JP7644892B2 - 高減衰ゴム組成物とそれを用いた粘弾性ダンパ - Google Patents
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Description
本発明の目的は、風揺れのような低歪の揺れから地震による高歪の揺れまでの広い範囲で、振動を良好に減衰できる粘弾性体を、よりコスト安価に製造できる高減衰ゴム組成物と、当該高減衰ゴム組成物からなる粘弾性体を備えた粘弾性ダンパとを提供することにある。
また本発明は、かかる本発明の高減衰ゴム組成物の架橋物からなる粘弾性体を含む粘弾性ダンパである。
上述したように、本発明の高減衰ゴム組成物は、スチレン含量が25質量%以上のスチレンブタジエンゴム(SBR)を含むゴム、および前記ゴムの総量100質量部あたり95質量部以上、165質量部以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする。
かかる本発明の高減衰ゴム組成物によれば、SBRとカーボンブラックとの相互作用によって、粘弾性体に、粘弾性ダンパの減衰性能に寄与するヒステリシスロスを生じさせることができる。
・ SBRとして、上記のようにスチレン含量が25質量%以上である特定のSBRを選択して用いることと、
・ カーボンブラックの割合を、上記特定のSBRを少なくとも含むゴムの総量100質量部あたり、95質量部以上とすることと
によって、上述したSBRとカーボンブラックとの相互作用を高め、より強いヒステリシスロスを生じさせて、風揺れのような低歪の揺れから地震による高歪の揺れまでの広い範囲の振動に対する、粘弾性体の減衰率を向上することができる。
したがって、本発明の高減衰ゴム組成物によれば、風揺れのような低歪の揺れから地震による高歪の揺れまでの広い範囲で、振動を良好に減衰できる粘弾性体を、特殊な材料を用いることなく汎用の材料のみを用いて、よりコスト安価に製造することが可能となる。
〈ゴム〉
(SBR)
SBRとしては、スチレンと1,3-ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRのうち、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRを選択して用いる。
これに対し、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRを選択して用いることによって、前述したように、低歪の揺れから高歪の揺れまでの広い範囲で粘弾性体の減衰率を向上して、振動を良好に減衰することができる。
ただし粘弾性体に、ゴムとしての良好な特性、すなわち柔軟でしかも圧縮永久ひずみが小さくヘタリを生じにくい特性を付与すること等を考慮すると、上記特定のSBRとしては、上記の範囲でも、スチレン含量が28質量%以上、とくに30質量%以上であるSBRを用いるのが好ましく、スチレン含量が50質量%以下、とくに40質量%以下であるSBRを用いるのが好ましい。
かかる、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRの具体例としては、これに限定されるものではないが、たとえば、下記の各種SBRが挙げられる。
住友化学(株)製のSE6701〔スチレン含量:30.0質量%、油展タイプ、油展量:15phr〕、SE0372〔スチレン含量:33.0質量%、油展タイプ、油展量:20phr〕。
これらの、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRの、1種または2種以上を用いることができる。
ゴムとしては、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRのみを用いてもよいし、当該特定のSBRとともに、他のゴムを併用してもよい。
他のゴムとしては、たとえば天然ゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)等が挙げられる他、スチレン含量が25質量%未満のSBRを用いることもできる。
IRとしては、天然ゴムの構造を人工的に再現したポリイソプレン構造を有し、なおかつ架橋性を有する上、架橋前に室温で固形状を呈する種々のIRの1種または2種以上が、いずれも使用可能である。
とくに、高温から低温までの広い温度範囲でゴムとしての良好な特性を発現しうる、シス-1,4結合の含量が95%以上の高シスBRが好ましい。
またBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、このいずれのタイプのBRを用いてもよい。
さらにSBRとしては、前述したように、スチレンと1,3-ブタジエンとを乳化重合法、溶液重合法等の種々の重合法によって共重合させて合成される種々のSBRのうち、スチレン含量が25質量%未満である種々のSBRを用いることができる。
またSBRとしては、伸展油を加えて柔軟性を調整した油展タイプのものと、加えない非油展タイプのものとがあるが、本発明では、このいずれのタイプのSBRを用いてもよい。
