JP7637476B2 - 亜鉛二次電池用の負極、及び、亜鉛二次電池 - Google Patents

亜鉛二次電池用の負極、及び、亜鉛二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛電池用の負極、及び、亜鉛電池に関する。
亜鉛電池としては、ニッケル亜鉛電池、空気亜鉛電池、銀亜鉛電池等が知られている。例えば、ニッケル亜鉛電池は、水酸化カリウム水溶液等の水系電解液を用いる水系電池であることから、高い安全性を有すると共に、亜鉛電極とニッケル電極との組み合わせにより、水系電池としては高い起電力を有することが知られている。さらに、ニッケル亜鉛電池は、優れた入出力性能に加えて低コストであることから、産業用途(例えば、バックアップ電源等の用途)及び自動車用途(例えば、ハイブリッド自動車等の用途)への適用可能性が検討されている。
亜鉛電池では、放電反応により水酸化亜鉛(Zn(OH)2)が生成する。水酸化亜鉛は電解液に可溶であり、水酸化亜鉛が電解液に溶解すると、テトラヒドロキシド亜鉛酸イオン([Zn(OH)4]2-)が電解液中に拡散する。その結果、負極の形態変化(変形)が進行すると共に充電電流の分布が不均一となること等により、負極上の局所で亜鉛の析出が起こり、デンドライト(樹枝状結晶)が発生する。従来の亜鉛電池では、充放電の繰り返しによりデンドライトが成長した場合、デンドライトがセパレータを貫通し短絡が発生する場合がある。
特開昭58-126665号公報
上記のような亜鉛電池においては、寿命性能(例えばサイクル寿命性能)を向上させることが求められている。
そこで、本発明は、サイクル寿命性能に優れる亜鉛電池を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、集電体と、集電体に支持された負極材と、を備え、負極材が、亜鉛を含む負極活物質と、塩化物塩、臭化物塩及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも一種のハロゲン化物塩と、を含有する、亜鉛電池用の負極に関する。
上記側面の負極によれば、サイクル寿命性能に優れる亜鉛電池が得られる。
一態様において、上記負極材は、塩化物塩を含有する。他の一態様において、上記負極材は、臭化物塩を含有する。さらに他の一態様において、上記負極材は、ヨウ化物塩を含有する。
上記ハロゲン化物塩は、アルカリ金属ハロゲン化物及びハロゲン化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上記負極は、ニッケル亜鉛電池用であることが好ましい。
本発明の他の一側面は、上記負極を備える、亜鉛電池に関する。
本発明によれば、サイクル寿命性能に優れる亜鉛電池を提供することができる。
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実験例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本明細書において、組成物中の各成分の使用量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書において「膜」又は「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は下記実施形態に何ら限定されるものではない。
本発明の一実施形態は、亜鉛電池の負極として用いられる電極(亜鉛電池用負極)に関する。ここで、亜鉛電池とは、亜鉛電極が用いられる電池(例えばアルカリ亜鉛電池)である。亜鉛電池としては、正極がニッケル電極であるニッケル亜鉛電池(例えばニッケル亜鉛二次電池);正極が空気極である空気亜鉛電池(例えば空気亜鉛二次電池);正極が酸化銀極である銀亜鉛電池(例えば銀亜鉛二次電池)等が挙げられる。
本実施形態の負極は、例えば、板状であり、集電体(負極集電体)と、当該集電体に支持された負極材と、を備える。
集電体は、負極材からの電流の導電路を構成する。集電体は、例えば、平板状、シート状等の形状を有している。集電体は、発泡金属、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属繊維のフェルト状物等によって構成された三次元網目構造の集電体などであってもよい。集電体は、導電性及び耐アルカリ性を有する材料で構成されている。このような材料としては、例えば、負極の反応電位でも安定である材料(負極の反応電位よりも貴な酸化還元電位を有する材料、アルカリ水溶液中で基材表面に酸化被膜等の保護被膜を形成して安定化する材料など)を用いることができる。また、亜鉛電池の負極においては、副反応として電解液の分解反応が進行し水素ガスが発生するが、水素過電圧の高い材料はこのような副反応の進行を抑制できる点で好ましい。集電体を構成する材料の具体例としては、亜鉛;鉛;スズ;スズ等の金属メッキを施した金属材料(銅、真鍮、鋼、ニッケル等)などが挙げられる。
