JP7640747B2 - 吸収性物品の液透過性シート用の不織布 - Google Patents
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Description
第1繊維層及び第2繊維層を、厚さ方向に順に備える吸収性物品の液透過性シート用の不織布であって、
前記第1繊維層は、熱可塑性樹脂繊維からなり、前記液透過性シートの肌対向面となる第1面を有し、
前記第2繊維層は、吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含み、前記液透過性シートの非肌対向面となる第2面を有し、
前記第1面に、前記第2面から前記第1面に向かう方向に突出し中実である複数の凸部と、前記第1面から前記第2面に向かう方向に窪んでいる複数の凹部とを有し、
前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みが、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚みより薄く、
前記厚さ方向へ荷重が付加されていない前記不織布において、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚み及び前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みを、それぞれTc1及びTd1とし、前記厚さ方向へ2.9kPaの荷重が付加された前記不織布において、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚み及び前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みを、それぞれTc2及びTd2とした場合、(Tc2/Tc1)<(Td2/Td1)の関係式を満たす、不織布。
着用者の肌から排出された汗等の水分は、水滴や蒸気の状態で、経血などの排泄物と異なり第1繊維層を厚さ方向へ移行するよりも、主に着用者の肌から直接又は第1面に沿って凹部に到達する。本不織布は、複数の凹部における第1繊維層の厚みが、複数の凸部における第1繊維層の厚みより薄いため、凹部における第1面から第2繊維層までの距離が凸部における第1面から第2繊維層までの距離よりも近く、複数の凹部において汗等の水分が第2繊維層に到達しやすい。したがって、本不織布は、凹部の第2繊維層に含まれる吸水性繊維が着用者の肌から排出される汗等の水分を吸収しやすくなっており、さらに第2繊維層に含まれる熱可塑性樹脂繊維が上記水分を非肌対向面(第2面)側に位置する吸収体へ移行させる。
本不織布は、厚さ方向への荷重を付加する前後の凸部における第1繊維層の厚み及び凹部における第1繊維層の厚みが上記関係式を満たすことによって、凸部における第1繊維層の方が凹部における第1繊維層より厚みの減少する割合が高い。そのため、本不織布は、着用者の体圧等を受けた場合に、凸部においても第1面から第2繊維層までの距離が近くなり、着用者の肌から排出される汗等の水分が、凸部の第1繊維層を通じて第2繊維層に到達しやすくなる。当該水分の一部は第2繊維層に含まれる吸水性繊維によって吸収され、他の一部は第2繊維層に含まれる熱可塑性樹脂繊維によって非肌対向面(第2面)側に位置する吸収体へ移行する。上記のようにして、本不織布は、着用者の体圧等を受けた場合に、凸部においても吸水性繊維が着用者の肌から排出される汗等の水分を吸収し得る。
本不織布は、第2繊維層が着用者の汗等の水分および着用者から排泄された排泄物を吸収している場合でも、第2繊維層に含まれる吸水性繊維を着用者の肌から離れた位置に凸部の第1繊維層が保持することによって、第1面が着用者の肌へ貼りつくことを抑制する。
以上より、本不織布は、吸水性に優れると共に、着用者の肌への貼りつきを抑制する吸収性物品の液透過性シート用の不織布を提供することができる。
前記第1繊維層及び前記第2繊維層の坪量はそれぞれ、面方向で一様であり、
前記厚さ方向へ2.9kPaの荷重が付加された前記不織布において、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚みが、前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みより薄い、態様1に記載の不織布。
本不織布は、厚さ方向への荷重が2.9kPaの場合、第1面において凸部が凹部より厚さ方向へ突出している形状を維持しつつ、凸部における第1繊維層の厚みが減少し、凸部における第1繊維層の厚みが凹部における第1繊維層の厚みより薄くなることによって、凸部においても第1面から第2繊維層までの距離がより近くなる。したがって本不織布は、着用者の体圧等を受けた場合に、凸部においても吸水性繊維が着用者の肌から排出される汗等の水分を吸収し得る。
前記厚さ方向へ2.9kPaの荷重が付加された前記不織布において、前記複数の凹部の最深部が前記複数の凸部の最高部より前記第1面から前記第2面に向かって窪んだ位置にある、態様1又は2に記載の不織布。
本不織布は、厚さ方向へ2.9kPaの荷重を付加した場合、すなわち着用者の体圧等を受けた場合、凸部が上記荷重を受けつつ、複数の凹部の最深部が複数の凸部の最高部より第2面に向かって窪んだ位置である形状を維持する。したがって、本不織布は、凹部が着用者の肌に触れることを防止することによって、着用者の肌への貼りつきを抑制する。