ただし、前述したカーボンブラックとの併用による本発明の効果をより一層向上することを考慮すると、ゴムとしては、先に説明した、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRを、ゴムの総量100質量部中の90質量部以上の割合で用いるのが好ましく、とくに上記他のゴムを併用せず、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRのみ(2種以上の特定のSBRを併用する場合を含む)を用いるのがさらに好ましい。
カーボンブラックとしては、製造方法等によって分類される種々のカーボンブラックのうち、たとえばファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の、充填剤として機能しうるカーボンブラックの1種または2種以上を用いることができる。
カーボンブラックの具体例としては、これに限定されないが、たとえば下記の各種カーボンブラックが挙げられる。
これらカーボンブラックの、1種または2種以上を用いることができる。
カーボンブラックの割合は、先に説明したように、ゴムの総量100質量部あたり95質量部以上、165質量部以下に限定される。
この理由は、先に説明したとおりである。
すなわち、カーボンブラックの割合がこの範囲未満では、特定のSBRとの相互作用によって、低歪の揺れから高歪の揺れまでの広い範囲での粘弾性体の減衰率を向上して、振動を良好に減衰する効果が十分に得られないためである。
これに対し、カーボンブラックの割合を上記の範囲とすることによって、特定のSBRとの相互作用によって、低歪の揺れから高歪の揺れまでの広い範囲での粘弾性体の減衰率を向上して、振動を良好に減衰することができる。
また、SBR等のゴムとして油展タイプのものを使用する場合、上記の割合は、当該油展タイプのゴム中に含まれる伸展油を除外した、固形分としてのゴム自体の総量100質量部あたりの割合とする(以下同様)。
ゴムを架橋させるため、高減衰ゴム組成物には架橋成分を配合する。
架橋成分としては、架橋剤と架橋促進剤とを併用する。
(架橋剤)
架橋剤としては、とくに硫黄系架橋剤が好ましい。
硫黄等の架橋剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.8質量部以上、とくに0.9質量部以上であるのが好ましく、2.2質量部以下、中でも2.1質量部以下、とくに2質量部以下、とりわけ1.9質量部以下であるのが好ましい。
また、たとえば、硫黄としてオイル処理粉末硫黄、分散性硫黄等を使用する場合、上記の割合は、それぞれの中に含まれる有効成分としての硫黄自体の割合とする。
架橋剤は、ゴムを架橋させることで、当該ゴムの運動を抑制して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対して強いヒステリシスロスを生じさせるために機能する。
一方、架橋剤の割合が上記の範囲を超える場合には、架橋によって粘弾性体の剛性が高くなりすぎて、とくに地震による高歪の揺れに対する、粘弾性体の減衰率が低下する場合がある。
(架橋促進剤)
架橋促進剤としては、たとえば、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤等が挙げられる。
このうちスルフェンアミド系促進剤としては、たとえば、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等の1種または2種以上を用いることができる。
架橋促進剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、2.2質量部以下、とくに2質量部以下であるのが好ましい。
架橋促進剤は、架橋剤による、ゴムを架橋させることで、当該ゴムの運動を抑制して、とくに風揺れのような低歪の揺れに対して強いヒステリシスロスを生じさせる機能を補助する働きをする。
しかし、架橋促進剤の割合が上記の範囲未満ではかかる機能が十分に得られず、低歪の揺れに対する粘弾性体の減衰率が低下する場合がある。
これに対し、架橋促進剤の割合を上記の範囲とすることによって、低歪の揺れから高歪の揺れまでの広い範囲での粘弾性体の減衰率を向上して、振動を良好に減衰することができる。
本発明の高減衰ゴム組成物には、上記の各成分に加えて、さらにプロセスオイル、粘着性付与剤、軟化剤、老化防止剤、架橋助剤等を、適宜の割合で配合してもよい。
(プロセスオイル)
プロセスオイルとしては、高減衰ゴム組成物の可塑剤、加工助剤等として機能し得る種々のプロセスオイルが使用可能である。
プロセスオイルを少なくとも含むオイルの割合は、カーボンブラック100質量部あたり35質量部以下であるのが好ましい。
また、高減衰ゴム組成物の加工性を向上することを考慮すると、オイルの割合は、カーボンブラック100質量部あたり30質量部以下であるのがとくに好ましい。
また、調製した高減衰ゴム組成物が柔らかすぎて、混練後に混練機の外へ引っ張り出そうとすると大きく伸びるなどして、全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまったり、粘弾性体の形状に成形加工するのが容易でなくなったりする場合もある。
