[実施形態の説明]
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
(拡幅掘削施工部10,セグメント22の構成および構築方法の概略)
図1は地中に設けられた拡幅掘削施工部10全体を示すものであって、この拡幅掘削施工部10は図1の紙面と直交する方向に延長されており、延長方向に延びる2本の円筒状の既設トンネル12を構成する既設トンネル覆工11を包含している。
図1に示すように、前記既設トンネル覆工11間には上部拡幅掘削部15および下部拡幅掘削部16が形成され、それらの間の上下方向の中間部には未掘削部18を残す。上部拡幅掘削部15の天井部には外殻として上部覆工壁13が設けられている。前記下部拡幅掘削部16の底部には底部拡幅掘削部17が形成されている。この底部拡幅掘削部17の上部、すなわち下部拡幅掘削部16の下部には同じく外殻として下部覆工壁14が設けられている。下部覆工壁14の下側における底部拡幅掘削部17内には下部覆工壁14のトンネル下半部セグメントとしてのセグメント22の構築後に裏込材19と称される充填材が充填される。拡幅掘削施工部10のトンネル構築後の下部覆工壁14はこの裏込材19によって下方から支持されている。
図1および図5に示すように、前記下部覆工壁14は下方へ向かって膨らみ、曲率半径の大きな円孤形状をなしている。この下部覆工壁14は、左右方向の両端で両側の既設トンネル覆工11と接合されるとともに、既設トンネル12の延長方向に沿って構成されている。本実施形態においては、図1の左右方向をセグメント22の左右方向という。また、図2~図4の上側をトンネル延長方向における後方側、同図の下側を同じくトンネル延長方向における前方側とする。セグメント22は、後方側から前方側に向かって順次構築される。
このセグメント22は、図1~図4に示すように、第1~第6セグメントピース231~236の外周を接合面としている。以下、第1~第6セグメントピース231~236を特定することなく、セグメントピースを総称して表す場合はセグメントピース23とする。そして、第1~第6セグメントピース231~236の接合面を隣接する既設セグメント22および既設トンネル覆工11や、新設する各セグメントピース23とボルト(図示しない)の締結により接合している。なお、前記の「第1~第6」は各セグメントピース23の組立順序に従って付されたもので、それらはセグメント22の左右両端部の位置から左右交互に中央部に向けて組立てられる。
図12に示すように、セグメント22は、それぞれ鋼殻221と、その鋼殻221内に充填されたコンクリート222とによって構成されている。本実施形態のセグメント組立装置20が扱うセグメント22は、各セグメントピース23のボルトによる接合方式や鋼殻221にコンクリート222を充填する構造に限定されるものではない。また、1列のセグメント22は本実施形態では6分割に構成されているが、その分割数は拡幅掘削施工部10の形状などの条件によって変わるので、各セグメントピース23の数はこの限りではない。
図4に示すように、第6セグメントピース236が本実施形態における各セグメントピース23のうち最後に組み付けられるKセグメントピースである。その両端の接合面は後方側に収束する外テーパー面241とする。また、他の第1~第3セグメントピース231~233はAセグメントピースで、第4および5セグメントピース234,235がBセグメントピースである。その第4セグメントピース234および第5セグメントピース235の対向面には外テーパー面241に沿う内テーパー面242が形成されている。第4セグメントピース234および第5セグメントピース235の組み付け後は、両内テーパー面242間に間隙237が形成され、この間隙237にKセグメントピースである第6セグメントピース236が前方側から挿入される。なお、1列毎に甲組列および乙組列が交互に組立てられる。この甲組列および乙組列においては、Kセグメントピースである第6セグメントピース236の位置を含めた全体配置は左右方向勝手反対に変わる。このため、図2に示すように、各セグメントピース23の左右両端の接合位置が前後方向(トンネル延長方向)において一線に連続しない千鳥組となる。
第1~第6セグメントピース231~236は、以下の順序で組み立てられる。
はじめに、図3に示すように、第1セグメントピース231は、セグメント22の中央部のセグメントピース23の供給位置中心251上に設置された後述する台車構造のセグメントピース供給装置25で搬送供給される。そして、第1セグメントピース231は、エレクター装置27の把持装置部80に載置されて把持される。この載置される位置は、既設セグメント22の前方側における第1~5セグメントピース231~235の走行搬送開始時の把持位置831(以下、ABセグメント走行時把持位置831という)である。そして、第1セグメントピース231がその把持状態で所定の組み付け位置へ向かって左右方向に走行搬送される。次いで、第1セグメントピース231は、組み付け位置に向けて後方側へ移動されて、後面は既設セグメント22の前面に取り付けられ、外側端面は既設トンネル覆工11に取り付けられる。
次に、第2セグメントピース232が第1セグメントピース231と組立位置の左右逆方向である端部の組み付け所定位置に同様の方法で組み付けられる。
このようにして、以後、第3~第5セグメントピース233~235が各セグメントピース23の組み付け毎に前記と同様の方法で取り付けられる。すなわち、第3~第5セグメントピース233~235左右交互に、既設セグメント22の前面と、既に組み付けられたセグメントピース231~233の側端面とに固定されて取り付けられる。
