JP7633512B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)のような発光素子を用いる発光装置として、青色に発光する発光素子と、発光素子からの光に励起されて、発光する蛍光体を用いて混色光を発光する発光装置が知られている。このような発光装置は、例えば一般照明、車載照明、ディスプレイ、液晶用バックライト等の幅広い分野で使用されている。
このような発光装置について、近年、ヒトへの影響が考慮された発光装置が注目されてきている。例えば、ヒトが光を認識する場合、ヒトの眼の視感度は、暗所と明所とでは変わることが知られている。明るい環境下である明所視(Photopic Vision)では、ヒトの眼の光受容細胞(視細胞)である錐体細胞の働きにより色の知覚が可能である。暗い環境下である暗所視(Scotopic Vision)では、錐体細胞が機能しないため多くの色は知覚できないが、桿体細胞の働きによって視感度が向上する。
明所で活発に働く錐体細胞による視感度のピーク波長は555nmであり、暗所で活発に働く桿体細胞による視感度のピーク波長は507nmであり、暗所と明所では視感度のピークが異なることが知られている。このような現象は、明所では長波長側の色が鮮やかに見え、暗所では短波長側の色が鮮やかに見えるプルキニェ現象(Purkinje Phenomenon)として知られている。
例えば、特許文献1には、プルキニェ現象を利用した照明装置として、暗所と明所の中間の明るさの薄明視環境下において、運転手は歩道側の視認性が高く、歩行者は視認性が高く、車道側と歩道側とで色斑を感じにくい、白色光を発する道路灯が提案されている。特許文献1には、明所視に対する暗所視の比率であるS/P比が高いほど、薄明視環境下における視認性が高い光であるとされている。
特開2017-220312号公報
しかしながら、S/P比が高すぎると、ヒトの眼では、明所視で暗く感じられ、暗所視で明るく感じられる場合がある。また、発光装置には、携帯機器の充電等の特定の状態を想起させることが可能となる発光色を発することが求められる場合もあり、そのような発光装置の発光がヒトに与える影響も考慮する必要がある。
本発明の一態様は、暗所視でも明所視でも明るく、特定の状態等のイメージを想起させることが可能となる発光色を発する、ヒトへの影響も考慮された発光装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置され、下記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
(Lu1-p-nLnpCen)3(Al1-mGam)5kO12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素であり、k、m、n、pは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0.05≦m≦0.70、0.002≦n≦0.050、0≦p≦0.30を満たす。)
475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、
明所視における光束に対する暗所視における光束の比率である下記式(1)から導き出されるS/P比が6.5以下である、発光装置である。
(式(1)中、定数Kは、6831(lm/W)であり、定数K’は1700(lm/W)であり、波長λnmが360nm以上830nm以下の範囲内において、V(λ)は、ヒトの明所視標準分光視感効率であり、V’(λ)は、ヒトの暗所視標準分光視感効率であり、Φe(λ)は、発光装置から発せられる光の分光全放射束である。)
本発明の他の態様は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置され、下記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
(Lu1-p-nLnpCen)3(Al1-mGam)5kO12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素であり、k、m、n、pは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0.05≦m≦0.70、0.002≦n≦0.050、0≦p≦0.30を満たす。)
475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、
下記式(2)から導き出されるメラノピック比が3.4以下である、発光装置である。
(式(2)中、波長が380nm以上730nm以下の範囲内において、「Lamp×Circadian」は、発光装置の分光分布に含まれるサーカディアン応答であり、「Lamp×Visual」は、発光装置の分光分布に含まれる視感度応答であり、「Lamp」は発光装置の分光分布であり、「Circadian」は、哺乳類の網膜にある光受容体である内因性光感受性網膜神経節細胞の感度曲線であり、「Visual」は、ヒトの明所視における視感度曲線であり、「1.218」は、定数(lux factor)である。)
本発明の態様によれば、暗所視でも明所視でも明るく、例えば充電時等の特定の状態等のイメージを想起させる発光色を発する、ヒトへの影響も考慮された発光装置を提供することができる。
図1は、明所視標準分光視感効率V(λ)と暗所視標準分光視感効率V’(λ)を示す図である。 図2は、哺乳類の網膜にある光受容体である内因性光感受性網膜神経節細胞の感度曲線(Circadian)と、ヒトの明所視における視感度曲線(Visual)を示す図である。 図3は、CIE1931色度図のxy色度座標系における領域A1を示す図である。 図4は、CIE1931色度図のxy色度座標系における領域A2を示す図である。 図5は、CIE1931色度図のxy色度座標系における領域A3を示す図である。 図6Aは、第1構成例の発光装置の概略平面図である。 図6Bは、第1構成例の発光装置の概略断面図である。 図7は、第2構成例の発光装置の概略断面図である。 図8は、第3構成例の発光装置の概略断面図である。
以下、本発明に係る発光装置を実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具現化するための例示であって、本発明は、以下の発光装置に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係は、JIS Z8110に従う。また、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分が該当する物質が複数存在する場合は、特に断りのない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
発光装置
一態様の発光装置は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置され、後述する式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換部材と、を備えた発光装置であり、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、暗所視における光束に対する明所視における光束の比率である後述する式(1)から導き出されるS/P比が6.5以下である。
発光素子の主波長とは、CIE(国際照明委員会:Commission international de l’eclairage)が規定したCIE1931色度図における白色光の色度座標(x=0.3333、y=0.3333)と、発光素子の発光色の色度座標(xE、yE)を直線で結び、その延長線とスペクトル軌跡が交わる点の波長をいう。スペクトル軌跡は、色度図上で単色(純粋)光の色度点を結んで得られる曲線をいう。発光装置の主波長とは、CIE1931色度図における白色光の色度座標(x=0.3333、y=0.3333)と、発光装置の発光色の色度座標(x、y)を直線で結び、その延長線とスペクトル軌跡が交わる点の波長をいう。
発光装置は、青色から青緑色の波長範囲に主波長を有する発光素子と、緑色の波長範囲に発光ピーク波長を有する蛍光体とを含み、青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発する。明所視における光束に対する暗所視における光束の比率であるS/P比が高いほど、ヒトの視認性が高くなることが知られている。図1は、明所視標準分光視感効率V(λ)と暗所視標準分光視感効率V’(λ)を示す図である。明所視標準分光視感効率V(λ)と暗所視標準分光視感効率V’(λ)は、CIEで規定されている。図1に示すように、明所視標準分光視感効率V(λ)におけるピーク波長は555nmであり、暗所視標準分光視感効率V’(λ)のピーク波長は507nmであり、暗所と明所では視感度のピークが異なる。明所と暗所ではヒトの眼の視感度のピーク波長が異なるため、ヒトの眼には、プルキニェ現象によって、明所では長波長側の色が鮮やかに見え、暗所では短波長側の色が鮮やかに見えることが知られている。紫から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発する発光装置は、視認性を高めるためにS/P比を高くすると、暗所で視認された場合に、短波長側の色が鮮やかになりすぎて、明るすぎるように感じられる場合がある。本発明の実施形態に係る発光装置は、青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発する場合においても、S/P比が6.5以下であり、暗所における光束と明所における光束の差を低減し、暗所視でも明所視でも明るく見え、優れた視認性を維持することができると考えられる。
暗所における光束と明所における光束の比率であるS/P比は、下記式(1)から導き出すことができる。
式(1)中、定数Kは、6831(lm/W)であり、定数K’は1700(lm/W)であり、波長λnmが360nm以上830nm以下の範囲内において、V(λ)は、ヒトの明所視標準分光視感効率であり、V’(λ)は、ヒトの暗所視標準分光視感効率であり、Φe(λ)は、発光装置から発せられる光の分光全放射束である。
発光装置から発せられる光の明所視における光束に対する暗所視における光束の比率であるS/P比は、6.5以下であり、好ましくは6.0以下であり、好ましくは2.0以上であり、より好ましくは3.0以上である。発光装置から発せられる光のS/P比が6.5以下であり、暗所視における光束と明所視における光束の差を低減することによって、青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発する発光装置においても、暗所視でも明所視でも明るく見える優れた視認性を維持しながら、暗所視においても明所視においてもヒトが感じる明るさの差を低減した光を発することができると考えられる。発光装置又は発光素子から発せられる光の主波長、光束、後述するCIE1931色度図のxy色度座標系における色度座標(x、y)、発光装置から発せられる光の分光全放射束は、分光測光装置(例えばPMA-11、浜松ホトニクス株式会社製)及び積分球を組み合わせた光計測システム用いて測定することができる。
他の態様の発光装置は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子と、前記発光素子の光の出射側に配置され、後述する式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換部材と、を備えた発光装置であり、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、下記式(2)から導き出されるメラノピック比が3.4以下である。