負極材は、例えば、層状である。本実施形態では、集電体上に層状の負極材(負極材層)が形成されていてもよく、集電体が三次元網目構造を有する場合には、集電体の網目の間に負極材が充填されて、負極材層が形成されていてもよい。
負極材は、亜鉛を含む負極活物質と、塩化物塩、臭化物塩及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも一種のハロゲン化物塩と、を含有する。
亜鉛を含む負極活物質としては、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等が挙げられる。負極材は、例えば、満充電状態では金属亜鉛を含有し、放電末状態では酸化亜鉛及び水酸化亜鉛を含有する。
負極活物質の含有量は、負極材の全質量を基準として下記の範囲が好ましい。負極活物質の含有量は、優れた寿命性能と放電性能とを両立しやすい観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましい。負極活物質の含有量は、優れた寿命性能と放電性能とを両立しやすい観点から、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。これらの観点から、負極活物質の含有量は、50~95質量%が好ましい。
塩化物塩は、例えば、電解液中で電離(解離)することにより塩化物イオン(Cl-)を生じさせる化合物である。塩化物塩としては、塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化リチウム(LiCl)二塩化鉛(PbCl2)、塩化亜鉛(ZnCl2)、塩化アルミニウム(AlCl3)、塩化インジウム(InCl3)、塩化スズ(SnCl2)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、三塩化リン(PCl3)、五塩化リン(PCl5)等が挙げられる。
臭化物塩は、例えば、電解液中で電離(解離)することにより臭化物イオン(Br-)を生じさせる化合物である。臭化物塩としては、臭化カリウム(KBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、臭化リチウム(LiBr)、二臭化鉛(PbBr2)、臭化亜鉛(ZnBr2)、臭化アルミニウム(AlBr3)、臭化インジウム(InBr3)、臭化スズ(SnBr2)、臭化アンモニウム(NH4Br)、臭化カルシウム(CaBr2)、臭化マグネシウム(MgBr2)、三臭化リン(PBr3)、五臭化リン(PBr5)等が挙げられる。
ヨウ化物塩は、例えば、電解液中で電離(解離)することによりヨウ化物イオン(I-)を生じさせる化合物である。ヨウ化物塩としては、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化リチウム(LiI)、二ヨウ化鉛(PbI2)、ヨウ化亜鉛(ZnI2)、ヨウ化アルミニウム(AlI3)、ヨウ化インジウム(InI3)、ヨウ化スズ(SnI2)、ヨウ化アンモニウム(NH4I)、ヨウ化カルシウム(CaI2)、ヨウ化マグネシウム(MgI2)、三ヨウ化リン(PI3)、五ヨウ化リン(PI5)等が挙げられる。
これらのハロゲン化物塩は、塩化合物の状態で負極材中に存在していてよく、イオンに解離した状態で負極材中に存在していてよい。ハロゲン化物塩としては、サイクル寿命性能をより向上させることができる観点から、アルカリ金属ハロゲン化物及びハロゲン化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、ハロゲン化アンモニウムを用いることがより好ましい。すなわち、ハロゲン化物塩としては、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム及びヨウ化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム及びヨウ化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種を用いることがより好ましい。アルカリ金属ハロゲン化物としては、ハロゲン化カリウムが好ましく用いられる。
サイクル寿命性能を更に向上させる観点では、ハロゲン化物塩の中でも、臭化物塩及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましく、臭化物塩を用いることがより好ましい。
塩化物塩の含有量は、サイクル寿命性能をより向上させる観点から、負極材の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。塩化物塩の含有量は、優れた寿命性能と優れた放電性能とを両立しやすい観点から、負極材の全質量を基準として、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
臭化物塩の含有量は、サイクル寿命性能をより向上させる観点から、負極材の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。臭化物塩の含有量は、優れた寿命性能と優れた放電性能とを両立しやすい観点から、負極材の全質量を基準として、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
