JP7634205B2 - 測距装置 - Google Patents

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Description

本開示は、測距装置に関する。
従来、光の飛行時間を利用して対象物までの距離を推定するTime of Flight(TOF)と呼ばれる測距方式が提案されている。TOF方式では、光源から光パルスを対象物に向けて出射し、この戻り光をパルス駆動したセンサで受光する。このとき、戻り光がセンサに到達するまでの時間に応じて、センサの検出光量が変動する。したがって、この検出光量の変動から間接的に光の飛行時間を推定でき、対象物までの距離を算出できる。TOF方式における距離推定の精度を向上させる各種の方法が提案されている。例えば、特許文献1は、発光波形のデューティーずれを事前に検出し、そのずれ量を補正することで測距精度を高める方法を開示している。
特開2017-32342号公報
本開示は、光パルスを用いたTOF方式による測距の精度をさらに向上させる技術を提供する。
本開示の一態様に係る測距装置は、光源と、光検出器と、前記光源および前記光検出器を制御する回路と、を備える。前記回路は、前記光源に、対象物に向けて光パルスを出射させる。前記回路は、前記光検出器に、前記光パルスに起因して生じた前記対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させる。前記回路は、前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの前記強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させる。前記回路は、前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
本開示の他の態様に係る測距装置は、光源と、光検出器と、前記光源および前記光検出器を制御する回路と、を備える。前記回路は、前記光源に、対象物に向けて第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させる。前記回路は、前記光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させる。前記回路は、前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させる。前記回路は、前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
本開示の包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記録ディスク等の記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意の組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD-ROM(Compact Disc‐Read Only Memory)等の不揮発性の記録媒体を含み得る。装置は、1つ以上の装置で構成されてもよい。装置が2つ以上の装置で構成される場合、当該2つ以上の装置は、1つの機器内に配置されてもよく、分離した2つ以上の機器内に分かれて配置されてもよい。本明細書および特許請求の範囲では、「装置」とは、1つの装置を意味し得るだけでなく、複数の装置からなるシステムも意味し得る。
本開示によれば、対象物までの距離を従来よりも高い精度で測定することができる。
図1は、実施形態1の測距装置が対象物を撮影する様子を示す模式図である。 図2は、イメージセンサの構成の一例を示す図である。 図3Aは、発光パルス、反射光パルス、およびシャッタタイミングの一例を示す図である。 図3Bは、発光パルス、反射光パルス、およびシャッタタイミングの他の例を示す図である。 図3Cは、発光パルス、反射光パルス、およびシャッタタイミングのさらに他の例を示す図である。 図3Dは、発光パルス、反射光パルス、およびシャッタタイミングのさらに他の例を示す図である。 図4Aは、電子回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図4Bは、電子回路の動作の他の例を示すフローチャートである。 図4Cは、電子回路の動作のさらに他の例を示すフローチャートである。 図5は、実施形態2における駆動方法を示す図である。 図6は、実施形態2における電子回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図7は、測距装置がドライバの個人認証に用いられる例を示す図である。 図8Aは、測距装置を備えた携帯端末が個人認証を行う例を示す図である。 図8Bは、測距装置を備えた携帯端末が個人認証を行う例を示す他の図である。 図9は、測距装置が、測距に加えて、対象者の皮膚の内部で散乱された光の成分を検出する例を示す図である。 図10は、図9に示す例における電子回路の動作の例を示すフローチャートである。 図11Aは、測距情報と生体情報とを用いて個人認証を行う例を示す図である。 図11Bは、測距情報と生体情報とを用いて個人認証を行う例を示す他の図である。 図12は、実施例における顔の測距結果を示す図である。 図13は、比較例における顔の測距結果を示す図である。
(項目1)
本開示の項目1に係る測距装置は、光源と、光検出器と、前記光源および前記光検出器を制御する回路と、を備える。前記回路は、前記光源に、対象物に向けて光パルスを出射させる。前記回路は、前記光検出器に、前記光パルスに起因して生じた前記対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させる。前記回路は、前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの前記強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させる。前記回路は、前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
(項目2)
項目1に記載の測距装置において、
前記第1の期間は、前記第1の時点と前記第4の時点との中点よりも前に終了し、
前記第2の期間は、前記中点よりも後に開始してもよい。
(項目3)
項目1または2に記載の測距装置において、
前記光パルスのパルス幅は3ns以上30ns以下であってもよい。
(項目4)
項目1から3のいずれかに記載の測距装置において、
前記光パルスの出射の開始から前記第1の期間が終了するまでの時間をt1、前記光パルスの出射の開始から前記第2の期間が開始するまでの時間をt2、前記光パルスのパルス幅をT0とするとき、
T0/3<(t2-t1)<T0
を満たしてもよい。
(項目5)
項目1から4のいずれかに記載の測距装置において、
前記第1の期間は、前記第2の時点よりも前に終了し、
前記第2の期間は、前記第3の時点よりも後に開始してもよい。
(項目6)
項目1から5のいずれかに記載の測距装置において、
前記第1の期間が開始するタイミングは、前記光パルスの出射が開始するタイミングと異なっていてもよく、または
前記第2の期間が開始するタイミングは、前記光パルスの出射が終了するタイミングと異なっていてもよい。
(項目7)
本開示の項目7に係る測距装置は、光源と、光検出器と、前記光源および前記光検出器を制御する回路と、を備える。前記回路は、前記光源に、対象物に向けて第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させる。前記回路は、前記光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させる。前記回路は、前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの第1の立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させる。前記回路は、前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
(項目8)
項目7に記載の測距装置において、
前記第1の期間は、前記第1の時点と前記第1の反射光パルスの前記強度の減少が終了する時点との中点よりも前に終了し、
前記第2の期間は、前記第2の反射光パルスの前記強度の増加が開始する時点から前記第4の時点との中点よりも後に開始してもよい。
(項目9)
項目7または8に記載の測距装置において、
前記第1の光パルスおよび前記第2の光パルスの各々のパルス幅は3ns以上30ns以下であってもよい。
(項目10)
項目7から9のいずれかに記載の測距装置において、
前記第1の光パルスの出射の開始から前記第1の期間が終了するまでの時間をt1、前記第2の光パルスの出射の開始から前記第2の期間が開始するまでの時間をt2、前記第1の光パルスおよび前記第2の光パルスの各々のパルス幅をT0とするとき、
T0/3<(t2-t1)<T0
を満たしてもよい。
(項目11)
項目7から10のいずれかに記載の測距装置において、
前記第1の期間は、前記第2の時点よりも前に終了し、
前記第2の期間は、前記第3の時点よりも後に開始してもよい。
(項目12)
項目7から11のいずれかに記載の測距装置において、
前記第1の期間が開始するタイミングは、前記第1の光パルスの出射が開始するタイミングと異なっていてもよく、または
前記第2の期間が開始するタイミングは、前記第2の光パルスの出射が終了するタイミングと異なっていてもよい。
(項目13)
項目7から12のいずれかに記載の測距装置において、
前記対象物は生体であり、
前記光源は、前記対象物に向けて、さらに第3の光パルスを出射し、
前記光検出器は、前記対象物から戻った前記第3の光パルスに起因する第3の反射光パルスをさらに検出し、
