JP7632476B2 - 固体電池 - Google Patents
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Description
正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に配置された固体電解質層と、
を備える固体電池であって、
前記正極層は正極活物質およびガーネット型結晶構造を有する酸化物を含み、
前記酸化物における前記正極活物質との界面近傍部のLi濃度が、前記酸化物の粒子内部のLi濃度に比べて低い、固体電池
に関する。
本発明は固体電池を提供する。本明細書でいう「固体電池」とは、広義にはその構成要素(特に電解質層)が固体から構成されている電池を指し、狭義にはその構成要素(特に全ての構成要素)が固体から構成されている「全固体電池」を指す。本明細書でいう「固体電池」は、充電および放電の繰り返しが可能な、いわゆる「二次電池」、および放電のみが可能な「一次電池」を包含する。「固体電池」は好ましくは「二次電池」である。「二次電池」は、その名称に過度に拘泥されるものではなく、例えば、「蓄電デバイス」などの電気化学デバイスも包含し得る。
本発明の固体電池において正極層は正極活物質およびガーネット型結晶構造を有する酸化物(本明細書中、ガーネット型酸化物ということがある)を含む。正極層は、正極活物質粒子およびガーネット型酸化物粒子を含む焼結体の形態を有していてもよい。正極層はイオン(特にリチウムイオン)を吸蔵放出可能な層となっていることが好ましい。
粒径は、粒子が完全な球形であると仮定したときの球形粒子の直径とする。このような粒径は、例えば、固体電池の断面を切り出し、SEMを用いて断面SEM画像撮影後、画像解析ソフト(例えば、「A像くん」(旭化成エンジニアリング社製))を用いて粒子の断面積Sを算出後、以下の式によって粒子直径Rを求めることができる。
例えば図1に示すように、正極活物質粒子1は隣接するガーネット型酸化物粒子2との間で、空隙を有しながら、より少ない接触面積で相互に接触して配置されていてもよい。このときガーネット型酸化物粒子同士もまた、図1に示すように、それらの間で、空隙を有しながら、より少ない接触面積で相互に接触して配置されていてもよい。図1は、本発明に係る固体電池の正極層における正極活物質とガーネット型酸化物との関係の一実施態様を示す模式的断面図を示す。
また例えば図2に示すように、熱処理(例えば焼結)が進んで、正極活物質粒子1は隣接するガーネット型酸化物粒子2との間で、より少ない空隙を有しながら、より大きな接触面積で相互に接触して配置されていてもよい。このときガーネット型酸化物粒子同士もまた、図2に示すように、それらの間で、より少ない空隙を有しながら、より大きな接触面積で相互に接触して配置されていてもよい。図2は、本発明に係る固体電池の正極層における正極活物質とガーネット型酸化物との関係の別の一実施態様を示す模式的断面図を示す。
また例えば図3に示すように、熱処理(例えば焼結)がより進んで、正極活物質粒子1は隣接するガーネット型酸化物(またはその粒子)2との間で、空隙を有することなく、より一層大きな接触面積で相互に接触して配置されていてもよい。このときガーネット型酸化物粒子同士もまた、図3に示すように、それらの間で、空隙を有することなく、より一層大きな接触面積で相互に接触して配置されていてもよい。図3は、本発明に係る固体電池の正極層における正極活物質とガーネット型酸化物との関係のまた別の一実施態様を示す模式的断面図を示す。
また例えば、正極活物質粒子1は、隣接するガーネット型酸化物(またはその粒子)2との間で、図1~図3に示す形態を複合的に有しながら、接触して配置されていてもよい。
BIは、酸素と8配位をとることが可能な第1族~第3族に属する元素のうち、3価の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種以上の元素である。BIは、詳しくは、La(ランタン)、Y(イットリウム)、Pr(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Pm(プロメチウム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho(ホルミニウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)およびLu(ルテチウム)からなる群(以下、「群bI」ということがある)から選択される1種以上の元素である。BIは、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはLa(ランタン)を含む。BIはLa(ランタン)を単独で含んでもよい。
