JP7643176B2 - ヒートシール性積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、包装用フィルムなどに好適に使用されるヒートシール性積層フィルムに関する。
ポリアミド6に代表される脂肪族ポリアミドからなる二軸延伸フィルムは、耐衝撃性と耐屈曲ピンホール性に優れており、各種の包装材料として広く使用されている。
近年、循環型社会の構築のため、材料分野において化石燃料の原料に代わりバイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラル(環境中での二酸化炭素の排出量と吸収量が同じであるので温室効果ガスである二酸化炭素の増加を抑制できる)な原料である。これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、バイオマス由来の原料を用いた二軸延伸ポリアミドフィルムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
包装体として使用する場合、二軸延伸ポリアミドフィルムは、シーラントフィルムなどを積層した積層フィルムにしてから包装袋などに加工される。シーラントフィルムとしては、未延伸線状低密度ポリエチレンフィルム、未延伸ポリプロピレンフィルムなどが使用されるが、カーボンニュートラルの観点からバイオマス由来の原料を用いて重合されたポリエチレンを含むシーラントフィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開2020/170714号公報 特開2018-001612号公報
本発明の目的は、耐熱性、耐衝撃性、耐屈曲ピンホール性に優れるとともに、バイオマス由来の原料を用いたカーボンニュートラルなヒートシール性積層フィルムを提供することにある。
本発明は以下の構成よりなる。
〔1〕 少なくとも基材層及びシーラント層を有するヒートシール性積層フィルムであって、
前記基材層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、前記二軸延伸ポリアミドフィルムは、ポリアミド樹脂として、ポリアミド6を70~99質量%と、原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドを1~30質量%含み、
前記シーラント層は未延伸ポリオレフィンフィルムであり、前記未延伸ポリオレフィンフィルムは、ポリプロピレン系樹脂を70~95質量%と、原料の少なくとも一部がバイオマス由来である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を5~30質量%含み、
前記シーラント層が、シール層、コア層及びラミネート層を有し、
シール層を構成する樹脂組成物が、プロピレンーαオレフィンランダム共重合体を94~100質量%と、直鎖状低密度ポリエチレンを0~3質量%を含み、
コア層を構成する樹脂組成物が、プロピレンーαオレフィンランダム共重合体を25~97質量%と、直鎖状低密度ポリエチレンを3~40質量%を含み、
ラミネート層を構成する樹脂組成物が、プロピレンーαオレフィンランダム共重合体を25~70質量%と、直鎖状低密度ポリエチレンを3~50質量%を含み、
前記シーラント層内において、前記基材層に接する面から、ラミネート層、コア層、シール層の順に存在する、ヒートシール性積層フィルム。
〔2〕 前記基材層における炭素14の含有量が基材層中の全炭素に対して1~30%である、〔1〕に記載のヒートシール性積層フィルム。
〔3〕 前記基材層における原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドが、ポリアミド11、ポリアミド410、ポリアミド610、及びポリアミド1010からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミドである、〔1〕又は〔2〕に記載のヒートシール性積層フィルム。
〔4〕 前記シーラント層における炭素14の含有量がシーラント層中の全炭素に対して3~30%である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のヒートシール性積層フィルム。
〔5〕 積層フィルムにおける炭素14の含有量が積層フィルム中の全炭素に対して2~30%である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のヒートシール性積層フィルム。
〔6〕 〔1〕~〔5〕のいずれか に記載のヒートシール性積層フィルムを用いた包装体。
本発明によれば、特定のバイオマス由来の原料から重合されたポリアミド樹脂をポリアミド6にブレンドした二軸延伸ポリアミドフィルムにバイオマス由来の原料を用いたポリエチレンをポリプロピレンに配合したシーラントフィルムを積層することで、耐熱性、耐衝撃性、耐屈曲ピンホール性に優れるとともに、カーボンニュートラルなヒートシール性積層フィルムが得られる。
[基材層]
本発明の基材層は二軸延伸ポリアミドフィルムである。二軸延伸ポリアミドフィルムは、ポリアミド樹脂として、ポリアミド6を70~99質量%と、原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドを1~30質量%含む。ポリアミド6を70質量%以上含むことで、ポリアミド6からなる二軸延伸ポリアミドフィルムが本来持つ、優れた衝撃強度などの機械的強度や酸素などのガスバリア性が得られる。加えて、原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドを1~30質量%含むことで、地上の二酸化炭素の増減に影響が少ないという効果だけでなく、耐屈曲ピンホール性及び耐摩耗ピンポール性が向上する。
<ポリアミド6>
本発明に使用するポリアミド6は、通常、ε-カプロラクタムの開環重合によって製造される。開環重合で得られたポリアミド6は、通常、熱水でラクタムモノマーを除去した後、乾燥してから押出し機で溶融押出しされる。
ポリアミド6の相対粘度は、1.8~4.5であることが好ましく、より好ましくは、2.6~3.2である。相対粘度が1.8より小さい場合は、フィルムの衝撃強度が不足する。4.5より大きい場合は、押出機の負荷が大きくなり延伸前の未延伸フィルムを得るのが困難になる。
ポリアミド6として、通常使用されている化石燃料由来のモノマーから重合されたものに加え、廃棄プラスチック製品、廃棄タイヤゴム、繊維、漁網などの廃棄ポリアミド6製品からケミカルリサイクルしたポリアミド6を用いることもできる。廃棄ポリアミド6製品からケミカルリサイクルしたポリアミド6を得る方法としては、例えば、ポリアミド製製品の使用済み品を回収した後、解重合を行ってε-カプロラクタムを得てこれを精製してからポリアミド6を重合する方法を用いることができる。
加えて、ポリアミドフィルムの製造工程から出された廃材をメカニカルリサイクルしたポリアミド6を併用することができる。メカニカルリサイクルしたポリアミド6とは、例えば、二軸延伸ポリアミフィルムを製造する際に生成する規格外の出荷できないフィルムや切断端材(耳トリム)として発生する屑材を回収し、溶融押し出しや圧縮成形でペレット化させた原料である。
<原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミド>
本発明に使用する、原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドとしては、例えば、ポリアミド11、ポリアミド410、ポリアミド610、ポリアミド1010、ポリアミドMXD10、及びポリアミド11・6T共重合樹脂などが挙げられる。
ポリアミド11は、炭素原子数11である単量体がアミド結合を介して結合された構造を有するポリアミド樹脂である。通常、ポリアミド11は、アミノウンデカン酸又はウンデカンラクタムを単量体として用いて得られる。とりわけアミノウンデカン酸は、ヒマシ油から得られる単量体であるため、カーボンニュートラルの観点から望ましい。これらの炭素原子数が11である単量体に由来する構成単位は、ポリアミド11内において全構成単位のうちの50モル%以上が好ましく、80%モル以上が更に好ましく、100モル%であってもよい。ポリアミド11としては、通常、前述したウンデカンラクタムの開環重合によって製造される。開環重合で得られたポリアミド11は、通常、熱水でラクタムモノマーを除去した後、乾燥してから押出し機で溶融押出しされる。ポリアミド11の相対粘度は、1.8~4.5であることが好ましく、より好ましくは、2.4~3.2である。相対粘度が1.8より小さい場合は、フィルムの衝撃強度が不足する。4.5より大きい場合は、押出機の負荷が大きくなり延伸前の未延伸フィルムを得るのが困難になる。