式(2)中、波長が380nm以上730nm以下の範囲内において、「Lamp×Circadian」は、発光装置の分光分布に含まれるサーカディアン応答であり、「Lamp×Visual」は、発光装置の分光分布に含まれる視感度応答であり、「Lamp」は発光装置の分光分布であり、「Circadian」は、哺乳類の網膜にある光受容体である内因性光感受性網膜神経節細胞(intrinsically photosensitive Retinal Ganglion Cell:ipRGC)の感度曲線であり、「Visual」は、ヒトの明所視における視感度曲線であり、「1.218」は、定数(lux factor)である。発光装置の分光分布(発光スペクトル)は、分光測光装置(例えばPMA-11、浜松ホトニクス株式会社製)及び積分球を組み合わせた光計測システム用いて測定することができる。「Visual」は、CIEで規定されたヒトの明所視標準分光視感効率V(λ)を用いることができる(Visual=V(λ))。
ヒトの網膜の光受容細胞(視細胞)には、錐体細胞及び桿体の他に、視物質であるメラノプシンを含む内因性光感受性網膜神経細胞(ipRGC)の存在が発見されている。このipRGCは、単体でも光刺激に神経応答を示し、錐体や桿体からも入力を受けて、光刺激に対して神経応答を示し、ヒトの概日リズム(Circadian Rhythm)に影響を及ぼしている。図2は、ipRGCの感度曲線(サーカディアン(Circadian)作用曲線)と、ヒトの明所視の視感度(Visual)曲線を示す図である。ヒトの明所視の視感度曲線におけるピーク波長は555nmであり、ipRGCから出力されるメラノプシンは、480nmから500nm付近にその感度のピーク波長を有する。メラノプシンは、睡眠促進ホルモンであるメラトニンの分泌及び抑制にも関与している。さらにipRGCが有するメラノプシンの出力は、視覚情報を伝達している外側膝状体から視覚野への撮像系経路にも投射され、イメージの知覚等の視覚系にも影響を与えている可能性がある。例えばメラノピック比は、発光装置の分光分布と、ipRGCの感度曲線(吸光度)と、ヒトの明所視における視感度曲線から導き出される数値である。メラノピック比が高い値を示すほど、ヒトの概日リズムに強く刺激が与えられる。発光装置から発せられる光のメラノピック比が3.4以下であれば、ヒトの概日リズムに大きく影響を与えることなく、例えば充電時等の機器の特定の状態を表す信号色として、特定のイメージを想起させることができると考えられる。
発光装置から発せられる光のメラノピック比は、3.3以下であってもよく、3.2以下であってもよく、1.4以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。発光装置から発せられる光のメラノピック比が1.4以上3.4以下の範囲内であれば、ヒトの概日リズムに大きく影響を与えることなく、例えば充電時等の特定の状態を表す信号色を発する光として、特定のイメージを想起させることができると考えられる。
発光装置は、CIE1931色度図のxy色度座標系において、色度座標(x、y)が、(x=0.0082、y=0.5384)を第一点とし、(x=0.1096、y=0.0868)を第二点とし、(x=0.210、y=0.190)を第三点とし、(x=0.260、y=0.380)を第四点とし、前記第一点と前記第二点を結ぶ第一直線と、前記第二点と前記第三点を結ぶ第二直線と、前記第三点と前記第四点を結ぶ第三直線と、前記第四点と前記第一点を結ぶ第四直線とで画定された領域A1内の光を発することが好ましい。図3は、CIE1931色度図のxy色度座標系における領域A1を示す。発光装置は、図3における第一点及び第二点、第二点及び第三点、第三点及び第四点、第四点及び第一点を結ぶ直線で囲われた領域A1内の光を発することが好ましい。発光装置は、図3における領域A1内の光を発し、領域A1内の光は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有し、青緑色を含む青色から緑色の発光色を呈する。
発光装置は、CIE1931色度図のxy色度座標系において、色度座標(x、y)が、(x=0.0350、y=0.4127)を第一点とし、(x=0.0800、y=0.2149)を第二点とし、(x=0.2150、y=0.2106)を第三点とし、(x=0.2550、y=0.3550)を第四点とし、前記第一点と前記第二点を結ぶ第一直線と、前記第二点と前記第三点を結ぶ第二直線と、前記第三点と前記第四点を結ぶ第三直線と、前記第四点と前記第一点を結ぶ第四直線とで画定された領域A2内の光を発することが好ましい。図4は、CIE1931色度図のxy色度座標系における領域A2を示す。発光装置は、図4における第一点及び第二点、第二点及び第三点、第三点及び第四点、第四点及び第一点を結ぶ直線で囲われた領域A2内の光を発することが好ましい。発光装置は、図4における領域A2内の光を発し、領域A2内の光は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有し、青色から青緑色の発光色を呈する。
発光装置は、CIE1931色度図のxy色度座標系において、色度座標(x、y)が、(x=0.1825、y=0.3252)を第一点とし、(x=0.1550、y=0.2149)を第二点とし、(x=0.1930、y=0.2106)を第三点とし、(x=0.2205、y=0.3209)を第四点とし、前記第一点と前記第二点を結ぶ第一直線と、前記第二点と前記第三点を結ぶ第二直線と、前記第三点と前記第四点を結ぶ第三直線と、前記第四点と前記第一点を結ぶ第四直線とで画定された領域A3内の光を発することがより好ましい。図5は、CIE1931色度図のxy色度座標系における領域A3を示す。発光装置は、図5における第一点及び第二点、第二点及び第三点、第三点及び第四点、第四点及び第一点を結ぶ直線で囲われた領域A3内の光を発することが好ましい。発光装置は、図5における領域A3内の光を発し、領域A3内の光は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有し、青色から青緑色の発光色を呈する。
発光装置の発光スペクトルにおいて、380nm以上780nm以下の波長範囲内の積分値Iaに対する380nm以上531nm以下の波長範囲内の積分値Ibの積分値の比率Ib/Iaが、好ましくは0.6以上0.95以下の範囲内であり、より好ましくは0.65以上0.94以下の範囲内であり、さらに好ましくは0.70以上0.93以下の範囲内であり、特に好ましくは0.75以上0.92以下の範囲内である。発光装置の発光スペクトルにおいて、前記積分値の比率Ib/Iaが0.6以上0.95以下の範囲内であると、青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光が発光装置から発せられ、暗所視でも明所視でも明るく見える優れた視認性を維持しながら、暗所視においても明所視においてもヒトが感じる明るさの差を低減した光を発することができると考えられる。発光装置の発光スペクトル、測定した発光スペクトルにおける380nm以上780nm以下の波長範囲内の積分値Ia、380nm以上531nm以下の波長範囲内の積分値Ibは、分光測光装置(例えばPMA-11、浜松ホトニクス株式会社製)及び積分球を組み合わせた光計測システムを用いて測定することができる。測定した積分値Ia及び積分値Ibから積分値の比率Ib/Iaを求めることができる。
発光素子
発光素子は、例えば、組成式がInXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で表される窒化物系半導体を用いた半導体発光素子である、発光ダイオード(LED)チップ又はレーザダイオード(LD:Laser Diode)チップを用いることができ、LEDチップを用いることが好ましい。
発光素子は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する。発光素子から発せられる光の主波長は、420nm以上495nm以下の範囲内であることが好ましく、430nm以上490nm以下の範囲内であることがより好ましい。
発光素子は、好ましくは380nm以上500nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、より好ましくは390nm以上495nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、さらに好ましくは400nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有し、特に好ましくは420nm以上490nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。
発光素子は、p電極及びn電極が設けられている。発光素子のp電極及びn電極は、発光素子の同じ側の面に形成されていてもよく、異なる側の面に設けられていてもよい。発光素子は、フリップチップ実装されていてもよい。
希土類アルミン酸塩蛍光体
発光装置に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体は、下記式(I)で表される組成を有する。
(Lu1-p-nLnpCen)3(Al1-mGam)5kO12 (I)
(式(I)中、Lnは、Y、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素であり、k、m、n、pは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0.05≦m≦0.70、0.002≦n≦0.050、0≦p≦0.30を満たす。)
式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子の光により励起され、発光素子から発せられた光を波長変換して、発光装置から475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発する。
前記式(I)において、Ceのモル比は変数nと3の積である。変数nは、0.002以上であり、0.003以上であってもよく、0.004以上であってよく、0.005以上であってもよく、0.050以下であり、0.045以下であってもよく、0.040以下であってもよく、0.035以下であってもよく、0.030以下であってもよい。Ceは、希土類アルミン酸塩蛍光体の賦活剤として作用する。前記式(I)において、変数nは、0.002以上0.045以下の範囲内(0.002≦n≦0.045)であってもよく、0.002以上0.040以下の範囲内(0.002≦n≦0.040)であってもよく、0.003以上0.040以下の範囲内(0.003≦n≦0.040)であってもよく、0.003以上0.035以下の範囲内(0.003≦n≦0.035)であってもよい。前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体1モル中のCeのモル比は、0.006以上0.15以下の範囲内であることが好ましい。Ceのモル比が0.006以上0.15以下の範囲内であると、発光輝度が高く、所望の発光色を得ることができる。
前記式(I)において、Gaのモル比は変数mと0.95以上1.05以下の範囲内の変数kと5の積である。変数mは、0.05以上0.70以下の範囲内(0.05≦m≦0.70)であり、0.10以上0.70以下の範囲内(0.10≦m≦0.70)であってもよく、0.10以上0.60以下の範囲内(0.10≦m≦0.60)であってもよい。変数mは、0.20以上であってもよく、0.30以上であってもよく、0.55以下であってもよく、0.50以下であってもよい。前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体1モル中のGaのモル比は、0.2375以上3.15以下の範囲内であることが好ましい。前記式(I)において、Alとともに、変数kと変数mと5の積で表されるGaのモル比において、変数mが0.05以上0.70以下の範囲内となるように調整することによって、蛍光体の発光ピーク波長を変化させることができ、発光装置に用いた場合に、所望の発光色を得ることができる。