BIIは、酸素と8配位をとることが可能な第1族~第3族に属する元素のうち、3価以外の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種以上の元素である。BIIは、詳しくは、2価のBIIとしてのCa(カルシウム),Sr(ストロンチウム)およびBa(バリウム)、ならびに4価のBIIとしてのCe(セリウム)からなる群(以下、「群bII」ということがある)から選択される1種以上の元素である。
DIは、酸素と6配位をとることが可能な遷移元素および第12族~第15族に属する典型元素のうち、4価の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種類以上の元素である。DIは、詳しくは、Zr(ジルコニウム),Ti(チタン),Hf(ハフニウム,Ge(ゲルマニウム)およびSn(スズ)からなる群(以下、「群dI」ということがある)から選択される1種以上の元素である。DIは、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはZr(ジルコニウム)を含む。DIはZr(ジルコニウム)を単独で含んでもよい。
DIIは、酸素と6配位をとることが可能な遷移元素および第12族~第15族に属する典型元素のうち、4価以外の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種以上の元素である。DIIは、詳しくは、3価のDIIとしてのSc(スカンジウム),5価のDIIとしてのTa(タンタル),Nb(ニオブ)、Sb(アンチモン)およびBi(ビスマス),ならびに6価のDIIとしてのMo(モリブデン),W(タングステン)およびTe(テルル)からなる群(以下、「群dII」ということがある)から選択される1種以上の元素である。DIIは、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはBi(ビスマス)およびTa(タンタル)からなる群から選択される1種以上の元素であり、より好ましくはBi(ビスマス)を含む。DIIがBiを含むことで、正極活物質との界面における焼結性が向上するため、正極活物質との接触面積を向上させやすく、さらに利用率を向上させることができる。
界面近傍部23:
Aは、前記群aから選択される1種以上の元素である;
BIは、前記群bIから選択される1種以上の元素であり、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはLa(ランタン)を含み、特にLa(ランタン)のみを含んでもよい;
BIIは、前記群bIIから選択される1種以上の元素である;
DIは、前記群dIから選択される1種以上の元素であり、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはZr(ジルコニウム)を含み、特にZr(ジルコニウム)のみを含んでもよい;
DIIは、前記群dIIから選択される1種以上の元素であり、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはBi(ビスマス)およびTa(タンタル)からなる群から選択される1種以上の元素であり、より好ましくはBi(ビスマス)を含み、特にBi(ビスマス)のみを含んでもよい;
Aは、前記群aから選択される1種以上の元素であり、特に、本実施態様における界面近傍部のAと同様の元素であってもよい;
BIは、前記群bIから選択される1種以上の元素であり、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはLa(ランタン)を含み、特にLa(ランタン)のみを含んでもよい;BIは、特に、本実施態様における界面近傍部のBIと同様の元素であってもよい;