ポリアミド410は、炭素数4である単量体と炭素原子数10であるジアミンとが共重合された構造を有するポリアミド樹脂である。通常ポリアミド410には、セバシン酸とテトラメチレンジアミンとが利用される。セバシン酸としては、環境面から植物油のヒマシ油を原料とするものが好ましい。ここで用いるセバシン酸としては、ヒマシ油から得られるものが環境保護の観点(特にカーボンニュートラルの観点)から望ましい。
ポリアミド610は、炭素原子数6であるジアミンと炭素原子数10であるジカルボン酸とが重合された構造を有するポリアミド樹脂である。通常、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸が利用される。このうちセバシン酸は、ヒマシ油から得られる単量体であるため、カーボンニュートラルの観点から望ましい。これらの炭素原子数6である単量体に由来する構成単位と、炭素原子数10である単量体に由来する構成単位とは、PA610内においてその合計が、全構成単位のうちの50モル%以上が好ましく、80%モル以上が更に好ましく、100モル%であってもよい。
ポリアミド1010は、炭素原子数10であるジアミンと炭素原子数10であるジカルボン酸とが重合された構造を有するポリアミド樹脂である。通常、ポリアミド1010には、1,10-デカンジアミン(デカメチレンジアミン)とセバシン酸とが利用される。デカメチレンジアミン及びセバシン酸は、ヒマシ油から得られる単量体であるため、カーボンニュートラルの観点から望ましい。これらの炭素原子数10であるジアミンに由来する構成単位と、炭素原子数10であるジカルボン酸に由来する構成単位とは、PA1010内においてその合計が、全構成単位のうちの50モル%以上が好ましく、80モル%以上が更に好ましく、100モル%であってもよい。
本発明の基材層における、原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドの含有量の下限は特に限定されないが、1質量%が好ましく、3質量以上がより好ましい。含有量の上限は30質量%であり、20質量%がより好ましい。原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドの含有量が30質量%を超えると、溶融フィルムをキャスティングする時に溶融フィルムが安定しなくなり均質な未延伸フィルムを得るのが難しくなる場合がある。
<副材料、添加剤>
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムには、他の熱可塑性樹脂、滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤や防曇剤、紫外線吸収剤、染料、顔料等の各種の添加剤を必要に応じて含有させることができる。
<他の熱可塑性樹脂>
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で、上記のポリアミド6及び原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミド樹脂の他に熱可塑性樹脂を含むことができる。例えば、ポリアミド12樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド6・12共重合樹脂、ポリアミド6・66共重合樹脂、ポリアミドMXD6樹脂、などのポリアミド系樹脂が挙げられる。必要に応じてポリアミド系以外の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート等のポリエステル系重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系重合体等を含有させてもよい。これらの熱可塑性樹脂の原料はバイオマス由来であると、地上の二酸化炭素の増減に影響を与えないので、環境負荷を低減できるので好ましい。
<滑剤>
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムには、滑り性を良くして取扱い易くするために、滑剤として微粒子や脂肪酸アミドなどの有機滑剤を含有させることが好ましい。前記微粒子としては、シリカ、カオリン、ゼオライト等の無機微粒子、アクリル系、ポリスチレン系等の高分子系有機微粒子等の中から適宜選択して使用することができる。なお、透明性と滑り性の面から、シリカ微粒子を用いることが好ましい。前記微粒子の好ましい平均粒子径は0.5~5.0μmであり、より好ましくは1.0~3.0μmである。平均粒子径が0.5μm未満であると、良好な滑り性を得るのに多量の添加量が要求される。一方、5.0μmを超えると、フィルムの表面粗さが大きくなりすぎて外観が悪くなる傾向がある。
前記シリカ微粒子を使用する場合、シリカの細孔容積の範囲は、0.5~2.0ml/gであると好ましく、0.8~1.6ml/gであるとより好ましい。細孔容積が0.5ml/g未満であると、ボイドが発生し易くなりフィルムの透明性が悪化し、細孔容積が2.0ml/gを超えると、微粒子による表面の突起ができにくくなる傾向がある。
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムには、滑り性を良くする目的で脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドを含有させることができる。脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドとしては、エルカ酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイドなどが挙げられる。脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドの含有量は、好ましくは0.01~0.40質量%であり、更に好ましくは0.05~0.30質量%である。脂肪酸アマイド及び/又は脂肪酸ビスアマイドの含有量が上記範囲未満となると、滑り性が悪くなる傾向がある。一方、上記範囲を越えると、濡れ性が悪くなる傾向がある。
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムには、滑り性を良くする目的でポリアミドMXD6樹脂、ポリアミド12樹脂、ポリアミド66樹脂、ポリアミド6・12共重合樹脂、ポリアミド6・66共重合樹脂などのポリアミド樹脂を添加することができる。
<酸化防止剤>
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムには、酸化防止剤を含有させることができる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止剤は、完全ヒンダードフェノール系化合物又は部分ヒンダードフェノール系化合物が好ましい。例えば、テトラキス-〔メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス〔1,1-ジメチル-2-〔β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤を含有させることにより、二軸延伸ポリアミドフィルムの製膜操業性が向上する。特に、原料にリサイクルしたフィルムを用いる場合、樹脂の熱劣化が起こりやすく、これに起因する製膜操業不良が発生し、生産コスト上昇を招く傾向にある。これに対して、酸化防止剤を含有させることで、樹脂の熱劣化が抑制され操業性が向上する。
[二軸延伸ポリアミドフィルム]
基材層の厚みは、特に制限されるものではないが、包装材料として使用する場合、通常100μm以下であり、一般には5~50μmの厚みのものが使用され、特に8~30μmのものが使用される。
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムは、160℃、10分での熱収縮率がMD方向及びTD方向ともに0.6~3.0%の範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.6~2.5%である。熱収縮率が、3.0%を超える場合には、ラミネートや印刷など、次工程で熱がかかる場合にカールや収縮が発生する場合がある。また、シーラントフィルムとのラミネート強度が弱くなる場合がある。熱収縮率を0.6%未満とすることは可能ではあるが、力学的に脆くなる場合がある。また、生産性が悪化するので好ましくない。
二軸延伸ポリアミドフィルムの衝撃強度は、0.7J/15μm以上が好ましい。より好ましい衝撃強度は、0.9J/15μm以上である。