前記回路は、前記光検出器に、前記第3の反射光パルスの強度が減少を開始する第5の時点から前記減少が終了する第6の時点までの第2の立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第6の時点を含む第3の期間において、前記第3の反射光パルスを検出させて第3の信号を出力させ、
前記第3の期間の開始から前記第6の時点までの長さは、前記第2の期間の開始から前記第4の時点までの長さよりも短く、
前記回路は、前記第3の信号に基づいて、前記対象物の生体情報を生成して出力してもよい。
(項目14)
本開示の項目14に係る信号処理装置は、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムを格納するメモリと、を備える。前記1つ以上のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、
光源に、対象物に向けて光パルスを出射させ、
光検出器に、前記光パルスに起因して生じた前記対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させ、
前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの前記強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させ、
前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
(項目15)
本開示の項目15に係る信号処理装置は、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムを格納するメモリと、を備える。前記1つ以上のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、
光源に、対象物に向けて第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させ、
光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させ、
前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させ、
前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
(項目16)
本開示の項目16に係るコンピュータプログラムは、
光源に、対象物に向けて光パルスを出射させること、
光検出器に、前記光パルスに起因して生じた前記対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させること、
前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの前記強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させること、及び
前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力すること、
を含む動作をコンピュータに実行させる。
(項目17)
本開示の項目17に係るコンピュータプログラムは、
光源に、対象物に向けて第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させること、
光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させること、
前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させること、及び
前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力すること、
を含む動作をコンピュータに実行させる。
(項目18)
本開示の項目18に係るコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体は、項目16に記載のコンピュータプログラムを記録している。
(項目19)
本開示の項目19に係るコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体は、項目17に記載のコンピュータプログラムを記録している。
以下で説明される実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、およびステップの順序は、一例であり、本開示の技術を限定する趣旨ではない。以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。さらに、各図において、実質的に同一または類似の構成要素には同一の符号が付されている。重複する説明は省略または簡略化されることがある。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部、またはブロック図における機能ブロックの全部または一部は、例えば、半導体装置、半導体集積回路(IC)、またはLSI(large scale integration)を含む1つまたは複数の電子回路によって実行され得る。LSIまたはICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、もしくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、またはLSI内部の接合関係の再構成またはLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材または部の全部または一部の機能または操作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは1つまたは複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウェアで特定された機能が処理装置(processor)および周辺装置によって実行される。システムまたは装置は、ソフトウェアが記録されている1つまたは複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、および必要とされるハードウェアデバイス、例えばインターフェースを備えていてもよい。
まず、本開示の実施形態の概要を説明する。
本開示の例示的な実施形態による測距装置は、光源と、光検出器と、前記光源および前記光検出器を制御する回路とを備える。前記回路は、以下の(a)から(d)の動作を実行する。
(a)前記光源に光パルスを出射させる。
(b)前記光検出器に、前記光パルスに起因して生じた対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させる。
(c)前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させる。
(d)前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
上記の構成によれば、光検出器は、反射光パルスの立ち上がり期間が開始する第1の時点を少なくとも含む当該反射光パルスの前端を含む前端部分の成分を示す第1の信号と、当該反射光パルスの立ち下がり期間が終了する第4の時点を少なくとも含む当該反射光パルスの後端を含む後端部分の成分を示す第2の信号とを生成する。そして、前記回路は、第1の信号および第2の信号に基づいて、対象物までの距離を計算または推定する。このような動作により、後に詳しく説明するように、測距の精度を向上させることができる。
前記第1の期間は、前記第1の時点と前記第4の時点との中点よりも前に終了してもよい。前記第2の期間は、前記中点よりも後に開始してもよい。これにより、反射光パルスの強度が高い中点の成分が第1の信号および第2の信号に含まれなくなる。このため、測距の精度をより向上させることができる。
前記光パルスのパルス幅は、例えば3ns以上30ns以下に設定され得る。ここで光パルスのパルス幅は、当該光パルスの立ち上がりの開始時点から立ち下がりの終了時点までの時間長を意味する。当該パルス幅は、3ns未満または30ns超であってもよい。
前記光パルスの出射の開始から前記第1の期間が終了するまでの時間をt1、前記光パルスの出射の開始から前記第2の期間が開始するまでの時間をt2、前記光パルスのパルス幅をT0とするとき、T0/3<(t2-t1)<T0が満たされていてもよい。あるいは、T0/2<(t2-t1)<T0が満たされていてもよい。このような条件が満たされている場合、測距の精度をさらに向上させることができる。
本開示の他の実施形態による測距装置は、光源と、光検出器と、前記光源および前記光検出器を制御する回路と、を備える。前記回路は、以下の(a’)から(d’)の動作を実行する。
(a’)前記光源に、第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させる。
(b’)前記光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含む第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させる。
(c’)前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含む第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させる。
(d’)前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する。
上記の構成によれば、光検出器は、第1の反射光パルスの立ち上がり期間が開始する第1の時点を少なくとも含む当該第1の反射光パルスの前端部分の成分を示す第1の信号と、第2の反射光パルスの立ち下がり期間が終了する第4の時点を少なくとも含む当該第2の反射光パルスの後端部分の成分を示す第2の信号とを生成する。そして、前記回路は、第1の信号および第2の信号に基づいて、対象物までの距離を計算または推定する。このような動作によっても、後述するように測距の精度を向上させることができる。