図4に示すように、Kセグメントピースである第6セグメントピース236は、すでに組み付けられた第5セグメントピース235と干渉しない位置に供給される。この位置は、第1~第5セグメントピース231~235の設置位置より前方側の第6セグメントピース236の走行搬送時の把持位置832(以下、Kセグメント走行時把持位置832という)である。そして、第6セグメントピース236は、エレクター装置27の把持装置部80に載置されて把持された後に、走行搬送される。そして、第6セグメントピース236は、第4セグメントピース234と第5セグメントピース235との間の間隙237に向かって移動されて、その間隙237内に挿入される。その後、第6セグメントピース236は、既設セグメント22の前面と、第4セグメントピース234および第5セグメントピース235の側端面の内テーパー面242とに取り付けられる。
(下部覆工壁14の構築装置全体)
次に、主として図5以下の図面に基づいて、セグメント22の構築を実施するための下部覆工壁14の構築装置について説明する。構築装置は、セグメントピース供給装置25,セグメント組立装置20を構成するガイド装置26およびエレクター装置27を有する。そこで、以下に、これらの前記セグメントピース供給装置25,セグメント組立装置20を構成するガイド装置26およびエレクター装置27について順次説明する。
(セグメントピース供給装置25およびその関連構成)
図2~図5および図7に示すように、各セグメントピース23は、セグメントピース供給装置25により、供給位置中心251上において前後方向に沿って前記ABセグメント走行時把持位置831およびKセグメント走行時把持位置832に搬送供給される。そして、各セグメントピース23は、そのABセグメント走行時把持位置831およびKセグメント走行時把持位置832(図3および図4参照)においてセグメントピース供給装置25からセグメント組立装置20に供給される。セグメント組立装置20はエレクター装置27を備え、各セグメントピース23はそのエレクター装置27の後述の把持装置部80としての把持フレーム82に受け渡される。
図5および図7に示すように、前記底部拡幅掘削部17上および既設セグメント22上の左右2箇所には、それぞれに前後方向に伸びる底盤側レール311と既設側レール312が敷設される。ガイド装置26を跨ぐように配置されたセグメントピース供給装置25の台車フレーム32は、前後左右の4位置に車輪33を有している。このセグメントピース供給装置25はこれらの車輪33において前記前方側の底盤側レール311、後方側の既設側レール312上に前後動可能に載置されている。セグメントピース供給装置25はアクチュエータとしての移動シリンダ34の伸縮によって前後動される。すなわち、移動シリンダ34は、一端がセグメントピース供給装置25に取り付けられるとともに、他端のレールクランプ341は既設側レール312をクランプする。そして、移動シリンダ34が伸長することによってセグメントピース供給装置25が前進される。その後、レールクランプ341が既設側レール312のクランプを解除する。次いで、移動シリンダ34が収縮した後に、レールクランプ341により再度既設側レール312をクランプさせる。このようにして、セグメントピース供給装置25が間欠的に前進される。台車フレーム32には、その台車フレーム32のI形鋼36に沿って前後方向に移動可能にしたクレーンユニット35が支持されている。なお、図5において、一点鎖線C-Cの左側に前部側の車輪33の部分を示し、右側に後部側の車輪33の部分を示す。
セグメント供給台車(図示しない)でトンネル延長方向の後方側から搬入された各セグメントピース23が前記クレーンユニット35により、1ピース毎にセグメントピース供給装置25の後方側で吊り下げられて、前方側の位置に供給される。そして、この前方側の位置において、吊り下げ状態の各セグメントピース23が水平面内において向きを変更されるとともに、降下される。一方、エレクター装置27は、その中心位置を前記供給位置中心251に合わせて走行停止される。そのうえで、エレクター装置27の把持フレーム82が前後位置において、ABセグメント走行時把持位置831またはKセグメント走行時把持位置832に設定される。そして、各セグメントピース23は、吊り下げ状態からの降下前に湾曲方向が左右方向になる状態に向きを回転されて、ABセグメント走行時把持位置831またはKセグメント走行時把持位置832の把持フレーム82上に降下される。なお、移動シリンダ34は、アクチュエータとしてそれ以外の構成であるモータ等の機構を採用しても構わない。
(ガイド装置26)
次に、前記エレクター装置27の走行移動をガイドするためのガイド装置26について説明する。
図5~図7に示すように、ガイド装置26は前記裏込材19の未充填位置における前記底部拡幅掘削部17内に配置されており、前後位置の車輪33を介して前記底盤側レール311上に前後動可能に載置されている。ガイド装置26は、ガイドビーム移動装置およびアクチュエータとしての移動シリンダ42によって前方側(図7の左方)に移動される。すなわち、移動シリンダ42は、一端がガイド装置26に取り付けられるとともに、他端のレールクランプ421は底盤側レール311をクランプする。そして、移動シリンダ42が収縮することによってガイド装置26が前進される。その後、レールクランプ421が底盤側レール311のクランプを解除する。次いで、移動シリンダ42が伸長した後に、レールクランプ421により再度底盤側レール311をクランプさせる。このようにして、ガイド装置26が間欠的に前進される。