二軸延伸ポリアミドフィルムのヘイズ値は、10%以下であることが好ましい。より好ましくは7%以下、更に好ましくは5%以下である。ヘイズ値が小さいと透明性や光沢が良いので、包装袋に使用した場合、きれいな印刷ができ商品価値を高める。フィルムの滑り性を良くするために微粒子を添加するとヘイズ値が大きくなるので、フィルムが2層以上である場合、微粒子は表面層のみに入れる方が、ヘイズ値を小さくできる。
二軸延伸ポリアミドフィルムの動摩擦係数は、1.0以下であることが好ましい。より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下である。フィルムの動摩擦係数が小さいと滑り性を良くなり、フィルムのハンドリングがしやすくなる。フィルムの動摩擦係数が小さすぎると、滑りすぎてハンドリングがしにくくなるので本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムの動摩擦係数は0.15以上が好ましい。
二軸延伸ポリアミドフィルムは、ASTM D6866-18の放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量(バイオマス度ともいう)が、ポリアミドフィルム中の全炭素に対して1~30%含まれることが好ましい。大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばトウモロコシ中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、フィルム中の全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。
[二軸延伸ポリアミドフィルムの作製方法]
基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムは、公知の製造方法により製造することができる。代表的な製造例を以下に説明する。
まず、押出機を用いて原料樹脂を溶融押出しし、Tダイからフィルム状に押出し、冷却ロール上にキャストして冷却し、未延伸フィルムを得る。樹脂の溶融温度は好ましくは220~350℃である。上記未満であると未溶融物などが発生し、欠点などの外観不良が発生することがあり、上記を超えると樹脂の劣化などが観察され、分子量低下、外観低下が発生することがある。ダイ温度は250~350℃が好ましい。
冷却ロール温度は、-30~80℃が好ましく、更に好ましくは0~50℃である。Tダイから押出されたフィルム状溶融物を回転冷却ドラムにキャストし冷却して未延伸フィルムを得るには、例えば、エアナイフを使用する方法や静電荷を印荷する静電密着法等が好ましく適用できる。特に後者が好ましく使用される。
また、キャストした未延伸フィルムの冷却ロールの反対面も冷却することが好ましい。例えば、未延伸フィルムの冷却ロールの反対面に、槽内の冷却用液体を接触させる方法、スプレーノズルで蒸散する液体を塗布する方法、高速流体を吹き付けて冷却する方法等を併用することが好ましい。このようにして得られた未延伸フィルムを二軸方向に延伸して本発明の二軸延伸ポリアミドフィルムを得る。
延伸方法としては同時二軸延伸法、逐次二軸延伸法のいずれでもよい。いずれの場合においても、MD方向の延伸方法としては一段延伸又は二段延伸等の多段延伸が使用できる。後述するように、一段での延伸ではなく、二段延伸などの多段のMD方向の延伸が物性面およびMD方向及びTD方向の物性の均一さ(等方性)の面で好ましい。逐次二軸延伸法におけるMD方向の延伸は、ロール延伸が好ましい。
MD方向の延伸温度の下限は好ましくは50℃であり、より好ましくは55℃であり、更に好ましくは60℃である。50℃未満であると樹脂が軟化せず、延伸が困難となることがある。MD方向の延伸温度の上限は好ましくは120℃であり、より好ましくは115℃であり、更に好ましくは110℃である。120℃を超えると樹脂が軟らかくなりすぎ安定した延伸ができないことがある。
MD方向の延伸倍率(多段で延伸する場合は、それぞれの倍率を乗じた全延伸倍率)の下限は好ましくは2.2倍であり、より好ましくは2.5倍であり、更に好ましくは2.8倍である。2.2倍未満であるとMD方向の厚み精度が低下するほか、結晶化度が低くなりすぎて衝撃強度が低下することがある。MD方向の延伸倍率の上限は好ましくは5.0倍であり、より好ましくは4.5倍であり、最も好ましくは4.0倍である。5.0倍を超えると後続の延伸が困難となることがある。
また、MD方向の延伸を多段で行う場合には、それぞれの延伸で上述のような延伸が可能であるが、倍率については、全MD方向の延伸倍率の積は5.0以下となるよう、延伸倍率を調整することが必要である。例えば、二段延伸の場合であれば、一段目の延伸を1.5~2.1倍、二段目の延伸を1.5~1.8倍が好ましい。
MD方向に延伸したフィルムは、テンターでTD方向に延伸し、熱固定し、リラックス処理(緩和処理ともいう)する。TD方向の延伸温度の下限は好ましくは50℃であり、より好ましくは55℃であり、更に好ましくは60℃である。50℃未満であると樹脂が軟化せず、延伸が困難となることがある。TD方向の延伸温度の上限は好ましくは190℃であり、より好ましくは185℃であり、更に好ましくは180℃である。190℃を超えると結晶化してしまい、延伸が困難となることがある。
TD方向の延伸倍率(多段で延伸する場合は、それぞれの倍率を乗じた全延伸倍率)の下限は好ましくは2.8であり、より好ましくは3.2倍であり、更に好ましくは3.5倍であり、特に好ましくは3.8倍である。2.8未満であるとTD方向の厚み精度が低下するほか、結晶化度が低くなりすぎて衝撃強度が低下することがある。TD方向の延伸倍率の上限は好ましくは5.5倍であり、より好ましくは5.0倍であり、更に好ましくは4.7であり、特に好ましくは4.5であり、最も好ましくは4.3倍である。5.5倍を超えると著しく生産性が低下することがある。
熱固定温度の下限は好ましくは210℃であり、より好ましくは212℃である。熱固定温度が低いと熱収縮率が大きくなりすぎてラミネート後の外観が低下する、ラミネート強度が低下する傾向がある。熱固定温度の上限は好ましくは220℃であり、より好ましくは218℃である。熱固定温度が高すぎると、衝撃強度が低下する傾向がある。
熱固定の時間は0.5~20秒であることが好ましい。更には1~15秒である。熱固定時間は熱固定温度や熱固定ゾーンでの風速とのかね合いで適正時間とすることができる。熱固定条件が弱すぎると、結晶化及び配向緩和が不十分となり上記問題が起こる。熱固定条件が強すぎるとフィルム強靱性が低下する。
熱固定処理した後にリラックス処理をすることは熱収縮率の制御に有効である。リラックス処理する温度は熱固定処理温度から樹脂のガラス転移温度(Tg)までの範囲で選べるが、熱固定処理温度-10℃~Tg+10℃が好ましい。リラックス温度が高すぎると、収縮速度が速すぎて歪みなどの原因となるため好ましくない。逆にリラックス温度が低すぎるとリラックス処理とならず、単に弛むだけとなり熱収縮率が下がらず、寸法安定性が悪くなる。
リラックス処理のリラックス率の下限は、好ましくは0.5%であり、より好ましくは1%である。0.5%未満であると熱収縮率が十分に下がらないことがある。リラックス率の上限は好ましくは20%であり、より好ましくは15%であり、更に好ましくは10%である。20%を超えるとテンター内でたるみが発生し、生産が困難になることがある。
更に、基材層の二軸延伸ポリアミドフィルムは、用途に応じて寸法安定性を良くするために熱処理や調湿処理を施すことも可能である。加えて、フィルム表面の接着性を良好にするためにコロナ処理、コーティング処理や火炎処理等を施したり、印刷加工、金属物や無機酸化物等の蒸着加工を施したりすることも可能である。なお蒸着加工にて形成される蒸着膜としては、アルミニウムの蒸着膜、ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物の単一物もしくは混合物の蒸着膜が好適に用いられる。更にこれらの蒸着膜上に保護層などをコーティングすることにより、酸素バリア性などを向上させることができる。
[シーラント層]
シーラント層は未延伸ポリオレフィンフィルムである。未延伸ポリオレフィンフィルムは、ポリプロピレン系樹脂を70~95質量%と、原料の少なくとも一部がバイオマス由来である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を5~30質量%含む。
未延伸ポリオレフィンフィルムは、好ましくは、積層構造を有し、シール層、コア層、及びラミネート層なる層をこの順に有する。シール層及びラミネート層は未延伸ポリオレフィンフィルムの表面側に位置する層であり、コア層はこれらの間に位置する。ラミネート層は、二軸配向ポリアミドフィルムを貼り合わせるのに適した層であり、実際には接着性樹脂を介して二軸配向ポリアミドフィルムと積層するのが好ましい。シール層はヒートシールして包装体を製造するのに適した層である。前記層構成をとることで、耐熱性の優れたシーラント層である未延伸ポリプロピレンフィルムの特性を維持しつつ、より多くのバイオマス由来である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を含ませることができる。
