本明細書において、基板(例えば、顕微鏡スライド)上での1つまたは複数の流体の非接触の分散、補充、および/または混合(ひとまとめに、本明細書で「混合(mixing)」と呼ぶ)のためのシステムおよび方法が開示される。基板の表面(例えば、平坦支持表面)上に存在する流体(例えば、流体のパドル)に方向付けられる複数のガス流の使用が、流体の所定のエリアに対する流体の移動および方向を提供し、したがって、流体または流体内の複数の成分の混合、分配、および/または補充を可能にすることを出願人は発見した。方向付けされたそのようなガス流(別個のまたは離散的なストリームなど)の導入が、単なる撹拌または局所的混合と対照的に、流体のバルク混合を達成することを出願人は同様に意外にも発見した。実際には、本開示の非接触ミキサが、渦流の誘起を伴って基板上で流体を単に撹拌することと比較して、改善された混合を可能にすることを出願人は発見した(例えば、本開示の非接触ミキサによる混合は、より迅速かつより徹底的な混合を可能にする)。さらに、本開示の非接触ミキサは、気泡が、もし形成される場合、変位および/または除去されるように、スライドにわたる複数のロケーションにおける流体運動を可能にする。対照的に、単なる渦流混合は、流体の中央に気泡を移動させる場合がある。
本明細書で述べる方法に従って流体を混合することが、(i)染色アーチファクトのリスクを低減する;(ii)例えば、明るく染色するエリア (例えば、明るいスポット)の形成、または、暗く染色するエリア(例えば、暗いスポット)の形成を軽減するために、染色中に細胞および/または組織にわたる均一な試薬濃度を可能にする;(iii)混合周波数の増加を可能にする;(iv)混合効力を増加させる;および/または、(v)流体内の気泡の存在を減少または除去させることを出願人は同様に発見した。本明細書で開示されるデバイスおよび方法の使用が、任意の組織学的または細胞学的染色プロシージャにおいてより低い濃度の検出プローブ(例えば、抗体)または他の試薬の使用を可能にすることができると同様に思われる。さらに、デバイスおよび方法の使用は、低い製造およびメンテナンスコスト、低減されたプロセス時間、および/または汚染の低減を可能にする。これらのまた他の利点は、本明細書でさらに述べられる。
本開示の一態様は、基板上の流体の非接触混合を可能にするデバイスであり、デバイスは、少なくとも2つの離散的な流体運動が、異なる時間に流体の所定の部分に与えられるように、流体におよび/または基板の表面に複数のガス流を方向付けるように構成され、2つの離散的な流体運動は交差混合を可能にする。幾つかの実施形態において、デバイスは、ガス流が、基板表面上に存在する流体を適切に混合しながら、基板からの流体の喪失、または、基板から隣接基板への流体のまき散らしを低減するように構成される。
本開示の別の態様は、スライドの上側表面上に存在する流体混合するための少なくとも1つの非接触ミキサを備える自動化スライド処理装置であり、非接触ミキサは第1のノズルセットおよび第2のノズルセットを含み、第1のノズルセットは、スライドの上側表面上に存在する流体の第1の部分に第1の運動を与えるように構成され、第2のノズルセットは、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも第2の部分に第2の運動を与えるように構成される。幾つかの実施形態において、第2の運動は流体の交差混合を誘起する。幾つかの実施形態において、第1および第2の運動は反対の運動である。幾つかの実施形態において、第2のノズルセットは、第2の運動および第3の運動を与え、第2および第3の運動は同じかまたは異なる、しかし、第2または第3の運動の少なくとも一方の運動は、第1の運動と反対である。幾つかの実施形態において、ガス流は、流体または流体の任意の部分が、実質的に円形の経路内で移動することを可能にする。
幾つかの実施形態において、第1のノズルのセットは、第2のノズルのセットと独立にかつ異なる時間に動作する、すなわち、第1のノズルのセットは第2のノズルのセットから排他的に動作する。こうして、第1のノズルセットは、少なくとも第1のノズルセットの動作中に第1の運動を与えることができ、第2のノズルセットは、少なくとも第2のノズルセットの動作中に少なくとも第2の運動を与えることができる。第1のノズルセットが複数のノズルを備えることができ、第1のノズルセットの複数のノズルのそれぞれが、第1の流体運動をもたらすために同時に動作することを当業者は理解するであろう。例として、第1のノズルセットは、ガス流を流体の1つのエリアに向けて方向付ける第1および第2のノズル、ならびに、ガス流を流体の別のエリアに向けて同時に方向付ける第3および第4のノズルを備えることができ、第1および第2のノズルはガスを第1の方向に方向付けることができ、それにより、第3および第4のノズルは、ガスを、第2の反対の方向に方向付けることができる。もちろん、第2のノズルは、同様な方法で動作するが、少なくとも第2の運動をもたらすように同様に構成することができる。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は、第2の非接触ミキサ、例えば、1つまたは複数の離散的ノズルセットであって、それぞれの離散的ノズルセットが独立した動作が可能である、1つまたは複数の離散的ノズルセットをさらに含む。
幾つかの実施形態において、第1の部分はスライド上に存在する流体の大部分である。幾つかの実施形態において、第1の運動は流体の全体に適用される。幾つかの実施形態において、第1の運動は、時計回りまたは反時計回り撹拌のうちの一方の撹拌である。さらに他の実施形態において、第1の運動は、流体の少なくとも60%に与えられる。なおさらなる実施形態において、第1の運動は、流体の少なくとも70%に与えられる。なおさらなる実施形態において、第1の運動は、流体の少なくとも80%に与えられる。
幾つかの実施形態において、第2の運動は、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも2つの離散的部分に与えられる。幾つかの実施形態において、第2の運動は、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも3つの離散的部分に与えられる。幾つかの実施形態において、第2の運動は、スライドの中央部(例えば、流体の全体の中央の3分の1)に与えられる。幾つかの実施形態において、第2のノズルセットは、流体の2つの端部(例えば、流体の全体の第1の3分の1および最後の3分の1)に第3の運動を与えるようにさらに適合され、流体の2つの端部はそれぞれ中央部に隣接し、第3の運動は第2の運動と反対である。幾つかの実施形態において、第1の運動は反時計回り撹拌であり、第2の運動は時計回り撹拌であり、第3の運動は反時計回り撹拌である。
幾つかの実施形態において、第2のノズルセットは、第2の運動が流体の少なくとも2つの異なる部分、例えば、流体の非隣接部分に与えられるように構成される。幾つかの実施形態において、第2のノズルセットは、流体の中央部に第3の運動を与えるようにさらに適合される。幾つかの実施形態において、第1の運動は反時計回り運動であり、第2の運動は時計回り運動であり、第3の運動は反時計回り運動であり、第2の運動は、中央部の両側に位置する流体の2つの端部に与えられる。
幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非接触ミキサはスライドの上側表面の上に位置決めされる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非接触ミキサは、スライドの上で0.3インチ(7.62mm)から約1.5インチ(38.1mm)の間に位置決めされる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非接触ミキサは、スライドの上側表面に実質的に平行に位置決めされる。幾つかの実施形態において、少なくとも1つの非接触ミキサ本体は、スライドの上側表面に対して所定の角度でオフセットする(例えば、約1度から約20度の間の角度でオフセットする)。
幾つかの実施形態において、第1および第2のノズルセットは、ガス流をスライドの上側表面上の所定の位置に方向付けるように構成される。幾つかの実施形態において、第1および第2のノズルセットは、ガス流をスライド表面に対して所定の入射角度でスライドの上側表面上の所定の位置に方向付けるように構成される。幾つかの実施形態において、スライドの上側表面に対するガス流の入射角度(例えば、表面に垂直なラインからの角度)は約15度から約90度の間である。幾つかの実施形態において、ガス流は、スライド上の流体とスライドの上側表面の縁との間の位置に方向付けることができる。
幾つかの実施形態において、第1のノズルセットは2から6のノズルを含む。幾つかの実施形態において、第1のノズルセットは4から6のノズルを含む。幾つかの実施形態において、第1のノズルセットのノズルは、非接触ミキサの長手方向軸に沿って2つの平行な列にグループ化される。幾つかの実施形態において、第1のノズルセットの各ノズルは、それらの用語が本明細書で規定されるように、特定の傾斜角度およびオフセット角度を独立に有する。幾つかの実施形態において、第2のノズルセットは2から4のノズルを含む。幾つかの実施形態において、第2のノズルセットのノズルは、非接触ミキサの長手方向軸に沿って2つの実質的に平行な列にグループ化される。幾つかの実施形態において、第2のノズルセットの各ノズルは、特定の傾斜角度およびオフセット角度を独立に有する。
幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は染色装置である。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は制御システムをさらに含み、制御システムは、第1および第2の運動、ならびに、非接触ミキサがそのように構成される場合、任意のさらなる運動を与えるために第1および第2のノズルセットを独立に動作させる(例えば、所定の間隔でおよび/または所定の周波数でパルス駆動する)ように適合される。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は、スライドの上側表面上に存在する流体にさらなる方向の運動をさらに与えるために第3のノズルセットをさらに含む。
本開示の別の態様は、非接触ミキサを動作させる方法であり、非接触ミキサは第1のノズルセットおよび第2のノズルセットを含み、第1のノズルセットは、スライドの上側表面上に存在する流体に第1の運動を与えるように適合され、第2のノズルセットは、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも一部に第2の運動を与えるように適合され、方法は、第1の期間の間、第1のノズルセットを動作させること、および、その後、第2の期間の間、第2のノズルセットを動作させることを含む。ただし、第1および第2のノズルアレイは同時に動作しない場合に限る。幾つかの実施形態において、第1および第2のノズルセットは少なくとも1回共に動作する。幾つかの実施形態において、第1および第2のノズルセットは少なくとも2回動作する。幾つかの実施形態において、幾つかの実施形態において、第1および第2のノズルセットは、1つまたは複数のセンサを有する制御システムに通信可能に結合され、センサは、第1および/または第2のノズルセットの動作中にまたは動作後に混合の程度を判定するように適合される。
本開示の別の態様は、自動化スライド処理装置であり、自動化スライド処理装置は、(i)標本支持スライドの上側表面上に流体をディスペンスするように構成される少なくとも1つの流体ディスペンサーと、(ii)スライドの上側表面上に存在する流体を混合するための非接触ミキサとを備え、非接触ミキサは第1のノズルアレイおよび第2のノズルアレイを備え、第1のノズルアレイは、スライドの上側表面上に存在する流体にバルク流体流を与えるように適合され、第2のノズルアレイは、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも一部に少なくとも第1の局所流体流を与えるように適合される。幾つかの実施形態において、第1の局所流体流は流体内で交差混合を誘起する。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は染色装置であり、スライドの上側表面上に存在する流体は試薬を含み、試薬の非制限的な例は、染色試薬、対比染色試薬、または洗浄試薬を含む。スライドの表面上に存在することができる他の試薬および/または流体は当業者に知られている。
幾つかの実施形態において、バルク流体流は、時計回りまたは反時計回り運動のうちの一方の運動、例えば、撹拌または他の回転運動である。幾つかの実施形態において、第1の局所流体流は時計回りまたは反時計回り運動のうちの他の運動である。幾つかの実施形態において、第1の局所流体流は、スライドの上側表面上に存在する流体の中央部に与えられる。幾つかの実施形態において、第1の局所流体流は、スライドの上側表面上に存在する流体の中央部に与えられ、中央部は、スライドの上側表面上に存在する流体の約3分の1を示す。第1の局所流体流が、与えられる任意のさらなる局所流体流と共に交差混合を可能にする場合、第1の局所流体流を、スライド上の流体の任意の部分に与えることができることを当業者は理解するであろう。
幾つかの実施形態において、第2のノズルアレイは、第2の局所流体流および第3の局所流体流を与えるようにさらに適合され、第2および第3の局所流体流はスライド上の流体の異なる2つの端部で起こり、2つの端部はそれぞれ中央部に隣接し、第2および第3の局所流体流は第1の局所流体流と反対である。幾つかの実施形態において、第2の局所流体流および第3の局所流体流は、第2のノズルアレイから実質的に同時に与えられる。
幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は染色装置であり、スライドの上側表面上に存在する流体は、染色試薬、対比染色試薬、または洗浄試薬を含むがそれに限定されない。
本開示の別の態様は、非接触ミキサを動作させる方法であり、非接触ミキサは第1のノズルアレイおよび第2のノズルアレイを備え、第1のノズルアレイは、スライドの上側表面上に存在する流体(または流体の所定の部分)にバルク流体流を与えるように適合され、第2のノズルアレイは、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも一部に少なくとも第1の局所流体流を与えるように適合され、方法は、(例えば、第1のノズルアレイが動作する時間の少なくとも一部の間、バルク流体流を誘起するために)第1の期間の間、第1のノズルアレイを動作させること、および、その後、(例えば、第2のノズルが動作する時間の少なくとも一部の間、少なくとも1つの局所流を誘起するために)第2の期間の間、第2のノズルアレイを動作させることを含む。ただし、第1および第2のノズルアレイが同時に動作しない場合に限る。幾つかの実施形態において、第1または第2の期間の一方の期間は所定の期間である。幾つかの実施形態において、第1または第2の期間の一方の期間は、第1および/または第2のノズルアレイの動作中に達成される混合のレベルまたは程度を解釈するように構成されるフィードバック機構を使用してリアルタイムに決定される。幾つかの実施形態において、フィードバック機構は、制御システムに通信可能に結合された1つまたは複数のセンサを含む。幾つかの実施形態において、第1および第2のノズルアレイは、少なくとも2回、順次に動作する。幾つかの実施形態において、第1のノズルアレイの動作は、第2のノズルアレイの動作が、第1のノズルアレイが動作した期間の一部の期間の間である場合でも、第2のノズルアレイの動作に常に続いて起こる。他の実施形態において、非接触ミキサの動作は、(i)第1のノズルアレイを動作させること;(ii)その後、第2のノズルアレイを動作させること;および、(iii)その後、第1のノズルアレイを動作させることを含むことができる。幾つかの実施形態において、第2のノズルアレイは、少なくとも第2および第3の局所運動が誘起されるように構成され、第2および第3の局所流体運動は第2のノズルアレイの動作中に誘起され、第2および第3の局所流体運動は共に、実質的に同時に起こる。
本開示の別の態様は、自動化スライド処理装置であり、自動化スライド処理装置は、(a)標本支持スライドの上側表面上に流体をディスペンスするように構成される少なくとも1つの流体ディスペンサーと、(ii)スライドの上側表面上に存在する流体を分配するための非接触ミキサとを備え、非接触ミキサは、第1のプレナムと流体連通状態にある第1のノズルアレイであって、ガス流を第1の方向に方向付ける第1の1次ノズルのセットおよびガス流を第2の方向に方向付ける第2の1次ノズルのセットを含む、第1のノズルアレイ、および、第2のプレナムと流体連通状態にある第2のノズルアレイを含む。幾つかの実施形態において、第2のノズルアレイは、ガス流を第3の方向に方向付ける第1の2次ノズルのセットおよびガス流を第4の方向に方向付ける第2の2次ノズルのセットを含む。幾つかの実施形態において、第2のノズルアレイは、さらなる2次ノズルのセットさらに含み、それぞれのさらなるノズルのセットは、ガス流を別の方向に方向付けるように適合される。
幾つかの実施形態において、第1および第2の方向は互いに反対である。幾つかの実施形態において、第1および第2の1次ノズルのセットから発出するガス流は、スライドの上側表面上に存在する流体の実質的に周縁に沿って、かつ、スライド(または、スライド上に位置決めされた流体)の上側表面に対する任意の入射角度で方向付けられる。幾つかの実施形態において、第1および第2の1次ノズルのセットから発出するガス流は、流体に隣接するスライドの一部分に、かつ、スライド(または、スライド上に位置決めされた流体)の上側表面に対する任意の入射角度で方向付けられる。
幾つかの実施形態において、(流体に対して、流体を含まないスライドのエリアに対して、またはその両方に対して)第1の1次ノズルのセットから発出するガス流は、スライドの実質的に第1の長手方向軸に沿って方向付けられ、第2の1次ノズルのセットから発出するガス流は、スライドの実質的に第2の長手方向軸に沿って方向付けられる。幾つかの実施形態において、第1および第2の1次ノズルのセットから発出するガス流は、約20度から約80度までの範囲にある、スライドの表面との入射角度を形成する。幾つかの実施形態において、第1および第2の1次ノズルのセットから発出するガス流は、スライドの長手方向軸に対して最大+/-15度だけ独立にオフセットする。
幾つかの実施形態において、第1のノズルアレイは、スライドの上側表面上に存在する流体にバルク流体運動を与える。幾つかの実施形態において、第1の2次ノズルのセット内の各ノズルは、ガス流をスライドの上側表面上の異なる位置に方向付け、第2の2次ノズルのセットのセット内の各ノズルは、ガス流をスライドの上側表面上のさらに他の異なる位置に方向付ける。幾つかの実施形態において、第2のノズルアレイは少なくとも2つの局所流体流を確立する。幾つかの実施形態において、第2のノズルアレイは少なくとも3つの局所流体流を確立する。
本開示の別の態様は、標本支持スライドを処理する方法であり、方法は、(i)第1の流体を標本支持スライド上に堆積させること、および、(ii)堆積される第1の流体を標本支持スライド上に均一に分配することを含み、堆積される第1の流体は、堆積される第1の流体に第1のガス流のセットを導入することであって、それにより、所定の第1の期間の間、堆積される第1の流体の第1の部分に第1の流体運動をもたらす、導入すること、および、堆積される第1の流体に第2のガス流のセットを導入することであって、それにより、所定の第2の期間の間、堆積される第1の流体の少なくとも第2の部分に少なくとも第2の流体運動をもたらす、導入することによって分配される。幾つかの実施形態において、第1および第2の運動は交差混合を与える。幾つかの実施形態において、第1の流体運動は第1のノズルアレイによって与えられ、少なくとも第2の流体運動は第2のノズルアレイによって与えられる。幾つかの実施形態において、第1の部分はスライド上の第1の流体の大部分であり、第1のガス流のセットはバルク流体運動を誘起する。幾つかの実施形態において、第2の部分はスライド上の第1の流体の中央部(例えば、流体のパドルの中央部)である。幾つかの実施形態において、少なくとも第2の運動は、スライド上の流体の中央部に与えられる局所流体運動である。幾つかの実施形態において、第2の運動は交差混合を誘起する。幾つかの実施形態において、第1の流体は試薬である。幾つかの実施形態において、第1の流体は複数の成分を有する混合物である。
本開示の別の態様は、標本支持スライドを処理する方法であり、方法は、(i)第1の試薬を標本支持スライド上に堆積させること、および、(ii)堆積される第1の試薬を標本支持スライド上に均一に分配することを含み、堆積される第1の試薬は、堆積される第1の試薬に第1のパルス駆動式ガスジェットのセットを導入することであって、それにより、所定の第1の期間の間、堆積される第1の試薬の第1の部分に第1の流体運動をもたらす、導入すること、および、堆積される第1の試薬に第2のパルス駆動式ガスジェットのセットを導入することであって、それにより、所定の第2の期間の間、堆積される第1の試薬の少なくとも第2の部分に少なくとも第2の流体運動をもたらす、導入することによって分配される。幾つかの実施形態において、堆積される第1の試薬の第1の部分は堆積される第1の試薬の大部分を含む。幾つかの実施形態において、第1の流体流はバルク流体流である。幾つかの実施形態において、堆積される第1の試薬の少なくとも第2の部分は堆積される第1の試薬の中央部である。幾つかの実施形態において、第1および第2の運動は同じ方向である。幾つかの実施形態において、第1および第2の運動は反対方向である。幾つかの実施形態において、第1の所定の期間は約2秒から約10秒までの範囲にある。幾つかの実施形態において、第2の所定の期間は約2秒から約10秒までの範囲にある。幾つかの実施形態において、第1のガスジェットのセットおよび第2のガスジェットのセットは、それぞれ、少なくとも2回、順次に作用する。幾つかの実施形態において、第1のガスジェットのセットおよび第2のガスジェットのセットは、それぞれ、少なくとも4回、順次に作用する。幾つかの実施形態において、第1または第2のガスジェットのセットによるパルス駆動は、約4Hzから約20Hzまでの範囲にある周波数で起こる。幾つかの実施形態において、さらなる試薬は、スライドの上側表面にディスペンスされ、ガスジェットとの混合は、第2の試薬を混合するために再び実施される。
本開示の別の態様は、第1のノズルアレイおよび第2のノズルアレイを有する非接触ミキサであり、第1のノズルアレイは、基板上の流体の実質的に全体が第1の実質的に円形の経路に沿って移動する(第1の「スワール(swirl)」運動)ように、流体および/または基板に1つまたは複数のガス流を与えるように適合され、第2のノズルアレイは、基板上の流体の3つの異なる部分が、第2、第3、および第4の実質的に円形の経路に沿って移動する(第1、第2、および第3の「スワール」運動)ように、流体および/または基板に1つまたは複数のガス流を与えるように適合される。幾つかの実施形態において、第2のノズルアレイは流体の交差混合を提供するように適合される。
規定
逆に明確に示されない限り、2つ以上のステップまたは行為(act)を含む本明細書で特許請求される任意の方法において、方法のステップまたは行為の順序が、方法のステップまたは行為が列挙される順序に必ずしも限定されないことが同様に理解されるべきである。
本明細書で使用するとき、単数形の用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が別段に明確に示さない限り、複数形の参照対象(referent)を含む。同様に、単語「または(or)」は、文脈が別段に明確に示さない限り、「および(and)」を含むことを意図される。用語「含む(include)」は、「AまたはBを含む(includes A or B)」が、A、B、またはAおよびBを含むことを意味するように、包含的に規定される。
本明細書においてまた特許請求項において使用するとき、「または(or)」は、上記で規定されるように、「および/または(and/or)」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の品目を分離するとき、「または」または「および/または」は、包含的である、すなわち、少なくとも1つの包含であるが、或る数またはリストの要素および任意選択でさらなる非列挙品目の2つ以上を含むものと解釈されるものとする。「のうちのただ1つ(only one of)」または「のうちの正確に1つ(exactly one of)」などの、逆に明確に示される用語のみ、または、特許請求項で使用されるとき、「からなる(consisting of)」は、或る数またはリストの要素の正確に1つの要素の包含を指すであろう。一般に、本明細書で使用される用語「または」は、「いずれか(either)」、「のうちの一方(one of)」、または「のうちの正確に1つ(exactly one of)」などの排他性の用語が先行するとき、排他的代替(すなわち「一方または他方であるが両方でない(one or the other but not both)」)を示すものと単に解釈されるものとする。「本質的に・・・からなる(consisting essentially of)」は、特許請求項で使用されるとき、特許法の分野で使用されるその通常の意味を有するものとする。
本明細書においてまた特許請求項において使用するとき、句「少なくとも1つ(at least one)」は、1つまたは複数の要素のリストを参照して、要素のリスト内の要素の任意の1つまたは複数から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、要素のリスト内で特に列挙されるそれぞれのまた全ての要素のうちの少なくとも1つを必ずしも含まず、また、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを排除しないと理解されるべきである。この規定は、句「少なくとも1つ」が参照する先の要素のリスト内で特に特定される要素以外の要素が、具体的に特定される要素に関連しても関連しなくても、任意選択で存在することができることを同様に可能にする。そのため、非制限的な例として、「AおよびBの少なくとも一方(at least one of A and B)」(または等価的に「AまたはBの少なくとも一方(at least one of A or B)」、または等価的に「Aおよび/またはBの少なくとも一方(at least one of A and/or B)」)は、一実施形態において、Bが全く存在しない状態で(および、任意選択で、B以外の要素を含む)、任意選択で2つ以上を含む少なくとも1つのA;別の実施形態において、Aが全く存在しない状態で(および、任意選択で、A以外の要素を含む)、任意選択で2つ以上を含む少なくとも1つのB;さらに別の実施形態において、任意選択で2つ以上を含む少なくとも1つのA、および、任意選択で2つ以上を含む少なくとも1つのB、(および、任意選択で、他の要素を含む);などを指す。
