JP7633603B2 - 撥水レンズ保護膜用樹脂組成物及び撥水レンズを保護する方法 - Google Patents
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<(A)成分:多官能(メタ)アクリレート>
(A)多官能(メタ)アクリレートは、重量平均分子量(Mw)が250~30,000であり、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、公知の材料を用いることができる。尚、(A)成分は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
R1は、炭素数2~300の炭化水素基若しくはエーテル酸素(-O-)およびヒドロキシル基(-OH)からなる群より選択される少なくとも1種を含む炭素数2~300の炭化水素基、イソシアヌレート環若しくはイソシアヌレート環と炭化水素基若しくは炭素数2~20の炭化水素基のみからなる基、又は、炭素数2~250の炭化水素基若しくはエーテル酸素(-O-)およびヒドロキシル基(-OH)からなる群より選択される少なくとも1種を含む炭素数2~250の炭化水素基である。R2は、水素原子またはメチル基である。
(B)成分である多官能チオール化合物は、分子内にチオール基(-SH基)を2個以上有する化合物であれば特に限定されず、公知の材料を用いることができる。尚、(B)成分は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(C)成分である光重合開始剤は、特に限定されず、公知の材料を用いることができる。尚、(C)成分は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド基(>P(=O)-C(=O)-基)を有するものであり、具体例としては、(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,6-ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE-TPO」(BASF社製))、エチル-2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネイト、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE-819」(BASF社製))、(2,5-ジヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、(p-ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(p-ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(p-ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤は、オキシムエステル結合を有する光重合開始剤であり、具体例としては、1,2-オクタンジオン-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)(商品名:OXE-01、BASF社製)、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン1-(O-アセチルオキシム)(商品名:OXE-02、BASF社製)、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-[O-(エトキシカルボニル)オキシム](商品名:Quantacure-PDO、日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
芳香族ケトン系光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、N,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’-テトラエチル-4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-メトキシ-4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(「IRGACURE-651」(BASF社製))、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン(「IRGACURE-369」(BASF社製))、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン(「IRGACURE-907」(BASF社製))等が挙げられる。