前記第1の期間は、前記第1の時点と前記第1の反射光パルスの強度の減少が終了する時点との中点よりも前に終了してもよい。前記第2の期間は、前記第2の反射光パルスの強度の増加が開始する時点から前記第4の時点との中点よりも後に開始してもよい。これにより、反射光パルスの強度が高い中点の成分が第1の信号および第2の信号に含まれなくなる。このため、測距の精度をより向上させることができる。
前記第1の光パルスおよび前記第2の光パルスの各々のパルス幅は、例えば3ns以上30ns以下に設定され得る。各光パルスのパルス幅は、上記の範囲外の値に設定されていてもよい。
前記第1の光パルスの出射の開始から前記第1の期間が終了するまでの時間をt1、前記第2の光パルスの出射の開始から前記第2の期間が開始するまでの時間をt2、前記光パルスのパルス幅をT0とするとき、T0/3<(t2-t1)<T0が満たされていてもよい。あるいは、T0/2<(t2-t1)<T0が満たされていてもよい。このような条件が満たされている場合、測距の精度をさらに向上させることができる。
前記対象物は、例えば生体であり得る。生体は、人および動物を含む。ある例において、対象物は人の頭部であり、回路は、人の顔の距離分布を示すデータを生成する。
前記光源は、前記対象物に向けて、さらに第3の光パルスを出射してもよい。前記光検出器は、前記対象物から戻った前記第3の光パルスに起因する第3の反射光パルスをさらに検出してもよい。前記回路は、前記光検出器に、前記第3の反射光パルスの強度が減少を開始する第5の時点から減少が終了する第6の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第6の時点を含む第3の期間において、前記第3の反射光パルスを検出させて第3の信号を出力させてもよい。前記第3の期間の開始から前記第6の時点までの長さは、前記第2の期間の開始から前記第4の時点までの長さよりも短い値に設定され得る。前記回路は、前記第3の信号に基づいて、前記対象物の生体情報を生成して出力してもよい。
上記の構成によれば、対象者の距離情報だけでなく、第3の反射光パルスの後端の成分に基づいて生体情報を高い精度で取得することができる。反射光パルスの後端の成分には、対象者の皮膚の内部で散乱されて戻ってきた光の成分が含まれる。そのような成分を検出することにより、例えば対象者の血管の分布などの生体情報を取得することができる。
本開示の他の実施形態による信号処理装置は、1つ以上のプロセッサと、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムを格納するメモリと、を備える。前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、前述のいずれかの例における回路の機能を実行してもよい。
本開示は、前述の回路の機能を規定するコンピュータプログラム、および前述の回路が実行する制御方法を含む。
以下、図面を参照しながら、本開示のより具体的な実施形態を説明する。
(実施形態1)
[1.構成]
まず、実施形態1に係る測距装置100の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る測距装置100を示す模式図である。測距装置100は、光源110と、イメージセンサ120と、電子回路130とを備える。イメージセンサ120は、光電変換部122と、電荷蓄積部124とを含む。電子回路130は、制御回路132と、信号処理回路134と、メモリ136とを含む。図1には、測距装置100による測距の対象物50も示されている。対象物50は、本実施形態では人の頭部である。対象物50は、人の頭部に限られず、任意の物体であってよい。
[1-1.光源110]
光源110は、対象物50に光を照射する。光源110から照射されて対象物50に到達した光は、対象物50で反射してその一部がイメージセンサ120に到達する。光源110は、光パルスを所定の時間間隔あるいはタイミングで複数回発生させる。
本実施形態における測距装置100は、対象物50が人であるため、網膜への影響を考慮して設計された光源110が用いられ得る。例えば、各国で策定されているレーザ安全基準のクラス1を満足する光源110が用いられ得る。その場合、被爆放出限界(AEL)が1mWを下回るほどの低照度の光が対象物50に照射される。ただし、光源110自体はクラス1を満たしていなくてもよい。例えば、拡散板またはNDフィルタを光源110の前に設置して光が拡散または減衰することによってレーザ安全基準のクラス1が満たされていてもよい。
光源110は、例えば汎用の半導体レーザによる光源であり得る。汎用の半導体レーザを低電圧で駆動する場合、パルス幅を短くしすぎると光の点灯および消灯の駆動が追随しにくくなる。このため、パルス発光ごとに異なる発光波形となり、不安定な挙動を示しやすくなり、測距結果のばらつきを引き起こしやすくなる。汎用的な半導体レーザを用いて安定した波形を得るために、例えばパルス幅が3ns以上の光パルスを発光するように光源110が制御され得る。あるいは、さらに安定させるために、光源110は、パルス幅5ns以上、さらに10ns以上の光パルスを発光してもよい。一方、パルス幅が大きすぎる場合、シャッタオフ時の電荷蓄積部124への光流出、つまり、寄生光感度(Parasitic Light Sensitivity:PLS)が大きくなり、測距誤差を引き起こす可能性がある。そこで、光源110は、例えば、パルス幅50ns以下の光パルスを発生させるように制御され得る。あるいは、光源110は、パルス幅30ns以下、さらには20ns以下の光パルスを発光してもよい。
なお、光源110の照射パターンとして、照射領域内において均一な強度分布であるパターンが選択され得る。その場合、空間的に同等の照度で対象物50に光を照射することができ、イメージセンサ120のいずれの画素においても検出信号の強度をダイナミックレンジ内に収めることが容易になるためである。
[1-2.イメージセンサ120]
イメージセンサ120は、光源110から出射され対象物50から反射された光を受光する光検出器の一例である。イメージセンサ120は、2次元的に配置された複数の光検出セルを有し、対象物50の2次元情報を一度に取得し得る。イメージセンサ120は、例えば、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサなどの任意の撮像素子であり得る。本開示における光検出器は、2次元的に配列された複数の光検出セルを有するセンサに限らず、例えば1次元的に配列された複数の光検出セルを有するセンサであってもよい。また、1点の距離情報のみを取得できれば十分な用途では、フォトディテクタなどの単一の光検出素子を有する光検出器を利用してもよい。
本実施形態におけるイメージセンサ120は、電子シャッタを備える。電子シャッタは、露光のタイミングを制御する回路である。電子シャッタは、受光した光を有効な電気信号に変換して蓄積する1回の信号蓄積期間と、信号蓄積を停止する期間とを制御する。信号蓄積期間は、「露光期間」と称することもできる。1回の露光期間が終了し次の露光期間が開始するまでの時間を、「非露光期間」と称することがある。以下、露光している状態を「OPEN」、露光を停止している状態を「CLOSE」と表現することがある。
イメージセンサ120は、電子シャッタにより、露光期間および非露光期間を、サブナノ秒、例えば30psから1nsの範囲で調整することができる。制御回路132は、光源110に光パルスを複数回発光させ、これに同期してイメージセンサ120に、複数回露光させる。これにより、信号を複数回にわたって積算し、感度を向上させることができる。
以下、イメージセンサ120の構成例を説明する。
イメージセンサ120は、撮像面上に2次元的に配列された複数の光検出セルを備える。本明細書において、光検出セルを「画素」とも呼ぶ。各画素は、例えばフォトダイオードなどの光電変換素子と、1つ以上の電荷蓄積部とを備える。
図2は、イメージセンサ120の構成の一例を示す図である。図2において、二点鎖線の枠で囲まれた領域が1つの画素201に相当する。画素201には不図示の1つのフォトダイオードが含まれる。図2には2行2列に配列された4画素のみが示されているが、実際にはさらに多数の画素が配置され得る。各画素201は、4つの浮遊拡散層204、205、206および207を含む。4つの浮遊拡散層204、205、206および207に蓄積される信号は、あたかも一般的なCMOSイメージセンサの4画素の信号のように取り扱われ、イメージセンサ120から出力される。
各画素201は、4つの信号検出回路を有する。各信号検出回路は、ソースフォロワトランジスタ309と、行選択トランジスタ308と、リセットトランジスタ310とを含む。各トランジスタは、例えば半導体基板に形成された電界効果トランジスタであるが、これに限定されない。図示されるように、ソースフォロワトランジスタ309の入力端子および出力端子の一方と、行選択トランジスタ308の入力端子および出力端子のうちの一方とが接続されている。ソースフォロワトランジスタ309の入力端子および出力端子の上記一方は、典型的にはソースである。行選択トランジスタ308の入力端子および出力端子の上記一方は、典型的にはドレインである。ソースフォロワトランジスタ309の制御端子であるゲートは、不図示のフォトダイオードに接続されている。フォトダイオードによって生成された正孔または電子による信号電荷は、フォトダイオードとソースフォロワトランジスタ309との間の電荷蓄積部である浮遊拡散層204に蓄積される。
図2には示されていないが、浮遊拡散層204から207は、不図示のフォトダイオードに接続される。フォトダイオードと、浮遊拡散層204から207の各々との間には、スイッチが設けられ得る。このスイッチは、制御回路132からの制御信号に応じて、フォトダイオードと浮遊拡散層204から207の各々との間の導通状態を切り替える。これにより、浮遊拡散層204から207の各々への信号電荷の蓄積の開始と停止とが制御される。本実施形態における電子シャッタは、このような露光制御のための機構を有する。