ヨウ化物塩の含有量は、サイクル寿命性能をより向上させる観点から、負極材の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。ヨウ物塩の含有量は、優れた寿命性能と優れた放電性能とを両立しやすい観点から、負極材の全質量を基準として、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
塩化物塩と臭化物塩とヨウ化物塩の含有量の合計は、サイクル寿命性能をより向上させる観点から、負極材の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。塩化物塩と臭化物塩とヨウ化物塩の含有量の合計は、優れた寿命性能と優れた放電性能とを両立しやすい観点から、負極材の全質量を基準として、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
負極材は、負極活物質及び上記ハロゲン化物塩以外の添加剤を含有することができる。添加剤としては、結着剤、導電剤等が挙げられる。結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。結着剤の含有量は、例えば、負極活物質100質量部に対して0.5~10質量部であってもよい。導電剤としては、インジウム化合物(酸化インジウム等)などが挙げられる。導電剤の含有量は、例えば、負極活物質100質量部に対して1~20質量部であってもよい。
以上説明した本実施形態の負極によれば、サイクル寿命性能に優れる亜鉛電池が得られる。このような効果が得られる理由は、明らかではないが、本発明者らは以下のとおり推察する。まず、亜鉛電池では、電池反応の進行に伴い、負極(亜鉛電極)の表面に亜鉛の不働態被膜が生成される。この不働態被膜がサイクル寿命性能を低下させる一因と考えられるが、負極材が塩化物塩、臭化物塩及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも一種のハロゲン化物塩を含有する場合、負極材中の当該ハロゲン化物塩又は当該ハロゲン化物塩が電解液に溶解すること等によって生じるハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン及びヨウ化物イオンからなる群より選択される少なくとも一種のイオン)によって、上記不働態被膜が腐食されるため、不働態被膜の厚膜化が抑制されると考えられる。その結果、本実施形態の負極を用いた亜鉛電池では、不働態被膜に起因するサイクル寿命性能の低下が抑制され、優れたサイクル寿命性能が得られると推察される。
本実施形態の負極は、例えば、負極材の原料に対して溶媒(例えば水)を加えて混練することにより負極材ペースト(ペースト状の負極材)を得た後、負極材ペーストを用いて負極材層を形成することにより得ることができる。負極材の原料としては、負極活物質の原料(例えば金属亜鉛、酸化亜鉛及び水酸化亜鉛)、塩化物塩、臭化物塩及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも一種のハロゲン化物塩、並びに、その他の添加剤(例えば、前記インジウム化合物及び前記結着剤)等が挙げられる。
負極材層を形成する方法としては、例えば、負極材ペーストを集電体に塗布又は充填した後に乾燥することで負極材層を得る方法が挙げられる。負極材層は、必要に応じて、プレス等によって密度を高めてもよい。
上記方法で得られる負極は未化成の負極であるが、後述するように、亜鉛電池を組み立てた後に化成することで、化成後の負極を得てもよい。
以下、上記実施形態の負極が用いられる亜鉛電池の一例として、ニッケル亜鉛電池について説明する。
一実施形態の亜鉛電池は、電槽と、電槽に収容された電極群(例えば極板群)及び電解液と、を備える。一実施形態の亜鉛電池は、化成後又は未化成のいずれであってもよい。
電極群は、例えば、正極(例えば正極板)と、負極(例えば負極板)と、セパレータと、を備える。正極と負極とは、一又は複数のセパレータを介して隣り合っている。すなわち、隣り合う正極と負極との間には、一又は複数のセパレータが設けられている。電極群は、複数の正極、複数の負極及び複数のセパレータを備えていてよい。電極群が複数の負極を備える場合、複数の負極のうちの少なくとも一つは、上記実施形態の負極であり、好ましくは、全ての負極が上記実施形態の負極である。電極群が複数の正極及び/又は複数の負極を備える場合、正極と負極は、セパレータを介して交互に積層されてよい。複数の正極同士及び複数の負極同士は、例えば、ストラップで連結されていてよい。
正極は、例えば、正極集電体と、当該正極集電体に支持された正極材と、を備える。