図5および図6に示すように、ガイド装置26は、同ガイド装置26の中央部及び両端の複数の連結材43によって連結された前後一対のI形ビームよりなるガイドビーム44を有している。両ガイドビーム44は下部覆工壁14を構成する前記セグメント22の下面の曲率のカーブに沿って下方へ膨らむように湾曲している。図14に示すように、エレクター装置27を走行させるために、両ガイドビーム44の対向側の下側フランジ443の内面には走行レール40が延長されるとともに、上側フランジ444の内面には走行用ラック45が延長されている。
図5および図6に示すように、ガイドビーム44の左右方向における中央部の一対の両連結材43の両端近傍位置において、両ガイドビーム44の下面側にはアウトリガー装置46としてのアウトリガージャッキ461が取付けられている。そして、アウトリガージャッキ461が伸長すると、その下端のアウトリガーシュー462が底部拡幅掘削部17の底盤に接地して、ガイド装置26全体が押し上げられ、前記車輪33が底盤側レール311から浮上する。また、アウトリガージャッキ461が縮小することにより、ガイド装置26全体が下降されて、前記車輪33が底盤側レール311上に載置され、アウトリガーシュー462は底部拡幅掘削部17の底盤から離れる。
図6および図7に示すように、後方側ガイドビーム442の後方側には、褄枠支持材48を介して褄枠パネル49を設ける。この褄枠パネル49は、下部覆工壁14の下側の底部拡幅掘削部17へ下部覆工壁14であるセグメント22を構築後に下部覆工壁14の下側の底部拡幅掘削部17へ裏込材19を充填する際の褄として機能する。裏込材19は、施工サイクルに伴い複数列のセグメント22が設置されるごとに、充填される場合もある。なお、裏込材19の褄枠パネル49はセグメント22の組立に直接的に関係はなく、別途方法で褄を形成する場合もあり、本実施形態として、これらの構成は限定されない。
図6および図14に示すように、後方側ガイドビーム442の上面および褄枠支持材48の後方側のそれぞれの上面には、左右方向に等間隔をおいて複数のガイド受台51が取り付けられている。それらのガイド受台51には、フリーボールよりなるガイドコロ52が支持されている。なお、褄枠パネル49が省略された場合、褄枠支持材48はガイド受台51の設置用のために同等構造の張出し材をガイドビーム442の後方に設置するものとする。
図6および図14に示すように、前方側ガイドビーム441における左右方向の中央部前面には、第6セグメントピース236であるKセグメントをその供給位置から所定の組み付け位置までガイドする走行ガイド架台53が固定されている。この走行ガイド架台53は、後述する把持フレーム82の前方下部に設ける把持部支持コロ87の走行をガイドする。この走行ガイド架台53の上面は前記前方側ガイドビーム441の上側フランジ444の上面と連続している。走行ガイド架台53の上面における左右方向の3箇所には、前後方向に延びる各一対の把持部支持コロ87のための後述する走行路のガイド54~56が形成されている。
前方側ガイドビーム441の中央部の前記走行路である一対の供給位置ガイド54は、前記供給位置中心251の両側に配置されている。前方側ガイドビーム441の前方から見て左側の前記走行路である一対の甲列K位置ガイド55は、セグメント22の甲組列の第6セグメントピース236の組み付け位置の前方側において設けられる。また、前方側ガイドビーム441の前方から見て右側の前記走行路である一対の乙列K位置ガイド56はセグメント22の乙組列の第6セグメントピース236の組み付け位置の前方側において設けられる。前記供給位置ガイド54、甲列K位置ガイド55および乙列K位置ガイド56の前端は、K把持時走行ガイド57により接続されている。このK把持時走行ガイド57は前記Kセグメント走行時把持位置832を通る左右方向線上に配置されている。このK把持時走行ガイド57は、第6セグメントピース236の供給位置である供給位置ガイド54の位置から甲列K位置ガイド55または乙列K位置ガイド56への前記把持部支持コロ87の走行をガイドする。そして、供給位置ガイド54、甲列K位置ガイド55および乙列K位置ガイド56は、K把持時走行ガイド57の位置と、前方側ガイドビーム441の位置との間において、前記把持部支持コロ87の前後方向の走行をガイドする。
(エレクター装置27)
次に、各セグメントピース23が前記ABセグメント走行時把持位置831およびKセグメント走行時把持位置832に供給されてから所定の組み付け位置まで走行搬送するためのエレクター装置27について説明する。エレクター装置27は、図8,図9(a),同図(b),図12および図14に示すように、大きく分けて、走行装置部60および把持姿勢調整部70、把持装置部80で構成される。