各浮遊拡散層に蓄積された信号電荷は、行選択回路302によって行選択トランジスタ308のゲートがONにされることにより、読み出される。この際、当該浮遊拡散層の信号電位に応じて、ソースフォロワ電源305からソースフォロワトランジスタ309およびソースフォロワ負荷306へ流入する電流が増幅される。垂直信号線304から読み出されるこの電流によるアナログ信号は、列ごとに接続されたアナログ-デジタル(AD)変換回路307によってデジタル信号データに変換される。このデジタル信号データは、列選択回路303によって列ごとに読み出され、イメージセンサ120から出力される。行選択回路302および列選択回路303は、1つの行の読出しを行った後、次の行の読み出しを行い、以下同様に、全ての行の浮遊拡散層の信号電荷の情報を読み出す。制御回路132は、全ての信号電荷を読み出した後、リセットトランジスタ310のゲートをオンにすることにより、全ての浮遊拡散層をリセットする。これにより、1つのフレームの撮像が完了する。以下同様に、フレームの高速撮像を繰り返すことにより、イメージセンサ120による一連のフレームの撮像が完結する。
本実施形態では、CMOS型のイメージセンサ120の例を説明したが、イメージセンサ120は、他の種類の撮像素子であってもよい。イメージセンサ120は、例えば、CCD型であっても、単一光子計数型素子であっても、EMCCDまたはICCDなどの増幅型イメージセンサであってもよい。また、イメージセンサ120の代わりに、単数の画素を備えるセンサを用いてもよい。単画素のセンサを用いた場合、距離測定は1点についてのみ可能となるが、高速なレートの距離検出が可能である。
[1-3.電子回路130]
電子回路130は、制御回路132と、信号処理回路134と、メモリ136などの記録媒体とを含む。制御回路132は、光源110の光パルスの出射タイミングと、イメージセンサ120のシャッタタイミングとの時間差を調整する。本明細書では、当該時間差を「位相差」と称することがある。光源110の「出射タイミング」は、光源20から出射される光パルスが立ち上がりを開始するタイミングを指す。「シャッタタイミング」は、露光を開始するタイミングを指す。
制御回路132は、イメージセンサ120の各画素によって検出された信号からオフセット成分を取り除くように構成されてもよい。オフセット成分は、太陽光もしくは蛍光灯などの環境光、または外乱光による信号成分である。光源110の駆動をOFFにして光源110から光が出射されない状態で、イメージセンサ120によって信号を検出することにより、環境光または外乱光によるオフセット成分が見積もられる。
制御回路132は、例えば中央演算処理装置(CPU)などのプロセッサ、またはプロセッサおよびメモリを内蔵するマイクロコントローラなどの集積回路であり得る。制御回路132は、例えばプロセッサがメモリ136に記録されたコンピュータプログラムを実行することにより、例えば出射タイミングとシャッタタイミングとの調整を行う。
信号処理回路134は、イメージセンサ120から出力された画像信号を処理する回路である。信号処理回路134は、画像処理などの演算処理を行う。信号処理回路134は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラマブルロジックデバイス(PLD)、または中央演算処理装置(CPU)もしくは画像処理用演算プロセッサ(GPU)によって実現され得る。信号処理回路134は、プロセッサがメモリ136に格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、後述する処理を実行する。制御回路132および信号処理回路134は、統合された1つの回路であってもよいし、分離された個別の回路であってもよい。信号処理回路134は、例えば遠隔地に設けられたサーバなどの外部の装置の構成要素であってもよい。この場合、サーバなどの外部の装置は、無線通信または有線通信により、光源110、イメージセンサ120、および制御回路132を備える測距装置と相互にデータの送受信を行う。信号処理回路134は、イメージセンサ120から出力された信号に基づき、測距装置100から所定の距離レンジ内に位置する対象物50の詳細な距離を求める処理を実行する。信号処理回路134は、この処理の前に、外乱光によるオフセット成分の見積り、およびオフセット成分の除去を行ってもよい。
[2.測距演算]
以下、本実施形態における電子回路130が実行する測距演算の方法の例を説明する。
図3Aは、発光パルス、反射光パルス、およびシャッタタイミングの一例を示す図である。図3Aに示す例では、測距装置100は、矩形状の発光パルスIeを光源110から出射する。矩形状のパルスを形成するために、光源110として、例えば、時間応答特性が急峻なレーザダイオード(LD)などの光源が用いられ得る。これにより、例えば、立ち上がり期間および立下り期間が2ns以下となるような発光パルスIeおよび反射光パルスIrを出射できる。また、立ち上がり期間および立下り期間が1ns以下となるような発光パルスIeおよび反射光パルスIrを出射できる。矩形の発光パルスIeを出射することで、検出光量の変化と距離変化との関係を線形的にすることができる。発光パルスIeは、対象物50で反射された後、反射光パルスIrとしてイメージセンサ120まで到達する。制御回路132は、反射光パルスIrがイメージセンサ120に入射している間、2つの異なる露光期間で露光を実行するようにイメージセンサ120を制御する。第1の露光期間は、反射光パルスIrがイメージセンサ120に到達する前に開始され、反射光パルスIrの前端を含む前端部分の電荷蓄積の開始後、停止される。第2の露光期間は、反射光パルスIrがイメージセンサ120に到達し始めた後、開始され、反射光パルスIrの後端がイメージセンサ120に到達した後に停止される。この例において、第1の露光期間と第2の露光期間とは重なっていない。すなわち、第1の露光期間が終了した後、第2の露光期間が開始される。ここで、発光パルスおよび反射光パルスの時間幅をT0、光源110が光パルスの出射を開始してから第1の露光期間が終了するまでの時間をt1、光源110が光パルスの出射を開始してから第2の露光期間が開始されるまでの時間をt2とする。本実施形態では、0<t2-t1<T0が成立する。制御回路132は、光源110に、発光パルスIeの出射を開始させる制御信号を送り、イメージセンサ120に第1の露光期間を開始させる制御信号を送る。このとき、一方の制御信号が他方の制御信号のノイズとなるおそれがある。そのため、当該ノイズの抑制のため、発光パルスIeの出射を開始させる制御信号を送るタイミングと、イメージセンサ120に第1の露光期間を開始させる制御信号を送るタイミングを異ならせても良い。言い換えると、第1の露光期間が開始するタイミングは、発光パルスの出射が開始するタイミングと異なるように、制御回路132は光源110とイメージセンサ120を制御してもよい。同様に、第2の露光期間が開始するタイミングは、発光パルスの出射が終了するタイミングと異なるように、制御回路132は光源110とイメージセンサ120を制御してもよい。
上記の動作により、第1の露光期間では、反射光パルスIrの前端を含む前端部分の露光によって生じた電荷が蓄積される。一方、第2の露光期間では、反射光パルスIrの後端を含む後端部分の露光によって生じた電荷が蓄積される。第1の露光期間で蓄積された電荷量を示す信号をS1とし、第2の露光期間で蓄積された電荷量を示す信号をS2とする。信号S1およびS2のそれぞれの強度は、対象物50とイメージセンサ120との間の距離zに応じて変動する。距離zは、以下の(数1)を用いて推定できる。
Figure 0007634205000001
ここで、c(≒3.0×10m/s)は光速を表す。
(数1)からわかるように、分母におけるS1とS2の和は、反射光パルスの位相変化に対して一定である。(数1)を用いることにより、距離zをS2の変化に対し線形的に変化させることができる。本実施形態では、第1および第2の露光期間のタイミングが、反射光パルスIrの前端部分および後端部分の成分をそれぞれ取得するように設定される。これにより、対象物50の距離変化に対するS1およびS2の変化を最大化させ、距離分解能を高めることができる。(数1)から、本方式における測距誤差σzは、S1、S2の検出誤差σs1、σs2を用いて以下の(数2)の計算によって算出できる。
Figure 0007634205000002
(数2)から、T0-(t2-t1)を小さくすることにより、測距誤差σzを小さくすることができることがわかる。本実施形態では、第1の露光期間および第2の露光期間を、反射光パルスIrの前端部分および後端部分の成分をそれぞれ取得するように設定することにより、T0-(t2-t1)を小さくし、測距誤差を低減できる。
ここで、「反射光パルスIrの前端部分の成分を取得する」とは、反射光パルスIrの立ち上がり期間の少なくとも一部の成分を検出することを意味する。また、「反射光パルスIrの後端部分の成分を取得する」とは、反射光パルスIrの立ち下がり期間の少なくとも一部の成分を検出することを意味する。本実施形態において、光検出器に到達した反射光パルスIrの強度が増加を開始する時点を「第1の時点」、反射光パルスIrの強度が増加を終了する時点を「第2の時点」、反射光パルスIrの強度が減少を開始する時点を「第3の時点」、反射光パルスIrの強度が減少を終了する時点を「第4の時点」と称する。第1の露光期間は第1の時点を含み、第2の露光期間は第4の時点を含む。このように、本実施形態では、第1の露光期間が反射光パルスIrの立ち上がり開始時点を含み、第2の露光期間が反射光パルスIrの立ち下がり終了時点を含む。このように各露光期間を制御することにより、測距の精度を向上させることができる。
(数2)に示す測距演算は、特に、検出誤差σs1、σs2が光源110の照度変動に起因する場合により効果的である。なぜなら、ショットノイズのようなS1およびS2の平方根に比例する誤差に比べて、(数2)の右辺における信号S1およびS2への依存性が低下し、T0-(t2-t1)への依存性が高まるためである。これは、照度変動に起因する誤差は、S1およびS2に比例することによる。