正極集電体は、正極材からの電流の導電路を構成する。正極集電体は、例えば、平板状、シート状等の形状を有している。正極集電体は、発泡金属、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属繊維のフェルト状物等によって構成された三次元網目構造の集電体などであってもよい。正極集電体は、導電性及び耐アルカリ性を有する材料で構成されている。このような材料としては、例えば、正極の反応電位でも安定である材料(正極の反応電位よりも貴な酸化還元電位を有する材料、アルカリ水溶液中で基材表面に酸化被膜等の保護被膜を形成して安定化する材料など)を用いることができる。また、正極においては、副反応として電解液の分解反応が進行し酸素ガスが発生するが、酸素過電圧の高い材料はこのような副反応の進行を抑制できる点で好ましい。正極集電体を構成する材料の具体例としては、白金;ニッケル;ニッケル等の金属メッキを施した金属材料(銅、真鍮、鋼等)などが挙げられる。
正極材は、層状(正極材層)であってもよい。例えば、正極集電体上に正極材層が形成されていてもよく、正極集電体が三次元網目構造を有する場合には、正極集電体の網目の間に正極材が充填されていてもよい。
正極材は、正極活物質を含有する。正極活物質としては、オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)、水酸化ニッケル等が挙げられる。正極材は、例えば、満充電状態ではオキシ水酸化ニッケルを含有し、放電末状態では水酸化ニッケルを含有する。正極活物質の含有量は、例えば、正極材の全質量を基準として50~95質量%であってもよい。
正極材は、添加剤を含有することができる。添加剤としては、結着剤、導電剤、膨張抑制剤等が挙げられる。結着剤としては、親水性又は疎水性のポリマー等が挙げられ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル酸ナトリウム(SPA)、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等)などが挙げられる。結着剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して0.01~5質量部であってもよい。導電剤としては、コバルト化合物(金属コバルト、酸化コバルト、水酸化コバルト等)などが挙げられる。導電剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して1~20質量部であってもよい。膨張抑制剤としては、酸化亜鉛等が挙げられる。膨張抑制剤の含有量は、例えば、正極活物質100質量部に対して0.01~5質量部であってもよい。
セパレータは、例えば、平板状、シート状等の形状を有するセパレータであってもよい。セパレータとしては、ポリオレフィン系微多孔膜、ナイロン系微多孔膜、耐酸化性のイオン交換樹脂膜、セロハン系再生樹脂膜、無機-有機セパレータ、ポリオレフィン系不織布等が挙げられる。セパレータは、正極及び/又は負極を収容可能なように、袋状に加工されていてもよい。この場合、正極及び/又は負極はセパレータに収容されていてよい。セパレータは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いてよい。
電解液は、例えば、溶媒及び電解質を含有する。溶媒としては、水(例えばイオン交換水)等が挙げられる。電解質としては、塩基性化合物等が挙げられる。塩基性化合物としては、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)等のアルカリ金属水酸化物などが挙げられる。電解液は、電解質として、リン酸カリウム(K3PO4)、フッ化カリウム(KF)、炭酸カリウム(K2CO3)、リン酸ナトリウム(Na3PO4)、フッ化ナトリウム(NaF)等を更に含有していてよく、酸化インジウム等のインジウム化合物、酸化亜鉛、酸化アンチモン、二酸化チタン、界面活性剤などを更に含有していてもよい。
以上説明したニッケル亜鉛電池の製造方法は、例えば、亜鉛電池の構成部材を得る構成部材製造工程と、構成部材を組み立てて亜鉛電池を得る組立工程と、を備える。
構成部材製造工程では、上述した負極の製造方法と同様にして、未化成の負極及び未化成の正極を得てよい。未化成の正極は、例えば、正極材の原料に対して溶媒(例えば水)を加えて混練することにより正極材ペースト(ペースト状の正極材)を得た後、正極材ペーストを用いて正極材層を形成する(例えば、正極材ペーストを正極集電体に塗布又は充填した後に乾燥する)ことにより得ることができる。正極材層は、必要に応じて、プレス等によって密度を高めてもよい。正極材の原料としては、正極活物質の原料(例えば水酸化ニッケル)、添加剤(例えば前記結着剤)等が挙げられる。
組立工程では、例えば、構成部材製造工程で得られた正極及び負極を、セパレータを介して交互に積層した後、正極同士及び負極同士をストラップで連結させて電極群を作製する。次いで、この電極群を電槽内に配置した後、電槽の上面に蓋体を接着して未化成の亜鉛電池(ニッケル亜鉛電池)を得る。