前記式(I)において、Lnは、Y、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素である。希土類元素Lnは、賦活剤であるCeとともに、共賦活剤として作用する。Lnは、Y、La及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素であってもよく、Lnは、Yであってもよい。前記式(I)において、Y、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素Lnのモル比は変数pと3の積である。前記式(I)において、希土類元素Lnは含まれていなくてもよい。前記式(I)において、変数pは、0以上0.20以下の範囲内(0≦p≦0.20)であってもよい。前記式(I)において、変数pは、0.001以上0.20以下の範囲内(0.001≦p≦0.20)であってもよい。
前記式(I)中、m、n、pは、それぞれ0.10≦m≦0.70、0.002≦n≦0.040、0≦p≦0.20を満たすことが好ましい。賦活剤として作用するCeのモル比と、Gaのモル比、必要に応じて希土類元素Lnのモル比を調整することにより、発光装置に用いた場合に、所望の発光色を得ることができる。
希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法
希土類アルミン酸塩蛍光体は、Lu、Ce、Al、Ga、及び必要に応じてY、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素Lnの各元素を含む酸化物、又は熱分解により酸化物となる炭酸塩若しくは水酸化物の各化合物を原料とし、各元素を含む各化合物の原料混合物を熱処理して製造することができる。熱処理前の原料のみを混合した原料混合物を第一原料混合物という場合がある。また、希土類アルミン酸塩蛍光体を構成する各元素を全部又は一部を含む共沈物を用いて製造することもできる。例えば、Lu、Ce、Al、Ga、及び必要に応じて希土類元素Lnからなる群から選択される少なくとも1種を含む水溶液に、アルカリ又は炭酸塩等の水溶液を加えると、前記元素を含む共沈物が得られる。この共沈物を乾燥、熱処理して希土類アルミン酸塩蛍光体を製造することもできる。フラックスを用いて希土類アルミン酸塩蛍光体を製造してもよく、フラックスとしては、希土類アルミン酸塩蛍光体を構成する元素を含むフッ化物であることが好ましい。フラックスとしては、BaF2、AlF3及びCeF3から群から選択される少なくとも1種が挙げられる。フラックスは、原料混合物(又は第一原料混合物)100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲内で用いることが好ましく、0.5質量部以上8.0質量部以下の範囲内で用いてもよい。原料混合物(又は第一原料混合物)とフラックスとを混合した混合物を、第一混合物という場合がある。
熱処理温度は、1000℃以上1800℃以下の範囲内であることが好ましく、1100℃以上1750℃以下の範囲内でもよく、1200℃以上1700℃以下の範囲内でもよく、1300℃以上1650℃以下の範囲内でもよく、1400℃以上1600℃以下の範囲内でもよく。熱処理は、例えば、電気炉、ガス炉等を使用することができる。
熱処理雰囲気は、還元性雰囲気であることが好ましい。熱処理は、窒素、水素、還元性のある化合物、及びアンモニアの少なくとも1種を含む還元性雰囲気で行うことができる。還元力の高い雰囲気中において、原料混合物は反応性がよくなり、加圧することなく大気圧下で焼成して焼成物を得ることができる、また、還元力の高い雰囲気中で原料混合物を熱処理することによって、4価のCe(Ce4+)が3価のCe(Ce3+)に還元されて、焼成物中で発光に寄与する3価のCeが占める割合が増大した焼成物を得ることができる。
熱処理時間は、昇温速度、熱処理雰囲気等によって異なり、熱処理温度に達してから、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは3時間以上であり、好ましくは20時間以内、より好ましくは18時間以内、さらに好ましくは15時間以内である。
希土類アルミン酸塩蛍光体の製造方法において、原料混合物を熱処理して得られた焼成物を第一焼成物とし、第一焼成物、Luを含む化合物、Ceを含む化合物、Alを含む化合物、Gaを含む化合物、及び必要に応じて希土類元素Lnを含む化合物を混合し、第二熱処理して得られた第二焼成物を希土類アルミン酸塩蛍光体として得てもよい。第一焼成物を含まない、Luを含む化合物、Ceを含む化合物、Alを含む化合物、Gaを含む化合物、及び必要に応じて希土類元素Lnを含む化合物を混合した混合物を第一原料混合物といい、第一原料混合物を熱処理することを第一熱処理という場合がある。第一原料混合物にフラックスを混合した混合物を第一混合物ともいう。第一焼成物と混合する、第一焼成物以外のLuを含む化合物、Ceを含む化合物、Alを含む化合物、Gaを含む化合物、及び必要に応じて希土類元素Lnを含む化合物を混合した原料混合物を第二原料混合物ともいう。第二焼成物と第二原料混合物の合計量中の第一焼成物の含有量は10質量%以上90質量%以下の範囲内であることが好ましく、20質量%以上80質量%以下の範囲内であってもよい。第一焼成物と第二原料混合物を混合物中には、フラックスが含まれていてもよい。第一焼成物と、第二原料混合物と、必要に応じてフラックスとを含む混合物を第二混合物ともいう。フラックスを含む場合には、第二原料混合物100質量部に対して0.1質量部以上10質量部以下の範囲内で用いることが好ましく、0.5質量部以上8.0質量部以下の範囲内で用いてもよい。
第一熱処理及び第二熱処理は、前述と同様の熱処理温度、熱処理雰囲気、熱処理時間で行うことができる。第一熱処理後に得られる焼成物を第一焼成物ともいう。第二熱処理後に得られる焼成物を第二焼成物ともいう。
第一焼成物及び第二焼成物に対して、分散処理を行ってもよい、分散処理は、湿式分散、湿式ふるい、脱水、乾燥、乾式ふるい等により行う。湿式分散に用いる溶媒としては、例えば脱イオン水を用いることができる。湿式分散を行なう時間は、用いる固体分散媒や溶媒によって異なるが、好ましくは30分以上、より好ましくは60分以上、さらに好ましくは90分以上、よりさらに好ましくは120分以上であり、好ましくは420分以内である。分散処理により、発光装置の製造工程において、希土類アルミン酸塩蛍光体の分散性をよくすることができる。
分散処理後の第一焼成物又は第二焼成物を、酸性溶液に接触させる酸処理又は塩基性溶液に接触させる塩基処理を行ってもよい。第一焼成物又は第二焼成物を酸性溶液又は塩基性溶液に接触させることで、第一焼成物又は第二焼成物に含まれる熱処理時に分解された分解物を除去することができる。酸性溶液に含まれる酸性物質は、フッ化水素酸、硝酸、塩酸等の無機酸であってもよく、過酸化水素であってもよい。塩基性溶液に含まれる塩基性物質は、アルカリ金属を含む水酸化物又はアンモニアであってもよい。第一焼成物又は第二焼成物を、酸性溶液又は塩基性溶液に接触させる時間は、第一焼成物又は第二焼成物に含まれる熱分解物を除去するために、例えば10分以上30時間以内であり、好ましくは30分以上25時間以内であり、より好ましくは1時間以上25時間以内である。また、酸性溶液又は塩基性溶液と第一焼成物又は第二焼成物を接触させる温度は、第一焼成物又は第二焼成物に含まれる分解物を効率よく除去するために、室温(約20℃)以上300℃以下であることが好ましく、より好ましくは30℃以上200℃以下であり、さらに好ましくは40℃以上150℃以下である。酸処理又は塩基処理後に、第一焼成物又は第二焼成物を液媒体で洗浄する工程を含んでいてもよい。
得られる第一焼成物及び第二焼成物は、前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体である。
発光装置は、前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体の他に、下記式(II)で表される組成を有するハロシリケート蛍光体、下記式(III)で表される組成を有するβサイアロン蛍光体、下記式(IV)で表される組成を有する酸窒化物蛍光体、下記式(V)で表される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、下記式(VI)で表される組成を有するアルカリ土類金属硫化物蛍光体、下記式(VII)で表される組成を有する第1シリケート蛍光体、下記式(VIII)で表される組成を有する第2シリケート蛍光体、下記式(IX)で表される組成を有する第3シリケート蛍光体又はゲルマネート蛍光体、及び下記式(X)で表される組成を有する第4シリケート蛍光体からなる群から選択される少なくとも1種の蛍光体を含むことが好ましい。
(Ca,Sr,Ba)8MgSi4O16(F,Cl,Br)2:Eu (II)
Si6-zAlzOzN8-z:Eu(0<z≦4.2) (III)
BaSi2O2N2:Eu (IV)
Sr4Al14O25:Eu (V)
(Sr,Ca,Ba)Ga2S4:Eu (VI)
(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu (VII)
(Ba,Sr)ZrSi3O9:Eu (VIII)
Ca3Sc2(Si,Ge)3O12:Ce (IX)
(ALi3SiO4)n:Eu(Aは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、nは、1から8の整数である。) (X)
本明細書において、蛍光体の組成を示す組成式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これら複数の元素のうち少なくとも1種の元素を組成中に含むことを意味し、複数の元素から2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、蛍光体の組成を示す式中、コロン(:)の前は母体結晶を構成する元素及びそのモル比を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。コロン(:)の後に記載されている活性元素のモル量は、コロンの前に記載されている元素のモル量と同じモル量である必要はないと理解される。「モル比」は、蛍光体の組成の1モル中の元素のモル量を表す。
前記式(II)で表される組成を有するハロシリケート蛍光体、前記式(III)で表される組成を有するβサイアロン蛍光体、前記式(IV)で表される組成を有する酸窒化物蛍光体、前記式(V)で表される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、前記式(VI)で表される組成を有するアルカリ土類金属硫化物蛍光体、前記式(VII)で表される組成を有する第1シリケート蛍光体、前記式(VIII)で表される組成を有する第2シリケート蛍光体、前記式(IX)で表される組成を有する第3シリケート蛍光体又はゲルマネート蛍光体及び前記式(X)で表される組成を有する第4シリケート蛍光体からなる群から選択される少なくとも1種の蛍光体は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子からの光に励起され、前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体とともに、発光素子からの光を波長変換して、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有し、前記式(1)で表されるS/P比が6.5以下であるか、前記式(2)で表されるメラノピック比が3.4以下である光を発光装置から発するものであればよい。