キノン系光重合開始剤の具体例としては、2-エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2-t-ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2-ベンズアントラキノン、2,3-ベンズアントラキノン、2-フェニルアントラキノン、2,3-ジフェニルアントラキノン、1-クロロアントラキノン、2-メチルアントラキノン、1,4-ナフトキノン、9,10-フェナントラキノン、2-メチル-1,4-ナフトキノン、2,3-ジメチルアントラキノン等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾイン系化合物、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(「IRGACURE-651」(BASF社製))、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン(「IRGACURE-184」(BASF社製))、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(「IRGACURE-1173」(BASF社製))、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(「IRGACURE-2959」(BASF社製))、2-ヒロドキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(「IRGACURE-127」(BASF社製))等が挙げられる。
イミダゾール系光重合開始剤の具体例としては、2,4,5-トリアリールイミダゾール二量体が例示され、より詳細には、2-(2-クロロフェニル)-1-〔2-(2-クロロフェニル)-4,5-ジフェニル-1,3-ジアゾール-2-イル〕-4,5-ジフェニルイミダゾール等の2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-クロロフェニル)-4,5-ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2-(o-フルオロフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(o-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体、2-(p-メトキシフェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾール二量体等が挙げられる。
(D)成分であるフッ素系セグメントと非フッ素系セグメントからなるブロック共重合体は、公知の材料を用いることができる。尚、(D)成分は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の撥水レンズ保護膜用樹脂組成物は、反応系を均一にし、塗工を容易にするために有機溶媒や反応性希釈剤で希釈して使用してもよい。そのような有機溶媒としては、アルコール系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤及びエーテルエステル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられる。反応性希釈剤としてはビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等を有する、単官能性の光重合性単量体を用いることができる。これらのうち、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。希釈剤の配合量は本発明の特性を損なわない範囲において任意に調整すれば良い。
本発明の撥水レンズ保護膜用樹脂組成物を用いて保護膜を形成する方法は特に制限されないが、例えば、ディップコート、スプレーコート、スピンコートなどの方法を挙げることができる。本発明の撥水レンズ保護膜用樹脂組成物を用いて形成される保護膜の厚みは、特に制限されないが、レンズの周縁加工時の軸ずれ防止や、加工及び保管時の傷つき防止の観点から、10μm以上である方が好ましい。一方、塗膜の厚みは、レンズ中心を特定する際位置ずれが生じないように、100μm以下であることが好ましい。
中でも従来のUVランプ等と比較して消費電力が大幅に少なく、光源から発生する熱量がUVランプと比較して特に少ないUV-LEDが好ましく、さらにはそのピーク照度が可視光に近い395nm以上であるUV-LEDを用いることで紫外線照射時の撥水レンズへの影響を抑制し、撥水層におけるクラックの発生を抑制することが出来る。
A-1:エチレンオキシド変性ビスフェノールAジメタクリレート(ブレンマーPDBE-200A 日油株式会社製:2官能、重量平均分子量541)
A-2: ウレタンアクリレート(アートレジンUN-333 根上工業社製:2官能、重量平均分子量3,000)
A-3: ポリエーテル系ウレタンアクリレート(アートレジンUN-1255 根上工業社製:2官能、重量平均分子量8,000)
A-4: ポリカーボネート系ウレタンアクリレート(アートレジンUN-9200A 根上工業社製:2官能、重量平均分子量15,000)
A-5: 脂肪族ウレタンアクリレート(EBECRYL4666 ダイセル・オルネクス社製:4官能、重量平均分子量1,100)
A’-1:エチレングリコールジメタクリレート(ライトエステルEG 共栄社化学株式会社製:2官能、重量平均分子量198)
A’-2:ウレタンアクリレート(紫光UV-3700B 三菱ケミカル株式会社製:2官能、重量平均分子量38,000)
B-1:ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)(DPMP SC有機化学株式会社製:6官能、重量平均分子量783)
B-2:トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)(TMMP SC有機化学株式会社製:3官能、重量平均分子量399)
