の入射角度を浅くする必要があるため、平面波スピーカ21を音反射体3から相当に遠ざけて配置することを要する。平面波スピーカ21を音反射面31から遠ざけて配置した場合には、視聴者5に到達するまでに音圧が大幅に減衰してしまう虞がある。このため、図17に例示するように、この場合における音反射体3は後傾状態で配置(つまりディスプレイ装置4側に傾斜させて配置)することが望ましい。
図示のように後傾状態の音反射体3についても、天井CLから複数の支持部材9を介して吊り下げ方式により支持させることが考えられる。なお、図示は省略したが、後傾状態の音反射体3についても、先の図12や図13で例示したような側壁からの支持手法を採ることができる。
図19に示す音響再生システム1では、音反射体3として、床FL側から発せられる平面波を反射するための前傾配置された音反射体3-1と、天井CL側から発せられる平面波を反射するための後傾配置された音反射体3-2とが設けられる。この場合、音反射体3-1における音反射面31-1と音反射面31-2における音反射面31-2は互いに傾斜方向が異なるものとなる。なお、図中では、音反射面31-1に対する垂線V-1と音反射面31-2に対する垂線V-2とを示している。
図19では、床FL側と天井CL側のそれぞれに平面波スピーカ21を複数設け、床FL側の平面波スピーカ21から音反射面31-1にそれぞれ平面波を発し、天井CL側の平面波スピーカ21から音反射面31-2にそれぞれ平面波を発する例を示しているが、床FL側、天井CL側それぞれに配置する平面波スピーカ21の数は単数であってもよい。
この場合の音響再生システム1では、メイン映像を出力するディスプレイ装置4以外に、サブ映像を出力するサブディスプレイ装置45が設けられる。また、音反射体3に代えて音反射体3Aが設けられる。音反射体3Aは、ハーフミラーによる音反射面31Aを有する点が音反射体3と異なる。
図20では、平面波スピーカ21を床FL側に配置することに対応して音反射体3Aを前傾配置するものとしており、この場合には、サブディスプレイ装置45としても床FL側に配置し、平面波と共にサブ映像を音反射面31Aに対して出力する。
従って、音反射面31Aにおける特定位置において、音像の定位と立体的に浮遊して見える映像とを視聴者5に知覚させることができる。
図21及び図22は床FL側から平面波を発する場合に対応した構成を示しており、図21は音反射体3が表示面41から前方に離隔されて配置される場合、図22は音反射体3が下端部において表示面41に当接される場合をそれぞれ示している。
図23及び図24は天井CL側から平面波を発する場合に対応した構成を示しており、図23は音反射体3が表示面41から前方に離隔されて配置される場合、図24は音反射体3が上端部において表示面41に当接される場合をそれぞれ示している。
図25及び図26は、画質差を感じさせないための音反射体3のサイズ条件についての説明図であり、図25は床FL側から平面波を発する場合、図26は天井CL側から平面波を発する場合における音反射体3の配置を例示している。画質差の防止を図る上では、視聴者5の視点位置Peと表示面41の上端位置Puとを結ぶ直線UEと、視点位置Peと表示面41の下端位置Pdとを結ぶ直線DEとをそれぞれ基準として、音反射体3の上端位置が直線UEよりも上に位置し、且つ音反射体3の下端位置が直線DEよりも下に位置するようにすればよい。
ディスプレイ装置4Aは、表示面41を有する本体部4aと、本体部4aに一体的に形成された角度調整部4bとを有する。角度調整部4bは、音反射体3の下端部を支持する軸部4cを中心として音反射体3を回動させる。これにより、音反射体3の前傾方向における傾斜角度を調整することができる。また、音反射体3を表示面41に平行な状態(つまり直立状態:傾斜角度=0度の状態)とすることができる。ここで、音反射体3を表示面41に平行な状態とすることは、音反射体3を視聴者5側に迫り出させない、いわば収納状態にすることと捉えることができる。
この場合、音反射体3は、角度調整部4bを介して本体部4aと一体化されており、ディスプレイ装置4Aの一部を構成するものとなる。
図27に示したディスプレイ装置4Aとの差異点は、軸部4cが音反射体3の上端部を支持している点である。これにより、この場合の角度調整部4bによっては、音反射体3の後傾方向における傾斜角度を調整することができると共に、音反射体3を表示面41に平行な状態(収納状態)とすることができる。
例えば、図29や図30に例示するように、スピーカアレイ28を構成する複数の点音源スピーカ28aを横方向に配列させる。この場合には、平面波の方向を制御するための前述したディレイ等の音声信号処理を、オブジェクトオーディオの技術に基づいて行うことで、図30に示す音像のイメージのように、横方向における音像の移動を知覚させることができる。なお、点音源スピーカ28aを縦方向に複数配列させた場合には、オブジェクトオーディオの技術との組み合わせにより、縦方向における音像の移動を知覚させることもできる。