波長変換部材
波長変換部材は、蛍光体と透光性材料を含む波長変換体を備えることが好ましく、さらにその波長変換体が配置される透光体を備えることがより好ましい。波長変換体は、蛍光体と、後述する透光性材料とを含むことが好ましい。波長変換体は、板状、シート状又は層状に形成されていてもよい。波長変換部材は、板状、シート状又は層状以外の他の形態の波長変換体を備えていてもよい。波長変換部材は、板状の波長変換焼結体を用いることもできる。板状の波長変換焼結体は、例えば、蛍光体と無機酸化物との混合物を原料として、特開2018-172628号公報に開示された方法によって得ることができる。無機酸化物としては、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)を用いることができる。
発光装置において、前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体と、前記希土類アルミン酸塩蛍光体以外の他の蛍光体は、透光性材料とともに、波長変換体を構成することが好ましい。波長変換体は、透光体とともに、波長変換部材を構成してもよい。波長変換体は、透光性材料100質量部に対して、前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を1質量部以上800質量部以下の範囲内で含むことが好ましく、10質量部以上750質量部以下の範囲内で含むことがより好ましく、15質量部以上700質量部以下の範囲内で含むことがさらに好ましい。発光装置は、発光素子の発光によって励起される前記式(I)で表される希土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換体を備えた波長変換部材を備え、発光素子の光の出射側に波長変換部材を配置することによって、発光素子からの光を波長変換体に含まれる前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体で効率よく波長変換することができる。
前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体において、変数nと3の積で表されるCeのモル比が、0.018以上0.150以下の範囲内であり、変数nが0.006≦n≦0.050である場合、波長変換体に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体の含有量は、透光性材料100質量部に対して、前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体が、10質量部以上800質量部以下であってもよく、20質量部以上780質量部以下の範囲内であってもよく、30質量部以上750質量部以下の範囲内であってもよく、40質量部以上700質量部以下の範囲内であってもよい。
前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体であって、それぞれ組成の異なる2種以上の希土類アルミン酸塩蛍光体が波長変換体に含まれていてもよい。組成の異なる2種以上の希土類アルミン酸塩蛍光体であって、各組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体のそれぞれが、式(I)で表される組成において、変数nと3の積で表されるCeのモル比が0.018以上0.150以下の範囲内であり、変数nが0.006≦n≦0.050である場合に、波長変換体に含まれる2種以上の希土類アルミン酸塩蛍光体の合計の含有量は、透光性材料100質量部に対して、10質量以上800質量部以下の範囲内であってもよく、20質量部以上780質量部以下の範囲内であってもよく、30質量部以上750質量部以下の範囲内であってもよく、40質量部以上700質量部以下の範囲内であってもよい。
前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体において、Gaのモル比が、0.5以上3.0以下の範囲内であり、Ceのモル比が、0.015以上0.040以下の範囲内である場合、波長変換体に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体の含有量は、透光性材料100質量部に対して、20質量部以上700質量部以下の範囲内でもよく、40質量部以上650質量部以下の範囲内でもよく、60質量部以上600質量部以下の範囲内でもよく、80質量部以上560質量部以下の範囲内でもよい。前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体において、Gaのモル比が0.5以上3.0以下の範囲内であり、変数kが0.95以上1.05以下の範囲内(0.95≦k≦1.05)である場合、変数mは0.095以上0.631以下の範囲内(0.095≦m≦0.631)である。前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体において、Ceのモル比が0.015以上0.040以下の範囲内である場合、変数nは0.005以上0.013以下の範囲内(0.005≦n≦0.013)である。
前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体において、Gaのモル比が0.5以上2.0以下の範囲内であり、Ceのモル比が、0.018以上0.040以下の範囲内である場合、波長変換体に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体の含有量は、透光性材料100質量部に対して、20質量部以上500質量部以下の範囲内でもよく、30質量部以上400質量部以下の範囲内でもよく、40質量部以上300質量部以下の範囲内でもよい。前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体において、Gaのモル比が0.5以上2.0以下の範囲内であり、変数kが0.95以上1.05以下の範囲内(0.95≦k≦1.05)である場合、変数mは0.095以上0.421以下の範囲内(0.095≦m≦0.421)である。前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体において、Ceのモル比が0.018以上0.040以下の範囲内である場合、変数nは0.006以上0.013以下の範囲内(0.006≦n≦0.013)である。
波長変換体は、式(I)で表される希土類アルミン酸塩蛍光体の他に、前記式(II)で表される組成を有するハロシリケート塩蛍光体、前記式(III)で表される組成を有するβサイアロン蛍光体、前記式(IV)で表される組成を有する酸窒化物蛍光体、前記式(V)で表される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、前記式(VI)で表される組成を有するアルカリ土類金属硫化物蛍光体、前記式(VII)で表される組成を有する第1シリケート蛍光体、前記式(VIII)で表される組成を有する第2シリケート蛍光体、前記式(IX)で表される組成を有する第3シリケート蛍光体又はゲルマネート蛍光体、及び前記式(X)で表される組成を有する第4シリケート蛍光体からなる群から選択される少なくとも1種の蛍光体を含んでいてもよい。波長変換体は、透光性材料100質量部に対して、蛍光体の合計量が1質量部以上900質量部以下の範囲内で含んでいてもよく、10質量部以上850質量部以下の範囲内で含んでいてもよく、15質量部以上800質量部以下の範囲内で含んでいてもよい。
透光性材料
透光性材料は、樹脂、ガラス及び無機物からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。樹脂は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。無機物は、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。波長変換体には、蛍光体と透光性材料の他に、必要に応じてフィラー、着色剤、光拡散材を含んでいてもよい。フィラーとしては、例えば酸化ケイ素、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられる。波長変換体に含まれる蛍光体及び透光性材料以外のその他の成分の含有量は、その他の成分の合計の含有量で、透光性材料100質量部に対して、0.01質量部以上100質量部以下の範囲内とすることができ、0.1質量部以上80質量部以下の範囲内でもよく、0.5質量部以上75質量部以下の範囲内でもよい。
透光体
波長変換部材は、透光体を備えていてもよい。透光体は、ガラスや樹脂のような透光性材料からなる板状体を用いることができる。ガラスは、例えばホウ珪酸ガラスや石英ガラスが挙げられる。樹脂は、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂が挙げられる。透光体の厚さは、製造工程における機械的強度が低下せず、波長変換体を十分に支持することができる厚さであればよい。
発光装置-第1構成例
発光装置の構成例を示す。図6Aは、第1構成例の発光装置100の概略平面図である。図6Bは、図6Aに示す発光装置100のVI-VI’線の概略断面図である。発光装置100は、400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子10と、発光素子10からの光により励起されて発光する少なくとも1種の蛍光体を含む波長変換体31とその波長変換体31が配置された透光体32とを含む波長変換部材30とを備える。発光素子10は、基板70上に導電部材60であるバンプを介してフリップチップ実装されている。波長変換部材30の波長変換体31は、接着層80を介して発光素子10の発光面上に設けられている。発光素子10及び波長変換部材30は、その側面が光を反射する被覆部材90によって覆われている。波長変換体31は、発光素子10からの光により励起されて特定の波長範囲に少なくとも1つの発光ピーク波長を有する蛍光体を含む。波長変換体31には、発光ピーク波長の波長範囲の異なる2種以上の蛍光体が含まれていてもよい。発光素子10は、基板70上に形成された配線及び導電部材60を介して、発光装置100の外部からの電力の供給を受けて、発光装置100を発光させることができる。発光装置100は、発光素子10を過大な電圧の印加による破壊から防ぐための保護素子等の半導体素子50を含んでいてもよい。被覆部材90は、例えば半導体素子50を覆うように設けられる。以下、発光装置に用いる各部材について説明する。なお、詳細は、例えば特開2014-112635号公報の開示を参照することもできる。
基板
基板は、絶縁性材料であって、発光素子からの光や外光を透過し難い材料からなることが好ましい。基板の材料としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂等の樹脂を上げることができる。セラミックスは耐熱性が高いため、基板の材料として好ましい。
接着層
発光素子と波長変換部材の間には、接着層が介在し、発光素子と波長変換部材とを固着する。接着層を構成する接着剤は、発光素子と波長変換部材を光学的に連結できる材料からなることが好ましい。接着層を構成する材料としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。
