JP7635592B2 - アルデヒドの回収方法 - Google Patents
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Description
ヒドロホルミル化反応による工業的なアルデヒドの製造では、主としてロジウム化合物とリン化合物からなるロジウム錯体触媒が使用されている。この触媒は極めて高価であり、工業的使用においては、ヒドロホルミル化反応後高収率で回収して再利用することが必須となる。
(i)該混合物に芳香族炭化水素と貧溶媒とを加える。
(ii)加熱して均一化する。
(iii)冷却して該アルデヒドを析出させる。
(iV)析出したアルデヒドを回収する。
従来法では、液相としてアルデヒドとロジウム錯体触媒を分離、回収していたため、回収したアルデヒドを製品とするには溶剤の除去、次工程への変換については溶媒置換などの工程が必要であったが、本発明によれば濾過等の簡便な操作でアルデヒドを固体として得ることで製造工程の短縮が可能となる。
また、ロジウム錯体触媒も効率的に回収、再利用することができることから、ヒドロホルミル化反応についても均一系で行うことができ、他の添加剤を追加することなく、高転化率でヒドロホルミル化反応を実施することができる。
特に、ロジウム錯体触媒の回収、再利用効率の向上で、ロジウム錯体触媒の配位子として、製品価値の高い直鎖アルデヒドを得るために好適な配位子を適用することができるため、直鎖選択性が高いアルデヒドを得ることができるようになる。
(i)該混合物に芳香族炭化水素と貧溶媒とを加える。
(ii)加熱して均一化する。
(iii)冷却して該アルデヒドを析出させる。
(iV)析出したアルデヒドを分離回収する。
このような融点を有するアルデヒドは、一般に炭素数が11以上の高級アルデヒドであり、具体的には、ウンデカナール、トリデカナール、ペンタデカナール、ヘプタデカナール、ノナデカナール等の炭素数11~40の飽和直鎖状または飽和分岐鎖状の高級アルデヒドが挙げられる。従って、ヒドロホルミル化反応の原料エチレン性不飽和化合物としては、上記の高級アルデヒドの原料となるエチレン性不飽和化合物が用いられる。
なお、このような高級アルデヒドは、前述のように蒸発分離法の適用が不可である観点においても、本発明は有効である。
R5の1価の炭化水素基としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基などが挙げられる。
式(10)で表される化合物としては、例えば、特開平10-45776号公報に記載のものが用いられる。
これらの有機リン化合物は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、通常は1種のみが用いられる。
本発明では、このような反応生成物に対して、芳香族炭化水素と貧溶媒を加える。
これらの貧溶媒は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
上記範囲よりも芳香族炭化水素が少ないとロジウム触媒の回収率の低下があり、多いとアルデヒドの回収率の低下がある。また、上記範囲よりも貧溶媒が少ないとアルデヒドの回収率の低下があり、多いとロジウム触媒の回収率の低下がある。
工程(ii)では、工程(i)で反応生成物に芳香族炭化水素と貧溶媒を添加した液を加熱して均一化する。
この加熱温度は高過ぎると溶媒が揮発して最適な溶媒比にならない場合があり、低過ぎると均一化することが困難な場合があるため、アルデヒドや溶媒によっても異なるが40~120℃、特に60~90℃の範囲とすることが好ましい。
工程(iii)では、工程(ii)で加熱して均一化した液を冷却してアルデヒドを固体として析出させる。
この冷却温度はアルデヒドが析出する温度であればよく、特に制限はないが、-5~10℃程度とすることが好ましい。冷却温度が高過ぎるとアルデヒドの析出効率が悪い。
工程(iv)では、工程(iii)で析出させたアルデヒドを固形物として分離回収する。
この分離回収時の固液分離方法としては、濾過、減圧濾過、加圧濾過、膜分離等を用いることができるが、濾過又は減圧濾過が操作が簡便であり、好ましい。
また、アルデヒドを回収した残液側にはロジウム錯体触媒が含有されているため、これを溶媒除去することで、ロジウム錯体触媒を回収し、ヒドロホルミル化反応に再利用することができる。