例えばシアター施設等、比較的多くの座席6が設けられ多人数の視聴者5が視聴対象コンテンツを視聴し得る環境では、例えば視聴者5の入り具合等に応じて音像定位サービスエリアALの位置やサイズを調整することが考えられる。
図31は、このような音像定位サービスエリアALの調整についての説明図であり、図31Aは複数の座席6が配列された座席部の中央部に音像定位サービスエリアALを定めた場合、図31Bは座席部における前側(ここでの前側とは視聴対象物に近い側を意味する)の一部に音像定位サービスエリアALを定めた場合を例示している。
例えば、座席部の中央付近に視聴者5が集中していれば図31Aに示す音像定位サービスエリアALに調整し、座席領域の前側付近に視聴者5が集中していれば図31Bに示す音像定位サービスエリアALに調整することが考えられる。
このような平面波の入射角度についてのキャリブレーションとしては、図31で例示したような、音像定位サービスエリアALの位置やサイズの調整のために行うことができる。
なお、人工知能の例としてはDNN以外にも機械学習(Machine Learning)などを用いることができる。DNNを構成するニューラルネットワークは、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)、RNN(回帰的ニューラルネットワーク)、敵対的生成ネットワーク(Generative Adversarial Network)、変分オートエンコーダ(Variational Auto-encoder)、自己組織化写像(Self-Organizing Feature Map)、スパイキングニューラルネットワーク(Spiking Neural Network:SNN)など、多様なアルゴリズム、形態、構造を持つことができ、これらを任意に組み合わせることで所望の入出力関係を持つ学習済みモデルを生成することができる。
図中、座席部60は、ディスプレイ装置4が配置された例えばシアター施設等の視聴のための室内(以下、単に「室内」と表記)において、複数の座席6が上方から見て二次元に配列された領域(複数の視聴者5が視聴を行うことが想定される領域)を意味する。なお、シアター施設においては、座席6は、図31に示されるように傾斜して配置されてもよいし、コンサートホールのオーケストラピットやアリーナ席のように同一平面上に配置されてもよい。図示のようにディスプレイ装置4の前側には音反射体3が配置され、音反射体3と座席部60との間にはスピーカ群20が配置されている。スピーカ群20は、本例では複数の平面波スピーカ21B(角度調整部21bを有する)で成る。以下、スピーカ群20における平面波スピーカ21Bの数を「N」と表記する。
この場合の室内には、複数のマイク(マイクロフォン)Mがそれぞれ所定位置に配置されている。具体的に本例において、マイクMは座席部60の周囲に配置されている。以下、マイクMの数をM個と表記する。
また、この場合の室内(又は室外)には、カメラCが配置されている。カメラCは、ディスプレイ装置4側から座席部60の方向を撮像する。
・各マイクMからの入力を音響信号処理回路52で音響処理した結果(音響特性データなど)の集合。
・音響生成回路53が生成する音源の音響特性データ。これは、各座席6で聞こえるべき理想的な音響と換言できる。
・図中、各スピーカの角度情報Iiとして示す、スピーカ群20における各スピーカの角度(初期角度:キャリブレーション前の角度)の集合。
・カメラCからの撮像画像。なお、カメラCからの撮像画像の入力はオプションでもよい。
・各マイクMからの入力を音響信号処理回路52で音響処理した結果(音響特性データなど)の集合。
・音響生成回路53が生成する音源の音響特性データ(各座席6で聞こえるべき理想的な音響)。
・スピーカの角度情報Iiとしての、スピーカ群20における各スピーカの角度(初期角度:キャリブレーション前の角度)の集合。
・図中に各スピーカの角度情報Iaとして示す、スピーカ群20における各スピーカの角度(調整後角度:キャリブレーション後の角度)の集合。
先ず、音響生成回路53により、理想的な音響をスピーカから発生する(ステップS101)。次いで、DNN54に現在の入力を行い、初期角度としての各スピーカの角度を出力として損失関数55に入力する(ステップS102)。
この図34を参照して分かるように、キャリブレーション時には、学習済みのDNN54に対し学習前と同じ入力を行い、DNN54からの出力に基づいてスピーカ角度制御回路51がスピーカ群20における各スピーカの角度を調整する。
実施形態としては上記で例示した具体例に限定されるものではなく、多様な変形例が考えられる。
