JP7638059B2 - 自動車用窓ガラス - Google Patents
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Description
ガラス板と、
前記ガラス板に積層された、撥水機能を有する第1機能膜と、
を備え、
前記第1機能膜は、アルコキシシリル基を有するカップリング剤を含有し、
前記第1機能膜に対し、乾布を1200g/4cm2の荷重で1500回往復させた後の、当該第1機能膜における水の接触角が100°以上である、自動車用窓ガラス。
前記ガラス板の他方の面に第2機能膜が積層され、
前記第2機能膜は、前記第1機能膜の前記撥水機能を奏する組成物と、同一の組成物を含有する、項1から7のいずれかに記載の自動車用窓ガラス。
図1及び図2に示すように、このサイドガラスは、台形状のガラス板1と、このガラス板1の車内側の面101に積層された第1機能膜2と、を備えている。以下、詳細に説明する。
各ガラス板1は、上辺11、下辺12、前側辺13、後側辺14を備える矩形状に形成されている。上辺11と下辺12とは平行に形成されており、上辺11が下辺12よりも短くなっている。前側辺13は、下辺12の前端から後方に向かって傾斜するように上方へ延びる第1部位131と、第1部位131の上端からさらに後方に向かって傾斜するように延びる第2部位132とを備えている。また、後側辺14は、前側辺13の第1部位131とほぼ平行に、下辺12の後端から後方に向かってやや湾曲しながら傾斜するように上方へ延びている。したがって、上辺11の後端は、下辺12の後端よりもやや後方に位置している。
SiO2:70~73質量%
Al2O3:0.6~2.4質量%
CaO:7~12質量%
MgO:1.0~4.5質量%
R2O:13~15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3):0.08~0.14質量%
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3)の比率を0.4~1.3質量%とし、CeO2の比率を0~2質量%とし、TiO2の比率を0~0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl2O3)をT-Fe2O3、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
SiO2:65~80質量%
Al2O3:0~5質量%
CaO:5~15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10~18質量%
K2O:0~5質量%
MgO+CaO:5~15質量%
Na2O+K2O:10~20質量%
SO3:0.05~0.3質量%
B2O3:0~5質量%
Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3):0.02~0.03質量%
次に、第1機能膜2について説明する。本実施形態に係る第1機能膜2は、撥水機能を有する撥水膜によって形成されている。
(式中、Rf1は独立に炭素数1~6のパーフルオロアルキレン基と酸素原子によって構成される分子量400~20,000の1価のパーフルオロポリエーテル基であり、Z1は独立に炭素数1~20の酸素原子、窒素原子及びケイ素原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基であり、途中環状構造を含んでいてもよい。Z2は独立に炭素数2~8の2価の炭化水素基である。Q1は少なくとも(a+b)個のケイ素原子を含む(a+b)価の連結基であり、環状構造をなしていてもよい。aは1~10の整数であり、bは独立に1~10の整数であり、cはそれぞれ独立に0、1又は2である。式(X)における[ ]で括られたa個のZ1及びb個のZ2はすべてそれぞれQ1又はQ2構造中のケイ素原子と結合している。Rは独立に1~6の1価の炭化水素基である。Mはアルコキシ基又はアルコキシアルキル基であり、―SiRcM3-cがアルコキシシリル基である。)
で表される含フッ素反応性シラン化合物を、実質的にフッ素系溶媒で可溶な組成物として例示することができる。
<2-1.膜厚>
第1機能膜2の厚みは、特には限定されないが、例えば、5~50nmであることが好ましく、10~30nmであることがさらに好ましい。第1機能膜2の膜厚が50nmを超えるとコストが高くなるおそれがある。一方、第1機能膜2は、単分子膜のような薄い膜厚でも撥水機能を奏するが、例えば、5nmより小さくなると、乾燥前に外力が加わったときに、ガラス板1から剥がれるおそれがある。したがって、第1機能膜2の膜厚は5nm以上であることが好ましい。膜厚は、種々の方法で算出することができるが、例えば、膜厚を測定したい箇所でサイドガラスを切断し、断面をSEM等で観察することで測定することができる。