続いて、電解液を未化成の亜鉛電池の電槽内に注入した後、一定時間放置する。次いで、所定の条件にて充電を行うことで化成することにより亜鉛電池(ニッケル亜鉛電池)を得る。化成条件は、電極活物質(正極活物質及び負極活物質)の性状に応じて調整することができる。
以上、正極がニッケル電極であるニッケル亜鉛電池(例えばニッケル亜鉛二次電池)の例を説明したが、亜鉛電池は、正極が空気極である空気亜鉛電池(例えば空気亜鉛二次電池)であってもよく、正極が酸化銀極である銀亜鉛電池(例えば銀亜鉛二次電池)であってもよい。
空気亜鉛電池の空気極としては、空気亜鉛電池に使用される公知の空気極を用いることができる。空気極は、例えば、空気極触媒、電子伝導性材料等を含む。空気極触媒としては、電子伝導性材料としても機能する空気極触媒を用いることができる。
空気極触媒としては、空気亜鉛電池における正極として機能するものを用いることが可能であり、酸素を正極活物質として利用可能な種々の空気極触媒が使用できる。空気極触媒としては、酸化還元触媒機能を有するカーボン系材料(黒鉛等)、酸化還元触媒機能を有する金属材料(白金、ニッケル等)、酸化還元触媒機能を有する無機酸化物材料(ペロブスカイト型酸化物、二酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化コバルト、スピネル酸化物等)などが挙げられる。空気極触媒の形状は、特に限定されないが、例えば粒子状であってもよい。空気極における空気極触媒の使用量は、空気極の合計量に対して、5~70体積%であってもよく、5~60体積%であってもよく、5~50体積%であってもよい。
電子伝導性材料としては、導電性を有し、かつ、空気極触媒とセパレータとの間の電子伝導を可能とするものを用いることができる。電子伝導性材料としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;鱗片状黒鉛のような天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等のグラファイト類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維類;銅、銀、ニッケル、アルミニウム等の金属粉末類;ポリフェニレン誘導体等の有機電子伝導性材料;これらの任意の混合物などが挙げられる。電子伝導性材料の形状は、粒子状であってもよく、その他の形状であってもよい。電子伝導性材料は、空気極において厚さ方向に連続した相をもたらす形態で用いられることが好ましい。例えば、電子伝導性材料は、多孔質材料であってもよい。また、電子伝導性材料は、空気極触媒との混合物又は複合体の形態であってもよく、前述したように、電子伝導性材料としても機能する空気極触媒であってもよい。空気極における電子伝導性材料の使用量は、空気極の合計量に対して、10~80体積%であってもよく、15~80体積%であってもよく、20~80体積%であってもよい。
銀亜鉛電池の酸化銀極としては、銀亜鉛電池に使用される公知の酸化銀極を用いることができる。酸化銀極は、例えば酸化銀(I)を含む。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[正極の作製]
空隙率95%の発泡ニッケルからなる格子体を用意し、格子体を加圧成形することで正極集電体を得た。次いで、コバルトコート水酸化ニッケル粉末、金属コバルト、水酸化コバルト、酸化イットリウム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、イオン交換水を所定量秤量して混合し、混合液を攪拌することにより、正極材ペーストを作製した。この際、固形分の質量比を、「水酸化ニッケル:金属コバルト:酸化イットリウム:水酸化コバルト:CMC:PTFE=88:10.3:1:0.3:0.3:0.1」に調整した。正極材ペーストの水分量は、正極材ペーストの全質量基準で27.5質量%に調整した。次いで、正極材ペーストを正極集電体の正極材支持部に塗布した後、80℃で30分乾燥した。その後、ロールプレスにて加圧成形し、正極材層を有する未化成の正極を得た。
[負極の作製]
負極集電体として開孔率55%のスズメッキを施した銅板パンチングメタルを用意した。次いで、酸化亜鉛、金属亜鉛、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)及び、下記表1に示す添加剤を、固形分の質量比が表1に示す値となるように秤量して、所定量のイオン交換水と混合し、得られた混合液を攪拌することにより負極材ペーストを作製した。HECとしては、住友精化株式会社製のAV-15F(商品名)を使用した。負極材ペーストの水分量は、負極材ペーストの全質量基準で32.5質量%に調整した。次いで、負極材ペーストを負極集電体上に塗布した後、80℃で30分乾燥した。その後、ロールプレスにて加圧成形し、負極材(負極材層)を有する未化成の負極(負極1)を得た。
[セパレータの準備]