例えば、上記では、視聴者5による視聴対象コンテンツがディスプレイ装置4を介して表示される例を挙げたが、視聴者5による視聴対象コンテンツは、例えば演劇等の実演コンテンツとすることもできる。この場合、音反射体3としては、例えば演劇が行われる舞台と視聴者5との間に配置する等、実演に係る物体と視聴者5との間に配置すればよい。
このとき、膜状とされた音反射体3については、巻き取り機構により収納可能としたり、蛇腹状に折り畳んで収納可能とすることが考えられる。
上記のように実施形態としての音響再生システム(同1)は、有指向性音を発する発音装置(同2又は2A)と、視聴者と視聴者による視聴対象物との間に位置されて発音装置が発した有指向性音を反射する音反射面(同31又は31A)を有した音反射体(同3又は3A)と、を備えるものである。
従って、有指向性音の発音方向を変化させることができない場合であっても音像定位サービスエリアを任意の位置に設定可能な音響再生システムを提供することができる。
これにより、音反射面から視聴者側に反射される音に関して、減衰の抑制が図られる。
従って、音像の定位感向上を図ることができる。
平面波スピーカとしては、可動コイルにより平面パネルを振動させるダイナミック型ベースの平面波スピーカや、静電型振動板や圧電型振動板を用いた平面波スピーカを用いることが考えられる。
スピーカアレイを用いて音声信号の遅延処理等により擬似的に平面波を生成する場合のように平面波生成のための音声信号処理を行う必要がなくなり、音響再生にあたっての処理負担の軽減を図ることができる。
振動板が底面に対し非並行に配置された構造とすることで、平面波を斜め方向に発することを前提とした場合において、振動板裏側の容積を稼ぎやすくなる。
従って、再生可能帯域を低域側に拡大し易くなる。
これにより、スピーカに対しメカ的な角度調整機構を設けることなく、有指向性音の音反射面への入射角を調整可能となる。
スピーカの角度調整機構が不要となることで、メカ的な耐久性やメンテナンスの負担を考慮する必要がなくなり、音響再生システムの維持コスト削減を図ることができる。
これにより、音反射体を設けたことによる視聴対象物の視認性の悪化の抑制が図られる。
従って、視聴コンテンツに対する没入感の向上を図ることができる。
これにより、視聴者から見て視聴対象物の手前に位置する音反射面において、ペッパーズゴーストの原理を用いて映像を浮かび上がらせることが可能となる。
従って、音反射面における特定位置において、音像の定位と立体的に浮遊して見える映像とを視聴者に知覚させることができる。
これにより、音反射面からの反射音を水平方向から上側に傾斜させることが可能とされる。
従って、視聴者の座席位置が視聴対象物から遠ざかるに従って高くなる座席配列が採られる場合に音像定位サービスエリアの拡大化を図り易くなる。
これにより、有指向性音を発する位置に対し横方向位置が異なる視聴者に対して、音源の位置を該有指向性音の反射位置近傍に知覚させることが可能となる。
従って、音像定位サービスエリアの横方向への拡大を図り易くなる。また、音像定位サービスエリアの横方向への拡大のために用いるべきスピーカ数の削減を図ることができる。
これにより、音反射体を膜状とする場合のように音反射体にテンションをかけずとも音反射面を形成することが可能とされる。
従って、音反射面を容易に形成することができる。
天井からの吊り下げ式による支持方式は、大型で重量のあるパネルの支持方式として好適である。
従って、大型のディスプレイ装置の前面側を全体的にカバーしたい場合等、音反射体の面積を大きくする場合に好適である。
これにより、天井側、床側それぞれから発せられた有指向性音の反射音を視聴者の手前で上下方向に交差させることが可能とされる。
従って、音源からの自然な音の広がりを再現することができる。
これにより、音反射体の傾斜角度を調整することによる有指向性音の入射角度及び反射角度の調整が可能となる。
従って、発音装置側で有指向性音の発音方向を調整せずとも、音像定位サービスエリアの調整を行うことができる。
また、反射体傾斜角調整部を備えることで、音響再生システムの非使用時には、例えば音反射体の傾斜角度を略0度とする等して、視聴者側への迫り出しのない、いわば収納状態を実現することもできる。
これにより、発音方向の調整による有指向性音の音反射面に対する入射角度及び反射角度の調整が可能となる。
従って、音像定位サービスエリアの調整を行うことができる。
これにより、有指向性音の発音方向を調整するにあたり発音方向調整のための音声信号処理を行う必要がなくなる。
従って、音響再生にあたっての処理負担の軽減を図ることができる。
これにより、有指向性音の発音方向の調整にあたり機構的な駆動音が生じない。
従って、音像定位サービスエリアの調整を行う際の静音性を高めることができる。
