JP7641375B2 - 通信装置及びデータ通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された電子制御装置間で任意のデータを送受信する、通信装置及びデータ通信方法に関する。
電子制御装置間で送受信されるデータには、データ内容や送信ノードなどを識別するための識別情報が付されている。車載システムの高機能化などにより、電子制御装置間で送受信されるデータに付された識別情報も増加傾向にある。また、電子制御装置に内蔵された通信装置では、ノードを形成する各チャネルで受信可能な識別情報が有限であるという制約もある。このため、特許文献1に記載されるように、通信インターフェースに備えられた複数のチャネルを統合的に利用することで、単一のチャネルでは受信できない識別情報数のデータを受信する技術が提案されている。
特開2012-142646号公報
ところで、通信インターフェースの1つのチャネルから送信されたデータは、車載ネットワークを構築する通信バスを流れ、この通信バスに接続されたすべてのチャネルへと通知される。通信装置では、例えば、ミラーリングのために、通信バスに送信したデータをそのまま通信バスから受信して処理する必要がある。しかしながら、通信装置では、通信バスに送信したデータと同じ識別情報が付されたデータを他の通信装置から受信することもあり、通信バスに送信したデータであるか、又は他の通信装置から送信されたデータであるかを識別できず、これらを適切に処理することが困難であった。
そこで、本発明は、同じ識別情報が付されたデータについて、自ノードから送信したデータであるか、又は他のノードから送信されたデータであるかを識別可能な、通信装置及びデータ通信方法を提供することを目的とする。
送信装置は、少なくとも1つの送信バッファ、及び少なくとも1つの受信バッファを備えている。また、通信装置は、識別情報が付されたデータを送信バッファから通信バスに送信し、通信バスを流れるデータを受信して受信バッファに格納する。そして、通信装置は、受信バッファに格納されたデータについて、通信バスから受信する受信データの識別情報、及び受信データが自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別可能な送信ノードが関連付けられたレコードを少なくとも1つ格納するテーブルを使用して、自ノードから送信したデータを識別して処理する。
本発明によれば、通信装置において、同じ識別情報が付されたデータについて、自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別することができる。
車載ネットワークの一例を示す概要図である。 データフレームの一例を示す説明図である。 リモートフレームの一例を示す説明図である。 電子制御装置に内蔵された通信装置の一例を示す概要図である。 受信ルールテーブルの一例を示す説明図である。 コンフィグレーションテーブルの一例を示す説明図である。 コンフィグレーションテーブルを使用して設定された受信ルールテーブルの一例を示す説明図である。 電子制御装置に内蔵された通信装置の他の例を示す概要図である。 データ遮断回路の作動時のデータ遮断機能の説明図である。 データ遮断回路の非作動時のデータ遮断機能の説明図である。 受信ルールテーブルの他の例を示す説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、乗用車、バス、トラック、建設機械などの車両に搭載された、ライン型の車載ネットワークの一例を示している。エンジンシステム、自動変速システム、横滑り防止システム、自動運転システムなどを電子制御する複数の電子制御装置(ECU)100は、例えば、CAN(Controller Area Network)バス200を介して、任意のデータを送受信可能に接続されている。CANバス200は、2本の通信線CAN_H及びCAN_Lの電圧差によってドミナント及びレセシブを判断することで、ノイズの影響を受け難くしている。
ここで、CANバス200は、通信バスの一例として挙げられる。しかしながら、通信バスとしては、CANバス200に限らず、LIN(Local Interconnect Network)バス、FlexRay(登録商標)バスなどの周知のバスであってもよい。なお、図1に示す車載ネットワークの一例では、車両に5つの電子制御装置100が搭載されているが、電子制御装置100の個数は任意に設定することができる。
複数の電子制御装置100の間では、識別情報が付されたデータの一例として、CANプロトコルで利用される、データフレームDF、又はリモートフレームRFが送受信される。