第1機能膜2の表面粗さRaは、0.5~3.0nmであることかが好ましく、0.5~2nmであることがさらに好ましい。これは、表面粗さRaが0.5nm未満であると、第1機能膜2のガラス板1への接着性が低下するおそれがあることによる。一方、表面粗さRaが3.0nmを超えると、付着した水滴が引っかかりやすくなり、撥水性能が低下するおそれがある。なお、表面粗さは、次のように測定することができる。原子間力顕微鏡(「SPA400」、日立ハイテクサイエンス社製)を用いて、サイクリックコンタクトモードにて、表面形状を測定し、算術平均粗さRaの値として算出した。使用したカンチレバーは、シリコン製「SI―DF20」であり、試料の測定面積は1μm×1μmの正方形、測定点数は512×256、スキャン速度1.02Hz、ローパスフィルターによる補正と、測定データのレベリング補正を行い、表面粗さ(Ra)を算出した。なお、測定データのレベリング補正は、最小二乗近似によって曲面を求めてフィッティングし、データの傾きを補正し、さらに高さ方向の歪みを除去した。
第1機能膜2における水の接触角は、100°以上であることが特に好ましい。この接触角が大きいほど、静的な撥水性能が優れていることを表している。また、一般的な現象として接触角は、120°以下であることが知られている。なお、接触角は、例えば、接触角測定装置(「DMs-401」、協和界面科学社製)を用いて水3μLにて測定する。
水滴が第1機能膜2の表面を転がる性能を示す尺度として転落角を用いる。以下にその測定方法を示す。転落角の測定は、水平に配置した第1機能膜2の表面(例えば、中央付近)に直径5mmの水滴を置き、ガラス板1を徐々に傾斜させる。そして、その表面に置かれた水滴が転がり始めるときのガラス板1の傾斜角度を水滴の転落角とする。このように測定される転落角は、20°以下であることが好ましく、15°以下であることがさらに好ましく、12°以下であることが特に好ましい。転落角が小さいほど、動的な撥水性が優れており、例えば走行中に付着した雨滴が飛散しやすくなって乗員の視界が妨げられないことを表している。
摩耗試験は、例えば、次のように行うことができる。すなわち、往復摩耗試験機(新東科学社製「HEIDON-18」)に、乾布であるネル布(300番)を取り付け、第1機能膜2の表面上を1200g/4cm2の荷重を加えながら、1500回往復させる。そして、この試験後において、第1機能膜における水の接触角が100°以上であることが好ましい。このような摩耗試験後においても、第1機能膜2における水の接触角が、100°以上であると、例えば、第1機能膜2に他の物体が接触するなどの摩擦が生じても、撥水機能の低下を抑制することができる。
次に、上記サイドガラスの製造方法について説明する。まず、公知のプレス成形などで、湾曲したガラス板1を成形する。そして、このガラス板1を、凹面101を上側に向けた状態で、コンベア等により搬送する。この搬送過程において、ガラス板1の凹面101に対し、第1機能膜2を塗布する前の前処理を行う。前処理は、特には限定されないが、例えば、プラズマ処理(コロナ放電等)、イオンビーム処理、アルカリ洗浄、セリコ洗浄などを挙げることができる。このような処理により、ガラス板1の凹面101の表面に水酸基を導入または増加させることができるとともに、異物除去など、凹面101を清浄化することができる。
以上説明したサイドガラスによれば、次のような効果を得ることができる。
(1)第1機能膜2に、カップリング剤として所定の分子量のアルコキシシリル基を含有しているため、ガラス板1のOH基と反応し、第1機能膜2とガラス板1との密着性を向上することができる。したがって、下地層を形成することなく、第1機能膜2をガラス板1上に直接積層することができる。そして、第1機能膜2の密着性が高いことから、上述した摩擦試験の後であっても、第1機能膜2における水の接触角を100°以上に保つことができる。また、下地層を設けないと、下地層の形成工程が不要になるため、コストを低減することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