前記第2繊維層は、前記吸水性繊維を30質量%~70質量%含む、態様1~3のいずれか1項に記載の不織布。
本不織布は、第2繊維層において、吸水性繊維を30質量%~70質量%と、熱可塑性樹脂繊維とを含むので、着用者の肌から排出される汗等の水分を吸水性繊維によって吸収しつつ、着用者から排泄された排泄物を熱可塑性樹脂繊維によって非肌対向面側へ移行させる。
前記第2繊維層の前記熱可塑性樹脂繊維の繊維径が、前記第1繊維層の前記熱可塑性樹脂繊維の繊維径より小さく、
前記第1繊維層及び前記第2繊維層のそれぞれにおいて、前記熱可塑性樹脂繊維同士の交点が熱接合している、態様1~4のいずれか1項に記載の不織布。
第2繊維層は、繊維径が小さい分、熱可塑性樹脂繊維同士が熱接合しやすいので、第1繊維層に比べ、熱可塑性樹脂繊維同士の交点が熱接合した接合部が多いため、変形し難い。一方、第1繊維層は、繊維径が大きい分、第2繊維層の熱可塑性樹脂繊維より熱接合しにくく、熱可塑性樹脂繊維同士の交点が熱接合した接合部が少ないため、変形しやすい。
したがって本不織布は、凸部において変形しやすい第1繊維層を、変形しにくい第2繊維層が第2面側から支持するため、厚さ方向への荷重を付加した場合、凸部の厚みが減少することによって、凸部においても第1面から第2繊維層までの距離が近くなり、吸水性繊維が着用者の肌から排出される汗等の水分を吸収し得る。
前記第2面側に熱可塑性樹脂繊維からなる第3層を備える、態様1~5のいずれか1項に記載の不織布。
本不織布は、第2面側に第3繊維層を備えるので、着用者の体圧等を受けた場合に、凸部において第1繊維層を、第2繊維層及び第3繊維層が第2面側から支持するため、厚さ方向への荷重を付加した場合、凸部における第1繊維層の厚みが減少しやすい。したがって本不織布は、着用者の体圧等を受けた場合、凸部においても第1面から第2繊維層までの距離が近くなり、吸水性繊維が着用者の肌から排出される汗等の水分を吸収し得る。
前記吸水性繊維の一部が、前記第1面から露出している、態様1~6のいずれか1項に記載の不織布。
本不織布は、吸水性繊維の一部が第1面から露出しているため、吸収性物品の液透過性シートに用いられた場合、肌対向面(第1面)から露出した吸水性繊維の一部を通じて、着用者の肌から排出される汗等の水分を第2繊維層へ移行させやすいので、吸水性に優れる。
図1に示す吸収性物品1は、生理用ナプキンであり、互いに直交する長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、長手方向Lに延びる本体部1Aと、長手方向Lの略中央に幅方向Wの両側に延びる一対のフラップ部1Bとを備える。吸収性物品1の長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tと後述される各資材の長手方向、幅方向及び厚さ方向とは一致するので、以下では、吸収性物品1及びその各資材に共通に長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを用いる。「肌対向面側」及び「非肌対向面側」とは、吸収性物品1の着用者による吸収性物品1の着用時、厚さ方向Tにて相対的に着用者の肌面に近い側及び遠い側をそれぞれ意味し、吸収性物品1の各資材に共通に用いる。本明細書においては、吸収性物品及び当該吸収性物品を構成する各資材(例えば、表面シート、吸収体、裏面シート等)の「肌対向面側の表面」及び「非肌対向面側の表面」を、それぞれ単に「肌対向面」及び「非肌対向面」ということがある。
以下、表面シート2について図2~図4を参照して説明する。表面シート2は、本実施形態に係る不織布10からなる。表面シート2は、長手方向L、幅方向W及び厚さ方向Tを有し、一方の面に第1面22と、第1面22と反対側に第2面24とを有する。第1面22と第2面24とは、それぞれ厚さ方向Tと交差する。厚さ方向Tのうちの一方向を上向きとし、他方向を下向きとする。
上記実施形態における不織布の坪量、厚み、繊維密度及び繊度は下記方法で測定する。
(1)不織布の坪量:不織布を5cm×5cmの大きさに切り出して試料とし、100℃以上の雰囲気での乾燥処理後に質量を測定する。測定した質量を試料の面積で割り算して試料の坪量を算出する。10個の試料の坪量を平均した値を不織布の坪量とする。
(2)不織布の厚さ:15cm2の測定子を備えた厚さ計((株)大栄化学精器製作所製 型式FS-60DS)を用い、3gf/cm2(0.3kPa)の測定荷重の条件で不織布の厚さを測定する。1つの試料で3か所の厚さを測定し、3か所の厚さの平均値を不織布の厚さとする。
(3)不織布の繊維密度:不織布の繊維密度は、上記方法で求めた不織布の秤量を、上記方法で求めた不織布の厚みで割り算して算出する。
(4)繊維の繊度:繊維の繊度は、走査型電子顕微鏡を用いて、対象となる繊維の断面形状を拡大観察して繊維の断面積を測定し、その断面積と繊維の比重(すなわち、繊維の構成成分の比重)から算出する。
不織布10は、着用されると、凸部30が着用者の肌に接触すると共に、凹部32が着用者の肌から最大で最深部33から最高部31までの高さ分だけ離れた状態となる。着用者から経血などの液状の排泄物が供給された場合、凸部30の第1繊維層26(熱可塑性樹脂繊維)が排泄物を受け入れ、第2繊維層28を通じて非肌対向面(第2面24)側に位置する吸収体3へ排泄物を素早く移行させる。
