JP7633513B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Description
まず、第1に、溶鋼湯面上にてモールドパウダーが溶融して形成された溶融モールドパウダー層およびその上の未溶融のモールドパウダー層が溶鋼湯面を被覆することにより、空気との接触を遮断するため、溶鋼の再酸化を防止して保温する効果が得られる。
第2に、溶融したモールドパウダーは、鋳型と凝固シェルとの間に流入して潤滑剤として働く必要があるため、モールドパウダーが常に適当量供給され、モールドパウダーの消費速度に合わせて、適正量の溶融モールドパウダープール厚となる溶融速度を有していることが要求される。
第3に、溶融モールドパウダー層が溶鋼中を浮上してきた非金属介在物を吸収し、非金属介在物を吸収することによって溶融モールドパウダーの物性(粘度、溶融温度、凝固温度など)の変化が小さいことが要求される。
第4に、溶融したモールドパウダーが鋳型と凝固シェルとの間に流れ込み、均一なパウダーフィルムを形成して、パウダーフィルムが鋳型と凝固シェルとの間で潤滑作用を有するとともに、鋳造する鋼の特性によっては凝固シェルの緩冷却化特性が要求されることもある。
第5に、溶融したモールドパウダーが適度な粘度、界面張力を持ち、溶融したモールドパウダーが溶鋼中へ巻き込まれないことが必要である。
(1)
導電率が70IACS%以下の鋳型銅板を備えた鋳型に、δ-γ変態が生じうる組成の溶鋼を流し込み、モールドパウダーを供給し、電磁攪拌装置を用いて湯面下50mm、長辺銅板から5mm位置全幅における平均溶鋼流速が5cm/s以上となるように前記溶鋼を攪拌しながら連続鋳造を行う鋼の連続鋳造方法であって、
前記モールドパウダーは、
質量%で、
Na2O:6%以上、
Li2O:0.5%以上、および
F:15%以下、
を含有し、
塩基度(T.CaO/SiO2)が1.1以上1.7以下であり、
1300℃における粘度が0.20Pa・s以下であり、
溶融状態から5℃/minで冷却した際に析出する主たる結晶がカスピダインであり、第二結晶がNaFまたはNephelineであることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
前記鋳型が、さらに電磁ブレーキ装置を備え、鋳型内の溶鋼湯面から鋳型下端までの距離が800mm以上であることを特徴とする上記(1)に記載の鋼の連続鋳造方法。
本実施形態では、鋼の連続鋳造方法において、鋳型上部での抜熱性をある程度確保しながら鋳型下部でも冷却能を有するモールドパウダーを使用する。具体的には、緩冷却能を有する一方で、結晶化過多にならず、結晶析出後はSi-Na-Li-F-Oを主とする液相が残存するモールドパウダーを用いることで、鋳型下部における冷却能を担保する。一方で、モールドパウダーのみでは鋳型上部での緩冷却化は不十分となるため、鋳型上部における不均一凝固の防止は、モールドパウダーによる緩冷却化とともに、電磁撹拌により淀みのない溶鋼流動を与えることで実現する。さらに、鋳型の銅板には導電率の低い材質を用い、電磁攪拌による不均一抑制効果を十分に享受できるようにする。
[T.CaO/SiO2]
CaO及びSiO2はいずれもモールドパウダーの主成分であるが、塩基度(T.CaO/SiO2)は、1.1~1.7とする。塩基度が1.1未満であると、カスピダインが十分に析出しないため、鋳型上部での抜熱性が大きくなり、縦割れが発生してしまう。一方、塩基度が1.7を超えると、CaOが多くなりすぎることから、液相またはガラス相中にCaが多く含まれるようになる。この場合、CaF2又はCaOを含む比較的融点が高い結晶がさらに析出し、鋳型下部での冷却能が低下してしまう。
前述のようにLi2Oは鋳型下部での冷却能を向上させる効果がある。そのため、Li2Oは0.5%以上含むものとする。なお、Li2Oの含有量の上限は特に指定しないが、Li2Oは高価であるため、5.0%以下であることが好ましい。
前述のように、Na2O中のNaが低融点であるNaFとして析出することにより、実質的にガラス相または液相と同等とみなすことができる。したがって、Na2Oは6%以上含むものとする。なお、Na2Oの含有量の上限は特に指定しないが、Na2Oが多すぎるとモールドパウダーが焼結しやすくなり、生成した焼結体(スラグリム)が操業に悪影響を及ぼすことから、12%以下であることが好ましい。