本明細書で使用するとき、用語「備えている(comprising)」、「含んでいる(including)」、「有している(having)」、および同様なものは、交換可能に使用され、同じ意味を有する。同様に、「備える(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」および同様なものは、交換可能に使用され、同じ意味を有する。特に、用語のそれぞれは、「備えること」の一般的な米国特許法の規定に矛盾せず規定され、したがって、「少なくとも以下(at least the following)」を意味するオープン用語であると解釈され、また、さらなる特徴、制限、態様などを排除しないと同様に解釈される。そのため、例えば、「コンポーネントa、b、およびcを有するデバイス(a device having components a, b, and c)」は、デバイスが少なくともコンポーネントa、b、およびcを含むことを意味する。同様に、句:「ステップa、b、およびcを含む方法(a method involving steps a, b, and c)」は、方法が少なくともステップa、b、およびcを含むことを意味する。さらに、ステップおよびプロセスを本明細書で特定の順序で概説することができるが、ステップおよびプロセスの順序付けが変動することができることを当業者は認識するであろう。
本明細書で使用するとき、用語「生物学的試料(biological sample)」または「組織試料(tissue sample)」は、ウィルスを含む任意の有機体から得られる生物分子(タンパク質、ペプチド、核酸、脂質、炭水化物、またはその組み合わせ)を含む任意の試料を指す。有機体の他の例は、ほ乳類(人間;猫、犬、馬、牛、および豚などの家畜;ならびに、マウス、ラット、および霊長類のような実験動物など)、昆虫、環形動物、クモ形類動物、有袋類、爬虫類、両生類、細菌、および菌類を含む。生物学的試料は、組織試料(組織切片および組織の針生検など)、細胞試料(Papスメアまたは血液スメアなどの細胞学的スメアあるいは顕微解剖によって得られる細胞の試料など)、あるいは、細胞分画、細胞片、または細胞小器官(細胞を溶解し、遠心またはその他の方法によって細胞の成分を分離することによって得られるようなもの)を含む。生物学的試料の他の例は、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿、生検組織(例えば、直視下生検または針生検によって得られる)、乳頭吸引液、耳垢、ミルク、膣液、唾液、スワブ(口内スワブなど)、または、第1の生物学的試料に由来する生物分子を含む任意の物質を含む。或る実施形態において、本明細書で使用される用語「生物学的試料」は、被験体から得られる腫瘍または腫瘍の一部分から調製される試料(均質化試料または液化試料など)を指す。
本明細書で使用するとき、句「バルク流体流(bulk fluid flow)」は、基板上の流体の大部分に与えられる運動を指す。バルク流体流は円形経路に沿うことができる。バルク流体流は、特定の方向、例えば、時計回りまたは反時計回りであることができる。
本明細書で使用するとき、用語「流体(fluid)」は、水、溶媒、溶液(例えば、緩衝液)などを含む任意の液体を指す。用語「流体」は、任意の混合物、コロイド、懸濁液などを同様に指す。用語「流体」は、試薬、染色剤、および、顕微鏡スライドおよび/または標本に適用することができる他の標本処理剤(例えば、接着剤、固定剤など)を同様に包含する。流体は、水性または非水性であることができる。さらなる例は、抗体の溶液または懸濁液、核酸プローブの溶液または懸濁液、および、色素または染色剤分子の溶液または懸濁液(例えば、H&E染色溶液、Pap染色溶液など)を含む。流体のなおさらなる例は、パラフィン包埋生物学的標本、水性洗浄液、および炭化水素(例えば、アルカン、イソアルカン、キシレンなどの芳香族化合物)を脱パラフィン処理するための溶媒および/または溶液を含む。流体のなおさらなる例は、生物学的標本を脱水または再水和するために使用される溶媒(およびその混合物)を含む。
本明細書で使用するとき、用語「ノズルアレイ(nozzle array)」、「ノズルセット(nozzle set)」、「ノズルのセット(set of nozzles)」はそれぞれ、バルク流体流または局所流体流などの流体流を与えるように共に適合されるノズルの1つのシリーズを指す。幾つかの実施形態において、「ノズルアレイ」は、それ自身、複数の「ノズルのセット」またはノズルの少なくとも2つのシリーズを含むことができる。
本明細書で使用するとき、用語「複数(plurality)」は、2つ以上、例えば、3つ以上、4つ以上、5つ以上などを指す。
本明細書で使用するとき、用語「試薬(reagent)」は、液体または液体組成物をスライドに付加することを含む標本処理操作において使用される任意の液体または液体組成物を指す。試薬および処理液の例は、溶液、乳液、懸濁液、および溶媒(純粋のまたはその混合物)を含む。これらのまた他の例は、水性または非水性であり得る。さらなる例は、特異的結合エンティティ、抗体の溶液または懸濁液、核酸プローブの溶液または懸濁液、および色素または染色剤分子の溶液または懸濁液(例えば、H&E染色溶液、Pap染色溶液など)を含む。なおさらなる例は、パラフィン包埋生物学的標本、水性洗浄液、および炭化水素(例えば、アルカン、イソアルカン、キシレンなどの芳香族化合物)を脱パラフィン処理するための溶媒および/または溶液を含む。
本明細書で使用するとき、句「局所流体流(regional fluid flow)」は、基板上の流体の特定の部分またはエリア内にあるが、基板上の流体の大部分より少ない流体の流れを指す。局所流体流は、特定の方向、例えば、時計回りまたは反時計回りであることができる。基板上に存在する任意の流体が、幾つかのエリア、領域、または部分に分割することができ、局所流体流を、これらのエリア、領域、または部分のうちの任意の所に与えることができることを当業者は理解するであろう。
本明細書で使用するとき、用語「スライド(slide)」は、生物学的標本が分析のためにその上に設置される、任意の適した寸法の任意の基板(例えば、ガラス、石英、プラスチック、シリコンなどで、全体としてまたは部分的に作られた基板)、および、より詳細には、標準的な3インチ×1インチの顕微鏡スライドすなわち標準的な75mm×25mmの顕微鏡スライドなどの「顕微鏡スライド(microscope slide)」を指す。スライド上に設置され得る生物学的標本の例は、限定することなく、細胞学的スメア、薄い組織切片(生検からなどの)、および、生物学的標本のアレイ、例えば、組織アレイ、細胞アレイ、DNAアレイ、RNAアレイ、タンパク質アレイ、またはその任意の組み合わせを含む。そのため、一実施形態において、組織切片、DNA試料、RNA試料、および/またはタンパク質は、スライド上で特定のロケーションに設置される。幾つかの実施形態において、用語、スライドは、SELDIおよびMALDIチップならびにシリコンウェハを指すことができる。
本明細書で使用するとき、本明細書で使用される用語「染色剤(stain)」、「染色(staining)」、または同様なものは、生物学的標本内の特定の分子(脂質、タンパク質、または核酸など)または特定の構造(正常または悪性細胞、サイトソル、核、ゴルジ装置、または細胞骨格など)の存在、ロケーション、および/または量(濃度など)を検出および/または弁別する生物学的標本の任意の処理を一般に指す。例えば、染色は、特定の分子または特定の細胞構造と生物学的標本の周囲部分との間のコントラストを提供することができ、染色の強度は、標本内の特定の分子の量の尺度を提供することができる。染色は、明視野顕微鏡によってだけでなく、位相コントラスト顕微鏡、電子顕微鏡、および蛍光顕微鏡などの他の観察ツールによっても、分子、細胞構造、および有機体の観察を補助するために使用され得る。システム2によって実施される一部の染色は、細胞の輪郭を可視化するために使用され得る。システム2によって実施される他の染色は、他の細胞成分を染色することなくまたは比較的少なく染色した状態で、或る細胞成分(分子または構造など)が染色されることに頼ることができる。システム2によって実施される染色方法のタイプの例は、限定することなく、組織化学的方法、免疫組織化学的方法、および、核酸分子間のハイブリダイゼーション反応などの分子間の反応(非共有結合相互作用を含む)に基づく他の方法を含む。特定の染色方法は、1次染色方法(例えば、H&E染色、Pap染色など)、酵素結合免疫組織化学的方法、ならびに、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH:fluorescence in situ hybridization)などのin situRNAおよびDNAハイブリダイゼーション法を含むが、それに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「実質的に(substantially)」は、関心の特徴または特性の全体のまたはほぼ全体の範囲または程度を示す定性的状態を意味する。幾つかの実施形態において、「実質的に」は約20%以内を意味する。幾つかの実施形態において、「実質的に」は約15%以内を意味する。幾つかの実施形態において、「実質的に」は約10%以内を意味する。幾つかの実施形態において、「実質的に」は約5%以内を意味する。
デバイスおよびシステム
本開示の一態様は、流体(顕微鏡スライドの上側表面上の流体のパドル)内の1つまたは複数の成分の混合をもたらすために、基板、例えば、標本支持顕微鏡スライドの表面上の流体に、ガスのパルスなどのガスを導入するように構成される非接触ミキサデバイスである。幾つかの実施形態において、基板または顕微鏡スライドは、細胞および/または組織を含む生物学的試料を含み、ガスのパルスによる混合は、試料内の細胞および/または組織を損傷することなく、および/または、廃棄物を最小にした状態で起こる、すなわち、ガスのパルスは、基板の表面から外れて方向付けられる流体の量を最小にするように働く。
幾つかの実施形態において、ガス流またはガスのパルスは、非接触ミキサデバイスによって生成され、非接触ミキサは、ガス流またはガスのパルスを、基板の表面上で異なるエリア(例えば、所定の角度で、所定のエリア、所定の位置)に方向付けるように適合される複数のノズルを含む。そうするとき、方向付けられるガス流は、スライド上に存在する任意の流体が、振動、運動、および/または撹拌することを可能にする。本明細書でさらに述べられるように、複数のノズルは、プレナムに流体接続され、プレナムは、入口とさらなる連通状態にある。非接触ミキサは、1つまたは複数のプレナムを含むことができ、各プレナムは異なる入口と流体連通状態にあり、また、各プレナムは、異なるノズルのセットとさらに連通状態にある。
図1A~1Bおよび図2A~2Bを参照すると、非接触ミキサ10は、1つまたは複数のプレナム11Aおよび11Bを含むことができ、1つまたは複数のプレナムのそれぞれは、それぞれのプレナムと流体連通状態にある複数のノズル12Aまたは12Bを有する。幾つかの実施形態において、1つまたは複数のプレナム11Aおよび11Bはそれぞれ、入口13Aおよび13Bとそれぞれ独立に流体連通状態にある。こうして、入口13Aおよび13Bを通って入るガス流は、プレナム11Aまたは11Bにそれぞれ流入することができ、そこで、ガスストシームは、個々のガスノズル12Aまたは12Bのそれぞれに分配され、ガス流またはジェットとして吐出される。図1Aおよび図1Bは、非接触ミキサが2つのノズルのセットを備えることができ、各ノズルのセットがプレナム11Aまたは11Bと流体連通状態にあり、プレナム11Aまたは11Bが、次に、入口13Aまたは13Bと連通状態にあることを示すが、非接触ミキサは、単一プレナムのみを含むことができる、または、3つ以上のプレナムを備えることができる。
実際には、図2Aおよび図2Bに示す非接触ミキサはモノリシックデバイスとして示されるが、2つ以上の非接触ミキサを、基板を覆って位置決めすることができ、各非接触ミキサが、1つまたは複数のプレナムおよび/または入口と流体連通状態にある複数のノズルを含むことができることを当業者は理解するであろう。こうして、1つまたは複数の非接触ミキサは、本明細書で詳述するように、基板の表面上の異なるエリアにガス流またはガスのパルスを方向付けるように適切に構成することができる。例えば、本明細書のシステムは、2つ以上の非接触ミキサを含むことができ、各非接触ミキサは、単一プレナムと連通状態にある単一入口を備え、単一プレナムは複数のノズルと連通状態にある。
図3Aおよび図3Bに示すように、幾つかの実施形態において、ノズル、プレナム、および入口は、本体14、例えば、モノリシック本体または複数のコンポーネントで構成される本体内に収納され、本体14は、より大きい構造、例えば、染色装置内に組み込むために構成可能である。本体14は、非接触ミキサが染色装置または他の機器内に取り外し可能に組み込まれるように、1つまたは複数のマウンティングまたは取り付けポイント15を含むことができる。幾つかの実施形態において、また、図4Aおよび図4Bに示すように、マウンティングまたは取り付けポイントは、その上部または下部の両方で開口し、別の装置または機器に対する接続のための複数のポイントを可能にすることができる。本体14は、金属、合金、ポリマー、またはコポリマーで構成することができる。幾つかの実施形態において、本体14、プレナム、入口、およびノズルは、中実ブロックを機械加工する、成形する、またはそうでなければ複数のコンポーネントを共に留めることによって作製されて、非接触ミキサ10を形成することができる。幾つかの実施形態において、非接触ミキサおよびその全てのコンポーネントは、3D印刷を使用して作製することができる。