<シール層>
本発明において、シール層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物はヒートシール強度の点からプロピレン-αオレフィンランダム共重合体を含む。シール層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物おけるプロピレン-αオレフィンランダム共重合体の含有量は94質量%以上が好ましく、97質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましく、100質量%が特に好ましい。94質量%以上にすることで、十分なヒートシール強度が得られる。
本発明において、シール層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は滑り性向上の点からプロピレン単独重合体を含むことができる。プロピレン単独重合体の含有量はヒートシール強度の点では3質量%以下が好ましく、2質量%がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0質量%が特に好ましい。シール層に直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂の含有量が多いと、互いの相溶性の悪さからヒートシール強度が低下することがある。
本発明において、シール層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は耐屈曲ピンホール性向上の点から直鎖状低密度ポリエチレンを含むことができる。直鎖状低密度ポリエチレンの含有量はヒートシール強度の点で3質量%以下が好ましく、2質量%がより好ましく、1質量%以下が更に好ましく、0質量%が特に好ましい。
<コア層>
本発明において、コア層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物はヒートシール強度の点からプロピレン-αオレフィンランダム共重合体を含む。プロピレン-αオレフィンランダム共重合体の含有量は、ヒートシール強度の点から25質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、75質量%以上が特に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。耐屈曲ピンホール性の点から97質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下が更に好ましい。
本発明において、コア層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は耐熱性向上の点からプロピレン単独重合体を含むことができる。プロピレン単独重合体の含有量は耐熱性の点から30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。しかし、ヒートシール強度や耐破袋性の点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下がより更に好ましく、0質量%が特に好ましい。
本発明において、コア層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は耐屈曲ピンホール性向上の点から直鎖状低密度ポリエチレンを含むことができる。直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は耐屈曲ピンホール性の点で3質量%以上が好ましく、8質量%以上がより好ましく、12質量%以上が更に好ましく、15質量%以上が特に好ましい。耐熱性の点で40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましく、25質量%以下が特に好ましい。
<ラミネート層>
本発明において、ラミネート層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物はヒートシール強度の点からプロピレン-αオレフィンランダム共重合体を含む。プロピレン-αオレフィンランダム共重合体の含有量は、ヒートシール強度の点からヒートシール強度の点から25質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。耐屈曲ピンホール性の点からは90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましく、75質量%以下が特に好ましく、70質量%以下が特に好ましい。
本発明において、ラミネート層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は耐熱性向上の点からプロピレン単独重合体を含むことができる。プロピレン単独重合体の含有量は耐熱性の点から30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。しかし、ヒートシール強度や耐破袋性の点から、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、10質量%以下がより更に好ましく、0質量%が特に好ましい。
本発明において、ラミネート層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は耐屈曲ピンホール性向上の点から直鎖状低密度ポリエチレンを含むことができる。直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は耐屈曲ピンホール性の点で3重量%以上が好ましく、8重量%以上がより好ましく、15重量%以上が更に好ましく、20重量%以上が特に好ましく、25重量%以上が最も好ましい。耐熱性とヒートシール強度の点で50重量%以下が好ましく、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下が更に好ましい。
本発明における未延伸ポリオレフィンフィルムは、シール層とコア層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における直鎖状低密度ポリエチレンの含有率の差が1~28質量%が好ましい。より好ましくは1~23質量%、更に好ましくは1~18質量%、特に好ましくは1~15質量%である。含有量の差を28質量%以下とすることで、シール層、コア層の界面における層間強度を高く保ち、高いヒートシール強度を得ることができる。
本発明における未延伸ポリオレフィンフィルムは、コア層とラミネート層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有率の差が1~28質量%が好ましい。より好ましくは1~23重量部%、更に好ましくは1~18質量%、特に好ましくは1~15質量%である。含有量の差を28質量%以下とすることで、コア層とラミネート層の界面における層間強度を高く保ち、高いヒートシール強度を得ることができる。
本発明における未延伸ポリオレフィンフィルムは、シール層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有率より、コア層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有率が大きく、かつコア層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有率より、ラミネート層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物における前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有率が大きいのが好ましい。こうすることにより、フィルム内の直鎖状低密度ポリエチレンが均一に分散した状態になりやすく耐屈曲ピンホール性の点で有利である。また、ヒートシール面に近い樹脂のポリプロピレン系樹脂の比率が大きいことにより、高いヒートシール強度を得ることができる。
シール層には融点の低いプロピレン-αオレフィンランダム共重合体を使用し、層やラミネート層は融点の高いプロピレン-αオレフィンランダム共重合体を使用することで、より良好なヒートシール強度を高めつつ、耐熱性や耐屈曲ピンホール性もより高めることができる。
<プロピレン-αオレフィンランダム共重合体>