したがって、本実施形態では、制御回路132は、反射光パルスIrの前端部分および後端部分の成分を取得するために、0<t2-t1<T0を満たすようにイメージセンサ120を制御する。制御回路132は、T0/3<t2-t1<T0、あるいはT0/2<t2-t1<T0を満たすようにイメージセンサ120を制御してもよい。そのような制御により、測距の精度をさらに高めることができる。このように、S1およびS2は、ともに反射光パルスIrの端部の成分であることが測距分解能の観点から効果的である。このため、第1の露光期間および第2の露光期間のそれぞれは、反射光パルスIrの中点またはピークを含まないように設定され得る。ここで、中点とは、反射光パルスIrの立ち上がり開始点と立ち下がり終了点との間の点を指す。中点またはピークを含まないように、反射光パルスIrの両端部分の成分の電荷を蓄積することで、さらに高精度な測距が可能である。
パルス幅T0を小さくすることでも測距精度向上の効果があるが、発光パルスを短くするとパルス形状が安定しにくくなるため、T0を小さくすることには限界がある。パルス幅T0は、例えば3ns以上、ある例では5ns以上に設定され得る。パルス幅T0を小さくするよりも、第1および第2の露光期間の間の時間差(t2-t1)を大きくする方が、電子シャッタの追随性が高まり、安定してイメージセンサ120を駆動することができる。
反射光パルスIrの前端部分の成分を示す信号S1は、対象物50の距離が近づいた場合に、照度の増加と位相シフトによる光量増加の両方の要因によって検出信号値が高まるため飽和しやすい。したがって、S1<S2となるように第1および第2の露光期間を設定してもよい。この場合、反射光パルスIrの後端部分の成分は、照度変化と位相変化とが逆の特性を持つため打ち消しあい、距離変動に対するS2の変化は発生しにくい。したがって、S2は、S1に比べ、距離が変化した場合もダイナミックレンジ内に維持できる可能性が高いため、飽和するリスクが小さい。
図3Bは、測距装置100の別の駆動方法の例を示す図である。この例における測距装置100は、1つの反射光パルスIrにつき、1回のシャッタの駆動を行う。したがって、反射光パルスIrの前端部分および後端部分のそれぞれの急峻性を高めることに特化した回路設計を行うことが可能になり、測距精度をさらに高めることができる。測距装置100は、第1および第2の露光期間にそれぞれ対応する2つの光源110を備えていてもよい。
図3Cは、発光パルス、反射光パルス、およびシャッタタイミングのさらに他の例を示す図である。この例では、第1および第2の露光期間の各々が、反射光パルスIrのパルス幅よりも短い。このように、第1および第2の露光期間の各々を短くすることにより、暗電流ノイズおよび固定パターンノイズを低減することが可能である。
図3Dは、発光パルス、反射光パルス、およびシャッタタイミングのさらに他の例を示す図である。この例における光源110は、ピークを持つ発光パルスIeを出射する。第1の露光期間は、反射光パルスIrの立ち上がり期間の開始前に開始され、立ち上がり期間の途中で終了する。第2の露光期間は、反射光パルスIrの立ち下がり期間の途中で開始され、立ち下がり期間の終了後に終了する。すなわち、反射光パルスIrの前端側の傾斜部で第1の露光期間が終了し、反射光パルスIrの後端側の傾斜部で第2の露光期間が開始される。言い換えれば、第1の露光期間は、第2の時点よりも前に終了し、第2の露光期間は第3の時点よりも後に開始される。このような制御により、対象物50の距離変化に伴う反射光パルスIrの位相変化に対して検出される光量の変化が敏感になり、距離検出感度が高まる。傾きが急なほど光量変化率が大きくなる。このような制御は、ノイズ成分の支配的な要因が、位相変動ではなく、ショットノイズまたは発光照度変動である場合に特に有効である。なぜなら、ショットノイズおよび発光照度変動は、シャッタタイミングのずれと無相関であるためである。図3Dに示す例においても、制御回路132は、検出される信号が反射光パルスIrの両端の成分を含み、ピーク部の成分を含まないように、第1および第2のシャッタ開放期間を調整する。これにより、距離分解能を高めることができる。この例においては、反射光パルスIrの前端部および後端部における強度変化は、図3Aの例と比較して急峻である必要がない。このため、光源110としてLED等の、パルスの立ち上がりおよび立ち下がりが急峻ではない光源を利用できる。例えばLEDを光源110として使用することで、発光強度の増大、安全性の向上、およびコスト低減などのメリットが生じる。なお、図3Dの例では、発光パルスIeおよび反射光パルスIrが三角波に近い波形を有するが、これらの波形は他の形状であってもよい。例えば、発光パルスIeおよび反射光パルスIrは、台形波に近い波形を有していてもよい。
図3Aから図3Dの各例において、第1の露光期間は反射光パルスIrの立ち上がり直後の時点を含み、第2の露光期間は反射光パルスIrの立ち下がり終了の時点を含む。このように各露光期間が制御されることで、対象物50の距離変化に対するS1およびS2の光量変化を大きく保つことができる。例えば、測距装置100から対象物50までの距離が基準の距離から短縮したとする。この場合、反射光パルスIrはイメージセンサ120に早く到達するため、図3Aから図3Dに示す反射光パルスIrの波形は左にシフトする。このとき、第1の露光期間が、基準距離からの反射光パルスIrの立ち上がり開始時点を含まず、立ち上がり開始後に設定されているとすると、S1の光量変化が発生しないか、光量変化が小さくなる。その結果、距離分解能が低下する。立ち下がりについても同様のことが言える。したがって、本実施形態では、第1の露光期間が、基準距離からの反射光パルスIrの立ち上がり期間の開始時点を含み、第1の露光期間が、当該反射光パルスIrの立ち下がり期間の終了時点を含む。これにより、対象物50の距離変化に対する検出信号値の変化が敏感になり、距離分解能が向上する。
[3.電子回路130の動作]
図4Aは、本実施形態における電子回路130の動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3Aに示す動作に対応している。この例では、イメージセンサ120の各画素は、第1の電荷蓄積部および第2の電荷蓄積部を備える。電子回路130における制御回路132は、まず、光源110に光パルスを出射させる(ステップS101)。この光パルスの時間長はT0である。制御回路132は、光パルスの出射後、第1のタイミングで電子シャッタに各画素の第1の電荷蓄積部への電荷蓄積を開始させる(ステップS102)。第1のタイミングは、測距装置100から予め設定された基準距離に対象物50が存在すると仮定した場合に当該対象物50から戻ってくる反射光パルスIrの立ち上がり開始時点よりも前である。次に、制御回路132は、第2のタイミングで電子シャッタに各画素の第1の電荷蓄積部への電荷蓄積を停止させる(ステップS103)。第2のタイミングは、上記の反射光パルスIrの立ち上がり開始時点よりも後である。ステップS101からS103の動作により、第1のタイミングから第2のタイミングまでの間にイメージセンサ120の各画素に到達した反射光パルスの成分が検出される。続いて、制御回路132は、第3のタイミングで電子シャッタに各画素の第2の電荷蓄積部への電荷蓄積を開始させる(ステップS104)。第3のタイミングは、上記の反射光パルスIrの立ち下がり開始時点よりも前である。次に、制御回路132は、第4のタイミングで電子シャッタに各画素の第2の電荷蓄積部への電荷蓄積を停止させる(ステップS105)。第4のタイミングは、上記の反射光パルスIrの立ち下がり終了時点よりも後である。ステップS103からS105の動作により、第3のタイミングから第4のタイミングまでの間にイメージセンサ120の各画素に到達した反射光パルスの成分が検出される。続いて、制御回路132は、上記の各電荷蓄積部への信号蓄積を実行した回数が所定の回数に達したか否かを判定する(ステップS106)。この判定がNoの場合、Yesと判定するまで、ステップS101からS105を繰り返す。この繰り返しは、1回の信号蓄積では光量が不足する場合に行われる。繰り返しの回数は、必要なSN比に応じて適切な回数に設定される。
ステップS106においてYesと判定すると、制御回路132は、信号処理回路134に、各画素の第1の電荷蓄積部に蓄積された信号電荷に基づく第1の強度マップを生成させる(ステップS107)。さらに、制御回路132は、信号処理回路134に、各画素の第2の電荷蓄積部に蓄積された信号電荷に基づく第2の強度マップを生成させる(ステップS108)。第1の強度マップおよび第2の強度マップの各々は、反射光パルスの飛行時間に応じて異なる画素値を有する画像データである。次に、信号処理回路134は、第1および第2の強度マップのデータから、前述の(数1)に示す演算処理を実行することにより、各画素の距離を求め、距離マップを生成する(ステップS109)。距離マップは、各画素が距離の値を有する画像データである。信号処理回路134は、生成した距離マップをメモリなどの記録媒体に記録する。
なお、ステップS109において、信号処理回路134は、各画素の距離を、(数1)に示す演算によって計算する代わりに、予めメモリ136等の記録媒体に格納されたテーブルを参照することによって決定してもよい。そのようなテーブルは、例えば、S2/(S1+S2)の値の範囲と、その範囲に対応する距離との関係を規定する。当該テーブルは、S1/(S1+S2)の値の範囲と、その範囲に対応する距離との関係を規定するものであってもよい。
ステップS101からS109の動作により、1フレーム分の距離マップが生成される。電子回路130は、ステップS101からS109の動作を繰り返すことにより、複数フレームの距離マップを生成してもよい。以上の動作により、対象物50の距離マップすなわち距離画像を高い精度で生成することができる。