幾つかの実施形態において、および、少なくとも図1Aおよび図1Bを参照すると、複数のノズル12Aまたは12Bは、非接触ミキサ10の下部表面16に沿って配置される。幾つかの実施形態において、複数のノズルは、2つ以上の列で配置される。幾つかの実施形態において、ノズルは、互いに平行に、例えば、非接触ミキサの長手方向軸20に平行な列で配置することができる。他の実施形態において、ノズルは、千鳥構成で配置することができる。他の実施形態において、ノズルは、互いに対してランダムに構成することができる。複数のノズルのセットが存在する実施形態において、各ノズルのセットは、独立に構成することができる。例えば、図7は、長手方向軸20に平行である第1のノズルのセット(それぞれの個々のノズルは12Bとラベル付けされる);および長手方向軸20に実質的に平行である第2のノズルのセット(それぞれの個々のノズルは12Aとラベル付けされる)を示す。
任意の個々のガスノズルを通るガスの流量を決定することができる多くの変数であって、入口を通してプレナムに供給されるガス圧に加えて、ノズルのサイズおよび形状、任意の個々のプレナムと流体連通状態にあるノズルの数を含む、多くの変数が存在することを当業者は理解するであろう。
幾つかの実施形態において、各入口は、外部ガス源(例えば、ポンプ、空気圧縮機、ブロワー、ファン、または、未だ十分に加圧されていない場合、ガス源からのガスを加圧するのに十分な他の手段)から加圧ガスを受け取るように構成される。幾つかの実施形態において、独立に各入口を通過するガスの流量は約1L/分~約5L/分までの範囲にある。他の実施形態において、独立に各入口を通過するガスの流量は約2L/分~約25L/分におよぶ。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、入口と連通状態にある各ノズルを通る流量がほぼ同じであると思われる。
ノズルは任意のサイズまたは形状を有することができる。例えば、ノズルは、円錐(または実質的に円錐状)、らせん状に線条があるポート、小さい内部円錐開口を有する角度付きオリフィスの小さいアレイ、または、均一で丸い内部プロファイルおよび外部ボスを有するアレイであることができる。そのようなさらなるノズル形状の非制限的な例は図8に示される。幾つかの実施形態において、また、ノズルのサイズまたは形状によらず、ノズルを、共にグループ化することができ、幾つかの実施形態において、ノズルの群の同時動作は、それぞれの個々のノズルから発出する個々のガス流が融合することを可能にできる。
幾つかの実施形態において、ノズルは、約0.025インチ(0.635mm)~約0.035インチ(0.889mm)の範囲にある直径を有する開口を有する。他の実施形態において、ノズルは、約0.010インチ(0.254mm)~約0.030インチ(0.792mm)の範囲にある直径を有する開口を有する。さらに他の実施形態において、ノズルは、約0.050インチ(1.27mm)の直径を有する開口を有する。ノズルがそれぞれ、同じまたは異なる直径の開口を有することができることを当業者は理解するであろう。
幾つかの実施形態において、複数のノズルは互いから均等に離間する。例えば、円形開口を有するノズルを考えると、ノズル12は、1つの円形開口の中心から別の円形開口の中心まで測定されると、互いから約0.150インチ(3.81mm)~約0.300インチ(7.96mm)離間することができる。別の例において、また、やはり円形開口を仮定すると、ノズルは互いから約0.300インチ(7.96mm)~約0.500インチ(12.7mm)離間することができる。さらに別の例において、また、やはり円形開口を仮定すると、ノズルは互いから約1.00インチ(25.4mm)離間することができる。もちろん、ノズルが、任意の幾何学的形状、例えば、円形、卵形、三角形、四角形などを有することができることを当業者は理解するであろう。
ノズルは、各ノズルからのガス流が所望に応じて方向付けられる(例えば、基板の表面に向かって座標方向のうちの任意の方向に特定の角度で方向付けられる)ように種々の角度で設けることができる(例えば、図4Aおよび図4B参照)。任意のノズルが単一ポイントとして考えられる場合、ガス流またはジェットが、ノズル(12Aまたは12B)から発出され、所定の入射角度で所定の位置において基板表面(70)を狙うように、ノズルを、非接触ミキサの本体内で任意の角度でかつ任意の方向(x、y、またはz)で形成することができることを当業者は理解するであろう。x、y、またはz次元のうちの任意の次元において異なる角度を有するノズルを組み合わせて1つのアレイにすることによって、種々の座標に沿う種々の角度が、ノズルのセットによって支配される方向への基板上での流体の運動を可能にすることになることを当業者はさらに理解するであろう。
図5Aおよび図5Bは、「傾斜角度(slant angle)」および「オフセット角度(offset angle)」として示す2つのノズル角度を示す。各ノズルの傾斜角度およびオフセット角度を独立に調節することによって、ガスジェットを、ノズルから非接触ミキサの下に位置決めされた基板上の異なるエリアまたは位置に(かつ特定のエントリー角度で)方向付けることができることを当業者は理解するであろう。一般に、傾斜角度は、基板平坦表面に対する角度を指す(すなわち、90度の傾斜角度は、真下(表面に垂直)であり;0度の傾斜は基板表面に平行である)。幾つかの実施形態において、傾斜角度は、ノズルから発出するガス流が基板上の流体に運動を与えることを可能にする。幾つかの実施形態において、傾斜角度は、ノズルから発出するガス流と非接触ミキサの下に位置決めされた基板の表面との間で形成される入射角度を考慮することによって規定することができる。幾つかの実施形態において、ジェットが、同様に流体的に互いに相互作用し、基板上での実際の入射ポイントを、「予測不能(unpredictable)」にではなく、圧縮性流体力学およびノズル方向の組み合わせによって支配されるようにすると思われる。例えば、図5Aにおいて、ガス流30は、基板との55度の入射角度を有する。一方、また、図5Bに示すように、ガス流31は、基板との60度の入射角度を有する。
幾つかの実施形態において、傾斜角度は約5度から約90度までの範囲にある。他の実施形態において、傾斜角度は約10度から約70度までの範囲にある。他の実施形態において、傾斜角度は約15度から約65度までの範囲にある。さらに他の実施形態において、傾斜角度は約20度から約60度までの範囲にある。さらなる実施形態において、傾斜角度は約25度から約55度までの範囲にある。なおさらなる実施形態において、傾斜角度は約30度から約55度までの範囲にある。
傾斜角度に加えて、ノズルを、オフセット角度によって規定することができ、オフセット角度は、ガスノズルが、長手方向軸20に平行な軸または水平軸21に平行な軸(図5Aおよび図5B参照)から逸脱する角度を指す。幾つかの実施形態において、オフセット角度は、ノズルから発出するガス流が基板上の流体に指向性を与えることを可能にする。幾つかの実施形態において、オフセット角度は約0度から約25度までの範囲にある。他の実施形態において、オフセット角度は約5度から約15度までの範囲にある。さらに他の実施形態において、オフセット角度は約10度から約15度までの範囲にある。
別の例によれば、図5Bは、水平軸21に平行な平面に対して60度の傾斜角度を有するガス流31を示し、そのガス流は水平軸21に平行な軸に対して10度のオフセット角度を同様に持つ。同様に、図5Aは、長手方向軸20に垂直な平面に対して55度の傾斜角度を有するガス流30を示し、そのガス流は長手方向軸20に平行な軸に対して5度だけオフセットする。
非接触ミキサ10の下に位置決めされた顕微鏡スライドの文脈で、幾つかの実施形態において、ノズルのセット(例えば、4から12のノズル)は、スライドの表面上に位置決めされた流体に対するバルク流体流を可能にするように配置される。幾つかの実施形態において、ノズルのセット内のノズルの一部から発出するガスのジェットは、スライドの長手方向縁に向かってまたはスライドの長手方向縁に近い流体に向かって方向付けられる。
例として、また、図6Cおよび図6Dを参照して、第1のノズルアレイは、基板の表面上に存在する流体にバルク流体運動50を与えるように適合することができる。ここで、第1のノズルアレイ内のノズルは、ガス流が顕微鏡スライドの縁60に実質的に向かうが、縁60に完全に平行でなく方向付けられるように配置される。図6Cおよび図6Dに示す結果として得られるバルク流体運動は反時計回り方向であるが、バルク流体運動が時計回り方向であるようにノズルアレイを構成することができることを当業者は理解するであろう。図6Aおよび図6Bは、3つの離散的な局所流体流51、52、および53、または、54、55、および56を同様に示し、離散的な局所流体流のそれぞれは、所定の入射角度でスライドの表面上の所定の位置にガス流を方向付けるように構成される第2のノズルアレイによって与えられる。図6Aにおいて、局所流体流51および53は反時計回り方向に示され、一方、局所流体流52は時計回り方向である。図6Bにおいて、局所流体流55および56は時計回り方向に示され、一方、局所流体流54は反時計回り方向である。4つ以上の局所流体流が提供され、隣接する各局所流体流が異なる方向であるように、第2のノズルアレイ内のノズルがさらに適合することができることを当業者は同様に理解するであろう。
自動化スライド処理システム
本開示の別の態様は、流体またはパドル内の1つまたは複数の成分の混合をもたらすために、標本支持顕微鏡スライドの表面上の流体またはパドルに、ガスのパルスを導入するように構成される少なくとも1つの非接触ミキサを備える自動化スライド処理装置である。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理システムは、2つの離散的なノズルアレイを有する少なくとも1つの非接触ミキサを含み、各ノズルアレイはスライドの表面上の流体の少なくとも一部に流れを与えるように適合される。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理システムは、2つの離散的なノズルアレイを有する非接触ミキサを含み、第1のノズルアレイはバルク流体流を第1の方向に与えるように適合され、第2のノズルアレイは、少なくとも1つの局所流体流を流体の少なくとも一部に与えるように適合され、少なくとも1つの局所流体流は、与えられたバルク流体流と反対の方向である。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は少なくとも2つの非接触ミキサを含む。
幾つかの実施形態において、標本処理装置は、Ventana Medical Systems,Inc.によって販売されるBENCHMARK XT機器、SYMPHONY機器、BENCHMARK ULTRA機器などの自動化装置である。Ventana Medical Systems,Inc.は、自動化分析を実施するためのシステムおよび方法を開示する複数の米国特許の譲受人であり、その複数の米国特許は、米国特許第5,650,327号、第5,654,200号、第6,296,809号、第6,352,861号、第6,827,901号、および第6,943,029号、ならびに、米国公開特許出願第20030211630号および第20040052685号を含み、それぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。代替的に、標本は、手作業で処理され得る。
市販のH&E染色器の例は、RocheからのVENTANA SYMPHONY(個別的スライド染色器)およびVENTANA HE 600(個別的スライド染色器)シリーズH&E染色器;Agilent TechnologiesからのDako CoverStainer(バッチ染色器);Leica Biosystems Nussloch GmbHからのLeica ST4020スモールリニア染色器(バッチ染色器)、Leica ST5020マルチ染色器(バッチ染色器)、およびLeica ST5010自動染色器XLシリーズ(バッチ染色器)H&E染色器を含む。本明細書で述べる非接触ミキサは、上記標本処理システムのうちの任意のシステムに付加することができる。
標本処理装置は固定剤を標本に適用し得る。固定剤は、架橋剤(アルデヒド、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、およびグルタルアルデヒド、ならびに、非アルデヒド架橋剤など)、酸化剤(例えば、金属イオンおよび四酸化オスミウムおよびクロム酸などの複合体)、タンパク質変性剤(例えば、酢酸、メタノール、およびエタノール)、未知の機構の固定剤(例えば、塩化第2水銀、アセトン、およびピクリン酸)、組み合わせ試薬(例えば、カルノワ固定剤、メタカン、ブアン液、B5固定剤、ロスマン液、およびジャンドル液)、マイクロ波、および種々雑多な固定剤(例えば、排除体積固定および蒸気固定)を含み得る。顕微鏡スライドと流体連通状態にある非接触ミキサは、本明細書で詳述するように、これらの固定剤のうちの任意の固定剤を、スライド上にまたは別の流体内に均一に分配するために使用することができる。