上記実施形態では、ガラス板1の凹面101にのみ第1機能膜2を積層しているが、凸面102にも機能膜を塗布することができる。ここでは、凸面102に積層する機能膜を第2機能膜と称することとする。例えば、第1機能膜1と第2機能膜は、上述した同じ撥水機能を有する組成物を含有することができる。この場合、この組成物の含有率を同じにすることができる。例えば、上述した塗布液の状態では撥水機能を有する組成物の含有率を0.1~0.5重量%とすることができる。一方、溶媒を蒸発させた後は、撥水機能を有する組成物の含有率は100重量%となる。このように、第1機能膜2と第2機能膜とを同じ材料で形成してもよい。あるいは、第1機能膜2と第2機能膜とを異なる材料で形成してもよい。なお、第1機能膜2と第2機能膜は、膜厚を同じにしてもよいし、相違させてもよい。また、第2機能膜は、撥水機能以外の機能、例えば、AR機能、UVカット機能等を有する膜であってもよい。
第1機能膜2の積層方法は特には限定されず、上述したスプレーによる方法以外でもよい。
ガラス板1の形状は特には限定されず、種々の形状にすることができる。また、上記実施形態では、本発明に係る自動車用窓ガラスを昇降可能なサイドガラスに適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、昇降しない固定のサイドガラス、ウインドシールド、リアガラスにも適用することもできる。また、ガラス板は、単板で形成するほか、合わせガラスで形成することもできる。
大きさが1000×500mm、厚みが3mmの、矩形状のフロートガラス板を準備した。また、このガラス板は湾曲しており、凹面の曲率半径が650mmであった。
ガラス板の凹面に塗布する第1機能膜として、信越化学工業株式会社製KY-1901をフッ素系溶媒に溶解した第1撥水剤と、Gelest社製SIT8175.0をアルコールに溶解した第2撥水剤とを準備し、上記ガラス板に対し、スプレーにより塗布し、その後、上記実施形態で示したのと同様に、乾燥した。第1撥水剤は、カップリング剤としてのアルコキシシリル基、を含有し、平均分子量が1,000以上である。一方、第2撥水剤は、カップリング剤としての平均分子量が1,000未満である。
以下の通り、第1機能膜を形成した。ガラス板は実施例及び比較例において同じであり、第1機能膜の積層方法は、上記実施形態で示したとおりである。
実施例1~4,及び比較例1,2に対し、上述した摩擦試験を行った。結果は、以下の通りである。
以上の試験により、実施例1~4は、摩擦試験の前後において、いずれも水の接触角が100°以上になった。また、水の転落角も試験の前後で15°以下を保っている。一方、比較例1,2は、摩擦試験の後において、いずれも水の接触角が100°以下になった。これは、第2撥水剤の平均分子量が小さく(SIT8175.0の平均分子量は510)アルコキシシリル基を有していても、反応確率が低下することから、耐摩耗性が低いためであると考えられる。また、比較例1,2は、試験前の表面粗さが3.0nm以上であり、実施例1~4と比べて大きいため、撥水性能が高くないと考えられる。この点は、摩擦試験前の転落角がいずれも15°以上となっていることから明らかである。
101 凹面
2 第1機能膜
Claims (6)
- 自動車用窓ガラスであって、
ガラス板と、
前記ガラス板に、下地層を形成することなく積層された、撥水機能を有する第1機能膜と、
を備え、
前記第1機能膜は、含フッ素反応性シラン化合物を含有し、
前記含フッ素反応性シラン化合物はアルコキシシリル基を有するカップリング剤であり、
前記アルコキシシリル基を有するカップリング剤のフルオロポリエーテル鎖部分の数平均分子量が1,000以上30,000以下であり、
前記第1機能膜に対し、乾布を1200g/4cm2の荷重で1500回往復させた後の、当該第1機能膜における水の接触角が100°以上であり、
前記第1機能膜は、当該第1機能膜の表面粗さRaが0.5~3.0nmであり、
前記第1機能膜は、面方向において膜厚が変化するように、当該第1機能膜の表面に凹凸が形成されており、
前記第1機能膜は、面方向のうちの一の方向において前記凹凸が並ぶように形成され、隣接する凸部のピッチが20~150mmである、自動車用窓ガラス。 - 前記第1機能膜の膜厚が、5~50nmである、請求項1に記載の自動車用窓ガラス。
- 前記第1機能膜における水の転落角が20°以下である、請求項1または2に記載の自動車用窓ガラス。
- 昇降可能なサイドガラスである、請求項1から3のいずれかに記載の自動車用窓ガラス。
- 前記ガラス板の一方の面に、前記第1機能膜が積層され、
前記ガラス板の他方の面に、第2機能膜が積層され、
前記第2機能膜は、前記第1機能膜の前記撥水機能を奏する組成物と、同一の組成物を含有する、請求項1から4のいずれかに記載の自動車用窓ガラス。 - 前記第1機能膜における前記撥水機能を奏する組成物の含有率と、前記第2機能膜における前記撥水機能を奏する組成物の含有率とが同じである、請求項5に記載の自動車用窓ガラス。
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