データフレームDFは、図2に示すように、SOF(Start Of Frame)と、ID(Identifier)と、RTR(Remote Transmission Request)と、コントロールフィールドと、データフィールドと、CRC(Cyclic Redundancy Check)フィールドと、ACK(Acknowledgement)フィールドと、EOF(End Of Frame)と、を含んで構成されている。ここで、IDは、データに付される識別情報の一例として挙げられる。
SOFは、データフレームDFの開始を表す。IDは、データ内容及び送信ノードを識別するとともに、通信調停の優先順位を表すために使用される。RTRは、データフレームDFとリモートフレームRFとを識別するために使用される。コントロールフィールドは、IDE(Identifier Extension)と、予約ビットrと、データフィールドにおいて何バイトのデータが送信されるのかを表すDLC(Data Length Code)と、を含んで構成されている。データフィールドは、送信されるデータの本体を格納するために使用される。CRCフィールドは、データが正常に受信できたかを判断するためのCRCシーケンスと、CRCシーケンスの終了を表すCRCデリミタと、を含んで構成されている。ACKフィールドは、ACKスロットと、ACKスロットの終了を表すACKデリミタと、を含んで構成されている。EOFは、データフレームDFの終了を表す。なお、図2に示すデータフレームDFは、標準フォーマットのデータフレームの一例であるが、拡張フレームのデータフレームであってもよい。
リモートフレームRFは、データフレームDFを要求するために使用され、図3に示すように、SOFと、IDと、RTRと、コントロールフィールドと、CRCフィールドと、ACKフィールドと、EOFと、を含んで構成されている。即ち、リモートフレームRFの基本構造は、データフレームDFからデータフィールドを除いた構造となっている。従って、ここでは重複説明を排除する目的で、リモートフレームRFの詳細についての説明を省略する。必要であれば、データフレームDFの説明を参照されたい。
電子制御装置100は、図4に示すように、制御対象機器を制御するためのマイクロコンピュータ(図示せず)に加えて、少なくとも、CANバス200と接続して任意のデータを送受信するための通信装置120を内蔵している。通信装置120は、データ送受信用のマイクロコントローラ140と、CANトランシーバ160と、を含んで構成されている。
マイクロコントローラ140は、バッファモジュール140Aと、不揮発性メモリ140Bと、揮発性メモリ140Cと、これらを相互通信可能に接続する内部バス140Dと、を含んで構成されている。
バッファモジュール140Aの通信インターフェースは、ノードとして機能する複数のチャネルCH_1~CH_N(N:2以上の自然数)を備えている。ここで、バッファモジュール140Aに内蔵されたチャネルの個数は、例えば、電子制御装置100の制御対象機器、車両に搭載された電子制御装置100の個数などを考慮して適宜設定することができる。
チャネルCH_1は、少なくとも1つの送信バッファTxと、少なくとも1つの受信バッファRxと、を備えている。また、チャネルCH_2~CH_Nはそれぞれ、少なくとも1つの受信バッファRxを備えている。図4に示す一例では、チャネルCH_1~CH_Nのそれぞれに1つの受信バッファRxが備えられているが、この受信バッファRxは複数の受信バッファを含み得る集合的な表現であると理解されたい。以下の説明では、必要に応じて、チャネルCH_i(i:1~Nの自然数)の受信バッファを「Rxi」と表すこととする。また、受信バッファRxiが複数の受信バッファを含む場合、必要に応じて、各受信バッファを「Rxn(j)」(j:受信バッファRxnに含まれる受信バッファの数)と表すこととする。
チャネルCH_iでは、これと1対1に対応付けられた受信ルールテーブルRTBL(詳細については後述する)に応じて、受信バッファRxi(j)のそれぞれが、どのようなIDが付されたデータを受信するかが予め設定されている。要するに、受信バッファRxi(j)のそれぞれは、データのIDごとに割り当てられている。ここで、チャネルCH_iの少なくとも一部の受信バッファRxi(j)は、ワイルドカードを使用したマスク処理により、受信バッファRxi(j)の個数を超える、異なるIDが付された複数のデータを受信するように構成されていてもよい。
不揮発性メモリ140Bは、電源供給を遮断してもデータを保持可能なフラッシュROM(Read Only Memory)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などからなり、1つのコンフィグレーションテーブルCTBL、及び複数の受信ルールテーブルRTBLを格納する。ここで、不揮発性メモリ140Bに格納されたコンフィグレーションテーブルCTBL及び受信ルールテーブルRTBLはそれぞれ、第2のテーブル及び第1のテーブルの一例として挙げられる。