標本が、パラフィン中に包埋された試料である場合、試料は、適切な脱パラフィン液(複数可)を使用する標本処理装置によって脱パラフィン処理され得る。廃棄物除去器が脱パラフィン液(複数可)を取り除いた後、任意の数の物質が、標本に連続して適用され得る。その物質は、前処理(例えば、タンパク質架橋、核酸曝露など)、変性、ハイブリダイゼーション、洗浄(例えば、ストリンジェンシー洗浄)、検出(例えば、視覚的またはマーカー分子のプローブへの連結)、増幅(例えば、タンパク質、遺伝子などの増幅)、対比染色、カバースリッピング、または同様なもののためのものであり得る。再び、適用されるこれらの物質のうちの任意の物質を、本明細書で述べる非接触ミキサの使用を通して混合または分配することができる。
標本処理装置は、広い範囲の物質を標本に適用することができ、広い範囲の物質は、その後、スライドホルダーと流体連通状態にある非接触ミキサを使用して、均一に分配および/または混合することができる。物質は、限定することなく、染色剤、プローブ、試薬、リンス、および/または調整剤を含む。物質は、流体(例えば、ガス、液体、またはガス/液体混合物)または同様なものであり得る。流体は、溶媒(例えば、極性溶媒、無極性溶媒など)、溶液(例えば、水性溶液または他のタイプの溶液)、または同様なものであり得る。試薬は、限定はしないが、染色剤、湿潤剤、抗体(例えば、モノクロナール抗体、ポリクロナール抗体など)、抗原回収液(例えば、水性または非水性ベースの光源賦活化溶液、抗原回収バッファーなど)、または同様なものであり得る。プローブは、検出可能標識に付着した単離核酸または単離合成オリゴヌクレオチドであり得る。標識は、放射性同位体、酵素基質、補因子、リガンド、化学発光または蛍光剤、ハプテン、および酵素を含み得る。
自動化IHC/ISHスライド染色器は、通常、少なくとも、染色プロトコルにおいて使用される種々の試薬のリザーバ、試薬をスライド上にディスペンスするための、リザーバと流体連通状態にある試薬ディスペンスユニット、使用済み試薬および他の廃棄物をスライドから取り除くための廃棄物除去システム、および、試薬ディスペンスユニットおよび廃棄物除去システムの動作を協調させる制御システムを含む。染色ステップを実施することに加えて、多くの自動化スライド染色器は、(試料をスライドに固着するための)スライドベーキング、脱ろう(脱パラフィン処理とも呼ばれる)、抗原賦活化、対比染色、脱水および透徹、ならびにカバースリッピングを含む、染色に付随するステップを同様に実施し得る(または、そのような付随ステップを実施する別個のシステムと両立し得る)。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPrichard,Overview of Automated Immunohistochemistry,Arch Pathol Lab Med.,Vol.138,pp.1578-1582(2014)は、intelliPATH(Biocare Medical)、WAVE(Celerus Diagnostics)、DAKO OMNISおよびDAKO AUTOSTAINER LINK 48(Agilent technologies)、BENCHMARK(Ventana Medical Systems,Inc.)、Leica BOND、ならびにLab Vision Autostainer(Thermo Scientific)自動化スライド染色器を含む、自動化IHC/ISHスライド染色器の幾つかの特定の例およびそれらの種々の特徴を記載する。さらに、Ventana Medical Systems,Inc.は、自動化分析を実施するためのシステムおよび方法を開示する複数の米国特許の譲受人であり、複数の米国特許は、米国特許第5,650,327号、第5,654,200号、第6,296,809号、第6,352,861号、第6,827,901号、および第6,943,029号、ならびに、米国公開特許出願第20030211630号および第20040052685号を含み、それぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
市販の染色ユニットは、通常、以下の原理のうちの1つの原理に基づいて動作する。以下の原理とは、(1)オープン型個別的スライド染色であって、スライドが水平に位置決めされ、試薬が、組織試料を含むスライドの表面上でパドルとしてディスペンスされる、オープン型個別的スライド染色(DAKO AUTOSTAINER LINK 48(Agilent technologies)およびintelliPATH(Biocare Medical)染色器上で実装されるようなもの);(2)液体オーバーレイ技術であって、試薬が、試料を覆って堆積される不活性流体層でカバーされるかまたはその不活性流体層を通してディスペンスされる、液体オーバーレイ技術(BENTANA BenchMarkおよびDISCOVERY染色器上で実装されるようなもの);(3)毛細管ギャップ染色であって、スライド表面が狭いギャップを作成するために別の表面(別のスライドまたはカバープレートであることができる)に近接して設置され、その狭いギャップを通して、毛細管力が、液体試薬を吸い上げ、液体試薬を試料と接触状態に維持する、毛細管ギャップ染色(DAKO TECHMATE、Leica BOND、およびDAKO OMNIS染色器によって使用される染色原理など)である。毛細管ギャップ染色の何回かの反復は、(DAKO TECHMATEおよびLeica BOND上でなど)ギャップ内の流体を混合しない。動的ギャップ染色と呼ぶ毛細管ギャップ染色の変形において、毛細管力が試料をスライドに適用するために使用され、その後、平行表面は、互いに対して併進して、培養中に試薬を撹拌し、それにより、試薬混合をもたらす(DAKO OMNISスライド染色器(Agilent)上で実装される染色原理など)。併進ギャップ染色において、併進可能ヘッドはスライドを覆って位置決めされる。ヘッドの下方表面は、液体のメニスカスがスライドの併進中に液体からスライド上に形成することが可能になるのに十分に小さい第1のギャップだけヘッドから離間する。スライドの幅より小さい横寸法を有する混合拡張部は、併進可能ヘッドの下方表面から拡張して、混合拡張部とスライドとの間の第1のギャップより小さい第2のギャップを画定する。ヘッドの併進中に、混合拡張部の横寸法は、第2のギャップから第1のギャップまでほぼ延在する方向にスライド上で液体の横移動を生成するのに十分である。WO2011-139978A1を参照されたい。試薬をスライド上に堆積させるためにインクジェット技術を使用することが、最近提案された。染色技術のこのリストは、網羅的であることを意図されず、本明細書で述べる非接触ミキサのうちの任意の非接触ミキサが、そのようなシステムと連携して使用されて、染色試薬を含む、標本支持顕微鏡スライド上に存在する任意の流体の分配および混合をもたらすことができる。
幾つかの実施形態は、生物学的標本を自動的に処理するための装置であり、その装置は、実質的に水平な位置で複数のスライドを保持する少なくとも1つのスライドトレイ(本明細書で述べられるようなもの)であって、生物学的標本がスライド上に位置する、少なくとも1つのスライドトレイと;スライドトレイを受け取り、スライドトレイ内に保持される複数のスライド上で1つまたは複数のスライド処理操作を実施する1つまたは複数のワークステーションと;スライドトレイを1つまたは複数のワークステーションの中にまたその外に移動させるトランスポーターと;試薬を1つまたは複数のワークステーションに供給する、1つまたは複数のワークステーションと流体連通状態にあるフルイディクスモジュールと;1つまたは複数のワークステーションおよびフルイディクスモジュールと流体連通状態にある空気圧モジュールであって、負圧および/または加圧ガスを1つまたは複数のワークステーションおよびフルイディクスモジュールに供給する、空気圧モジュールと;混合をもたらすためにスライドトレイ内のスライドの上に位置決めされた非接触ミキサと;トランスポーター、1つまたは複数のワークステーション、フルイディクスモジュール、および空気圧モジュールと電気連通状態にある制御モジュールであって、生物学的標本の処理中に装置のコンポーネント(非接触ミキサおよびその種々のコンポーネントを含む)の機能を協調させる、制御モジュールとを備える。
幾つかの実施形態において、生物学的標本を自動的に処理するための装置は、混合が各スライドについて調節されるように各非接触ミキサを独立に制御するための制御システムをさらに含む。幾つかの実施形態において、生物学的標本を自動的に処理するための装置は、スライドの表面上にディスペンスされる流体の混合および/または分配のモニタリングを可能にするために1つまたは複数のセンサあるいは他のフィードバック機構をさらに含む。幾つかの実施形態において、制御システムはマイクロプロセッサおよび1つまたは複数のマイクロコントローラを含み、1つまたは複数のマイクロコントローラは、マイクロプロセッサから命令を受信し、1つまたは複数のワークステーション、フルイディクスモジュール、非接触ミキサ、および/またはトランスポーターの1つまたは複数を別々に制御する。幾つかの実施形態において、ワークステーションの少なくとも1つは可動ノズル組み立て体を含み、ノズル組み立て体は、試薬がそれを通してスライドに送出される1つまたは複数のノズルを含む。ノズルはディスペンスノズルであることができる。
幾つかの実施形態において、ワークステーションは、スライドトレイ内の1つまたは複数のスライド、例えば、スライドトレイ内の少なくとも2つまたは4つのスライド上でスライド処理操作を実施し得る、または、ワークステーションは、スライドトレイ内のスライドの全てのスライド上でスライド処理操作(非接触ミキサによる混合操作を含む)を同時に実施し得る。幾つかの実施形態において、1つまたは複数のワークステーションは、第1のスライドに接触するかなりの量の試薬が第2のスライドに接触することなくスライドトレイ内のスライドに試薬をディスペンスし、それにより、スライド間の相互汚染を最小にする。そのようなワークステーションは、スライド上に試薬をディスペンスする1つまたは複数の指向性ノズルを含み得る、例えば、1つまたは複数の指向性ノズルは、スライドの表面にわたって反対方向に試薬をディスペンスする一対の指向性ノズルを含み得る。より特定の実施形態において、1つまたは複数の指向性ノズルは、スライドの下部表面に向かって試薬をディスペンスする指向性ノズルをさらに含み得る。他の実施形態において、1つまたは複数のワークステーションは、所与のワークステーション内でスライドトレイ内に保持される少なくとも2つのスライドに試薬(例えば、同じ試薬)を同時にディスペンスし得る、または、1つまたは複数のワークステーションは、所与のワークステーション内でスライドトレイ内に保持されるスライドの全てのスライドに試薬(例えば、同じ試薬)を同時にディスペンスし得る。流体および/または試薬のディスペンスに続いて、非接触ミキサは、スライドの表面上で流体を分配および/または混合するために独立して起動することができる。
幾つかの実施形態は、生物学的組織試料を支持する複数のスライドを処理するための自動化方法であり、方法は、1つまたは複数のワークステーション内の複数のスライドに対して、複数のスライドがスライドトレイ内の空間的に同一平面上で実質的に水平の位置に保持されている間に、スライド処理操作のセットを実施することであって、複数のスライドのそれぞれは少なくとも1つの非接触ミキサに近接して位置決めされる、実施することを含み;スライド処理操作のセットは、1つまたは複数の染色剤を、少なくとも1つの試薬コンテナからフルイディクスモジュールを通して、かつ、スライドトレイの上に位置決めされた少なくとも1つのディスペンスノズルから外に流すことによって、空間的に同一平面上で実質的に水平の位置にあるスライド上で試料を染色すること、および、溶媒交換することを少なくとも含み;染色および溶媒交換を少なくとも含むスライド処理操作のセットを実施した後に、複数のスライドを保持するスライドトレイを、自動化カバースリッパーワークステーションに搬送すること;複数のスライドがスライドトレイ内の空間的に同一平面上で実質的に水平の位置に保持されている間に、自動化カバースリッパーワークステーションを使用して別個のそれぞれのカバースリップによってスライドトレイ内に保持される複数のスライドをカバースリッピングすることであって、それにより、スライド上のカバースリップが互いに離間する、カバースリッピングすること;および、カバースリッピングされたスライドを保持するスライドトレイを自動化カバースリッパーワークステーションから取り除くことを含む。幾つかの実施形態において、処理することは、(i)放射加熱器下で試料をベークするステップと;(ii)試料を脱パラフィン処理するステップと;(iii)1つまたは複数の染色剤を、1つまたは複数のフルイディックコンポーネントを通しかつスライドトレイのほぼ上に位置決めされた1つまたは複数のノズルの外に送出することによって試料を染色することであって、1つまたは複数のフルイディックコンポーネントは、1つまたは複数の染色剤を保持する少なくとも1つの試薬コンテナを1つまたは複数のノズルに流体接続する、染色するステップと;(iv)試料を溶媒交換するステップと;(v)別個のカバースリップで試料をカバースリッピングするステップとを含み、上記ステップは、スライドを保持するスライドトレイが処理中にその間を移動する2つ以上のワークステーションを備える装置によって自動的に実施される。