エレクター装置27の走行装置部60について説明する。図8,図9(a)および図14に示すように、走行装置部60の骨格は走行フレーム部61で形成される。走行フレーム部61の四隅部にはそれぞれ走行車輪62が配置されている。この走行車輪62は前記両ガイドビーム441,442の下側フランジ443の走行レール40上を転動するようになっており、この転動により、エレクター装置27がガイドビーム44の曲率方向である延長方向に沿って左右に走行される。走行フレーム部61には一対の走行駆動モータ641が搭載されており、それらの出力軸にはそれぞれ走行用ピニオン642が取り付けられて、走行駆動部が構成されている。そして、走行用ピニオン642が両ガイドビーム441,442の上側フランジ444の前記走行用ラック45に噛み合っている。走行駆動モータ641の駆動により走行用ピニオン642が走行用ラック45上を噛み合い回転されて、エレクター装置27がガイドビーム44上を走行される。走行フレーム部61の4箇所にはガイドビーム44の上側フランジ444の対向する内側端面上を走行して、前後方向の走行位置をガイドするサイド車輪621が支持されている。
図8および図14に示すように、走行フレーム部61には前後に一対の支持プレート65が設けられている。走行フレーム部61の中心部において両支持プレート65間には、後述する把持姿勢調整部70が両支持プレート65に固定突設された一対の支持ピン651により前後方向から支持されている。
図8,図9(a),同図(b)および図12に示すように、把持姿勢調整部70の構成および姿勢調整方法について説明する。把持姿勢調整部70の上部には、後述する把持装置部80が搭載される支持フレーム72が配置されている。支持フレーム72の下面中心部には受けリング74が固定されている。そして、支持フレーム72の下面には受けリング74に挿入される形で支持軸73が設けられている。支持軸73は支持軸ボス材66に貫設の支持軸穴67に嵌合された軸受68に回転可能に挿入されている。この軸受68は上部に軸受フランジ部681を設け、その上面で支持フレーム72の受けリング74に接して、支持フレーム72に作用する各セグメントピース23の載置時の荷重を受承する。これにより、支持フレーム72がほぼ水平な面内において回転可能な形で支持軸ボス材66に支持されている。
図8,図9(b)および図12に示すように、支持軸ボス材66の外側の前後方向には、前記走行フレーム部61の前記一対の支持プレート65に固定の支持ピン651が挿入される上下に長いボス支持穴69が設けられている。各セグメントピース23を載置していない時およびセグメント載置時において後述するサポートジャッキ97を伸長して各セグメントピース23の下面に当接していない時は支持軸ボス材66に下向きの荷重が作用する。このとき、支持軸ボス材66が下側に位置し、前記支持ピン651はボス支持穴69の頂部に位置して、支持ピン651を介して上方からの荷重を支持する。また、各セグメントピース23を把持装置部80へ載置してサポートジャッキ97で各セグメントピース23の下面に当接して把持装置部80とともに押し上げた場合は、支持軸ボス材66が押し上げられる。そして、ボス支持穴69の底部に支持ピン651が接して、セグメントピース23の押し上げ量が規制される。
把持姿勢調整部70の姿勢調整方向としては、前記のように、ピッチング(前後の傾き)、ローリング(左右の傾き)、ヨーイング(水平面内の傾き)の3方向で可能とする。ピッチング方向は以下のようにして調整される。すなわち、前記走行フレーム部61の支持プレート65と支持軸ボス材66とが対向する前後の面間には図示していないクリアランスを設け、前後のボス支持穴69において支持ピン651の上下位置が移動して、支持フレーム72の前後の傾きの調整ができる。ローリング方向は、前記走行装置部60の支持プレート65に設けられた支持ピン651を支点として左右方向の傾きの調整ができる。ヨーイング方向は、支持フレーム72に設けられた支持軸73の軸線を中心として水平面内における平面的な傾きの調整ができる。なお、それぞれの作動の詳細は後述する。
図8および図12に示すように、前記走行フレーム部61の外周四隅部にはそれぞれサポートジャッキ97が配置されており、各サポートジャッキ97の上向きになったピストンロッドの上端にはフリーボールよりなるサポート部コロ98が取り付けられている。サポートジャッキ97は、4基のサポート部コロ98を後述する把持装置部80に載置された各セグメントピース23の下面に当接させる。そして、サポートジャッキ97を同時に同じストロークで伸縮させることにより、各セグメントピース23を把持装置部80および把持姿勢調整部70とともに昇降させて、上下位置の調整をすることができる。図14に示すように、ABセグメント走行時把持位置831においてセグメントピース231~235をエレクター装置27に載置してガイド装置26上を走行させる際には、前方側2本のサポートジャッキ97のサポート部コロ98をセグメントピース23に当接する。このことで、各セグメントピース23の把持姿勢を安定に支持することができる。
前記把持姿勢調整部70の姿勢調整方向のうち、ピッチング方向とローリング方向は前記サポートジャッキ97の作動で可能となる。前方側および後方側のサポートジャッキ97の各ピストンロッドの異なるストロークの調整によってサポート部コロ98の上下位置を調節することにより、各セグメントピース23を把持装置部80および把持姿勢調整部70とともにピッチング方向において姿勢調整できる。また、左右のサポートジャッキ97の各ピストンロッドの異なるストロークの調整によってサポート部コロ98の上下位置を調節することにより、各セグメントピース23を把持装置部80および把持姿勢調整部70とともにローリング方向において調節できる。