揮発性メモリ140Cは、電源供給を遮断するとデータが消失するDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などからなり、バッファモジュール140Aの受信バッファRxiに格納されたデータを転送して一時的に保管するバッファA及びB、並びにFIFO(First In First Out)バッファを夫々格納する。ここで、揮発性メモリ140Cに格納されるバッファ及びFIFOバッファの個数は、例えば、制御対象機器の制御内容に応じて適宜変更することができる。
CANトランシーバ160は、マイクロコントローラ140を他のマイクロコントローラに接続するために使用されるバスインターフェース用IC(Integrated Circuit)であって、バス送信電圧の発生、調整、動作電流の確保、配線の保護などを行う。CANトランシーバ160のデータ入力ポートは、バッファモジュール140AにおけるチャネルCH_1の送信バッファTx1に接続されている。CANトランシーバ160のデータ出力ポートは、バッファモジュール140AにおけるチャネルCH_1~CH_Nのすべての受信バッファRx1~RxNに接続されている。また、CANトランシーバ160のシリアル通信用の2つのポートは、CANバス200の通信線CAN_H及びCAN_Lに夫々接続されている。
従って、バッファモジュール140Aでは、複数のチャネルCH_1~CH_Nの受信バッファRx1~RxNを統合的に利用して、1つのチャネルCH_iでは受信できないID数のデータを受信することができる。例えば、1つのチャネルCH_iで受信可能なID数のデータを128とすると、N個のチャネルを統合的に利用することで、128×N個の異なるIDが付されたデータを受信することができる。
不揮発性メモリ140Bに格納された受信ルールテーブルRTBLは、バッファモジュール140AのチャネルCH_iごとに設けられている。受信ルールテーブルRTBLでは、図5に示すように、データを受信する受信バッファRxi(j)を特定可能なチャネル番号、受信するデータのID(受信ID)、及び格納先が関連付けられたレコードが少なくとも1つ定義されている。
図5に示す受信ルールテーブルRTBLは、各チャネルCH_iに受信バッファRxが128個あることを前提として、チャネル番号「0」が付された受信バッファRxi(0)では、受信ID「0x100」が付されたデータを受信して、揮発性メモリ140CのバッファAに格納することが定義されている。また、チャネル番号「1」が付された受信バッファRxi(1)では、受信ID「0x111」が付されたデータを受信して、揮発性メモリ140CのバッファBに格納することが定義されている。さらに、チャネル番号「127」が付された受信バッファRxi(127)では、ワイルドカードを使用したマスク処理により異なるIDが付された複数のデータを受信して、先入れ先出し形式の複数のバッファからなるFIFOバッファに格納することが定義されている。
不揮発性メモリ140Bに格納されたコンフィグレーションテーブルCTBLは、ミラーリングや他の目的などのために、送信したデータと同じIDが付されたデータを識別可能にするために使用される。コンフィグレーションテーブルCTBLでは、図6に示すように、送信データのID(送信ID)、受信データのID(受信ID)、及び受信データが自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別可能な送信ノードが関連付けられたレコードが少なくとも1つ定義されている。要するに、コンフィグレーションテーブルCTBLの各レコードでは、少なくとも送信データのID及び受信データのIDが関連付けられている。また、オプションとして、コンフィグレーションテーブルCTBLの各レコードでは、送信データのID及び受信データのIDに加えて、受信データが自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別可能な送信ノードが関連付けられている。
図6に示すコンフィグレーションテーブルCTBLの最初のレコードでは、送信IDが「0x100」、受信IDが「0x100」、及び送信ノードが「他ノード」であること、即ち、受信ID「0x100」が付されたデータは他ノードから送信されたデータであることが定義されている。また、コンフィグレーションテーブルCTBLの次のレコードでは、送信IDが「0x105」、受信IDが「0x105」、及び送信ノードが「自ノード」であること、即ち、受信ID「0x105」が付されたデータは自ノードから送信されたデータであることが定義されている。
そして、電子制御装置100の通信装置120は、通信装置120が起動された初期化時に、コンフィグレーションテーブルCTBLを参照して、受信ルールテーブルRTBLを設定する。