BIIは、前記群bIIから選択される1種以上の元素であり、特に、本実施態様における界面近傍部のBIIと同様の元素であってもよい;
DIは、前記群dIから選択される1種以上の元素であり、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはZr(ジルコニウム)を含み、特にZr(ジルコニウム)のみを含んでもよい;DIは、特に、本実施態様における界面近傍部のDIと同様の元素であってもよい;
DIIは、前記群dIIから選択される1種以上の元素であり、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度の低下のさらなる抑制の観点から、好ましくはBi(ビスマス)およびTa(タンタル)からなる群(以下、「群dII’」ということがある)から選択される1種以上の元素を含み、より好ましくは上記群dII’から選択される1種以上の元素であり、さらに好ましくBi(ビスマス)を含み、特にBi(ビスマス)およびTa(タンタル)のみを含んでもよい。
p=ax-(3-b)y+(d-4)z (i)
で表される。
bはBIIの平均価数である。BIIの平均価数は、BIIとして、例えば、価数r+の元素Xがn1個、価数s+の元素Yがn2個、および価数t+の元素Zがn3個で認められる場合、上記したAの平均価数と同様の式で表される値のことである。
dは、DIIの平均価数である;DIIの平均価数は、DIIとして、例えば、価数r+の元素Xがn1個、価数s+の元素Yがn2個、および価数t+の元素Zがn3個で認められる場合、上記したAの平均価数と同様の式で表される値のことである。
αは、5.0≦α≦8.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは5.5≦α≦7.5を満たし、より好ましくは5.5≦α≦7.0、さらに好ましくは6.0≦α≦6.8、特に好ましくは6.2≦α≦6.8、最も好ましくは6.2≦α≦6.6を満たす。
βは、2.5≦β≦3.5を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは2.6≦β≦3.4を満たし、より好ましくは2.7≦β≦3.3、さらに好ましくは2.8≦β≦3.2、特に好ましくは2.9≦β≦3.1を満たし、最も好ましくは3.0である。
γは、1.5≦γ≦2.5を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは1.6≦γ≦2.4を満たし、より好ましくは1.7≦γ≦2.3、さらに好ましくは1.8≦γ≦2.2、特に好ましくは1.9≦γ≦2.1を満たし、最も好ましくは2.0である。
ωは、11≦ω≦13を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは11≦ω≦12.5、より好ましくは11.5≦ω≦12.5を満たし、さらに好ましくは「12-δ」である。δは酸素欠損量を示し、0であってもよい。δは通常、0≦δ<1を満たしていればよい。酸素欠損量δは、最新の装置を用いても定量分析できないため、0であるものと考えられてもよい。
xは、0≦x≦1.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは0≦x≦0.8、より好ましくは0≦x≦0.6、さらに好ましくは0≦x≦0.4を満たし、特に好ましくは0≦x≦0.2を満たし、最も好ましくは0である。
yは、βよりも小さい値であり、通常は0≦y≦1.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは0≦y≦0.8、より好ましくは0≦y≦0.6、さらに好ましくは0≦y≦0.4を満たし、特に好ましくは0≦y≦0.2を満たし、最も好ましくは0である。