前記把持姿勢調整部70の姿勢調整方向のうち、ヨーイング方向の調整のため、図8および図14に示すように、以下の構成が備えられている。すなわち、前記走行フレーム部61と支持フレーム72の側面との間には、ヨーイングジャッキ76がその両端のユニバーサルジョイント77を介して連結されている。このユニバーサルジョイント77の効果で把持装置部80の上下およびピッチング、ローリングの調整中であっても、ヨーイングジャッキ76の伸縮動作により、支持フレーム72が前記支持軸73の軸線を中心に回転動作される。このため、平面内における支持フレーム72のヨーイング方向の傾きが調節される。
エレクター装置27の把持装置部80について説明する。図12および図14に示すように、把持装置部80を構成する把持フレーム82は、各セグメントピース23を載置して把持固定するためのものである。この把持フレーム82は、前後方向を長手にする左右一対の把持ビーム821の前端上面に固定プレート822を立ち上げた構造としている。把持ビーム821の上面には、左右方向を湾曲の向きにして各セグメントピース23が中央部において把持状態で載置される。また、固定プレート822には数本の固定ボルト823が取り付けられるようになっている。この固定ボルト823は各セグメントピース23の前面のネジ孔238に螺入されて、各セグメントピース23を把持フレーム82に対して固定する。
前記支持フレーム72上で前方側の前記把持フレーム82をKセグメント走行時把持位置832から後方側の各セグメントピース23の既設セグメント22との接合位置まで移動させる把持装置部80を構成する把持部移動装置83について説明する。
図10~図13に示すように、把持部移動装置83の固定側である支持フレーム72側の摺動ガイドとして、支持フレーム72には前後方向に延びる左右一対の支持側ガイドレール85が敷設されている。両支持側ガイドレール85にはスライダ84の下側凹部841が可動範囲内において前後方向にスライド可能に載せられている。そのスライダ84の上側の上側凹部842には移動側である把持フレーム82の下部の把持ビーム821の両外側の移動側ガイドレール86が前後方向にスライド可能に支持されている。従って、把持フレーム82は、前後方向において両ガイドレール85、86に対するスライダ84のそれぞれの可動距離を加算したストロークで移動可能になっている。これにより、ガイド機構のストローク収縮時における全長が抑えられ、これらの取付け部の省スペース化が図られる。なお、スライダ84は、図示しないストッパにより支持フレーム72上において支持側ガイドレール85から前方および後方へ抜け出ないように規制される。
図14に示すように、把持フレーム82の前端下面の移動側ガイドレール86の前方左右2箇所には、フリーボールよりなる把持部支持コロ87が設けられている。この把持部支持コロ87は、把持フレーム82の前後移動にともない走行フレーム部61の前部上面(図示しない)および前方側ガイドビーム441の上側フランジ444の上面、前記走行ガイド架台53の各ガイド54~57を走行する。把持部支持コロ87は把持フレーム82に作用する荷重を支持して、その荷重の作用点位置がスライダ84の長さから前方に外れた場合の両ガイドレール85,86およびスライダ84への偏荷重の作用を抑制する。
把持装置部80における把持部移動装置83の作動機構について説明する。
図10~図13に示すように、前記支持フレーム72の中央部上面には摺動反力支持ビーム88が前後方向に延長して固定されており、その両側面には、前後方向に延びる固定側ラック89および規制レール90が取り付けられている。一方、把持フレーム82の下部の把持ビーム821の内側の左右両側には固定側ラック89と平行に延びる移動側ラック91が取り付けられている。摺動反力支持ビーム88の左右の固定側ラック89の前方側には一対の摺動ジャッキ96が設けられており、これらの摺動ジャッキ96の各ピストンロッド961の後端のクレビス962にはリンクバー94を介して摺動用ピニオン92が設けられている。摺動用ピニオン92は、前記左右の固定側ラック89と移動側ラック91との間に双方に噛み合う形態で設けられて、倍速機構としての多段ラック機構99が構成されている。そして、把持フレーム82は、摺動ジャッキ96の伸縮作動によって、多段ラック機構99の以下に述べる倍速作用を利用して移動される。
前記把持部移動装置83の作動形態を以下に示す。すなわち、摺動ジャッキ96のピストンロッド961が伸長すると、リンクバー94を介して摺動用ピニオン92が後方へ移動される。このとき、摺動用ピニオン92が固定側ラック89上を噛み合いながら移動して回転されて、移動側ラック91は、この回転により後方へ移動し、摺動ジャッキ96のピストンロッド961の伸長作動による移動量が加算されて倍速で後方へ移動される。一方、摺動ジャッキ96の収縮時は摺動用ピニオン92が固定側ラック89上を噛み合い伸長時とは逆に回転しながら移動側ラック91に噛み合う。このため、移動側ラック91は前方側に移動し、摺動ジャッキ96のピストンロッド961の収縮作動による移動量が加算されて倍速で前方側に移動される。
前記摺動ジャッキ96への前記摺動用ピニオン92の取付け形態について説明する。図10~図13に示すように、摺動ジャッキ96のピストンロッド961の先端のクレビス962にピン支持で屈曲状のリンクバー94の前方端が連結されている。このリンクバー94の中央部に摺動用ピニオン92がピニオン軸93により回動可能に支持されており、他端の後方端には前記規制レール90上を転動可能にしたガイドローラー95が支持されている。このため、摺動ジャッキ96の伸長時はピニオン軸93を支点にしてピストンロッド961先端のクレビス962の内側側面が摺動反力支持ビーム88の規制レール90に接触しながら摺動される。ピストンロッド961の収縮時はピニオン軸93を支点にしてリンクバー94の後端のガイドローラー95が前記規制レール90に接し転動しながら移動される。