このような本発明のアルデヒドの回収方法によれば、アルデヒドおよびヒドロホルミル化触媒であるロジウム錯体触媒をいずれも60%以上、好ましくは70%以上という高い回収率で分離回収することができる。
ガラス容器に26.6mg(0.049mmol)の酢酸ロジウム1,5-シクロオクタジエンダイマー([Rh(cod)(OAc)]2)を量り取り、基質である200mLの1-ヘキサデセンを加えて、窒素雰囲気下で溶解させた。別に用意したステンレス鋼オートクレーブにロジウム:配位子のモル比1:10に相当する1.1gの以下に記載のビスホスファイト(A)を加え、ガラス容器の溶液を窒素雰囲気下でオートクレーブに移した。オートクレーブを密栓後、電気炉にて80℃に加熱したのち、ガス導入バルブより速やかに水素/一酸化炭素混合ガス(混合比:1/1)を3MPaまで導入し、上下式撹拌機により撹拌をしながら、2時間反応させた。その後電気炉で150℃まで加熱し、さらに2時間反応させた。
反応終了後、室温まで冷却し、残存ガスを放圧した後、ガスクロマトグラフィーにて反応成績を解析した。その結果、ヘプタデカナール(融点34~39℃)収率は88.4%であった。また、ヘプタデカナールの直鎖選択率(分岐型アルデヒド(B)に対する直鎖型アルデヒド(L)の比(L/B))は12.5であった。
ガラス製ナスフラスコに上記の方法で得られた20.0gの反応生成物(ヘプタデカナール濃度93.2重量%、ロジウム錯体触媒濃度0.69重量%)を入れ、窒素置換した。このフラスコに30mLのトルエン(芳香族炭化水素)と10mLのエタノール(貧溶媒)を加え、60℃に30分加熱攪拌して溶解させた。この溶液を室温で放冷後、氷浴(5℃)で冷却して、固体を析出させた。減圧濾過により、固体と濾液を分離して、それぞれガスクロマトグラフィー分析と蛍光X線分析で、ヘプタデカナールとRhの解析を行い、それぞれ回収率を求めた。結果を表1に記載する。
実施例1において、回収に供した反応生成物の量、良溶媒として用いた芳香族炭化水素又はその他の溶媒および貧溶媒の種類と量を表1に示す通り変更したこと以外は同様にしてヘプタデカナールとロジウム錯体触媒の回収操作および分析を行ってそれぞれの回収率を求めた。結果を表1に示す。
参考例1の方法で得られた20.0gの反応生成物を窒素気流下のグローブボックス内でガラス瓶に移し、このガラス瓶に59mLのエチレングリコールと57mLのメチルシクロヘキサンを加え、激しく撹拌したのち、二層に分層するまで静置した。各相を分取し、それぞれガラスクロマトグラフィー分析を行ったところ、分配係数Kp(=エチレングリコール抽出層中のヘプタデカナール量)/(メチルシクロヘキサン層中のヘプタデカナール量)は0.0003であり、この方法ではヘプタデカナールの殆どがロジウム錯体触媒回収層である油層のメチルシクロヘキサン層側に移行するため、ロジウム錯体触媒との分離回収が困難であることが分かる。
Claims (8)
- 融点が-5℃以上の飽和直鎖状または飽和分岐鎖状のアルデヒドと、ロジウムおよび有機リン化合物を含むヒドロホルミル化触媒とを含む混合物から、以下の(i)~(iv)の工程を順次行って該アルデヒドと該ヒドロホルミル化触媒とを分離するアルデヒドの回収方法。
(i)該混合物に芳香族炭化水素と前記アルデヒドの貧溶媒とを加える。
(ii)加熱して均一化する。
(iii)冷却して該アルデヒドを析出させる。
(iV)析出したアルデヒドを回収する。 - 前記貧溶媒が炭素数1~3の第一級アルコールであることを特徴とする請求項1に記載のアルデヒドの回収方法。
- 前記貧溶媒が炭素数1~5のアミド化合物であることを特徴とする請求項1に記載のアルデヒドの回収方法。
- 前記貧溶媒が炭素数4~6の環状エーテルであることを特徴とする請求項1に記載のアルデヒドの回収方法。
- 前記アルデヒドの回収率および前記ヒドロホルミル化触媒中のロジウムの回収率が60%以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアルデヒドの回収方法。
- 前記炭素数1~3の第一級アルコールが、メタノールおよび/またはエタノールであることを特徴とする請求項2に記載のアルデヒドの回収方法。
- 前記炭素数1~5のアミド化合物が、N,N-ジメチルホルムアミドであることを特徴とする請求項3に記載のアルデヒドの回収方法。
- 前記炭素数4~6の環状エーテルが、1,4-ジオキサンであることを特徴とする請求項4に記載のアルデヒドの回収方法。
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