本発明におけるプロピレン-αオレフィンランダム共重合体は、プロピレンと、プロピレン以外の炭素原子数が2又は4~20のα-オレフィンの少なくとも1種との共重合体を挙げることができる。かかる炭素原子数が2又は4~20のα-オレフィンモノマーとしては、エチレン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1等を用いることができる。
プロピレン-αオレフィンランダム共重合体はヒートシール性の面からエチレンを用いるのが好ましい。また、少なくとも1種類以上であればよく、必要に応じて2種類以上を混合して用いることができる。特に好適であるのは主とするモノマーがプロピレンであり、一定量のエチレンとブテンを共重合させたプロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体である。
プロピレン-αオレフィンランダム共重合体のメルトフローレート(MFR)の下限は好ましくは0.6g/10minであり、より好ましくは1.0g/10minであり、更に好ましくは1.2g/10minである。フィルム厚みの均一性が損なわれることがある。ランダム共重合体のメルトフローレートの上限は好ましくは12.0g/10minであり、より好ましくは9.0g/10minであり、更に好ましくは8.0g/10minである。
<プロピレン単独重合体)
プロピレン単独重合体のメルトフローレート(MFR)(230℃、荷重2.16kg測定)は特に限定されないが、1.0g/10min以上10.0g/10min以下が好ましく、2.0g/min以上8.0g/min以下がより好ましい。1g/10min未満では粘度が高すぎてTダイでの押出しが困難であり、逆に10g/10minを超えた場合は、フィルムのべた付きやフィルムの耐衝撃強度(インパクト強度)が劣るなど問題が生じる場合がある。プロピレン単独重合体としては、結晶性が高く熱収縮率の悪化を抑えられるアイソタクチックポリプロピレンが好ましい。
<直鎖状低密度ポリエチレン>
直鎖状低密度ポリエチレンは、高圧法、溶液法、気相法等の製造法により製造することが可能である。直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数3以上のαオレフィンを少なくとも1種類との共重合体を挙げることができる。α-オレフィンとしては、一般にα-オレフィンと称されているものでよく、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチル-1-ペンテン等の炭素数3~12のα-オレフィンであることが好ましい。エチレンとα-オレフィンの共重合体としては、例えばエチレン・ヘキセン-1共重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、エチレン・オクテン-1共重合体等が挙げられ、耐屈曲ピンホール性の観点からエチレン-ヘキセン共重合体が好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンはサトウキビなどの植物を由来とするエチレンと、石油などの化石燃料又は植物を由来とするエチレンを原料の一部に用いて重合した、バイオマス由来直鎖状低密度ポリエチレンを含むことができる。バイオマス由来直鎖状低密度ポリエチレンは、カーボンニュートラルの観点から、発生する二酸化炭素を削減する効果があり、地球温暖化を抑制できると言われている。バイオマス由来直鎖状低密度ポリエチレンのバイオマス由来エチレンを含む場合、含有量は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。50%以上であると二酸化炭素削減効果が良好である。上限は好ましくは98%であり、より好ましくは96%である。耐屈曲ピンホール性の点からエチレン以外のαオレフィンを共重合することが好ましいので、98質量%以下が好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンのMFR(190℃、2.18kg測定)の下限は好ましくは1.0g/10minであり、より好ましくは2.0g/10minである。また上限は好ましくは7.0g/minであり、より好ましくは5.0である。上記の範囲内とすることで、ポリプロピレン系樹脂との相溶性が良く、高いシール強度が得られる。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度の下限は好ましくは910kg/mであり、より好ましくは913kg/mである。910kg/m以上とすることで、良好な耐ブロッキング性が得られる。また上限は、935kg/mであり、より好ましくは930kg/mである。930kg/m以下であることで、良好な耐破袋性が得られる。
<添加剤>
未延伸ポリオレフィンフィルムには、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて任意の層に適量のアンチブロッキング剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防曇剤、中和剤、造核剤、着色剤、その他の添加剤及び無機質充填剤等を含むことができる。
未延伸ポリオレフィンフィルムを構成するポリオレフィン系樹脂組成物は、アンチブロッキング剤を含んでよい。アンチブロッキング剤は1種類でもよいが、2種類以上の粒径や形状が異なる無機粒子を配合した方が、フィルム表面の凹凸においても、複雑な突起が形成され、より高度なブロッキング防止効果を得ることができる。添加するアンチブロッキング剤は特に限定されるものではないが、球状シリカ、不定形シリカ、ゼオライト、タルク、マイカ、アルミナ、ハイドロタルサイト、ホウ酸アルミニウムなどの無機粒子や、ポリメチルメタクリレート、超高分子量ポリエチレンなどの有機粒子を添加することができる。
シール層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物に含まれるアンチブロッキング剤は添加する層のポリオレフィン系樹脂に対して、0.30質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以下がより好ましい。0.30質量%以下とすることにより、アンチブロッキング剤の脱落を低減することができる。また、0.05質量%以上であることが好ましく、0.10質量%以上であることがより好ましい。0.05質量%以上とすることで、良好なアンチブロッキング性を得ることができる。
ラミネート層を構成するポリプロピレン系樹脂組成物に含まれるアンチブロッキング剤は添加する層のポリオレフィン系樹脂に対して、0.30質量%以下であることが好ましく、0.25質量%以下がより好ましく、0.10質量%以下がより更に好ましく、0.05質量%以下が特に好ましく、0.05質量%以下が最も好ましい。0.30質量%以下とすることによびラミネート層表面のアンチブロッキング剤の脱落を低減することができる。
未延伸ポリオレフィンフィルムを構成するポリオレフィン系樹脂組成物は、有機滑剤を含むことができる。有機滑剤を含むことでフィルムの滑性やブロッキング防止効果が向上し、フィルムの取り扱い性がよくなる。その理由として、有機滑剤がブリードアウトし、フィルム表面に存在することで、滑剤効果や離型効果が発現すると考える。有機滑剤は常温以上の融点を持つものが好ましい。有機滑剤は、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルが挙げられる。具体的にはオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどである。これらは単独で用いても構わないが、2種類以上を併用することで過酷な環境下においても滑性やブロッキング防止効果を維持することができるので好ましい。 ポリプロピレン系樹脂組成物中の有機滑剤の含有量は、0.15質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以下であることがより好ましい。0.15質量%以下とすることで、夏の倉庫内のような高温にさらされる場所で保管してもブロッキングが発生しにくい。また、0.02質量%以上であることが好ましく、0.025質量%以上であることがより好ましい。0.02質量%以上とすることで良好な滑り性を得ることができる。
未延伸ポリオレフィンフィルムを構成するポリオレフィン系樹脂組成物は、酸化防止剤を含むことができる。酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、これらの併用、もしくは一分子中にフェノール系とホスファイト系の骨格を有したものが挙げられる。中和剤として、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
[未延伸ポリオレフィンフィルム]