この構成に基づき、摺動ジャッキ96の取付けスペースの制約で摺動用ピニオン92の回転中心より摺動ジャッキ96の軸心を内側に偏心させる場合のピストンロッド961への推力による曲げ力の作用を防止できる。なお、摺動ジャッキ96の取付けスペースに制約がなく、摺動用ピニオン92の回転中心に摺動ジャッキ96の軸心を合わせられる場合においては、摺動用ピニオン92を屈曲状のリンクバー94により取付ける形態の採用はこの限りではない。
前記多段ラック機構99の採用により、把持フレーム82が摺動ジャッキ96のピストンロッド961の伸縮速度より速い速度(2倍速)で移動される。このため、移動側ラック91を有する把持フレーム82が駆動部としての摺動ジャッキ96の2倍のストロークで前後方向に移動される。従って、把持フレーム82の必要移動距離に対して、半分のストロークの摺動ジャッキ96の装備が可能となって、摺動ジャッキ96の機長が抑えられ、取付け部の省スペース化が図られる。また、摺動ジャッキ96のピストンロッド961の長さが抑えられて、座屈強度の面で有利となる。また、前記リンクバー94の採用による曲げ強度対策と併せて、ピストンロッド961の径を細くできるため、摺動ジャッキ96の小口径化を図ることができる。
(構築装置の作用)
次に、下部覆工壁14の構築装置の作用について説明する。
図2~図4に示すように、セグメント22の各セグメントピース23がセグメントピース供給装置25により1ピースずつ各ピースの供給位置中心251上において所定の走行時把持位置831,832でエレクター装置27の把持フレーム82上に供給される。そして、セグメント組立装置20のエレクター装置27がガイドビーム44に沿って走行移動される。さらに把持フレーム82は後方に移動されて、各セグメントピース23がそれぞれ既設セグメント22および隣接する各セグメントピース23に固定される。このようにして、セグメント22が順次組み立てられて、下部覆工壁14が構築される。
図5~図7に示すように、各セグメントピース23の組み立て前のセグメント組立装置20の設置にあたっては、ガイド装置26に設けられた4基のアウトリガージャッキ461を縮作動させ、ガイド装置26の車輪33を底盤側レール311に載置する。そして、ガイド装置26の移動シリンダ42の作動により、ガイド装置26を新設の各セグメントピース23の組立位置まで移動する。その組立位置に移動後に、アウトリガージャッキ461を伸長作動させ、先端のアウトリガーシュー462を底盤部に当接し、セグメント組立装置20全体を上昇させる。
このようにすることにより、ガイド装置26の後方に設けられた2列のガイド受台51に取り付けられているガイドコロ52を既設セグメント22の下面に押し当てことができる。これにより、ガイドコロ52の転動によるセンタリング効果でガイドビーム44の曲率の形成位置が既設セグメント22の外径曲率の形成位置と合致されるとともに、ガイド装置26の上下方向の位置が決まる。また、後方側ガイドビーム442の上側フランジ444の上面に設置された前方側のガイド受台51の前端が既設セグメント22の各セグメントピース23の組立位置の下面後端から突出する。このため、この上に新設セグメント22の各セグメントピース23を載置して組み付ければ、新設セグメント22および既設セグメント22の外周面との面を合わせることができる。さらに、エレクター装置27による各セグメントピース23の組み付け時に発生する各種の組立荷重の反力をアウトリガージャッキ461の伸長による突っ張り効果で支持することができる。
以下に、各セグメントピース23の甲組列の組み立て方法を詳述する。すなわち、図3から明らかなように、第1~第5セグメントピース231~235の供給において、エレクター装置27は、供給位置中心251に合わされて位置する。このとき、図14に示すように、把持フレーム82が摺動ジャッキ96の作動によりABセグメント走行時把持位置831に設定される。この状態においては、把持フレーム82の下面の把持部支持コロ87が前方側ガイドビーム441の上側フランジ444の上面上に位置し、セグメントピース供給装置25から把持フレーム82上に第1セグメントピース231が供給される。この場合、図12に示すように、第1セグメントピース231は、その湾曲方向がセグメント22の左右方向に沿うように載置される。把持フレーム82上に載置された第1セグメントピース231は、固定ボルト823により固定プレート822に固定されて、把持状態となる。また、第1セグメントピース231は前方側の2基のサポートジャッキ97によって下面側から支持される。
そして、図3に示すように、第1セグメントピース231を把持したエレクター装置27が第1セグメントピース231の組み付け位置の前方までガイドビーム44に沿って走行搬送される。次いで、図15および図16に示すように、把持フレーム82が摺動ジャッキ96の作動によりさらにABセグメント走行時把持位置831から後方側に移動される。このため、第1セグメントピース231は後面において既設セグメント22の前面に接合され、外側端面においては既設トンネル覆工11に接合され、ボルトによって締結される。この第1セグメントピース231の接合手前で、必要に応じて、ヨーイングジャッキ76およびサポートジャッキ97により第1セグメントピース231がヨーイング、ローリングおよびピッチングの方向において位置調節される。