これに対し、オイルの割合を上記の範囲とすることにより、混練しやすい状態を維持しながら高減衰ゴム組成物を調製することができ、かつ調製した高減衰ゴム組成物が柔らかくなりすぎるのを抑制しながら粘弾性体を製造することができる。
すなわち、高減衰ゴム組成物の加工性を向上することができる。
また前述したように、ゴムとして油展ゴムを使用する場合は、当該油展ゴム中に含まれる伸展油の量を含めたオイルの総量が上記の範囲となるように、プロセスオイルの割合を調整すればよい。
粘着性付与剤としては、たとえばテルペン系樹脂、ロジン系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
このうちテルペン系樹脂としては、たとえばα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、およびこれら樹脂の水素化物、ならびにこれらの樹脂に無水マレイン酸を付加した変性物が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、たとえばロジンと多価アルコールとのエステルやロジン変性マレイン酸樹脂等の、構成成分としてロジンを含む樹脂であって、粘着性付与剤として機能して粘弾性体の減衰性能を向上する効果を有する種々の誘導体が使用可能である。
ロジン系樹脂としては、たとえばガムロジン、ウッドロジン、トールロジン等のロジンや、当該ロジンを原料とした水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、(メタ)アクリル酸変性ロジン、アルコールと縮合したエステル化ロジン、フェノール変性ロジンなどが挙げられる。
荒川化学工業(株)製のパインクリスタル(登録商標)シリーズのうちKR-85(軟化点:80~87℃)、KR-612(軟化点:80~90℃)、KR-614(軟化点:84~94℃)、KE-100(軟化点:95~105℃)、KE-311(軟化点:90~100℃)、KE-359(軟化点:94~104℃)、KE-604(軟化点:124~134℃)。
ハリマ化成(株)製の商品名ハリマックシリーズのうち145P(軟化点:138℃)、135GN(軟化点:139℃)、AS-5(軟化点:165℃)。
さらに石油系樹脂としては、たとえばジシクロペンタジエン系樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9系石油樹脂、およびこれら樹脂の水素化物、ならびにこれらの樹脂に環状の多塩基酸無水物を付加した変性物などが挙げられる。
中でも、ジシクロペンタジエン系樹脂、および/またはC9系石油樹脂が好ましい。
また、C9系石油樹脂の具体例としては、これに限定されないが、たとえば東ソー(株)製のペトコール(登録商標)LX(重量平均分子量1400、軟化点98℃)等が挙げられる。
粘着性付与剤の割合は、カーボンブラック100質量部あたり80質量部以下、とくに70質量部以下であるのが好ましい。
また、高減衰ゴム組成物の加工性を向上することを考慮すると、粘着性付与剤の割合は、カーボンブラック100質量部あたり60質量部以下であるのがとくに好ましい。
すなわち、高減衰ゴム組成物のもとになる混合物の粘性や粘着性が高すぎて混練しにくい状態となって、当該高減衰ゴム組成物を調製するのが容易でなくなる場合がある。
また、調製した高減衰ゴム組成物の粘着性が高すぎて、混練後に全量を混練機から取り出すのに時間がかかってしまったり、粘弾性体の形状に成形加工するのが容易でなくなったりする場合もある。
つまり、高減衰ゴム組成物の加工性を向上することができる。
なお、2種以上の粘着付与剤を併用する場合は、その合計の割合を、上記の範囲とすればよい。
軟化剤は、高減衰ゴム組成物の加工性をさらに向上するための成分であって、当該軟化剤としては、たとえば石炭系樹脂が挙げられる。
また石炭系樹脂としては、たとえばクマロン樹脂、クマロン・インデン樹脂、およびこれら樹脂の水素化物、ならびにこれらの樹脂に環状の多塩基酸無水物を付加した変性物などが挙げられる。
クマロン・インデン樹脂としては、主にクマロンとインデンの重合物からなり、平均分子量1000以下程度の比較的低分子量であって、軟化剤として機能しうる種々のクマロン・インデン樹脂が使用可能である。
クマロン・インデン樹脂としては、これに限定されないが、たとえば日塗化学(株)製のニットレジン(登録商標)クマロンG-90〔平均分子量:770、軟化点:90℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:25KOHmg/g、臭素価9g/100g〕、G-100N〔平均分子量:730、軟化点:100℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:25KOHmg/g、臭素価11g/100g〕、V-120〔平均分子量:960、軟化点:120℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:30KOHmg/g、臭素価6g/100g〕、V-120S〔平均分子量:950、軟化点:120℃、酸価:1.0KOHmg/g以下、水酸基価:30KOHmg/g、臭素価7g/100g〕等の1種または2種以上を用いることができる。