シーラント層の未延伸ポリオレフィンフィルムの厚みの下限は好ましくは15μmであり、より好ましくは20μmであり、更に好ましくは25μmである。15μm以上であると、ヒートシール強度、耐破袋特性が得られやすい。フィルム厚みの上限は好ましくは80μmであり、より好ましくは70μmであり、更に好ましくは60μmであり、特に好ましくは50μmである。80μm以下であるとフィルムの腰感が強すぎず加工しやすくなるほか、好適な包装体を製造しやすい。
未延伸ポリオレフィンフィルムのヘイズ値は、20.0%以下が好ましい。より好ましくは15.0%であり、更に好ましくは10.0%である。20.0%以下であると包装体の視認性を得られやすい。直鎖状低密度ポリエチレンは結晶性が高く、ヘイズが増大しやすいが、上記好ましい範囲内での添加であればヘイズの増大は抑えられる。下限は1.0%が好ましく、より好ましくは2.0%である。1.0%以上であるとフィルム表面の凹凸が極端に少ない状態ではないため包装体の内面ブロッキングが発生しにくい。
未延伸ポリオレフィンフィルムの静摩擦係数は、0.70以下であることが好ましく、より好ましくは0.50であり、更に好ましくは0.40である。0.70以下であると包装体に食品を充填する時や開封した時にない面同士が滑りやすく口開きが良い。下限は好ましくは0.10以上であり、より好ましくは0.20以上であり、特に好ましくは0.30である。0.10以上であるとロール状のフィルムを運搬する時に巻き崩れしにくい。
未延伸ポリオレフィンフィルムの衝撃強度は、好ましくは0.20J/15μm以上であり、より好ましくは0.25Jであり、更に好ましくは0.30Jである。0.20J以上とすることで、包装体の耐落下破袋性を高めることができる。衝撃強度は1.0Jあれば充分である。衝撃強度は厚み、及びフィルムの分子配向に大きく依存する。また、衝撃強度と耐落下破袋性は必ずしも相関しない。
未延伸ポリオレフィンフィルムの突刺強度は、1.0N以上が好ましく、より好ましくは1.5N以上であり、更に好ましくは1.7N以上である。1.0μm以上であると積層体の耐突刺しピンホール性が良好となる。
未延伸ポリオレフィンフィルムの面配向係数は、好ましくは0.000以上であり、より好ましくは0.001以上である。フィルムの面配向の上限は0.010以下が好ましく、より好ましくは0.008以下であり、更に好ましくは0.006以下である。上記以上であるとフィルムが不均一に延伸され、厚み均一性が悪化することがある。
未延伸ポリオレフィンフィルムのヒートシール開始温度は、好ましくは110℃以上であり、より好ましくは120℃以上である。110℃以上であると、腰感が高くハンドリングがしやすい。ヒートシール開始温度の上限は150℃であり、より好ましくは140℃であり、更に好ましくは130℃である。150℃以下であると高速で包装体を製造することができ、経済的メリットがある。ヒートシール開始温度は、シール層の融点に大きく影響を受ける。そのためコア層、ラミネート層への直鎖状低密度ポリエチレンであれば、ヒートシール温度の変化は抑えられる。
未延伸ポリオレフィンフィルムの、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、及びポリプロピレン樹脂フィルムからなる群から選択される少なくとも1種のフィルムとラミネートする面の濡れ張力は、好ましくは30mN/m以上であり、より好ましくは35mN/m以上である。30mN/m以上であるとラミネート強度が低下しにくい。濡れ張力の上限は好ましくは55mN/mであり、より好ましくは50mN/mである。55mN/m以下であるとポリオレフィン系樹脂フィルムをロールに巻回したときにフィルム同士のブロッキングが発生しにくい。
未延伸ポリオレフィンフィルムは、ASTM D6866-18の放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量(バイオマス度ともいう)が、未延伸ポリオレフィンフィルム中の全炭素に対して3~30%含まれることが好ましい。
[未延伸ポリオレフィンフィルムの製造方法]
本発明における未延伸ポリオレフィンフィルムの作製方法は、例えばインフレーション方式、Tダイ方式が使用できるが、透明性を高めるため、Tダイ方式が好ましい。インフレーション方式は冷却媒体が空気であるのに対し、Tダイ方式は冷却ロールを用いるため、冷却速度を高くするには有利な製造方法である。冷却速度を速めることにより、未延伸シートの結晶化を抑制できるため、透明性が有利となる。こうした理由からTダイ方無配向のシートを式が好ましい。
代表的な製造例を以下に説明する。シール層、コア層、ラミネート層用のポリプロピレン系樹脂組成物の原料をそれぞれ混合し、別々の押出機で溶融混合押し出しし、Tダイから溶融したシール層、コア層、ラミネート層の積層シートを冷却ロール上にキャスティングし、無配向のシートを得る。冷却ロールの温度の下限は好ましくは15℃であり、より好ましくは20℃である。上記未満であると、冷却ロールに結露が発生し、密着不足となることがある。冷却ロールの上限は好ましくは60℃でより好ましくは50℃である。上記を超えると透明性が悪化することがある。
[ヒートシール性積層フィルム]
本発明のヒートシール性積層フィルムは、基材層及びシーラント層を有するが、基材層とシーラント層の間に、接着剤層、印刷層、金属層などを介して積層フィルムを構成することもできる。積層の方法はドライラミネート方式、押し出しラミネート方式など公知の方法が使用できるが、いずれのラミネート方式であっても良い。以下に具体的な例を示す。
本発明の積層フィルムの層構成の例:ONY/接着剤/CPP、ONY/接着剤/Al/接着剤/CPP、PET/接着剤/ONY/接着剤/CPP、PET/接着剤/ONY/接着剤/Al/接着剤/CPP、PET/接着剤/Al/接着剤/ONY/接着剤/CPP、ONY/接着剤/PET/接着剤/CPP、ONY/PE/CPP、ONY/接着剤/EVOH/接着剤/CPP、ONY/接着剤/アルミ蒸着PET/接着剤/CPP、CPP/接着剤/ONY/接着剤/LLDPE、ONY/接着剤/アルミ蒸着CPP。
なお上記層構成に用いた各略称は以下の通りである。
/ :層の境界を表わす
ONY:二軸延伸ポリアミドフィルム
PET:延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
LLDPE:未延伸線状低密度ポリエチレンフィルム
CPP:未延伸ポリプロピレンフィルム
PE:押出しラミネート又は未延伸の低密度ポリエチレンフィルム
Al:アルミニウム箔
EVOH:エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂
接着剤:フィルム同士を接着させる接着剤層
アルミ蒸着:アルミニウムが蒸着されていることを表わす
[ヒートシール性積層フィルムの特性]
ヒートシール性積層フィルムの耐屈曲性はピンホール評価で測定することができる。ヒートシール性積層フィルムに1℃において1000回屈曲を与えた後のピンホール個数は、好ましくは20個以下であり、さらに好ましくは15個であり、特に好ましくは10個以下である。20個以下であると包装体を輸送する際の屈曲衝撃によりピンホールが発生しにくい。
ヒートシール性積層フィルムの突刺強度は、好ましくは10N以上であり、より好ましくは12N以上であり、さらに好ましくは14N以上である。10N以上であると包装体に突起が接触した時にピンホールが発生しにくい。
ヒートシール性積層フィルムのヒートシール強度は、好ましくは20N/15mm以上であり、より好ましくは25N/15mm以上であり、更に好ましくは30N/15mm以上である。20N/15mm以上であると耐破袋性が得られやすい。ヒートシール強度は60N/15mmあれば非常に優れ、35N/15mmであれば十分である。
ヒートシール性積層フィルムは、ASTM D6866-18の放射性炭素(C14)測定によるバイオマス由来の炭素の含有量(バイオマス度ともいう)が、ヒートシール性積層フィルム中の全炭素に対して2~30%含まれることが好ましい。
[包装体]
本発明のヒートシール性積層フィルムは、食料品などの内容物を自然界の埃やガスなどから保護することを目的とする包装体に加工される。包装体はヒートシール性積層フィルムを加熱したヒートシールバーや超音波などで内面同士を接着し、袋状にするなどして製造される。例えば長方形の積層体2枚をシーラント側が内側になるよう重ね、四辺をヒートシールした四方シール袋に加工される。本発明のヒートシール性積層フィルムは、ボトムシール袋、サイドシール袋、三方シール袋、ピロー袋、スタンディングパウチ、ガゼット袋、角底袋などの包装体に加工できる。