セパレータには、微多孔膜として、UP3355(宇部興産株式会社製、商品名、透気度:440sec/100mL)、不織布として、不織布(ニッポン高度紙工業株式会社製、商品名:VL-100、透気度:0.3sec/100mL)を、それぞれ用いた。微多孔膜は、電池組立て前に、界面活性剤Triton-X100(シグマアルドリッチジャパン合同会社製)で、親水化処理した。親水化処理は、Triton-X100が1質量%の量で含まれる水溶液に微多孔膜を24時間浸漬した後、室温で1時間乾燥する方法で行った。なお、微多孔膜の透気度は親水化処理後の値を示す。さらに、微多孔膜は、所定の大きさに裁断し、それを半分に折り、側面を熱溶着することで袋状に加工した。不織布は、所定の大きさに裁断したものを使用した。
[ニッケル亜鉛電池の作製]
袋状に加工した微多孔膜に、正極(未化成の正極)及び負極(未化成の負極)のそれぞれを1枚収納した。袋状の微多孔膜に収納された正極と、袋状の微多孔膜に収納された負極と、不織布とを積層した後、同極性の極板同士をストラップで連結させて電極群(極板群)を作製した。電極群は、正極2枚及び負極3枚で、正極と負極の間(正極側の微多孔膜と負極側の微多孔膜との間)に不織布を1枚ずつ配置した構成とした。この電極群を電槽内に配置した後、電槽の上面に蓋体を接着し、電解液を電槽内に注入することにより、未化成のニッケル亜鉛電池を得た。その後、32mA、15時間の条件で充電を行い、公称容量が320mAhのニッケル亜鉛電池を作製した。電解液としては、水酸化リチウム1質量%を含む水酸化カリウム30質量%水溶液を用いた。
<実施例2~6及び比較例1>
負極の作製の際に、添加剤を表1に示す添加剤に変更したこと以外は実施例1と同様にして負極2~7を作製した。次いで、負極2~7をそれぞれ用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~6及び比較例1のニッケル亜鉛電池を作製した。
Figure 0007637476000001
<特性評価>
実施例1~6及び比較例1のニッケル亜鉛電池を用いて、ニッケル亜鉛電池のサイクル寿命性能の評価を行った。具体的な評価方法を以下に示し、結果を表2に示す。
[サイクル寿命性能評価]
25℃、320mA(1C)、1.9Vの定電圧で、電流値が16mA(0.05C)に減衰するまでニッケル亜鉛電池の充電を行った後、電池電圧が1.1Vに到達するまで1280mA(4C)の定電流でニッケル亜鉛電池の放電を行うことを1サイクルとする試験を行った。放電容量が1サイクル目の放電容量に対して80%を下回った場合に試験を終了し、試験終了までに行ったサイクル数によってサイクル寿命性能を評価した。
Figure 0007637476000002



Claims (11)

  1. 集電体と、前記集電体に支持された負極材と、を備え、
    前記負極材が、亜鉛を含む負極活物質と、塩化物塩、臭化物塩及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも一種のハロゲン化物塩と、を含有し、
    前記ハロゲン化物塩が、ハロゲン化アンモニウムである、亜鉛二次電池用の負極。
  2. 前記負極材が、塩化アンモニウムを含有する、請求項1に記載の負極。
  3. 前記負極材が、臭化アンモニウムを含有する、請求項1に記載の負極。
  4. 前記負極材が、ヨウ化アンモニウムを含有する、請求項1に記載の負極。
  5. 集電体と、前記集電体に支持された負極材と、を備え、
    前記負極材が、亜鉛を含む負極活物質と、ヨウ化物塩と、を含有し、
    前記ヨウ化物塩が、アルカリ金属ヨウ化物及びヨウ化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種である、亜鉛二次電池用の負極。
  6. ニッケル亜鉛二次電池用である、請求項1~5のいずれか一項に記載の負極。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の負極を備える、亜鉛二次電池。
  8. 集電体と、前記集電体に支持された負極材と、を備え、
    前記負極材が、亜鉛を含む負極活物質と、臭化物塩と、を含有し、
    前記臭化物塩が、アルカリ金属臭化物及び臭化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種である、ニッケル亜鉛二次電池用の負極。
  9. 集電体と、前記集電体に支持された負極材と、を備え、
    前記負極材が、亜鉛を含む負極活物質と、塩化物塩、臭化物塩及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも一種のハロゲン化物塩と、を含有し、
    前記ハロゲン化物塩が、アルカリ金属ハロゲン化物及びハロゲン化アンモニウムからなる群より選択される少なくとも一種である、ニッケル亜鉛二次電池用の負極。
  10. 前記負極材が、塩化物塩を含有する、請求項9に記載の負極。
  11. 請求項8~10のいずれか一項に記載の負極を備える、ニッケル亜鉛二次電池。
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