zは、γ以下の値であり、通常は0.4≦z≦2.2を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは0.5≦y≦2.1、より好ましくは0.7≦z≦2.1、さらに好ましくは0.9≦z≦2.1を満たし、特に好ましくは1.5≦z≦2.1を満たし、最も好ましくは1.8≦z≦2.0を満たす。界面近傍部におけるz(以下、z1ということがある)は通常、後述する粒子内部におけるz(以下、z2ということがある)よりも大きい値である。z1およびz2は通常、0.1≦z1-z2≦2.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、0.3≦z1-z2≦1.5、より好ましくは1.0≦z1-z2≦1.5を満たす。
αは、5.0≦α≦8.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは5.5≦α≦7.5を満たし、より好ましくは5.5≦α≦7.0、さらに好ましくは6.0≦α≦6.8、特に好ましくは6.2≦α≦6.8、最も好ましくは6.2≦α≦6.6を満たす。
βは、2.5≦β≦3.5を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは2.6≦β≦3.4を満たし、より好ましくは2.7≦β≦3.3、さらに好ましくは2.8≦β≦3.2、特に好ましくは2.9≦β≦3.1を満たし、最も好ましくは3.0である。
γは、1.5≦γ≦2.5を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは1.6≦γ≦2.4を満たし、より好ましくは1.7≦γ≦2.3、さらに好ましくは1.8≦γ≦2.2、特に好ましくは1.9≦γ≦2.1を満たし、最も好ましくは2.0である。
ωは、11≦ω≦13を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは11≦ω≦12.5、より好ましくは11.5≦ω≦12.5を満たし、さらに好ましくは「12-δ」である。δは酸素欠損量を示し、0であってもよい。δは通常、0≦δ<1を満たしていればよい。酸素欠損量δは、最新の装置を用いても定量分析できないため、0であるものと考えられてもよい。
xは、0≦x≦1.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは0≦x≦0.8、より好ましくは0≦x≦0.6、さらに好ましくは0≦x≦0.4を満たし、特に好ましくは0≦x≦0.2を満たし、最も好ましくは0である。
yは、βよりも小さい値であり、通常は0≦y≦1.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは0≦y≦0.8、より好ましくは0≦y≦0.6、さらに好ましくは0≦y≦0.4を満たし、特に好ましくは0≦y≦0.2を満たし、最も好ましくは0である。
zは、γ以下の値であり、通常は0.1≦z≦1.0を満たし、焼成時における副反応およびガーネット型酸化物のイオン伝導度低下のさらなる抑制の観点から、好ましくは0.2≦y≦0.9、より好ましくは0.3≦z≦0.9、さらに好ましくは0.4≦z≦0.8を満たし、特に好ましくは0.5≦z≦0.7を満たし、最も好ましくは0.55≦z≦0.65を満たす。
0.1≦p1-p2。
実施態様e2:
0.1≦p1-p2≦2.0。
実施態様e3:
0.25≦p1-p2≦1.8。
実施態様e4:
0.25≦p1-p2≦1.5。
実施態様e5:
0.5≦p1-p2≦1.5。
実施態様e6:
0.65≦p1-p2≦1.5。
実施態様e7:
0.7≦p1-p2≦1.5。
実施態様e8:
1.0≦p1-p2≦1.5。
実施態様f1:
0.4<p1≦2.0。
実施態様f2:
0.5≦p1≦2.0。
実施態様f3:
0.7≦p1≦2.0。
実施態様f4:
1.2≦p1≦2.0。
実施態様f5:
1.5≦p1≦2.0。
実施態様f6:
1.7≦p1≦2.0。
実施態様f7:
1.8≦p1≦2.0。
実施態様g1:
0.1≦p2≦1.5。
実施態様g2:
0.1≦p2≦1.2。
実施態様g3:
0.1≦p2≦1.0。
実施態様g4:
0.3≦p2≦1.0。
実施態様g5:
0.3≦p2≦0.7。
実施態様g6:
0.5≦p2≦0.7。
実施態様g7:
0.55≦p2≦0.7。
式(II)中のzは、界面近傍部については式(I)における条件Kのzと同様であり、粒子内部については式(I)における条件Nのzと同様である。
式(II)中のωは、界面近傍部については式(I)における条件Kのωと同様であり、粒子内部については式(I)における条件Nのωと同様である。