把持フレーム82が既設セグメント22側の後方側位置に移動される際に、第1セグメントピース231が4基のサポートジャッキ97のサポート部コロ98に当接できるまで移動される。この位置で、把持フレーム82が第1セグメントピース231とともにサポートジャッキ97のストロークの規制上限まで上昇される。このようにすれば、把持フレーム82に載置された第1セグメントピース231の下面が後方側ガイドビーム442上のガイド受台51と接しないように、上昇される。そして、第1セグメントピース231の既設セグメント22への組み付け時には第1セグメントピース231の後方側下端をガイド受台51の既設セグメント22からの突出部に載置する。
次いで、第1セグメントピース231と固定プレート822との固定ボルト823による固定が解除される。そして、エレクター装置27の把持装置部80をABセグメント走行時把持位置831に復帰させるとともに、エレクター装置27を供給位置中心251位置に復帰移動させる。そして、同様にして、把持フレーム82上に第2セグメントピース232が供給されて、その第2セグメントピース232が組み付け位置に移動されて、第1セグメントピース231と左右逆方向の端部に同様の方法で組み付けられる。
このようにして、第1~第5セグメントピース231~235が隣接する既設セグメント22および既設トンネル覆工11、新設の各セグメントピース23に組み付けられる。
図17に示すように、第6セグメントピース236の組み付けにおいては、第5セグメントピース235の組み付け後に、把持フレーム82をABセグメント走行時把持位置831へ復帰移動させる。また、エレクター装置27の把持装置部80を供給位置中心251の走行ガイド架台53の供給位置ガイド54の位置へ復帰走行させる。その状態において、摺動ジャッキ96の作動により把持装置部80の把持フレーム82が第1~第5セグメントピース231~235の前方に位置するKセグメント走行時把持位置832に移動される。この時、把持フレーム82の下面の把持部支持コロ87は図6に示す走行ガイド架台53の供給位置ガイド54上の前端位置に走行配置される。この位置は、既に組み付けられた第1~第5セグメントピース231~235よりも前方側に位置し、ここで、把持フレーム82上に第6セグメントピース236が供給される。
この状態で、エレクター装置27が第6セグメントピース236の組み付け位置に向かって第5セグメントピース235と干渉することなく走行移動される。この移動において、把持フレーム82の把持部支持コロ87は走行ガイド架台53のK把持時走行ガイド57上を走行する。
そして、第6セグメントピース236がその組み付け位置に対向したときに、図4および図16に示すように、摺動ジャッキ96の作動により、把持部移動装置83を介して把持フレーム82が大きなストロークで後方側に移動される。把持フレーム82の把持部支持コロ87は、K把持時走行ガイド57から甲列K位置ガイド55を介してガイドビーム44上を後方へ走行され、第6セグメントピース236は第4,第5セグメントピース234,235間の間隙237に挿入される。第6セグメントピース236は、既設セグメント22および第4セグメントピース234、第5セグメントピース235との接合手前でヨーイングなどの位置調節をされて、それぞれの接合面に前記と同様にボルトにより締結される。
以上のようにして、1列のセグメント22の組み付けが終了した後に、ガイド装置26およびセグメントピース供給装置25が前方側の次列のセグメント22の組立位置に移動されて、前記と同様にして新たなセグメント22が組み付けられる。なお、次列の乙組列においては、各セグメントピース23の配置がセグメント22の左右方向において反対となるが、同様の組立方法で下部覆工壁14が構築される。このようにして、セグメント22の組み付けが繰り返されて、下部覆工壁14が既設トンネル12の延長方向に沿って順次構築される。
そして、本実施形態においては、以下の効果がある。
(1)前記実施形態においては、下方へ膨らむ湾曲形状をなすように構築される下部覆工壁14の下面の曲率に沿ってガイドビーム44が配置される。そのガイドビーム44上を走行するエレクター装置27によって構成されるセグメント組立装置20の使用により、各セグメントピース23をエレクター装置27へ載置した状態で所定位置まで搬送して組み付けができる。従って、従来の下部覆工壁14の構築方法のような揚重機による移動搬送が省かれ、短時間で施工できる下部覆工壁14の構築方法の採用が可能となる。
(2)各セグメントピース23の組み付けにおいて、最後に組み付けられる第6セグメントピース236を除く他のセグメントピース231~235が既設セグメント22の構築位置の前方で組み付け位置まで後方に移動して組み付けられる。そして、最後の第6セグメントピース236が、組み付け終了後の第5セグメントピース235と干渉を避けるさらに構築位置の前方の位置において走行搬送されて、組み付け終了後の他のセグメントピース234,235間の間隙237内に挿入される。これらにより、セグメント22の設置位置の左右両端部の狭隘な組立箇所も含めて、限られた広さの地下空間の中における組付作業が可能になる。
(3)セグメント組立装置20は、ガイド装置26の車輪33をアウトリガージャッキ461の操作により底盤側レール311上に載置して、走行させるための移動シリンダ42を備え、セグメント22の1列の組立毎に前方側へ移動が可能である。従って、従来方法のように、セグメント22を一時的に設置する仮設組立架台や各セグメントピース23の揚重を行う仮設走行クレーンなどのセグメント22の1列毎の移動の必要がなく、盛替え段取り作業の軽減が図られ施工効率の向上となる。