幾つかの実施形態において、標本が処理された後に、ユーザーは標本支持スライドを画像化装置に搬送し得る。幾つかの実施形態において、画像化装置は明視野イメージャースライドスキャナである。1つの明視野イメージャは、Ventana Medical Systems,Inc.によって販売されるiScan Coreo(商標)明視野スキャナである。自動化の実施形態において、画像化装置は、「IMAGING SYSTEM AND TECHNIQUES」という名称の国際特許出願第PCT/US2010/002772号(特許公開第WO/2011/049608号)に開示される、または、「IMAGING SYSTEMS,CASSETTES,AND METHODS OF USING THE SAME」という名称の2014年2月3日に出願された米国特許出願公報第2014/0178169号に開示されるデジタル病理学デバイスである。国際特許出願第PCT/US2010/002772号および米国特許出願公報第2014/0178169号は、参照によりその全体が組み込まれる。他の実施形態において、画像化装置は顕微鏡に結合されたデジタルカメラを含む。
制御システム
幾つかの実施形態において、非接触ミキサは、コントローラによって制御することができる。幾つかの実施形態において、制御システムは、アクチュエータ、弁、および/またはソレノイドと通信状態にあって、非接触ミキサの入口に入る空気を制御する、または、入口と流体連通状態にあるノズルのそれぞれからのガス流のパルス駆動を可能にすることができる。幾つかの実施形態において、制御システムは、コンピュータ(少なくとも1つのプロセッサ、および、命令を含みかつ情報を記録するための非有形のメモリ)をさらに含み、コンピュータは、非接触ミキサの一部を形成するノズルアレイまたはノズルのセットが動作する(例えば、一定の時間間隔または一定の周波数でパルス駆動される)ように、アクチュエータ、弁、および/またはソレノイドの開閉を制御する。制御システムは、流れおよび圧力が各プレナムに沿って独立に制御されるように、アクチュエータ、弁、および/またはソレノイドの動的調整を可能にする。
幾つかの実施形態において、制御システムは、顕微鏡スライドに向かって方向付けられるガスジェットをモニターするための1つまたは複数のセンサをさらに備えることができる。他の実施形態において、制御システムは、スライドの表面上に存在する1つまたは複数の流体の混合をモニターするために1つまたは複数のフィードバック機構を備えることができる。
幾つかの実施形態において、制御システムは、顕微鏡スライド上で、表面張力、流体の体積、流体の温度、および流体の他の機械的特性をモニターするための1つまたは複数のセンサをさらに備えることができる。他の実施形態において、制御システムは、スライド上の流体の完全性をモニターし、流れおよび圧力が各プレナムに沿って独立に制御されるように、アクチュエータ、弁、および/またはソレノイドを動的に調整して、1つまたは複数の流体をスライドから強制的に外すことを防止または低減するために、1つまたは複数のフィードバック機構を備えることができる。
光学またはビデオ検出および分析が、混合を最適化するために使用され得る。例として、光学またはビデオ検出は、有色試薬が混合して澄んだ流体になるときのカラーの変化を検出するために使用することができる。他の光学的測定、例えば、スペクトル励起、吸収、光散乱、蛍光、発光、放射、偏光顕微鏡法、ラマン散乱、およびスペクトル分析は、顕微鏡スライドの表面上の試料と接触状態にある流体の混合をモニターするために使用され得る。データは、混合プロセスを制御しているコンピュータまたは制御システムによって採取され分析されることができる。例えば、受信されるデータに基づいて十分な混合が達成される場合、非接触ミキサはターンオフすることができる。別の例として、受信されたデータに基づいて混合が不十分である場合、コントローラは、非接触ミキサがターンオフされる時間を増加させることができる、または、コントローラは、非接触混合に関連するパラメータ、例えば、ガスジェットパルス周波数、ガス圧、またはガスを送出するノズルのセットの1つまたは複数を変更することができる。
方法
本開示は、本明細書で述べる非接触ミキサを使用して、基板、例えばスライド上に存在する流体を混合する方法を同様に提供する。「非接触ミキサによって混合される(mixed with the contactless mixer)」によって、非接触ミキサが、標本支持スライドの表面上のパドル内の流体の混合、分配、または補充をもたらすために動作することが意味される。本明細書で留意されるように、非接触ミキサは、非接触ミキサの複数のノズルまたはノズルのセットのシリーズから発出されるガスのパルス(例えば、ガスのジェットまたはガス流)が流体(複数可)に流体流(例えば、撹拌)を与え、スライドの少なくとも1つのエリア内で少なくとも1つの方向への流体の運動を引き起こすように構成される。本明細書で使用するとき、ガスの「パルス(pulse)」は、ガス流が、特定の期間、例えば、1秒の間、「ターンオンされ(turned on)」、その後、「ターンオフされる(turned off)」ことを意味することができる。これは、連続ストリームと考えられ得る。同様に、「パルス」は、設定期間の間、ガス流を「ターンオンすること(turning on)」を同様に意味することができ、その設定期間の間、ガスは特定の周波数で変調される、例えば、1Hz周波数が5秒の期間の間、ガス流に印可される、(すなわち、パルスは、設定期間の間、「ターンオンすること」および「ターンオフすること(turning off)」のシリーズであることができる。)。
したがって、本開示の別の態様は、標本支持スライドの表面上のパドルにガスのパルスを導入することによって、顕微鏡スライドの表面上の流体を分配および/または混合する方法を提供する。幾つかの実施形態において、パルス駆動式ガスジェットの流体への導入は、流体の運動および/または振動を引き起こし、したがって、バルク流体流および/または局所流体流を提供し、最終的に、生物学的試料にわたる流体の実質的に均一な分布を可能にする。例えば、また、幾つかの実施形態において、流体は、顕微鏡スライドの表面上の所定のエリアにディスペンスすることができ、非接触ミキサの起動およびパルス駆動式ガスジェットの導入によって、流体を、ディスペンスの初期エリアを超えて分配することができる。幾つかの実施形態において、パルス駆動式ガスジェットの導入による顕微鏡スライドの表面上での流体の分配は、スライドの表面上にマウントされる生物学的試料に対する流体(例えば、試薬)の補充を促進するために使用することができる。例えば、生物学的試料は、その表面上に堆積する試薬を吸収することができ(または、試薬を不均等に吸収することができ)、最終的に、生物学的試料と接触状態にある或る量の試薬は、実質的に枯渇する(または、試料の特定の領域または部分から枯渇する)場合がある。非接触ミキサ(または非接触ミキサ内のさらに個々のノズルアレイ)の起動は、生物学的試料に対する同じ試薬の別のアリコートの分配を促進し、したがって、生物学的試料と接触状態にある試薬を補充することができる。非接触ミキサ(または個々のノズルアレイ)の起動は、拡散手段より速い、スライドの他のエリアから生物学的試料への試薬の再分配を同様に促進し、したがって、生物学的試料と接触状態にある流体または試薬を補充することができる。
他の実施形態において、第1の流体は、顕微鏡スライド(例えば、流体パドル)の表面上に既に存在することができ、第2の流体、例えば、ディスペンサーを介して導入される試薬の導入に続いて、第2の流体は、非接触ミキサからのパルス駆動式ガスジェットの導入に続いて、第1の流体内で実質的に均一に分配することができる。幾つかの実施形態において、「実質的に均一に分配される(substantially uniformly distributed)」によって、スライド上の2つの別個のポイントの間の試薬濃度が大きさにおいて10%以下だけ異なることが意味される。他の実施形態において、実質的に均一に分配される、によって、スライド上の2つの別個のポイントの間の試薬濃度が大きさにおいて5%以下だけ異なることが意味される。さらに別の実施形態において、実質的に均一に分配される、によって、スライド上の2つの別個のポイントの間の試薬濃度が大きさにおいて2%以下だけ異なることが意味される。もちろん、任意の数の流体が顕微鏡スライドの表面上に堆積することができ、それらの流体のそれぞれが、パルス駆動式空気ジェットの導入によって、混合する、すなわち、互いの流体内で実質的に均一に分配することができることを当業者は理解するであろう。
幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法は、スライドの表面上で任意の体積流体を分配および/または混合するのに適する。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法にしたがって分配および/または混合されることができる流体の体積は約50μLから約2000μLまでの範囲にある。幾つかの実施形態において、本明細書で開示される方法にしたがって分配および/または混合されることができる流体の体積は約50μLから約1000μLまでの範囲にある。他の実施形態において、本明細書で開示される方法にしたがって分配および/または混合されることができる流体の体積は約50μLから約750μLまでの範囲にある。さらに他の実施形態において、本明細書で開示される方法にしたがって分配および/または混合されることができる流体の体積は約50μLから約500μLまでの範囲にある。さらに他の実施形態において、本明細書で開示される方法にしたがって分配および/または混合されることができる流体の体積は約100μLから約500μLまでの範囲にある。当業者は、全ての動作パラメータを含む、適切に構成された非接触混合ノズルアレイ(例えば、特定の構成、空気ジェットパルス周波数、時間、圧力、および/または流量を有する特定のノズルの使用)を選択できるであろう。
一般に、方法は、(i)流体をスライドの表面に導入すること;および、(ii)ガスジェットのパルスであって、スライドに流体運動および/または振動を導入する、ガスジェットのパルスをスライドに導入することを含む。幾つかの実施形態において、方法は、さらなるステップを含み、さらなるステップは、(a)非接触ミキサのフィードバック制御のための検出ステップ、(b)流体除去ステップ;および、(c)さらなる流体ディスペンスステップを含むが、それに限定されない。
幾つかの実施形態において、標本支持スライドを処理する方法は、(i)標本支持スライド上の試料を第1の試薬と接触させること;および、(ii)パルス駆動式空気ジェットを標本支持スライドに導入することによって標本支持スライド上で第1の試薬を均一に分配することを含む。本明細書で留意されるように、パルス駆動式空気ジェットは、適切に構成された非接触ミキサ、例えば、少なくとも、パドル内の流体または試薬のバルク混合および/または流体または試薬の局所混合を促進する本明細書で述べる非接触ミキサを通してパドルに送出することができる。幾つかの実施形態において、空気のパルス駆動式ジェットは非接触ミキサの第1のノズルアレイおよび第2のノズルアレイから発出される。幾つかの実施形態において、第1および第2のノズルアレイからの空気のパルス駆動式ジェットは、タイミングをずらされ、したがって、バルク流体流と局所流体流の交互の期間を可能にした。幾つかの実施形態において、均一な分配は、流体のないスライドのエリアへの流体の前進を可能にする。
幾つかの実施形態において、試薬は、スライドの表面上の第1の流体パドル(例えば、バッファーを含むパドル)内にまたはスライド上の第1のパドルに近接して導入される。幾つかの実施形態において、試薬は検出プローブである。幾つかの実施形態において、検出プローブは、生物学的試料内の特定のターゲットに特異的な結合部分である。幾つかの実施形態において、利用される検出プローブは、1次抗体、すなわち、試料内のタンパク質ターゲット(またはタンパク質ターゲットのエピトープ)の検出を可能にする1次抗体である。幾つかの実施形態において、1次抗体は、フルオロフォア、ハプテン、または酵素などの検出可能標識にコンジュゲートされる。他の実施形態において、検出プローブは、試料内の核酸配列ターゲットの検出を可能にする核酸プローブである。他の実施形態において、特異的結合部分は核酸プローブであり、核酸プローブは、フルオロフォア、ハプテン、または酵素などの検出可能標識にコンジュゲートされる。
幾つかの実施形態において、ノズルの任意のノズルによるパルス駆動は約0.5Hzから約15Hzまでの範囲にある周波数で起こる。幾つかの実施形態において、音響源は約0.5Hzから約10Hzまでの範囲にある周波数で動作する。幾つかの実施形態においてノズルの任意のノズルによるパルス駆動は、約1Hzから約10Hzまでの範囲にある周波数で起こる。幾つかの実施形態において、ノズルの任意のノズルによるパルス駆動は約1Hzから約20Hzまでの範囲にある周波数で起こる。
幾つかの実施形態において、第1のノズルのセットは第1の周波数または第1の周波数の範囲で動作することができ;一方、第2のノズルのセットは第2の周波数または第2の周波数の範囲で動作することができる。同様に、非接触ミキサの任意のノズルのセットは、第1の周波数で第1の期間の間、動作し、その後、第2の周波数で第2の期間の間、動作することができる。他の実施形態において、非接触ミキサの特定のノズルのセットは、第1の周波数で最初に動作することができ、周波数は、経時的に増加または減少する(例えば、所定の間隔で経時的にランプアップまたはランプダウンする)ことができる。例えば、第1の周波数は10Hzであることができ、第2の周波数は20Hzであることができ、周波数を、20Hz周波数が達成されるまで、0.5秒ごとに1Hz増分で10Hzからランプすることができる。他の実施形態において、空気圧源は周波数変調を使用し、それにより、周波数は、所定の周波数値の+/-20%である値だけ偏位する。