式(II)中のpはp=(d-4)zで表される。
本発明の固体電池において負極層は特に限定されない。負極層は通常、負極活物質を含む。負極層はイオン(特にリチウムイオン)を吸蔵放出可能な層となっていることが好ましい。
負極層における導電助剤としては、正極層における導電助剤と同様の化合物が使用可能である。
本発明の固体電池において固体電解質層は固体電解質を含む。
Bは、VおよびPからなる群から選択される1種類以上の元素である。
Dは、Zn,Al,Ga,Si,Ge,Sn,As,Ti,Mo,W,Fe,Cr,およびCoからなる群から選択される1種類以上の元素である。
xは、0≦x≦1.0、特に0≦x≦0.2を満たす。
yは、0≦y≦1.0、特に0.20≦y≦0.50を満たす。
aはAの平均価数である。Aの平均価数は、Aとして、例えば、価数a+の元素Xがn1個、価数b+の元素Yがn2個、および価数c+の元素Zがn3個で認められる場合、(n1×a+n2×b+n3×c)/(n1+n2+n3)で表される値のことである。
cはDの平均価数である。Dの平均価数は、Dとして、例えば、価数a+の元素Xがn1個、価数b+の元素Yがn2個、および価数c+の元素Zがn3個で認められる場合、上記したAの平均価数と同様の値のことである。
固体電解質層における焼結助剤としては、正極層における焼結助剤と同様の化合物が使用可能である。
固体電池は、例えば、いわゆるグリーンシート法、印刷法またはこれらの方法を組み合わせた方法によって、製造することができる。
まず、正極活物質に対して、コア-シェル構造ガーネット型酸化物、溶剤、バインダ等を適宜混合することにより、ペーストを調製する。そのペーストをシートの上に塗布し、乾燥させることにより正極層を構成するための第1のグリーンシートを形成する。第1のグリーンシートに、他のいわゆる固体電解質、導電助剤および/または焼結助剤等を含ませてもよい。
その後、積層体を、例えば600~800℃で焼結することにより固体電池を得ることができる。
印刷法は、以下の事項以外、グリーンシート法と同様である。
・溶剤および樹脂の配合量がインクとしての使用に適した配合量とすること以外、グリーンシートを得るための各層のペーストの組成と同様の組成を有する各層のインクを調製する。
・各層のインクを用いて印刷および積層し、積層体を作製する。
[コア-シェル構造ガーネット型酸化物の製造]
(コア粒子の製造)
コア粒子として、ガーネット型酸化物粉末を以下の通り製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、水酸化ランタンLa(OH)3、酸化ジルコニウムZrO2、酸化タンタルTa2O5、酸化ビスマスBi2O3を用いた。
各原料を、表1に示す化学組成となるように秤量し、水を添加し、100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、原料を混合した。また、Li源である水酸化リチウム一水和物LiOH・H2Oは焼結時のLi欠損を考慮し、狙い組成に対し、3wt%過剰で仕込んだ。
得られたスラリーを蒸発および乾燥させた後、900℃で5時間仮焼することで目的相を得た。
得られた仮焼粉にトルエン-アセトンの混合溶媒を添加し、遊星ボールミルにて6時間粉砕した。
この粉砕粉を乾燥し、ガーネット型酸化物粉末とした。上記粉末のXRD測定からガーネット型酸化物単体が得られていることを確認した。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。この時のコア粒子の平均粒径は150nmであった。
各実施例では、材料の一次粒径は変化させず、原料のモル比および焼成時間によって、構造・組成を制御した。
コア粒子にシェル層としてのガーネット型酸化物を被覆した粉体を以下の通り製造した。
原料には、硝酸リチウムLiNO3、硝酸ランタン六水和物La(NO3)3・6H2O、硝酸ビスマス五水和物Bi(NO3)3・5H2O、ジルコニウム(IV)イソプロポキシドZr(OC3H7)4、タンタル(V)エトキシドTa(OC2H5)5、アセト酢酸エチルを用いた。
各原料を、表1に示す化学組成となるように秤量した。なおアセト酢酸エチルは各アルコキシドに対して4倍のモル量になるように秤量した。