図4Bは、本実施形態における電子回路130の動作の他の例を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3Bに示す動作に対応している。この例では、第1の電荷蓄積部への電荷蓄積と、第2の電荷蓄積部への電荷蓄積とが、異なる発光パルスに基づいて行われる点で図4Aの例とは異なる。ステップS201からS203の動作は、図4AにおけるS101からS103の動作とそれぞれ同じである。ステップS203の後、ステップS204において、制御回路132は、光源110に他の光パルスを出射させる。そして、ステップS205からS207において、図4AにおけるS104からS106と同様の動作が実行される。ステップS207において、第1の電荷蓄積部および第2の電荷蓄積部の各々への所定回数の信号蓄積が完了したと判定すると、制御回路132は、信号処理回路134に、ステップS208からS210の動作を実行させる。ステップS208からS210の動作は、図4AにおけるステップS107からS109の動作とそれぞれ同じである。
ステップS201からS210の動作により、1フレーム分の距離マップが生成される。電子回路130は、ステップS201からS210の動作を繰り返すことにより、複数フレームの距離マップを生成してもよい。以上の動作により、対象物50の距離マップを高い精度で生成することができる。
なお、複数回の発光および電荷蓄積は必須ではなく、必要に応じて行われる。また、第1および第2の強度マップを生成するための2種類の信号電荷の蓄積を、2つの電荷蓄積部に割り当てる代わりに、異なる2つのフレームに割り当ててもよい。例えば、フレームごとにシャッタタイミングを異ならせ、奇数フレームで第1の強度マップを、偶数フレームで第2の強度マップを生成してもよい。また、画素ごとにシャッタタイミングを異ならせてもよい。そのようにすることで、第1の強度マップおよび第2の強度マップを画素ごとに割り当てて取得することができる。例えば、第1の強度マップを画素上でチェッカー状に取得し、第2の強度マップを残りの画素上で同じくチェッカー状に取得してもよい。第1の強度マップをおよび第2の強度マップを画素の行毎に割り当てて取得してもよい。例えば第1の強度マップを画素の奇数行で取得し、第2の強度マップを画素の偶数行で取得してもよい。第1および第2の強度マップの各々において、間引かれた画素について、空間的に補間処理を行った後、第1および第2の強度マップに基づく演算処理によって距離マップを生成してもよい。
図4Cは、フレームごとに異なる強度マップを生成する処理の例を示すフローチャートである。この例では、制御回路132は、まず、光源110に所定時間だけ光パルスを出射させる(ステップS301)。制御回路132は、第1のタイミングで電子シャッタに電荷蓄積部への電荷蓄積を開始させる(ステップS302)。次に、制御回路132は、第2のタイミングで電子シャッタに電荷蓄積部への電荷蓄積を停止させる(ステップS303)。これらの動作により、反射光パルスの前端部分の成分に相当する信号電荷が電荷蓄積部に蓄積される。続いて、制御回路132は、上記の信号蓄積を実行した回数が所定の回数に達したか否かを判定する(ステップS304)。この判定がNoの場合、Yesと判定するまで、ステップS301からS303を繰り返す。ステップS304においてYesと判定すると、制御回路132は、信号処理回路134に、電荷蓄積部に蓄積された信号電荷に基づく第1の強度マップを生成させ、電荷蓄積部の信号電荷をリセットする(ステップS305)。次に、制御回路132は、光源110に所定時間だけ光パルスを出射させる(ステップS306)。制御回路132は、第3のタイミングで電子シャッタに電荷蓄積部への電荷蓄積を開始させる(ステップS307)。次に、制御回路132は、第4のタイミングで電子シャッタに電荷蓄積部への電荷蓄積を停止させる(ステップS308)。これらの動作により、反射光パルスの後端部分の成分に相当する信号電荷が電荷蓄積部に蓄積される。続いて、制御回路132は、上記の信号蓄積を実行した回数が所定の回数に達したか否かを判定する(ステップS309)。この判定がNoの場合、Yesと判定するまで、ステップS306からS308を繰り返す。ステップS309においてYesと判定すると、制御回路132は、信号処理回路134に、電荷蓄積部に蓄積された信号電荷に基づく第2の強度マップを生成させ、電荷蓄積部の信号電荷をリセットする(ステップS310)。次に、信号処理回路134は、第1および第2の強度マップのデータから、前述の方法により、距離マップを生成する(ステップS311)。
ステップS301からS311の動作により、対象物50の距離マップを高い精度で生成することができる。図4Cは、2フレーム分の動作を示しているが、さらに多くのフレームの距離マップを得るために、図4Cに示す動作を繰り返してもよい。図4Cの例では、2フレームに1回の頻度で距離マップが生成されるが、フレームごとに距離マップを生成することもできる。例えば、ステップS305とステップS306との間に、ステップS311と同様のステップを追加してもよい。その場合、追加されたステップでは、ステップS305で得られた第1の強度マップと、1つ前のフレームで得られた第2の強度マップとに基づいて距離マップを生成することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2による測距装置100を説明する。
本実施形態の測距装置100は、第1および第2の露光期間を反射光パルスIrの端部を検出するように設定するための駆動モードを有する点で、実施形態1と異なる。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明し、重複する事項についての説明は省略する。
測距装置100は、測距精度を高めるために反射光パルスIrの両端を検出するようにイメージセンサ120を駆動させる。しかし、対象物50と測距装置100との間の距離に応じて、反射光パルスIrが戻ってくるタイミングが変化するため、予め設定されたシャッタタイミングでは反射光パルスIrの端部を検出できない場合が生じる。特に、測距精度を高めるためにT0-(t2-t1)を小さくするほど、測距レンジすなわち測距が可能な距離の範囲が小さくなり、第1および第2の露光期間のいずれかが、反射光パルスIrの外側に外れやすくなる。
そこで、本実施形態では、図5に示すように、反射光パルスIrの両端の成分のみを検出する高精度測距モードの前に、測距レンジの広い距離測定モードである広レンジモードによる動作が実行される。電子回路130は、広レンジモードにより、おおよその距離を算出し、その結果を高精度測距モードでのシャッタ位相の調整に反映させる。広レンジモードでは、例えば図5に示すように、第1および第2の露光期間のいずれかが、反射光パルスIrの中点を含むようにイメージセンサ120が駆動される。ここで反射光パルスIrの中点とは、反射光パルスIrの立ち上がり開始時点と立ち下がり終了時点との中心の時点を意味する。広レンジモードにおいて、第1の露光期間の終了時点は、第2の露光期間の開始時点に一致している。広レンジモードでは、測距レンジは、パルス幅T0に依存する。例えば、パルス幅T0が5nsである場合、約75cmの測距レンジを確保できる。さらに測距レンジを拡張するために、広レンジモードにおいてのみ、パルス幅T0を長くしてもよい。広レンジモードにおいて、距離zは(数3)で算出される。
Figure 0007634205000003
図6は、測距レンジ内にシャッタタイミングを調整する動作の概略を示すフローチャートである。まず、制御回路132は、第1および第2の露光期間の両方で反射光パルスの端部を検出できているかを判断する(ステップS401)。各露光期間で反射光パルスの端部を検出できているか否かは、信号S1、S2の強度に基づいて判断される。ステップS401における判断がYesの場合はステップS404に進む。ステップS401における判断がNoの場合はステップS402に進む。信号S1およびS2の一方または両方が環境光に起因する成分以外の信号成分を含んでいない場合は、端部を検出できておらずNoと判断される。また、信号S1およびS2の一方または両方が、想定される値よりも遥かに大きい値を有する場合、反射光パルスの端部ではなく中央部が検出されていると考えられるため、Noと判断される。ステップS401においてNoと判断された場合、制御回路132は、広レンジモードに移行する。広レンジモードでは、制御回路132は、2つの露光期間のうちの一方が反射光パルスの中央の時点を含むタイミングでシャッタを駆動する。制御回路132は、(数3)に基づき、対象物50までの距離を算出し、当該距離に基づいて、各露光期間と反射光パルスとの間の位相差の適正値からのずれ量を算出する(ステップS402)。さらに、算出した位相のずれ量から、発光パルスと各露光期間との相対的なタイミングを微調整し、反射光パルスIrの両端の成分を第1および第2の露光期間で検出する(S403)。適正な位相差は、対象物50までの距離に応じて変化する。したがって、相対的なタイミングを微調整するために、例えば、予め、距離と適正位相差との関係を規定するテーブルを保有しておいてもよい。制御回路132は、当該テーブルを参照して、検出した距離に対する適切な位相差になるように、基準クロックに対する発光パルスの発光タイミング、または、各露光期間のタイミングを調整することができる。ステップS403の後、またはステップS401においてYesと判断されると、信号処理回路134は、第1および第2の露光期間で得られた検出信号値から、(数1)に基づき距離を算出する(ステップS404)。
以上の動作により、予め設定されたシャッタタイミングでは反射光パルスIrの端部を検出できない場合に、シャッタタイミングを調整して反射光パルスIrの端部を検出できるようにすることができる。これにより、対象物50と測距装置100との距離が時間の経過とともに変化する場合でも、安定的かつ高精度に距離情報を取得することができる。
(実施形態3)
実施形態3は、測距装置100を用いたアプリケーションに関する。