半導体素子
発光装置に必要に応じて設けられる半導体素子は、例えば発光素子を制御するためのトランジスタや、過大な電圧印加による発光素子の破壊や性能劣化を抑制するための保護素子が挙げられる。保護素子としてはツェナーダイオード(Zener Diode)が挙げられる。
被覆部材
被覆部材の材料としては、絶縁材料を用いることが好ましい。より具体的には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフタルアミド(PPA)樹脂、シリコーン樹脂が挙げられる。被覆部材には、必要に応じて着色剤、蛍光体、フィラーを添加してもよい。
導電部材
導電部材としては、バンプを用いることができ、バンプの材料としては、Auあるいはその合金、他の導電部材として、共晶ハンダ(Au-Sn)、Pb-Sn、鉛フリーハンダ等を用いることができる。
発光装置の製造方法-第1構成例
発光装置の製造方法の一例を説明する。なお、詳細は、例えば特開2014-112635号公報、又は、特開2017-117912号公報の開示を参照することもできる。発光装置の製造方法は、発光素子の配置工程、必要に応じて半導体素子の配置工程、波長変換体を含む波長変換部材の形成工程、発光素子と波長変換部材の接着工程、被覆部材の形成工程を含むことが好ましい。
発光素子の配置工程
発光素子の配置工程において、基板上に発光素子を配置し、実装する。発光素子と半導体素子とは、例えば、基板上にフリップチップ実装される。
波長変換体を含む波長変換部材の形成工程
波長変換体を含む波長変換部材の形成工程において、波長変換体は、透光体の一面に印刷法、接着法、圧縮成形法、電着法により板状、シート状又は層状の波長変換体を形成することによって得てもよい。例えば、印刷法は、蛍光体と、バインダー又は溶剤となる樹脂とを含む波長変換体用組成物を透光体の一面に印刷し、波長変換体を含む波長変換部材を形成することができる。
発光素子と波長変換部材の接着工程
発光素子と波長変換部材の接着工程において、波長変換部材を発光素子の発光面に対向させて、発光素子上に波長変換部材を接着層により接合する。
被覆部材の形成工程
被覆部材の形成工程において、発光面を除く、発光素子、及び波長変換部材の側面が、被覆部材用組成物で覆われ、発光面を除く発光素子及び波長変換部材の側面に被覆部材が形成される。この被覆部材は、発光素子から出射された光を反射させるためのものであり、波長変換部材の発光面を覆うことなく側面を覆い、かつ半導体素子を埋設するように形成される。
以上のようにして、図6A及び図6Bに示す発光装置を製造することができる。
発光装置-第2構成例
図7は、第2構成例の発光装置200の概略断面図である。発光装置200は、発光素子10からの光により励起されて発光する少なくとも1種の蛍光体を含む波長変換体31からなる波長変換部材30を備えること以外は、発光装置100と同じである。図7において、発光装置100と同一の部材には同一の符号を付した。波長変換部材30は、透光体32を備えることなく、波長変換体31からなるものであってもよい。
発光装置の製造方法-第2構成例
第2構成例の発光装置の製造方法は、波長変換部材の形成工程において、波長変換体からなる波長変換部材を形成すること以外は、第1構成例の発光装置の製造方法と同様に製造することができる。波長変換体は、蛍光体と透光性材料を含む波長変換体用組成物を硬化させて予め板状、シート状又は層状に形成し、発光素子上に配置可能な大きさに個片化して、板状、シート状又は層状の波長変換体からなる波長変換部材を準備する。以上のようにして、第2構成例の発光装置を製造することができる。なお、波長変換部材は、上述したように、板状の波長変換焼結体も用いることができる。
発光装置-第3構成例
図8は、第3構成例の発光装置300の概略断面図である。発光装置300は、例えば、成形体41と、発光素子11と、波長変換部材33とを備える。成形体41は、第1リード51及び第2リード52と、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む樹脂部42とが一体的に成形されてなるものである。成形体41は底面と側面を持つ凹部を形成しており、凹部の底面に発光素子11が載置されている。発光素子11は一対の正負の電極を有しており、その一対の正負の電極はそれぞれ第1リード51及び第2リード52とそれぞれワイヤ63を介して電気的に接続されている。発光素子11は波長変換部材33により被覆されている。波長変換部材33は、発光素子11からの光を波長変換する蛍光体21と透光性材料を含む。蛍光体21は、発光素子からの光により励起されて特定の波長範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有し、発光ピーク波長の波長範囲の異なる2種以上の蛍光体が含まれていてもよい。発光素子11の正負一対の電極に接続された第1リード51及び第2リード52は、発光装置300を構成するパッケージの外方に向けて、第1リード51及び第2リード52の一部が露出されている。これらの第1リード51及び第2リード52を介して、外部から電力の供給を受けて発光装置300を発光させることができる。
波長変換部材に用いられる透光性材料は、第1構成例又は第2構成例の波長変換部材に用いた透光性材料と同様の透光性材料を用いることができる。また、波長変換部材は、第1構成例及び第2構成例の波長変換部材と同様に、必要に応じてフィラー、着色剤、光拡散材を含んでいてもよい。
発光装置の製造方法-第3構成例
第3構成例の発光装置の製造方法を説明する。なお、詳細は、例えば特開2010-062272号公報の開示を参照することもできる。発光装置の製造方法は、成形体の準備工程と、発光素子の配置工程と、波長変換部材用組成物の配置工程と、樹脂パッケージ形成工程とを含むことが好ましい。成形体として、複数の凹部を有する集合成形体を用いる場合には、樹脂パッケージ形成工程後に、各単位領域の樹脂パッケージごとに分離する個片化工程を含んでいてもよい。
成形体の準備工程において、複数のリードを熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を用いて一体成形し、側面と底面とを有する凹部を有する成形体を準備する。成形体は、複数の凹部を含む集合基体からなる成形体であってもよい。
発光素子の配置工程において、成形体の凹部の底面に発光素子が配置され、発光素子の正負の電極が第1リード及び第2リードにワイヤにより接続される。
波長変換部材用組成物の配置工程において、成形体の凹部に波長変換部材用組成物が配置される。
樹脂パッケージ成形工程において、成形体の凹部に配置された波長変換部材用組成物を硬化させて、樹脂パッケージが形成され、発光装置が製造される。複数の凹部を含む集合体基体からなる成形体を用いた場合は、樹脂パッケージの形成工程後に、個片化工程において、複数の凹部を有する集合基体の各単位領域の樹脂パッケージごとに分離され、個々の発光装置が製造される。以上のようにして、図8に示す第3構成例の発光装置を製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
希土類アルミン酸塩蛍光体A
原料の準備
酸化ルテチウム(Lu2O3)と、酸化セリウム(CeO2)と、酸化アルミニウム(Al2O3)と、酸化ガリウム(Ga2O3)と、を原料として使用し、各化合物に含まれるLu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製して原料混合物を得た。全体量100質量%に対して、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF2)を7.0質量%添加し、各原料をボールミルで混合して、混合物を得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.987Ce0.012)3(Al0.9Ga0.1)5O12となるように調製した。
熱処理
得られた混合物をアルミナ坩堝に入れ、還元性雰囲気において、1600℃で10時間熱処理して焼成物を得た。
分散処理
得られた焼成物と、分散媒であるアルミナボールと、脱イオン水とを容器に入れ、回転させながら4時間分散させた。その後湿式ふるいにより、粗大粒子を除去した。次いで、沈降分級を行なって微小粒子を除去した。
酸洗浄処理
沈降分級により得られた焼成物を塩酸の濃度が17質量%の塩酸水溶液で酸洗浄し、その後水洗いして、分離乾燥し、酸洗浄処理後の焼成物を希土類アルミン酸塩蛍光体Aとして得た。
希土類アルミン酸塩蛍光体B
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Bを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.987Ce0.013)3(Al0.8Ga0.2)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体C
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Cを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.987Ce0.013)3(Al0.7Ga0.3)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体D
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Dを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.987Ce0.013)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体E
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製した。1500℃で10時間熱処理する以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Eを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.995Ce0.005)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体F
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Eと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Fを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.995Ce0.005)3(Al0.5Ga0.5)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体G
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Eと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Gを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.995Ce0.005)3(Al0.4Ga0.6)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体H