(4)エレクター装置27は、各セグメントピース23を載置してガイドビーム44の曲率に沿って走行搬送させる走行装置部60として走行フレーム部61と、エレクター装置27の走行搬送を駆動させる走行駆動部としての走行駆動モータ641とを備えている。また、エレクター装置27は、各セグメントピース23を載置させて支持する把持装置部80として把持フレーム82とを備えている。そして、エレクター装置27は、把持部移動装置83を備え、把持フレーム82を移動させて把持フレーム82に概ね組み付け姿勢の状態で載置された各セグメントピース23をトンネルの延長方向に移動させ、所定位置に組み付けることができる。このため、各セグメントピース23が大きく、大重量のものであっても、セグメント22の組立作業の効率を向上させて組み付けることができる。特に組立スペースが狭隘な位置、すなわちセグメントの左右両端部の位置における第1セグメントピース231および第2セグメントピース232の設置においてはその効果は大きい。
(5)把持フレーム82に載置把持された各セグメントピース23の組み付けにおいて、把持部移動装置83のためのトンネルの延長方向への移動ストロークを確保する必要がある。特に、第6セグメントピース236であるKセグメントの前後の移動ストロークは、左右方向の搬送走行時のKセグメント走行時把持位置832から既設セグメントピース23の接合面まで移動する必要がある。従って、第6セグメントピース236の前後の移動ストロークは、セグメント22の1列における前後方向の幅寸法の約2倍となる。このため、摺動ジャッキ96の動作ストロークを拡大して把持フレーム82に伝達させる多段ラック機構99による倍速機構および前後2段のガイドビーム44などによるガイド機構の手段が設けられている。従って、把持フレーム82をトンネル延長方向である前後方向に移動させるため摺動ジャッキ96の伸長ストロークの収縮時の全長が短くても、各セグメントピース23の組み付けに必要なトンネルの延長方向への移動ストロークを十分に確保できる。これにより、エレクター装置27をコンパクトにできる。
(6)前記エレクター装置27は、把持フレーム82に載置された各セグメントピース23の把持姿勢をピッチング、ローリング及びヨーイングの各方向において位置調節する把持姿勢調整部70として、ヨーイングジャッキ76やサポートジャッキ97などの調節手段を有する。従って、把持姿勢調整部70により各セグメントピース23の組み付け手前で把持姿勢を微調整して、組み付け位置に対して正確に位置決めして組み付けることができる。これにより、後方の既設セグメント22および両端部の既設トンネル覆工11、隣接する各セグメントピース23の各接合面における段差を生じさせないなどの施工精度を確保し易くして下部覆工壁14を構築できる。
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。そして、本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・前記実施形態では、把持装置部80の動作ストローク拡大手段を2段のラック89,91による多段ラック機構99によって構成した。これに対し、ラックを用いることなく、摺動ジャッキ96を2段などの複数段に設けたり、摺動ジャッキ96として複動シリンダを用いたりして、摺動ジャッキ96の動作ストロークを拡大して把持フレーム82に伝達するように構成すること。
・前記実施形態では、動作ストローク拡大手段の多段ラック機構99による倍速機構が摺動ジャッキ96の動作ストロークを2倍に拡大して把持フレーム82に伝達させるように構成した。前記に示す各手段の動作ストロークの拡大率は、2倍に限定されるものではなく、1倍を超えるものであればよく、例えば1.5倍,3倍など任意である。
・ガイド装置26のアウトリガージャッキ461を省略すること。それに代えて、ガイド装置26を支持するとともに、下端に車輪を有する支持脚内に、その支持脚を伸縮させる機構を設け、その伸縮機構の作動によりガイド装置26が昇降されるように構成すること。
・図17に2点鎖線で示すように、ガイド装置26に車輪101を支持して、その車輪101をモータ103によりチェーン104を介して回転駆動すること。車輪101はガイド装置26の前後左右の4位置に設けられており、底部拡幅掘削部17に左右位置に敷設された凹状のレール102上を転動する。従って、モータ103の駆動によりガイド装置26はレール102に沿って前後方向に移動される。この構成においては、前記実施形態のような移動シリンダ34が不要になる。
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握される技術的思想は以下の通りである。
(A)セグメント組立装置を跨ぐ位置に別機構のセグメントピース供給装置を設け、そのセグメントピース供給装置からエレクター装置の把持装置部に対してセグメントピースを供給する請求項6に記載のトンネル下半部セグメントの組立方法。
(B)セグメント供給装置に代えて、独立した搬送手段によってエレクター装置の把持装置部に対してセグメントピースを供給する前記技術的思想(A)項に記載のトンネル下半部セグメントの組立方法。
(C)前記把持装置部の走行台車部と把持フレームとの間に別機構の動作ストローク拡大手段が設けられた前記(A)または(B)項に記載のトンネル下半部セグメントの組立方法。