吸収性物品の種類及び用途としては、特に限定されるものではなく、例えばパンティライナー、使い捨ておむつ(テープ型、パンツ型)、失禁パッド、汗取りシート等の衛生用品・生理用品が挙げられ、これらはヒトが対象であってもよいし、ペット等のヒト以外の動物が対象であってもよい。その吸収性物品が吸収対象とする液体は特に限定されるものではなく、例えば着用者の液状排泄物、体液等が挙げられる。
上記実施形態に対応した不織布を作製し、評価を行った。以下実施例を示して本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
上述のギア加工によって、芯鞘型繊維の熱可塑性樹脂繊維からなる第1繊維層、及び吸水性繊維としてのレーヨンと芯鞘型繊維の熱可塑性樹脂繊維とを含む第2繊維層を接合したエアスルー不織布からなる実施例の不織布を作製した。実施例に係る不織布の詳細な構成は表1に示す通りである。実施例の不織布は、複数の畝部及び複数の溝部を備えていた。
以下の方法によって不織布の貼りつき性を評価した。
(i)イオン交換水50mlと色水50mlの溶液を用意した。
(ii)シルコット(商標)(ユニ・チャーム株式会社製)に、滴下量を測定しつつ上記溶液8gを滴下し、全体に行きわたるように、含ませた。
(iii)シルコット上に人工皮革を貼りつけた30g/cm2の重り(サイズ:50mm×35mm)を載せ、30秒放置した。
(iv)60mm×50mmのサイズに切り出した試料を2枚重ねのエアレイド不織布上に置き、試料上に(iii)の重りを載せた。
(v)30秒後、重りを持ち上げ、試料が重りに貼りついているかを目視で確認した。
上記評価を各試料に対しN=10にて行った。
上記(iii)の重りを濾紙に30秒転写し、重りの人工皮革に付着した溶液の付着量を測定したところ0.036g(N=5の平均)であった。
試料が重りに貼りついた試料数(N=10)が2個以下の場合、合格、3個以上の場合、不合格とした。
実施例に係る不織布は、重りに貼りついた試料数が2個であり合格であり、そのうち1個の試料は自重ですぐに重りから落下した。参考例に係る不織布は、いずれも重りに貼りついた試料数が10個であり不合格であった。以上より、本実施例に係る不織布は、着用者の肌への貼りつきを抑制できることを確認できた。
1A 本体部
1B フラップ部
2 表面シート
3 吸収体
4 裏面シート
9 外装シート
10 不織布
22 第1面
24 第2面
26 第1繊維層
28 第2繊維層
30 凸部
31 最高部
32 凹部
33 最深部
34 圧搾部
Claims (6)
- 第1繊維層及び第2繊維層を、厚さ方向に順に備える吸収性物品の液透過性シート用の不織布であって、
前記第1繊維層は、熱可塑性樹脂繊維からなり、前記液透過性シートの肌対向面となる第1面を有し、
前記第2繊維層は、吸水性繊維と熱可塑性樹脂繊維とを含み、前記液透過性シートの非肌対向面となる第2面を有し、
前記第1面に、前記第2面から前記第1面に向かう方向に突出し中実である複数の凸部と、前記第1面から前記第2面に向かう方向に窪んでいる複数の凹部とを有し、
前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みが、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚みより薄く、
前記厚さ方向へ荷重が付加されていない前記不織布において、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚み及び前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みを、それぞれTc1及びTd1とし、前記厚さ方向へ2.9kPaの荷重が付加された前記不織布において、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚み及び前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みを、それぞれTc2及びTd2とした場合、(Tc2/Tc1)<(Td2/Td1)の関係式を満たし、
前記第1繊維層及び前記第2繊維層の坪量はそれぞれ、面方向で一様であり、
前記厚さ方向へ2.9kPaの荷重が付加された前記不織布において、前記複数の凸部における前記第1繊維層の厚みが、前記複数の凹部における前記第1繊維層の厚みより薄い、不織布。 - 前記厚さ方向へ2.9kPaの荷重が付加された前記不織布において、前記複数の凹部の最深部が前記複数の凸部の最高部より前記第1面から前記第2面に向かって窪んだ位置にある、請求項1に記載の不織布。
- 前記第2繊維層は、前記吸水性繊維を30質量%~70質量%含む、請求項1又は2に記載の不織布。
- 前記第2繊維層の前記熱可塑性樹脂繊維の繊維径が、前記第1繊維層の前記熱可塑性樹脂繊維の繊維径より小さく、
前記第1繊維層及び前記第2繊維層のそれぞれにおいて、前記熱可塑性樹脂繊維同士の交点が熱接合している、請求項1~3のいずれか1項に記載の不織布。 - 前記第2面側に熱可塑性樹脂繊維からなる第3層を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の不織布。
- 前記吸水性繊維の一部が、前記第1面から露出している、請求項1~5のいずれか1項に記載の不織布。
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