本発明の包装体の耐落下破袋性は、好ましくは15回以上であり、より好ましくは20回以上であり、更に好ましくは22回以上である。15回以上であると食品の入った包装体を誤って落下させた時にも、破袋が発生しにくい。耐落下破袋性は30回程度あれば十分である。包装体の耐落下破袋性は、積層体の耐屈曲ピンホール性、突刺強度、ヒートシール強度に影響を受け、これらの特性が好ましい範囲とするのが良い。
フィルムの評価は次の測定法によって行った。特に記載しない場合は、測定は23℃、相対湿度65%の環境の測定室で行った。
(1)フィルムの厚み
得られたフィルムを縦方向に100mmの長さで10枚重ねで切り出し、温度23℃、相対湿度65%の環境下で2時間以上コンディショニングする。その後にフィルムの幅方向を10等分した位置(幅が狭いフィルムについては厚みを測定できる幅が確保できる幅になるよう当分する)について、テスター産業製厚み測定器を用いて厚みを測定し、その平均値を重ねたフィルムの枚数で除した値をフィルムの厚みとした。
A層(基材層)の厚みは、A層、B層及びC層の樹脂の吐出量の比をもとに算出した。
(2)ヘイズ値
フィルムのヘイズ値は、東洋精機製作所社製の直読ヘイズメーターを使用し、JIS K7105に準拠し測定した。
(3)バイオマス度
フィルムのバイオマス度は、ASTM D6866-18 Method B (AMS)に示された放射性炭素(C14)測定により行った。
(4)熱収縮率
フィルムの熱収縮率は、MD方向及びTD方向それぞれについて、試験温度160℃、加熱時間10分間とした以外は、JIS C2318に記載の寸法変化試験法に準じて下記式によって測定した。
熱収縮率=[(処理前の長さ-処理後の長さ)/処理前の長さ]×100(%)
(5)衝撃強度
フィルムの衝撃強度は、東洋精機製作所社製のフィルムインパクトテスターを使用し測定した。測定値は、厚み15μm当たりに換算してJ(ジュール)/15μmで表した。
(6)面配向度
サンプルはフィルムの幅方向の中央位置から取得した。サンプルについてJIS K 7142-1996 A法により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)を測定し、式(1)の計算式により面配向度を算出した。
面配向度(ΔP)=(nx+ny)/2-nz (1)
(7)突刺強度
フィルムの突刺強度は、食品衛生法における「食品、添加物等の規格基準 第3:器具及び容器包装」(昭和57年厚生省告示第20号)の「2.強度等試験法」に準拠して測定した。先端部直径0.7mmの針を、突刺速度50mm/分でフィルムに突刺、針がフィルムを貫通する際の強度を測定して、突刺強度とした。測定は常温(23℃)で行い、得られたフィルムの突刺強度(単位はN)をフィルムの実厚みで除した数値を突き刺し強度(単位N/μm)とした。
(8)濡れ張力
JIS-K6768プラスチック-フィルム及びシート-ぬれ張力試験方法に準拠してラミネート層表面の濡れ張力を測定した。
(9)ヒートシール開始温度
未延伸ポリオレフィンフィルムについて、JIS Z 1713(2009)に準拠してヒートシール開始温度を測定した。このとき、フィルムを50mm×250mm(フィルムの幅方向×長さ方向)の長方形の試験片(ヒートシール用)に裁断した。2枚の試験片のシール層部同士を重ね、株式会社東洋精機製作所製,熱傾斜試験機(ヒートシール試験機)を使用し、ヒートシール圧力を0.2MPa、ヒートシール時間を1.0secとした。そして、5℃ずつ傾斜をつけ昇温する条件にてヒートシールした。ヒートシール後、試験片を15mm幅で切り出した。ヒートシールにより融着した試験片を180°に開き、チャックに未シール部分を挟みシール部分を剥離した。そして、ヒートシール強度が4.9Nに到達した時点の温度を求めた。試験機はインストロンインスツルメンツ社製の万能材料試験機5965を使用した。試験速度は200mm/minとした。N=5で測定し、平均値を算出した。
[ヒートシール強度]
ヒートシール強度はJIS Z1707に準拠して測定した。具体的な手順を示す。ヒートシーラーにて、2枚のヒートシール性積層フィルムを用い、未延伸ポリオレフィンフィルムのシール層同士を接着した。ヒートシール条件は、上バー温度120℃、下バー30℃、圧力0.2MPa、時間2秒とした。接着サンプルは、シール幅が15mmとなるように切り出した。剥離強度は、引張試験機「AGS-KNX」(島津製作所製)を用いて引張速度200mm/分で測定した。剥離強度は15mmあたりの強度(N/15mm)で示す。
(10)耐屈曲ピンホール性
ヒートシール性積層フィルムを長手方向280mm、幅方向260mmに切り出した。未延伸ポリオレフィンフィルムが内側になるようにφ89mm、高さ260mmの円筒状にし、セロハンテープで固定した。テスター産業(株)製、恒温槽付ゲルボフレックステスターにサンプルを取付け、1℃1000回の屈曲負荷をかけた。サンプルを取り外し、ピンホールの数を測定した。未延伸ポリオレフィンフィルム側を下面にしてろ紙(アドバンテック、No.50)の上に置き、4隅をセロテープ(登録商標)で固定した。インク(パイロット製インキ(品番INK-350-ブルー)を純水で5倍希釈したもの)をテストフィルム上に塗布し、ゴムローラーを用いて一面に延展させた。不要なインクをふき取った後、テストフィルムを取り除き、ろ紙に付いたインクの点の数を計測した。N=3で測定し、平均値を算出した。
(11)耐落下破袋性
ヒートシール性積層フィルムを用いて、飽和食塩水を200ml封入した内寸縦170mm、横120mmの四方シール袋を作製した。この際のヒートシール条件は0.2MPaの圧力で1秒間、シールバーの幅10mm、ヒートシール温度160℃とした。製袋加工後に
四方シール袋の端部を切り落とし、シール幅は5mmとした。次に+5℃の環境に8時間放置し、その環境下において四方シール袋を1.2mの高さから面が水平になるように平坦なコンクリート床に落下させた。袋が破れるまで落下を繰り返し、繰り返しの落下回数を測定した。20個のサンプルについて繰り返し行い、平均値を計算した。
[製造例1]
<二軸延伸ポリアミドフィルム(ONY)の作製>
(ONY1)
押出機と380mm巾のTダイよりなる装置を使用し、Tダイから溶融した下記の樹脂組成物Aをフィルム状に押出し、20℃に温調した冷却ロールにキャストし静電密着させて厚み200μmの未延伸フィルムを得た。
樹脂組成物A:
ポリアミド6(東洋紡社製、相対粘度2.8、融点220℃)97質量部;
ポリアミド11(アルケマ社製、相対粘度2.5、融点186℃)3.0質量部;
多孔質シリカ微粒子(富士シリシア化学社製、平均粒子径2.0μm、細孔容積1.6ml/g)0.45質量部;及び
脂肪酸ビスアマイド(共栄社化学社製エチエンビスステアリン酸アミド)0.15質量部
得られた未延伸フィルムを、ロール式延伸機に導き、ロールの周速差を利用して、80℃でMD方向に1.73倍延伸した後、70℃でさらに1.85倍延伸した。引き続き、この一軸延伸フィルムを連続的にテンター式延伸機に導き、110℃で予熱した後、TD方向に120℃で1.2倍、130℃で1.7倍、160℃で2.0倍延伸して、218℃で熱固定処理した後、218℃で7%緩和処理を行い、ついで線状低密度ポリエチレンフィルムとドライラミネートする側の表面をコロナ放電処理して二軸延伸ポリアミドフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリアミドフィルムの評価結果を表1に示した。
(ONY2~ONY13)
原料樹脂組成物と熱固定温度などの製膜条件を表1のように変更した以外は、ONY1と同様の方法で二軸延伸フィルムを得た。得られた二軸延伸フィルムの評価結果を表1に示す。ただし、ONY13においてはTダイから溶融樹脂をフィルム状に安定して押出すことができず、均質な未延伸フィルムが得られなかったため二軸延伸ができなかった。
なお、少なくとも一部がバイオマス由来の原料を含むポリアミド樹脂であるポリアミド410、ポリアミド610、ポリアミド1010は、それぞれ下記のものを用いた。
ポリアミド410:(DSM社製、ECOPaXX Q150-E、融点250℃)
ポリアミド610:(アルケマ社製、RilsanS SMNO、融点222℃)
ポリアミド1010:(アルケマ社製、RilsanT TMNO、融点202℃)
[製造例2]
<未延伸ポリオレフィンフィルム(CPP)の作製>
(CPP1)
表2に示した各層の樹脂組成とその割合に基づき、原料を調整した。表2に記載の各層における調整物を100重量部%として、シール層には有機滑剤としてベヘニン酸アミドを360ppm、無機アンチブロッキング剤として平均粒径4μmのシリカを2000ppmとなるようにマスターバッチで添加した。コア層には有機滑剤としてベヘニン酸アミドを2700ppmマスターバッチで添加した。
(シール層で使用する原料)