幾つかの実施形態において、試薬の導入に続いて、ガスジェットパルスが、非接触ミキサの少なくとも1つのノズルアレイからパドルに送出されて、パドル内で少なくともバルク流体混合をもたらす。幾つかの実施形態において、パルス駆動式ガスジェットは、約0.5秒から約30秒までの範囲にある総期間の間、導入される。幾つかの実施形態において、パルス駆動式ガスジェットは、約0.5秒から約20秒までの範囲にある総期間の間、導入される。他の実施形態において、パルス駆動式ガスジェットは、約1秒から約15秒までの範囲にある総期間の間、導入される。他の実施形態において、パルス駆動式ガスジェットは、約5秒から約15秒までの範囲にある総期間の間、導入される。他の実施形態において、パルス駆動式ガスジェットは、約10秒の総期間の間、導入される。
幾つかの実施形態において、ガスジェットによる試料のパルス駆動は一定間隔であることができる。例えば、試料は、或る所定の時間(例えば、0.5秒間隔)の間、ガスジェットによってパルス駆動され、その後に、ガスジェットが全く導入されない所定の時間(例えば、1秒間隔)が続く。他の実施形態において、ガスジェットによる試料のパルス駆動は非一定間隔であることができる。他の実施形態において、ガスジェットによって試料をパルス駆動するか否かについての判定は、混合の程度についてのフィードバックを提供する検出器、または、スライドまたは試料の一部が補充を必要とするか否かを検出することができる検出器を使用することによって決定することができる。
幾つかの実施形態において、試薬が、その間、試料と接触状態にある設定期間の間(例えば、培養期間中)、試料を、パルス駆動式ガスジェットによってパルス駆動することができる。例えば、抗体が試料に導入され、抗体が360秒期間(例えば、培養期間)の間、試料と接触状態のままであることをプロトコルが要求する場合、ガスジェットを、培養期間中に設定間隔の所定の時間の間、試料内に導入することができる。例えば、ガスのパルスを、抗体の導入に続いて、時間0、+30秒、+60秒、+90秒、+120秒、+150秒、+180秒、+210秒、+240秒、+270秒、+300秒、および+330秒において、5秒時間間隔の間、導入することができる。もちろん、所定の間隔でまたは所定の時間の間、ガスジェットによって試料をパルス駆動するのではなく、フィードバック制御デバイス(本明細書で述べるようなもの)が利用されて、非接触ミキサがその間動作することができる時間長を含んで、パルスの導入が必要であるか否かを判定することができる。
非接触ミキサが複数のノズルアレイを含む実施形態において、ガスジェットは各ノズルアレイから順次パルス駆動することができる。例えば、ガスジェットは、第1の期間の間、第1のノズルアレイからパルス駆動され、その後、第2の期間の間、第2のノズルアレイからのガスジェットによるパルス駆動が続く。第1および第2のノズルアレイの順次動作は、1回または複数回、例えば、1回から20回、起こることができる。例として、第1のノズルアレイ内のガスジェットは、5秒の期間、パルス駆動されて、スライドの上側表面上に存在するパドルにバルク流体流を与えることができる。その後、5秒の間の第2のノズルアレイからのガスジェットによるパルス駆動は、スライド上に存在する流体の所定の部分に局所流体流を与えることができる。この例において、順次動作のプロセスを、3回以上繰り返すことができる。各ノズルアレイが独立に動作することができ、各アレイが、任意の期間の間、パルス駆動されて、十分な混合をもたらすことができることを当業者は理解するであろう。
他の実施形態において、スライドまたは試料は、流体がスライドまたは試料に対してかつ任意の目的(すなわち、流体補充、流体ディスペンス、および/または流体混合)でディスペンスされるたびに、非接触ミキサからの(ノズルの1つまたは複数のセットあるいはノズルアレイの任意のものからの)ガスによってパルス駆動することができる。例えば、プロトコルが2分ごとに流体の一定のアリコートを添加することを要求する場合、ガスのパルスは、アリコートが添加されるたびに、少なくとも所定の時間の間、スライドおよび/または試料に供給することができる。もちろん、さらなるパルスは、必要に応じて、ディスペンスサイクルの間に供給することができる。
幾つかの実施形態において、方法は、流体および/または試薬が適切に分配または混合されるか否かを(例えば、本明細書で述べるフィードバック機構を使用することによって)検出することをさらに含む。流体および/または試薬が適切に混合されないと検出ステップが判定する場合、非接触ミキサの動作パラメータ、例えば、パルス周波数、時間、圧力、流量、および/またはノズル選択を調整することができる。
さらに、特定のシステムまたは機器がシステムまたは機器の異なるステーションまたは処理エリア(例えば、試料染色エリア、試料培養エリア)の間でスライドを移動させることを要求する場合、非接触ミキサが利用されて、スライドの移動の前におよび/またはその後にガスのパルス駆動式ジェットを送出し、それにより、任意のそのような移動の前に、その間に、またその後に、流体が適切に分配および/または混合されることを保証することができる。第1の流体パドル内への第1の試薬の混合に続いて、混合された第1の試薬/流体パドルは、スライドの表面から取り除くことができる。その後、第1の検出試薬を、導入し、その後、スライドの表面上に分配する、または、スライド上に存在する第2の流体パドルと混合することができる。幾つかの実施形態において、第1の検出試薬は、検出プローブの標識に特異的である(specific for)。例えば、標識が酵素である場合、酵素についての基質(検出可能部分、例えば、発色部分)を、着色沈殿物が検出されるように導入することができる。さらに他の実施形態において、抗標識抗体(2次抗体)が、検出を引き出すために導入され、抗標識抗体は、コンジュゲートの標識に特異的である。例えば、標識がハプテンである場合、ハプテン標識に特異的である抗ハプテン抗体が導入され、抗ハプテン抗体は検出可能部分を含む。幾つかの実施形態において、抗ハプテン抗体の検出可能部分は酵素であり、酵素についての基質が、コンジュゲートおよびターゲットを検出するためにさらに導入される。検出可能部分は、その後、当業者に知られているプロセスにしたがって検出することができる。検出プローブおよび/または検出試薬の導入は、試料内の任意の所望の数のターゲットを反映するために「n」回繰り返すことができる。
本明細書で開示される方法は、マルチプレックスアッセイにも適する。例えば、第1のターゲットに特異的な第1の検出プローブおよび第2のターゲットに特異的な第2の検出プローブは同時にまたは順次に導入することができる。第1および第2の検出プローブが共に、試料に導入されると、非接触ミキサが利用されて、第1および第2の検出プローブが混合され均一に分配されるように、試料にガスのパルスを導入することができる。いかなる特定の理論に束縛されるものではないが、第1および第2の検出プローブの均等分配が、染色中の均一な検出プローブ濃度および/または染色アーチファクトの低減を促進することができると思われる。任意の数の検出プローブがスライドの表面上の試料に同時にまたは順次に導入することができ、「n」の数の検出プローブを本開示の非接触ミキサによって混合することができることを当業者は理解するであろう。検出プローブの導入に続いて、1つまたは複数の検出試薬を、やはり同時におよび/または順次に導入し、非接触ミキサによってやはり混合することができる。
幾つかの実施形態において、流体または試薬を補充する方法は、(i)標本支持スライド上の試料を第1の試薬と接触させること;試薬が試料と反応するまたは試料によって吸収されるための時間を可能にすること;および、(iii)非接触混合装置から標本支持スライドにガスのパルスを導入することによって、標本支持スライド上で第1の試薬を均一に分配することであって、それにより、試薬が少なくとも部分的に枯渇してしまっているエリアに試薬を補充する、均一に分配することを含む。幾つかの実施形態において、方法は、ガスのパルスの導入を通して第1の試薬を均一に分配する前に、第1の試薬のさらなるアリコートを導入するステップを任意選択で含む。幾つかの実施形態において、試薬は、スライドの表面上の第1の流体パドル(例えば、バッファーを備えるパドル)内に導入される。幾つかの実施形態において、試薬は検出プローブである。幾つかの実施形態において、検出プローブは、生物学的試料内の特定のターゲットに特異的な結合部分である。幾つかの実施形態において、利用される検出プローブは、1次抗体、すなわち、試料内のタンパク質ターゲット(またはタンパク質ターゲットのエピトープ)の検出を可能にする1次抗体である。幾つかの実施形態において、1次抗体は、フルオロフォア、ハプテン、または酵素などの検出可能標識にコンジュゲートされる。他の実施形態において、検出プローブは、試料内の核酸配列ターゲットの検出を可能にする核酸プローブである。他の実施形態において、特異的結合部分は核酸プローブであり、核酸プローブは、フルオロフォア、ハプテン、または酵素などの検出可能標識にコンジュゲートされる。
幾つかの実施形態において、標本支持スライドを処理する方法は、(i)第1の流体を顕微鏡スライドの第1の部分上にディスペンスすること;および、(ii)非接触ミキサ装置によって標本支持スライドにガスのパルスを導入することによって、顕微鏡スライド上で第1の流体を分配することを含む。幾つかの実施形態において、第1の流体は、顕微鏡スライドの第1の部分から顕微鏡スライドの少なくとも第2の部分に分配される。幾つかの実施形態において、スライドの第1の部分は試料を含まない部分であり、スライドの第2の部分は生物学的試料を含む。幾つかの実施形態において、流体は検出プローブを含む。幾つかの実施形態において、検出プローブは、生物学的試料内の特定のターゲットについて特異的な結合部分である。幾つかの実施形態において、方法は、流体のさらなるアリコートをスライドに(任意の領域において)導入するステップ、および、その後、ガスのパルス駆動式ジェットの導入を通して流体を分配することをさらに含む。
実施例
実施例1-非接触ミキサ
ノズルアレイ(図10A参照)は、2つの意図的なステージにおける混合を可能にするために開発された。第1のステージ中に、スライド全体は、単一スワールで混合されることになり、その後、第2のステージ中に、スライドは、単一スワールの結果の「交差混合する」のために3つのスワールに分割されることになる。2つのジェットのみが各ステージについて使用されて、設計を簡略化し、ジェット間の干渉の機会を低減した。このアレイは、全体のスライドおよび交差混合についての考えを示した。図10Bおよび図10Cは、非接触ミキサの動作後に色素が流体(例えば、反応バッファー)と混合される結果を示す。
実施例2-非接触ミキサ
ノズルアレイ(図11A参照)は、2つの意図的なステージにおける混合を可能にするために開発された。第1のステージ中に、スライド全体は、単一スワールで混合されることになり、その後、第2のステージ中に、スライドは、単一スワールの結果の「交差混合する」のために3つのスワールに分割されることになる。このアレイは、全体のスライドおよび交差混合についての考えを同様に示した。図11Bは、非接触ミキサの動作後に色素が流体(例えば、反応バッファーと混合される結果を示す。
実施例3-パルス駆動の方法
非接触ミキサ(例えば、図10Aまたは図11Aの非接触ミキサ)のノズルアレイは、設定周波数について、高速(2ms応答時間)弁および「パルス幅変調(PWM:pulse with modulation)」と呼ぶ変調技法を使用する関数発生器を使用してパルス駆動され、各周期中に、「オンタイム(on time)」対「オフタイム(off time)」の量が変動する。この比はデューティサイクルと呼ばれる。そのため、任意の周波数における20%デューティサイクルは、時間の20%が「オン」であり、時間の80%が「オフ(off)」であることを意味する。周波数は、オン対オフを切り換える頻度を決定するだけである。例えば、1Hz、80%デューティサイクルにおいて、弁は、800msの間、ターンオンし、200msの間、ターンオフし、無期限に繰り返すことになる。50%デューティサイクルかつ1Hzにおいて、500msがオンであり、500msがオフであることになる。いずれにしても、周期は、1000msにおいてデューティサイクルと無関係であり、「オン」対「オフ」の時間の比は、デューティサイクルを示すものである。そのため、例えば、20%デューティサイクルかつ10Hzにおいて、弁は、20msの間、ターンオンし、80msの間、ターンオフし、繰り返すことになる(100ms周期)。
20%デューティサイクルにおいて、周波数を8または16Hzまで増加させることは、小さいパルスを「均一にする(even out)」ため、小さいパルスはより小さい波(より少ない撹拌)を生成し、20%の短いデューティサイクルは、単に多くの空気を発出していないことを意味する。PWM周波数が増加するにつれて、それが、20%少ない空気供給を有する基本(非PWM)空気ストリームとの類似に近づく。50%デューティサイクルかつ任意の周波数において、結果は、概して、20%または80%デューティサイクルにおけるより印象がよくない。50%は、全体の空気流を大幅に低減するのに十分に低いが、定在波撹拌を可能にするのに十分に低くなく、また、良好なバルク流体運動を提供するのに十分に高くないように見える。
80%デューティサイクルかつ任意の周波数において、混合は、通常、20%または50%におけるより良好である。80%デューティサイクルかつ4Hz起動周波数は、時として、撹拌およびバルク流体運動の組み合わせを提供するが、16Hzにおいて、混合は、通常、ほとんどすべてのノズルに関して最良である。
これらの試験に基づいて、バルク流体運動がスライド全体にわたる十分な混合―局所撹拌よりずっと重要である―を可能にし、定常的な非PWMノズルがほとんどのバルク流体運動を提供することになるようであると思われる。