C-1:2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン(OMNIRAD651 IGM社製)
D-1:フッ素系ブロックコポリマー(モディパーF206 日油株式会社製、重量平均分子量38,000)
D-2:フッ素系ブロックコポリマー(モディパーF246 日油株式会社製、重量平均分子量25,000)
D-3:フッ素系ブロックコポリマー(モディパーF3636 日油株式会社製、重量平均分子量77,000)
D’-1:ポリエーテル変性シリコーンオイル(DOWSIL L-7001 ダウ・東レ株式会社)
MEK:メチルエチルケトン
IPAC:イソプロピルアセテート
BA:ブチルアクリレート
評価には純水の接触角が150°以上となる超撥水層を備えたプラスチックレンズ(直径75mm)を用いた。この超撥水レンズに対し、実施例及び比較例の撥水レンズ保護膜用樹脂組成物をディップコート法により硬化後膜厚が20μmとなるようにコートした。コート後、室温(23℃)、紫外線がカットされた空間で10分間静置し乾燥させ、LED紫外線照射装置(ウシオ電機株式会社製Unijet E110IIHD―395)を用い、照度500mW/cm2になるようレンズとの距離を調節して片面ずつ照射した。尚、超撥水レンズの接触角は、対象レンズ表面に純水1μLの液滴を接触させ、その時のレンズと液滴のなす角度により算出した。
前述したディップコート法により超撥水レンズへ撥水レンズ保護膜用樹脂組成物をコートし、硬化させた。ハジキが見られた場合、レンズ端部からコートされていない部分の最大の幅をハジキの大きさとして計測し、以下の通り評価した。尚、塗工性はハジキの大きさが10mm以下を合格とした。
◎:ハジキ無し。
○:端部からコートできていない部分が5mm以下である。
△:端部からコートできていない部分が5mmより大きく10mm以下である。
×:端部からコートできていない部分が10mmより大きい。
レンズの周縁加工時の軸ずれ評価として、超撥水レンズへ形成した保護膜の保持力を評価した。保持力評価はJIS-Z0237に準拠し、荷重を変更して行った。温度:23℃、相対湿度:50%環境下で3ヶ月保管した保護膜形成済み超撥水レンズの中心部に幅24mm、長さ130mmの粘着テープ(ニチバン社製CT405AP-24)を貼り付ける(図1参照)。この時、粘着テープ上とレンズ凹部の中心部で重なるよう油性ペンで印をつける。粘着テープのレンズに貼り付けた端部と反対側の端部に重さ14.7Nの荷重をかけ、10分間後に凸面と凹面の印にずれが生じた距離を測定した(図2参照)。得られた測定結果について以下の通り評価した。尚、保持力測定結果は2.0mm以下を合格とした。
◎:保持力測定結果が0.0mmである。
○:保持力測定結果が0.0mmより大きく、0.5mm以下である。
△:保持力測定結果が0.5mmより大きく2.0mm以下である。
×:保持力測定結果が2.0mmより大きい。
温度:23℃、相対湿度:50%環境下で3ヶ月保管した保護膜形成済み超撥水レンズの端部に粘着テープ(ニチバン社製CT405AP-24)を貼り付けた後、手でテープを剥離した。同位置で粘着テープの貼付・剥離を繰り返し、保護膜が剥離するまでに必要なテープの剥離回数を確認し、以下の通り評価した。尚、剥離性は〇又は△を合格とした。
〇:1回のテープ剥離で保護膜を剥離できる。
△:2~5回のテープ剥離で保護膜を剥離できる。
×:5回以上のテープ剥離を行っても保護膜を剥離できない。
温度:23℃、相対湿度:50%環境下で3ヶ月保管した保護膜形成済み超撥水レンズの端部に粘着テープ(ニチバン社製CT405AP-24)を貼り付けた後、手でテープを剥離した。剥離した保護膜の形状を確認し、以下の通り、評価した。尚、強靭性は〇又は△を合格とした。
〇:保護膜に亀裂がない。
△:保護膜に30mm未満の亀裂がある。
×:保護膜が破断し、1回のテープ剥離では保護膜を剥離できない。
温度:23℃、相対湿度:50%環境下で3ヶ月保管した保護膜形成済み超撥水レンズから保護膜を剥離した後、レンズに対し油性マジック(寺西化学工業社製マジックインキ(黒))でレンズに線を引いた際のインクのハジキを観察し、以下の通り評価した。尚、保護膜を形成する前のレンズ表面は油性マジックのインクをはじくが、レンズ表面に汚染物質が残っていると撥水性が低下する。尚、非汚染性は〇又は△を合格とした。
〇:直線で描いたインクが点状になる。
△:直線で描いたインクが細い線状になる。
×:直線で描いたインクにハジキが見られない。
Claims (2)
- 以下の(A)~(D)成分を含有することを特徴とする樹脂組成物であって、
前記(A)成分100質量部に対して、(B)成分を0.5~30質量部、(C)成分を0.1~25質量部、(D)成分を0.1~25質量部含むことを特徴とする、撥水レンズ保護膜用樹脂組成物。
(A)成分:重量平均分子量が250~30,000である多官能(メタ)アクリレート
(B)成分:多官能チオール化合物
(C)成分:光重合開始剤
(D)成分:重量平均分子量が25,000~100,000であり、フッ素系セグメントと非フッ素系セグメントからなるブロック共重合体 - 撥水レンズに請求項1に記載の撥水レンズ保護膜用樹脂組成物を塗布、硬化してなる保護膜を設けることにより、撥水レンズを保護する方法。
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