まず、各アルコキシドとアセト酢酸エチルをガラス容器中に入れ、30分間スターラーピースを用いて攪拌した(溶液Aとする)。次に、各硝酸塩と2-メトキシエタノールをガラス容器に入れ、硝酸塩を溶解させた(溶液Bとする)。溶液Bに溶液Aを少しずつ滴下することで、均一な溶液Cを作製した。所定のコア粒子を溶液Cに混合後、スターラーピースを用いて5時間混合し、その後、100℃で溶媒を蒸発させた。得られた乾燥粉を700℃、5時間熱処理することで、コア粒子上にシェル層を有したコア-シェル構造ガーネット型酸化物粉末を得た。
また、溶液Cのみを乾燥後、700℃、5時間熱処理することでシェル層粉末を得た。上記シェル層粉末のXRD測定からガーネット型酸化物単体が得られていることを確認した。さらに、上記粉末はICP測定によって、シェル層に組成ずれがないことを確認した。シェル層の厚みは20~50nmであった。
各実施例では、材料の一次粒径は変化させず、原料のモル比および焼成時間によって、構造・組成を制御した。
正極活物質は次のように製造した。
原料には水酸化リチウム一水和物Li2CO3、酸化コバルトCo3O4、酸化マンガンMnO2、酸化ニッケルNiOをLi(Co0.8Ni0.1Mn0.1)O2の化学組成となるように秤量し、水を添加し、100mlのポリエチレン製ポリポットに封入してポット架上で150rpm、16時間回転し、原料を混合した。その後、800℃で5時間仮焼することで目的相を得た。仮焼後の正極活物質粒子の平均粒径は5μmであった。上記粉末のXRD測定から、層状岩塩型構造(ICDD card No. 01-070-2685)の単相が得られていることを確認した。上記粉末はICP測定によって、組成ずれがないことを確認した。
水酸化リチウム一水和物LiOH・H2O、酸化ホウ素B2O3を用いた。各出発原料を焼結助剤の化学組成がLi4B2O5となるように適宜秤量し、乳鉢にてよく混合した後、650℃で5時間仮焼を行った。
まず、コア-シェル構造ガーネット型酸化物、正極活物質粉末および焼結助剤粉末を体積比でそれぞれ49:50:1となるように秤量し、アルコールおよびバインダーと混練することで、正極層スラリーを作製し、そのスラリーをシートの上に塗布し、乾燥させることにより正極層を構成するための第1のグリーンシートを形成した。
また、第1のグリーンシートに含まれるコア-シェル構造ガーネット型酸化物と同様のコア-シェル構造ガーネット型酸化物、アルコールおよびバインダーと混練することで、固体電解質層スラリーを作製し、乾燥させることにより固体電解質層を構成するための第2のグリーンシートを形成した。
第1、第2のグリーンシートを適宜積層することにより積層体を作製した。作製した積層体を静水圧プレス法により加圧し、適宜カットすることで、正極層/固体電解質層の積層体を得た。400℃でバインダを除去した後、800℃にて60分間、100MPaの圧力下で加圧焼結することで、正極層/固体電解質層の共焼成体を製造した。焼結後の正極層の厚みは15μm、固体電解質層の厚みは200μm程度であった。
その後、固体電解質層の正極層とは反対側の表面に対極兼参照極として金属Liを貼り付け、2032型のコインセルで封止して、固体電池を得た。
作製した正極ハーフセルを定電流充放電試験によって、25℃、0.05Cに相当する電流密度で上限電圧4.2V(vs.Li/Li+)に到達するまで充電した。その後、25℃、0.05Cに相当する電流密度で下限電圧3.0V(vs.Li/Li+)に到達するまで放電した。定電流充放電試験から得られた初回放電時の電気量を、正極活物質重量で除算することで、初回放電容量を算出した。初回放電容量を用いた活物質の作動電位における理論容量(150mAh/g)で除算することで、初回利用率を算出し、以下の基準に従って判定した。
◎◎:85%≦初回利用率(最優);
◎:70%≦初回利用率<85%(優);
○;65%≦初回利用率<70%(良);
△;60%≦初回利用率<65%(可)(実用上問題なし);
×;初回利用率<60%(不可)(実用上問題あり)。