ディスプレイ装置により視聴対象のコンテンツを表示する場合、スクリーン投影による表示を行う場合のように表示面(スクリーン)の裏側にスピーカを配置することによる音像定位手法を採ることができず、表示面の左右にスピーカを配置することが考えられるが、その場合には、ディスプレイ装置の大型化を招いてしまう。
視聴対象物が自発光型ディスプレイ装置の表示部とされる場合に音反射体に有指向性音を反射させることによる音像定位手法を適用することで、ディスプレイ装置の大型化の防止を図ることができる。また、本来はスピーカが配置されるべきスペースを表示画面の拡大化に充てることができるようになり、スペースの有効活用や、デザイン性の向上に貢献できる。
視聴コンテンツを上映する施設としてはシアター施設を挙げることができるが、シアター施設では、視聴対象物が配置される部分と視聴者の座席が配置される座席部分との間に或る程度の空間がとられているのが通常である。
上記のようなスピーカ配置は、このように視聴対象物と座席部分との間に空間がとられるシアター施設に好適となる。
従って、有指向性音の発音方向を変化させることができない場合であっても音像定位サービスエリアを任意の位置に設定可能な音響再生システムを提供することができる。
従って、視聴者が知覚する音像の明確性を高めることが可能となり、視聴対象コンテンツに対する没入感向上を図ることができる。
なお本技術は以下のような構成を採ることもできる。
(1)
有指向性音を発する発音装置と、
視聴者と前記視聴者による視聴対象物との間に位置されて前記発音装置が発した前記有指向性音を反射する音反射面を有した音反射体と、を備える
音響再生システム。
(2)
前記発音装置は平面波による音を発する
前記(1)に記載の音響再生システム。
(3)
前記発音装置は、発音部が平面波スピーカで構成された
前記(2)に記載の音響再生システム。
(4)
前記平面波スピーカは、振動板が底面に対し非平行に配置されている
前記(3)に記載の音響再生システム。
(5)
前記発音装置は、発音部として複数のスピーカで成るスピーカアレイを有し、前記スピーカアレイにおける前記スピーカが出力対象とする音声信号に対し所定の音声信号処理を施すことで前記スピーカアレイより前記有指向性音を発する
前記(1)又は(2)に記載の音響再生システム。
(6)
前記音反射体は光透過性を有する
前記(1)から(5)の何れかに記載の音響再生システム。
(7)
前記音反射面がハーフミラーとされた
前記(6)に記載の音響再生システム。
(8)
前記音反射体は前記視聴者側に傾斜され、
前記発音装置は、前記有指向性音を床側から前記音反射面に対して発する
前記(1)から(7)の何れかに記載の音響再生システム。
(9)
前記発音装置は、前記音反射面に対し横方向の入射角度を有するように前記有指向性音を発する
前記(1)から(8)の何れかに記載の音響再生システム。
(10)
前記音反射体は板状に形成された
前記(1)から(9)の何れかに記載の音響再生システム。
(11)
前記音反射体が天井側から吊り下げられた
前記(10)に記載の音響再生システム。
(12)
前記音反射面として互いに傾斜方向が異なる二つの音反射面を有し、
前記発音装置は、一方の前記音反射面には天井側から、他方の前記音反射面には床側からそれぞれ前記有指向性音を発する
前記(1)から(11)の何れかに記載の音響再生システム。
(13)
前記音反射体の傾斜角度を調整する反射体傾斜角調整部を備えた
前記(1)から(12)の何れかに記載の音響再生システム。
(14)
前記有指向性音の発音方向を調整する方向調整部を備えた
前記(1)から(13)の何れかに記載の音響再生システム。
(15)
前記発音装置は、発音部が有指向性スピーカで構成され、
前記方向調整部は、前記有指向性スピーカの角度調整により前記有指向性音の発音方向を調整する
前記(14)に記載の音響再生システム。
(16)
前記発音装置は、発音部として複数のスピーカで成るスピーカアレイを有し、前記スピーカアレイにおける前記スピーカが出力対象とする音声信号に対し所定の音声信号処理を施すことで前記スピーカアレイより前記有指向性音を発し、
前記方向調整部は、前記音声信号処理により前記有指向性音の発音方向を調整する
前記(14)に記載の音響再生システム。
(17)
前記視聴対象物が自発光型ディスプレイ装置の表示部とされた
前記(1)から(16)の何れかに記載の音響再生システム。
(18)
前記発音装置の発音部を構成するスピーカが前記音反射体と前記視聴者との間の床近傍に配置された
前記(1)から(17)の何れかに記載の音響再生システム。
(19)
映像を表示する自発光型の表示部と、
前記表示部における映像の表示面よりも前側に配置されて音を反射する音反射面を有した音反射体と、を備える
ディスプレイ装置。
(20)
有指向性音を発する発音装置と、視聴者と前記視聴者による視聴対象物との間に位置されて前記発音装置が発した前記有指向性音を反射する音反射面を有した音反射体と、前記有指向性音の前記音反射面への入射角度を制御する制御部と、を備えた音響再生システムのキャリブレーション方法であって、