ここで、図6に示すコンフィグレーションテーブルCTBLを使用して、通信装置120が受信ルールテーブルRTBLを設定する方法について説明する。通信装置120は、コンフィグレーションテーブルCTBLを参照して、その最初のレコードから最後のレコードまでを順次走査し、送信IDと受信IDとが同一であるレコード、例えば、最初のレコード、及びその次のレコードを抽出する。そして、通信装置120は、図7に示すように、チャネルCH_1~CH_Nと1対1に対応する複数の受信ルールテーブルRTBLについて、抽出したレコードの受信IDが設定されたレコードに対して送信ノードとして「自ノード」か「他ノード」であるかを設定する。要するに、受信ルールテーブルRTBLの各レコードでは、少なくとも、CANバス200から受信する受信データのID、及び受信データが自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別可能な送信ノードが関連付けられている。なお、受信ルールテーブルRTBLの設定は、通信装置120のバッファモジュール140Aを構成する電子回路などによりハードウエア的に行われるため、電子制御装置100のマイクロコンピュータの処理負荷が増大することを抑制できる。
かかる通信装置120において、電子制御装置100からCANバス200に、例えば、ID「0x100」が付されたデータを送信する場合、図示しないマイクロコンピュータは、バッファモジュール140AのチャネルCH_1の送信バッファTx1にデータを格納する。送信バッファTx1にデータが格納されると、バッファモジュール140Aは、ハードウエア的な処理によって、送信バッファTx1のデータをCANトランシーバ160のデータ入力ポートに送出するとともに、送信バッファTx1をクリアする。データを受信したCANトランシーバ160は、マイクロコントローラ140から受信したデータをCANバス200に適合したプロトコルに変換しつつ、シリアル通信用の2つのポートからCANバス200へと送出する。
CANバス200へと送出されたデータは、CANバス200を流れて、CANバス200に接続されたすべての電子制御装置100の通信装置120へと通知される。具体的には、CANバス200に接続されたCANトランシーバ160は、CANバス200から受信したデータをマイクロコントローラ140に適合したプロトコルに変換しつつ、データ出力ポートからチャネルCH_1~CH_Nのすべての受信バッファRx1~RxNに送出する。
このとき、バッファモジュール140Aは、不揮発性メモリ140Bに格納された複数の受信ルールテーブルRTBLを参照して、そこに定義された受信ルールに応じて、データを該当する受信バッファRxへと格納する。具体例をもってこれを説明すると、受信データのIDが「0x100」である場合、バッファモジュール140Aは、図7に示す受信ルールテーブルRTBLを参照し、受信ID「0x100」に関連付けられているチャネル番号0に対応するチャネルCH_1の受信バッファRxにデータを格納する。また、バッファモジュール140Aは、受信バッファRxにデータを格納した後、図7に示す受信ルールテーブルRTBLを参照し、受信ID「0x100」に対応付けられている格納先のバッファAにデータを格納して、受信バッファRxをクリアする。
このとき、バッファモジュール140Aは、図7に示す受信ルールテーブルRTBLの受信ID及び送信ノードを参照することで、受信データは自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別することができる。即ち、バッファモジュール140Aは、受信データからIDを抽出して、このIDが受信ルールテーブルRTBLに存在しているか否かを判定する。そして、バッファモジュール140Aは、受信データのIDが受信ルールテーブルRTBLに存在していると判定すれば、これに関連付けられたレコードの送信ノードを参照し、送信ノードが「自ノード」であれば、受信データは自ノードから送信したデータであると識別する。一方、バッファモジュール140Aは、受信データのIDに関連付けられたレコードの送信ノードが「他ノード」であれば、受信データは他ノードから送信されたデータであると識別する。
図7に示す受信ルールテーブルRTBLを例にとって識別処理を説明すると、受信データのIDが「0x100」である場合、バッファモジュール140Aは、受信ルールテーブルRTBLを参照して、受信IDが「0x100」であるレコードを特定する。そして、バッファモジュール140Aは、そのレコードの送信ノードを参照し、これが「他ノード」となっているため、受信データは他ノードから送信されたデータであると識別する。また、受信データのIDが「0x105」である場合、バッファモジュール140Aは、受信ルールテーブルRTBLを参照して、受信IDが「0x105」であるレコードを特定する。そして、バッファモジュール140Aは、そのレコードの送信ノードを参照し、これが「自ノード」となっているため、受信データは自ノードから送信したデータ、即ち、ミラーリングのためのデータであると識別する。