さらなる実施形態および/またはコンポーネント
本開示の一態様は、自動化スライド処理装置であり、自動化スライド処理装置は、(a)標本支持スライドの上側表面上に流体をディスペンスするように構成される少なくとも1つの流体ディスペンサーと、(b)スライドの上側表面上に存在する流体を混合するための少なくとも1つ非接触ミキサとを備え、非接触ミキサは第1のノズルセットおよび第2のノズルセットを備え、第1のノズルセットは、スライドの上側表面上に存在する流体に第1の運動を与えるように構成され、第2のノズルセットは、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも一部(例えば、第1の運動がそこで誘起された流体の一部を含むが、それに限定されない)に第2の運動を与えるように構成される。幾つかの実施形態において、第2の運動は流体の交差混合を誘起する。幾つかの実施形態において、第1のノズルのセットは、第2のノズルのセットと独立にかつそれと異なる時間に動作する、すなわち、第1のノズルのセットは第2のノズルのセットから排他的に動作する。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は第2の非接触ミキサを含む。幾つかの実施形態において、第1の運動は時計回りまたは反時計回りである。幾つかの実施形態において、第2の運動は時計回りまたは反時計回りの他方である。
本開示の別の態様は、自動化スライド処理装置であり、(i)自動化スライド処理装置は、スライドの上側表面上に存在する流体を混合するための非接触ミキサを備え、非接触ミキサは第1のノズルアレイおよび第2のノズルアレイを備え、第1のノズルアレイは、スライドの上側表面上に存在する流体にバルク流体流を与えるように適合され、第2のノズルアレイは、スライドの上側表面上に存在する流体の少なくとも一部に少なくとも第1の局所流体流を与えるように適合される。幾つかの実施形態において、第1の局所流体流は流体内で交差混合を誘起する。幾つかの実施形態において、自動化スライド処理装置は染色装置であり、スライドの上側表面上に存在する流体は試薬を含み、試薬の非制限的な例は、染色試薬、対比染色試薬、または洗浄試薬を含む。
本明細書で述べるように、自動化スライド処理装置は画像化装置に結合する(tie)ことができる。幾つかの実施形態において、画像化システムまたは装置は、マルチスペクトル画像化(MSI:multispectral imaging)システムまたは蛍光顕微鏡法システムであることができる。ここで使用される画像化システムはMSIである。MSIは、一般に、病理標本の分析に、画像のスペクトル分布に対するアクセスをピクセルレベルで提供することによるコンピュータ化顕微鏡ベース画像化システムを装備する。種々のマルチスペクトル画像化システムが存在するが、これらのシステムの全てに共通である運用上の態様は、マルチスペクトル画像を形成する能力である。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトルにわたる特定の波長でまたは特定のスペクトル帯域幅で画像データを捕捉する画像である。これらの波長は、光学フィルタによって、または、例えば、赤外(IR)などの可視光範囲の範囲を超える波長での電磁放射を含む所定のスペクトル成分を選択することが可能な他の機器の使用によって選び抜くことができる。
MSIシステムは光学画像化システムを含むことができ、その一部は、所定の数Nの離散的光学バンドを規定するために調節可能であるスペクトル選択性システムを含む。光学システムは、光学検出器上で、広帯域光源によって透過状態で照明された組織試料を画像化するように適合することができる。光学画像化システムであって、一実施形態において、例えば、顕微鏡などの拡大システムを含むことができる、光学画像化システムは、光学システムの単一光学出力にほぼ空間的に整列する単一光学軸を有する。システムは、組織の画像のシーケンスを形成し、なぜならば、スペクトル選択性システムが、異なる離散的スペクトルバンドで画像が採取されることを保証するためになどで、(例えば、コンピュータプロセッサによって)調整または調節されるからである。装置は、ディスプレイをさらに含むことができ、ディスプレイにおいて、採取された画像のシーケンスから組織の少なくとも1つの視覚的に認識可能な画像が現れる。スペクトル選択性システムは、回折格子などの光分散素子、薄膜干渉フィルタなどの光学フィルタの集合体、または、任意の他のシステムであって、プリプログラム式プロセッサのユーザー入力またはコマンドに応答して、光源から試料を通って検出器に向かって透過した光のスペクトルから特定のパスバンドを選択するように適合される、任意の他のシステムを含むことができる。
代替の実装態様において、スペクトル選択性システムは、Nの離散的スペクトルバンドに対応する幾つかの光学出力を規定する。このタイプのシステムは、光学システムからの透過光出力を取り込み、特定されたスペクトルバンドの画像を、この特定されたスペクトルバンドに対応する光路に沿って検出器システム上で画像化するように、この光出力の少なくとも一部をNの空間的に異なる光路に沿って空間的に再方向付けする。
本明細書で述べる主題および操作の実施形態は、デジタル電子回路において、あるいは、本明細書で開示する構造およびその構造的等価物を含む、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアにおいて、あるいはそれらの1つまたは複数の組み合わせにおいて実装され得る。例えば、制御システムは、本明細書で述べるコンポーネントの任意のコンポーネントを含む、コンピュータハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えることができる。本明細書で述べる主題の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置が実行するために、または、データ処理装置の動作を制御するために、コンピュータ記憶媒体上でエンコードされた、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。本明細書で述べるモジュールの任意のモジュールは、プロセッサ(複数可)によって実行されるロジックを含むことができる。本明細書で使用される「ロジック(logic)」は、プロセッサの動作に影響を及ぼすために適用することができる命令信号および/またはデータの形態を有する任意の情報を指す。ソフトウェアはロジックの例である。
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能記憶デバイス、コンピュータ読み取り可能記憶基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリアレイまたはデバイス、あるいはそれらの1つまたは複数の組み合わせであり得る、または、これらに含まれ得る。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成される伝搬信号にエンコードされるコンピュータプログラム命令の供給源または宛先であり得る。コンピュータ記憶媒体は、1つまたは複数の別個の物理的コンポーネントまたは媒体(例えば、複数のCD、ディスク、または他の記憶デバイス)でもあり得る、または、こうしたものに含まれ得る。本明細書で述べる操作は、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能記憶デバイス上に記憶されるまたは他の供給源から受信される、データに対してデータ処理装置によって実施される操作として実装され得る。
用語「プログラム式プロセッサ(programmed processor)」は、プログラマブルマイクロプロセッサ、コンピュータ、システムオンチップ、あるいは、上記の複数のものまたは組み合わせを例として含む、データを処理するための全ての種類の装置、デバイス、および機械を包含する。装置は、専用(special purpose)ロジック回路、例えば、FPGA(:field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(:application specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)を含み得る。装置は、ハードウェアに加えて、対象のコンピュータプログラムのための実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想機械、あるいはそれらの1つまたは複数の組み合わせを構成するコードも含み得る。装置および実行環境は、種々の異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャ、例えば、ウェブサービス、分散コンピューティング、およびグリッドコンピューティングインフラストラクチャを実現し得る。
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)は、コンパイラ型またはインタープリタ型言語、宣言型または手続き型言語を含む、任意の形態のプログラミング言語で記述でき、コンピュータプログラムは、スタンドアロンプログラムとして、あるいは、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、またはコンピューティング環境で使用するのに適した他のユニットとして配備され得る。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応することができるが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶される1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に、対象のプログラムに専用の単一のファイルに、または、複数の調整されたファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、あるいは、複数のコンピュータであって、1つのサイトに位置するかまたは多数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互連結される、複数のコンピュータ上で実行されるように配備され得る。
本明細書で述べるプロセスおよびロジックフローは、入力データに作用し出力を生成することによってアクションを実施するため、1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実施され得る。プロセスおよびロジックフローは、専用ロジック回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することもでき、装置をそれとして実装することもできる。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および専用両方のマイクロプロセッサ、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリあるいは両方から、命令およびデータを受信するであろう。コンピュータの必須要素は、命令にしたがってアクションを実施するためのプロセッサ、および、命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを記憶する1つまたは複数の大容量記憶デバイス、例えば磁気ディスク、磁気光学ディスク、または光学ディスクを含むか、あるいは、それらからデータを受信するか、またはそれらにデータを転送するか、またはその両方を行うように動作可能に結合されるであろう。しかしながら、コンピュータは必ずしもそのようなデバイスを有する必要はない。さらに、コンピュータは、別のデバイス、数例を挙げると、例えば携帯電話、個人情報端末(PDA)、携帯音声もしくは映像プレーヤー、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、または可搬型記憶デバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)に埋め込まれ得る。コンピュータプログラム命令およびデータを記憶するのに適したデバイスは、例として、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内部ハードディスクまたはリムーバブルディスク;磁気光学ディスク;ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリデバイスを含む。プロセッサおよびメモリは、専用ロジック回路によって補足されるか、またはそれに組み込まれ得る。
本明細書で言及される、および/または、出願データシートに列挙される、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、必要である場合、修正されて、種々の特許、出願、および公開の概念を使用し、それにより、なおさらなる実施形態を提供し得る。
本開示は複数の例証的実施形態を参照して述べられたが、本開示の原理の趣旨および範囲内に入ることになる多数の他の修正形態および実施形態が当業者によって考案され得ることが理解されるべきである。より詳細には、妥当な変形および修正は、本開示の趣旨から逸脱することなく、上記開示、図面、および添付特許請求項の範囲内で主題の組み合わせの配置構成のコンポーネント部品および/または配置構成において可能である。コンポーネント部品および/または配置構成の変形および修正に加えて、代替的な使用は当業者に同様に明らかであろう。