大気雰囲気下、1500℃で10時間熱処理する以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Eと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Hを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.995Ce0.005)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体I
原料の準備(第一混合物)
酸化ルテチウム(Lu2O3)と、酸化セリウム(CeO2)と、酸化アルミニウム(Al2O3)と、酸化ガリウム(Ga2O3)と、を原料として使用し、各化合物に含まれるLu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製した。全体量100質量%に対して、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF2)を7.0質量%添加し、各原料をボールミルで混合して、第一混合物を得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.995Ce0.005)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
第一熱処理
得られた第一混合物をアルミナ坩堝に入れ、還元性雰囲気において、1500℃で10時間熱処理して第一焼成物を得た。
第二混合物
得られた第一焼成物と酸化ルテチウム(Lu2O3)と、酸化セリウム(CeO2)と、酸化アルミニウム(Al2O3)と、酸化ガリウム(Ga2O3)と、を原料として使用し、第一焼成物及び各化合物に含まれるLu、Ce、Al及びGaの各元素が、前記組成を満たすように各化合物からなる原料を調製し、全体量100質量%に対して、フラックスとしてフッ化バリウム(BaF2)を7.0質量%添加した第二原料混合物を得た。第一焼成物と第二原料混合物が質量比で7:3となるようボールミルを用いて混合し、第二混合物を得た。
第二熱処理
得られた第二混合物をアルミナ坩堝に入れ、還元性雰囲気において、1500℃で10時間熱処理して第二焼成物を得た。この第二焼成物を、希土類アルミン酸塩Aと同様にして、分散処理及び酸洗浄処理を行って、希土類アルミン酸塩蛍光体Iを得た。
希土類アルミン酸塩蛍光体J
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Jを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.993Ce0.007)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体K
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Kを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.992Ce0.008)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体L
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Lを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.990Ce0.010)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体M
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Mを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.988Ce0.012)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体N
Lu、Ce、Al及びGaの各元素が、下記の組成を満たすように各化合物からなる原料を調製したこと以外は、希土類アルミン酸塩蛍光体Aと同様にして、希土類アルミン酸塩蛍光体Nを得た。原料は、仕込み組成において、(Lu0.987Ce0.013)3(Al0.6Ga0.4)5O12となるように調製した。
希土類アルミン酸塩蛍光体の評価
得られた希土類アルミン酸塩蛍光体について、以下の評価を行った。評価結果は、表1に示す。表1中のGa(モル比)、Ce(モル比)は、仕込み組成における各元素のモル比である。
発光特性
各蛍光体について、発光特性を測定した。蛍光体の発光特性は、量子効率測定装置(QE-2000、大塚電子株式会社製)を用いて、励起光の波長を420nmの光を各蛍光体に照射し、室温(25℃±5℃)における発光スペクトルを測定した。各蛍光体の発光スペクトルから、各蛍光体について、CIE色度図における色度座標系における色度座標(x、y)と輝度(%)を求めた。
Figure 0007633512000005
実施例1-1から1-3
希土類アルミン酸塩Aを用いて発光装置を製造した。発光装置の製造方法は、特開2010-062272号公報の開示を参照することができる。具体的には、第一リードと、第二リードと、底面と側面とを有する凹部と、を有する成形体を準備した。主波長が455nmである窒化物半導体を用いた発光素子を準備し、凹部の底面に発光素子を配置し、第一リード及び第二リードにワイヤにより接続した。透光性材料としてシリコーン樹脂100質量部に対し、希土類アルミン酸塩蛍光体Aを表2に示す量(実施例1-1:20質量部、実施例1-2:40質量部、実施例1-3:60質量部)含む波長変換体用組成物を準備し、成形体の凹部内に波長変換体用組成物を充填した。150℃で4時間加熱して波長変換体用組成物を硬化させ、発光素子を被覆する波長変換体からなる波長変換部材を形成して樹脂パッケージを形成し、発光装置を製造した。
実施例2-1から2-3
希土類アルミン酸塩蛍光体Bを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Bを表2に示す量(実施例2-1:20質量部、実施例2-2:40質量部、実施例2-3:60質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例3-1から3-3
希土類アルミン酸塩蛍光体Cを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Cを表2に示す量(実施例3-1:40質量部、実施例3-2:60質量部、実施例3-3:80質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例4-1、実施例4-2から4-5
希土類アルミン酸塩蛍光体Dを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Dを表2に示す量(比較例4-1:20質量部、実施例4-2:40質量部、実施例4-3:60質量部、実施例4-4:90質量部、実施例4-5:120質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例1
主波長が454nmである窒化物半導体を用いた発光素子を準備し、蛍光体を用いないこと以外は、実施例1-1と同様にして第一態様の発光装置を製造した。
比較例2
主波長が484nmである窒化物半導体を用いた発光素子を準備し、蛍光体を用いないこと以外は、実施例1-1と同様にして第一態様の発光装置を製造した。
比較例3
主波長が495nmである窒化物半導体を用いた発光素子を準備し、蛍光体を用いないこと以外は、実施例1-1と同様にして第一態様の発光装置を製造した。
各発光素子及び各発光装置について、以下の評価を行った。各発光装置における評価の結果は、表2に記載した。
発光素子の評価(発光素子の主波長)
実施例及び比較例に用いた各発光素子について、分光測光装置(PMA-11、浜松ホトニクス株式会社)と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、CIE1931色度図の色度座標系における色度座標(x、y)を測定し、CIE1931色度図における白色光の色度座標(x=0.3333、y=0.3333)と、各発光素子の発光色の色度座標(xE、yE)を直線で結び、その延長線とスペクトル軌跡が交わる点の波長を主波長として求めた。
発光装置の評価
発光装置の光束、光束比、放射束(分光全放射束)、色度座標(x、y)
各発光装置について、分光測光装置(PMA-11、浜松ホトニクス株式会社)と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、光束、放射束(分光全放射束:mW)、CIE1931色度図の色度座標系における色度座標(x、y)を求めた。
発光装置の主波長λd
各発光装置の主波長は、CIE1931色度図における白色光の色度座標(x=0.3333、y=0.3333)と、各発光装置の発光色の色度座標(x、y)を直線で結び、その延長線とスペクトル軌跡が交わる点の波長を主波長として求めた。
S/P比
各発光装置について、明所視における光束に対する暗所視における光束の比であるS/P比を、上記式(1)に基づき算出した。
発光装置の発光スペクトル
各発光装置について、分光測光装置(PMA-11、浜松ホトニクス株式会社)と積分球を組み合わせた光計測システムを用いて、室温(25℃±5℃)における発光スペクトルを測定した。各発光装置について、各発光装置の発光スペクトルにおいて最大の発光強度を1として相対発光スペクトルを求めた
メラノピック比
各発光装置の分光分布と、ipRGCの感度曲線(吸光度)と、ヒトの明所視における視感度曲線から、上記式(2)に基づき、メラノピック比を算出した。
発光スペクトルの積分値の比率Ib/Ia
各発光装置の相対発光スペクトルにおいて、380nm以上780nm以下の波長範囲内の積分値Iaに対する380nm以上531nm以下の波長範囲内の積分値Ibの積分値の比率Ib/Iaを求めた。
Figure 0007633512000006
各実施例の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、明所視における光束に対する暗所視における光束の比率であるS/P比が6.5以下であった。各実施例の発光装置は、青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発する場合においても、暗所における光束と明所における光束の差を低減し、暗所視でも明所視でも明るく見え、優れた視認性を維持することができると考えられた。
各実施例の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、メラノピック比が3.4以下であった。各実施例の発光装置は、ヒトの概日リズムに大きな影響を与える可能性は低く、例えば充電時等の機器の特定の状態を表す信号色として、特定のイメージを想起させることが可能な青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発することができると考えられた。
各実施例の発光装置から発せられる475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光は、CIE1931色度図のxy色度座標系において、図3に示される領域A1内及び図4に示される領域A2内の発光色を呈した。実施例3-2、実施例4-2、実施例4-3、実施例4-4、実施例4-5の各発光装置は、領域A1及び領域A2の中でも、図5に示される領域A3の青色から青緑色の発光色を呈した。
各実施例の発光装置は、積分値の比率Ib/Iaが0.6以上0.95以下の範囲内であり、暗所視でも明所視でも明るく見える優れた視認性を維持しながら、暗所視においても明所視においてもヒトが感じる明るさの差を低減した光を発することができると考えられた。