従って、通信装置120は、送信したデータと同じIDが付されたデータを受信したとき、受信ルールテーブルRTBLを参照して、受信データが自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別することができる。そして、通信装置120は、このような識別結果に応じて、受信データを適切に処理することができる。
ところで、電子制御装置100においてミラーリングが不要である場合、通信装置120からデータを送信したときに、これと同じIDが付されたデータを受信しても、そのデータは制御対象機器の制御に利用されず、リソースが有効に利用されるとは言い難い。そこで、図8に示すように、マイクロコントローラ140のバッファモジュール140AとCANトランシーバ160とを接続する2本のラインに、データ送信中にCANトランシーバ160からのデータを破棄するデータ破棄回路180を配置するようにしてもよい。要するに、送信バッファTx1及び受信バッファRx1~RxNとCANバス200との間に、データ破棄回路180を配置するようにしてもよい。ここで、データ破棄回路180は、電子制御装置100のマイクロコンピュータの処理負荷を低減すべく、例えば、専用のICであることが望ましい。
データ破棄回路180は、図9に示すように、バッファモジュール140AのチャネルCH_1の送信バッファTx1からCANトランシーバ160にデータが送信されている間、CANトランシーバ160からバッファモジュール140Aに送信されるデータを破棄する。具体的には、データ破棄回路180は、データがレセシブになっているとき、CANトランシーバ160にデータが送信されていると判断し、CANトランシーバ160から送信されたデータのレセシブをドミナントに強制的に変更する(図中の破線参照)。そして、データ破棄回路180は、バッファモジュール140Aに意味を持ったデータが送信されないようにして、実質的にデータを破棄する。
データ破棄回路180を追加することで、バッファモジュール140Aにおいて、チャネルCH_1の送信バッファTx1からデータが送信されている間、CANトランシーバ160からチャネルCH_1~CH_Nの受信バッファRx1~RxNへと送信されるデータが破棄される。従って、通信装置120は、ミラーリングが不要な場合、処理対象でないミラーリングのためのデータを受信することがなく、バッファモジュール140Aの受信バッファRx1~RxNを有効に利用することができる。なお、データ破棄回路180を有効又は無効に切り替え可能とすべく、例えば、機械的なスイッチ、ソフトウエア的なスイッチなどの切替機能を備えるようにしてもよい。
マスク処理によってFIFOバッファに複数のデータを格納した場合、電子制御装置100のマイクロコンピュータは、特定のデータを利用するとき、アプリケーションプログラムによりFIFOバッファを走査してデータを取捨選択する必要がある。また、電子制御装置100のマイクロコンピュータは、FIFOバッファが一杯になってデータの格納ができなくなることを回避すべく、ある程度の周期でデータ走査を行う必要がある。このため、電子制御装置100のマイクロコンピュータは、FIFOバッファの走査に要する処理負荷が増加してしまう。なお、通信装置120のバッファユニット120Aは、DMA(Direct Memory Access)を利用して、受信バッファRxに格納されたデータを仮想的なストレージに転送してもよいが、FIFOバッファと同様な問題が発生する。
そこで、図11に示すように、受信ルールテーブルRTBLにおいて、例えば、データの受信周期や機能別など所定規則に応じてデータをグルーピングし、各グループについて異なるFIFOバッファにデータを格納するようにしてもよい。図11に示す一例では、チャネル番号「125」のマスク1では、受信周期10msのデータがFIFOバッファAに格納されることが定義され、チャネル番号「126」のマスク2では、セキュリティという機能のデータがFIFOバッファBに格納されることが定義されている。要するに、通信装置120は、所定規則に応じて分類されたIDを持つグループごとにマスク処理を複数設定可能である。なお、チャネル番号「127」のマスク3は、任意の所定規則に応じて、受信ID及び格納先が定義されていることを表している。
このようにすれば、例えば、受信周期が短いデータに関してはFIFOバッファを走査する周期を短くし、受信周期が長いデータに関してはFIFOバッファを走査する周期を長くするなど、データの走査頻度や走査対象を最適化することができる。また、特定の機能で使用するデータに関して、そのデータの機能などを考慮して設定された周期でFIFOバッファを走査することで、その機能で使用しない無関係なデータの走査を回避し、データの走査頻度や走査対象を最適化することができる。そして、データの走査頻度や走査対象の最適化によって、FIFOバッファが一杯になってデータを格納することができなくなることを回避しつつ、電子制御装置100のマイクロコンピュータの処理負荷を低減することができる。