(老化防止剤)
老化防止剤としては、たとえば、ベンズイミダゾール系、キノン系、ポリフェノール系、アミン系等の各種老化防止剤の1種または2種以上を用いることができ、とくにベンズイミダゾール系老化防止剤とキノン系老化防止剤を併用するのが好ましい。
ベンズイミダゾール系老化防止剤の割合は、ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上であるのが好ましく、5質量部以下であるのが好ましい。
またキノン系老化防止剤の具体例としては、たとえば、丸石化学品(株)製のアンチゲンFR〔芳香族ケトン-アミン縮合物〕等を用いることができる。
(架橋助剤)
架橋助剤としては、たとえば酸化亜鉛等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸その他、従来公知の架橋助剤の1種または2種以上を用いることができ、とくに酸化亜鉛とステアリン酸とを併用するのが好ましい。
〈高減衰ゴム組成物〉
上記各成分を含む本発明の高減衰ゴム組成物によれば、たとえば、ビル等の建築物の基礎に組み込まれる免震用の粘弾性支承や、あるいは建築物の構造中に組み込まれる制振(制震)用の粘弾性ダンパを構成する粘弾性体を形成することができる。
しかも本発明によれば、スチレン含量が25質量%以上である特定のSBRを含むゴムやカーボンブラック、架橋成分その他、各種成分の種類、組み合わせ、および割合を調整することにより、それぞれの粘弾性体を、それぞれの用途に適した優れた減衰性能を有するものとすることができる。
とくに、本発明の高減衰ゴム組成物を形成材料として用いて、高層ビルなどに組み込まれる、粘弾性ダンパとしてのビル用制振ダンパの粘弾性体を形成した場合には、風揺れのような低歪の揺れから、地震による高歪の揺れまで、広い範囲の揺れを有効に抑えることができる。
〈実施例1〉
SBR〔住友化学(株)製のSE6701、スチレン含量:30.0質量%、油展タイプ、油展量:15phr〕115質量部(固形分としてのSBR:100質量部)、およびカーボンブラック〔東海カーボン(株)製のシースト3(HAF)〕140質量部に、下記表1に示す各成分を配合して、密閉式混練機を用いて混練した。
プロセスオイル:ナフテン系、三共油化工業(株)製のA/Oミックス
ジシクロペンタジエン系樹脂:粘着性付与剤、丸善石油化学(株)製のマルカレッツM890A
C9系石油樹脂:粘着性付与剤、東ソー(株)製のペトコールLX
ベンズイミダゾール系老化防止剤:2-メルカプトベンズイミダゾール、大内新興化学工業(株)製のノクラック(登録商標)MB
キノン系老化防止剤:丸石化学品(株)製のアンチゲンFR
クマロン・インデン樹脂:軟化点90℃、日塗化学(株)製のニットレジン クマロンG-90
酸化亜鉛2種:三井金属鉱業(株)製
ステアリン酸:日油(株)製の「つばき」
次いで、下記表2に示す架橋成分を加えてさらに混練して、高減衰ゴム組成物を調製した。
5%オイル処理粉末硫黄:加硫剤、鶴見化学工業(株)製、硫黄自体の量は1.425質量部
スルフェンアミド系促進剤:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、川口化学工業(株)製のACCEL(登録商標)CZ
チウラム系促進剤:テトラエチルチウラムジスルフィド、川口化学工業(株)製のACCEL TET
固形分としてのSBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は140質量部、架橋剤としての硫黄自体の割合は1.425質量部、2種の架橋促進剤の合計の割合は1.0質量部であった。
〈実施例2〉
SBRとして、スチレン含量が37.0質量%である油展タイプのSBR〔JSR(株)製のJSR0122、スチレン含量:37.0質量%、油展タイプ、油展量:25.4phr〕125.4質量部(固形分としてのSBR:100質量部)を用い、かつプロセスオイルの量を15.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりの、伸展油を含めたオイルの割合は28.9質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は57.1質量部であった。
SBRとして、スチレン含量が40.0質量%である油展タイプのSBR〔日本ゼオン(株)製のNipоl 1739〔スチレン含量:40.0質量%、油展タイプ、油展量:37.5phr〕137.5質量部(固形分としてのSBR:100質量部)を用い、かつプロセスオイルの量を3.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりの、伸展油を含めたオイルの割合は28.9質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は57.1質量部であった。