比較例1の発光装置は、475nm未満に主波長を有する光を発し、S/P比が6.5を超えており、暗所で視認された場合に、明るすぎるように感じられる場合があることが想定された。また、比較例1の発光装置は、475nm未満に主波長を有する光を発し、メラノピック比が3.4を超えており、ヒトの概日リズムに影響を与える可能性が考えられた。また、比較例1の発光装置は、475nm未満に主波長を有する光を発し、図3に示される領域A1内の発光色を呈していなかった。また、比較例1の発光装置は、積分値の比率Ib/Iaが0.95を超えており、暗所では明るすぎるように感じられる場合があることが想定された。
比較例2の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発したが、S/P比が6.5を超えており、暗所で視認された場合に、明るすぎるように感じられる場合があることが想定された。また、比較例2の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、メラノピック比が3.4を超えており、ヒトの概日リズムに影響を与える可能性が考えられた。また、比較例2の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、図3に示される領域A1内の発光色を呈していたが、図4に示される領域A2内及び図5に示される領域A3内の発光色を呈していなかった。また、比較例2の発光装置は、積分値の比率Ib/Iaが0.95を超えており、暗所では明るすぎるように感じられる場合があることが想定された。
比較例3の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発したが、S/P比が6.5を超えており、暗所で視認された場合に、明るすぎるように感じられる場合があることが想定された。また、比較例3の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、メラノピック比が3.4を超えており、ヒトの概日リズムに影響を与える可能性が考えられた。また、比較例3の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、この光は、図3に示される領域A1内及び図4に示される領域A2内の発光色を呈していたが、図5に示される領域A3内の発光色を呈してなかった。また、比較例3の発光装置は、積分値の比率Ib/Iaが0.95を超えており、暗所では明るすぎるように感じられる場合があることが想定された。
比較例4-1の発光装置は、波長変換部材に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体Dの組成において、Gaのモル比が比較的多く、また、Ceのモル比が比較的多いため、Gaのモル比が少ない蛍光体に対して、希土類アルミン酸塩蛍光体Dの発光ピーク波長が変化し、希土類アルミン酸塩蛍光体Dの含有量が少ないと、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光が発せられなかった。
比較例5-1から5-2、実施例5-3から5-7
希土類アルミン酸塩蛍光体Eを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Eを表3に示す量(比較例5-1:20質量部、比較例5-2:40質量部、実施例5-3:60質量部、実施例5-4:90質量部、実施例5-5:120質量部、実施例5-6:200質量部、実施例5-7:280質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例6-1から6-4、実施例6-5から6-9
希土類アルミン酸塩蛍光体Fを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Fを表3に示す量(比較例6-1:20質量部、比較例6-2:40質量部、比較例6-3:60質量部、比較例6-4:100質量部、実施例6-5:200質量部、実施例6-6:300質量部、実施例6-7:400質量部、実施例6-8:450質量部、実施例6-9:550質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例7-1から7-4、実施例7-5から7-11
希土類アルミン酸塩蛍光体Gを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Gを表3に示す量(比較例7-1:20質量部、比較例7-2:40質量部、比較例7-3:60質量部、比較例7-4:150質量部、実施例7-5:250質量部、実施例7-6:350質量部、実施例7-7:450質量部、実施例7-8:560質量部、実施例7-9:600質量部、実施例7-10:650質量部、実施例7-11:700質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例8-1から8―4、実施例8-5から8-8
希土類アルミン酸塩蛍光体Hを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Hを表3に示す量(比較例8-1:20質量部、比較例8-2:40質量部、比較例8-3:60質量部、比較例8-4:100質量部、実施例8-5:200質量部、実施例8-6:300質量部、実施例8-7:400質量部、実施例8-8:450質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例9-1から9-2、実施例9-3から9-6
希土類アルミン酸塩蛍光体Iを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Iを表3に示す量(比較例9-1:20質量部、比較例9-2:40質量部、実施例9-3:60質量部、実施例9-4:120質量部、実施例9-5:200質量部、実施例9-6:300質量部)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例1-1と同様にして、発光装置を製造した。
各発光装置について、実施例1-1と同様にして、発光装置の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0007633512000007
各実施例の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、明所視における光束に対する暗所視における光束の比率であるS/P比が6.5以下であった。各実施例の発光装置は、青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発する場合においても、暗所における光束と明所における光束の差を低減し、暗所視でも明所視でも明るく見え、優れた視認性を維持することができ、ヒトが感じる明るさの差を低減することができると考えられた。
各実施例の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、メラノピック比が3.4以下であった。各実施例の発光装置は、ヒトの概日リズムに大きく影響を与えることなく、例えば充電時等の機器の特定の状態を表す信号色として、特定のイメージを想起させることが可能な青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発することができると考えられた。
各実施例の発光装置から発せられる475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光は、CIE1931色度図のxy色度座標系において、図3に示される領域A1内及び図4に示される領域A2内の発光色を呈していた。実施例5-5、実施例5-6、実施例6-6から6-9、実施例7-7から7-11、実施例8-5から8-8、実施例9-5の各発光装置は、領域A1及び領域A2の中でも、図5に示される領域A3の青色から青緑色の発光色を呈した。
各実施例の発光装置は、積分値の比率Ib/Iaが0.6以上0.95以下の範囲内であり、暗所視でも明所視でも明るく見える優れた視認性を維持しながら、暗所視においても明所視においてもヒトが感じる明るさの差を低減した光を発することができると考えられた。
比較例5-1から5-2、比較例6-1から6-4、比較例7-1から7-4、比較例8-1から8-3、比較例9-1の各発光装置は、波長変換部材に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体EからIの各組成において、Gaのモル比が比較的多く、Ceのモル比が少ないため、輝度が低く、希土類アルミン酸塩蛍光体EからIの含有量が少ないと、475nm未満に主波長を有する光を発し、S/P比が6.5を超えており、暗所で視認された場合に、明るすぎるように感じられる場合があることが想定された。また、比較例5-1から5-2、比較例6-1から6-4、比較例7-1から7-4、比較例8-1から8-3、比較例9-1の各発光装置は、475nm未満に主波長を有する光を発し、メラノピック比が3.4を超えており、ヒトの概日リズムに影響を与える可能性があった。比較例8-4及び比較例9-2の各発光装置は、波長変換部材に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体H又はIの各組成におけるGaのモル比が比較的多いため、Gaのモル比が少ない蛍光体に対して、希土類アルミン酸塩蛍光体H又はIの発光ピーク波長が変化し、希土類アルミン酸塩蛍光体H又はIの含有量が少ないと、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光が発せられなかった。
実施例10-1、比較例10-2から10-3
図6A及び図6Bに示される態様の発光装置を製造した。
発光素子の配置工程において、基板は、窒化アルミニウムを材料とするセラミックス基板を用いた。発光素子は、主波長が450nmである窒化物系半導体層が積層された発光素子を用いた。発光素子の大きさは、平面形状が約1.0mm四方の略正方形であり、厚さが約0.11mmである。発光素子は、光出射面が基板側になるように配置し、Auからなる導電部材を用いたバンプによってフリップチップ実装した。また、発光素子と間隔を空けて半導体素子をAuからなる導電部材を用いたバンプによってフリップチップ実装した。
波長変換部材を含む波長変換体の形成工程において、希土類アルミン酸塩蛍光体Aを用いた。透光性材料としてシリコーン樹脂100質量部に対して、希土類アルミン酸塩蛍光体Aを表4に示す量(実施例10-1:100質量部、比較例10-2:150質量部、比較例10-3:200質量部)含み、フィラーとして酸化アルミニウムを15質量部含む波長変換体用組成物を準備した。透光体として、ホウ珪酸ガラスからなり、発光素子の平面形状よりも縦横に約0.15mm大きい、平面形状が約1.15mm四方の略正方形であり、厚さが約0.10mmである透光体を準備した。透光体の略正方形状の一面に波長変換体用組成物を印刷法により印刷し、180℃で2時間加熱して、波長変換体用組成物を硬化させて、厚さ約80μmの層状の波長変換体を形成し、層状又は板状の波長変換体と透光体が一体となった波長変換部材を形成した。
発光素子と波長変換部材の接着工程において、波長変換部材の平面形状が約1.15mm四方の略正方形の一面と、発光素子の平面形状が約1.0mm四方の略正方形の一面とを、シリコーン樹脂を含む接着剤を用いて接着し、発光素子と波長変換部材の間に接着層を形成した。
被覆部材の形成工程において、ジメチルシリコーン樹脂と平均粒径(カタログ値)が0.28μmの酸化チタン粒子とを含み、ジメチルシリコーン樹脂100質量部に対して酸化チタン粒子を30質量部含む被覆部材用組成物を準備した。基板上に配置された発光素子及び波長変換体及び透光体を含む波長変換部材の側面を被覆部材用組成物で覆い、半導体素子は完全に被覆部材用組成物に埋設するように、被覆部材用組成物を充填し、被覆部材用組成物を硬化させ、被覆部材を形成して、樹脂パッケージを形成し、発光装置を製造した。