従って、本実施形態による通信装置120によれば、リソースに余裕がある高機能なマイクロコントローラ140でなくとも、マイクロコントローラ140のリソースを活用して、受信可能なID数を増加することができる。
なお、当業者であれば、様々な上記実施形態の技術的思想について、その一部を省略したり、その一部を適宜組み合わせたり、その一部を周知技術に置換したりすることで、新たな実施形態を生み出せることを容易に理解できるであろう。
その一例を挙げると、受信したデータのバッファやFIFOバッファへの格納は、バッファモジュール140Aに限らず、データを受信した各チャネルCH_1~CH_Nが行うようにしてもよい。
また、バッファモジュール140Aは、図7に示す受信ルールテーブルRTBLではなく、図6に示すコンフィグレーションテーブルCTBLを参照し、受信データは自ノードから送信されたデータか、又は他ノードから送信されたデータかを識別するようにしてもよい。この場合、受信ルールテーブルRTBLとしては、図7に示す受信ルールテーブルではなく、その元となった図5に示す受信ルールテーブルを使用すればよい。
さらに、図7に示す受信ルールテーブルRTBLは、コンフィグレーションテーブルCTBLを使用せずに、例えば、設計者などが予め作成するようにしてもよい。この場合、通信装置120は、もちろん、コンフィグレーションテーブルCTBLを備える必要はない。
120…通信装置 140A…バッファモジュール 200…CANバス(通信バス) ID…識別情報 CAN_H…通信線 CAN_L…通信線 CH_1~CH_N…チャネル Tx1…送信バッファ Rx1~RxN…受信バッファ DF…データフレーム(データ) RF…リモートフレーム(データ)

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの送信バッファ、及び少なくとも1つの受信バッファを備え、識別情報が付されたデータを前記送信バッファから通信バスに送信し、前記通信バスを流れるデータを受信して前記受信バッファに格納する通信装置であって、
    前記受信バッファに格納されたデータについて、前記通信バスから受信する受信データの識別情報、及び前記受信データが自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別可能な送信ノードが関連付けられたレコードを少なくとも1つ格納するテーブルを使用して、自ノードから送信したデータを識別して処理する、
    送信装置。
  2. 前記受信バッファが複数存在し、
    前記受信バッファのそれぞれは、データの識別情報ごとに割り当てられている、
    請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記受信バッファは、ワイルドカードを使用して複数の識別情報に割り当て可能である、
    請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記ワイルドカードは、所定規則に応じて分類された識別情報ごとに複数設定可能である、
    請求項3に記載の通信装置。
  5. 前記送信バッファ及び前記受信バッファと前記通信バスとの間に配置され、前記送信バッファから前記通信バスにデータを送信している間に、前記通信バスから前記受信バッファに送信されるデータを破棄するデータ破棄回路を更に備えた、
    請求項1に記載の通信装置。
  6. 前記データ破棄回路を有効又は無効に切り替える切替機能を更に備えた、
    請求項5に記載の通信装置。
  7. 少なくとも1つの送信バッファ、及び少なくとも1つの受信バッファを備え、識別情報が付されたデータを前記送信バッファから通信バスに送信し、前記通信バスを流れるデータを受信して前記受信バッファに格納する通信装置が、
    前記受信バッファに格納されたデータについて、前記通信バスから受信する受信データの識別情報、及び前記受信データが自ノードから送信したデータであるか、又は他ノードから送信されたデータであるかを識別可能な送信ノードが関連付けられたレコードを少なくとも1つ格納するテーブルを使用して、自ノードから送信したデータを識別して処理する、
    データ通信方法。
  8. 前記受信バッファが複数存在し、
    前記受信バッファのそれぞれは、データの識別情報ごとに割り当てられている、
    請求項7に記載のデータ通信方法。
  9. 前記受信バッファは、ワイルドカードを使用して複数の識別情報に割り当て可能である、
    請求項8に記載のデータ通信方法。
  10. 前記ワイルドカードは、所定規則に応じて分類された識別情報ごとに複数設定可能である、
    請求項9に記載のデータ通信方法。
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