油展SBR115質量部あたりの、カーボンブラックの量を100質量部、プロセスオイルの量を14.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
固形分としてのSBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は100質量部、架橋剤としての硫黄自体の割合は1.425質量部、2種の架橋促進剤の合計の割合は1.0質量部であった。
〈実施例5〉
油展SBR115質量部あたりの、カーボンブラックの量を160質量部、プロセスオイルの量を30.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりの、伸展油を含めたオイルの割合は28.1質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は50.0質量部であった。
油展SBR115質量部あたりの、プロセスオイルの量を30.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
固形分としてのSBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は140質量部、架橋剤としての硫黄自体の割合は1.425質量部、2種の架橋促進剤の合計の割合は1.0質量部であった。
〈実施例7〉
油展SBR115質量部あたりの、プロセスオイルの量を15.0質量部、粘着性付与剤のうちジシクロペンタジエン系樹脂の量を50.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりの、伸展油を含めたオイルの割合は21.4質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は64.3質量部であった。
油展SBR115質量部あたりの、プロセスオイルの量を30.0質量部、粘着性付与剤のうちジシクロペンタジエン系樹脂の量を50.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
固形分としてのSBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は140質量部、架橋剤としての硫黄自体の割合は1.425質量部、2種の架橋促進剤の合計の割合は1.0質量部であった。
〈実施例9〉
油展SBR115質量部あたりの、5%オイル処理粉末硫黄の量を1.0質量部(硫黄自体の量は0.95質量部)としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりの、伸展油を含めたオイルの割合は28.6質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は57.1質量部であった。
油展SBR115質量部あたりの、5%オイル処理粉末硫黄の量を2.0質量部(硫黄自体の量は1.90質量部)としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
固形分としてのSBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は140質量部、架橋剤としての硫黄自体の割合は1.90質量部、2種の架橋促進剤の合計の割合は1.0質量部であった。
〈実施例11〉
架橋促進剤のうちチウラム系促進剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりの、伸展油を含めたオイルの割合は28.6質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は57.1質量部であった。
SBRとして、スチレン含量が23.5質量%である非油展タイプのSBR〔JSR(株)製のJSR1502、スチレン含量:23.5質量%、非油展タイプ〕100質量部を用い、かつカーボンブラックの量を160質量部、プロセスオイルの量を30.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりのプロセスオイルの割合は18.8質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は50.0質量部であった。
油展SBR115質量部あたりの、カーボンブラックの量を90質量部、プロセスオイルの量を10.0質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
固形分としてのSBR100質量部あたりの、カーボンブラックの割合は90質量部、架橋剤としての硫黄自体の割合は1.425質量部、2種の架橋促進剤の合計の割合は1.0質量部であった。
〈比較例3〉
油展SBR115質量部あたりの、カーボンブラックの量を170質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰ゴム組成物を調製した。