PP-1: 住友化学社製 プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体 FL6745A(MFR6.0g/10min、融点130℃)
LL-1: ブラスケム社製 エチレン-ヘキセン共重合体(植物由来直鎖状低密度ポリエチレン) SLH218(MFR2.3g/min、密度916kg/m3、融点126℃)
シリカ粒子: 信越化学工業社製 非晶性シリカKMP130-4(平均粒径4μm)
有機滑剤: 日本精化社製 ベヘニン酸アミドBNT-22H
(コア層で使用する原料)
PP-2: 住友化学社製 プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体 FL8115A(MFR7.0g/10min、融点148℃)
PP-3: 住友化学社製 プロピレン単独重合体FLX80E4(MFR7.5g/10min、融点164℃)
LL-1: ブラスケム社製 エチレン-ヘキセン共重合体(植物由来直鎖状低密度ポリエチレン) SLH218(MFR2.3g/min、密度916kg/m3、融点126℃)
LL-2: 住友化学社製 エチレン-ヘキセン共重合体(化石燃料由来直鎖状低密度ポリエチレン) FV405(MFR4.0g/min、密度923kg/m3、融点118℃)
LDPE-1: ブラスケム社製 エチレン-ヘキセン共重合体(植物由来低密度ポリエチレン) SLH818(MFR8.1g/min、密度918kg/m3)
有機滑剤: 日本精化社製 ベヘニン酸アミドBNT-22H
(ラミネート層での使用する原料)
PP-2: 住友化学社製 プロピレン-エチレン-ブテンランダム共重合体 FL8115A(MFR7.0g/10min、融点148℃)
PP-3: 住友化学社製 プロピレン単独重合体FLX80E4(MFR7.5g/10min、融点164℃)
LL-1: ブラスケム社製 エチレン-ヘキセン共重合体(植物由来直鎖状低密度ポリエチレン) SLH218(MFR2.3g/min、密度916kg/m3、融点126℃)
LL-2: 住友化学社製 エチレン-ヘキセン共重合体(化石燃料由来直鎖状低密度ポリエチレン) FV405(MFR4.0g/min、密度923kg/m3、融点118℃)
LDPE-1: ブラスケム社製 エチレン-ヘキセン共重合体(植物由来低密度ポリエチレン) SLH818(MFR8.1g/min、密度918kg/m3)
これらの原料を表2に示す割合で均一になるように混合し、未延伸ポリオレフィンフィルムを製造するための混合原料を得た。
コア層に用いる混合原料をスクリュー直径90mmの3ステージ型単軸押出し機で、シール層用及びラミネート層用の混合原料をそれぞれ直径65mmおよび直径45mmの3ステージ型単軸押出し機を使用し、シール層/コア層/ラミネート層の順になるよう導入し、巾800mmでプレランドを2段階にし、かつ溶融樹脂の流れが均一になるように段差部分の形状を曲線状としてダイス内の流れが均一になるように設計したTスロット型ダイに導入し、ダイスの出口温度を230℃で押出した。ラミネート層/中間層/ヒートシール層の厚み比率はそれぞれ25%/50%/25%とした。
ダイスから出てきた溶融樹脂シートを35℃の冷却ロールで冷却し、厚みが30μmよりなる未延伸ポリオレフィンフィルムを得た。冷却ロールでの冷却に際しては、エアーノズルで冷却ロール上のフィルムの両端を固定し、エアーナイフで溶融樹脂シートの全幅を冷却ロールへ押さえつけ、同時に真空チャンバーを作用させ溶融樹脂シートと冷却ロールの間への空気の巻き込みを防止した。エアーノズルは、両端ともフィルム進行方向に直列に設置した。ダイス周りはシートで囲い、溶融樹脂シートに風が当たらないようした。また、真空チャンバーの吸引口の方向を押出されたシートの進行方向に合わせた。
フィルムのラミネート層の表面にコロナ処理(電力密度20W・min/m2)を施した。製膜速度は20m/分で実施した。製膜したフィルムは耳部分をトリミングし、ロール状態にして巻き取った。
(CPP2~CPP5、CPP7~CPP9、CPP13
CPP1において、表2に示す原料を使用し、同様の方法で表2に示した厚みの未延伸ポリオレフィンフィルムを得た
PP1~CPP5、CPP7~CPP9、CPP13のフィルムの評価結果を表2に示した。
[実施例及び比較例]
<ヒートシール性積層フィルムの作製>
製造例1及び製造例2で得られた二軸延伸ポリアミドフィルムと未延伸ポリオレフィンフィルムとを、主剤(東洋モートン社製、TM569)33.6質量部と硬化剤(東洋モートン社製、CAT10L)4.0質量部と酢酸エチル62.4質量部を混合して得られたエステル系接着剤を用いて、その塗布量が3.0g/m2となるよう二軸延伸ポリアミドフィルムに塗布し、ドライラミネートした。これを巻き取ったものを40℃に保ち、3日間エージングを行った後、ヒートシール性積層フィルムの評価を行った。
表3に示した二軸延伸ポリアミドフィルムと未延伸ポリオレフィンフィルムの組み合わせでヒートシール性積層フィルムを作製して評価を行った。結果を表3に示した。
表3に示したとおり、実施例のヒートシール性積層フィルムは、バイオマス度を高くしてもヒートシール強度、耐屈曲ピンホール性、耐落下破袋性の良好なフィルムが得られた。
一方、比較例1及び2の耐屈曲ピンホール性を改質する材料を含まない二軸延伸ポリアミドフィルムと比較例3のポリアミド11の含有量が少なすぎる二軸延伸ポリアミドフィルムを用いたヒートシール性積層フィルムは、耐屈曲ピンホール性が劣っていた。
比較例4では、直鎖状低密度ポリエチレンがコア層、ラミネート層に添加されていないために、耐屈曲ピンホール性に劣るものであった。
比較例5では、シール層とコア層における直鎖状低密度ポリエチレン含有量の差が大きいため、ヒートシール強度に劣るものであった
較例9では、コア層に直鎖状低密度ポリエチレンが含有されるが、ラミネート層に直鎖状低密度ポリエチレンが含有されていないために、耐屈曲ピンホール性に劣るものであった
本発明のヒートシール性積層フィルムは、耐衝撃性及び耐屈曲ピンホール性が同時に優れていることから、食品包装等の包装材料の用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも基材層及びシーラント層を有するヒートシール性積層フィルムであって、
    前記基材層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、前記二軸延伸ポリアミドフィルムは、ポリアミド樹脂として、ポリアミド6を70~99質量%と、原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドを1~30質量%含み、
    前記シーラント層は未延伸ポリオレフィンフィルムであり、前記未延伸ポリオレフィンフィルムは、ポリプロピレン系樹脂を70~95質量%と、原料の少なくとも一部がバイオマス由来である直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂を5~30質量%含み、
    前記シーラント層が、シール層、コア層及びラミネート層を有し、
    シール層を構成する樹脂組成物が、プロピレンーαオレフィンランダム共重合体を94~100質量%と、直鎖状低密度ポリエチレンを0~3質量%を含み、
    コア層を構成する樹脂組成物が、プロピレンーαオレフィンランダム共重合体を25~97質量%と、直鎖状低密度ポリエチレンを3~40質量%を含み、
    ラミネート層を構成する樹脂組成物が、プロピレンーαオレフィンランダム共重合体を25~70質量%と、直鎖状低密度ポリエチレンを3~50質量%を含み、
    前記シーラント層内において、前記基材層に接する面から、ラミネート層、コア層、シール層の順に存在する、ヒートシール性積層フィルム。
  2. 前記基材層における炭素14の含有量が基材層中の全炭素に対して1~30%である、請求項1に記載のヒートシール性積層フィルム。
  3. 前記基材層における原料の少なくとも一部がバイオマス由来であるポリアミドが、ポリアミド11、ポリアミド410、ポリアミド610、及びポリアミド1010からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミドである、請求項1又は2に記載のヒートシール性積層フィルム。
  4. 前記シーラント層における炭素14の含有量がシーラント層中の全炭素に対して3~30%である、請求項1~3のいずれか一項に記載のヒートシール性積層フィルム。
  5. 積層フィルムにおける炭素14の含有量が積層フィルム中の全炭素に対して2~30%である、請求項1~のいずれか一項に記載のヒートシール性積層フィルム。
  6. 請求項1~のいずれか一項に記載のヒートシール性積層フィルムを用いた包装体。
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