作製した正極ハーフセルを定電流充放電試験によって、25℃、0.05Cに相当する電流密度で上限電圧4.2V(vs.Li/Li+)に到達するまで充電した。その後、25℃、1Cに相当する電流密度で下限電圧1.5V(vs.Li/Li+)に到達するまで放電した。定電流充放電試験から得られた1C放電時の電気量を正極活物質重量で除算することで、1C放電時の放電容量を算出した。初回放電容量を用いた活物質の作動電位における理論容量で除算(150mAh/g)することで、1C放電時の利用率を算出し、以下の基準に従って判定した。
◎◎:70%≦1C放電時の利用率(最優);
◎:60%≦1C放電時の利用率<70%(優);
○;56%≦1C放電時の利用率<60%(良);
△;50%≦1C放電時の利用率<56%(可)(実用上問題なし);
×;1C放電時の利用率<50%(不可)(実用上問題あり)。
全ての判定結果(評価1および2の判定結果)に基づいて、総合的に判定した。
◎◎:全ての判定結果が◎◎であった。
◎:全ての判定結果うち、最も低い判定結果が◎であった。
○:全ての判定結果うち、最も低い判定結果が○であった。
△:全ての判定結果うち、最も低い判定結果が△であった。
×:全ての判定結果うち、最も低い判定結果が×であった。
コア-シェル構造ガーネット型酸化物の代わりに、以下の方法で製造された非コア-シェル構造ガーネット型酸化物を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、正極ハーフセルを製造し、評価を行った。なお、正極ハーフセルの固体電解質層に用いる固体電解質の化学組成はLi6.5La3(Zr1.5Ta0.4Bi0.1)O12とした。
各原料を、表1に示す化学組成となるように秤量したこと以外、実施例1のコア粒子の製造方法と同様の方法により、非コア-シェル構造ガーネット型酸化物を製造した。
非コア-シェル構造ガーネット型酸化物の平均粒径は150nmであった。
各比較例では、材料の一次粒径は変化させず、原料のモル比および焼成時間によって、構造・組成を制御した。
ガーネット型結晶構造は、X線回折(XRD測定)より、ガーネット型類似の結晶構造に帰属できるX線回折像が得られることにより、確認した(ICDD Card No.00-045-0109)。
層状岩塩型結晶構造は、X線回折(XRD測定)より、層状岩塩型結晶構造に帰属できるX線回折像が得られることにより、確認した(ICDD Card No.01-070-2685)。
TEM-EDX(エネルギー分散型X線分光法)を用いて、EDXによる組成分析を行うことで測定した。
正極ハーフセルの正極層をFIB加工によって任意の2つの方向で切り出し、それらの断面(TEM断面視)の各々において任意の5個の正極活物質粒子に着目した(合計10個の正極活物質粒子)。次いで、各正極活物質粒子1について、隣接するガーネット型酸化物2の界面近傍部23における任意の10箇所でTEM-EDX点分析によって、Li以外の元素のモル比率を得た。得られた構成元素のモル比から、式(I)を用いて、界面近傍部23の平均p1値を求めた。さらに、各正極活物質粒子1について、隣接するガーネット型酸化物2の粒子内部22における任意の10箇所でTEM-EDX点分析により化学組成を求め、粒子内部22の平均p2値を求めた。表2記載の化学組成は、EDXから得られた元素比率をBI+BII=3(β=3)、α=7として各構成元素の絶対値を算出した。酸素に関しては定量できないため、全体の電荷保障を考慮し、計算値として算出した。
比較例1のガーネット型酸化物はイオン伝導度が高いものの、正極活物質が共焼成によって変性するため、1C放電時の容量維持率も低くなると考えられる。
・前記DIIはBiを含む;
・前記p1および前記p2は以下の関係式を満たす:
0.5≦p1≦2.0;および
0.3≦p2≦1.0。
・前記DIIはBiを含む;
・前記p1および前記p2は以下の関係式を満たす:
0.25≦p1-p2≦1.8
0.7≦p1≦2.0;および
0.3≦p2≦0.7。
2:ガーネット型酸化物
21:ガーネット型酸化物粒子の周縁領域
22:ガーネット型酸化物粒子の内部領域(粒子内部)
23:ガーネット型酸化物における正極活物質との界面近傍部(斜線領域)
R:ガーネット型酸化物における正極活物質との界面
Claims (10)
- 正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に配置された固体電解質層と、
を備え、