FはNaFとして析出するために必要な元素であるが、過剰に含まれると、CaF2が析出しやすくなるため、15%以下とする。なお、本実施形態では、第一の結晶をカスピダインとすることから、F含有量はある程度決まるが、5%以上含むことが好ましい。
これらの化合物はモールドパウダー中において必須ではないが、Al2O3は粘度を上げる効果をもつ一方、過剰に入れると高融点結晶が析出する原因になるため、2~8%含むことが好ましい。MgOは凝固温度を下げるために使用されることがあるが、同様に高融点結晶が析出する原因になるため、5%以下の含有量であることが好ましい。また、SrOはカスピダインの析出量を調整するために使用されることがあるが、過剰に使用するとカスピダインが十分に析出しなくなるため、5%以下の含有量であることが好ましい。
Cを質量%で0.09~0.12%含む溶鋼を150t以上用意し、電磁攪拌装置を備えた、鋳型幅が1300mmで湯面から鋳型下端までの距離が700mmの鋳型に流し込み、表1に示すサンプルA~GおよびL~Pのモールドパウダーをそれぞれの例において添加した。その後、2次冷却を経て厚さ250mmのスラブを製造した。なお、鋳型の銅板の導電率および攪拌流速(湯面下50mm、長辺銅板から5mm位置全幅における平均溶鋼流速)は、表2に示す条件とし、攪拌流速は、湯面下50mm、長辺銅板から5mm位置全幅における平均溶鋼流速を測定した。
第1の実施例と同じ溶鋼を用意し、電磁攪拌装置および電磁ブレーキ層装置を備えた、鋳型幅が1300mmで湯面から鋳型下端までの距離がそれぞれ異なる鋳型に流し込み、表1に示すサンプルA及びMのモールドパウダーをそれぞれの例において添加した。その後、2次冷却を経て厚さ250mmのスラブを製造した。このとき、鋳型の銅板の導電率は50IACS%で、攪拌流速は12cm/sとした。また、電磁ブレーキ装置により、鋳型厚み中心において最大値で3000ガウスを印加した。
Claims (2)
- 導電率が70IACS%以下の鋳型銅板を備えた鋳型に、δ-γ変態が生じうる組成の溶鋼を流し込み、モールドパウダーを供給し、電磁攪拌装置を用いて湯面下50mm、長辺銅板から5mm位置全幅における平均溶鋼流速が5cm/s以上となるように前記溶鋼を攪拌しながら連続鋳造を行う鋼の連続鋳造方法であって、
前記モールドパウダーは、
質量%で、
Na2O:6%以上、
Li2O:0.5%以上、および
F:15%以下、
を含有し、
塩基度(T.CaO/SiO2)が1.1以上1.7以下であり、
1300℃における粘度が0.20Pa・s以下であり、
溶融状態から5℃/minで冷却した際に析出する主たる結晶がカスピダインであり、第二結晶がNaFまたはNephelineであることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。 - 前記鋳型が、さらに電磁ブレーキ装置を備え、鋳型内の溶鋼湯面から鋳型下端までの距離が800mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続鋳造方法。
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| JP2021084428A JP7633513B2 (ja) | 2021-05-19 | 2021-05-19 | 鋼の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2021084428A JP7633513B2 (ja) | 2021-05-19 | 2021-05-19 | 鋼の連続鋳造方法 |
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| JP2022177976A JP2022177976A (ja) | 2022-12-02 |
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- 2021-05-19 JP JP2021084428A patent/JP7633513B2/ja active Active
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