図7は、実施形態1または2における測距装置100を自動車の車室内に搭載した一例を模式的に示す図である。図7に示す例では、測距装置100が自動車の車室内に設けられる。測距装置100により、測距の対象物50である運転者の3Dテクスチャを取得することができる。取得された3Dテクスチャのデータをデータベースと照合することで、運転者が自動車の所有者であるのかを識別することができる。車のキーの代わりに、測距装置100によって運転者を識別して、車を始動させてもよい。自動運転時に測距装置100によって乗客を識別し、その識別結果を自動運転の制御システムにフィードバックし、乗客に応じてカスタマイズされた運転を行うようにしてもよい。例えば、乗客が高齢者または腰を痛めている乗客であればブレーキングをやさしくしたり、乗客がドライブ好きであれば爽快な走りのドライビングにしたりするなどのカスタマイズが可能である。このようなフィードバックにより、個人の嗜好に適合した自動運転が可能になる。
図8Aおよび図8Bは、実施形態1または2における測距装置100をモバイル端末に適用した一例を模式的に示す図である。モバイル端末は、例えば、スマートフォン、タブレット、またはパーソナルコンピュータである。測距装置100におけるイメージセンサ120として、モバイル端末に内蔵されているイメージセンサを用いてもよい。測距装置100から得られるユーザの顔の3Dデータから個人を認証することができる。図8Aは、認証中のモバイル端末の画面の一例を示している。図8Bは、認証成功時のモバイル端末の画面の一例を示している。このような認証の仕組みは、モバイル端末へのログイン認証のほか、オンライン口座へのログイン認証等にも有効である。本実施形態では、ユーザの顔の3Dデータを用いることにより、従来の2次元画像と比べ、情報量が増えるため識別精度が向上する。これにより、例えばカメラの前でユーザの写真を読み込ませるといった成りすましを排除でき、セキュリティの高い認証を実現できる。また、本実施形態では、反射光パルスIrの両端の成分を検出することによる高精度測距により、緻密な3D顔データを形成できるため、従来の3D認証よりもさらに認証精度を高めることが可能となる。したがって、本実施形態の技術は、モバイル端末を用いた電子決済などの極めて高い認証精度が要求される用途に適合する。本開示の技術は、例えば高額決済時の多段階認証の一つに用いてもよく、キャッシュレス社会のキーテクノロジーと成り得る。
測距装置100は、自動車またはモバイル端末以外にも、例えば、銀行もしくはコンビニエンスストアに設置されているATMの口座名義人の識別、住宅のエントランスの解錠、またはオフィスの入退室管理などに適用してもよい。
測距装置100は、測距を行うだけでなく、対象物50の皮膚の内部の情報を取得することも可能である。以下、そのような測距装置100の例を説明する。以下の説明において、対象物50の皮膚の内部の情報を「生体情報」と称する。
図9は、距離情報に加え、対象物50の生体情報を取得する測距装置100の動作を説明するための図である。この例では、距離計測のための第1の露光期間および第2の露光期間に加え、生体情報を取得するための第3の露光期間が設けられる。イメージセンサ120の各画素は、3つ以上の電荷蓄積部を備える。第1の露光期間において、反射光パルスIrの前端部分の成分を示す信号S1が取得される。第2の露光期間において、反射光パルスIrの後端部分の成分を示す信号S2が取得される。第3の露光期間は、発光パルスの開始時点に対して第2の露光期間よりもさらに遅れたタイミングで開始される。これにより、第3の露光期間においては、反射光パルスIrの強度の減少の開始から終了までの期間である立ち下がり期間における成分を示す信号S3が取得される。第3の露光期間を設けることにより、例えば、皮膚内部で散乱した、光路長が比較的長い光の成分を検出することができる。これにより、例えば静脈を中心とする血管分布を明瞭に検出することができる。
図10は、図9に示す例における電子回路130の動作を示すフローチャートである。このフローチャートにおいて、ステップS501からS506の動作は、図4Bに示すステップS201からS206の動作と同じである。本実施形態では、ステップS506の後、制御回路132は、光源110に光パルスを出射させる(ステップS507)。次に、制御回路132は、イメージセンサ120に、第5のタイミングで第3の電荷蓄積部への電荷蓄積を開始させる(ステップS508)。その後、制御回路132は、イメージセンサ120に、第6のタイミングで第3の電荷蓄積部への電荷蓄積を停止させる(ステップS509)。ステップS501からS509の動作が、ステップS510において各電荷蓄積部への所定回数の信号蓄積が完了したと判断されるまで繰り返される。ステップS510において所定回数の信号蓄積が完了したと判断されると、制御回路132は、信号処理回路134に、第1から第3の電荷蓄積部に蓄積された信号電荷に基づく第1から第3の強度マップをそれぞれ生成させる(ステップS511からS513)。続いて、前述の実施形態と同様、信号処理回路134は、第1および第2の強度マップに基づき、距離マップを生成する(ステップS514)。さらに信号処理回路134は、第3の強度マップに基づき、生体情報マップを生成する(ステップS515)。生体情報マップは、各画素の信号S3に基づく処理によって生成される画像データである。生体情報マップは、例えば血管分布を示す画像データであり得る。
上記の処理によって得られた血管分布と、距離マップに基づく3Dテクスチャ情報とを組みわせることで、例えば一卵性双生児を区別できるほどの高精度な個人特定が可能となる。また、距離情報に基づいて血管分布を3次元化して表示してもよい。
図11Aおよび図11Bは、3次元的に表示された血管分布の画像の例を示している。図11Aに示すように、正面以外の方向から顔を撮影した場合でも、3次元情報を用いた射影変換により、図11Bに示すように、正面から見た血管分布の画像に変換することができる。このような変換により、撮影によって取得された血管分布と、予め記録媒体に格納されている標準データベースとの照合の安定性を高めることが可能となる。その結果、本人拒否率または他人受け入れ率を低減できる。また、ユーザが意図せずデータベースと異なる角度で撮影した場合でも、端末側で自動で修正して認識することが可能となり、認識速度を高めることができる。
図9の例では、3種類の露光期間が設けられているが、第3の露光期間の代わりに第2の露光期間で皮膚内部の血管情報を取得しても良い。皮下に入りやすい650nmから1000nm程度の近赤外光を用いることで、シャッタタイミングによらず血管情報を少なからず取得することができる。第2の露光期間で内部血管の情報も取得することで、シャッタの種類を2種類に減らすことができ、フレームレートを向上させることができる。予め記録媒体に格納される血管分布のデータベースは、2次元データであってもよいし、3次元データであってもよい。あるいは、血管の2次元データと、顔の3Dテクスチャのデータとを合わせたデータベースを用いてもよい。
(実施例)
図12は、測距装置100を用いてヒトと同等のサイズのマネキンの顔を測距した実測結果を示す。測距装置100とマネキンの顔との距離は30cmとした。測距装置100にはF2.5、水平画角±16.3°のレンズを設け、イメージセンサ120の画素数は320×240ピクセルとした。光源110のパルス幅T0、すなわち発光パルスの立ち上がりの開始から終了までの時間は5nsとした。基準距離からの反射光パルスIrの両端1割ずつ、すなわち反射光パルスIrの立ち上がりの開始から0.5nsまでの期間および立ち下がりの終了前0.5nsの期間の成分を検出した。この場合、測距レンジは±7.5cmであった。なお、顔の3D画像を検出する分には通常はこの測距レンジで問題ないが、顔のサイズには個人差があるため、余裕を見てさらに1ns程度反射光パルスIrの内側まで検出するようにシャッタタイミングを設定してもよい。
一方、図13は、同一のマネキンを従来の測距方法で実測した比較例の結果を示している。この比較例では、(数1)に代えて、以下の(数4)に基づいて距離zを算出した。
Figure 0007634205000004
ここで、実施例とは異なり、信号S1は、反射光パルスIrの全体を検出するように露光のシャッタタイミングを調整することによって取得した。信号S2は、実施例と同じ方法で取得した。
従来の測距方法で取得した図13に示す顔画像では、顔の各器官の凹凸が判別できない。これに対し、本実施例の測距方法では、図12に示すように、顔の表面形状および奥行分布を緻密に取得することができ、本開示の技術の有効性が確認できた。測距ばらつきを3σで算出すると0.12mmであり、本開示の技術により、高い測距精度を実現できることが実証できた。
本開示における測距装置は、非接触で対象物までの距離または表面の凹凸形状の情報を高い精度で取得することができる。このため、本開示における測距装置は、物体認識、ライン検査、および認証などの幅広い分野で有用である。
50 対象物
100 測距装置
110 光源
120 イメージセンサ
122 光電変換部
124 電荷蓄積部
130 電子回路
132 制御回路
134 信号処理回路

Claims (17)

  1. 光源と、
    光検出器と、
    前記光源および前記光検出器を制御する回路と、
    を備え、
    前記回路は、
    前記光源に、対象物に向けて光パルスを出射させ、
    前記光検出器に、前記光パルスに起因して生じた前記対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含み前記第2の時点よりも前に終了する第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させ、
    前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの前記強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含み前記第3の時点よりも後に開始する第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させ、