実施例11-1から11-2、比較例11-3
希土類アルミン酸塩蛍光体Aと希土類アルミン酸塩蛍光体Hを50:50の重量比で混合して発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Aと希土類アルミン酸塩蛍光体Hの混合物を、表4に示す量(実施例11-1:200質量部、実施例11-2:300質量部、比較例11-3:500質量部、)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例10-1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例12-1から12-3
希土類アルミン酸塩蛍光体Hを用いて発光装置を製造した。希土類アルミン酸塩蛍光体Hを表4に示す量(実施例12-1:400質量部、実施例12-2:500質量部、実施例12-3:600質量部、)を含む波長変換体用組成物を準備し、この波長変換体用組成物を用いたこと以外は、実施例10-1と同様にして、発光装置を製造した。
Figure 0007633512000008
各実施例の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、明所視における光束に対する暗所視における光束の比率であるS/P比が6.5以下であった。各実施例の発光装置は、青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発する場合においても、暗所における光束と明所における光束の差を低減し、暗所視でも明所視でも明るく見え、優れた視認性を維持することができ、ヒトが感じる明るさの差を低減することができると考えられた。
各実施例の発光装置は、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、メラノピック比が3.4以下であった。各実施例の発光装置は、ヒトの概日リズムに大きな影響を与える可能性は低く、例えば充電時等の機器の特定の状態を表す信号色として、特定のイメージを想起させることが可能な青緑色を含む青色から緑色の波長範囲に主波長を有する光を発した。
各実施例の発光装置から発せられる475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光は、CIE1931色度図のxy色度座標系において、図3に示される領域A1内及び図4に示される領域A2内の発光色を呈した。実施例12-3の発光装置は、領域A1及び領域A2の中でも、図5に示される領域A3の青色から青緑色の発光色を呈した。
各実施例の発光装置は、積分値の比率Ib/Iaが0.6以上0.95以下の範囲内であり、暗所視でも明所視でも明るく見える優れた視認性を維持しながら、暗所視においても明所視においてもヒトが感じる明るさの差を低減した光を発することができると考えられた。
比較例10-2から10-3、比較例11-3の各発光装置は、波長変換体に含まれる希土類アルミン酸塩蛍光体Aの輝度が高く、希土類アルミン酸塩蛍光体の含有量が多すぎると、500nmを超える主波長を有する光を発し、475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光が発せられなかった。
本発明の一態様に係る発光装置は、一般照明用の発光装置、車両用の発光装置、表示装置、照明器具、ディスプレイ等として利用することができる。
10、11:発光素子、21:蛍光体、30、33:波長変換部材、31:波長変換体、32:透光体、41:成形体、42:樹脂部、50:半導体素子、51:第1リード、52:第2リード、60:導電部材、63:ワイヤ、70:基板、80:接着層、90:被覆部材、100、200、300:発光装置。

Claims (11)

  1. 400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置され、下記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    (Lu1-p-nLnpCen)3(Al1-mGam)5kO12 (I)
    (式(I)中、Lnは、Y、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素であり、k、m、n、pは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0.05≦m≦0.70、0.002≦n≦0.050、0≦p≦0.30を満たす。)
    475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、
    明所視における光束に対する暗所視における光束の比率である下記式(1)から導き出されるS/P比が6.5以下である、発光装置。
    Figure 0007633512000009
    (式(1)中、定数Kは、6831(lm/W)であり、定数K’は1700(lm/W)であり、波長λnmが360nm以上830nm以下の範囲内において、V(λ)は、ヒトの明所視標準分光視感効率であり、V’(λ)は、ヒトの暗所視標準分光視感効率であり、Φe(λ)は、発光装置から発せられる光の分光全放射束である。)
  2. 400nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する発光素子と、
    前記発光素子の光の出射側に配置され、下記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む波長変換部材と、を備えた発光装置であり、
    (Lu1-p-nLnpCen)3(Al1-mGam)5kO12 (I)
    (式(I)中、Lnは、Y、La、Gd及びTbからなる群から選択される少なくとも1種の希土類元素であり、k、m、n、pは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0.05≦m≦0.70、0.002≦n≦0.050、0≦p≦0.30を満たす。)
    475nm以上500nm以下の範囲内に主波長を有する光を発し、
    下記式(2)から導き出されるメラノピック比が3.4以下である、発光装置。
    Figure 0007633512000010
    (式(2)中、波長が380nm以上730nm以下の範囲内において、「Lamp×Circadian」は、発光装置の分光分布に含まれるサーカディアン応答であり、「Lamp×Visual」は、発光装置の分光分布に含まれる視感度応答であり、「Lamp」は発光装置の分光分布であり、「Circadian」は、哺乳類の網膜にある光受容体である内因性光感受性網膜神経節細胞の感度曲線であり、「Visual」は、ヒトの明所視における視感度曲線であり、「1.218」は、定数(lux factor)である。)
  3. CIE1931色度図のxy色度座標系において、色度座標(x、y)が、(x=0.0082、y=0.5384)を第一点とし、(x=0.1096、y=0.0868)を第二点とし、(x=0.210、y=0.190)を第三点とし、(x=0.260、y=0.380)を第四点とし、前記第一点と前記第二点を結ぶ第一直線と、前記第二点と前記第三点を結ぶ第二直線と、前記第三点と前記第四点を結ぶ第三直線と、前記第四点と前記第一点を結ぶ第四直線とで画定された領域A1内の光を発する、請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記S/P比が6.0以下である、請求項1に記載の発光装置。
  5. 前記S/P比が3.0以上である、請求項1又は4に記載の発光装置。
  6. 前記メラノピック比が1.4以上である、請求項2に記載の発光装置。
  7. 前記発光装置の発光スペクトルにおいて、380nm以上780nm以下の波長範囲内の発光スペクトルの積分値Iaに対する、380nm以上531nm以下の波長範囲内の積分値Ibの積分値の比率Ib/Iaが、0.6以上0.95以下の範囲内である、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. CIE1931色度図のxy色度座標系において、色度座標(x、y)が、(x=0.0350、y=0.4127)を第一点とし、(x=0.0800、y=0.2149)を第二点とし、(x=0.2150、y=0.2106)を第三点とし、(x=0.2550、y=0.3550)を第四点とし、前記第一点と前記第二点を結ぶ第一直線と、前記第二点と前記第三点を結ぶ第二直線と、前記第三点と前記第四点を結ぶ第三直線と、前記第四点と前記第一点を結ぶ第四直線とで画定された領域A2内の光を発する、請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. CIE1931色度図のxy色度座標系において、色度座標(x、y)が、(x=0.1825、y=0.3252)を第一点とし、(x=0.1550、y=0.2149)を第二点とし、(x=0.1930、y=0.2106)を第三点とし、(x=0.2205、y=0.3209)を第四点とし、前記第一点と前記第二点を結ぶ第一直線と、前記第二点と前記第三点を結ぶ第二直線と、前記第三点と前記第四点を結ぶ第三直線と、前記第四点と前記第一点を結ぶ第四直線とで画定された領域A3内の光を発する、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体と、さらに下記式(II)で表される組成を有するハロシリケート蛍光体、下記式(III)で表される組成を有するβサイアロン蛍光体、下記式(IV)で表される組成を有する酸窒化物蛍光体、下記式(V)で表される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、下記式(VI)で表される組成を有するアルカリ土類金属硫化物蛍光体、下記式(VII)で表される組成を有する第1シリケート蛍光体、下記式(VIII)で表される組成を有する第2シリケート蛍光体、下記式(IX)で表される組成を有する第3シリケート蛍光体又はゲルマネート蛍光体、及び下記式(X)で表される組成を有する第4シリケート蛍光体からなる群から選択される少なくとも1種の蛍光体を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の発光装置。
    (Ca,Sr,Ba)8MgSi4O16(F,Cl,Br)2:Eu (II)
    Si6-zAlzOzN8-z:Eu(0<z≦4.2) (III)
    BaSi2O2N2:Eu (IV)
    Sr4Al14O25:Eu (V)
    (Sr,Ca,Ba)Ga2S4:Eu (VI)
    (Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu (VII)
    (Ba,Sr)ZrSi3O9:Eu (VIII)
    Ca3Sc2(Si,Ge)3O12:Ce (IX)
    (ALi3SiO4)n:Eu(Aは、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも1種の元素であり、nは、1から8の整数である。) (X)
  11. 前記式(I)中のk、m、n、pは、それぞれ0.95≦k≦1.05、0.3≦m≦0.5、0.002≦n≦0.04、0≦p≦0.20を満たす、請求項1から10のいずれか1項に記載の発光装置。
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