前記入射角度の変化に対する、前記音反射面で反射された前記有指向性音の収音信号の変化を学習し、該学習の結果に基づいて前記入射角度の調整を行う
キャリブレーション方法。
2,2A 発音装置
21,21A,21B 平面波スピーカ
21a 振動板
21b 角度調整部
21c 軸部
22 サブウーファ
23 HPF(ハイパスフィルタ)
24 LPF(ローパスフィルタ)
28 スピーカアレイ
28a 点音源スピーカ
29 音声信号処理部
3、3A 音反射体
31、31A 音反射面
3a フレーム部
4,4A,4B ディスプレイ装置
41 表示面
4a 本体部
4b 角度調整部
4c 軸部
5 視聴者
6 座席
7 映像再生システム
7a 映像補正処理部
8 音響遮蔽体
9 支持部材
Pt 位置
CL 天井
FL 床
Cv 覆い
AL 音像定位サービスエリア
Claims (18)
- 有指向性音を発する発音装置と、
視聴者と前記視聴者による視聴対象物との間に位置されて前記発音装置が発した前記有指向性音を反射する音反射面を有した音反射体と、を備え、
前記音反射体は、前記音反射面として互いに傾斜方向が異なる二つの音反射面を有し、
前記発音装置は、一方の前記音反射面には天井側から、他方の前記音反射面には床側からそれぞれ前記有指向性音を発する
音響再生システム。 - 前記発音装置は平面波による音を発する
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記発音装置は、発音部が平面波スピーカで構成された
請求項2に記載の音響再生システム。 - 前記平面波スピーカは、振動板が底面に対し非平行に配置されている
請求項3に記載の音響再生システム。 - 前記発音装置は、発音部として複数のスピーカで成るスピーカアレイを有し、前記スピーカアレイにおける前記スピーカが出力対象とする音声信号に対し所定の音声信号処理を施すことで前記スピーカアレイより前記有指向性音を発する
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記音反射体は光透過性を有する
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記音反射面がハーフミラーとされた
請求項6に記載の音響再生システム。 - 前記音反射体は、前記音反射面として、前記視聴者側に傾斜された前傾音反射面を有し、
前記発音装置は、前記有指向性音を床側から前記前傾音反射面に対して発する
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記発音装置は、前記音反射面に対し横方向の入射角度を有するように前記有指向性音を発する
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記音反射体は板状に形成された
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記音反射体が天井側から吊り下げられた
請求項10に記載の音響再生システム。 - 前記音反射体の傾斜角度を調整する反射体傾斜角調整部を備えた
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記有指向性音の発音方向を調整する方向調整部を備えた
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記発音装置は、発音部が有指向性スピーカで構成され、
前記方向調整部は、前記有指向性スピーカの角度調整により前記有指向性音の発音方向を調整する
請求項13に記載の音響再生システム。 - 前記発音装置は、発音部として複数のスピーカで成るスピーカアレイを有し、前記スピーカアレイにおける前記スピーカが出力対象とする音声信号に対し所定の音声信号処理を施すことで前記スピーカアレイより前記有指向性音を発し、
前記方向調整部は、前記音声信号処理により前記有指向性音の発音方向を調整する
請求項13に記載の音響再生システム。 - 前記視聴対象物が自発光型ディスプレイ装置の表示部とされた
請求項1に記載の音響再生システム。 - 前記発音装置の発音部を構成するスピーカが前記音反射体と前記視聴者との間の床近傍に配置された
請求項1に記載の音響再生システム。 - 映像を表示する自発光型の表示部と、
前記表示部における映像の表示面よりも前側に配置されて音を反射する音反射面を有した音反射体と、を備え、
前記音反射体は、前記音反射面として互いに傾斜方向が異なる二つの音反射面を有する
ディスプレイ装置。
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