    前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する、
    測距装置。
  2. 前記第1の期間は、前記第1の時点と前記第4の時点との中点よりも前に終了し、
    前記第2の期間は、前記中点よりも後に開始する、
    請求項1に記載の測距装置。
  3. 前記光パルスのパルス幅は3ns以上30ns以下である、
    請求項1または2に記載の測距装置。
  4. 前記光パルスの出射の開始から前記第1の期間が終了するまでの時間をt1、前記光パルスの出射の開始から前記第2の期間が開始するまでの時間をt2、前記光パルスのパルス幅をT0とするとき、
    T0/3<(t2-t1)<T0
    を満たす、
    請求項1から3のいずれかに記載の測距装置。
  5. 前記第1の期間が開始するタイミングは、前記光パルスの出射が開始するタイミングと異なっている、または
    前記第2の期間が開始するタイミングは、前記光パルスの出射が終了するタイミングと異なっている、
    請求項1からのいずれかに記載の測距装置。
  6. 前記第3の時点は、前記第2の時点と異なる、請求項1から5のいずれかに記載の測距装置。
  7. 前記回路は、前記第1の信号の値よりも前記第2の信号の値の方が大きくなるように、前記反射光パルスを前記光検出器に検出させる、請求項1から5のいずれかに記載の測距装置。
  8. 光源と、
    光検出器と、
    前記光源および前記光検出器を制御する回路と、
    を備え、
    前記回路は、
    前記光源に、対象物に向けて第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させ、
    前記光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含み前記第2の時点よりも前に終了する第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させ、
    前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの第1の立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含み前記第3の時点よりも後に開始する第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させ、
    前記回路は、前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する、
    測距装置。
  9. 前記第1の期間は、前記第1の時点と前記第1の反射光パルスの前記強度の減少が終了する時点との中点よりも前に終了し、
    前記第2の期間は、前記第2の反射光パルスの前記強度の増加が開始する時点から前記第4の時点との中点よりも後に開始する、
    請求項に記載の測距装置。
  10. 前記第1の光パルスおよび前記第2の光パルスの各々のパルス幅は3ns以上30ns以下である、
    請求項またはに記載の測距装置。
  11. 前記第1の光パルスの出射の開始から前記第1の期間が終了するまでの時間をt1、前記第2の光パルスの出射の開始から前記第2の期間が開始するまでの時間をt2、前記第1の光パルスおよび前記第2の光パルスの各々のパルス幅をT0とするとき、
    T0/3<(t2-t1)<T0
    を満たす、
    請求項から10のいずれかに記載の測距装置。
  12. 前記第1の期間が開始するタイミングは、前記第1の光パルスの出射が開始するタイミングと異なっている、または
    前記第2の期間が開始するタイミングは、前記第2の光パルスの出射が終了するタイミングと異なっている、
    請求項から11のいずれかに記載の測距装置。
  13. 前記対象物は生体であり、
    前記光源は、前記対象物に向けて、さらに第3の光パルスを出射し、
    前記光検出器は、前記対象物から戻った前記第3の光パルスに起因する第3の反射光パルスをさらに検出し、
    前記回路は、前記光検出器に、前記第3の反射光パルスの強度が減少を開始する第5の時点から前記減少が終了する第6の時点までの第2の立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第6の時点を含む第3の期間において、前記第3の反射光パルスを検出させて第3の信号を出力させ、
    前記第3の期間の開始から前記第6の時点までの長さは、前記第2の期間の開始から前記第4の時点までの長さよりも短く、
    前記回路は、前記第3の信号に基づいて、前記対象物の生体情報を生成して出力する、
    請求項から12のいずれかに記載の測距装置。
  14. 1つ以上のプロセッサと、
    前記1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムを格納するメモリと、
    を備え、
    前記1つ以上のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、
    光源に、対象物に向けて光パルスを出射させ、
    光検出器に、前記光パルスに起因して生じた前記対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含み前記第2の時点よりも前に終了する第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させ、
    前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの前記強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含み前記第3の時点よりも後に開始する第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させ、
    前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する、
    信号処理装置。
  15. 1つ以上のプロセッサと、
    前記1つ以上のプロセッサによって実行されるコンピュータプログラムを格納するメモリと、
    を備え、
    前記1つ以上のプロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行することにより、
    光源に、対象物に向けて第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させ、
    光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含み前記第2の時点よりも前に終了する第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させ、
    前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含み前記第3の時点よりも後に開始する第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させ、
    前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力する、
    信号処理装置。
  16. 光源に、対象物に向けて光パルスを出射させること、
    光検出器に、前記光パルスに起因して生じた前記対象物からの反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含み前記第2の時点よりも前に終了する第1の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させること、
    前記光検出器に、前記第1の期間の終了後の第2の期間であって、前記反射光パルスの前記強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含み前記第3の時点よりも後に開始する第2の期間において、前記反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させること、及び
    前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力すること、
    を含む動作をコンピュータに実行させる、
    コンピュータプログラム。
  17. 光源に、対象物に向けて第1の光パルスおよび第2の光パルスを出射させること、
    光検出器に、前記第1の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第1の反射光パルスの強度が増加を開始する第1の時点から前記増加が終了する第2の時点までの立ち上がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第1の時点を含み前記第2の時点よりも前に終了する第1の期間において、前記第1の反射光パルスを検出させることによって第1の信号を生成させること、
    前記光検出器に、前記第2の光パルスに起因して生じた前記対象物からの第2の反射光パルスの強度が減少を開始する第3の時点から前記減少が終了する第4の時点までの立ち下がり期間の少なくとも一部を含み、かつ前記第4の時点を含み前記第3の時点よりも後に開始する第2の期間において、前記第2の反射光パルスを検出させることによって第2の信号を生成させること、及び
    前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記光検出器から前記対象物までの距離を示すデータを生成して出力すること、
    を含む動作をコンピュータに実行させる、
    コンピュータプログラム。
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