前記正極層は正極活物質およびガーネット型結晶構造を有する酸化物を含み、
前記酸化物における前記正極活物質との界面近傍部および前記酸化物の粒子内部は下記一般式(I):
[式(I)中、Aは、前記ガーネット型結晶構造を有する酸化物のLiサイトに固溶可能な1種以上の元素であって、Mg(マグネシウム),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),Sc(スカンジウム)およびFe(鉄)からなる群から選択される1種以上の元素である;
BIは、酸素と8配位をとることが可能な第1族~第3族に属する元素のうち、3価の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種以上の元素であって、La(ランタン)を含む;
BIIは、酸素と8配位をとることが可能な第1族~第3族に属する元素のうち、3価以外の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種以上の元素であって、Ca(カルシウム),Sr(ストロンチウム),Ba(バリウム)およびCe(セリウム)からなる群から選択される1種以上の元素である;
DIは、酸素と6配位をとることが可能な遷移元素および第12族~第15族に属する典型元素のうち、4価の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種類以上の元素であってZr(ジルコニウム)を含む;
DIIは、酸素と6配位をとることが可能な遷移元素および第12族~第15族に属する典型元素のうち、4価以外の価数をとることができる元素からなる群から選択される1種以上の元素であって、Bi(ビスマス)およびTa(タンタル)からなる群から選択される1種以上の元素を含む;
α、β、γ、ω、x、yおよびzは、以下の通りである;
(界面近傍部)
αは、5.0≦α≦8.0を満たす;
βは、2.5≦β≦3.5を満たす;
γは、1.5≦γ≦2.5を満たす;
ωは、11≦ω≦13を満たす;
xは、0≦x≦1.0を満たす;
yは、0≦y≦1.0を満たす;
zは、0.4≦z≦2.2を満たす:
(粒子内部)
αは、5.0≦α≦8.0を満たす;
βは、2.5≦β≦3.5を満たす;
γは、1.5≦γ≦2.5を満たす;
ωは、11≦ω≦13を満たす;
xは、0≦x≦1.0を満たす;
yは、0≦y≦1.0を満たす;
zは、0.1≦z≦1.0を満たす]
で表される化学組成を有し、
前記一般式(I)において、pを下記計算式:
p=ax-(3-b)y+(d-4)z
[式中、aはAの平均価数である;bはBIIの平均価数である;dは、DIIの平均価数である]
で表した場合、
前記界面近傍部のp(以下、「p1」という)が前記粒子内部のp(以下、「p2」という)に比べて大きく、
前記p1は以下の関係式を満たす、固体電池:
0.4<p1≦2.0。 - 前記p1および前記p2は以下の関係式を満たす、請求項1に記載の固体電池:
0.1≦p1-p2。 - 前記p1および前記p2は以下の関係式を満たす、請求項1または2に記載の固体電池:
0.1≦p2≦1.5。 - 前記DIIはBiを含む、請求項1~3のいずれかに記載の固体電池。
- 前記DIIはBiを含み、
前記p1および前記p2は以下の関係式を満たす、請求項1~4のいずれかに記載の固体電池:
0.5≦p1≦2.0;および
0.3≦p2≦1.0。 - 前記DIIはBiを含み、
前記p1および前記p2は以下の関係式を満たす、請求項1~5のいずれかに記載の固体電池:
0.25≦p1-p2≦1.8
0.7≦p1≦2.0;および
0.3≦p2≦0.7。 - 前記式(I)中、前記界面近傍部および前記粒子内部において、xおよびyは0である、請求項1~6のいずれかに記載の固体電池。
- 前記正極活物質は層状岩塩型構造を有する、請求項1~7のいずれかに記載の固体電池。
- 前記正極層および前記負極層はリチウムイオンを吸蔵放出可能な層となっている、請求項1~8のいずれかに記載の固体電池。
- 前記固体電解質層は前記正極層および前記負極層と相互に焼結体同士の一体焼結をなしている、請求項1~9のいずれかに記載の固体電池。
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