また、カーボンブラック100質量部あたりの、伸展油を含めたオイルの割合は23.5質量部、2種の粘着性付与剤の合計の割合は47.1質量部であった。
(試験体の作製)
実施例、比較例で製造した高減衰ゴム組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように、平面形状が矩形の平板1(厚み8mm×縦40mm×横40mm)を形成した。
そして上記積層体を、積層方向に加圧しながら170℃に加熱して、平板1を形成する高減衰ゴム組成物を架橋させるとともに、当該平板1を2枚の鋼板2と加硫接着させて、粘弾性体のモデルとしての減衰性能評価用の試験体3を作製した。
上記試験体3を、図2(a)に示すように2個用意し、この2個の試験体3を、それぞれ、一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4に固定するとともに、両試験体3の、他方の鋼板2に、それぞれ1枚ずつの左右固定治具5を固定した。
次いで中央固定治具4を、図示しない試験機の上側の固定アーム6に、ジョイント7を介して固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、上記試験機の下側の可動盤8に、ジョイント9を介して固定した。
次いで、下記(I)(II)の操作を1サイクルとして、平板1を繰り返し歪み変形、すなわち振動させた際の、当該平板1の厚みと直交方向の変位量(mm)と、荷重(N)との関係を示すヒステリシスループH(図3参照)を求めた。
(II):上記の状態から、可動盤8を、今度は図2(b)中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向と反対方向に引き下げるように変位させて、図2(a)に示す状態に戻す。
各サイクルにおける最大変位量は、いずれも平板1を挟む2枚の鋼板2の、当該平板1の厚み方向と直交方向のずれ量が、平板1の厚みに対して、下記の値となるように設定した。
・ 風揺れのような低歪の揺れを再現した2%
・ 地震による高歪の揺れを再現した100%
測定によって求めた図3のヒステリシスループHから、式(i):
式中、Keq(N/mm)は、ヒステリシスループHの最大変位点と最小変位点とを結ぶ、図3中に太線の実線で示す直線L1の傾き、T(mm)は平板1の厚み、A(mm2)は平板1の断面積である。
また、図3のヒステリシスループHから、式(ii):
式中のΔWは、図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量である。
またWは、同図中に網線を付して示した、直線L1と、グラフの横軸と、直線L1とヒステリシスループHとの交点から上記横軸におろした垂線L2とで囲まれた三角形の領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーである。
風揺れのような低歪の揺れを再現した、最大変位量2%の試験では、等価せん断弾性率Geqは、10N/mm2以下を合格(○)、10N/mm2超を不合格(×)と評価し、等価減衰定数Heqは、0.25以上を合格(○)、0.25未満を不合格(×)と評価した。
以上の結果を、表3~表5に示す。
またオイルの欄の「伸展油」は、SBR中の伸展油の質量部を示す。
粘着付与剤の欄の「M890」はマルカレッツM890A、「LX」はペトコールLXを示す。
また実施例1~3の結果より、SBRとしては、スチレン含量が25質量%以上である種々のSBRが使用可能であることが判った。
さらに実施例1~5、実施例9~11は、実施例6~8よりも混練、および成形加工が容易で加工性が良好であったことから、加工性の観点からは、カーボンブラック100質量部あたりの、オイルの割合は30質量部以下であるのが好ましく、粘着性付与剤の割合は、60質量部以下であるのが好ましいことが判った。
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント
H ヒステリシスループ
L1 直線
L2 垂線
W 弾性歪みエネルギー
ΔW 吸収エネルギー量
Claims (4)
- スチレン含量が25質量%以上のスチレンブタジエンゴムを含むゴム、および前記ゴムの総量100質量部あたり95質量部以上、165質量部以下のカーボンブラックを含む高減衰ゴム組成物。
- さらに、前記ゴムを架橋させるための架橋成分として架橋剤を含み、前記架橋剤の割合は、前記ゴムの総量100質量部あたり0.8質量部以上、2.2質量部以下である請求項1に記載の高減衰ゴム組成物。
- 前記架橋成分として、さらに架橋促進剤を含み、前記架橋促進剤の割合は、前記ゴムの総量100質量部あたり0.5質量部以上、2.2質量部以下である請求項2に記載の高減衰ゴム組成物。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高減衰ゴム組成物の架橋物からなる粘弾性体を含む粘弾性ダンパ。
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